JPWO2015147035A1 - シクロペンチルアルキルエーテル化合物の製造方法 - Google Patents

シクロペンチルアルキルエーテル化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、酸性ゼオライトの存在下に、置換基を有していてもよいシクロペンテンと、式(2):R1OH(式中、R1は置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、又は置換基を有していてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基を表す。)で表されるアルコール化合物を反応させる、式(1):R1−O−R2(式中、R1は前記と同じ意味を表し、R2は、置換基を有していてもよいシクロペンチル基を表す。)で表されるシクロペンチルアルキルエーテル化合物の製造方法である。本発明によれば、液相でも反応でき、かつ、原料供給を大きくした場合であっても、高い反応効率でシクロペンチルアルキルエーテルを製造することができる方法が提供される。

Description

本発明は、電子部品・精密機械部品の洗浄用溶剤、化学反応用溶剤、抽出用溶剤、結晶化用溶剤、クロマトグラフィー溶離液、電子・電気材料の溶剤及び剥離剤等として有用なシクロペンチルアルキルエーテル化合物を、工業的に有利に製造する方法に関する。
従来、固体酸触媒の存在下、オレフィンとアルコールの付加反応によりエーテル類を製造する方法が知られている。
例えば、特許文献1には、触媒として、含水量が5重量%以下の酸性イオン交換樹脂を用いる、シクロペンチルメチルエーテルの製造方法が開示されている。しかしながら、この方法は、酸性イオン交換樹脂の劣化を抑えるために、気相で反応させる必要があり、反応収率が低いという問題があった。
また、特許文献2には、触媒として結晶性アルミノシリケートを用いる、メチル−t−ブチルエーテルの製造方法が、特許文献3には、触媒として外表面酸点の多い特殊なアルミノシリケートを用いる、シクロヘキシルメチルエーテルの製造方法が、特許文献4には、触媒として、特定量の結晶水を有するタングステンの酸化物を用いる、シクロヘキシルメチルエーテルの製造方法がそれぞれ記載されている。
しかしながら、特許文献2〜4には、実際にシクロペンチルメチルエーテルを製造した旨の記載はない。
本発明に関連して、特許文献4には、シクロヘキセンとメタノールの反応に、ハイシリカゼオライト(H−ZSM−5)を使用した場合、得られるメチルシクロヘキシルエーテルの収率はわずか3.7%であったと記載されている。
国際公開2003−2500号パンフレット 特開昭59−25345号公報 特開昭61−249945号公報 特開平5−163188号公報
本発明は、上記した従来技術に鑑みてなされたものであり、液相でも反応でき、かつ、原料供給を大きくした場合であっても、高い反応効率でシクロペンチルアルキルエーテルを製造することができる方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、酸性ゼオライトの存在下に、シクロペンテン類とアルコール化合物とを、例えば、液体状態で反応させると、原料供給量を大きくした場合でも、高い反応効率でシクロペンチルアルキルエーテルを安定して製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、〔1〕〜〔4〕のシクロペンチルアルキルエーテル化合物の製造方法が提供される。
〔1〕酸性ゼオライトの存在下に、置換基を有していてもよいシクロペンテンと、式(2):ROH(式中、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、又は置換基を有していてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基を表す。)で表されるアルコール化合物を反応させることを特徴とする、式(1):R−O−R(式中、Rは前記と同じ意味を表し、Rは、置換基を有していてもよいシクロペンチル基を表す。)で表されるシクロペンチルアルキルエーテル化合物の製造方法。
〔2〕前記式(1)におけるRが炭素数1〜10のアルキル基である、〔1〕に記載のシクロペンチルアルキルエーテル化合物の製造方法。
〔3〕前記酸性ゼオライトが、H−ZSM−5型である、〔1〕又は〔2〕に記載のシクロペンチルアルキルエーテル化合物の製造方法。
〔4〕前記反応を流通式で行なう、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のシクロペンチルアルキルエーテル化合物の製造方法。
本発明の製造方法によれば、液相でも反応でき、かつ、原料供給を大きくした場合であっても、高い反応効率でシクロペンチルアルキルエーテルを製造することができる。
本発明の製造方法によれば、目的とするシクロペンチルアルキルエーテル化合物を、工業的に有利に製造することができる。
本発明の製造方法を実施するための反応装置の模式図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、酸性ゼオライトの存在下に、置換基を有していてもよいシクロペンテンと、式(2):ROHで表されるアルコール化合物(以下、「アルコール化合物(2)」ということがある。)とを反応させる、式(1):R−O−Rで表されるシクロペンチルアルキルエーテル化合物の製造方法である。本明細書において、「置換基を有していてもよい」とは、「無置換又は置換基を有する」という意味である。
本発明の製造方法は、置換基を有していてもよいシクロペンテンと、アルコール化合物(2)とを反応させるものである。
本発明に用いる置換基を有していてもよいシクロペンテン(以下、「シクロペンテン類」ということがある。)の置換基としては、反応条件下において不活性な基であれば、特に限定されない。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、sec−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、sec−ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、sec−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基等の炭素数1〜4のアルキルチオ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;フェニル基等のアリール基;等が挙げられる。
シクロペンテン類の具体例としては、シクロペンテン;1−メチルシクロペンテン、2−メチルシクロペンテン、3−メチルシクロペンテン、3−エチルシクロペンテン、3−sec−ブチルシクロペンテン、2−t−ブチルシクロペンテン、1,3−ジメチルシクロペンテン等のアルキルシクロペンテン;3−メトキシシクロペンテン、3−エトキシシクロペンテン、2−sec−ブトキシシクロペンテン、3−t−ブトキシシクロペンテン等のアルコキシシクロペンテン;3−メチルチオシクロペンテン、3−エチルチオシクロペンテン、2−sec−ブチルチオシクロペンテン、3−t−ブチルチオシクロペンテン等のアルキルチオシクロペンテン;1−フルオロシクロペンテン、2−クロロシクロペンテン、3−クロロシクロペンテン、2−ブロモシクロペンテン、3−ブロモシクロペンテン等のハロゲン化シクロペンテン;1−フェニルシクロペンテン等のアリールシクロペンテン;等が挙げられる。
本発明に用いるアルコール化合物(2)は、式(2):ROHで表される化合物である。式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、又は置換基を有していてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基を表す。
置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基の炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基の炭素数3〜8のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基の置換基としては、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基等の炭素数1〜10のアルキルチオ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;等が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基の置換基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等の炭素数1〜10のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基等の炭素数1〜10のアルキルチオ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;等が挙げられる。
置換基を有する炭素数3〜8のシクロアルキル基としては、2−メトキシ−シクロプロピル基、3−エトキシ−シクロヘキシル基等の炭素数1〜10のアルコキシ基を置換基として有するシクロアルキル基;2−メチルチオ−シクロプロピル基、3−エチルチオ−シクロヘキシル基等の炭素数1〜10のアルキルチオ基を置換基として有するシクロアルキル基;2−クロロ−シクロプロピル基、3−ブロモ−シクロヘキシル基等のハロゲン化シクロアルキル基;等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましい。
アルコール化合物(2)の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール等の、前記式(2)においてRが炭素数1〜10のアルキル基であるアルコール化合物;
メトキシメチルアルコール、1−メトキシエチルアルコール、2−メトキシエチルアルコール、2−エトキシ−tert−ブチルアルコール、2−エトキシ−n−ヘキシルアルコール等のアルコキシアルキルアルコール;メチルチオメチルアルコール、1−メチルチオエチルアルコール、2−メチルチオ−tert−ブチルアルコール、3−メチルチオ−n−ブチルアルコール、4−メチルチオ−n−ヘキシルアルコール等のアルキルチオアルキルアルコール;クロロメチルアルコール、ブロモメチルアルコール、1−クロロエチルアルコール、2−クロロ−n−プロピルアルコール、2−ブロモ−tert−ブチルアルコール、2−ブロモ−n−ブチルアルコール、2−クロロ−n−ヘキシルアルコール等のハロゲン化アルキルアルコール;等の前記式(2)において、Rが置換基を有する炭素数1〜10のアルキル基であるアルコール化合物;
シクロプロピルアルコール、シクロペンチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、シクロヘプチルアルコール、シクロオクチルアルコール等の前記式(2)においてRが炭素数3〜8のシクロアルキル基であるアルコール化合物;
2−クロロシクロペンチルアルコール、4−メトキシシクロヘキシルアルコール、3−メチルチオシクロヘプチルアルコール等の前記式(2)においてRが置換基を有する炭素数3〜8のシクロアルキル基であるアルコール化合物;等が挙げられる。
本発明においては、本発明の効果がより得られやすいことから、これらの中でも、シクロペンテンと、前記式(2)においてRが炭素数1〜10のアルキル基であるアルコール化合物を用いるのが好ましい。
本発明においては、反応触媒として、酸性ゼオライトを用いる。
酸性ゼオライトは、H基またはルイス酸サイトをその表面上に有するゼオライトである。
ゼオライトは、SiO四面体およびAlO四面体から構成されているが、SiおよびAlの存在比と、各四面体の結合様式の相違により多くの種類が知られている。また、ゼオライトは、3次元骨格構造を有しており、格子中に空洞(細孔)を形成している。この細孔の大きさ、形状はゼオライトの種類によって異なり、3〜12オングストロームの細孔径を持ち、1次元〜3次元の細孔形状を持つものがある。
ゼオライトはイオン交換能を有しており、通常はその骨格内にNa、K等のアルカリ金属イオンを有しているが、種々の陽イオンと接触させることにより容易にイオンを交換することが可能なものである。
本発明で用いる酸性ゼオライトとしては、ベータ型、フォージャサイト型、モルデナイト型、L型、Y型、オメガ型、ZSM−5型、フェリエライト型等のゼオライトを、下記方法等により、H型ゼオライトとしたものが好ましく、ZSM−5型のゼオライトをH型としたもの(H−ZSM−5型)であるのがより好ましい。
H型の酸性ゼオライトは、例えば、ゼオライトを、アンモニウムイオン水溶液(NHCl、NHNO等の水溶液)と接触させ、アンモニウムイオン型ゼオライトとした後、これを300℃以上の温度で焼成してアンモニアを除去することにより得ることができる。また、ゼオライトを、塩酸等の強酸と接触させ、直接Hイオンとイオン交換することによっても得ることができる。
また、酸性ゼオライトとして、市販品をそのまま使用することもできる。
酸性ゼオライトの存在下に、シクロペンテン類と、アルコール化合物(2)とを接触させる方法は特に制限されない。例えば、シクロペンテン類とアルコール化合物(2)との混合物(以下、「混合物」ともいう。)に、酸性ゼオライトを添加して全容を撹拌する方法(バッチ式)や、酸性ゼオライトをカラム内に充填し、該カラム(以下、「反応カラム」という。)中に混合物を流通させる方法(流通式)等を用いることができる。これらの中でも、作業効率及び連続的に反応生成物の精製を行なうことができる観点から、流通式を採用するのが好ましい。
前記混合物を調製するには、シクロペンテン類とアルコール化合物(2)とを所定割合で混合すればよい。この場合、シクロペンテン類とアルコール化合物(2)との混合液を予め調製しておき、それをタンクに貯蔵し、該タンクから反応カラムに送り込むこともできるし、シクロペンテン類とアルコール化合物(2)とをそれぞれ別のタンクに貯蔵しておき、そこからシクロペンテン類とアルコール化合物(2)とを別々に送液し、反応カラム内を流通させる直前に両者を混合して送り込むこともできる。
バッチ式を採用する場合には、反応器に、酸性ゼオライト、シクロペンテン類及びアルコール化合物(2)の所定量を添加して、所定温度、所定圧力で、反応混合物を撹拌する。この場合の酸性ゼオライトの使用量は、通常、シクロペンテン類100質量部に対し、0.01〜200質量部、好ましくは0.1〜150質量部、より好ましくは1〜100質量部の範囲である。
反応温度は、通常50〜250℃、好ましくは80〜200℃であり、反応圧力は、反応温度等にもよるが、通常、常圧(1013hPa、以下にて同じ。)から10MPa、好ましくは常圧から5MPaの範囲である。反応時間は、反応規模等にもよるが、通常0.5〜24時間、好ましくは1〜10時間である。
反応は、窒素等の不活性雰囲気下で行うのが好ましい。
シクロペンテン類とアルコール化合物(2)との使用割合は特に制約されないが、アルコール化合物(2)を過剰に用いるのが好ましい。バッチ式の場合には、混合物が加熱されている時間が長くなるため、シクロペンテン類が過剰の状態で反応させると、シクロペンテン類の重合物が生成するおそれがあり好ましくない。具体的には、(シクロペンテン類)/(アルコール化合物(2))のモル比で、通常1/1〜1/50、好ましくは1/1〜1/30、より好ましくは1/1〜1/20である。
流通式を採用する場合には、混合物を反応カラム中に流通させる。この場合、用いるカラムは加熱装置を有するものを使用し、所定温度(反応温度)に加熱した反応カラム中に混合物を流通させるのが好ましい。
流通式により実施するより具体的な方法としては、図1に示す、酸性ゼオライトを充填した反応カラム3を単独で用いる方法が挙げられる。複数の反応カラムを組み合わせれば、シクロペンテン類〔又はアルコール化合物(2)〕の転化率をさらに向上させることができる。
用いるカラムの大きさは特に限定されず、反応規模に応じて種々の大きさのものを選択して使用できる。複数の反応カラムを組み合わせて用いる場合には、それぞれのカラムに充填する酸性ゼオライトの種類は、同じであっても、異なるものでもよい。
また、混合物を、酸性ゼオライトが充填された反応カラム中を流通させる方法としては、反応カラムの上部から混合物を流通させるダウンフロー式であっても、反応カラムの下部側から混合物を流通させるアップフロー式であってもよい。より高い転化率及び選択率で目的物が得られる観点から、ダウンフロー方式が好ましい。また、混合物を、酸性ゼオライトが充填された反応カラム中を流通させる場合、混合物は気体状態であっても、液体状態であっても、気体状態と液体状態の混合状態であってもよい。
混合物が反応カラム中を通過するときの圧力は、通常、常圧から10MPa、好ましくは常圧から5MPa、より好ましくは常圧から3MPaの範囲である。
反応温度は、通常50〜200℃、好ましくは80〜180℃である。
流通式の場合、シクロペンテン類とアルコール化合物(2)との使用割合は特に制約されない。流通式の場合は、混合物が加熱されている時間が短いので、シクロペンテン類が重合することがない一方で、アルコール化合物(2)をあまりに過剰に用いると、ジアルキルエーテルの副生量が増大するおそれがある。具体的には、(シクロペンテン類)/(アルコール化合物(2))のモル比で、通常1/5〜20/1、好ましくは1/4〜10/1、より好ましくは1/3〜5/1、さらに好ましくは1/3〜3/1である。
シクロペンテン類とアルコール化合物(2)が反応カラム中を通過するときの空間速度〔単位時間あたりに触媒体積の何倍相当分の容積を処理しているかを表す値(hr−1)〕は、通常、0.01〜100hr−1の範囲、好ましくは、0.1〜30hr−1である。
また、複数の反応カラムを使用する場合には、反応温度、流通速度等を反応カラムごとに変化させることができる。
反応終了後は、反応液を溶媒抽出、蒸留等の通常の分離・精製方法によって、目的とするシクロペンチルアルキルエーテル化合物を単離することができる。蒸留は複数回行ってもよい。
蒸留装置としては、例えば、精留塔を有する連続精留装置等の公知の蒸留装置を使用することができる。
また、酸性ゼオライトを充填した反応カラム中に混合液を流通させた後、得られた反応液を、再度反応カラム中を通過させ、その後、例えばラシヒリングを充填した蒸留装置により連続的に蒸留することもできる。この方法によれば、未反応のシクロペンテン類及びアルコール化合物(2)を、反応カラムに戻し、再度反応に供することができ、より高い転化率で目的物を得ることができる。
反応は、無溶媒で行うこともできるし、原料のシクロペンテン類を溶解し、水と混合しない不活性な溶媒中で行なうこともできる。
用いる溶媒としては、例えば、n−ブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族飽和炭化水素類;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、アニソール、クメン、ニトロベンゼン等の芳香族炭化水素類;シクロペンタン、アルキル置換シクロペンタン類、アルコキシ置換シクロペンタン類、ニトロ置換シクロペンタン類、シクロヘキサン、アルキル置換シクロヘキサン類、アルコキシ置換シクロヘキサン類、ニトロ置換シクロヘキサン類、シクロヘプタン、アルキル置換シクロヘプタン類、アルコキシ置換シクロヘプタン類、ニトロ置換シクロヘプタン類、シクロオクタン、アルキル置換シクロオクタン類、アルコキシ置換シクロオクタン類、ニトロ置換シクロオクタン類等の脂環式飽和炭化水素類;窒素、アルゴン、空気、ヘリウム等が挙げられる。
溶媒の使用量は特に制限されず、反応を阻害しない範囲で任意の量を選択できる。溶媒の使用量は、通常、全反応液量の10〜90容量%、好ましくは20〜80容量%である。
本発明においては、このような操作を行うことにより、触媒活性の経時的な低下が少なく、かつ、原料供給を大きくした場合であっても、高い反応効率で、目的とする式(1):R−O−Rで表されるシクロペンチルアルキルエーテルを製造することができる。
なお、式(1)中、Rは前記と同じ意味を表し、Rは、用いたシクロペンテン類由来の、置換基を有していてもよいシクロペンチル基である。
は、具体的には、シクロペンチル基;2−メチル−シクロペンチル基、3−sec−ブチル−シクロペンチル基等のアルキルシクロペンチル基;3−メトキシ−シクロペンチル基、2−sec−ブトキシ−シクロペンチル基等のアルコキシシクロペンチル基3−メチルチオ−シクロペンチル基、2−sec−ブチルチオ−シクロペンチル基等のアルキルチオシクロペンチル基;2−クロロ−シクロペンチル基、3−クロロ−シクロペンチル基等のハロゲン化シクロペンチル基;等である。
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。但し、本発明は実施例により何ら制限されるものではない。
各化合物の含有量測定は、以下の機器、条件にて行った。
機器 : Shimadzu社製、GC−2010
カラム: DB−1(長さ60m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)
カラム温度:50℃から毎分5℃で昇温して100℃とし、さらに毎分10℃で昇温して200℃とし、さらに毎分20℃で昇温して300℃とし、同温度で5分保持
注入口温度:250℃
キャリアーガス:ヘリウム(毎分流量1.0ml)
検出器: FID
検出器温度:300℃
(実施例1)
30mLステンレス製オートクレーブに、シクロペンテンを3.40g(50mmol)、メタノールを1.60g(50mmol)、H―ZSM−5型ゼオライト(日揮触媒化成社製)を0.34g仕込んで密閉し、窒素で0.5MPaに加圧した。このオートクレーブをマグネティックスターラーで攪拌しながら、120℃で5時間反応させた。反応終了後、0℃で1時間保持した後、オートクレーブを開放した。反応液にアニソールを添加し、0.5μmのフィルターでH−ZSM−5型ゼオライトを濾別した後、濾液をガスクロマトグラフで分析を行ったところ、シクロペンチルメチルエーテルが、原料シクロペンテンに対し、12.3%の収率で生成していた。また、未反応のシクロペンテン回収率は70.9%、メタノール回収率は83.3%であった。
(実施例2)
実施例1において、反応温度を150℃とした以外は、実施例1と同様に反応を行ったところ、シクロペンチルメチルエーテルが、原料シクロペンテンに対し、37.8%の収率で生成していた。また、未反応のシクロペンテン回収率は62.2%、メタノール回収率は52.7%であった。
(実施例3)
実施例1において、メタノール仕込み量を4.80g(150mmol)とした以外は、実施例2と同様に反応を行ったところ、シクロペンチルメチルエーテルが、原料シクロペンテンに対し61.0%の収率で生成していた。また、未反応のシクロペンテン回収率は35.0%、メタノール回収率は70.9%であった。
(実施例4)
実施例1において、反応温度を180℃とした以外は、実施例3と同様に反応を行ったところ、シクロペンチルメチルエーテルが、原料シクロペンテンに対し63.2%の収率で生成していた。また、未反応のシクロペンテン回収率は32.3%、メタノール回収率は66.5%であった。
(実施例5)
図1に示す反応装置を使用して、次の実験を行った。図1中、1はシクロペンテン類用タンクであり、2はアルコール化合物(2)用タンクであり、3は直径10mm、長さ100mmのステンレス製反応カラムであり、4は保圧弁であり、5は氷浴である。
反応カラム3に、H−ZSM−5型ゼオライトを3.66g詰め、反応カラム出口に、放出圧1.15MPaに設定した保圧弁4を設置した。反応カラム3にシクロペンテンをタンク1から毎時3.36mL(36.5mmol)、メタノールをタンク2から毎時4.44mL(109.6mmol)で供給した。保圧弁出口より原料の流出を確認した後、反応カラム温度を150℃に昇温して反応を行った。保圧弁4の出口温度を0℃に冷却して生成物を捕集し、アニソールを添加してガスクロマトグラフで分析を行ったところ、反応開始から1時間で反応が安定し、反応開始後1時間から5時間に於ける1時間毎の平均で、シクロペンチルメチルエーテルが、原料シクロペンテンに対し55.1%の収率で生成し、未反応のシクロペンテン回収率は40.3%、メタノール回収率は65.6%であった。
(実施例6)
実施例5において、保圧弁4の設定を2.2MPaに変更し、反応カラム3に供給するシクロペンテンを毎時3.36mL(36.5mmol)から毎時10.08mL(109.5mmol)、メタノールを毎時4.44mL(109.6mmol)から毎時13.32mL(328.8mmol)に変更した以外は、実施例5と同様にして反応を行った。反応開始後1時間から5時間に於ける1時間毎の平均で、シクロペンチルメチルエーテルが、原料シクロペンテンに対し68.3%の収率で生成し、未反応のシクロペンテン回収率は30.3%、メタノール回収率は68.0%であった。
(比較例1)
実施例2において、触媒として、H―ZSM−5型ゼオライトの代わりに、ハイドロタルサイト(和光純薬工業社製)を用いた以外は、実施例2と同様に反応を行ったところ、シクロペンチルメチルエーテルが、原料シクロペンテンに対し0.1%の収率で生成していた。また、未反応のシクロペンテン回収率は99.9%、メタノール回収率は95.0%であった。
(比較例2)
実施例2において、触媒として、H―ZSM−5型ゼオライトの代わりに、モンモリロナイト(和光純薬工業社製)を用いた以外は、実施例2と同様に反応を行ったところ、シクロペンチルメチルエーテルが、原料シクロペンテンに対し0.7%の収率で生成していた。また、未反応のシクロペンテン回収率は98.9%、メタノール回収率は91.5%であった。
(比較例3)
実施例2において、触媒として、H―ZSM−5型ゼオライトの代わりに、合成ゼオライトA−4(和光純薬工業社製)を用いた以外は、実施例2と同様に反応を行ったところ、シクロペンチルメチルエーテルが、原料シクロペンテンに対し0.1%の収率で生成していた。また、未反応のシクロペンテン回収率は96.1%、メタノール回収率は89.6%であった。
実施例1〜6、比較例1〜3の、反応触媒、原料シクロペンテン(CP)とメタノールのモル比、反応温度、反応様式、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)の、原料シクロペンテン(CP)に対する単離収率、未反応のシクロペンテン(CP)の回収率、及び、メタノールの回収率を、下記表1にまとめて示す。
Figure 2015147035
表1から、触媒としてH−ZSM−5型ゼオライトを用いた場合(実施例1〜6)には、用いない場合(比較例1〜3)に比して、CPMEの単離収率が極めて高いことが分かる。
1・・・シクロペンテン類用タンク
2・・・アルコール化合物(2)用タンク
3・・・反応カラム
4・・・保圧弁
5・・・氷浴

Claims (4)

  1. 酸性ゼオライトの存在下に、置換基を有していてもよいシクロペンテンと、式(2):ROH(式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、又は置換基を有していてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基を表す。)で表されるアルコール化合物とを反応させることを特徴とする、式(1):R−O−R(式中、Rは前記と同じ意味を表し、Rは置換基を有していてもよいシクロペンチル基を表す。)で表されるシクロペンチルアルキルエーテル化合物の製造方法。
  2. 前記式(1)におけるRが炭素数1〜10のアルキル基である請求項1に記載のシクロペンチルアルキルエーテル化合物の製造方法。
  3. 前記酸性ゼオライトが、H−ZSM−5型である、請求項1又は2に記載のシクロペンチルアルキルエーテル化合物の製造方法。
  4. 前記反応を、流通式で行なう請求項1〜3のいずれかに記載のシクロペンチルアルキルエーテル化合物の製造方法。
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