JPWO2015146564A1 - 光学遮蔽フィルム、光学遮蔽体および光学遮蔽フィルムの製造方法 - Google Patents

光学遮蔽フィルム、光学遮蔽体および光学遮蔽フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明の課題は、光学遮蔽フィルムの外観品質や遮光性能の低下、虹ムラの発生を抑制し、耐侯性に優れた光学遮蔽フィルム、光学遮蔽体および光学遮蔽フィルムの製造方法を提供することである。当該光学遮光フィルム1は、少なくとも、高屈折率層と低屈折率層とで構成される反射ユニット4と、疎水性光吸収粒子と樹脂を含有する機能層と、を有することを特徴とする。

Description

本発明は、光学遮蔽フィルム、光学遮蔽体および光学遮蔽フィルムの製造方法に関する。
一般に高屈折率層と低屈折率層とをそれぞれの光学的膜厚を調整して交互に積層させることにより特定の波長の光を選択的に反射するようにした反射ユニットが、赤外線や紫外線等を選択的に反射する光学遮蔽フィルムとして利用されている。かような光学遮蔽フィルムは、例えば建築物や車輌に貼られる熱線遮蔽用フィルムとして用いられている。
光学遮蔽フィルムにはその表面に通常、耐擦傷性等を付与するハードコート層や、接する面と粘接着する粘着層など用途に応じた機能層が設けられている。
また、機能層に、反射ユニットでは反射しきれない熱線や赤外線や紫外線を吸収する光吸収粒子を含有したフィルムが用いられるようになってきた。光学遮蔽フィルムには光学的透明性が求められるため、含有する光吸収粒子は粒径を小さくする必要がある。
前記機能層に光吸収粒子を用いたフィルムとしては、例えばアクリル系の樹脂からなるハードコート層に粒径が0.2μm以下のアンチモンドープ酸化錫(ATO)微粒子または錫ドープ酸化インジウム(ITO)などの導電性透明酸化物微粒子を分散させたフィルム(特許文献1参照)、ハードコート層に粒径が0.001〜約0.2μmの赤外線吸収性ナノ粒子を含有した多層フィルム(特許文献2参照)が開示されている。
特開2010−222233号公報 特表2010−516499号公報
しかし、前記光吸収粒子は粒径を小さくすることで比表面積が増大し、光吸収粒子の吸水量もしくは吸着量が増すと推定され、吸着した水分による光吸収粒子の光吸収率の低下や、機能層の含水率が増大することにより、光吸収粒子を含有する機能層に伸縮や膨張の発生、光学遮蔽フィルムのカールまたはクラックの発生により外観品質が低下する等の要因になると考えられる。
特に高屈折率層と低屈折率層を複数層積層した反射ユニットでは各層の屈折率の違いを利用して赤外線や紫外線等を反射しているため、光学遮蔽フィルムにカールの発生または機能層の水分の侵入による部分的な層厚の変化や、伸縮や膨張等による反射ユニットの変形により、反射ユニットの赤外線または紫外線等の反射率が低下するおそれがある。
これら、光吸収粒子の光吸収率の低下や反射ユニットの反射率の低下等は光学遮蔽フィルムの遮光性能が低下する要因となる。
さらに、反射ユニットに、層厚の変化や変形が生じた部分では、各層における屈折率の変化や各層間で可視光線の反射が生じるおそれがある。反射ユニット内部で屈折率の変化や可視光線の反射が発生すると、光学遮蔽フィルム表面に光干渉縞(虹ムラ)が発生する要因となりうるため、反射ユニットを有する光学遮蔽フィルムでは高い耐侯性が要求される。
前記特許文献1または2に記載の技術においては、いずれも機能層に粒径がナノオーダーである光吸収粒子を樹脂中に分散させた技術であり、光吸収粒子と水分の吸着を抑制することについては触れられておらず、外観品質や遮光性能の低下、虹ムラの発生等の問題が生じる可能性がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、光学遮蔽フィルムの外観品質や遮光性能の低下、虹ムラの発生を抑制し、耐侯性に優れた光学遮蔽フィルムを提供することである。
本発明の上記課題は、下記手段により解決される。
1.少なくとも、高屈折率層と低屈折率層とで構成される反射ユニットと、疎水性光吸収粒子と樹脂とを含有する機能層と、を有することを特徴とする光学遮蔽フィルム。
2.前記疎水性光吸収粒子が光吸収粒子の表面上に少なくともシランカップリング剤、反応性有機変性シリコーン、シラン化合物またはシリコーン化合物を含む層が形成されている粒子であることを特徴とする1に記載の光学遮蔽フィルム。
3.少なくとも、高屈折率層と低屈折率層とポリマーとを含む反射ユニットと、疎水性光吸収粒子と樹脂とを含有する機能層と、を有し、前記光吸収粒子に少なくともシランカップリング剤、反応性有機変性シリコーン、シラン化合物またはシリコーン化合物を含む層が形成されていることを特徴とする光学遮蔽フィルム。
4.前記疎水性光吸収粒子の疎水度が3%以上であることを特徴とする1〜3のいずれか1つに記載の光学遮蔽フィルム。
5.前記疎水性光吸収粒子の平均粒径が、120nm以下であることを特徴とする1〜4のいずれか1つに記載の光学遮蔽フィルム。
6.前記機能層とは、ハードコート層及び粘着層のうちの少なくとも一種であることを特徴とする1〜5のいずれか1つに記載の光学遮蔽フィルム。
7.前記疎水性光吸収粒子が少なくとも、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)または、タングステン酸化物から選択される化合物を含むことを特徴とする前記1〜6のいずれか1つに記載の光学遮蔽フィルム。
8.少なくとも、高屈折率層と低屈折率層とで構成される反射ユニットと、機能層と、を有する光学遮蔽フィルムの製造方法において、少なくとも疎水性光吸収粒子と樹脂とで機能層を形成することを特徴とする光学遮蔽フィルムの製造方法。
9.前記1〜7のいずれか1つに記載に光学遮蔽フィルムが建築物または車輌の窓ガラスに設けられたことを特徴とする光学遮蔽体。
本発明によれば、疎水性光吸収粒子を機能層に含有させることにより、光学遮蔽フィルムの外観品質や遮光性能の低下、虹ムラの発生を抑制し、耐侯性に優れた光学遮蔽フィルム、光学遮蔽体および光学遮蔽フィルムの製造方法を提供することができる。
光学遮蔽フィルムの構成の一例を示す概略断面図 光学遮蔽フィルムの構成の他の一例を示す概略断面図 実施例における光学遮蔽フィルムの構成の一例を示す概略断面図 実施例における光学遮蔽フィルムの構成の他の一例を示す概略断面図
以下、本発明を実施するための形態を説明するが、本発明は、以下に説明する実施形態に何ら制限されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で実施形態を任意に変更して実施することが可能である。なお、以下の説明において、同一の構成には同一の部材番号を付し、重複する説明を省略する。また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味する。
≪光学遮蔽フィルム≫
<疎水性光吸収粒子>
本発明では機能層が疎水性光吸収粒子と樹脂を含有することを特徴とする。本発明の疎水性光吸収粒子は、所望の帯域の光を吸収する材料(光吸収粒子)であり、かつ、疎水性を有する材料であれば特に限定はないが、光吸収粒子を疎水化処理したものであることが好ましい。疎水性光吸収粒子を機能層に含有させることで、光吸収粒子への水分の吸着が抑制され、本発明の効果が得られる。
疎水性光吸収粒子における疎水性の程度、または疎水化処理による疎水度(メタノールウェッタビリティ値:MW値)は、メタノールウェッタビリティ(MW)法を用いて求められる。以下にMW法の流れを示すが、本発明は以下の様態に限定させるものではない。
(1)メタノール溶液(メタノールと水の混合用液)50mlを100mlのビーカーに入れ、試料粉末(疎水性光吸収粒子)0.2gを添加する。次に、マグネチックスターラー(200rpm、30分間)で攪拌した。その後、マグネチックスターラーを停止し、15分放置した後に、試料粉末が沈降しているか目視で確認する。
(2)メタノール溶液のメタノール濃度を調整し、上記(2)の工程を試料粉末が沈降するまで繰り返す。
試料粉末の沈降が確認されたメタノール溶液の濃度がa重量%のとき、沈降した試料粉末の疎水性の程度または疎水度はa%とした。
疎水性光吸収粒子の疎水性の程度または疎水化処理による疎水度は3%以上であることが好ましく、さらに好ましくは3%以上45%以下、特に好ましくは5%以上30%以下である。
疎水性の程度または疎水化処理による疎水度が3%以上の場合には、疎水性光吸収粒子が疎水性能を十分有する状態であり、また、樹脂への均一な分散性が得られやすい。すなわち、十分な耐候性を奏しうるだけでなく、機能層形成時の、乾燥過程において粒子が樹脂中で凝集することもないため、折り曲げなどの外力がかかった際に応力の集中する部分の形成を防止し、破損しにくくなる。
機能層の疎水性光吸収粒子の含有量は10%質量以上80質量%以下が、耐光性や透明性を得る上で好ましく、特に好ましくは30質量%以上60質量%以下である。
以下に、光吸収粒子の表面を疎水化処理することにより作製される疎水性光吸収粒子について説明する。
光吸収粒子を疎水化処理する方法は、本発明の効果を奏する疎水度が得られれば特に制限はなく、疎水化剤を用いて、光吸収粒子の表面上に疎水化剤、または疎水化剤の反応生成物からなる疎水膜が形成できればよい。尚、反応生成物とは、疎水化剤が反応して生成する材料を示し、例えば、疎水化剤としてシランカップリング剤を用いた場合は、反応生成物としてシラン化合物が生成される。疎水膜としては、光吸収粒子の表面にシランカップリング剤、反応性有機変性シリコーン、シラン化合物またはシリコーン化合物の少なくとも1つを含む膜であることが好ましい。疎水化処理方法としては特に限定はなく、例えば気相法、湿式法、直接反応法等公知の方法で疎水化処理をすることが出来る。
本発明に係る疎水性光吸収粒子の疎水化処理に用いる疎水化剤においては、公知の疎水化剤を用いることができる。たとえば、特開2011−157245号公報の段落0032に記載された化合物があげられる。具体的には、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシアルキルトリアルコキシシラン、アミノシラン、ヘキサメチレンジシラザン等の、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、アミノ基、イソシアネート基、メルカプト基などの反応性官能基を含有するシランカップリング剤、アミノ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン等の反応性有機変性シリコーン、ジハイドロジェンヘキサメチルシクロテトラシロキサン、トリハイドロジェンベンタメチルシクロテトラシロキサン等のシリコーン化合物、トリメチルメトキシシラン、トリメチルアルコキシシラン、トリメチルシリルクロライド、ジメチルシリルジクロライド、メチルシリルトリクロライド、テトラエトキシシラン等のシラン化合物等を用いることが好ましい。これらは、1種又は2種以上で使用することもできる。
本発明の疎水性光吸収粒子は光吸収粒子の一部表面に疎水膜が形成された状態でもよいが、好ましくは、表面積の50%以上、さらに好ましくは表面の全面が、疎水膜により被覆されている状態である。疎水性光吸収粒子の疎水度は、疎水化剤の種類や疎水化処理時の疎水化剤の含有量を適宜制御し、疎水膜の厚みや被覆面積を制御することにより調節することができる。また、疎水化処理を行う際の環境温度(たとえば液中や気相中)、撹拌条件(たとえば強度や時間)などの調整により疎水化度の調整が可能である。疎水化剤の材料種にもよるが一般に環境温度を高くしたり、撹拌時間を長くしたりすることで疎水化度が大きくなりやすい。
元素分析による元素マッピングを行うことで疎水性光吸収粒子の機能層中の含有量、または、機能層に含有されている光吸収粒子(疎水性光吸収粒子)の材料種を知ることができる。また、光吸収粒子を疎水化処理して作製した疎水性光吸収粒子は、元素マッピングにより光吸収粒子が疎水化処理されていること、つまり、光吸収粒子にシランカップリング剤、反応性有機変性シリコーン、シラン化合物またはシリコーン化合物の層が形成されていることを確認することができる。
光吸収粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化インジウム、硫化亜鉛、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、アンチモンドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)及び錫ドープ酸化インジウム(ITO)、タングステン酸化物などがあげられる。これらの群から1種、または複数種を選択し、疎水化処理を行った後、機能層を形成する樹脂に分散させ、機能層を形成することができる。光吸収粒子の中ではコストと透明性、高い可視光透過率、光学波長吸収性能のバランス、及び供給の安定性から、アンチモンドープ酸化錫(ATO)が好適である。これらの光吸収粒子は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用して用いてもよい。
上記光吸収粒子の平均粒径は、120nm以下が好ましく、さらに好ましくは、10nm以上120nm以下であり、特に好ましくは、20nm以上90nm以下である。
なお、本発明における光吸収粒子の平均粒径は、各粒子を同体積の球に換算した時の直径(球換算粒径)の数平均値であり、この値は電子顕微鏡写真から評価することができる。すなわち、光学遮蔽フィルムの断層または粒子粉体を透過型電子顕微鏡写真で撮影し、一定の視野範囲にある粒子を200個以上測定して各粒子の球換算粒径を求め、その平均値を求めることにより得られた値である。疎水性光吸収粒子においても光吸収粒子と同様の方法で平均粒径を求めることができる。
これらの疎水性光吸収粒子の平均粒径は120nm以下で光学フィルムに含まれることが好ましく、より好ましくは30nm以上120nm以下、さらに好ましくは40nm以上120nm以下である。
<樹脂>
本発明に係る機能層に含まれる樹脂は特に制限なく、機能層に応じて、従来公知の種々の樹脂を用いることができ、少なくとも活性線硬化樹脂又は熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂を含有することができる。
ここで、「活性線硬化樹脂」とは、紫外線(UV光)や電子線のような活性線(「活性エネルギー線」ともいう。)照射により、架橋反応を経て硬化する樹脂を主たる成分とする樹脂をいう。活性線硬化樹脂として、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、有機シリケート化合物、シリコーン系樹脂など用いることができる。特に、硬度と耐久性などの点で、シリコーン系樹脂やアクリル系樹脂が好ましい。
また、熱可塑性樹脂としては、例えば特開2014−9258号公報の段落0078に記載された樹脂を利用可能である。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系ポリマー、ポリスチレン、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体等のスチレン系ポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンナフタレート等が好ましい。
本発明において機能層に含有する樹脂は単種でもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。また、その他必要に応じて光開始剤、光増感剤、熱重合開始剤あるいは改質剤等を含有しているものを用いてもよい。
<機能層>
本発明において、機能層とはハードコート層または、粘着層、導電性層、帯電防止層、ガスバリア層、易接着層(接着層)、防汚層、消臭層、流滴層、易滑層、耐摩耗性層、保護層、反射防止層、電磁波シールド層、紫外線吸収層、赤外吸収層、印刷層、蛍光発光層、ホログラム層、剥離層、粘着層、接着層、本発明の高屈折率層および低屈折率層以外の赤外線カット層(金属層、液晶層)、着色層(可視光線吸収層)、合わせガラスに利用される中間膜層から選択される層である。
本発明において光学遮蔽フィルムは、少なくとも1層以上の機能層を有するが、同一種を複数層有してもよいし、複数種の機能層を有してもよい。
また、本発明において光学遮蔽フィルムは、機能層の少なくとも1層に疎水性光吸収粒子と樹脂を含有している。本発明の光学遮蔽フィルムにおいては、ハードコート層及び粘着層のうちの少なくとも一方に疎水性光吸収粒子を含有する形態が最も好ましい。
(ハードコート層)
本発明の光学遮蔽フィルムは、機能層としてハードコート層を有することが好ましい。
光学遮蔽フィルムの最外層にハードコート層を有することで、光学遮蔽フィルムの耐擦傷性を向上することができる。高い耐擦傷性を得るため、架橋反応を経て硬化する樹脂を主たる成分とする層であることが好ましく、さらに好ましくは、活性線硬化樹脂であることが好ましい。また、本発明の光学遮蔽フィルムにおいては、ハードコート層に疎水性光吸収粒子を含有させることで、ハードコート層、ひいては光学遮蔽フィルムの耐候性を向上することができる。
ハードコート層の形成は、例えば、活性線硬化樹脂を有機溶媒に溶解した、ハードコート層形成用塗布液を塗布した後、乾燥中、又は後に活性線を照射することで形成することができる。ハードコート層用塗布組成物の塗布方法としては特に限定はなく、例えばグラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、インクジェット法等公知の方法で塗設することが出来る。
活性線として、例えば、紫外線(UV)があげられる。紫外線の光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。
ハードコート層のドライ膜厚としては平均膜厚0.1〜30μmの範囲内、好ましくは1〜20μm、特に好ましくは3〜15μmの範囲内である。
(粘着層)
本発明においては、機能層として光学遮蔽フィルムの最外層に粘着層を設けることができる。粘着層を設けることで、光学遮蔽フィルムに窓ガラス等の基体に貼りつけるための粘着性を付与することができる。
また、粘着層に樹脂と疎水性光吸収粒子を含有させることで、粘着層の耐候性を高めることができる。
粘着剤は紫外線に対して耐久性を有するものが好ましく、アクリル系樹脂(アクリル粘着剤)またはシリコーン系樹脂(シリコーン粘着剤)が好ましい。さらに粘着特性やコストの観点から、アクリル粘着剤が好ましい。特に剥離強さの制御が容易なことから、溶剤系およびエマルジョン系アクリル粘着剤が好ましく、溶剤系アクリル粘着剤がより好ましい。溶剤系アクリル粘着剤として溶液重合ポリマーを使用する場合、そのモノマーとしては公知のものを使用できる。
この粘着層には、添加剤として、例えば安定剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、抗酸化剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色、接着調整剤等を含有させることもできる。特に、本発明のように窓貼用として使用する場合は、紫外線による光学遮蔽フィルムの劣化を抑制するためにも、紫外線吸収剤の添加は有効である。
粘着層の厚さは1μm〜100μmが好ましく、より好ましくは3μm〜50μmである。1μm以上であれば粘着性が向上する傾向にあり、光学遮蔽フィルムを基体に貼合したときに、十分な粘着力が得られる。逆に100μm以下であれば光学遮蔽フィルムの透明性が向上するだけでなく、光学遮蔽フィルムを窓ガラスに貼り付けた後、剥がしたときに粘着層間で凝集破壊が起こらず、ガラス面への粘着剤残りが無くなる傾向にある。
粘着層の塗工方法としては、任意の公知の方法が使用でき、例えばダイコーター法、グラビアロールコーター法、ブレードコーター法、スプレーコーター法、エアーナイフコート法、ディップコート法、転写法等が好ましく挙げられ、単独または組合せて用いることができる。これらは適宜、粘着剤を溶解できる溶媒にて溶液にする、または分散させた塗布液を用いて塗工することが出来、溶媒としては公知の物を使用することが出来る。
粘着層の形成は、先の塗工方式にて、直接光学遮蔽フィルムに塗工しても良く、また、一度剥離フィルムに塗工して乾燥させた後、光学遮蔽フィルムを貼り合せて粘着剤を転写させても良い。この時の乾燥温度は、残留溶剤ができるだけ少なくなることが好ましく、そのためには乾燥温度や時間は特定されないが、好ましくは50〜150℃の温度で、10秒〜5分の乾燥時間を設けることが好ましい。
粘着層は、光学遮蔽フィルムの日光(熱線)入射面側に設置することが好ましい。また、光学遮蔽フィルムを、窓ガラスと基体との間に挟持すると、水分等の周囲のガスから封止でき耐久性に優れるため好ましい。本発明に係る光学遮蔽フィルムを屋外や車輌の外側(外貼り用)または内側(内貼り用)に設置しても環境耐久性があって好ましい。尚、ここでいう環境耐久性とは、長時間の熱線照射、結露、温度変化等による光学遮蔽フィルムの劣化環境における耐久性のことである。
<反射ユニット>
以下では、低屈折率層および高屈折率層を区別しない場合は、両者を含む概念として「屈折率層」と称する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。
(反射ユニットの構成層)
本発明における反射ユニットは、低屈折率層と高屈折率層とを少なくとも1層以上有し、これらの層を少なくとも3層以上積層された積層構造を有する。反射ユニットの好適な形態は、低屈折率層と高屈折率層とが交互に積層された交互積層体の形態を有する。なお、本明細書中、他方に対して屈折率の高い屈折率層を高屈折率層と、他方に対して屈折率の低い屈折率層を低屈折率層と称する。
さらには、反射ユニットの光学特性として、JIS R3106−1998で示される可視光領域の透過率が50%以上、好ましくは75%以上、より好ましくは85%以上であることが好ましく、また、波長900〜1400nmの領域に反射率50%を超える領域を有することが好ましい。
反射ユニットを形成する材料としては従来公知の材料を用いることができ、例えば、金属酸化物粒子、ポリマー、およびこれらの組み合わせ等などが挙げられる。低屈折率層および高屈折率層の少なくともいずれか一方が金属酸化物粒子を含むことが好ましく、双方が金属酸化物粒子を含むことがより好ましい。
金属酸化物粒子は、高屈折率層の材料の例として、二酸化チタン(TiO)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、五酸化タンタル(Ta)等を挙げることができ、低屈折率層の材料の例として、二酸化ケイ素(SiO)、フッ化マグネシウム(MgF)等を挙げることができ、これらの金属酸化物粒子を、ポリマー液に分散させて塗布製膜させることができる。
反射ユニットに含まれるポリマーには特に制限はなく、反射ユニットを形成できるポリマーであれば特に制限されない。
例えば、ポリマーとしては、特表2002−509279号公報に記載のポリマーを用いることができる。具体例としては、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)およびその異性体(例えば、2,6−、1,4−、1,5−、2,7−および2,3−PEN)、ポリアルキレンテレフタレート(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、およびポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)、ポリイミド(例えば、ポリアクリルイミド)、ポリエーテルイミド、アタクチックポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメタクリレート(例えば、ポリイソブチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、およびポリメチルメタクリレート(PMMA))、ポリアクリレート(例えば、ポリブチルアクリレート、およびポリメチルアクリレート)、セルロース誘導体(例えば、エチルセルロース、アセチルセルロース、セルロースプロピオネート、アセチルセルロースブチレート、および硝酸セルロース)、ポリアルキレンポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブチレン、およびポリ(4−メチル)ペンテン)、フッ素化ポリマー(例えば、パーフルオロアルコキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン、およびポリクロロトリフルオロエチレン)、塩素化ポリマー(例えば、ポリ塩化ビニリデンおよびポリ塩化ビニル)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリエーテルアミド、アイオノマー樹脂、エラストマー(例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレンおよびネオプレン)、およびポリウレタンが挙げられる。コポリマー、例えば、PENのコポリマー[例えば、(a)テレフタル酸もしくはそのエステル、(b)イソフタル酸もしくはそのエステル、(c)フタル酸もしくはそのエステル、(d)アルカングリコール、(e)シクロアルカングリコール(例えば、シクロヘキサンジメタノールジオール)、(f)アルカンジカルボン酸、および/または(g)シクロアルカンジカルボン酸(例えば、シクロヘキサンジカルボン酸)と2,6−、1,4−、1,5−、2,7−、および/または2,3−ナフタレンジカルボン酸またはそれらのエステルとのコポリマー]、ポリアルキレンテレフタレートのコポリマー[例えば、(a)ナフタレンジカルボン酸もしくはそのエステル、(b)イソフタル酸もしくはそのエステル、(c)フタル酸もしくはそのエステル、(d)アルカングリコール、(e)シクロアルカングリコール(例えば、シクロヘキサンジメタノールジオール)、(f)アルカンジカルボン酸、および/または(g)シクロアルカンジカルボン酸(例えば、シクロヘキサンジカルボン酸)と、テレフタル酸もしくはそのエステルとのコポリマー]、並びにスチレンコポリマー(例えば、スチレン−ブタジエンコポリマー、およびスチレン−アクリロニトリルコポリマー)、4,4−ビス安息香酸およびエチレングリコールも適している。さらに、各層はそれぞれ、2種またはそれ以上の上記のポリマーまたはコポリマーのブレンド(例えば、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)とアタクチックポリスチレンとのブレンド)を包含してよい。
上記ポリマーを、米国特許第6,049,419号明細書に記載のように、ポリマーの溶融押出しおよび延伸により、反射ユニットを形成することができる。本発明において、高屈折率層および低屈折率層を形成するポリマーの好ましい組み合わせとしては、PEN/PMMA、PEN/ポリフッ化ビニリデン、PEN/PETが挙げられる。
その他、ポリマーとして水溶性高分子を用いることも好ましい。水溶性高分子は、有機溶剤を用いないため、環境負荷が少なく、また、柔軟性が高いため、屈曲時の膜の耐久性が向上するため好ましい。水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、若しくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、若しくはスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレンアクリル酸樹脂、スチレン−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート−スチレンスルホン酸カリウム共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体などが挙げられる。これらの中で、特に好ましい例としては、製造時のハンドリングと膜の柔軟性の点から、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン類およびそれを含有する共重合体が挙げられる。これらの水溶性高分子は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用して用いてもよい。
本発明で好ましく用いられるポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、変性ポリビニルアルコールも含まれる。変性ポリビニルアルコールとしては、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、ノニオン変性ポリビニルアルコール、ビニルアルコール系ポリマーが挙げられる。
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは、平均重合度が800以上のものが好ましく用いられ、特に平均重合度が1,000〜5,000のものが好ましく用いられる。また、ケン化度は、70〜100モル%のものが好ましく、80〜99.5モル%のものが特に好ましい。
水溶性高分子の重量平均分子量は、1,000〜200,000が好ましく、3,000〜40,000がより好ましい。
水溶性高分子を硬化させるため、硬化剤を使用してもよい。
硬化剤としては、水溶性高分子と硬化反応を起こすものであれば特に制限はないが、水溶性高分子がポリビニルアルコールの場合には、ホウ酸およびその塩が好ましいが、その他にも公知のものが使用でき、一般的には水溶性高分子と反応し得る基を有する化合物あるいは水溶性高分子が有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、水溶性高分子の種類に応じて適宜選択して用いられる。硬化剤のホウ酸およびその塩以外の具体例としては、例えば、エポキシ系硬化剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬化剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬化剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリス−アクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、アルミニウムミョウバン等が挙げられる。
なお、上記ポリマーが共重合体である場合の共重合体の形態は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、交互共重合体のいずれであってもよい。
また、本発明の光学遮蔽フィルムの高屈折率層または低屈折率層には、紫外線吸収剤、退色防止剤、アニオン、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有していてもよい。
(反射ユニットの製造方法)
反射ユニットユニットの製造方法は特に限定なく、共押出法、溶融押出法などを用いることができる。溶融押出法としは、米国特許第6,049,419号明細書に記載の方法のように、ポリマーの溶融押出しおよび延伸により、反射ユニットを形成する方法の他、水系の高屈折率層用塗布液と低屈折率層用塗布液とを交互に湿式塗布し、乾燥して積層体を形成する方法が挙げられる。
水系の高屈折率層用塗布液と低屈折率層用塗布液とを交互に湿式塗布する方法としては、以下に挙げる塗布方式が好ましく用いられる。例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、あるいは米国特許第2,761,419号明細書、同第2,761,791号明細書などに記載のスライドホッパー塗布法、エクストルージョンコート法等が好ましく用いられる。また、複数の層を重層塗布する方式としては、逐次重層塗布でもよいし同時重層塗布でもよい。
光学遮蔽フィルムにおける、高屈折率層用塗布液および低屈折率層用塗布液の厚さは、塗布量を乾燥時に上記した好ましい厚さとなるように調整することで制御することができる。
<基材>
本発明の光学遮蔽フィルムは、機械的強度の付加または構成層の保護を目的として基材を用いてもよい。基材としては、種々の樹脂フィルムを用いることができる。具体例として、ポリオレフィンフィルム(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ塩化ビニル、三酢酸セルロース等を用いることができ、好ましくはポリエステルフィルムである。
本発明に用いられる基材の厚さは、3〜300μm、特に20〜150μmであることが好ましい。また、本発明の基材は、2枚重ねたものであっても良く、この場合、その種類が同じでも異なってもよい。また、本発明の光学遮蔽フィルムは、複数の基材を有していてもよい。
<光学遮蔽フィルムの構成>
以下に図1A及び図1Bを用いて本発明の光学遮蔽フィルムの構成について説明する。
図1Aは、本発明の一実施形態である光学遮蔽フィルム1が基体6に貼合された状態を示した概略断面図である。図1Aの光学遮蔽フィルム1は積層構造を有し、基材3の一方の面に反射ユニット4が、もう一方の面には機能層(ハードコート層2)が積層され、反射ユニット4表面に機能層(粘着層5)が積層されている。即ち、ハードコート層2、反射ユニット4、基材3、粘着層5とから光学遮蔽フィルム1が構成されている。そして、光学遮蔽フィルム1は、粘着層5によって基体6に貼合されている。
光学遮蔽フィルムには、機能層を設けることで、機能層に応じた機能を付加することができる。光学遮蔽フィルムにおける上述の各種の機能層の積層順は、特に制限されない。
例えば、窓ガラスの室内側に光学遮蔽フィルムを貼る(内貼り)仕様では、図1Aのように、基材3表面に、上記高屈折率層および低屈折率層を積層したユニットを少なくとも1つ含む反射ユニット4、機能層(粘着層5)の順に積層し、さらにこれらの層が積層されている側とは逆の側の基材表面に機能層(ハードコート層2)を塗設する形態が好ましい一例として挙げられる。光学遮蔽フィルムの最外層に粘着性を有する粘着層5を配置することで、車輌や建築物のガラス窓などの基体の屋内(車内または室内)側や屋外側に光学遮蔽フィルム1を貼りつけることができる。また、光学遮蔽フィルムの最外層にハードコート層2を配置することで、光学遮蔽フィルム1表面に耐擦傷性を付与することができる。
また、窓ガラスの室外側に本発明の光学遮蔽フィルム1を貼る(外貼り)仕様でも好ましい一例を挙げると、基材3表面に反射ユニット4、機能層(粘着層5)の順に積層し、さらにこれらの層が積層されている側とは逆の側の基材表面に機能層(ハードコート層2)が塗設する構成である。すなわち、内貼りの場合と同様に、粘着層5、反射ユニット4、基材3、ハードコート層2の順であってもよく、さらに他の機能層基材などを有していてもよい。
さらに、本発明の光学遮蔽フィルム1の構成は、図1Aに示す構成に限定されず、例えば、図1Bに示すように、基材3と粘着層5との間に反射ユニット4bを有し、さらにハードコート層2と基材3との間に反射ユニット4aを有する構成であってもよい。
機能層を光学遮蔽フィルム1の最外層に配置した図1A及び図1Bの構成において、機能層に含有されている疎水化処理されていない光吸収粒子に水分が吸着した場合、機能層全体の含水率が高まり、光吸収粒子の光吸収率の低下、水分による光学遮蔽フィルムのカール発生または、機能層の伸縮や膨張等が生じるおそれがある。
例えば、図1A及び図1Bのハードコート層2に疎水化処理されていない光吸収粒子を含有すると粒子に水分が吸着するため、光吸収粒子の光吸収率の低下が生じるおそれがある。
また、疎水化処理されていない光吸収粒子に水分が吸着することで、ハードコート層2の含水率が増大し、ハードコート層2の伸縮や膨張が発生すると考えられる。それにより、隣接する反射ユニット4が変形するおそれがある。さらに、ハードコート層2の含水率が増大することにより、ハードコート層2の水分が反射ユニット4に侵入し、反射ユニット4の層厚が変化、反射ユニット4の反射率の低下等が生じるおそれがある。これら反射ユニットの変形、層厚の変化、反射率の低下は、光学遮蔽フィルムの遮光性能低下、虹ムラ発生の要因となると推察される。
さらに、ハードコート層2の伸縮や膨張、反射ユニット4の変形や層厚の変化により、光学遮蔽フィルムにクラックや、カールの発生等が生じ、光学遮蔽フィルムの外観品質が低下するおそれがある。
そこで、機能層に疎水性光吸収粒子を含有させることで、光吸収粒子の光吸収率の低下や機能層の含水率の増大が抑制され、機能層の伸縮や膨張、隣接する反射ユニット4の変形や層厚の変化を防止することができる。それにより、光学遮蔽フィルムの外観品質や遮光性能の低下、虹ムラの発生を抑制することができる。
本発明の光学遮蔽フィルムは、遮蔽性能としては、少なくとも800〜1100nmにおける赤外反射率が26%未満であることが好ましく、さらにこのましくは20%未満、特に好ましくは15%未満である。
<光学遮蔽フィルムの製造方法>
本発明に係る光学遮蔽フィルムの製造方法は、少なくとも、高屈折率層と低屈折率層とで構成される反射ユニットと、機能層と、を有する光学遮蔽フィルムにおいて、少なくとも疎水性光吸収粒子と樹脂とで機能層を形成することが好ましい。
なお、当該製造方法の各構成要件は上述のとおりである。また、当該製造方法の詳細な工程は、実施例に詳述するとおりである。
<光学遮蔽フィルムの応用:光学遮蔽体>
本発明により提供される光学遮蔽フィルムは、幅広い分野に応用することができる。例えば、建築物の屋外の窓や車輌の窓等光学遮蔽フィルムの窓貼用フィルム、農業用ビニールハウス用フィルム等として、本発明の光学遮蔽フィルムは好適に用いられる。
特に、本発明に係る光学遮蔽フィルムは、直接または粘着層を介してガラスまたはガラス代替の樹脂などの基体に貼合されて用いられる光学遮蔽フィルムとして好適である。
すなわち、本発明のさらに他の形態によれば、本発明に係る光学遮蔽フィルムを、基体の少なくとも一方の面に設けた、光学遮蔽体をも提供する。この具体的な例としては上記したように建築用の窓や車両の窓があげられる。
本発明の光学遮蔽フィルムを貼合する基体の具体的な例としては、ガラス、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフィド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂等の樹脂フィルム又は樹脂基板、金属板、セラミック等が挙げられる。樹脂の種類は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂のいずれでも良く、これらを2種以上組み合わせて用いても良い。基体は、押出成形、カレンダー成形、射出成形、中空成形、圧縮成形等、公知の方法で製造することができる。基体の厚さは特に制限されないが、通常0.1mm〜5cmである。
以下に、これら本発明の効果を確認した実施例について説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。以下、部とは質量部を指す。
≪実施例1≫
(分散液1の調製)
光吸収粒子として平均粒径40nmのアンチモンドープ酸化錫(ATO)を35質量%となるようメチルイソブチルケトン(MIBK)に分散した分散液100部にテトラエトキシシラン(TEOS)1.5部を徐々に添加し、さらに酢酸を0.1部加える。さらに純水0.5部を加え、この溶液を30℃で4時間攪拌した後、ヘキサメチレンジシラザン(HMDS)3部を加えて撹拌し、光吸収粒子の疎水化処理を行った。この溶液に100部のMIBKを加え、かつ、限外濾過で二分の一まで濃縮する作業を4回繰り返して、未反応物を除去し、疎水性光吸収粒子1がMIBKに35質量%分散された分散液1を得た。
なお、上記光吸収粒子の平均粒径は、各粒子を同体積の球に換算した時の直径(球換算粒径)の数平均値とし、この値は電子顕微鏡写真から評価した。すなわち、光学遮蔽フィルムの断層または粒子粉体を透過型電子顕微鏡写真で撮影し、一定の視野範囲にある粒子を200個測定して各粒子の球換算粒径を求め、その平均値を求めることにより得られた値である。疎水性光吸収粒子においても光吸収粒子と同様の方法で平均粒径を求めた。なお、疎水性光吸収粒子の平均粒径は、光吸収粒子の平均粒径と同じであった。
(疎水性光吸収粒子1のMW値測定)
前述した方法により得られた分散液1を噴霧乾燥し、疎水性光吸収粒子1(試料粉末)を取り出した。メタノール濃度が5%であるメタノール溶液(メタノールと水の混合用液)50mlを100mlのビーカーに入れ、試料粉末0.2gを添加した。次に、マグネチックスターラー(200rpm、30分間)で攪拌した。その後、マグネチックスターラーを停止し、15分放置した後に、試料粉末が沈降しているか目視で確認したところ、試料粉末の沈降が確認され、沈降した試料粉末のMW値は5%であると求められた。
(分散液2の調製)
光吸収粒子として平均粒径40nmのATOを35質量%となるようMIBKに分散した分散液100部にX-22-3701E(カルボキシ変性シリコーンオイル、信越シリコーン社製)2部を徐々に添加する。この溶液を30℃で4時間攪拌した後、この溶液に100部のMIBKを加え、かつ、限外濾過で二分の一まで濃縮する作業を4回繰り返して、未反応物を除去し、疎水性光吸収粒子2がMIBKに35質量%分散された分散液2を得た。
疎水性光吸収粒子2の物性は分散液2を噴霧乾燥し、取り出した粒子のMW値を上述した疎水性光吸収粒子1のMW値測定と同様に求めたところ、MW値は35%であった。
(ハードコート層用塗布液の調製)
前記分散液1を76部、紫外線硬化性樹脂としての紫外線硬化型ハードコート剤(KRM8495 ダイセル・オルネクス社製)を30部およびビームセット(登録商標)575(荒川化学工業株式会社製、ウレタンアクリレート)10部、溶媒としてのMIBK29.2部を添加した。さらに、フッ素系界面活性剤(フタージェント650A、株式会社ネオス製)を0.1部、光重合開始剤(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)0.7部を混合した後、当該混合液を30分間撹拌し、ハードコート層用塗布液を調製した。
(反射ユニットの作製)
特表2008−528313号公報に記載の方法を参照し、反射ユニットを作製した。具体的には、200層の重層押し出しダイスから、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、グリコール成分としてエチレングリコールとシクロヘキサンジカルボン酸を(7:3)となるコポリエステル(Co−PET)とジカルボン酸成分してナフタレンジカルボン酸とシクロヘキサンジカルボン酸(7:3)、グリコール成分としてエチレングリコールとなるコポリエステル(Co−PEN)を交互に押し出し、波長1000nmに反射波長の中心がある反射ユニットを作製した。
<光学遮蔽フィルム1の作製>
実施例1における光学遮蔽フィルムの層構成を図2Aに示した。
上記で有られた反射ユニット(反射ユニット4)の表面にマイクログラビアコーターを用いて、ハードコート層用塗布液を塗布し、恒率乾燥区間温度50℃、減率乾燥区間温度90℃で乾燥の後、紫外線ランプを用い照射部の照度が100mW/cmで、照射量を0.2J/cmとして塗布層を硬化させ、乾燥膜厚が6μmになるようにハードコート層2を形成し、光学遮蔽フィルム1を作製した。
この光学遮蔽フィルム1の厚み方向の断面をTEMで撮影し、疎水性光吸収粒子の平均粒径を測定した結果、40nmであった。
<光学遮蔽フィルム2〜13、17〜22の作製>
光学遮蔽フィルム1の作製において、ハードコート層を構成する際に使用した分散液1において、疎水性光吸収粒子を構成する光吸収粒子や疎水性光吸収粒子の平均粒径、疎水化剤、疎水度(MW値)を表1に記載したものとなるように変更した以外は同様にして光学遮蔽フィルム2〜13、17〜22を作製した。
<光学遮蔽フィルム15の作製>
光学遮蔽フィルム1の作製において、ハードコート層用塗布液の調製に用いた分散液1の代わりに分散液2を用いて調整した以外は光学遮蔽フィルム1と同様にして、光学遮蔽フィルム15を作製した。
<光学遮蔽フィルム14の作製>
本例における光学遮蔽フィルムの層構成を図2Bに示した。
<低屈折率層用塗布液の調製>
下記の各構成材料を、それぞれ45℃でこの順に添加、混合した後、純水で1000部に仕上げて、低屈折率層用塗布液を調製した。
10質量%のコロイダルシリカ(スノーテックスOXS、平均一次粒子径:4〜6nm、日産化学工業株式会社製)
430部
3質量%のホウ酸水溶液 85部
純水 182部
4質量%のポリビニルアルコール(4質量%水溶液、PVA−235;重合度:3500;ケン化度:88mol%;クラレ株式会社製)
300部
5質量%の界面活性剤(5質量%水溶液、アンヒトール20HD;花王株式会社製)
3.0部
<高屈折率層用塗布液の調製>
下記の手順に従って、高屈折率層用塗布液を調製した。
(シリカ変性酸化チタン粒子の分散液の調製)
はじめに、下記の方法に従って、シリカ変性酸化チタン粒子の分散液を調製し、これに溶媒等を添加した。
シリカ変性酸化チタン粒子の分散液は、以下のように調製した。
硫酸チタン水溶液を公知の方法により熱加水分解して、酸化チタン水和物を得た。得られた酸化チタン水和物を水に懸濁させて、酸化チタン水和物の水性懸濁液(TiO濃度:100g/L)10Lを得た。これに、水酸化ナトリウム水溶液(濃度10mol/L)30Lを撹拌下で添加し、90℃に昇温して、5時間熟成した。得られた溶液を塩酸で中和し、濾過、水洗することで、塩基処理チタン化合物を得た。
次に、塩基処理チタン化合物をTiO濃度20g/Lになるよう純水に懸濁させて撹拌した。撹拌下、TiO量に対し0.4mol%の量のクエン酸を添加した。95℃まで昇温し、濃塩酸を塩酸濃度が30g/Lとなるように加え、液温を維持して3時間撹拌した。ここで、得られた混合液のpH及びゼータ電位を測定したところ、25℃におけるpHは1.4、ゼータ電位は+40mVであった。また、ゼータサイザーナノ(マルバーン社製)により粒径測定を行ったところ、体積平均粒径は35nm、単分散度は16%であった。
ルチル型酸化チタン粒子を含む20.0質量%の酸化チタンゾル水系分散液1kgに純水1kgを添加して、10.0質量%の酸化チタンゾル水系分散液を調製した。
上記10.0質量%の酸化チタンゾル水系分散液の0.5kgに、純水2kgを加えた後、90℃に加熱した。その後、SiO濃度が2.0質量%のケイ酸水溶液1.3kgを徐々に添加した。得られた分散液をオートクレーブ中、175℃で18時間加熱処理を行い、さらに濃縮することで、SiOで被覆されたルチル型構造を有する酸化チタンを含む、20質量%のシリカ変性酸化チタン粒子の分散液(ゾル水分散液)を得た。
(塗布液の調製)
上記調製したシリカ変性酸化チタン粒子のゾル水分散液に、下記構成材料を45℃で順次添加し、最後に純水で1000部に仕上げ、高屈折率層用塗布液を調製した。
20.0質量%のシリカ変性酸化チタン粒子のゾル水分散液 320部
1.92質量%のクエン酸水溶液 120部
10質量%のポリビニルアルコール(PVA−103、重合度:300、ケン化度:99mol%、株式会社クラレ製)
20部
4質量%のポリビニルアルコール(PVA−124、重合度:2400、ケン化度:99mol%、株式会社クラレ製)
350部
5質量%の界面活性剤水溶液(アンヒトールHD、花王株式会社製)
1.0部
上記で得られた低屈折率層用塗布液および高屈折率層用塗布液を45℃に保温しながら、45℃に加温した厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡製A4300:両面易接着層)の基材3上に、最外層は共に低屈折率層とし、それ以外はそれぞれ交互に、乾燥時の膜厚が低屈折率層は各層150nm、高屈折率層は各層130nmになるようにスライドホッパー塗布装置を用い、計22層の同時重層塗布を行った。なお、層間の混合領域(混合層)の確認および膜厚の測定(確認)は、積層膜(光学遮蔽フィルム試料)を切断して切断面をXPS表面分析装置で高屈折率材料(TiO)と低屈折率材料(SiO)の存在量を測定することで、上記した各層の厚さが確保されていることが確認できた。
塗布直後、5℃の冷風を吹き付けてセットさせた。このとき、表面を指で触れても指に何もつかなくなるまでの時間(セット時間)は5分であった。セット完了後、80℃の温風を吹き付けて乾燥させ、基材3上に反射ユニット4を形成した。
基材3の表面に実施例1と同様にして、ハードコート層2を形成し、光学遮蔽フィルム14を製作した。
<光学遮蔽フィルム16の作製>
光学遮蔽フィルム14の作製において、ハードコート層用塗布液の調製で用いた分散液1の代わりに分散液2を用いて調製した以外は光学遮蔽フィルム14と同様にして、光学遮蔽フィルム16を作製した。
<光学遮蔽フィルム23の作製>
光学遮蔽フィルム14の作製において、ハードコート層を光学遮蔽フィルム18と同様に形成した以外は同様にして光学遮蔽フィルム23を作製した。
≪評価方法≫
[耐侯性]
<表面に粘着層が配置されたガラスの準備>
下記方法で、ガラス(基体)に粘着層を設けた。エタノール液にポリビニルアセタール樹脂(BX−L、アセタール化率:61mol%、積水化学工業株式会社製)を10.0部含有して粘着液を調製した。
ガラス(基体)の表面に粘着液を乾燥後の膜厚が10μmとなる塗布量で塗布し、70℃で乾燥させることにより、粘着層を形成し、表面に粘着層が配置されたガラスを得た。
作製した光学遮蔽フィルムを表面に粘着層が配置されたガラスに貼りつけ、光学遮蔽フィルムのハードコート層が配置された面側に対し100時間キセノンランプ照射(スガ試験機SX75を使用、放射強度180W/m)を行った。その際、18分間の水噴霧を22分の間隔を空けながら繰り返し行った。その後、遮蔽性能、外観品質、虹ムラを評価した。
<遮蔽性能>
耐候性試験後の各光学遮蔽フィルムの遮蔽性能を評価するために、分光光度計(積分球使用、株式会社日立製作所製、U−4000型)を用い、各光学遮蔽フィルムのハードコート層側から300nm〜2000nmの領域における透過率を測定した。800〜1100nmにおける反射率を測定しもっとも反射率が高いピークの透過率の値を用いて赤外線透過率%を評価した。
◎:透過率15%未満
○:15%以上20%未満
△:20%以上26%未満
×:26%以上
表1から明らかな通り、本発明の光学遮蔽フィルムは、赤外線透過率が抑制され、遮蔽性能の低下が抑制された光学遮蔽フィルムであることが分かった。
<外観品質>
(クラック)
耐候性試験後の各光学遮蔽フィルムのハードコート層表面を目視で傷や割れ、剥がれ等のクラックの発生を評価した。
◎:表面にスジ、割れが見えない
○:表面に割れがなく、スジが一部に見える
△:表面にスジ、割れが見える。
×:表面に明らかな割れ、剥がれが見える
(カール)
耐候性試験後の各光学遮蔽フィルムを10cm×10cmで切り出し、切り出した光学遮蔽フィルムを平坦な机に置き、カールの度合いを目視により評価した。
◎:カールの浮きあがりがほとんどない
〇:カールの浮きあがりがある部分が見られる
△:カールの浮きあがりが大きい
×:カールの浮きあがりが筒状になるまでカールする
表1から明らかな通り、本発明の光学遮蔽フィルムは、カール発生、または機能層のクラックの発生や隣接層からの剥がれが抑制され、外観品質の低下が抑制された光学遮蔽フィルムであることが分かった。
<虹ムラ>
対候性試験後の各光学遮蔽フィルムのハードコート層表面から強い白色光源を照射してガラス面から目視で透過光による虹ムラ発生の有無を確認した。
下記の基準に則り虹ムラの評価を行った。
◎:虹ムラの発生は認められない
○:極弱い虹ムラが認められるが、実用上許容の範囲にある
×:強い虹ムラが認められ、実用上問題がある
以上により得られた結果を、表1に示す。
Figure 2015146564
表1から明らかな通り、本発明の光学遮蔽フィルムは、虹ムラの発生が抑制された光学遮蔽フィルムであることが分かった。
≪実施例2≫
<光学遮蔽フィルム24の作製>
光学遮蔽フィルム3において、ハードコート層に疎水性光吸収粒子を添加しない以外は同様にして、光学遮蔽フィルムを作製した。この光学遮蔽フィルムのハードコートとは反対側の面に、以下の粘着層を形成し、光学遮蔽フィルム24を製作した。
エタノール液にポリビニルアセタール樹脂(BX−L、アセタール化率:61mol%、積水化学工業株式会社製)を10.0質量%含有して粘着液を調製し、当該液を遮蔽フィルムの表面に粘着液を乾燥後の膜厚が10μmとなる塗布量で塗布し、70℃で乾燥させることにより、粘着層を形成した。
<光学遮蔽フィルム25の作製>
光学遮蔽フィルム24において、上記粘着層の塗布液に、光学遮蔽フィルム3のハードコートに用いられた疎水性光吸収粒子を添加した以外は、同様にして光学遮蔽フィルム25を作製した。尚、疎水性光吸収粒子の添加量は、粘着層中に40質量%となるように添加した。
作製した光学遮蔽フィルム24、25は、光学遮蔽フィルム1と同様に耐候性、遮蔽性能、外観品質、虹ムラを評価した。
Figure 2015146564
表2から明らかな通り、本発明の光学遮蔽フィルムは、遮蔽性能の低下、外観品質の低下、虹ムラの発生が抑制された光学遮蔽フィルムであることが分かった。
以上のように、本発明は、光学遮蔽フィルムの外観品質や遮光性能の低下、虹ムラの発生を抑制し、耐侯性に優れた光学遮蔽フィルム、光学遮蔽体および光学遮蔽フィルムの製造方法を提供することに適している。
1 光学遮蔽フィルム
2 ハードコート層
3 基材
4 反射ユニット
5 粘着層
6 基体

Claims (9)

  1. 少なくとも、高屈折率層と低屈折率層とで構成される反射ユニットと、疎水性光吸収粒子と樹脂とを含有する機能層と、を有することを特徴とする光学遮蔽フィルム。
  2. 前記疎水性光吸収粒子が光吸収粒子の表面上に少なくともシランカップリング剤、反応性有機変性シリコーン、シラン化合物またはシリコーン化合物を含む層が形成されている粒子であることを特徴とする請求項1に記載の光学遮蔽フィルム。
  3. 少なくとも、高屈折率層と低屈折率層とポリマーとを含む反射ユニットと、疎水性光吸収粒子と樹脂とを含有する機能層と、を有し、前記光吸収粒子に少なくともシランカップリング剤、反応性有機変性シリコーン、シラン化合物またはシリコーン化合物を含む層が形成されていることを特徴とする光学遮蔽フィルム。
  4. 前記疎水性光吸収粒子の疎水度が3%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学遮蔽フィルム。
  5. 前記疎水性光吸収粒子の平均粒径が、120nm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学遮蔽フィルム。
  6. 前記機能層とは、ハードコート層及び粘着層のうちの少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学遮蔽フィルム。
  7. 前記疎水性光吸収粒子が少なくとも、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)または、タングステン酸化物から選択される化合物を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学遮蔽フィルム。
  8. 少なくとも、高屈折率層と低屈折率層とで構成される反射ユニットと、機能層と、を有する光学遮蔽フィルムの製造方法において、少なくとも疎水性光吸収粒子と樹脂とで機能層を形成することを特徴とする光学遮蔽フィルムの製造方法。
  9. 前記請求項1〜7のいずれか1項に記載に光学遮蔽フィルムが建築物または車輌の窓ガラスに設けられたことを特徴とする光学遮蔽体。
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