JP6672984B2 - 光学反射フィルム、光学反射フィルムの製造方法、及び、光学反射体 - Google Patents

光学反射フィルム、光学反射フィルムの製造方法、及び、光学反射体 Download PDF

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本発明は、光学反射フィルム、光学反射フィルムの製造方法、及び、光学反射フィルムを備える光学反射体に係わる。
近年、車窓から入り込む太陽光を遮蔽し、温度上昇、冷房負荷を低減する目的で、赤外線の遮蔽性を反射フィルムや、この反射フィルムが一対の板ガラスの間に配置された合わせガラスが市場に流通している。これらの光学反射フィルムや合わせガラスは、金属膜(Ag等)を光学反射層とする光学反射フィルムによって、太陽光線の熱線(赤外線)の透過を遮断している。
一方、最近のITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)の拡充、携帯端末の普及状況から、窓用の光学反射フィルムにも電磁波透過の必要性が高まっている。しかし、一般的な金属膜(Ag等)を用いた光学反射フィルムでは電磁波が遮断されてしまう。このため、電磁波透過性が要求される用途の光学反射フィルムでは、金属膜の変わりに電磁波透過性を有する誘電体積層膜からなる光学反射層が用いられている。このような光学反射フィルムに設けられる光学反射層としては、ポリマーに低屈折率又は高屈折率の粒子を分散した構成が、光学特性や生産性の観点で好ましく用いられて(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
特開2014−167620号公報 特開2014−017070号公報 特開2010−189477号公報
しかしながら、ポリマー中に粒子を分散した光学反射層は、光学反射層を構成する各層の屈折率を調整するためにポリマー中に多量に粒子を含有させると、折り曲げた際や長期間の使用により、光学反射層に亀裂等の損傷が発生してしまう課題がある。
上述した問題の解決のため、本発明においては、光学反射層の損傷の発生を抑制することが可能な光学反射フィルム、光学反射フィルムの製造方法、及び、光学反射体を提供する。
本発明の光学反射フィルムは、屈折率の異なる層が積層された構成を有する光学反射層を備える。そして、光学反射層を構成する各層が、ポリマーと粒子とを含み、光学反射層の最外層となる2層の少なくともいずれか1層の粒子含有率が、最外層以外の層の平均粒子含有率よりも小さい。
また、本発明の光学反射体は、上記光学反射フィルムと基体とを備える。
また、本発明の光学反射フィルムの製造方法は、屈折率の異なる層が積層された構成を有する光学反射層を、塗布法によって形成する光学反射フィルムの製造方法であって、光学反射層の最外層以外の層を形成するための液状組成物の平均粒子含有率よりも、粒子含有率が少ない液状組成物を用いて、光学反射層の最外層となる2層の少なくともいずれか1層を形成する。
本発明によれば、光学反射層の損傷の発生を抑制することが可能な光学反射フィルム、光学反射フィルムの製造方法、及び、光学反射体を提供することができる。
光学反射フィルムの構成を示す図である。 光学反射体の構成を示す図である。 光学反射体(合わせガラス)の構成を示す図である。 光学反射体(合わせガラス)の構成を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態の例を説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.光学反射フィルムの実施の形態
2.光学反射フィルムの製造方法の実施形態
3.光学反射体の実施の形態
〈1.光学反射フィルムの実施の形態〉
以下本発明の光学反射フィルムの具体的な実施の形態について説明する。
光学反射フィルムは、屈折率の異なる層が積層された構成を有する光学反射層を備える。光学反射層を構成する各層はポリマーと粒子とを含んで構成される。そして、光学反射層の最外層となる2層の少なくとも1層の粒子含有率が、光学反射層を構成する最外層以外の層の平均粒子含有率よりも小さい。
なお、光学反射フィルムには、必要に応じて、ハードコート層(保護層)や保護フィルム等の特定の機能を光学反射フィルムに付加するための機能層が配置されていてもよい。さらに、光学反射フィルムは、機能層として、導電性層、帯電防止層、ガスバリア層、易接着層(接着層)、防汚層、消臭層、流滴層、易滑層、耐摩耗性層、反射防止層、電磁波シールド層、紫外線吸収層、赤外線吸収層、印刷層、蛍光発光層、ホログラム層、剥離層、粘着剤層、接着層、上記光学反射層以外の赤外線カット層(金属層、液晶層)、着色層(可視光線吸収層)、合わせガラスに利用される中間膜等を、1つ以上を有していてもよい。
また、光学反射フィルムにおける上述の各種の機能層の積層順は、特に制限されない。例えば、窓ガラスの室内側に光学反射フィルムを貼る(内貼り)仕様では、基材上に、上記光学反射層と粘着剤層とがこの順に積層形成され、さらにこれらの層と逆側の基材表面にハードコート層が設けられた構成が挙げられる。また、光学反射フィルムの積層順は、粘着剤層、基材、光学反射層、ハードコート層の順であってもよく、さらに他の基材や上記機能層等を有していてもよい。また、窓ガラスの室外側に光学反射フィルムを貼る(外貼り)仕様においても、基材上に光学反射層と粘着剤層とがこの順に積層形成され、さらに、これらの層と逆側の基材表面にハードコート層が設けられた構成が挙げられる。外貼り仕様の場合も上記内貼り仕様の場合と同様に積層順は限定されず、粘着剤層、基材、光学反射層、ハードコート層の順であってもよく、さらに他の基材や上記機能層等を有していてもよい。
図1に、光学反射フィルムの構成の一例を示す。図1に示す光学反射フィルム10は、屈折率の異なる層が積層された構成を有する光学反射層13を備える。光学反射層13は、基材14側の最外層13c、粘着剤層12側の最外層13d、及び、最外層13cと最外層13dとの間に形成された最外層13c,13d以外の中間層13eとから構成されている。また、図1に示す光学反射フィルム10は、光学反射層13の一方の面に基材14を備え、他方の面に粘着剤層12を備える。光学反射フィルム10の構成では、主に基材14とは逆側の粘着剤層12側から、光学反射層13での反射を目的とする光(太陽光等の熱線)が入射する構成である。
なお、基材14及び粘着剤層12は、光学反射フィルム10の必須の構成要件ではなく、任意に適用できる構成である。図1に示すように、光学反射層13の一方の面に基材14が配置されることにより、光学反射層13が光や水分等の外部からの影響をより受けにくくなる。このため、光学反射フィルム10の耐候性高め、色調の変化を抑制できる。また、粘着剤層12を有することにより、光学反射フィルム10の施工性が向上する。
光学反射フィルム10の設置方法は特に制限されない。例えば、光学反射フィルム10を熱線遮蔽フィルムとして窓ガラスに施工する場合には、図1に示すように、光学反射フィルム10に対して太陽光が、基材14よりも光学反射層13側から入射するように設置すればよい。このような形態では、例えば、光学反射フィルム10を自動車等の車室内や建造物等の室内側の窓ガラス面に粘着剤層12を介して貼り合わせる場合に、粘着剤層12が太陽光入射側に配置され、他方の最外層に基材14が配置される。
光学反射フィルム10の全体の厚さは、施工性の観点から、好ましくは12〜315μm、より好ましくは15〜200μm、さらに好ましくは20〜100μmである。なお、光学反射フィルム10の全体の厚さには、粘着剤層12等の光学反射フィルム10として施工される層は含まれるが、粘着剤層12上の剥離層(離型フィルム)等のような施工前に剥離される構成は含まれない。
なお、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作及び物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜60%の条件で測定する。
[光学反射層]
光学反射フィルム10の光学反射層13は、屈折率の異なる層が積層された構成を有する。光学反射層13を構成する層は、少なくともポリマーと粒子とを有する。このため、ポリマーのみで構成される層等の粒子を含まない層は、光学反射層13に含まれない。
光学反射層13における屈折率の異なる層が積層された構成とは、例えば、図1に示すように、相対的に屈折率が高い高屈折率層13aと、相対的に屈折率が低い低屈折率層13bが交互に積層された積層体(ユニット)を少なくとも1つ有する構成である。光学反射層13は、熱線(赤外線)の侵入を防ぐことができるように、屈折率の異なる高屈折率層13aと低屈折率層13bとが交互に積層された積層体(ユニット)を少なくとも1つ有する構成である。このユニットは、光学反射層13において、最外層13c,13d及び中間層13eのいずれの層に配置されていてもよい。
なお、上記「高屈折率層」及び「低屈折率層」は、隣接した2層の屈折率差を比較した場合に、屈折率の高い方の層を高屈折率層とし、低い方の層を低屈折率層とする。従って、光学反射層13における高屈折率層及び低屈折率層は、光学反射層13を構成する各層において、隣接する2つの層の屈折率の比較により決められる。このため、これらの構成の名称は、積層体の構成や比較対象となる層との屈折率の関係により随時置き換えられる。また、「高屈折率層」及び「低屈折率層」の名称は、光学反射層13を構成するすべての層が同じ屈折率を有する場合を除く、すべての形態に適用することができる。
また、光学反射層13を構成する各層がポリマーと粒子とから構成されることにより、金属酸化物材料のみで形成された無機膜に比べて、層の柔軟性が向上する。このため、光学反射層13の膜割れ(亀裂)の発生を抑制することができる。また、各層間の密着性を向上させることができる。
また、ポリマーを含む光学反射層13を形成することにより、塗布法等の液相成膜法を用いて光学反射層13を作製することができる。このため、均一且つ大面積な成膜を容易に行なうことができる。さらに、液相成膜法を用いることにより、成膜速度を上げることができるため、製造コストや量産性に優れる。特に、塗布等を用いることにより、光学反射層13の各層の厚さを任意の厚さに制御することが容易となる。
光学反射層13の作製に液相成膜法を適用することにより、気相成膜法のような高温での成膜を行なう必要がない。このため、基材14となる樹脂フィルムの材料の選択範囲が広がる。また、ポリマーを含む光学反射層は上述のように柔軟性に優れるため、柔軟な樹脂フィルムを用いることにより、光学反射フィルム10を折り曲げた際にも、曲げ部分等での割れや剥離等の発生を抑制できる。さらに、温度変化による光学反射層13と他の層との間、又は、光学反射層13各層間での収縮率差に起因する、層間で剥離を抑制することができる。
光学反射層13においては、隣接する層の界面において、各層を構成する成分が混在する混合層が形成される場合がある。このような混合層が存在する場合には、混合層中において、相対的に屈折率の高い層を構成する成分が50質量%以上である部位の集合が高屈折率層13aに含まれ、相対的に屈折率の低い層を構成する成分が50質量%を超える部位の集合が低屈折率層13bに含まれる。なお、各層に含まれる成分の種類及び量は、エネルギー分散型X線分光法(EDX)により分析できる。
例えば、高屈折率層13aと低屈折率層13bがそれぞれ無機粒子を含む場合、高屈折率層13aに含まれる無機粒子(第1の無機粒子)と低屈折率層13bに含まれる無機粒子(第2の無機粒子)とが、2つの層の界面で混合され、第1の無機粒子と第2の無機粒子とを含む混合層が形成される場合がある。この場合、第1の無機粒子と第2の無機粒子との存在比により高屈折率層13a又は低屈折率層13bとみなす。具体的には、高屈折率層13aとは、第1の無機粒子と第2の無機粒子との合計質量に対して、第1の無機粒子が、50質量%を超えて100質量%以下で含まれる層を意味する。低屈折率層13bとは、第1の無機粒子と第2の無機粒子との合計質量に対して、第2の無機粒子が、50〜100質量%で含まれる層を意味する。なお、屈折率層に含まれる無機粒子の種類及び量は、エネルギー分散型X線分光法(EDX)により分析できる。
なお、光学反射層13において、層の数(総数)は、特に制限はない。好ましくは、7〜50層の範囲であり、好ましくは13〜39層である。積層数が7層以上であれば、所望の赤外反射率が得られ、13層以上であるとより高い赤外反射率が得られ、遮熱性効果が向上する。また、積層数が50層以下であれば光学反射層13が割れ難く、端部剥がれも抑制できるなど十分な耐候性が得られる点で優れている。
光学反射層13における隣接した層界面での反射は、層間の屈折率差に依存する。屈折率差が大きいほど、層界面での反射率が高まる。また、単層膜において、層表面での反射光と層底面での反射光との光路差が[n・d=λ/4]で表される関係になると、この特定の波長λの反射を、位相差によって強めることができる。なお、nは屈折率、dは層の物理膜厚、n・dは光学膜厚、λは波長である。この光路差を利用することで、反射を制御できる。
光学反射層13において、高屈折率層13aは、より高い屈折率を有することが好ましい。高屈折率層13aの屈折率は、好ましくは1.70〜2.50であり、より好ましくは1.80〜2.20であり、さらに好ましくは1.90〜2.20である。
また、光学反射層13において、低屈折率層13bは、より低い屈折率を有することが好ましい。低屈折率層13bの屈折率は、好ましくは1.10〜1.60であり、より好ましくは1.30〜1.55であり、さらに好ましくは1.30〜1.50である。
光学反射層13において、隣接する層の少なくとも1組は、0.1以上の屈折率差を有していることが好ましく、0.2以上の差を有していることがより好ましく、0.25以上の差を有していることがさらに好ましい。また、光学反射層13を構成する全ての層において、屈折率差が上記好適な範囲内にあることが好ましい。ただし、光学反射層13の最表層や最下層に関しては、上記好適な範囲外の構成であってもよい。
光学反射層13における特定波長領域の反射率は、隣接する2層の屈折率差と積層数で決まり、屈折率差が大きいほど、少ない層数で高い反射率が得られる。光学反射層13に要求される屈折率差と層数は、市販の光学設計ソフトを用いて計算することができる。例えば、赤外反射率(赤外遮蔽率)90%以上を得るためには、屈折率差が0.1より小さいと、100層を超える積層が必要になり、透明性が低下する。このため、隣接する層の屈折率差は、0.1以上であることが好ましい。特に好ましくは0.3以上であり、更に好ましくは0.4以上である。反射率の向上と層数を少なくする観点からは、隣接する層の屈折率差に上限はないが、実質的には1.4程度である。
屈折率は、下記の方法に従って求めることができる。
まず、必要に応じてガラスや樹脂フィルム等の基材上に、計測する層を単層で形成し、さらに10cm×10cmの大きさに断裁して測定用のサンプルを作製する。そして、作製したサンプルの裏面を粗面化処理し、黒色のスプレーで光吸収処理を行って裏面での光の反射を防止する。この後、分光光度計U−4000型(日立製作所社製)を用いて、5度正反射の条件で可視光領域(400nm〜700nm)の反射率を25点測定した平均値から、平均屈折率を求める。
光学反射層13の厚さは、特に限定されず、好ましくは10μm以下、より好ましくは5.5μm以下、特に好ましくは1.0〜4.0μmの範囲である。光学反射層の膜厚が10μm以下、特に5.5μm以下であれば、窓等への施工を行いやすい。また、光学反射層13の膜厚を上記範囲とすることにより、耐候性、特に光学反射フィルム10が熱膨張・熱収縮を繰り返した場合でも、フィルムの湾曲を効果的に防止することができ、施工後も長期間において端部剥がれを防止することができる。
光学反射層13を構成する各層の1層あたりの厚さは、20〜1000nmであることが好ましく、50〜500nmであることがより好ましい。また、光学反射層13を構成する中間層13eにおいては、さらに厚さが100〜300nmであることがより好ましく、100〜200nmであることが特に好ましい。光学反射層13を構成する各層の厚さは、同じでもよく、また、異なっていてもよい。また、各層の1層あたりの厚さは、例えば、製造した光学反射層13を切断し、その切断面を電子顕微鏡により観察することで確認することができる。この際、2つの層間の界面を明確に観測することができない場合には、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)表面分析装置により得た厚さ方向のXPSプロファイルにより界面を決定することができる。
(光学反射層の最外層;粒子含有率)
光学反射層13において、基材14側の最外層13c、及び、粘着剤層12側の最外層13dの少なくともいずれか1層の粒子含有率が光学反射層13を構成する最外層以外の層(中間層13e)の平均粒子含有率よりも小さい。
なお、粒子含有率とは、光学反射層13を構成する各層中(固形分中)の粒子の体積%(vol%)である。粒子含有率は、下記の方法によって測定される値である。
(粒子含有率の測定方法)
まず、光学反射層13の各層の厚さを反射型電子顕微鏡(SEM)により計測する。そして、この測定数値に基づいて光学反射フィルム10の光学反射層13側から切削し、所望の層に到達したところで、切削屑を採取する。採取した切削屑に対し、熱重量天秤(理学電機社製、商品名:TGA8120)を用いて、空気気流中、900℃における熱分析を行い、その残渣量から層中に含まれる粒子量を測定する。
また、光学反射層の作製においては、各層(最外層13c,13d及び中間層13e)を形成するための組成物を調製する際に、調製液中の固形分と粒子との配合比率から各層の粒子含有率を求めることが可能である。
光学反射層13の最外層13c,13dの粒子含有率を中間層13eの平均粒子含有率よりも小さくすることにより、光学反射層13の損傷を抑制することができる。これは、以下の理由によるものと推測される。
ポリマーと粒子とからなる光学反射層では、粒子含有率が大きくなる程、伸縮性や柔軟性等が低下し、層の内部に発生する応力や外部からの応力によって、損傷しやすくなる。しかし、伸縮性や柔軟性を高めるために粒子含有率を下げると、光学的な特性の設計自由度が下がり、各層間の屈折率差が小さくなったり、所望の光学特性を得るための積層数が大きくなったりする。
一方、光学反射層のように、複数の層が積層された構成では、折り曲げられた際や、熱等による膨張、伸縮において、各層間に応力が発生しやすい。特に、光学反射層13の最外層13c,13dは、光学反射層13を構成する材料と異なる材料で構成された他の部材と接触する。このため、光学反射層13を構成する材料と他の部材を構成する材料との熱膨張係数や伸縮性の差により、折り曲げ際や、熱による膨張及び伸縮の際に、光学反射層13の最外層13c,13dに、大きい応力が発生しやすい。
そこで、大きい応力が発生しやすい最外層13c,13dのみ粒子含有率を下げることにより、最外層13c,13dの伸縮性や柔軟性を高める。そうすると、伸縮性や柔軟性の高い最外層13c,13dが、光学反射層13において応力緩和層のように振る舞うため、光学反射層13の各層間や光学反射層13と外部との間に発生する応力が、最外層13c,13dによって吸収又は緩和される。従って、光学反射層13に発生する、応力による亀裂等の損傷を抑制することができる。
さらに、粒子含有率を下げる層を最外層13c,13dのみとし、光学反射層13の中間層13eの平均粒子含有率を、光学反射層13に要求される光学特性に応じた値とすれば、光学反射層13における光学的な特性への影響も小さい。従って、光学反射層13の中間層13eの全体の平均粒子含有率を、光学特性に応じて最外層13c,13dよりも高くし、最外層13c,13dの粒子含有率を低くすることにより、光学反射層13の光学的特性の低下を抑制しながら光学反射フィルム10の損傷抑制が可能となる。
なお、最外層13c,13dのいずれか一方の粒子含有率が中間層13eの平均粒子含有率よりも小さければ、この粒子含有率の小さい一方の最外層13c又は最外層13dにおいて、応力が吸収又は緩和され、応力による亀裂等の損傷を抑制することができる。このため、光学反射フィルム10においては、少なくとも最外層13c又は最外層13dのいずれか一方の粒子含有率が中間層13eの平均粒子含有率よりも小さければよい。また、最外層13c,13dの両方の粒子含有率が中間層13eの平均粒子含有率よりも小さければ、さらに光学反射フィルム10の応力緩和に効果的である。このため、光学反射フィルム10においては、光学反射層13の最外層13c,13dの両層の粒子含有率が、中間層13eの平均粒子含有率よりも小さいことが好ましい。
また、中間層13eの平均粒子含有率は、光学反射フィルム10に求められる光学特性によって設計される。この中間層13eに対して最外層13c,13dの粒子含有率が10%以上小さければ、中間層13eや光学反射層13全体への応力緩和に十分な程度の伸縮性や柔軟性が最外層13c,13dに付与される。従って、最外層13c,13dの粒子含有率が、中間層13eの平均粒子含有率よりも10%以上小さいことにより、光学反射フィルム10の応力緩和が良好となる。
最外層13c,13dにおいて、中間層13eの平均粒子含有率よりも粒子含有率が小さい層は、粒子含有率が20vol%以上45vol%以下であることが好ましい。最外層13c,13dの粒子含有率が小さすぎると、隣接する層と間に各層を構成する成分が混在する混合層が形成されやすい。この場合には、光学反射フィルム10のヘイズが悪化する可能性がある。また、最外層13c,13dの粒子含有率が大きすぎると、中間層13eとの粒子含有量との差が大きくなりにくいため、応力緩和効果や光学的な設計自由度が低下しやすい。
光学反射フィルム10において、光学反射層13の一方の面に配置されている基材14側の最外層13cは、他方の面側(図1では粘着剤層12側)の最外層13dよりも、粒子含有率が大きいことが好ましい。そして、基材14側の最外層13cは、厚さが300nm以上800nm以下であることが好ましい。さらに、最外層13dの厚さが、200nm以上600nm以下であることが好ましい。
基材14上に塗布法によって光学反射層13を形成する際に、基材14側の最外層13cの粒子含有量が少ないと、塗布ムラが発生しやすい。これは、粒子含有率が小さいと、最外層13cを形成するための液状組成物の基材14に対する濡れ性が低下するためと考えられる。
また、最外層13c及び最外層13dは、厚さが小さすぎると応力緩和効果が小さくなし、光学反射フィルム10への損傷抑制効果が弱く難しくなる。また、最外層13c及び最外層13dは、厚さが大きい方が応力緩和には効果的であるが、厚すぎると塗布ムラが発生しやすい。さらに、最外層13cの厚さが小さすぎると、応力緩和効果が小さくなるだけでなく、基材14に対する液状組成物の濡れ性が低下し、塗布ムラが発生しやすい。
(ポリマー)
光学反射層13を構成する層に含まれるポリマーとしては、バインダーとして機能する水溶性高分子を用いることが好ましい。ポリマーとして水溶性高分子を含むことにより、有機溶剤の使用を抑えた層形成が可能となり、有機溶剤による環境上の問題を解決することができる。また、水溶性高分子を用いることにより、塗膜に柔軟性を付与することができる。
なお、光学反射層13に用いられるポリマーは上述の材料に制限されず、例えば、国際公開第2012/128109号、特開2013−121567号公報、特開2013−148849号公報等に記載の公知のポリマーを使用することもできる。
また、ポリマーとして水溶性高分子を用いる場合、光学反射層13の形成に塗布やスピンコート等の液相成膜法を適用することできる。液相成膜法は、気相成膜法に比べて簡便であり、基材の耐熱性を問わないため樹脂フィルムを用いた光学反射フィルム10の作製に有効である。また、塗布法を用いることにより、ロール・ツー・ロール法等の大量生産方式が採用できるため、コスト面やプロセス時間面で有利となる。
水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、及び、その誘導体(ポリビニルアルコール系樹脂)、ゼラチン、並びに、増粘多糖類等が挙げられる。塗布ムラや膜厚均一性(ヘイズ)等の観点からは、光学反射層13は、ポリマーとしてポリビニルアルコール又はその誘導体を含むことが好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他、各種の変性ポリビニルアルコールも含まれる。ポリマーは、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、ポリマーは、合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは、平均重合度が1000以上であることが好ましく、平均重合度が1500〜5000であることが特に好ましい。また、ケン化度は、70〜100モル%であることが好ましく、80〜99.9モル%であることが特に好ましい。このようなポリビニルアルコールとしては、例えば、日本酢ビ・ポバール社製のJP−45(重合度4500、ケン化度88モル%)等を用いることができる。
変性ポリビニルアルコールとしては、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、ノニオン変性ポリビニルアルコール、エチレン変性ポリビニルアルコール、ビニルアルコール系ポリマーが挙げられる。また、酢酸ビニル系樹脂(例えば、クラレ社製「エクセバール」)、ポリビニルアルコールにアルデヒドを反応させて得られるポリビニルアセタール樹脂(例えば、積水化学工業社製「エスレック」)、シラノール基を有するシラノール変性ポリビニルアルコール(例えば、クラレ社製「R−1130」)、分子内にアセトアセチル基を有する変性ポリビニルアルコール系樹脂(例えば、日本合成化学工業社製「ゴーセファイマー(登録商標)Z/WRシリーズ」)等も変性ポリビニルアルコールに含まれる。
アニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平1−206088号公報に記載のアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号公報及び特開昭63−307979号公報に記載のビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体、特開平7−285265号公報に記載の水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号公報に記載のポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号公報に記載の疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体、シラノール基を有するシラノール変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基やカルボニル基、カルボキシル基等の反応性基を有する反応性基変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開昭61−10483号公報に記載の第1級〜第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖又は側鎖中に有するポリビニルアルコールが挙げられ、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%であることが好ましく、0.2〜5モル%であることがより好ましい。
エチレン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開2009−107324号公報、特開2003−248123号公報、特開2003−342322号公報等に記載のものが使用できる。又は、エクセバール(商品名:クラレ社製)等の市販品を使用してもよい。
ビニルアルコール系ポリマーとしては、エクセバール(商品名:クラレ社製)や、ニチゴーGポリマー(商品名:日本合成化学工業社製)等が挙げられる。
なお、上述のポリビニルアルコールは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、ポリビニルアルコールは合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。
ポリビニルアルコールの重量平均分子量は、1000〜200000であることが好ましく、3000〜60000であることがより好ましい。なお、「重量平均分子量」の値は、静的光散乱法、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC)、TOFMASS等によって測定した値を採用することができる。水溶性ポリマーの重量平均分子量が上記範囲内であると、塗布法の適用が可能となり、生産性が向上する。
水溶性ポリマーの含有量は、層の全固形分に対して、5〜75質量%であることが好ましく、10〜70質量%であることがより好ましい。水溶性ポリマーの含有量が5質量%以上であると、湿式製膜法で層を形成する場合に、塗布して得られた塗膜の乾燥の際におきやすい、膜面の乱れによる透明性の劣化を抑制できる。一方、水溶性ポリマーの含有量が75質量%以下であると、層中に無機粒子を含有する場合に好適な含有量となる。
また、水溶性ポリマーを硬化させるために、硬化剤を使用することもできる。硬化剤としては、ホウ酸及びその塩、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等、アルデヒド系硬化剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬化剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5,−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、アルミニウム明礬、ホウ砂等が挙げられる。各層における硬化剤の含有量は、層の固形分に対して、1〜10質量%であることが好ましい。
また、塗布時の表面張力を調整するための界面活性剤を含んでもよい。ここで、界面活性剤としてアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤等を用いることができる。界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤を用いることが好ましく、1分子中に炭素数8〜30の疎水性基とホスホン酸基又はその塩を含有するものが好ましい。各層における界面活性剤の含有量は、固形分に対して、0.01〜5質量%であることが好ましい。界面活性剤としては、例えば、ニューコールシリーズ(日本乳化剤社製)等を用いることができる。
(粒子)
光学反射層13において、屈折率の高い層を形成するためには、バインダーとなるポリマーよりも屈折率の高い粒子を用いることが好ましい。このような粒子としては、金属酸化物粒子を用いることが好ましい。特に、金属酸化物粒子として酸化チタン、酸化ジルコニウムを含むことが好ましい。さらに、酸化チタンや酸化ジルコニウムとともに、これ以外の金属酸化物粒子が含まれていてもよい。複数の無機酸化物を含む場合、高い屈折率を得るためには、金属酸化物粒子として、酸化チタン又は酸化ジルコニウムを最も多い比率で有していることが好ましい。好ましくは、全粒子中において、酸化チタン、酸化ジルコニウムのいずれか、又は、酸化チタンと酸化ジルコニウムとの合計で50質量%以上含むことが好ましく、70質量%以上含むことが好ましく、80質量%以上含むことがより好ましい。酸化チタンとしては、透明でより屈折率の高い層を形成することができるため、二酸化チタンを用いることが好ましく、特にルチル型(正方晶形)酸化チタン粒子を用いることが好ましい。また、酸化ジルコニウムとしては、二酸化ジルコニウム(ZrO)を用いることが好ましい。
金属酸化物粒子の含有量としては、層の固形分100質量%に対して、熱線遮蔽性や色ムラ低減の観点から、20〜90質量%であることが好ましく、30〜85質量%であることがより好ましく、40〜80質量%であることがさらに好ましい。
酸化チタン、酸化ジルコニウム以外の金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、アルミナ、コロイダルアルミナ、チタン酸鉛、鉛丹、黄鉛、亜鉛黄、酸化クロム、酸化第二鉄、鉄黒、酸化銅、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル(Ta)、酸化バリウム、酸化インジウム、酸化ユーロピウム、酸化ランタン、ジルコン、酸化スズ、及び、酸化鉛、並びに、これらの複酸化物であるニオブ酸リチウム、ニオブ酸カリウム、タンタル酸リチウム、及び、アルミニウム・マグネシウム酸化物(MgAl)等が挙げられる。
また、希土類酸化物としては、例えば、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化プラセオジム、酸化ネオジム、酸化サマリウム、酸化ユウロピウム、酸化ガドリニウム、酸化テルビウム、酸化ジスプロシウム、酸化ホルミウム、酸化エルビウム、酸化ツリウム、酸化イッテルビウム、酸化ルテチウム等を用いることができる。
金属酸化物粒子としては、屈折率が1.90以上の金属酸化物粒子を用いることが好ましい。屈折率が1.90以上の金属酸化物粒子としては、例えば、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化チタン、酸化亜鉛等を挙げることができる。
また、金属酸化物粒子として、金属酸化物粒子の表面にアルミニウム、珪素、ジルコニウム等が立体的障壁のある島状に担持した構成を用いることができる。例えば、酸化チタン粒子が、含ケイ素水和酸化物で被覆されたコアシェル粒子であってもよい。コアシェル粒子は、コアとなる金属酸化物粒子(酸化チタン粒子)の表面に、含ケイ素水和酸化物のシェル層が被覆した構造を有する。このようなコアシェル粒子を用いることで、シェル層の含ケイ素水和酸化物と水溶性ポリマーとの相互作用により、隣接する層界面での混合が抑制される。ここで、「被覆」とは、酸化チタン粒子の表面の少なくとも一部に、含ケイ素水和酸化物が付着した状態を示す。すなわち、金属酸化物粒子として用いられる酸化チタン粒子の表面が、完全に含ケイ素水和酸化物で覆われた状態でもよく、酸化チタン粒子の表面の一部に含ケイ素水和酸化物が付着した状態でもよい。コアシェル粒子の屈折率は、含ケイ素水和酸化物の被覆量に影響を受けるため、酸化チタン粒子の表面の一部が含ケイ素水和酸化物で被覆されていることが好ましい。以下ではこのような被覆された酸化チタンのコアシェル粒子を「シリカ付着二酸化チタンゾル」とも称する。酸化チタン粒子を含ケイ素水和酸化物で被覆する方法としては、従来公知の方法により製造することができ、例えば、特開平10−158015号公報、特開2000−204301号公報、特開2007−246351号公報等に記載された方法を適用することができる。
金属酸化物粒子の体積平均粒径は、100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましい。特に、ヘイズ値が低く、可視光透過率に優れることから、体積平均粒径が1〜30nmであることが好ましく、1〜20nmであることがより好ましい。
なお、ここで体積平均粒径は、粒子そのものを観察する方法により、1000個の任意の粒子の粒径を測定し、平均した値である。粒径の測定には、例えば、レーザー回折散乱法、動的光散乱法、又は、電子顕微鏡を用いて観察する方法や、層の断面や表面に現れた粒子像を電子顕微鏡で観察する方法を用いる。そして、これらの方法により測定された1000個の任意の粒子について、それぞれd1、d2・・・di・・・dkの粒径を持つ粒子が、それぞれn1、n2・・・ni・・・nk個存在する集団において、粒子1個当りの体積をviとした場合に、平均粒径mv={Σ(vi・di)}/{Σ(vi)}で表される値を、上述の体積平均粒径とする。
また、光学反射層13において、屈折率の低い層を形成するためには、バインダーとなるポリマーよりも屈折率の低い粒子を用いることが好ましい。このような粒子としては、上述の屈折率の高い金属酸化物粒子と異なる無機粒子を用いることが好ましい。層における無機粒子の含有量としては、層の固形分に対して、屈折率の観点から、5〜70質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがさらに好ましい。無機粒子は、その平均粒径が3〜100nmであることが好ましい。一次粒子の状態で分散された粒子の一次粒子の平均粒径(塗布前の分散液状態での粒径)は、3〜50nmであるのがより好ましく、3〜40nmであるのがさらに好ましく、3〜20nmであるのが特に好ましく、4〜10nmであるのが最も好ましい。また、二次粒子の平均粒径としては、30nm以下であることが、ヘイズが少なく可視光透過性に優れる観点で好ましい。層中の粒子の平均粒径は、粒子自体を、又は、層の断面や表面に現れた粒子を、電子顕微鏡で観察し、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、その単純平均値(個数平均)として求める。ここで個々の粒子の粒径は、粒子の投影面積と等しい面積の円を仮定したときの、円の直径(面積円相当径)である。
屈折率の低い層を形成する場合、無機粒子として二酸化ケイ素(SiO)やフッ化マグネシウム(MgF)を用いることが好ましく、特にコロイダルシリカを用いることが特に好ましい。コロイダルシリカは、珪酸ナトリウム等の酸による複分解や、イオン交換樹脂層を通過させて得られるシリカゾルを、加熱熟成して得られる。コロイダルシリカは、例えば、特開昭57−14091号公報、特開昭60−219083号公報、特開昭60−219084号公報、特開昭61−20792号公報、特開昭61−188183号公報、特開昭63−17807号公報、特開平4−93284号公報、特開平5−278324号公報、特開平6−92011号公報、特開平6−183134号公報、特開平6−297830号公報、特開平7−81214号公報、特開平7−101142号公報、特開平7−179029号公報、特開平7−137431号公報、及び、国際公開第94/26530号等に記載されている製法及び構成を適用することができる。コロイダルシリカは、その表面がカチオン変性されていてもよく、Al、Ca、Mg又はBa等で処理されていてもよい。
このようなコロイダルシリカは合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。市販品としては、日産化学工業(株)から販売されているスノーテックスシリーズ(スノーテックスOS、OXS、S、OS、20、30、40、O、N、C等)が挙げられる。
[基材]
光学反射フィルム10は、光学反射層13の一方の面に基材14を有していてもよい。基材14としては、種々の樹脂フィルムを用いることができる。例えば、ポリオレフィンフィルム(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ塩化ビニル、3酢酸セルロース等を用いることができる。特に、基材14として、ポリエステルフィルムを用いることが好ましい。また、基材14は、未延伸フィルムでもよく、延伸フィルムでもよい。強度向上、熱膨張抑制の点から延伸フィルムが好ましい。
ポリエステルフィルムとしては、特に限定されるものではない。ポリエステルフィルムとしては、例えば、ジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするフィルム形成性を有することが好ましい。主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸等を挙げることができる。また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオール等を挙げることができる。これらの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコールや1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。さらに、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートを主要な構成成分とするポリエステル、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、及び、これらの2種以上のポリエステルの混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
基材14の厚さは、10〜300μm、特に20〜150μmであることが好ましい。また、基材14は、2枚重ねたものであってもよく、この場合、その種類が同じでも異なってもよい。
基材14は、JIS R3106(1998)で示される可視光領域の透過率が85%以上であることが好ましく、特に90%以上であることが好ましい。基材14が上記透過率以上であることにより、光学反射フィルム10のJIS R3106(1998)で示される可視光領域の透過率を50%以上(上限:100%)とするために有効である。
基材14は、従来公知の一般的な方法により製造することが可能である。例えば、材料となる樹脂を押し出し機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の樹脂フィルムを製造することができる。また、未延伸の樹脂フィルムを一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等の公知の方法で、樹脂フィルムの流れ(縦軸)方向、又は、樹脂フィルムの流れ方向と直角(横軸)方向に延伸し、延伸基材を製造することができる。この場合の延伸倍率は、基材14の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向及び横軸方向にそれぞれ2〜10倍が好ましい。
また、寸法安定性の観点から、樹脂フィルムに弛緩処理、オフライン熱処理を行ってもよい。弛緩処理は、樹脂フィルムを延伸製膜工程で熱固定した後、横延伸のテンター内、又は、テンターを出た後の巻き取り工程までに行うことが好ましい。弛緩処理は、処理温度を80〜200℃で行うことが好ましく、より好ましくは100〜180℃で行なう。また長手方向、幅方向ともに、弛緩率は0.1〜10%の範囲が好ましく、より好ましくは弛緩率が2〜6%である。弛緩処理された樹脂フィルムは、下記のオフライン熱処理を施すことにより耐熱性が向上し、さらに、寸法安定性が良好になる。
基材14には、製造過程において、片面、又は、両面にインラインで下引層塗布液を塗布することが好ましい。なお、製膜工程中での下引塗布をインライン下引という。下引層塗布液に使用する樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレンイミンビニリデン樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂(ポリビニルアルコール)、変性ポリビニルアルコール樹脂(変性ポリビニルアルコール)及びゼラチン等が挙げられ、いずれも好ましく用いることができる。これらの下引層には、従来公知の添加剤を加えることもできる。上記の下引層は、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレーコート等の公知の方法によりコーティングすることができる。上記の下引層の塗布量としては、0.01〜2g/m(乾燥状態)程度が好ましい。
なお、基材14には、添加剤として、例えば安定剤、界面活性剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、抗酸化剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色剤、色素、接着調整剤等を含有させることもできる。
[粘着剤層]
光学反射フィルム10は、光学反射層13上に粘着剤層12を有してもよい。図1に示す光学反射フィルム10の構成では、基材14が形成された面とは逆側の光学反射層13の面上に、粘着剤層12が設けられている。
粘着剤層12の構成としては、特に制限されず、例えば、ドライラミネート剤、ウエットラミネート剤、粘着剤、ヒートシール剤、ホットメルト剤等が用いられる。光学反射フィルム10を窓ガラスに貼り合わせて用いる用途においては、窓に水を吹き付け、濡れた状態のガラス面に光学反射フィルム10の粘着剤層12側を貼り合わせる方法、いわゆる水貼り法が好適に用いられる。このため、粘着剤層12は、水が存在する湿潤下で粘着力が弱い粘着剤を含むことが好ましい。
粘着剤層12に用いる粘着剤は、特に限定されず、公知の粘着剤を使用できる。具体的には、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリ酢酸ビニル系粘着剤、アクリル系粘着剤、ニトリルゴム等を用いることができる。これらのうち、アクリル系粘着剤が、耐久性、透明性、粘着特性の調整の容易さ等の面から好ましい。また、水貼り法においても、水が存在する湿潤下で粘着力が弱い、アクリル系粘着剤が好ましく用いられる。
アクリル系粘着剤は、溶剤系およびエマルジョン系どちらでもよいが、粘着力等を高め易いことから、溶剤系粘着剤が好ましく、その中でも溶液重合で得られたものが好ましい。このような溶剤系アクリル系粘着剤を溶液重合で製造する場合の原料としては、例えば、骨格となる主モノマーとして、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクリルアクリレート等のアクリル酸エステル、凝集力を向上させるためのコモノマーとして、酢酸ビニル、アクリルニトリル、スチレン、メチルメタクリレート等、さらに架橋を促進し、安定した粘着力を付与させ、また水の存在下でもある程度の粘着力を保持するために官能基含有モノマーとして、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。特に高タック性持たせるため、ブチルアクリレート等のような低いガラス転移温度(Tg)を主ポリマーとして有するアクリル系粘着剤が特に有用である。
上記アクリル系粘着剤の市販品としては、たとえば、コーポニールシリーズ(日本合成化学社製)等が挙げられる。
また、粘着剤層12にアクリル系粘着剤を用いる場合には、アクリル系粘着剤の硬化剤を用いることもできる。アクリル系粘着剤の硬化剤は、例えば、イソシアネート系、エポキシ系、アリジリン系硬化剤が挙げられる。イソシアネート系硬化剤としては、長期保存後も安定した粘着力が得られること、及び、高い強度が得られることから、トルエンジイソシアネート(TDI)等の芳香族系の硬化剤を用いることが好ましい。トルエンジイソシアネート(TDI)としては、例えば東洋インキ社製BXX5134を使用することができる。
硬化剤の添加量(固形分換算)は、粘着剤に対して、2〜9質量%であることが好ましく、より好ましくは3〜7質量%である。このような範囲であれば、粘着剤が残りにくく、十分な接着力も確保できる。
粘着剤の塗工方法としては、特に制限されず、任意の公知の方法が使用でき、例えば、バーコート法、ダイコーター法、コンマコーティング法、グラビアロールコーター法、ブレードコーター法、スプレーコーター法、エアーナイフコート法、ディップコート法、転写法等が好ましく挙げられ、単独または組合せて用いることができるが、ロール式で連続的に行うのが経済性及び生産性の点から好ましい。これらは適宜、公知の溶媒に粘着剤を溶解、又は、分散させた塗布液を用いて塗工することができる。
粘着剤層12は、上記粘着剤に加えて、添加剤を含んでもよい。ここで、添加剤としては、例えば、安定剤、界面活性剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、難燃剤、帯電防止剤、抗酸化剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色剤、色素、接着調整剤等を用いることができる。これらのうち、粘着剤層12は、紫外線吸収剤を含有することが好ましい。紫外線吸収剤を含む粘着剤層12を、光学反射フィルム10の太陽光の入射側(光入射側)に設けることによって、光学反射層13や基材14に侵入する紫外線が低減する。このため、窓貼用として使用する場合には、紫外線による光学反射層13や基材14の劣化を抑制することができ、光学反射フィルム10の劣化を抑制できる。
また、光学反射フィルム10が粘着剤層12を有する場合、粘着剤層12上に、さらに、剥離層を設け、光学反射フィルム10を基材に貼りつける際に、この剥離層を剥がして粘着剤層12の表面を露出する構成としてもよい。
また、粘着剤層の厚さは、粘着効果、乾燥速度等の観点から、通常1〜100μm程度の範囲であることが好ましい。
粘着力は、JISK6854記載の180°剥離試験にて測定した剥離強度が2〜30N/25mmであることが好ましく、4〜20N/25mmであることがより好ましい。
粘着剤層の形成は、先の塗工方式にて、直接光学反射層に塗工してもよく、また、一度剥離フィルムに塗工して乾燥させた後、反射層を貼り合せて粘着剤を転写させてもよい。この時の乾燥条件は、残留溶剤ができるだけ少なくなることが好ましく、そのためには乾燥温度や時間は特定されないが、好ましくは50〜150℃の温度で、10秒〜5分の乾燥時間を設けることがよい。
[ハードコート層]
光学反射フィルム10は、耐擦過性を高めるための表面保護層として、熱や紫外線等で硬化する樹脂を含むハードコート層(図示省略)を有していてもよい。例えば、基材14に光学反射層13、粘着剤層12の順に積層し、さらに、基材14の光学反射層13と逆側の表面にハードコート層を塗設する形態が好ましい一例として挙げられる。
ハードコート層に用いられる樹脂としては、熱硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂が挙げられるが、成形が容易なことから、紫外線硬化型樹脂が好ましい。特に、鉛筆硬度が2H以上となる紫外線硬化型樹脂を用いることが好ましい。樹脂は、単独でも、2種以上組み合わせても用いてもよい。
紫外線硬化型樹脂としては(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂が挙げられ、これらは無溶剤型の樹脂組成物としても使用できる。
紫外線硬化型樹脂を用いる場合、硬化促進のために、光重合開始剤を添加することが好ましい。光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、チウラム化合物類、フルオロアミン化合物などが用いられる。光重合開始剤の具体例としては、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、2−メチル−4’−メチルチオ−2−モリホリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モリホリノフェニル)−ブタノン1などのアセトフェノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルレタールなどのベンゾイン類、ベンゾフェノン、2,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、p−クロロベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、アントラキノン類、チオキサントン類などがある。これらの光重合開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上の組合せや、共融混合物であってもよい。特に、硬化性組成物の安定性や重合反応性等からアセトフェノン類を用いることが好ましい。このような光重合開始剤は市販品を用いてもよく、例えば、例えば、BASFジャパン社製のイルガキュア(登録商標)819、184、907、651などが好ましい例示として挙げられる。
また、ハードコート層には、添加剤として、例えば安定剤、界面活性剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、抗酸化剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色剤、色素、接着調整剤等を含有させることもできる。
ハードコート層の厚みは、ハードコート性の向上と、光学反射フィルムの透明性の向上という観点から、0.1μm〜50μmが好ましく、1〜20μmがより好ましい。
ハードコート層の形成方法は特に制限されず、例えば、上記各成分を含むハードコート層塗布液を調製した後、塗布液をワイヤーバー等により塗布し、熱や紫外線で塗布液を硬化させ、ハードコート層を形成する方法等が挙げられる。
[その他の層]
光学反射フィルム10は、上述した層以外の他の層(図示省略)を有していてもよい。例えば、光学反射フィルム10に上述の機能層を設けることができる。ここで「機能層」とは、基材14と光学反射層13との間や、基材14とハードコート層との間に配置される層を意味する。機能層の構成材料としては、ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられ、添加剤の相溶性、Tgが低い物質が好ましいが、それを満たしていればいずれを用いてもよい。機能層のガラス転移温度(Tg)は、30〜120℃であれば、十分な耐候性が得られるため好ましく、より好ましくは、30〜90℃の範囲である。
機能層には、添加剤として、例えば安定剤、界面活性剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、抗酸化剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色剤、色素、接着調整剤等を含有させることもできる。
〈2.光学反射フィルムの製造方法の実施形態〉
次に、図1に示す光学反射フィルム10の製造方法の具体的な実施の形態について説明する。光学反射フィルム10の製造では、まず、ポリマーに粒子を分散させた層形成用の液状組成物を調製する(液状組成物の調製工程)。このとき、それぞれ屈折率が異なる層形成用の液状組成物を、複数調製する。そして、これらの液状組成物を、例えば、水系同時重層塗布や逐次重層塗布等により、基材上に塗布して積層する(塗布工程)。さらに、積層塗布された塗膜を、必要に応じてセット(積層した塗膜をいったん冷却すること)した後、乾燥する(乾燥工程)ことで光学反射層13を形成する。
[液状組成物の調製工程]
液状組成物の調製では、まず、ポリビニルアルコール等のポリマーを溶媒に溶解してポリマー溶解液を調製する(ポリマー溶解液の調製工程)。そして、乾燥後の層中の粒子含有率が所定の値となるように、調製したポリマー溶解液に、粒子を分散させて(粒子の分散工程)、層形成用の液状組成物を調製する。
(ポリマー溶解液の調製工程)
ポリマー溶解液の調製において、ポリマーとしては、上述のポリマーを用いることができる。また、ポリマーの溶解に用いる溶媒は、特に限定されないが、水、有機溶媒、又は、それらの混合溶媒が好ましい。環境面、操作の簡便性などから溶媒としては、特に水、又は、水とメタノール、エタノール、若しくは、酢酸エチルとの混合溶媒が好ましい。
有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどのアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル類、ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノンなどのケトン類などが挙げられる。これら有機溶媒は、単独でもまたは2種以上組み合わせて用いてもよい。
(粒子の分散工程)
ポリマー溶解液中に粒子を分散させる層形成用の液状組成物を調製において、粒子としては、上述の粒子を用いることができる。また、ポリマー溶解液中への粒子の分散方法としては、従来公知の方法を用いることができる。
層形成用の液状組成物の調製では、乾燥後の最外層13c,13dのいずれか一方、又は、両方を層内の粒子含有率が、乾燥後の中間層13eの平均粒子含有率よりも小さくなるように、各層形成用の液状組成物を調製する。具体的には、最外層13c,13dのいずれか一方を形成するための液状組成物、又は、両方を形成するための液状組成物中の粒子含有率が、中間層13eを形成するための全ての液状組成物中の平均粒子含有率よりも小さくなるように、各層形成用の液状組成物を調製する。
好ましくは、最外層13cを形成するための液状組成物中の粒子含有率と、最外層13dを形成するための液状組成物中の粒子含有率との両方が、中間層13eを形成するための全ての液状組成物中の平均粒子含有率よりも小さくなるように、各層形成用の液状組成物を調製する。さらに好ましくは、基材14側の最外層13cを形成するための液状組成物を、粘着剤層12側の最外層13dを形成するための液状組成物よりも、液状組成物中の粒子含有率が大きくなるように調製する。
最外層13c,13dを形成するための液状組成物の調製においては、最外層13c,13dのいずれか一方、又は、両方を形成するための液状組成物を、乾燥後の層中の粒子含有率が中間層13eの平均粒子含有率よりも10%以上小さくなるように、調製することが好ましい。
また、最外層13c,13dの液状組成物の調製においては、最外層13c,13dのいずれか一方、又は、両方を形成するための液状組成物を、乾燥後の層中の粒子含有率が20vol%以上45vol%以下となるように調製することが好ましい。
[塗布工程]
光学反射層13の形成には、上述の液状組成物を基材14上に塗布する塗布法を用いることが好ましい。塗布法による光学反射層13の形成では、所望の多層構造を形成できれば、特に塗布方法は限定されない。好ましくは、生産性の観点から、水系同時重層塗布を用いることが好ましい。
(同時重層塗布法;塗布工程)
同時重層塗布の方法は、液状組成物を積層塗布することができれば特に限定されない。例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布法、又は、米国特許第2761419号、米国特許第2761791号公報等に記載のスライドビード塗布法、エクストルージョンコート法等が好ましく用いられる。光学フィルムでは、多くの層を形成する必要があるため、カーテン塗布法、又は、スライドビード塗布法が好ましい。
同時重層塗布をスライドビード塗布方式で行なう場合、各液状組成物の温度は、25〜60℃の温度範囲が好ましく、30〜45℃の温度範囲がより好ましい。また、カーテン塗布方式を用いる場合は、25〜60℃の温度範囲が好ましく、30〜45℃の温度範囲がより好ましい。
同時重層塗布を行う際の各液状組成物の粘度は、特に制限されない。例えば、スライドビード塗布方式を用いる場合には、上記の各液状組成物の好ましい温度の範囲において、5〜500mPa・sの範囲であることが好ましく、10〜300mPa・sの範囲であることがより好ましく、10〜50mPa・sの範囲であることが特に好ましい。また、カーテン塗布方式を用いる場合には、上記の液状組成物の好ましい温度の範囲において、5〜1200mPa・sの範囲であることが好ましく、25〜500mPa・sの範囲であることがより好ましい。このような粘度の範囲であれば、効率よく同時重層塗布を行うことができる。
また、各液状組成物の15℃における粘度としては、100mPa・s以上が好ましく、100〜30000mPa・sがより好ましく、さらに好ましくは3000〜30000mPa・sであり、最も好ましいのは10000〜30000mPa・sである。
(同時重層塗布法;セット)
同時重層塗布では、塗膜を積層塗布した後、一度冷却する(セット工程)。塗布直後の塗膜は粘度が低く、塗膜形成後に熱風を当てて乾燥させると、熱風によって一部の厚さが変わってしまう。また、同時重層塗布を行った場合には、各層の間で成分が移動し、光学性能に悪影響を与える場合がある。このため、塗膜を一度冷却して増粘させることで、乾燥処理における厚さ変動や各層間での成分の移動を抑制することができる。なお、光学反射層13の製造においては、このセット工程を行わなくてもよい。
(逐次重層塗布法)
逐次重層塗布法で光学反射層13を形成する場合には、30〜60℃に加温した液状組成物を、基材上に塗布、乾燥して層(第1層)を形成した後、第1層を形成した液状組成物と異なる組成の液状組成物をこの第1層上に塗布、乾燥して層(第2層)を形成する。これを所望の層数となるように逐次を繰り返して、光学反射層13を形成する。逐次重層塗布法において塗布方法は、塗膜が形成できれば特に限定されない。
[乾燥工程]
乾燥工程は、乾燥装置を用いて塗膜の溶媒を飛ばし、固形分濃度を上げて塗膜を増粘させる。このように、基材上の塗膜を乾燥して安定化することで、光学フィルムを作製することができる。
加熱乾燥は、塗膜を加熱し、必要に応じて風をあてることにより、塗膜を乾燥させる。加熱温度は、塗膜を構成する液状組成物の組成により適宜選択すればよいが、通常15〜100℃程度であり、好ましくは20〜95℃である。
なお、加熱手段としては、特に制限されないが、ドライヤーを用いて熱風をあてたり、乾燥ゾーンを設けて塗膜を加熱乾燥させたり、赤外線ヒータにより加熱させたりすること等が挙げられる。スライド型コーターを用いた場合、バックロール直後に加熱乾燥ゾーンを設けることにより、速やかに塗膜の加熱乾燥を行うことができ、層間混合が抑制できるので好ましい。設備の設置が簡易であり、方法が簡便であることから、加熱乾燥により塗膜を増粘させることがより好ましい。
〈3.光学反射体の実施の形態〉
上述の光学反射フィルムは、幅広い分野に応用することができる。例えば、光学反射フィルムが基体の少なくとも一方の面に設けられた、光学反射体を提供することができる。例えば、主として耐候性を高める目的で、光学反射フィルムを建物の窓や自動車窓等の長期間太陽光に晒らされる設備に貼り合せて、熱線反射効果を付与する窓貼用フィルムや、農業用ビニールハウス用フィルム等として用いることができる。光学反射フィルムは、直接又は接着剤を介してガラスやガラス代替樹脂等の基体に貼り合せることで、好適に用いることができる。
光学反射体の具体例を、図2〜4に示す。図2は、光学反射フィルムが、基体の一方の面に貼り合わされた構成の光学反射体の構成を示す図である。また、図3、及び、図4は、光学反射フィルムを中間層とする光学反射体(合わせガラス)の構成を示す図である。合わせガラスは、光学反射フィルムが中間膜を介して基体に貼合された構成である。
合わせガラス等の光学反射体は、建築用途、住居用途、自動車用途等に用いることができる。具体的には、合わせガラスは、2枚の基体の間に、2枚の中間膜を用いて光学反射フィルムが挟持された構成を挙げることができる。光学反射体における光学反射フィルムは、基材の一方の表面に反射層が積層され、他方の表面にハードコート層を塗設する構成であってもよい。
図2に示す光学反射体20は、基体21と、光学反射フィルム10と、ハードコート層22とがこの順に積層された構成を有している。光学反射フィルム10は、基体21側から粘着剤層12、光学反射層13及び基材14が、この順に配置されている。すなわち、光学反射体20は、粘着剤層12により、光学反射層13と基材14とが基体21に貼り合わされている。さらに、光学反射フィルム10の基体21と反対側の面には、光学反射フィルム10の表面を保護するためのハードコート層22が設けられている。この構成では、例えば、粘着剤層12を用いて光学反射フィルム10を基体21に貼り合せた後、基材14上にハードコート層22を設けることにより作製することができる。
図3に示す光学反射体30は、(第1)基体31、(第1)中間膜32、光学反射フィルム10、ハードコート層22、(第2)中間膜32、及び、(第2)基体31がこの順に積層された構成を有している。すなわち、光学反射体30は、一対の基体31の間に、中間膜32を介して、光学反射フィルム10が挟持された構成を有する合わせガラスである。図3では、光学反射フィルム10として基材14と光学反射層13のみを示しているが、粘着剤層12を備えていてもよい。この構成では、例えば、(第1)中間膜32を用いて光学反射フィルム10を(第1)基体31に貼り合せた後、基材14上にハードコート層22を設け、さらにハードコート層22上に、(第2)中間膜32を介して(第2)基体31を貼り合せることにより作製することができる。
図4に示す光学反射体40は、(第1)基体31、(第1)中間膜32、光学反射フィルム10、(第2)基材41、ハードコート層22、(第2)中間膜32、及び、(第2)基体31がこの順に積層された構成を有している。すなわち、光学反射体40は、一対の基体31の間に、中間膜32を介して、光学反射フィルム10が挟持された構成を有する合わせガラスである。図4に示す構成では、光学反射フィルム10の積層順が上述の図1に示す構成と異なる。光学反射フィルム10の積層順は特に問わず、粘着剤層12、(第2)基材41及びハードコート層22は、光学反射フィルム10の構成に含まれてもよく、含まれなくてもよい。この構成では、例えば、まず(第1)中間膜32を用いて光学反射フィルム10を(第1)基体31に貼り合せた後、粘着剤層12上にハードコート層22を設ける。また、(第2)基体31上に、(第2)中間膜32を介して、ハードコート層22、(第2)基材41及び粘着剤層12の積層体を貼り合せる。そして、(第1)基体31上の光学反射フィルム10の基材14と、(第2)基体31上の粘着剤層12とを貼り合せて、(第1)基体31上の構成と(第2)基体31上の構成とを接合することにより作製することができる。
以下、光学反射体に適用可能な各構成について説明する。なお、光学反射体は、上述の光学反射フィルムと、この光学反射フィルムを保持する基体とを有していればよい。このため、以下で説明する各構成は、光学反射体に適用可能な構成の一例であり、光学反射体には他の構成を適用することも可能である。
[基体]
光学反射体を構成する基体としては、例えば、ガラス、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフィド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、金属板、セラミック等が挙げられる。樹脂の種類は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂のいずれでもよく、これらを2種以上組み合わせて用いてもよい。基体は、押出成形、カレンダー成形、射出成形、中空成形、圧縮成形等、公知の方法で製造することができる。基体の厚みは特に制限されないが、通常0.1mm〜5cmである。
(ガラス板)
基体として用いられるガラス板の種類は特に限定されるものではなく、用途に要求される光透過性能や断熱性能によって選択すればよく、無機ガラス板、有機ガラス板、有機無機ハイブリッドガラス板のいずれであってもよい。無機ガラス板としては特に限定されるものではなく、フロートガラス板、磨きガラス板、型ガラス板、網入りガラス板、線入りガラス板、熱線吸収ガラス板、着色ガラス板などの各種無機ガラス板などが挙げられる。有機ガラス板としては、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、などからなるガラス板などが挙げられる。これらの有機ガラス板は、上記樹脂からなるシート形状のものを複数積層してなる積層体であってもよい。有機無機ハイブリッドガラス板としては、エポキシ樹脂などの樹脂中にシリカを分散させたハイブリッドガラス板などが挙げられる。ガラス板の色についても、透明ガラス板に限らず車両等に用いられる汎用の緑色、茶色、青色等の様々な色のガラス板を用いることができる。ガラス板は同一の種類であってもよく、2種以上併用してもよい。
ガラス板の厚さは、強度および可視光域の赤外光の透過性を考慮して、1〜10mm程度であることが好ましい。曲面形状のガラス板は、ガラス板の曲率半径が0.5〜2.0mであることが好ましい。ガラス板の曲率半径がこの範囲であれば、光学反射フィルムがガラスの曲面形状に沿うことができる。
[接着層、粘着剤層]
光学反射フィルムと基体とを貼り合わせる接着層又は粘着剤層は、窓ガラスなどに貼り合わせたとき、光学反射フィルムが日光(熱線)入射面側にあるように設置することが好ましい。また、光学反射フィルムを窓ガラスと基材との間に挟持すると、水分等周囲ガスから封止でき耐久性に好ましい。光学反射フィルムを屋外や車の外側(外貼り用)に設置しても環境耐久性があって好ましい。
[中間膜]
光学反射フィルムを挟持する一対の中間膜は、光学反射フィルムと基体とを張り合わせる接着性能を有する膜であれば、公知の構成を用いることができる。一対の中間膜は、同じ種類であっても異なる種類であってもよい。接着性能を有する中間膜としては、熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。熱可塑性樹脂の例としては、エチレン−ビニルアセテート共重合体(EVA)やポリビニルブチラール(PVB)が挙げられ、中でもPVBが好ましい。また、各中間膜には、紫外線吸収剤、抗酸化剤、帯電防止剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色剤、色素、接着調整剤等の添加剤が含有されていてもよい。例えば、可視光透過率を阻害しない範囲で、各種の赤外線を吸収する微粒子、紫外線吸収剤等、及び、色素等を含有させることができる。これらの添加剤を含む場合においても、光学反射体の日射透過率は75%以上とすることが好ましい。
赤外線を吸収する微粒子としては、例えば、Ag、Al、Tiなどの金属微粒子、金属窒化物、金属酸化物の微粒子、又は、ITO、ATO、アルミニウム亜鉛複合酸化物(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、インジウム亜鉛複合酸化物(IZO)等の導電性透明金属酸化物微粒子が挙げられる。特に、ITO、ATO、AZO、GZO、IZO等の導電性透明金属酸化物微粒子を用いることが好ましい。赤外線を吸収する微粒子を中間膜に含有させることにより、光学反射体の断熱性能を向上させることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」または「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
〈試料101の光学反射フィルムの作製〉
試料101の光学反射フィルムの作製では、上述の図1に示す、基材、光学反射層、及び、粘着剤層を有する構成の光学反射フィルムを作製した。また、光学反射フィルムの光学反射層として、基材側最外層(1層)、中間層(20層;2層目から21層目)、及び、粘着剤層側最外層(1層)からなる合計22層の積層体を作製した。
[液状組成物の調製工程]
光学反射フィルムの作製では、下記の方法で、低屈折率層形成用の液状組成物L1、高屈折率層形成用の液状組成物H1、基材側の最外層形成用の液状組成物Eb1、及び、粘着剤層形成用の液状組成物AD1を調製した。また、基材側の最外層形成用の液状組成物Eb1、及び、低屈折率層形成用の液状組成物L1と同様の方法で、粘着剤層側の最外層形成用の液状組成物Ea1を調製した。
(低屈折率層形成用の液状組成物L1、基材側の最外層形成用の液状組成物Eb1、粘着剤層側の最外層形成用の液状組成物Ea1の調製)
低屈折率層用の液状組成物L1を、乾燥後の粒子含有率が50vol%となるように、下記の方法で調製した。
撹拌容器に、カチオンポリマーとしてメチルジアリルアミン塩酸塩重合体(3級アミン塩を含む)(PAS M−1、重量平均分子量20000、50質量%水溶液、ニットーボーメディカル社製)4.5g、及び、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体(4級アンモニウム基を含む)(PAS H−5、重量平均分子量30000、28質量%水溶液、ニットーボーメディカル社製)5.5gと、ゆすぎ水11.3gと、ホウ酸(3質量%水溶液)28.7gとを混合した。ここに10質量%の酸性コロイダルシリカの水溶液(ST−OXS、平均一次粒径:4〜6nm、日産化学工業社製)を550.0g加えた。これを撹拌しながら40℃まで加温した。ここに、ポリビニルアルコールの8質量%水溶液(JP−45、重合度4500、鹸化度88モル%、日本酢ビ・ポバール社製)310.2g、エマルジョン樹脂(スーパーフレックス650、第一工業製薬社製)8.2g、及び、5質量%の界面活性剤の溶液(ソフタゾリンLMEB−R、川研ファインケミカル社製)12.7g、及び、純水15gの混合液を加え、40℃で撹拌、混合し、低屈折率層用の液状組成物L1を調製した。
また、上記調製した液状組成物L1を、それぞれ基材側の最外層形成用の液状組成物Eb1、及び、粘着剤層側の最外層形成用の液状組成物Ea1とした。
(高屈折率層形成用の液状組成物H1の調製)
高屈折率層用の液状組成物H1を、乾燥後の粒子含有率が50vol%となるように、下記の方法で調製した。
30質量%の酸化ジルコニウム粒子の分散液(SZR−W、ジルコニアゾル、粒度分布:D50 3nm〜5nm、堺化学工業社製)384.8gに対して、クエン酸水溶液(1.9質量%)を175.4g加えた。これに界面活性剤(ソフタゾリンLMEB−R、川研ファインケミカル社製)の5質量%水溶液を1.94g添加し、これを40℃まで加温した。次に、エチレン変性ポリビニルアルコールの8質量%水溶液(クラレ社製、エクセバールRS2117、鹸化度:97.5〜99モル%)を120.4g加え、さらに純水9.9gを加えた。これを10分撹拌後、ポリビニルアルコールの6質量%水溶液(JC−40、鹸化度:99モル%〜、日本酢ビ・ポバール社製)240.8g及び純水66.7gを加えた。この後、40℃で180分間撹拌し、高屈折率層用の液状組成物H1を調製した。
(粘着剤層液状組成物AD1の調製)
コーポニールN−2147(固形分35質量%、日本合成化学工業社製)100質量部、UV吸収剤としてTINUVIN477(固形分80質量%、BASFジャパン社製)2.1質量部、硬化剤としてコロネートL55E(固形分55質量%、東ソー社製)5質量部を混合して粘着剤層液状組成物AD1を作製した。
[塗布工程(同時重層塗布)及び乾燥工程]
次に、スライドホッパー塗布装置を用い、上記で得られた基材側の最外層形成用の液状組成物Eb1、低屈折率層形成用の液状組成物L1、高屈折率層形成用の液状組成物H1、及び、粘着剤層側の最外層形成用の液状組成物Ea1を45℃に保温しながら、45℃に加温した樹脂フィルム(厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム、東洋紡社製、コスモシャインA4300)上に、22層同時重層塗布を行った。重層塗布後の乾燥方法としては、重層塗布直後、5℃の冷風を吹き付けてセットし、80℃の温風を吹き付けて乾燥させて、22層からなる光学反射層を樹脂フィルム上に形成した。この際、最下層(基材側の1層目)を液状組成物Eb1、最上層(22層目)を液状組成物Ea1とした。さらに、中間層(2〜21層目)は、低屈折率層形成用の液状組成物L1(偶数層)と高屈折率層形成用の液状組成物H1(奇数層)とがそれぞれ交互に積層するように設定した。塗布量については、最下層(基材側の最外層;1層目)と最上層(粘着剤層側の最外層;22層目)の乾燥後膜厚が400nm、中間層(2〜21層目)の乾燥後の各層の厚さが150nmとなるように調節した。
〈試料102の光学反射フィルムの作製〉
低屈折率層用の液状組成物L1から、カチオンポリマーとコロイダルシリカの量比を一定に保ったままコロイダルシリカの量を減らし、さらに、ポリビニルアルコールとエマルジョン樹脂の比率を保ったままポリビニルアルコールの量を増やすことで、乾燥後の粒子含有率が45vol%となるように、基材側の最外層形成用の液状組成物Eb2を調製した以外は、上述の試料101と同様の方法で、試料102の光学反射フィルムを作製した。
〈試料103の光学反射フィルムの作製〉
低屈折率層用の液状組成物L1から、カチオンポリマーとコロイダルシリカの量比を一定に保ったままコロイダルシリカの量を減らし、さらに、ポリビニルアルコールとエマルジョン樹脂の比率を保ったままポリビニルアルコールの量を増やすことで、乾燥後の粒子含有率が45vol%となるように、粘着剤層側の最外層形成用の液状組成物Ea2を調製した以外は、上述の試料101と同様の方法で、試料103の光学反射フィルムを作製した。
〈試料104の光学反射フィルムの作製〉
光学反射層の最外層を、基材側の最外層形成用の液状組成物Eb2と、粘着剤層側の最外層形成用の液状組成物Ea2とを用いて形成した以外は、上述の試料101と同様の方法で、試料104の光学反射フィルムを作製した。
〈試料105の光学反射フィルムの作製〉
基材側の最外層形成用の液状組成物Eb3と、粘着剤層側の最外層形成用の液状組成物Ea3を、乾燥後の粒子含有率が40vol%となるように上述の試料102及び試料103と同様の方法で調製した以外は、上述の試料101と同様の方法で、試料105の光学反射フィルムを作製した。
〈試料106の光学反射フィルムの作製〉
基材側の最外層形成用の液状組成物Eb4と、粘着剤層側の最外層形成用の液状組成物Ea4を、乾燥後の粒子含有率が30vol%となるように上述の試料102及び試料103と同様の方法で調製した以外は、上述の試料101と同様の方法で、試料106の光学反射フィルムを作製した。
〈試料107の光学反射フィルムの作製〉
基材側の最外層形成用の液状組成物Eb5と、粘着剤層側の最外層形成用の液状組成物Ea5を、乾燥後の粒子含有率が20vol%となるように上述の試料102及び試料103と同様の方法で調製した以外は、上述の試料101と同様の方法で、試料107の光学反射フィルムを作製した。
〈試料108の光学反射フィルムの作製〉
基材側の最外層形成用の液状組成物Eb6と、粘着剤層側の最外層形成用の液状組成物Ea6を、乾燥後の粒子含有率が15vol%となるように上述の試料102及び試料103と同様の方法で調製した以外は、上述の試料101と同様の方法で、試料108の光学反射フィルムを作製した。
〈試料109の光学反射フィルムの作製〉
光学反射層の最外層を、基材側の最外層形成用の液状組成物Eb3(粒子含有率40vol%)と、粘着剤層側の最外層形成用の液状組成物Ea4(粒子含有率30vol%)とを用いて形成した以外は、上述の試料101と同様の方法で、試料109の光学反射フィルムを作製した。
〈試料110の光学反射フィルムの作製〉
光学反射層の最外層を、基材側の最外層形成用の液状組成物Eb4(粒子含有率30vol%)と、粘着剤層側の最外層形成用の液状組成物Ea3(粒子含有率40vol%)とを用いて形成した以外は、上述の試料101と同様の方法で、試料110の光学反射フィルムを作製した。
〈評価〉
作製した試料101〜試料110の光学フィルムについて、下記の評価を行なった。
[クラック耐性]
反射フィルムを粘着剤層でガラス(3mm厚)に貼付し、ガラス側から下記の紫外線耐候性評価条件で光入射を行い、光学反射層にクラックが入るまでの時間を測定し、下記の基準で評価した。尚、クラックは10cm×10cmの面積のサンプルを、光学顕微鏡を用いて倍率50倍で観察を行い、1視野中に2か所以上のクラックが認められる視野があった場合にクラック発生として評価した。
(紫外線耐候性評価条件)
光源:UVランプ 0.7w/m(340nm)
環境:照射時(60℃20%RH)240分と非照射時(50℃80%RH)240分とのサイクル
(評価基準)
A:1000時間以上
B:500時間以上1000時間未満
C:500時間未満
[塗布ムラ]
3波長蛍光管下において、目視により光学反射層の塗布ムラを評価した。塗布ムラは、光学反射層の面方向において発生する場所毎の反射色のムラ(差異)を評価した。
(評価基準)
A:光学反射層全体にムラ無し
B:光学反射層の一部に僅かなムラが有るが実用範囲内
C:光学反射層全体に僅かなムラが有るが実用範囲内
D:光学反射層全体にムラが強く実用範囲外
下記表1に各試料の光学反射層の構成と、各評価結果を示す。
Figure 0006672984
表1に示すように、最外層となる2層が共に中間層と同じ粒子含有率である試料101の光学反射フィルムは、最外層となる2層、又は、最外層となる2層のいずれかの層の粒子含有率が、中間層の平均粒子含有率よりも小さい試料102〜110に比べて、クラック耐性が低い。このため、最外層となる2層、又は、最外層となる2層のいずれかの層の粒子含有率を、中間層の平均粒子含有率よりも小さくすることにより、光学反射層の亀裂の発生を抑制することができる。特に、最外層の粒子含有率を中間層の平均粒子含有率よりも10%以上小さくすることによって、光学反射層の亀裂の発生を抑制す効果が得られている。このため、最外層の粒子含有率を中間層の平均粒子含有率よりも10%以上小さくすることが好ましい。
また、最外層となる2層のいずれかの一方の層のみ粒子含有率が中間層の平均粒子含有率よりも小さい試料102及び試料103は、最外層となる2層の粒子含有率が両方とも中間層の平均粒子含有率よりも小さい試料104〜110に比べて、クラック耐性が低い。このため、最外層となる2層の粒子含有率を、中間層の平均粒子含有率よりも小さくすることにより、光学反射層の亀裂の発生をさらに抑制することができる。
最外層となる2層の粒子含有率が共に中間層の平均粒子含有率よりも小さい試料104〜108では、最外層の粒子含有率が小さくなるほど、クラック耐性が向上する。このため、クラック耐性の観点からは、最外層の粒子含有率をより小さくすることが好ましい。しかし、最外層の粒子含有率が20vol%の試料107では塗布ムラの評価が低下し、粒子含有率が10vol%の試料108では、さらに塗布ムラの評価が低下している。このため、光学反射層の塗布ムラの観点からは、最外層の粒子含有率を20vol%以上とすることが好ましい。
特に、基材側の最外層の粒子含有率が30vol%であり、粘着剤層側の最外層の粒子含有率が40vol%の試料110では、基材側の最外層の粒子含有率が40vol%であり、粘着剤層側の最外層の粒子含有率が30vol%の試料109よりも塗布ムラの評価が低下している。この結果から、粘着剤層側の最外層よりも、基材側の最外層の粒子含有率が塗布ムラの発生に強い影響を与えると考えられる。従って、基材側の最外層の粒子含有率を、粘着剤層側の最外層の粒子含有率よりも大きくすることで、光学反射層の亀裂の発生の抑制と、塗布ムラの発生の抑制とを良好に実現することができる。
また、粘着剤層側の最外層の粒子含有率が、基材側の最外層の粒子含有率よりも小さい試料109は、粘着剤層側の最外層の粒子含有率が、基材側の最外層の粒子含有率よりも大きい試料110よりも、クラックが発生するまでの時間が長い。このため、クラック耐性の観点からは、粘着剤層側の最外層の粒子含有率を、基材側の最外層の粒子含有率よりも小さくすることが好ましい。
〈試料201〜208の光学反射フィルムの作製〉
光学反射層の基材側の最外層を、乾燥後の厚さが下記表2に示す厚さとなるように作製した以外は、上述の実施例1における試料109と同様の方法で、試料201〜208の光学反射フィルムを作製した。
〈試料209〜214の光学反射フィルムの作製〉
光学反射層の粘着剤層側の最外層を、乾燥後の厚さが下記表2に示す厚さとなるように作製した以外は、上述の実施例1における試料109と同様の方法で、試料209〜214の光学反射フィルムを作製した。
〈試料215の光学反射フィルムの作製〉
光学反射層の形成を、下記の逐次重層塗布法を用いて作製した以外は、上述の実施例1における試料109と同様の方法で、試料215の光学反射フィルムを作製した。
[塗布(逐次重層塗布法)工程及び乾燥工程]
基材側の最外層形成用の液状組成物Eb3(粒子含有率40vol%)を45℃に保温しながら、45℃に加温した樹脂フィルム(厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム、東洋紡社製、コスモシャインA4300)上に、乾燥膜厚が400nmとなる条件で押し出しコーターを用いて塗布した。塗布直後に5℃の冷風を吹き付けてセットし、80℃の温風を吹き付けて乾燥させて、基材側の最外層(1層目)を形成した。
次に、基材側の最外層上に、45℃に保温した低屈折率層形成用の液状組成物L1を、乾燥膜厚が150nmとなる条件で押し出しコーターを用いて塗布した。塗布直後に5℃の冷風を吹き付けてセットし、80℃の温風を吹き付けて乾燥させて、低屈折率層(2層目)を形成した。
次に、低屈折率層(2層目)上に、45℃に保温した高屈折率層形成用の液状組成物H1を、乾燥膜厚が150nmとなる条件で押し出しコーターを用いて塗布した。塗布直後に5℃の冷風を吹き付けてセットし、80℃の温風を吹き付けて乾燥させて、高屈折率層(3層目)を形成した。
さらに、上述と同様の方法で低屈折率層の形成と高屈折率層の形成とを繰り返し、4層目から21層目までの低屈折率層(偶数層)と高屈折率層(奇数層)とを形成した。
次に、高屈折率層(21層目)上に、45℃に保温した粘着剤層側の最外層形成用の液状組成物Ea4(粒子含有率30vol%)を、乾燥膜厚が400nmとなる条件で押し出しコーターを用いて塗布した。塗布直後に5℃の冷風を吹き付けてセットし、80℃の温風を吹き付けて乾燥させて、粘着剤層側の最外層(22層目)を形成した。
〈評価〉
作製した試料201〜試料215の光学フィルムについて、上述の実施例1と同様の方法で、クラック耐性と塗布ムラの評価を行なった。各試料の光学反射層の構成と、評価結果を下記表2に示す。なお、表2には、比較のために上述の実施例1における試料109の光学反射層の構成と、評価結果も同時に示している。
Figure 0006672984
表2に示すように、基材側の最外層の厚さが100nmの試料201、基材側の最外層の厚さが200nmの試料202、及び、粘着剤層側の最外層の厚さが100nmの試料209は、他の試料に比べてクラック耐性が低い。この結果から、粒子含有率が低い最外層の厚さが小さすぎると、応力緩和の効果が弱くなることがわかる。
一方、粘着剤層側の最外層の厚さが200nmの試料210は、上述の試料201、試料202、及び、試料209に比べてクラック耐性が向上している。これは、粘着剤層側よりも基材側の最外層の構成が、光学反射層の応力緩和により強く影響していることを示していると考えられる。すなわち、光学反射層の応力緩和によりクラック耐性を高めるためには、基材側の最外層の厚さの制御が重要となることを示している。
さらに、基材側の最外層の厚さが300nm以上である試料203〜208は、クラック耐性が十分に高い。従って、クラック耐性の観点からは、基材側の最外層の厚さを300nm以上とすることが好ましい。また、粘着剤層側の最外層の厚さを200nm以上とすることが好ましい。
また、表2に示す結果において、塗布ムラの観点からは、基材側の最外層の厚さが100〜300nmの試料201〜203や、基材側の最外層の厚さが1000nm以上の試料207及び試料208は、基材側の最外層の厚さが400〜800nmの試料203〜206に比べて、塗布ムラが劣化している。同様に、粘着剤層側の最外層の厚さが600nm以上の試料212〜214は、粘着剤層側の最外層の厚さが500nm以下の試料209〜211に比べて、塗布ムラの評価が低下している。
この結果から、最外層の厚さが厚すぎる場合や薄すぎる場合には、塗布ムラの評価が低下することがわかる。特に、基材側の最外層の厚さが小さすぎると、基材との濡れ性が低下するため、筋状の塗布ムラが発生しやすい。また、基材側、粘着剤層側のいずれにおいても最外層の厚さが大きすぎる場合には、吹かれ状の塗布ムラが発生しやすい。
従って、光学反射層の塗布ムラの発生を抑制する観点からは、基材側の最外層の厚さを300nm以上とすることが好ましく、400nm以上800nm以下とすることがより好ましい。また、粘着剤層側の最外層の厚さを600nm以下とすることが好ましく、500nm以下とすることがより好ましい。
また、逐次重層塗布法で光学反射層を形成した試料215は、クラック耐性については同時重層塗布法で形成した試料と同等の結果が得られた。しかし、逐次重層塗布法によって光学反射層を形成した試料215は、塗布ムラが劣化している。これは、逐次重層塗布法による光学反射層の形成では、乾燥させた層の上に液状組成物を塗布するため、乾燥させた層と液状組成物との濡れ性の影響によって、一部にハジキ状の塗布ムラが発生しやすいためと考えられる。従って、塗布ムラを抑制する観点からは、逐次重層塗布法よりも同時重層塗布法を用いて光学反射層を形成することが好ましい。
なお、本発明は上述の実施形態例において説明した構成に限定されるものではなく、その他本発明構成を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能である。
22 ハードコート層、14,41 基材、21,31 基体、10 光学反射フィルム、13 光学反射層、20,30,40 光学反射体、13a 高屈折率層、13c,13d 最外層、13e 中間層、32 中間膜、13b 低屈折率層、12 粘着剤層

Claims (9)

  1. 屈折率の異なる層が積層された構成を有する光学反射層を備え、
    前記光学反射層を構成する各層が、ポリマーと粒子とを含み、
    前記光学反射層の最外層となる2層の少なくともいずれか1層の粒子含有率が、前記最外層以外の層の平均粒子含有率よりも小さく、
    粒子含有率の小さい前記最外層の粒子含有率が、20vol%以上45vol%以下である
    光学反射フィルム。
  2. 粒子含有率の小さい前記最外層の粒子含有率が、前記最外層以外の層の平均粒子含有率よりも10%以上小さい請求項1に記載の光学反射フィルム。
  3. 前記光学反射層の前記最外層となる2層の粒子含有率が、前記最外層以外の層の平均粒子含有率よりも小さい請求項1に記載の光学反射フィルム。
  4. 屈折率の異なる層が積層された構成を有する光学反射層と、
    前記光学反射層の一方の面に配置された基材と、を備え、
    前記光学反射層を構成する各層が、ポリマーと粒子とを含み、
    前記光学反射層の最外層となる2層の粒子含有率が、前記最外層以外の層の平均粒子含有率よりも小さく、
    前記光学反射層の前記基材側の前記最外層の粒子含有率が、前記光学反射層の他方の面側の前記最外層の粒子含有率よりも大きい
    光学反射フィルム。
  5. 前記基材側の前記光学反射層の前記最外層の厚さが、300nm以上800nm以下である請求項4に記載の光学反射フィルム。
  6. 前記光学反射層の前記他方の面側の前記最外層の厚さが、200nm以上600nm以下である請求項4に記載の光学反射フィルム。
  7. 屈折率の異なる層が積層された構成を有する光学反射層を、塗布法によって形成する光学反射フィルムの製造方法であって、
    前記光学反射層の最外層以外の層を形成するための液状組成物の平均粒子含有率よりも、粒子含有率が少ない液状組成物を用いて、前記光学反射層の前記最外層となる2層の少なくともいずれか1層を形成し、粒子含有率の小さい前記最外層の粒子含有率を20vol%以上45vol%以下に形成する
    光学反射フィルムの製造方法。
  8. 同時重層塗布法を用いて、前記光学反射層を形成する請求項7に記載の光学反射フィルムの製造方法。
  9. 基体と、屈折率の異なる層が積層された構成を有する光学反射層を備え、
    前記光学反射層を構成する各層が、ポリマーと粒子とを含み、
    前記光学反射層の最外層となる2層の少なくともいずれか1層の粒子含有率が、前記最外層以外の層の平均粒子含有率よりも小さく、
    粒子含有率の小さい前記最外層の粒子含有率が、20vol%以上45vol%以下である
    光学反射体。
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