JPWO2015037402A1 - ドア駆動装置、ドア駆動方法およびエレベーターシステム - Google Patents
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Abstract
出入口を開閉するドア(1)とドア(1)を開閉駆動する電動機(5)とを有するドア駆動装置であって、かご側ドアの質量に関する情報と各階床ごとの乗り場側ドアの質量及び機械的戸閉力に関する情報とを予め記憶する記憶装置(3)と、記憶装置(3)内の情報に基づいて角速度指令値を生成する角速度指令値生成器(9)と、角速度指令値から電流指令値を生成してPWM出力(11)として出力する電流指令値生成器(10)と、PWM出力(11)に基づいて電動機(5)を駆動させるドライブ回路(13)とを備えている。
Description
本発明はドア駆動装置およびドア駆動方法に関し、特に、ドアの開閉におけるオープンループ駆動制御を行うためのドア駆動装置およびドア駆動方法に関するものである。
一般的に、エレベーターのドアやホーム柵や自動ドアなどのドアは、電動機によって発生させた駆動力を駆動ベルトを介してパネルを開閉する機構となっている。
ドアは、ドア毎に意匠等の違いで質量が異なり、自閉を保証するためのおもりやドアの自重を用いた機械的戸閉力が異なるのが一般的である。
また、ドアの開閉駆動を行う電動機は、一般に電流や角度をドライバや電動機の軸から測定し、コントローラでクローズドループ制御を行っている。クローズドループ制御では、ドアの質量や機械的戸閉力が異なっていても、速度と電流値とをフィードバックすることで、加減速を繰り返すドア駆動においても、正確に指令速度や指令電流値に追従できるように制御している。例えば、特許文献1にはステッピングモータを用いて、クローズドループ制御した場合のドア制御を行う技術が開示されている。
また、ステッピングモータの制御に関しては、例えば、特許文献2に、ステッピングモータを画像記録装置に適用し、オープンループ制御で、かつ、補正電流値を加えることでトルク変動を抑制制御する技術が開示されている。
上記の特許文献1に示される技術を用いると、ステッピングモータを用いたドア制御は行えるが、電動機の角度を計測するセンサが必要となってしまうため、ドア駆動に通常用いられる直流モータや誘導モータや永久磁石同期モータでクローズドループの速度制御をする場合に比べて、ステッピングモータを用いるメリットが得られないという問題点があった。なお、クローズドループの速度制御では、ドアの質量の変動では速度・位置のフィードバックにより電流が自動的に調整されるため、最適な制御ゲインと異なるために生じる微小な振動が起こる以外、直流モータや誘導モータや永久磁石同期モータを用いることに特に問題はない。
また、上記の特許文献2に示されるオープンループ制御技術は、画像記録装置に適用させており、このような、質量の変動なく、一定速度の制御対象に対しては、角度センサが不要で、故障の恐れがなく、コストも安く、トルク変動を抑制制御することができる。しかしながら、ドアのように、質量や機械的戸閉力が異なり、かつ、速度も一定ではなく、加減速を繰り返す制御対象の場合には、上記の特許文献2に示されるオープンループ制御技術では、過剰な電流値となって振動が増えてしまったり、あるいは、電流が足りずに脱調してしまったりするという問題点があった。
本発明はかかる問題点を解決するためになされたものであり、各階床で質量や機械的戸閉力が異なり、かつ、加減速を繰り返すドアに対しても、トルク変動を抑制制御することが可能な、ドア駆動装置、ドア駆動方法およびエレベーターシステムを得ることを目的としている。
本発明は、出入口を開閉するドアと、前記ドアを開閉駆動する電動機とを有し、前記ドアを開閉駆動させるためのドア駆動装置であって、前記ドアの質量に関する情報と、機械的戸閉力に関する情報とを、予め記憶する記憶装置と、前記記憶装置に記憶された情報と、ドアの角速度指令値とに基づいて、前記ドアの開閉に必要な最小限の電流値を求め、前記電動機に対する電流指令値を生成する電流指令値生成器とを備えたドア駆動装置である。
本発明は、出入口を開閉するドアと、前記ドアを開閉駆動する電動機とを有し、前記ドアを開閉駆動させるためのドア駆動装置であって、前記ドアの質量に関する情報と、機械的戸閉力に関する情報とを、予め記憶する記憶装置と、前記記憶装置に記憶された情報と、ドアの角速度指令値とに基づいて、前記ドアの開閉に必要な最小限の電流値を求め、前記電動機に対する電流指令値を生成する電流指令値生成器とを備えたドア駆動装置であるので、質量や機械的戸閉力が異なり、かつ、加減速を繰り返すドアに対しても、トルク変動を抑制制御することが可能である。
実施の形態1.
図1および図2は、本発明の実施の形態1に係るエレベーターのドア装置の構成を示したものである。図1はエレベーターのかご側ドアを示した正面図、図2はエレベーターの乗り場側ドアを示した正面図である。
図1および図2は、本発明の実施の形態1に係るエレベーターのドア装置の構成を示したものである。図1はエレベーターのかご側ドアを示した正面図、図2はエレベーターの乗り場側ドアを示した正面図である。
以下、構成について説明する。図1に示すように、エレベーターのかご(図示省略)には、2枚のかご側ドア1が設けられている。かご側ドア1の上部には、駆動ベルト36が設けられている。2つのかご側ドア1と駆動ベルト36とは連結具によってそれぞれ連結されている。駆動ベルト36は、無端状で水平方向に長い楕円形をしており、かご側ドア1の上部に設けられている2つの巻掛車の双方に巻き掛けられて張設されている。電動機5は2つの巻掛車の一方に対して設けられており、電動機5に取り付けられた巻掛車を、電動機5が回転駆動させることにより、駆動ベルト36が回転し、左右のかご側ドア1が同時に開閉する構成となっている。
また、駆動ベルト36および電動機5の上部には、記憶装置3とドアコントローラ4とが設けられている。ドアコントローラ4は、記憶装置3と電動機5に接続されている。記憶装置3は、かご側ドア1の質量に関する情報と、各階床ごとの乗り場側ドア6の質量と機械的戸閉力とに関する情報を、予め記憶している。ドアコントローラ4は、記憶装置3内のこれらのデータに基づいて、電動機5に流すべき電流指令値を求め、電動機5を駆動制御する。ドアコントローラ4の構成および動作についての詳細については後述する。
一方、図2に示すように、エレベーターの停止階の各階床の乗り場(図示省略)には、2枚の乗り場側ドア6が設けられている。乗り場側ドア6の上部には、かご側ドア1と同様に、駆動ベルト50が設けられている。2つの乗り場側ドア6と駆動ベルト50とは連結具によってそれぞれ連結されている。駆動ベルト50は、無端状で水平方向に長い楕円形をしており、乗り場側ドア6の上部に設けられている2つの巻掛車の双方に巻き掛けられて張設されており、駆動ベルト50が回転することにより、左右の乗り場側ドア6が同時に開閉する。
但し、乗り場側ドア6には電動機が設けられておらず、乗り場側ドア6は、エレベーターが停止階で停止したときに、かご側ドア1と係合されることにより、かご側ドア1に対して設けられた電動機5の駆動により、かご側ドア1と連動して開閉される。以下では、当該係合の構成について説明する。
図1に示すように、2枚のかご側ドア1の一方には、乗り場側ドア6を係合するための係合ベーン2が設置されている。それに対応するように、図2に示すように、乗り場側ドア6の2枚のうちの一方に係合ローラ7が設けられている。エレベーターのかご(図示省略)がある停止階で停止する際には、かご側ドア1に設置された係合ベーン2が、乗り場側ドア6に設置された係合ローラ7を挟み込んで把持する機構となっているため、係合ベーン2と係合ローラ7とにより、かご側ドア1と乗り場側ドア6とが係合される。このとき、上述したように、かご側ドア1に取り付けられた電動機5が駆動し、駆動ベルト36を介してかご側ドア1を駆動すると、かご側ドア1と乗り場側ドア6とは係合されているので、かご側ドア1の開閉動作に連動して、乗り場側ドア6が同時に開閉動作する。これらの係合ベーン2と係合ローラ7はまとめて係合装置と呼ばれる。
ここで、電動機5の回転軸5aは、図1の正面方向に向かって、軸方向を奥行方向(水平方向)に配置し、駆動ベルト36が回転軸5aを上下から挟み込む形で駆動しているが、その場合に限らず、電動機5の回転軸5aは、軸方向を図1の上下方向(エレベーターにおける垂直方向)に配置し、駆動ベルト36が回転軸5aを前後から挟み込む形で駆動するようにしてもよい。電動機5が扁平薄型の場合は、図1に示すように、駆動ベルト36が回転軸5aを上下から挟み込むように設置する方がドアの厚みとスペースが共用でき有利であり、一方、電動機5が細長型の場合は、駆動ベルト36が回転軸5aを前後から挟み込む方がドアの厚みとスペースが共用でき有利である。従って、電動機5の形状に合わせて、回転軸5aの配置する向きを適宜決定すればよい。
乗り場側ドア6は各階によって意匠が異なるため、質量が異なり、また、かご側ドア1と係合せずに乗り場側ドア6のみが開いてしまうという異常時に自閉できるよう付加される機械的戸閉力も各階床によって異なる。しかしながら、エレベーターのドア駆動装置は、乗り場側ドア6の質量や機械的戸閉力が違っていても、ほぼ同等に制御できる必要がある。
図3は、本発明の実施の形態1に係るエレベーターのドア駆動装置に設けられたドアコントローラ4の内部構成を示したブロック図である。図3に示すよう、ドアコントローラ4はコントローラ基板8とドライブ基板12とからなる。なお、コントローラ基板8とドライブ基板12は、別体で構成してもよいが、一体化してもよい。なお、本実施の形態においては、オープンループ駆動制御を行うドアコントローラ4を例に挙げて説明する。
図3に示すように、コントローラ基板8には、電動機5のための角速度指令値を生成する角速度指令値生成器9と、角速度指令値から電流指令値を生成する電流指令値生成器10とが設けられている。電流指令値生成器10で生成された電流指令値はデューティー比(ONとOFFの時間の比)に変換されてPWM(Pulse Width Modulation)出力11として出力される。また、ドライブ基板12には、PWM出力11に基づいて電動機5に電流を供給して電動機5を駆動するドライブ回路13が設けられている。以下、これらの各構成要素について説明する。
角速度指令値生成器9は、記憶装置3からのデータ入力を受け、当該データ入力に基づいて、電動機5のための角速度指令値を生成し、電流指令値生成器10にその指令値を送信する。なお、記憶装置3には、上述したように、かご側ドア1の質量に関する情報、および、各階床ごとの乗り場側ドア6の質量と機械的戸閉力に関する情報が記憶されている。従って、角速度指令値生成器9は、かご側ドア1の質量に関する情報、および、各階床ごとの乗り場側ドア6の質量と機械的戸閉力に関する情報に基づいて、角速度指令値を生成する。これにより、各階床ごとに、乗り場側ドア6の質量と機械的戸閉力に応じた角速度指令値を生成することができる。なお、角速度指令値生成器9は、図5に示すように、角速度−トルク平面で、戸開もしくは戸閉できるよう、軌跡19を選び、その角速度パターンは、ドアを開閉させるために常に可変速する図7に示す角速度パターン20のような正弦波状になる。角速度指令値生成器9が生成する角速度指令値については、後述する。
電流指令値生成器10は、角速度指令値生成器9からの角速度指令値に基づいて、図4の実線で示す電流指令値14〜17を生成する。ここでは、電動機5が、A相、B相、A’相、B’相の4相からなるユニポーラ駆動のステッピングモータである場合を例に挙げて、電流指令値14〜17の具体的な生成方法について説明する。電流指令値生成器10は、まず、角速度指令値生成器9からの角速度指令値を積分して、電動機5の電気角の位相に変換し、図4に示すよう、0〜180degの場合はA相を励起し、90〜270degの場合はB相を励起し、180〜360degの場合はA’相を励起し、270〜450degの場合はB’相を励起するための電流指令値を生成する。それぞれの励起パターンは正弦波状であり、A−B−A’−B’の順で各相励起を繰り返すことにより、電動機5をある方向(例えば、時計回り)に回転させる。逆方向(例えば、反時計回り)へ回転させる場合は、A−B’−A’−Bの順で各相励起させる。
電流指令値14〜17の振幅は、一定値ではなく、角速度指令値生成器9で生成した角速度指令値によって変動する。具体的には、角速度指令値生成器9が、図5に示すように、角速度−トルク平面で、戸開もしくは戸閉できるよう軌跡19を選び、電動機5の仕様によって定まるプルアウトトルク18を上回らないように、角速度指令値を生成する。電流指令値生成器10は、当該角速度指令値に基づいて、電流指令値14〜17の振幅を設定する。ここで、プルアウトトルクとは脱出トルクとも呼ばれ、そのトルク値を越えると電動機5が脱調するしきい値のことである。また、電流値を大きくすると、プルアウトトルク18は比例して大きくなるため、軌跡19がプルアウトトルク18を越えないよう、電流指令値14〜17の振幅を大きくする。なお、電流値は電動機5によって定められる定格値から上限が定まる。また、ドア駆動に必要な電流値に対して必要以上に大きなプルアウトトルクを設定した場合、余分な電力が必要となり、電力の効率が悪くなるだけでなく、その余分な電力がドアの振動の原因となる。そのため、トルク不足で脱調とならない範囲の最小限の電流値を、電流指令値14〜17として設定することが望ましい。実際のドア駆動において、角速度指令値が、常に可変速する図7に示すような角速度パターン20となる場合、電流指令値14〜17の振幅21は、図7に示すように、角速度パターン20の角速度変化に合わせて設定される(すなわち、角速度パターン20が上に凸型の波形であれば、それに合わせて、電流指令値14〜17の振幅21の波形も上に凸型の波形となり、ピークになる時刻は一致する)。
なお、図6において、電流指令値14〜17は、電動機5がトルク不足で脱調とならない範囲の最小限の電流値として設定された電流指令値である。このとき、例えば、電流指令値14〜17の振幅21を必要量より小さく設定すると、各電流指令値は、破線で示す指令値パターン群33内の電流指令値となり、トルク不足で、通常駆動においても電動機5が脱調してしまう。一方、電流指令値14〜17の振幅21を必要量より大きく設定すると、各電流指令値は、点線で示す指令値パターン群34内の電流指令値となり、ドアに人や物が挟まったりあるいは敷居溝にゴミが詰まったりという外乱が加わっても、電動機5は脱調せず、ドアが停止しない。従って、電流指令値14〜17の振幅は、指令値パターン群33よりも大きく、指令値パターン群34よりも小さい値に設定し、通常駆動においては電動機5が脱調することなく、かつ、ドアに人や物が挟まったりゴミが詰まったりという外乱が加わった際には直ちに脱調となってドアが停止するという範囲になるように設定する。
また、上述したように、各階床での乗り場側ドア6のドア質量と機械的戸閉力は事前に計測されて記憶装置3に保存されている。従って、電流指令値生成器10で生成される電流指令値は、各階床ごとの乗り場側ドア6のドア質量および機械的戸閉力に応じて、電流指令値14〜17の振幅21を定める。ドアの質量と機械的戸閉力が大きくなると、電動機5の軸にイナーシャとして換算した時、その変換したイナーシャ値が大きくなり、もし若干でも角速度指令値からずれてしまうと、角速度指令値に追従させるための各相での力のアンバランスを戻す大きな力が働き、その瞬間に大きな電流値が必要となってしまう。そのため、ドアの質量と機械的戸閉力が大きくなった場合は、電流指令値14〜17の振幅21を大きく設定する必要がある。
上記の説明においては、電流指令値14〜17の振幅21を、ドア駆動に必要な必要最小限の値に設定する例について説明したが、その場合には、僅かな外乱でも脱調してしまう可能性がある。そうなると、その場合には、頻繁に脱調が発生して不便であるため、図4に示すように、必要最小限の電流指令値14〜17の振幅に、外乱検知幅32を付加した、破線で示す電流指令値14’〜17’を電流指令値として設定するようにしてもよい。必要最小限の電流指令値14〜17の振幅値よりも、外乱検知幅32の分だけ大きい振幅値を有する電流指令値14’〜17’を用いた場合には、頻繁な脱調の発生を回避しつつ、ドアに人や物が挟まったりゴミが詰まったりという外乱が加わることでドアを停止させる必要がある場合には、電動機5の脱調によって、外乱検知と同時にドアの開閉動作を直ちに停止させることが可能となる。外乱検知幅32の値の決定方法としては、例えば、どの程度の大きさの外乱が付加された場合にドアの開閉動作を停止させるべきかを予め実験等により測定して外乱閾値として決定しておき、当該外乱閾値よりも大きい外乱が付加された場合にのみ電動機5が脱調するように、外乱検知幅32の値を適宜決定する。外乱が付加されることで、電動機5の回転が阻害され、その速度変化で通常状態より大きな誘導電流が流れ、電動機5に流れる電流値が増加する。しかしながら、たとえ外乱が付加されても、それが僅かな外乱であって、当該電流の増加量が外乱検知幅32以内である場合には(すなわち、電動機5に流れる電流値が、必要最小限の電流指令値14〜17の値に外乱検知幅32を加えた値(すなわち、電流指令値14’〜17’の値)以下の場合には)、外乱として検知せず、一方、大きな外乱が付加されて、電動機5に流れる電流の増加量が外乱検知幅32を超えた場合には(すなわち、電流指令値14’〜17’の値を超えた場合には)、電動機5に脱調が発生して、ドアの開閉動作がその時点で停止されることになる。従って、当該停止を検知することにより、ドアの開閉動作を停止すべきレベルの外乱が付加されたことを検知することができる。その意味で、外乱検知幅32は、外乱検知装置としての役割を果たしている。具体的な外乱検知幅32の値としては、例えば、電動機5の仕様、かご側ドア1の質量、および、各階床ごとの乗り場側ドア6の質量と機械的戸閉力に基づいて、電流指令値14’〜17’の振幅が、図6に示した指令値パターン群33の振幅よりも大きく、かつ、指令値パターン群34よりも小さくなるように、適宜設定すればよい。あるいは、外乱検知幅32は、実験等により予め固定された値に設定してもよい。さらには、外乱検知幅32は、各階床ごとに異なっていても、同じであってもよい。
こうして、電流指令値生成器10は、各階床の乗り場側ドアの質量および機械的戸閉力に応じて、各階床ごとに振幅を変動させた電流指令値14〜17(あるいは、14’〜17’)を生成するが、実際に電動機5に流れる電流は、電流指令値14〜17(あるいは、14’〜17’)に一致するよう、デューティー比(ONとOFFの時間の比)に変換されてPWM出力11で出力される。電動機5に流れる電流は、電動機5やドライブ回路13の構成に従って変動するため、電流指令値生成器10は、それに応じたデューティーの変換を行う。具体的には、デューティーの最大値に比例して電流のピーク値を定める。さらに、デューティーの入力に対して、電動機5とドライブ回路13のインピーダンスによって定まる遅れ時間をもって、電流が流れるため、その遅れを考慮してデューティーの入力値を定める。
次に、ドライブ回路13の構成について説明する。ドライブ回路13の構成の詳細を図8に示す。ドライブ回路13は、外部から供給されるDC電源35と、電動機5のA相コイル部24を駆動するためのFET22と、A’相コイル部25を駆動するためのFET23と、FET22,23に並列に接続されたそれぞれの還流回路26、27とを有する。還流回路26、27は、FET22、23のサージ電圧を抑制し回路の破壊を防止する役割と、A相駆動時はA’相で生じ、A’相駆動時はA相で生じる、誘導電流によるブレーキトルクを抑制する役割を持つ。なお、図8では、A相、A’相に対応させた回路部分のみを記載しているが、実際には、ドライブ回路13は、B相、B’相に関しても同等の回路を持ち、B相、B’相を駆動する。
ドライブ回路13は、このような構成を有し、電流指令値生成器10で生成されたPWM出力11に従って、電動機5の各相A,A’,B,B’のコイルを駆動させる。
以上のように、本実施の形態1に係るエレベーターのドア駆動装置は、エレベーターのかごの出入口を開閉するかご側ドア1と、各階床の乗り場の出入口を開閉する乗り場側ドア6と、かご側ドアを開閉駆動する電動機5と、かご側ドア1と乗り場側ドア6との間に設けられ、電動機5の開閉駆動によるかご側ドア1の開閉動作に連動して乗り場側ドア6を開閉動作させる係合装置2,7とを有するエレベーターのドアを駆動させるためのエレベーターのドア駆動装置であって、かご側ドア1の質量に関する情報と各階床ごとの乗り場側ドア6の質量及び機械的戸閉力に関する情報とを予め記憶する記憶装置3と、記憶装置3に記憶されたかご側ドア1の質量に関する情報と各階床ごとの乗り場側ドア6の質量及び機械的戸閉力に関する情報とに基づいて、電動機5に対する電流指令値を生成する電流指令値生成器10とを備えた構成とした。エレベーターのドアは、各階床によって、乗り場側ドアの意匠が異なるため、その質量は変動し、オープンループ制御時に同じ電流指令値を用いた場合には、電流指令値が過剰であったり足りない場合があり、振動・騒音が発生したり脱調したりしてしまうことがあるが、本実施の形態においては、乗り場側ドア6の階床毎の質量を記憶装置3にデータベースとして持ち、階床毎に電流指令値の振幅を変動させるようにしたので、オープンループ制御においても、エレベーターの乗り場側ドア6の特徴である階床ごとの質量の違いに基づいて電動機5を駆動させる電流指令値の値を変動させることができるので、各階床ごとにドア駆動に必要な最小の電流で駆動でき、電力の無駄を削減し効率化を図るとともに、余分な電力により起こるドアの振動の発生も抑えることができる。
また、本実施の形態においては、エレベーターのドアに外乱が発生して電動機5に流れる電流値が増加して、当該電流値の増加量が閾値としての外乱検知幅32を超えたときに電動機5が脱調するように設定しておき、電流指令値生成器10は、電流指令値の振幅の値を決定する際に、かご側ドア1の質量に関する情報と各階床ごとの乗り場側ドア6の質量及び機械的戸閉力に関する情報とに基づいて、かご側ドア1および乗り場側ドア6の開閉に必要な必要最小限の電流指令値14〜17を求め、当該必要最小限の電流指令値14〜17の振幅に外乱検知幅32を付加した値を電流指令値の振幅の値として決定する(すなわち、電動機5に対する電流指令値を、電流指令値14〜17よりも外乱検知幅32だけ振幅が大きい電流指令値14’〜17’とする)ようにしたので、電動機5の脱調によって人や物が挟まれるあるいはゴミが詰まるといった外乱が発生したことを検知できるとともに、当該検知と同時に、ドアの開閉動作を直ちに停止できるという対応もとれて、エレベーターの乗客が安心して利用することができる。さらに、電動機5の電流値の増加量が外乱検知幅32以内の場合には、電動機5が脱調しないので、頻繁に脱調することを回避することができる。
実施の形態2.
図9は、本発明の実施の形態2に係るエレベーターのドア駆動装置に設けられたドアコントローラ4の内部構成を示したブロック図である。本実施の形態2に係るドアコントローラ4は、図9に示すように、上述した図3と同様に、コントローラ基板8とドライブ基板12とから構成される。図9の構成において、図3の構成との違いは、図9においては電流補償器28がコントローラ基板8側に追加されている点である。電流補償器28は、電流指令値生成器10に対して並列に接続されている。本実施の形態2に係るエレベーターのドア駆動装置の他の構成および動作については、実施の形態1と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
図9は、本発明の実施の形態2に係るエレベーターのドア駆動装置に設けられたドアコントローラ4の内部構成を示したブロック図である。本実施の形態2に係るドアコントローラ4は、図9に示すように、上述した図3と同様に、コントローラ基板8とドライブ基板12とから構成される。図9の構成において、図3の構成との違いは、図9においては電流補償器28がコントローラ基板8側に追加されている点である。電流補償器28は、電流指令値生成器10に対して並列に接続されている。本実施の形態2に係るエレベーターのドア駆動装置の他の構成および動作については、実施の形態1と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
本実施の形態においては、図9に示すように、図3の構成に電流補償器28を付加した構成とすることで、ディテントトルクやリラクタンストルクなどの電動機5の電気角に依存する静的トルクを補償し、電動機5の出力トルクのバラつきを抑制する。電流補償器28は、電動機5の電気角を角速度指令値生成器9が生成した角速度指令値から導出し、記憶装置3内のかご側ドア1の質量に関する情報、および、各階床ごとの乗り場側ドア6の質量と機械的戸閉力に関する情報を用いて、電動機5の静的トルクを打ち消す補償電流値を出力する。出力された補償電流値は、電流指令値生成器10が生成した電流指令値に加算された後にPWM出力11に変換され、ドライブ回路13に向けて出力される。こうして、電流補償器28を付加したことで、電動機5のトルク脈動を抑制できれば、ドアに伝わる振動が抑制され、騒音も抑制することができる。
以上のように、本実施の形態2においては、上述の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、ドアコントローラ4が、角速度指令値生成器9が生成した角速度指令値に基づいて電動機5の電気角を求め、当該電気角に依存する電動機5の静的トルクを補償するための補償電流値を生成する電流補償器28をさらに備えた構成としたことで、電動機5のトルク脈動を抑制することができるので、ドアに伝わる振動が抑制され、騒音も抑制することができる。
実施の形態3.
図10は、本発明の実施の形態3に係るエレベーターのドア駆動装置に設けられたドライブ回路13の構成を示した図である。また、図11は、本発明の実施の形態3に係るエレベーターのドア駆動装置に設けられたドアコントローラ4の内部構成を示したブロック図である。本実施の形態3に係るドライブ回路13は、図10に示すように、図8の回路構成に対して、電動機5に流れる電流を計測するための電流センサ29が付加された構成となっている。電流センサ29は、直列に接続された電動機5のA相コイル部24とA’相コイル部25との接続点とDC電源35との間に接続されている。他の構成は、図8と同じであるため、ここでは説明を省略する。なお、本実施の形態においても、図10には、A相,A’相についてのみ図示しているが、ドライブ回路13は、B相、B’相に関しても同等のドライブ回路を有し、B相、B’相を駆動する。また、本実施の形態3に係るドアコントローラ4は、図11に示すように、上述した図3と同様に、コントローラ基板8とドライブ基板12とから構成される。図11の構成において、図3の構成との違いは、図11においては電流制御器30がコントローラ基板8側に追加されている点である。電流制御器30は、電流指令値生成器10とPWM出力11との間に設けられている。なお、ドライブ回路13に設けられた電流センサ29からの出力は、電流制御器30に入力される。本実施の形態3に係るエレベーターのドア駆動装置の他の構成および動作については、実施の形態1と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
図10は、本発明の実施の形態3に係るエレベーターのドア駆動装置に設けられたドライブ回路13の構成を示した図である。また、図11は、本発明の実施の形態3に係るエレベーターのドア駆動装置に設けられたドアコントローラ4の内部構成を示したブロック図である。本実施の形態3に係るドライブ回路13は、図10に示すように、図8の回路構成に対して、電動機5に流れる電流を計測するための電流センサ29が付加された構成となっている。電流センサ29は、直列に接続された電動機5のA相コイル部24とA’相コイル部25との接続点とDC電源35との間に接続されている。他の構成は、図8と同じであるため、ここでは説明を省略する。なお、本実施の形態においても、図10には、A相,A’相についてのみ図示しているが、ドライブ回路13は、B相、B’相に関しても同等のドライブ回路を有し、B相、B’相を駆動する。また、本実施の形態3に係るドアコントローラ4は、図11に示すように、上述した図3と同様に、コントローラ基板8とドライブ基板12とから構成される。図11の構成において、図3の構成との違いは、図11においては電流制御器30がコントローラ基板8側に追加されている点である。電流制御器30は、電流指令値生成器10とPWM出力11との間に設けられている。なお、ドライブ回路13に設けられた電流センサ29からの出力は、電流制御器30に入力される。本実施の形態3に係るエレベーターのドア駆動装置の他の構成および動作については、実施の形態1と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
本実施の形態3においては、図8のドライブ回路13の構成に電流センサ29を付加して図10の構成とすることで、電動機5に流れる電流を計測する。そして、図11に示すように、電流制御器30で、ドライブ回路13の電流センサ29で検出した電動機5の電流値を、電流指令値生成器10から出力される電流指令値から差し引く構成としている。このように、電流制御器30で、電流指令値生成器10の出力から電流センサ29により計測された電流値を差し引き、P制御やPI制御などのフィードバック制御を行うことで、電流指令値が指令通りに出力でき、ドアに伝わる振動が抑制され、騒音も抑制することができる。
以上のように、本実施の形態3によれば、上記の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、本実施の形態3においては、電動機5に流れる電流の値を計測する電流センサ29と、電流センサ29で計測した電流の値を、電流指令値生成器10が出力する電流指令値に帰還させる帰還回路(フィードバック制御回路)としての電流制御器30とをさらに備えるようにしたので、電流センサ29で計測した実際の電動機5の電流値を用いてフィードバック制御できるため、電動機5に対する電流指令値の追従性が向上し、ドアに伝わる振動が抑制され、騒音も抑制することができる。
さらに、本実施の形態においても、図9に示した電流補償器28をさらに備えるようにしてもよく、その場合には、実施の形態2と同様の手法を用いることで、静的トルクを打ち消すこともでき、さらなる振動・騒音抑制ができる。
さらに、コントローラ基板の出力を電流指令値生成器10の出力とし、電流制御器30からドライブ回路までをドライブ基板に移設してもよい。この構成にすることで、電流値をコントローラ基板に入力するための入力端子を無くすことが可能となる。
実施の形態4.
図12は、本発明の実施の形態4に係るエレベーターのドア駆動装置に設けられたドアコントローラ4の内部構成を示したブロック図である。本実施の形態4に係るドアコントローラ4は、図12に示すように、上述した図3と同様に、コントローラ基板8とドライブ基板12とから構成される。図12の構成において、図3の構成との違いは、図12においては、外乱検知器31がコントローラ基板8側に追加されている点である。外乱検知器31は、ドライブ回路13と角速度指令値生成器9との間に接続されている。外乱検知器31は、かご側ドア1および乗り場側ドア6に人や物が挟まれるあるいはゴミが詰まるといった外乱が発生した場合に、当該外乱を検知するものである。また、本実施の形態4においては、角速度指令値生成器9を可変とした。さらに、本実施の形態4に係るドライブ回路13は、上述の実施の形態3で示した図10と同じ構成となっている。すなわち、本実施の形態4においても、ドライブ回路13は、図8の回路構成に対して、電動機5に流れる電流を計測するための電流センサ29が付加された構成となっている。本実施の形態4に係るエレベーターのドア駆動装置の他の構成および動作については、実施の形態1および3と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
図12は、本発明の実施の形態4に係るエレベーターのドア駆動装置に設けられたドアコントローラ4の内部構成を示したブロック図である。本実施の形態4に係るドアコントローラ4は、図12に示すように、上述した図3と同様に、コントローラ基板8とドライブ基板12とから構成される。図12の構成において、図3の構成との違いは、図12においては、外乱検知器31がコントローラ基板8側に追加されている点である。外乱検知器31は、ドライブ回路13と角速度指令値生成器9との間に接続されている。外乱検知器31は、かご側ドア1および乗り場側ドア6に人や物が挟まれるあるいはゴミが詰まるといった外乱が発生した場合に、当該外乱を検知するものである。また、本実施の形態4においては、角速度指令値生成器9を可変とした。さらに、本実施の形態4に係るドライブ回路13は、上述の実施の形態3で示した図10と同じ構成となっている。すなわち、本実施の形態4においても、ドライブ回路13は、図8の回路構成に対して、電動機5に流れる電流を計測するための電流センサ29が付加された構成となっている。本実施の形態4に係るエレベーターのドア駆動装置の他の構成および動作については、実施の形態1および3と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
エレベーターのドアの状態に異常なく正常に駆動されている場合は、電流値は図4のように滑らかな正弦波となるが、ドアに人が衝突したり、ゴミが詰まったりなどの外乱が加わった場合、電動機5の回転が阻害され、その速度変化で通常状態より大きな誘導電流が流れ、電流波形が歪み、平均電流値も上昇する。そのため、本実施の形態4では、外乱検知器31においては、ドライブ回路13に設けられた電流センサ29で計測された電流値が入力され、その電流変化を記憶装置3内に予め記憶された正常時の電流値との比較で導出し、その出力を角速度指令値生成器9に入力する。角速度指令値生成器9は、入力された電流変化の変化量が閾値を超えたときに、生成する角速度指令値を、正常時の値とは変えて、外乱発生に対して対応させた外乱発生時用の角速度指令値に切り換える。具体的には、例えば、角速度指令値の値を0にして、エレベーターのドアの開閉動作を停止させたり、あるいは、角速度指令値により励起させる電動機5の各相の励起させる順を逆にして、エレベータードアの駆動方向(開方向または閉方向)を反転させたりする等の対応をとることができる。
以上のように、本実施の形態4によれば、上記の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、本実施の形態4においては、さらに、電動機5に流れる電流の値を計測する電流センサ29と、電流センサ29で計測した電流の値が閾値を超えたときに、外乱発生と判定する外乱検知器31とをさらに備え、角速度指令値生成器9が、外乱検知器31の判定結果に基づいて、外乱発生に対応するための外乱発生時用の角速度指令値を生成するようにしたので、外乱検知性能が向上し、外乱発生に対して適切に対応することができる。
乗り場側ドア6の質量と機械的戸閉力は各階床で異なる場合が多いが、仕様によっては各階床で同じものもあり、その場合は1つの制御方法で同等に制御できるため、記憶装置3を用いずにあらかじめ定数として、角速度指令値生成器9で保存した数値を用いてもよい。
電流指令値14〜17の振幅21は、図7に示すように、角速度パターン20の角速度変化に合わせて設定されるが、角速度パターンが図13に示すように最大速にて一定速度部を持つ場合は、必要なトルクが減少するため、図13に示すように、電流指令値14〜17の振幅21を部分的に減少させてもよい(上記一定速度部に対応する部分の電流指令値14〜17の振幅21を減少させる。
電流指令値14〜17の振幅21は、記憶装置3に保存されている乗り場側ドア6のドア質量と機械的戸閉力、および、角速度パターン20によって定めるが、その決定には記憶装置3と角速度パターン20を2変数と考えて数式を用いる方法や、その2変数と出力事前に定め保存したテーブル状の結果を用いてもよい。
外乱検知幅32は一定値を用いてもよいし、電流立ち上がり部は小さめに設定し、最大電流値付近では大きくしても良い。逆に電流立ち上がり部は大きめに設定し、最大電流値付近では小さくしても良い。
図14に示されるように、エレベーターのドアシステム36はシステムに1台だけあるかご側ドア1や電動機5、各階にある乗り場側ドア6などを含むドアシステムで、エレベーターの全体システム37に含まれる。
実施の形態5.
本発明の実施の形態1〜4で示したドアコントローラ4は、エレベータードアだけでなく、鉄道の駅に用いられるホーム柵、および、自動ドアのドア装置にも適用できる。
本発明の実施の形態1〜4で示したドアコントローラ4は、エレベータードアだけでなく、鉄道の駅に用いられるホーム柵、および、自動ドアのドア装置にも適用できる。
図15は、本発明の実施の形態5に係るホーム柵のドア装置の構成を示した正面図である。鉄道の駅に用いられるホーム柵では、図15に示すように、電動機38で駆動力を発生させ、駆動ベルト39を介してパネル40を水平方向に駆動させる。パネル40はパネル40に取り付けられたレール41と収納ケース43に取り付けられたローラ42で支えることで、その鉛直方向に作用する重力を支えている。図15のように両側に対称的な機構を持ち、同期させて駆動させることで開閉する。
レール41は、電源が切れた時でも自閉させるために、図15のように、傾斜が付いたものもある。このような場合には、電動機38に重力が作用するため駆動トルクが増加したり減少したりする。また、利便性のためにモータの角速度パターン20が上に凸型の波形であったり、図13のように最大速にて一定速であったりする。これらのパターンにおいても可変速部があるため、同様にトルク変動を抑制制御することが可能である。実施の形態1〜4で示したドアコントローラ4では、ドアの重量を記憶する記憶装置3を用いて電動機5に流すべき電流指令値が定められるため、意匠によって質量の異なるホーム柵の電動機38でも同様に制御することが可能となる。
図16は、本発明の実施の形態5に係る自動ドアのドア装置の構成を示した正面図である。自動ドアでは、図16に示すように、電動機44で駆動力を発生させ、駆動ベルト45を介してパネル46を水平方向に駆動させる。パネル46は、パネル46に取り付けられたハンガ47に取り付けられたローラ48と、桁部(図示せず)に取り付けられたレール49とで支えることで、その鉛直方向に作用する重力を支えている。
レール49は、図16では水平方向に設けられているが、電源が切れた時でも自閉させるために傾斜が付いたものもある。このような場合には、電動機44に重力が作用するため駆動トルクが増加したり減少したりする。また、自閉力を生み出すためにおもりやばねを用いるものもある。さらに、利便性のためにモータの角速度パターン20が上に凸型の波形であったり、図13のように最大速にて一定速であったりする。これらのパターンにおいても可変速部があるため、同様にトルク変動を抑制制御することが可能である。実施の形態1〜4で示したドアコントローラ4では、ドアの重量を記憶する記憶装置3を用いて電動機5に流すべき電流指令値が定められるため、意匠によって質量の異なる自動ドアの電動機44でも同様に制御することが可能となる。
1 かご側ドア、2 係合ベーン、3 記憶装置、4 ドアコントローラ、5 電動機、6 乗り場側ドア、7 係合ローラ、8 コントローラ基板、9 角速度指令値生成器、10 電流指令値生成器、11 PWM出力、12 ドライブ基板、13 ドライブ回路、14,15,16,17 電流指令値、18 プルアウトトルク、19 軌跡、20
角速度パターン、21 振幅、22,23 FET、24 A相コイル部、25 A’相コイル部、26,27 還流回路、28 電流補償器、29 電流センサ、30 電流制御器、31 外乱検知器、32 外乱検知幅、33,34 指令値パターン群、35 DC電源。
角速度パターン、21 振幅、22,23 FET、24 A相コイル部、25 A’相コイル部、26,27 還流回路、28 電流補償器、29 電流センサ、30 電流制御器、31 外乱検知器、32 外乱検知幅、33,34 指令値パターン群、35 DC電源。
本発明は、出入口を開閉するドアを開閉駆動する電動機と、この電動機を駆動制御するドアコントローラとを有し、前記ドアを開閉駆動させるためのドア駆動装置であって、前記ドアの質量に関する情報と、機械的戸閉力に関する情報とを、予め記憶する記憶装置を備え、前記ドアコントローラは、前記記憶装置に記憶された情報、ドアの角速度指令値及びこの角速度指令値の変化に基づいて、前記ドアの開閉に必要な最小限の電流値を求め、前記電動機に対する電流指令値を生成する電流指令値生成器を有してオープンループ制御を行い、前記電流値の振幅は、前記角速度指令値の変化に合わせて設定されるドア駆動装置である。
本発明は、出入口を開閉するドアを開閉駆動する電動機と、この電動機を駆動制御するドアコントローラとを有し、前記ドアを開閉駆動させるためのドア駆動装置であって、前記ドアの質量に関する情報と、機械的戸閉力に関する情報とを、予め記憶する記憶装置を備え、前記ドアコントローラは、前記記憶装置に記憶された情報、ドアの角速度指令値及びこの角速度指令値の変化に基づいて、前記ドアの開閉に必要な最小限の電流値を求め、前記電動機に対する電流指令値を生成する電流指令値生成器を有してオープンループ制御を行い、前記電流値の振幅は、前記角速度指令値の変化に合わせて設定されるドア駆動装置であるので、質量や機械的戸閉力が異なり、かつ、加減速を繰り返すドアに対しても、トルク変動を抑制制御することが可能である。
本発明は、出入口を開閉するドアを開閉駆動する電動機と、この電動機を駆動制御するドアコントローラとを有し、前記ドアを開閉駆動させるためのドア駆動装置であって、前記ドアの質量に関する情報及び機械的戸閉力に関する情報を予め記憶する記憶装置と、前記電動機の電気角に依存する前記電動機の静的トルクを補償するための補償電流値を生成する電流補償器とを備え、前記ドアコントローラは、前記記憶装置に記憶された情報、ドアの角速度指令値及びこの角速度指令値の変化に基づいて、前記ドアの開閉に必要な最小限の電流値を求め、前記電動機に対する電流指令値を生成する電流指令値生成器を有してオープンループ制御を行い、前記電流値の振幅は、前記角速度指令値の変化に合わせて設定され、前記電動機に対する電流指令値として、前記電流指令値生成器が生成した前記電流指令値に前記電流補償器が生成した前記補償電流値を加算した値が出力されるドア駆動装置である。
本発明は、出入口を開閉するドアを開閉駆動する電動機と、この電動機を駆動制御するドアコントローラとを有し、前記ドアを開閉駆動させるためのドア駆動装置であって、前記ドアの質量に関する情報及び機械的戸閉力に関する情報を予め記憶する記憶装置と、前記電動機の電気角に依存する前記電動機の静的トルクを補償するための補償電流値を生成する電流補償器とを備え、前記ドアコントローラは、前記記憶装置に記憶された情報、ドアの角速度指令値及びこの角速度指令値の変化に基づいて、前記ドアの開閉に必要な最小限の電流値を求め、前記電動機に対する電流指令値を生成する電流指令値生成器を有してオープンループ制御を行い、前記電流値の振幅は、前記角速度指令値の変化に合わせて設定され、前記電動機に対する電流指令値として、前記電流指令値生成器が生成した前記電流指令値に前記電流補償器が生成した前記補償電流値を加算した値が出力されるドア駆動装置であるので、質量や機械的戸閉力が異なり、かつ、加減速を繰り返すドアに対しても、トルク変動を抑制制御することが可能である。
Claims (8)
- 出入口を開閉するドアと、前記ドアを開閉駆動する電動機とを有し、前記ドアを開閉駆動させるためのドア駆動装置であって、
前記ドアの質量に関する情報と、機械的戸閉力に関する情報とを、予め記憶する記憶装置と、
前記記憶装置に記憶された情報と、ドアの角速度指令値とに基づいて、前記ドアの開閉に必要な最小限の電流値を求め、前記電動機に対する電流指令値を生成する電流指令値生成器と
を備えたドア駆動装置。 - エレベーターのかごの出入口を開閉するかご側ドアと、各階床の乗り場の出入口を開閉する乗り場側ドアと、前記かご側ドアを開閉駆動する電動機と、前記かご側ドアと前記乗り場側ドアとの間に設けられ、前記電動機の開閉駆動による前記かご側ドアの開閉動作に連動して前記乗り場側ドアを開閉動作させる係合装置とを有するエレベーターのドアを開閉駆動させるためのエレベーターのドア駆動装置であって、
前記かご側ドアの質量に関する情報と、各階床ごとの前記乗り場側ドアの質量及び機械的戸閉力に関する情報とを、予め記憶する記憶装置と、
前記記憶装置に記憶された情報と、ドアの角速度指令値とに基づいて、前記かご側ドアおよび前記乗り場側ドアの開閉に必要な最小限の電流値を求め、前記電動機に対する電流指令値を生成する電流指令値生成器と
を備えたエレベーターのドア駆動装置。 - 前記電流指令値生成器は、前記電流指令値の振幅の値を決定する際に、前記最小限の電流値に外乱検知幅を付加した値を前記電流指令値として決定し、
前記電動機に流れる電流値が、前記最小限の電流に前記外乱検知幅を付加したものを超えた時に脱調する
請求項2に記載のエレベーターのドア駆動装置。 - 前記電動機の電気角に依存する前記電動機の静的トルクを補償するための補償電流値を生成する電流補償器をさらに備え、
前記電動機に対する電流指令値として、前記電流指令値生成器が生成した前記電流指令値に前記電流補償器が生成した前記補償電流値を加算した値が出力される
請求項2または3に記載のエレベーターのドア駆動装置。 - 前記電動機に流れる電流の値を計測する電流センサと、
前記電流センサで計測した前記電流の値を、前記電流指令値生成器が出力する前記電流指令値に帰還させる帰還回路と
をさらに備えた
請求項2から4までのいずれか1項に記載のエレベーターのドア駆動装置。 - 前記電動機に流れる電流の値を計測する電流センサと、
前記電流センサで計測した前記電流の値が閾値を超えたときに、外乱発生と判定する外乱検知器と
をさらに備え、
角速度指令値生成器は、前記外乱検知器の判定結果に基づいて、外乱発生に対応するための外乱発生時用の角速度指令値を生成する
請求項2から4までのいずれか1項に記載のエレベーターのドア駆動装置。 - 出入口を開閉するドアと、前記ドアを開閉駆動する電動機とを有し、前記ドアを開閉駆動させるためのドア駆動方法であって、
前記ドアの質量に関する情報と、機械的戸閉力に関する情報とを、記憶装置に予め記憶するステップと、
前記記憶装置に記憶された情報と、ドアの角速度指令値とに基づいて、前記ドアの開閉に必要な最小限の電流値を求め、前記電動機に対する電流指令値を生成する電流指令値を生成するステップと
を備えたドア駆動方法。 - 請求項2から請求項6までのいずれか1項に記載のエレベーターのドア駆動装置を備えたエレベーターシステム。
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