JPWO2015060305A1 - 近赤外線遮蔽体及び近赤外線遮蔽フィルム - Google Patents

近赤外線遮蔽体及び近赤外線遮蔽フィルム Download PDF

Info

Publication number
JPWO2015060305A1
JPWO2015060305A1 JP2015543866A JP2015543866A JPWO2015060305A1 JP WO2015060305 A1 JPWO2015060305 A1 JP WO2015060305A1 JP 2015543866 A JP2015543866 A JP 2015543866A JP 2015543866 A JP2015543866 A JP 2015543866A JP WO2015060305 A1 JPWO2015060305 A1 JP WO2015060305A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
infrared
infrared shielding
layer
resin
titanium oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015543866A
Other languages
English (en)
Inventor
晃純 木村
晃純 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Publication of JPWO2015060305A1 publication Critical patent/JPWO2015060305A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/18Layered products comprising a layer of synthetic resin characterised by the use of special additives
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/20Filters
    • G02B5/206Filters comprising particles embedded in a solid matrix
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/20Filters
    • G02B5/208Filters for use with infrared or ultraviolet radiation, e.g. for separating visible light from infrared and/or ultraviolet radiation
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2264/00Composition or properties of particles which form a particulate layer or are present as additives
    • B32B2264/10Inorganic particles
    • B32B2264/102Oxide or hydroxide
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2307/00Properties of the layers or laminate
    • B32B2307/70Other properties
    • B32B2307/712Weather resistant
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2307/00Properties of the layers or laminate
    • B32B2307/70Other properties
    • B32B2307/724Permeability to gases, adsorption
    • B32B2307/7242Non-permeable
    • B32B2307/7244Oxygen barrier

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Optical Filters (AREA)

Abstract

本発明は、近赤外線不透過性及び可視光透過性が耐候性をもって備えられた近赤外線遮蔽体及び近赤外線遮蔽フィルムを提供することを目的とする。基体と、前記基体上に形成され、ルチル型酸化チタンの粒子を含んでなる近赤外線遮蔽層と、を備え、前記ルチル型酸化チタンの粒子は、酸素透過係数が1×10−16(cm3(STP)cm/(cm2・sec・cmHg))以下である酸素不透過性樹脂で被覆されていて、前記近赤外線遮蔽層の乾燥後の膜厚が0.3μm以上1.0μm以下であることを特徴とする近赤外線遮蔽体を用いる。また、前記基体を、可撓性を有するフィルム状の基材で形成することで近赤外線遮蔽フィルムとして用いる。

Description

本発明は、近赤外線遮蔽体及び近赤外線遮蔽フィルムに関する。
近年、冷房による電力使用の削減をはじめとした省エネルギ機運が高まっており、窓ガラスに貼付して用いる近赤外線遮蔽フィルムの普及が進んでいる。近赤外線遮蔽フィルムとしては、高屈折率層と低屈折率層を交互に積層することによって近赤外線の反射率を選択的に向上させた多層構造のフィルムが主流であり、可視光透過性を備える一方で、日射光等に含まれる近赤外線を反射又は吸収する近赤外線不透過性を備えるものが一般的となっている。
しかしながら、このような近赤外線遮蔽フィルムにおいて近赤外線反射率を向上させようとすると、近赤外線反射率の増大に伴って可視光線の反射率や吸収率の増大を招き、近赤外線遮蔽フィルムを貼付した窓ガラスが、暗色や虹色に着色したり、乱反射によるぎらつきを発して意匠性が損なわれることがあった。
そこで、近赤外線遮蔽フィルムにおける可視光透過性を維持しつつ、特に日射が強い場合に限り近赤外線不透過性を増大させる手段として、日射光等に含まれる紫外線に反応して光応答性が変化するフォトクロミック化合物を利用する技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、透明基板と、熱線遮蔽剤及びバインダ樹脂を含む樹脂組成物から形成される熱線遮蔽層とを有する熱線遮蔽性調光ウインドウにおいて、透明基板又は接着樹脂層にフォトクロミック材料を用いる技術が開示されている。この技術では、有機フォトクロミック化合物として、スピロピラン化合物、ジアリールエテン系化合物、スピロオキサジン系化合物、フルギド系化合物等、無機フォトクロミック化合物として、塩化銀等のハロゲン化銀を使用し得るとされている。
特開2013−091234号公報
特許文献1に開示される技術によれば、窓ガラス等の可視光透過性を維持しながら、特に日射が強い場合においては、近赤外線を一定程度遮蔽することが可能であると考えられる。しかしながら、特許文献1に記載されるような有機フォトクロミック化合物やハロゲン化銀を用いた遮蔽フィルムは、耐候性が十分ではないのが現状である。したがって、本発明の主な目的は、近赤外線不透過性及び可視光透過性が耐候性をもって備えられた近赤外線遮蔽体及び近赤外線遮蔽フィルムを提供することにある。
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
(1)基体と、前記基体上に形成され、ルチル型酸化チタンの粒子を含んでなる近赤外線遮蔽層と、を備え、前記ルチル型酸化チタンの粒子は、酸素透過係数が1×10−16(cm(STP)cm/(cm・sec・cmHg))以下である酸素不透過性樹脂で被覆されていて、前記近赤外線遮蔽層の乾燥後の膜厚が0.3μm以上1.0μm以下であることを特徴とする近赤外線遮蔽体。
(2)前記ルチル型酸化チタンの粒子は、平均粒子径が20nm以下であることを特徴とする(1)に記載の近赤外線遮蔽体。
(3)前記ルチル型酸化チタンの粒子は、表面がケイ素酸化物によって被覆されていることを特徴とする(1)又は(2)に記載の近赤外線遮蔽体。
(4)前記ケイ素酸化物の被覆量が、ルチル型酸化チタン100質量%に対して、4質量%以上13質量%以下であることを特徴とする(3)に記載の近赤外線遮蔽体。
(5)前記基体と前記近赤外線遮蔽層との間に、近赤外線反射積層体を有することを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載の近赤外線遮蔽体。
(6)(1)から(5)のいずれかに記載の近赤外線遮蔽体において、前記基体を、可撓性を有するフィルム状の基材で形成してなることを特徴とする近赤外線遮蔽フィルム。
本発明によれば、近赤外線不透過性及び可視光透過性が耐候性をもって備えられた近赤外線遮蔽体及び近赤外線遮蔽フィルムを提供することができる。近赤外線不透過性は紫外線応答性を有し、日射下等の紫外線照射下においては近赤外線不透過性を示す一方で、紫外線非照射下においては可視光透過性が発現して、暗色や虹色の着色、乱反射によるぎらつきが低減される。そのため、良好な意匠性を呈する近赤外線遮蔽体及び近赤外線遮蔽フィルムを提供することができる。また、このような近赤外線遮蔽体や近赤外線遮蔽フィルムが備える近赤外線不透過性、可視光透過性及び意匠性は、耐候性を有し、劣化し難い性質を有する。
本発明に係る近赤外線遮蔽体の構造の一例を模式的に示す断面図である。 本発明に係る近赤外線遮蔽体の構造の一例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る近赤外線遮蔽体及び近赤外線遮蔽フィルムについて詳細に説明する。
本実施形態に係る近赤外線遮蔽体は、基体と、基体上に形成され、ルチル型酸化チタンの粒子を含んでなる近赤外線遮蔽層とを備えてなる。この近赤外線遮蔽体が備える近赤外線遮蔽層は、当該層を支持固定する基体の表面に、直接又はその他の機能層を挟んで間接的に積層されている。本実施形態に係る近赤外線遮蔽体は、近赤外線遮蔽層に含まれるルチル型酸化チタンの粒子が、酸素不透過性樹脂で被覆されている点に特徴がある。
ルチル型の結晶構造を有する酸化チタン(二酸化チタン)は、紫外線照射を受けることによって還元され、変色することが知られている。ルチル型酸化チタンは、還元されることによって、特に近赤外線領域に吸収係数が1000を超える極めて強い吸収を示す無機物質であることから、比較的良好な耐候性を備えた近赤外線遮蔽素材となり得る。しかしながら、一般に、還元されたルチル型酸化チタンは、空気中の酸素等によって急速に酸化されて脱色し、近赤外線不透過性を失うため、窓ガラス等に貼付して用いることは困難であった。そこで、本発明に係る近赤外線遮蔽体では、近赤外線遮蔽層に含まれるルチル型酸化チタンの粒子を、酸素不透過性樹脂で被覆して空気中の酸素等から隔離することによって、紫外線応答性の近赤外線不透過性及び可視光透過性を耐候性をもって付与することを実現した。
本実施形態に係る近赤外線遮蔽体は、少なくとも基体の一部が、基体上に形成された近赤外線遮蔽層で覆われた構造を有するものである。この構造をなしている近赤外線遮蔽層は、ルチル型酸化チタンの粒子を含んでなり、当該粒子は、表面の少なくとも一部、好ましくは全部が酸素不透過性樹脂で被覆された状態となっている。なお、本明細書において、粒子が酸素不透過性樹脂で被覆されているとは、粒子と外気との間に酸素不透過性樹脂が介在していることを意味する。ルチル型酸化チタンの粒子を酸素不透過性樹脂で被覆する形態としては、近赤外線遮蔽層が酸素不透過性樹脂を含有する形態と含有しない形態とがあり、具体的には、ルチル型酸化チタンの粒子が、薄厚の酸素不透過性樹脂で被覆されて近赤外線遮蔽層に分散された形態や、ルチル型酸化チタンの粒子が、酸素不透過性樹脂からなる若しくは酸素不透過性樹脂を含んでなる近赤外線遮蔽層中に分散された形態や、ルチル型酸化チタンの粒子が分散されている近赤外線遮蔽層が、酸素不透過性樹脂からなる若しくは酸素不透過性樹脂を含んでなるガスバリア層によって被覆されている形態が例示される。
近赤外線遮蔽層が酸素不透過性樹脂を含有する形態の一例としては、図1に示すように基体上に単層構造が形成された近赤外線遮蔽体1が挙げられる。近赤外線遮蔽体1では、基体10の主面の片面上に酸素不透過性樹脂を含有してなる近赤外線遮蔽層20が形成されている。また、近赤外線遮蔽層が酸素不透過性樹脂を含有しない形態の一例としては、図2に示すように基体上に複数層構造が形成された近赤外線遮蔽体2が挙げられる。近赤外線遮蔽体2では、基体10の主面の片面上にガスバリア層(下層)30Aが形成され、ガスバリア層(下層)30Aの上面(基材とは反対側の面)に近赤外線遮蔽層20が形成され、近赤外線遮蔽層20の上面(基材とは反対側の面)にガスバリア層(上層)30Bが形成されている。なお、ガスバリア層は、図2に示すように近赤外線遮蔽層の下面(基体側の面)及び上面(基体とは反対側の面)の両方に設けてよいが、近赤外線遮蔽層の下面又は上面の片方に設けてもよい。
本実施形態に係る近赤外線遮蔽体の主な構造としては、すなわち、以下の形態が例示される。
1)基体/近赤外線遮蔽層(酸素不透過性樹脂含む);
2)基体/近赤外線遮蔽層(酸素不透過性樹脂含む)/ガスバリア層;
3)基体/ガスバリア層/近赤外線遮蔽層(酸素不透過性樹脂含む)/ガスバリア層;
4)基体/近赤外線遮蔽層(酸素不透過性樹脂含まず)/ガスバリア層;
5)基体/ガスバリア層/近赤外線遮蔽層(酸素不透過性樹脂含まず)/ガスバリア層;
なお、ここでいう基体には、基体単体、又は、基体と基体上に積層されたその他の機能層との積層体の双方が概念上含まれている。本明細書において、「基体上」という場合には、「基体の直上」及び「基体上に積層されたその他の機能層上」の両方を含む。
以下、本実施形態に係る近赤外線遮蔽体の要素について説明する。
[近赤外線遮蔽層]
近赤外線遮蔽層は、主として、フォトクロミズムにより近赤外線を遮蔽する機能を有する。すなわち、近赤外線遮蔽層は、日射下等の紫外線照射下においては、近赤外線透過性が低下する一方で、紫外線非照射下においては、可視光線透過性が増大する性質を示す層である。
近赤外線遮蔽層は、ルチル型酸化チタンの粒子とバインダ樹脂とを含んでなる。近赤外線遮蔽層において、ルチル型酸化チタンの粒子は、バインダ樹脂中に単分散状に分散して含まれており、このルチル型酸化チタンが、紫外線応答性のフォトクロミック性を示して近赤外線を遮蔽する。なお、近赤外線遮蔽層は、金属酸化物粒子等の近赤外線遮蔽成分としては、ルチル型酸化チタンのみを含有することが好ましい。
近赤外線遮蔽層の可視光の透過率は、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。なお、近赤外線遮蔽層の可視光の透過率は、ルチル型酸化チタンが紫外線によって還元されると低下し、ルチル型チタンが空気中等の酸素によって酸化されると増大する。この透過率の値は、近赤外線遮蔽層に含まれるルチル型酸化チタンが、空気中において酸化状態にあるときの値である。透過率は、JIS R3106:1998に規定される方法に準じて測定することができ、380nm〜780nmの波長領域の透過率を平均することで求められる。
近赤外線遮蔽層の厚さは、0.3μm以上1.0μm以下である。厚さが0.3μm以上であれば、平滑な状態の塗膜を形成し易い傾向がある。そのため、ルチル型酸化チタンの粒子を、近赤外線を十分に遮蔽することが可能な含有量で含ませたとしても、欠陥が少ない近赤外線遮蔽層を形成することができる。また、厚さが1.0μm以下であれば、可視光の透過率の確保が比較的容易である。
近赤外線遮蔽層の近赤外線の吸収率は、30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましい。なお、近赤外線遮蔽層の近赤外線の吸収率は、ルチル型酸化チタンが紫外線によって還元されると増大し、ルチル型チタンが空気中等の酸素によって酸化されると低下する。この吸収率の値は、近赤外線遮蔽層に含まれるルチル型酸化チタンが、還元状態にあるときの最大値である。吸収率は、JIS R3106:1998に規定される方法に準じて測定することができる。
近赤外線遮蔽層におけるルチル型酸化チタンの含有量は、近赤外線遮蔽層の乾燥質量あたり、20質量%以上50質量%以下とすることが好ましく、30質量%以上50質量%以下とすることがより好ましい。ルチル型酸化チタンの含有量が20質量%以上であれば、近赤外線の吸収の作用を有意に発揮させることができる。また、ルチル型酸化チタンの含有量が50質量%以下であれば、ルチル型酸化チタンの粒子に起因するピンホールの発生を避けることができる。
ルチル型酸化チタンの平均粒子径は、3nm以上50nm以下であることが好ましく、5nm以上20nm以下であることがより好ましい。平均粒子径が3nm以上であれば、乾燥した粒子の取り扱いが比較的容易である。また、平均粒子径を50nm以下とすることによって、近赤外線遮蔽体の曇価の増大を抑えることができる。なお、平均粒子径は、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡を用いて粒子を観察し、計1000個の一次粒子の粒子径を計測して、その算術平均を算出することによって求められる。一次粒子の粒子径は、電子顕微鏡像における粒子の面積等価円の直径として定義される。
ルチル型酸化チタンの粒子は、特開平7−819号公報、特開平9−165218号公報、特開平11−43327号公報に記載されるような酸化チタンゾルを利用して調製することができる。また、国際公開第2007/039953号の段落0011〜0023に記載される方法や、「酸化チタン−物性と応用技術」(清野学、p255〜258(2000年)技報堂出版株式会社)に記載される方法を参考にして調製することができる。
ルチル型酸化チタンの粒子は、表面がケイ素又はアルミニウムの酸化物によって被覆されていることが好ましく、ケイ素酸化物(シリカ)によって被覆されていることが特に好ましい。被覆する酸化物の量としては、ルチル型酸化チタン100質量%に対して、4質量%以上13質量%以下とすることが好ましく、6質量%以上10質量%以下とすることがより好ましい。酸化物の量が4質量%以上であれば、還元されたルチル型酸化チタンの着色が良好となり、被覆が無い場合と比較して近赤外線吸収率を向上させることができる。また、酸化物の量が13質量%以下であれば、ルチル型酸化チタンが被覆されることによって、近赤外線吸収率の低下や乱反射を生じて脱色するおそれが低くなる。
ルチル型酸化チタンの粒子をケイ素酸化物によって被覆する方法としては、例えば、ルチル型酸化チタンゾルに、ケイ酸ナトリウムのような水溶性ケイ酸アルカリ金属塩等を添加してpHを調製することによって、ルチル型酸化チタンの粒子表面にケイ素の水酸化物(水和酸化物等)を析出させ、pH調製又は加熱処理する方法が挙げられる。このとき、ルチル型酸化チタンの分散性を確保するために、ルチル型酸化チタンゾルに、クエン酸、シュウ酸等のキレート剤を添加することが好ましい。具体的には、例えば、特開平10−158015号公報、特開2000−204301号公報、特開2007−246351号公報等に記載される方法を用いることができる。
近赤外線遮蔽層におけるバインダ樹脂としては、機械的強度や可視光透過性に優れる樹脂であれば任意の種を用いることができるが、酸素不透過性樹脂を用いることが好ましい。但し、近赤外線遮蔽体において近赤外線遮蔽層を被覆するガスバリア層を設けない場合や、ルチル型酸化チタンの粒子を酸素不透過性樹脂で被覆しない場合には、近赤外線遮蔽層におけるバインダ樹脂として酸素不透過性樹脂を用いることを要し、これらの場合の近赤外線遮蔽層におけるバインダ樹脂は、酸素不透過性樹脂のみからなる構成とすることが好ましい。酸素不透過性樹脂を用いることによって、空気中等に含まれる酸素ガスの近赤外線遮蔽層内への溶解、拡散を抑制することができる。そして、還元されているルチル型酸化チタンが、急速に酸化されて近赤外線不透過性を失うのを避けることができる。また、酸素ガスの近赤外線遮蔽層内への溶解、拡散をガスバリア層を設けることなく抑制することが可能となる。
酸素不透過性樹脂は、酸素ガスを透過させ難い性質を有する樹脂種によって構成される。具体的には、酸素不透過性樹脂の酸素透過係数は、1×10−16(cm(STP)cm/(cm・sec・cmHg))以下、好ましくは1×10−19(cm(STP)cm/(cm・sec・cmHg))以上1×10−16(cm(STP)cm/(cm・sec・cmHg))以下である。酸素不透過性樹脂の酸素透過係数が1×10−16(cm(STP)cm/(cm・sec・cmHg))以下であれば、紫外線によって還元されたルチル型酸化チタンが、空気中等に存在する酸素で直ちに酸化されて、近赤外線不透過性を失うのを避けることができる。また、酸素不透過性樹脂の酸素透過係数が1×10−19(cm(STP)cm/(cm・sec・cmHg))以上であれば、紫外線によって還元されたルチル型酸化チタンが、日射が無くなる等して紫外線非照射下におかれた際に、空気中等に存在する酸素によって緩慢に酸化されるため、可視光透過率が再び増大して意匠性を回復することができる。なお、酸素透過係数は、JIS K7126−1に規定される方法に準じて測定することができる。
酸素不透過性樹脂としては、具体的には、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリメタクリロニトリル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂等が挙げられる。酸素不透過性樹脂としては、これらの中でも、酸素透過係数が比較的小さいポリビニルアルコール樹脂が特に好ましい。
ポリビニルアルコール樹脂としては、カルボン酸ビニルの重合体を鹸化して得られる単独重合体や、カルボン酸ビニルとその他のビニル化合物とを共重合させた後に鹸化して得られる共重合体や、これらの側鎖又は主鎖の末端が反応基で置換された変性体のポリビニルアルコール樹脂が挙げられる。
カルボン酸ビニルとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、安息香酸ビニル等の適宜のビニルエステルを用いることができる。また、共重合体を形成するその他のビニル化合物としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1,3−ブタジエン等の不飽和炭化水素類や、クロロエチレン、1,1−ジクロロエチレン等のハロゲン化ビニル類や、スチレン、α−メチルスチレン、アリルベンゼン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン等のアリールビニル類や、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類や、2−プロペンアミド、2−メチルアクリルアミド等のアクリルアミド類や、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル類や、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル類や、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類又はこれらの塩や、酢酸2−プロぺニル、酢酸3−ブテニル、アリルアルコール、N−ビニル−2−ピロリドン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等から選択される一種以上を用いることができる。その他のビニル化合物としては、塗工性や成型性を向上させたり柔軟性を付与する観点からは、エチレンが好ましい。
ポリビニルアルコール樹脂の平均重合度は、1000以上であることが好ましく、1500以上5000以下であることがより好ましい。平均重合度が1000以上であれば、形成される層の機械的強度を一定程度確保することができる。また、平均重合度が5000以下であれば、塗工時における流動性を確保することができる。ポリビニルアルコール樹脂の平均重合度は、機械的強度や塗工時における流動性が確保される範囲では、小さい度合とすることが酸素不透過性を得る上で好ましく、1500以上3000以下程度であることがさらに好ましい。
ポリビニルアルコール樹脂の共重合体における重合比は、カルボン酸ビニル単量体について80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましい。カルボン酸ビニル単量体を80モル%以上の割合で重合させることによって、十分な数の極性基を備えたポリビニルアルコール樹脂を得ることができるため、樹脂の酸素不透過性が確保し易くなる。
ポリビニルアルコール樹脂の鹸化度は、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。鹸化度が70%以上であれば、ポリビニルアルコール樹脂が比較的軟化し難くなるため、加熱を伴う製造工程が困難となるおそれが低くなる。また、ポリビニルアルコール樹脂の極性基の数が増大するため、より優れた酸素不透過性を得ることができる。なお、鹸化度は、重合されたカルボン酸ビニル等に由来するエステル基の総数に対する、加水分解されて生じたヒドロキシ基の総数の分率を意味する。
変性体のポリビニルアルコール樹脂としては、カチオン性基を有するカチオン変性ポリビニルアルコール樹脂、アニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール樹脂又はノニオン性基を有するノニオン変性ポリビニルアルコール樹脂が挙げられる。
カチオン変性ポリビニルアルコール樹脂としては、例えば、特開昭61−10483号公報に記載されているような、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、第四級アンモニウム塩基等のカチオン性基を、側鎖又は主鎖の末端に有するポリビニルアルコール樹脂等が挙げられる。このようなカチオン変性ポリビニルアルコール樹脂は、例えば、カルボン酸ビニルとカチオン性基を有するその他のビニル化合物との共重合体を鹸化することによって得ることができる。
アニオン変性ポリビニルアルコール樹脂としては、例えば、特開平1−206088号公報や特開昭61−237681号公報に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール樹脂や、特開昭63−307979号公報に記載されているような繰り返し単位を有するポリビニルアルコール樹脂や、特開平7−285265号公報に記載されているような親水性基団を有するポリビニルアルコール樹脂等が挙げられる。
ノニオン変性ポリビニルアルコール樹脂としては、例えば、特開平7−9758号公報に記載されているようなアルキレンオキサイド部分を有するポリビニルアルコール樹脂や、特開平8−25795号公報に記載されているような疎水性モノマーをカルボン酸ビニルとの共重合体を鹸化したポリビニルアルコール樹脂等が挙げられる。
以上のポリビニルアルコール樹脂としては、例えば、「クラレポバール(登録商標)」(株式会社クラレ製)、「エクセバール(登録商標)」(株式会社クラレ製)、「J−ポバール(登録商標)」(日本酢ビ・ポバール株式会社製)、「ゴーセノール(登録商標)」(日本合成化学工業株式会社製)、「ゴーセネックス(登録商標)」(日本合成化学工業株式会社製)、「ニチゴーGポリマー(登録商標)」(日本合成化学工業株式会社製)等が商業的に利用可能である。
ポリアクリロニトリル樹脂や、ポリメタクリロニトリル樹脂や、ポリ塩化ビニリデン樹脂としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、1,1−ジクロロエチレン等の単独重合体や、これらと前記のポリビニルアルコール樹脂において用いられるその他のビニル化合物の一種以上との共重合体が挙げられる。
酸素不透過性樹脂には、樹脂の分子同士を反応性基を介して架橋硬化させる硬化剤を併用することができる。硬化剤としては、反応性基の種に応じて、例えば、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、オルトホウ酸塩、メタホウ酸塩、二ホウ酸塩、四ホウ酸塩、五ホウ酸塩、八ホウ酸塩、硼砂等のホウ酸類や、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンメタンジイソシアネート等のイソシアネート系硬化剤や、ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等のエポキシ系硬化剤や、ホルムアルデヒド、グリオキサール等のアルデヒド系硬化剤や、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジン等の活性ハロゲン系硬化剤や、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、ビス(ビニルスルホニルメチル)エーテル等の活性ビニル系化合物や、アルミニウム明礬、クロム明礬等の明礬類や、エピクロルヒドリン樹脂、活性ビニルスルホン化合物等を用いることができる。ポリビニルアルコール樹脂と併用する硬化剤としては、例えば、ホウ酸類やエポキシ系硬化剤等が好適である。
硬化剤の含有量は、酸素不透過性樹脂の質量あたり、0.1質量%以上60質量%以下とすることが好ましく、10質量%以上60質量%以下とすることがより好ましい。
近赤外線遮蔽層におけるバインダ樹脂としては、近赤外線遮蔽体において近赤外線遮蔽層を被覆するガスバリア層を設ける場合には、前記の酸素不透過性樹脂に代えて他の水溶性樹脂を用いることが好ましい。なお、水溶性樹脂とは、水溶性樹脂を成す高分子を、濃度が0.5質量%となるように水に加えて、最大溶解度を示す温度において混合した場合に、得られた混合物をG2グラスフィルタ(最大孔径;40μm〜50μm)で濾過することによって濾別される不溶物の質量が、加えた高分子の50質量%以下である樹脂をいう。近赤外線遮蔽層におけるバインダ樹脂としてこのような水溶性樹脂を用いることによって、製造時や廃棄時における環境への影響を低減することが可能である。
水溶性樹脂としては、具体的には、ゼラチン、セルロース類、増粘多糖類、反応性官能基を有するポリマー類等が挙げられる。
ゼラチンとしては、ハロゲン化銀写真感光材料として用いられる工業用ゼラチンを用いることができる。具体的には、例えば、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチン、酵素処理ゼラチンや、これらの誘導体が挙げられる。ゼラチンの調製には、例えば、T.H.James:The Theory of Photographic Process 4th.ed.1977(Macmillan)p55、科学写真便覧(上)p72〜75(丸善)、写真工学の基礎−銀塩写真編p119〜124(コロナ社)等の記載を参考にすることができる。また、リサーチ・ディスクロージャー誌第176巻、No.17643(1978年12月)のIX項に記載されているゼラチンを利用することができる。
セルロース類としては、水溶性セルロース誘導体を用いることが好ましい。具体的には、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、酢酸セルロース、セルロース硫酸エステル等が挙げられる。
増粘多糖類としては、例えば、天然単純多糖類、天然複合多糖類、合成単純多糖類、合成複合多糖類が挙げられる。具体的には、例えば、アガロース、アガロペクチン等のガラクタンや、ローカストビーンガム、グアラン等のガラクトマンノグリカンや、タマリンドガム等のキシログルカンや、蒟蒻マンナン、木材由来グルコマンナン、キサンタンガム等のグルコマンノグリカンや、針葉樹由来グリカン等のガラクトグルコマンノグリカンや、大豆由来グリカン、微生物由来グリカン等のアラビノガラクトグリカンや、ジェランガム等のグルコラムノグリカンや、ヒアルロン酸、ケラタン硫酸等のグリコサミノグリカンや、アルギン酸、アルギン酸塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、ファーセレラン等の紅藻類由来多糖類等が挙げられる。増粘多糖類としては、特に、金属酸化物粒子を添加した場合に、15℃における粘度が1.0mPa・s以上の上昇を生じる多糖類が好ましく、カルボン酸基やスルホン酸基を有しない多糖類が好ましい。
反応性官能基を有するポリマー類としては、例えば、ポリビニルピロリドン類や、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体等のアクリル系樹脂や、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体等のスチレンアクリル酸樹脂や、スチレン−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート−スチレンスルホン酸カリウム共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等の酢酸ビニル系共重合体やこれらの塩が挙げられる。なお、応性官能基を有するポリマー類は、前記の酸素不透過性樹脂に相当するものでなくてよく、酸素透過係数が1×10−16(cm(STP)cm/(cm・sec・cmHg))以下であることを要しない。
[ガスバリア層]
ガスバリア層は、主として、空気中等に存在する酸素ガスの透過を遮蔽し、近赤外線遮蔽層を酸素ガスから隔離する機能を有する。そのため、ガスバリア層は、近赤外遮蔽層と外界との間に介在するように、例えば、近赤外遮蔽層の下面(基材側の面)及び上面(基材とは反対側の面)の少なくとも一方、好ましくは近赤外線遮蔽層の上面のみ又は上面及び下面の両方に設けられる。ガスバリア層を近赤外線遮蔽層の上面及び下面の両方に設けることによって、近赤外線遮蔽層内への酸素の拡散が制限されるため、近赤外線遮蔽層中の酸素濃度の変動をより安定させることができ、ルチル型酸化チタンによるフォトクロミズムが制御し易くなる。
ガスバリア層は、前記の酸素不透過性樹脂の一種以上を含んでなり、好ましくは前記の酸素不透過性樹脂からなる。ガスバリア層は、酸素不透過性樹脂を主組成とし、実質的にはルチル型酸化チタン等の金属酸化物粒子を含有しない層とすることが好ましい。一方で、酸素不透過性樹脂と共にその他の樹脂種を含有してもよいが、酸素透過係数が、1×10−16(cm(STP)cm/(cm・sec・cmHg))以下、好ましくは1×10−19(cm(STP)cm/(cm・sec・cmHg))以上1×10−16(cm(STP)cm/(cm・sec・cmHg))以下の樹脂種で形成されることが好ましい。但し、特に好ましい態様は、樹脂成分として、酸素不透過性樹脂のみを含有するものである。
ガスバリア層の可視光の透過率は、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。なお、透過率は、JIS R3106:1998に規定される方法に準じて測定することができ、380nm〜780nmの波長領域の透過率を平均することで求められる。
ガスバリア層の厚さは、0.5μm以上5.0μm以下であることが好ましい。厚さが0.5μm以上であれば、ルチル型酸化チタンの急速な酸化を防止するために必要となる酸素不透過性を確保し易い。その一方で、厚さが5.0μm以下であれば、可視光の透過率の確保が比較的容易である。また、酸素透過度が過小となることによって、ルチル型酸化チタンの再酸化が妨げられるおそれが低くなるため、日射が無くなる等して紫外線非照射下におかれた際に意匠性を回復し易い。
ガスバリア層における酸素不透過性樹脂の含有量は、ガスバリア層の乾燥質量あたり、1質量%以上99.9質量%以下とすることが好ましく、50質量%以上99.9質量%以下とすることがより好ましく、70質量%以上99.9質量%以下とすることがさらに好ましく、90質量%以上99.9質量%以下とすることが特に好ましい。
[基体]
基体は、主として、近赤外線遮蔽体を構成する層を支持する物品又は基材により構成される。すなわち、近赤外線遮蔽層やガスバリア層等の各層が、基体の表面に積層されることによって近赤外線遮蔽体が形成される。
基体を構成する物品としては、例えば、窓ガラス、壁材、敷設材、その他外装材、光学機器、撮像機器、描画機器等が挙げられる。物品の材質としては、例えば、ガラス、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフィド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、金属、セラミック等が挙げられる。
基体を構成する基材としては、例えば、各種目的に応じて板状、直方体状、シート状、フィルム状、レンズ状、円柱状、球状等適宜の形状に成型されている材料が挙げられる。基材としては、単一の基材により構成されるものであっても、同種又は異種の基材を複数積層乃至接合してなるものであってもよい。また、可撓性及び剛性のいずれを有する基材であってもよい。基材の形態としては、シート状又はフィルム状が好ましく、延伸加工が施された延伸フィルムがより好ましい。このような基材の表面に、近赤外線遮蔽層やガスバリア層等の各層が積層されることによって近赤外線遮蔽体が製造される。例えば、可撓性を有するフィルム状の基材で前記の基体を形成することで近赤外線遮蔽フィルムが提供される。
基材の可視光の透過率は、85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。なお、透過率は、JIS R3106:1998に規定される方法に準じて測定することができる。
基材の厚さは、光の透過領域について、5μm以上300μm以下であることが好ましく、15μm以上150μm以下であることがより好ましい。厚さが5μm以上であれば、基材上に形成される層を支持し易い。また、厚さが300μm以下であれば、可視光の透過率の確保が比較的容易である。
基材の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンや、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルや、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂や、ポリ塩化ビニル、アセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスチレン、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド等が挙げられるが、ポリエステルが特に好ましい。
ポリエステルを構成するジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸等が挙げられる。ジカルボン酸成分としては、これらの中でも、テレフタル酸又は2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
ポリエステルを構成するジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオール等が挙げられる。ジオール成分としては、これらの中でも、エチレングリコール又は1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
基体は、従来から知られている一般的な方法によって製造することができる。例えば、フィルム状の基材の製造は、加熱溶融させた樹脂を板状に押出又は流延させた後、適宜の形状に成型しつつ冷却することによって行うことができる。また、基材を延伸加工に供する場合には、一軸延伸機や二軸延伸機等を用いて、冷却された未延伸の基材を適宜の方向に延伸することによって、機械的強度や光透過性が向上した延伸フィルムとすることができる。延伸フィルムは、さらに弛緩処理に供してもよい。弛緩処理は、例えば、80℃以上200℃以下程度に加熱した後に冷却することによって行うことができる。弛緩処理を行うことによって、基材の内部応力や熱収縮が低減するため、光透過性や形状精度を向上させることが可能である。
基体には、下引き層を形成することができる。下引き層を形成する樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレンイミンビニリデン樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、変性ポリビニルアルコール樹脂等が挙げられる。下引き層の形成は、一般的な塗布方法が利用可能であり、例えば、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレーコート等によって行うことができる。下引き層の膜厚は、0.01g/m以上2.00g/m以下程度とすることが好ましい。
[その他の機能層]
本実施形態に係る近赤外線遮蔽体は、前記の基体、近赤外線遮蔽層、ガスバリア層と共に、一般的な機能性フィルムにおいて採用されているその他の機能層を備える構成としてもよい。その他の機能層としては、屈折率が異なる複数の層からなる光学反射積層体や、赤外線遮蔽層(金属層、液晶層)、導電性層、帯電防止層、易接着層(接着層)、防汚層、消臭層、流滴層、易滑層、ハードコート層、耐摩耗性層、反射防止層、電磁波シールド層、紫外線吸収層、印刷層、蛍光発光層、ホログラム層、剥離層、粘着層、接着層、着色層(可視光線吸収層)、合わせガラスに利用される中間膜層等が挙げられる。これらの機能層は、基体と近赤外線遮蔽層との間に設けることが好ましく、基体と近赤外線遮蔽層との間にガスバリア層を形成する場合には、基体とガスバリア層との間に設けることが好ましい。すなわち、近赤外線遮蔽層及び任意に形成されるガスバリア層は、近赤外線遮蔽体において、最表面側に配置されることが好ましい。
その他の機能層としては、近赤外線の遮蔽性能を向上させる観点からは、特に、近赤外領域について高い反射率を示す光学反射積層体(近赤外線反射積層体)を備えることが好ましい。そこで、以下、近赤外線反射積層体の構成について説明する。
[近赤外線反射積層体]
近赤外線反射積層体は、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層された構造を有する。多数の高屈折率層及び低屈折率層が積層された構造によって、可視光線を透過させる一方で、近赤外線を選択的に反射して遮熱性能を発揮する機能層である。具体的には、近赤外線反射積層体は、波長900nm以上1400nm以下の波長領域において、反射率が50%を超える領域を有する程度の近赤外線の遮蔽性能を備えている。なお、基材上に近赤外線反射積層体が形成される場合には、近赤外線遮蔽層に最も近接して配置される層は、高屈折率層及び低屈折率層のいずれであってもよい。また、このとき、高屈折率層や低屈折率層と近赤外線遮蔽層やガスバリア層とは、屈折率が、相互に光学的な連続性や規則性を有していることを要しない。
近赤外線反射積層体は、所定の屈折率を有する高屈折率層及び低屈折率層を積層配置されている限り、高屈折率層と低屈折率層との間に仕切層や接着層が設けられたものでもよい。仕切層は、高屈折率層と低屈折率層との間で生じる金属酸化物粒子の層間凝集や層間拡散を抑制して、高屈折率層と低屈折率層との層間混合を低減する機能を有する層であり、具体的には、特開2013−125076号公報に開示される方法に従って設けることができる。接着層は、高屈折率層、低屈折率層、仕切層等の各層間の接着性の改善を目的として介在させる層である。
近赤外線反射積層体における高屈折率層及び低屈折率層の総層数は、10以上50以下とすることが好ましく、10以上30以下とすることがより好ましく、10以上20以下とすることがさらに好ましい。これらの層の総層数が少ない程、製造時の工数を少なくすることができ、製造される近赤外反射積層体の形状精度を向上させ易い。また、これらの層の総層数が少ない程、近赤外線反射積層体における可視光透過性を確保し易い傾向がある。
高屈折率層と低屈折率層との屈折率差は、0.10以上、好ましくは0.30以上、より好ましくは0.35以上、特に好ましくは0.40以上である。屈折率差が大きい程、少ない総層数で高い近赤外線反射率を達成することができる。
近赤外線反射積層体の可視光の透過率は、50%以上であることが好ましく、75%以上であることがより好ましく、85%以上であることがさらに好ましい。なお、透過率は、JIS R3106:1998に規定される方法に準じて測定することができる。
{高屈折率層}
高屈折率層は、主に、金属酸化物粒子とバインダ樹脂を含んでなる。高屈折率層において、金属酸化物粒子は、バインダ樹脂中に単分散状に分散して含まれている。
高屈折率層の屈折率は、1.60以上2.50以下であることが好ましく、1.80以上2.20以下であることがより好ましい。
高屈折率層の厚さは、20nm以上800nm以下であることが好ましく、50nm以上350nm以下であることがより好ましい。
高屈折率層における金属酸化物粒子としては、屈折率が2.0以上3.0以下である金属酸化物の粒子が好ましい。金属酸化物としては、具体的には、例えば、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、チタン酸鉛、鉛丹、黄鉛、亜鉛黄、酸化クロム、酸化第二鉄、鉄黒、酸化銅、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化ニオブ、酸化ユーロピウム、酸化ランタン、ジルコン、酸化スズ等が挙げられる。金属酸化物粒子としては、これらの中でも、酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子が好ましく、酸化チタン粒子がより好ましく、ルチル型酸化チタン粒子がさらに好ましい。
高屈折率層における金属酸化物粒子は、単一の金属酸化物からなる粒子及び複数の金属酸化物からなる複合酸化物粒子のいずれであってもよく、コアシェル構造を有する複合酸化物粒子や、多孔性の中空粒子としてもよい。
高屈折率層における金属酸化物粒子の体積平均粒子径は、100nm以下であることが好ましく、1nm以上50nm以下であることがより好ましく、1nm以上20nm以下であることがさらに好ましい。金属酸化物粒子の体積平均粒子径を100nm以下とすることによって、可視光透過性を適切に確保することができる。なお、体積平均粒子径は、体積基準頻度の重み付き平均粒子径であって、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡を用いて粒子を観察し、計1000個の粒子の粒子径を計測して求められる。粒子径は、電子顕微鏡像における粒子の面積等価円の直径として定義される。
高屈折率層における金属酸化物粒子の含有量は、高屈折率層の乾燥質量あたり、15質量%以上70質量%以下とすることが好ましく、20質量%以上65質量%以下とすることがより好ましく、30質量%以上60質量%以下とすることがさらに好ましい。
高屈折率層におけるバインダ樹脂としては、機械的強度や可視光透過性に優れる樹脂であれば任意の種を用いることができ、例えば、近赤外線遮蔽層におけるバインダ樹脂として用い得る種から選択することができる。但し、高屈折率層におけるバインダ樹脂は、酸素不透過性を備えていることを要しない。
高屈折率層におけるバインダ樹脂の重量平均分子量は、1000以上200000以下であることが好ましく、3000以上40000以下であることがより好ましい。
高屈折率層におけるバインダ樹脂の含有量は、高屈折率層の乾燥質量あたり、5質量%以上50質量%以下とすることが好ましく、10質量%以上40質量%以下とすることがより好ましい。バインダ樹脂の含有量が5質量%以上であれば、乾燥後の膜の表面が比較的平滑になるため、高屈折率層の光透過性を確保し易い傾向がある。また、バインダ樹脂の含有量が50質量%以下であれば、金属酸化物粒子の含有量を相対的に高くすることができるため、屈折率を増大させ易い傾向がある。
高屈折率層におけるバインダ樹脂は、硬化剤と併用することができる。なお、高屈折率層における硬化剤としては、近赤外線遮蔽層におけるバインダ樹脂と併用され得る種から選択することができる。高屈折率層における硬化剤の含有量は、バインダ樹脂の質量あたり、0.1質量%以上60質量%以下とすることが好ましく、10質量%以上60質量%以下とすることがより好ましい。
高屈折率層には、アミノ酸、エマルジョン樹脂、紫外線吸収剤、退色防止剤、界面活性剤、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、帯電防止剤、マット剤等の添加剤の一種以上を含有させることができる。添加剤の含有量は、高屈折率層の乾燥質量あたり、20質量%以下とすることが好ましい。
アミノ酸としては、等電点が6.5以下のアミノ酸が用いられる。具体的には、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、セリン等が挙げられるが、グリシン又はセリンが特に好ましい。アミノ酸は、任意の光学異性体の一種以上を単独で添加してよく、ラセミ体を添加してもよい。このようなアミノ酸を添加することによって、金属酸化物粒子の分散性を向上させることが可能である。
エマルジョン樹脂としては、平均粒子径が0.01μm以上2.0μm以下程度の非水溶性樹脂の微粒子を水系媒体中に分散させた樹脂が用いられる。具体的には、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニル系化合物、スチレン系化合物等のエチレン系単量体や、ブタジエン、イソプレン等のジエン系単量体の一種以上を重合させた単独重合体又は共重合体が挙げられる。すなわち、アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂等である。このようなエマルジョン樹脂を添加することによって、層の柔軟性やガラスへの貼付性を向上させることが可能である。エマルジョン樹脂は、例えば、非水溶性単量体を親水性分散剤を用いてエマルジョン状に乳化重合させることによって調製することができる。親水性分散剤としては、例えば、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジエチルアミン、エチレンジアミン、第四級アンモニウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエキシエチレンラウリル酸エーテル、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭57−74193号公報、特開昭57−87988号公報、特開昭62−261476号公報に記載されるような公知の添加剤を用いることができる。また、退色防止剤としては、例えば、特開昭57−74192号公報、特開昭57−87989号公報、特開昭60−72785号公報、特開昭61−146591号公報、特開平1−95091号公報、特開平3−13376号公報に記載されるような公知の添加剤を用いることができる。また、界面活性剤としては、従来知られているアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤のいずれも用いることができる。また、蛍光増白剤としては、例えば、特開昭59−42993号公報、特開昭59−52689号公報、特開昭62−280069号公報、特開昭61−242871号公報、特開平4−219266号公報に記載されるような公知の添加剤を用いることができる。また、pH調整剤としては、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等の任意の種を用いることができる。
{低屈折率層}
低屈折率層は、主に、金属酸化物粒子とバインダ樹脂を含んでなる。低屈折率層において、金属酸化物粒子は、バインダ樹脂中に単分散状に分散して含まれている。
低屈折率層の屈折率は、1.60以下であることが好ましく、1.10以上1.60以下であることがより好ましく、1.30以上1.50以下であることがさらに好ましい。
低屈折率層の厚さは、20nm以上800nm以下であることが好ましく、50nm以上350nm以下であることがより好ましい。
低屈折率層における金属酸化物粒子としては、屈折率が1.0以上1.7以下である金属酸化物の粒子が好ましい。金属酸化物としては、具体的には、例えば、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ等が挙げられる。これらの金属酸化物の調製には、特に、酸性のコロイダルシリカゾルを利用することが好ましく、有機溶媒に分散させたコロイダルシリカゾルを利用することがより好ましい。低屈折率層における金属酸化物粒子は、多孔性の中空粒子としてもよい。
コロイダルシリカは、例えば、特開昭57−14091号公報、特開昭60−219083号公報、特開昭60−219084号公報、特開昭61−20792号公報、特開昭61−188183号公報、特開昭63−17807号公報、特開平4−93284号公報、特開平5−278324号公報、特開平6−92011号公報、特開平6−183134号公報、特開平6−297830号公報、特開平7−81214号公報、特開平7−101142号公報、特開平7−179029号公報、特開平7−137431号公報、および国際公開第94/26530号等を参考にして調製することができる。
低屈折率層に含有させる金属酸化物粒子の体積平均粒子径は、100nm以下であることが好ましく、3nm以上50nm以下であることがより好ましく、3nm以上20nm以下であることがさらに好ましく、4nm以上10nm以下であることが特に好ましい。金属酸化物粒子の体積平均粒子径を100nm以下とすることによって、可視光透過性を適切に確保することができる。なお、体積平均粒子径は、体積基準頻度の重み付き平均粒子径である。金属酸化物粒子の粒子径は、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡を用いて観察される粒子の面積等価円の直径として定義される。
低屈折率層における金属酸化物粒子の含有量は、低屈折率層の乾燥質量あたり、0.1質量%以上50質量%以下とすることが好ましく、0.5質量%以上45質量%以下とすることがより好ましく、1質量%以上40質量%以下とすることがさらに好ましく、5質量%以上30質量%以下とすることが特に好ましい。
低屈折率層におけるバインダ樹脂としては、機械的強度や可視光透過性に優れる樹脂であれば任意の種を用いることができ、例えば、近赤外線遮蔽層におけるバインダ樹脂として用い得る種から選択することができる。但し、低屈折率層におけるバインダ樹脂は、酸素不透過性を備えていることを要しない。
低屈折率層におけるバインダ樹脂の重量平均分子量は、1000以上200000以下であることが好ましく、3000以上40000以下であることがより好ましい。
低屈折率層におけるバインダ樹脂の含有量は、低屈折率層の乾燥質量あたり、1質量%以上99.9質量%以下とすることが好ましく、1質量%以上50質量%以下とすることがより好ましい。
低屈折率層におけるバインダ樹脂は、硬化剤と併用することができる。なお、低屈折率層における硬化剤としては、近赤外線遮蔽層におけるバインダ樹脂と併用され得る種から選択することができる。
低屈折率層における硬化剤の含有量は、バインダ樹脂の質量あたり、1質量%以上10質量%以下とすることが好ましく、2質量%以上6質量%以下とすることがより好ましい。
低屈折率層には、アミノ酸、エマルジョン樹脂、紫外線吸収剤、退色防止剤、界面活性剤、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、帯電防止剤、マット剤等の添加剤の一種以上を含有させることができる。添加剤の含有量は、低屈折率層の乾燥質量あたり、20質量%以下とすることが好ましい。
[近赤外線遮蔽体の製造方法]
本実施形態に係る近赤外線遮蔽体は、従来知られている一般的な積層フィルムの製造方法に準じて製造することができる。近赤外線遮蔽体の製造方法は、例えば、ルチル型酸化チタンの粒子とバインダ樹脂とを含んでなる近赤外線遮蔽層形成用塗布液を塗布する工程、塗布された近赤外線遮蔽層形成用塗布液を乾燥させて近赤外線遮蔽層を形成する工程、酸素不透過性樹脂を含んでなるガスバリア層形成用塗布液を塗布する工程、塗布されたガスバリア層形成用塗布液を乾燥させてガスバリア層を形成する工程を含んでなる。
近赤外線遮蔽体の製造において、各塗布液は、基体上、又は、基体上に既に形成された層上に塗布される。塗布液を塗布する工程は、それぞれ、製造しようとする近赤外線遮蔽体の積層構造に応じて下層側(基体側)から逐次行ってよく、あるいは複数の塗布液を重層して同時に行ってもよい。また塗布液を乾燥させる工程は、それぞれ、各塗布液が逐次塗布される毎に行ってよく、あるいは複数の塗布液が重層された後に複数層について一括して行ってもよい。
近赤外線遮蔽体の製造に用いる塗布液は、バインダ樹脂を適宜の溶媒に溶解し、必要な添加剤等を添加し、近赤外線遮蔽層形成用塗布液についてはルチル型酸化チタンを加え、撹拌・均質化することによって調製すればよい。添加するルチル型酸化チタンは、乾燥粉末状及びゾル状のいずれでもよく、ゾル状のルチル型酸化チタンを用いる場合は、ゾルの媒質を必要に応じて塗布液の溶媒に置換して用いればよい。なお、酸素不透過性樹脂によってルチル型酸化チタンの粒子を被覆し、これをバインダ樹脂中に分散させる形態とする場合には、酸素不透過性樹脂の溶液に浸漬した後に乾燥させる等して得たルチル型酸化チタンの被覆粒子を塗布液の調製に用いることができる。
溶媒としては、溶解させるバインダ樹脂の種に応じて、例えば、水や、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類や、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類や、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類や、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類や、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類や、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等の適宜の種を用いることができる。
塗布液は、30℃以上60℃以下の温度範囲に加熱した後に塗布することが好ましい。塗布液の塗布方法としては、一般的な塗布方法が利用可能であり、例えば、バーコーター、コンマコーター、ロールコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、スロットダイコーター、エアナイフコーター、ディップコーター等の塗布手段を用いる方法が挙げられる。
塗布液を乾燥させる方法としては、低温による恒率乾燥とそれより昇温させて行う減率乾燥とを組み合わせた方法が好ましく、例えば、1℃以上15℃以下程度の冷温の下でセットさせた後、加熱乾燥させる方法が好ましい。加熱乾燥における温度としては、湿球温度が5℃以上50℃以下、膜面温度が30℃以上100℃以下となる温度が好ましい。
[用途]
以上の本発明に係る近赤外線遮蔽体は、例えば、各種建築物、車両、鉄道、船舶等の採光窓として適用することができる。このような近赤外線遮蔽体は、日射下においては、近赤外線不透過性を示して、空間の温度上昇を低減する一方で、日射が無くなると、可視光透過性が回復し、暗色や虹色の着色、乱反射によるぎらつきが低減されて、良好な意匠性を呈する点で有用である。また、近赤外線遮蔽体が示すフォトクロミズムはルチル型酸化チタンによるため、温度、湿度、色変の繰り返し等に対する耐久性を有し、劣化し難い近赤外線不透過性及び可視光透過性を備える近赤外線遮蔽体が得られる。また、本発明に係る近赤外線遮蔽体は、光学機器、撮像機器、描画機器等が備える光学素子をはじめとする光透過部材や、各種構造物の壁材、敷設材、その他外装材等として適用することができる。このような近赤外線遮蔽体は、紫外線量を調節することによって、近赤外線不透過性及び可視光透過性を変化させることが可能である点で有用である。
以下、本発明の実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ルチル型酸化チタンの粒子を含んでなる近赤外線遮蔽層を備えた近赤外線遮蔽体(近赤外線遮蔽フィルム)を製造して、その近赤外領域における吸収率と可視光領域における透過率を評価した。
[実施例1]
実施例1として、基材上に形成された近赤外線遮蔽層が酸素不透過性樹脂を含有する単層構造の近赤外線遮蔽フィルムを製造した。なお、基材としては、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)製の基材を用いた。また、ルチル型酸化チタンとしては、酸化チタン水溶液「SRD−W」(堺化学工業株式会社製)を用いた。「SRD−W」は、酸化チタン粒子径が5nm、酸化チタン濃度が15質量%の水溶液である。また、酸素不透過性樹脂としては、ポリビニルアルコール「PVA124」(株式会社クラレ製)を用いた。ポリビニルアルコール「PVA124」の20℃における酸素透過係数は、4.0×10−18(cm・cm/(cm・sec・cmHg))であった。
なお、使用した樹脂の酸素透過係数は、膜厚が100μm、直径5cmの円板状の樹脂フィルムを試験片として作製し、ガス透過性測定器「Gasperm−100」(日本分光株式会社製)を用いて測定した。酸素透過係数(P)[cm・cm/(cm・sec・cmHg)]は、酸素透過量(q)[cm]、試験片の平均厚さ(L)[μm]、酸素供給圧(p)[kg/cm]、試験片の透過面積(A)[cm]、測定時間(t)[min]を用いて、次の数式1に従って算出することができる。
P=q×L/(p×A×t)・・・(数式1)
そこで、酸素透過度の算出において、酸素透過量(q)としては、ガス透過性測定器による測定値に装置定数(0.2/1000)を乗じて補正した値を使用し、酸素透過係数(P)を、次の数式2に従って算出した。
P=(測定値/2206.5×p×A×t)×10−8・・・(数式2)
実施例1に係る近赤外線遮蔽フィルムは、以下の手順に従って製造した。はじめに、酸化チタン水溶液に3%クエン酸を添加してpH4に調整した。次いで、この酸化チタン水溶液に、酸素不透過性樹脂の濃度を4質量%とした樹脂水溶液を添加して、酸化チタンの粒子含有率が45質量%の塗布液を調製した。そして、調製した塗布液を、基材の片面上にスライドコータを用いて塗布して塗膜を形成した。続いて、形成された塗膜を冷風に晒してセット乾燥させた後、温風乾燥に供して膜厚が1.0μmの近赤外線遮蔽層を形成し、実施例1に係る近赤外線遮蔽フィルムとした。
次に、製造された実施例1に係る近赤外線遮蔽フィルムの近赤外領域における吸収率と可視光領域における透過率の計測を行った。近赤外線遮蔽フィルムの透過率及び吸収率は、紫外線照射前と紫外線照射後のそれぞれについて求め、ルチル型酸化チタンの酸化還元状態の変化に沿った近赤外線遮蔽性能及び可視光線透過性能について確認した。
紫外線照射前と紫外線照射後のそれぞれにおける光透過率・吸収率の測定は、積分球分光光度計「U−4000」(日立製作所株式会社)を用いて、波長300nm〜2000nmの領域について行った。なお、近赤外領域の吸収率については、波長1200nmにおける測定値、可視光領域の透過率については、波長550nmにおける測定値を用いた。また、紫外線照射には、キセノンランプを光源とする耐候性試験機「キセノンウェザーメーター」(スガ試験機株式会社製)を用いた。
光透過率・吸収率の測定は、以下の手順に従って行った。はじめに、製造された近赤外線遮蔽フィルムを厚さ3mmの青色ガラスに貼付して試料とした。そして、試料の光透過率・吸収率を分光光度計を用いて測定し、紫外線照射前の近赤外領域の吸収率と可視光領域の透過率を求めた。続いて、試料を温度30℃、湿度60%の条件の下で、強度160W/mのキセノン光に30分間曝露した。その後、試料の光透過率・吸収率を分光光度計を用いて再度測定し、紫外線照射後の近赤外領域の吸収率と可視光領域の透過率を求めた。
その結果、実施例1に係る近赤外線遮蔽フィルムにおいて、紫外線照射前は、近赤外領域の吸収率は3%、可視光領域の透過率は90%であったのに対し、紫外線照射後は、近赤外領域の吸収率は72%、可視光領域の透過率は81%となった。
[実施例2]
実施例2として、基材上に形成された近赤外線遮蔽層が酸素不透過性樹脂を含有する単層構造の近赤外線遮蔽フィルムを製造した。なお、実施例2に係る近赤外線遮蔽フィルムは、酸素不透過性樹脂として、エチレン変性ポリビニルアルコール「RS2117」(株式会社クラレ製)を用いた点を除いて実施例1と同様の手順に従って製造した。エチレン変性ポリビニルアルコール「RS2117」の20℃における酸素透過係数は、5.0×10−18(cm・cm/(cm・sec・cmHg))であった。
次に、製造された実施例2に係る近赤外線遮蔽フィルムの近赤外領域における吸収率と可視光領域における透過率の計測を実施例1と同様にして行った。その結果、実施例2に係る近赤外線遮蔽フィルムにおいて、紫外線照射前は、近赤外領域の吸収率は3%、可視光領域の透過率は90%であったのに対し、紫外線照射後は、近赤外領域の吸収率は65%、可視光領域の透過率は80%となった。
[実施例3]
実施例3として、基材上に形成された近赤外線遮蔽層が酸素不透過性樹脂を含有する単層構造の近赤外線遮蔽フィルムを製造した。なお、実施例3に係る近赤外線遮蔽フィルムは、酸化チタンの粒子含有率が30質量%の塗布液を調製して用いた点を除いて実施例1と同様の手順に従って製造した。
次に、製造された実施例3に係る近赤外線遮蔽フィルムの近赤外領域における吸収率と可視光領域における透過率の計測を実施例1と同様にして行った。その結果、実施例3に係る近赤外線遮蔽フィルムにおいて、紫外線照射前は、近赤外領域の吸収率は3%、可視光領域の透過率は90%であったのに対し、紫外線照射後は、近赤外領域の吸収率は45%、可視光領域の透過率は83%となった。
[実施例4]
実施例4として、基材上に形成された近赤外線遮蔽層が酸素不透過性樹脂を含有する単層構造の近赤外線遮蔽フィルムを製造した。なお、実施例4に係る近赤外線遮蔽フィルムは、ルチル型酸化チタンとして、酸化チタン「TTO−55」(石原産業株式会社製)を用いた点を除いて実施例1と同様の手順に従って製造した。「TTO−55」は、固相法で調製され、Al(OH)で表面処理された、粒子径が50nmの酸化チタンである。
次に、製造された実施例4に係る近赤外線遮蔽フィルムの近赤外領域における吸収率と可視光領域における透過率の計測を実施例1と同様にして行った。その結果、実施例4に係る近赤外線遮蔽フィルムにおいて、紫外線照射前は、近赤外領域の吸収率は3%、可視光領域の透過率は84%であったのに対し、紫外線照射後は、近赤外領域の吸収率は52%、可視光領域の透過率は78%となった。
[実施例5]
実施例5として、基材上に形成された近赤外線遮蔽層が酸素不透過性樹脂を含有する単層構造の近赤外線遮蔽フィルムを製造した。なお、実施例5に係る近赤外線遮蔽フィルムは、ルチル型酸化チタンとして、表面がケイ素酸化物によって被覆されている酸化チタン(シリカコート酸化チタン)を調製して用いた点を除いて実施例1と同様の手順に従って製造した。
表面がケイ素酸化物によって被覆されている酸化チタンは、以下の手順に従って調製した。はじめに、15.0質量%酸化チタンゾル「SRD−W」(ルチル型二酸化チタン粒子、体積平均粒径5nm、堺化学工業株式会社製)0.5質量部に純水2質量部を加えた後、90℃に加熱した。次いで、ケイ酸水溶液(「ケイ酸ソーダ4号」(日本化学工業株式会社製)をSiO換算濃度が0.5%となるように純水で希釈した水溶液)0.45質量部を徐々に添加し、次いで、オートクレーブ中、175℃で18時間加熱処理を行った。そして、冷却後、限外濾過膜にて濃縮することにより、固形分濃度が20質量%のケイ素酸化物(SiO)を表面に付着させた酸化チタンゾル(以下、シリカ付着酸化チタンゾル)を得た。一部のサンプルを抜き取り、粒子の組成分析を行ったところ、ケイ素酸化物の被覆量は、酸化チタンに対して3質量%であった。
次に、製造された実施例5に係る近赤外線遮蔽フィルムの近赤外領域における吸収率と可視光領域における透過率の計測を実施例1と同様にして行った。その結果、実施例5に係る近赤外線遮蔽フィルムにおいて、紫外線照射前は、近赤外領域の吸収率は3%、可視光領域の透過率は92%であったのに対し、紫外線照射後は、近赤外領域の吸収率は77%、可視光領域の透過率は82%となった。
[実施例6]
実施例6として、基材上に形成された近赤外線遮蔽層が酸素不透過性樹脂を含有する単層構造の近赤外線遮蔽フィルムを製造した。なお、実施例6に係る近赤外線遮蔽フィルムは、ルチル型酸化チタンを異なる量のケイ素酸化物によって被覆した点を除いて実施例5と同様の手順に従って製造した。
表面がケイ素酸化物によって被覆されている酸化チタンは、以下の手順に従って調製した。はじめに、15.0質量%酸化チタンゾル「SRD−W」(ルチル型二酸化チタン粒子、体積平均粒径5nm、堺化学工業株式会社製)0.5質量部にの純水2質量部を加えた後、90℃に加熱した。次いで、ケイ酸水溶液(「ケイ酸ソーダ4号」(日本化学工業株式会社製)をSiO換算濃度が0.6%となるように純水で希釈した水溶液)0.6質量部を徐々に添加し、次いで、オートクレーブ中、175℃で18時間加熱処理を行った。そして、冷却後、限外濾過膜にて濃縮することにより、固形分濃度が20質量%のケイ素酸化物(SiO)を表面に付着させた酸化チタンゾルを得た。一部のサンプルを抜き取り、粒子の組成分析を行ったところ、ケイ素酸化物の被覆量は、酸化チタンに対して4質量%であった。
次に、製造された実施例6に係る近赤外線遮蔽フィルムの近赤外領域における吸収率と可視光領域における透過率の計測を実施例1と同様にして行った。その結果、実施例6に係る近赤外線遮蔽フィルムにおいて、紫外線照射前は、近赤外領域の吸収率は3%、可視光領域の透過率は92%であったのに対し、紫外線照射後は、近赤外領域の吸収率は85%、可視光領域の透過率は82%となった。
[実施例7]
実施例7として、基材上に形成された近赤外線遮蔽層が酸素不透過性樹脂を含有する単層構造の近赤外線遮蔽フィルムを製造した。なお、実施例7に係る近赤外線遮蔽フィルムは、ルチル型酸化チタンを異なる量のケイ素酸化物によって被覆した点を除いて実施例5や実施例6と同様の手順に従って製造した。
表面がケイ素酸化物によって被覆されている酸化チタンは、以下の手順に従って調製した。はじめに、15.0質量%酸化チタンゾル「SRD−W」(ルチル型二酸化チタン粒子、体積平均粒径5nm、堺化学工業株式会社製)0.5質量部にの純水2質量部を加えた後、90℃に加熱した。次いで、ケイ酸水溶液(「ケイ酸ソーダ4号」(日本化学工業株式会社製)をSiO換算濃度が0.6%となるように純水で希釈した水溶液)1.5質量部を徐々に添加し、次いで、オートクレーブ中、175℃で18時間加熱処理を行った。そして、冷却後、限外濾過膜にて濃縮することにより、固形分濃度が20質量%のケイ素酸化物(SiO)を表面に付着させた酸化チタンゾルを得た。一部のサンプルを抜き取り粒子の組成分析を行ったところ、ケイ素酸化物の被覆量は、酸化チタンに対して10質量%であった。
次に、製造された実施例7に係る近赤外線遮蔽フィルムの近赤外領域における吸収率と可視光領域における透過率の計測を実施例1と同様にして行った。その結果、実施例7に係る近赤外線遮蔽フィルムにおいて、紫外線照射前は、近赤外領域の吸収率は3%、可視光領域の透過率は92%であったのに対し、紫外線照射後は、近赤外領域の吸収率は84%、可視光領域の透過率は82%となった。
[実施例8]
実施例8として、基材上に形成された近赤外線遮蔽層が酸素不透過性樹脂を含有する単層構造の近赤外線遮蔽フィルムを製造した。なお、基材としては、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)製の基材を用いた。また、ルチル型酸化チタンとしては、酸化チタン水溶液「SRD−W」(堺化学工業株式会社製)を用いた。また、酸素不透過性樹脂としては、ポリアクリロニトリル「ゼクロン(登録商標)」(三井化学株式会社製)を用いた。ポリアクリロニトリル「ゼクロン」の20℃における酸素透過係数は、1.5×10−17(cm・cm/(cm・sec・cmHg))であった。
実施例8に係る近赤外線遮蔽フィルムは、以下の手順に従って製造した。はじめに、酸化チタン水溶液を限外濾過膜を用いて濃縮して50%の体積に減容した後にアセトニトリルを加えて100%の体積に戻す一連の操作を繰り返すことによって、酸化チタン水溶液の溶媒を水からアセトニトリルに置換した。続いて、この酸化チタン溶液に、酸素不透過性樹脂の濃度を4質量%としたジメチルスルホキシド溶液を添加して、酸化チタンの粒子含有率が45質量%の塗布液を調製した。そして、この塗布液を用いて以降実施例1と同様の手順に従って近赤外線遮蔽層を形成し、実施例8に係る近赤外線遮蔽フィルムとした。
次に、製造された実施例8に係る近赤外線遮蔽フィルムの近赤外領域における吸収率と可視光領域における透過率の計測を実施例1と同様にして行った。その結果、実施例8に係る近赤外線遮蔽フィルムにおいて、紫外線照射前は、近赤外領域の吸収率は3%、可視光領域の透過率は90%であったのに対し、紫外線照射後は、近赤外領域の吸収率は40%、可視光領域の透過率は83%となった。
[実施例9]
実施例9として、基材上に形成された近赤外線遮蔽層が酸素不透過性樹脂を含有する単層構造の近赤外線遮蔽フィルムを製造した。なお、実施例9に係る近赤外線遮蔽フィルムは、基材として、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層されてなる近赤外線反射積層体を用い、ルチル型酸化チタンとして、実施例5と同様の手順で調製した、表面がケイ素酸化物によって被覆されている酸化チタン(シリカコート酸化チタン)を用いた点を除いて実施例1と同様の手順に従って製造した。なお、近赤外線反射積層体における高屈折率層及び低屈折率層は、それぞれポリメタクリル酸メチル共重合体によって構成され、ポリエチレンテレフタレート上に共押出されることによって形成されている。近赤外線反射積層体の厚さは、65μmであり、高屈折率層の屈折率は1.65、低屈折率層の屈折率は1.49である。
次に、製造された実施例9に係る近赤外線遮蔽フィルムの近赤外領域における吸収率と可視光領域における透過率の計測を実施例1と同様にして行った。なお、ここでの吸収率は、反射を含めた非透過の光量に基づいて求めた。その結果、実施例9に係る近赤外線遮蔽フィルムにおいて、紫外線照射前は、近赤外領域の吸収率は50%、可視光領域の透過率は83%であったのに対し、紫外線照射後は、近赤外領域の吸収率は81%、可視光領域の透過率は76%となった。
[実施例10]
実施例10として、基材上に形成された近赤外線遮蔽層が、酸素不透過性樹脂を含んでなる2層のガスバリア層で挟まれている積層構造の近赤外線遮蔽フィルムを製造した。なお、基材としては、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)製の基材を用いた。また、ルチル型酸化チタンとしては、酸化チタン水溶液「SRD−W」(堺化学工業株式会社製)を用いた。また、酸素不透過性樹脂としては、ポリビニルアルコール「PVA124」(株式会社クラレ製)を用いた。
実施例10に係る近赤外線遮蔽フィルムは、以下の手順に従って製造した。はじめに、酸化チタン水溶液に3%クエン酸を添加してpH4に調整した。次いで、この酸化チタン水溶液に、酸素不透過性樹脂の濃度を4質量%とした樹脂水溶液を添加して、酸化チタンの粒子含有率が45質量%の塗布液を調製した。そして、酸化チタンを含有していない樹脂水溶液を、基材の片面上にスライドコータを用いて塗布して塗膜を形成し、形成された塗膜を5℃の冷風に晒してセット乾燥させた後、80℃の温風乾燥に供して膜厚が1μmのガスバリア層を形成した。続いて、調製した塗布液を、形成したガスバリア層上にスライドコータを用いて塗布して塗膜を形成し、形成された塗膜を5℃の冷風に晒してセット乾燥させた後、80℃の温風乾燥に供して膜厚が1.0μmの近赤外遮蔽層を形成した。その後、さらに、酸化チタンを含有していない樹脂水溶液を、形成した近赤外遮蔽層上にスライドコータを用いて塗布して塗膜を形成し、形成された塗膜を5℃の冷風に晒してセット乾燥させた後、80℃の温風乾燥に供して膜厚が1μmのガスバリア層を形成し、実施例10に係る近赤外線遮蔽フィルムとした。
次に、製造された実施例10に係る近赤外線遮蔽フィルムの近赤外領域における吸収率と可視光領域における透過率の計測を実施例1と同様にして行った。その結果、実施例10に係る近赤外線遮蔽フィルムにおいて、紫外線照射前は、近赤外領域の吸収率は3%、可視光領域の透過率は90%であったのに対し、紫外線照射後は、近赤外領域の吸収率は70%、可視光領域の透過率は80%となった。
[実施例11]
実施例11として、基材上に形成された近赤外線遮蔽層が、酸素不透過性樹脂を含んでなる2層のガスバリア層で挟まれている積層構造の近赤外線遮蔽フィルムを製造した。なお、実施例11に係る近赤外線遮蔽フィルムは、酸素不透過性樹脂として、エチレン変性ポリビニルアルコール「RS2117」(株式会社クラレ製)を用いた点を除いて実施例10と同様の手順に従って製造した。
次に、製造された実施例11に係る近赤外線遮蔽フィルムの近赤外領域における吸収率と可視光領域における透過率の計測を実施例1と同様にして行った。その結果、実施例11に係る近赤外線遮蔽フィルムにおいて、紫外線照射前は、近赤外領域の吸収率は3%、可視光領域の透過率は90%であったのに対し、紫外線照射後は、近赤外領域の吸収率は62%、可視光領域の透過率は79%となった。
[実施例12]
実施例12として、基材上に形成された近赤外線遮蔽層が、酸素不透過性樹脂を含んでなる2層のガスバリア層で挟まれている積層構造の近赤外線遮蔽フィルムを製造した。なお、実施例12に係る近赤外線遮蔽フィルムは、酸素不透過性樹脂として、ポリアクリロニトリル「ゼクロン(登録商標)」(三井化学株式会社製)を用いた点を除いて実施例10と同様の手順に従って製造した。すなわち、ポリアクリロニトリルを、基材の片面上に塗布して膜厚が1μmのガスバリア層を形成し、実施例8と同様にして調製した塗布液を、形成したガスバリア層上に塗布して膜厚が1.0μmの近赤外遮蔽層を形成し、さらに、ポリアクリロニトリルを、形成した近赤外遮蔽層上に塗布して膜厚が1μmのガスバリア層を形成することによって、実施例12に係る近赤外線遮蔽フィルムとした。
次に、製造された実施例12に係る近赤外線遮蔽フィルムの近赤外領域における吸収率と可視光領域における透過率の計測を実施例1と同様にして行った。その結果、実施例12に係る近赤外線遮蔽フィルムにおいて、紫外線照射前は、近赤外領域の吸収率は3%、可視光領域の透過率は90%であったのに対し、紫外線照射後は、近赤外領域の吸収率は39%、可視光領域の透過率は83%となった。
[実施例13]
実施例13として、基材上に形成された近赤外線遮蔽層が、酸素不透過性樹脂を含んでなる2層のガスバリア層で挟まれている積層構造の近赤外線遮蔽フィルムを製造した。なお、実施例13に係る近赤外線遮蔽フィルムは、ルチル型酸化チタンとして、実施例5と同様の手順で調製した、表面がケイ素酸化物によって被覆されている酸化チタン(シリカコート酸化チタン)を用いた点を除いて実施例10と同様の手順に従って製造した。
次に、製造された実施例13に係る近赤外線遮蔽フィルムの近赤外領域における吸収率と可視光領域における透過率の計測を実施例1と同様にして行った。その結果、実施例13に係る近赤外線遮蔽フィルムにおいて、紫外線照射前は、近赤外領域の吸収率は3%、可視光領域の透過率は92%であったのに対し、紫外線照射後は、近赤外領域の吸収率は77%、可視光領域の透過率は82%となった。
[実施例14]
実施例14として、基材上に形成された近赤外線遮蔽層が、酸素不透過性樹脂を含んでなる2層のガスバリア層で挟まれている積層構造の近赤外線遮蔽フィルムを製造した。なお、実施例14に係る近赤外線遮蔽フィルムは、基材として、実施例9と同様の高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層されてなる近赤外線反射積層体を用い、酸素不透過性樹脂として、エチレン変性ポリビニルアルコール「RS2117」(株式会社クラレ製)を用い、ルチル型酸化チタンとして、表面がケイ素酸化物によって被覆されている酸化チタン(シリカコート酸化チタン)を実施例5と同様の手順で調製して用いて実施例10と同様の手順に従って製造した。
次に、製造された実施例14に係る近赤外線遮蔽フィルムの近赤外領域における吸収率と可視光領域における透過率の計測を実施例1と同様にして行った。なお、ここでの吸収率は、反射を含めた非透過の光量に基づいて求めた。その結果、実施例14に係る近赤外線遮蔽フィルムにおいて、紫外線照射前は、近赤外領域の吸収率は50%、可視光領域の透過率は82%であったのに対し、紫外線照射後は、近赤外領域の吸収率は79%、可視光領域の透過率は83%となった。
[実施例15]
実施例15として、基材上に形成された近赤外線遮蔽層が酸素不透過性樹脂を含有する単層構造の近赤外線遮蔽フィルムを製造した。なお、実施例15に係る近赤外線遮蔽フィルムは、基材上に形成された近赤外線遮蔽層の乾燥後の膜厚が0.3μmになるように形成した以外は、実施例1と同様の手順に従って製造した。
次に、製造された実施例15に係る近赤外線遮蔽フィルムの近赤外領域における吸収率と可視光領域における透過率の計測を実施例1と同様にして行った。その結果、実施例15に係る近赤外線遮蔽フィルムにおいて、紫外線照射前は、近赤外領域の吸収率は0.9%、可視光領域の透過率は92%であったのに対し、紫外線照射後は、近赤外領域の吸収率は35%、可視光領域の透過率は87%となった。
[実施例16]
実施例16として、基材上に形成された近赤外線遮蔽層が酸素不透過性樹脂を含有する単層構造の近赤外線遮蔽フィルムを製造した。なお、実施例16に係る近赤外線遮蔽フィルムは、基材上に形成された近赤外線遮蔽層の乾燥後の膜厚が0.5μmになるように形成した以外は、実施例1と同様の手順に従って製造した。
次に、製造された実施例16に係る近赤外線遮蔽フィルムの近赤外領域における吸収率と可視光領域における透過率の計測を実施例1と同様にして行った。その結果、実施例15に係る近赤外線遮蔽フィルムにおいて、紫外線照射前は、近赤外領域の吸収率は1.5%、可視光領域の透過率は92%であったのに対し、紫外線照射後は、近赤外領域の吸収率は45%、可視光領域の透過率は85%となった。
[比較例1]
比較例1として、基材上に形成された近赤外線遮蔽層が酸素不透過性樹脂を含有していない単層構造の近赤外線遮蔽フィルムを製造した。なお、比較例1に係る近赤外線遮蔽フィルムは、酸素透過性樹脂に代えて、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を用いた点を除いて実施例1と同様の手順に従って製造した。ヒドロキシプロピルメチルセルロースの20℃における酸素透過係数は、4.0×10−16(cm・cm/(cm・sec・cmHg))であり、酸素不透過性は備わっていなかった。
次に、製造された比較例1に係る近赤外線遮蔽フィルムの近赤外領域における吸収率と可視光領域における透過率の計測を実施例1と同様にして行った。その結果、比較例1に係る近赤外線遮蔽フィルムにおいて、紫外線照射前は、近赤外領域の吸収率は3%、可視光領域の透過率は90%であったのに対し、紫外線照射後は、近赤外領域の吸収率は21%、可視光領域の透過率は89%となった。
[比較例2]
比較例2として、基材上に形成された近赤外線遮蔽層が酸素不透過性樹脂を含有していない単層構造の近赤外線遮蔽フィルムを製造した。なお、比較例2に係る近赤外線遮蔽フィルムは、酸素透過性樹脂に代えて、ポリエチレングリコール(PEO)を用いた点を除いて実施例1と同様の手順に従って製造した。ポリエチレングリコールの20℃における酸素透過係数は、3.0×10−9(cm・cm/(cm・sec・cmHg))であり、酸素不透過性は備わっていなかった。
次に、製造された比較例2に係る近赤外線遮蔽フィルムの近赤外領域における吸収率と可視光領域における透過率の計測を実施例1と同様にして行った。その結果、比較例2に係る近赤外線遮蔽フィルムにおいて、紫外線照射前は、近赤外領域の吸収率は3%、可視光領域の透過率は90%であったのに対し、紫外線照射後は、近赤外領域の吸収率は8%、可視光領域の透過率は90%となった。
[比較例3]
比較例3として、基材上に形成された近赤外線遮蔽層が酸素不透過性樹脂を含有していながら所定膜厚を有していない単層構造の近赤外線遮蔽フィルムを製造した。なお、比較例3に係る近赤外線遮蔽フィルムは、基材上に形成された近赤外線遮蔽層の乾燥後の膜厚が0.2μmになるように形成した以外は、実施例1と同様の手順に従って製造した。
次に、製造された比較例3に係る近赤外線遮蔽フィルムの近赤外領域における吸収率と可視光領域における透過率の計測を実施例1と同様にして行った。その結果、比較例3に係る近赤外線遮蔽フィルムにおいて、紫外線照射前は、近赤外領域の吸収率は0.6%、可視光領域の透過率は92%であったのに対し、紫外線照射後は、近赤外領域の吸収率は20%、可視光領域の透過率は87%となった。
[比較例4]
比較例4として、基材上に形成された近赤外線遮蔽層が酸素不透過性樹脂を含有していながら所定膜厚を有していない単層構造の近赤外線遮蔽フィルムを製造した。なお、比較例4に係る近赤外線遮蔽フィルムは、基材上に形成された近赤外線遮蔽層の乾燥後の膜厚が1.1μmになるように形成した以外は、実施例1と同様の手順に従って製造した。
次に、製造された比較例4に係る近赤外線遮蔽フィルムの近赤外領域における吸収率と可視光領域における透過率の計測を実施例1と同様にして行った。その結果、比較例4に係る近赤外線遮蔽フィルムにおいて、紫外線照射前は、近赤外領域の吸収率は3.3%、可視光領域の透過率は83%であったのに対し、紫外線照射後は、近赤外領域の吸収率は80%、可視光領域の透過率は69%となった。
[評価]
以上の実施例1〜実施例16、比較例1〜比較例4に係る近赤外線遮蔽フィルムにおける、性状、近赤外領域における吸収率及び可視光領域における透過率を以下の表1に示す。
Figure 2015060305
表1に示されるように、近赤外線遮蔽層に含まれるルチル型酸化チタンが、酸素不透過性樹脂によって酸素ガスと隔離されていない比較例1及び比較例2に係る近赤外線遮蔽フィルムでは、近赤外領域における吸収率は、紫外線照射後においても大きな増加を示さなかった。また、比較例3のように膜厚が0.3μmより薄い場合には、紫外線照射後も近赤外線遮蔽率が低く、比較例4のように膜厚が1.0μmより厚い場合には、可視光透過率が低くなってしまう。これに対して、近赤外線遮蔽層に含まれるルチル型酸化チタンが、酸素不透過性樹脂によって酸素ガスと隔離されている実施例1〜実施例16に係る近赤外線遮蔽フィルムでは、近赤外領域における吸収率は、紫外線照射後において大幅に増加した。また、可視光領域における透過率は、紫外線照射前に高い水準にあり、紫外線照射後においても高い透過率が確保されていた。よって、本発明によれば、紫外線の照射下においては、近赤外線遮蔽性能を有効に呈する一方で、紫外線の非照射下においては、良好な可視光透過性を示し、暗色や虹色の着色、乱反射によるぎらつきが低減され、良好な意匠性を呈する近赤外線遮蔽フィルムを提供することができることが確認された。
実施例1と実施例5〜実施例7を比較することにより、表面が珪素の水和酸化物によって被覆されている酸化チタンを用いることで、酸化チタンの着色が有効に生じて、近赤外領域における吸収率が向上する傾向が認められた。また、実施例1と実施例4を比較することにより、酸化チタンの粒子径が小さいほど、近赤外領域における吸収率及び可視光領域における透過率に優れることが確認された。また、実施例5と実施例9を比較することにより、基材と近赤外線遮蔽層との間に、近赤外線を反射する近赤外反射積層体を積層することによって、近赤外領域における吸収率をさらに向上させることができることが確認された。
1 近赤外線遮蔽体(単層構造)
2 近赤外線遮蔽体(積層構造)
10 基体
20 近赤外線遮蔽層
30A ガスバリア層(下層)
30B ガスバリア層(上層)

Claims (6)

  1. 基体と、
    前記基体上に形成され、ルチル型酸化チタンの粒子を含んでなる近赤外線遮蔽層と、
    を備え、
    前記ルチル型酸化チタンの粒子は、酸素透過係数が1×10−16(cm(STP)cm/(cm・sec・cmHg))以下である酸素不透過性樹脂で被覆されていて、前記近赤外線遮蔽層の乾燥後の膜厚が0.3μm以上1.0μm以下である
    ことを特徴とする近赤外線遮蔽体。
  2. 前記ルチル型酸化チタンの粒子は、平均粒子径が20nm以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の近赤外線遮蔽体。
  3. 前記ルチル型酸化チタンの粒子は、表面がケイ素酸化物によって被覆されている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の近赤外線遮蔽体。
  4. 前記ケイ素酸化物の被覆量が、ルチル型酸化チタン100質量%に対して、4質量%以上13質量%以下である
    ことを特徴とする請求項3に記載の近赤外線遮蔽体。
  5. 前記基体と前記近赤外線遮蔽層との間に、近赤外線反射積層体を有する
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の近赤外線遮蔽体。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の近赤外線遮蔽体において、
    前記基体を、可撓性を有するフィルム状の基材で形成してなる
    ことを特徴とする近赤外線遮蔽フィルム。
JP2015543866A 2013-10-24 2014-10-21 近赤外線遮蔽体及び近赤外線遮蔽フィルム Pending JPWO2015060305A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013220886 2013-10-24
JP2013220886 2013-10-24
PCT/JP2014/077960 WO2015060305A1 (ja) 2013-10-24 2014-10-21 近赤外線遮蔽体及び近赤外線遮蔽フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2015060305A1 true JPWO2015060305A1 (ja) 2017-03-09

Family

ID=52992899

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015543866A Pending JPWO2015060305A1 (ja) 2013-10-24 2014-10-21 近赤外線遮蔽体及び近赤外線遮蔽フィルム

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2015060305A1 (ja)
WO (1) WO2015060305A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10962695B2 (en) * 2015-12-25 2021-03-30 Konica Minolta, Inc. Optical reflection film

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009086659A (ja) * 2007-09-13 2009-04-23 Mitsubishi Chemicals Corp 熱線遮蔽膜及びその積層体
JP5817553B2 (ja) * 2012-01-23 2015-11-18 コニカミノルタ株式会社 赤外遮蔽フィルムおよび赤外遮蔽体
CN104185802A (zh) * 2012-01-25 2014-12-03 柯尼卡美能达株式会社 光学膜

Also Published As

Publication number Publication date
WO2015060305A1 (ja) 2015-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6115675B2 (ja) 光学反射フィルム及びそれを用いた光学反射体
JP5939257B2 (ja) 近赤外遮蔽フィルムおよび近赤外遮蔽体
WO2013105527A1 (ja) 赤外遮蔽フィルム
WO2015104981A1 (ja) 赤外線反射フィルム、赤外線反射フィルムの製造方法及び合わせガラスの製造方法
WO2014069507A1 (ja) 光学反射フィルム、赤外遮蔽フィルムおよびその製造方法
WO2014199872A1 (ja) 赤外遮蔽フィルムおよびこれを用いた赤外遮蔽体および熱線反射合わせガラス
JPWO2015056594A1 (ja) 赤外遮蔽フィルムおよび合わせガラス
JP6428608B2 (ja) 赤外線遮蔽フィルム、赤外線遮蔽フィルムの設置方法及び赤外線遮蔽フィルムの虹彩防止方法
JPWO2016006388A1 (ja) 光学フィルム
US20160062000A1 (en) Optical reflective film, method for manufacturing the same, and optical reflector using the same
JP6146410B2 (ja) 赤外遮蔽フィルムおよび赤外遮蔽体
WO2016017513A1 (ja) 赤外線反射フィルム及び合わせガラス
WO2015060305A1 (ja) 近赤外線遮蔽体及び近赤外線遮蔽フィルム
JP6176256B2 (ja) 光学反射フィルムおよびそれを用いた光学反射体
JP2013080178A (ja) 光遮蔽フィルムおよびそれを用いた赤外遮蔽体
JP2013125076A (ja) 近赤外遮蔽フィルムおよび近赤外遮蔽体
JP5817553B2 (ja) 赤外遮蔽フィルムおよび赤外遮蔽体
WO2014148366A1 (ja) 光線反射フィルムおよびその製造方法
JPWO2015174308A1 (ja) 光学反射フィルム、その製造方法およびそれを用いる光学反射体
JP2017090714A (ja) 赤外遮蔽フィルム、及び、赤外反射体
JP2014215513A (ja) 赤外遮蔽フィルムおよび赤外遮蔽体
JP2012252107A (ja) 赤外遮蔽フィルム、赤外遮蔽フィルムの製造方法、および赤外遮蔽体
JP2016114806A (ja) 光学フィルム
WO2016104295A1 (ja) 赤外遮蔽フィルムおよびこれを用いた赤外遮蔽体
JP2017053929A (ja) 赤外遮蔽フィルム、及び、赤外反射体