JP2010254661A - 炭酸ガスが混合された微酸性電解水 - Google Patents
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Abstract
【課題】微酸性電解水を利用して、緊急時の殺菌や、危険を避けるために離れた対象の殺菌、あるいは狭く、人が入り込むのが困難な場所の殺菌、あるいは複雑な形状の物品を効率よく殺菌する手段を提供すること。
【解決手段】課題を解決するために、ガスの圧力を利用した方法が目的に最適であること、中でも炭酸ガスは微酸性電解水と混合しても、微酸性電解水の殺菌力に影響しないことを確認し、加えて容易に入手可能であることから、炭酸ガスを利用し微酸性電解水を噴霧する方法を本課題の解決する手段とした。
【選択図】図1
【解決手段】課題を解決するために、ガスの圧力を利用した方法が目的に最適であること、中でも炭酸ガスは微酸性電解水と混合しても、微酸性電解水の殺菌力に影響しないことを確認し、加えて容易に入手可能であることから、炭酸ガスを利用し微酸性電解水を噴霧する方法を本課題の解決する手段とした。
【選択図】図1
Description
本発明は炭酸ガスが混合された微酸性電解水と、その混合物を噴出させうる器具に収容された炭酸ガスが混合された、又は混合されうる微酸性電解水に関する。より詳細には、緊急時等に汚染物を即座に殺菌するために殺菌効果を持つ微酸性電解水を、炭酸ガスの圧力で噴射させる技術に関する。
電解水とは、塩素イオン溶液を電気分解して調製される次亜塩素酸根を含んだ溶液で、殺菌作用を持つことから、近年殺菌を必要とする多くの場面で利用されるようになった。中でも稀塩酸を電気分解して調製される微酸性電解水はほぼ全ての微生物に有効である上に、安全性が高く、環境への影響が軽微であることや、塩を含まないことから、食品産業や医療介護分野での利用が進んでいる。
微酸性電解水の利用方法は、浸漬や通常の流水での洗浄のほか、ノズルからの噴射水やスプレー状態での使用、あるいは噴霧やマイクロミストでの使用等多岐に亘っている。
ところで、微酸性電解水の殺菌作用は極めて短時間で効果を示すことから、緊急時の殺菌や不活化にも最適である。特に人への害がないことから、直接人の体にかかるような使い方も可能である。緊急時の利用としては次のような例が挙げられる。つまり、試験機関などで毒性のある微生物の培養液を溢したり、人にかけたりした場合や、バイオテロなどで危険な微生物がまかれたり、あるいは伝染病患者の体液や吐しゃ物の処理である。
そのような状況においては、強力な殺菌力のある殺菌水で洗い流すことが効果的である。しかし、傍に近づいて処理することが危険な場合もあるので、離れた位置からでも効果的に殺菌水を利用できる方法も必要となる。そのような場合高圧ガスで殺菌水を噴出させる方法は安全でかつ効果的である。高圧ガスの中でも炭酸ガスは容易に入手可能で、また、既に炭酸ガスを使って液体を噴出させる器具も市販されており容易に入手可能である。
特許文献1には電解によって次亜塩素酸根と同時に炭酸ガスを発生させ、それにより電解水のpHを調整する方法が記載してある。又、特許文献2には、電解精製した電解水に、新たに炭酸ガスを加え、電解水のpHを調整する方法が記載してある。
特許文献1あるいは2に記載してある技術は、いずれも電解水に炭酸ガスを混入するものであるが、その目的は中和による電解水のpH調整である。
本発明者は、近年頻発する感染力の強い感染症や強毒性微生物を使ったバイオテロなどを見聞するにつけ、十分な対処方法がないことに強い危機感を感じていた。そして、それを解決するためには人に安全で、緊急時にすぐに利用できる殺菌方法が必要であるとの結論に至った。
また、本発明者は以前から、微酸性電解水を深く認知しており、それが安全でかつ殺菌力が強力であることも知っていた。そこで、微酸性電解水を利用して、緊急時の殺菌や、危険を避けるために離れた対象の殺菌、あるいは狭く、人が入り込むのが困難な場所の殺菌、あるいは複雑な形状の物品を効率よく殺菌する方法を提供することを本発明が解決しようとする課題とした。
本発明者は、課題を解決するために、ガスの圧力を利用した方法が目的に最適であること、中でも炭酸ガスは微酸性電解水と混合しても、微酸性電解水の殺菌力に影響しないことを確認し、加えて安全で容易に入手可能であることから、炭酸ガスを利用し微酸性電解水を噴霧する方法を本課題を解決する手段とするために以下の各態様を提供した。
まず、少なくとも炭酸ガスが過飽和状態で微酸性電解水と加圧混合されていれば、その炭酸ガスの圧力を利用して微酸性電解水を噴出することが可能であるので、炭酸ガスが過飽和状態に加圧混合された微酸性電解水を、本課題を解決するための第1の態様とした。
次に、いつでもどのような場所でも、微酸性電解水を勢いよく噴出することが可能なように、高圧炭酸ガスを収納した容器と微酸性電解水を収納した容器が配設され、炭酸ガスの圧力により、微酸性電解水と炭酸ガスの混合物を噴出可能なように構成された構成体を、本課題を解決するための第2の態様とした。
そして最後に、より簡易な形態で利用できるように、炭酸ガスが混合された微酸性電解水を噴出可能な器具に、過飽和量の炭酸ガスと混合され加圧封入されたことを特徴とする、炭酸ガスが過飽和状態に加圧混合された微酸性電解水を、本課題を解決するための第3の態様とした。
本発明の効果はまず、炭酸ガスが過飽和状態に加圧混合された微酸性電解水とすることにより、殺菌力の強い微酸性電解水の効力を阻害することなく、勢いよく噴出すること、及び炭酸ガスの泡の作用により、微酸性電解水が広く拡散され満遍なく対象に触れることにより、緊急時の殺菌や、危険を避けるために離れた対象の殺菌、あるいは狭く、人が入り込むのが困難な場所の殺菌、あるいは複雑な形状の物品を効率よく殺菌することを可能にした。
さらには、高圧炭酸ガスを収納した容器と微酸性電解水を収納した容器が配設され、炭酸ガスの圧力により、微酸性電解水と炭酸ガスの混合物を噴出可能なように構成された構成体とすることにより、既成の器具を利用しても簡単に微酸性電解水を噴出利用することを可能にした。
さらに又、炭酸ガスが混合された微酸性電解水を噴出可能な器具に、過飽和量の炭酸ガスと混合され加圧封入された、炭酸ガスが過飽和状態に加圧混合された微酸性電解水とすることにより、持ち運びや保存が容易になり、かつ安価に構成可能であるため、微酸性電解水の噴出利用を広く一般に利用可能とした。
次に本発明の理解をより一層深めるために具体例等を示して説明する。まず、微酸性電解水は既に公開されている技術によって生成すればよい。有効塩素濃度やpHも任意でよいが、色々な状況に対応し十分な殺菌効果を得るには有効塩素濃度は10ppm以上が好ましく、保存安定性の上ではpHは5以上が望ましい。
炭酸ガスは市販のもので十分であり、特別の純度は必要なく、一部酸素や窒素が含まれていても問題ない。過飽和状態にするには、少なくとも常圧以上の圧力下で混合封入すればよい。
高圧炭酸ガスを収納した容器としては携帯が可能な小型のボンベに充填された炭酸ガスが便利に利用できる。ボンベからの炭酸ガスの高速噴出による減圧吸引力または加圧力によって、微酸性電解水を収納した別の容器から微酸性電解水を噴出させ、炭酸ガスと一緒に噴射できる構造の器具であればどのようなものでも利用できる。微酸性電解水を収納する容器の内面は微酸性電解水の成分である分子状次亜塩素酸と反応しない物質で構成する必要があり、そのような物質としては合成樹脂皮膜が例示できる。
炭酸ガスが過飽和状態に加圧混合された微酸性電解水が封入された状態は、使い捨てのスプレー缶で実現可能である。缶に微酸性電解水を充てんした後で、炭酸ガスを圧入して密封するだけである。缶の内面は合成樹脂やガラス質あるいは不活性金属等で被覆する必要がある。
実施例を図1に示した模式図で説明する。炭酸ガスボンベ1からのガス導通管からの炭酸ガス導入管4は微酸性電解水容器に接続され、内部の微酸性電解水に加圧するようになっている。残りの炭酸ガスは噴出ノズル5から噴出するが、その時の流速によりノズルの一部が減圧され、その減圧と、分岐管4からの加圧によって微酸性電解水が抽出管3を通って噴出ノズルまで流出し、そこを流下する炭酸ガス流によって勢いよく噴出される。この容器を使って噴霧した微酸性電解水は約2m先まで届き十分な殺菌力を持っていた。
図2に示したのは他の実施例の模式図である。この例では炭酸ガスは炭酸ガス導入管によって専ら微酸性電解水容器に収容された微酸性電解水中に導入される。その圧力によって、炭酸ガスが混入された微酸性電解水は抽出管3から噴出ノズルから勢いよく噴出されるのである。この容器で、炭酸ガスと混合された微酸性電解水は2m先まで噴霧され十分な殺菌効果を維持していた。
使い捨てのスプレー缶に微酸性電解水を200ml充てんし、炭酸ガスを残留圧力30kPaになるように充填した。スプレー缶の内面は塩化ビニールでコーティングした。このスプレー缶に充填された微酸性電解水は約1m先まで噴霧可能で、7か月間殺菌能力を維持できた。
1 炭酸ガスボンベ
2 微酸性電解水容器
3 抽出管
4 炭酸ガス導入管
5 噴出ノズル
6 噴出弁
2 微酸性電解水容器
3 抽出管
4 炭酸ガス導入管
5 噴出ノズル
6 噴出弁
Claims (3)
- 炭酸ガスが過飽和状態に加圧混合された微酸性電解水
- 高圧炭酸ガスを収納した容器と微酸性電解水を収納した容器が配設され、前記炭酸ガスの圧力により、前記微酸性電解水と前記炭酸ガスの混合物を噴出可能なように構成された構成体
- 炭酸ガスが混合された微酸性電解水を噴出可能な器具に、過飽和量の炭酸ガスと混合され加圧封入されたことを特徴とする請求項1記載の、炭酸ガスが過飽和状態に加圧混合された微酸性電解水
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009124690A JP2010254661A (ja) | 2009-04-27 | 2009-04-27 | 炭酸ガスが混合された微酸性電解水 |
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JP (1) | JP2010254661A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2015071995A1 (ja) * | 2013-11-14 | 2017-03-09 | 古米 保 | 超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法及び使用方法 |
-
2009
- 2009-04-27 JP JP2009124690A patent/JP2010254661A/ja active Pending
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JPWO2015071995A1 (ja) * | 2013-11-14 | 2017-03-09 | 古米 保 | 超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法及び使用方法 |
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