JPH0664853A - エレベーターのレベル制御装置 - Google Patents

エレベーターのレベル制御装置

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JPH0664853A
JPH0664853A JP4219332A JP21933292A JPH0664853A JP H0664853 A JPH0664853 A JP H0664853A JP 4219332 A JP4219332 A JP 4219332A JP 21933292 A JP21933292 A JP 21933292A JP H0664853 A JPH0664853 A JP H0664853A
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JP
Japan
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level
car
elevator
load
control device
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JP4219332A
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English (en)
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Masaaki Nakazato
眞朗 中里
Toshio Meguro
都志雄 目黒
Hiromi Inaba
博美 稲葉
Sadao Hokari
定夫 保苅
Takeyoshi Ando
武喜 安藤
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Hitachi Ltd
Hitachi Building Systems Engineering and Service Co Ltd
Hitachi Building Systems Engineering Co Ltd
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Hitachi Ltd
Hitachi Building Systems Engineering and Service Co Ltd
Hitachi Building Systems Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロープの伸びによる乗りかごのレベルの変動
の幅を小さくする。 【構成】 乗りかご1に荷重検出用の作動トランス23
を設け、ドア開停止時に荷重の変化が検出されると、電
磁制動機8を開放し、連続位置速度指令装置9からの信
号により巻上電動機6を制御し、乗りかごのレベル補正
制御を行う。巻上電動機6は、二巻線三相誘導電動機が
用いられ、レベル補正制御時に、片方の電動機のみを使
用して消費電力の低減を図ることができる。階床停止時
間の短い運転の時には、制動機を掛けない運転モードと
することも可能である。 【効果】 長行程エレベーターの下層階でのロープ伸び
によるレベル変動量を少なくでき、乗客の躓き事故を大
幅に低減させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エレベーターのレベル
制御装置に係り、特に、かごの荷重変化に基ずくロープ
の伸び量の変化によるかご停止レベルのずれを無くすた
めに使用して好適なエレベーターのレベル制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、エレベーターは、乗客用、荷物
用共に高度のレベル制御機能が要求されている。レベル
制御とは、停止状態のかごの床のレベルとホールフロア
のレベルとの間の差をできるだけ少なくするようにかご
の停止レベルを制御することである。このレベル制御
は、走行してきたエレベーターが減速し着床するときの
着床制御のみならず、高階床エレベーターにおいては、
停止中に乗客や荷物の乗降によりかご荷重が変化し、吊
り下げロープの伸び量が変化することによってかごのレ
ベルが変化してしまう場合のレベルの補正制御も含まれ
る。
【0003】この種のロープの伸びによるレベル補正制
御に関する従来技術として、例えば、特開昭63−18
0687号公報等に記載された技術が知られている。
【0004】この従来技術は、乗りかごの着床ゾーンに
設けられた連続位置速度指令装置の出力電圧と基準値と
を比較し、基準値を越える程のレベル変化が生じた場
合、制動機を開放して、前記連続位置速度指令装置から
の指令に応じてレベル補正を行うというものである。
【0005】以下、この従来技術を図面により説明す
る。
【0006】図7は従来技術によるエレベーターのレベ
ル制御装置の構成を示すブロック図、図8は連続位置速
度指令装置の特性を説明する図、図9は従来技術のレベ
ル補正制御装置の動作を説明するタイムチャート、図1
0は従来技術のレベル補正制御装置の補正信号を作成す
る方法を説明する図である。図7において、1は乗りか
ご、2は釣合い錘、3は巻上機の綱車、4はそらせ車、
5はロープ、6は電動機、7はエレベーター制御装置、
8は電磁制動機、9は前記乗りかご1に取り付けられた
連続位置速度指令装置、10はエレベーター塔内の各階
着床ゾーンに取り付けられた前記連続位置速度指令装置
9用遮蔽板、11は前記連続位置速度指令装置の出力を
エレベーター制御装置7に伝送するテールコードであ
る。
【0007】図7に示す従来技術において、連続位置速
度指令装置9は、乗りかご1の停止中に、乗りかご1の
ホール床位置からのずれを検出して、図8に示すよう
な、かご位置のずれに対応する速度指令を出力する。エ
レベーター制御装置7は、図10に示すように、この速
度指令の絶対値と基準値とを比較して、速度指令が基準
値を超えた場合に、乗りかご1に対する位置の補正制御
を行う。
【0008】いま、乗りかごが満員状態で最下階に到着
し、ほぼ全員が乗りかごから降りる場合を想定して従来
技術を説明する。
【0009】エレベーターのドアが開くと、乗客はドア
に近い者から順々にかごから降りる。このとき、電磁制
動機8は、エレベーターの停止と同時に作動しているの
で、乗客が降りて軽くなった分かご側のロープが短くな
り、乗りかご1の位置が上昇する。
【0010】かご位置が上昇すると連続位置速度指令装
置9の出力電圧がそれに比例して大きくなり、基準値よ
り大きくなるとレベル補正制御信号が出力され、電磁制
動機8が開放される。すると、連続位置速度指令装置に
よりエレベーターは、低速度で運転制御され、着床レベ
ルがほぼ“0”となるように、すなわち、乗りかご1の
床がホールの床に一致するするように制御される。そし
て、電磁制動機も再度作動し、一連の制御を終了する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術によ
るレベル補正方法は、ビルの高さが百数十m程度の場
合、充分な補正を行うことができる。しかし、ビルの高
さが200m〜500mの超々高層ビルに設置されたエレベー
ターの場合、ロープ長さ長くなってバネ定数が小さくな
り、単位荷重当たりのレベルの変化量が大きくなり、例
えば、行程500mのエレベーターでは、最下階で満員
〈ex.24人〉から0人になると、かごレベルが15
0mm程度も上昇する。
【0012】このため、前述した従来技術は、このよう
な超々高層ビルに設置されたエレベーターに適用した場
合、ロープ伸びによる補正制御の作動回数が飛躍的に増
加するという問題点を生じてしまう。
【0013】図9はその状態を示したものであり、満員
で基準階到着時には、かご床レベルをホール床レベルに
維持しようとして、休み無くレベル補正制御が行われ、
かごレベルがふわふわと上下することになる。
【0014】このため、前述の従来技術は、乗客が躓い
て転倒事故を発生させる確率が増加し、危険が大きいと
いう問題点を生じてしまう。
【0015】なお、図9において、ブレーキ開放時のレ
ベルの上昇は、起動時の不平衡荷重補正指令に狂いが生
じているために発生するものである。
【0016】本発明の目的は、前述した従来技術の問題
点を解決し、特に、長行程のエレベーターに適用した場
合に、レベルの変動の幅を小さくすることができ、電力
消費の少ないエレベーターのレベル制御装置を提供する
ことにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明によれば前記目的
は、乗りかごの停止中制動機を掛けることなくレベル補
正制御を行う運転モードを持たせるようにすることによ
り、また、かご荷重の変動情報、例えば、かご荷重の微
分値を検出し、かご荷重の変動が生じている間、電磁制
動機を開放し続け、レベルゾーンに設けられた連続位置
速度指令装置の出力指令に応じて、かご位置を電気的に
制御して、乗りかごのレベルを維持するようにすること
により達成される。
【0018】また、前記目的は、巻上用電動機として2
巻線電動機またはタンデム形電動機を使用し、レベル補
正制御時、そのうちの一方の電動機を使用するようにす
ることにより達成される。
【0019】
【作用】本発明は、かご荷重検出装置の出力を微分する
ことによりかご荷重の変動情報を得、かご荷重に変動が
発生したら所定時間電磁制動機を励磁し続けて該制動機
を解放し続けて、かご位置の補正を行うようにしてい
る。従って、この間に新たな荷重変動が発生すれば、前
記タイマーは初期状態に戻り、制動機の開放時間が延長
される。
【0020】乗客全員が降りて荷重変動がなくなると、
所定時間後に制動機が作動し、電動によるかご保持を中
止し、余分な電力消費の防止が図られる。なお、乗りか
ごの停止時間が短い場合、制動機を掛けることなく、そ
のまま乗りかごを次の運転に移行させることができる。
【0021】また、乗りかごがビルの上部に位置し、か
ごと巻上機間のロープ長が短い状態の場合、本発明によ
るレベル補正制御の効果が少なく、逆に電力消費量がふ
えるので、かごの階床位置信号によって、前記本発明の
レベル補正制御の起動を抑制するようにすることもでき
る。
【0022】
【実施例】以下、本発明によるエレベーターのレベル制
御装置の一実施例を図面により詳細に説明する。
【0023】図1は本発明の一実施例の全体構成を示す
ブロック図、図2は速度制御系を説明する図、図3は分
配器の分配特性を説明する図、図4はレベル補正出力発
生回路の構成を示すブロック図、図5、図6はレベル補
正制御を説明するタイムチャートである。図1、図2、
図4において、6a、6bは電動機、12a、12bは
インバータ、13a、13bはコンバータ、15a、1
5b、16a、16bはパルス幅変調制御装置、18は
速度制御用マイコン、19は運転制御用マイコン、20
はエンコーダ、18−4は分配器、23は差動トラン
ス、26は微分回路、27は絶対値回路であり、他の符
号は図7の場合と同一である。
【0024】図1に示す本発明の一実施例は、巻上用の
電動機6として、3相2巻線の誘導電動機を使用するも
のとして示しており、6aはA系の電動機、6bはB系
の電動機であり、いずれも綱車3と軸直結で結ばれてい
る。
【0025】この誘導電動機6a、6bは、可変電圧・
可変周波数のインバータの主回路部12a、12bによ
り駆動され、このインバータ12a、12bは、コンバ
ータの主回路部13a、13bから直流電力が供給され
る。図示実施例は、インバータとして、リアクトル14
a、14bで接続される電流型インバータを例として示
している。
【0026】このインバータ主回路12a、12bを構
成するトランジスタは、通常高速のマイクロコンピュー
タで構成されるパルス幅変調制御装置15a、15bに
より、その点弧が制御される。また、前記コンバータ主
回路13a、13bは、これも通常高速のマイクロコン
ピュータで構成されるパルス幅変調制御装置16a、1
6bにより、電流変成器17a、17bで検出される主
回路の電流が、所定の電流値になるように制御される。
【0027】エレベーターの速度制御全般を司るマイク
ロコンピュータ18と、エレベーターの運転制御(シー
ケンス)を司るマイクロコンピュータ19とは、相互に
情報交換、監視を行って、エレベーターの運行を制御し
ている。
【0028】電磁制動機8のコイル8aは、前記マイク
ロコンピュータ19に接続されており、ロータリエンコ
ーダ20は、綱車軸に取り付けられた電動機の速度を検
出し、その出力をマイクロコンピュータ18に送出して
いる。かご上に取り付けられた連続位置速度指令装置9
は、各階レベルゾーンに取り付けられた遮蔽板10との
位置関係により、かご一を補正する指令を出力するもの
であり、従来技術で説明したと同様な図8に示す出力特
性を持つ。そして、この連続位置速度指令装置9の出力
は、テールコード11を介してマイクロコンピュータ1
8に接続される。
【0029】乗りかご1の内箱21は、防振ゴム22を
介してかご1内に支持されており、内箱21の床下に
は、かご内荷重を検出する差動トランス23が設けられ
ており、その出力はマイクロコンピュータ18に接続さ
れている。前記コンバータ13a、13bに対する電力
は、三相電源25から、主回路電力開閉用電磁接触器2
4a、24bを介して供給される。
【0030】次に、前述の本発明の一実施例におけるエ
レベーターの速度制御を図2を参照して説明する。
【0031】本発明の一実施例は、電流型インバータに
よりエレベーターを制御するものであり、この方式によ
る速度制御の詳細については種々の文献、例えば、「日
立評論Vol.68、No.6、p.59〜64」、「電気
学会発行の単行本“半導体電力変換回路”のp.212
〜214」、「電気書院発行の電気計算臨時増刊Vol.5
4、No.8、“使えるディジタル技術”p.269〜2
77」等に記載されているので、ここでは速度制御の全
般についての説明を省略し、本発明に関係するところの
み説明する。
【0032】図2において、エレベーターの呼びが発生
すると、速度指令発生回路18−1は、エレベーターの
位置との関係で上昇運転の速度パターンまたは下降運転
の速度パターンを作成して出力する。このパターンは、
マイクロコンピュータ(以下、マイコンという)18の
中で演算されて出力される。比例積分回路18−2は、
前記速度指令発生回路18−1の出力とロータリエンコ
ーダ20からのエレベーター実速度ωrとの差を入力と
して、その差を無くすために必要な電動機6に対するト
ルク指令Tsを発生する。この指令も、マイコン18の
中で演算処理されて出力される。
【0033】加算器18−3は、前記電動機6に対する
トルク指令Tsと、乗りかごと釣合い錘との不平衡トル
クTLを加算する。この処理もマイコン18の中で演算
されて行われるが、この処理はエレベーター起動時のみ
行われる。この加算器からのトルク指令は、分配器18
−4に加えられ、分配指令器18−5指令により、2つ
のトルク指令TSAとTSBとに分配する。
【0034】この分配器18−4の分配特性は図3に示
すような特性を持っており、分配指令器18−5の出力
が1.0であれば、トルク指令Tsは全てaポート側、
すなわち、トルク指令TSAとして分配され、0.5であ
れば半々に分配される。
【0035】分配されたトルク指令TSA、TSBは、それ
ぞれ、A系インバータの定数変換回路18−6及びB系
の定数変換回路18−7に与えられ、A系トルク指令T
SAがA系三相誘導電動機6aのトルク電流指令ITAに、
また、B系トルク指令TSBがB系三相誘導電動機6bの
トルク電流指令ITBに変換される。これらの変換処理も
マイコン18で演算処理されて行われる。
【0036】三相誘導電動機6aの1次電流指令演算回
路18−8、三相誘導電動機6bの1次電流指令演算回
路18−9のそれぞれは、前記トルク電流指令ITAと励
磁電流指令ImAとにより、また、トルク電流指令ITB
励磁電流指令ImBとにより、1次電流指令IA及びIB
算出する。これもマイコン18により演算処理される。
また、回路18−10は、トルク電流指令ITAと励磁電
流指令ImAとの電気的位相差θAを算出する回路であり、
これもマイコン18により処理される。同様に、回路1
8−11のB系の位相差θBの算出を行う。
【0037】定数変換回路18−12は、A系のトルク
指令TSAをA系電動機6aのすべり周波数ωSAに変換す
る回路であり、このすべり周波数ωSAは、エレベーター
の実速度の周波数ωrと加算されてA系インバータの周
波数指令ωAにされる。同様に、定数変換回路18−1
3は、B系のそれであり、B系のトルク指令TSBをB系
電動機6bのすべり周波数ωSBに変換する。すべり周波
数ωSBは、エレベーターの実速度の周波数ωrと加算さ
れてB系インバータの周波数指令ωBにされる。これら
の変換は、マイコン18により演算処理されて実行され
る。
【0038】前述した図2の速度制御系で作成された1
次電流指令IA、IB、位相指令θA、θB、周波数指令ω
A、ωBは、図1に示すように、それぞれ、A系、B系の
インバータ及びコンバータに対するパルス幅変調制御装
置15a、15b、16a、16bに入力され、すべり
周波数ベクトル制御により三相二巻線誘導電動機6を制
御する。
【0039】次に、本発明のかごレベル補正制御信号発
生回路について、図4を参照して説明する。
【0040】図4において、差動トランス23以外は図
1に示すマイコン18及び19によりソフトウェアで処
理される部分であるが、以下では、説明の都合上、ハー
ド的機能図で説明する。
【0041】微分回路26は、差動トランス23の出力
が変動すると、すなわち、かご内荷重が変動するとパル
ス出力を発生する。この場合、感度が良すぎると、かご
の余計な振動によっても出力が発生するので、所定のバ
ンド幅を持たせることが有効である。このかご内荷重の
変動を示すパルス出力は、絶対値回路27に加えられ、
負のパルス信号が正のパルス信号に変換され、荷重変動
の増加、減少に係わらず、荷重変動があると、正のパル
スとして絶対値回路27から出力される。
【0042】ワンショット回路28は、このパルス入力
があると所定時間Tの広幅のパルスを出力する。時間T
は、通常の乗客の乗り降りにおける荷重変化のインター
バルより少し長い3〜5秒程度に選ばれる。論理積回路
29は、前記ワンショット回路28の出力とドア開閉ゾ
ーン信号とドア開状態検出信号とエレベーター位置下層
状態信号との4つの信号全てが“1”、すなわち、全て
の信号がアクティブのとき、出力を“1”として、レベ
ル補正制御信号を出力するものである。
【0043】これにより、電磁制動機8のコイルが励磁
8aされ、制動機8が開放され、また、連続位置速度指
令装置9の作動信号も出力され、図2に示す速度指令切
替接点が2側に切り替わり、図8に記載した特性を持つ
連続位置速度指令装置9の指令がエレベーター速度制御
系の基準指令となり、エレベーターを駆動することとな
る。
【0044】次に、前述したように構成される本発明の
一実施例によるかごレベル補正制御装置の動作を図5を
参照して説明する。
【0045】図5の動作は、エレベーターが満員の状態
でビル下層の基準階に運転され、減速停止し、ドアが開
いて、乗客全員が降りるという条件の場合の動作を例と
して示している。
【0046】いま、エレベーターが減速停止してドアが
開くと、乗客は順々にかごから基準階ホールに降りる。
このため、かご内荷重は、通常1秒以内の間隔で変動が
あり、図4により説明した(ロ)の信号、すなわち、レ
ベル補正制御信号が出力され続けることになる。従っ
て、制動機8も開放の状態を維持し、連続位置速度指令
装置9の出力が電動機制御系の基準信号となり、かごの
床レベルが常にホールの床レベルに対し“0”(面一)
となるよう制御される。
【0047】前述の制御において、電動機制御系の応答
時定数は、0.2〜0.4秒程度であるで、荷重変動によ
るレベル狂いは数mm以内に収まり、全く問題ない。ま
た、この状態での電動機6の全トルク(A系、B系トル
クの和のトルク)は、乗りかご1と釣合い錘2の重さの
違いに基ずく不平衡トルクを補償するトルクを発生すれ
ばよく、これによりかご床レベルがホール床レベルとな
るように保持することができる。
【0048】通常、エレベーターは、乗りかご1の定員
の50%のかご荷重と釣合い錘と重量とが釣り合うよう
設計されるているので、かご荷重が50%以下になる
と、電動機トルクの回転方向は逆転する。
【0049】乗客が全て降り、かご荷重変動が無くな
り、所定の時間経過すると、図4により説明したワンシ
ョット回路28の出力がオフとなり、制動機8が動作
し、連続位置速度指令装置9の指令もカットされ、エレ
ベーターは機械的に保持されることになる。このとき、
インバータの出力もオフされることになる。
【0050】次に、引続き乗りかご1への乗客の乗り込
みが発生すれば、再度かご荷重の変動が生じることにな
るので、電磁制動機8が励磁され、前述と同様のレベル
補正制御が行われ、乗りかご1の床レベルが維持される
ことになる。
【0051】次に、図5による動作例に対し、省電力を
図ることを目的とした他の動作例を図6に示すレベル補
正制御を説明するタイムチャートを参照して説明する。
この例の場合の運転条件は図5の場合と同一であり、全
負荷で基準階に減速停止し、乗客全員が降車するものと
する。
【0052】乗りかご1が基準階に減速停止しドアが開
くと、乗客がかごから降りはじめ、荷重変動が発生し、
レベル補正信号がオンとなる。
【0053】このとき、図2により説明した分配指令器
18−5の出力を0.5から1.0に切替え、B系インバ
ータの出力トルクを“0”、すなわち、B系インバータ
を不動作とし、A系インバータとA系電動機6aのみで
不平衡トルクを補償するようにする。
【0054】通常、不平衡トルクは、加減速時に必要な
トルクに比較して、50%以下であるので、片方のイン
バータと電動機のみで充分な不平衡トルクの補償を行う
ことができる。そして、かご荷重変動がなくなれば、電
磁制動機8を動作させ、乗りかご1を機械的に保持し、
A系インバータもオフさせることは、図5の場合と同様
である。
【0055】前述した本発明の一実施例は、トルク指令
を零にしてインバータをオフさせるとき、トルク電流指
令のみならず、励磁電流指令も零にする回路を設けてい
るので、オフとなった電動機には励磁電流も流れなくな
り、レベル補正運転時の電動機の発熱を抑制することが
でき、電力消費量を低減することができる。
【0056】また、前述した本発明の一実施例は、レベ
ル補正制御のために、電動機を同一位置に停止させたま
ま長時間トルクを発生させることになるので、直流電動
機を使用する場合には、整流用ブラシ直下の整流子の加
熱の懸念があったが、本発明の一実施例では、篭型誘導
電動機を使用しているのでそのような恐れはない。
【0057】また、前述した本発明の一実施例は、前述
のように整流子の加熱の懸念が無いことと、二巻線電動
機のうちの一巻線のみを使用してトルク出力しすること
によりレベル補正を行うことができるので、その時間で
の電力消費も少なくすることができる。このため本発明
の一実施例は、ドア開停止時間の短い通常の運転モード
のときに、かご内荷重の変動を捉えることもなく、制動
機を開放のままエレベーターを次の運転に入らせること
ができる。
【0058】この方法によれば、電磁制動機の動作回数
を低減することができ、制動機の機械的摩耗の進展を遅
らせ、保守作業の軽減を図ることができるというメリッ
トが得られるほか、最良のトルクバランスの状態から次
の運転の起動を行うことができるので、ショックの全く
無い起動を行うことができるというメリットをも得るこ
とができる。
【0059】本発明一実施例によるレベル補正制御は、
レベル補正のための電動トルク発生時に多少の電力を消
費するので、かご内荷重の変化によりロープの伸びの発
生がレベルエラーに全く影響しない上層階では、使用す
る必要は無く、エレベーター停止後、直ちに電磁制動機
8を作動させるように制御してもよい。このような上層
階での抑制は、通常のエレベーター制御に使われている
階床信号を使用すればよく、図4に示す論理積回路に階
床信号の情報を入力することにより、本発明によるレベ
ル補正制御を抑制することができる。
【0060】前述した本発明の一実施例として、不平衡
トルクの補償を二巻線電動機の内のA系の電動機を使用
して行う例を示しているいるが、A系電動機の使用頻度
が増大し、劣化の進行がB系電動機より先になるおそれ
があるので、本発明は、これを防止するため、ビルの奇
数階床と偶数階床によりA系、B系電動機の使用を振り
分け、あるいは、運転の度に交互に振り分ける等によ
り、劣化の進行の均等化を図ることができる。
【0061】また、前述した本発明の一実施例は、かご
内乗客の変動を捉える方法として、かご下防振ゴムの撓
みを差動トランスの出力信号として捉えるとして説明し
たが、本発明は、これに限らず、例えば、非接触の乗客
人数検出センサーによる乗客変動の検出、あるいは、ド
アに取り付けられた光電装置、それに類する装置の作動
により乗客変動を検出して、これに基づいてレベル補正
制御を行わせるようにすることもできる。
【0062】さらに、前述した本発明の一実施例は、高
速、高階床エレベーターに対するものとして、高出力で
信頼性の高い2巻線形の電動機を使用するとして説明し
たが、本発明は、2台の電動機の軸を直結したタンデム
形の電動機を使用するエレベーター、あるいは、1巻線
形の電動機を使用するエレベーターに対しても適用する
ことができる。
【0063】なお、前述した本発明の実施例は、制動機
を掛けないで、ドアを開け、乗客の乗降を行わせている
ので、その間に電気的なトラブルが発生すると、乗りか
ごが移動することも考えられて危険であるが、一般に、
エレベーターは、乗りかごがドアオープンゾーンを外れ
たとき、瞬時に制動機を作動させてかごを停止させる安
全回路が設けられているので問題ない。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、従
来のロープ伸び補正装置のように、レベルが大きく狂っ
てから(通常15mm程度)レベル補正をするのではな
く、乗りかごの停止後、常に、レベル補正制御を行って
いるので、レベルの変動の幅を小さく(数mm程度)す
ることができ、乗客が乗り降り時に躓くこととうを防止
することができる。
【0065】特に、超高層ビルのエレベーターのよう
に、昇降行程が200〜500mと大きくなると、従来
のレベル補正制御では、数人の乗客の乗り降りによる荷
重の変動でもレベルが大きく狂い、頻繁なレベル補正制
御が行われ、レベルが15mm程度も上下し、乗客が躓
く可能性が大きかったが、本発明によれば、全くその心
配がなく、安全性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体構成を示すブロック図
である。
【図2】速度制御系を説明する図である。
【図3】分配器の分配特性を説明する図である。
【図4】レベル補正出力発生回路の構成を示すブロック
図である。
【図5】レベル補正制御を説明するタイムチャートであ
る。
【図6】レベル補正制御の他の例を説明するタイムチャ
ートである。
【図7】従来技術によるエレベーターのレベル制御装置
の構成を示すブロック図てある。
【図8】連続位置速度指令装置の特性を説明する図であ
る。
【図9】従来技術のレベル補正制御装置の動作を説明す
るタイムチャートである。
【図10】従来技術のレベル補正制御装置の補正信号を
作成する方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 乗りかご 2 釣合い錘 3 巻上機の綱車 4 そらせ車 5 ロープ 6 電動機 7 エレベーター制御装置 8 電磁制動機 9 連続位置速度指令装置 12 インバータ 13 コンバータ 18、19 マイクロコンピュータ 23 差動トランス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲葉 博美 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 保苅 定夫 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 安藤 武喜 東京都千代田区神田錦町一丁目6番地 株 式会社日立ビルシステムサービス内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 かご内荷重の変動に基ずくロープの伸び
    量変化によるかご停止レベルのずれを無くすため、巻上
    用電動機を制御してレベル補正を行う制御手段を備えた
    ロープ式エレベーターのレベル制御装置において、乗客
    乗降のための階床停止時間の長短により、停止中制動機
    を掛けることなくレベル補正制御を行う運転モードを持
    たせたことを特徴とするエレベーターのレベル制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記制動機を掛けない運転モードは、下
    層階床に限定することを特徴とする請求項1記載のエレ
    ベーターのレベル制御装置。
  3. 【請求項3】 かご内荷重の変動に基ずくロープの伸び
    量変化によるかご停止レベルのずれを無くすため、巻上
    用電動機を制御してレベル補正を行う制御手段を備えた
    ロープ式エレベーターのレベル制御装置において、かご
    内荷重を検出し、荷重変動の発生によりレベル補正のた
    めの制御手段を起動することを特徴とするエレベーター
    のレベル制御装置。
  4. 【請求項4】 前記荷重変動の発生により起動されるレ
    ベル補正制御に、所定の継続時間を持たせることを特徴
    とする請求項3記載のエレベーターのレベル制御装置。
  5. 【請求項5】 前記レベル補正のための制御は、乗りか
    ごが上層階にあり、ロープ伸び量が小さい条件の場合
    に、抑制されることを特徴とする請求項3または4記載
    のエレベーターのレベル制御装置。
  6. 【請求項6】 かご内荷重の変動に基ずくロープの伸び
    量変化によるかご停止レベルのずれを無くすため、巻上
    用電動機を制御してレベル補正を行う制御手段を備えた
    ロープ式エレベーターのレベル制御装置において、巻上
    用電動機として2巻線電動機またはタンデム形電動機を
    使用し、レベル補正制御時、そのうちの一方の電動機を
    使用することを特徴とするエレベーターのレベル制御装
    置。
  7. 【請求項7】 前記レベル補正制御時、2つの電動機を
    交互に使用することを特徴とする請求項2記載のエレベ
    ーターのレベル制御装置。
  8. 【請求項8】 前記レベル補正制御が、請求項3、4た
    まは5記載のレベル制御であることを特徴とする請求項
    6または7記載のエレベーターのレベル制御装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1992003861A1 (de) * 1990-08-11 1992-03-05 Linotype-Hell Ag Verfahren und schaltungsanordnung zur korrektur der lichtleistungs-abgabe einer laserdiode
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US10703607B2 (en) 2015-02-13 2020-07-07 Thyssenkrupp Elevator Ag Method for operating a lift system

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