JPWO2015046289A1 - タッチ式入力装置 - Google Patents

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Abstract

タッチ式入力装置(1)は、タッチパネル(10)、押圧検出信号生成部(200)、接触検出信号生成部(300)を備える。タッチパネル(10)は、圧電センサ(10P)と静電センサ(10D)が積層されてなる。圧電センサ(10P)は押圧検出信号生成部(200)に接続され、静電センサ(10D)は接触検出信号生成部(300)に接続されている。圧電センサ(10P)は、圧電フィルム(110)と、圧電フィルム(110)を挟んで配置される第1、第2押圧検出用導体(111,112)を備える。圧電フィルム(110)が押圧によって発生する電荷の極性と、静電センサ(10D)による接触検出時に圧電フィルム(110)に生じる励起電荷の極性とが逆極性になるように、圧電性フィルム(110)を配置する。

Description

本発明は、操作面へのタッチ位置と押圧を検出するタッチ式入力装置に関する。
従来、操作面へのタッチ位置と押圧を検出するタッチ式入力装置が各種考案されている。例えば、特許文献1には、抵抗式のタッチパネルを備えている。特許文献1のタッチパネルは、操作面に平行な主面を有する第1導電膜と第2導電膜を備える第1導電膜と第2導電膜は、主面に直交する方向に間隔を空けて配置されている。操作面が押し込まれると、押し込まれた位置で第1導電膜と第2導電膜が接触する。特許文献1のタッチ式入力装置は、この接触位置に基づく分圧でタッチ位置を検出し、分圧と抵抗で押圧を検出する。
このような構成および動作であるため、タッチ位置検出回路と押圧検出回路を、第1導電膜と第2導電膜に切り替えて接続するためのスイッチ回路が必要になる。また、特許文献1の構成では、第1電極膜と第2電極膜が接触しなければ、すなわち、或程度の押し込みを行わなければ、位置検出ができない。
一方、位置検出センサと押圧検出センサを異なるベース部材で形成し、これら位置検出センサと押圧検出センサを重ねあわせて構成からなるタッチ式入力装置も、従来から考案されている。この構成では、位置検出センサをタッチ位置検出回路に接続し、押圧検出センサを押圧検出回路に接続するので、スイッチ回路を必要としない。また、この構成では、操作面に軽く接触しただけでも、位置を検出することができる。
ここで、位置検出センサとして静電容量式の位置検出センサを用いれば、静電容量の変化によってタッチ位置を検出できるので、操作面に軽く接触しただけでも、すなわち強く押し込まなくても、タッチ位置を検出することができる。
そして、このような位置検出センサに対して、圧電膜を用いた圧電センサを押圧検出センサとして用いることがある。
特開2000−283869号公報
しかしながら、静電容量式の位置検出センサと、圧電センサからなる押圧検出センサを組み合わせた場合、次の問題が生じる。
静電容量式の位置検出センサは、静電容量を測定するために、定常的に位置検出センサに対して電荷が注入されている。この注入量は静電容量によって変化するため、操作面に指等の誘電体が接触した時と接触していない時で変化する。
位置検出センサと押圧検出センサが近接して配置されている場合、押圧検出センサと位置検出センサは容量結合してしまう。この場合、位置検出センサに注入された電荷の一部の影響を受けて、押圧検出センサに電荷が生じてしまう。
圧電センサからなる押圧検出センサは、操作面への押し込みによって圧電膜がひずんで発生する電荷によって押圧の有無や押圧力を検出する。
このため、位置検出センサの電荷の影響による電荷が押圧検出センサに生じてしまうと、この電荷を、押圧によって圧電センサが発生する電荷として、誤検出してしまう。これにより、押圧量を正確に検出できないことがある。
本発明の目的は、静電容量式の位置検出センサと圧電センサによる押圧検出センサが近接して配置されるタッチセンサであっても、押圧を正確に検出できるタッチ式入力装置を提供することにある。
この発明のタッチ式入力装置は、位置検出センサ、押圧検出センサ、押圧検出信号生成部、および、接触検出信号生成部を備える。位置検出センサは、静電容量式であり、第1位置検出用導体および第2位置検出用導体を備える。押圧検出センサは、所謂圧電センサであり、圧電フィルムと、該圧電フィルムを挟んで配置された第1押圧検出用導体および第2押圧検出用導体を備える。押圧検出信号生成部は、押圧検出センサが出力する電荷を用いて押圧検出電圧信号を生成する。接触検出信号生成部は、位置検出センサに電圧を与え位置検出センサの電荷を得ることで、接触検出電圧信号を発生する。位置検出センサと押圧検出センサとは、近接して配置されている。押圧検出センサは、位置検出センサに与えられた電圧によって押圧検出センサに生じる電荷と、押圧によって押圧検出センサに生じる電荷とが逆極性になるように、配置されている。
この構成では、押圧(押し込み)がなく位置検出センサに与えられた電圧によって押圧検出センサに励起される電荷と、押圧によって押圧検出センサが発生した電荷とでは、押圧検出電圧信号の電圧値に与える影響が逆になる。例えば、位置検出センサに与えられた電圧によって励起される電荷により、押圧検出電圧信号が電圧を高める方向に作用する場合、押圧によって発生する電荷により、押圧検出電圧信号の電圧は低くなる方向に作用する。これにより、接触によって励起される電荷よる押圧検出電圧信号の電圧値の変化と、押圧によって発生する電荷よる押圧検出電圧信号の電圧値の変化とを、区別することができる。
また、この発明のタッチ式入力装置では、第1位置検出用導体と第1押圧検出用導体は、同じ平面上に形成されていることが好ましい。
この構成では、位置検出センサと押圧検出センサが積層された複合体(タッチセンサ)を薄くすることができる。
また、この発明のタッチ式入力装置では、圧電フィルムはキラル高分子からなることが好ましい。また、この発明のタッチ式入力装置では、圧電フィルムは少なくとも一軸方向に延伸されたポリ乳酸からなることが好ましい。
これらの構成では、圧電フィルムの好適な例を示している。
この発明によれば、静電容量式の位置検出センサと圧電センサによる押圧検出センサが近接して配置されるタッチセンサを用いながら、押圧を正確に検出できる。
本発明の実施形態に係るタッチ式入力装置のブロック図である。 本発明の実施形態に係るタッチパネルの主要構成を示す側面断面図である。 本発明の実施形態に係るタッチ式入力装置における押圧による電荷を検出する原理を説明するための図である。 本発明の実施形態にかかるタッチ式入力装置で検出される接触検出電圧および押圧検出電圧の波形図である。
本発明の実施形態に係るタッチ式入力装置について、図を参照して説明する。図1は本発明の実施形態に係るタッチ式入力装置のブロック図である。図2は本発明の実施形態に係るタッチパネルの主要構成を示す側面断面図である。
タッチ式入力装置1は、タッチパネル10、押圧検出信号生成部200、接触検出信号生成部300を備える。タッチパネル10は、圧電センサ10Pと静電センサ10Dとを備える。圧電センサ10Pが本発明の「押圧検出センサ」に相当し、静電センサ10Dが本発明の「静電容量式の位置検出センサ」に相当する。
タッチパネル10は、平板状であり、平板面の少なくとも一方の主面(平板面)を操作面として、操作者の操作を受け付ける。圧電センサ10Pおよび静電センサ10Dも平板状であり、当該平板形状の主面が平行になるように、積層されている。本実施形態のタッチパネル10では、操作面側から、静電センサ10D、圧電センサ10Pの順に積層されている。
圧電センサ10Pは、圧電フィルム110、第1押圧検出用導体111、および第2押圧検出用導体112を備える。圧電フィルム110は、ポリ乳酸(PLA)、より具体的には、L型ポリ乳酸(PLLA)を含む材料としている。なお、圧電フィルム110は、圧電性を有するフィルムであればよいが、キラル高分子を含む材料からなることが好ましく、より好ましくは、PLA,PLLAを含む材料であるとよい。なお、PLLAを用いて圧電フィルム110を構成する場合、圧電フィルム110は、一軸延伸処理されている。一軸延伸されたPLLAの圧電定数は、高分子中で非常に高い部類に属する。
なお、延伸倍率は3〜8倍程度が好適である。延伸後に熱処理を施すことにより、ポリ乳酸の延びきり鎖結晶の結晶化が促進され圧電定数が向上する。尚、二軸延伸した場合はそれぞれの軸の延伸倍率を異ならせることによって一軸延伸と同様の効果を得ることが出来る。例えばある方向をX軸としてその方向に8倍、その軸に直交するY軸方向に2倍の延伸を施した場合、圧電定数に関してはおよそX軸方向に4倍の一軸延伸を施した場合とほぼ同等の効果が得られる。単純に一軸延伸したフィルムは延伸軸方向に沿って裂け易いため、前述したような二軸延伸を行うことにより幾分強度を増すことが出来る。このように、二軸延伸する場合であっても、実質的に一軸延伸と同等の状態である場合は、本発明の少なくとも一軸方向に延伸されたポリ乳酸に相当する。
また、PLLAは、延伸等による分子の配向処理で圧電性を生じ、PVDF等の他のポリマーや圧電セラミックスのように、ポーリング処理を行う必要がない。すなわち、強誘電体に属さないPLLAの圧電性は、PVDFやPZT等の強誘電体のようにイオンの分極によって発現するものではなく、分子の特徴的な構造である螺旋構造に由来するものである。このため、PLLAには、他の強誘電性の圧電体が有する焦電性がないため、焦電生による電荷が生じない。さらに、PVDF等は経時的に圧電定数の変動が見られ、場合によっては圧電定数が著しく低下する場合があるが、PLLAの圧電定数は経時的に極めて安定している。
また、PLLAは比誘電率が約2.5と非常に低いため、dを圧電定数とし、εを誘電率とすると、圧電出力定数(=圧電g定数、g=d/ε)が大きな値となる。
ここで、誘電率ε33 =13×ε,圧電定数d31=25pC/NのPVDFの圧電g定数は、上述の式から、g31=0.2172Vm/Nとなる。一方、圧電定数d14=10pC/NであるPLLAの圧電g定数をg31に換算して求めると、d14=2×d31であるので、d31=5pC/Nとなり、圧電g定数は、g31=0.2258Vm/Nとなる。したがって、圧電定数d14=10pC/NのPLLAで、PVDFと同様の押圧力(押込量)の検出感度を十分に得ることができる。そして、本願発明の発明者らは、d14=15〜20pC/NのPLLAを実験的に得ており、当該PLLAを用いることで、さらに非常に高感度に押圧力を検出することが可能になる。
また、PLLAは、高い透光性を有する。したがって、PLLAで圧電フィルム110を形成し、後述する第1、第2押圧検出用導体111,112を透光性の高い材料で形成することで、透光性を有する圧電センサ10Pを実現することができる。
圧電フィルムの第1主面には、第1押圧検出用導体111が形成されている。また、圧電フィルム110の第2主面には、第2押圧検出用電極112が形成されている。
これら複数の第1、第2押圧検出用導体111,112は、ポリチオフェンやポリアニリンを主成分とする有機電極、ITO、ZnO、銀ナノワイヤ、カーボンナノチューブ、グラフェン等の無機電極のいずれかを用いることで、透光性の高い導体パターンを形成できる。尚、透明性が必要とされない場合には、銀ペーストにより形成された電極や、蒸着やスパッタ、あるいはメッキなどにより形成された金属系の電極を用いることもできる。
第1、第2押圧検出用導体111,112は、引き回し導体113によって、押圧検出信号生成部200に接続されている。
静電センサ10Dは、誘電体基板120、第1位置検出用導体121、第2位置検出用導体122を備える。誘電体基板120は、透光性を有する誘電体材料からなり、例えば、ガラス等からなる。
誘電体基板120の第1主面、言い換えれば、誘電体基板120の圧電センサ10P側の面には、複数の第1位置検出用導体121が形成されている。複数の第1位置検出用導体121は、長尺状であり、誘電体基板120の第1主面の第1方向に伸長する形状からなる。複数の第1位置検出用導体121は、第1主面の第2方向(第1方向に直交する方向)にそれぞれ間隔を空けて配列形成されている。
なお、上述の圧電センサ10Pの第1押圧検出用電極111と、当該静電センサ10Dの第1位置検出用導体121は、圧電フィルム110と誘電体基板120との間に配置されており、タッチセンサ10における積層方向に同じ位置に配置されている。第1押圧検出用電極111と第1位置検出用導体121は、接触しないように配置されている。
誘電体基板120の第2主面、言い換えれば、誘電体基板120の操作面側の面には、複数の第2位置検出用導体122が形成されている。複数の第2位置検出用導体122は、長尺状であり、誘電体基板120の第2主面の第2方向に伸長する形状からなる。複数の第2位置検出用導体122は、第2主面の第1方向(第2方向に直交する方向)にそれぞれ間隔を空けて配列形成されている。
第1、第2位置検出用導体121,122は、ITO等の透明電極によって形成されている。第1、第2位置検出用導体121,122は、引き回し導体パターン123によって、接触検出信号生成部300に接続されている。
圧電センサ10Pの第2押圧検出用電極112側の外面には、絶縁性フィルム114が装着されており、静電センサ10Dの第2位置検出用導体122側の外面(操作面)には、絶縁性フィルム124が装着されている。
このような構成からなるタッチセンサ10の操作面に、指等の誘電体(以下、単に指とする。)が接近もしくは接触すると、静電センサ10Dは、接触位置の静電容量が変化する。この静電容量の変化は、接触検出電圧として、接触検出信号生成部300で検知され、接触検出信号生成部300は、この電圧値からなる接触検出信号を生成して出力する。
静電センサ10Dが生じる静電容量は、指と操作面との距離もしくは、指と操作面との接触面積によって変化するので、接触面積が変化しなければ、押圧力が大小に係わらず同じとなる。すなわち、接触しているか否かによって、接触検出信号の電圧値が変化する。そして、この接触検出信号の電圧値を観測することで、操作面がタッチされているか否かを判断することができる。また、上述のように第1位置検出用導体121および第2位置検出用導体122が配置されていることで、第1位置検出用導体121と第2位置検出用導体122の重複部は、操作面に投影してマトリクス状となっている。そして、タッチ位置において静電容量が最も変化する。したがって、第1、第2位置検出用導体121,122の組毎に接触検出信号を取得することで、静電センサ10Dは、タッチ位置を検出することができる。
また、タッチセンサ10の操作面を指で押し込むと、押圧力(押込量)に応じて、圧電センサ10Pの圧電フィルム110が撓む。圧電フィルム110は、この撓み量に応じた電荷を発生する。第1、第2押圧検出用導体111,112は、この圧電効果による電荷によって電位差が生じる。押圧検出信号生成部200は、この電位差による電圧値からなる押圧検出信号を生成する。
接触検出信号生成部300は、上述のように、静電センサ10Dに接続されており、接触検出電圧に応じた接触検出信号を生成する。接触検出信号は、Hi、Lowの二値化された信号である。具体的には、接触検出信号生成部300は、接触検出電圧に対して接触検出用閾値を設定し、当該接触検出用閾値以上の接触検出電圧を検出した期間にはHi状態の接触検出信号を出力する。接触検出信号生成部300は、当該接触検出用閾値以上の接触検出電圧を検出しない期間にはLow状態の接触検出信号を出力する。
接触検出信号生成部300は、押圧検出信号生成部200および第1出力端子Pout1に接触検出信号を出力する。この際、接触検出信号生成部300は、押圧検出信号生成部200に対しては接触検出信号のみを出力すればよく、第1出力端子Pout1に対しては、接触位置に関する情報を、接触検出信号を一緒に出力する。
押圧検出信号生成部200は、オペアンプU1、抵抗器R1、コンデンサC1、放電用抵抗器R0、スイッチ素子S0を備える。オペアンプU1の反転入力端子は、抵抗器R1を介して、圧電センサ10Pに接続されている。したがって、圧電センサ10Pの生じる電位差による信号は、抵抗器R1を介してオペアンプU1の反転入力端子に入力される。オペアンプU1の非反転入力端子には、基準電位V1が印加されている。
オペアンプU1の出力端子は、タッチ式入力装置1の第2出力端子Pout2に接続されている。コンデンサC1は、オペアンプU1の反転入力端子と出力端子との間に接続されている。放電用抵抗器R0とスイッチ素子S0とは、直列接続されており、この直列回路は、コンデンサC1に並列接続されている。
スイッチ素子S0は、接触検出信号のHi、Lowに応じてオンオフ制御される。例えば、スイッチ素子S0は、接触検出信号がLow状態の時にオン状態となり、接触検出信号がHi状態の時にオフ状態となる。具体的には、スイッチ素子S0は、例えばノーマリーオンのFET等によって実現される。
これにより、スイッチ素子S0は、Low状態の接触検出信号が入力されている期間はオン制御され、Hi状態の接触検出信号が入力されている期間はオフ制御される。すなわち、スイッチ素子S0は、接触検出されていない期間はオン制御され、接触検出されている期間はオフ制御される。
なお、スイッチ素子S0としてノーマリーオンの素子を用いた場合は、上述の二値からなる接触検出信号を用いればよいが、スイッチ素子S0としてノーマリーオフの素子を用いた場合には、接触検出信号の二値状態を反転させればよい。すなわち、接触検出している期間はLow状態となり、接触検出されていない期間はHi状態となる接触検出信号を用いればよい。
このような回路構成とすることで、スイッチ素子S0がオフ状態の期間には、押圧検出信号生成部200は、オペアンプU1、抵抗器R1、コンデンサC1による積分回路が形成される。したがって、押圧検出信号生成部200は、圧電センサ10Pの生じる電位と基準電位との差を積分し、この積分結果である押圧検出信号を第2出力端子Pout2に出力する。
すなわち、接触検出されている期間は、押圧検出信号生成部200は、圧電センサ10Pの生じる電位と基準電位との差を積分する。そして、押圧検出信号生成部200は、この積分結果である押圧検出信号を第2出力端子Pout2に出力する。
一方、スイッチ素子S0がオン状態の時には、コンデンサC1と放電用抵抗器R0とが並列接続される回路構成となる。これにより、押圧検出信号生成部200は、積分回路として機能しなくなる。したがって、押圧検出信号生成部200は、圧電センサ10Pの生じる電位に基づく信号をそのまま第2出力端子Pout2に出力する。また、コンデンサC1と放電用抵抗器R0との閉ループ回路が構成されるため、コンデンサC1に蓄えられた電荷は、放電用抵抗器R0によって放電、消費される。したがって、出力端子Pout2の電位は基準電位にリセットされる。
すなわち、接触検出されている期間は、押圧検出信号生成部200は、第2出力端子Pout2の電位を基準電位にリセットする。
このような構成からなるタッチ式入力装置10では、静電センサ10Dの第1位置検出用導体121と、圧電センサ10Pの第1押圧検出用電極111が近接しているため、上述の課題に示したように、静電センサ10Dの発生する電荷によって、圧電センサ10Pに電荷が励起してしまう。すなわち、接触検出による励起電荷が発生してしまう。
しかしながら、次に示す構成を備えることで、この励起電荷が生じても、圧電フィルム110が撓むことによって発生する電荷を、正確に検出することができる。図3は、本発明の実施形態に係るタッチ式入力装置における押圧による電荷を検出する原理を説明するための図である。
圧電センサ10Pの圧電フィルム110は、上述のように、撓みが発生すると、その撓み量に応じた電荷を発生する。この際、電荷量は、撓みの方向と一軸延伸方向との関係、および撓み量によって決定される。そして、電荷の発生する極性は、撓み方向と一軸延伸方向との関係によって決定される。
したがって、圧電フィルム110が押圧によって発生する電荷の極性と、圧電フィルム110に生じる励起電荷の極性とを、逆極性にする。
例えば、図3に示す場合では、指が操作面に接触する(もしくは近接する)と、誘電体基板120の第1位置検出用導体121側が負に帯電して、誘電体基板120の第2位置検出用導体122側が正に帯電するように、接触検出信号生成部200に接続されて電圧が印加されている。
この場合、図3(A)に示すように、圧電フィルム110の第1押圧検出用導体111側が正に帯電し、圧電フィルム110の第2押圧検出用導体112側が負に帯電する。
したがって、圧電フィルム110は、図3(B)に示すように、操作面の押圧によって、第1押圧検出用導体111側が負に帯電し、第2押圧検出用導体112側が正に帯電するように、一軸延伸方向を設定する。
このような構成を用いることで、接触検出電圧および押圧検出電圧(押圧検出信号の電圧値)は、図4に示すような波形となる。図4は、本発明の実施形態にかかるタッチ式入力装置で検出される接触検出電圧および押圧検出電圧の波形図である。
上述の構成を備えることで、操作面に指が接触すると、接触検出電圧が上昇する。これにより、操作面への指の接触を検出することができる。同時に、押圧検出電圧も基準電圧から上昇する。しかしながら、上述のように、押圧が加わると、圧電センサ10Pは、負の電圧を発生するように構成されているので、このように押圧検出電圧が基準電圧から上昇しても、押圧によるものではないと判断できる。
次に、操作面が指で押し込まれる(押圧印加)と、押圧力に応じて、押圧検出電圧は、基準電圧に励起電荷による電圧を加えた第2基準電圧から低下する。したがって、この押圧検出電圧の低下を検出することで、操作面が押し込まれたこと(押圧されたこと)を検出することができる。さらに、電圧低下量を検出することで、押圧力を検出することができる。なお、押圧検出電圧は、押圧検出信号生成部200の有する積分回路の定数によって、徐々に第2基準電圧に戻るように、電圧が上昇する。
次に、操作面への指による押し込みが開放される(押圧開放)と、押圧検出電圧は、第2基準電圧から上昇する。したがって、この押圧検出電圧の低下を検出することで、操作面への押し込みの開放を検出することができる。なお、押圧検出電圧は、押圧検出信号生成部200の有する積分回路の定数によって、徐々に第2基準電圧に戻るように、電圧が低下する。
次に、操作面から指を離すと、接触検出電圧が低下する。これにより、操作面への指の接触を検出することができる。同時に、押圧検出電圧も基準電圧へ低下し、押圧検出待機状態に戻すことができる。
以上のように、本実施形態の構成を用いることで、静電容量式の位置検出センサと圧電センサによる押圧検出センサが近接して配置されるタッチセンサであっても、押圧を正確に検出することができる。
なお、上記実施形態では、静電容量式の位置検出センサの第1位置検出用導体121と押圧検出センサの第1押圧検出用導体111を同じ平面上、すなわち圧電フィルム110上に配置したが、これに限るものではない。例えば、静電容量式の位置検出センサの第1位置検出用導体121と押圧検出センサの第1押圧検出用導体111との間に粘着剤層があるようなタッチセンサであっても、静電容量式の位置検出センサと圧電センサによる押圧検出センサが近接して配置されているため、本発明の技術思想は有効である。しかし、タッチセンサを薄型化するには、第1位置検出用導体121と第1押圧検出用導体111を同じ平面上に配置することが好ましい。
また、誘電体基板120を用いずに、圧電フィルム110の一方の面に第1位置検出用導体121と第1押圧検出用導体111を配置し、圧電フィルム110の他方の面に、第2位置検出用導体122と第2押圧検出用導体112を配置する構造にすれば、さらに、タッチセンサを薄型に形成することができる。
1:タッチ式入力装置
10:タッチセンサ
10D:静電センサ
10P:圧電センサ
110:圧電フィルム
111:第1押圧検出用導体
112:第2押圧検出用導体
113:引き回し導体パターン
114:絶縁性フィルム
120:誘電体基板
121:第1位置検出用導体
122:第2位置検出用導体
123:引き回し導体パターン
124:絶縁性フィルム
200:押圧検出信号生成部
300:接触検出信号生成部

Claims (4)

  1. 第1位置検出用導体および第2位置検出用導体を備える静電容量式の位置検出センサと、
    圧電フィルムと、該圧電フィルムを挟んで配置された第1押圧検出用導体および第2押圧検出用導体を備える押圧検出センサと、
    前記押圧検出センサが出力する電荷を用いて押圧検出電圧信号を生成する押圧検出信号生成部と、
    前記位置検出センサに電圧を与え前記位置検出センサの電荷を得ることで、接触検出電圧信号を発生する接触検出信号生成部と、
    を備えたタッチ式入力装置であって、
    前記位置検出センサと前記押圧検出センサとは、近接して配置されており、
    前記押圧検出センサは、
    前記位置検出センサに与えられる電圧によって前記押圧検出センサに生じる電荷と、押圧によって前記押圧検出センサに生じる電荷とが逆極性になるように、配置されている、
    タッチ式入力装置。
  2. 前記第1位置検出用導体と前記第1押圧検出用導体は、同じ平面上に形成されている、請求項1に記載のタッチ式入力装置。
  3. 前記圧電フィルムはキラル高分子からなる、請求項1または請求項2に記載のタッチ式入力装置。
  4. 前記圧電フィルムは少なくとも一軸方向に延伸されたポリ乳酸からなる、請求項3に記載のタッチ式入力装置。
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