JPWO2015056738A1 - 耐指紋性反射防止フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
(1) 透明基材フィルムの一方面に、ハードコート層と、高屈折率層と、低屈折率層とがこの順に積層されている耐指紋性反射防止フィルムであって、
前記高屈折率層の屈折率が1.50〜1.65、膜厚が130〜180nmであり、
前記低屈折率層の屈折率が1.36〜1.42、膜厚が70〜100nmであり、
波長350nm〜850nmの範囲において最小反射率波長λ(最小)が波長350〜530nmにあり、
波長350nm〜850nmの範囲において折れ曲がり点における波長λ(折れ)が、λ(最小)<λ(折れ)の関係であり、
視感度反射率が2.0%以下であり、
反射彩度Cが6.0未満であり、
皮脂汚れが付着する前の反射色度と屈折率が1.49で厚みが10nmの皮脂汚れが付着した後の反射色度との反射色差ΔEが7.0未満である。なお、本開示における、折れ曲がり点とは、図1に示すように反射スペクトルにおける最小反射率波長より長波長側における傾きが急に変化する点を示す。
耐指紋性反射防止フィルムに用いられる透明基材フィルムは、透明性を有している限り特に制限されない。そのような透明基材フィルムを形成する材料としては、例えばポリメタクリル酸アクリレート(PMMA)やポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルのほか、ポリアリレート、トリアセチルセルロース(TAC)、またはポリエーテルスルフォンなどが挙げられる。これらのうち、取り扱い性と屈折率の観点からTACが好ましい。
ハードコート層は、耐指紋性反射防止フィルムの表面強度を担保するための層である。本開示の耐指紋性効果は、主として高屈折率層と低屈折率層の屈折率差や膜厚のバランスによって得られるため、耐指紋性の観点からはハードコート層の屈折率や膜厚は特に限定されないが、その他の観点からは、ハードコート層の屈折率は1.46〜1.53とすることが好ましい。ハードコート層の屈折率が1.46未満の場合、或いは1.53を超える場合には、他の層とハードコート層の屈折率差から生じる干渉により、干渉ムラが顕著に表れるため好ましくない。また、ハードコート層の膜厚は、1〜20μmとすることが好ましい。ハードコート層の膜厚が1μm未満の場合には、十分な表面強度が得られないため好ましくない。その一方、膜厚が20μmを超える場合には、耐屈曲性の低下等の問題が生じるため好ましくない。
ハードコート層を形成する紫外線硬化型樹脂としては、この種の耐指紋性フィルムや反射防止フィルムにおいて従来から一般的に使用されている、紫外線を照射することにより硬化反応を生じる公知の樹脂であればその種類は特に制限されない。そのような樹脂として、例えば単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂などが挙げられる。なお、本明細書において(メタ)アクリレートとは、アクリレートとメタクリレートの双方を含む総称を意味する。また、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル系、及び(メタ)アクリロイルの記載も同様である。
次に、高屈折率層について説明する。高屈折率層は、ハードコート層及び後述の低屈折率層よりも屈折率の高い層であって、低屈折率層との有意な屈折率差により反射防止効果を発現させる、低屈折率層と共に反射防止層を構成する層である。高屈折率層の屈折率は、1.50〜1.65である。高屈折率層の屈折率が1.50未満の場合は、低屈折率層との屈折率差が小さ過ぎて高屈折率層と低屈折率層との界面での反射が弱くなり、反射防止性能が十分に発揮されない場合がある。また、高屈折率層の屈折率が1.65を超える場合は、高屈折率層と低屈折率層との界面での反射が強くなり、反射光の着色が強くなる。また、高屈折率層の膜厚は、130〜180nmである。高屈折率層の膜厚が130未満の場合や180nmを超える場合は、他の層との干渉バランスが崩れ、反射率、反射彩度C、及び皮脂汚れが付着した際の反射色差ΔEの上昇を引き起こしてしまい、十分な反射防止性や耐指紋性が得られなくなる。
高屈折率層は、活性エネルギー線硬化性樹脂及び金属酸化物微粒子を含む高屈折率層形成用組成物からなる高屈折率層塗布液を、ハードコート層上に塗布した後に硬化することにより形成される。
活性エネルギー線硬化性樹脂としては、紫外線や電子線のような活性エネルギー線を照射することにより硬化反応を生じる多官能(メタ)アクリレートであれば、その種類は特に制限されない。この多官能(メタ)アクリレートとしては、例えばジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ビス(3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ヘキサン等の多官能アルコール(メタ)アクリル誘導体や、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
金属酸化物微粒子は、高屈折率層の屈折率を調整するために添加されるものである。当該金属酸化物微粒子としては、例えばアンチモン酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、酸化ジルコニウム、酸化インジウム錫、酸化ケイ素、アンチモン含有酸化錫等の微粒子が挙げられる。特に、アンチモン酸亜鉛、酸化インジウム錫、アンチモン含有酸化錫等の導電性微粒子を用いた場合には表面抵抗率を下げることができ、さらに帯電防止能も付与することができる点で好ましい。また、酸化チタンは高屈折率層をより高屈折率に調整できる点でこちらも好ましい。一方、酸化ケイ素は高屈折率層の屈折率を低下させる材料として好ましい。
次に、低屈折率層について説明する。低屈折率層は、ハードコート層及び高屈折率層よりも屈折率の低い層であって、高屈折率層との有意な屈折率差により反射防止効果を発現させる、高屈折率層と共に反射防止層を構成する層である。低屈折率層の屈折率は、1.36〜1.42の範囲である。該屈折率が1.36未満の場合には十分に硬い層を形成することが困難であり、その一方、屈折率が1.42を超える場合には高屈折率層との屈折率差が小さ過ぎて高屈折率層と低屈折率層との界面での反射が弱くなり、反射防止性能が十分に発揮されない場合がある。
低屈折率層は、低屈折率層形成用組成物からなる低屈折率層塗布液を、高屈折率層上に塗布した後に硬化することにより形成される。低屈折率層形成用組成物は、活性エネルギー線硬化型樹脂と中空シリカ微粒子とを含有する。
低屈折率層を形成する活性エネルギー線硬化型樹脂としては、紫外線や電子線のような活性エネルギー線を照射することにより硬化反応を生じる多官能(メタ)アクリレートであれば、その種類は特に制限されない。この種のフィルムにおいて低屈折率層を形成する樹脂としては、一般的には多官能(メタ)アクリレートのほかにγ―アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の反応性珪素化合物等を出発原料とするものも用いられるが、生産性及び硬度を両立させる観点より、活性エネルギー線硬化性の多官能(メタ)アクリレートを主成分として含む組成物が好ましい。
中空シリカ微粒子は、シリカ(二酸化珪素、SiO2)がほぼ球状に形成され、その外殻内に中空部を有する微粒子である。その平均粒子径は10〜100nm、外殻の厚みは1〜60nm程度、中空部の空隙率は40〜45%であり、屈折率は1.20〜1.29という低い屈折率である。中空部に屈折率が1.0の空気を含んでいることから、多官能(メタ)アクリレートの硬化により形成される硬化皮膜について低屈折率化及び低反射率化を図ることができると共に、シリカ微粒子という無機微粒子により硬化皮膜の耐擦傷性及び耐摩耗性を向上させることができる。中空部の空隙率が40%未満の場合には、中空部の空気量が少なくなり、硬化皮膜の低屈折率化及び低反射率化を図ることができなくなる。その一方、中空部の空隙率が45%を超える場合には、空隙率を大きくするために外殻を薄くする必要があり、その製造が困難になる。
Z−R1−Si(OR2)3 ・・・(1)
〔式中、Zは(メタ)アクリロイルオキシ基であり、R1は炭素数1〜4のアルキレン基であり、R2は水素原子、メチル基又はエチル基である。〕
なお、低屈折率層には耐指紋性を向上させる目的で、公知のポリシロキサン系あるいはフッ素系の防汚剤を適宜添加することが好ましい。ポリシロキサン系化合物の好ましい例としては、例えばアクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルシロキサン、アクリル基を有するポリエステル変性ジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサン、などが挙げられる。
透明基材フィルムの他方面には、耐指紋性反射防止フィルムに貼着性を付与するために、粘着層が設けられる。粘着層を形成する材料は特に制限されるものではないが、例えばアクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤、ウレタン系粘着剤等の粘着剤が挙げられる。中でも、粘着力の観点からアクリル系粘着剤が好ましく、再剥離性の観点からシリコン系粘着剤が好ましい。
得られる耐指紋性反射防止フィルムは、波長350nm〜850nmの範囲において最小反射率波長λ(最小)が波長350〜530nmにあり、波長350nm〜850nmの範囲において折れ曲がり点における波長λ(折れ)が、λ(最小)<λ(折れ)の関係である。また、視感度反射率が2.0%以下であり、反射彩度Cが6.0未満であり、皮脂汚れが付着する前の反射色度と屈折率が1.49で厚みが10nmの皮脂汚れが付着した後の反射色度との反射色差ΔEが7.0未満である。更に、λ(最小)における反射率R(最小)[%]とλ(折れ)における反射率R(折れ)[%]との関係が、R(折れ)−R(最小)≦0.7[%]であることが好ましい。λ(最小)が350〜530nmを外れる場合やλ(最小)<λ(折れ)の関係を満たさない場合は、反射率、反射彩度C、及び皮脂汚れが付着した際の反射色差ΔEの上昇を引き起こしてしまい、十分な反射防止性や耐指紋性が得られなくなる。また、視感度反射率が2.0%を超える場合は十分な反射防止性が得られなくなる。さらに、反射彩度Cが6.0以上の場合や皮脂汚れが付着する前後の反射色差ΔEが7.0以上となる場合は十分な耐指紋性が得られなくなる。
(1)屈折率1.49のアクリル樹脂板(「デラグラスA」、旭化成ケミカルズ(株)製)上に、ディップコーター((株)杉山元医理器製)により、各塗液をそれぞれ乾燥膜厚で光学膜厚が550nm程度になるように層の厚みを調整して塗布した。
(2)溶媒乾燥後、必要に応じて紫外線照射装置(岩崎電気(株)製)により窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯を用いて、400mJの紫外線を照射して各塗液を硬化させた。
(3)アクリル樹脂板裏面をサンドペーパーで荒らし、黒色塗料で塗りつぶしたものを分光光度計(「U−Best V560」、日本分光(株)製)により、光の波長400〜650nmにおける5°、−5°正反射率を測定し、その反射率の極小値又は極大値を読み取った。
(4)反射率の極値より以下の式を用いて屈折率を計算した。
[視感度反射率]
測定面の裏面反射を除くため、裏面をサンドペーパーで粗し、黒色塗料で塗りつぶしたものを分光光度計(大塚電子(株)製、商品名:FE3000)により、光の波長380nm〜780nmの5°、−5°正反射スペクトルを測定した。得られる380nm〜780nmの分光反射率と、CIE標準イルミナントD65の相対分光分布を用いて、JIS Z8701で想定されているXYZ表色系における、反射による物体色の三刺激値Yを視感度反射率(%)とした。
視感度反射率で測定した光の波長380〜780nmの分光反射率と、CIE標準イルミナントD65の相対分光分布を用いて、JIS Z8729に規定される色空間CIE1976L*a*b*表色系を計算し、求めたa*、b*値からCab*={(a*)2+(b*)2}1/2を計算した。
視感度反射率で測定した光の波長380〜780nmの分光反射率と、CIE標準イルミナントD65の相対分光分布を用いて、JIS Z8729に規定される色空間CIE1976L*a*b*表色系を計算し、JIS Z8730に規定されるΔE*a* b*={(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2}1/2を計算した。
測定面の裏面反射を除くため、裏面をサンドペーパーで粗し、黒色塗料で塗りつぶしたものを分光光度計(大塚電子(株)製、商品名:FE3000)により、光の波長350nm〜850nmの5°、−5°正反射スペクトルを測定した。得られた反射率データから最小値を読み取り、その波長をλ(最小)とし、そのときの反射率をR(最小)とした。
測定面の裏面反射を除くため、裏面をサンドペーパーで粗し、黒色塗料で塗りつぶしたものを分光光度計(大塚電子(株)製、商品名:FE3000)により、光の波長350nm〜850nmの5°、−5°正反射スペクトルを測定した。得られた350nm〜850nmの分光反射率をスペクトル図に表し、最小反射率波長よりも長波長側において反射率がほぼ一定又はゆるやかに増加している領域から前記領域よりも反射率の増加が大きくなる領域への変化点を特定し、その波長をλ(折れ)とし、そのときの反射率をR(折れ)とした。
指紋が付着する前の視感度反射率の値が2.0以下のものを○、2.1以上のものを×とした。
耐指紋性反射防止フィルムに屈折率1.49の指紋を10nmで積層させ、成分付着前後の外観変化を評価した。比較対象としてガラス板(日本板硝子(株)製FL2.0)を使用し、ガラス板に指紋が付着した場合よりも、指紋が見え難いものを○、○よりさらに指紋が見え難いものを◎、ガラス板と同程度のものを×とした。
試験片に指紋の見え具合試験と同様の指紋を付着させ、ネル布(白ネル・金塊グレード)を使用して500gf/cm2 荷重で30往復摩擦して指紋を拭き取った。その後、指紋が見えなかったものを○、指紋が見えたものを×とした。また、20往復摩擦して指紋を拭き取った場合に指紋が見えなかったものを◎とした。
(高屈折率層形成用組成物H−1の調製)
アンチモン酸亜鉛微粒子分散液(日産化学工業(株)製、セルナックスCX−603M−F2)を固形分換算で50質量部、ウレタンアクリレート(分子量1400、60℃における粘度が2500〜4500Pa・s、日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B)45質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア184)を5質量部、及びイソプロピルアルコール500質量部を混合し、高屈折率層形成用組成物(含アンチモン酸亜鉛微粒子硬化性塗布液)を得た。H−1の屈折率は1.56であった。
ウレタンアクリレート(分子量1400、60℃における粘度が2500〜4500Pa・s、日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B)95質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア184)を5質量部、及びイソプロピルアルコール500質量部を混合し、高屈折率層形成用組成物を得た。H−2の屈折率は1.50であった。
アンチモン酸亜鉛微粒子分散液(日産化学工業(株)製、セルナックスCX−603M−F2)を固形分換算で30質量部、ウレタンアクリレート(分子量1400、60℃における粘度が2500〜4500Pa・s、日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B)65質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア184)を5質量部、及びイソプロピルアルコール500質量部を混合し、高屈折率層形成用組成物(含アンチモン酸亜鉛微粒子硬化性塗布液)を得た。H−3の屈折率は1.53であった。
アンチモン酸亜鉛微粒子分散液(日産化学工業(株)製、セルナックスCX−603M−F2)を固形分換算で70質量部、ウレタンアクリレート(分子量1400、60℃における粘度が2500〜4500Pa・s、日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B)25質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア184)を5質量部、及びイソプロピルアルコール500質量部を混合し、高屈折率層形成用組成物(含アンチモン酸亜鉛微粒子硬化性塗布液)を得た。H−4の屈折率は1.58であった。
酸化チタン微粒子20質量部、ウレタンアクリレート(分子量1400、60℃における粘度が2500〜4500Pa・s、日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B)75質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア184)を5質量部、及びイソプロピルアルコール500質量部を混合し、高屈折率層形成用組成物(含酸化チタン微粒子硬化性塗布液)を得た。H−5の屈折率は1.60であった。
酸化チタン微粒子37質量部、ウレタンアクリレート(分子量1400、60℃における粘度が2500〜4500Pa・s、日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B)58質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア184)を5質量部、及びイソプロピルアルコール500質量部を混合し、高屈折率層形成用組成物(含酸化チタン微粒子硬化性塗布液)を得た。H−6の屈折率は1.65であった。
粒子径が60nmの中空シリカ微粒子15質量部、ウレタンアクリレート(分子量1400、60℃における粘度が2500〜4500Pa・s、日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B)80質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア184)を5質量部、及びイソプロピルアルコール500質量部を混合し、高屈折率層形成用組成物(含シリカ硬化性塗布液)を得た。H−7の屈折率は1.48であった。
粒子径が60nmの中空シリカ微粒子10質量部、ウレタンアクリレート(分子量1400、60℃における粘度が2500〜4500Pa・s、日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B)85質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア184)を5質量部、及びイソプロピルアルコール500質量部を混合し、高屈折率層形成用組成物(含シリカ硬化性塗布液)を得た。H−8の屈折率は1.49であった。
酸化チタン微粒子40質量部、ウレタンアクリレート(分子量1400、60℃における粘度が2500〜4500Pa・s、日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B)55質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア184)を5質量部、及びイソプロピルアルコール500質量部を混合し、高屈折率層形成用組成物(含酸化チタン微粒子硬化性塗布液)を得た。H−9の屈折率は1.66であった。
粒子径が60nmの中空シリカ微粒子40質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、商品名「DPHA」)60質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア907)5質量部、シリコン添加剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYKUV−3570)8質量部、シリコン添加剤(信越化学工業(株)製、TIC2457)5質量部、アルミナ添加剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、NANOBYKUV-3601)0.5質量部、及びイソプロピルアルコール2000質量部を混合し、低屈折率層用組成物(含シリカ硬化性塗布液)を得た。L−1の屈折率は1.39であった。
粒子径が60nmの中空シリカ微粒子60質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、商品名「DPHA」)40質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア907)5質量部、シリコン添加剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYKUV−3570)8質量部、シリコン添加剤(信越化学工業(株)製、TIC2457)5質量部、アルミナ添加剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、NANOBYKUV-3601)0.5質量部、及びイソプロピルアルコール2000質量部を混合し、低屈折率層用組成物(含シリカ硬化性塗布液)を得た。L−2の屈折率は1.36であった。
粒子径が60nmの中空シリカ微粒子50質量部、OD2H2A(1,10-ジアクリロイルオキシ-2,9-ジヒドロキシ-4,4,5,5,6,6,7,7,-オクタフルオロデカン)50質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア907)5質量部、シリコン添加剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYKUV−3570)8質量部、シリコン添加剤(信越化学工業(株)製、TIC2457)5質量部、アルミナ添加剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、NANOBYKUV-3601)0.5質量部、及びイソプロピルアルコール2000質量部を混合し、低屈折率層用組成物(含シリカ硬化性塗布液)を得た。L−3の屈折率は1.37であった。
粒子径が60nmの中空シリカ微粒子30質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、商品名「DPHA」)70質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア907)5質量部、シリコン添加剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYKUV−3570)8質量部、シリコン添加剤(信越化学工業(株)製、TIC2457)5質量部、アルミナ添加剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、NANOBYKUV-3601)0.5質量部、及びイソプロピルアルコール2000質量部を混合し、低屈折率層用組成物(含シリカ硬化性塗布液)を得た。L−4の屈折率は1.42であった。
粒子径が60nmの中空シリカ微粒子70質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、商品名「DPHA」)30質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア907)5質量部、シリコン添加剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYKUV−3570)8質量部、シリコン添加剤(信越化学工業(株)製、TIC2457)5質量部、アルミナ添加剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、NANOBYKUV-3601)0.5質量部、及びイソプロピルアルコール2000質量部を混合し、低屈折率層用組成物(含シリカ硬化性塗布液)を得た。L−5の屈折率は1.34であった。
粒子径が60nmの中空シリカ微粒子65質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、商品名「DPHA」)35質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア907)5質量部、シリコン添加剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYKUV−3570)8質量部、シリコン添加剤(信越化学工業(株)製、TIC2457)5質量部、アルミナ添加剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、NANOBYKUV-3601)0.5質量部、及びイソプロピルアルコール2000質量部を混合し、低屈折率層用組成物(含シリカ硬化性塗布液)を得た。L−6の屈折率は1.35であった。
粒子径が60nmの中空シリカ微粒子25質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、商品名「DPHA」)75質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア907)5質量部、シリコン添加剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYKUV−3570)8質量部、シリコン添加剤(信越化学工業(株)製、TIC2457)5質量部、アルミナ添加剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、NANOBYKUV-3601)0.5質量部、を及びイソプロピルアルコール2000質量部を混合し、低屈折率層用組成物(含シリカ硬化性塗布液)を得た。L−7の屈折率は1.43であった。
粒子径が60nmの中空シリカ微粒子55質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、商品名「DPHA」)45質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア907)5質量部、シリコン添加剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYKUV−3570)8質量部、含フッ素アクリル化合物(信越化学工業(株)製、KY1203)10質量部、アルミナ添加剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、NANOBYKUV-3601)0.5質量部、及びイソプロピルアルコール2000質量部を混合し、低屈折率層用組成物(含シリカ硬化性塗布液)を得た。L−8の屈折率は1.39であった。
n‐ブチルアクリレート94.6質量部、アクリル酸4.4質量部、2‐ヒドロキシエチルメタクリレート1質量部、アゾビスイソブチロニトリル0.4質量部、酢酸エチル90質量部、及びトルエン60質量部を混合し、窒素雰囲気下で混合物を65℃に加温して10時間重合反応を行い、アクリル樹脂組成物を調製した。このアクリル樹脂組成物99質量部にコロネートL(日本ポリウレタン(株)製ポリイソシアネート)〕1質量部および固形分濃度が20質量%となるように酢酸エチルを加えることにより、粘着樹脂組成物の固形分濃度が20質量%である粘着層塗布液を調製した。
厚さ80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルムからなる透明基材フィルム上に、ハードコート層形成用組成物(東洋インキ製造(株)製、リオデュラスLAS1303NL)をロールコーターにて乾燥膜厚が4.3μmとなるように塗布し、80℃で2分間乾燥した。その後、窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯(日本電池(株)製)により紫外線を照射し(積算光量300mJ/cm2)、ハードコート層形成用組成物を硬化させてハードコート層を形成した。このハードコート層の屈折率は1.53であった。
高屈折率層形成用組成物H−2を使用し、高屈折率層の膜厚を150nmにすることと、低屈折率層の膜厚を100nmにする以外は、実施例1−1と同様の方法で実施例1−2のフィルムを作製した。
高屈折率層の膜厚を155nmにし、低屈折率層の膜厚を80nmにする以外は、実施例1−2と同様の方法で実施例1−3のフィルムを作製した。
低屈折率層の膜厚を90nmにする以外は、実施例1−2と同様の方法で実施例1−4のフィルムを作製した。
高屈折率層形成用組成物H−3を使用する以外は、実施例1−3と同様の方法で実施例1−5のフィルムを作製した。
高屈折率層形成用組成物H−1を使用し、高屈折率層の膜厚を180nmにする以外は、実施例1−3と同様の方法で実施例1−6のフィルムを作製した。
高屈折率形成用組成物H−4を使用し、高屈折率層の膜厚を130nmにする以外は、実施例1−1と同様の方法で実施例2−1のフィルムを作製した。
高屈折率層の膜厚を150nmにする以外は実施例2−1と同様の方法で実施例2−2のフィルムを作製した。
低屈折率層の膜厚を75nmにする以外は、実施例1−1と同様の方法で実施例2−3のフィルムを作製した。
低屈折率層の膜厚を80nmにする以外は、実施例1−1と同様の方法で実施例2−4のフィルムを作製した。
低屈折率層の膜厚を80nmにする以外は、実施例2−2と同様の方法で実施例2−5のフィルムを作製した。
低屈折率層の膜厚を85nmにする以外は、実施例1−1と同様の方法で実施例2−6のフィルムを作製した。
高屈折率層の膜厚を135nmにする以外は、実施例1−6と同様の方法で実施例2−7のフィルムを作製した。
高屈折率層の膜厚を175nmにする以外は、実施例1−6と同様の方法で実施例2−8のフィルムを作製した。
高屈折率層の膜厚を155nmにすることと、低屈折率層形成用組成物L−2を使用する以外は、実施例2−5と同様の方法で実施例2−9のフィルムを作製した。
低屈折率層形成用組成物L−3を使用にする以外は、実施例2−4と同様の方法で実施例2−10のフィルムを作製した。
低屈折率層形成用組成物L−4を使用する以外は、実施例2−10と同様の方法で実施例2−11のフィルムを作製した。
高屈折率形成用組成物H−5を使用する以外は、実施例1−3と同様の方法で実施例2−12のフィルムを作製した。
高屈折率形成用組成物H−6を使用する以外は、実施例1−3と同様の方法で実施例2−13のフィルムを作製した。
低屈折率層用組成物L−8を使用する以外は、実施例2−4と同様の方法で実施例3のフィルムを作製した。
粘着層塗布液をPET製のセパレートフィルム上に乾燥後の厚みが25μmとなるようにオートアプリケーターを用いて塗布し、90℃で2分間乾燥後、実施例3−1で作製したフィルムのハードコート層とは反対の面に貼付し、30℃で5日間保存して実施例4の積層フィルムを作製した。
低屈折率層の膜厚を60nmにする以外は、実施例2−2と同様の方法で比較例1−1のフィルムを作製した。
低屈折率層の膜厚を60nmにする以外は、実施例1−1と同様の方法で比較例1−2のフィルムを作製した。
低屈折率層の膜厚を105nmにする以外は、実施例1−1と同様の方法で比較例1−3のフィルムを作製した。
低屈折率層の膜厚を110nmにする以外は、実施例2−2と同様の方法で比較例1−4のフィルムを作製した。
高屈折率層の膜厚を110nmにする以外は、実施例2−4と同様の方法で比較例1−5のフィルムを作製した。
高屈折率層の膜厚を120nmにし、低屈折率層の膜厚を90nmにする以外は、実施例2−1と同様の方法で比較例1−6のフィルムを作製した。
高屈折率層の膜厚を190nmにする以外は、比較例1−6と同様の方法で比較例1−7のフィルムを作製した。
高屈折率層の膜厚を200nmにする以外は、比較例1−5と同様の方法で比較例1−8のフィルムを作製した。
低屈折率層用組成物L−5を使用する以外は、実施例2−9と同様の方法で比較例1−9のフィルムを作製した。
低屈折率層用組成物L−6を使用し、低屈折率層の膜厚を90nmにする以外は、実施例2−2と同様の方法で比較例1−10のフィルムを作製した。
低屈折率層用組成物L−7を使用する以外は、実施例2−4と同様の方法で比較例1−11のフィルムを作製した。
低屈折率層用組成物L−7を使用する以外は、比較例1−10と同様の方法で比較例1−12のフィルムを作製した。
高屈折率層用組成物H−7を使用する以外は、実施例2−4と同様の方法で比較例1−13のフィルムを作製した。
高屈折率層用組成物H−8を使用する以外は、実施例1−4と同様の方法で比較例1−14のフィルムを作製した。
高屈折率層用組成物H−9を使用する以外は、実施例1−4と同様の方法で比較例1−15のフィルムを作製した。
Claims (4)
- 透明基材フィルムの一方面に、
ハードコート層と、高屈折率層と、低屈折率層とがこの順に積層されている耐指紋性反射防止フィルムであって、
前記高屈折率層の屈折率が1.50〜1.65、膜厚が130〜180nmであり、
前記低屈折率層の屈折率が1.36〜1.42、膜厚が70〜100nmであり、
波長350〜850nmの範囲において最小反射率波長λ(最小)が波長350〜530nmにあり、
波長350〜850nmの範囲において折れ曲がり点における波長λ(折れ)が、λ(最小)<λ(折れ)の関係であり、
視感度反射率が2.0%以下であり、
反射彩度Cが6.0未満であり、
皮脂汚れが付着する前の反射色度と屈折率が1.49で厚みが10nmの皮脂汚れが付着した後の反射色度との反射色差ΔEが7.0未満である、耐指紋性反射防止フィルム。 - 前記λ(最小)における反射率R(最小)[%]と前記λ(折れ)における反射率R(折れ)[%]との関係が、
R(折れ)−R(最小)≦0.7[%]である、請求項1に記載の耐指紋性反射防止フィルム。 - 前記低屈折率層に防汚剤が含有されている、請求項2に記載の耐指紋性反射防止フィルム。
- 前記透明基材フィルムの他方面に粘着層が設けられている、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の耐指紋性反射防止フィルム。
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