JPWO2015146120A1 - 蓄電デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

蓄電デバイスは、蓄電素子と電解液とを有する。蓄電素子は陽極体と、この陽極体に対向する陰極体と、陽極体と陰極体との間に介在するセパレータとで構成されている。セパレータは、セパレータ基材と、このセパレータ基材に被着した導電性高分子とを含む。電解液は蓄電素子に含浸している。セパレータは、陽極体に対向する第1面を含む第1表層と、陰極体に対向する第2面を含む第2表層とを有する。そして第1表層は導電性高分子が被着している第1領域を有し、第2表層は導電性高分子が被着していない第2領域を有する。

Description

本発明は各種電子機器、産業機器、自動車用機器等に使用される蓄電デバイスおよびその製造方法に関する。
電子機器の高周波化に伴い、蓄電デバイスのひとつである電解コンデンサにおいても高周波領域での等価直列抵抗(以下、ESRという)特性に優れた大容量の電解コンデンサが求められている。最近では、このような高周波領域におけるESRを低減するために、電解質として従来の電解液よりも電気伝導度の高い導電性高分子等の固体電解質を用いた固体電解コンデンサが検討され製品化されている。また、その大容量化の要求に対しては、陽極箔と陰極箔との間にセパレータを介在させて巻回したコンデンサ素子の内部に導電性高分子を充填した構成を有する、巻回型固体電解コンデンサが製品化されてきている。
しかしながら、上記のような固体電解コンデンサにおいては、電解質として誘電体酸化皮膜の修復性の乏しい固体電解質のみを用いているため、従来の電解液を用いた電解コンデンサに比べて、漏れ電流の増大や誘電体酸化皮膜欠陥の発生に伴うショート故障などが発生しやすい。そのため、固体電解コンデンサは、耐電圧の高いコンデンサを構成することが困難である。
一方、上記課題を改善する目的で、導電性高分子で形成された固体電解質と電解液の両方を電解質に利用した電解コンデンサが提案されている。この電解コンデンサでは、セパレータ基材としてマニラ紙またはクラフト紙等のセパレータ紙、あるいは多孔質フィルムまたは合成繊維不織布などを用いる。このセパレータ基材を、導電性高分子を被着させることによって導電化し、その導電化されたセパレータ(以下、導電性セパレータ)を陽極箔と陰極箔の間に介在させてコンデンサ素子を形成する。このようにして形成したコンデンサ素子に電解液を含浸させて用いている(例えば、特許文献1)。
特開平7−283086号公報
しかしながら、従来の導電性セパレータを用いた電解コンデンサは、ESR特性を十分に改善できなかった。
そこで、本発明は、導電性セパレータを用いた蓄電デバイスにおいて、特にESR特性を高めた蓄電デバイス及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の蓄電デバイスは、蓄電素子と電解液とを有する。
蓄電素子は陽極体と、この陽極体に対向する陰極体と、陽極体と陰極体との間に介在するセパレータとで構成されている。セパレータは、セパレータ基材と、このセパレータ基材に被着した導電性高分子とを含む。電解液は蓄電素子に含浸している。セパレータは、陽極体に対向する第1面を含む第1表層と、陰極体に対向する第2面を含む第2表層とを有する。そして第1表層は導電性高分子が被着した第1領域を有し、第2表層は導電性高分子が被着していない第2領域を有する。
また本発明の蓄電デバイスの製造方法は次のステップを有する。(1)第1面と第2面とを有するセパレータ基材に、導電性高分子を被着させて陽極対向面と陰極対向面とを有するセパレータを形成する。(2)陽極体をセパレータの陽極対向面に対向させるとともに、陰極体をセパレータの陰極対向面に対向させて、蓄電素子を形成する。(3)蓄電素子に電解液を含浸する。そして、セパレータを形成する際には、セパレータ基材の第1面と第2面の少なくとも一方に導電性高分子の溶液又は分散液である液剤を塗着する。そして、この液剤をセパレータ基材の内部に浸み込ませた後、液剤に含まれる溶媒又は分散媒を蒸発させ、セパレータの第1面を含む第1表層に、導電性高分子が被着した第1領域を形成し、セパレータの第2面を含む第2表層に、導電性高分子が被着していない第2領域を形成する。
本発明に係る蓄電デバイス及びその製造方法によれば、蓄電デバイスの低ESR化が達成できる。
本発明の実施の形態1、2における蓄電デバイスの断面図 (a)図1に示す蓄電デバイスの蓄電素子の斜視図、(b)同蓄電素子における陽極体、陰極体及びセパレータの積層関係を説明するための図 (a)図2に示す蓄電素子の部分断面模式図、(b)同蓄電素子において導電性高分子の被着している領域を示す模式図、(c)同蓄電素子における、巻回する前のセパレータを陰極体側からみた図 図3に示すセパレータ基材の他の例を示す模式図 図3に示すセパレータ基材のさらに他の例を示す模式図 本発明の実施の形態2における蓄電素子の部分断面模式図 (a)本発明の実施の形態3における蓄電素子の部分断面模式図、(b)同蓄電素子において導電性高分子の被着している領域を示す模式図 本発明の実施の形態3における他の蓄電素子において導電性高分子の被着している領域を示す模式図 本発明の実施の形態3におけるさらに他の蓄電素子において導電性高分子の被着している領域を示す模式図 図7に示すセパレータ基材の他の例を示す模式図 図7に示すセパレータ基材のさらに他の例を示す模式図 本発明の実施の形態3における蓄電素子において、陽極体である陽極箔とセパレータとの位置関係を示す平面図 本発明の実施の形態3における蓄電素子において、陽極箔に接続された陽極リードとセパレータとの位置関係を示す平面図 本発明の実施の形態3における他の蓄電素子において、陽極体とセパレータと陰極体の位置関係を示す分解斜視図
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面では理解しやすいように寸法を変えて示している。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における蓄電デバイス10の一例である電解コンデンサの断面図、図2(a)は図1に示す蓄電デバイス10の蓄電素子であるコンデンサ素子12の斜視図である。図2(b)は、コンデンサ素子12における陽極体21、陰極体22及びセパレータ23の積層関係を説明するための図である。図3(a)は、図2に示すコンデンサ素子12において、陽極体21と陰極体22との間に介在するセパレータ23及び電解液16を説明するための部分断面模式図である。
図1に示すように、電解コンデンサは、コンデンサ素子12と外装体15と電解液16とを有する。コンデンサ素子12は、図2(a)に示すように、陽極体21である陽極箔と、陰極体22である陰極箔と、陽極体21と陰極体22との間に介在したセパレータ23とを有する。外装体15は、有底筒状のケース13と封口体14とにより構成され、コンデンサ素子12と電解液16とを封じている。
図2(b)に示すように、帯状の陽極体21、陰極体22には、一端が扁平に形成された陽極リード11A、陰極リード11Bがそれぞれ、超音波溶着や針カシメ等により接合されている。陽極リード11A、陰極リード11Bの、少なくとも陽極体21、陰極体22との接合部分は、陽極体21、陰極体22と同じ材料で構成されていることが好ましい。陽極リード11A、陰極リード11Bの他方の端部はコンデンサ素子12の同一端面より引出されている。
コンデンサ素子12は、陽極体21とセパレータ23と陰極体22とが積層され、積層された状態において一端部から巻回されてコンデンサ素子12が構成されている。
図3(a)に示すように、陽極体21は、アルミニウム等の弁金属からなる金属箔21Aをエッチング処理することにより粗面化した表面を化成処理することにより形成されている。すなわち、陽極体21は表面に誘電体酸化皮膜21Bを有する。
陰極体22はアルミニウム等の金属で形成されている。また、陰極体22は、アルミニウム等の金属の表面に、化成皮膜が設けられていてもよく、異種金属や非金属の被膜が設けられていてもよい。異種金属や非金属としては、例えば、チタンのような金属やカーボンのような非金属などを挙げることができる。
図3(a)に示すように、セパレータ23は、セパレータ基材24と、セパレータ基材24に被着した導電性高分子25とで構成されている。すなわち、セパレータ23は導電性セパレータの一種である。なお、図3(a)は、繊維状のセパレータ基材24の断面を示している。セパレータ基材24には、セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ナイロン、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、レーヨン、ガラス質等、非導電性の繊維を含む紙又は不織布を用いることができる。あるいはセパレータ基材24として織布を用いてもよい。
なお、セパレータ基材24の密度は0.25g/cm以上、0.95g/cm以下にすることが好ましい。
導電性高分子25としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン、ポリチオフェンビニレンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよく、2種以上のモノマーの共重合体でもよい。なお、本明細書では、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリンなどは、それぞれ、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリンなどを基本骨格とする高分子を意味する。したがって、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリンなどには、それぞれの誘導体も含まれ得る。例えば、ポリチオフェンには、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)などが含まれる。
導電性高分子25は、ドーパントを含んでいてもよい。ドーパントとしては、例えば、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、ポリアクリル酸などのアニオンが挙げられる。なかでも、ポリスチレンスルホン酸由来のポリアニオンが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらは単独モノマーの重合体であってもよく、2種以上のモノマーの共重合体であってもよい。
導電性高分子25は電解コンデンサの陰極として機能する。なお、導電性高分子25は、微粒子にしたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)等を分散媒に分散した分散液やポリアニリン等を溶媒に溶解した溶液などの液剤をセパレータ基材24に含浸させ、その後、乾燥することで、セパレータ基材24に被着される。導電性高分子25は繋がった粒子状あるいは膜状に形成され、セパレータ基材24を構成する繊維に被着している。セパレータ23は内部に空隙を有する多孔質であり、その空隙に電解液16が入り込んでいる。なお、図3は、微粒子状の導電性高分子25をセパレータ基材24に被着させた状態を示している。
導電性高分子25の微粒子の分散液を用いて導電性高分子25をセパレータ基材24に被着させる場合、導電性高分子25の微粒子の大きさは、直径1μm以下であることが好ましい。導電性高分子25の微粒子の大きさが直径1μmよりも大きい場合は、セパレータ基材24の空隙部分に微粒子が充填されにくく、電解コンデンサの低ESR化が困難となる。
また分散媒や溶媒としては、水や低級アルコールなどの低粘度の溶剤が好ましい。分散媒や溶媒として低粘度の溶剤を用いると、導電性高分子25のセパレータ基材24への充填効果が高まる。さらに、分散媒や溶媒として揮発性が高い溶剤を用いたほうが、コンデンサ素子12に導電性高分子25の微粒子の分散液を含浸した後、溶剤を除去しやすいため、液剤の乾燥を容易にできる。
また、分散液や溶媒に界面活性剤を添加することにより、セパレータ基材24への導電性高分子25の充填性をより高めることができる。添加する界面活性剤としては、アニオン性の界面活性剤やカチオン性の界面活性剤、ノンイオン性の界面活性剤などが挙げられる。
なお、コンデンサ素子12は、後述するように、セパレータ23を介して陽極体21、陰極体22を積層して構成してもよい。
電解液16は、電解コンデンサの陰極として機能する。電解液16は、セパレータ23内部の空隙や、陽極体21のエッチングピットにより形成された孔に入り込んでいる。
電解液16は、溶媒に溶質を溶解して調製されている。溶媒として、アルコール類や、非プロトン性の有機溶媒であるアミド系溶剤、ラクトン類、スルホキシド類等を用いることができる。アルコール類としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロブタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロプレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メトキシプロピレングリコール、グリコール類の重縮合物などが挙げられる。アミド系溶剤としては、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。ラクトン類としては、γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、α−バレロラクトン、γ−バレロラクトンなどが挙げられる。スルホキシド類としては、スルホラン、3−メチルスルホラン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。なお、中高圧用の電解コンデンサにおいて、溶媒としては、エチレングリコールを用いることが好ましい。
また、溶質である電解質成分の塩基成分としては、アルキル置換アミジン基を有する化合物、で、イミダゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、脂環式アミジン化合物(ピリミジン化合物、イミダゾリン化合物)などが挙げられる。また、電解質成分の塩基成分としては、アルキル置換アミジン基を有する化合物の4級アンモニウムを用いることもでき、アルキル置換アミジン基を有する化合物の4級アンモニウムとしては、炭素数1〜11のアルキル基またはアリールアルキル基で4級化されたイミダゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、脂環式アミジン化合物(ピリミジン化合物、イミダゾリン化合物)などが挙げられる。また、塩基成分として、アンモニウム、一級アミン(メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミンエチレンジアミン、モノエタノールアミン等)、二級アミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、エチルメチルアミン、ジフェニルアミン、ジエタノールアミン等)、三級アミン(トリメチルアミン、ト
リエチルアミン、トリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7、トリエタノールアミン等)を用いてもよい。なお、中高圧の電解コンデンサにおいて溶質である電解質成分の塩基成分は、アンモニウム、ジエチルアミン、トリエチルアミンを用いることが好ましい。
また電解質成分の酸成分としては、脂肪族カルボン酸である飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸、芳香族カルボン酸等を用いることができる。脂肪族飽和カルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などが挙げられる。脂肪族不飽和カルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、イコタン酸、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸を含む。芳香族カルボン酸は、フタル酸、サリチル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、安息香酸、レゾルシン酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸などが挙げられる。また、これらのカルボン酸以外にもカルボン酸のニトロ誘導体やスルホン酸誘導体、無機酸であるリン酸誘導体やホウ酸誘導体などを電解質の酸成分として用いることができる。
電解質成分において、酸成分が塩基成分よりもモル比で多く含まれることが好ましい。この場合、電解液の酸性度が増加し、セパレータ23の脱ドープ反応の抑制に効果を発揮することができる。なお、中高圧の電解コンデンサにおいて溶質である電解質成分の酸成分として、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸等のデカンジカルボン酸、1,7−オクタンジカルボン酸等のオクタンジカルボン酸、アゼライン酸、セバシン酸、安息香酸等の有機酸、あるいは、硼酸、硼酸と多価アルコールより得られる硼酸の多価アルコール錯化合物を用いることが好ましい。
外装体15は、コンデンサ素子12より引き出された陽極リード11A、陰極リード11Bのそれぞれの端部を外部に導出するようにしてコンデンサ素子12を封じている。
外装体15は、ケース13と、封口体14とを有する。ケース13はコンデンサ素子12と電解液16とを収納している。封口体14には、陽極リード11A、陰極リード11Bをそれぞれ挿通させる貫通孔14A、14Bが設けられている。封口体14はケース13の開口部に配置され、ケース13の外周面を絞り加工部13Aで絞ることによって圧縮されることで、ケース13の開口部を封止している。
なお、コンデンサ素子12に電解液16を含浸した後にコンデンサ素子12をケース13に収納してもよい。これに限らず、例えば、コンデンサ素子12をケース13に収納後にケース13に電解液16を注入し封止してもよいし、ケース13に電解液16を注入した後にコンデンサ素子12をケース13に収納し封止してもよい。
封口体14には、エチレンプロピレンゴムやイソブチルとイソプレンの共重合体であるブチルゴム等のゴム材料のほか、エポキシ樹脂などの樹脂材料などを用いることができる。
ケース13には、アルミニウムなどの金属材料を用いることができる。
次に、図2(b)、図3(a)及び図3(b)を参照しながらセパレータ23の構成について詳細に説明する。図3(b)は、コンデンサ素子12において導電性高分子25の被着している領域を示す模式図である。なお、同図において電解液は図示されていない。図3(c)は巻回する前のセパレータ23を陰極体22側からみた図である。
そして、セパレータ23は、図3(a)及び図3(b)に示すように、陽極体21に対向する第1面231Aを含む第1表層23Aと、陰極体22に対向する第2面232Aを含む第2表層23Bと、第1表層23Aと第2表層23Bとの間の中間層23Cとを有する。第1表層23Aは導電性高分子25が被着している第1領域231を有し、第2表層23Bは導電性高分子25が被着していない第2領域232を有する。なお、第1面231A及び第2面232Aはそれぞれ、セパレータ23の外形を構成する主面である。また、陽極体21の金属箔21Aにはエッチングピットが形成されており、誘電体酸化皮膜21Bはエッチングピットの形状に沿って形成されている。このように、エッチングピットを有する陽極体21は、エッチングピットが形成されている陽極体21の主面の一部がセパレータ23と接触する。
セパレータ23は以下のようにして形成されている。まずセパレータ基材24の第1面231Aに、導電性高分子25の溶液又は分散液である液剤を塗着して、この液剤をセパレータ基材24の内部に浸み込ませる。その後、液剤に含まれる溶媒又は分散媒の少なくとも一部を蒸発させる。
第1表層23Aから中間層23C、第2表層23Bへと液剤が浸透するうちに、セパレータ基材24に塗着する導電性高分子25の量が徐々に減少する。その結果、第2表層23Bには導電性高分子25が被着していない第2領域232が形成され、第1表層23Aには導電性高分子25が被着した第1領域231が形成される。このように、セパレータにおいて陽極体21に近いほど、セパレータ23の第1面231Aに略平行でセパレータ23の厚み方向に略垂直な断面における導電性高分子25の被着量が多くなっている。すなわち、セパレータ23の陽極体21近傍において導電性高分子25の被着量が多くなり、セパレータ23の陰極体22近傍において、導電性高分子25の被着量が少なくなっている。
なお、セパレータ23への導電性高分子25の被着量は、例えば、原子吸光分析、ICP発光分光分析、エネルギー分散型X線分析(EDAX)等にて導電性高分子25に含まれる特定の元素を定量分析することによって確認できる。また、セパレータ23の厚み方向の導電性高分子の付着状態は、セパレータ23の断面を光学顕微鏡等で観察することにより確認できる。
なお、第2表層23Bは、導電性高分子25が被着した第3領域233を有している。この場合でも、第1表層23Aにおける第1領域231の陽極体21との対向面積は、第2表層23Bにおける第3領域233の陰極体22との対向面積よりも広くなっていることが好ましい。
また、第1領域231に被着させる導電性高分子25の量を増やせば、ESRをより低くすることができる。但し、第1領域231に被着させることができる導電性高分子25の量にも限界があるので、更にESRを低減するためには、上記のように、第2表層23Bに導電性高分子25が被着した第3領域233を設けると良い。
なお、第2表層23Bにおける第3領域233の陰極体22との対向面積を求めるには、図3(c)に示すような第1表層23Aを光学顕微鏡などにより観察して2次元像を取得する。この2次元像において導電性高分子25が形成された部分の面積を求めることにより上記対向面積が得られる。第1表層23Aにおける第1領域231の陽極体21との対向面積についても同様に、第1表層23Aを光学顕微鏡などにより観察して2次元像を取得する。この2次元像において導電性高分子25が形成された部分の面積を求めることにより上記対向面積が得られる。
なお、セパレータ基材24の第2面232Aからも導電性高分子25の溶液又は分散液である液剤を塗着して、第2表層23Bに導電性高分子25が被着した第3領域233を設けてもよい。
また、セパレータ23の厚さ方向中央から第1面231Aまでの部分を第1セパレータ半体23Pと定義し、セパレータ23の厚さ方向中央から第2面232Aまでの部分を第2セパレータ半体23Nと定義する。このとき、本実施の形態では、第1セパレータ半体23Pに被着した導電性高分子25の量は、第2セパレータ半体23Nに被着した導電性高分子25の量よりも多い。
このように、セパレータ基材24の陽極体21近傍又は陽極体21に近い側において導電性高分子25の被着量が多いことが好ましい。この構成は、電解コンデンサに含まれる導電性高分子25の被着量が同じ場合、セパレータ基材24の陰極体22近傍又は陰極体22に近い側において導電性高分子25の被着量が多い構成や、セパレータ基材24全領域に略均等に導電性高分子25が被着される構成よりも、電解コンデンサのESRをより低減することができる。
なお、第2表層23Bは第3領域233を有さず第2領域232のみで形成されていてもよい。この場合、第2面232Aには導電性高分子25は露出していない。このような構成は、電解コンデンサに含まれる導電性高分子25の総被着量が同じ場合、セパレータ23における陽極体21側に導電性高分子25を多く被着させることになるので、効率良くESRを低減することが出来る。さらに、その結果、導電性高分子25の使用量を削減することもできる。
また第2表層23Bに導電性高分子25が被着した第3領域233が設けられ、セパレータ23が中間層23Cを有する場合、中間層23Cは、導電性高分子25が被着した第4領域234を有することが好ましい。そして、第3領域233に被着した導電性高分子25と第1領域231に被着した導電性高分子25とは、第4領域234に被着した導電性高分子25を介して互いに導通していることが好ましい。導電性高分子25の微粒子や膜は繋がっていることでESR低減の効果を発揮する。そのため、導電性高分子25はセパレータ23内で繋がっていることが好ましい。
次に、セパレータ基材の他の態様を図4、図5を参照しながら説明する。図4、図5はセパレータ基材の他の例であるセパレータ基材24A、24Bを示す模式図である。
図4に示すセパレータ基材24Aは、第1基材層124Pと第2基材層124Nとを有する。第1基材層124Pは、セパレータ基材24Aの第1面241Aを含み、陽極体21に隣接して配置される。第2基材層124Nはセパレータ基材24Aの第2面242Aを含み、陰極体22側に隣接して配置される。第1基材層124Pは第2基材層124Nに比べて繊維を低い密度で含む。すなわち、第1基材層124Pの気密度は第2基材層124Nの気密度より小さい。なお、第1面241A及び第2面242Aはそれぞれ、セパレータ基材24Aの外形を構成する主面である。
このようなセパレータ基材24Aを用いて導電性セパレータを構成することにより、第1表層23Aの繊維密度は、第2表層23Bの繊維密度より低い。そして、例えば、セパレータ基材24Aの第1面241Aから導電性高分子25の溶液又は分散液である液剤を塗着すると、第1基材層124Pでは液剤が浸透し易くなり、多くの液剤を保持することができる。その結果、第1基材層124Pで構成される第1表層23Aにおいて確実に導電性高分子25が被着している第1領域が形成される。この構成は、セパレータの陽極体側において、セパレータ基材24Aに被着する導電性高分子25の量を多くしたい場合に有効である。具体的には、第1基材層124Pの繊維密度と第2基材層124Nの繊維密度との差は、0.1g/cm以上であることが好ましい。
また、図5に示すセパレータ基材24Bを用いてもよい。セパレータ基材24Bは、第1基材層124Aと第2基材層124Bとの間に中間基材層124Cを有する。第1基材層124Aの繊維密度は、第2基材層124Bの繊維密度より低い。この場合もセパレータ基材24Aと同様に、第1表層23Aの繊維密度は第2表層23Bの繊維密度と比べて低く、第1基材層124Aで構成される第1表層23Aに導電性高分子25が被着している第1領域が形成される。なお、中間基材層124Cの繊維密度は第1基材層124Aと比べて、大きくても小さくてもよい。中間基材層124Cの繊維密度を第1基材層124Aの繊維密度と比べて大きくすれば、中間基材層124Cから第2基材層124Bにかけての導電性高分子25の溶液又は分散液である液剤の浸み込みが抑えられるので、第1基材層124Aにおいて導電性高分子25の被着量をより多くでき、ESRの低減効果が高まる。中間基材層124Cの繊維密度を第1基材層124Aと比べて小さくすれば、セパレータ23の剛性が小さくなり、積層時や巻取り時の作業性を向上させることができる。したがって必要とされる特性に応じて中間基材層124Cの繊維密度を調整すればよい。
なお、セパレータ基材24A、24Bのように厚み方向で繊維密度を変えるには、抄紙の途中で繊維の種類を変える、分散濃度を変える、繊維の密度が異なる複数のセパレータ紙を貼り合わせてセパレータ基材を構成するなどの方法を適用すればよい。
(実施の形態2)
図6は本発明の実施の形態2における蓄電素子の一例であるコンデンサ素
子12の、陽極体21と陰極体22との間に介在するセパレータ23及び電
解液16を説明するための部分断面模式図である。なお、本実施の形態によ
る蓄電デバイスである電解コンデンサおよびコンデンサ素子12の基本構造
は図1、図2を参照して説明した実施の形態1と同様であるので、説明を省
略する。また同様の構成をなすものには同じ符号を付して説明し、詳細な説
明を省略する場合がある。
図6に示すように、セパレータ23は、陽極体21に対向する第1面231Aと、陰極体22に対向する第2面232Aとを有するセパレータ基材24と、このセパレータ基材24の第1面231Aおよびその近傍と、第2面232Aおよびその近傍とに被着した導電性高分子25とを備える。なお、第1面231A及び第2面232Aは、セパレータ23の外形を構成する面の一部である。また、陽極体21の金属箔21Aには、前述のとおり、エッチングピットが形成されており、誘電体酸化皮膜21Bはエッチングピットの形状に沿って形成されている。このように、エッチングピットを有する陽極体21は、陽極体21を構成する面の一部がセパレータ23と接触する。
セパレータ基材24の第1面231A上に被着する導電性高分子25のセパレータ基材24の単位面積当たりの被着量は、セパレータ基材24の第2面232A上に被着する導電性高分子25のセパレータ基材24の単位面積当たりの被着量よりも多くなっている。
実施の形態2におけるセパレータ23の形成方法について説明する。
ここでは、陽極体21とセパレータ23と陰極体22とを巻回してコンデンサ素子12を形成する前の段階で、セパレータ基材24に導電性高分子25を被着させてセパレータ23を形成する方法について説明する。
セパレータ基材24の一方の面である第1面231Aに導電性高分子25の溶液又は分散液である液剤を塗着して、この液剤をセパレータ基材24の第1面231Aからセパレータ基材24の内部へ浸み込ませる。その後、液剤に含まれる溶媒又は分散媒を蒸発させる。
セパレータ基材24に塗着された液剤中の溶媒又は分散媒が蒸発した後に、セパレータ基材24に、導電性高分子25が被着する。
このとき、セパレータ基材24の第1面231A上に被着する導電性高分子25の、セパレータ基材24の単位面積当たりの被着量を、セパレータ基材24の第2面232A上に被着する導電性高分子25の、セパレータ基材24の単位面積当たりの被着量よりも多くするために、例えば、セパレータ基材24の第1面231Aに塗着する液剤の量、導電性高分子の濃度、塗着回数、セパレータ基材24の密度などを制御する。
なお、導電性高分子25をセパレータ基材24に被着させる方法として、セパレータ基材24の第1面231Aと第2面232Aとの両方の面から液剤を塗着する方法も適用できる。この場合、セパレータ基材24の第1面231Aと第2面232Aとから塗着する液剤の量や濃度を制御すればよい。
このように、セパレータ基材24に導電性高分子25を被着させることによって、セパレータ23に導電性が付与され、電解コンデンサのESRを下げることが出来る。そして、セパレータ基材24の第1面231A上に被着する導電性高分子25の、セパレータ基材24の単位面積当たりの被着量を、セパレータ基材24の第2面232A上に被着する導電性高分子25の、セパレータ基材24の単位面積当たりの被着量よりも多くすることで、電解コンデンサ1の陽極体21近傍に存在する導電性高分子25の量、或いは陽極体21に接触する導電性高分子25の量が多くなり、電解コンデンサのESRの低減が図られる。
なお、本実施の形態において、電解コンデンサのESRの低減効果を得るためには、セパレータ基材24の第1面231A上に被着した導電性高分子25のセパレータ基材24の単位面積当たりの被着量を、第2面232A上に被着した導電性高分子25のセパレータ基材24の単位面積当たりの被着量よりも5%(重量)以上多くすることが好ましく、10%(重量)以上多くすることがより好ましい。
また、図6に示すように、セパレータ23の厚さ方向の中央から第1面231Aまでの部分を第1セパレータ半体23Pと定義し、セパレータ23の厚さ方向の中央から第2面232Aまでの部分を第2セパレータ半体23Nと定義すると、第1セパレータ半体23Pに被着する導電性高分子25の量が、第2セパレータ半体23Nに被着する導電性高分子25の量よりも多くなっている。このような構成とすることで、電解コンデンサのESRをさらに低減することができる。
また、図6に示すように、第1面231A上に被着する導電性高分子25と第2面232A上に被着する導電性高分子25とは導電性高分子25を介して導通している。このような構成とすることで、ESRをさらに低減することが出来る。
なお、本実施の形態では、導電性高分子25をセパレータ基材24の第1面231A上から第2面232A上にかけて被着させているが、セパレータ基材24の第1面231A上からセパレータ基材24の厚さ方向の途中まで被着させて、第2面232A上に導電性高分子25が被着しないようにすれば、電解コンデンサの耐電圧も向上することができる。
なお、セパレータ基材24の第1面231Aへの液剤の塗着と塗着後の液剤に含まれる溶媒又は分散媒の蒸発とを複数回繰り返し実施すれば、セパレータ基材24の第1面231A近傍に被着する導電性高分子の量をより多くできるので、電解コンデンサのESRをさらに低減することができる。
なお、セパレータ基材24の第1面231A上または第2面232A上に被着する導電性高分子の単位面積当たりの被着量は、EDAX(エネルギー分散型X線分析装置)によって表面の特定元素(使用する導電性高分子の構成元素により決められる)の分布状態を分析することによって求めることができる。
(実施の形態3)
図7(a)は本発明の実施の形態3における蓄電素子の一例であるコンデンサ素子12Aの陽極体21と陰極体22との間に介在するセパレータ23及び電解液16を説明するための部分断面模式図である。図7(b)はコンデンサ素子12Aにおいて導電性高分子25の被着している領域を示す模式図である。なお、実施の形態3による蓄電デバイス10である電解コンデンサおよびコンデンサ素子12Aの基本構造は図1、図2を参照して説明した実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。また同様の構成をなすものには同じ符号を付して説明し、詳細な説明を省略する場合がある。
コンデンサ素子12Aにおいては、セパレータ23の第1表層23Aの、陽極体21の端縁21Eに対向する位置には、導電性高分子25が被着していない第5領域236が設けられている。
図7は図1に示すコンデンサ素子12Aの断面において、セパレータ23が陽極体21と陰極体22とに挟まれた部分を模式的に示している。セパレータ23の第1表層23Aの第5領域236は、図2(b)に示す巻回方向に沿った陽極体21の端縁21Eに対向する位置に設けられている。
陽極体21を構成する金属箔21Aは、表面に誘電体酸化皮膜21Bを有する。陽極体21は、誘電体酸化皮膜21Bが表面に形成された幅広で帯状の金属箔21Aを電解コンデンサの容量に適したサイズに切断して形成されている。そのため、切断後の陽極体21の切り口部には誘電体酸化皮膜21Bが形成されておらず、金属箔21Aが露出している。そこで、切り口部に誘電体酸化皮膜21Bを形成する工程を別途行ったり、電解液16による修復効果により切り口部に誘電体酸化皮膜21Bを形成したりして、切り口部において露出した金属箔21Aに誘電体酸化皮膜21Bを形成する。しかし、このような方法により形成した切り口部の誘電体酸化皮膜21Bは、膜質が悪く、クラックなどの欠陥が生じやすく、電解コンデンサの耐電圧特性に影響する。
実施の形態3のセパレータ23には、金属箔21Aの切り口部に対応する端縁21Eに対向する位置に第5領域236が設けられている。このように、セパレータ23には誘電体酸化皮膜21Bに欠陥が生じやすい端縁21Eに対向する位置に第1領域231が形成されていないので、電解コンデンサのESR特性の向上に加えて耐電圧特性も向上する。
なお、セパレータ基材24に被着する導電性高分子25の総被着量が同じ場合、効率よくESRを低減するためには、セパレータ基材24の、できるだけ陽極体21側に導電性高分子25が被着しているほうが好ましい。つまり、第2表層23Bの導電性高分子25が被着した第3領域233に存在する導電性高分子25はできるだけ少ないことが好ましい。
このように、セパレータ23において、陽極体21の端縁21Eに対向する位置に第5領域236を形成するとともに、第1表層23Aに第1領域231を形成するには、セパレータ基材24の陽極体21に対向する第1面231Aに導電性高分子25の溶液又は分散液である液剤を塗着する。そして、液剤をセパレータ基材24の内部に浸み込ませた後、液剤に含まれる溶媒又は分散媒を蒸発させる。その際、液剤をインクジェット法などの印刷によって塗着することで、第1表層23Aの所定の位置に第1領域231と第5領域236とを形成することができる。
また、セパレータ基材24の第2面232Aにもインクジェット法などの印刷によって液剤を塗着すれば、第2表層23Bに導電性高分子25が被着していない第2領域232を形成することができる。すなわち、セパレータ基材24への液剤の塗着に印刷を用いることで、セパレータ23を形成する際、セパレータ基材24の第1面231Aに液剤を塗着しない非塗着部分を残すと共に、セパレータ基材24の第2面232Aにも液剤を塗着しない非塗着部分を設けることができる。そして、セパレータ基材24に印刷により液剤を塗着することで、容易に液剤を塗着する領域を制御することができ、非塗着部分を形成することができる。ひいては、セパレータ23において、導電性高分子25が被着する領域や被着しない領域を容易に形成することができる。
なお、印刷方法としては、例えばインクジェット法、グラビアコーター法、スクリーン印刷法などの適宜の方法を採用することができる。その中でもインクジェット法は、液剤を被着させる領域を容易に制御でき、更に液剤の塗布量の制御性にも優れるため、より好ましい。
このように実施の形態3においても第1表層23Aは導電性高分子25が被着している第1領域231を有し、第2表層23Bは導電性高分子25が被着していない第2領域232を有する。
また第2表層23Bは、導電性高分子25が被着した第3領域233を有する。そして、第1表層23Aにおける第1領域231の陽極体21との対向面積は、第2表層23Bにおける第3領域233の陰極体22との対向面積よりも広い。これは、セパレータ23において第2表層23Bに第2領域232が形成されているためである。第1面231Aにおける液剤の塗着領域の面積を、第2面232Aにおける液剤の塗着領域の面積よりも大きくすることにより、上述の構成を形成することができる。
さらに、中間層23Cは、導電性高分子25が被着した第4領域234を有し、第3領域233に被着した導電性高分子25と第1領域231に被着した導電性高分子25とは、第4領域234に被着した導電性高分子25を介して互いに導通している。この効果は実施の形態1と同様である。
次に、図8、図9を参照しながら実施の形態3による他の構成について説明する。
図8、図9は本発明の実施の形態3における他のコンデンサ素子12B、12Cにおいて導電性高分子25の被着している領域を示す模式図である。
図8に示すコンデンサ素子12Bでは、図7に示す構成と同様に、セパレータ23の第1表層23Aにおいて、導電性高分子25が被着していない第5領域236が陽極体21の端縁21Eに対向する位置に設けられている。そしてこの第5領域236に対応して位置する第2表層23Bの第2領域235には導電性高分子25は被着していない。このように、第1表層23Aにおける、陽極体21の端縁21Eに対向する位置に第5領域236を設けるには、第2表層23Bの第2領域235となる位置に導電性高分子25を含む液剤を塗着しない。この構成では、液剤が第1表層23Aにおける陽極体21の端縁21Eに対向する位置に浸透することがより抑制される。したがって、第1表層23Aにおける陽極体21の端縁21Eに対向する位置に第5領域236を形成することができ、耐電圧特性も向上する。
一方、図9に示すコンデンサ素子12Cではセパレータ23において陽極体21の端縁21Eに対向する位置に第5領域236が設けられている。そして、セパレータ基材24のさらに端縁側にも導電性高分子25が被着している。すなわち、第5領域236が設けられた領域を挟むように第1領域231が形成されている。セパレータ23の幅が陽極体21の幅より大きい場合、このようにセパレータ23の陽極体21の端部からはみ出た箇所も導電化することにより、電解コンデンサのESRをさらに低減することができる。なお、この構成も第1面231Aに導電性高分子25を含む液剤を印刷により塗着することで形成できる。
なお、図8、図9では中間層23Cを図示していないが、このように中間層23Cがなく、直接に第1表層23Aと第2表層23Bとが繋がっていてもよい。また図7(b)に示すように中間層23Cを設ける場合、その領域の幅(すなわち厚さ)は特に限定されない。なお、ESRをより低減するためには、導電性高分子の使用量は多くなるが、導電性高分子25が第2表層23Bにも存在することが好ましい。
次に、図10、図11を参照しながら実施の形態3による他の構成について説明する。
図10に示すセパレータ基材24Cは、第1基材層224Pと第2基材層224Nとを有する。第1基材層224Pは、セパレータ基材24Cの第1面241Aを含み、陽極体21に隣接して配置される。第2基材層224Nはセパレータ基材24Cの第2面242Aを含み、陰極体22側に隣接して配置される。第1基材層224Pの繊維密度は第2基材層224Nの繊維密度より高い。すなわち、第1基材層224Pの気密度は第2基材層224Nの気密度より大きい。
そのため、第2基材層224Nに比べて第1基材層224Pは、導電性高分子25を含む液剤が浸透する間隙が少ない。したがって、第1面241A側から導電性高分子を含む液剤を塗着させた場合、導電性高分子25を含む液剤がセパレータ基材24Cに浸透し難くなり、導電性高分子25を第1基材層224Pの第1面241A付近に集中して被着させることができる。その結果、ESRを低減することができる。具体的には、第1基材層224Pの繊維密度と第2基材層224Nの繊維密度との差は、0.1g/cm以上であることが好ましい。
あるいは、図11に示すセパレータ基材24Dを用いてもよい。セパレータ基材24Dは、第1基材層224Aと第2基材層224Bとの間に中間基材層224Cを有する。第1基材層224Aの繊維密度は第2基材層224Bの繊維密度より高い。この場合もセパレータ基材24Cと同様に、第1面241A側から導電性高分子を含む液剤を塗着させた場合、導電性高分子25を含む液剤がセパレータ基材24Dに浸透し難くなり、導電性高分子25を第1基材層224Aの第1面241A付近に集中して被着させることができる。なお、中間基材層224Cの繊維密度は、第1基材層224Aと比べて大きくても小さくてもよい。
中間基材層224Cの繊維密度を第1基材層224Aと比べて大きくすれば、第1基材層224Aにおいて導電性高分子25の被着量をより多くでき、ESRの低減効果が高まる。中間基材層224Cの繊維密度を第1基材層224Aと比べて小さくすれば、セパレータ23の剛性が小さくなり、積層時や巻取り時の作業性を向上させることができる。したがって必要とされる特性に応じて中間基材層224Cの繊維密度を調整すればよい。
なお、セパレータ基材24C、24Dのようにセパレータ基材24の厚み方向で繊維密度を変えるには、実施の形態1のセパレータ基材24A、24Bと同様に、抄紙の途中で繊維の種類を変える、分散濃度を変える、繊維の密度が異なる複数のセパレータ紙を貼り合わせてセパレータ基材を構成するなどの方法を適用すればよい。
なお、例えば、図10や図11では、密度の異なるセパレータ基材24C、24Dを用いて、セパレータ基材24C、24Dへ浸み込む液剤の量を調整し、導電性高分子25を第1面241A付近に集中して存在させている。しかしながら、セパレータ基材24へ浸み込む液剤の量はセパレータ基材24の密度だけで決まるものではない。液剤に含まれる導電性高分子25の濃度や溶媒または分散媒とセパレータ基材の材質との親和性によっても変化する。これらの条件を整えてセパレータ基材24に浸み込ませる液剤の量を調整することが好ましい。
次に、第5領域236を設ける位置のその他の形態について、図12〜図14を参照しながら説明する。図12に示す構成では、セパレータ23の第1表層23Aにおいて、導電性高分子25が被着していない第5領域236は、陽極体21の巻き終わりの端縁21Fに対向する位置に設けられている。あるいは第5領域236は、陽極体21の巻き始めの端縁21Gに対向する位置に設けられていてもよく、その両方に設けられていてもよい。巻き始めの端縁21F、巻き終わりの端縁21Gにおいても、図7に示した巻回方向に沿った端縁21Eと同様に誘電体酸化皮膜に欠陥が生じやすい。そのため、セパレータ23の第1表層23Aにおいて、陽極体21の巻き始めの端縁21F、巻き終わりの端縁21Gに対向する位置に第5領域236を形成することで耐電圧特性を向上することができる。
なお、セパレータ23において、巻回方向に沿った端縁21Eの長さは巻き始めの端縁21F、巻き終わりの端縁21Gの長さよりも長い。したがって、巻回方向に沿った端縁21Eに対向する位置に第5領域236を設けることが好ましく、耐電圧特性を向上させる効果を高めることができる。
図13に示す構成では、第5領域236は、セパレータ23の第1表層23Aにおいて、陽極体21と陽極リード11Aとの接続箇所に対向する位置に設けられている。陽極リード11Aは、陽極体21の長手方向の中央部近傍など所定の位置に接続されている。陽極リード11Aと陽極体21とが接続される箇所は、陽極リード11Aの厚みに起因する段差が生じ、機械的な応力の影響を受けやすく、陽極体21と陽極リード11Aとの接続箇所近傍の誘電体酸化皮膜にはクラック等の欠陥が生じやすい。また、陽極リード11Aと陽極体21とを接続した後、接続箇所近傍において修復された誘電体酸化皮膜は、クラック等の欠陥が生じやすい。したがってこの箇所に対向する位置に第5領域236を形成することは、耐電圧特性の向上に大きく寄与する。
なお、陽極リード11Aの取り付け箇所はこれに限らず、例えば陽極体21の巻き始めや巻き終わりの端縁付近で接続されていてもよい。この場合も、陽極リード11Aの取り付け箇所に対向する位置に第5領域236を設けることで同様の効果を得ることができる。
なお、当然ながら、巻回方向、巻き始め、巻き終わりにそれぞれ対応する端縁21E、21F、21Gおよび陽極リード11Aの接続箇所に対向する箇所のうちの2箇所以上に第5領域236を形成することが好ましく、全ての箇所に形成することがより好ましい。
次に、図14に示す構成について説明する。この構成では陽極体21とセパレータ23と陰極体22とが積層されてコンデンサ素子が形成されている。この場合も、第5領域236が陽極体21の端縁21Hに対向する位置に設けられていることで、巻回型のコンデンサ素子12Aと同様の効果を奏する。なお、積層型のコンデンサ素子においても陽極リードを接続する箇所に対向する位置に第5領域236を形成してもよい。
なお、以上の説明では蓄電デバイス10として電解コンデンサを例に説明したが、本発明は電解コンデンサに限定されることはない。例えば電解液と固体電解質である導電性高分子とを併用する他のデバイスなどに適用することができる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。なお、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
まず、セパレータを形成するために、セパレータ基材として天然繊維紙を用い、導電性高分子であるポリエチレンジオキシチオフェン(ドーパントとしてポリスチレンスルホン酸を含む)の微粒子を分散媒に分散させた分散液を液剤として、この液剤をセパレータ基材の第1面側から塗着して、セパレータの第1表層に導電性高分子が被着した第1領域を形成した。なお、このとき第3領域は形成されなかった。また、セパレータ基材に被着した導電性高分子の総被着量は、後述する比較例1(従来例)における導電性高分子のセパレータ基材への総被着量を100としたときに重量比で100であった。
次に、陽極体として、エッチング処理により表面を粗面化した後に陽極酸化処理により誘電体酸化皮膜を形成したアルミニウム箔を準備した。また、陰極体として、表面をエッチング処理したアルミニウム箔を準備した。
そして、上述のセパレータを2枚準備し、セパレータの導電性高分子が被着した第1面と陽極体とが対向し、セパレータの導電性高分子が被着していない第2面と陰極体とが対向するように、陰極体と陽極体と2枚のセパレータと配置した。そして、陰極体と陽極体と2枚のセパレータとを巻回することによりコンデンサ素子を作製した。
続いて、エチレングリコールに1,6−デカンジカルボン酸アンモニウムを溶解して作製した電解液にコンデンサ素子を減圧条件下で浸漬し、コンデンサ素子の空隙部に電解液を含浸した。
この状態のコンデンサ素子を有底筒状のアルミニウム製のケースに挿入した後、ケースの開口部に樹脂加硫ブチルゴムの成形体である封口体を配置し、この封口体と共にケースの開口部をカーリング処理することにより、ケースを封止した。
これにより、定格電圧450V、静電容量10μFの電解コンデンサを作製した。この電解コンデンサの直径は10mm、高さは20mmである。
次に、他の実施例及び比較例について以下に説明する。なお、実施例1と同様の部分については説明を省略する。
(実施例2)
実施例2においては、実施例1で使用した液剤を、導電性高分子の濃度が3分の2になるように溶媒で希釈した液剤を、第1面側から塗着して、セパレータの第1表層に導電性高分子が被着した第1領域を形成するとともに、第2表層の一部に導電性高分子が被着した第3領域を形成した。したがって第2表層の第3領域以外の領域は、導電性高分子が被着していない第2領域になる。このときのセパレータ基材に被着した導電性高分子の総被着量は、後述する比較例1(従来例)における導電性高分子のセパレータ基材への総被着量を100としたときに、重量比で100であった。
(実施例3)
実施例3においては、実施例1で使用した液剤を用いて、第1面側から体積が実施例1の80%の量の液剤を塗着して、セパレータの第1表層に導電性高分子が被着した第1領域を形成した。また、第2表層全体を導電性高分子が被着していない第2領域とした。したがって第3領域は形成していない。このときのセパレータ基材に被着した導電性高分子の総被着量は、後述する比較例1(従来例)における導電性高分子のセパレータ基材への総被着量を100としたときに、重量比で80であった。
(比較例1)
比較例1において、実施例1で使用した液剤を溶媒で希釈して導電性高分子の濃度を5分の2にした液剤を、第1セパレータ半体の第1面側と、第2セパレータ半体の第2面側とから分けて塗着してセパレータ基材の全域に導電性高分子を被着させ、第1表層と第2表層とに、導電性高分子が被着した領域を形成した。
(比較例2)
比較例2において、実施例1で使用した液剤を用いて、第2面側から液剤を塗着して、セパレータの第2表層に導電性高分子が被着した領域を形成した。なお、このとき第1領域は形成されなかった。このときのセパレータ基材に被着した導電性高分子の総被着量は、比較例1(従来例)における導電性高分子のセパレータ基材への総被着量を100としたときに、重量比で100重量であった。
(評価)
実施例1、2、3及び比較例1、2の電解コンデンサをそれぞれ10個作製し、ESR測定に供した。ESRの評価は、20℃の環境で、周波数100kHzにおいて測定した。これらの結果を表1に示す。
なお、表1に記載のESRの値および導電性高分子の全被着量は、比較例1を100とした場合に対する相対値である。
Figure 2015146120
実施例1および実施例2によれば、比較例1、2に比較して、セパレータ基材に同じ量の導電性高分子を被着させても、セパレータ基材の陽極体側となる第1表層側に導電性高分子を多く被着させた方が、セパレータ基材全域に導電性高分子を被着させるよりも高いESR低減効果が得られていることがわかる。
また、実施例2と実施例3とを比較すると、実施例3のように導電性高分子の被着領域を、より陽極体側に偏らせることで、少ない導電性高分子の使用量で実施例2と同等のESR低減効果が得られているので、ESRを悪化させることなく、製造コストを低減することもできる。
これらの結果より、皮膜抵抗の高い誘電体酸化皮膜を有する陽極体側に導電性高分子を多く存在させて、陽極体に導電性高分子を多く接触させる方が、誘電体酸化皮膜を殆ど有さない陰極体に導電性高分子を多く接触させるよりも、ESRの低減効果が高くなるものと推定する。
本発明では、ESRが低い蓄電デバイスを得ることができる。そのため、電解コンデンサなど、電解液と固体電解質である導電性高分子とを併用するデバイスに適用できる。
10 蓄電デバイス
11A 陽極リード
11B 陰極リード
12,12A,12B,12C コンデンサ素子
13 ケース
13A 絞り加工部
14 封口体
14A,14B 貫通孔
15 外装体
16 電解液
21 陽極体(陽極箔)
21A 金属箔
21B 誘電体酸化皮膜
21E,21F,21G,21H 端縁
22 陰極体(陰極箔)
23 セパレータ
23A 第1表層
23B 第2表層
23C 中間層
23P 第1セパレータ半体
23N 第2セパレータ半体
24,24A,24B,24C,24D セパレータ基材
25 導電性高分子
124A,224A,124P,224P 第1基材層
124B,224B,124N,224N 第2基材層
124C,224C 中間基材層
231 第1領域
231A,241A 第1面
232,235 第2領域
232A,242A 第2面
233 第3領域
234 第4領域
236 第5領域

Claims (17)

  1. 陽極体と、前記陽極体に対向する陰極体と、セパレータ基材と前記セパレータ基材に被着した導電性高分子とを含み前記陽極体と前記陰極体との間に介在するセパレータと、を有する蓄電素子と、
    前記蓄電素子に含浸した電解液と、を備え、
    前記セパレータは、前記陽極体に対向する第1面を含む第1表層と、前記陰極体に対向する第2面を含む第2表層とを有し、
    前記第1表層は前記導電性高分子が被着した第1領域を有し、前記第2表層は前記導電性高分子が被着していない第2領域を有する蓄電デバイス。
  2. 前記第2表層は、前記導電性高分子が被着した第3領域を有し、前記第1表層における前記第1領域の、前記陽極体との対向面積は、前記第2表層における前記第3領域の、前記陰極体との対向面積よりも大きい請求項1に記載の蓄電デバイス。
  3. 前記第2表層は、前記導電性高分子が被着した第3領域を有し、
    前記セパレータの厚さ方向中央から前記第1面までの部分を第1セパレータ半体と定義し、前記セパレータの前記厚さ方向中央から前記第2面までの部分を第2セパレータ半体と定義するとき、前記第1セパレータ半体に被着した前記導電性高分子の量は、前記第2セパレータ半体に被着した前記導電性高分子の量よりも多い請求項1または2に記載の蓄電デバイス。
  4. 前記セパレータ基材は、非導電性の繊維を含む紙又は不織布で構成され、前記導電性高分子は、前記非導電性の繊維に被着している請求項1〜3の何れか一項に記載の蓄電デバイス。
  5. 前記第1表層は、前記第2表層に比べて、前記非導電性の繊維を低い密度で含む請求項4に記載の蓄電デバイス。
  6. 前記第2表層は、前記第1表層に比べて、前記非導電性の繊維を低い密度で含む請求項4に記載の蓄電デバイス。
  7. 前記第2表層は、前記導電性高分子が被着した第3領域を有し、
    前記セパレータは、前記第1表層と前記第2表層との間に中間層を有し、
    前記中間層は、前記導電性高分子が被着した第4領域を有し、前記第1表層の前記第1領域に被着した前記導電性高分子と前記第2表層の前記第3領域に被着した前記導電性高分子とは、前記中間層の前記第4領域に被着した前記導電性高分子を介して互いに導通している請求項1〜6の何れか一項に記載の蓄電デバイス。
  8. 前記セパレータ基材の前記第1面上に被着した導電性高分子の前記セパレータ基材の単位面積当たりの被着量が、前記第2面上に被着した導電性高分子の、前記セパレータ基材の単位面積当たりの被着量より多いことを特徴とする請求項1に記載の蓄電デバイス。
  9. 前記陽極体は、誘電体皮膜を形成した陽極箔で構成され、前記陰極体は、陰極箔で構成され、
    前記蓄電素子は、前記陽極箔と前記陰極箔とを前記セパレータを介して巻回して形成されたコンデンサ素子である請求項1〜8の何れか一項に記載の蓄電デバイス。
  10. 前記第1表層は前記導電性高分子が被着していない第5領域を有し、
    前記陽極体は前記陽極箔に接続された陽極リードを有し、
    前記第5領域が、前記陽極箔と前記陽極リードとの接続箇所に対向する位置に設けられている請求項9に記載の蓄電デバイス。
  11. 前記第1表層は前記導電性高分子が被着していない第5領域を有し、前記第5領域が、前記陽極箔の巻回方向に沿った端縁に対向する位置に設けられている請求項9または10に記載の蓄電デバイス。
  12. 前記第1表層は前記導電性高分子が被着していない第5領域を有し、
    前記第5領域が、前記陽極箔の巻き始め端縁に対向する位置と前記陽極箔の巻き終わり端縁に対向する位置との少なくとも何れか一方に設けられている請求項9〜11の何れか一項に記載の蓄電デバイス。
  13. 前記陽極体の表面には誘電体皮膜が形成され、
    前記蓄電素子は、前記陽極体と前記セパレータと前記陰極体とが積層されて形成されたコンデンサ素子である請求項1〜7の何れか一項に記載の蓄電デバイス。
  14. 前記第1表層は前記導電性高分子が被着していない第5領域を有し、
    前記第5領域は、前記陽極体の端縁に対向する位置に設けられている請求項13に記載の蓄電デバイス。
  15. 第1面と第2面とを有するセパレータ基材の、前記第1面又は前記第2面に導電性高分子の溶液又は分散液である液剤を塗着して、前記液剤を前記セパレータ基材の内部に浸み込ませた後、前記液剤に含まれる溶媒又は分散媒の少なくとも一部を蒸発させて、前記セパレータ基材に導電性高分子が被着したセパレータを形成するステップと、
    陽極を前記セパレータの前記第1面に対向させるとともに、陰極を前記セパレータの第2面に対向させて、蓄電素子を作製するステップと、
    前記蓄電素子に電解液を含浸するステップとを備え、
    前記セパレータを形成する際に、前記第1面を含む第1表層に、前記導電性高分子が被着した第1領域を形成し、前記第2面を含む第2表層に、前記導電性高分子が被着していない第2領域を形成することを特徴とする蓄電デバイスの製造方法。
  16. 前記第1面における前記液剤の塗着領域の面積を、前記第2面における前記液剤の塗着領域の面積よりも大きくする請求項15に記載の蓄電デバイスの製造方法。
  17. 前記セパレータを形成する際には、前記セパレータ基材に前記液剤を印刷により塗着する請求項15又は16に記載の蓄電デバイスの製造方法。
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