JPWO2015033386A1 - エレベータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

カゴの走行開始前にスイッチング素子の温度上昇を予防することができるエレベータ制御装置を提供する。エレベータ制御装置は、現在階から走行先階までのカゴ(7)の走行距離を算出する走行距離算出手段(15)と、走行距離算出手段(15)により算出された走行距離に基づいて、カゴ(7)を走行させる同期電動機(2)を駆動するインバータ(10)のスイッチング素子の温度上昇推定値を算出する温度上昇推定手段(25)と、カゴ(7)の走行開始前に、温度上昇推定手段(25)により算出された温度上昇推定値に基づいて、インバータ(10)を制御するためのキャリア周波数を決定する設定変更手段(26)と、を備えている。

Description

本発明は、エレベータ制御装置に関するものである。
下記特許文献1には、エレベータ制御装置が記載されている。このエレベータ制御装置は、カゴを昇降する電動機に電力を供給するインバータの出力電流が最大許容電流を超過した場合にキャリア周波数を低下させる。
日本特開平10−164884号公報 日本特開2011−57329号公報 日本特許第4721713号公報
特許文献1に記載のエレベータ制御装置は、カゴの走行中にキャリア周波数を変更する。このため、カゴの走行開始前にスイッチング素子の温度上昇を予防することができない。
本発明は、上記の課題を解決するためになされた。その目的は、カゴの走行開始前にスイッチング素子の温度上昇を予防することができるエレベータ制御装置を提供することである。
本発明に係るエレベータ制御装置は、現在階から走行先階までのカゴの走行距離を算出する走行距離算出手段と、走行距離算出手段により算出された走行距離に基づいて、カゴを走行させる電動機を駆動する電力変換装置のスイッチング素子の温度上昇推定値を算出する温度上昇推定手段と、カゴの走行開始前に、温度上昇推定手段により算出された温度上昇推定値に基づいて、電力変換装置を制御するためのキャリア周波数を決定する設定変更手段と、を備えたものである。
本発明によれば、エレベータ制御装置において、カゴの走行開始前にスイッチング素子の温度上昇を予防することができる。
本発明の実施の形態1におけるエレベータ制御装置を備えたエレベータシステムの構成図である。 本発明の実施の形態1における同期電動機の電流波形の模式図である。 本発明の実施の形態1における設定変更手段の内部構成図である。 本発明の実施の形態1における温度上昇推定値と温度上昇閾値の関係図である。 本発明の実施の形態1におけるエレベータ制御装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2における設定変更手段の内部構成図である。 本発明の実施の形態2における温度上昇推定値と温度上昇閾値の関係図である。 本発明の実施の形態2におけるエレベータ制御装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3における温度上昇推定値と温度上昇閾値の関係図である。 本発明の実施の形態3におけるエレベータ制御装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態4におけるエレベータ制御装置を備えたエレベータシステムの構成図である。 本発明の実施の形態4におけるエレベータ制御装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態5におけるエレベータ制御装置の動作を示すフローチャートである。
添付の図面を参照して、本発明を詳細に説明する。各図では、同一又は相当する部分に同一の符号を付している。重複する説明は、適宜簡略化あるいは省略する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1におけるエレベータ制御装置を備えたエレベータシステムの構成図である。
エレベータシステムは、図示しない昇降路を備えている。昇降路の上部には、巻上機1が設けられている。巻上機1は、同期電動機2、綱車3、ブレーキ4及びエンコーダ5を備えている。綱車3には、吊りロープ6が巻き回されている。吊りロープ6の一端には、カゴ7が接続されている。カゴ7は、秤装置8を備えている。吊りロープ6の他端には、釣合い錘9が接続されている。
エレベータ制御装置は、図示しないコンバータ及び電力変換装置を備えている。本実施の形態では、電力変換装置としてインバータ10が設けられている。インバータ10は、図示しない直流母線を介してコンバータと接続されている。直流母線には、図示しないコンデンサが含まれている。インバータ10は、同期電動機2と接続されている。
インバータ10は、図示しないファンを備えている。エレベータ制御装置は、ファン電源11を備えている。ファンは、ファン電源11に接続されている。
コンバータは、交流電力を整流して直流電力に変換する。この際、脈動電流等の影響はコンデンサにより除去される。インバータ10は、コンバータからの直流電力を適切な可変電圧可変周波数の交流電力に変換する。インバータ10は、交流電力を同期電動機2に供給する。ファンは、インバータ10を冷却する。
同期電動機2は、インバータ10から供給される交流電力により駆動される。綱車3は、同期電動機2と同軸で回転する。ブレーキ4は、綱車3の回転駆動に対して制動を加える。秤装置8は、カゴ7の積載量を測定する。カゴ7及び釣合い錘9は、巻上機1の駆動力により昇降路内を昇降される。エンコーダ5は、巻上機1の回転速度を検出する。
エレベータシステムは、現在階床認識手段12及び走行先階床認識手段13を備えている。エレベータ制御装置は、制御ブロック14を備えている。制御ブロック14は、走行距離算出手段15、カゴ負荷検出手段16、速度パターン生成手段17、速度制御器18、電流制御器19、PWM発生器20、PWM比較回路21及びベースドライブ回路22を備えている。
PWM発生器20には、PWM比較回路21が接続されている。PWM比較回路21には、ベースドライブ回路22が接続されている。ベースドライブ回路22には、インバータ10が接続されている。
現在階床認識手段12は、カゴ7の現在階を検出する。走行先階床認識手段13は、カゴ7の走行先階を検出する。走行距離算出手段15は、現在階を示す階床データ及び走行先階を示す階床データに基づいて、カゴ7の走行距離を算出する。カゴ負荷検出手段16は、カゴ7の積載量をカゴ負荷として検出する。
速度パターン生成手段17は、走行距離に基づいてカゴ7の速度パターンを生成する。速度パターンは、例えば、起動時零速制御、加速、一定速、減速、着床時零速制御の順番で同期電動機2が制御された場合におけるカゴ7の速度のパターンである。速度パターン生成手段17は、生成された速度パターンに基づいて速度指令を出力する。
速度制御器18は、速度指令及びエンコーダ5からの速度検出値に基づいて電流指令を出力する。
電流制御器19は、インバータ10から同期電動機2に供給されている実際の電流を検出する。以下、この電流の値を「実際の電流検出値」という。電流制御器19は、電流指令及び実際の電流検出値に基づいて電圧指令を出力する。
PWM発生器20は、PWM搬送波を出力する。PWM比較回路21は、電圧指令の値とPWM搬送波とを比較する。PWM比較回路21は、この比較結果に基づいてH/L信号を出力する。ベースドライブ回路22は、H/L信号に基づいてスイッチング指令を出力する。インバータ10は、スイッチング指令に基づいてスイッチングを行う。インバータ10は、スイッチングにより、コンバータからの直流電力を交流電力に変換する。
制御ブロック14は、実効電流算出手段23、電流実効値積算手段24、温度上昇推定手段25及び設定変更手段26を備えている。
実効電流算出手段23は、速度指令及びカゴ7の積載量に基づいて、1走行期間中にインバータ10から同期電動機2に供給される実効電流を算出する。なお、1走行とは、停止しているカゴ7が走行開始してから次に停止するまでの走行である。複数回の走行が行われる場合、実効電流算出手段23は、各走行について実効電流を算出する。
電流実効値積算手段24は、各走行における実効電流を積算する。これにより、実効電流の積算値が算出される。
温度上昇推定手段25は、一次フィルタを介して、実効電流の積算値からインバータ10のスイッチング素子の温度上昇を推定する。これにより、スイッチング素子の温度上昇推定値が算出される。
設定変更手段26には、速度指令、カゴ7の積載量及び温度上昇推定値が入力される。設定変更手段26は、速度指令、カゴ7の積載量及び温度上昇推定値に基づいて、PWM搬送波のキャリア周波数を決定する。PWM発生器20は、設定変更手段26により決定されたキャリア周波数でPWM搬送波を出力する。このようにして、PWM搬送波のキャリア周波数が変更される。
キャリア周波数が低下すると、スイッチング素子に流れる電流が減少する。流れる電流が減少すると、スイッチング素子の温度上昇が低減する。温度変化が抑制されると、スイッチング素子の寿命が延びる。
図2は、本発明の実施の形態1における同期電動機2の電流波形の模式図である。図2は、カゴ7の上昇走行中における電流波形を示している。図2は、1走行期間中の電流波形を示している。図2は、横軸が時間を、縦軸が同期電動機2の電流を示している。横軸が示す時間は、時間区間T0〜T10に区分されている。以下、図2を参照して、実効電流、実効電流の積算値及び温度上昇推定値の算出方法を説明する。
T0は起動時零速制御トルク立ち上げ区間である。T1は起動時零速制御区間である。T2は加加速区間である。T3は一定加速区間である。T4は加速丸め区間である。T5は一定速区間である。T6は減速丸め区間である。T7は一定減速区間である。T8は停止丸め区間である。T9は着床時零速制御区間である。T10は着床時零速制御トルク立ち下げ区間である。T1における電流値をI1とする。T3における電流値をI3とする。T5における電流値をI5とする。T7における電流値をI7とする。T9における電流値をI9とする。I1、I5及びI9は、カゴ7の積載量に応じた負荷トルクに対応する電流である。I3は加速トルクに対応する電流である。I7は減速トルクに対応する電流である。
図2に示す1走行期間中における実効電流をIrms1とすると、Irms1は下記の式(1)で算出される。
Irms1=(I1×T1+I3×T3+I5×T5+I7×T7+I9×T9)/SUM(T0,T10))・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
複数回の走行が行われる場合、実効電流算出手段23は、各走行について式(1)と同様の計算を行う。このとき、n回目の走行期間中における実効電流をIrmsnと表す。なお、nは正の整数である。例えば、3回の走行が行われる場合、実効電流算出手段23はIrms1、Irms2及びIrms3を算出する。このようにして、各走行期間中における実効電流が算出される。
電流実効値積算手段24は、各走行期間中における実効電流の2乗和Σ(Irmsn)を算出する。これにより、実効電流の積算値が算出される。この積算値は、温度上昇推定手段25に入力される。温度上昇推定手段25は、一次フィルタを介して、実効電流の積算値からインバータ10のスイッチング素子の温度上昇推定値TIrmsnを算出する。
図3は、実施の形態1における設定変更手段26の内部構成図である。設定変更手段26は、第1の判定手段27を備えている。第1の判定手段27には、温度上昇推定値TIrmsnが入力される。設定変更手段26は、キャリア周波数を決定する。
図4は、実施の形態1における温度上昇推定値と温度上昇閾値の関係図である。温度上昇閾値として、予めTLIMIT1が設定されている。TLIMIT1は、スイッチング素子の温度上昇許容値に基づいて設定されている。以下、図4を参照して、設定変更手段26によるキャリア周波数の決定方法を説明する。なお、通常時におけるキャリア周波数をFc1とする。
第1の判定手段27は、温度上昇推定値を温度上昇閾値と比較する。第1の判定手段27は、温度上昇推定値TIrmsnが温度上昇閾値TLIMIT1以上であるか否かを判定する。TIrmsnがTLIMIT1以上である場合、設定変更手段26は、キャリア周波数をFc2(Fc1>Fc2)に決定する。一方、TIrmsnがTLIMIT1未満である場合、設定変更手段26は、キャリア周波数をFc1に決定する。例えば、通常時に、TIrmsnがTLIMIT1以上となった場合、設定変更手段26は、キャリア周波数をFc1からFc2に減少させる。一方、TIrmsnがTLIMIT1以上でなくなった場合、設定変更手段26は、キャリア周波数をFc1のままとする。
図5は、実施の形態1におけるエレベータ制御装置の動作を示すフローチャートである。以下、図5を参照して、エレベータ制御装置の動作を説明する。
カゴ7が走行されることが決定されると、制御ブロック14において、走行開始前にキャリア周波数が決定される。ここでは、キャリア周波数はFc1とする。
走行距離算出手段15は、現在階を示す階床データ及び走行先階を示す階床データに基づいてカゴ7の走行距離を算出する(ステップS101)。
速度パターン生成手段17は、ステップS101で算出された走行距離に基づいて速度指令を出力する(ステップS102)。
カゴ負荷検出手段16は、走行開始前の戸閉中にカゴ7の積載量を検出する。これにより、走行開始前のカゴ負荷が確定する(ステップS103)。
実効電流算出手段23は、ステップS102で出力された速度指令及びステップS103で検出された積載量に基づいて、走行期間中の実効電流を算出する(ステップS104)。
電流実効値積算手段24は、ステップS104で算出された実効電流の積算値Σ(Irmsn)を算出する(ステップS105)。
温度上昇推定手段25は、ステップS105で算出された積算値に基づいて温度上昇推定値TIrmsnを算出する(ステップS106)。
第1の判定手段27は、ステップS106で算出されたTIrmsnがTLIMIT1以上であるか否かを判定する(ステップS107)。
ステップS107で、TIrmsnがTLIMIT1以上である場合、設定変更手段26は、キャリア周波数をFc1からFc2(Fc1>Fc2)に変更する(ステップS109)。一方、ステップS107で、TIrmsnがTLIMIT1未満である場合、設定変更手段26は、キャリア周波数をFc1のままとする。
PWM発生器20は、設定変更手段26により決定されたキャリア周波数でPWM搬送波を出力する。PWM比較回路21は、PWM搬送波と電圧指令の値との比較に基づいて、H/L信号を出力する。ベースドライブ回路22は、H/L信号に基づいてスイッチング指令を出力する。インバータ10は、スイッチング指令に基づいて同期電動機2に電圧を印加する。その結果、同期電動機2はカゴ7の走行を開始させる(ステップS111)。
上述したとおり、本実施の形態において、走行距離算出手段15は、現在階から走行先階までのカゴ7の走行距離を算出する。速度パターン生成手段17は、走行距離に基づいて速度指令を出力する。実効電流算出手段23は、速度指令及びカゴ負荷として検出された積載量に基づいて、インバータ10から同期電動機2に供給される実効電流を算出する。温度上昇推定手段25は、実効電流の積算値に基づいて、インバータ10のスイッチング素子の温度上昇推定値を算出する。設定変更手段26は、スイッチング素子の温度上昇推定値に基づいて、カゴ7の走行開始前にキャリア周波数を決定する。つまり、従来カゴの走行中に行われていたキャリア周波数の変更を、カゴの走行開始前に行う。これにより、カゴの走行開始前に、スイッチング素子の温度上昇を予防することができる。このため、スイッチング素子の温度上昇推定値が温度上昇許容値を超過することを未然に防止できる。その結果、スイッチング素子の寿命を延ばすことができる。
実施の形態2.
本実施の形態におけるエレベータシステムの構成図は、図1と同様である。以下、実施の形態1との相違点を中心に本実施の形態について説明する。
図6は、実施の形態2における設定変更手段26の内部構成図である。本実施の形態では、設定変更手段26は、第1の判定手段27及び第2の判定手段28を備えている。第2の判定手段28には、速度パターン生成手段17から速度指令が入力される。また、第2の判定手段28には、カゴ負荷検出手段16からカゴ負荷として積載量が入力される。設定変更手段26は、キャリア周波数を決定する。
図7は、実施の形態2における温度上昇推定値と温度上昇閾値の関係図である。本実施の形態では、温度上昇閾値として、予めTLIMIT1及びTLIMIT2が設定されている。TLIMIT2は、TLIMIT1よりも大きい値である。TLIMIT1及びTLIMIT2は、スイッチング素子の温度上昇許容値に基づいて設定されている。以下、図7を参照して、本実施の形態におけるキャリア周波数の決定方法を説明する。なお、通常時におけるキャリア周波数をFc1とする。
第1の判定手段27は、温度上昇推定値TIrmsnを温度上昇閾値TLIMIT1及びTLIMIT2と比較する。第2の判定手段28は、速度指令及び積載量に基づいて、カゴ7が無負荷下降運転されているか否かを判定する。なお、無負荷下降運転とは、カゴ7が無負荷の状態で下降走行されることである。カゴ7が無負荷の状態とは、乗車人数が0人の状態である。
TIrmsnがTLIMIT2以上である場合、設定変更手段26は、キャリア周波数をFc2(Fc1>Fc2)に決定する。TIrmsnがTLIMIT1未満である場合、設定変更手段26は、キャリア周波数をFc1に決定する。
TIrmsnがTLIMIT1以上かつTLIMIT2未満である場合、設定変更手段26は、無負荷下降運転時のみキャリア周波数をFc2に決定する。一方、無負荷下降運転時以外は、設定変更手段26は、キャリア周波数をFc1のままとする。このように、TIrmsnがTLIMIT1以上かつTLIMIT2未満である場合、設定変更手段26は、エレベータの運転モードに応じてキャリア周波数をFc1とFc2から選択する。
図8は、実施の形態2におけるエレベータ制御装置の動作を示すフローチャートである。以下、図8を参照して、本実施の形態におけるエレベータ制御装置の動作を説明する。
本実施の形態におけるステップS201〜S206及びS211の動作は、実施の形態1におけるステップS101〜S106及びS111の動作と同様である。
第1の判定手段27は、ステップS206で算出されたTIrmsnがTLIMIT1以上であるか否かを判定する(ステップS207)。
ステップS207で、TIrmsnがTLIMIT1以上である場合、第1の判定手段27は、TIrmsnがTLIMIT2以上であるか否かを判定する(ステップS208)。一方、ステップS207で、TIrmsnがTLIMIT1未満である場合、設定変更手段26は、キャリア周波数をFc1のままとする。
ステップS208で、TIrmsnがTLIMIT2以上である場合、設定変更手段26は、運転モードに関わらずキャリア周波数をFc1からFc2(Fc1>Fc2)に変更する(ステップS209)。一方、ステップS208で、TIrmsnがTLIMIT1以上かつTLIMIT2未満である場合、設定変更手段26は、無負荷下降運転時のみキャリア周波数をFc1からFc2に変更する(ステップS210)。
上述したとおり、本実施の形態において、設定変更手段26は、温度上昇推定値がTLIMIT1以上かつTLIMIT2未満である場合、無負荷下降運転時にのみキャリア周波数を低下させる。これにより、キャリア周波数が低下する期間を、カゴ7に利用者が乗車していない時に限定している。このため、例えば、モータトルクリップルの増加のような制御性能の悪化の影響を利用者に与えることがない。その結果、実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、エレベータ利用者の快適性を損なわないエレベータ制御装置を実現できる。
実施の形態3.
本実施の形態におけるエレベータシステムの構成図は、図1と同様である。以下、実施の形態1及び2との相違点を中心に本実施の形態について説明する。
本実施の形態において、設定変更手段26は、速度指令、積載量及び温度上昇推定値に基づいて、カゴ7の走行中におけるカゴ7の加速度、カゴ7の速度及びファン風量を決定する。設定変更手段26は、決定された加速度及び速度でカゴ7が走行されるようにPWM搬送波のキャリア周波数を決定する。PWM発生器20は、設定変更手段26により決定されたキャリア周波数でPWM搬送波を出力する。ファン電源11は、決定された風量に基づいてファンを駆動する。このようにして、カゴ7の加速度、カゴ7の速度及びファン風量が変更される。
エレベータの動作において、カゴ7の加速中は最も電流が必要とされる。このため、カゴ7の加速中は、スイッチング素子の温度上昇が最も大きい。カゴ7の加速度が低下すると、加速中にスイッチング素子に流れる電流が減少する。カゴ7の速度が低下すると加速時間が減少し、スイッチング素子に大きな電流が流れる時間が短くなる。カゴ7の加速度又は速度が低下すると、スイッチング素子の温度上昇が抑制される。ファン風量が増加すると、スイッチング素子の温度が低下する。温度変化が抑制されると、スイッチング素子の寿命が延びる。
図9は、実施の形態3における温度上昇推定値と温度上昇閾値の関係図である。本実施の形態では、温度上昇閾値として、予めTLIMIT1及びTLIMIT2が設定されている。TLIMIT2は、TLIMIT1よりも大きい値である。TLIMIT1及びTLIMIT2は、スイッチング素子の温度上昇許容値に基づいて設定されている。以下、図9を参照して、カゴ7の加速度、カゴ7の速度及びファン風量の決定方法について説明する。なお、通常時におけるカゴ7の加速度はa0、カゴ7の速度はv0、ファン風量はf0とする。
TIrmsnがTLIMIT2以上である場合、設定変更手段26は、カゴ7の加速度、カゴ7の速度及びファン風量を変更する。設定変更手段26は、加速度をa1(a0>a1)に決定する。設定変更手段26は、速度をv1(v0>v1)に決定する。設定変更手段26は、ファン風量をf1(f1>f0)に決定する。
TIrmsnがTLIMIT1以上かつTLIMIT2未満である場合、設定変更手段26は、カゴ7の加速度又はカゴ7の速度のいずれか及びファン風量を変更する。加速度が変更される場合、設定変更手段26は、加速度をa1に決定する。速度が変更される場合、設定変更手段26は、速度をv1に決定する。加速度又は速度のどちらが変更される場合であっても、設定変更手段26は、ファン風量をf1に決定する。
なお、TIrmsnがTLIMIT1未満である場合、設定変更手段26は、カゴ7の加速度、カゴ7の速度及びファン風量を変更しない。この場合、設定変更手段26は、加速度をa0、速度をv0、ファン風量をf0に決定する。
図10は、実施の形態3におけるエレベータ制御装置の動作を示すフローチャートである。以下、図10を参照して、本実施の形態におけるエレベータ制御装置の動作を説明する。
本実施の形態におけるステップS301〜S306及びS311の動作は、実施の形態1におけるステップS101〜S106及びS111の動作と同様である。
設定変更手段26は、ステップS306で算出されたTIrmsnがTLIMIT1以上であるか否かを判定する(ステップS307)。
ステップS307で、TIrmsnがTLIMIT1以上である場合、設定変更手段26は、TIrmsnがTLIMIT2以上であるか否かを判定する(ステップS308)。一方、ステップS307で、TIrmsnがTLIMIT1未満である場合、設定変更手段26は、カゴ7の加速度をa0、カゴ7の速度をv0、ファン風量をf0のままとする。
ステップS308で、TIrmsnがTLIMIT2以上である場合、設定変更手段26は、カゴ7の加速度、カゴ7の速度及びファン風量を変更する(ステップS309)。ステップS309において、設定変更手段26は、加速度をa0からa1(a0>a1)に変更する。設定変更手段26は、速度をv0からv1(v0>v1)に変更する。設定変更手段26は、ファン風量をf0からf1(f1>f0)に変更する。
一方、TIrmsnがTLIMIT1以上かつTLIMIT2未満である場合、設定変更手段26は、カゴ7の加速度又はカゴ7の速度のいずれか及びファン風量を変更する(ステップS310)。ステップS310において、加速度が変更される場合、設定変更手段26は、加速度をa0からa1(a0>a1)に変更する。速度が変更される場合、設定変更手段26は、速度をv0からv1(v0>v1)に変更する。また、設定変更手段26は、ファン風量をf0からf1(f1>f0)に変更する。
このようにして、設定変更手段26は、加速度、速度及びファン風量を決定する。さらに、設定変更手段26は、決定された加速度及び速度でカゴ7が走行されるようにPWM搬送波のキャリア周波数を決定する。
上述したとおり、本実施の形態において、設定変更手段26は、温度上昇推定値に基づいて、カゴ7の走行開始前にカゴ7の加速度及びカゴ7の速度を決定する。設定変更手段26は、決定された加速度及び速度でカゴ7が走行されるようにPWM搬送波のキャリア周波数を決定する。つまり、従来カゴの走行中に行われていたキャリア周波数の変更を、カゴの走行開始前に行う。また、設定変更手段26は、温度上昇推定値に基づいて、カゴ7の走行開始前にファン風量を変更する。これにより、カゴの走行開始前に、スイッチング素子の温度上昇を予防することができる。このため、スイッチング素子の温度上昇推定値が温度上昇許容値を超過することを未然に防止できる。その結果、スイッチング素子の寿命を延ばすことができる。
上述したとおり、本実施の形態では、温度上昇推定値がTLIMIT1以上かつTLIMIT2未満である場合、設定変更手段26は、カゴ7の加速度又は速度のいずれかを低下させる。温度上昇推定値がTLIMIT2以上である場合、設定変更手段26は、カゴ7の加速度及び速度の双方を低下させる。このため、スイッチング素子の温度上昇を低減させつつ、エレベータの運搬能力の低下を最小限に抑制することができる。
上述したとおり、本実施の形態では、ファン風量を増加させることでスイッチング素子の温度を低下させている。しかし、カゴ7の減速中はファン風量を減少させることとしてもよい。カゴ7の減速中はスイッチング素子に流れる電流値が小さいので、スイッチング素子の温度が低下する。このため、カゴ7の減速中にファン風量を減少させることでスイッチング素子の過剰な冷却を防ぐことができる。これにより、スイッチング素子の温度変化量を小さくすることができる。
実施の形態1乃至3では、算出された各走行期間中における実効電流の積算値に基づいて、温度上昇推定値を算出している。そして、カゴ7の走行開始前に、温度上昇推定値に基づいてキャリア周波数を決定している。しかし、実際の電流検出値に基づいて、実効電流の積算値及び温度上昇推定値を再計算することとしてもよい。具体的には、例えば、複数回の走行が行われる場合、1走行完了毎に、その走行期間中における実効電流として算出された値が実際の電流検出値で置き換えられる。電流実効値積算手段24は、実際の電流検出値を使用して実効電流の積算値を再計算する。温度上昇推定手段25は、再計算された新しい積算値に基づいて、温度上昇推定値を再計算する。設定変更手段26は、再計算された新しい温度上昇推定値に基づいてキャリア周波数を再決定する。本構成によれば、1走行完了毎に温度上昇推定値の精度が向上する。このため、温度推定誤差を抑制し、より確実にスイッチング素子の温度上昇を予防することができる。その結果、スイッチング素子の寿命を延ばすことができる。
実施の形態1乃至3では、式(1)を用いて図2に示す1走行期間中における実効電流Irms1を算出している。しかし、T0、T2、T4、T6、T8及びT10を考慮して算出することとしてもよい。この場合、Irms1の値の精度を向上させることができる。これにより、温度推定誤差を抑制し、より確実にスイッチング素子の温度上昇を予防することができる。その結果、スイッチング素子の寿命を延ばすことができる。
実施の形態4.
図11は、実施の形態4におけるエレベータ制御装置を備えたエレベータシステムの構成図である。以下、実施の形態2との相違点を中心に本実施の形態について説明する。
本実施の形態において、制御ブロック14は、実効電流算出手段23の代わりに記憶手段29を備えている。制御ブロック14は、電流実効値積算手段24の代わりに温度上昇積算手段30を備えている。
記憶手段29は、温度上昇テーブルを記憶している。温度上昇テーブルには、スイッチング素子の温度上昇値が含まれている。温度上昇値とは、カゴ7の走行距離及び積載量に対応した値として予め設定されたものである。記憶手段29は、走行距離及び積載量に基づいて、温度上昇テーブルから温度上昇値を選択する。複数回の走行が行われる場合、記憶手段29は、各走行について温度上昇値を選択する。
温度上昇積算手段30は、温度上昇テーブルから選択された各走行における温度上昇値を積算する。これにより、温度上昇値の積算値が算出される。
本実施の形態において、温度上昇推定手段25は、一次フィルタを介して、温度上昇値の積算値からスイッチング素子の温度上昇を推定する。これにより、スイッチング素子の温度上昇推定値Tnが算出される。
図12は、実施の形態4におけるエレベータ制御装置の動作を示すフローチャートである。以下、図12を参照して、本実施の形態のエレベータ制御装置の動作を説明する。
ステップS401の動作は、実施の形態2におけるステップS201の動作と同様である。ステップS403の動作は、実施の形態2におけるステップS203の動作と同様である。
記憶手段29は、温度上昇テーブルを参照し、ステップS401で算出されたカゴ7の走行距離及びステップS403で検出された積載量に基づいて温度上昇値を選択する。(ステップS404)。
温度上昇積算手段30は、ステップS404で選択された温度上昇値の積算値を算出する(ステップS405)。
温度上昇推定手段25は、ステップS405で算出された積算値に基づいて温度上昇推定値Tnを算出する(ステップS406)。
本実施の形態におけるステップS407〜S411の動作は、実施の形態2におけるステップS207〜S211の動作と同様である。ただし、実施の形態2における「TIrmsn」は、「Tn」に読み替える。
上述したとおり、本実施の形態では、記憶手段29が、カゴ7の走行距離及びカゴ負荷として検出された積載量に基づいて、スイッチング素子の温度上昇値を温度上昇テーブルから選択する。温度上昇推定手段25は、温度上昇値の積算値に基づいて、スイッチング素子の温度上昇推定値を算出する。設定変更手段26は、温度上昇推定値に基づいて、カゴ7の走行開始前にキャリア周波数を決定する。つまり、従来カゴの走行中に行われていたキャリア周波数の変更を、カゴの走行開始前に行う。これにより、カゴの走行開始前に、スイッチング素子の温度上昇を予防することができる。このため、スイッチング素子の温度上昇推定値が温度上昇許容値を超過することを未然に防止できる。その結果、スイッチング素子の寿命を延ばすことができる。
上述したとおり、本実施の形態では、設定変更手段26は、温度上昇推定値がTLIMIT1以上かつTLIMIT2未満である場合、無負荷下降運転時にのみキャリア周波数を低下させる。これにより、本実施の形態では、キャリア周波数が低下する期間を、カゴ7に利用者が乗車していない時に限定している。このため、例えば、モータトルクリップルの増加のような制御性能の悪化の影響を利用者に与えることがない。その結果、エレベータ利用者の快適性を損なわないエレベータ制御装置を実現できる。
実施の形態5.
本実施の形態におけるエレベータシステムの構成図は、図11と同様である。以下、実施の形態3との相違点を中心に本実施の形態について説明する。
本実施の形態において、制御ブロック14は、実効電流算出手段23の代わりに記憶手段29を備えている。制御ブロック14は、電流実効値積算手段24の代わりに温度上昇積算手段30を備えている。
記憶手段29は、温度上昇テーブルを記憶している。温度上昇テーブルには、スイッチング素子の温度上昇値が含まれている。温度上昇値とは、カゴ7の走行距離及び積載量に対応した値として予め設定されたものである。記憶手段29は、走行距離及び積載量に基づいて、温度上昇テーブルから温度上昇値を選択する。複数回の走行が行われる場合、記憶手段29は、各走行について温度上昇値を選択する。
温度上昇積算手段30は、温度上昇テーブルから選択された各走行における温度上昇値を積算する。これにより、温度上昇値の積算値が算出される。
本実施の形態において、温度上昇推定手段25は、一次フィルタを介して、温度上昇値の積算値からスイッチング素子の温度上昇を推定する。これにより、スイッチング素子の温度上昇推定値Tnが算出される。
図13は、実施の形態5におけるエレベータ制御装置の動作を示すフローチャートである。以下、図13を参照して、本実施の形態におけるエレベータ制御装置の動作を説明する。
ステップS501の動作は、実施の形態3におけるステップS301の動作と同様である。ステップS503の動作は、実施の形態3におけるステップS303の動作と同様である。
記憶手段29は、温度上昇テーブルを参照し、ステップS501で算出されたカゴ7の走行距離及びステップS503で検出された積載量に基づいて温度上昇値を選択する。(ステップS504)。
温度上昇積算手段30は、ステップS504で選択された温度上昇値の積算値を算出する(ステップS505)。
温度上昇推定手段25は、ステップS505で算出された積算値に基づいて温度上昇推定値Tnを算出する(ステップS506)。
本実施の形態におけるステップS507〜S511の動作は、実施の形態3におけるステップS307〜S311の動作と同様である。ただし、実施の形態3における「TIrmsn」は、「Tn」に読み替える。
上述したとおり、本実施の形態では、記憶手段29が、カゴ7の走行距離及びカゴ負荷として検出された積載量に基づいて、スイッチング素子の温度上昇値を温度上昇テーブルから選択する。温度上昇推定手段25は、温度上昇値の積算値に基づいて、スイッチング素子の温度上昇推定値を算出する。設定変更手段26は、温度上昇推定値に基づいて、カゴ7の走行開始前にカゴ7の加速度及びカゴ7の速度を決定する。設定変更手段26は、決定された加速度及び速度でカゴ7が走行されるようにPWM搬送波のキャリア周波数を決定する。つまり、従来カゴの走行中に行われていたキャリア周波数の変更を、カゴの走行開始前に行う。また、設定変更手段26は、温度上昇推定値に基づいて、カゴ7の走行開始前にファン風量を変更する。これにより、カゴの走行開始前に、スイッチング素子の温度上昇を予防することができる。このため、スイッチング素子の温度上昇推定値が温度上昇許容値を超過することを未然に防止できる。その結果、スイッチング素子の寿命を延ばすことができる。
上述したとおり、本実施の形態では、温度上昇推定値がTLIMIT1以上かつTLIMIT2未満である場合、設定変更手段26は、カゴ7の加速度又は速度のいずれかを低下させる。温度上昇推定値がTLIMIT2以上である場合、設定変更手段26は、カゴ7の加速度及び速度の双方を低下させる。このため、スイッチング素子の温度上昇を低減させつつ、エレベータの運搬能力の低下を最小限に抑制することができる。
上述したとおり、本実施の形態では、ファン風量を増加させることでスイッチング素子の温度を低下させている。しかし、カゴ7の減速中はファン風量を減少させることとしてもよい。カゴ7の減速中はスイッチング素子に流れる電流値が小さいので、スイッチング素子の温度が低下する。このため、カゴ7の減速中にファン風量を減少させることでスイッチング素子の過剰な冷却を防ぐことができる。これにより、スイッチング素子の温度変化量を小さくすることができる。
本発明では、従来カゴの走行中に行われていたキャリア周波数の変更が、カゴの走行開始前に行われる。このため、本発明によれば、走行中のキャリア周波数の変更に起因するカゴ内振動の悪化をエレベータ利用者に感じさせることがない。本発明では、スイッチング素子の温度上昇が推定されるため、長時間保護について考慮することができる。このため、本発明によれば、スイッチング素子の寿命を従来と比較して長くすることができる。本発明は、想定範囲を超えるようなエレベータの連続運転におけるスイッチング素子の温度上昇に対しても有効である。本発明によれば、速度パターンで零速制御を考慮することによって、精度の高い温度上昇の推定が可能となる。
ここで、スイッチング素子が、ワイドバンドギャップ半導体からなるMOSFET(電界効果トランジスタ)により形成されている場合について述べる。この場合、スイッチング損失及び定常損失等が低損失であるという特徴を活かして、損失によって発生していたモジュールの発熱を軽減できる。このため、従来のSiモジュールと同等に損失を抑えたまま、キャリア周波数を上げて制御性能を向上することが可能となる。本発明によれば、スイッチング素子の温度上昇推定値が温度上昇許容値を超過すると推定された場合は、従来と同等性能を実現できる程度までキャリア周波数を下げるように制御することができる。その結果、スイッチング素子を温度変化から保護しつつ、制御性能の劣化を防止することができる。なお、ワイドバンドギャップ半導体とは、例えば、SiC(炭化ケイ素)、窒化ガリウム系材料又はダイヤモンド等である。
実施の形態1乃至5では、図1及び図11に示すように、トラクション式エレベータを制御するエレベータ制御装置について説明している。トラクション式エレベータのローピングは、例えば、1:1ローピング又は2:1ローピング等、任意である。昇降路の上部には、図示しないそらせ車が必要に応じて配置される。この場合、吊りロープ6は、綱車3及びそらせ車に巻き回される。なお、本発明は、巻胴式等のエレベータを制御するエレベータ制御装置に適用してもよい。
実施の形態1乃至5では、電動機に電力を供給する電力変換装置としてインバータを用いる場合について説明している。しかし、本発明は、電動機に電力を供給するための電源側に設けられる電力変換装置としてコンバータを用いる場合に、コンバータのスイッチング素子に対して適用することもできる。
以上のように、本発明に係るエレベータ制御装置は、電力変換装置により電動機を駆動してカゴを走行させるエレベータに利用できる。
1 巻上機、2 同期電動機、3 綱車、4 ブレーキ、5 エンコーダ、6 吊りロープ、7 カゴ、8 秤装置、9 釣合い錘、10 インバータ、11 ファン電源、12 現在階床認識手段、13 走行先階床認識手段、14 制御ブロック、15 走行距離算出手段、16 カゴ負荷検出手段、17 速度パターン生成手段、18 速度制御器、19 電流制御器、20 PWM発生器、21 PWM比較回路、22 ベースドライブ回路、23 実効電流算出手段、24 電流実効値積算手段、25 温度上昇推定手段、26 設定変更手段、27 第1の判定手段、28 第2の判定手段、29 記憶手段、30 温度上昇積算手段
本発明に係るエレベータ制御装置は、現在階から走行先階までのカゴの走行距離を算出する走行距離算出手段と、走行距離算出手段により算出された走行距離に基づいて、カゴを走行させる電動機を駆動する電力変換装置のスイッチング素子の温度上昇推定値を算出する温度上昇推定手段と、カゴの走行開始前に、温度上昇推定手段により算出された温度上昇推定値に基づいて、電力変換装置を制御するためのキャリア周波数を決定する設定変更手段と、走行距離算出手段により算出された走行距離に基づいて速度指令を出力する速度パターン生成手段と、カゴの積載量を検出するカゴ負荷検出手段と、を備え、温度上昇推定手段は、速度指令及びカゴ負荷検出手段により検出された積載量に基づいてスイッチング素子の温度上昇推定値を算出し、設定変更手段は、速度指令及びカゴ負荷検出手段により検出された積載量からカゴが無負荷下降運転されていると判定された場合にキャリア周波数を低下させ、カゴが無負荷下降運転されていると判定されなかった場合にはキャリア周波数を低下させないものである。
また、本発明に係るエレベータ制御装置は、現在階から走行先階までのカゴの走行距離を算出する走行距離算出手段と、走行距離算出手段により算出された走行距離に基づいて、カゴを走行させる電動機を駆動する電力変換装置のスイッチング素子の温度上昇推定値を算出する温度上昇推定手段と、カゴの走行開始前に、温度上昇推定手段により算出された温度上昇推定値に基づいて、電力変換装置を制御するためのキャリア周波数を決定する設定変更手段と、走行距離算出手段により算出された走行距離に基づいて速度指令を出力する速度パターン生成手段と、カゴの積載量を検出するカゴ負荷検出手段と、速度指令及びカゴ負荷検出手段により検出された積載量に基づいて、カゴの走行期間中に電力変換装置から電動機に供給される実効電流の値を算出する実効電流算出手段と、実効電流算出手段により算出された各走行期間中における実効電流の値を積算して実効電流の積算値を算出する電流実効値積算手段と、を備え、温度上昇推定手段は、電流実効値積算手段により算出された積算値に基づいてスイッチング素子の温度上昇推定値を算出し、電流実効値積算手段は、電力変換装置から電動機に供給されている実際の電流検出値に基づいて実効電流の積算値を再計算し、温度上昇推定手段は、再計算された実効電流の積算値に基づいてスイッチング素子の温度上昇推定値を再計算するものである。
また、本発明に係るエレベータ制御装置は、現在階から走行先階までのカゴの走行距離を算出する走行距離算出手段と、走行距離算出手段により算出された走行距離に基づいて、カゴを走行させる電動機を駆動する電力変換装置のスイッチング素子の温度上昇推定値を算出する温度上昇推定手段と、カゴの走行開始前に、温度上昇推定手段により算出された温度上昇推定値に基づいて、電力変換装置を制御するためのキャリア周波数を決定する設定変更手段と、走行距離算出手段により算出された走行距離に基づいて速度指令を出力する速度パターン生成手段と、カゴの積載量を検出するカゴ負荷検出手段と、カゴの走行距離及びカゴの積載量に対応したスイッチング素子の温度上昇値の温度上昇テーブルを記憶している記憶手段と、を備え、温度上昇推定手段は、温度上昇テーブルから走行距離算出手段により算出された走行距離及びカゴ負荷検出手段により検出された積載量に応じて選択された温度上昇値に基づいて、スイッチング素子の温度上昇推定値を算出し、設定変更手段は、速度指令及びカゴ負荷検出手段により検出された積載量からカゴが無負荷下降運転されていると判定された場合にキャリア周波数を低下させ、カゴが無負荷下降運転されていると判定されなかった場合にはキャリア周波数を低下させないものである。

Claims (10)

  1. 現在階から走行先階までのカゴの走行距離を算出する走行距離算出手段と、
    前記走行距離算出手段により算出された走行距離に基づいて、前記カゴを走行させる電動機を駆動する電力変換装置のスイッチング素子の温度上昇推定値を算出する温度上昇推定手段と、
    前記カゴの走行開始前に、前記温度上昇推定手段により算出された温度上昇推定値に基づいて、前記電力変換装置を制御するためのキャリア周波数を決定する設定変更手段と、
    を備えたエレベータ制御装置。
  2. 前記設定変更手段は、前記カゴの走行開始前に、前記温度上昇推定手段により算出された温度上昇推定値に基づいて、前記カゴの走行中における前記カゴの加速度、前記カゴの速度及び前記電力変換装置を冷却するファンの風量を決定する請求項1に記載のエレベータ制御装置。
  3. 前記走行距離算出手段により算出された走行距離に基づいて速度指令を出力する速度パターン生成手段と、
    前記カゴの積載量を検出するカゴ負荷検出手段と、
    を備え、
    前記温度上昇推定手段は、前記速度指令及び前記カゴ負荷検出手段により検出された積載量に基づいて前記スイッチング素子の温度上昇推定値を算出する請求項1又は2に記載のエレベータ制御装置。
  4. 前記速度指令及び前記カゴ負荷検出手段により検出された積載量に基づいて、前記カゴの走行期間中に前記電力変換装置から前記電動機に供給される実効電流の値を算出する実効電流算出手段と、
    前記実効電流算出手段により算出された各走行期間中における実効電流の値を積算して実効電流の積算値を算出する電流実効値積算手段と、
    を備え、
    前記温度上昇推定手段は、前記電流実効値積算手段により算出された積算値に基づいて前記スイッチング素子の温度上昇推定値を算出する請求項3に記載のエレベータ制御装置。
  5. 前記電流実効値積算手段は、前記電力変換装置から前記電動機に供給されている実際の電流検出値に基づいて実効電流の積算値を再計算し、
    前記温度上昇推定手段は、再計算された実効電流の積算値に基づいて前記スイッチング素子の温度上昇推定値を再計算する請求項4に記載のエレベータ制御装置。
  6. 前記走行距離算出手段により算出された走行距離に基づいて速度指令を出力する速度パターン生成手段と、
    前記カゴの積載量を検出するカゴ負荷検出手段と、
    前記カゴの走行距離及び前記カゴの積載量に対応したスイッチング素子の温度上昇値の温度上昇テーブルを記憶している記憶手段と、
    を備え、
    前記温度上昇推定手段は、前記温度上昇テーブルから前記走行距離算出手段により算出された走行距離及び前記カゴ負荷検出手段により検出された積載量に応じて選択された温度上昇値に基づいて、前記スイッチング素子の温度上昇推定値を算出する請求項1又は2に記載のエレベータ制御装置。
  7. 前記設定変更手段は、前記速度指令及び前記カゴ負荷検出手段により検出された積載量から前記カゴが無負荷下降運転されていると判定された場合にキャリア周波数を低下させ、前記カゴが無負荷下降運転されていると判定されなかった場合にはキャリア周波数を低下させない請求項3乃至6のいずれか1項に記載のエレベータ制御装置。
  8. 前記設定変更手段は、前記温度上昇推定手段により算出された温度上昇推定値が前記スイッチング素子の温度上昇許容値を超過しないようにキャリア周波数を決定する請求項1乃至7のいずれか1項に記載のエレベータ制御装置。
  9. 前記スイッチング素子は、ワイドバンドギャップ半導体によって形成された請求項1乃至8のいずれか1項に記載のエレベータ制御装置。
  10. 前記ワイドバンドギャップ半導体はSiCである請求項9に記載のエレベータ制御装置。
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