JPWO2015068454A1 - 有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、基板や無機材料膜に対する濡れ性、及び、塗布膜の平坦性に優れる有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤を提供することを目的とする。本発明は、カチオン硬化性樹脂とカチオン重合開始剤とを含有する有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤であって、前記カチオン硬化性樹脂は、下記式(1−1)で表される化合物及び/又は下記式(1−2)で表される化合物と、水添ビスフェノール骨格を有する化合物とを含有する有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤である。式(1−1)中、R1は、水素、又は、炭素数1〜20のアルキル基であり、R2は、主鎖の炭素数が4以上である炭素数4〜20のアルキル基である。式(1−2)中、R3は、主鎖の炭素数が4以上である炭素数4〜20のアルキル基である。[化1]

Description

本発明は、基板や無機材料膜に対する濡れ性、及び、塗布膜の平坦性に優れる有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELともいう)表示素子は、互いに対向する一対の電極間に有機発光材料層が挟持された積層体構造を有し、この有機発光材料層に一方の電極から電子が注入されるとともに他方の電極から正孔が注入されることにより有機発光材料層内で電子と正孔とが結合して発光する。このように有機EL表示素子は自己発光を行うことから、バックライトを必要とする液晶表示素子等と比較して視認性がよく、薄型化が可能であり、しかも直流低電圧駆動が可能であるという利点を有している。
特許文献1には、有機EL表示素子の有機発光材料層と電極とを、CVD法により形成した樹脂膜と、窒化珪素膜との積層膜により封止する方法が開示されている。ここで樹脂膜は、窒化珪素膜の内部応力による有機層や電極への圧迫を防止する役割を有する。
特許文献1に開示された窒化珪素膜で封止を行う方法では、有機薄膜素子の表面の凹凸や異物の付着、内部応力によるクラックの発生等により、窒化珪素膜を形成する際に有機薄膜素子を完全に被覆できないことがある。窒化珪素膜による被覆が不完全であると、水分が窒化珪素膜を通して有機層内に浸入してしまう。
有機層内への水分の浸入を防止するための方法として、特許文献2には、無機材料膜と樹脂膜とを交互に蒸着する方法が開示されており、特許文献3や特許文献4には、無機材料膜上に樹脂膜を形成する方法が開示されている。
無機材料膜上に樹脂膜を形成する方法として、特許文献5には、樹脂組成物を無機材料膜上に塗布する方法が開示されている。しかしながら、特に、厚さ20μm以下の樹脂膜を形成する場合、塗布膜にピンホールが発生しやすくなり、得られた樹脂膜が有機発光材料層への水分の浸入を充分に防止できないという問題があった。
特開2000−223264号公報 特表2005−522891号公報 特開2001−307873号公報 特開2008−149710号公報 特開2012−190612号公報
本発明は、基板や無機材料膜に対する濡れ性、及び、塗布膜の平坦性に優れる有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤を提供することを目的とする。
本発明は、カチオン硬化性樹脂とカチオン重合開始剤とを含有する有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤であって、上記カチオン硬化性樹脂は、下記式(1−1)で表される化合物及び/又は下記式(1−2)で表される化合物と、水添ビスフェノール骨格を有する化合物とを含有する有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤である。
Figure 2015068454
式(1−1)中、Rは、水素、又は、炭素数1〜20のアルキル基であり、Rは、主鎖の炭素数が4以上である炭素数4〜20のアルキル基である。式(1−2)中、Rは、主鎖の炭素数が4以上である炭素数4〜20のアルキル基である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、塗布膜への水分の浸入を充分に防止すること等を目的として、従来用いられてきたアクリル樹脂に代えてエポキシ樹脂やオキセタニル樹脂等のカチオン硬化性樹脂を用いることを検討した。しかしながら、このようなカチオン硬化性樹脂は、基板や無機材料膜に対する濡れ性が悪く、塗布膜が平坦性に劣るものとなり、その結果、有機EL表示素子の耐湿性が低下することがあるという問題があり、特にスクリーン印刷法等の印刷方式によって塗布した場合、この問題が顕著であった。
そこで本発明者らは、カチオン硬化性樹脂のなかでも、特定の化合物を組み合わせて用いることにより、基板や無機材料膜に対する濡れ性、及び、塗布膜の平坦性に優れる有機EL表示素子用封止剤を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明の有機EL表示素子用封止剤は、スクリーン印刷法等の印刷方式によって基板や無機材料膜上に塗布する場合でも平坦性に優れる塗布膜を形成できる。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、カチオン硬化性樹脂を含有する。
上記カチオン硬化性樹脂は、上記式(1−1)で表される化合物及び/又は上記式(1−2)で表される化合物を含有する。
上記式(1−1)で表される化合物及び/又は上記式(1−2)で表される化合物を含有することにより、本発明の有機EL表示素子用封止剤は、基板や無機材料膜に対する濡れ性に優れるものとなる。
上記式(1−1)におけるR、及び、上記式(1−2)におけるRで表されるアルキル基の主鎖の炭素数の下限は4である。上記R及び上記Rで表されるアルキル基の主鎖の炭素数が3以下であると、得られる有機EL表示素子用封止剤が、基板や無機材料膜に対する濡れ性に劣るものとなることがある。上記R及び上記Rで表されるアルキル基の主鎖の炭素数の好ましい下限は6である。
また、塗布性の観点から、上記R及び上記Rで表されるアルキル基の主鎖の炭素数の好ましい上限は20、より好ましい上限は16である。
なお、本明細書において、上記R及び上記Rにおける「アルキル基の主鎖」とは、上記R及び上記Rにおいて、上記Rや上記Rと隣り合う酸素原子と結合している炭素原子を起点として炭素数が最大となる幹を意味する。
上記R及び上記Rで表されるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよいが、得られる有機EL表示素子用封止剤の基板や無機材料膜に対する濡れ性を向上させる効果に優れることから、分岐鎖状であることが好ましい。
上記式(1−1)で表される化合物及び/又は上記式(1−2)で表される化合物は、得られる有機EL表示素子用封止剤の基板や無機材料膜に対する濡れ性を向上させる効果に優れることから、下記式(2−1)で表される化合物及び/又は下記式(2−2)で表される化合物であることがより好ましく、下記式(2−1)で表される化合物であることが更に好ましい。
Figure 2015068454
上記式(1−1)又は(1−2)で表される構造を有する化合物の含有量は、上記カチオン硬化性樹脂全体100重量部に対して、好ましい下限が1重量部、好ましい上限が20重量部である。上記式(1−1)又は(1−2)で表される構造を有する化合物の含有量が1重量部未満であると、得られる有機EL表示素子用封止剤が基板や無機材料膜に対する濡れ性に劣るものとなることがある。上記式(1−1)又は(1−2)で表される構造を有する化合物の含有量が20重量部を超えると、得られる有機EL表示素子用封止剤が塗布性に劣るものとなることがある。上記式(1−1)又は(1−2)で表される構造を有する化合物の含有量のより好ましい下限は2重量部、より好ましい上限は10重量部である。
上記カチオン硬化性樹脂は、水添ビスフェノール骨格を有する化合物を含有する。
上記水添ビスフェノール骨格を有する化合物は、基板や無機材料膜に対する濡れ性を悪化させることなく、有機EL表示素子用封止剤の硬化性や基板や無機材料膜に対する接着性を向上させたり、粘度調整を容易にしたりする役割を有する。
上記水添ビスフェノール骨格を有する化合物は、水添ビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂であることが好ましく、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又は水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂であることがより好ましい。
上記水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、下記式(3)で表される化合物が挙げられ、上記水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、下記式(4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2015068454
式(3)中、nは0〜100の整数を表す。
Figure 2015068454
式(4)中、mは0〜100の整数を表す。
上記水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YX−8000(三菱化学社製、エポキシ当量205g/eq)、YX−8034(三菱化学社製、エポキシ当量290g/eq)、YX−8040(三菱化学社製、エポキシ当量1200g/eq)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER1750(三菱化学社製、エポキシ当量170g/eq)、YL−6753(三菱化学社製、エポキシ当量180g/eq)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂のエポキシ当量の好ましい下限は150g/eq、好ましい上限は1200g/eqである。上記エポキシ当量が上記範囲であることにより、得られる有機EL表示素子用封止剤は、基板や無機材料膜に対する接着性に優れるものとなる。上記エポキシ当量のより好ましい下限は180g/eq、より好ましい上限は1000g/eqである。
なお、上記「エポキシ当量」は、(エポキシ樹脂の分子量)/(エポキシ樹脂1分子中のエポキシ基の数)を意味する。
上記水添ビスフェノール骨格を有する化合物の含有量は特に限定されないが、上記カチオン硬化性樹脂全体100重量部に対して、好ましい下限は5重量部、好ましい上限は80重量部である。上記水添ビスフェノール骨格を有する化合物の含有量が5重量部未満であると、得られる有機EL表示素子用封止剤が塗布性に劣るものとなることがある。上記水添ビスフェノール骨格を有する化合物の含有量が80重量部を超えると、得られる有機EL表示素子用封止剤が、基板や無機材料膜に対する濡れ性に劣るものとなることがある。上記水添ビスフェノール骨格を有する化合物の含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は70重量部である。
上記カチオン硬化性樹脂は、本発明の目的を阻害しない範囲において、上記式(1−1)で表される化合物及び/又は上記式(1−2)で表される化合物や上記水添ビスフェノール骨格を有する化合物以外のその他のカチオン硬化性樹脂を含有してもよい。
上記その他のカチオン硬化性樹脂としては、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、ジ(1−エチル(3−オキセタニル))メチルエーテル等のその他のオキセタン化合物や、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のその他のエポキシ化合物等が挙げられる。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、カチオン重合開始剤を含有する。
上記カチオン重合開始剤としては、加熱によりプロトン酸又はルイス酸を発生する熱カチオン重合開始剤、光照射によりプロトン酸又はルイス酸を発生する光カチオン重合開始剤等が挙げられる。
上記熱カチオン重合開始剤としては、例えば、SbF系のアデカオプトンCP−66、CP−77(いずれも、ADEKA社製)等が挙げられる。
また、熱活性だけでなく光活性も有している熱カチオン重合開始剤として、例えば、SbF系又はPF系のサンエイドSIシリーズ(三新化学工業社製)や、B(PhF等のボレート系等が挙げられる。
これらの市販されている熱カチオン重合開始剤の中でも、得られる有機EL表示素子用封止剤の硬化反応を100℃以下で進行させることができることから、サンエイドSIシリーズの芳香族スルホニウム塩であり、SbF系カチオン重合開始剤であるサンエイドSI−60を用いることが好ましい。また、貯蔵安定性や硬化性能の面から、ボレート系カチオン重合開始剤であるCXC−1821(King Industries社製)も好ましい。
これらの熱カチオン重合開始剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記光カチオン重合開始剤は、イオン性光カチオン重合開始剤であってもよいし、非イオン性光カチオン重合開始剤であってもよい。
上記イオン性光カチオン重合開始剤としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩等が挙げられる。
上記ヨードニウム塩としては、例えば、(トリルクミル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
上記スルホニウム塩としては、例えば、ジフェニル−4−チオフェニルスルホニウム−ヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。
上記非イオン性光カチオン重合開始剤としては、例えば、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミドスホナート等が挙げられる。
これらの光カチオン重合開始剤のなかでも、ジフェニル−4−チオフェニルスルホニウム−ヘキサフルオロアンチモネートが好ましい。
これらの光カチオン重合開始剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記光カチオン重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、RP2074(ローディア社製)、アデカオプトマーSP−170(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記カチオン重合開始剤の含有量は、上記カチオン硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.5重量部、好ましい上限が5重量部である。上記カチオン重合開始剤の含有量が0.5重量部以上であることにより、得られる有機EL表示素子用封止剤の硬化反応を充分に進行させることができる。上記カチオン重合開始剤の含有量が5重量部以下であることにより、得られる有機EL表示素子用封止剤の硬化物の着色や、発生する酸による基板等の劣化を抑制することができる。上記カチオン重合開始剤の含有量のより好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は3重量部である。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、表面改質剤を含有することが好ましい。上記表面改質剤を含有することにより、本発明の有機EL表示素子用封止剤の塗布後の平坦性を更に向上させることができる。
上記表面改質剤としては、例えば、界面活性剤やレベリング剤等が挙げられる。
上記表面改質剤としては、例えば、シリコーン系、アクリル系、フッ素系等のものが挙げられる。なかでも、シリコーン系のものが好ましく、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンがより好ましく、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンが更に好ましい。
上記表面改質剤のうち市販されているものとしては、例えば、BYK−354、BYK−300、BYK−302、BYK−306、BYK−307、BYK−310、BYK−313、BYK−315、BYK−320、BYK−322、BYK−323、BYK−325、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−342、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349、BYK−370、BYK−378、BYK−3455(いずれもビックケミー・ジャパン社製)、サーフロンS−611(AGCセイミケミカル社製)等が挙げられる。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、増感剤を含有してもよい。上記増感剤は、上記カチオン重合開始剤の重合開始効率をより向上させて、本発明の有機EL表示素子用封止剤の硬化反応をより促進させる役割を有する。
上記増感剤としては、例えば、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物や、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’メチルジフェニルサルファイド等が挙げられる。
上記増感剤の含有量は、上記カチオン硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限は0.05重量部、好ましい上限は3重量部である。上記増感剤の含有量が0.05重量部未満であると、増感効果が充分に得られないことがある。上記増感剤の含有量が3重量部を超えると、吸収が大きくなりすぎて深部まで光が伝わらないことがある。上記増感剤の含有量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は1重量部である。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、シランカップリング剤を含有してもよい。上記シランカップリング剤は、本発明の有機EL表示素子用封止剤と基板等との接着性を向上させる役割を有する。
上記シランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記シランカップリング剤の含有量は、上記カチオン硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が10重量部である。上記シランカップリング剤の含有量が0.1重量部未満であると、得られる有機EL表示素子用封止剤の接着性を向上させる効果が充分に発揮されないことがある。上記シランカップリング剤の含有量が10重量部を超えると、余剰のシランカップリング剤がブリードアウトすることがある。上記シランカップリング剤の含有量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は5重量部である。
有機発光材料層を有する積層体の周辺部に閉じたパターンを形成するための外周シール剤として用いる場合、本発明の有機EL表示素子用封止剤は、本発明の目的を阻害しない範囲で充填剤を含有してもよい。
上記充填剤としては、例えば、無機充填剤、有機充填剤等が挙げられる。
上記無機充填剤としては、例えば、タルク、マイカ、シリカ、スメクタイト、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、モンモリロナイト、珪藻土、酸化マグネシウム、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、セリサイト活性白土等が挙げられる。
上記有機充填剤としては、例えば、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等が挙げられる。
なかでも、タルクを含有することが好ましい。
なお、本発明の有機EL表示素子用封止剤を、上記積層体を完全に被覆する等のための内側シール剤として用いる場合は、通常、上記充填剤を配合せず、配合する場合でも可視光の波長以下の大きさのものが用いられる。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、本発明の目的を阻害しない範囲で、素子電極の耐久性を向上させるために、有機EL表示素子用封止剤中に発生した酸と反応する化合物又はイオン交換樹脂を含有してもよい。
上記発生した酸と反応する化合物としては、酸と中和する物質、例えば、アルカリ金属の炭酸塩若しくは炭酸水素塩、又は、アルカリ土類金属の炭酸塩若しくは炭酸水素塩等が挙げられる。具体的には例えば、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が用いられる。
上記イオン交換樹脂としては、陽イオン交換型、陰イオン交換型、両イオン交換型のいずれも使用することができるが、特に塩化物イオンを吸着することのできる陽イオン交換型又は両イオン交換型が好適である。
また、本発明の有機EL表示素子用封止剤は、本発明の目的を阻害しない範囲で、必要に応じて、硬化遅延剤、補強剤、軟化剤、可塑剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の公知の各種添加剤を含有してもよい。
本発明の有機EL表示素子用封止剤を製造する方法としては、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリーミキサー、ニーダー、3本ロール等の混合機を用いて、カチオン硬化性樹脂と、カチオン重合開始剤と、必要に応じて添加する添加剤とを混合する方法等が挙げられる。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、25℃における表面張力が25mN/m以下であることが好ましい。上記表面張力が25mN/m以下であることにより、塗布膜が平坦性に優れるものとなる。上記表面張力は、23mN/m以下であることがより好ましい。
なお、本明細書において、上記表面張力は、動的濡れ性試験機(レスカ社製、「WET−6100型」)により測定することができる。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、スクリーン印刷法により好適に塗布することができる。
また、本発明の有機EL表示素子用封止剤を塗布するその他の方法としては、例えば、スリットコート法、ディスペンサー塗布法、フレキソ印刷法、グラビア印刷法等が挙げられる。
また、本発明の有機EL表示素子用封止剤は、基板や無機材料膜の全面に塗布してもよいし、基板や無機材料膜の一部に塗布してもよい。
スクリーン印刷法により塗布する場合、本発明の有機EL表示素子用封止剤は、コーンローター式粘度計を用いて、25℃、2.5rpmの条件で測定した全体の粘度の好ましい下限が100mPa・s、好ましい上限が2万mPa・sである。上記粘度が100mPa・s未満又は2万mPa・sを超えると、得られる有機EL表示素子用封止剤が、スクリーン印刷法による塗布性に劣るものとなることがある。上記粘度のより好ましい下限は1000mPa・s、より好ましい上限は15000mPa・sである。
また、スリットコート法により塗布する場合、本発明の有機EL表示素子用封止剤の粘度の好ましい下限は10mPa・s、好ましい上限は1万mPa・sである。
塗布により形成される本発明の有機EL表示素子用封止剤の封止部の形状としては、有機発光材料層を有する積層体を外気から保護しうる形状であれば特に限定されず、該積層体を完全に被覆する形状であってもよいし、該積層体の周辺部に閉じたパターンを形成してもよいし、該積層体の周辺部に一部開口部を設けた形状のパターンを形成してもよい。
本発明の有機EL表示素子用封止剤を塗布する基板(以下、一方の基板ともいう)は、有機発光材料層を有する積層体の形成されている基板であってもよく、該積層体の形成されていない基板であってもよい。
上記一方の基板が上記積層体の形成されていない基板である場合、他方の基板を貼り合わせた際に、上記積層体を外気から保護できるように上記一方の基板に本発明の有機EL表示素子用封止剤を塗布すればよい。即ち、他方の基板を貼り合わせた際に上記積層体の位置となる場所に全面的に塗布するか、又は、他方の基板を貼り合わせた際に上記積層体の位置となる場所が完全に収まる形状に、閉じたパターンの封止剤部を形成してもよい。
また、上記積層体は、無機材料膜で被覆されていてもよい。
上記無機材料膜を構成する無機材料としては、例えば、窒化珪素(SiN)や酸化珪素(SiO)等が挙げられる。
上記無機材料膜は、1層からなるものであってもよく、複数種の層を積層したものであってもよい。
上記有機EL表示素子用封止剤は、加熱又は光照射により硬化させることができる。
上記有機EL表示素子用封止剤を加熱により硬化させる場合、有機発光材料層を有する積層体へのダメージを低減させつつ充分に硬化させる観点から、90〜120℃で加熱することが好ましい。
また、上記有機EL表示素子用封止剤を光照射により硬化させる場合、本発明の有機EL表示素子用封止剤は、300〜400nmの波長及び300〜3000mJ/cmの積算光量の光を照射することによって硬化させることができる。
本発明の有機EL表示素子用封止剤の硬化に際しては、加熱と光照射とを同時に行ってもよい。
上記有機EL表示素子用封止剤の硬化は、上記基板を貼り合わせる前に行なってもよいし、基板を貼り合わせた後に行なってもよい。
本発明によれば、基板や無機材料膜に対する濡れ性、及び、塗布膜の平坦性に優れる有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
カチオン硬化性樹脂として、式(2−1)で表される化合物である3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(東亞合成社製、「アロンオキセタン OXT−212」)10重量部及び水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、「YX−8000」)90重量部と、カチオン重合開始剤としてボレート系カチオン重合開始剤(King Industries社製、「CXC−1821」)0.5重量部と、表面改質剤としてポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン溶液(ビックケミー・ジャパン社製、「BYK−330」)0.5重量部とを混合し、遊星式撹拌機(シンキー社製、「あわとり練太郎 AR−100」)を用い、撹拌速度2000rpmで均一に撹拌混合して、有機EL表示素子用封止剤を作製した。
(実施例2〜16、比較例1〜5)
用いた材料及び配合量を表1〜3に示したものとしたこと以外は、実施例1と同様にして有機EL表示素子用封止剤を作製した。
<評価>
実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤について、以下の評価を行った。結果を表1〜3に示した。
(1)粘度及び粘度変化率
実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤について、コーンローター式粘度計(東機産業社製、「TV−22型」)を用いて、25℃、2.5rpmの条件における粘度(初期粘度)を測定した。
また、実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤を25℃で1週間保管したときの粘度を初期粘度と同様にして測定し、[{(25℃、1週間保管後の粘度)−(初期粘度)}/(初期粘度)]×100を粘度変化率として測定した。
(2)表面張力
実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤について、動的濡れ性試験機(レスカ社製、「WET−6100型」)を使用して表面張力を測定した。
(3)塗布膜の平坦性
実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤を、スクリーン印刷機(ニューロング精密工業社製、「LS−100VC」)を用いて、ガラス基板にスクリーン印刷方式で膜厚が20μm以下となるように塗布した。スクリーン印刷版は400メッシュのものを使用した。得られた塗布膜を目視で観察し、未塗布の部分が無い場合を「◎」、未塗布の部分が1〜5箇所あった場合を「○」、未塗布の部分が5箇所を超えていた場合を「×」として塗布膜の平坦性を評価した。
(4)硬化率
実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤をアルミ容器に入れて100℃で30分間加熱して硬化率測定用試験片を得た。得られた硬化率測定用試験片について、示差走査熱量計を用いて硬化率を測定した。
なお、実施例12で得られた各有機EL表示素子用封止剤においては、加熱後、高圧水銀灯を用いて波長365nmの紫外線を照射量が3000mJ/cmとなるように照射して硬化させた後、更に100℃で30分間加熱を行い、硬化率測定用試験片を得た。
(5)有機EL表示素子の信頼性
(有機発光材料層を有する積層体が配置された基板の作製)
ガラス基板にITO電極を1000Åの厚さで成膜したものを基板とした。上記基板をアセトン、アルカリ水溶液、イオン交換水、イソプロピルアルコールにてそれぞれ15分間超音波洗浄した後、煮沸させたイソプロピルアルコールにて10分間洗浄し、更に、UV−オゾンクリーナ(日本レーザー電子社製、「NL−UV253」)にて直前処理を行った。
次に、この基板を真空蒸着装置の基板フォルダに固定し、素焼きの坩堝にN,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(α−NPD)を200mg、他の異なる素焼き坩堝にトリス(8−ヒドロキシキノリラ)アルミニウム(Alq)を200mg入れ、真空チャンバー内を、1×10−4Paまで減圧した。その後、α−NPDの入った坩堝を加熱し、α−NPDを蒸着速度15Å/sで基板に堆積させ、膜厚600Åの正孔輸送層を成膜した。次いで、Alqの入った坩堝を加熱し、15Å/sの蒸着速度で膜厚600Åの有機発光材料層を成膜した。その後、正孔輸送層及び有機発光材料層が形成された基板を別の真空蒸着装置に移し、この真空蒸着装置内のタングステン製抵抗加熱ボートにフッ化リチウム200mgを、別のタングステン製ボートにアルミニウム線1.0gを入れた。その後、真空蒸着装置の蒸着器内を2×10−4Paまで減圧してフッ化リチウムを0.2Å/sの蒸着速度で5Å成膜した後、アルミニウムを20Å/sの速度で1000Å成膜した。窒素により蒸着器内を常圧に戻し、有機発光材料層を有する積層体が配置された基板を取り出した。
(無機材料膜Aによる被覆)
得られた積層体が配置された基板の、該積層体全体を覆うように、開口部を有するマスクを設置し、プラズマCVD法にて無機材料膜Aを形成した。
プラズマCVD法は、原料ガスとしてSiHガス及び窒素ガスを用い、各々の流量をSiHガス10sccm及び窒素ガス200sccmとし、RFパワーを10W(周波数2.45GHz)、チャンバー内温度を100℃、チャンバー内圧力を0.9Torrとする条件で行った。
形成された無機材料膜Aの厚さは、約1μmであった。
(樹脂保護膜の形成)
実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤を、スクリーン印刷機(ニューロング精密工業社製、「LS−100VC」)を用いて、ガラス基板にスクリーン印刷方式で塗布した。塗布時には膜厚が20μm以下になるように印刷速度等を調整した。次いで、100℃オーブンの中にて30分間加熱し、有機EL表示素子用封止剤を硬化させた。
なお、実施例12で得られた各有機EL表示素子用封止剤においては、加熱後、高圧水銀灯を用いて波長365nmの紫外線を照射量が3000mJ/cmとなるように照射して硬化させた後、更に100℃オーブンの中にて30分間加熱を行った。
(無機材料膜Bによる被覆)
樹脂保護膜を形成した後、該樹脂保護膜の全体を覆うように、開口部を有するマスクを設置し、プラズマCVD法にて無機材料膜Bを形成して有機EL表示素子を得た。各実施例及び各比較例につき、それぞれ6個の有機EL表示素子を作製した。
プラズマCVD法は、原料ガスとしてSiHガス及び窒素ガスを用い、各々の流量をSiHガス10sccm、窒素ガス200sccmとし、RFパワーを10W(周波数2.45GHz)、チャンバー内温度を100℃、チャンバー内圧力を0.9Torrとする条件で行った。
形成された無機材料膜Bの厚さは、約1μmであった。
得られた有機EL表示素子(2インチセル)を、温度85℃、湿度85%の環境下で100時間暴露した後、3Vの電圧を印加し、ダークスポットの発生数(作製した6個の有機EL表示素子における平均値)を測定した。
Figure 2015068454
Figure 2015068454
Figure 2015068454
本発明によれば、基板や無機材料膜に対する濡れ性、及び、塗布膜の平坦性に優れる有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤を提供することができる。
本発明は、カチオン硬化性樹脂とカチオン重合開始剤とを含有する有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤であって、上記カチオン硬化性樹脂は、下記式(1−1)で表される化合物及び/又は下記式(1−2)で表される化合物と、水添ビスフェノール骨格を有する化合物とを含有する有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤である。
(実施例2〜11、13〜16、比較例1〜5、参考例12
用いた材料及び配合量を表1〜3に示したものとしたこと以外は、実施例1と同様にして有機EL表示素子用封止剤を作製した。
<評価>
実施例比較例、及び、参考例で得られた各有機EL表示素子用封止剤について、以下の評価を行った。結果を表1〜3に示した。
(1)粘度及び粘度変化率
実施例比較例、及び、参考例で得られた各有機EL表示素子用封止剤について、コーンローター式粘度計(東機産業社製、「TV−22型」)を用いて、25℃、2.5rpmの条件における粘度(初期粘度)を測定した。
また、実施例比較例、及び、参考例で得られた各有機EL表示素子用封止剤を25℃で1週間保管したときの粘度を初期粘度と同様にして測定し、[{(25℃、1週間保管後の粘度)−(初期粘度)}/(初期粘度)]×100を粘度変化率として測定した。
(2)表面張力
実施例比較例、及び、参考例で得られた各有機EL表示素子用封止剤について、動的濡れ性試験機(レスカ社製、「WET−6100型」)を使用して表面張力を測定した。
(3)塗布膜の平坦性
実施例比較例、及び、参考例で得られた各有機EL表示素子用封止剤を、スクリーン印刷機(ニューロング精密工業社製、「LS−100VC」)を用いて、ガラス基板にスクリーン印刷方式で膜厚が20μm以下となるように塗布した。スクリーン印刷版は400メッシュのものを使用した。得られた塗布膜を目視で観察し、未塗布の部分が無い場合を「◎」、未塗布の部分が1〜5箇所あった場合を「○」、未塗布の部分が5箇所を超えていた場合を「×」として塗布膜の平坦性を評価した。
(4)硬化率
実施例比較例、及び、参考例で得られた各有機EL表示素子用封止剤をアルミ容器に入れて100℃で30分間加熱して硬化率測定用試験片を得た。得られた硬化率測定用試験片について、示差走査熱量計を用いて硬化率を測定した。
なお、参考例12で得られた各有機EL表示素子用封止剤においては、加熱後、高圧水銀灯を用いて波長365nmの紫外線を照射量が3000mJ/cmとなるように照射して硬化させた後、更に100℃で30分間加熱を行い、硬化率測定用試験片を得た。
(樹脂保護膜の形成)
実施例比較例、及び、参考例で得られた各有機EL表示素子用封止剤を、スクリーン印刷機(ニューロング精密工業社製、「LS−100VC」)を用いて、ガラス基板にスクリーン印刷方式で塗布した。塗布時には膜厚が20μm以下になるように印刷速度等を調整した。次いで、100℃オーブンの中にて30分間加熱し、有機EL表示素子用封止剤を硬化させた。
なお、参考例12で得られた各有機EL表示素子用封止剤においては、加熱後、高圧水銀灯を用いて波長365nmの紫外線を照射量が3000mJ/cmとなるように照射して硬化させた後、更に100℃オーブンの中にて30分間加熱を行った。
(無機材料膜Bによる被覆)
樹脂保護膜を形成した後、該樹脂保護膜の全体を覆うように、開口部を有するマスクを設置し、プラズマCVD法にて無機材料膜Bを形成して有機EL表示素子を得た。各実施例各比較例、及び、参考例につき、それぞれ6個の有機EL表示素子を作製した。
プラズマCVD法は、原料ガスとしてSiHガス及び窒素ガスを用い、各々の流量をSiHガス10sccm、窒素ガス200sccmとし、RFパワーを10W(周波数2.45GHz)、チャンバー内温度を100℃、チャンバー内圧力を0.9Torrとする条件で行った。
形成された無機材料膜Bの厚さは、約1μmであった。
Figure 2015068454
本発明は、カチオン硬化性樹脂と熱カチオン重合開始剤とを含有する有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤であって、上記カチオン硬化性樹脂は、下記式(1−1)で表される化合物及び/又は下記式(1−2)で表される化合物と、水添ビスフェノール骨格を有する化合物とを含有し、更に、表面改質剤を含有し、コーンローター式粘度計を用いて、25℃、2.5rpmの条件で測定した全体の粘度が100〜2万mPa・sであり、スクリーン印刷法による塗布に用いられる有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤である。
(実施例2〜11、13〜15、比較例1〜5、参考例12、16
用いた材料及び配合量を表1〜3に示したものとしたこと以外は、実施例1と同様にして有機EL表示素子用封止剤を作製した。
Figure 2015068454

Claims (4)

  1. カチオン硬化性樹脂とカチオン重合開始剤とを含有する有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤であって、
    前記カチオン硬化性樹脂は、下記式(1−1)で表される化合物及び/又は下記式(1−2)で表される化合物と、水添ビスフェノール骨格を有する化合物とを含有する
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
    Figure 2015068454
    式(1−1)中、Rは、水素、又は、炭素数1〜20のアルキル基であり、Rは、主鎖の炭素数が4以上である炭素数4〜20のアルキル基である。式(1−2)中、Rは、主鎖の炭素数が4以上である炭素数4〜20のアルキル基である。
  2. 式(1−1)で表される化合物及び/又は式(1−2)で表される化合物は、下記式(2−1)で表される化合物及び/又は下記式(2−2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
    Figure 2015068454
  3. 水添ビスフェノール骨格を有する化合物は、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又は水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
  4. 表面改質剤を含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
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