JP6288374B2 - 押圧センサおよび電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、指等による操作時の押圧力を検出する押圧センサ、およびそれを備えた電子機器に関する。
従来、指等による操作時の押圧力(押し込み量)を検出可能としたタッチ式入力装置に利用されるセンサとして各種センサが考案されている。例えば、特許文献1には、操作面を押し込んだ際の変位量に応じた押込信号を出力する圧電センサと、押込信号と基準電位との差を積分して、積分結果から押込量検出信号を出力する押込量算出部とを備える押込量検出センサが示されている。
また、圧電素子で発生した信号を基に、押圧力の大きさに応じて押圧状態を検知するようにしたセンサが特許文献2に示されている。
国際公開第2014/050683号 特開平5−253037号公報
圧電センサを押圧センサとして用いるには、圧電素子で発生した信号を積分して押圧プロファイルを再現する必要がある。ところが、回路の温度ドリフト、AD変換誤差、センサに設けられている粘着剤の塑性変形などにより、積分誤差が発生する。そのため、時間経過に伴い、積分値は実際の押圧力から乖離する傾向がある。
特許文献1に示されるセンサにおいては、操作面がタッチされていない状態を検出して積分値をリセットするように構成されているので、上記乖離の問題は回避できる。しかし、操作面への接触を検出する接触検出センサが必要であるので、センサの構造が複雑化する。また、押圧力検出のための信号処理と接触検出センサの信号処理とを個別に行う場合には、接触検出センサによる操作面のタッチ有無の状態を通信するための新たな処理が必要になるので演算処理負荷が増える。
そこで、本発明の第1の目的は、センサの構造を複雑化することなく、積分処理に伴う累積誤差の問題を回避した押圧センサおよびそれを備えた電子機器を提供することにある。
また、特許文献2に示されるように、圧電素子で発生した検出信号を基に、押圧力の大きさを所定の閾値を超えるか否かによって押圧状態を検知する方法では、指先等の接触があっても、検出信号が必ずしも閾値以上となるとは限らない。圧電素子で発生する信号は、押圧力の微分成分であるので、一定押圧力で押圧されている状態や、押圧力が緩慢に変化するような状態は、検出されない。
そこで、本発明の第2の目的は、安定した押圧力で押圧されている状態や、押圧力が緩慢に変化する状態でも、それを検知できるようにした押圧センサおよびそれを備えた電子機器を提供することにある。
(1)本発明の押圧センサは、
押圧により変形する押圧部と、
前記押圧部の変形量に応じた検出電圧を発生する圧電センサと、
前記圧電センサの容量に対する充放電電流を電圧信号に変換して出力する第1電流電圧変換回路と、
前記第1電流電圧変換回路の出力電圧の積分値を求め、当該積分値を前記押圧部の変形量として検出する変形量検出部と、
前記第1電流電圧変換回路の出力電圧の微小変動状態の有無により前記押圧部の微小振動の有無を検知する微小振動検知部と、
前記微小振動の不検知に応じて前記積分値をリセットする積分リセット処理部と、を備えたことを特徴とする。
微小振動の不検知、すなわち微小振動の検知状態から不検知状態へ遷移することは、人の不覚筋動等による振動が無くなったことであり、人による押圧が解除されたタイミングである。上記積分リセット処理部により、微小振動の検知状態から不検知状態への遷移時に、変形量算出部の積分値がリセットされる。これにより、回路の温度ドリフト、AD変換誤差、センサに設けられている粘着剤の塑性変形などによる積分誤差の累積が解消される。しかも、センサの構造を複雑化することなく、積分処理に伴う累積誤差の問題が回避される。
(2)上記(1)において、前記微小振動検知部は、前記変形量算出部により算出された前記押圧部の変形量が所定の閾値を超えるか否かによって検知する手段であることが好ましい。このことにより、押圧部の変形量と閾値との単なる大小比較で微小振動の有無を検知できるので、少ない演算負荷または単純な信号処理回路で微小振動が検知できる。
(3)上記(1)または(2)において、前記変形量検出部は、前記第1電流電圧変換回路の出力電圧をデジタル値に変換するADコンバータと、前記ADコンバータにより変換されたデジタル値を積分する演算部とで構成されることが好ましい。この構成により、積分回路で積分する構成に比べて長時間の押圧操作にも対応でき、回路定数の誤差による押圧力の検出誤差を低減できる。
(4)上記(1)または(2)において、前記第1電流電圧変換回路の出力電圧の変化率に相当する電流を電流電圧変換する第2電流電圧変換回路をさらに備え、前記変形量検出部は、前記第1電流電圧変換回路の出力電圧をデジタル値に変換するADコンバータと、前記ADコンバータにより変換されたデジタル値を2階積分演算する演算部とで構成されることが好ましい。この構成により、2段増幅回路が構成されることと、上記第2電流電圧変換回路による2階微分の作用とで、微小な振動の検知感度が高まる。
(5)上記(4)において、前記演算部は、1階積分値の変化量または変化率が所定値未満であることを検出したとき、1階積分値をリセットする1階積分リセット処理部を備えることが好ましい。このことにより、2階積分値のリセットだけでなく、1階積分値の誤差の累積も都度解消され、2階積分値の誤差の累積が抑制される。
(6)本発明の押圧センサは、
押圧により変形する押圧部と、
前記押圧部の変形量に応じた検出信号を発生する圧力センサと、
前記圧力センサの検出信号から変形量を検出する変形量検出部と、
前記圧力センサの検出信号の微小変動状態の有無により前記押圧部の微小振動の有無を検知する微小振動検知部と、を備えることを特徴とする。
上記微小振動検知部が上記押圧部の微小振動状態を検知したとき、それは人体による安定した押圧状態であるので、上記構成により、人体による押圧特有の処理を行うことができる。また、微小振動の検知によって人体による操作の有無を検知するので、押圧力が弱い状態での安定した押圧力で押圧されている状態や、押圧力が緩慢に変化する状態でも、人体による操作の有無が検知できる。
(7)本発明の電子機器は、
上記(1)から(6)のいずれかの押圧センサを備え、前記微小振動検知部の検知結果に応じて所定の制御を行う制御部を更に備える。この構成により、人体による押圧とその他の押圧とを区別して所定の処理を行う電子機器が構成される。
(8)上記(7)において、前記制御部は、前記微小振動の有無と前記変形量検出部の検出結果とに応じて、所定の制御を行うことが好ましい。このことにより、指先等による押し込み操作の状態に応じて所定の処理が実行される電子機器が構成できる。
本発明の押圧センサによれば、押圧センサ以外の特別なセンサを利用することなく、積分処理に伴う累積誤差の問題を回避した押圧センサおよびそれを備えた電子機器が得られる。また、微小振動の検知によって人体による操作の有無を検知するので、押圧力が弱い状態での安定した押圧力で押圧されている状態や、押圧力が緩慢に変化する状態でも、それを検知できるようにした押圧センサおよびそれを備えた電子機器が得られる。
図1は第1の実施形態に係る押圧センサ101およびその出力によって所定の制御を行う制御部200の回路図である。 図2は第1の実施形態に係る押圧センサ101の圧電センサ1およびアナログ回路2の回路図である。 図3は図2中の各部の概略電圧波形図である。 図4(A)は2階積分後のデータ列を時間波形として表した図である。図4(B)は比較例の押圧センサによる2階積分後のデータ列を時間波形として表した図である。 図5は、図1に示した押圧センサ101における演算部4の処理内容を示すフローチャートである。 図6は、時刻t1で押圧部の押圧が開始され、時刻t2からt3まで、その押圧力が保持され、時刻t4で押圧が解除された例である。 図7は、時刻t1で押圧部の押圧が開始され、時刻t2からt3まで、その押圧力が保持され、時刻t4で押圧が解除された例である。 図8は、時刻t1で押圧部の押圧が開始され、時刻t2からt3まで、その押圧力が保持され、時刻t3からt4の間に押圧力が弱められ、時刻t5まで、その押圧力が保持され、時刻t5からt6にかけて押圧力が次第に解除された例である。 図9は、時刻t1で押圧部の押圧が開始され、時刻t2からt3まで、その押圧力が安定し、時刻t3で押圧力が弱められ、時刻t4で押圧力が解除された例である。 図10は第2の実施形態に係る押圧センサの圧電センサ1およびアナログ回路2の回路図である。 図11は図10中の各部の概略電圧波形図である。 図12は比較例の押圧センサによる1階積分後のデータ列を時間波形として表した図である。 図13は、第2の実施形態に係る押圧センサにおける演算部の処理内容を示すフローチャートである。 図14は、時刻t1で押圧部の押圧が開始され、時刻t2からt3まで、その押圧力が保持され、時刻t3からt4の間に押圧力が弱められ、時刻t5まで、その押圧力が保持され、時刻t5からt6にかけて押圧力が次第に解除された例である。 図15は、時刻t1で押圧部の押圧が開始され、時刻t2からt3まで、その押圧力が保持され、時刻t4で押圧が解除された例である。 図16は、第3の実施形態に係る押圧センサにおける演算部の処理内容を示すフローチャートである。 図17は、第4の実施形態に係る電子筆記具301の斜視図である。 図18は、図17に示す電子筆記具301の断面図である。 図19は、圧電センサ1の部分断面図である。
以降、図を参照して幾つかの具体的な例を挙げて、本発明を実施するための複数の形態を示す。各図中には同一箇所に同一符号を付している。要点の説明または理解の容易性を考慮して、便宜上実施形態を分けて示すが、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能である。第2の実施形態以降では第1の実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
《第1の実施形態》
第1の実施形態では、2階微分および2階積分を伴う押圧センサについて示す。
図1は第1の実施形態に係る押圧センサ101およびその出力によって所定の制御を行う制御部200の回路図である。押圧センサ101は、圧電センサ1、アナログ回路2、ADコンバータ3および演算部4を備える。圧電センサ1は、押圧部の変形量に応じた検出電圧を発生する。アナログ回路2は圧電センサ1による検出電圧に対し、後述する信号処理を行うことで電圧信号を出力する。ADコンバータ3はアナログ回路2の出力電圧を所定サンプリング周期でデジタル値に変換する。演算部4はADコンバータ3で変換されたデジタル値を基に、後述する演算を行うことで、押圧部の変形量および押圧部の微小振動の有無を検知する。制御部200は、演算部4により検出された押圧部の変形量および微小振動の有無検知に応じて、後述する所定の制御を行う。
図2は第1の実施形態に係る押圧センサ101の圧電センサ1およびアナログ回路2の回路図である。図3は図2中の各部の概略電圧波形図である。アナログ回路2は、第1電流電圧変換回路10、第2電流電圧変換回路20を備える。また、本実施形態では、電源回路PS、基準電位発生回路30も備える。
圧電センサ1は押圧による変位を電圧に変換する素子であり、等価的には図1に示すように、電圧源VSと、それに直列接続される容量C1とで表される。なお、圧電センサ1は電流源と、それに並列接続される容量とで表すこともできる。いずれも等価的には同じである。
電源回路PSは、一定電源電圧を発生する。基準電位発生回路30は、容量C30,C31および抵抗R31,R32を含み、電源回路PSが発生する電源電圧の1/2の電圧を生成する。
第1電流電圧変換回路10は、次に述べるように、圧電センサ1の容量C1に対する充放電電流を電圧信号に変換して電圧信号を出力する。第1電流電圧変換回路10はオペアンプOA1、帰還抵抗R10、補償容量C10を含む。帰還抵抗R10および補償容量C10はオペアンプOA1の出力端と反転入力端との間にそれぞれ接続されている。オペアンプOA1の非反転入力端には基準電位発生回路30が発生する基準電位が入力され、反転入力端とグランドとの間に圧電センサ1が接続されている。
図2におけるP1点には、圧電センサの圧電効果により、押圧力に比例する電圧が現れる。このP1点の電圧によって圧電センサ1自身の容量C1の充放電電流isが変化する。この充放電電流isは帰還抵抗R10を流れる。帰還抵抗R10の抵抗値をRf、P2点の電圧をV2、基準電位をVm、でそれぞれ表すと、V2=Vm−Rf・isの関係が成り立つ。すなわち、圧電センサ1の容量C1に対する充放電電流の比例電圧信号がP2点に現れる。
上記圧電センサ1の容量C1に対する充放電電流は、P1点の電圧の変化量(微分)に相当する。なお、補償容量C10は、電流電圧変換の周波数特性にローパスフィルタ特性を持たせるために設けている。これにより、ステップ応答に対するオーバーシュートを抑制する。
第2電流電圧変換回路20は、次に述べるように、第1電流電圧変換回路10の出力電圧の変化率に相当する電流を電流電圧変換して電圧信号を出力する。第2電流電圧変換回路20は、容量C21、抵抗R21、オペアンプOA2、帰還抵抗R20、補償容量C20を含む。帰還抵抗R20および補償容量C20はオペアンプOA2の出力端と反転入力端との間にそれぞれ接続されている。オペアンプOA2の非反転入力端には基準電位が入力され、反転入力端とP2点との間に、容量C21および抵抗R21の直列回路が挿入されている。
上記容量C21によって第1電流電圧変換回路10の出力信号の低周波成分はカットされる。P2点の電圧はオペアンプOA2によって増幅され、P3点に電圧信号を発生するが、P2点の電圧変化による容量C21の充放電電流が帰還抵抗R20を流れるので、P3点の電圧はP2点の電圧の変化量(微分)に相当する。
上記第1電流電圧変換回路10と第2電流電圧変換回路20とで、2段増幅回路が構成される。
図3において、電圧V1は上記P1点の電圧、電圧V2は上記P2点の電圧、電圧V3は上記P3点の電圧をそれぞれ表している。図3の例は、時刻t1で押圧部の押圧が開始され、時刻t2からt3まで、その押圧力が保持され、時刻t4で押圧が解除された例である。P1点の電圧V1は上記押圧力の時間経過のプロファイル(押圧プロファイル)に相当する。P2点の電圧V2はV1の微分波形に相当し、P3点の電圧V3は電圧V2の微分波形に相当する。すなわち、アナログ回路2の出力波形は押圧プロファイルの2階微分に近い波形となる。後述するように、このアナログ回路2の出力電圧信号を2階積分することによって押圧プロファイルに近いデータ列を得る。
図4(A)は上記2階積分後のデータ列を時間波形として表した図である。図4(B)は比較例の押圧センサによる2階積分後のデータ列を時間波形として表した図である。ここでは、積分誤差の累積結果を表している。本実施形態によれば、2階積分により求められる押圧プロファイルは図3に示した台形状に近似した形状となる。これに対し、積分誤差の累積があると、図4(B)に表れるように、押圧プロファイルは、時間経過に伴い、実際の押圧プロファイルから次第に乖離したものとなる。
図5は、図1に示した押圧センサ101における演算部4の処理内容を示すフローチャートである。図5において各変数の意味は次のとおりである。
A:AD変換結果の値
Ar:AD変換値を積分する際の基準値
Amax:AD変換値の所定時間での最大値
Amin:AD変換値の所定時間での最小値
Appth:微小振動有無検知のための閾値
B:1階積分値
Br:1階積分値Bを積分する際の基準値
Bmax:1階積分値の所定時間での最大値
Bmin:1階積分値の所定時間での最小値
Bppth:1階積分値の安定化検知のための閾値
C:2階積分値
図5に示すように、まず1階積分値Bおよび2階積分値Cをリセットする(S1)。また、タイマーをリセットすることで、タイマーを初期値から計時開始する(S2)。続いて、AD変換結果を変数Aに入れる(S3)。そして、AD変換値Aとその基準値Arとの差分を変数Bに加算することで1階積分値Bを更新する(S4)。また、1階積分値Bとその基準値Brとの差分を変数Cに加算することで2階積分値Cを更新し、この2階積分値Cを出力する(S5→S6)。上記の処理を所定時間が経過するまで(所定データ数分)繰り返す(S7→S3→・・・)。
所定時間経過すれば、その所定時間内で(所定データ数について)、AD変換値の最大値と最小値との差(Amax−Amin)が閾値Appth未満であるか否かを判定する(S8)。(Amax−Amin)<Appthで無ければ、所定時間内で(所定データ数について)、1階積分値Bの最大値と最小値との差(Bmax−Bmin)が閾値Bppth未満であるか否かを判定する(S9)。(Bmax−Bmin)<Bppthで無ければステップS2以降の処理へ戻る(S9→S2→・・・)。
ステップS9で、(Bmax−Bmin)<Bppthであれば、1階積分値Bをリセットする(S9→S10)。このステップS9,S10を実行する手段が、本発明に係る「1階積分リセット処理部」の例である。
また、ステップS8で、(Amax−Amin)<Appthであれば、すなわち微小振動状態で無ければ、2階積分値Cをリセットする(S8→S11)。このステップS8,S11を実行する手段が、本発明に係る「積分リセット処理部」の例である。
このように、微小振動の不検知に応じて2階積分値Cをリセットすることにより、2階積分の累積誤差が解消される。また、本実施形態では、1階積分値Bの安定化に応じて1階積分値Bをリセットすることにより、1階積分の累積誤差も解消される。
次に、微小振動を伴う実際の押圧操作時の動作の例について示す。図6〜図9は、アナログ回路2の出力電圧波形および積分演算結果の電圧波形を表す図である。
図6は、時刻t1で押圧部の押圧が開始され、時刻t2からt3まで、その押圧力が保持され、時刻t4で押圧が解除された例である。図6において、電圧V4は、アナログ回路2の出力電圧V3の1階積分値(電圧V3の、ベースラインからの差分を積算した値)であり、それを電圧波形として表したものである。また、電圧V5は、アナログ回路2の出力電圧V3の2階積分値(電圧V4の、ベースラインからの差分を積算した値)であり、それを電圧波形として表したものである。この2階積分値は押圧力の時間経過のプロファイル(押圧プロファイル)を再現したものとなる。
図6から、アナログ回路の出力電圧V3は、押圧中は微小変動し、離しているときは微小変動が無いことが分かる。押圧力の変化率が小さくなると、1階積分値V4の変化率は小さくなる。時刻t2′で1階積分値V4の変化率が所定の閾値より小さくなると、1階積分値V4はリセットされる(図5中のステップS9→S10)。このことにより、2階積分値V5は発散しない。
図6の例では、時刻t4以降(押圧解除後)、2階積分値V5は0(ベースライン)に戻っているので、2階積分値V5はリセットされていない。
図7は、時刻t1で押圧部の押圧が開始され、時刻t2からt3まで、その押圧力が保持され、時刻t4で押圧が解除された例である。この例では、強く押圧した後に、時刻t3で押圧を急激に解除したとき、アナログ回路2の動作レンジを超えて、出力電圧V3は飽和している。そのため、押圧解除後、2階積分値V5には大きな誤差が生じている。しかし、時刻t5で、電圧V3の微小変動が無くなったことが検知されて、2階積分値V5はリセットされる(図5中のステップS8→S11)。
なお、図7の例では、時刻t4′で1階積分値V4の変化率が所定の閾値より小さくなっているので、そのタイミングで1階積分値V4はリセットされている。
図8は、時刻t1で押圧部の押圧が開始され、時刻t2からt3まで、その押圧力が保持され、時刻t3からt4の間に押圧力が弱められ、時刻t5まで、その押圧力が保持され、時刻t5からt6にかけて押圧力が次第に解除された例である。この例では、時刻t2′,t6′で、1階積分値V4の変化率が所定の閾値より小さくなって、1階積分値V4はリセットされている。この例では、時刻t6以降(押圧解除後)、2階積分値V5は0(ベースライン)に戻っているので、2階積分値V5はリセットされていない。
図9は、時刻t1で押圧部の押圧が開始され、時刻t2からt3まで、その押圧力が安定し、時刻t3で押圧力が弱められ、時刻t4で押圧力が解除された例である。この例では、時刻t5で、電圧V3の微小変動が無くなったことが検知されて、2階積分値V5はリセットされる。また、時刻t2′,t4′で、1階積分値V4の変化率が所定の閾値より小さくなって、1階積分値V4はリセットされている。
《第2の実施形態》
第2の実施形態では、1階微分および1階積分を伴う押圧センサについて示す。
図10は第2の実施形態に係る押圧センサの圧電センサ1およびアナログ回路2の回路図である。図11は図10中の各部の概略電圧波形図である。アナログ回路2は、第1電流電圧変換回路10を備える。また、本実施形態では、電源回路PS、基準電位発生回路30も備える。圧電センサ1および基準電位発生回路30の構成は第1の実施形態で図2に示した構成と同じである。また、押圧センサ全体の構成はブロック図で表すと、図1に示したとおりである。
第1電流電圧変換回路10はオペアンプOA1、帰還抵抗R10、補償容量C10を含む。帰還抵抗R10および補償容量C10はオペアンプOA1の出力端と反転入力端との間にそれぞれ接続されている。オペアンプOA1の反転入力端と基準電位との間に抵抗R11が接続されている。オペアンプOA1の非反転入力端とグランドとの間に圧電センサ1が接続されている。また、オペアンプOA1の非反転入力端とグランドとの間に容量C11および抵抗R12がそれぞれ接続されている。
第1電流電圧変換回路10は、オペアンプOA1、帰還抵抗R10、補償容量C10、および抵抗R11によって非反転増幅回路を構成する。容量C11は圧電センサ1の出力電圧の充電(平滑)用キャパシタであり、抵抗R12は容量C11の電荷放電用抵抗である。
図10におけるP1点には、圧電センサの圧電効果により、押圧力に比例する電圧が現れる。このP1点の電圧によって圧電センサ1自身の容量C1の充放電量isが変化する。この充放電電流isは抵抗R10を流れる。
圧電センサ1の圧電定数が大きく、後段の増幅回路の利得が小さくて済むときは、本実施形態のように1段の増幅回路を設けるだけでもよい。このことにより、アナログ回路2の出力電圧は押圧プロファイルの1階微分に近い波形となる。
図11において、電圧V1は上記P1点の電圧、電圧V2は上記P2点の電圧をそれぞれ表している。図11の例は、時刻t1で押圧部の押圧が開始され、時刻t2からt3まで、その押圧力が保持され、時刻t4で押圧が解除された例である。P1点の電圧V1は押圧プロファイルに相当する。P2点の電圧V2はV1の微分波形に相当する。すなわち、アナログ回路2の出力波形は押圧プロファイルの1階微分に近い波形となる。後述するように、このアナログ回路2の出力電圧信号を1階積分することによって押圧プロファイルに近いデータ列を得る。
図12は比較例の押圧センサによる1階積分後のデータ列を時間波形として表した図である。ここでは、積分誤差の累積結果を表している。本実施形態によれば、1階積分により求められる押圧プロファイルは図11に示した台形状に近似した形状となる。これに対し、積分誤差の累積があると、押圧プロファイルは、時間経過に伴って、実際の押圧プロファイルから次第に乖離したものとなる。
図13は、第2の実施形態に係る押圧センサにおける演算部の処理内容を示すフローチャートである。図13において各変数の意味は次のとおりである。
A:AD変換結果の値
Ar:AD変換値を積分する際の基準値
Amax:AD変換値の所定時間での最大値
Amin:AD変換値の所定時間での最小値
Appth1:微小振動有無検知のための閾値
Appth2:微小振動有無検知のための閾値
ΔAth:AD変換値の変化量が小さい状態であることを検知するための閾値
B:1階積分値
ΔBth:1階積分値が小さい状態であることを検知するための閾値
図13に示すように、まず1階積分値Bをリセットする(S1)。また、タイマーをリセットすることで、タイマーを初期値から計時開始する(S2)。続いて、AD変換結果を変数Aに入れる(S3)。AD変換値Aとその基準値Arとの差分が閾値ΔAth未満であるか否かを判定し、(A−Ar)≧ΔAthであれば、AD変換値Aとその基準値Arとの差分を変数Bに加算することで1階積分値Bを更新する(S4→S5)。そして、この1階積分値Bを出力する(S6)。上記の処理を所定時間が経過するまで(所定データ数分)繰り返す(S7→S3→・・・)。
もし、(A−Ar)<ΔAthになれば、1階積分値Bが閾値Bth未満であるか否かを判定し、未満であれば、1階積分値Bをリセットする(S4→S8→S9)。
所定時間経過すれば、その所定時間内で(所定データ数について)、AD変換値の最大値と最小値との差(Amax−Amin)が閾値Appth1未満であるか否かを判定する(S7→S10)。(Amax−Amin)<Appth1であれば、すなわち微小振動状態で無ければ、1階積分値Bをリセットする(S10→S12)。このステップS10,S12を実行する手段が、本発明に係る「積分リセット処理部」の例である。
2つの微小振動有無検知のための閾値Appth1,Appth2は次の関係にある。
Appth1<Appth2
Appth1は微小振動の下限、Appth2は微小振動の上限に対応し、AD変換値の変動幅がAppth1からAppth2までの範囲に収まっていれば、微小振動状態、すなわち一定押圧力で押圧されている状態と見なし、そのことを表す信号を出力する(S10→S11→S13)。このステップS10,S11を実行する手段が、本発明に係る「微小振動検知部」の例である。
このように、微小振動の不検知に応じて1階積分値Bをリセットすることにより、1階積分の累積誤差が解消される。
上記微小振動検知部が上記押圧部の微小振動状態を検知したとき、それは人体による安定した押圧状態であるので、上記構成により、人体による押圧特有の処理を行うことができる。また、微小振動の検知によって人体による操作の有無を検知するので、押圧力が弱い状態での安定した押圧力で押圧されている状態や、押圧力が緩慢に変化する状態でも、人体による操作の有無が検知できる。
次に、微小振動を伴う実際の押圧操作時の動作について示す。図14,図15は、アナログ回路2の出力電圧波形および積分演算結果の電圧波形を表す図である。
図14は、時刻t1で押圧部の押圧が開始され、時刻t2からt3まで、その押圧力が保持され、時刻t3からt4の間に押圧力が弱められ、時刻t5まで、その押圧力が保持され、時刻t5からt6にかけて押圧力が次第に解除された例である。図14において、電圧V5は、アナログ回路2の出力電圧V2の1階積分値(電圧V2の、ベースラインからの差分を積算した値)であり、それを電圧波形として表したものである。この1階積分値は押圧力の時間経過のプロファイル(押圧プロファイル)を再現したものとなる。
図14から、アナログ回路の出力電圧V2は、押圧中は微小変動し、離しているときは安定することが分かる。時刻t6で、電圧V2の微小変動が無くなったことが検知されて、1階積分値V5はリセットされる(図13中のステップS10→S12)。
図15は、時刻t1で押圧部の押圧が開始され、時刻t2からt3まで、その押圧力が保持され、時刻t4で押圧が解除された例である。この例では、強く押圧した後に、時刻t3からt4にかけて押圧を解除したとき、アナログ回路2の動作レンジを超えて、出力電圧V2は飽和している。そのため、押圧解除後、1階積分値V5には大きな誤差が生じている。しかし、時刻t5で、電圧V2の微小変動が無くなったことが検知されて、1階積分値V5はリセットされる(図13中のステップS10→S12)。
なお、図15の例では、時刻t4′で1階積分値V5の変化率が所定の閾値より小さくなって、1階積分値V5はリセットされる(図13中のステップS8→S9)。
《第3の実施形態》
第3の実施形態では、安定押圧状態の有無および押圧力の大きさ区分によって処理内容を選択する例を示す。
図16は、第3の実施形態に係る押圧センサにおける演算部の処理内容を示すフローチャートである。図16に示す演算部の演算処理以外の構成は第1の実施形態または第2の実施形態で示した押圧センサの構成と同じである。
例えば第2の実施形態で図13に示した演算部の処理内容は、安定押圧状態の有無検知および押圧部の変形量の検出(押圧力の大きさの検出)を行うものであるが、第3の実施形態の図16に示す処理内容は、上記安定押圧状態の有無および押圧力の大きさ区分によって処理内容を選択する例である。
図16において、変数Bは第2の実施形態で示した1階積分値であり、押圧力に相当する。変数Bth1,Bth2は、変数Bの大きさを区分するための所定の閾値である。
図16に示すように、安定押圧状態の有無および押圧力の大きさ区分によって次の処理を行う。
______________________
状態 安定押圧状態 押圧力 処理内容
______________________
1 不安定 小 第1処理
2 不安定 大 第2処理
3 安定 小 第3処理
4 安定 大 第4処理
______________________
[状態1]は例えば、押圧開始または解除の過渡時であり、第1処理はそれに応じた処理である。[状態2]は、比較的強く押し込んでいて、且つ押圧力が変動している状態であり、第2処理はそれに応じた処理である。[状態3]は軽く押圧し続けている状態であり、第3処理はそれに応じた処理である。[状態4]は強く押圧し続けている状態であり、第4処理はそれに応じた処理である。
例えば、地図の拡大/縮小表示を押圧操作で行うアプリケーションにおいて、安定して強く押し込んだとき、地図の表示倍率が次第に大きくなり、押圧を解除したとき、その表示倍率の増大を停止するのであれば、上記第4処理は表示倍率の拡大の処理、上記第3処理は表示倍率の縮小の処理である。第1処理、第2処理はその他の処理である。
また、安定して強く押し込んだとき、地図の表示倍率の増大が開始され、押圧を解除しても表示倍率の増大が継続され、軽くタッチしたとき、その表示倍率の増大を停止するのであれば、上記第4処理は表示倍率の拡大開始の処理、上記第3処理は表示倍率の変更停止の処理である。第1処理、第2処理はその他の処理である。
本実施形態によれば、微小振動の有無によって人体による安定操作であるか否かの判別がなされるので、例えば鞄の中で電子機器の押圧部が何らかの物体で押圧されたとしても、誤った動作がなされない。
《第4の実施形態》
第4の実施形態では、押圧センサを備える電子機器の例を示す。
図17は、第4の実施形態に係る電子筆記具301の斜視図である。図18は、図17に示す電子筆記具301の断面図である。図18は、電子筆記具301における圧電センサ1および基板230が装着された領域の断面図である。図19は、圧電センサ1の部分断面図である。
図17に示すように、電子筆記具301は、圧電センサ1および筐体201を備える。また、図18、図19に示すように、回路基板230に圧電センサ1が接続された状態で、回路基板230および圧電センサ1は筐体201内に設けられる。
筐体201は、円筒状である。筐体201は、絶縁性材料からなる。筐体201の内部には、図18に示すように基材203が設けられている。筐体201の長尺方向(円周方向に直交する方向)の一方端には、図17に示すように、先細り形状の先端部202が設けられている。
なお、筐体201は、その変形が圧電センサ1に伝達可能な程度の適度な弾性があればよく、金属であってもよい。
図19に示すように、圧電センサ1は可撓性を有する基材226を備える。基材226には、第1電極224、圧電フィルム221および第2電極225の積層体が貼着されている。第1電極224、圧電フィルム221および第2電極225の積層体の端部はカバーレイ250で補強されている。基材226には第3電極229が形成されていて、この第3電極229に第2電極225が電気的に接続される。基材226に形成されている複数の電極は回路基板230に接続される。
圧電センサ1は図18に示すように、筐体201の内壁面の円周方向に沿うよう湾曲した状態で装着される。
圧電フィルム221の材料は、PLLA(L型ポリ乳酸)である。PLLAは、キラル高分子であり、主鎖が螺旋構造を有する。PLLAは、一軸延伸され、分子が配向すると、圧電性を有する。一軸延伸されたPLLAの圧電定数は、高分子中で非常に高い部類に属する。
また、PLLAは、延伸等による分子の配向処理で圧電性を生じ、PVDF等の他のポリマーや圧電セラミックスのように、ポーリング処理を行う必要がない。すなわち、強誘電体に属さないPLLAの圧電性は、PVDFやPZT等の強誘電体のようにイオンの分極によって発現するものではなく、分子の特徴的な構造である螺旋構造に由来するものである。
このため、PLLAには、他の強誘電性の圧電体で生じる焦電性が生じない。さらに、PVDF等は経時的に圧電定数の変動が見られ、場合によっては圧電定数が著しく低下する場合があるが、PLLAの圧電定数は経時的に極めて安定している。
PLLAの延伸方向に3軸をとり、3軸方向に垂直な方向に1軸および2軸をとると、PLLAにはd14の圧電定数(ずりの圧電定数)が存在する。1軸方向が厚み方向となり、3軸方向(延伸方向)に対して45°の角度をなす方向が長手方向となるように、ストライプ状の圧電フィルム221が切り出される。これにより、圧電フィルム221が長手方向に伸縮すると、圧電フィルム221は厚み方向に分極する。
筐体201がユーザによって保持されているか否かによって、圧電センサ1の変形量が変化するので、そのことで、ユーザが筐体201を保持しているのか否かが検知される。
なお、以上に示した実施形態では、基材を湾曲させた状態で筐体に装着する電子機器の一例として電子筆記具を示したが、これに限るものではない。実施の際、例えばマウス、タブレット端末、スマートフォン、ウェアラブル端末(いわゆるスマートウォッチ、スマートグラス、ヘッドマウントディスプレイ等)の電子機器に適用することができる。
例えば、これら電子機器の場合、以下のような制御を実施することができる。
電子機器に人体が接触し、押圧されていない場合には第1の制御を実行し、押圧された場合には第2の制御を実行し、人体が接触されていない場合には第1の制御および第2の制御を実行しないようにしてもよい。これにより、人の意図によらず操作されてしまう場合に所定の制御が実行されることを抑制できる。ここで、「人体に接触されている状態」とは、直接接触している状態および間接的に接触している状態を含み、人体の微小振動が伝達される状況のことでもよい。また、押圧されていない状態とは弱く押圧されている状態を含む。人体が接触する際に押圧を意図していなくても、弱く押圧される可能性があり、その状態を含んでいる。
例えば、ウェアラブル端末では人体への装着状態が「押圧されていない状態」に相当する。また、「押圧されている状態」とは、押圧されていない状態よりも強い押圧力で意図的に電子機器が押圧されている状態である。本明細書において、「押圧されている」あるいは「押圧されていない」についても同様の意味である。
なお、人体の振動を検出するセンサは圧電センサに限らない。振動を検出できる種々の振動センサを利用可能である。
第1の制御では電子機器が電源OFFの状態からONの状態に切り替えてもよい。また、第2の制御ではそれぞれの電子機器に合った制御を実施してもよい。例えば、スマートフォンではアイコンの選択や画面の拡大であってもよい。さらに、第1の制御と第2の制御とは全く異なる制御でなくてもよい。例えば、懐中電灯では第1の制御で弱い光を点灯させ、第2の制御で強い光を点灯させるような制御であってもよい。また、スマートフォンにおいて、第1の制御ではゆっくり画面を拡大し、第2の制御では速く画面を拡大する等、類似する一連の制御を実施するものであってもよい。
また、人体が接触し、押圧されていない場合には第1の制御を実行し、人体が接触しておらず、且つ静電容量が変化している場合には第1の制御を実行しないようにしてもよい。これにより人体が非接触で且つ静電容量が変化する状態に所定の制御が実行されないため、意図せずして所定の制御が実行されることを抑制できる。例えば、スマートフォン等の静電容量センサを備える電子機器において、人体の接触が無い状態で静電容量を変化させる物体が接触した場合、所定の制御が実行されるのを抑制できる。
また、人体に接触している物体が押圧部に接触した場合には第1の制御を実行し、人体に接触していない物体が押圧部に接触した場合には第1の制御を実行しないようにしてもよい。人体に接触している物体が押圧部に接触した場合であっても人体の振動が物体を介して伝達するため、所定の制御を実行するようにしてもよい。人体に接触していない物体が接触した場合は人体の振動が伝わることがないので、所定の制御が実行されない。このことで、意図しない制御が実行されるのを抑制できる。
例えば、ウェアラブル端末の場合、微小振動の有無によって、その人体への装着・非装着の状態を判定し、電源のON/OFFを切り替えてもよい。
また、例えばスマートフォンや電子ブックにおいて、ディスプレイの端部に本発明の押圧センサを配置し、押圧力に応じてページをめくるスピードを変えるようにしてもよい。この場合も、人体以外の操作で誤動作することが防止できる。
また、例えばスマートグラスの場合に、メガネのツルの部分に本発明の押圧センサを配置し、音量調節や画面の早送り/巻き戻しなどを行うようにしてもよい。
以上に示した実施形態では、圧電センサ1に、ポリ乳酸の圧電フィルム221を用いる例を示したが、これに限るものではない。実施の際、PVDF等の他の圧電フィルムや圧電セラミック等が利用できる。但し、PVDFは焦電性があるため温度変化による電荷発生も積算されてしまうというデメリットがあるため、焦電性のないPLLAのほうが好適である。
なお、本発明に係る第1電流電圧変換回路を備える押圧センサにおいては圧電センサが必要であるが、押圧部の変形量に応じた検出信号を発生する圧力センサを用い、押圧部の微小振動状態の有無を検知する場合には、圧電センサ以外に押圧部の変形量を電気信号として取り出せるセンサであればよい。本発明に係る「圧力センサ」には増幅回路を含む場合もある。
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。当業者にとって変形および変更が適宜可能である。例えば、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
C10,C20…補償容量
OA1,OA2…オペアンプ
PS…電源回路
R10,R20…帰還抵抗
VS…電圧源
1…圧電センサ
2…アナログ回路
3…ADコンバータ
4…演算部
10…第1電流電圧変換回路
20…第2電流電圧変換回路
30…基準電位発生回路
101…押圧センサ
200…制御部
201…筐体
202…先端部
203…基材
221…圧電フィルム
224…第1電極
225…第2電極
226…基材
229…第3電極
230…回路基板
250…カバーレイ
301…電子筆記具

Claims (5)

  1. 押圧により変形する押圧部と、
    前記押圧部の変形量に応じた検出電圧を発生する圧電センサと、
    前記圧電センサの容量に対する充放電電流を電圧信号に変換して出力する第1電流電圧変換回路と、
    前記第1電流電圧変換回路の出力電圧の積分値を求め、当該積分値を前記押圧部の変形量として検出する変形量検出部と、
    前記第1電流電圧変換回路の出力電圧の微小変動状態の有無により前記押圧部の微小振動の有無を検知する微小振動検知部と、
    前記微小振動の不検知に応じて前記積分値をリセットする積分リセット処理部と
    前記第1電流電圧変換回路の出力電圧の変化率に相当する電流を電流電圧変換する第2電流電圧変換回路と、を備え、
    前記変形量検出部は、前記第1電流電圧変換回路の出力電圧をデジタル値に変換するADコンバータと、前記ADコンバータにより変換されたデジタル値を2階積分演算する演算部とで構成される、
    ことを特徴とする、押圧センサ。
  2. 前記微小振動検知部は、前記変形量検出部により算出された前記押圧部の変形量が所定の閾値を超えるか否かによって検知する手段である、請求項1に記載の押圧センサ。
  3. 前記演算部は、1階積分値の変化量または変化率が所定値未満であることを検出したとき、1階積分値をリセットする1階積分リセット処理部を備える、請求項1または2に記載の押圧センサ。
  4. 請求項1からのいずれかに記載の押圧センサを備え、
    前記微小振動検知部の検知結果に応じて所定の制御を行う制御部を更に備える、電子機器。
  5. 前記制御部は、前記微小振動の有無と前記変形量検出部の検出結果とに応じて、所定の制御を行う、請求項に記載の電子機器。
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