JPWO2015115479A1 - 金属空気電池 - Google Patents

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Abstract

本発明の金属空気電池は、電解液を収容する電解液槽と、前記電解液槽中に設けられかつ電極活物質を有しかつアノードとなる金属電極と、カソードとなる空気極と、前記電解液を計測対象とする第1計測部及び/又は前記金属空気電池の放電電流を計測対象とする第2計測部と、前記第1計測部及び/又は前記第2計測部の計測結果に基づく電池情報を通知する通知部とを備えることを特徴とする。

Description

本発明は、金属空気電池に関する。
金属空気電池は高いエネルギー密度を有するため、次世代の電池として注目されている。金属空気電池は、電極活物質を含み電解液中に配置される金属電極をアノードとし、空気極をカソードとすることにより発電する。
代表的な金属空気電池として、金属亜鉛を電極活物質とする亜鉛空気電池が挙げられる。亜鉛空気電池では、カソードにおいて以下の化学式1のような電極反応が進行すると考えられる。
(化学式1):O2+2H2O+4e-→4OH-
また、アノードにおいて以下の化学式2のような電極反応が進行すると考えられる。
(化学式2):Zn+4OH-→Zn(OH)4 2-+2e-
このような電極反応が進行すると金属電極の電極活物質は消費され徐々に減少していく。また、電解液の金属含有イオン(Zn(OH)4 2-)濃度は徐々に高くなっていき、そして、飽和に達すると以下の化学式3又は化学式4のような反応が進行し均一核生成または不均一核生成が生じる。そして、生成した核が結晶成長することにより金属酸化物または金属水酸化物の析出物が析出し使用済み活物質として電解液槽内に蓄積する。
(化学式3):Zn(OH)4 2-→ZnO+2OH-+H2O
(化学式4):Zn(OH)4 2-→Zn(OH)2+2OH-
この析出物は、微粒子として電解液中に析出する場合と、金属電極の表面上に不動態として析出する場合とがある。
微粒子状の使用済み活物質が電解液槽内に蓄積すると、アノードとカソードとの間のイオン伝導率が低下し金属空気電池の出力が低下する場合がある。また、使用済み活物質が金属電極の表面に不動態として析出しアノード反応を阻害する場合がある。このため、微粒子状の使用済み活物質を電解液槽内から排出すること及び不動態が付着した金属電極を新たな金属電極に交換することが必要である。
また、電極反応が進行すると金属電極に含まれる電極活物質の量が減少するため、電極活物質の量が少なくなった使用済みの金属電極を新たな金属電極と交換する必要がある。
さらに、電解液に含まれる水は、電池反応や空気極における蒸発により失われるため、電解液槽に水又は電解液を補給する必要がある。
このように金属空気電池では、使用済み活物質の排出、金属電極の交換、水又は電解液の補給などのメンテナンスを適切な時期に行う必要がある。しかし、ユーザーがこの適切な時期を把握することは難しい。
ユーザーにこの適切な時期を知らせる手段を備えた金属空気電池として、電池容量検出回路などにより検知した電池容量に基づき金属電極の交換時期をユーザーに通知する金属空気電池が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2004−362869号公報
しかし、従来の金属空気電池では、電池容量検出回路などにより検知した電池容量に基づきユーザーに通知するため、使用済み活物質の排出、水又は電解液の補給を行う適切な時期を通知することは難しい。
また、電極活物質の量の減少により金属電極の交換が必要になる場合と、金属電極の表面に使用済み活物質が不動態として付着したために金属電極の交換が必要になる場合とがあるため、電池容量検出回路などにより検知した電池容量に基づき適切な金属電極の交換の時期を通知することは難しい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、金属空気電池のメンテナンスを行う適切な時期をユーザーなどに通知することができる金属空気電池を提供する。
本発明は、電解液を収容する電解液槽と、前記電解液槽中に設けられかつ電極活物質を有しかつアノードとなる金属電極と、カソードとなる空気極と、前記電解液を計測対象とする第1計測部と、第1計測部の計測結果に基づく電池情報を通知する通知部とを備えることを特徴とする金属空気電池を提供する。
本発明によれば、電解液を収容する電解液槽と、前記電解液槽中に設けられかつ電極活物質を有しかつアノードとなる金属電極と、カソードとなる空気極とを備えるため、金属電極においてアノード反応を進行させることができ、空気極においてカソード反応を進行させることができる。このことにより、金属電極と空気極との間に起電力を生じさせることができる。
本発明によれば、電解液を計測対象とする第1計測部を備えるため、第1計測部により、電解液のpH値、導電率、粘度又は密度などの物性値を計測することができる。
本発明によれば、第1計測部の計測結果に基づく電池情報を通知する通知部を備えるため、第1計測部の計測結果から算出した、放電可能時間を表す情報、電解液のイオン濃度を表す情報、電解液槽に電解液または水を補給する時期を表す情報などの電池情報をユーザーなどに通知することができる。また、この電池情報は、電解液を対象とした計測の結果から算出されるため、より正確な情報をユーザーなどに通知することができる。
このことにより、ユーザーなどは、メンテナンスを行う適切な時期を知ることができ、適切な時期にメンテナンスを行うことができる。
本発明の一実施形態の金属空気電池の概略断面図である。 放電実験1で測定した放電容量と電解液の導電率との関係を示すグラフである。 放電実験1におけるZn(OH)4 2-イオン濃度の変化を示すグラフである。 放電実験1におけるOH-イオン濃度の変化を示すグラフである。 放電実験3で測定したZn(OH)4 2-イオン濃度と電解液の導電率との関係を示すグラフである。
電解液を収容する電解液槽と、前記電解液槽中に設けられかつ電極活物質を有しかつアノードとなる金属電極と、カソードとなる空気極と、前記電解液を計測対象とする第1計測部及び/又は前記金属空気電池の放電電流を計測対象とする第2計測部と、前記第1計測部及び/又は前記第2計測部の計測結果に基づく電池情報を通知する通知部とを備えることを特徴とする。
本発明の金属空気電池において、第1計測部は、少なくとも前記電解液に関するpH値、導電率、粘度又は密度を計測する計測部であり、前記電池情報は、放電可能時間を表す情報、前記電解液のイオン濃度を表す情報、又は前記電解液槽に電解液または水を補給する時期を表す情報であることが好ましい。
このような構成によれば、ユーザーなどが放電可能時間、電解液のイオン濃度、又は電解液槽に電解液または水を補給する時期を知ることができ、適切な時期にメンテナンスを行うことができる。
本発明の金属空気電池において、第1計測部は、前記電解液の導電率を計測する計測部であり、前記電池情報は、放電可能時間を表す情報であることが好ましい。
このような構成によれば、ユーザーなどが放電可能時間を知ることができ、適切な時期に金属電極を交換することができる。
本発明の金属空気電池において、前記通知部は、第1計測部及び/又は第2計測部の計測結果に基づく電池情報を通知する通知部であり、前記電池情報は、前記金属電極に含まれる電極活物質の残量を表す情報、前記電極活物質から生成した析出物の量を表す情報、又は前記析出物の排出時期を表す情報であることが好ましい。
このような構成によれば、金属電極に含まれる電極活物質の残量、電極活物質から生成した析出物の量、又は析出物の排出時期を知ることができ、適切な時期にメンテナンスを行うことができる。
本発明の金属空気電池において、前記通知部は、データ通信回線を利用して遠隔地に電池情報を通知する通知部であることが好ましい。
このような構成によれば、遠隔地のユーザー又は管理者が電池情報を知ることができ、金属空気電池を監視することができる。このことにより、例えば、遠隔地の管理者又は管理会社が金属空気電池の管理及びメンテナンスを行うことが可能になる。また、遠隔地の管理者又は管理会社が複数の金属空気電池を同時に監視することが可能になる。
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図面や以下の記述中で示す構成は、例示であって、本発明の範囲は、図面や以下の記述中で示すものに限定されない。
金属空気電池の構成
図1は本実施形態の金属空気電池の概略断面図である。
本実施形態の金属空気電池30は、電解液3を収容する電解液槽2と、電解液槽2中に設けられかつ電極活物質を有しかつアノードとなる金属電極5と、カソードとなる空気極9と、電解液3を計測対象とする第1計測部24と、第1計測部24の計測結果に基づく電池情報を通知する通知部27とを備えることを特徴とする。
以下、本実施形態の金属空気電池30について説明する。
1.金属空気電池
本実施形態の金属空気電池30は、電極活物質となる金属を含む金属電極5を負極(アノード)とし、空気極9を正極(カソード)とする電池である。例えば、亜鉛空気電池、リチウム空気電池、ナトリウム空気電池、カルシウム空気電池、マグネシウム空気電池、アルミニウム空気電池、鉄空気電池などである。また、本実施形態の金属空気電池30は、一次電池であってもよい。
また、金属空気電池30は、電解液槽2、空気極9などからなる金属空気電池本体と、金属空気電池本体に着脱可能な構造を有し、金属電極5、金属極端子11などからなる金属電極ホルダーとから構成されてもよい。
2.セル
セルは、金属空気電池30の構成単位であり、電解液槽2(電解液室)中に設けられかつアノードとなる金属電極5と、カソードとなる空気極9とからなる電極対を有する。セルは、例えば、1つの空気極9と1つの金属電極5とが電解液3を挟むように設けられた電極対を有してもよく、図1に示した金属空気電池30のように2つの空気極9が1つの金属電極5を挟むように設けられた電極対を有してもよい。
また、セルは、電解液槽2又は電解液室と、電解液槽2中又は電解液室中に設けられかつアノードとなる金属電極5と、カソードとなる空気極9とを備えてもよい。
3.セル集合体
セル集合体は、複数のセルを重ねたスタック構造を有する。セル集合体は、複数のセルが1つの電解液槽2内に設けられてもよく、それぞれのセルが電解液槽2または電解液室を有してもよい。なお、セル集合体を構成するセルの数は特に限定されず、必要となる発電能力に応じてセルの数量を決定すればよい。
また、セル集合体を構成する複数のセルがそれぞれ電解液槽2を有する場合、各セルが有する電解液槽2は共通の筐体1に設けられてもよく、各セルが筐体1を有し、この筐体1に電解液槽2が設けられてもよい。
なお、1つの筐体1に2個または3個のセルを設け、このような筐体1を複数組み合わせることによりセル集合体を形成してもよい。
セル集合体に含まれる複数のセルの電極対は、直列接続してもよく、並列接続してもよい。
4.電解液、電解液槽
電解液3は、溶媒に電解質が溶解しイオン導電性を有する液体である。電解液3は、電解液槽2内に溜められる、または電解液槽2内を流通する。電解液3の種類は、金属電極5に含まれる電極活物質の種類によって異なるが、水溶媒を用いた電解液(電解質水溶液)であってもよい。
また、電解液3は、第1計測部24の計測対象となる。
例えば、亜鉛空気電池、アルミニウム空気電池、鉄空気電池の場合、電解液には、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などのアルカリ性水溶液を用いることができ、マグネシウム空気電池の場合、電解液には塩化ナトリウム水溶液を用いることができる。
電解液槽2は、電解液3を溜める又は流通させる電解槽であり、 電解液に対して耐食性を有する。また、電解液槽2は、電解液室を有することができる。
電解液槽2または電解液室は、その中に金属電極5を取り出し可能に設置することができる構造を有する。電解液槽2は、金属空気電池本体に設けることができる。また、電解液槽2は、複数の電解液室を有してもよい。
金属空気電池30が電解液槽2内の電解液3を流動させる機構を有してもよい。このことにより金属電極5でのアノード反応を促進することができ、金属空気電池30の性能を向上させることができる。電解液を流動させる機構としては、ポンプおよび循環流路を用いて電解液3を循環させ、電解液槽2内の電解液3を流動させてもよい。
また、金属空気電池30が攪拌機、バイブレーターなどの電解液槽2内の電解液3を物理的に動かすことのできる可動部を備えてもよい。
電解液槽2を構成する筐体1の材料は、電解液に対して耐食性を有する材料であれば特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、ABS、塩化ビニリデン、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、フッ素樹脂、エポキシ樹脂などである。
5.金属電極
金属電極5は、アノードとなる電極であり、アノードの電極活物質である金属を含む。また、金属電極5は、電解液槽2中に取り出し可能に設けることができる。
金属電極5は、例えば、電極活物質である金属を含む金属板であってもよい。また、金属電極5は、例えば、金属電極集電体と金属電極集電体上に設けられた電極活物質層とを有してもよい。
金属電極5に含まれる電極活物質は、アノード反応により金属電極5中に電荷を発生させ金属含有イオンとして電解液に溶解する金属である。このため、金属電極5に含まれる電極活物質はアノード反応の進行に伴い徐々に消費されていく。金属電極5に含まれる電極活物質が少なくなると、金属電極5に発生する電荷が少なくなり金属電極5は使用済みとなる。この使用済みの金属電極5を電解液槽2中から除去し新たな金属電極5を電解液槽2中に挿入することにより金属空気電池30による発電を続けることができる。
なお、金属電極5中に発生した電荷は、放電電流として外部出力された後、空気極9におけるカソード反応に利用される。この放電電流は、第2計測部25の計測対象となる。
アノード反応により電解液3中に生じた金属含有イオンは、その濃度が飽和濃度を超えると電解液3中に金属酸化物または金属水酸化物の微粒子など(析出物17)として析出する場合がある。また、金属含有イオンの濃度が不動態形成濃度に達すると、金属含有イオンは、金属電極5の表面上に金属酸化物または金属水酸化物の不動態(析出物17)として析出する場合がある。従って、析出物17は、電解液中に浮遊する又は電解液槽の底に沈降する微粒子として析出する場合と、金属電極5の表面上に付着した不動態として析出する場合とがある。
析出物17が微粒子として析出し、この微粒子が電解液3中に過剰に存在すると、多孔性の空気極9の細孔に析出物17の微粒子が付着することで酸素ガスの拡散が妨げられたり、多孔性のセパレータ14の細孔に析出物17の微粒子が付着することで、OH-イオンのイオン伝導パスが妨げられたりする結果、金属空気電池30の出力が低下する。このため、電解液中に析出物17の微粒子が蓄積すると、電解液3中からこの微粒子を除去する必要がある。
析出物17が不動態として析出し、この不動態が金属電極5の表面の大部分を覆うと、金属電極5の表面におけるアノード反応は阻害され金属空気電池30の出力が低下する。このため、不動態が表面を覆った金属電極5を電解液槽2中から除去し新たな金属電極5を電解液槽2中に挿入することにより金属空気電池30による発電を続けることができる。
例えば、亜鉛空気電池の場合、電極活物質は金属亜鉛であり、電解液中には水酸化亜鉛または酸化亜鉛が析出する。アルミニウム空気電池の場合、電極活物質は金属アルミニウムであり、電解液中には水酸化アルミニウムが析出する。鉄空気電池の場合、電極活物質は金属鉄であり、電解液中には酸化水酸化鉄または酸化鉄が析出する。マグネシウム空気電池の場合、電極活物質は金属マグネシウムであり、電解液中には水酸化マグネシウムが析出する。
また、リチウム空気電池、ナトリウム空気電池、カルシウム空気電池の場合、電極活物質はそれぞれ、金属リチウム、金属ナトリウム、金属カルシウムであり、電解液中にはこれらの金属の酸化物、水酸化物などが析出する。なお、リチウム空気電池、ナトリウム空気電池、カルシウム空気電池の場合、金属電極5と電解液との間に固体電解質膜を有してもよい。このことにより、電極活物質が電解液により腐食されることを抑制することができる。また、この場合、電極活物質は固体電解質膜をイオン伝導した後電解液に溶解する。
なお、電極活物質は、これらの例には限定されず、金属空気電池となるものであればよい。また、金属電極5に含まれる電極活物質は、上記の例では一種の金属元素からなる金属を挙げたが、金属電極5に含まれる電極活物質は合金であってもよい。
金属電極集電体は、導電性を有する。また、金属電極集電体の形状は板状、または板の厚み方向に貫通した孔が設けられた形状、またはエキスパンドメタルやメッシュが好ましい。また、この金属電極集電体は、例えば、電解液に対して耐食性を有する金属により形成することができる。金属電極集電体の材料は、例えば、ニッケル、金、銀、銅、ステンレスなどである。また、金属電極集電体は、ニッケルめっき処理、金めっき処理、銀めっき処理、銅めっき処理された導電性基材などであってもよい。この導電性基材には、鉄、ニッケル、ステンレスなどを用いることができる。
このことにより、アノード反応により金属電極5に生じた電荷を金属電極集電体により集電することができ、発生させた電荷を外部回路に出力することができる。金属電極集電体の主要面上への電極活物質層の固定は、例えば、電極活物質である金属の粒子や塊を金属電極集電体の表面に押し付けて固定してもよく、金属電極集電体上にめっき法などにより金属を析出させてもよい。なお、金属電極集電体の形状に関して、めっき法で電極活物質を析出させる場合には導電性の観点で板形状が好ましく、金属の粒子や塊を固定させる場合には、粒子や塊の脱落を防止する観点で板に貫通孔が設けられたもの、またはエキスパンドメタルやメッシュが好ましい。
金属電極5は、金属電極支持体と共に金属電極ホルダーを構成することができる。金属電極ホルダーは、金属電極5を電解液槽2内に挿入することができ、使用済みの金属電極5を電解液槽2内から抜き出せるように設けられる。このことにより、金属空気電池30に電極活物質を供給することができる。
金属電極支持体は、金属空気電池本体に設けられた電極挿入口の蓋となるように設けることができる。このことにより、電解液槽2に金属電極5を挿入すると共に電極挿入口に蓋をすることができ、大気中の成分と電解液3とが反応することを抑制することができる。
6.空気極
空気極9は、空気極触媒を有しかつカソードとなる電極である。また、空気極9は、多孔性のガス拡散層8と、ガス拡散層8上に設けられた多孔性の空気極触媒層7とを有してもよい。空気極9では、空気極触媒上において電解液3などから供給される水と大気から供給される酸素ガスと電子とが反応し水酸化物イオン(OH-)を生成する(カソード反応)。つまり、空気極9の三相界面においてカソード反応が進行する。
また、空気極9は、空気極9に大気に含まれる酸素ガスが拡散できるように設けられる。例えば、空気極9は、少なくとも空気極9の表面の一部が大気に曝されるように設けることができる。図1に示した金属空気電池30では、筐体1に複数の空孔23を設けており、空孔23を介して大気に含まれる酸素ガスが空気極9中に拡散できる。また、例えば、空気が流れる空気流路を形成し空気極9に酸素ガスを供給してもよい。なお、この空気流路を介して空気極9に水を供給してもよい。
空気極触媒層7は、例えば、導電性の多孔性担体と多孔性担体に担持された空気極触媒とを含んでもよい。このことにより、空気極触媒上において、酸素ガスと水と電子を共存する三相界面を形成することが可能になり、カソード反応を進行させることが可能になる。また、空気極触媒層7は、バインダーを含んでもよい。
また、空気極触媒層7とガス拡散層8とから構成される空気極9は、空気極触媒を担持した多孔性担体を導電性多孔性基材(ガス拡散層8)に塗布することにより作製されてもよい。例えば、空気極9は、空気極触媒を担持したカーボンをカーボンペーパーやカーボンフェルトに塗布することにより作製することができる。このガス拡散層8は、空気極集電体として機能してもよい。
空気極9の厚さは、例えば、300μm以上3mm以下とすることができる。
また、空気極9は、空気極端子10と電気的に接続することができる。このことにより、空気極触媒層7で生じた電荷を外部回路へと取り出すことができる。
金属空気電池30は、空気極触媒層7に生じた電荷を集電する空気極集電体を備えてもよい。このことにより、空気極触媒層7で生じた電荷を効率よく外部回路へと取り出すことができる。空気極集電体の材料としては、電解液3に対して耐食性を有すれば特に限定されないが、例えば、ニッケル、金、銀、銅、ステンレスなどである。また、空気極集電体は、ニッケルめっき処理、金めっき処理、銀めっき処理、銅めっき処理された導電性基材などであってもよい。この導電性基材には、鉄、ニッケル、ステンレスなどを用いることができる。
また、空気極集電体の形状は、例えば、板状、メッシュ状、パンチングメタルなどとすることができる。
また、空気極集電体と、多孔性担体又は導電性多孔性基材(ガス拡散層8)とを接合する方法としては、フレームを介してネジ止めにより圧着する方法や、導電性接着剤を用いて結合させる方法などが挙げられる。
1つのセルに含まれる空気極9は、金属電極5の一方側にのみ設けられてもよく、図1のように金属電極5の両側にそれぞれ設けられてもよい。
空気極触媒層7に含まれる多孔性担体には、例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、黒鉛、活性炭等の導電性カーボン粒子が挙げられる。また、気相法炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤー等の炭素繊維を用いることもできる。
空気極触媒には、たとえば、白金、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム、銀、ルテニウム、イリジウム、モリブデン、マンガン、ランタン、これらの金属化合物、およびこれらの金属の2種以上を含む合金からなる微粒子が挙げられる。この合金は、白金、鉄、コバルト、ニッケルのうち少なくとも2種以上を含有する合金が好ましく、たとえば、白金−鉄合金、白金−コバルト合金、鉄−コバルト合金、コバルト−ニッケル合金、鉄−ニッケル合金等、鉄−コバルト−ニッケル合金が挙げられる。
また、空気極触媒層7に含まれるバインダーは、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などである。
また、空気極触媒層7に含まれる多孔性担体は、その表面に陽イオン基が固定イオンとして存在するように表面処理がなされていてもよい。このことにより、多孔性担体の表面を水酸化物イオンが伝導できるため、空気極触媒上で生成した水酸化物イオンが移動しやすくなる。
また、空気極触媒層7は、多孔性担体に担持されたアニオン交換樹脂を有してもよい。このことにより、アニオン交換樹脂を水酸化物イオンが伝導できるため、空気極触媒上で生成した水酸化物イオンが移動しやすくなる。
空気極触媒層7は電解液槽2内の電解液3に接触するように設けてもよい。このことにより、空気極触媒層7で生成した水酸化物イオンが容易に電解液3へ移動することができる。また、空気極触媒層7における電極反応に必要な水が電解液3から空気極触媒層7に供給されやすくなる。
また、空気極触媒層7は、電解液槽2に収容する電解液3と接触するセパレータ14と接触するように設けてもよい。セパレータ14は、多孔性樹脂膜、イオン交換膜または樹脂繊維の不織布とすることができる。セパレータ14は、電解液槽2内の電解液3と空気極触媒層7とを仕切るように設けることができる。セパレータ14を設けることにより、電解液3が空気極9の細孔を介して金属空気電池30の外部へ漏洩することを抑制することができ、金属空気電池30の安全性を向上させることができる。また、電解液3に含まれる水は、セパレータ14を通過した後空気極9に浸透するため、空気極9に過剰な水が供給されることを抑制することができる。また、セパレータ14を設けることにより、電解液3に含まれる電極活物質や析出物17の極微細な粒子が空気極触媒層7に付着することを抑制できる。
また、セパレータ14をイオン交換膜とすることにより、空気極触媒層7と電解液3との間を移動するイオン種を限定することができる。セパレータ14は、アニオン交換膜であってもよい。このことにより、空気極触媒層7で発生した水酸化物イオンがアニオン交換膜を伝導し、電解液へ移動することができる。アニオン交換膜は、固定イオンである陽イオン基を有するため、電解液3中の陽イオンは空気極触媒層7に伝導することはできない。これに対し、空気極触媒層7で生成した水酸化物イオンは陰イオンであるため、電解液3へと伝導することができる。このことにより、金属空気電池30の電池反応が進行させることができ、かつ、電解質水溶液3中の陽イオンが空気極触媒層7に移動するのを防止することができる。このことにより、空気極触媒層7における金属や炭酸化合物の析出を抑制することができる。
セパレータ14に用いられる多孔性樹脂膜または樹脂繊維の不織布の材料としては、耐アルカリ性樹脂とすることができ、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン6、ナイロン66、ポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール系材料、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が挙げられる。また、セパレータ14の細孔の孔径は特に限定されないが、30μm以下であることが好ましい。電解液の流通が良くなるようにセパレータ14は親水化処理されていることが好ましい。
セパレータ14に用いられるイオン交換膜としては、たとえば、パーフルオロスルホン酸系、パーフルオロカルボン酸系、スチレンビニルベンゼン系、第4級アンモニウム系の固体高分子電解質膜(アニオン交換膜)が挙げられる。
7.第1計測部、第2計測部、通知部
第1計測部24は、電解液3を計測対象として物性値などを計測できるように設けられる。第1計測部24は、図1に示した金属空気電池30のように電解液槽2内において電解液3の物性値などを計測できるように設けられてもよく、電解液槽2内の電解液3をサンプリングして電解液3の物性値などを計測できるように設けられてもよい。また、循環流路およびポンプにより電解液槽2内の電解液3を循環させる場合、第1計測部24は、循環流路において電解液3の物性値などを計測できるように設けられてもよく、循環流路内の電解液3をサンプリングして電解液3の物性値などを計測できるように設けられてもよい。
第1計測部24は、電解液3のみを計測対象としてもよく、電解液3と析出物17の微粒子との混合物を計測対象としてもよい。
第1計測部24は、例えば、電解液3を計測対象として、pH値、ORP、導電率、粘度、密度などの物性値を計測することができる。また、第1計測部24は、電解液中のOH-イオン濃度または金属含有イオン濃度と関連性を有する他の物性値を計測するように設けられてもよい。
また、第1計測部24は、2種類以上の物性値を計測できるように設けられてもよい。第1計測部24は、例えば、pH計、ORP計、導電率計、粘度計、密度計などである。
第2計測部25は、金属空気電池30の放電電流を計測対象として、電流値、電圧値、放電容量、積算放電容量などを測定できるように設けられる。第2計測部25は、例えば、金属電極5と空気極9との間の起電力を出力する回路に設けることができる。第2計測部25は、例えば、電流計である。
金属空気電池30は、第1計測部24の計測結果又は第2計測部25の計測結果から電池情報を算出する演算回路26を備えてもよい。また、演算回路26は、第1計測部24の計測結果と第2計測部25の計測結果の両方から電池情報を算出するように設けられてもよい。
また、金属空気電池30は、演算回路26がデータを読み出すことができる記憶媒体28を備えてもよい。記憶媒体28には、第1計測部24の計測結果、第2計測部25の計測結果、これらの計測結果から算出された電池情報、又は演算回路26による算出に必要な検量線のデータなどを記録しておくことができる。
電池情報は、例えば、金属電極5に含まれる電極活物質の残量を表す情報、放電可能時間を表す情報、電解液3のイオン濃度を表す情報、電極活物質から生成した析出物17の量を表す情報、析出物17の排出時期を表す情報、電解液槽2に電解液または水を補給する時期を表す情報、電解液槽2に補給する電解液または水の量を表す情報などである。
演算回路26又は記憶媒体28は、第1計測部24又は第2計測部25に含まれてもよく、通知部27に含まれてもよい。
また、演算回路26は、算出した電池情報を通知部27に出力するように設けられてもよい。
通知部27は、第1計測部24の計測結果に基づく電池情報をユーザーなどに通知するように設けられる。また、通知部27は、第2計測部25の計測結果に基づく電池情報をユーザーなどに通知するように設けられてもよい。また、通知部27は、第1計測部24の計測結果と第2計測部25の計測結果の両方に基づく電池情報をユーザーなどに通知するように設けられてもよい。また、通知部27は、演算回路26により算出された電池情報を通知するように設けられてもよい。
通知部27は、ユーザーなどに電池情報を通知するための表示部を備えてもよい。この表示部に電池情報を表示することにより、ユーザーなどに電池情報を通知することができる。表示部は、ディスプレイであってもよく、ランプであってもよい。
また、通知部27は、ユーザーなどに電池情報を通知するための音声出力部を備えてもよい。この音声出力部から電池情報を音声として出力することにより、ユーザーなどに電池情報を通知することができる。
また、通知部27は、データ通信回線を利用して遠隔地のユーザー又は管理者に電池情報を通知するように設けられてもよい。このことにより、遠隔地のユーザー又は管理者が電池情報を知ることができ、金属空気電池30を監視することができる。このことにより、例えば、遠隔地の管理者又は管理会社が金属空気電池30の管理及びメンテナンスを行うことが可能になる。また、遠隔地の管理者又は管理会社が複数の金属空気電池30を同時に監視することが可能になる。
この場合、通知部27は、LANポート又は無線通信ポートなどの通信ポートを備えることができる。この通信ポートから遠隔地に設置されたサーバーなどに電池情報を通信すすることができ、サーバーにより電池情報を表示出力または音声出力させることができる。
第1計測部24は、例えば、電解液3のpH値を計測できるように設けることができる。また、第1計測部24は、電解液3のORPを計測できるように設けられてもよい。この場合、第1計測部24は、pH計又はORP計である。また、第1計測部24は、ガラス電極を有するpH計であってもよく、イオン応答電界効果トランジスタを有するpH計であってもよい。また、第1計測部24は、電解液3のpH値を連続的に計測することができる。
電解液3のpH値は、電解液3のOH-イオン濃度を反映する値である。このため、電解液3のpH値とOH-イオン濃度との間には相関関係がある。
従って、電解液槽2に収容する電解液3のOH-イオン濃度と電解液3のpH値との関係を予め測定し検量線を作成しておくと、第1計測部24の測定結果である電解液3のpH値から電解液3のOH-イオン濃度を算出することができる。OH-イオン濃度は、演算回路26により算出することができる。また、算出されたOH-イオン濃度は、通知部27によりユーザーなどに通知することができる。また、電解液3のpH値を連続的に計測することにより、OH-イオン濃度の変動をユーザーに通知することができる。
また、電解液のOH-イオン濃度と金属含有イオン濃度とは相関関係にあるため、電解液3のpH値と金属含有イオン濃度との間にも相関関係がある。このため、電解液3のpH値と金属含有イオン濃度との関係を予め測定し検量線を作成しておくと、電解液3のpH値から金属含有イオン濃度を算出することができる。通知部27によりユーザーなどにこの金属含有イオン濃度を通知してもよい。
なお、検量線のデータなどは、記憶媒体28に保存しておくことができる。
第1計測部24は、例えば、電解液3の導電率を計測できるように設けることができる。また、この場合、第1計測部24は、析出物17の微粒子を含む電解液3の導電率を計測してもよい。また、第1計測部24は、例えば、交流二電極法により導電率を計測するように設けられてもよく、電磁誘導法により導電率を計測するように設けてもよい。
電解液3の導電率は、電解液中で最も輸率の高いイオンの濃度を反映する。例えば、電解液3が水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ性水溶液である場合、電解液3の導電率は、OH-イオン濃度を反映する。このため、電解液3の導電率とOH-イオン濃度との間には相関関係がある。
従って、電解液槽2に収容する電解液3のOH-イオン濃度と電解液3の導電率との関係を予め測定し検量線を作成しておくと、第1計測部24の測定結果である電解液3の導電率から電解液3のOH-イオン濃度を算出することができる。OH-イオン濃度は、演算回路26により算出することができる。また、算出されたOH-イオン濃度は、通知部27によりユーザーなどにイオン濃度を表す情報として通知することができる。また、電解液3の導電率を連続的に計測することにより、OH-イオン濃度の変動をユーザーに通知することができる。
また、電解液のOH-イオン濃度と金属含有イオン濃度とは相関関係にあるため、電解液3の導電率と金属含有イオン濃度との間にも相関関係がある。このため、電解液3の導電率と金属含有イオン濃度との関係を予め測定し検量線を作成しておくと、電解液2の導電率から金属含有イオン濃度を算出することができる。通知部27によりユーザーなどにこの金属含有イオン濃度を通知してもよい。
第1計測部24は、例えば、電解液3の粘度を計測するように設けることができる。また、この場合、第1計測部24は、析出物17の微粒子を含む電解液3の粘度を計測してもよい。また、第1計測部24は、例えば、音叉振動式粘度計である。
電解液3の粘度は、電解液中で最も重い金属含有イオンの量を反映する値である。亜鉛空気電池の場合、電解液3の粘度は、Zn(OH)4 2-イオン濃度の量を反映する値となる。このため、電解液3の粘度と金属含有イオン濃度との間には相関関係がある。
従って、電解液槽2に収容する電解液3の金属含有イオン濃度と電解液3の粘度との関係を予め測定し検量線を作成しておくと、第1計測部24の測定結果である電解液3の粘度から電解液3の金属含有イオン濃度を算出することができる。金属含有イオン濃度は、演算回路26により算出することができる。また、算出された金属含有イオン濃度は、通知部27によりイオン濃度を表す情報としてユーザーなどに通知することができる。また、電解液3の粘度を連続的に計測することにより、金属含有イオン濃度の変動をユーザーに通知することができる。
また、電解液のOH-イオン濃度と金属含有イオン濃度とは相関関係にあるため、電解液3の粘度とOH-イオン濃度との間にも相関関係がある。このため、電解液3の粘度とOH-イオン濃度との関係を予め測定し検量線を作成しておくと、電解液2の粘度からOH-イオン濃度を算出することができる。通知部27によりユーザーなどにこのOH-イオン濃度を通知してもよい。
第1計測部24は、例えば、電解液3の密度を計測するように設けることができる。また、この場合、第1計測部24は、析出物17の微粒子を含む電解液3の密度を計測してもよい。また、第1計測部24は、例えば、振動式密度計である。
電解液3の密度は、電解液中で最も重い金属含有イオンの量を反映する値である。亜鉛空気電池の場合、電解液3の密度は、Zn(OH)4 2-イオン濃度の量を反映する値となる。このため、電解液3の密度と金属含有イオン濃度との間には相関関係がある。
従って、電解液槽2に収容する電解液3の金属含有イオン濃度と電解液3の密度との関係を予め測定し検量線を作成しておくと、第1計測部24の測定結果である電解液3の密度から電解液3の金属含有イオン濃度を算出することができる。金属含有イオン濃度は、演算回路26により算出することができる。また、算出された金属含有イオン濃度は、通知部27によりイオン濃度を表す情報としてユーザーなどに通知することができる。また、電解液3の密度を連続的に計測することにより、金属含有イオン濃度の変動をユーザーに通知することができる。
また、電解液のOH-イオン濃度と金属含有イオン濃度とは相関関係にあるため、電解液3の密度とOH-イオン濃度との間にも相関関係がある。このため、電解液3の密度とOH-イオン濃度との関係を予め測定し検量線を作成しておくと、電解液2の密度からOH-イオン濃度を算出することができる。通知部27によりユーザーなどにこのOH-イオン濃度を通知してもよい。
第1計測部24が2種類以上の物性値を計測できるように設けられている場合、演算回路26は、2種類以上の物性値からOH-イオン濃度又は金属含有イオン濃度を算出するように設けられてもよい。このことにより、より正確なOH-イオン濃度又は金属含有イオン濃度を算出することができる。
第2計測部25は、例えば、金属空気電池30の積算放電容量を計測できるように設けることができる。アノード反応では、上記の化学式2のように、電極活物質とOH-イオンが反応し電荷を金属電極5に生じさせる。この電荷は外部回路に放電されるため、積算放電容量と電極活物質の消費量との間には相関関係がある。このため、第2計測部25により計測された積算放電容量から電極活物質の消費量を算出することができる。また、放電前の金属電極5に含まれる電極活物質の量と電極活物質の消費量から、金属電極5に含まれる電極活物質の残量を算出することができる。
例えば、放電前の金属電極5に含まれる電極活物質の量をM1とし、第2計測部25により計測される積算放電容量から算出される電極活物質の消費量をM2としたとき、電極活物質の残量は、次式のように表すことができる。
残量(%)=(M1−M2)÷M2×100
これらの算出は、演算回路26により行うことができる。この算出された電極活物質の残量は、電極活物質の残量を表す情報として通知部27によりユーザーなどに通知することができる。
なお、電極活物質の残量は、単位をAhとして算出・通知してもよい。
ユーザーへ残量を通知する通知部27は、ディスプレイやランプ、音声出力部である。通知する情報は、上記残量に関する定量的な数値情報であったり、上記残量がゼロが近づいたか否か、あるいは、上記残量がゼロに到達したか否かを示す該非判定情報であっても良い。
定量的な数値情報の通知は、数値そのもの、あるいは、数値情報を長さや角度に換算した図をディスプレイに表示する方法、もしくは、複数セグメントからなるランプの点灯により表示する、などの方法がある。残量の該非判定の結果、該当した場合の情報の通知には、残量が該非判定条件を満たしたことを示す文章を、ディスプレイに表示する、もしくは、音声で通知する、残量の該非判定と一対一対応となっているアイコンをディスプレイに表示する、残量の該非判定と一対一対応となっているランプを点灯する、残量の該非判定と一対一対応となっている音パターンを発生させる、などの方法がある。
また、残量がゼロに近づく、あるいは、ゼロに到達した場合、上記通知とともに、制御部により、金属空気電池からの電力出力を停止してもよい。電力出力を停止することで、金属電極5の過放電を抑制することができ、金属電極5の劣化を抑制することができる。
通知部27は、第1計測部24又は第2計測部25の計測結果に基づき、放電可能時間を表す情報をユーザーなどに通知するように設けられてもよい。放電可能時間を表す情報は、例えば、放電可能な残り時間であってもよく、放電可能時間を表す数値であってもよい。
放電可能時間は、金属空気電池30により放電可能な残り時間である。金属空気電池30は、金属電極5に含まれる電極活物質の残量が少なくなることにより放電ができなくなる場合と、析出反応により析出物17が不動態として金属電極5の表面上に析出しアノード反応が阻害されることにより放電ができなくなる場合とがある。
電極活物質の残量が少なくなり放電が停止する場合、放電可能時間と電極活物質の残量との間には比例関係があるため、放電可能時間は、第2計測部25の計測結果に基づき算出することができる。従って、通知部27は、第2計測部25の計測結果に基づいて、放電可能時間を表す情報を通知することができる。このことにより、ユーザーなどは、適切な時期に金属電極5を交換することができる。
なお、第2計測部25の計測結果に基づき算出された放電可能時間が、後述する第1計測部24の計測結果に基づき算出される放電可能時間よりも短い場合に、通知部27により、第2計測部25の計測結果に基づき算出された放電可能時間を通知する。また、第1計測部24の計測結果に基づき算出される放電可能時間が短い場合には、通知部27はこの放電可能時間を通知する。この放電可能時間の選択は、OR制御することができる。
ユーザーへ放電可能時間、を表す情報を通知する通知部27は、ディスプレイやランプ、音声出力部である。通知する情報は、上記放電可能時間に関する定量的な数値情報であったり、上記放電可能時間がゼロが近づいたか否か、あるいは、上記放電可能時間に到達したか否かを示す該非判定情報であっても良い。
定量的な数値情報の通知は、数値そのもの、あるいは、数値情報を長さや角度に換算した図をディスプレイに表示する方法、もしくは、複数セグメントからなるランプの点灯により表示する、などの方法がある。放電可能時間の該非判定の結果、該当した場合の情報の通知には、放電可能時間が該非判定条件を満たしたことを示す文章を、ディスプレイに表示する、もしくは、音声で通知する、放電可能時間の該非判定と一対一対応となっているアイコンをディスプレイに表示する、放電可能時間の該非判定と一対一対応となっているランプを点灯する、放電可能時間の該非判定と一対一対応となっている音パターンを発生させる、などの方法がある。
また、放電可能時間がゼロに近づく、あるいは、ゼロに到達した場合、上記通知とともに、制御部により、金属空気電池からの電力出力を停止してもよい。電力出力を停止することで、金属電極5の表面が不動態により覆われることを抑制することができ、金属電極5に含まれる電極活物質の利用率を上げることができる。
析出物17の不動態によりアノード反応が阻害されることにより放電が停止する場合、放電可能時間は、金属電極5の表面が析出物17の不動態により覆われるまでの残り時間である。
上記の化学式2のような化学反応が進行し金属含有イオン濃度が飽和濃度を超えたとき、上記の化学式3、化学式4に示したような析出反応が進行する。しかし、電解液中に微粒子状の析出物17が析出する析出反応の反応速度は非常に遅いと考えられ、金属含有イオン濃度が飽和濃度を超えても、金属含有イオン濃度は上昇し、電解液は過飽和状態となる。そして、金属含有イオン濃度が不動態が形成される閾値に達した場合に、析出物17が不動態として金属電極5の表面上に析出し、アノード反応が阻害されると考えられる。また、OH-イオン濃度が閾値を下回った場合に、アノード反応に必要なOH-イオンの供給が不足するため、析出物17が不動態として金属電極5の表面上に析出し、アノード反応が阻害されると考えられる。
なお、金属含有イオン濃度又はOH-イオン濃度の不動態が形成される閾値は、温度依存性があると考えられる。
電解液3のpH値、導電率は、電解液3のOH-イオン濃度を反映する値であり、電解液3の粘度、密度は、電解液の金属含有イオン濃度を反映する値であるため、電解液3のpH値、導電率、粘度又は密度がある閾値に達した場合又は下回った場合に不動態が形成される。従って、不動態が形成されるpH値、導電率、粘度又は密度の閾値を予め測定し、記憶媒体28に保存しておくことができる。このことにより、第1計測部24の計測結果および記憶媒体28に記録したデータなどに基づき、pH値、導電率、粘度又は密度が不動態が形成される閾値に達するまでの時間(放電可能時間)を演算回路26により算出することができる。従って、第1計測部24の計測結果に基づき、通知部27が放電可能時間を表す情報をユーザーなどに通知することが可能になる。このことにより、ユーザーなどは、放電停止時期を事前に知ることができる。
また、金属電極5の表面が不動態により覆われる前に放電を停止することが可能になり、金属電極5の表面が不動態により覆われることを防止することができる。
また、金属電極5の表面が不動態により覆われる前に放電を停止させた後、放電停止期間を設けることができる。この放電停止期間において、電解液中に微粒子状の析出物17が析出する析出反応が進行すると考えられるため、金属含有イオン濃度は低下し、OH-イオン濃度は上昇する。このため、放電停止期間後に再放電を行うことが可能になり、金属電極5に含まれる電極活物質の利用効率を上げることができる。
また、放電停止期間の金属含有イオン濃度又はOH-イオン濃度は、第1計測部24により計測することができるため、再放電が可能な時期を表す情報を通知部27によりユーザーなどに通知してもよい。
ユーザーへの放電停止時期、あるいは、再放電が可能な時期、を表す情報を通知する通知部27は、ディスプレイやランプ、音声出力部である。通知する情報は、上記時期に関する定量的な数値情報であったり、上記時期が近づいたか否か、あるいは、上記時期に到達したか否かを示す該非判定情報であっても良い。
定量的な数値情報の通知は、数値そのもの、あるいは、数値情報を長さや角度に換算した図をディスプレイに表示する方法、もしくは、複数セグメントからなるランプの点灯により表示する、などの方法がある。放電停止時期、あるいは、再放電が可能な時間の該非判定の結果、該当した場合の情報の通知には、放電停止時期、あるいは、再放電が可能な時間が該非判定条件を満たしたことを示す文章を、ディスプレイに表示する、もしくは、音声で通知する、放電停止時期、あるいは、再放電が可能な時間の該非判定と一対一対応となっているアイコンをディスプレイに表示する、放電停止時期、あるいは、再放電が可能な時間の該非判定と一対一対応となっているランプを点灯する、放電停止時期、あるいは、再放電が可能な時間の該非判定と一対一対応となっている音パターンを発生させる、などの方法がある。
また、放電停止時期に近づく、あるいは、到達した場合、上記通知とともに、制御部により、金属空気電池からの電力出力を停止してもよい。電力出力を停止することで、金属電極5の表面が不動態により覆われることを抑制することができ、金属電極5に含まれる電極活物質の利用率を上げることができる。
更に、再放電が可能な時期に到達した場合、上記通知とともに、制御部により、金属空気電池からの電力出力を再開してもよい。電力出力を再開することで、金属空気電池からの電力供給の機会を最大化できるため、ユーザーの利便性が高まる。
なお、電解液のpH、導電率、粘度又は密度と、放電可能時間との関係は、予め測定しておき、測定結果に基づく検量線などを記憶媒体28に記録しておくことができる。
また、第1計測部24は、電解液3の温度を測定する温度計を備えてもよい。このことにより、不動態が形成される閾値を正確に予測することができる。
また、通知部27は、放電可能時間を表す情報を放電可能量(%)としてユーザーなどに通知するように設けられてもよい。例えば、金属含有イオン濃度が飽和濃度となったときの電解液のpHから算出されるOHイオン濃度、導電率、粘度又は密度をxとし、金属含有イオン濃度が不動態が形成される閾値に達したときの電解液のpHから算出されるOHイオン濃度、導電率、粘度又は密度をyとし、第1計測部24により測定されるpHから算出されるOHイオン濃度、導電率、粘度又は密度をzとしたとき、放電可能量(%)は次式のように表すことができる。
放電可能量(%)=(|y−z|÷|y−x|)×100
例えば、電解液の物性値として、導電率を計測する場合、不動態が形成される閾値yは、金属空気電池が亜鉛空気電池であって、電解液として5〜10Mの水酸化カリウム水溶液を使用する場合、0.25S/cm以上、0.35S/cm以下が望ましく、より好ましくは、0.3S/cm以上、0.33S/cm以下が望ましい。
通知部27は、第1計測部24の計測結果および第2計測部25の計測結果に基づき、電解液槽2中の析出物17の量を表す情報をユーザーなどに通知するように設けられてもよい。
金属電極5に含まれる電極活物質は、電池反応により電解液中の金属含有イオン又は電解液槽2中の析出物17に変化するため、電解液槽2中の析出物17の量は、次式により求めることができる。
析出物の量=(電極活物質の消費量)―(電解液中の金属含有イオンの量)
電極活物質の消費量は、上述のように、第2計測部25により計測された積算放電容量から算出することができる。
また、電解液中の金属含有イオンの量は、電解液の金属含有イオン濃度に電解液槽2中の電解液3の量を掛けることにより算出することができる。
また、金属含有イオン濃度は、上述のように、電解液のpH値、導電率、粘度または密度と相関関係にある。従って、電解液のpH値、導電率、粘度または密度と金属含有イオン濃度との関係を予め測定し検量線を作成することより、第1計測部24の計測結果から金属含有イオン濃度を算出することができる。
従って、記憶媒体28に検量線、電解液の量などのデータを記録しておくと、第1計測部24の計測結果および第2計測部25の計測結果に基づき演算回路26により析出物17の量を算出することができる。この算出結果に基づき、通知部27により、電解液槽2中の析出物17の量を表す情報をユーザーなどに通知することができる。このことにより、ユーザーなどは、適切な時期に電解液槽2中の析出物17を除去するメンテナンスを行うことができる。
また、析出物17の量を表す情報は、析出物17の蓄積率(%)であってもよい。析出物17の蓄積率は、電解液槽2内からの析出物17の排出を行う蓄積量Qを予め決めておき、この蓄積量Qと析出物17の量Pから算出することができる。例えば、次式により算出することができる。なお、蓄積量Qは、電解液槽2内の微粒子状の析出物17を支障なく回収できる量に設定することができる。
析出物17の蓄積率(%)=|P−Q|÷Q×100
また、通知部27は、第1計測部24の計測結果および第2計測部25の計測結果に基づき、電解液槽2中の析出物17の排出時期を表す情報をユーザーなどに通知するように設けられてもよい。
この場合、析出物17の蓄積率(%)が100%に達したとき、ディスプレイやランプ、音声出力部に排出時期であることを表示するように通知部27を設けることができる。このことにより、ユーザーなどは析出物17を排出する時期がきたことを知ることができ、適切な時期に電解液槽2から析出物17を排出することができる。通知する情報は、上記析出物17の蓄積率(%)に関する定量的な数値情報であったり、上記析出部17の蓄積率(%)が100%に近づいたか否か、あるいは100%に到達したか否かを示す該非判定情報であっても良い。
定量的な数値情報の通知は、数値そのもの、あるいは、数値情報を長さや角度に換算した図をディスプレイに表示する方法、もしくは、複数セグメントからなるランプの点灯により表示する、などの方法がある。析出物17の蓄積率(%)の該非判定の結果、該当した場合の情報の通知には、析出物17の蓄積率(%)が該非判定条件を満たしたことを示す文章を、ディスプレイに表示する、もしくは、音声で通知する、析出物17の蓄積率(%)の該非判定と一対一対応となっているアイコンをディスプレイに表示する、析出物17の蓄積率(%)の該非判定と一対一対応となっているランプを点灯する、析出物17の蓄積率(%)の該非判定と一対一対応となっている音パターンを発生させる、などの方法がある。
また、析出物17の蓄積率(%)が100%に近づく、あるいは、到達した場合、上記通知とともに、制御部により、金属空気電池からの電力出力を停止してもよい。電力出力を停止することで、金属空気電池からの放電に伴う金属含有イオンの溶解が停止するため、析出物17の過剰生成を防止することが可能となる。
通知部27は、第1計測部24の計測結果、及び、第2計測部25の計測結果に基づき、電解液槽2に電解液又は水を補給する時期を表す情報をユーザーなどに通知するように設けられてもよい。電解液又は水を補給する時期を表す情報は、例えば、補給時期がきたことを示す表示であってもよく、補給時期までの時間を示す表示であってもよい。
金属空気電池30により長時間放電を行うと、電解液槽2内の電解液に含まれる水分が徐々に失われ、電解液の量は徐々に減少する。
例えば、電解液に含まれる水分は、電池反応により消費される場合がある。金属空気電池30の電池反応が上述の化学式1、2、4のように進行すると、化学式1においてH2Oが消費されるが、反応生成物としてH2Oが生じない。このため、電池反応の進行に伴い電解液に含まれる水分が徐々に失われると考えられる。
また、例えば、空気極9などにおける蒸発により電解液に含まれる水分が失われる場合がある。上述の化学式1により消費されるO2は、大気中から供給されるため、空気極9は大気に開放されている。また、化学式1の反応熱により空気極9の温度は上昇するため、空気極9において蒸発した水分が大気中に発散すると考えられる。このため、電池反応の進行に伴い電解液に含まれる水分が徐々に失われると考えられる。
電解液に含まれる水分が徐々に失われると、相対的に電解液のOH-イオン濃度および金属含有イオン濃度は徐々に上昇する。OH-イオン濃度または金属含有イオン濃度は、上述のように、電解液のpH値、導電率、粘度または密度と相関関係にある。従って、電解液のpH値、導電率、粘度または密度と電解液の水位との関係を予め測定し検量線を作成することより、第1計測部24、および、第2計測部25の計測結果から電解液の水位を算出することができる。この算出結果に基づき、通知部27により、電解液槽2に電解液または水を補給する時期に表す情報をユーザーなどに通知することができる。
また、予め電解液槽2に電解液または水を補給する値を決めておき、電解液のpH値、導電率、粘度または密度がこの値に達したときに通知部27が電解液槽2に電解液または水を補給する時期を表す情報をユーザーなどに通知するように設けてもよい。
このことにより、ユーザーなどは適切な時期に電解液槽2に電解液または水を補給することができる。また、電解液3の水位の低下により電解液3に接触する金属電極5の面積が減少することを抑制することができ、金属空気電池30の出力が低下することを抑制することができる。
第1計測部24、および、第2計測部25の計測結果から電解液の水位を算出する場合、第1計測部24は、pH計であることが好ましい。pH計は、OH-イオン濃度が高い領域において、OH-イオン濃度の変化に対して線形に応答する。このため、pH計の計測結果から電解液の水位を正確に算出することができる。
例えば、7Mの水酸化カリウム水溶液を電解質として用いる亜鉛空気電池の場合であって、第1計測部24としてpH計を使用する場合、pH計測により算出されるOH-イオン濃度、及び、第2計測部25により求めた積算放電容量に基づき、次式により、水位を計測することができる
水位(%)=[{7(mol/L)―0.7(mol/L)×2}×電解液槽に当初存在していた電解液の容積(L)− 積算放電容量(Ah)×3600÷96500×2]÷pH計測により算出されるOH- イオン濃度(mol/L)÷電解液槽に当初存在していた電解液の容積(L)
すなわち、酸化亜鉛の析出までは、当初の電解液に存在していたOH-イオンの量から、亜鉛含有イオンの飽和により消費されるOH-イオンの量、及び、化学式1、および、化学式2からなる放電反応により消費されるOH-イオンの量、を引くことで、電解液に含まれるOH-イオンの量を特定することができる。これとpH計測により算出されるOH-イオン濃度を比較することで、水位(%)を決定することができる。
なお上式において、0.7(mol/L)は、7Mの水酸化カリウム水溶液を使用した場合の亜鉛含有イオンの飽和濃度であり、2は、亜鉛1モルの溶解に伴い、電解液から消費されるOH-イオンのモル数である。
この場合、水位(%)が閾値に達したとき、ディスプレイやランプ、音声出力部に補液時期であることを表示するように通知部27を設けることができる。このことにより、ユーザーなどは補液する時期がきたことを知ることができ、適切な時期に電解液槽2に電解液を補液することができる。通知する情報は、上記水位(%)に関する定量的な数値情報であったり、上記水位(%)が閾値に近づいたか否か、あるいは閾値に到達したか否かを示す該非判定情報であっても良い。
定量的な数値情報の通知は、数値そのもの、あるいは、数値情報を長さや角度に換算した図をディスプレイに表示する方法、もしくは、複数セグメントからなるランプの点灯により表示する、などの方法がある。水位(%)の該非判定の結果、該当した場合の情報の通知には、水位(%)が該非判定条件を満たしたことを示す文章を、ディスプレイに表示する、もしくは、音声で通知する、水位(%)の該非判定と一対一対応となっているアイコンをディスプレイに表示する、水位(%)の該非判定と一対一対応となっているランプを点灯する、水位(%)の該非判定と一対一対応となっている音パターンを発生させる、などの方法がある。
また、水位(%)が閾値に近づく、あるいは、到達した場合、上記通知とともに、制御部により、金属空気電池からの電力出力を停止してもよい。電力出力を停止することで、水位が下がり、放電反応一部に集中した状態で放電を継続することが無くなるため、金属電極5に含まれる電極活物質の利用率を上げることができる。
なお、水位(%)の閾値としては、70〜95%が好ましく、より好ましくは80〜90%が好ましい。
なお、電解液の水位の計測には、水位計を利用する方法もあるが、水平が維持されていない場所に電池が設置されると、液面が傾き、正確な水位を示さない可能性がある。これに対し、第1計測部24の計測結果に基づき水位を算出する方法では、電池の設置場所に寄らず、正確に水分の減少量を定量することができる。
放電実験1
図1に示したような亜鉛空気電池を作製し、亜鉛空気電池の放電に伴う電解液の導電率の変化を測定した。なお、作製した亜鉛空気電池には、演算回路26、記憶媒体28、通知部27などは設けていない。
金属電極5には10mmの厚さの亜鉛板を用いた。また、金属電極5の電解液に浸る部分の大きさは50mm×50mmとした。
空気極9には、空気極触媒層7とガス拡散層8が積層されたものを用いた。空気極9は、厚さ約300μm、大きさ50mm×50mmとした。
ガス拡散層8には、SGLカーボン製35BCを用いた。35BCはカーボン繊維とマイクロポーラスレイヤーからなっており、マイクロポーラスレイヤーはカーボンブラックと撥水樹脂(PTFE)からなる層である。
空気極触媒層7には、Pt担持カーボン、撥水樹脂(PTFE)を含有するものを用いた。反応表面積をふやすため、Ptは表面積の大きいカーボン上に微粒子として担持されている。
電解液には、酸化亜鉛の飽和溶解度である0.7mol/Lまで酸化亜鉛を溶かした7MのKOH水溶液を用いた。
また、第1計測部24として、センサ部が電解液槽2中の電解液3に浸漬するように導電率計を設けた。
また、第2計測部25として電流計を設けた。
作製した金属空気電池により放電し、放電容量と電解液の導電率とを測定した。この結果を図2に示す。金属空気電池の放電容量が増加していくと、電解液の導電率は徐々に低下していき、電解液の導電率が0.3〜0.33S/cmに達した段階で金属空気電池の放電出力がゼロとなり放電が停止した。このとき、金属電極5の表面が析出物17の不動態膜で覆われていることが確認された。電解液の導電率が0.3〜0.33S/cmに達した段階で電解液のZn(OH)4 2-イオン濃度が不動態が析出する閾値に達し、不動態がアノード反応を阻害し金属空気電池の放電が停止したと考えられる。
このことから、電解液の導電率と、Zn(OH)4 2-イオン濃度との間に相関関係があることが確認された。
次に、実施例1として、導電率計の計測結果に基づき通知部27であるディスプレイに放電可能量が表示されるようにした亜鉛空気電池を作製した。他の構成は、上述の亜鉛空気電池と同様である。放電可能量は、0.5S/cm(7MのKOH水溶液における酸化亜鉛の飽和溶解度である0.7mol/Lまで酸化亜鉛を溶かした電解液の導電率)をX1とし、0.3S/cm(金属電極の表面に不動態膜形成が起こる導電率)をX2とし、導電率計が計測する導電率をX3として、次の式により算出してディスプレイに表示させた。
放電可能量=(X3−X2)÷(X1−X2)×100
なお、放電可能量とは、金属電極5に電極活物質が残っている状態であっても、金属電極表面上の不動態膜の形成に伴いそれ以上放電ができない状態に達するまでの時間を知るために利用される値である。
作製した亜鉛空気電池により放電を行った。また、放電は、通知部27であるディスプレイに表示される放電可能量がゼロになる前に中止した。このことにより、Zn(OH)4 2-イオン濃度が不動態が析出する閾値に達する前に、放電を中止することができ、金属電極5が不動態膜により覆われることを防止することができた。
また、放電を中止した亜鉛空気電池を数時間放置すると、ディスプレイに表示される放電可能量が回復していたため、再放電を試みた。再放電では、回復した放電可能量に応じた放電容量の再放電を行うことができた。
これは、放電を中止した亜鉛空気電池を放置すると、電解液3中において、上記化学式3、4の析出反応が進行するため、電解液中のOH-イオン濃度が上昇しZn(OH)4 2-イオン濃度が低下したためと考えられる。従って、電解液中のZn(OH)4 2-イオン濃度は、図3に示したように変化すると考えられる。つまり、放電中におけるZn(OH)4 2-イオン濃度は徐々に上昇する。そして、放電を中止すると、Zn(OH)4 2-イオン濃度は徐々に低下するため、十分な放電間隔を設けると再び放電することができると考えられる。また、電解液中のOH-イオン濃度は、図4に示したように変化すると考えられる。つまり、放電中におけるOH-イオン濃度は徐々に低下する。そして、放電を中止すると、OH-イオン濃度は徐々に上昇するため、十分な放電間隔を設けると再び放電することができると考えられる。
このように、放電可能量が少なくなった場合でも放電間隔をおいて放電を繰り返すことにより、金属電極5に含まれる電極活物質を効率的に電池反応に利用することができる。
なお、通知部27であるディスプレイに表示される放電可能量によりユーザーなどが適切な放電間隔を知ることができる。
次に、比較例1として、第1計測部24、演算回路26、記憶媒体28および通知部27を備えていない亜鉛空気電池を作製した。他の構成は、実施例1の亜鉛空気電池と同様である。
作製した亜鉛空気電池により放電を行った。数時間後、金属空気電池の放電出力がゼロとなり放電が停止した。このとき、金属電極5の表面が析出物17の不動態膜で覆われていることが確認された。また、この亜鉛空気電池では、通知部27を設けていないために、ユーザーは、放電可能量を知ることができず、金属電極5が不動態膜で覆われる前に放電を中止することができなかった。
また、放電が停止した亜鉛空気電池を数時間放置した後、再放電を試みたが、再放電することはできなかった。これは金属電極5の表面が不動態膜で覆われているためと考えられる。従って、金属電極5の表面が一度不動態膜により覆われると、亜鉛空気電池を放置しても放電可能量を回復することはできないことがわかった。このような場合、金属電極5を新たな金属電極5と交換すること又は、金属電極5を亜鉛空気電池から取り外し、不動態膜を物理的に除去することが必要である。
放電実験2
実施例2として、放電電流を計測対象とする第2計測部25である電流計を設け、電流計の計測結果に基づき通知部27であるディスプレイに電極活物質の残量が表示されるようにした亜鉛空気電池を作製した。また、金属電極5は、電極活物質である金属亜鉛を10g含むものを用いた。また、電解液には、酸化亜鉛を溶かしていない7MのKOH水溶液を用いた。他の構成は、実施例1の亜鉛空気電池と同様である。
金属電極5に含まれる電極活物質の残量は、第2計測部25により計測される積算放電容量Y(Ah)、金属電極5に含まれる金属亜鉛の質量(10g)、ファラデー定数(96500)、電荷の数(2)、亜鉛の原子量(65.4)などから算出することができる。具体的には、次式により算出した。
電極活物質の残量(%)=(10−Y×3600÷96500÷2×65.4)×100
作製した亜鉛空気電池により放電を行った。また、放電中、通知部であるディスプレイに放電可能量および電極活物質の残量を表示させた。
また、ディスプレイに表示される電極活物質の残量が少なくなった時点で金属電極5を新たな金属電極5に交換した。
従って、この亜鉛空気電池では、電極活物質の残量を知ることができたため、金属空気電池の放電出力が低下する前に金属電極5を交換することができ、金属電極5の交換に伴う放電停止期間を短くすることができた。
なお、金属電極5を交換すると、電極活物質の残量は初期値にリセットした。
次に、比較例2として、第1計測部24、演算回路26、記憶媒体28および通知部27を備えていない亜鉛空気電池を作製した。他の構成は、実施例2の亜鉛空気電池と同様である。
作製した亜鉛空気電池により放電を行った。数時間後、金属空気電池の放電出力がゼロとなり放電が停止した。その後、電極活物質が消費されつくした金属電極5を新たな金属電極5に交換した。この金属空気電池では、通知部27を設けていないために、電極活物質の残量を知ることができず、金属電極5の交換に伴う放電停止期間が長くなった。
放電実験3
放電実験1と同様の亜鉛空気電池を作製し、放電に伴う電解液のZn(OH)4 2-イオン濃度の変化と、電解液の導電率の変化とを測定し、検量線を作成した。作製した検量線を図5に示す。Zn(OH)4 2-イオン濃度が上昇すると、電解液の導電率は徐々に低下することがわかった。これは、電池反応の進行に伴いZn(OH)4 2-イオン濃度が上昇するとOH-イオン濃度が低下するためと考えられる。
次に、実施例3として、電解液を計測対象とする導電率計と放電電流を計測対象とする電流計とを設け、導電率計の計測結果と電流計の計測結果の両方に基づき通知部27であるディスプレイに析出物17の排出時期を通知するようにした亜鉛空気電池を作製した。他の構成は、実施例1の亜鉛空気電池と同様である。
析出物17の析出量P(mol)は、電流計から計測される積算放電容量Z(Ah)、ファラデー定数(96500)などから算出される電極活物質の消費量(mol)から電解液中のZn(OH)4 2-イオンの量(mol)を引くことにより求めることができる。電解液中のZn(OH)4 2-イオンの量(mol)は、図5に示した検量線に基づき、導電率計から計測される導電率からZn(OH)4 2-イオンの濃度C1(mol/L)を算出し、この濃度に電解液総量V1(L)を掛けることにより算出することができる。具体的には、析出量Pは次式から算出した。
析出量P(mol)=Z×3600÷96500÷2−C1×V1
また、析出物17の蓄積率(%)は、電解液槽2内からの析出物17の排出を行う蓄積量Q(mol)を予め決めておき、この蓄積量Qと析出量Pから算出することができる。具体的には次式から算出した。
析出物17の蓄積率(%)=|P−Q|÷Q×100
なお、蓄積量Qは、電解液槽2内の微粒子状の析出物17を支障なく回収できる量に設定した。
そして、この蓄積率が100%に達したとき、ディスプレイに排出時期であることを表示するように通知部27を設けた。
作製した亜鉛空気電池により放電を行った。そして、蓄積率が100%に達すると、表示部27であるディスプレイに排出時期であることが表示された。排出時期であることがディスプレイに表示された後、電解液槽2内から析出物17を電解液3と共に回収部37へ排出した。そして、回収部37において電解液をろ過し、残渣44とろ液(電解液3)を得た。そして、ろ液45として回収した電解液3を電解液槽2に戻し、金属空気電池による放電を再開した。
従って、この金属空気電池では、析出物17の排出時期を知ることができたため、適切な時期に電解液槽2内から微粒子状の析出物17を排出することができた。
なお、析出物17の蓄積量は、電解液槽2内から析出物17を排出した後、ゼロにリセットした。
次に、比較例3として、第1計測部24、演算回路26、記憶媒体28および通知部27を備えていない亜鉛空気電池を作製した。他の構成は、実施例3の亜鉛空気電池と同様である。
作製した亜鉛空気電池により放電を行った。そして、放電を50時間行った後、電解液槽2内から析出物17を電解液3と共に回収部37へ排出し、析出物17と電解液3の分離を行った。すると、回収部37から析出物17があふれ出し、亜鉛空気電池による放電を再開するまでに時間を要した。
比較例3の亜鉛空気電池では、析出物17の排出時期を知ることができず、析出物17が回収可能量を超えて析出したと考えられる。
放電実験4
実施例4として、第1計測部24であるpH計を設け、pH計の計測結果に基づき通知部27であるディスプレイに電解液の液量が低下していることが表示されるようにした亜鉛空気電池を作製した。また、電解液には、酸化亜鉛を溶かしていない7MのKOH水溶液を用いた。他の構成は、実施例1の亜鉛空気電池と同様である。
亜鉛空気電池により長時間放電を行うと、電解液槽2内の電解液に含まれる水分が徐々に失われ、電解液の量は徐々に減少する。電解液に含まれる水分が徐々に失われると、相対的に電解液のイオン濃度は上昇するため、電解液中のOH-イオン濃度も徐々に上昇する。従って、このOH-イオン濃度を反映するpHを連続的に計測することにより、電解液槽2内の電解液量の減少を検知することができる。
本実験では、pH計により測定されるpHが15を超える値を示した場合にディスプレイに電解液の液量が低下していることが表示されるように通知部27を設けた。
作製した亜鉛空気電池により放電を行った。そして、通知部27に電解液の液量の低下が表示されるたびに、電解液槽中に水を補給し、1ヶ月間放電を続けた。
この亜鉛空気電池では、放電初日の放電容量と、放電開始後1ヶ月の放電容量との差は、5%未満であった。
通知部27に電解液の液量の低下が表示されたため、適切な時期に適切な量の水を電解液槽2中に補給することができた。
次に、比較例4として、第1計測部24、演算回路26、記憶媒体28および通知部27を備えていない亜鉛空気電池を作製した。他の構成は、実施例4の亜鉛空気電池と同様である。
作製した亜鉛空気電池により1ヶ月間放電を行った。なお、この放電期間中、電解液槽中に水は補給していない。
この亜鉛空気電池では、放電初日の放電容量に対して、放電開始後1ヶ月の放電容量は、約10%減少していた。また、放電期間中に電解液の総量が約5%減少していた。また、放電開始後1ヶ月の電解液のpHは15.5と通常よりも高かった。
放電開始後1ヶ月の放電容量が減少していた理由としては、電解液量が減少し、電解液と触れる金属電極5の表面積が減少していたためと考察される。
1:筐体 2:電解液槽 3:電解液 5:金属電極 7:空気極触媒層 8:ガス拡散層 9:空気極 10:空気極端子 11:金属極端子 14:セパレータ 17:析出物(使用済み活物質) 23:空孔 24:第1計測部 25:第2計測部 26:演算回路 27:通知部 28:記憶媒体 30:金属空気電池 35:バルブ 37:回収部 41:型部材 42:ろ材 44:残渣 45:ろ液 46:電解液回収容器

Claims (15)

  1. 電解液を収容する電解液槽と、前記電解液槽中に設けられかつ電極活物質を有しかつアノードとなる金属電極と、カソードとなる空気極と、前記電解液を計測対象とする第1計測部及び/又は前記金属空気電池の放電電流を計測対象とする第2計測部と、前記第1計測部及び/又は前記第2計測部の計測結果に基づく電池情報を通知する通知部とを備えることを特徴とする金属空気電池。
  2. 前記第1計測部は、少なくとも前記電解液に関するpH値、導電率、粘度又は密度のうちいずれかを計測する計測部であり、
    前記電池情報は、放電可能時間を表す情報、前記電解液のイオン濃度を表す情報、又は前記電解液槽に電解液または水を補給する時期を表す情報である請求項1に記載の金属空気電池。
  3. 前記第1計測部は、少なくとも前記電解液に関するOH-イオン濃度または、金属含有イオン濃度を計測する計測部であり、
    前記電池情報は、放電可能時間を表す情報、前記電解液のイオン濃度を表す情報、又は前記電解液槽に電解液または水を補給する時期を表す情報である請求項1に記載の金属空気電池。
  4. 前記第1計測部は、pH計、ORP計または導電率計であり、
    前記pH計、前記ORP計、または前記導電率計の計測結果に基づき、前記電解液中に含まれるOH-イオン濃度を算出する演算回路をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金属空気電池。
  5. 前記第1計測部は、粘度計または密度計であって、
    前記粘度計または密度計の計測結果に基づき、前記電解液中に含まれる金属含有イオン濃度を算出する演算回路とをさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金属空気電池。
  6. 前記金属電極は、少なくとも金属亜鉛を含み、
    前記金属含有イオンはZn(OH)4 2-であることを特徴とする請求項5に記載の金属空気電池。
  7. 前記演算回路は、前記電解液中の前記金属含有イオン濃度から前記電解液中のOH-イオン濃度を算出することを特徴とする請求項5に記載の金属空気電池。
  8. 前記電解液のpH値と前記電解液中の金属含有イオン濃度との相関関係を示す第1の検量線、前記電解液の導電率と前記電解液中の金属含有イオン濃度との相関関係を示す第2の検量線、前記電解液の粘度と前記電解液中のOH-イオン濃度との相関関係を示す第3の検量線、前記電解液の密度と前記電解液中のOH-イオン濃度との相関関係を示す第4の検量線、および電解液のpH、導電率、粘度または密度と、放電可能時間との相関関係を示す第5の検量線のうちの少なくとも一つを記憶した記憶媒体と、
    前記第1計測部の計測結果と、前記第1の検量線、前記第2の検量線、第3の検量線、前記第4の検量線または前記第5の検量線とを比較して、前記電池情報を算出する演算回路とをさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金属空気電池。
  9. 前記電池情報は、前記放電可能時間を表す情報、前記金属電極に含まれる電極活物質の残量を表す情報、前記電極活物質から生成した析出物の量を表す情報、又は前記析出物の排出時期を表す情報である請求項1または請求項2に記載の金属空気電池。
  10. 前記演算回路は、少なくとも前記第1計測部の計測結果に基づき算出した前記電解液中のOH-イオン濃度と、
    前記第2計測部の計測結果に基づき算出した積算放電容量より、
    前記電解液槽に収容される前記電解液の水位を算出する請求項4または請求項7に記載の金属空気電池。
  11. 放電前の前記金属電極に含まれる前記電極活物質量M1を記憶した記憶部をさらに備え、
    前記演算回路は、
    少ないとも放電前の前記金属電極に含まれる前記電極活物質量M1と、
    前記第2計測部の計測結果に基づき算出した前記電極活物質の消費量M2とから、前記金属電極に含まれる前記電極活物質の残量を算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金属空気電池。
  12. 前記演算部は、少なくとも前記金属電極に含まれる前記電極活物質の残量から放電可能時間を算出することを特徴とする請求項11に記載の金属空気電池。
  13. 前記電解液の前記金属含有イオン濃度が飽和濃度になるときの前記電解液のOH-イオン濃度xと、
    及び前記電解液の前記金属含有イオン濃度が不動態を形成するときの前記電解液のOH-イオン濃度yと、を少なくとも記憶した記憶部をさらに備え、
    前記放電可能時間を表す情報は、放電可能量として、前記演算回路により、前記記憶部が記憶した前記OH-イオン濃度x、前記OH-イオン濃度y、及び前記第1計測部から算出した前記電解液のOH-イオン濃度zから下記の式(1)から放電可能量を算出する演算部とを備えた請求項4または請求項7に記載の金属空気電池。
    放電可能量(%)=(|y−z|÷|y−x|)×100 (1)
  14. 前記電解液の前記金属含有イオン濃度が飽和濃度になるときの前記電解液の導電率xと、 及び前記電解液の前記金属含有イオン濃度が不動態を形成するときの前記電解液の導電率yと、を少なくとも記憶した記憶部をさらに備え、
    前記放電可能時間を表す情報は、放電可能量として、前記演算回路により、前記記憶部が記憶した前記導電率x、前記導電率y、及び前記第1計測部で計測した前記電解液の導電率zから下記の式(1)から放電可能量を算出する演算部とを備えた請求項2に記載の金属空気電池。
    放電可能量(%)=(|y−z|÷|y−x|)×100 (1)
  15. 前記通知部は、データ通信回線を利用して遠隔地に電池情報を通知する通知部である請求項1〜14のいずれか1つに記載の金属空気電池。
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