JP2017046648A - 高濃度水素水を用いた生鮮食品の処理方法及び処理装置 - Google Patents

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健一郎 諏江
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Abstract

【課題】本発明は、生鮮食品の商品価値(例えば味、におい等)を損なうことなく、その鮮度を保持する方法を提供することを目的とする。【解決手段】生鮮食品の鮮度を保持するための処理方法であって、水素濃度が1.6ppm以上である高濃度水素水で処理することを含む生鮮食品の処理方法。【選択図】なし

Description

本発明は、生鮮食品の鮮度を保持するための処理方法及び処理装置に関する。
生鮮食品の鮮度保持技術としては、従来、次亜塩素酸ソーダや亜塩素酸ソーダの希釈液をシャワー状に噴射して殺菌処理する方法がよく知られている。しかし、生鮮食品中の一般細菌数を10の二乗以下に下げるには殺菌水に長時間浸漬しておく必要があり、食材が痛んでしまうという問題があった。また、次亜塩素酸ソーダは、100ppm以上の濃度になると微妙に塩素臭が残り、その結果商品性が損なわれるという問題を有していた。
一方で、カット野菜及びカット果実の商品性を損なう最大の原因である変色は、酵素の酸化反応によるものであり、上記のような塩素酸加工物等による殺菌処理ではこれを抑制する効果は乏しい。カット野菜やカット果実、特にカットされたリンゴの変色問題を解決する手段として、食塩水に浸漬する方法が従来からよく知られている。しかし、食塩水に浸漬することで味・においが変質するため商品性が損なわれるという問題を有していた。
上記問題を解決するための手段として、特許文献1には、水の電気分解によって生成した水素と酸素の混成ガスを水に曝気して得られる電磁活性水に生鮮食品を浸漬または霧状に塗付することにより、それらの風味を変えずに鮮度を保持する方法が提案されている。
国際公開第2007/77912号パンフレット
食品加工等に用いる添加物や、食品への残留化学物質に対する消費者の関心は高まってきており、消費者がより安心して購買できる食品を提供するためには、上記のような塩素酸化合物等の使用量や残留量を極力低減させることが重要な課題となっている。
特許文献1に記載された電磁活性水を用いる方法は、鮮度保持効果が不十分であり、また電磁活性水に含まれる酸素によって生鮮食品の変色を促進させてしまうという問題がある。
本発明では、これらの課題を解決するため水素を用いることに注目した。水素は優れた還元性能を有しており、水に溶解させた水素水は、無味・無臭で、且つ人体に無害であり、体内に取り込むことで抗酸化作用を及ぼすことが知られている。しかし水素の水に対する溶解度は非常に低く、飽和水素水とした場合でも十分な抗酸化性能は得にくかった。
上記事情に鑑み、本発明は、生鮮食品の商品価値(例えば味、におい等)を損なうことなく、その鮮度を保持する方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、当該方法により生鮮食品を処理する処理装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、優れた還元作用を持ち、無害且つ無味、無臭である水素水に着目し、水素濃度が1.6ppm以上である高濃度水素水を用いて生鮮食品を処理することで、生鮮食品に優れた鮮度保持効果を付与することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
生鮮食品の鮮度を保持するための処理方法であって、水素濃度が1.6ppm以上である高濃度水素水で処理することを含む生鮮食品の処理方法。
[2]
前記高濃度水素水はミネラル成分をさらに含む、上記[1]記載の処理方法。
[3]
前記高濃度水素水は、酸素、オゾン、二酸化炭素、窒素及び塩素からなる群から選択される1種以上のガスをさらに水中に溶存して含む、上記[1]又は[2]記載の処理方法。
[4]
前記高濃度水素水によって処理した後の前記生鮮食品の表面の塩分(NaCl)濃度が1000ppm未満である、上記[1]〜[3]のいずれか記載の処理方法。
[5]
前記生鮮食品はカット処理されたものである、上記[1]〜[4]のいずれか記載の処理方法。
[6]
浸漬又はシャワー状散布方式を用いる、上記[1]〜[5]のいずれか記載の処理方法。
[7]
生鮮食品の鮮度を保持するための処理装置であって、
水素濃度が1.6ppm以上の高濃度水素水を生成する水素水生成部と、
前記高濃度水素水にて生鮮食品を処理する処理部と、
を含む、生鮮食品の処理装置。
[8]
前記水素水生成部は、前記高濃度水素水を常時生成することのできる装置又は機構である、上記[7]記載の処理装置。
[9]
前記処理部は、前記高濃度水素水生成後、得られた高濃度水素水を直ちに生鮮食品に処理することのできる装置又は機構である、上記[7]又は[8]記載の処理装置。
本発明による生鮮食品の処理方法によれば、生鮮食品の商品価値(例えば味・におい等)を損なうことなく、鮮度を保持することが可能である。
本実施形態の処理装置の一例の模式図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右などの位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
[処理方法]
本実施形態の生鮮食品の鮮度を保持するための処理方法は、水素濃度が1.6ppm以上である高濃度水素水で処理することを含む処理方法である。
本実施形態の生鮮食品の処理方法によれば、生鮮食品の商品価値(例えば味・におい等)を損なうことなく、長期間に亘って鮮度を保持することが可能となる。また、本実施形態の処理方法は、生鮮食品の処理時間は短く、しかも処理後の水洗が不要であるため、コスト削減効果が大きい。
本実施形態の生鮮食品の処理方法においては、水素濃度が1.6ppm以上である高濃度水素水を用いる。水素濃度が1.6ppm未満であると、生鮮食品の抗酸化作用が低いため、十分な鮮度保持効果が得られなくなる。高濃度水素水の水素濃度は、さらに優れた鮮度保持効果を得る観点から、好ましくは3ppm以上であり、より好ましくは7ppm以上である。
高濃度水素水の水素濃度は、MiZ(株)社製の溶存水素判定試薬で測定することができる。
高濃度水素水は、例えば、水素ガスを高圧条件として水中へ溶解させる高圧充填方式や、水素ガスをマイクロバブル又はナノバブルとして水中に溶解させる方式によって製造することができるが、これらに限定されるものではない。中でも、水素ガスをマイクロバブル又はナノバブルとして水中へ溶解させる方式で製造された高濃度水素水は、水素が長時間に亘り安定して水中に溶存しやすくなる傾向にあるため好ましい。
水素ガスの供給については、既知の方法を用いればよく、例えば、水素ガスを高圧充填した水素ボンベから供給したり、水の電気分解により発生した水素を用いる等の方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
水素は爆発性のガスであるため、安全面に留意して別の不活性ガスとの混合ガスとして供給しても構わない。その場合、混合ガス中の水素ガス濃度は4容量%以下であると爆発限界濃度以下となるため好ましい。また、不活性ガスとしては窒素を用いることができるが、これに限定されない。
マイクロバブル又はナノバブルの発生方法及び発生装置については、既知の方法及び装置を用いることができ、例えば、エジェクター方式、ベンチュリ管式、ナノ多孔質フィルム法、超音波方式、二重旋回流方式等が挙げられる。中でも、二重旋回流方式は、マイクロバブル又はナノバブルを多量に発生できる傾向にあるため好ましい。
マイクロバブル又はナノバブルにより高濃度水素水を製造するために用いる溶媒水には、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム等のミネラル成分が含まれていてもよい。また、溶媒水には、バブルの合一化を防ぎ、より高濃度のマイクロバブル又はナノバブルを生成できる観点から、少量の電解質や糖成分が含まれていてもよい。上記溶媒水としては、例えば、硬水、淡水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、酸化電位水、還元電位水、リンゲル液等が挙げられる。中でも硬水は、マイクロバブル生成に有利であり、且つ生鮮食品の食味を損なわない傾向にあるため好ましい。
高濃度水素水には、水素以外の他のガスが溶存していてもよい。溶存するガスとしては、特に限定されず、例えば、酸素、オゾン、二酸化炭素、窒素、塩素等が挙げられ、これらが複数同時に溶存していてもよい。これらのガスが溶存している場合、生鮮食品に付着する菌類の殺菌作用や、生鮮食品の活性化作用を付与して、高濃度水素水の鮮度保持効果をより高めることができる傾向にある。
本実施形態において、生鮮食品とは、例えば、野菜、果実、精肉、鮮魚等のことを言う。野菜、果実、鮮魚については、未処理のものだけでなく、カット処理したものも含まれる。生鮮食品は品質の劣化が早く、貯蔵が難しい。特にカット処理された生鮮食品は未処理のものに比べて劣化が早いので、本実施形態における生鮮食品の処理方法を適用することにより、より高い鮮度保持効果を発揮する傾向にある。
高濃度水素水にて生鮮食品を処理する方法としては、特に限定されず、例えば、浸漬、霧状散布、シャワー状散布、塗付等の方式が挙げられる。中でも、浸漬又はシャワー状散布方式は、生鮮食品の洗浄も同時に行えるため好ましい。
高濃度水素水による処理時間は、適用する方式によって異なるが、例えば、浸漬 方式によって処理した場合、好ましくは10〜300秒であり、より好ましくは60〜300秒であり、さらに好ましくは60〜120秒である。処理時間が上記範囲であると、鮮度保持効果が十分に発揮され、且つ生鮮食品の味や栄養成分の溶出を最小限に防ぐことができる傾向にある。
[処理装置]
本実施形態における生鮮食品の鮮度を保持するための処理装置は、
水素濃度が1.6ppm以上の高濃度水素水を生成する水素水生成部と、
前記高濃度水素水にて生鮮食品を処理する処理部と、
を含む処理装置である。
本実施形態における処理装置は、少なくとも水素濃度が1.6ppm以上の高濃度水素水を生成する水素水生成部と、前記高濃度水素水にて生鮮食品を処理する処理部と、を含み、さらに、生鮮食品を搬送する搬送部を含んでいてもよい。搬送部としては、特に限定されず、例えば、コンベアー等が挙げられる。
本実施形態の処理装置における水素水生成部とは、高濃度の水素水を製造できる装置や機構を有していれば特に限定されず、例えば、水素ガスを高圧条件として水中へ溶解させる高圧充填方式や、水素ガスをマイクロバブル又はナノバブルとして水中に溶解させる方式を用いた装置等が挙げられる。中でも、水素ガスをマイクロバブル又はナノバブルとして水中に溶解させる方式を用いた装置は、溶存水素濃度が安定した水素水を常時供給することができる傾向にあるため好ましい。
本実施形態の処理装置における処理部とは、生鮮食品を高濃度水素水で処理することのできる装置や機構を有していれば特に限定されず、例えば、生鮮食品を浸漬するためのプールや、生鮮食品に対して霧状散布、シャワー状散布又は塗付処理することのできる装置等が挙げられる。中でも、生鮮食品の表面をムラなく処理できる観点から、プール浸漬方式が好ましい。
高濃度水素水は、時間の経過や外的な衝撃により水素が気体となって脱離しやすいため、より良好な鮮度保持効果を得る観点からは、水素水生成部により高濃度水素水生成後、得られた高濃度水素水を直ちに生鮮食品に処理することが好ましい。
処理部は、生鮮食品を連続的に処理することが可能となるため、コンベアー等の搬送部の途中に設けることが好ましい。
処理装置には、生鮮食品の殺菌処理を行う殺菌処理部をさらに設けてもよい。殺菌処理部による殺菌処理は、処理部による高濃度水素水処理の前又は後のどちらでもよく、高濃度水素水処理と同時であってもよい。
殺菌処理としては、特に限定されず、例えば、紫外線殺菌、オゾン殺菌、塩素酸加工物による殺菌等が挙げられ、中でも、生鮮食品の食味変化を伴わず、更に殺菌後の洗浄工程も不要となる傾向にあるため、紫外線殺菌及びオゾン殺菌が好ましい。
処理装置には、生鮮食品の乾燥を行う乾燥部をさらに設けてもよい。乾燥部による乾燥としては、特に限定されず、例えば、送風乾燥やヒーター乾燥等が挙げられ、中でも、生鮮食品のみずみずしさ保持の観点から、送風乾燥が好ましい。乾燥は、残留水からの菌類培養を防止する観点から、全工程の最後に行うことが好ましい。
本実施形態における処理方法又は処理装置によって処理された生鮮食品の表面の塩分(NaCl)濃度は、1000ppm未満であることが好ましい。ここで生鮮食品の「表面」には、クチクラ層の他に、表皮、亜表皮等が含まれる。塩分濃度が1000ppm未満である場合、食味はほとんど変化しない傾向にある。塩分濃度は、食味への影響を小さくする観点から、より好ましくは500ppm以下であり、さらに好ましくは100ppm以下である。
塩分濃度は、生鮮食品100gを25℃の水100gに10分間浸漬させた時に水中に抽出された塩分濃度を測定することで求められる。塩分濃度の測定方法としては、既知の方法を用いることができ、例えば、硝酸銀による滴定法や吸光光度法等により測定することができる。
本実施形態における処理方法又は処理装置によって優れた鮮度保持効果を付与された生鮮食品は、その鮮度保持効果を最大限に生かす観点から、包装して流通及び販売されることが好ましい。生鮮食品の包装は、一般的に、その大きさや形状、種類に応じて包装形態が適宜選択される。包装形態としては、例えば、バッグ包装、トレーパック包装、オーバーラップ包装等が挙げられる。
生鮮食品の包装においては、鮮度保持効果をより長く維持する観点から、包装体の内部に水素水を内包させてもよい。通常、水が直接生鮮食品に常時接触すると生鮮食品の鮮度が劣化する傾向にあるため、水素水を内包する場合は、生鮮食品との接触を避けることが好ましい。
包装体の内部に水素水を内包する方法としては、特に限定されず、例えば、吸水性物質に水素水を担持させて内包する方法や、水素水で満たされた底面の上にスノコを敷き、さらにその上に生鮮食品を載せる方法等が挙げられる。吸水性物質としては、特に限定されず、例えば、不織布、ゼオライト、多孔質物質等が挙げられる。これらの吸水性物質は、生鮮食品に接触していても、非接触であってもよいが、鮮度保持効果の観点から、接触している方が好ましい。
生鮮食品の包装においては、鮮度保持効果をより長く維持する観点から、包装体の内部を窒素ガスや二酸化炭素ガス又はその混合ガスに置換した、ガスパック包装形態としてもよい。ガスパック包装形態にする場合は、置換した内部ガスが包装体の外部に漏れないようにするために、ガスバリア性のフィルムからなるバッグやラップを選定することが好ましい。ガスバリア性のフィルムとしては、既知のものを用いることができ、例えば、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレン−ポリビニルアルコール共重合体樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
以下、実施例により本実施の形態を詳細に説明するが、本実施の形態はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例及び比較例で得られた生鮮食品の評価方法は以下のとおりである。
水素水により処理された生鮮食品を旭化成ホームプロダクツ(株)社製のジップロックコンテナー角型大(容積946mL)に入れ、フタをした状態で保存し、保存後の生鮮食品について色調変化、におい変化、味覚変化を下記のとおりに評価した。なお、下記で言う「処理前」とは、水素水による処理の前を意味している。
[色調変化]
保存後の生鮮食品の色調について、目視評価した。
<評価基準>
◎:処理前に比べて色調に変化が認められない。
〇:処理前に比べて色調に変化が若干認められる。
×:処理前に比べて色調に明らかな変化が認められる。
[におい変化]
保存後の生鮮食品のにおいについて、官能評価した。
<評価基準>
◎:処理前に比べてにおいに変化が認められない。
〇:処理前に比べてにおいに変化が若干認められる。
×:処理前に比べてにおいに明らかな変化が認められる。
[味覚変化]
保存後の生鮮食品の味について、官能評価した。
<評価基準>
◎:処理前に比べて味に変化が認められない。
〇:処理前に比べて味に変化が若干認められる。
×:処理前に比べて味に明らかな変化が認められる。
次に、溶存水素濃度及び表面塩分濃度の測定方法について説明する。
[溶存水素濃度]
MiZ(株)社製の「溶存水素濃度判定試薬」キットを用いて測定した。
[生鮮食品の表面塩分濃度]
生鮮食品100gを25℃の水100gに10分間浸漬させた後に生鮮食品を取り除き、残留水中の塩分濃度を京都電子工業(株)社製の電位差自動滴定装置AT−710を用いて測定した。
各実施例及び比較例についての詳細を以下に述べる。
[実施例1〜3]
水道水及びMiZ(株)社製の「アキュエラ水素水7.0」を用いて溶存水素濃度5.0ppmの高濃度水素水を1.0リットル得て、それをガラス容器(容量1.8リットル)に貯水した。
次いで、市販の青森県産のリンゴ(ふじ)の皮を剥き、8等分して、芯を取り除いたものを用意した。このカットリンゴを、高濃度水素水が貯水されたガラス容器に浸漬してから取り出し、保存容器(ジップロック角大)に入れ、日立製冷蔵庫(RG5700E)の野菜室(庫内温度6℃)で5時間保管した。浸漬時間は表1に示したとおりである。
保存後のカットリンゴの色調変化は少なく、におい及び味は処理前とほとんど変わらなかった。
[実施例4〜6]
実施例1と同じ方法で得た溶存水素濃度5.0ppmの高濃度水素水0.5リットルに、水道水0.5リットルを加えて希釈することにより、溶存水素濃度1.7ppmの高濃度水素水を1.0リットル得た。カットリンゴを高濃度水素水が貯水されたガラス容器に浸漬してから取り出し、保存容器(ジップロック角大)に入れ、日立製冷蔵庫(RG5700E)の野菜室(庫内温度6℃)で5時間保管した。浸漬時間は表1に示したとおりである。
保存後のカットリンゴの色調変化は少なく、におい及び味は処理前とほとんど変わらなかった。
[実施例7]
図1に示す生鮮食品処理装置100を用いて、高濃度水素水による生鮮食品の処理を行った。
水槽1(容量50リットル)に水道水を30リットル貯水し、この水槽中に図1に示すとおり水中ポンプ2及び二重旋回流方式のマイクロバブル発生装置3(大巧技研(有)社製 eco−Bubble−1S)を取り付けた。このマイクロバブル発生装置に水槽からの循環水供給配管4及び水素ガス供給配管5を接続し、この水素ガス供給配管と水素ガスボンベの間に負圧調整用コック付きの負圧計6を取付け、所定の負圧になるようにこの負圧調整用コックの開度を調整した状態で、水中ポンプを15分間起動することにより溶存水素濃度が1.8ppmの高濃度水素水を得た。
次いで、カットリンゴを高濃度水素水が貯水された水槽中に浸漬してから取り出し、保存容器(ジップロック角大)に入れ、日立製冷蔵庫(RG5700E)の野菜室(庫内温度6℃)で5時間保管した。浸漬時間は表1に示したとおりである。
保存後のカットリンゴの色調変化は少なく、におい及び味は処理前とほとんど変わらなかった。
[実施例8]
水道水を、硬度304mg/Lの硬水としたこと以外は実施例7と同様の方法で、溶存水素濃度が3.5ppmの高濃度水素水を得た。
次いで、カットリンゴを前記高濃度水素水が貯水された水槽中に浸漬してから取り出し、保存容器(ジップロック角大)に入れ、日立製冷蔵庫(RG5700E)の野菜室(庫内温度6℃)で5時間保管した。浸漬時間は表1に示したとおりである。
保存後のカットリンゴの色調変化は少なく、におい及び味は処理前とほとんど変わらなかった。
[実施例9]
水道水を、濃度500ppmの食塩水としたこと以外は実施例7と同様の方法で、溶存水素濃度が2.7ppmの高濃度水素水を得た。
次いで、カットリンゴを前記高濃度水素水が貯水された水槽中に浸漬してから取り出し、保存容器(ジップロック角大)に入れ、日立製冷蔵庫(RG5700E)の野菜室(庫内温度6℃)で5時間保管した。浸漬時間は表1に示したとおりである。表面塩分濃度は280ppmであった。
保存後のカットリンゴの色調変化は少なく、におい及び味は処理前とほとんど変わらなかった。
[実施例10]
食塩水の濃度を1000ppmとしたこと以外は実施例9と同様の方法で、溶存水素濃度が3.3ppmの高濃度水素水を得た。
次いで、カットリンゴを前記高濃度水素水が貯水された水槽中に浸漬してから取り出し、保存容器(ジップロック角大)に入れ、日立製冷蔵庫(RG5700E)の野菜室(庫内温度6℃)で5時間保管した。浸漬時間は表1に示したとおりである。表面塩分濃度は640ppmであった。
保存後のカットリンゴは味が若干変化したが色調変化は少なく、においも処理前とほとんど変わらなかった。
[比較例1〜3]
実施例1と同様の方法で得た溶存水素濃度5.0ppmの高濃度水素水0.5リットルに、水道水1.0リットルを加えて希釈することにより、溶存水素濃度1.1ppmの水素水を1.5リットル得た。この水素水を用いて、実施例1と同様の方法によりカットリンゴを水素水が貯水されたガラス容器に浸漬してから取り出し、保存容器(ジップロック角大)に入れ、日立製冷蔵庫(RG5700E)の野菜室(庫内温度6℃)で5時間保管した。浸漬時間は表1に示したとおりである。
保存後のカットリンゴのにおい及び味は処理前とほとんど変わらなかったが、色調変化は大きかった。
[実施例11、12]
茨城県産のキャベツをピーラーにて千切りしたカットキャベツを用意し、実施例7と同様の方法により溶存水素濃度が1.8ppmの高濃度水素水30リットル中に浸漬してから取り出し、保存容器(ジップロック角大)に入れ、日立製冷蔵庫(RG5700E)の野菜室(庫内温度6℃)で24時間保管した。浸漬時間は表1に示したとおりである。
保存後のカットキャベツの色調変化は少なく、におい及び味は処理前とほとんど変わらなかった。
[比較例4、5]
比較例1と同様の方法で得た溶存水素濃度1.1ppmの水素水1.5リットルをガラス容器に貯水し、カットキャベツを浸漬してから取り出し、保存容器(ジップロック角大)に入れ、日立製冷蔵庫(RG5700E)の野菜室(庫内温度6℃)で24時間保管した。浸漬時間は表1に示したとおりである。
保存後のカットキャベツの色調、におい及び味が処理前に比べて変化した。
各実施例及び比較例の測定条件及び測定結果を以下の表1〜5に纏めた。
上記表1〜5の結果から明らかなように、本実施形態の高濃度水素を用いて処理された生鮮食品は、色調、におい、味覚に変化が認められない、或いは認められたとしても軽微であり、良好な鮮度保持効果が付与されていることが分かる。
本実施形態の処理方法は、生鮮食品の味やにおいを損なうことなく鮮度保持期間を延長できるため、生鮮食品を鮮度保持処理する分野で好適に利用できる。
1:水槽
2:水中ポンプ
3:マイクロバブル発生装置
4:循環水供給配管
5:水素ガス供給配管
6:負圧調整用コック付き負圧計
100:生鮮食品処理装置

Claims (9)

  1. 生鮮食品の鮮度を保持するための処理方法であって、水素濃度が1.6ppm以上である高濃度水素水で処理することを含む生鮮食品の処理方法。
  2. 前記高濃度水素水はミネラル成分をさらに含む、請求項1記載の処理方法。
  3. 前記高濃度水素水は、酸素、オゾン、二酸化炭素、窒素及び塩素からなる群から選択される1種以上のガスをさらに水中に溶存して含む、請求項1又は2記載の処理方法。
  4. 前記高濃度水素水によって処理した後の前記生鮮食品の表面の塩分(NaCl)濃度が1000ppm未満である、請求項1〜3のいずれか1項記載の処理方法。
  5. 前記生鮮食品はカット処理されたものである、請求項1〜4のいずれか1項記載の処理方法。
  6. 浸漬又はシャワー状散布方式を用いる、請求項1〜5のいずれか1項記載の処理方法。
  7. 生鮮食品の鮮度を保持するための処理装置であって、
    水素濃度が1.6ppm以上の高濃度水素水を生成する水素水生成部と、
    前記高濃度水素水にて生鮮食品を処理する処理部と、
    を含む、生鮮食品の処理装置。
  8. 前記水素水生成部は、前記高濃度水素水を常時生成することのできる装置又は機構である、請求項7記載の処理装置。
  9. 前記処理部は、前記高濃度水素水生成後、得られた高濃度水素水を直ちに生鮮食品に処理することのできる装置又は機構である、請求項7又は8記載の処理装置。
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