JPWO2015071995A1 - 超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法及び使用方法 - Google Patents

超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法及び使用方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2015071995A1
JPWO2015071995A1 JP2015547336A JP2015547336A JPWO2015071995A1 JP WO2015071995 A1 JPWO2015071995 A1 JP WO2015071995A1 JP 2015547336 A JP2015547336 A JP 2015547336A JP 2015547336 A JP2015547336 A JP 2015547336A JP WO2015071995 A1 JPWO2015071995 A1 JP WO2015071995A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aqueous solution
hypochlorous acid
carbon dioxide
slightly acidic
nitrogen gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015547336A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6122139B2 (ja
Inventor
古米 保
保 古米
葭田 隆治
隆治 葭田
俊昭 大木
俊昭 大木
英人 河村
英人 河村
光祥 松村
光祥 松村
石橋 隆二
隆二 石橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ISHIBASHI CO., LTD.
JAPAN FLOWER CORPORATION
Original Assignee
ISHIBASHI CO., LTD.
JAPAN FLOWER CORPORATION
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ISHIBASHI CO., LTD., JAPAN FLOWER CORPORATION filed Critical ISHIBASHI CO., LTD.
Publication of JPWO2015071995A1 publication Critical patent/JPWO2015071995A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6122139B2 publication Critical patent/JP6122139B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/46Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods
    • C02F1/461Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrolysis
    • C02F1/467Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrolysis by electrochemical disinfection; by electrooxydation or by electroreduction
    • C02F1/4672Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrolysis by electrochemical disinfection; by electrooxydation or by electroreduction by electrooxydation
    • C02F1/4674Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrolysis by electrochemical disinfection; by electrooxydation or by electroreduction by electrooxydation with halogen or compound of halogens, e.g. chlorine, bromine
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F2201/00Apparatus for treatment of water, waste water or sewage
    • C02F2201/46Apparatus for electrochemical processes
    • C02F2201/461Electrolysis apparatus
    • C02F2201/46105Details relating to the electrolytic devices
    • C02F2201/4618Supplying or removing reactants or electrolyte
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F2201/00Apparatus for treatment of water, waste water or sewage
    • C02F2201/46Apparatus for electrochemical processes
    • C02F2201/461Electrolysis apparatus
    • C02F2201/46105Details relating to the electrolytic devices
    • C02F2201/4619Supplying gas to the electrolyte
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F2209/00Controlling or monitoring parameters in water treatment
    • C02F2209/06Controlling or monitoring parameters in water treatment pH
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F2303/00Specific treatment goals
    • C02F2303/04Disinfection
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F2303/00Specific treatment goals
    • C02F2303/26Reducing the size of particles, liquid droplets or bubbles, e.g. by crushing, grinding, spraying, creation of microbubbles or nanobubbles

Abstract

高い殺菌効果を有し、食品にも安心して使用することができ、熱安定性に優れ、長期間の保存が可能な超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液である。二酸化炭素あるいは二酸化炭素と窒素ガスを溶解させて微酸性領域に調整された次亜塩素酸を含む水溶液であって、平均粒径0.05μm〜2μmの超微細気泡を含有する。前記超微細気泡には、二酸化炭素、窒素ガス等の気体を含んでいる。所望の有効塩素濃度に調整した電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液に二酸化炭素あるいは二酸化炭素と窒素ガスを混合・溶解させてpH5〜pH6に調整する。この二酸化炭素あるいは二酸化炭素と窒素ガスが溶解した次亜塩素酸を含む水溶液を、マイクロバブル発生ノズルに導通し、二酸化炭素あるいは二酸化炭素と窒素ガスを含む超微細気泡を発生させ、二酸化炭素あるいは二酸化炭素と窒素ガスを含有した超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を製造する。

Description

この発明は、二酸化炭素あるいは二酸化炭素と窒素ガス等を含む超微細気泡で、電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液を微酸性に調整し、長期安定化した微酸性の次亜塩素酸水溶液とその製造方法及び使用方法に関する。
電解次亜水は、食塩水を無隔膜電解槽で電気分解して生成される。その殺菌成分は次亜塩素酸イオン(ClO)であり、日本の厚生労働省により「提示した6条件に適合すれば、次亜塩素酸ナトリウムを希釈したものと同等である」と認められている。希薄食塩水や希塩酸を電気分解して製造するいわゆる電解水は、次亜塩素酸イオンを殺菌基盤とする電解次亜水と、次亜塩素酸(HOCl)を殺菌基盤とする次亜塩素酸水に大別される。
次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)は食品添加物に指定されており、果実・野菜等各種食材の殺菌処理、各種食品の製造加工用の装置や器具、環境の衛生管理、あるいは飲料水・プール用水・浴場用水や下水の殺菌処理などに幅広く利用されている。次亜塩素酸ナトリウム水溶液の塩素成分は、水溶液のpHにより変化し、pH3.0以上の酸性水領域では次亜塩素酸として、アルカリ領域では次亜塩素酸イオンとして存在する。特に、微酸性領域(pH5.0〜pH6.5)では、揮発性塩素ガス(Cl)や次亜塩素酸イオンをほとんど含まず、次亜塩素酸イオンより殺菌力が強い次亜塩素酸のみとなる。次亜塩素酸の殺菌力は、次亜塩素酸イオンの約80倍強いことが報告されている。
従って、電解次亜水を殺菌水として使用するためには、電解次亜水(あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液)を微酸性領域にpH調整することが重要である。このpH調整には、無機酸、有機酸あるいは二酸化炭素が使われる。このうち、塩酸などの無機酸を電解次亜水(あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液)と混合すると、有毒な塩素ガスを発生させる危険性がある。食品添加物用の乳酸や酢酸などの有機酸でpH調整をする場合には、密封状態で点滴ポンプを使用することにより安全性を確保することができ、この技術は実用化されている。
二酸化炭素でpHを調整する方法としては、特許文献1に微酸性の塩素系殺菌水の製造方法として、次亜塩素酸ナトリウム水溶液に二酸化炭素をバブリングする方法が開示されている。特許文献2には、中空糸膜モジュールからなる二酸化炭素溶解器でpHを調整する方法が、微酸性殺菌剤の製造装置および製造方法として開示されている。二酸化炭素は、無味無臭の不活性ガスであり、素早く水に溶け、誤って加注入となっても急激なpH低下を呈することがなく、取扱い性に優れている。
次に、食塩を電気分解して生成する強酸性電解水(強酸性を示す次亜塩素酸水)の安定性について説明する。強酸性電解水は、室温保存する場合には、遮光密封保存が原則であり、その限度も60日程度であることが知られている。また、密封容器のみでは15日以内、開放容器に保存する場合には32時間を目安とすることが望ましいとされている。従って、強酸性電解水は、熱に不安定で、長期間の保存は難しいのが現状である。一方、希塩酸を電気分解した微酸性電解水を密閉にて貯蔵した場合、他の要因に関係なく、14日間pHと有効塩素濃度は食品添加物認可範囲を維持できるとした報告もある。
特開平10−24294号公報 特開2004−307405号公報
電解次亜水(あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液)は、特許文献1、特許文献2に開示されているように、二酸化炭素を使用してpH調整をすることにより、高い殺菌力を持つ微酸性次亜塩素酸水溶液とすることができる。しかし、微酸性次亜塩素酸水溶液は、熱には不安定で、冷暗所に密封容器で保存しても、長期間有効塩素濃度を保持するのは難しいという欠点がある。従って、用時調製が望ましいとされており、この欠点を克服する技術開発が求められている。
この発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたもので、市販の機器を使って製造する事ができ、高い殺菌効果を長時間保持することができる、微酸性化した電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液(以下、この発明では微酸性次亜塩素酸水溶液と称す。)とその製造方法及び使用方法を提供することを目的とする。
この発明は、二酸化炭素あるいは二酸化炭素と窒素ガスの混合気体をナノバブル化させて電解次亜水(あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液)に溶解し、微酸性領域に調整した次亜塩素酸を含む水溶液である。得られた微酸性次亜塩素酸水溶液には、粒径2μm以下(以下、この発明では、この領域の微細気泡を超微細気泡と称す。)の超微細気泡を安定に含有しているもので、特に、平均粒径50nm〜1000nm、好ましくは平均粒径90nm〜600nmの超微細気泡を含有している。前記溶存気体としては、二酸化炭素あるいは二酸化炭素と窒素ガス等の不活性気体である。
この発明は、二酸化炭素を溶解させて微酸性領域に調整された次亜塩素酸を含む水溶液であって、粒径2μm以下の超微細気泡を安定に含有している超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液である。
またこの発明は、二酸化炭素を溶解させて微酸性領域に調整された次亜塩素酸を含む水溶液であって、前記水溶液中に、平均粒径50nm〜1000nmの超微細気泡を含有している超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液である。特に、前記水溶液中の微細気泡は、平均粒径90nm〜600nmの超微細気泡であると良い。前記微細気泡は、二酸化炭素、または二酸化炭素と窒素ガスの混合気体である。
またこの発明は、所望の有効塩素濃度に調整した電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウムを含む水溶液に、二酸化炭素を溶解させてpH5〜pH6に調整した後、マイクロバブル発生装置に導通することによって、二酸化炭素を含む平均粒径0.05μm〜2μmの超微細気泡を、前記水溶液中に形成する超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法である。
前記マイクロバブル発生装置は、前記水溶液を加圧した後マイクロバブル発生ノズルに通して、超微細気泡を前記水溶液中に発生させるものである。
前記超微細気泡生成装置は、中空糸膜を内蔵した中空糸カートリッジでも良い。前記中空糸カートリッジ内で、所定量の水道水に前記二酸化炭素を導通させ、中空糸膜を介して水道水に二酸化炭素を溶解させ、二酸化炭素を含む超微細気泡を有した微酸性水溶液を調製した後、この水溶液に、電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液を点滴ポンプで注入して、二酸化炭素を含む超微細気泡を含有する微酸性次亜塩素酸水溶液を製造するものである。
またこの発明は、所望の有効塩素濃度に調整した電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウムを含む水溶液に、二酸化炭素を溶解させてpH5〜pH6に調整するとともに、前記二酸化炭素以外の気体も前記水溶液に溶解させ、二酸化炭素およびそれ以外の気体が溶解した前記次亜塩素酸を含む水溶液を、マイクロバブル発生装置に導通することによって、二酸化炭素およびそれ以外の気体を含む平均粒径0.05μm〜2μmの超微細気泡を、前記水溶液中に形成する超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法である。
前記二酸化炭素以外の気体は窒素ガスであり、前記二酸化炭素及び前記窒素ガスを飽和状態まで溶解させた液体を、前記マイクロバブル生成装置内に生成し、前記水溶液を加圧減圧することにより前記超微細気泡を発生させるものである。
前記二酸化炭素以外の気体は窒素ガスであり、前記超微細気泡生成装置は、中空糸膜を内蔵した中空糸カートリッジでも良い。前記中空糸カートリッジ内で、所定量の水道水に前記二酸化炭素と窒素ガスを導通させ、中空糸膜を介して水道水に前記二酸化炭素と窒素ガスを溶解させ、二酸化炭素・窒素ガスを含む超微細気泡を有した微酸性水溶液を調製した後、この水溶液に、電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液を点滴ポンプで注入して、二酸化炭素・窒素ガスを含む超微細気泡を含有する微酸性次亜塩素酸水溶液を製造するものである。
またこの発明は、二酸化炭素と窒素ガスを溶解させて微酸性領域に調整された次亜塩素酸を含む水溶液を用いるものであって、前記水溶液中に平均粒径0.05μm〜2μmの超微細気泡、好ましくは平均粒径50nm〜1000nmの超微細気泡が前記水溶液中に長期間滞留している超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を設け、この超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を、有効塩素濃度1ppm〜20ppm、pH5.0〜pH6.7に調整して容器に注入し、切花を前記微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液中に差して水揚げを行う微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の使用方法である。
またこの発明は、二酸化炭素と窒素ガスを溶解させて微酸性領域に調整された次亜塩素酸を含む水溶液を用いるものであって、前記水溶液中に平均粒径0.05μm〜2μmの超微細気泡、好ましくは平均粒径50nm〜1000nmの超微細気泡が前記水溶液中に長期間滞留している超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を設け、この超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を、噴霧手段を用いて対象物又はそれが存在する空間に噴霧し、噴霧したミストの有効塩素濃度が10ppm〜30ppm、pH5.0〜pH6.9となる環境を形成し、上記対象物またはそれが存在する空間の殺菌を行う微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の使用方法である。
この発明の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液とその製造方法及び使用方法によれば、長期間の保存が可能な超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を、市販の装置で簡単に作ることができ、高い殺菌効果を有し、食品添加物として認可された殺菌料を提供することができる。超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、市販のペットボトル程度の密栓中で熱安定性にも優れ、40℃程度以下の環境下で1年間以上の長期間の保存が可能であり、使用の都度生成する必要がなく、好都合である。また。pH5.0付近の微酸性であるため、機器類が錆びる問題も少なく、取り扱いが容易で、いろいろな使用方法が可能であり、優れた殺菌・除菌効果をもたらすことができる。さらに、遮光・密封容器を使えば、熱安定性に優れ、かつ長期間の保存が可能であることで、地球上のいかなる地域へも搬送して、食材の除菌や衛生管理、代用農薬や医療分野の殺菌料などに使用できる。
この発明の一実施形態の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造装置の概念図である。 この発明の一実施形態の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液に形成されるマイクロバブルの写真であって、マイクロバブルの生成直後(a)、数十秒経過後(b)、数分経過後(c)における超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を示す写真である。 この発明の他の実施形態の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造装置の概念図である。 この発明の実施例で用いた超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液であって、50℃・314日間保存した溶液(原液)のUV吸収スペクトルを測定し塩素分子種の確認を行った図である。 この発明の実施例で用いた超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液であって、図4で用いた試料を希薄な水酸化ナトリウム液でpH9.5に調整したもののUV吸収スペクトルの図である。 この発明の実施例で用いた超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液であって、図5の試料を希塩酸でpH5.5に調整したもののUV吸収スペクトルを測定した図である。 この発明の実施例で用いた超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液であって、30℃・602日間保存した溶液(原液)のUV吸収スペクトルを測定し塩素分子種の確認を行った図である。 この発明の実施例で用いた超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液であって、図7の試料を希薄な水酸化ナトリウム液でpH9.5に調整したもののUV吸収スペクトルを測定した図である。 この発明の実施例で用いた超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液であって、図8の試料を希塩酸でpH5.5に調整したもののUV吸収スペクトルを測定した図である。 この発明の実施例で用いた超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液であって、開放系で10℃・4日間保存した溶液(原液)のUV吸収スペクトルを測定した図である。 この発明の実施例で用いた超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液であって、開放系で30℃・4日間保存した溶液(原液)のUV吸収スペクトルを測定した図である。
以下、この発明の実施形態について説明する。この発明の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、気体の二酸化炭素あるいは二酸化炭素と窒素ガスの混合気体を電解次亜水(あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液)に溶解させ、pH5.0付近の微酸性領域にpH調整された次亜塩素酸を含む水溶液である。二酸化炭素あるいは二酸化炭素と窒素ガスは、例えば、液中に長期間滞留する平均粒径112nm〜558nm(粒子数2.3×10/ml〜4.7nm×10/ml)の超微細気泡となって存在する。
この発明で用いられる二酸化炭素は、無味無臭の不活性ガスであり、素早く水に溶け、誤って加注入となっても急激なpH低下を呈することがないなど取扱い性に優れている。二酸化炭素を使用して、次亜塩素酸を含む水溶液のpHを調整することができ、微酸性次亜塩素酸水溶液とすることができる。二酸化炭素以外に超微細気泡の安定性を確保するための適用可能な気体としては、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性気体を用いることもできる。これらの気体は、液体に溶かした時に液体のpHを酸性領域に移行させるものではない。例えば、実験結果は後述するが、マイクロバブル発生装置で、乳酸で調製した微酸性次亜塩素酸水溶液に空気マイクロバブルを溶解させ、超微細気泡含有微酸性次亜水溶液を調製できるが、得られた溶液の安定性は乳酸で調製した微酸性次亜塩素酸水溶液と大差なかった。従って、二酸化炭素あるいは二酸化炭素と窒素ガス等の超微細気泡を含有する微酸性次亜塩素酸水溶液が、長期間において熱にも安定な殺菌料となるものである。
この発明の実施形態の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造装置10としては、図1に示すように、二酸化炭素ガスボンベ12と窒素ガスボンベ14、電解次亜水生成装置16(例えば、アクアライザーT30(有)ヘルス製)と、加圧溶解型マイクロバブル発生装置18(例えば、プログレス750型(株)シンワ製)とにより構成される。このマイクロバブル発生装置18は、例えば微酸性次亜塩素酸水である水溶液を加圧状態にした後、図示しないマイクロバブル発生ノズルに通して加圧・減圧状態を形成し、超微細気泡を前記水溶液中に発生させるものである。使用する電解次亜水は、電解次亜水生成装置16で生成した原液(有効塩素濃度7000ppm、pH8.3)を、有効塩素濃度約50ppmに水道水で希釈したものを使用する。二酸化炭素ボンベ12の二酸化炭素は、2NL/min(あるいは二酸化炭素2NL/minと窒素ガスボンベ14の窒素ガスは1NL/min)の通気量で、有効塩素濃度約50ppmの上記電解次亜水に入れる。
マイクロバブル発生装置18を用いることにより、直径が50μm以下のマイクロバブルを含有する微酸性次亜塩素亜水溶液を調製することが出来る。微細気泡であるマイクロバブルは、液中での上昇速度が遅く、その寿命は通常のバブリングで発生させる泡よりも長い。マイクロバブルは、図2(a)に示すように、発生直後の溶液は乳濁しているのが特徴である。このマイクロバブルは、数十秒後には消失し(図2(b))、最終的には透明な溶液となる(図2(c))。また、マイクロバブルは、比較的大きい面積で対象物に接触し、気泡量が著しく多量となる。このことから、溶解している次亜塩素酸による殺菌効果を著しく強力にすることができると考えられる。これは、後述するカット野菜の除菌処理で、優れた除菌効果と除菌持続効果を与えたことから確認された。
次に、この実施形態の製造装置10により製造される超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液20に含有するナノバブルについて説明する。ナノバブルの定義は定まってはいないが、一般的には粒径1μm以下のナノメートル(nm)単位の気泡がナノバブルと呼ばれる。気泡が極小のため、発生させても肉眼では透明な水に見えるのが特徴である。ナノバブルを製造する技術としては、マイクロバブルを圧壊させて生成する技術、シラスポーラスガラス膜を用いて生成する技術が知られている。しかし、マイクロバブルを圧壊させて生成するには、大がかりな装置が必要と言われている。これに対して、図1に示すこの実施形態の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造装置10は、市販の二酸化炭素ガスボンベ12と窒素ガスボンベ14、電解次亜水生成装置16とマイクロバブル発生装置18を用いて、二酸化炭素ガスと窒素ガスを含むナノバブルを含有する超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液20を製造することができるものである。
この実施形態の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液20によれば、20℃・210日間と30℃・391日間保存した溶液に、平均粒径112nm〜558nmのナノバブルが1.2×10/ml〜4.7×10/ml含まれることを確認した。確認実験として、マイクロバブル発生装置18で二酸化炭素・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液20を生成後、室温で約30分間放置した後の分析では、平均粒径154nm〜558nmのナノバブルが計測できた。
次に、この実施形態の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の使用方法について説明する。超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、殺菌効果があり使用方法は様々であり、流水による洗浄、散布、塗布その他液体に適用されるあらゆる用途に適用することができる。食材の殺菌・除菌、あるいは食品加工工場の衛生管理に使用しても安全であり、カット野菜等を超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液に浸漬処理して、野菜等の表面にバイオフィルムとして生残する微生物の除菌にも優れた効果がある。
特に、この発明による超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、長期保存が可能という特徴を有するので、この特徴を生かした使用方法が有益である。例えば、切花の茎に供給する水として使用するものである。切花の水揚げを妨げる要因として細菌類の増殖による切り花茎の腐敗や導管閉鎖があげられるが、超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液に切花の茎を漬けることにより、水揚げを促進する効果がある。この場合、超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を有効塩素濃度1ppm〜20ppm、好ましくは5ppm〜20ppm、pH5.0〜pH6.7に調整し、バケットに注入し、切花を超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液に挿すものである。これによって、切り花の揚げ水に接触するプラスチック製バケットの内壁面が殺菌され、切花の水揚げを促進し、切花を長持ちさせる効果をもたらす。
また、超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を加湿器等の噴霧手段を用いて、対象とする領域空間に噴霧して空気の除菌を行うことができる。この時、空間に噴霧されたミスト中の有効塩素濃度が10ppm〜30ppm、pH5.0〜pH6.7となるように設定し、空間の殺菌を行う。この使用方法は、超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を噴霧した領域を密閉状態で確保できれば、あたかもガス薫蒸したものと同様の環境に数十日間保持することができる。また、インフルエンザやノロウィルス等の感染症を予防する殺菌料として使用することができる。
次に、この発明の他の実施形態の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造装置22について、図3に基づいて説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は同一の符号を付して説明を省略する。この製造装置22は、ナノバブルの二酸化炭素あるいは二酸化炭素と窒素ガスを含有させた超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液20を、中空糸膜(4×13スーパーフォビック外圧型(セルガード(株)社製))を用いて容易に生成するものである。この装置では、図3に示すように、流量計28により水道水26の流量がコントロールされて、所定量の水道水が中空糸カートリッジ24に送られる。中空糸カートリッジ24内には、二酸化炭素ボンベ12あるいは二酸化炭素ボンベ12と窒素ガスボンベ14から、二酸化炭素あるいは二酸化炭素・窒素ガスの混合ガスが水道水26とは対向流方向に供給される。中空糸カートリッジ24内では、中空糸膜を介して二酸化炭素あるいは二酸化炭素・窒素ガスを含む気体が水道水26に注入され、二酸化炭素あるいは二酸化炭素・窒素ガスの超微細気泡を含有する微酸性の水道水が調製される。この溶液に、電解次亜水生成装置16から電解次亜水を点滴ポンプ30で注入し、スタティックミキサー32により混合する。かくして、生成直後の二酸化炭素あるいは二酸化炭素・窒素ガスの超微細気泡を含有する微酸性次亜塩素酸水溶液20が、透明な液体として製造される。
この製造装置22では、例えば二酸化炭素ボンベの二酸化炭素を3NL/minあるいは二酸化炭素(3NL/min)・窒素ガス(1.5NL/min)の通気量で中空糸カートリッジ24に送り、水道水が逆方向から流量:10L/minで流れる。これにより、中空糸カートリッジ24内で、水道水に二酸化炭素あるいは二酸化炭素・窒素ガスの混合ガスが溶解する。続いて、この溶液に電解次亜水を750ml/minで注入して、二酸化炭素あるいは二酸化炭素・窒素ガスの超微細気泡を含有する微酸性次亜水溶液を製造することができる。この製造装置22では、二酸化炭素・窒素ガスの超微細気泡が電解次亜水に確実に形成されることにより、次亜塩素酸イオンによる中空糸膜の劣化を避けるために、中空糸カートリッジ24の下流側に電解次亜水生成装置16が設けられている。
得られた二酸化炭素超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液20(有効塩素濃度:50ppm、pH5.5)は、約1時間室温に放置した後にナノバブルの粒径分析をしたところ、平均粒子径:94nm〜155nm、粒子数:1.6×10/ml〜3.6×10/mlの超微細気泡を含有していた。
なお、この発明の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液とその製造方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、超微細気泡は2μm以下の超微細気泡を含むもので、好ましくは1μm以下のナノバブルを含むものであれば良く、微酸性次亜塩素酸水溶液中に長期間含有され、微酸性次亜塩素酸水溶液を長期間微酸性領域に維持可能な超微細気泡を含有したものであれば良い。
次に、この発明の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の密封した環境での安定性について試験を行った結果を示す。超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造は、図1に示す装置を用いた。電解次亜水は、電解次亜水生成装置16(前記アクアライザーT30)で生成した原液(有効塩素濃度7000ppm、pH8.3)を有効塩素濃度約50ppmに水道水で希釈したものを使用した。二酸化炭素ボンベの二酸化炭素は2NL/min(あるいは二酸化炭素2NL/minと窒素ガスボンベの窒素ガスは1NL/min)の通気量で、有効塩素濃度約50ppmの電解次亜水に入れ、マイクロバブル発生装置18(前記プログレス750)内で、超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を製造した。かくして、二酸化炭素の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液と、二酸化炭素・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を調製して、安定性試験に供した。また、電解次亜水を水道水で希釈し、乳酸でpHを微酸性に調整して、超微細気泡を含有しない微酸性次亜塩素酸水溶液(乳酸微酸性次亜塩素酸水溶液)を調製し、対照区の溶液として安定性試験を行った。
二酸化炭素超微細気泡あるいは二酸化炭素と窒素ガスの超微細気泡を含有する微酸性次亜塩素酸水溶液と、乳酸微酸性次亜塩素酸水溶液を、それぞれ2L容量のペットボトルに入れて密栓し、10℃、20℃、30℃、40℃、50℃、60℃の恒温器に静置して、有効塩素濃度とpHの経時変化を測定した。有効塩素濃度の測定には柴田科学社製の有効塩素濃度測定器AQ−102Pを、pHの測定には佐藤計量器製pHメーターSK−620PHを、塩素成分の分子種同定には(株)日立製作所製の自記分光光度計U−3210を、ナノバブル粒子測定にはナノサイト社製のナノ粒子解析システムLM10を使用した。
二酸化炭素の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の有効塩素濃度とpHの経時変化の結果を、10℃〜30℃については表1に、40℃〜60℃については表2に示す。なお、NTは未測定である。
Figure 2015071995
Figure 2015071995
同様にして、二酸化炭素と窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の有効塩素濃度とpHの経時変化の結果を、10℃〜30℃については表3に、40℃〜60℃については表4に示す。
Figure 2015071995
Figure 2015071995
対照区とした、従来製法による乳酸微酸性次亜塩素酸水溶液の有効塩素濃度とpHの経時変化の結果を、10℃〜30℃については表5に、40℃〜60℃については表6に示す。
Figure 2015071995
Figure 2015071995
以下、表1〜表6の結果を説明する。表1、表2のごとく、二酸化炭素超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、314日間の遮光・密封保存下、10℃〜40℃で70.8%以上、50℃で37.5%の有効塩素濃度の残存率を示し、60℃・195日間で2.1%の有効塩素濃度の残存率を認めた。二酸化炭素と窒素ガス超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、表3、表4に示したように、いわゆる室温下保存条件に相当する20℃と30℃で、遮光・密封保存下では602日後も、有効塩素濃度残存率は72.2%と44.4%をそれぞれ示した。これらの結果から、二酸化炭素超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液よりも、二酸化炭素と窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の方が、より熱安定性に優れ、高い有効塩素濃度を維持し、長期間安定していることが分った。対照区の乳酸でpH調整した超微細気泡を含有しない微酸性次亜塩素酸水溶液は、表5、表6のごとく、有効塩素濃度は30℃・11日後、50℃・5日間で消失した。以上の結果から、この発明の特徴は、二酸化炭素あるいは二酸化炭素と窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液が長期の保存性に優れていることにあることが確かめられた。
続いて、電解次亜水の高有効塩素濃度(約200ppm)を使い、前記と同様の方法で二酸化炭素と窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を調製した。同様に、高有効塩素濃度の乳酸微酸性次亜塩素亜酸水溶液を調製後、マイクロバブル発生装置18(前記プログレス750)に導通して、空気の超微細気泡含有乳酸微酸性次亜塩素酸水溶液を調製し、ペットボトルに入れて、遮光・密封下での経時変化を調べた。表7には二酸化炭素と窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の経時変化を、表8には空気の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の経時変化を示した。
Figure 2015071995
Figure 2015071995
有効塩素濃度200ppmの二酸化炭素・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、表7に示すごとく、60℃・20日間保存でも安定して有効塩素濃度を保持している。ところが、表8のように、乳酸微酸性次亜塩素酸水溶液に空気のナノバブルを溶解させて調製しても、有効塩素濃度は明らかに減少した。このことは、二酸化炭素超微細気泡を電解次亜水(あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液)に溶解させて、微酸性領域に調整することが、1年以上の長期間にわたる安定性を付与するために必要であることを示唆している。
次に、この発明の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液のUV吸収スペクトルを測定し、溶液中の塩素分子種の確認を行った。測定には、二酸化炭素超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を密閉状態で10℃〜50℃にて314日間保存した溶液と、60℃・90日間保存した溶液を使った。その結果は全て同一スペクトルなので、50℃・314日間保存溶液のUV吸収スペクトルを使い説明する。図4〜図6に示しように、超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液のUV吸収スペクトルは全試料で236nm付近に弱い吸収を認め、希薄な水酸化ナトリウムでpH9.5に調整したUV吸収スペクトルは、新たに292nm付近に極大吸収を示した。そして、pH9.5に調整した試料を希塩酸で再度pH5.5に調整すると、292nmの吸収は消失し、236付近に弱い吸収が認められた。このことから、二酸化炭素超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を10℃〜50℃にて314日間保存した溶液と60℃・90日間保存した溶液の塩素成分分子種は、殺菌力が強い次亜塩素酸であると判定した。
同様に、二酸化炭素・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の塩素分子種を同定するため、UV吸収スペクトルを測定した。図7〜図9には、30℃・602日間保存試料の測定結果である。試料溶液は232nm付近の弱い吸収と292nmに微弱な吸収が見られ、pH9.5に調整すると292nmの極大吸収のみとなり、再度pH5.5に調整すると292nmの吸収は消失し、236nm付近に弱い吸収が見られた。この結果から、本試料の塩素分子種は、極微量の次亜塩素酸イオンを含む次亜塩素酸と判定した。なお、20℃・602日、50℃・376日、60℃・230日間保存溶液のUV吸収スペクトルは全て30℃・602日間保存のそれと同じであった。
この発明では、二酸化炭素あるいは二酸化炭素・窒素ガスをナノバブル化して電解次亜水に溶解させた結果、塩素形態を殺菌力の強い次亜塩素酸にして、熱と長期間の保存性が著しく改善したと説明した。この理由を明らかにするため、上記経時変化実験に使った保存溶液中のナノバブル粒径分析をした。その結果は表9に示した。
Figure 2015071995
表9の結果から、20℃・210日間、20℃・391日間と30℃・391日間保存した超微細気泡含有微酸性次亜水溶液には、平均粒径112nm〜558nmのナノバブルが1.2×10/ml〜4.7×10/ml検出された。また、マイクロバブル発生装置18(前記プログレス750)で二酸化炭素・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を生成後、室温で約30分間放置後の溶液には、平均粒径154nm〜332nmのナノバブルが、1.2×10/ml〜7.8×10/ml計測できた。中空糸カートリッジ24で二酸化炭素超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を調整し、約1時間室温に放置した後では、平均粒径94nm〜291nmのナノバブルが、1.1×10/ml〜3.6×10/ml検出できた。中空糸カートリッジ24使用の方がマイクロバブル発生装置18で調製したより、ナノバブルの平均粒径は小さいことが解った。これらの知見から、超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の長期間の安定化には、二酸化炭素あるいは二酸化炭素と窒素ガスがナノバブルとして電解次亜水に溶解していることが必要であると考えられる。
次に、この発明の二酸化炭素・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の開放した状態での安定性について試験を行った。試料は、上記表7に示した試験と同じ調製法の二酸化炭素・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液(有効塩素濃度:200ppm、pH5.7)を使用した。なお対照区としては、電解次亜水を乳酸で微酸性に調整し、超微細気泡を含有しない微酸性次亜塩素酸水溶液(有効塩素濃度:176ppm、pH5.7)を使用した。各試料を、タッパーウエアに600mlずつ分注してアルミホイルを被せた後、10℃と30℃の恒温器に静置し、経時変化を調べた。この試験の結果を、表10に示した。
Figure 2015071995
表10によれば、対照区の乳酸微酸性次亜塩素酸水溶液は、30℃保存では有効塩素農は1日後には46.6%に減少し、4日後には殆どが消失していたことが分かる。このことから、この発明の二酸化炭素・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、開放した状態での安定性も比較的優れていることが分かった。
なお、この発明の二酸化炭素・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、10℃保存では4日目98.5%が残存し、30℃・4日間保存では77.5%が残存していた。UVスペクトル解析から、図10に示すごとく、10℃保存の4日目では、次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンの混在が認められた。30℃保存の4日目では、図11に示すごとく、次亜塩素酸イオンの存在が確認された。この結果、超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液のように二酸化炭素を溶解させて微酸性にpHを調整すると、塩素成分の形態は次亜塩素酸となる。そして、この次亜塩素酸の分解は非常に少なく、二酸化炭素が放出されるに従い次亜塩素酸イオンに可逆することを示唆している。
次に、この発明の二酸化炭素・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の、各細菌に対する殺菌効果について試験を行った。各細菌はソイビーン・カゼイン・ダイジェスト培地(ダイゴ、日本新薬(株)製)で37℃一夜培養後、生理食塩水で十分洗浄した。試料は、上記の安定性の試験に使用したこの発明の二酸化炭素・窒素の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を10℃で40日間保存した溶液(有効塩素濃度12.8ppm、pH5.9)と、60℃で40日間保存した溶液(有効塩素濃度13ppm、pH6.1)で試験を行った。この2種類の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液で、菌数が10〜10となるように希釈し、この時添加菌液量1%以内とし、1分間放置後、ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト培地1mlを加え、10,000rpmで遠心分離後、生理食塩水1mlに再懸濁し、連続希釈法で生菌数をソイビーン・カゼイン・ダイジェスト寒天培地(ダイゴ、日本新薬(株)製)で測定し、殺菌効果を確認した。その結果を、表11に示した。
Figure 2015071995
表11によれば、この発明による二酸化炭素・窒素の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、60℃・40日間で保存した場合でも、これを殺菌水として使用することにより、被検菌を全て死滅させることができた。これにより、この発明の二酸化炭素・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、熱安定性に優れ、高い殺菌効果を長期間維持することを確認した。
次に、この発明の二酸化炭素・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の、カット野菜に対する除菌効果について試験を行った。カット野菜は、長さ約5cmに裁断した水菜と、千切りキャベツを使用した。試験方法は、この発明の二酸化炭素・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液に、カット野菜を3分間浸漬処理し、無菌水で洗浄した後、カット野菜25gをストマッカー用滅菌ポリ袋3個に各々入れ、冷蔵庫に保管した。同様に、未処理のカット野菜25gをストマッカー用滅菌ポリ袋3個に各々入れ、冷蔵庫に保管した。冷蔵庫保管の1個を取り出して室温(約15℃)に戻し、滅菌生理食塩水225mlを加え、ストマッカーで30秒ホモゲナイズし、生菌数検査をした。同様に、冷蔵庫で24時間、48時間それぞれ保管したものについて生菌数検査をした。一般細菌は、トリプトソイ寒天培地(栄研化学(株))を使用し、大腸菌・大腸菌群はECコリマーク寒天培地(栄研化学(株))を使用して、24時間培養後生菌数を測定した。なお、水菜の処理に使用した二酸化炭素・窒素ガス超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は有効塩素濃度50ppm、pH5.2であり、3分間浸漬処理した後は50ppm、pH5.4であった。千切りキャベツの処理に使用した二酸化炭素・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は有効塩素濃度48ppm、pH5.4であり、3分間浸漬処理した後は45ppm、pH5.5であった。この試験の結果を、表12に示した。
Figure 2015071995
表12によれば、未処理区の水菜では10個台の、千切りキャベツでは10個台の一般細菌が検出されるが、この発明による二酸化炭素・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液で3分間浸漬処理することで、水菜では10個台に、千切りキャベツでは10個台に減少し、3分間の浸漬で効果的に除菌できることを確認した。また、この除菌効果は48時間持続することを確認した。
次に、この発明の二酸化炭素・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の、市販加湿器により空中に噴霧する場合の殺菌効果について試験を行った。使用する二酸化炭素・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、有効塩素濃度28ppm、pH5.1である。この二酸化炭素・窒素ガス超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を、市販加湿器を用いて噴霧し、発生する霧状ミストを集め、有効塩素濃度を計測したところ、約20ppmであった。このことから、この発明の二酸化炭素・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、噴霧手段を用いて対象物又はそれが存在する領域に噴霧するだけで、所望の有効塩素濃度を保持することが分かった。
次に、この発明の二酸化炭素・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の噴霧による殺菌効果について試験を行った。この試験は、二酸化炭素・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を、20℃に110日間保存したもの(有効塩素濃度52ppm、pH6.2)を使用し、約600,000cm(間口132×奥行き67×高さ72cm)の密閉空間に3分間噴霧し、噴霧したミストの有効塩素濃度が30ppm、pH6.4となる環境を形成した。上記噴霧後2日を経過したのちソィビーン・カゼイン・ダイジェスト寒天平板を30分間開放する落下法で、落下細菌を試験した。その結果、平板1枚当たり0〜2個の細菌が検出された。なお、噴霧後二酸化炭素が消失して、pHが多少上昇してもよく、pH5.0〜pH6.7が有効な範囲と判断される。
次に、この発明の二酸化炭素・窒素の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の、市販加湿器により空中に噴霧した場合の有効塩素濃度について試験を行った。使用する加湿器は、超音波式加湿器AHD−010((株)アピックスインターナショナル製)と、スチームファン式加湿器KX−235m((株)シー・シー・ピー製)の2種類である。試料は、この発明の二酸化炭素・窒素の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液(有効塩素濃度28ppm、pH5.1)である。各加湿器に試料である二酸化炭素・窒素ガス超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を入れて稼働する。各加湿器の噴霧口から発生した霧状の二酸化炭素・窒素ガス超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液をビニール袋に集め、しずくとなった部分にクロール試験紙(10〜50ppm測定用、アドバンテック東洋(株)製)にて残留塩素濃度を測定した。この結果、超音波式加湿機では約20ppmの有効塩素濃度を確認したが、スチームファン式加湿機では約1ppm程度しか検出できなかった。
さらに、この発明の二酸化炭素・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の、超音波式加湿器AHD−010((株)アピックスインターナショナル製)により空中に噴霧する場合の殺菌効果について試験を行った。予めソイビーン・カゼイン・ダイジェスト培地(日本新薬(株)製)で37℃一夜培養した黄色ブドウ球菌(Staphylococous aureus 209PJC−1)を生理食塩水で洗浄し、1.3×10/ml菌液を調整した。次に、アルミ製のトレー上に面積25cmの円を二つ描き、この二つの円内に前記菌液を0.1ml広げ、クリーンベンチ(日立社製PCV−750AP)内で自然乾燥した。続いて、一つの円にぺたんチェック25標準寒天培地(栄研化学(株)製)をスタンプして無処理区とした。このトレーは、クリーンベンチ内につるした。クリーンベンチ内には超音波加湿器AHD−010((株)アピックスインターナショナル製)を置き、二酸化炭素・窒素ガス超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液(有効塩素濃度28ppm、pH5.1)を3分間噴霧し、加湿器から放出されたミストにトレーが囲まれるのを確認した。次に、トレー上の残りの一つの円にぺたんチェック25標準寒天培地(栄研化学(株)製)をスタンプして処理区とした。得られた二つのぺたんチェック25標準寒天培地(栄研化学(株)製)は37℃で一夜培養し生菌数を測定した。この試験の結果を、表13に示した。
Figure 2015071995
表13によれば、無処理区のぺたんチェック25標準寒天培地上には、菌数の測定が不能(無限大)の微生物増殖として認められたが、この発明による処理区のぺたんチェック25標準寒天培地上には、黄色ブドウ球菌がぺたんチェック25(面積:25cm)当たり135集落の増殖を計測した。これによりこの発明の二酸化炭素・窒素ガス超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、超音波加湿器で空中に噴霧することにより、高い殺菌効果があることが分った。
次に、この発明の二酸化炭素・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液による、切花の水揚げ促進効果について試験を行った。切花を長く日持ちさせるためには、水揚げの良否が最も重要なポイントといわれている。そして、切花の水揚げを妨げる要因として細菌類の増殖により切花茎の腐敗や導管閉塞があげられる。なお、この問題を解決するため、硝酸銀や硫酸アルミニウム等の抗菌剤・静菌剤や有機酸を添加した鮮度保持剤、あるいは切花の老化に関与するエチレン発生阻害活性を持つSTS(チオ硫酸銀錯塩)が切花延命剤として市販されている。一方、食塩、塩化カリウムあるいは塩酸等の溶液を電気分解して生成する次亜塩素酸水の切花日持ち効果に関する技術がある。
使用する切花は、ベトナム産白色スプレー菊(以下、キク切花と称す)である。試料は、この発明の二酸化炭素・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の有効塩素濃度10ppm区と、20ppm区とし、対照区として水道水を使用した。試験方法は、プラスチック製バケット(縦40cm×横30cm)に、7リットルの二酸化炭素・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液(有効塩素濃度10ppm区、有効塩素濃度20ppm区、いずれもpH5.0)をそれぞれ注入した。キク切花は、3本を1組とし、各処理区に3組ずつ挿した。対照区として、水道水7リットルを使い、同様に試験を行った。試験期間中は、バケットを室温(約15℃)で、自然光条件下に静置した。そして、有効塩素濃度とpHの測定を行い、その結果を表14に示した。また、同時に水揚げ量の測定を行い、その結果を表15に示した。水揚げ量は、試験開始時の切り花重量から4日後と8日後の重量を差し引くことで評価した。すなわち、差引重量の値が小さければ水揚げ量が大きいと判定される。
Figure 2015071995
表14によると、キク切花の水揚げ実験に使用した本発明の二酸化炭素・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の有効塩素濃度は数日を経過すると低下する傾向が見られ、それに伴ってpHも変化するが、8日程度では、なお、有効な濃度を保っていることが分かる。
Figure 2015071995
表15によると、対照区は4日後減少量B/Aが13%を超え、8日後になると減少量C/Aが16.3%を示す。これに対して、この発明の二酸化炭素・窒素ガス超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液による場合、10ppmで4日後減少量B/Aが19.6%、8日後減少量C/Aは12.7%、20ppmで4日後減少量B/Aが12.9%、8日後減少量C/Aは16.6%であった。これらにより、この発明の二酸化炭素・窒素の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を切花に使用することによって、水揚げを促進し、延命効果を図ることができる。
10 超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造装置
12 二酸化炭素ガスボンベ
14 窒素ガスボンベ
16 電解次亜水生成装置
18 マイクロバブル発生装置
20 超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液
この発明は、二酸化炭素あるいは二酸化炭素と窒素ガス等を含む超微細気泡で、電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液を微酸性に調整し、長期安定化した微酸性の次亜塩素酸水溶液とその製造方法及び使用方法に関する。
電解次亜水は、食塩水を無隔膜電解槽で電気分解して生成される。その殺菌成分は次亜塩素酸イオン(ClO)であり、日本の厚生労働省により「提示した6条件に適合すれば、次亜塩素酸ナトリウムを希釈したものと同等である」と認められている。希薄食塩水や希塩酸を電気分解して製造するいわゆる電解水は、次亜塩素酸イオンを殺菌基盤とする電解次亜水と、次亜塩素酸(HOCl)を殺菌基盤とする次亜塩素酸水に大別される。
次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)は食品添加物に指定されており、果実・野菜等各種食材の殺菌処理、各種食品の製造加工用の装置や器具、環境の衛生管理、あるいは飲料水・プール用水・浴場用水や下水の殺菌処理などに幅広く利用されている。次亜塩素酸ナトリウム水溶液の塩素成分は、水溶液のpHにより変化し、pH3.0以上の酸性水領域では次亜塩素酸として、アルカリ領域では次亜塩素酸イオンとして存在する。特に、微酸性領域(pH5.0〜pH6.5)では、揮発性塩素ガス(Cl)や次亜塩素酸イオンをほとんど含まず、次亜塩素酸イオンより殺菌力が強い次亜塩素酸のみとなる。次亜塩素酸の殺菌力は、次亜塩素酸イオンの約80倍強いことが報告されている。
従って、電解次亜水を殺菌水として使用するためには、電解次亜水(あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液)を微酸性領域にpH調整することが重要である。このpH調整には、無機酸、有機酸あるいは二酸化炭素が使われる。このうち、塩酸などの無機酸を電解次亜水(あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液)と混合すると、有毒な塩素ガスを発生させる危険性がある。食品添加物用の乳酸や酢酸などの有機酸でpH調整をする場合には、密封状態で点滴ポンプを使用することにより安全性を確保することができ、この技術は実用化されている。
二酸化炭素でpHを調整する方法としては、特許文献1に微酸性の塩素系殺菌水の製造方法として、次亜塩素酸ナトリウム水溶液に二酸化炭素をバブリングする方法が開示されている。特許文献2には、中空糸膜モジュールからなる二酸化炭素溶解器でpHを調整する方法が、微酸性殺菌剤の製造装置および製造方法として開示されている。二酸化炭素は、無味無臭の不活性ガスであり、素早く水に溶け、誤って加注入となっても急激なpH低下を呈することがなく、取扱い性に優れている。
次に、食塩を電気分解して生成する強酸性電解水(強酸性を示す次亜塩素酸水)の安定性について説明する。強酸性電解水は、室温保存する場合には、遮光密封保存が原則であり、その限度も60日程度であることが知られている。また、密封容器のみでは15日以内、開放容器に保存する場合には32時間を目安とすることが望ましいとされている。従って、強酸性電解水は、熱に不安定で、長期間の保存は難しいのが現状である。一方、希塩酸を電気分解した微酸性電解水を密閉にて貯蔵した場合、他の要因に関係なく、14日間pHと有効塩素濃度は食品添加物認可範囲を維持できるとした報告もある。
特開平10−24294号公報 特開2004−307405号公報
電解次亜水(あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液)は、特許文献1、特許文献2に開示されているように、二酸化炭素を使用してpH調整をすることにより、高い殺菌力を持つ微酸性次亜塩素酸水溶液とすることができる。しかし、微酸性次亜塩素酸水溶液は、熱には不安定で、冷暗所に密封容器で保存しても、長期間有効塩素濃度を保持するのは難しいという欠点がある。従って、用時調製が望ましいとされており、この欠点を克服する技術開発が求められている。
この発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたもので、市販の機器を使って製造する事ができ、高い殺菌効果を長時間保持することができる、微酸性化した電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液(以下、この発明では微酸性次亜塩素酸水溶液と称す。)の製造方法及び使用方法を提供することを目的とする。
この発明は、所望の有効塩素濃度に調整した電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウムを含む水溶液に、二酸化炭素ガスボンベから二酸化炭素ガスを導入し、窒素ガスボンベから窒素ガスを導入し、これにより前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスのみを前記水溶液に溶解させて、pH5〜pH6に調整した後、その水溶液をマイクロバブル発生装置に導通することによって、前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスを含む平均粒径0.05μm〜2μmの超微細気泡を、前記水溶液中に形成する超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法である。
前記マイクロバブル発生装置は、前記水溶液を加圧した後マイクロバブル発生ノズルに通して、超微細気泡を前記水溶液中に発生させるものである。
またこの発明は、中空糸膜を内蔵した中空糸カートリッジ内で、所定量の水道水に前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスを導通させ、これにより前記中空糸膜を介して水道水に前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスのみを溶解させ、前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスを含む超微細気泡を有した微酸性水溶液を調製した後、この微酸性水溶液に、電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液を注入して、前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスを含む平均粒径0.05μm〜2μmの前記超微細気泡を含有する微酸性次亜塩素酸水溶液を製造する超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法である。
またこの発明は、所望の有効塩素濃度に調整した電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウムを含む水溶液に、二酸化炭素ガスボンベから二酸化炭素ガスを導入し、窒素ガスボンベから窒素ガスを導入し、これにより前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスのみを前記水溶液に溶解させて、pH5〜pH6に調整した後、その水溶液をマイクロバブル発生装置に導通することによって、前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスを含む平均粒径0.05μm〜2μmの超微細気泡が前記水溶液中に長期間滞留している超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を設け、この超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を、有効塩素濃度1ppm〜20ppm、pH5.0〜pH6.7に調整して容器に注入し、切花を前記微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液中に差して水揚げを行う超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の使用方法である。
またこの発明は、中空糸膜を内蔵した中空糸カートリッジ内で、所定量の水道水に前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスを導通させ、これにより前記中空糸膜を介して水道水に前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスのみを溶解させ、前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスを含む超微細気泡を有した微酸性水溶液を調製した後、この微酸性水溶液に、電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液を注入して、前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスを含む平均粒径0.05μm〜2μmの超微細気泡が前記水溶液中に長期間滞留している超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を設け、この超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を、有効塩素濃度1ppm〜20ppm、pH5.0〜pH6.7に調整して容器に注入し、切花を前記微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液中に差して水揚げを行う超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の使用方法である。
またこの発明は、所望の有効塩素濃度に調整した電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウムを含む水溶液に、二酸化炭素ガスボンベから二酸化炭素ガスを導入し、窒素ガスボンベから窒素ガスを導入し、これにより前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスのみを前記水溶液に溶解させて、pH5〜pH6に調整した後、その水溶液をマイクロバブル発生装置に導通することによって、前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスを含む平均粒径0.05μm〜2μmの超微細気泡が前記水溶液中に長期間滞留している超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水を設け、この超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水を、噴霧手段を用いて対象物またはそれが存在する空間に噴霧し、噴霧したミストの有効塩素濃度が10ppm〜30ppm、pH5.0〜pH6.9となる環境を形成し、上記対象物またはそれが存在する空間の殺菌を行う超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の使用方法である。
またこの発明は、中空糸膜を内蔵した中空糸カートリッジ内で、所定量の水道水に前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスを導通させ、これにより前記中空糸膜を介して水道水に前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスのみを溶解させ、前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスを含む超微細気泡を有した微酸性水溶液を調製した後、この微酸性水溶液に、電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液を注入して、前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスを含む平均粒径0.05μm〜2μmの超微細気泡が前記水溶液中に長期間滞留している超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水を設け、この超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水を、噴霧手段を用いて対象物またはそれが存在する空間に噴霧し、噴霧したミストの有効塩素濃度が10ppm〜30ppm、pH5.0〜pH6.9となる環境を形成し、上記対象物またはそれが存在する空間の殺菌を行う超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の使用方法である。
この発明の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液製造方法及び使用方法によれば、長期間の保存が可能な超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を、市販の装置で簡単に作ることができ、高い殺菌効果を有し、食品添加物として認可された殺菌料を提供することができる。超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、市販のペットボトル程度の密栓中で熱安定性にも優れ、40℃程度以下の環境下で1年間以上の長期間の保存が可能であり、使用の都度生成する必要がなく、好都合である。また。pH5.0付近の微酸性であるため、機器類が錆びる問題も少なく、取り扱いが容易で、いろいろな使用方法が可能であり、優れた殺菌・除菌効果をもたらすことができる。さらに、遮光・密封容器を使えば、熱安定性に優れ、かつ長期間の保存が可能であることで、地球上のいかなる地域へも搬送して、食材の除菌や衛生管理、代用農薬や医療分野の殺菌料などに使用できる。
この発明の一実施形態の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造装置の概念図である。 この発明の一実施形態の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液に形成されるマイクロバブルの写真であって、マイクロバブルの生成直後(a)、数十秒経過後(b)、数分経過後(c)における超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を示す写真である。 この発明の他の実施形態の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造装置の概念図である。 この発明の実施例で用いた超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液であって、50℃・314日間保存した溶液(原液)のUV吸収スペクトルを測定し塩素分子種の確認を行った図である。 この発明の実施例で用いた超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液であって、図4で用いた試料を希薄な水酸化ナトリウム液でpH9.5に調整したもののUV吸収スペクトルの図である。 この発明の実施例で用いた超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液であって、図5の試料を希塩酸でpH5.5に調整したもののUV吸収スペクトルを測定した図である。 この発明の実施例で用いた超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液であって、30℃・602日間保存した溶液(原液)のUV吸収スペクトルを測定し塩素分子種の確認を行った図である。 この発明の実施例で用いた超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液であって、図7の試料を希薄な水酸化ナトリウム液でpH9.5に調整したもののUV吸収スペクトルを測定した図である。 この発明の実施例で用いた超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液であって、図8の試料を希塩酸でpH5.5に調整したもののUV吸収スペクトルを測定した図である。 この発明の実施例で用いた超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液であって、開放系で10℃・4日間保存した溶液(原液)のUV吸収スペクトルを測定した図である。 この発明の実施例で用いた超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液であって、開放系で30℃・4日間保存した溶液(原液)のUV吸収スペクトルを測定した図である。
以下、この発明の実施形態について説明する。この発明の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、気体二酸化炭素と窒素ガスの混合気体を電解次亜水(あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液)に溶解させ、pH5.0付近の微酸性領域にpH調整された次亜塩素酸を含む水溶液である。二酸化炭素ガスと窒素ガスは、例えば、液中に長期間滞留する平均粒径112nm〜558nm(粒子数2.3×10/ml〜4.7nm×10/ml)の超微細気泡となって存在する。
この発明で用いられる二酸化炭素は、無味無臭の不活性ガスであり、素早く水に溶け、誤って加注入となっても急激なpH低下を呈することがないなど取扱い性に優れている。二酸化炭素を使用して、次亜塩素酸を含む水溶液のpHを調整することができ、微酸性次亜塩素酸水溶液とすることができる。二酸化炭素以外に超微細気泡の安定性を確保するための適用可能な気体としては、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性気体を用いることもできる。これらの気体は、液体に溶かした時に液体のpHを酸性領域に移行させるものではない。例えば、実験結果は後述するが、マイクロバブル発生装置で、乳酸で調製した微酸性次亜塩素酸水溶液に空気マイクロバブルを溶解させ、超微細気泡含有微酸性次亜水溶液を調製できるが、得られた溶液の安定性は乳酸で調製した微酸性次亜塩素酸水溶液と大差なかった。従って、二酸化炭素ガスと窒素ガス等の超微細気泡を含有する微酸性次亜塩素酸水溶液が、長期間において熱にも安定な殺菌料となるものである。
この発明の実施形態の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造装置10としては、図1に示すように、二酸化炭素ガスボンベ12と窒素ガスボンベ14、電解次亜水生成装置16(例えば、アクアライザーT30(有)ヘルス製)と、加圧溶解型マイクロバブル発生装置18(例えば、プログレス750型(株)シンワ製)とにより構成される。このマイクロバブル発生装置18は、例えば微酸性次亜塩素酸水である水溶液を加圧状態にした後、図示しないマイクロバブル発生ノズルに通して加圧・減圧状態を形成し、超微細気泡を前記水溶液中に発生させるものである。使用する電解次亜水は、電解次亜水生成装置16で生成した原液(有効塩素濃度7000ppm、pH8.3)を、有効塩素濃度約50ppmに水道水で希釈したものを使用する。二酸化炭素ボンベ12の二酸化炭素ガスは2NL/min、窒素ガスボンベ14の窒素ガスは1NL/minの通気量で、有効塩素濃度約50ppmの上記電解次亜水に入れる。
マイクロバブル発生装置18を用いることにより、直径が50μm以下のマイクロバブルを含有する微酸性次亜塩素亜水溶液を調製することが出来る。微細気泡であるマイクロバブルは、液中での上昇速度が遅く、その寿命は通常のバブリングで発生させる泡よりも長い。マイクロバブルは、図2(a)に示すように、発生直後の溶液は乳濁しているのが特徴である。このマイクロバブルは、数十秒後には消失し(図2(b))、最終的には透明な溶液となる(図2(c))。また、マイクロバブルは、比較的大きい面積で対象物に接触し、気泡量が著しく多量となる。このことから、溶解している次亜塩素酸による殺菌効果を著しく強力にすることができると考えられる。これは、後述するカット野菜の除菌処理で、優れた除菌効果と除菌持続効果を与えたことから確認された。
次に、この実施形態の製造装置10により製造される超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液20に含有するナノバブルについて説明する。ナノバブルの定義は定まってはいないが、一般的には粒径1μm以下のナノメートル(nm)単位の気泡がナノバブルと呼ばれる。気泡が極小のため、発生させても肉眼では透明な水に見えるのが特徴である。ナノバブルを製造する技術としては、マイクロバブルを圧壊させて生成する技術、シラスポーラスガラス膜を用いて生成する技術が知られている。しかし、マイクロバブルを圧壊させて生成するには、大がかりな装置が必要と言われている。これに対して、図1に示すこの実施形態の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造装置10は、市販の二酸化炭素ガスボンベ12と窒素ガスボンベ14、電解次亜水生成装置16とマイクロバブル発生装置18を用いて、二酸化炭素ガスと窒素ガスを含むナノバブルを含有する超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液20を製造することができるものである。
この実施形態の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液20によれば、20℃・210日間と30℃・391日間保存した溶液に、平均粒径112nm〜558nmのナノバブルが1.2×10/ml〜4.7×10/ml含まれることを確認した。確認実験として、マイクロバブル発生装置18で二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液20を生成後、室温で約30分間放置した後の分析では、平均粒径154nm〜558nmのナノバブルが計測できた。
次に、この実施形態の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の使用方法について説明する。超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、殺菌効果があり使用方法は様々であり、流水による洗浄、散布、塗布その他液体に適用されるあらゆる用途に適用することができる。食材の殺菌・除菌、あるいは食品加工工場の衛生管理に使用しても安全であり、カット野菜等を超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液に浸漬処理して、野菜等の表面にバイオフィルムとして生残する微生物の除菌にも優れた効果がある。
特に、この発明による超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、長期保存が可能という特徴を有するので、この特徴を生かした使用方法が有益である。例えば、切花の茎に供給する水として使用するものである。切花の水揚げを妨げる要因として細菌類の増殖による切り花茎の腐敗や導管閉鎖があげられるが、超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液に切花の茎を漬けることにより、水揚げを促進する効果がある。この場合、超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を有効塩素濃度1ppm〜20ppm、好ましくは5ppm〜20ppm、pH5.0〜pH6.7に調整し、バケットに注入し、切花を超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液に挿すものである。これによって、切り花の揚げ水に接触するプラスチック製バケットの内壁面が殺菌され、切花の水揚げを促進し、切花を長持ちさせる効果をもたらす。
また、超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を加湿器等の噴霧手段を用いて、対象とする領域空間に噴霧して空気の除菌を行うことができる。この時、空間に噴霧されたミスト中の有効塩素濃度が10ppm〜30ppm、pH5.0〜pH6.7となるように設定し、空間の殺菌を行う。この使用方法は、超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を噴霧した領域を密閉状態で確保できれば、あたかもガス薫蒸したものと同様の環境に数十日間保持することができる。また、インフルエンザやノロウィルス等の感染症を予防する殺菌料として使用することができる。
次に、この発明の他の実施形態の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造装置22について、図3に基づいて説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は同一の符号を付して説明を省略する。この製造装置22は、ナノバブル二酸化炭素ガスと窒素ガスを含有させた超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液20を、中空糸膜(4×13スーパーフォビック外圧型(セルガード(株)社製))を用いて容易に生成するものである。この装置では、図3に示すように、流量計28により水道水26の流量がコントロールされて、所定量の水道水が中空糸カートリッジ24に送られる。中空糸カートリッジ24内には、二酸化炭素ガスボンベ12と窒素ガスボンベ14から、二酸化炭素ガス・窒素ガスの混合ガスが水道水26とは対向流方向に供給される。中空糸カートリッジ24内では、中空糸膜を介して二酸化炭素ガス・窒素ガスを含む気体が水道水26に注入され、二酸化炭素あるいは二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡を含有する微酸性の水道水が調製される。この溶液に、電解次亜水生成装置16から電解次亜水を点滴ポンプ30で注入し、スタティックミキサー32により混合する。かくして、生成直後の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡を含有する微酸性次亜塩素酸水溶液20が、透明な液体として製造される。
この製造装置22では、例えば二酸化炭素ガス(3NL/min)・窒素ガス(1.5NL/min)の通気量で中空糸カートリッジ24に送り、水道水が逆方向から流量:10L/minで流れる。これにより、中空糸カートリッジ24内で、水道水に二酸化炭素ガス・窒素ガスの混合ガスが溶解する。続いて、この溶液に電解次亜水を750ml/minで注入して、二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡を含有する微酸性次亜水溶液を製造することができる。この製造装置22では、二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡が電解次亜水に確実に形成されることにより、次亜塩素酸イオンによる中空糸膜の劣化を避けるために、中空糸カートリッジ24の下流側に電解次亜水生成装置16が設けられている。
得られた二酸化炭素超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液20(有効塩素濃度:50ppm、pH5.5)は、約1時間室温に放置した後にナノバブルの粒径分析をしたところ、平均粒子径:94nm〜155nm、粒子数:1.6×10/ml〜3.6×10/mlの超微細気泡を含有していた。
なお、この発明の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液とその製造方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、超微細気泡は2μm以下の超微細気泡を含むもので、好ましくは1μm以下のナノバブルを含むものであれば良く、微酸性次亜塩素酸水溶液中に長期間含有され、微酸性次亜塩素酸水溶液を長期間微酸性領域に維持可能な超微細気泡を含有したものであれば良い。
次に、この発明の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の密封した環境での安定性について試験を行った結果を示す。超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造は、図1に示す装置を用いた。電解次亜水は、電解次亜水生成装置16(前記アクアライザーT30)で生成した原液(有効塩素濃度7000ppm、pH8.3)を有効塩素濃度約50ppmに水道水で希釈したものを使用した。二酸化炭素ガスボンベの二酸化炭素ガスは2NL/min(あるいは二酸化炭素ガス2NL/minと窒素ガスボンベの窒素ガスは1NL/min)の通気量で、有効塩素濃度約50ppmの電解次亜水に入れ、マイクロバブル発生装置18(前記プログレス750)内で、超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を製造した。かくして、二酸化炭素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液と、二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を調製して、安定性試験に供した。また、電解次亜水を水道水で希釈し、乳酸でpHを微酸性に調整して、超微細気泡を含有しない微酸性次亜塩素酸水溶液(乳酸微酸性次亜塩素酸水溶液)を調製し、対照区の溶液として安定性試験を行った。
二酸化炭素超微細気泡あるいは二酸化炭素ガスと窒素ガスの超微細気泡を含有する微酸性次亜塩素酸水溶液と、乳酸微酸性次亜塩素酸水溶液を、それぞれ2L容量のペットボトルに入れて密栓し、10℃、20℃、30℃、40℃、50℃、60℃の恒温器に静置して、有効塩素濃度とpHの経時変化を測定した。有効塩素濃度の測定には柴田科学社製の有効塩素濃度測定器AQ−102Pを、pHの測定には佐藤計量器製pHメーターSK−620PHを、塩素成分の分子種同定には(株)日立製作所製の自記分光光度計U−3210を、ナノバブル粒子測定にはナノサイト社製のナノ粒子解析システムLM10を使用した。
二酸化炭素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の有効塩素濃度とpHの経時変化の結果を、10℃〜30℃については表1に、40℃〜60℃については表2に示す。なお、NTは未測定である。
Figure 2015071995
Figure 2015071995
同様にして、二酸化炭素ガスと窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の有効塩素濃度とpHの経時変化の結果を、10℃〜30℃については表3に、40℃〜60℃については表4に示す。
Figure 2015071995
Figure 2015071995
対照区とした、従来製法による乳酸微酸性次亜塩素酸水溶液の有効塩素濃度とpHの経時変化の結果を、10℃〜30℃については表5に、40℃〜60℃については表6に示す。
Figure 2015071995
Figure 2015071995
以下、表1〜表6の結果を説明する。表1、表2のごとく、二酸化炭素超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、314日間の遮光・密封保存下、10℃〜40℃で70.8%以上、50℃で37.5%の有効塩素濃度の残存率を示し、60℃・195日間で2.1%の有効塩素濃度の残存率を認めた。二酸化炭素ガスと窒素ガス超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、表3、表4に示したように、いわゆる室温下保存条件に相当する20℃と30℃で、遮光・密封保存下では602日後も、有効塩素濃度残存率は72.2%と44.4%をそれぞれ示した。これらの結果から、二酸化炭素超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液よりも、二酸化炭素ガスと窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の方が、より熱安定性に優れ、高い有効塩素濃度を維持し、長期間安定していることが分った。対照区の乳酸でpH調整した超微細気泡を含有しない微酸性次亜塩素酸水溶液は、表5、表6のごとく、有効塩素濃度は30℃・11日後、50℃・5日間で消失した。以上の結果から、二酸化炭素ガスと窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液が長期の保存性に優れていることにあることが確かめられた。
続いて、電解次亜水の高有効塩素濃度(約200ppm)を使い、前記と同様の方法で二酸化炭素ガスと窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を調製した。同様に、高有効塩素濃度の乳酸微酸性次亜塩素亜酸水溶液を調製後、マイクロバブル発生装置18(前記プログレス750)に導通して、空気の超微細気泡含有乳酸微酸性次亜塩素酸水溶液を調製し、ペットボトルに入れて、遮光・密封下での経時変化を調べた。表7には二酸化炭素ガスと窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の経時変化を、表8には空気の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の経時変化を示した。
Figure 2015071995
Figure 2015071995
有効塩素濃度200ppmの二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、表7に示すごとく、60℃・20日間保存でも安定して有効塩素濃度を保持している。ところが、表8のように、乳酸微酸性次亜塩素酸水溶液に空気のナノバブルを溶解させて調製しても、有効塩素濃度は明らかに減少した。このことは、二酸化炭素超微細気泡を電解次亜水(あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液)に溶解させて、微酸性領域に調整することが、1年以上の長期間にわたる安定性を付与するために必要であることを示唆している。
次に、この発明の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液のUV吸収スペクトルを測定し、溶液中の塩素分子種の確認を行った。測定には、二酸化炭素超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を密閉状態で10℃〜50℃にて314日間保存した溶液と、60℃・90日間保存した溶液を使った。その結果は全て同一スペクトルなので、50℃・314日間保存溶液のUV吸収スペクトルを使い説明する。図4〜図6に示しように、超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液のUV吸収スペクトルは全試料で236nm付近に弱い吸収を認め、希薄な水酸化ナトリウムでpH9.5に調整したUV吸収スペクトルは、新たに292nm付近に極大吸収を示した。そして、pH9.5に調整した試料を希塩酸で再度pH5.5に調整すると、292nmの吸収は消失し、236付近に弱い吸収が認められた。このことから、二酸化炭素超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を10℃〜50℃にて314日間保存した溶液と60℃・90日間保存した溶液の塩素成分分子種は、殺菌力が強い次亜塩素酸であると判定した。
同様に、二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の塩素分子種を同定するため、UV吸収スペクトルを測定した。図7〜図9には、30℃・602日間保存試料の測定結果である。試料溶液は232nm付近の弱い吸収と292nmに微弱な吸収が見られ、pH9.5に調整すると292nmの極大吸収のみとなり、再度pH5.5に調整すると292nmの吸収は消失し、236nm付近に弱い吸収が見られた。この結果から、本試料の塩素分子種は、極微量の次亜塩素酸イオンを含む次亜塩素酸と判定した。なお、20℃・602日、50℃・376日、60℃・230日間保存溶液のUV吸収スペクトルは全て30℃・602日間保存のそれと同じであった。
この発明では、二酸化炭素ガス・窒素ガスをナノバブル化して電解次亜水に溶解させた結果、塩素形態を殺菌力の強い次亜塩素酸にして、熱と長期間の保存性が著しく改善したと説明した。この理由を明らかにするため、上記経時変化実験に使った保存溶液中のナノバブル粒径分析をした。その結果は表9に示した。
Figure 2015071995
表9の結果から、20℃・210日間、20℃・391日間と30℃・391日間保存した超微細気泡含有微酸性次亜水溶液には、平均粒径112nm〜558nmのナノバブルが1.2×10/ml〜4.7×10/ml検出された。また、マイクロバブル発生装置18(前記プログレス750)で二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を生成後、室温で約30分間放置後の溶液には、平均粒径154nm〜332nmのナノバブルが、1.2×10/ml〜7.8×10/ml計測できた。中空糸カートリッジ24で二酸化炭素超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を調整し、約1時間室温に放置した後では、平均粒径94nm〜291nmのナノバブルが、1.1×10/ml〜3.6×10/ml検出できた。中空糸カートリッジ24使用の方がマイクロバブル発生装置18で調製したより、ナノバブルの平均粒径は小さいことが解った。これらの知見から、超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の長期間の安定化には、二酸化炭素ガスと窒素ガスがナノバブルとして電解次亜水に溶解していることが必要であると考えられる。
次に、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の開放した状態での安定性について試験を行った。試料は、上記表7に示した試験と同じ調製法の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液(有効塩素濃度:200ppm、pH5.7)を使用した。なお対照区としては、電解次亜水を乳酸で微酸性に調整し、超微細気泡を含有しない微酸性次亜塩素酸水溶液(有効塩素濃度:176ppm、pH5.7)を使用した。各試料を、タッパーウエアに600mlずつ分注してアルミホイルを被せた後、10℃と30℃の恒温器に静置し、経時変化を調べた。この試験の結果を、表10に示した。
Figure 2015071995
表10によれば、対照区の乳酸微酸性次亜塩素酸水溶液は、30℃保存では有効塩素農は1日後には46.6%に減少し、4日後には殆どが消失していたことが分かる。このことから、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、開放した状態での安定性も比較的優れていることが分かった。
なお、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、10℃保存では4日目98.5%が残存し、30℃・4日間保存では77.5%が残存していた。UVスペクトル解析から、図10に示すごとく、10℃保存の4日目では、次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンの混在が認められた。30℃保存の4日目では、図11に示すごとく、次亜塩素酸イオンの存在が確認された。この結果、超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液のように二酸化炭素を溶解させて微酸性にpHを調整すると、塩素成分の形態は次亜塩素酸となる。そして、この次亜塩素酸の分解は非常に少なく、二酸化炭素が放出されるに従い次亜塩素酸イオンに可逆することを示唆している。
次に、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の、各細菌に対する殺菌効果について試験を行った。各細菌はソイビーン・カゼイン・ダイジェスト培地(ダイゴ、日本新薬(株)製)で37℃一夜培養後、生理食塩水で十分洗浄した。試料は、上記の安定性の試験に使用したこの発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を10℃で40日間保存した溶液(有効塩素濃度12.8ppm、pH5.9)と、60℃で40日間保存した溶液(有効塩素濃度13ppm、pH6.1)で試験を行った。この2種類の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液で、菌数が10〜10となるように希釈し、この時添加菌液量1%以内とし、1分間放置後、ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト培地1mlを加え、10,000rpmで遠心分離後、生理食塩水1mlに再懸濁し、連続希釈法で生菌数をソイビーン・カゼイン・ダイジェスト寒天培地(ダイゴ、日本新薬(株)製)で測定し、殺菌効果を確認した。その結果を、表11に示した。
Figure 2015071995
表11によれば、この発明による二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、60℃・40日間で保存した場合でも、これを殺菌水として使用することにより、被検菌を全て死滅させることができた。これにより、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、熱安定性に優れ、高い殺菌効果を長期間維持することを確認した。
次に、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の、カット野菜に対する除菌効果について試験を行った。カット野菜は、長さ約5cmに裁断した水菜と、千切りキャベツを使用した。試験方法は、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液に、カット野菜を3分間浸漬処理し、無菌水で洗浄した後、カット野菜25gをストマッカー用滅菌ポリ袋3個に各々入れ、冷蔵庫に保管した。同様に、未処理のカット野菜25gをストマッカー用滅菌ポリ袋3個に各々入れ、冷蔵庫に保管した。冷蔵庫保管の1個を取り出して室温(約15℃)に戻し、滅菌生理食塩水225mlを加え、ストマッカーで30秒ホモゲナイズし、生菌数検査をした。同様に、冷蔵庫で24時間、48時間それぞれ保管したものについて生菌数検査をした。一般細菌は、トリプトソイ寒天培地(栄研化学(株))を使用し、大腸菌・大腸菌群はECコリマーク寒天培地(栄研化学(株))を使用して、24時間培養後生菌数を測定した。なお、水菜の処理に使用した二酸化炭素ガス・窒素ガス超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は有効塩素濃度50ppm、pH5.2であり、3分間浸漬処理した後は50ppm、pH5.4であった。千切りキャベツの処理に使用した二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は有効塩素濃度48ppm、pH5.4であり、3分間浸漬処理した後は45ppm、pH5.5であった。この試験の結果を、表12に示した。
Figure 2015071995
表12によれば、未処理区の水菜では10個台の、千切りキャベツでは10個台の一般細菌が検出されるが、この発明による二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液で3分間浸漬処理することで、水菜では10個台に、千切りキャベツでは10個台に減少し、3分間の浸漬で効果的に除菌できることを確認した。また、この除菌効果は48時間持続することを確認した。
次に、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の、市販加湿器により空中に噴霧する場合の殺菌効果について試験を行った。使用する二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、有効塩素濃度28ppm、pH5.1である。この二酸化炭素ガス・窒素ガス超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を、市販加湿器を用いて噴霧し、発生する霧状ミストを集め、有効塩素濃度を計測したところ、約20ppmであった。このことから、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、噴霧手段を用いて対象物又はそれが存在する領域に噴霧するだけで、所望の有効塩素濃度を保持することが分かった。
次に、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の噴霧による殺菌効果について試験を行った。この試験は、二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を、20℃に110日間保存したもの(有効塩素濃度52ppm、pH6.2)を使用し、約600,000cm(間口132×奥行き67×高さ72cm)の密閉空間に3分間噴霧し、噴霧したミストの有効塩素濃度が30ppm、pH6.4となる環境を形成した。上記噴霧後2日を経過したのちソィビーン・カゼイン・ダイジェスト寒天平板を30分間開放する落下法で、落下細菌を試験した。その結果、平板1枚当たり0〜2個の細菌が検出された。なお、噴霧後二酸化炭素ガスが消失して、pHが多少上昇してもよく、pH5.0〜pH6.7が有効な範囲と判断される。
次に、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の、市販加湿器により空中に噴霧した場合の有効塩素濃度について試験を行った。使用する加湿器は、超音波式加湿器AHD−010((株)アピックスインターナショナル製)と、スチームファン式加湿器KX−235m((株)シー・シー・ピー製)の2種類である。試料は、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液(有効塩素濃度28ppm、pH5.1)である。各加湿器に試料である二酸化炭素ガス・窒素ガス超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を入れて稼働する。各加湿器の噴霧口から発生した霧状の二酸化炭素ガス・窒素ガス超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液をビニール袋に集め、しずくとなった部分にクロール試験紙(10〜50ppm測定用、アドバンテック東洋(株)製)にて残留塩素濃度を測定した。この結果、超音波式加湿機では約20ppmの有効塩素濃度を確認したが、スチームファン式加湿機では約1ppm程度しか検出できなかった。
さらに、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の、超音波式加湿器AHD−010((株)アピックスインターナショナル製)により空中に噴霧する場合の殺菌効果について試験を行った。予めソイビーン・カゼイン・ダイジェスト培地(日本新薬(株)製)で37℃一夜培養した黄色ブドウ球菌(Staphylococous aureus 209PJC−1)を生理食塩水で洗浄し、1.3×10/ml菌液を調整した。次に、アルミ製のトレー上に面積25cmの円を二つ描き、この二つの円内に前記菌液を0.1ml広げ、クリーンベンチ(日立社製PCV−750AP)内で自然乾燥した。続いて、一つの円にぺたんチェック25標準寒天培地(栄研化学(株)製)をスタンプして無処理区とした。このトレーは、クリーンベンチ内につるした。クリーンベンチ内には超音波加湿器AHD−010((株)アピックスインターナショナル製)を置き、二酸化炭素ガス・窒素ガス超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液(有効塩素濃度28ppm、pH5.1)を3分間噴霧し、加湿器から放出されたミストにトレーが囲まれるのを確認した。次に、トレー上の残りの一つの円にぺたんチェック25標準寒天培地(栄研化学(株)製)をスタンプして処理区とした。得られた二つのぺたんチェック25標準寒天培地(栄研化学(株)製)は37℃で一夜培養し生菌数を測定した。この試験の結果を、表13に示した。
Figure 2015071995
表13によれば、無処理区のぺたんチェック25標準寒天培地上には、菌数の測定が不能(無限大)の微生物増殖として認められたが、この発明による処理区のぺたんチェック25標準寒天培地上には、黄色ブドウ球菌がぺたんチェック25(面積:25cm)当たり135集落の増殖を計測した。これによりこの発明の二酸化炭素ガス・窒素ガス超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、超音波加湿器で空中に噴霧することにより、高い殺菌効果があることが分った。
次に、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液による、切花の水揚げ促進効果について試験を行った。切花を長く日持ちさせるためには、水揚げの良否が最も重要なポイントといわれている。そして、切花の水揚げを妨げる要因として細菌類の増殖により切花茎の腐敗や導管閉塞があげられる。なお、この問題を解決するため、硝酸銀や硫酸アルミニウム等の抗菌剤・静菌剤や有機酸を添加した鮮度保持剤、あるいは切花の老化に関与するエチレン発生阻害活性を持つSTS(チオ硫酸銀錯塩)が切花延命剤として市販されている。一方、食塩、塩化カリウムあるいは塩酸等の溶液を電気分解して生成する次亜塩素酸水の切花日持ち効果に関する技術がある。
使用する切花は、ベトナム産白色スプレー菊(以下、キク切花と称す)である。試料は、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の有効塩素濃度10ppm区と、20ppm区とし、対照区として水道水を使用した。試験方法は、プラスチック製バケット(縦40cm×横30cm)に、7リットルの二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液(有効塩素濃度10ppm区、有効塩素濃度20ppm区、いずれもpH5.0)をそれぞれ注入した。キク切花は、3本を1組とし、各処理区に3組ずつ挿した。対照区として、水道水7リットルを使い、同様に試験を行った。試験期間中は、バケットを室温(約15℃)で、自然光条件下に静置した。そして、有効塩素濃度とpHの測定を行い、その結果を表14に示した。また、同時に水揚げ量の測定を行い、その結果を表15に示した。水揚げ量は、試験開始時の切り花重量から4日後と8日後の重量を差し引くことで評価した。すなわち、差引重量の値が小さければ水揚げ量が大きいと判定される。
Figure 2015071995
表14によると、キク切花の水揚げ実験に使用した本発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の有効塩素濃度は数日を経過すると低下する傾向が見られ、それに伴ってpHも変化するが、8日程度では、なお、有効な濃度を保っていることが分かる。
Figure 2015071995
表15によると、対照区は4日後減少量B/Aが13%を超え、8日後になると減少量C/Aが16.3%を示す。これに対して、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガス超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液による場合、10ppmで4日後減少量B/Aが19.6%、8日後減少量C/Aは12.7%、20ppmで4日後減少量B/Aが12.9%、8日後減少量C/Aは16.6%であった。これらにより、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を切花に使用することによって、水揚げを促進し、延命効果を図ることができる。
10 超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造装置
12 二酸化炭素ガスボンベ
14 窒素ガスボンベ
16 電解次亜水生成装置
18 マイクロバブル発生装置
20 超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液

Claims (12)

  1. 二酸化炭素を溶解させて微酸性領域に調整された次亜塩素酸を含む水溶液であって、二酸化炭素を含む粒径2μm以下の超微細気泡を安定に含有していることを特徴とする超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液。
  2. 二酸化炭素を溶解させて微酸性領域に調整された次亜塩素酸を含む水溶液であって、前記水溶液中に、平均粒径50nm〜1000nmの二酸化炭素を含む超微細気泡を含有していることを特徴とする超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液。
  3. 前記水溶液中の微細気泡は、平均粒径90nm〜600nmの超微細気泡である請求項1又は2記載の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液。
  4. 前記超微細気泡に含まれる気体は、二酸化炭素と窒素ガスである請求項1,2又は3記載の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液。
  5. 所望の有効塩素濃度に調整した電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウムを含む水溶液に、二酸化炭素を溶解させてpH5〜pH6に調整した後、マイクロバブル発生装置に導通することによって、二酸化炭素を含む平均粒径0.05μm〜2μmの超微細気泡を、前記水溶液中に形成することを特徴とする超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法。
  6. 前記マイクロバブル発生装置は、前記水溶液を加圧した後、マイクロバブル発生ノズルに通して、前記超微細気泡を前記水溶液中に発生させる請求項5記載の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法。
  7. 中空糸膜を内蔵した中空糸カートリッジを設け、前記中空糸カートリッジ内で、所定量の水道水に前記二酸化炭素を導通させ、前記中空糸膜を介して水道水に前記二酸化炭素を溶解させ、二酸化炭素を含む超微細気泡を有した微酸性水溶液を調製した後、この水溶液に、電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液を注入して、前記超微細気泡を含有する微酸性次亜塩素酸水溶液を製造する請求項5記載の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法。
  8. 所望の有効塩素濃度に調整した電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウムを含む水溶液に、二酸化炭素を溶解させてpH5〜pH6に調整するとともに、前記二酸化炭素以外の気体も前記水溶液に溶解させ、前記二酸化炭素およびそれ以外の気体が溶解した前記次亜塩素酸を含む水溶液を、マイクロバブル発生装置に導通することによって、二酸化炭素およびそれ以外の気体を含む平均粒径0.05μm〜2μmの超微細気泡を、前記水溶液中に形成することを特徴とする超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法。
  9. 前記二酸化炭素以外の気体は窒素ガスであり、前記二酸化炭素及び前記窒素ガスを飽和状態まで溶解させた液体を、前記マイクロバブル生成装置内に生成し、前記水溶液を加圧減圧することにより前記超微細気泡を発生させる請求項8記載の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法。
  10. 前記二酸化炭素以外の気体は窒素ガスであり、中空糸膜を内蔵した中空糸カートリッジを設け、前記中空糸カートリッジ内で、所定量の水道水に前記二酸化炭素と窒素ガスを導通させ、前記中空糸膜を介して水道水に前記二酸化炭素と窒素ガスを溶解させ、二酸化炭素・窒素ガスを含む超微細気泡を有した微酸性水溶液を調製した後、この水溶液に、電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液を点滴ポンプで注入して、二酸化炭素・窒素ガスを含む前記超微細気泡を含有する微酸性次亜塩素酸水溶液を製造する請求項8記載の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法。
  11. 二酸化炭素と窒素ガスを溶解させて微酸性領域に調整された次亜塩素酸を含む水溶液を用いるものであって、前記水溶液中に平均粒径0.05μm〜2μmの超微細気泡が前記水溶液中に長期間滞留している超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を設け、この超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を、有効塩素濃度1ppm〜20ppm、pH5.0〜pH6.7に調整して容器に注入し、切花を前記微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液中に差して水揚げを行うことを特徴とする超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の使用方法。
  12. 二酸化炭素と窒素ガスを溶解させて微酸性領域に調整された次亜塩素酸を含む水溶液を用いるものであって、前記水溶液中に平均粒径0.05μm〜2μmの超微細気泡が前記水溶液中に長期間滞留している超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水を設け、この超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水を、噴霧手段を用いて対象物またはそれが存在する空間に噴霧し、噴霧したミストの有効塩素濃度が10ppm〜30ppm、pH5.0〜pH6.9となる環境を形成し、上記対象物またはそれが存在する空間の殺菌を行うことを特徴とする超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の使用方法。
JP2015547336A 2013-11-14 2013-11-14 超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法及び使用方法 Active JP6122139B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2013/080812 WO2015071995A1 (ja) 2013-11-14 2013-11-14 超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液とその製造方法及び使用方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2015071995A1 true JPWO2015071995A1 (ja) 2017-03-09
JP6122139B2 JP6122139B2 (ja) 2017-04-26

Family

ID=53056959

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015547336A Active JP6122139B2 (ja) 2013-11-14 2013-11-14 超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法及び使用方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6122139B2 (ja)
CN (1) CN105377770A (ja)
WO (1) WO2015071995A1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017099085A1 (ja) * 2015-12-07 2017-06-15 新日本空調株式会社 人体装着品の洗浄方法
JP6829002B2 (ja) * 2016-03-18 2021-02-10 株式会社東芝 保管庫及び保管方法
JPWO2018003087A1 (ja) * 2016-06-30 2019-04-18 マルハニチロ株式会社 塩素系殺菌剤と微細気泡を組み合わせた殺菌剤、及び殺菌方法
JP2018175740A (ja) * 2017-04-21 2018-11-15 パナソニックIpマネジメント株式会社 空気浄化装置
JP2019063795A (ja) * 2017-10-03 2019-04-25 キヤノンマーケティングジャパン株式会社 洗浄装置及び洗浄方法
JP2020099291A (ja) * 2018-12-25 2020-07-02 株式会社前川製作所 食品の殺菌方法及び殺菌装置
BR112022012999A2 (pt) * 2019-12-31 2022-09-06 Amcor Flexibles North America Inc Acondicionamento de produto com componentes autoesterilizantes
WO2022266698A1 (en) * 2021-06-25 2022-12-29 Ttd Global Pty Ltd Stabilised hypohalous acid solutions
CN113772800B (zh) * 2021-09-27 2024-01-09 哈维(上海)环境科技有限公司 一种采用小型碳酸溶液投加系统投加碳酸的方法

Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07330502A (ja) * 1994-06-01 1995-12-19 Pola Chem Ind Inc 切り花の鮮度維持剤
JP2001089226A (ja) * 1999-09-16 2001-04-03 Reeben:Kk 汚水処理用セラミックボール、および、その製造方法。
JP2005000238A (ja) * 2003-06-09 2005-01-06 Hiromaito Co Ltd 殺菌剤水溶液充填容器の製造方法
WO2009031711A1 (ja) * 2007-09-05 2009-03-12 Shinwa Corporation 歯科ユニットのための洗浄水供給装置
JP2009072649A (ja) * 2007-09-18 2009-04-09 Univ Of Tokyo ナノバブル溶液、ナノバブル溶液を製造する方法及び装置、ナノバブル溶液の利用方法
JP2009297654A (ja) * 2008-06-13 2009-12-24 Keiyu:Kk 次亜塩素酸を含有する殺菌水の製造方法とその装置
JP2010005130A (ja) * 2008-06-26 2010-01-14 Shinwa:Kk 医療用洗浄水供給装置
JP2010115639A (ja) * 2008-10-18 2010-05-27 Viita Kk ペーハー調整方法および装置
JP2010254661A (ja) * 2009-04-27 2010-11-11 Hokuetsu:Kk 炭酸ガスが混合された微酸性電解水
JP2011173858A (ja) * 2009-12-03 2011-09-08 Tomita Pharmaceutical Co Ltd 次亜塩素酸系殺菌消毒剤、並びにその調製方法及び調製装置
JP2011224526A (ja) * 2010-04-19 2011-11-10 Masami Fujita 次亜塩素酸水の製造方法とその装置
JP2013017963A (ja) * 2011-07-12 2013-01-31 Bisansei Denkaisui Kenkyusho:Kk 殺菌水の製造装置および製造方法
WO2013125051A1 (ja) * 2012-02-22 2013-08-29 株式会社シンワ ガスを取り込んだ微細気泡混合液の製造装置
WO2013129245A1 (ja) * 2012-02-29 2013-09-06 サンスター技研株式会社 殺菌剤組成物

Patent Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07330502A (ja) * 1994-06-01 1995-12-19 Pola Chem Ind Inc 切り花の鮮度維持剤
JP2001089226A (ja) * 1999-09-16 2001-04-03 Reeben:Kk 汚水処理用セラミックボール、および、その製造方法。
JP2005000238A (ja) * 2003-06-09 2005-01-06 Hiromaito Co Ltd 殺菌剤水溶液充填容器の製造方法
WO2009031711A1 (ja) * 2007-09-05 2009-03-12 Shinwa Corporation 歯科ユニットのための洗浄水供給装置
JP2009072649A (ja) * 2007-09-18 2009-04-09 Univ Of Tokyo ナノバブル溶液、ナノバブル溶液を製造する方法及び装置、ナノバブル溶液の利用方法
JP2009297654A (ja) * 2008-06-13 2009-12-24 Keiyu:Kk 次亜塩素酸を含有する殺菌水の製造方法とその装置
JP2010005130A (ja) * 2008-06-26 2010-01-14 Shinwa:Kk 医療用洗浄水供給装置
JP2010115639A (ja) * 2008-10-18 2010-05-27 Viita Kk ペーハー調整方法および装置
JP2010254661A (ja) * 2009-04-27 2010-11-11 Hokuetsu:Kk 炭酸ガスが混合された微酸性電解水
JP2011173858A (ja) * 2009-12-03 2011-09-08 Tomita Pharmaceutical Co Ltd 次亜塩素酸系殺菌消毒剤、並びにその調製方法及び調製装置
JP2011224526A (ja) * 2010-04-19 2011-11-10 Masami Fujita 次亜塩素酸水の製造方法とその装置
JP2013017963A (ja) * 2011-07-12 2013-01-31 Bisansei Denkaisui Kenkyusho:Kk 殺菌水の製造装置および製造方法
WO2013125051A1 (ja) * 2012-02-22 2013-08-29 株式会社シンワ ガスを取り込んだ微細気泡混合液の製造装置
WO2013129245A1 (ja) * 2012-02-29 2013-09-06 サンスター技研株式会社 殺菌剤組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP6122139B2 (ja) 2017-04-26
CN105377770A (zh) 2016-03-02
WO2015071995A1 (ja) 2015-05-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6122139B2 (ja) 超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法及び使用方法
JP6051426B2 (ja) 浸透性に優れた殺菌剤、及び殺菌方法
KR102386583B1 (ko) 살균제 및 그 제조 방법
US20150119245A1 (en) Method for Producing Shelf Stable Hypochlorous Acid Solutions
JP6214855B2 (ja) 微細気泡含有の微酸性次亜塩素酸水、その製造方法及び使用方法
JP2007275089A (ja) 長期持続型オゾン水、長期持続型オゾン水を利用した環境殺菌・脱臭浄化方法
US20150044144A1 (en) Disinfectant solution
CN111569683A (zh) 一种高浓度长效臭氧纳米气泡水溶液及制备方法
KR101902457B1 (ko) 가온마이크로버블 탄산수로 처리된 과실 및 채소류, 가온마이크로버블 탄산수를 이용하여 과실 및 채소류를 처리하는 방법 및 마이크로버블 세척장치
US20160151525A1 (en) System and method for treatment of perishable goods with hydrogen-rich water
US10993448B2 (en) Method for sanitizing fresh produce
JP2017046648A (ja) 高濃度水素水を用いた生鮮食品の処理方法及び処理装置
JP6085560B2 (ja) カット野菜の製造方法
JP5030089B2 (ja) 除菌または除粒子による洗浄方法、およびそれに用いる装置
JPWO2018003087A1 (ja) 塩素系殺菌剤と微細気泡を組み合わせた殺菌剤、及び殺菌方法
KR101902452B1 (ko) 가온마이크로버블수로 처리된 과실 및 채소류, 가온마이크로버블수를 이용하여 과실 및 채소류를 처리하는 방법 및 마이크로버블 세척장치
WO2019187320A1 (ja) 食物の殺菌方法
WO2020122258A1 (ja) ラジカル水の製造方法、製造装置及びラジカル水
JP2003052796A (ja) 消毒方法
WO2008038744A1 (fr) Composition bactéricide
Gökmen et al. Current approaches in water-assisted systems for foodborne microbial inactivation: A review
JP6980272B2 (ja) 殺菌方法およびその装置
JP2017038528A (ja) 洗浄方法及び洗浄溶液
JP2020099291A (ja) 食品の殺菌方法及び殺菌装置
Nederhoff et al. Electrolysed water

Legal Events

Date Code Title Description
A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20161013

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161025

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170314

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170330

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6122139

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250