JPWO2015122401A1 - 雨樋 - Google Patents

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Abstract

【課題】防汚性が良好で大気中の粉塵や雨水等による汚れが生じにくく、かつ紫外線による変色、退色、また熱変形や熱伸縮の無い高性能な建築用構造物を提供する。【解決手段】基材部を有し、基材部の全面乃至一部に少なくともフッ素系樹脂を含む樹脂被覆層が形成されてなり、かつ前記樹脂被覆層の表面粗さが、算術平均粗さSa(μm)で算出すると0.2以下となることを特徴とする建築用構造物である。【選択図】図1

Description

本発明は、雨樋に関するものである。
建築用構造物に使用される材料は、樹脂、金属、コンクリートと、種類や用途によって様々であるが、軽量、耐候性が良好、安価、かつ様々なデザインでの形成が容易であるという理由から、樹脂素材が用いられる場合が多々ある。樹脂素材についても種類は様々であるが、例えば雨樋などにおいては硬質塩化ビニル系樹脂がよく用いられている。雨樋は、屋根からの雨水を受ける軒樋と、軒樋から雨水を下水へと送る竪樋に分かれる。
塩化ビニル系樹脂で構成されている雨樋は、使用中に退色が生じるという問題があったので、近年においては、樋成形品の退色性を抑えるために、スチレン系共重合体で構成されたものが用いられている(例えば、特開2001−140420号公報等に開示される)。また、スチレン系共重合体層を塩化ビニル系樹脂層に積層した複合材料で構成されたものも用いられている。
軒樋の形状は、使用の用途や場所、または、外観上での見栄えやデザインなどを考慮して様々なものが製造されている。一般的な軒樋には、変形や破損を防止するために、軒樋の前後上端部にそれぞれ耳部を設けて強度の向上がなされている。この耳部は、軒樋支持金具に係止して、軒樋を建物の軒先に固定する役割もしている。これらの軒樋の1つとして、前面板の上端の耳部を内向きに突出して形成した軒樋が用いられている。
また、軒樋と接続継手を繋ぐ際に用いられる塩化ビニル系樹脂内に含有する溶剤に浸食されて大きく変形する問題を解決するため、また雨樋としての耐候性そのものを更に向上させる目的で、軒樋の外側表面をアクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合体(ASA)などのような耐候性樹脂で被覆しているものも用いられている(例えば、特開2004−190223号公報等に開示される)。
一方、軒樋は、建物の軒先に取り付けられて使用されるので、建物の外観に対する居住者の関心が強くなってきていることや、近年では淡色系の建物に取り付ける白系の軒樋の需要が強くなってきていることから、大気中の粉塵や雨水等による軒樋の汚れがこれまで以上に目立たないことが求められるようになってきている。
しかし、前記軒樋の外側表面を被覆する耐候性樹脂は、主に紫外線による変色、退色、また熱変形や熱伸縮の問題を解決するために設けられたものであり、大気中の粉塵や雨水等による汚れを防止する性能は、現状十分なものでは無い。
上記の問題を鑑みて、本発明では、防汚性が良好で大気中の粉塵や雨水等による汚れが生じにくく、かつ紫外線による変色、退色、また熱変形や熱伸縮の無い雨樋を提供することを目的とする。
本発明は、基材部を有し、最外面の全面乃至一部に少なくともフッ素系樹脂を含む樹脂被覆層が形成され、かつ樹脂被覆層の表面粗さが、平面方向をX軸Y軸、縦方向をZ軸とし、表面の測定領域を任意に設定したときの各平面方向の測定長をそれぞれLx、Lyとし、表面形状曲線をz=f(x,y)とするとき、下式(1)で表される算術平均粗さSa(μm)で算出すると0.2以下であることを特徴とする雨樋である。
Figure 2015122401
また、本発明の一態様において、上記の雨樋は、樹脂被覆層のフッ素系樹脂がポリフッ化ビニリデンであり、かつ全樹脂量を100質量部としたとき、ポリフッ化ビニリデンの含有量が45質量部以上であることを特徴とする。
また、本発明の一態様において、上記の雨樋は、樹脂被覆層にアクリル系樹脂を含有することを特徴とする。
また、本発明の一態様において、上記の雨樋は、基材部と樹脂被覆層の間に少なくとも一層の中間樹脂層を有し、かつ中間樹脂層は、全樹脂量を100質量部としたとき、アクリル系樹脂の含有量が50〜100質量部、かつフッ素系樹脂の含有量が0〜50質量部であることを特徴とする。
また、本発明の一態様において、上記の雨樋は、樹脂被覆層に、樹脂被覆層の全樹脂量100質量部に対し、無機顔料を1.0〜6.0質量部含有することを特徴とする。
また、本発明の一態様において、上記の雨樋は、樹脂被覆層に、樹脂被覆層の全樹脂量100質量部に対し、紫外線吸収剤を0.01〜5質量部含有することを特徴とする。
また、本発明の一態様において、上記の雨樋は、樹脂被覆層、中間樹脂層の何れかもしくは両層に、各層の全樹脂量100質量部に対し、無機顔料を1.0〜6.0質量部含有することを特徴とする。
また、本発明の一態様において、上記の雨樋は、樹脂被覆層、中間樹脂層の何れかもしくは両層に、各層の全樹脂量100質量部に対し、紫外線吸収剤を0.01〜5質量部含有することを特徴とする。
本発明の一態様において、上記の雨樋は、基材部が硬質塩化ビニル系樹脂からなることを特徴とする。
本発明によれば、防汚性が良好で大気中の粉塵や雨水等による汚れが生じにくく、かつ紫外線による変色、退色、また熱変形や熱伸縮の無い雨樋を提供することができる。
本発明に係る軒樋の一実施形態を示す概略的な側面図である。 本発明に係る軒樋の他の実施形態を示す概略的な側面図である。
図1は本発明の一実施形態に係る雨樋を示す概略的な側面図であり、軒樋1は、基材部10と、少なくとも長辺側20を含んだ基材部の外面に少なくともフッ素系樹脂を含む樹脂被覆層11が形成された構成となっている。なお、本実施形態は、基材部10の長辺側20にのみ樹脂被覆層11が形成された構成とするが、樹脂被覆層11を被覆する範囲は限定されるものではなく、例えば基材部10の全周に被覆してもよい。
基材部を構成する樹脂としては、硬質塩化ビニル系樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、これらを変性させた樹脂類、若しくはこれらの樹脂の共重合樹脂類等の熱可塑性合成樹脂などが挙げられる。また、鉄やアルミニウムなどの金属、ガラス繊維、カーボン繊維、紙材、フィラー、などを芯材とし、その両面に合成樹脂を被覆してなる基材部なども挙げられる。本発明においては、軽量、耐候性が良好、安価、かつ様々なデザインでの形成が容易であるという点や、樹脂被覆層との接着性の観点から、硬質塩化ビニル系樹脂がこのましい。
塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル単独重合体、塩化ビニル及び塩化ビニルと共重合可能な単量体との、塩化ビニルを50重量%以上含有する塩化ビニル系共重合体である。このような塩化ビニルと共重合可能な単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸、メタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル;エチレン、プロピレン等のオレフィン;アクリロニトリル;スチレン;塩化ビニリデン等が挙げられる。
塩化ビニル系樹脂の粘度平均重合度は、500〜3,000の範囲であり、より好ましくは平均重合度700〜1,500である。粘度平均重合度が500未満では、得られる雨樋の衝撃強度、引張り強度、伸び等の機械的特性に劣る場合がある。一方、粘度平均重合度が3,000を超えると成形時における塩化ビニル系樹脂の溶融粘度が高くなり成形が困難となる恐れが有る。溶融粘度を低下させるために成形温度を上昇させると、塩化ビニル系樹脂の分解を起こしてしまい、良好な雨樋が得られない場合がある。粘度平均重合度は、樹脂200mgをニトロベンゼン50mlに溶解させ、このポリマー溶液の比粘度を30℃恒温槽中において、ウベローデ型粘度計を用いて測定し、JIS K6720−2により算出したものである。
なお硬質塩化ビニル系樹脂には、炭酸カルシウムやウォラストナイト等の無機充填剤、錫系や鉛系等の塩ビ用熱安定剤、エポキシ化大豆油等の安定化助剤、パラフィンワックスやポリエチレンワックス等の滑剤、アクリル系等の加工助剤、フェノール系等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系やヒンダードアミン系等の光安定剤、顔料、可塑剤等を添加する事ができる。
フッ素系樹脂を含む樹脂被覆層11としては、ポリ四フッ化エチレン、四フッ化エチレン−六フッ化エチレン共重合体、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、四フッ化エチレン−エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられるが、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFと省略する)であるとより好ましい。
また、フッ素系樹脂を含む樹脂被覆層11は、フッ素系の樹脂を含んだ樹脂組成物であるとより好ましく、特にPVDFとアクリル系樹脂(以下、PMMAと省略)との組成物である事が好ましい。防汚性や耐候性、基材部との接着性を確保するため、PVDFとPMMAとの組成物におけるPVDFの配合割合は、好ましくは45質量部以上(PMMA:55質量部以下)であり、より好ましくは45〜90質量部(PMMA:55〜10質量部)、更に好ましくは50〜80質量部(PMMA:50〜20質量部)である。
本実施形態によれば、防汚性が良好で大気中の粉塵や雨水等による汚れが生じにくく、かつ紫外線による変色、退色、また熱変形や熱伸縮の無い雨樋を提供することができる。
図2は本発明の他の実施形態に係る雨樋を示す概略的な側面図であり、図1の構成よりも更に、基材部10と樹脂被覆層11の接着力を確保する点で有利である。図2の軒樋2は、基材部10と、少なくとも長辺側20を含んだ基材部の外面に少なくともフッ素系樹脂を含む樹脂被覆層11が、中間樹脂層12を介して形成された構成となっている。基材部、フッ素系樹脂を含む樹脂被覆層を構成する樹脂としては、図1の軒樋1と同様である。
中間樹脂層12も、樹脂被覆層11と同様にPVDFとPMMAとの組成物であるが、基材部10と樹脂被覆層11の接着力を確保するため、PVDFとPMMAとの組成物におけるPMMAの配合割合は、50〜90質量部(PVDF:10〜50質量部)であり、好ましくは60〜85質量部(PVDF:15〜40質量部)である。また接着性を考慮しつつ、異なる組成の中間樹脂層を複数用いても良い。
本発明の樹脂被覆層の表面粗さは、算術平均粗さSa(μm)で規定され、0.2以下であり、好ましくは0.005〜0.195、更に好ましくは0.02〜0.125である。算術平均粗さSa(μm)は、JIS B0601に則った二次元の断面プロファイルより得られる算術平均粗さRa(μm)を三次元に拡張したもので、表面形状曲面と平均面で囲まれた部分の体積を測定面積で割ったものである。具体的には、表面に平行な方向にX軸とY軸とを規定し、表面に垂直な方向をZ軸と規定し、該表面の測定領域を任意に設定したときのX軸及びY軸方向の測定長をそれぞれLx、Lyとし、表面形状曲線をz=f(x,y)とするとき、算術平均粗さSa(μm)は、下式(1)で表される。
Figure 2015122401
Sa(μm)は、レーザー顕微鏡により得られた三次元プロファイルデータから算出する。
なお、Sa(μm)は小さくなればなるほど表面が平滑になり防汚性は良好となるが、上記のようなデザイン、景観を重視する場合には、Sa(μm)が0.2以下となる範囲内で被覆層を成形すれば良い。一方で上記のようなデザイン、景観を一切気にせず防汚性をより良好にする場合であれば、Sa(μm)が0.01以下であるとより好ましい。
フッ素系樹脂を含む樹脂被覆層や中間樹脂層には、無機顔料を樹脂成分100質量部に対して1〜6質量部含有する事が好ましい。無機顔料の配合量が樹脂成分100質量部あたり1質量部未満であると、基材の紫外線による劣化を十分に防ぐことができない。一方、無機顔料の配合量が樹脂成分100質量部あたり6質量部を超えると、被覆層にしたときの機械的強度が低下したり、分散不良による外観欠陥の発生が多くなる為好ましくない。
なお無機顔料としては、白色無機顔料を使用する事ができる。白色無機顔料は、JIS Z8825−1に規定されているレーザー回折装置により測定した平均粒子径(メジアン径)が、0.1〜2μmであることが好ましく、更に好ましくは0.20〜1μmである。これにより、溶融混練時の分散性が良好となり、外観欠陥の少ない樹脂被覆層を得ることができる。
白色無機顔料の材質は、特に限定されるものではないが、例えば酸化マグネシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、塩基性炭酸鉛、酸化亜鉛等が挙げられる。各種白色無機顔料の中でも、特に、屈折率と着色力が大きく、光触媒作用が少ないルチル型結晶の二酸化チタンを使用することが望ましい。
また、この白色無機顔料は、粒子の表面をアルミナ及び/又はシリカでコートした酸化チタンであることが好ましい。これにより、白色無機顔料の被覆層への分散が更に良好で、樹脂組成物製造の際の加熱混練時及び製膜時に触媒作用によりPVDFが加熱分解するのを防止し、更にフィルムを屋外使用した場合の光線劣化を防止し耐候性を確保することができる。
フッ素系樹脂を含む樹脂被覆層や中間樹脂層には、白色以外の調色用無機顔料を樹脂成分100質量部に対して0.01〜1質量部使用する事ができる。調色用無機顔料は、被覆層にしたときの色調を微調整すると共に、耐熱性を向上させるために配合されている。しかしながら、調色用無機顔料の配合量が樹脂成分100質量部あたり0.01質量部未満であると、着色力や耐熱性向上効果が十分に得られない。一方、調色用無機顔料の配合量が樹脂成分100質量部あたり1質量部を超えると、樹脂中に均一に分散させることが困難になり、樹脂被覆層の外観欠陥が増加する。
また、調色用無機顔料の平均粒子径は、十分な着色力や隠蔽性を有し、凝集粒子の生成を抑制するという観点から、0.1〜2μmであることが好ましく、更に好ましくは0.20〜1μmである。なお、ここでいう平均粒子径は、JIS Z8825−1に規定されているレーザー回折装置により測定したメジアン径である。
調色用無機顔料は、特に限定されるものではないが、例えばクロム、亜鉛、鉄、ニッケル、アルミニウム、コバルト、マンガン及び銅等の酸化物の中から選ばれた数種を、焼成により固溶させた複合酸化物系顔料等を用いることができる。更に、1種又は数種の複合酸化物顔料を混合して使用することもできる。
また、この調色用無機顔料は、配合前にシランカップリング剤で表面をコートすることが好ましい。その際、各種のシランカップリング剤を使用することができるが、特に反応性官能基がヘキシル基、加水分解性基がメトキシ基のn−ヘキシルメトキシシランが、フィルムを製膜したときの欠点の発生を抑制するのに有効である。
フッ素系樹脂を含む樹脂被覆層や中間樹脂層には、紫外線吸収剤を樹脂成分100質量部に対して0.01〜5質量部含有する事が、耐候性と機械強度のバランスが良く好ましい。0.01質量部未満では紫外線による劣化を防ぐ効果が無く、5部を超えるとブリードアウトによる外観不良や紫外線吸収剤自体による着色が起こり好ましくない。
紫外線吸収剤は特に限定されないが、使用する樹脂と相溶性があり、紫外線吸収剤の揮散を防ぐためには、高分子量のものが好ましい。紫外線吸収剤は、例えばベンゾトリアゾール系、オキザリックアシッド系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等が使用できるが、ベンゾトリアゾール系を用いると少量で顕著な耐候性を示すため好ましい。
本発明の雨樋を製造する方法としては、基材となる樹脂に、被覆層として本実施形態の樹脂被覆層を積層した軒樋を成形する方法は、基材を二軸押出機により異型ダイを通して押出し、被覆樹脂層を単軸押出機にて押出しダイ内先端部にて共押出により被覆する方法が好ましい。その際、原料の供給は、前述した各原料を適した配合量で溶融混練して作成した樹脂組成物を用いてもよいが、個々の原料を混合して、直接単軸又は二軸の押出機に供給して溶融混練し、異型ダイを通して共押出成形することにより成形してもよい。
ただし、溶融混練の温度が150℃未満の場合、PDVFの溶融に必要な熱量が不足する可能性があり、また260℃を超えるとPDVFが熱分解する虞がある。よって、溶融混練の際の温度は、150〜260℃の範囲とする。
本発明の雨樋において、押出成形時にサイジング加工を施すことで、最外被覆層の表面の算術平均粗さSa(μm)が0.1以下となるように調整する事が出来、そうすることで、表面が平滑になり、水滴や汚れの付着を抑え、防汚性を向上させることができる。また、鏡面にて冷間プレスをすることで被覆層表面を平滑化しても良いし、またSa(μm)が0.2以下となる範囲で、シボ面にて冷間プレスをすることで被覆層表面に若干のシボを付けることでシックなデザイン、景観とすることもできる。
本発明の一実施形態は、基材部を有し、最外面の全面乃至一部に少なくともフッ素系樹脂を含む樹脂被覆層が形成され、かつ樹脂被覆層の表面粗さが、平面方向をX軸Y軸、縦方向をZ軸とし、表面の測定領域を任意に設定したときの各平面方向の測定長をそれぞれLx、Lyとし、表面形状曲線をz=f(x,y)とするとき、下式(1)で表される算術平均粗さSa(μm)で算出すると0.2以下であり、樹脂被覆層のフッ素系樹脂がポリフッ化ビニリデンであり、かつ全樹脂量を100質量部としたとき、ポリフッ化ビニリデンの含有量が45質量部以上であることを特徴とする雨樋である。
これにより、より加工性が良くより複雑な形状の雨樋を提供することができる。
本発明の一実施形態は、上記の雨樋において、樹脂被覆層にアクリル系樹脂を含有する。
これにより、硬質塩化ビニル系樹脂で形成された基材部との密着性を向上させた雨樋を提供することができる。
本発明の一実施形態は、上記の雨樋において、基材部と樹脂被覆層の間に少なくとも一層の中間樹脂層を有し、かつ中間樹脂層は、全樹脂量を100質量部としたとき、アクリル系樹脂の含有量が50〜100質量部、かつフッ素系樹脂の含有量が0〜50質量部である。
これにより、硬質塩化ビニル系樹脂で形成された基材部との密着性を請求項3の発明以上に向上させた雨樋を提供することができる。
本発明の一実施形態は、上記の雨樋において、樹脂被覆層に、樹脂被覆層の全樹脂量100質量部に対し、無機顔料を1.0〜6.0質量部含有する。
これにより、種々の色合いを持ったデザイン性に富んだ雨樋を提供することができる。
本発明の一実施形態は、上記の雨樋において、樹脂被覆層に、樹脂被覆層の全樹脂量100質量部に対し、紫外線吸収剤を0.01〜5質量部含有する。
これにより、硬質塩化ビニル系樹脂で形成された基材部の紫外線による劣化を防ぐことができ、より耐候性の良い雨樋を提供することができる。
本発明の一実施形態は、上記の雨樋において、樹脂被覆層、中間樹脂層の何れかもしくは両層に、各層の全樹脂量100質量部に対し、無機顔料を1.0〜6.0質量部含有する。
これにより、種々の色合いを持ったデザイン性に富んだ雨樋を提供することができる。
本発明の一実施形態は、上記の雨樋において、樹脂被覆層、中間樹脂層の何れかもしくは両層に、各層の全樹脂量100質量部に対し、紫外線吸収剤を0.01〜5質量部含有する。
これにより、硬質塩化ビニル系樹脂で形成された基材部の紫外線による劣化を防ぐことができ、より耐候性の良い雨樋を提供することができる。
本発明の一実施形態は、上記の雨樋において、基材部が硬質塩化ビニル系樹脂からなることを特徴とする。これにより、軽量、耐候性が良好、安価、かつ様々なデザインでの形成が容易であり、樹脂被覆層との接着性のよい雨樋を提供することができる。
[実施例]
以下に実施例をあげて本発明を更に詳細に説明する。また、これらはいずれも例示的なものであって、本発明の内容を限定するものではない。なお、比は特に断りのない限り質量基準で示した。
(1)硬質塩化ビニル系樹脂
硬質塩ビ樹脂配合物(電気化学工業株式会社製、重合度1100、鉛安定剤配合)を100部に対し、白色無機顔料としてルチル型結晶の二酸化チタン粉末(メジアン径:0.3μm)を5部の比率で、ヘンシェルミキサーで混ぜた後、TEM−35B押出機(東芝機械社製、2軸押出機)で温度220℃で押出してペレット化した。なお、JIS K 6874に準拠し、温度220℃、荷重10kgで測定したこのペレットのメルトフローレートは3g/10分であった。
(2)樹脂被覆層用樹脂組成物
[調色用無機顔料の調製]
クロム、マンガン及び銅の酸化物固溶体からなる黒色の無機顔料粉末:0.8kg、亜鉛、鉄、ニッケル及びアルミニウムの酸化物固溶体からなる茶色顔料粉末:1.6kg、アルミン酸コバルトからなる青色顔料粉末:0.6kgを、乾式の混合機で混ぜ合わせて、調色用無機顔料を製造した。次に、0.1質量%酢酸水溶液:0.3kgとエタノール:0.3kgの混合液に、n−ヘキシルトリメトキシシラン:0.03kgを添加し、シランカップリング剤溶液を調製した。そして、調色用無機顔料をミキサーに仕込み、攪拌しながら、シランカップリング剤溶液を滴下して混合した。混合後、取り出して、乾燥機にて乾燥した後、粉砕して粉末状にした。得られた調色用無機顔料の平均粒子径(メジアン径)は、0.3μmであった。
[樹脂成分]
下記の物性を有する樹脂を用いた。なお、MFR(メルトフローレイト)はJIS K 7210のA法に規定された測定法により測定した。また、ペレット体の平均粒子径(メジアン径)はJIS K 0069「化学製品のふるい分け試験方法」の乾式ふるい分け試験方法で、粉体の平均粒子径(メジアン径)はJIS Z 8825−1「粒子径解析−レーザー回折法−第1部:測定原理」のレーザー回折装置により測定した。
<PVDF(A)>
MFR(温度:230℃、荷重:3.8kg)が20g/10minで、平均粒子径(メジアン径)が3mmであるペレット体のポリフッ化ビニリデン樹脂。
<PVDF(B)>
MFR(温度:230℃、荷重:3.8kg)が20g/10minで、平均粒子径(メジアン径)が10μmである粉体のポリフッ化ビニリデン樹脂。
<PMMA>
MFR(温度:230℃、荷重:10kg)が9g/10minであるポリメタクリル酸メチル樹脂。
[樹脂組成物の調製]
・樹脂組成物1
調色用無機顔料:3kgと、白色無機顔料としてルチル型結晶の二酸化チタン粉末(メジアン径:0.3μm):20kgをミキサーにて混合した。そして、樹脂組成物調製のための混練装置として、スクリュー径30mm、L/D=40の二軸押出機に、調色用無機顔料、白色無機顔料、PVDF(A)、PVDF(B)及びPMMAを、それぞれ個別の定量フィーダーにて、各成分の配合比に対応する速度で供給して溶融混練した。その後、穴径3mm、3穴のストランドダイを通してペレット状の樹脂組成物を得た(これを樹脂組成物1とする)。そして、得られた樹脂組成物1の各成分の組成は、PVDF(A)が35部、PVDF(B)が15部、PMMAが50部、白色無機顔料が5部、調色用無機顔料が1部であった。
・樹脂組成物2
樹脂組成物調製のための混練装置として、スクリュー径30mm、L/D=40の二軸押出機に、実施例1に記したPVDF(A)、PVDF(B)及びPMMA、及び紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系:TINUVIN234(BASF社製))を、それぞれ個別の定量フィーダーにて、各成分の配合比に対応する速度で供給して溶融混練した。その後、穴径3mm、3穴のストランドダイを通してペレット状の樹脂組成物を得た(これを樹脂組成物2とする)。そして、得られた樹脂組成物2の各成分の組成は、PVDF(A)が35部、PVDF(B)が15部、PMMAが50部、紫外線吸収剤が3部であった。
・樹脂組成物3
樹脂組成物調製のための混練装置として、スクリュー径30mm、L/D=40の二軸押出機に、PVDF(A)、PVDF(B)及びPMMAを、それぞれ個別の定量フィーダーにて、各成分の配合比に対応する速度で供給して溶融混練した。その後、穴径3mm、3穴のストランドダイを通してペレット状の樹脂組成物を得た(これを樹脂組成物3とする)。そして、得られた樹脂組成物3の各成分の組成は、PVDF(A)が60部、PVDF(B)が20部、PMMAが20部であった。
・樹脂組成物4
樹脂組成物調製のための混練装置として、スクリュー径30mm、L/D=40の二軸押出機に、PVDF(A)、PVDF(B)及びPMMA、及び紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系)を、それぞれ個別の定量フィーダーにて、各成分の配合比に対応する速度で供給して溶融混練した。その後、穴径3mm、3穴のストランドダイを通してペレット状の樹脂組成物を得た(これを樹脂組成物4とする)。そして、得られた樹脂組成物4の各成分の組成は、PVDF(A)が15部、PVDF(B)が5部、PMMAが80部、紫外線吸収剤が3部であった。
・樹脂組成物5
スチレンとアクリロニトリルとブチルアクリレートの共重合比が74/25/1である共重合体を100部に対し、白色無機顔料としてルチル型結晶の二酸化チタン粉末(メジアン径:0.3μm)を5部の比率で、ヘンシェルミキサーで混ぜた後、TEM−35B押出機(東芝機械社製、2軸押出機)で温度220℃で押出してペレット化した(これを樹脂組成物5とする)。
・樹脂組成物6
PVDF(A)が21部、PVDF(B)が9部、PMMAが70部、白色無機顔料が5部、調色用無機顔料が1部となるように供給速度を変えた他は、樹脂組成物1と同様の方法で樹脂組成物を得た(これを樹脂組成物6とする)。
[雨樋の作成]
・サンプル(A1)〜(A5)
基材用樹脂組成物を65mmφ2軸押出機で、被覆層用樹脂として樹脂組成物1を用いて50mmφ単軸押出機にて共押出を行い、図1の形状の積層成形雨樋を作成した。雨樋の基材部10の厚みは約1.6mmであり、樹脂被覆層11の厚みは約0.15mmであった。また、押出しの際のサイジング工程にて、様々な表面粗さを持つ被覆層を形成した。それぞれ、算術平均粗さSa(μm)は、0.007、0.089、0.168、0.235、0.431であった。これらのサンプルを順番に(A1)(A2)(A3)(A4)(A5)とした。
・サンプル(B1)〜(B5)
基材用樹脂組成物を65mmφ2軸押出機で、被覆層用樹脂として樹脂組成物2を用いて50mmφ単軸押出機にて共押出を行い、図1の形状の積層成形雨樋を作成した。雨樋の基材部10の厚みは約1.6mmであり、樹脂被覆層11の厚みは約0.15mmであった。また、押出しの際のサイジング工程にて、様々な表面粗さを持つ被覆層形成した。それぞれ、算術平均粗さSa(μm)は、0.009、0.125、0.195、0.269、0.331であった。これらのサンプルを順番に(B1)(B2)(B3)(B4)(B5)とした。
・サンプル(C1)〜(C5)
基材用樹脂組成物を65mmφ2軸押出機で、樹脂組成物3と樹脂組成物4をそれぞれ50mmφ単軸押出機を用いて、共押出を行い、樹脂組成物3が樹脂被覆層に、樹脂組成物4が中間樹脂層となるように、図2の形状の積層成形雨樋を作成した。雨樋の基材部10の厚みは約1.6mm、中間樹脂層12の厚みは約0.10mm、樹脂被覆層11の厚みは約0.15mmであった。また、押出しの際のサイジング工程にて、最外層が様々な表面粗さを持つ被覆層を形成した。それぞれ、算術平均粗さSa(μm)は、0.005、0.025、0.174、0.209、0.531であった。これらのサンプルを順番に(C1)(C2)(C3)(C4)(C5)とした。
・サンプル(D1)〜(D3)
基材用樹脂組成物を65mmφ2軸押出機で、被覆層用樹脂として基材用樹脂組成物と同一ペレットを用い50mmφ単軸押出機にて共押出を行い、図1の形状の積層成形雨樋を作成した。図1において、基材部10の厚みは約1.6mm、樹脂被覆層11の厚みは約0.15mmであった。また、押出しの際のサイジング工程にて、様々な表面粗さを持つ被覆層形成した。それぞれ、算術平均粗さSa(μm)は、0.008、0.054、0.223であった。これらのサンプルを順番に(D1)(D2)(D3)とした。
・サンプル(E1)〜(E3)
基材用樹脂組成物を65mmφ2軸押出機で、被覆層用樹脂として樹脂組成物5を用いて50mmφ単軸押出機にて共押出を行い、図1の形状の積層成形雨樋を作成した。図1において、基材部10の厚みは約1.6mm、樹脂被覆層11の厚みは約0.15mmであった。また、押出しの際のサイジング工程にて、様々な表面粗さを持つ被覆層形成した。それぞれ、算術平均粗さSa(μm)は、0.004、0.094、0.192であった。これらのサンプルを順番に(E1)(E2)(E3)とした。
・サンプル(F1)〜(F3)
被覆層用樹脂として樹脂組成物1の代わりに樹脂組成物6を用いた他は、サンプル(A1)〜(A5)と同様の方法で共押出を行い、サイジング工程にて算術平均粗さSa(μm)が0.003、0.059、0.134のサンプルを作成した。これらのサンプルを順番に(F1)(F2)(F3)とした。
[表面粗さの測定]
作成した雨樋の樹脂被覆層における表面算術平均粗さSa(μm)は、レーザー顕微鏡LEXT OLS4100(OLYMPUS製)を用い、倍率50にて表面の三次元形状を得て、そこよりカットオフλc値80μmにてSa(μm)を算出した。各雨樋の表面算術平均粗さSa(μm)は、表1に記載した。
[屋外暴露試験]
上記のように得られた雨樋のサンプル(A)〜(F)を、梅雨の時期から夏場である6月1日から8月31日までの三ヶ月間かつ南向きにして屋外暴露した。屋外暴露した場所は、地面が砂利の駐車場がすぐ近くにあり、風も強く土埃や砂埃の影響を非常に強く受ける環境であった。また、設置位置も地面から約1mの高さであり、実際の建物の軒先に設置する場合と比較して低く、通常よりも非常に汚れ易い過酷な環境下にて試験を実施した。屋外暴露試験の前後で目視による外観形状変化を評価した。また明度差ΔL値を測定することで、汚れの外観評価を行なった。明度測定は、ミノルタ社製CM−508dを用いた。試験前後の差ΔLの値が大きい程汚れていることを示す。各評価結果は表1に記載した。
Figure 2015122401
[実施例1〜9、比較例1〜15]
屋外暴露の結果、本発明に係る樹脂組成物からなるサンプルのうち、最外被覆層表面の算術平均粗さSa(μm)が0.1以下である(A1)、(A2)、(A3)、(B1)、(B2)、(B3)、(C1)、(C2)、(C3)は、何れも外観の汚れ度合いが少なく、かつ明度差ΔL値も−3.0以上であり、防汚性は良好な結果を示した。その中でも、算術平均粗さSa(μm)が0.01以下の(A1)、(B1)、(C1)は、ほとんど汚れが付着することなく非常に防汚性良好であることが分かった。それに対し、算術平均粗さSa(μm)が0.1を超える(A4)、(A5)、(B4)、(B5)、(C4)、(C5)のサンプルは、外観の汚れ度合いも大きく、良好な防汚性は得られなかった。また、比較用に作成した(D)(E)(F)サンプルについては、算術平均粗さSa(μm)が0.2以下であってもそれ以上であっても、全て外観の汚れ度合いが大きく、防汚性は良くなかった。
また、太陽熱による熱変形や熱伸縮は、サンプル(A)(B)(C)(E)の4つは特に変化がなく問題なかったが、サンプル(D)は、やや熱変形が確認できた。
これらより、硬質塩化ビニル系樹脂で形成された基材部を有し、本発明に係る樹脂組成物からなり、最外被覆層表面の算術平均粗さSa(μm)が0.2以下であると、防汚性が良好で大気中の粉塵や雨水等による汚れが生じにくく、かつ紫外線による変色、退色、また熱変形や熱伸縮の無い高性能な雨樋を提供することができる。
本発明に係る雨樋は、防汚性が良好で大気中の粉塵や雨水等による汚れが生じにくく、かつ紫外線による変色、退色、また熱変形や熱伸縮の無い物であり、特に白系雨樋の高性能グレードとして利用可能である。また本発明は、雨樋の他にも、屋根・土木建築物(橋、ダム、トンネル・ガードレール)・看板など、屋外で使用する各種構造物に対して応用する事が期待される。
1・・・軒樋1
2・・・軒樋2
10・・・基材部
11・・・樹脂被覆層
12・・・中間樹脂層
20・・・長辺側

Claims (9)

  1. 基材部を有し、
    基材部の全面乃至一部に少なくともフッ素系樹脂を含む樹脂被覆層が形成され、
    かつ樹脂被覆層の表面粗さが、平面方向をX軸Y軸、縦方向をZ軸とし、表面の測定領域を任意に設定したときの各平面方向の測定長をそれぞれLx、Lyとし、表面形状曲線をz=f(x,y)とするとき、下式(1)で表される算術平均粗さSa(μm)で算出すると0.2以下であることを特徴とする雨樋。
    Figure 2015122401
  2. 樹脂被覆層のフッ素系樹脂がポリフッ化ビニリデンであり、かつ全樹脂量を100質量部としたとき、ポリフッ化ビニリデンの含有量が45質量部以上であることを特徴とする請求項1に記載の雨樋。
  3. 樹脂被覆層にアクリル系樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至2に記載の雨樋。
  4. 基材部と樹脂被覆層の間に少なくとも一層の中間樹脂層を有し、かつ中間樹脂層は、全樹脂量を100質量部としたとき、アクリル系樹脂の含有量が50〜100質量部、かつフッ素系樹脂の含有量が0〜50質量部であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の雨樋。
  5. 樹脂被覆層に、樹脂被覆層の全樹脂量100質量部に対し、無機顔料を1.0〜6.0質量部含有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の雨樋。
  6. 樹脂被覆層に、樹脂被覆層の全樹脂量100質量部に対し、紫外線吸収剤を0.01〜5質量部含有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の雨樋。
  7. 樹脂被覆層、中間樹脂層の何れかもしくは両層に、各層の全樹脂量100質量部に対し、無機顔料を1.0〜6.0質量部含有することを特徴とする請求項4に記載の雨樋。
  8. 樹脂被覆層、中間樹脂層の何れかもしくは両層に、各層の全樹脂量100質量部に対し、紫外線吸収剤を0.01〜5質量部含有することを特徴とする請求項4に記載の雨樋。
  9. 基材部が硬質塩化ビニル系樹脂からなることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の雨樋。
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