JPWO2015041347A1 - 構造体の製造方法、製品の製造方法、構造体、フォルダ、成形物、生体試料の精製方法、検査装置及び化合物 - Google Patents

構造体の製造方法、製品の製造方法、構造体、フォルダ、成形物、生体試料の精製方法、検査装置及び化合物 Download PDF

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Abstract

第1の面と第2の面とを備えた第1の基体を準備する第1の工程と、前記第1の面の少なくとも一部に組成物を配置する第2の工程と、前記組成物の少なくとも一部にエネルギーを付与することにより前記組成物の第1の部分を硬化させて硬化物を形成する第3の工程と、を含み、前記第3の工程の終了後、前記組成物の前記第1の部分以外の部分の少なくとも一部である第2の部分は、除去可能な状態となっていること、を特徴とする構造体の製造方法。

Description

本発明のいくつかの態様は、バイオチップ及びマイクロチップ等の生体試料の分析等に好適な構造体等に関する。
近年、試料の分析並びに物質の分離及び精製等に利用する素子として、微量な試料でも分析又は分離が可能なマイクロチップ及びバイオチップに対する期待が高まっている。しかしながら、バイオチップに安定的に分析又は分離を行うための表面構造や親和性等を付与する方法は皆無に等しい状況であった。
例えば、特に雰囲気を選ばずガンマ線やプラズマ処理を行うことにより、生理活性物質の固定に適した表面を形成することが記載されている(特許文献1参照)。しかしながら、このような方法では製品として安定した表面を維持できないという問題がある。
特開2006−132943号公報
本発明のいくつかの態様は、このような事情に鑑み、バイオチップ及びマイクロチップ等の生体試料の分析等に好適な構造体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明に係る構造体の製造方法は、第1の面と第2の面とを備えた第1の基体を準備する第1の工程と、前記第1の面の少なくとも一部に組成物を配置する第2の工程と、前記組成物の少なくとも一部にエネルギーを付与することにより前記組成物の第1の部分を硬化させて硬化物を形成する第3の工程と、を含み、前記第3の工程の終了後、前記組成物の前記第1の部分以外の部分の少なくとも一部である第2の部分は、除去可能な状態となっていることを特徴とする。
本発明に係る製品の製造方法は、第1の面と第2の面とを備えた第1の基体を準備する第1の工程と、前記第1の面の少なくとも一部に組成物を配置する第2の工程と、前記組成物にエネルギーを付与することにより前記組成物の第1の部分を硬化させて硬化物を形成する第3の工程と、を含み、前記第3の工程を、前記第1の基体及び前記組成物が包装するための包装資材により包装された状態で行い、前記第3の工程の終了後、前記組成物の前記第1の部分以外の部分の少なくとも一部である第2の部分は、除去可能な状態となっていることを特徴とする。
本発明に係る構造体は、第1の面と第2の面とを備えた第1の基体と、前記第1の面の第1の領域に配置された第1の有機物と、を含み、前記第1の領域の表面と、前記第1の面の前記第1の領域以外の領域の一つである第2の領域の表面と、は、共に第2の有機物で構成され、前記第2の領域の表面の第1の液体に対する親液性は、前記第1の有機物の前記第1の液体に対する親液性とは異なっており、前記第1の領域の表面の前記第1の液体に対する親液性は、前記第2の領域の表面の前記第1の液体に対する親液性とは実質的に同一であること、を特徴とする。
本発明に係るフォルダは、上記の構造体を固定することができる。上記フォルダは上記の構造体を複数固定あるいは保持することができる。
本発明に係る成形物は、上記の構造体を製造するために用いる前記第1の基体である。
本発明に係る生体試料の精製方法は、前記生体試料を準備する第1の工程と、上記の構造体の少なくとも一部に前記生体試料を接触させる第2の工程と、を含むことを特徴とする。
本発明に係る検査装置は、上記の構造体を用いることを特徴とする。
本発明に係る化合物は、下記一般式(1)で表される第1のユニットと、下記一般式(2)で表される第2のユニットと、下記一般式(3)で表される第3のユニットと、を含み、前記第1のユニット、前記第2のユニット、及び前記第3のユニットは、互いに異なる構造を有すること、を特徴とする。
Figure 2015041347
(一般式(1)中、置換基A及びBの各々は炭素を含む2価の置換基であり、置換基Cは炭素を含む1価の基であり、R1は水素原子又は有機基であり、w、a、及びbは自然数である。)
Figure 2015041347
(一般式(2)中、置換基D及びEの各々は炭素を含む2価の置換基であり、置換基Fは重合性基を有する1価の置換基であり、R2は水素原子又は有機基であり、x、d及びeは自然数である。)
Figure 2015041347
(一般式(3)中、置換基G及びHの各々は炭素を含む2価の置換基であり、置換基Iは官能基を有する1価の置換基であり、R3は水素原子又は有機基であり、y、g及びhは自然数である。)
マイクロ流路を有する構造体の製造工程を説明する図である。 分取チップの構造を示す図である。 図2に示した分取チップの製造工程を説明する図である。 マイクロ流路を有する構造体を用いて構成した分取装置である。 マイクロ流路を有する構造体を用いて構成した分取装置であって、図4の分取装置とは異なる構成のものである。 複数のマイクロ流路を有する構造体を積層しフォルダ内に配置した際の図である。 積層した複数のマイクロ流路を有する構造体を用いた検査装置である。 包装資材中でマイクロ流路を有する構造体の製造工程の一部を行う場合について説明する図である。
本発明に係る構造体の製造方法は、第1の面と第2の面とを備えた第1の基体を準備する第1の工程と、前記第1の面の少なくとも一部に組成物を配置する第2の工程と、前記組成物の少なくとも一部にエネルギーを付与することにより前記組成物の第1の部分を硬化させて硬化物を形成する第3の工程と、を含み、前記第3の工程の終了後、前記組成物の前記第1の部分以外の部分の少なくとも一部である第2の部分は、除去可能な状態となっていることを特徴とする。
上記の構造体の製造方法により、表面の状態が部分的に異なる構造体を製造することが可能となる。なお、上記の構造体の製造方法において、「除去可能な状態」は、例えば、上記第1の部分と第2の部分とで、組成物の硬化状態を変化させること等で達成できる。具体的には、例えば、第1の領域と第2の領域とで酸素濃度等の硬化条件を調整することにより、前記組成物全体に対して前記エネルギーを付与したとしても、第2の部分となる一部(第2の領域)を未反応又は未硬化な状態にすることにより達成することができる。あるいは、「除去可能な状態」は、マスク等を介して前記組成物の所望の部分(第1の領域)にのみ前記エネルギーを付与することによっても達成できる。また、「組成物」は単一の化合物から構成されていてもよいし、複数の化合物から構成されていてもよい。
また、第2の部分を「除去」する方法としては、ウェットエッチング、ドライエッチング、アッシング及びYAGレーザー等が挙げられる。
上記の製造方法において、前記第1の部分は、前記第1の面の第1の領域に形成され、前記第2の部分は、前記第1の面の第2の領域に形成され、前記硬化物の第1の液体に対する親液性は、前記第2の領域の前記第1の液体に対する親液性と異なっていることが好ましい。このようにすることにより、所望の液体に対する親和性の異なる複数の領域を有する構造体を製造することができる。
上記態様とするには、例えば、上記第1の領域と第2の領域とで、表面を構成する材質、物性及び表面形状等の少なくともいずれかを異ならせることで達成できる。
上記の構造体の製造方法において、前記第2の領域の表面は有機物で構成されていることが好ましい。このようにすることにより、例えば有機物は、無機物に比べて極性や特定の液体や分子に対する親和性を容易に調整することができるため、所望の表面物性を得られ易い。
上記の構造体の製造方法において、前記第1の工程は、基板の少なくとも一部に有機物を配置又は形成することにより、前記第2の領域を形成する第1の副工程を含むことが好ましい。このようにすることにより、例えば有機物は、無機物に比べて極性や特定の液体や分子に対する親和性を容易に調整することができるため、所望の表面物性を得られ易い。
「有機物を配置又は形成する」とは、具体的には、例えば、有機物としての組成物の塗布膜又は吸着被膜を配置したり形成したりすること等が挙げられる。
上記の構造体の製造方法において、更に、前記第3の工程の前に第2の基体を準備する第5の工程を含み、前記第3の工程における前記組成物に対する前記エネルギーの付与を行う期間の少なくとも一部において、前記第1の部分の少なくとも一部が前記第2の基体の少なくとも一部に接するようにすることが好ましい。このようにすることにより、例えば前記組成物の前記第2の基体に接している部分と接していない部分との間で酸素の影響の程度を変えられるので、反応の進行や硬化度に差を生じさせることができる。
上記の構造体の製造方法において、更に、前記第2の部分を除去する第4の工程を含むようにしてもよい。このようにすることにより、例えば、領域や場所に応じて、具体的には第1の部分と第2の部分とで親液性や親和性等を変えることができる。
上記の構造体の製造方法において、前記第1の領域における前記第1の面と前記第2の面との距離である第1の距離は、前記第2の領域における前記第1の面と前記第2の面との距離である第2の距離と異なっていることが好ましい。このような構成の例としては、例えば、前記第1の面及び前記第2の面のいずれかに凹凸パターンや溝等を形成した構成等が挙げられる。
上記の構造体の製造方法において、前記第1の距離は、前記第2の距離より大であることが好ましい。このような構成の例としては、例えば、前記第2の領域を凹凸パターンの凹部あるいは溝とする構成等が挙げられる。このような構成において凹部あるいは溝を、試料の成分を配置又は捕捉のために利用することができる。また、溝を液体あるいは気体の流路としても利用することができる。
本発明に係る製品の製造方法は、第1の面と第2の面とを備えた第1の基体を準備する第1の工程と、前記第1の面の少なくとも一部に組成物を配置する第2の工程と、前記組成物にエネルギーを付与することにより前記組成物の第1の部分を硬化させて硬化物を形成する第3の工程と、を含み、前記第3の工程を、前記第1の基体及び前記組成物が包装するための包装資材により包装された状態で行い、前記第3の工程の終了後、前記組成物の前記第1の部分以外の部分の少なくとも一部である第2の部分は、除去可能な状態となっていることを特徴とする。このように、前記組成物に対するエネルギーの付与を包装された状態で行うことで、例えば、雰囲気の制御が可能となり、前記組成物の硬化反応の条件の調整が容易となる。また、例えば、前記組成物にエネルギーを付与する際に併せて上記製品の滅菌処理等を行うことが可能であり、上記製品を生体試料の検査や分離に用いる際に特に有利となる。
上記の製品の製造方法において、前記第2の部分は、第2の液体を用いることにより、除去可能であることが好ましい。このようにすることにより、例えば、包装を開封後、液体を用いた前処理の工程を利用して、前記第2の部分を除去することが可能となるため、工程数を削減することができる。
上記の製品の製造方法において、前記エネルギーは、電磁波を用いて前記組成物に付与されることが好ましい。電磁波の代表的なものは包装資材を透過する性質を有しているため、例えば、包装後であって前記組成物にエネルギーを付与することができる。
上記の製造方法において、前記電磁波は、ガンマ線又はエックス線であることが好ましい。このようにすることにより、例えば、エネルギーを付与すると同時に滅菌することが可能となる。
本発明に係る構造体は、第1の面と第2の面とを備えた第1の基体と、前記第1の面の第1の領域に配置された第1の有機物と、を含み、前記第1の領域の表面と、前記第1の面の前記第1の領域以外の領域の一つである第2の領域の表面と、は、共に第2の有機物で構成され、前記第2の領域の表面の第1の液体に対する親液性は、前記第1の有機物の前記第1の液体に対する親液性とは異なっており、前記第1の領域の表面の前記第1の液体に対する親液性は、前記第2の領域の表面の前記第1の液体に対する親液性とは実質的に同一であること、を特徴とする。
上記態様である構造体として具体的には例えば、第1の基体自体が第2の有機物で構成されるか又は任意の材質からなる第1の基体において第1の領域の表面と第2の領域の表面との上に第2の有機物からなる層等が形成され、且つ、前記第1の面の第1の領域に第1の有機物が配置される構成が挙げられる。いずれの構成においても、第1の有機物は、第2の有機物の第1の液体に対する親液性とは異なる親液性を有する材質からなることが好ましい。
上記の構造体において、前記構造体は生体試料に含まれる第1の成分の分離又は精製を行うために用いられ、前記分離又は精製を行う際に、前記第1の成分は、前記第1の有機物の上に比べ、前記第2の領域の上における存在密度が高くなることが好ましい。
上記態様とするには、生体試料は水系溶媒の場合が多いため、構造体において、前記第2の領域の表面の上記第1の成分に対する親和性を、前記第1の有機物の第1の成分に対する親和性とは異なるようにすればよい。より具体的には、第2の領域の表面の第1の成分に対する親和性が第1の有機物の第1成分に対する親和性に比べて高くなるように、すなわち水との親和性を向上させるようにすればよい。
本発明に係るフォルダは、上記の構造体を固定することができる。上記フォルダは上記の構造体を複数固定あるいは保持することができる。
本発明に係る成形物は、上記の構造体を製造するために用いる前記第1の基体である。上記の成形物は、例えば、エッチング、射出成形、切削工程等によって形成してもよい。
本発明に係る生体試料の精製方法は、前記生体試料を準備する第1の工程と、上記の構造体の少なくとも一部に前記生体試料を接触させる第2の工程と、を含むことを特徴とする。構造体の少なくとも一部に生体試料を接触させる方法としては、例えば加圧力、吸引力、遠心力又は毛細血管力を利用した、溝構造等へ生体試料を含む液を通液する方法等が挙げられる。
本発明に係る検査装置は、上記の構造体を用いることを特徴とする。
本発明に係る第2の構造体の製造方法は、第1の面と第2の面とを有する第1の基体及び第3の面と第4の面とを備えた第2の基体を準備する第1の工程と、前記第1の面及び前記第3の面の少なくともいずれかの少なくとも一部に組成物を配置する第2の工程と、前記組成物を前記第1の面の第1の領域と前記第3の面の第3の領域とに接した状態で前記組成物にエネルギーを付与することにより前記組成物を硬化させる第3の工程と、を含むことを特徴とする。このようにすることにより、例えば、前記組成物の硬化させる条件を局所的に変えることができる。
上記の構造体の製造方法の前記第3の工程において、前記組成物のうち前記第1の領域及び前記第3の領域の双方に接している第1の部分と、前記第2の領域及び前記第3の領域のいずれか一方のみとしか接していない第2の部分と、では硬化の程度を異ならせることができる。ここで、前記第3の工程を前記組成物として酸素等によって硬化の速度が低下するものを用いて、大気下等の酸素が存在する雰囲気中で実施すれば、前記組成物の前記第1の部分に比べて前記第2の部分の硬化を遅らせることができる。そのため、前記エネルギーを付与する時間を適宜調整すれば、前記第2の部分を溶媒による洗浄や減圧留去等を利用して除去することが可能となる。一方、前記組成物として、その硬化によって接着機能を発現するものを用いれば、前記第3の工程により、前記第1の基体と前記第2の基体とは、硬化した前記第1の部分を介して接着されることになるため、より好ましい。
前記第2の領域及び前記第3の領域のいずれか一方のみとしか接していない第2の部分とするには、第2の部分が第2の領域及び前記第3の領域のいずれか一方とのみ接するように、どちらかの領域に凹部を形成するか、又は、前記第1の領域の組成物の塗膜をスクリーン印刷等を用いて厚く塗布を行う等とする方法が挙げられる。
上記の本発明に係る第2の構造体の製造方法において、前記第1の面に凹凸部又は溝部を有するパターンを有していてもよい。例えば、前記第3の工程を実施する際に前記第1の面と前記第2の面との距離を適宜設定することにより、前記第2の工程を行った際に前記凹凸部の凹部又は前記溝部に配置された前記組成物は、前記第2の基体に接しないようにすることができるため、前記凹部又は前記溝部に配置された前記組成物を未硬化の状態とすることが可能である。未硬化の前記組成物を除去し、前記凹部又は前記溝部を利用して流路を形成することが可能である。ここで、前記組成物として、その硬化により所定の液体に対する所定のレベルの親和性を有するものを選択すれば、例えば、前記組成物が硬化した硬化物を前記流路の側方に位置するようにすることができる。すなわち、流路に流す液体が親水性の場合は組成物としてその硬化により疎水性となるものを選択し、流路に流す液体が疎水性の場合は組成物としてその硬化により親水性となるものを選択する。それにより、前記流路を流れる試料や液体の前記流路からの浸透を抑制し、あるいは、表面張力等、前記流路内の液体と前記流路の内表面との間に働く力を調整することが可能となるため、前記流路内における泡の発生を抑制することが可能となる。また、前記組成物として、その硬化により所定の物質が浸透するようなものを選択すれば、前記流路に所望の試料を優先して流すことも可能となる。
血液中の成分や血球等の生体物質の分析のために、上記の構造体の製造方法により製造された構造体を使用する場合は、前記組成物として、その硬化によって水に対する接触角が60°以上のものを用いても良い。この際に前記組成物として水を含む溶媒で除去可能な親水性のものを用いれば、前記組成物が硬化することにより形成された硬化物の親水性は低いために、前記硬化物の溶媒による損傷を抑制できると同時に未硬化の前記組成物の除去が容易となるという利点を有することになる。
本発明に係る化合物は、少なくとも下記一般式(1)で表される第1のユニットと、下記一般式(2)で表される第2のユニットと、下記一般式(3)で表される第3のユニットとを含み、これらのユニットは互いに異なる構造を有している。
Figure 2015041347
なお、第1〜第3のユニットの各々は、必ずしも、連続して接続されブロック化していなくても良いが、用途や接触する基板との親和性に応じてブロック化しても良い。
上記の第1〜第3のユニットのw、x、及びyは自然数である。例えば、相分離構造を作製するには、所望の相分離構造に応じて第1〜第3のユニットにおいてw、x、及びyの数を適宜設定すれば良い。上記の化合物において、置換基A,B,C,D,E,F、G,及びHは、炭素を含む置換基である。置換基A,B,D,E,G,及びHは、炭素を含む2価の置換基であることが好ましく、置換基C及びFは炭素を含む1価の置換基であり、Iは官能基を有する1価の置換基であることが好ましい。置換基A,B,C,D,E,F、G,H、及びIのうちC、F、及びIは、それぞれ親水性が互いに異なっていることが好ましい。これにより例えば、一分子内の中で他の分子に対して親和性の異なる部位を付与することができる。
上記の化合物は、さらに上記3種類のユニットに加えて、下記で表される第4のユニットを有することが好ましい。
Figure 2015041347
上記の化合物において、置換基J、K、及びLは炭素を含む置換基である。置換基J及びKは炭素を含む2価の置換基であり、置換基Lは炭素を含む1価の置換基であることが好ましい。第4のユニットは、上記の第1〜第3のユニットのいずれとも異なる構造を有していることが好ましい。
上記の化合物において、zは自然数である。
上記の化合物において、a、b、d、e、g及びhは自然数である。
上記の化合物において、置換基Fは重合性基を有することが好ましい。置換基Fが重合性基を有することにより、上記の化合物をさらに重合させることができる。これにより、例えば、より安定した膜を作製することができる。
上記の化合物において、置換基Iにおける官能基は、ヒドロキシ基、アミノ基、ケイ素基、カルボキシ基等のように他の分子との反応性を有し、あるいは、他の置換基に変換することができるものであることが好ましい。これにより、例えば、上記の化合物を基板に塗布後さらに反応させることができる。
なお、ケイ素基については、後述する。
上記の化合物において、置換基A、置換基D、及び置換基Gは、下記の一般式(5)で表される2価の置換基であることが好ましい。置換基A、置換基D、及び置換基Gが、下記の一般式(5)であるとき、上記一般式(1)、一般式(2)及び一般式(3)中のa、d及びgは、それぞれ1であることが好ましい。置換基A、置換基D、及び置換基Gは、下記の一般式(5)で表される2価の置換基以外に、−CONH−等であってもよい。
Figure 2015041347
上記の化合物において、置換基B、置換基E、及び置換基Hは、下記の一般式(6)で表される2価の置換基であることが好ましい。置換基B、置換基E、及び置換基Hが、下記の一般式(6)であるとき、上記一般式(1)、一般式(2)及び一般式(3)中のb、e及びhは、それぞれ1〜100の整数であることが好ましい。置換基B、置換基E、及び置換基Hは、下記の一般式(6)で表される2価の置換基以外に、アルキレン基、ポリプロピレンオキシド基、又はポリブチレンオキシド基等であることも好ましい。
Figure 2015041347
上記の化合物において、置換基Cは炭素原子3個以上を含む1価の置換基であることが好ましい。炭素数3以上の長鎖アルキル基であることがより好ましく、炭素数5〜20の長鎖アルキル基であることがさらに好ましく、炭素数5〜18の長鎖アルキル基であることが特に好ましい。置換基Cは、直鎖状アルキル基であっても分岐状アルキル基であってもよい。
上記一般式(2)で表される第2のユニットにおける置換基Fとして、重合性基を有する1価の置換基が好ましく挙げられる。置換基Fにおける重合性基として、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基及びエポキシ基等が好ましく挙げられ、(メタ)アクリロイル基がより好ましい。置換基Fが重合性基そのものであってもよい。
上記一般式(3)で表される第3のユニットにおける置換基Iにおける官能基として、ヒドロキシ基、アミノ基、ケイ素基及びカルボキシ基等が挙げられる。ケイ素基としては、トリアルキルシリル基、トリアリールシリル基及びトリアルコキシシリル基等が挙げられる。
置換基Iとしては、ヒドロキシエチル基、アミノメチル基、アミノエチル基、トリアルキルシリルエチル基、トリアリールシリルエチル基、トリアルコキシシリルエチル基及びカルボキシエチル基等が挙げられる。
上記一般式(4)で表される第4のユニットにおける置換基Jは、第1〜第3のユニットにおける置換基A、D及びGと同様の置換基が挙げられる。第4のユニットにおける置換基Kは、第1〜第3のユニットにおける置換基B、E及びHと同様の置換基が挙げられる。第4のユニットにおける置換基Lは、炭素原子2個以下を含む置換基であることが好ましい。置換基Lは、炭素数2以下のアルキル基であることがより好ましく、メチル基又はエチル基であることがさらに好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
R1、R2、R3及びR4の各々は、水素原子又は有機基である。有機基としては、メチル基及びエチル基等のアルキル基等が挙げられる。
上記化合物は、上記第1のユニット、前記第2のユニット、及び前記第3のユニットを構成するための対応モノマーを用いて重合することにより得られる。
上記第1のユニット、前記第2のユニット、及び前記第3のユニットを構成するためのモノマーは、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートモノマーに由来するユニットであることがより好ましい。具体的には、上記第1〜第3のユニットの好ましい組み合わせとして下記が挙げられる。上記第1のユニットは、上記置換基Cとして炭素数3個以上の長鎖アルキル基を有するポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートに由来するユニットであることが好ましく、上記第2のユニットは、上記置換基Fとして上記重合性基を含む1価の置換基を有するポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートに由来するユニットであることが好ましい。上記第3のユニットは、上記置換基Iとして官能基を含む1価の置換基を有するポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートに由来するユニットであることが好ましい。また、任意のユニットである第4のユニットは、上記置換基Lとして炭素数2個以下で含む1価の炭化水素基を有するポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートに由来するユニットであることが好ましい。
各ユニットの含有割合は、目的とする物性により適宜調整すればよい。例えば、接触角を変化させたり、基板への塗布性を向上させたりする場合は、使用する基板の種類に応じて第1のユニット、第2のユニット及び第3のユニット、第4のユニットの化合物全体に対する含有量を最適に調整することができる。例えば、第1のユニット及び第2のユニットの含有量を増やすことにより、接触角の高い組成物となり疎水的なプラスチック基板との親和性を向上させることができる。より具体的には、疎水的なプラスチック基板との親和性を向上させるため、第1のユニットの含有量は、0.01〜50モル%が好ましく、1〜50モル%がより好ましく、1〜20モル%がさらに好ましい。
また、例えば第3のユニットを増やすことにより親水的な組成物となりガラス等の親水的な基板との親和性を向上させることができる。
第1のユニット以外の各ユニットの含有割合の好ましい範囲は下記のとおりである。第2のユニットの含有量は0.1〜50モル%が好ましい。第3のユニットの含有量は、3〜80モル%が好ましく、5〜50モル%がより好ましい。第4のユニットの含有量は0〜90モル%が好ましく、30〜90モル%がより好ましく、50〜90モル%がより好ましい。
本発明の化合物は、上記の各ユニットの含有量を適宜調整することで、接触角の調整、基板への塗布性及びタンパクに対する吸着性等を向上させることができる。
上記の組み合わせにおける化合物の重量平均分子量は、MW20000〜80000であることが好ましい。重量平均分子量を上記範囲とするには、重合条件を適宜調整すればよい。
なお、本発明において、重量平均分子量とはポリエチレングリコール換算で求めたものである。
なお、本発明において「(メタ)アクリル」とは、アクリリル及び/又はメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味する。
本発明のいくつかの態様に係る材料及びプロセス等について、以下具体的に説明する。
(1)組成物の合成
本発明の構造体の製造方法で用いる組成物として、上記化合物が好適に用いられる。
本発明に係る典型的な組成物は、下記のPA、PM、及びPHを出発原料として用いて合成される。まず、PA、PM、及びPHに熱を加えることにより熱重合体を合成し、その後、当該重合体にAMを作用させてヒドロキシ基の少なくとも一部をメタクリロイル基に変換することにより得られる。当該組成物は、下記の一般式(7)乃至(10)のユニットを有する重合体である。下記の一般式(10)で表されるユニットは末端に重合性基を有するメタクリロイル基を有する。なお、PA、PM及びPHの各々についてm、o、及びpの数が異なる複数の原料を使用することもできる。
Figure 2015041347
上記のPA、PM、及びPHの構造式においてm、o、及びpは自然数であり、nは3以上の自然数を表す。上記m、o、及びpはそれぞれ自然数であり、1〜100の整数であることが好ましい。
Figure 2015041347
上記重合体は、公知の重合条件で行うことができる。また、各原料の配合割合は、目的とする物性により適宜調整すればよい。
第1のユニットを構成する対応モノマーとして、例えばPHを用いることができるが、官能基としてヒドロキシ基を有するモノマーの他、エポキシ基又はアミノ基等を有するモノマーを用いることができる。具体的には、グリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、アリルアミン、アミノ基を誘導可能なN−ホルムアミド等が挙げられる。
第3のユニットは、上記したように例えば第2のユニットの官能基に対し、重合性基を有するモノマーを結合させて得ることができるが、該重合性基を有するモノマーとして、上記AHに替えて、2−イソシアナトエチルメタクリレート、2−イソシアナトエチルアクリラート、イソシアネート基に誘導可能な2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリロイルクロリド等が挙げられる。
(2)マイクロ流路を有する構造体の作製
本発明に係るマイクロ流路を備えた構造体の、典型的な製造手順について図1を参照して説明する。まず、凹凸等のパターンが形成された第1の基体1を用意し、当該第1の基体1の第1の面の第1の領域上に組成物を塗布し、組成物の塗膜3を形成する(a)。次に当該組成物が第1の基体1の第1の領域に塗布された状態で第1の基体1と第2の基体2とを密着させ(b)、この状態で第2の基体2を介して組成物の塗膜3に紫外線等の光又は放射線(電磁波)を照射して、凸部分の組成物を硬化させ、硬化物としての樹脂膜4を形成する(c)。電磁波としては、ガンマ線及びエックス線等が好ましく挙げられる。
(c)工程の後、溶媒によって洗浄することによって、第1の基体1と第2の基体2との間の空隙(凹部分)にあった未硬化の組成物が除去されることにより、当該空隙がマイクロ流路となり、マイクロ流路が形成された第1の基体1と第2の基体2とを含む構造体が作製される。上記態様においては、上記凸部分が第1の領域となり、上記凹部分が第2の領域となる。
第1の基体及び第2の基体に用いる部材は用途や所望の性質等により適宜選択される。例えば、樹脂を使用することが可能である。樹脂として具体的には、例えばポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン66、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリエチレン、ポリジメチルシロキサン及び環状ポリオレフィン等が挙げられる。また、銅、アルミ、鉄、シリコン、ニッケル、その他の各種金属及びそれらの合金、シリカ、アルミナ、ジルコニア及びチタニア等の金属酸化物、及びそれらの混合物、ガラス製物質、並びに、炭化珪素及び窒化ホウ素等の無機材料等も第1の基体及び第2の基体に用いる部材として使用することができる。
図1に示したように第1の基体として凹凸等のパターンが形成されたものを用いる場合は、部材として、射出成形性及び量産性に優れた有機高分子を主成分とするポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリアクリロニトリル及びポリ塩化ビニル等が好適である。
溝形状は、図1に示した矩形以外にも、三角形及び半円形等が採用可能であり、用途や所望の性能等に応じて適宜選択することができる。なお、溝の幅W等の当該マイクロ流路の寸法はマイクロ流路に流す検査対象等に応じて適宜設定される。典型的には幅Wは数μm〜数mm程度、溝深さ数μm〜数mm程度、溝長(紙面の奥行き方向)は数mm〜10cm程度である。
溝の形成は、エッチング、金型による転写成形又は切削加工等により行えばよい。
基体のサイズ、厚みに特に制限はないが、サイズは1cm〜10cm程度、厚みは数十μm〜数mm程度であることが好ましい。
第1の基体又は第2の基体として、母材に対して表面処理を施したものを使用することができる。表面処理として親水化処理を行う場合、母材に対して、例えば、真空紫外線照射、プラズマ照射、UVオゾン照射、イオンビーム照射、酸洗浄、アルカリ洗浄等を行う等してもよく、末端にヒドロキシ基及びアミノ基等の極性基を有する単分子膜を形成することにより親水化してもよい。また、シランカップリング剤を用いて基板表面を修飾してもよい。シランカップリング剤として、ビニルメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン及びγ−アミノプロピルメトキシシラン等から選ばれる1種以上を用いることができる。
より安定した親水性表面を得るために、少なくとも表面にエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の重合性モノマーを重合することにより得られた親水性樹脂膜を配置する等してもよい。4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン酸又は4,4’−ジアジドジベンザルアセトン−2,2’−ジスルホン酸等のアジド化合物と、N−ビニルピロリドン、アクリルアミド、又はジメチルアクリルアミド等の重合性の二重結合を有する化合物との混合物から合成した樹脂膜も親水性樹脂膜として用いることができる。
図1(c)に示したように、組成物の塗膜3を上記第1の基体1又は第2の基体2に塗布した後の硬化を光又は放射線で行う場合は、前記第1の基体及び第2の基体のうち少なくとも一つは、硬化に使用する光又は放射線が透過するものであることが望ましい。基体の材料として、有機材料では、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン等が好ましく、無機材料では、例えば、酸化ケイ素を主成分とするガラスが好ましい。
第1の基体と第2の基体には、同じ材料を用いてもよく異なる材料を用いてもよいが、例えば、図1(d)に示した接合部6からの樹脂膜4の非被覆部5への樹脂膜のはみ出しの程度を少なくするために、第2の基体の表面の組成物に対する親和性を第1の基体の組成物の親和性に比べて低くする等の方法を利用できる。
図1(b)に示したように第1の基体1と第2の基体2とを密着させる方法としては、例えば、第2の基体の自重(天地を逆にした場合は、第1の基体の自重)を利用する方法、さらに、第1の基体又は第2の基体の少なくとも一方向から圧力をかける方法等がある。後者の方法では、典型的には500〜3000N程度の力が第1の基体又は第2の基体に加わるようにする。
図1において、凹凸パターンの凹部に配置された組成物は、第2の基体との間に隙間があるため酸素に触れることになる。熱、又は、光若しくは放射線等のエネルギーの付与により発生するラジカル又はイオン等の、酸素で失活する化学種が重合反応において中心的に役割をしている場合は、塗布した組成物が第1の基体と第2の基体との両方に接触している箇所(接合部6)が硬化し、凹部のように酸素に触れる場所にある組成物の重合反応が抑制される。このため、図1で示す(c)から(d)に至る過程において洗浄又は現像をすることで、マスクを介してエネルギーを付与せずとも凹凸パターン等の第1の基体の表面形状に応じて組成物を硬化させることができる。
酸素で失活する化学種が重合反応において中心的に役割をしている場合の組成物としては、特に制限はないが、例えば、(メタ)アクリロイル基等を有するラジカル重合により硬化する組成物、なかでも前項で説明した化合物が、図1に示したマイクロ流路の製造における組成物として好適である。この他にも、アジド基を有する化合物等のようにエネルギーの付与によりナイトレン等の酸素により失活する反応性中間体が発生して重合する組成物も図1に示したマイクロ流路の製造における組成物として好適である。
ただし、図1に示したマイクロ流路の製造のように酸素に接触する部分の硬化をより確実に抑制するためには、組成物の一定以上の酸素透過性を確保しておくことが好ましい。例えば、組成物を構成する化合物の重量平均分子量を100000以下、さらには重量平均80000以下、より好ましくは重量平均50000以下にする等して酸素が透過し易い組成物にしておくことが好ましい。ちなみに、前項で説明した組成物を構成する化合物の重量平均分子量は、50000以下とすることが好ましく、また、酸素の透過性は塗膜の厚みによっても調整が可能であり、厚みとしては10μm以下、更には5μm以下、より好ましくは1μm以下にして酸素の透過性を確保することが好ましい。これらにより、凹部に配置された組成物の硬化反応がより抑制される。
上記のような硬化阻害を受けた組成物を除去する方法としては、例えば、マイクロ流路に第2の液体としての溶媒を加圧充填、減圧充填、遠心充填及び毛細管力等の方法で、構造体のトンネル構造に充填して未硬化の組成物を当該溶媒に溶解させた後、当該溶媒を加圧排液、減圧排液、遠心排液等の方法により除去することにより、未硬化の組成物を実質的に除去できる。上記の溶媒の充填工程において未硬化の組成物を溶媒に溶解させる時間を短縮するために加温又は加熱するようにしてもよい。
重合開始剤としては、エネルギーとして光を照射する場合は、300nm以上の波長の光を吸収するα−ヒドロキシアルキルフェノン類、α−アミノアルキルフェノン類、ベンジルジメチルケタール類及びアゾ系重合開始剤等からなる群から選択される1種又は2種以上を用いれば、第1の基体又は第2の基体に用いる材料の範囲を広げることができる。
凹部に配置された組成物は、エネルギー付与後に溶媒により溶解除去することが可能であるが、第1の基体として有機樹脂を主体とするプラスチック基板を使用する場合は、第1の基体が損傷しないように、かつ、上記組成物を溶解できるよう上記の溶解除去に用いる溶媒(第2の液体)を適宜選択する。例えば、上記組成物として、未硬化の状態で親水性である樹脂を用いる場合は、第2の液体として、水、メタノール、エタノール、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル及びジメチルホルムアミド等の極性の高い溶媒を用いることが好ましい。
図1(d)に示した接合部6(第1の部分)に組成物の塗膜を硬化した後の樹脂膜4(硬化物)が形成されることになるが、マイクロ流路に、第1の液体として水を溶媒とする検査対象を流す場合は、接合部6への水の浸透を抑制することが好ましい。このためには、例えば、組成物の硬化により形成された樹脂膜4はある程度の疎水性を持たせるようにしてもよい。具体的には、樹脂膜4の水の接触角を60°以上、さらに80°以上にするようにしてもよい。
水の接触角が60°以上の樹脂膜を形成する組成物としては、上記化合物において第1のユニット又は第2のユニットの含有割合を大きくした組成物を用いればよい。
逆にマイクロ流路に極性の低い溶媒に溶解又は分散させた試料を流すときは、樹脂膜4がより親水的になるようにすることが好ましい。
また、樹脂膜4をより稠密なものとすることでも、樹脂膜4への溶媒等の浸透を抑制することができる。
樹脂膜を稠密なものとするには、組成物として多官能性基を有する組成物を用いることで達成できる。
組成物に界面活性剤等を添加することにより樹脂膜4の表面の親水性や疎水性の度合、さらに第1の基体又は第2の基体との密着性等を制御できる。界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ソルビタンモノステアレート等の1種又は2種以上を用いることができる。また、シランカップリング剤等を添加してもよい。シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等の1種又は2種以上を用いることができる。
なお、図1(d)の後、さらに光照射や加熱等により第1の基体と第2の基体との樹脂膜4を介した接着力を向上させるようにしてもよい。
上記の説明した方法により得られた構造体は、分析用又は分取用のマイクロチップとして用いることができる。マイクロチップの例としては、血球分離チップ、核酸チップ、プロテインチップ、抗体チップ、アプタマーチップ及び糖タンパクチップ等が挙げられる。
(3)分取チップの作製
図2に分取チップの平面図を示した。当該分取チップは複数の穴が形成されており、穴の内部とその周囲とで表面特性を異ならせることにより、より効率良く対象物を分取することが可能となる。
以下、図3を参照しながら、分取チップの製造過程を説明する。まず、図3(a)のように凹凸パターンが形成された第3の基体7の上に第1の組成物8を塗布した後、図3(b)に示したように第3の基体7の主面に垂直な軸を回転軸として回転する。これにより、図3(c)に示したように余分な第1の組成物は除去され、第1の塗膜9が形成される。次に図3(d)に示したように第1の塗膜9に対して全面露光を行うことにより、第1の樹脂膜(硬化物)10に変化する。
次に、図3(e)に示したように表面に第1の樹脂膜10が形成された第3の基体7の上に第2の組成物11を塗布する。図3(b)に示した回転工程と同様に第3の基体7の主面に垂直な軸を回転軸として回転し(f)、第2の塗膜12を第1の樹脂膜10の上に形成する(g)。図3(h)に示したようにマスク13を介して露光することにより、凹部に配置された第2の塗膜の硬化は進行せず、未硬化の第2の塗膜を溶媒等で除去すると図3(i)に示したように凹部に第1の樹脂膜が露出し、凸部には第2の樹脂膜が露出した分取チップが製造できる。
第3の基体7に用いる部材としては、図1で説明した第1の基体1及び第2の基体3と同様な材料を用いることができる。ただし、図3(d)及び図3(h)に示したように第1の塗膜9又は第2の塗膜12を形成した面の側から光を照射する場合は、第3の基体として光を透過しないものを使用できる。図3に示した例では、第3の基体7は、その主面に対して垂直に掘った溝が形成された凹凸パターンを有しているが、テーパー状の溝を有する凸パターンであってもよい。
第1の組成物8としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のモノマーと、4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン酸又は4,4’−ジアジドジベンザルアセトン−2,2’−ジスルホン酸等のアジド化合物と、N−ビニルピロリドン、アクリルアミド、又はジメチルアクリルアミド等の重合性の二重結合を有する化合物と、を含む混合物(親水性樹脂膜の組成物)を用いてもよい。
図3(b)及び図3(f)に示した回転では第3の基体7の主面に対して垂直な回転軸を中心とした、いわゆる自転により、それぞれ第1の塗膜9及び第2の塗膜12を形成しているが、それ以外にも、例えば、第3の基体7の位置を第3の基体の以外を通る回転軸を中心に回る、いわゆる公転によって第1の塗膜9及び第2の塗膜12を形成してもよい。さらに、上記の自転と公転とを組み合わせて、第1の組成物8又は第2の組成物11を濡れ広がさせることができる。
第1の組成物8を硬化することによって形成された第1の樹脂膜10と第2の組成物11を硬化させることにより形成された第2の樹脂膜14とでは、親水性又は疎水性が異なるように第1の組成物と第2の組成物の組成との組み合わせを決定することが好ましい。例えば、第1の組成物8を上記のような親水性樹脂膜の組成物を用いた場合は、第2の組成物11としては、例えば、下記の一般式(7)乃至(11)のユニットを有する化合物を用いることができる。当該化合物は、一般式(9)で表されるようにヒドロキシ基という親水基を末端に有しているため第1の樹脂膜10に対する親和性を有していると共に、一般式(7)で表されるように、疎水性基である炭素数3以上の炭化水素基を末端に有しているため第2の組成物11の硬化により形成された第2の樹脂膜14の表面の少なくとも一部を疎水性とすることができる。つまり、第2の樹脂膜は、第1の樹脂膜との界面の密着性を維持しつつ、かつ、第1の樹脂膜と接触していない部位においては、第1の樹脂膜よりも疎水性とすることができる。
第1の組成物8として使用する組成物と第2の組成物11として使用する組成物とは、用途や所望の性能等に応じて適宜入れ替えて使用することも可能である。
Figure 2015041347
第1の組成物8として使用する組成物と第2の組成物11として使用する組成物との組み合わせとして上記の他に、下記の組み合わせも好ましく挙げられる。
第1の組成物8及び第2の組成物11として、例えば、ポリビニルアルコール系重合体等にラジカル化合物又はカチオン化合物等が結合した感光性樹脂を適宜組み合わせて用いることができる。ラジカル化合物としては、アゾ基、カルボニル基及びリン原子と酸素の二重結合を有する基等の光反応性基を有する化合物が挙げられる。カチオン化合物としては、ヨードニウム塩及びスルホニウム塩等のオニウム塩等が挙げられる。
より具体的には、アジド基等の光反応性基を有する化合物がポリビニルアルコール系重合体等にアセタール結合でペンダントされた感光性樹脂を組み合わせて用いることができる。該感光性樹脂として、例えば、WO2013/153873で開示される感光性樹脂が挙げられる。さらに具体的には、第1の組成物8として、WO2013/153873の実施例11で調整された感光性組成物を用い、第2の組成物11として、実施例9及び実施例10で調整された感光性組成物の少なくともいずれかを用いることができる。
上記組み合わせは、分析する目的物により、第1の組成物と第2の組成物とを適宜入れ替えて使用することができる。
(4)マイクロ流路を有する構造体を用いた分取装置1
図4には、上述したマイクロ流路を有する構造体を用いた分取装置の構成を示した。当該分取装置の構成を説明するために、図4では、リザーバー15、マイクロ流路を有する構造体16〜18及び栓19が接続されていない状態で示しているが、実際に使用する際は、リザーバー15と第1のマイクロ流路を有する構造体16とをメス接続部21を用いて嵌合し、栓19と第1のマイクロ流路を有する構造体16とをメス接続部21を用いて嵌合し、マイクロ流路を有する構造体16〜18を互いにオス接続部20及びメス接続部21を用いて嵌合した上で使用する。
図4に示した分取装置において、第1のマイクロ流路を有する構造体をリザーバー15から第2のマイクロ流路を有する構造体17に貫通するように孔を形成した構造体とすれば栓19を使用しなくてもよい。
(5)マイクロ流路を有する構造体を用いた分取装置2
図5には、本発明にかかる他のマイクロ流路を有する構造体を用いた分取装置を示した。図4に示した分取装置のようにオス接続部20及びメス接続部21を用いる代わりにOリング29を用いて、リザーバー23及び栓27と第4のマイクロ流路を有する構造体24とを接続し、マイクロ流路を有する構造体24〜26をOリング29で接続している。このようにすることによって、マイクロ流路を有する構造体に嵌合するための部位を設ける必要がなくなり、製造コストの低減及び製造時間の短縮が可能となる。
(6)マイクロ流路を有する構造体を固定する構成
図6にはマイクロ流路を有する構造体30を固定する構造を示した。マイクロ流路を有する構造体30を重ねた状態でフォルダ31によって固定することによって、マイクロ流路を有する構造体30の間の孔の位置合わせが容易となる。図6のような構成を採用した場合、図4及び図5に示したように構造体自体に嵌合するための部位を設けたり、Oリングを用いたりする必要がない場合がある。
(7)検査装置
図7には、図6に示したマイクロ流路を有する構造体をフォルダで把持したもの(以下、「把持体」という32)を対象とした検査装置の構成を示した。当該検査装置においては、把持体32の下方からレーザー等の検出光源を照射して検出を行うことが可能になっている。
(8)包装資材中で製造される構造体
図8には、図1に示したマイクロ流路を有する構造体の製造において、組成物の硬化を包装資材の中で行う場合の製造過程を示した。包装資材38の中に第4の基体33と第5の基体34とを組成物の塗膜35を介して密着した状態で包装資材38の中に入れた後、包装資材中で組成物の塗膜35をエックス線又はガンマ線等の放射線等を照射して硬化する。それにより、第4の基体33と第5の基体34とに接触した組成物の塗膜は樹脂膜36となり、それ以外の部分は未硬化部分37となる。このように未硬化部分37がある状態で出荷しても、通常、血液検査等の検査用途では使用の前に純水等で洗浄することで未硬化部分37を除去できるため、実際の検査には支障を来たさないことがある。エックス線やガンマ線の照射により殺菌も可能なので、使用直前まで包装資材を開封しないで済む本製造方法で得られる構造体は特に生体物質用の検査チップとして有用である。
包装資材としては、放射線等に対し透過性がある材質のものを用いることが好ましい。
以下、本発明について実施例に基づき説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<化合物の合成>
図1に示した組成物の塗膜3及び図3に示した第2の組成物11として用いた材料について以下に典型的な実施例を示す。
(化合物の合成例1)
攪拌機、冷却器、温度計、窒素導入管及びモノマー導入管を取り付けた反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)28.1gを入れ90℃に保ちながら反応容器内を窒素置換し、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(日油(株)製、ブレンマーPME−1000)16.7g(15.4mmol)、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(日油(株)製、ブレンマーPME−2000)18.7g(9.0mmol)、ステアロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(日油(株)製、ブレンマーPSE−1300)2.41g(1.4mmol)、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(日油(株)製、ブレンマーPE−350)1.86g(4.3mmol)、アゾ系重合開始剤(和光純薬工業(株)製、V−40)0.23g及びPGMEA26.5gの混合液を4時間かけてフィードし、そのまま90℃で4時間反応させた。得られた反応溶液を氷冷したイソプロピルエーテル200mlとヘキサン600mlの混合液に1時間かけてフィードし、ろ過後に真空乾燥を行い化合物Aが得られた。得られた化合物AのGPC測定を行ったところ分子量はMW32160であった。
次に、化合物A 10.5g(7.9mmol)、ジメタクリル酸無水物(アルドリッチ製)0.0642g(0.39mmol)、ジクロロメタン263ml、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン0.023g及びトリエチルアミン0.042gを反応容器に入れ一晩室温攪拌後、反応液を分液ロートに移し8質量%炭酸水素ナトリウム及び1M HClにて水洗を行い、分液した反応液をエバポレーションし、酢酸エチルを60ml加え、氷冷したイソプロピルエーテル80ml及びヘキサン240mlの混合液に30分でフィードを行い、ろ過、真空乾燥を行い化合物Bが得られた。得られた化合物BのGPC測定を行ったところ分子量はMW44440であった。
(化合物の合成例2)
ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールブロックポリマー(日油(株)製、プロノン204、EO:PO=40:60、平均分子量3330)29.1g(8.7mmol)、ジメタクリル酸無水物(アルドリッチ製)3.0g(19.4mmol)、ジクロロメタン300ml、N,N−ジメチル−アミノピリジン0.03g、トリエチルアミン1.97gを反応容器に入れ一晩室温撹拌後、反応液を分液ロートに移し、8質量%炭酸水素ナトリウム及び1M HClにて水洗を行い、分液した反応液をエバポレーションして化合物Cを得た。得られた化合物CのGPC測定を行ったところ分子量はMW3870であった。
(化合物の合成例3)
WO2013/153873記載の実施例2と同様にして、下記式で表される(3−(4−アジドフェニル)−N−(4,4’−ジメトキシブチル)−2−(4−モルホリノメチルフェニル)カルボニルアミノ−プロパ−2−エンアミド)(以下、「感光性化合物1」とする)を得た。
Figure 2015041347
ポリビニルアルコール(ゴーゼノールEG−30、平均重合度:1700、日本合成化学(株)製)40gを水400gに溶解し、これに、上記で得た感光性化合物1を4g、リン酸を2g加え、60℃で24時間反応させた。アセタール化反応率は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフ分析)で測定し、98%であった。測定結果から、アセタール化量はポリビニルアルコールに対し0.8%に相当する量と算出した。その後、リン酸をイオン交換樹脂で処理することにより除去し、上記感光性化合物1がポリビニルアルコールにアセタール結合でペンダントされた化合物Dを含有する感光液を得た。この感光液を水:IPA=80:20質量%の混合液で希釈し、感光性樹脂の濃度が3質量%である感光性組成物Dを調製した。
(化合物の合成例4)
ダイアセトンアクリルアミド共重合体ポリビニルアルコール(DF−20、日本酢ビ・ポバール(株)製)40gを水400gに溶解し、これに、上記で得た感光性化合物1を4g、リン酸を2g加え、50℃で48時間反応させた。アセタール化反応率は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフ分析)で測定し、98%であった。測定結果から、アセタール化量はポリビニルアルコールに対し0.8%に相当する量と算出した。その後、リン酸をイオン交換樹脂で処理することにより除去し、上記感光性化合物1がダイアセトンアクリルアミド共重合ポリビニルアルコールにアセタール結合でペンダントされた化合物Eを含有する感光液を得た。この感光液を水:IPA=80:20質量%の混合液で希釈し、感光性樹脂の濃度が6質量%である感光性組成物Eを調製した。
(化合物の合成例5)
ポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(Killicoat IR、BASF社製)40gを水300gに溶解し、これに、上記で得た感光性化合物Aを4g、リン酸を2g加え、50℃で48時間反応させた。アセタール化反応率は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフ分析)で測定し、98%であった。測定結果から、アセタール化量はポリマーに対し0.8%に相当する量と算出した。その後、リン酸をイオン交換樹脂で処理することにより除去し、上記感光性化合物1がポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体にアセタール結合でペンダントされた化合物Fを含有する感光液を得た。この感光液を水:IPA=80:20質量%の混合液で希釈し、感光性樹脂の濃度が6質量%である感光性組成物Fを調製した。
(化合物の合成例6)
攪拌機、冷却器、温度計、窒素導入管及びモノマー導入管を取り付けた反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)28.1gを入れ90℃に保ちながら反応容器内を窒素置換し、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(日油(株)製、ブレンマーPME−1000)22.3g(20.6mmol)、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(日油(株)製、ブレンマーPME−2000)2.9g(1.4mmol)、ステアロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(日油(株)製、ブレンマーPSE−1300)3.9g(2.3mmol)、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(日油(株)製ブレンマーPE−350)3.0g(6.8mmol)、アゾ系重合開始剤(和光純薬工業(株)製、V−40)0.24g及びPGMEA26.5gの混合液を4時間かけてフィードし、そのまま90℃で4時間反応させた。得られた反応溶液を氷冷したイソプロピルエーテル200mlとヘキサン600mlの混合液に1時間かけてフィードし、ろ過後に真空乾燥を行い、化合物Gを得た。得られた化合物GのGPC測定を行ったところ分子量はMW26330であった。
次に、化合物G 10.51g(10.2mmol)、ジメタクリル酸無水物(アルドリッチ製)0.127g(0.77mmol)、ジクロロメタン263ml、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン0.046g及びトリエチルアミン0.083gを反応容器に入れ一晩室温攪拌後、反応液を分液ロートに移し8質量%炭酸水素ナトリウム及び1M HClにて水洗を行い、分液した反応液をエバポレーションし、酢酸エチルを60ml加え、氷冷したイソプロピルエーテル80ml及びヘキサン240mlの混合液に30分でフィードを行い、ろ過、真空乾燥を行い、化合物Hを得た。得られた化合物HのGPC測定を行ったところ分子量はMW34300であった。
(化合物の合成例7)
攪拌機、冷却器、温度計、窒素導入管及びモノマー導入管を取り付けた反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)28.1gを入れ90℃に保ちながら反応容器内を窒素置換し、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(日油(株)製、ブレンマーPME−1000)16.7g(15.4mmol)、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(日油(株)製、ブレンマーPME−2000)18.7g(9.0mmol)、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(日油(株)製、ブレンマーPE−350)1.86g(4.3mmol)、アゾ系重合開始剤(和光純薬工業(株)製、V−40)0.22g及びPGMEA26.5gの混合液を4時間かけてフィードし、そのまま90℃で4時間反応させた。得られた反応溶液を氷冷したイソプロピルエーテル200mlとヘキサン600mlの混合液に1時間かけてフィードし、ろ過後に真空乾燥を行い、化合物Iを得た。得られた化合物IのGPC測定を行ったところ分子量はMW28610であった。
次に、化合物I 10.5g(8.1mmol)、ジメタクリル酸無水物(アルドリッチ製)0.0684g(0.42mmol)、ジクロロメタン263ml、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン0.023g及びトリエチルアミン0.042gを反応容器に入れ一晩室温攪拌後、反応液を分液ロートに移し8質量%炭酸水素ナトリウム及び1M HClにて水洗を行い、分液した反応液をエバポレーションし、酢酸エチルを60ml加え、氷冷したイソプロピルエーテル80ml及びヘキサン240mlの混合液に30分でフィードを行い、ろ過、真空乾燥を行い、化合物Jを得た。得られた化合物JのGPC測定を行ったところ分子量はMW32300であった。
<構造体の製造>
(構造体の製造例1)
第1の基体としての、貫通孔(直径0.7mm)と溝構造(矩形形状、幅100μm、深さ20μm、長さ10mm)を有するアクリル樹脂を用いた疎水性表面を有する成形加工品(縦20mm、横30mm、厚さ1mm)と、第2の基体としての蓋となる基板(アクリル樹脂製平板、縦20mm、横30mm、厚さ0.2mm)を用意した。予めプラズマ処理を行い基板の接触角を75°から50°に低下させた。次に、上記化合物C(EO−PO−EOジメタクリレート、EO:PO=40:60、平均分子量3870)、IRUGACURE−2959(1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、BASF社製)、メタノール及び純水を10:0.3:45:45質量部の配合比で混合した感光性組成物C(硬化膜の水の接触角70°)を準備し、成形加工品の溝構造側と蓋となる基板の全面にスピンコート法により感光性組成物Cを塗布し、オーブン乾燥機により50℃×10分の乾燥を行った。
続いて、空気雰囲気中で成形加工品の塗膜面と蓋基板の塗膜面とを1000Nの圧力で密着させ、LEDランプ(照度:20mW/cm3、波長:365nm)により3000mJ露光し、基板複合体(構造体)を得た。得られた基板複合体の流路に純水を20μl/minでマイクロシリンジポンプにより通液し、減圧吸引により溝構造に充填された純水の除去を行い、その後50℃×10分の真空乾燥を行った。得られた基板複合体に1質量%ローダミンB水溶液(蛍光染料、硬化膜の蛍光染色剤として使用)を20μl/minで通水し蛍光観察したところ、ローダミンB蛍光染料液が接着面に回り込んでいる様子や接合面におけるにじみは観察されず、良好な接着面であった。また、続いて染色液を吸引除去したのち純水を通水して流路内面の洗浄を行った後、基板複合体を顕微鏡観察したところ、流路内面には感光性組成物の硬化による染色形跡もなく、現像により感光性組成物が除去されていた。
なお、接触角は、動的接触角計による純水を用いた液滴法により求めた。
(構造体の製造例2)
まず、上記構造体の製造例1で用いたものと同様の成形加工品(第1の基体)と基板(第2の基体)を準備し、予めプラズマ処理を行い基板の接触角を75°から50°に低下させた。
次に、ポリエチレングリコール(アルドリッチ製、平均分子量3350)29.2g(8.7mmol)、ジメタクリル酸無水物(アルドリッチ製)3.0g(19.5mmol)、ジクロロメタン 300ml、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン0.03g、トリエチルアミン1.97gを反応容器に入れ一晩室温攪拌後、反応液を分液ロートに移し8質量%炭酸水素ナトリウム及び1M HClにて水洗を行い、分液した反応液をエバポレーションし、酢酸エチルを60ml加え、氷冷したイソプロピルエーテル200mlとヘキサン600mlの混合液に1時間かけてフィードし、ろ過後に真空乾燥を行い、化合物K(ポリエチレングリコールジメタクリレート)を得た。得られた化合物KのGPC測定を行ったところ分子量はMW3650であった。その後、化合物K(ポリエチレングリコールジメタクリレート、平均分子量3650)、IRUGACURE−2959(1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、BASF社製)、メタノール及び純水を10:0.3:45:45質量部の配合比で混合した感光性組成物Kを準備し、成形加工品の溝構造側と蓋基板の全面にスピンコートにより感光性組成物Kの塗布を行い、真空乾燥機を用いて50℃×10分の乾燥を行った。続いて、各基板を窒素雰囲気下においてLEDランプ(照度:20mW/cm3、波長:365nm)により3000mJ露光し、純水洗浄、50℃×10分の真空乾燥により親水化処理された成形加工品と親水化処理蓋基板を得た。得られた両基板の硬化膜表面の接触角を各々測定したところ双方ともに35°であった。
この親水化処理成形加工品と親水化処理蓋基板を用いて、製造例1と同様にして、上記感光性組成物Cの塗布、乾燥、空気雰囲気中で密着露光、現像、乾燥を行い、基板複合体を得た。得られた基板複合体に純水をナチュラルフローにて通水したところ、詰まることなく非常にスムーズに通水することができた。更に、1質量%ローダミンB蛍光染料を20μl/min.で注入し蛍光観察したところ、接合面ににじみが無く良好な接着面であることが分かった。
(構造体の製造例3)
図3に示す製造方法と同様の方法により、以下のようにして構造体を得た。
まず、上記構造体の製造例1で用いたものと同様の成形加工品(第3の基体)を準備し、予めプラズマ処理を行い基板の接触角を75°から50°に低下させた。次に図3(b)に示したように成形加工品の主面に垂直な軸を回転軸として回転させ該成形加工品の上に上記感光性組成物Fを塗布した。その後、図3(d)に示したように感光性組成物Fの塗膜に対して空気雰囲気中にて全面露光(超高圧水銀灯、波長350nm、5mw/cm、1000mJ)を行うことにより、感光性組成物Fを硬化させ、純水現像、50℃×10分の真空乾燥を行い第1の樹脂膜を得た。第1の樹脂膜の接触角を測定したところ、30°であった。
次に、図3(e)に示したように、第1の樹脂膜上に上記感光性組成物D(接触角65°)を塗布した。成形加工品の主面に垂直な軸を回転軸として回転させ、感光性組成物Dの塗膜を第1の樹脂膜の上に形成した。その後、図3(h)に示したようにマスク13を介して空気雰囲気中にて露光(超高圧水銀灯、波長350nm、5mw/cm、1000mJ)し純水により現像、乾燥を行った。得られた成形加工品に純水を滴下したところ、周辺よりも接触角の低い溝の中に優先的に純水が流れ込む様子が確認された。
(構造体の製造例4)
図3に示す製造方法と同様の方法により、以下のようにして構造体を得た。
まず、上記基板複合体の製造例1で用いたものと同様の成形加工品(第3の基体)を準備し、予めプラズマ処理を行い基板の接触角を75°から50°に低下させた。次に図3(b)に示したように成形加工品の主面に垂直な軸を回転軸として回転させ該成形加工品の上に上記感光性組成物Fを塗布した。その後、図3(d)に示したように感光性組成物Fの塗膜に対して空気雰囲気中にて全面露光(超高圧水銀灯、波長350nm、5mw/cm、1000mJ)を行うことにより、感光性組成物Fを硬化させ、純水現像、50℃×10分の真空乾燥を行い第1の樹脂膜を得た。第1の樹脂膜の接触角を測定したところ、30°であった。
次に、図3(e)に示したように、第1の樹脂膜上に上記感光性組成物E(接触角60°)を塗布した。成形加工品の主面に垂直な軸を回転軸として回転させ、感光性組成物Eの塗膜を第1の樹脂膜の上に形成した。その後、図3(h)に示したようにマスク13を介して空気雰囲気中にて露光(超高圧水銀灯、波長350nm、5mw/cm、1000mJ)し純水により現像、乾燥を行った。得られた成形加工品に純水を滴下したところ、周辺よりも接触角の低い溝の中に優先的に純水が流れ込む様子が確認された。
感光性組成物D〜Fは光架橋において酸素透過性の低いポリビニルアルコールを主体としているため酸素で失活しにくく、製造しやすい効果がある。
(構造体の製造例5)
まず、上記構造体の製造例1で用いたものと同様の成形加工品(第1の基体)と基板(第2の基体)を準備した。
次に、上記化合物H、IRUGACURE−2959(1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、BASF社製)、メタノール及び純水を5:0.2:47.5:47.5質量部の配合比で混合した感光性組成物H(接触角62°)を準備した。成形加工品の溝構造側と蓋基板の全面に上記感光性組成物Hをスピンコートにより塗布したところ、プラズマ処理をしていない疎水的な基板上(接触角75°)にて良好な塗膜が得られた。次に、オーブン乾燥機を用いて50℃×10分の乾燥を行った。続いて、各基板を空気雰囲気下において成形加工品の塗膜面と蓋基板の塗膜面とを1000Nの圧力で密着させLEDランプ(照度:20mW/cm3、波長:365nm)により3000mJ露光し、基板複合体(構造体)を得た。得られた基板複合体の流路に純水を20μl/minでマイクロシリンジポンプにより通液し、減圧吸引により溝構造に充填された純水の除去を行い、その後50℃×10分の真空乾燥を行った。得られた基板複合体に1質量%ローダミンB水溶液(蛍光染料、硬化膜の蛍光染色剤として使用)を20μl/minで通水し蛍光観察したところ、ローダミンB蛍光染料液が接着面に回り込んでいる様子や接合面におけるにじみは観察されず、良好な接着面であった。また、続いて染色液を吸引除去したのち純水を通水して流路内面の洗浄を行った後、基板複合体を顕微鏡観察したところ、流路内面には感光性組成物の硬による染色形跡もなく、現像により感光性組成物が除去されていた。
(構造体の製造例6)
図3に示す製造方法と同様の方法により、以下のようにして構造体を得た。
まず、上記構造体の製造例1で用いたものと同様の成形加工品(第3の基体)を準備し、図3(a)のようにして該成形加工品の上に上記化合物B、IRUGACURE−2959(1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、BASF社製)、メタノール及び純水を5:0.2:47.5:47.5質量部の配合比で混合した感光性組成物Bを図3(b)に示したように成形加工品の主面に垂直な軸を回転軸として回転させ塗布したところ、プラズマ処理をしていない疎水的な基板上(接触角75°)にて良好な塗膜が得られた。次に、オーブン乾燥機を用いて50℃×10分の乾燥を行った。その後、図3(d)に示したように塗膜に対して窒素雰囲気中で全面露光(超高圧水銀灯、波長350nm、5mw/cm、1000mJ)を行うことにより、感光性組成物Gを硬化させ、純水現像、50℃×10分の真空乾燥を行い第1の樹脂膜を得た。第1の樹脂膜の接触角を測定したところ、35°であった。
次に、図3(e)に示したように、第1の樹脂膜上に、上記化合物H、IRUGACURE−2959(1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、BASF社製)、メタノール及び純水を5:0.2:47.5:47.5質量部の配合比で混合した感光性組成物H(接触角62°)を塗布した。成形加工品の主面に垂直な軸を回転軸として回転させ、組成物Hの塗膜を第1の樹脂膜の上に形成した。その後、図3(h)に示したようにマスク13を介して窒素雰囲気中で露光(超高圧水銀灯、波長350nm、5mw/cm、1000mJ)し純水により現像、乾燥をおこなった。得られた成型加工品に純水を滴下したところ、周辺よりも接触角の低い溝の流路の中に優先的に純水が流れていく様子が確認された。
(構造体の製造例7)
図3に示す製造方法と同様の方法により、以下のようにして構造体を得た。
まず、上記構造体の製造例1で用いたものと同様の成形加工品(第3の基体)を準備し、図3(a)のようにして該成形加工品の上に、化合物J、IRUGACURE−2959(1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、BASF社製)、メタノール及び純水を5:0.2:47.5:47.5質量部の配合比で混合した感光性組成物Jを準備し、上記感光性組成物Jを塗布した。塗布を行ったところ、プラズマ処理を行っていない疎水的なアクリル樹脂成型加工品表面においてハジキが発生し良好な塗膜が得られなかった。
1:第1の基体
2:第2の基体
3:組成物の塗膜
4:樹脂膜
7:第3の基体
8:第1の組成物
11:第2の組成物
15:リザーバー
19:栓
31:フォルダ
38:包装資材

Claims (25)

  1. 第1の面と第2の面とを備えた第1の基体を準備する第1の工程と、
    前記第1の面の少なくとも一部に組成物を配置する第2の工程と、
    前記組成物の少なくとも一部にエネルギーを付与することにより前記組成物の第1の部分を硬化させて硬化物を形成する第3の工程と、を含み、
    前記第3の工程の終了後、前記組成物の前記第1の部分以外の部分の少なくとも一部である第2の部分は、除去可能な状態となっていること、
    を特徴とする構造体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の構造体の製造方法において、
    前記第1の部分は、前記第1の面の第1の領域に形成され、
    前記第2の部分は、前記第1の面の第2の領域に形成され、
    前記硬化物の第1の液体に対する親液性は、前記第2の領域の前記第1の液体に対する親液性と異なっていること、
    を特徴とする構造体の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の構造体の製造方法において、
    前記第2の領域の表面は有機物で構成されていること、
    を特徴とする構造体の製造方法。
  4. 請求項2に記載の構造体の製造方法において、
    前記第1の工程は、基板の少なくとも一部に有機物を配置又は形成することにより、前記第2の領域を形成する第1の副工程を含むこと、
    を特徴とする構造体の製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の構造体の製造方法において、
    更に、前記第3の工程の前に、第2の基体を準備する第5の工程を含み、
    前記第3の工程における前記組成物に対する前記エネルギーの付与を行う期間の少なくとも一部において、前記第1の部分の少なくとも一部が前記第2の基体の少なくとも一部に接していること、
    を特徴とする構造体の製造方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の構造体の製造方法において、
    更に、前記第2の部分を除去する第4の工程を含むこと、
    を特徴とする構造体の製造方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の構造体の製造方法において、
    前記第1の領域における前記第1の面と前記第2の面との距離である第1の距離は、前記第2の領域における前記第1の面と前記第2の面との距離である第2の距離と異なっていること、
    を特徴とする構造体の製造方法。
  8. 請求項7に記載の構造体の製造方法において、
    前記第1の距離は、前記第2の距離より大であること、
    を特徴とする構造体の製造方法。
  9. 第1の面と第2の面とを備えた第1の基体を準備する第1の工程と、
    前記第1の面の少なくとも一部に組成物を配置する第2の工程と、
    前記組成物にエネルギーを付与することにより前記組成物の第1の部分を硬化させて硬化物を形成する第3の工程と、を含み、
    前記第3の工程を、前記第1の基体及び前記組成物が包装するための包装資材により包装された状態で行い、
    前記第3の工程の終了後、前記組成物の前記第1の部分以外の部分の少なくとも一部である第2の部分は、除去可能な状態となっていること、
    を特徴とする製品の製造方法。
  10. 請求項9に記載の製品の製造方法において、
    前記第2の部分は、第2の液体を用いることにより、除去可能であること、
    を特徴とする製品の製造方法。
  11. 請求項9又は10に記載の製品の製造方法において、
    前記エネルギーは、電磁波を用いて前記組成物に付与されること、
    を特徴とする製品の製造方法。
  12. 請求項11に記載の製品の製造方法において、
    前記電磁波は、ガンマ線又はエックス線であること、
    を特徴とする製品の製造方法。
  13. 第1の面と第2の面とを備えた第1の基体と、
    前記第1の面の第1の領域に配置された第1の有機物と、を含み、
    前記第1の領域の表面と、前記第1の面の前記第1の領域以外の領域の一つである第2の領域の表面と、は、共に第2の有機物で構成され、
    前記第2の領域の表面の第1の液体に対する親液性は、前記第1の有機物の前記第1の液体に対する親液性とは異なっており、
    前記第1の領域の表面の前記第1の液体に対する親液性は、前記第2の領域の表面の前記第1の液体に対する親液性とは実質的に同一であること、
    を特徴とする構造体。
  14. 請求項13に記載の構造体において、
    前記構造体は生体試料に含まれる第1の成分の分離又は精製を行うために用いられ、
    前記分離又は精製を行う際に、前記第1の成分は、前記第1の有機物の上に比べ、前記第2の領域の上における存在密度が高くなること、
    を特徴とする構造体。
  15. 請求項13又は14に記載の構造体を固定するためのフォルダ。
  16. 請求項13又は14に記載の構造体を製造するために用いる前記第1の基体である成形物。
  17. 前記生体試料を準備する第1の工程と、
    請求項14に記載の構造体の少なくとも一部に前記生体試料を接触させる第2の工程と、を含むこと、
    を特徴とする生体試料の精製方法。
  18. 請求項13又は14に記載の構造体を用いて検査を行うための検査装置。
  19. 下記一般式(1)で表される第1のユニットと、下記一般式(2)で表される第2のユニットと、下記一般式(3)で表される第3のユニットと、を含み、
    前記第1のユニット、前記第2のユニット、及び前記第3のユニットは、互いに異なる構造を有すること、
    を特徴とする化合物。
    Figure 2015041347
    (一般式(1)中、置換基A及びBの各々は炭素を含む2価の置換基であり、置換基Cは炭素を含む1価の基であり、R1は水素原子又は有機基であり、w、a、及びbは自然数である。)
    Figure 2015041347
    (一般式(2)中、置換基D及びEの各々は炭素を含む2価の置換基であり、置換基Fは重合性基を有する1価の置換基であり、R2は水素原子又は有機基であり、x、d及びeは自然数である。)
    Figure 2015041347
    (一般式(3)中、置換基G及びHの各々は炭素を含む2価の置換基であり、置換基Iは官能基を有する1価の置換基であり、R3は水素原子又は有機基であり、y、g及びhは自然数である。)
  20. 請求項19に記載の化合物において、
    前記Iの官能基は、ヒドロキシ基又はアミノ基であること、
    を特徴とする化合物。
  21. 請求項19又は20に記載の化合物において、
    置換基C、F、及びIは、それぞれ親水性が互いに異なっていること、
    を特徴とする化合物。
  22. 請求項19乃至21のいずれかに記載の化合物において、
    さらに下記一般式(4)で表される第4のユニットを含んでいること、
    を特徴とする化合物。
    Figure 2015041347
    (一般式(4)中、置換基J及びKの各々は炭素を含む2価の置換基であり、置換基Lは炭素を含む1価の置換基であり、R4は水素原子又は有機基であり、z、j及びkは自然数である。)
  23. 請求項19乃至22のいずれかに記載の化合物において、
    前記第1のユニットの置換基A、前記第2のユニットの置換基D、及び前記第3のユニットの置換基Gは、下記の一般式(5)で表されること、
    を特徴とする化合物。
    Figure 2015041347
  24. 請求項19乃至23のいずれかに記載の化合物において、
    前記第1のユニットの置換基B、前記第2のユニットの置換基E、及び前記第3のユニットの置換基Hは、下記の一般式(6)で表されること、
    を特徴とする化合物。
    Figure 2015041347
  25. 請求項19乃至24のいずれかに記載の化合物において、
    前記第1のユニットの置換基Cは炭素原子5個以上含む置換基であること、
    を特徴とする化合物。
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