JPWO2015030115A1 - パターン化された導電積層体およびその製造方法 - Google Patents

パターン化された導電積層体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は酸など腐食性の高い液体を使用せず、短時間でパターン化できる導電積層体を得る方法を提供することを課題とする。その方法は順に基材、および炭素原子を含む導電体を含む導電層を有する導電積層体に対し、電解液を介在させて、対極が存在している状態で、導電層をアノード電極、対極をカソード電極として電圧を印加し、導電積層体から、導電層中の導電体を除去する工程を有するパターン化された導電積層体の製造方法である。

Description

本発明は、少なくとも基材、導電層がこの順に形成され、前記導電層中の導電体が除去されるパターン化された導電積層体の製造方法、この製造方法によってパターン化された導電積層体および前記パターン化された導電積層体を用いたタッチパネル等の各種用途に関するものである。
導電層を含む導電積層体は、フラットパネルディスプレイやタッチパネルなどの電子表示機器に多く利用されている。導電層に含まれる導電体として、これまで主に錫ドープ酸化インジウム(以下、ITO)が使用されてきた。しかし、インジウムはレアメタルであることからITOを代替する新規な導電体の開発が行われてきた。またITOを用いた導電積層体には、真空で製膜するため製造コストがかかること、折り曲げに弱いという短所があった。これらの短所を補う新規な導電体として、カーボンナノチューブ、導電性高分子、金属ナノ粒子、金属ナノワイヤーなどの開発が盛んに行われてきた。これら新しい材料を用いた導電積層体は、大気圧下でも塗布法により作製できるため、低コスト化が期待されている。また、折り曲げ、引っ張りなどの機械的耐久性にも優れていることが知られている。
例えば、カーボンナノチューブや銀ナノワイヤーを新規な導電体として用いた導電積層体をタッチパネルに適用することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、導電性高分子を導電体として電子ペーパーに適用することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、ITO粉末をバインダー樹脂と共に用いることも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
一般的に、導電積層体は導電層を線状にパターン化して使用されることが多い。一方、パターンなし、すなわち全面に導電層を設けて使用する製品も存在するが、その製品の種類は限られている。そのため、導電層のパターン化方法は重要である。また、導電層は表面抵抗の均一性が求められる。また、フラットパネルディスプレイやタッチパネルなどの部品では、光線透過率の均一性も求められる。またパターン化された導電積層体は、初めに導電体を基材全面に均一に設けた後に、不要な部分を除去して所望のパターン形状を持つ導電積層体を得る。
カーボンナノチューブを含む導電積層体の導電層をドライエッチングでパターン化する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。また、既存のITOを用いた導電積層体に対してのエッチング性を向上させるエッチャントが提案されている(例えば、特許文献5参照)。
また、細長い形状のカーボンナノチューブ電極を形成する方法の1つとして、カーボンナノチューブを用いた導電積層体の導電層の上に、パターン化したレジスト設け、そしてエッチングし、導電層をパターン化する方法が提案されている(例えば、特許文献6参照)。
導電積層体に用いられる導電体は、ITOや金属薄膜に加えて、カーボンナノチューブ、銀ナノワイヤー、導電性高分子など多様化が進んでいるが、それらをウエットプロセスでパターン化するためには、エッチャントをその都度探索するか開発する必要があった。また、既存のITOや金属薄膜用のエッチャントは、強酸、混酸、酸化性もしくは腐食性の大きな薬剤、または強アルカリ性の薬剤であることが多く、取り扱い性が困難であったり、取り扱い設備に費用が必要であったりした。
たとえば、特許文献4には一般的なITOのウエットプロセスが記載されている。塩化鉄は一般的なエッチャントである。しかし腐食性が大きく、エッチング設備や、その設備を設置している部屋や排気ダクトなどの付帯設備の耐腐食対策が必要になるなど、設備をコストアップさせる要因を含んでいた。特許文献5でも取り扱いが困難なフッ化水素酸が使用されていた。
また、特許文献1〜3に記載の導電積層体を、たとえば、特許文献6に記載されているようなドライエッチングプロセスを用いてパターン化することは可能であるが、ウエットプロセスと比較して、高コストとなる課題があった。
また、既存のITO用や薄膜金属用のパターン化においては、導電体が除去されるため、導電体除去部と導電体残存部の間に屈折率または反射率の差が生じ、パターンが容易に視認されてしまうという課題があった。例えば、静電容量式タッチパネルにおいては、画面上にタッチパネルが配置されるため、パターンは視認されないことが好ましい。
特開2011−167848号公報 特開2011−69993号公報 特開2005−78986号公報 特開2008−270458号公報 米国特許第7285198号明細書 特開2002−234000号公報
前記した従来技術の問題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は腐食性の高い薬液を使用せず、取り扱い性に優れた、導電積層体をパターン化する方法を提供することである。
さらに、パターンが容易に視認されにくい、パターン化された導電積層体の製造方法を提供することである。
課題を解決するために、本発明は以下の方法からなる。
(1)順に、基材、および炭素原子を含む導電体を含む導電層を有する導電積層体に対し、電解液を介在させて、対極が存在している状態で、
導電層をアノード電極、対極をカソード電極として電圧を印加し、導電積層体から、導電層中の導電体を除去する工程を有するパターン化された導電積層体の製造方法。
さらに好ましい態様として本発明は以下の態様を提供する。
(2)電圧を印加するときに導電積層体の導電層側の表面の一部に、導電積層体と電解液との接触を妨げ、かつパターン化されているマスキング材が存在している上記のパターン化された導電積層体の製造方法。
(3)電圧を印加するときに、対極の導電積層体側の表面の一部に、対極と電解液との接触を妨げ、かつパターン化されているマスキング材が存在している上記のパターン化された導電積層体の製造方法。
(4)対極がパターン形状を有している上記のパターン化された導電積層体の製造方法。
(5)前記炭素原子を含む導電体がカーボンナノチューブ、グラフェンおよび導電性高分子からなる群より選択される少なくとも1つである上のいずれかに記載のパターン化された導電積層体の製造方法。
(6)導電層が、電圧の印加前において絶縁物を含み、導電層中の導電体を除去した後も、導電体が除去された部位に絶縁物が残存している上のいずれかに記載のパターン化された導電積層体の製造方法。
(7)印加電圧が5V以上、15V以下である上のいずれかに記載のパターン化された導電積層体の製造方法。
(8)電圧の印加時間が2秒以上60秒以下である上のいずれかに記載のパターン化された導電積層体の製造方法。
そして導電積層体として、
(9)上のいずれかの製造方法で製造されたパターン化された導電積層体。
さらに、本発明は導電積層体を利用した以下の部品を提供する。
(10)上記導電積層体を用いた静電容量式タッチスイッチ。
(11)上記パターン化された導電積層体を用いたタッチパネル。
本発明のパターン化された導電積層体の製造方法は強酸、強アルカリなど腐食性の高い薬液を使用しないですむパターン化方法であるので、低コストで簡便に、導電層がパターン化された導電積層体を製造することができる。
また、本発明のパターン化方法で得られた導電積層体はパターン化後の導電層と導電体が除去された部位の区別が視認しづらいパターン化された導電積層体となりうる。
本発明におけるパターン化方法の一例を説明する概略図である。 本発明におけるパターン化方法の一例を説明する概略図である。 本発明におけるパターン化方法の一例を説明する概略図である。 本発明におけるスペース絶縁性有無の判断用のパターン配置の概略図である。 本発明におけるスペース絶縁性有無および細線部導通有無の判断用のパターン配置の概略図である。 本発明におけるオーバーコート層残存判断用のパターン配置の概略図である。 本発明におけるカーボンナノチューブの合成方法を説明する概略図である。 本発明におけるスペース絶縁性有無および細線部導通有無の判断用のパターン配置の概略図である。
以下発明を実施するための形態を説明していく。
なお、本発明でいう「導電層」とは、導電体ならびに必要に応じて設けられるオーバーコート層およびアンダーコート層を含む層のことを意味する。また導電層におけるパターン化とは導電層であったところの一部において、導電体が除去され、その結果、導電体が多い部分と、少ない部分とが存在し、これらの部分がパターンを形成していることをいう。
[導電体]
本発明で用いられる導電体は炭素原子を含む。炭素原子を含む導電体であれば、本発明の方法でパターン化が可能である。導電体としては、カーボンナノチューブ、グラフェン、導電性高分子など、構成原子に炭素を含む導電物質を用いることができる。導電性高分子としては、ポリアセチレン、ポリ(p−フェニレン)、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリピロール、ポリチオフェン、PEDOT−PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸))、ポリアニリンなど、π電子共役系を介して電気を伝導する高分子が例示される。なお、本発明においては、特に優れた導電体として、カーボンナノチューブ、グラフェンおよび導電性高分子が例示される。
[導電積層体]
本発明で用いられる導電積層体は、順に、形状を保持するための基材と、導電体を含有する導電体を含む導電層とからなる。なお、導電層は導電体のみから構成される必要はなく、例えば導電体と絶縁物との両方を含んでいてもよい。
[基材]
本発明の基材としては、樹脂、ガラスなどを挙げることができる。樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、脂環式アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロースなどを用いることができる。ガラスとしては、通常のソーダガラスを用いることができる。また、これらの複数の基材を組み合わせて用いることもできる。例えば、樹脂とガラスを組み合わせた基材、2種以上の樹脂を積層した基材などの複合積層基材であってもよい。樹脂フィルムにハードコートを設けたものであってもよい。基材の種類は前記に限定されることはなく、用途に応じて耐久性やコスト等から最適なものを選ぶことができる。基材の厚みは特に限定されるものではないが、タッチパネル、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス、電子ペーパーなどのディスプレイ関連の電極に用いる場合、10〜1,000μmの間にあることが好ましい。
[基材の表面処理]
基材上に、カーボンナノチューブなど導電体を含む分散液を塗工する。その際、分散液を均一に基材上に塗工するためには、基材の表面に親水性の官能基を存在させ、基材の表面張力を向上させておくことが好ましい。親水性の官能基としては、カルボキシル基、カルボニル基、ヒドロキシル基、スルホン基、シラノール基などが挙げられる。基材の表面に親水性の官能基を存在させる方法としては以下の方法が例示される。基材上にこれら官能基が表出しているアンダーコート層を設ける方法がある。基材に対して、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理など、物理的処理、または、酸処理もしくはアルカリ処理などの化学的処理を実施する方法がある。この中でも、アンダーコート層を設けること、またコロナ処理が好ましい。
[アンダーコート層の形成方法]
アンダーコート層の親水性は、水の接触角が5〜10°の範囲にあることが好ましい。アンダーコート層は無機酸化物を用いることが好ましい。中でも、チタニア、アルミナ、シリカを主たる成分とするものがより好ましく、シリカを主たる成分とするものがさらに好ましい。本発明において、「主たる成分」とは全成分中に50質量%以上含有されている成分をいい、60質量%以上含有されているのがより好ましく、80質量%以上含有されているのがさらに好ましい。(以下、他の材料の「主たる成分」に関する解説も同様とである)。これらの物質は、表面に親水基である水酸基を有しており、高い親水性が得られるため好ましい。
本発明のパターン化される前の導電積層体の製造において、アンダーコート層を基材上に設ける方法は特に限定されない。既知のウェットコーティング方法、例えば吹き付け塗装、浸漬コーティング、スピンコーティング、ナイフコーティング、グラビアコーティング、スロットダイコーティング、ロールコーティング、バーコーティング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、パット印刷、その他の印刷などが利用できる。また、ドライコーティング方法を用いてもよい。ドライコーティング方法としては、スパッタリング、蒸着などの物理気相成長や、化学気相成長などが利用できる。またアンダーコートの形成は、複数回に分けて行ってもよく、異なる2種類の形成方法を組み合わせてもよい。好ましい形成方法は、ウェットコーティングであるグラビアコーティング、バーコーティング、スロットダイコーティングである。
[アンダーコート層の厚みの調整]
アンダーコート層厚みは十分に親水性が得られる厚みであれば、限定されないが、1〜120nmの厚みとすることが好ましい。光学干渉による反射防止効果が有効に得られる厚みであれば、光線透過率が向上するため、好ましい。このため、後述するオーバーコート層の厚みと合わせて80〜120nmの範囲にあることが好ましい。
[導電体/カーボンナノチューブ]
本発明において使用可能なカーボンナノチューブは、実質的にグラファイト構造を側面に有する筒状のものであれば特に限定されない。グラファイトの1枚の面が1層に巻かれた単層カーボンナノチューブ、多層に巻かれた多層カーボンナノチューブ、いずれも適用できる。中でもグラファイトの1枚面が2層に巻かれた2層カーボンナノチューブが本数で50%以上含まれているものであると、導電性ならびに塗布用分散媒体中でのカーボンナノチューブの分散性が高くなることから好ましい。さらに好ましくは75%以上、最も好ましくは80%以上が2層カーボンナノチューブであることである。また、2層カーボンナノチューブは酸処理などによって表面が官能基化されても、導電性などの本来の機能が損なわれにくい点からも好ましい。
カーボンナノチューブは、例えば次のように製造される。マグネシアに鉄を担持した粉末状の触媒を、縦型反応器中に水平に設置されたメッシュ状金属板の上に存在させる。その際、触媒はメッシュ状金属板上に偏りなく存在させる。そして該反応器内にメタンを鉛直方向に供給し、メタンと前記触媒とを500〜1,200℃で接触させ、カーボンナノチューブを製造する。さらに得られたカーボンナノチューブを酸化処理することにより、単層〜5層のカーボンナノチューブを含有するカーボンナノチューブを得ることができる。酸化処理は例えば、硝酸で処理する方法により行われる。硝酸はカーボンナノチューブに対するドーパントとして作用するため、好ましい。ドーパントとは、カーボンナノチューブに余剰の電子を与える、または電子を奪ってホールを形成する作用をなすものであり、自由に動くことのできるキャリアを生じさせることにより、カーボンナノチューブの導電性を向上させるものである。硝酸処理の方法は本発明のカーボンナノチューブが得られる限り、特に限定されないが、通常、140℃程度のオイルバス中で行われる。硝酸での処理時間は特に限定されないが、5〜50hrの範囲であることが好ましい。基材上にカーボンナノチューブを含む導電層を形成する方法は後述する。
[分散剤]
カーボンナノチューブ等の導電体を塗布するための分散剤を用いることができる。分散剤としては、界面活性剤、各種高分子材料(水溶性高分子材料等)等を挙げることができる。なかでも分散性が高いイオン性高分子材料が好ましい。イオン性高分子材料としては、アニオン性高分子材料やカチオン性高分子材料、両性高分子材料がある。カーボンナノチューブの分散能が高く、分散性を保持できるものであれば、どの種類も用いることができる。分散性、および分散保持性に優れることから、アニオン性高分子材料が好ましい。なかでも、カルボキシメチルセルロースおよびその塩(例えば、ナトリウム塩、アンモニウム塩等)、ならびにポリスチレンスルホン酸の塩が、カーボンナノチューブを効率的に分散させることができるため、好ましい。カルボキシメチルセルロース塩、ポリスチレンスルホン酸塩を用いる場合、塩を構成するカチオン性の物質としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属のカチオン、カルシウム、マグネシウム、バリウム等のアルカリ土類金属のカチオン、アンモニウムイオン、あるいはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、エチルアミン、ブチルアミン、ヤシ油アミン、牛脂アミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ポリエチレンイミン等の有機アミンのオニウムイオン、または、これらのポリエチレンオキシド付加物を用いることができる。もちろんこれらに限定されるものではない。
[分散媒]
カーボンナノチューブなどの導電体を分散するための分散媒は、前記分散剤を容易に溶解できる点、廃液の処理が容易である等の観点から、水が好ましい。
[導電体分散液]
本発明において用いる分散液の調製方法は、特に限定されないが、例えば次のような手順で行うことができる。分散時の処理時間が短縮できることから、一旦、分散媒中にカーボンナノチューブなど導電体を0.003〜0.15質量%の範囲で含む分散液を調製した後、それを希釈することで、所定の濃度とすることが好ましい。本発明において、カーボンナノチューブなどの導電体に対する分散剤の質量比は0.1〜10であることが好ましい。かかる好ましい範囲であると、均一に分散させることが容易であり、導電性低下の影響が少ない。質量比は0.5〜9であることがより好ましく、1〜6であることがさらに好ましく、質量比が2〜3であれば、高い透明導電性を得ることができるので、特に好ましい。調製時の分散手段としては、カーボンナノチューブと分散剤とを分散媒中で、塗装製造に慣用の混合分散機(例えばボールミル、ビーズミル、サンドミル、ロールミル、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、超音波装置、アトライター、デゾルバー、ペイントシェーカー等)を用いて混合することが挙げられる。また、これら複数の混合分散機を組み合わせて段階的に分散を行ってもよい。中でも、振動ボールミルで予備的に分散を行った後、超音波装置を用いて分散する方法が、得られる塗布用分散液中の導電体の分散性が良好であることから、好ましい。
[カーボンナノチューブ分散液の特性]
本発明の製造方法に好ましく用いられるカーボンナノチューブの分散液は、pHが5.5〜11の範囲にあることが好ましい。
カーボンナノチューブ分散液のpHが5.5〜11であると、カーボンナノチューブ表面を修飾しているカルボン酸など酸性官能基や、カーボンナノチューブの周りに位置している分散剤に含まれるカルボン酸などの酸性官能基の電離度が上がる。その結果、カーボンナノチューブ、またはカーボンナノチューブ周りの分散剤がマイナス電荷を帯びる。このようにして、カーボンナノチューブ、またはカーボンナノチューブ周りの分散剤が互いに静電反発することで、カーボンナノチューブの分散性がさらに増し、バンドル径を小さくすることが可能である。前記混合分散機を用いてカーボンナノチューブを分散剤と混合、分散する工程でpH調整を行うことが好ましい。また分散工程以降でpHの調整を行っても同様の効果が得られる。
カーボンナノチューブ分散液のpHは、アレニウスの定義による酸性物質や塩基性物質をカーボンナノチューブ分散液に添加することで調整できる。酸性物質は、例えば、プロトン酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウフッ化水素酸、フッ化水素酸、過塩素酸等の無機酸や、有機カルボン酸、フェノール類、有機スルホン酸等が挙げられる。有機カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、ショウ酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ニトロ酢酸、トリフェニル酢酸等が挙げられる。有機スルホン酸としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンジスルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン重縮合物、ナフタレンジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸、ジナフチルメタンジスルホン酸、アントラキノンスルホン酸、アントラキノンジスルホン酸、アントラセンスルホン酸、ピレンスルホン酸などが挙げられる。上述の酸の中でも好ましいのは、塗布した後の乾燥時に揮発しやすい酸であり、例えば塩酸、硝酸などである。
塩基性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニアなどが挙げられる。この中でも好ましいのは、塗布乾燥時に揮発する揮発塩基であり、例えばアンモニアである。
[カーボンナノチューブ分散液のpH調整]
カーボンナノチューブ分散液のpH調整は、pHを測定しながら、前記酸性物質または塩基性物質を所望のpHとなるまで添加することで行う。pH測定法としては、リトマス試験紙などのpH試験紙を用いる方法、水素電極法、キンヒドロン電極法、アンチモン電極法、ガラス電極法などが挙げられる。この中でもガラス電極法が簡便であり、必要な精度を得られるため好ましい。また、酸性物質、あるいは、塩基性物質を過剰に添加して所望のpH値を越えてしまった場合には、逆の特性を持つ物質を添加してpHを調整すればよい。かかる調整に適用する酸性物質としては硝酸が、塩基性物質としてはアンモニアが好ましい。
[炭素原子を含む導電体を含む導電層の形成]
導電体を含む分散液を基材上(またはアンダーコート層上)に塗布し、さらに乾燥して導電層を得る。導電体を含む導電層は、導電体を含む分散液を基材上に塗布する塗布工程と、その後分散媒を除去する乾燥工程を経て形成される。分散液を基材上に塗布する方法は特に限定されない。既知の塗布方法、例えば吹き付け塗装、浸漬コーティング、スピンコーティング、ナイフコーティング、グラビアコーティング、スロットダイコーティング、バーコーティング、ロールコーティング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、パット印刷、他の種類の印刷などが利用できる。また塗布は、複数回に分けて行ってもよく、異なる2種類の塗布方法を組み合わせてもよい。最も好ましい塗布方法は、グラビアコーティング、バーコーティング、スロットダイコーティングである。塗布工程の後、塗布された分散剤を含むカーボンナノチューブ分散液から分散媒を除去する乾燥工程としては、熱風を基材に当てる対流熱風乾燥、赤外線乾燥装置からの輻射で基材に赤外線を吸収させて熱に変え加熱し乾燥させる輻射電熱乾燥、熱媒体で加熱された壁面からの熱伝導で加熱し乾燥させる伝導電熱乾燥、などが挙げられる。中でも対流熱風乾燥は乾燥速度が大きいため好ましい。
[導電体を含む導電層の厚みの調整]
カーボンチューブなど炭素原子を含む導電体を含有する分散液を基材上に塗布する際の塗布厚みは、分散液の濃度にも依存するため、望む表面抵抗値が得られるように適宜調整すればよい。本発明における導電体の塗布量は、導電性を必要とする種々の用途を達成するために、容易に調整可能である。透明性が要求されるのであれば、好ましい厚みは0.1〜10mg/mである。
[オーバーコート層]
導電積層体では、オーバーコート層があってもよい。オーバーコート層を有することにより、さらに透明導電性や耐熱性安定性、耐湿熱安定性を向上できるため好ましい。
オーバーコート層の材料としては有機材料、無機材料ともに用いることができる。なかでも抵抗値の安定性の観点から無機材料が好ましい。無機材料としては、シリカ、酸化錫、アルミナ、ジルコニア、チタニア等の金属酸化物が挙げられる。なかでも抵抗値の安定性の観点からシリカが好ましい。
[オーバーコート層の形成方法]
パターン化される前の導電積層体の製造においては、オーバーコート層を設ける方法は特に限定されない。既知のウェットコーティング方法、例えば吹き付け塗装、浸漬コーティング、スピンコーティング、ナイフコーティング、キスコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、スロットダイコーティング、バーコーティング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、パット印刷などの方法が利用できる。また、乾式コーティング方法を用いてもよい。乾式コーティング方法としては、スパッタリング、蒸着などの物理気相成長や化学気相成長などが利用できる。また導電体の上にオーバーコート層を設ける操作は、複数回に分けて行ってもよく、異なる2種類以上の方法を組み合わせてもよい。好ましい方法は、ウェットコーティングであるグラビアコーティング、バーコーティング、スロットダイコーティングである。
ウェットコーティングを用いてシリカからなるオーバーコート層を形成する方法として、有機シラン化合物を用いることが好ましい。例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシランなどのテトラアルコキシシランなどの有機シラン化合物を加水分解して作製したシリカゾルを溶媒に溶解したものを塗布液とすることができる。そして前記塗布液を用いて前記ウェットコーティングを行い、溶媒乾燥時に、シラノール基同士、またはシラノール基とアルコキシ基との縮合を生じさせ、シリカ薄膜を形成させる方法が挙げられる。
オーバーコート層の厚みは、塗布液での濃度および塗布時の塗布液の厚みを調整することで制御できる。透明性が要求される用途の場合、光学干渉による反射防止効果が有効に得られる厚みであれば、光線透過率が向上するため好ましい。このため、オーバーコート層の厚みとしては、前述したとおり、アンダーコート層の厚みとの和で80〜120nmの範囲にあることが好ましい。また、オーバーコート層の厚みを大きくすることで、導電体の導電性を向上させている硝酸などのドーパントの飛散を抑え、耐熱性を向上させることができる。このドーパントの飛散を防止するのに有効なオーバーコート層の厚みは40nm以上であり、前記反射防止効果を得るためのアンダーコート層とオーバーコート層の合計厚みの範囲を考慮すると、オーバーコート層の厚みを40〜110nmとすることがより好ましい。
[導電積層体からのパターン形成方法]
前記手順で作製したカーボンナノチューブを導電体として用いた導電積層体ならびにグラフェン、導電性高分子などを導電体として用いた導電積層体をパターン化する方法について述べる。
本発明においては、電解液と導電体が接している状態で電圧を印加することによって、導電体を減少させ、所望部位の導電性を失わせる。本発明において、導電体を除去した部位を介して区切られた導電層間の抵抗が10MΩを超える場合、導電性が失われたと判断する。この際、抵抗を測定する2つの端子間距離は10mm以内とする。本発明における導電層とは、導電体を含む導電層を必須とするが、導電体は、上述のアンダーコート層やオーバーコート層の中にも含浸している場合があるので、アンダーコート層やオーバーコート層も導電層の概念に含まれる。カーボンナノチューブなど炭素を含む導電体は比較的大きい形状を有しているので、他の層に侵出しやすいからである。さらにカーボンナノチューブでは繊維状であるので、他の層への侵出のしやすさはさらに顕著である。
導電性が失われた後、導電層に電気化学反応で除去されない成分すなわちアンダーコート層の成分、導電体、オーバーコート層の成分が残っていても構わない。全ての導電体が除去されていなくても、前記抵抗が10MΩを超えていれば、導電性が失われたと判断できる。
導電体が除去されるメカニズムについては定かではないが、下記式の電気化学反応によって除去されるものと推定される。
導電層側では以下の反応が生じていると推測される。
C+2HO→CO+4H4e ・・・式(1)
この際、対極では以下の還元反応が生じていると推測される。
2H+2e→H・・・式(2)
前記2つの反応を総合すると、下記反応式となる。
C+2HO→CO+2H・・・式(3)
つまり、炭素原子を有する導電体が酸化されて二酸化炭素となることにより、導電体が減少することで導電性が失われる。
対極の材質は、前記目的を満たすために、電気化学的に安定な導電体であれば制限されることはない。金、銀、銅、鉄、白金、ルテニウム、等の金属、グラッシーカーボン等のカーボン類が用いられる。
印加する電圧は、式(1)の反応が十分に早い速度で生じる電圧であれば特に制限されるものではないが、好ましくは5〜15Vの範囲である。より好ましくは5〜10Vであり、さらに好ましくは5〜7.5Vである。
また本発明で用いる電解液としては、純水、およびナトリウム化合物やカリウム化合物等の電解質を含む水溶液が例示される。
式(1)の反応のように、水を反応物として消費するという観点から、水は必要である。導電層と対極の間でHを速やかに輸送するため、電解液はイオン導電性を持つことが好ましい。純水を用いることも可能であるが、必要に応じてイオン導電性を向上させるため、塩化カルシウムや塩化ナトリウムなどの電解質を添加してもよい。
また除去速度が大きいこと、また得られるパターンの解像度の観点から、導電層と対極との距離は、導電層と対極とが接触しない程度でなるべく小さいことが望ましい。実用的なものとしては、10〜1,000μmである。この距離は導電層と対極との間に特定の厚みのスペーサーを設けることによって制御できる。したがってスペーサーの厚みは10〜1,000μmが好ましい。
本発明の電気化学反応による導電体除去によるパターン化方法について説明する。
第1の方法は、導電層の表面の一部にマスキング材を設け、導電層の一部が電解液と接触することを妨げる方法である。マスキング材を設ける方法としては、パターン化される前の導電積層体の導電層上に、パターン化されたマスキング材を設置する方法である。例えば、導電積層体上にフォトレジストを塗布し、パターン露光、現像を行い、得られたパターンを有するフォトレジストをマスキング材として使用する方法である。フォトレジストとしては、溶液型のもの、ドライフィルムレジスト型のものいずれも使用できる。またネガ動作、ポジ動作いずれのフォトレジストが使用できる。またパターン化される前の導電積層体の導電層上に、印刷法でマスキング材となるレジストをパターン形成することもできる。印刷方法としては、スクリーン印刷、凹版印刷、凸版印刷、平版印刷いずれでも構わない。このようにして、導電積層体の導電層上にパターン化されたマスキング材をパターン加工することができる。図1はパターン化されたレジストを使用して導電積層体から導電体を除去する装置の概略図である。基材102,導電層103およびパターン形成されたレジスト104からなる試料を電解液101中に設置する。対極105も電解液101中に設置する。導電層103と対極105とを導電線106で接続し、導電層103をアノード、対極105をカソードとして電圧を印加する。そうするとレジスト104が存在しない部分の導電層103にある導電体が減少していく。
第2のパターン化方法は、パターン化された対極を使用する方法である。図2を用いて本方法を用いて導電体を除去する一例を説明する。
基材201と導電層202から形成される導電積層体203がある。下部基材205上に設けられ、パターン化された対極207が、電解液206を介して導電層202と小さい間隔をもって対向している。導電層202をアノード、対極207をカソードとして電圧を印加すると、導電層202の導電体の一部が、対極207のパターン形状に対応して、減少していく。
この際、導電層202と対極207の間は、両者が接触しない範囲で可能な限り接近させることが好ましい。スペーサー204で導電層202と対極207との距離を調整する。
他の方法としては、対極の上にパターン形状を有するマスキング材を設け、その結果、電解液に対しては対極がパターン形状を有するようにする方法である。図3は、パターン化されたスペーサー304が導電層302に対してマスキング材として働くものであるが、スペーサー304が対極307のパターンを形成しているものと言える。基材301と導電層302から形成される導電積層体303がある。下部電極積層体308は下部基材305とその上に設けられた対極307とからなる。対極307は電解液306を介して導電層302と対向している。導電面と対極の間に電解液306を保持するためのスペーサー304がある。導電層302をアノード、対極307をカソードとして電圧を印加する。
パターン化した対極を使用する方法およびパターン化したスペーサーを使用する方法は、前述のフォトレジストを使用する方法に比べて、フォトリソグラフィ工程が必要ないと言う点で優れる。
本発明の電気化学的なパターン化方法の特徴としては以下の3点が挙げられる。
(1)従来のITOや金属薄膜用のエッチャントは、強酸、混酸、酸化性または腐食性の大きな薬剤、強アルカリであることが多く、取り扱い性が困難であったり、取り扱い設備にコストが必要であったりした。本発明の方法は水に浸漬させた状態で電圧を印加してエッチングを行うため、取扱いや設備の設計が容易である。
(2)目的に応じて、電圧を制御することで導電体の除去速度およびパターン化精度をコントロールできる。電圧を下げれば、導電体の除去速度が低くなり、高いパターン化精度が得られる。また、電圧を上げれば、パターン化精度は下がるものの、導電体の除去速度を上げることができ、生産性を上げることができる。
(3)導電体のみが選択的に除去されるため、導電層が導電体と電気化学反応を受けない絶縁物とを含む場合、絶縁物が、導電体が除去された部位においても残存する。そのため、導電体と導電体が除去された部位の視覚的な差が小さく、パターン化痕が視認されにくい。ここでいう絶縁物としては、例えば、前記カーボンナノチューブを導電体として用いた場合の導電積層体におけるアンダーコート層、オーバーコート層を構成する無機材料や有機材料が例示される。
本発明の発明による導電積層体は静電容量式タッチスイッチ、静電容量式または抵抗膜式タッチパネル用途に好適である。静電容量式タッチスイッチ、静電容量式タッチパネルとして用いる場合、導電積層体にパターン化を実施し、パターン化電極とする。指などが前記パターン化電極に接触することで、微小電流が導電体を介して流れ、その際に変化する静電容量を検知し、スイッチとしての動作または位置を検出する。本発明を用いれば、骨見えの小さい静電容量式タッチスイッチ、タッチパネルを提供することが可能である。抵抗膜式タッチパネルでは、本発明の導電積層体を少なくとも一枚含む透明電極を2枚、導電面同士が対向する形で設置する。指などで透明電極を押圧させ、電極同士が接触した位置を検知する。この際、導電積層体の端部をパターン化する必要がある。本発明のパターン化方法は抵抗膜式タッチパネル用導電積層体のパターン化にも用いることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例により限定されるものではない。本実施例で用いた測定法を以下に示す。特に断らない限り、測定値から数値を求めるときは、測定の数を2回とし、その平均値を数値として採用した。
<測定法>
(1)表面抵抗値
5cm×10cmの大きさにした、導電積層体の導電層側の中央部にプローブを密着させて、4端子法により室温下で表面抵抗値を測定した。使用した装置は、ダイアインスツルメンツ(株)製の抵抗率計MCP−T360型、使用したプローブはダイアインスツルメンツ(株)製の4探針プローブMCP−TPO3Pである。
(2)全光線透過率
JIS K 7361(1997)に基づき、日本電色工業(株)製の濁度計NDH4000を用いて測定した。
(3)スペースの絶縁性判断(その1。実施例1〜8、比較例1)
図4は、後述する実施例1〜8、比較例1で作製される導電積層体のパターンのスペース部の絶縁の有無の判断方法に用いた装置の概念図である。スペースとは、導電体が除去されて、導通がなくなるべき部分を指す。直流抵抗を測定する抵抗計401の+端子402、−端子403を、スペース405を介して隔てられた導電体残存部404と406にそれぞれ接続する。抵抗計401として、エー・アンド・デイ(株)デジタルマルチメーター AD−5536を用いた。+端子、−端子間の距離は10mmである。端子間抵抗値を測定し、10MΩを超える場合は絶縁できていると判断し、そうでない場合は絶縁していないと判断した。
(4)スペースの絶縁性判断(その2)、細線部導通性判断
図5を用いて、後述する実施例9〜10で作製されるパターン化された導電積層体の導電体除去部絶縁性の判断方法および細線部導通性の判断方法を説明する。上述の(3)スペースの絶縁判断と同様に、直流抵抗を測定する抵抗計(図示せず)の+端子、−端子を、スペース502を介して隔てられた導電体残存部503と導通確認用電極接続部位504Aにそれぞれ接続する。導電体残存部503のうち、線分aよりも504A側の位置であれば、どこに端子を接続しても構わない。抵抗を測定する2つの端子間距離は10mmとした。抵抗計は(3)と同様、エー・アンド・デイ(株)デジタルマルチメーター AD−5536を用いた。端子間抵抗値を測定し、10MΩを超える場合絶縁していると判断した。
実施例9〜10に関しては、細線部501の導通の有無も調べた。2ヶ所の導通確認用電極接続部位504に図示しない抵抗計の+端子と−端子を接続し、100kΩ以下の場合、導通していると判断し、そうでない場合は導通がとれていないと判断した。
(5)オーバーコート層の残存性判断
キーエンス(株)製 レーザーマイクロスコープ VK−9710を用いて、パターン化した部位を観察し、高さの測定を行い、導電体が除去された部位にオーバーコート層が残存しているか否かを確認した。図6を用いて説明する。601は導電層、602は導電体が除去されたスペースである。以下の[パターン化された導電積層体の製造方法]で示すとおり、導電体が除去された部位の幅Xは約1mmである。導電体が除去された部位を横切る形で線分Aでの高さ測定を実施した。測定部位の幅Yは5mmである。後述するようにオーバーコート層の厚みは約60nmであるため、線分A上での高さプロファイルの最大値と最小値との差が10nm以下である場合、オーバーコート層が残存していると判断した。
<作成>
[アンダーコート層形成例]
以下の操作により、ポリシリケートバインダーと、親水性シリカ微粒子との複合体である親水性シリカアンダーコート層を形成した。
親水性シリカ微粒子とポリシリケートを含む(株)菱和製“メガアクア”(登録商標)親水DMコート DM30−26G−4をアンダーコート層用の塗液として用いた。前記DM30−26G−4をイソプロピルアルコールで固形分1質量%に調整し、アンダーコート層形成用の塗布液とした。基材として、厚さ188μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム 東レ(株)製“ルミラー”(登録商標) U46を使用した。UR200線のグラビアロールを用いて、ライン速度に対するグラビアロールの回転比を1.5倍に設定し、基材上に前記アンダーコート層用の塗液を塗布した。塗布後、80℃の乾燥機内で1分間乾燥させた。この方法で作製したアンダーコート層の厚みは約40nmであった。
[触媒調製例:マグネシアへの金属塩触媒の担持]
クエン酸アンモニウム鉄2.46gをメタノール500mLに溶解した。この溶液に、酸化マグネシウム(岩谷化学工業(株)製 MJ−30)を100.0g加え、撹拌機で60分間激しく撹拌した、得られた懸濁液を、減圧下、40℃で濃縮乾固した。得られた固体を粉末にし、前記粉末を120℃で加熱乾燥してメタノールを除去し、酸化マグネシウム粉末に金属塩が担持された触媒体を得た。得られた固形分は篩い上で、乳鉢で細粒化しながら、20〜32メッシュ(0.5〜0.85mm)の範囲の粒径のものを利用した。得られた触媒体に含まれる鉄原子の含有量は0.38質量%であった。また、かさ密度は、0.61g/mLであった。前記の操作を繰り返し、以下の実験に供した。
[カーボンナノチューブの製造例]
図7に示した反応器を用いてカーボンナノチューブの合成を行った。反応器703は内径75mm、長さは1,100mmの円筒形石英管である。石英管の中央部に石英焼結板702を具備し、石英管の下方部には、不活性ガスおよび原料ガス供給ラインである混合ガス導入管708、上部には排ガス管706がある。さらに、反応器を任意温度に保持できるように、石英管を取り囲む加熱器として3台の電気炉701がある。また反応管内の温度を検知するために熱電対705がある。
先に説明した触媒調製例で調製した固体触媒体132gをとり、鉛直方向に設置した反応器の中央部の石英焼結板702の上に導入することで触媒層704を形成した。反応管内温度が約860℃になるまで、触媒層を加熱しながら、反応器底部から反応器上部方向へ向けてマスフローコントローラー707を用いて窒素ガスを16.5L/分で供給し、触媒層を通過するように流通させた。その後、窒素ガスを供給しながら、さらにマスフローコントローラー707を用いてメタンガスを0.78L/分で60分間導入して触媒体層を通過するように通気し、化学反応を起こさせた。この際の固体触媒体の質量をメタンの流量で割った接触時間(W/F)は、169分・g/L、メタンを含むガスの線速が6.55cm/secであった。メタンガスの導入を止め、窒素ガスを16.5L/分通気させながら、石英反応管を室温まで冷却した。
加熱を停止させ室温まで放置し、室温になってから反応器から触媒体とカーボンナノチューブとを含有するカーボンナノチューブ含有組成物を取り出した。
[カーボンナノチューブの精製および酸化処理]
カーボンナノチューブの製造例で得られたカーボンナノチューブ含有組成物130gを4.8Nの塩酸水溶液2,000mLの中で1hr撹拌することで、触媒金属である鉄とその担体である酸化マグネシウムを溶解した。得られた液体である黒色懸濁液は濾過した後、濾取物は再度4.8Nの塩酸水溶液400mLに投入し、酸化マグネシウムを除去し、濾取した。この操作を3回繰り返した。その後、イオン交換水で濾取物の懸濁液がほぼ中性となるまで水洗した後、水を含んだウェット状態のままカーボンナノチューブ含有組成物を保存した。このとき水を含んだウェット状態のカーボンナノチューブ含有組成物全体の質量は102.7gであった(カーボンナノチューブ含有組成物濃度:3.12質量%)。
得られたウェット状態のカーボンナノチューブ含有組成物の乾燥質量分に対して、約300倍の質量の濃硝酸(和光純薬工業(株)製、1級、Assay60〜61質量%)を添加した。その後、約140℃のオイルバスで25hr攪拌しながら加熱還流した。加熱還流後、カーボンナノチューブ含有組成物を含む硝酸溶液をイオン交換水で3倍に希釈して、吸引ろ過した。イオン交換水で濾取物の懸濁液が中性となるまで水洗した後、水を含んだウェット状態のカーボンナノチューブ集合体を得た。このとき水を含んだウェット状態のカーボンナノチューブ組成物全体の質量は3.351gあった(カーボンナノチューブ含有組成物濃度:5.29質量%)。
[カーボンナノチューブ分散液の調製]
得られたウェット状態のカーボンナノチューブ(乾燥質量換算で25mg)、6質量%カルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬(株)製、セロゲン7A(重量平均分子量:20万))水溶液1.04g、イオン交換水0.8g、ジルコニアビーズ(東レ(株)社製、“トレセラム”(登録商標)、ビーズサイズ:0.8mm)13.3gを容器に加え、28質量%アンモニア水溶液を用いてpH10に調整した。(分散剤/カーボンナノチューブ(質量比)=2.5)この容器を振動ボールミル((株)入江商会社製、VS−1、振動数:1,800cpm(60Hz))を用いて2hr振盪させ、カーボンナノチューブペーストを調製した。
次にこのカーボンナノチューブペーストをカーボンナノチューブの濃度が0.15質量%となるようにイオン交換水で希釈し、その希釈液10gに対して再度28質量%アンモニア水溶液でpH10に調整した。その水溶液を超音波ホモジナイザー(家田貿易(株)製、VCX−130)の出力を20Wとし、1.5分間(2kW・分/g)、氷冷しながら10℃以下で分散処理した。得られた液を高速遠心分離機((株)トミー精工、MX−300)にて10,000G、15分遠心処理し、カーボンナノチューブ分散液9gを得た。その後、水を添加して終濃度でカーボンナノチューブ集合体の濃度が0.04質量%となるように調製して塗布用原液とした。
[カーボンナノチューブ層の形成]
前記塗布用原液にイオン交換水を添加して、0.04質量%に調整後、基材の上にあるアンダーコート層の上にグラビアコート法にて塗布、80℃乾燥機内で1分間乾燥させ、カーボンナノチューブ組成物を固定化した。
[オーバーコート層の形成]
100mLのプラスチック容器中に、エタノール20gを入れ、n−ブチルシリケート40gを添加し30分間撹拌した。その後、0.1N塩酸水溶液を10g添加した後2hr撹拌を行い4℃で12hr静置した。この溶液をトルエンとイソプロピルアルコールとメチルエチルケトンの混合液で固形分濃度が1.5質量%となるように希釈した。
この塗液を、グラビアロールUR150線、ライン速度に対するグラビアロールの回転比1.5倍の条件で、カーボンナノチューブ層上に塗布後、115℃の乾燥機内で1分間乾燥させた。この方法で作製したオーバーコート厚みは約60nmであった。
[パターン化された導電積層体の製造方法1]
図3はパターン化された導電積層体を製造するための構成を示す断面概念図である。基材301上に導電層302を積層させた導電積層体303を、パターン化する対象として用いた。下部電極積層体308として銅めっきフィルム(東レフィルム加工(株)製 “メタロイヤル”(登録商標) PI−38N−CCS−08E0)を用い、導電層302と銅からなる対極307をスペーサー304(日本ポリテック(株)製ソルダーレジストNPR−3300(厚み30μm))を介して対向させた。その際、スペーサーに1mm幅のスリットを設け、電解液306として純水を入れた。導電層302を電極取り出し口(図示していない)と電気的に接続し、対極307も同様に電極取り出し口(図示していない)と接続した。各電流取り出し口を、菊水電子工業(株)製、直流安定化電源PMC−70−1Aの電極端子と接続し、導電層302と、対極307の間に直流電圧をかけた。以下、導電層302に+電圧をかけた場合、正の電圧値で表す。逆に、対極307に+の電圧をかけた場合を負の電圧値で表す。
[パターン化された導電積層体の製造方法2]
図1および図8を用いてパターン化された導電積層体を製造する方法を説明する。導電積層体の導電層面上にドライフィルムネガレジスト(旭化成イーマテリアルズ(株)製“SUNFORT”(登録商標)AQ209A)を、ロール温度100℃設定のロールラミネーター(大成ラミネーター(株)製VA−700)でラミネートし、細線部相当部801の幅が300μm、スペース相当部802の幅が50μmの部分を含むパターンを有する図8に示すフォトマスクを介して、マスクアライナ(ミカサ(株)製 MA−60F)を用いて積算光量100mJ/cmの条件で露光した。導通確認用電極接続部位相当部804Aおよび804Bそれぞれの中心の距離は3cmである。次いで、1質量%炭酸ナトリウム水溶液を霧吹きで吹き付けて現像し、パターン化されたレジストが形成された導電積層体を得た。
次いで、図1に示す電気回路を構成し直流電圧をかけた。このとき電解液101は純水、対極105は厚さ1mmの銅板を使用した。次に、前記パターン化されたレジストが形成された導電積層体を、50℃の3質量%水酸化ナトリウム水溶液に30秒浸漬してドライフィルムレジストを除去して、パターン化された導電積層体を得た。以下、導電層103に+電圧をかけた場合、正の電圧値で表す。逆に、対極105に+の電圧をかけた場合を負の電圧値で表す。
以下、各実施例の手順および結果を説明する。
(実施例1)
上で説明した[アンダーコート層形成例]に従って、アンダーコート層を形成した。アンダーコート層上にカーボンナノチューブ分散液をグラビアロールUR120線、ライン速度に対するグラビアロールの周速比1.2倍の条件で塗工、カーボンナノチューブ層を形成した。なおグラビアロール線数とライン速度に対するグラビアロールの周速比と
から分散液の厚みが予測できるので、カーボンナノチューブの設計膜厚も算出できる。
周速比カーボンナノチューブ層上に[オーバーコート層形成例]の手法でオーバーコート層を設け、導電積層体を作製した。表面抵抗値は600Ω/□、全光線透過率は90%であった。この導電積層体に前記[パターン化された導電積層体の製造方法1]に従って10Vの直流電圧を2秒かけたところ、パターンラインが絶縁していることが確認された。
(実施例2〜6、比較例1)
アンダーコート層の作製までは各実施例、比較例で共通である。各実施例、比較例におけるカーボンナノチューブ分散液の塗布条件(グラビアロール線数、ライン速度に対するグラビアロールの周速比)、カーボンナノチューブの設計秤量およびオーバーコート層有無を表1および表2に示す組み合わせとした以外は、実施例1と同様にして導電積層体を作製した。作製した導電積層体を表2に示す印加電圧、電圧印加時間で実施例2と同様にパターン化した。
(実施例7)
PETフィルムを基材とし、導電体としてグラフェンが導電層となっているアイトリックス(株)製グラフェンフィルム(サイズ50mm×50mm)を用いて、表2に示す印加電圧、電圧印加時間で実施例1と同様にパターン化を行った。
(実施例8)
フィルムを基材とし、導電体として導電性高分子が導電層となっている長瀬産業(株)製NCF−100を用いて、表2に示す印加電圧、電圧印加時間で実施例1と同様にパターン化を行った。
(実施例9)
実施例1と同様にして導電積層体を作製した。導電積層体に、上で説明した[パターン化された導電積層体の製造方法2]に従って、5Vの直流電圧を20秒間かけた。このパターン化された導電積層体は細線部501が導通していることと、スペース502が絶縁できていることを確認した。
(実施例10)
印加する直流電圧条件を5V、60秒に変更した以外は実施例9と同様の方法でパターン化された導電積層体を得た。このパターン化された導電積層体も細線部501が導通していること、スペース502が絶縁できていることを確認した。
以上、実施例1〜6、9、10および比較例1のカーボンナノチューブ層形成時のグラビアロール線数、カーボンナノチューブ設計秤量を表1に、実施例1〜10および比較例1のオーバーコート層の有無、オーバーコート層膜厚、導電積層体の表面抵抗値、全光線透過率、印加電圧、電圧印加時間、スペース絶縁有無、細線部導通有無、およびパターン化後のオーバーコート層の残存の有無を表2に示す。
表2、実施例1〜3から、表面抵抗値600Ω/□、全光線透過率90%のサンプルはそれぞれ印加電圧10Vで電圧印加時間2秒、7.5Vで5秒、5Vで15秒以上の時間をかければ、十分にカーボンナノチューブが除去され、絶縁できることがわかる。実施例3と比較例1を比較すると、本パターン化手法は電圧の極性が重要であり、逆の電圧をかけてもカーボンナノチューブは除去されないことがわかる。実施例1、4、5から、適切な印加電圧値、電圧印加時間を選べば、本手法は少なくとも全光線透過率88%〜92%となるカーボンナノチューブ存在量の範囲で有効であり、オーバーコート層の有無に関係なく適用可能であることがわかる。なお、オーバーコート層を設けて実験を行った実施例1〜4、9、10においてパターン化後もオーバーコート層が残っており、パターンラインとスペースとの境界が視認されにくいものであった。
また、実施例7および8から、本手法はカーボンナノチューブを導電体とする導電積層体だけではなく、グラフェンまたは導電性高分子などの炭素原子を含む導電体を導電層中に含有する導電積層体にも有効であることがわかる。
また、実施例9および10より導電積層体にパターン化されたレジストを形成することによっても、導電積層体をパターン化できることがわかる。
(実施例11)
フォトマスクのパターンを静電容量式タッチスイッチが動作する形状とした以外は実施例1と同様にパターン化された導電積層体を製造した。これを静電容量式タッチスイッチとして駆動回路を取り付けたところ、静電容量式タッチスイッチとして作動することが確認できた。
(実施例12)
フォトマスクのパターンを静電容量式タッチパネルが動作する形状とした以外は実施例10と同様にパターン化された導電積層体を製造した。これを静電容量式タッチパネルとして駆動回路を取り付けたところ、静電容量式タッチパネルとして作動することが確認できた。
Figure 2015030115
Figure 2015030115
本発明の製造方法で得られたパターン化された導電積層体は静電容量式タッチスイッチ、静電容量式タッチパネル、抵抗膜式タッチパネル、太陽電池用電極等に幅広く用いることができる。
101:電解液
102:基材
103:導電層
104:レジスト
105:対極
106:導電線
201:基材
202:導電層
203:導電積層体
204:スペーサー
205:下部基材
206:電解液
207:対極
301:基材
302:導電層
303:導電積層体
304:スペーサー
305:下部基材
306:電解液
307:対極
308:下部電極積層体
401:抵抗計
402:+端子
403:−端子
404:導電体残存部
405:スペース
406:導電体残存部
501:細線部
502:スペース
503:導電体残存部
504A、504B:導通確認用電極接続部位
601:導電層
602:スペース
701:電気炉
702:石英焼結板
703:反応器
704:触媒層
705:熱電対
706:排ガス管
707:マスフローコントローラー
708:混合ガス導入管
709:炭化水素ガスボンベ
710:不活性ガスボンベ
801:細線部相当部
802:スペース相当部
803:導電体残存部相当部
804A、804B:導通確認用電極接続部位相当部

Claims (11)

  1. 順に、基材、および炭素原子を含む導電体を含む導電層を有する導電積層体に対し、電解液を介在させて、対極が存在している状態で、
    導電層をアノード電極、対極をカソード電極として電圧を印加し、導電積層体から、導電層中の導電体を除去する工程を有するパターン化された導電積層体の製造方法。
  2. 電圧を印加するときに導電積層体の導電層側の表面の一部に、導電積層体と電解液との接触を妨げ、かつパターン化されているマスキング材が存在している請求項1記載のパターン化された導電積層体の製造方法。
  3. 電圧を印加するときに、対極の導電積層体側の表面の一部に、対極と電解液との接触を妨げ、かつパターン化されているマスキング材が存在している請求項1記載のパターン化された導電積層体の製造方法。
  4. 対極がパターン形状を有している請求項1記載のパターン化された導電積層体の製造方法。
  5. 前記炭素原子を含む導電体がカーボンナノチューブ、グラフェンおよび導電性高分子からなる群より選択される少なくとも1つである請求項1〜4いずれかに記載のパターン化された導電積層体の製造方法。
  6. 導電層が、電圧の印加前において絶縁物を含み、導電層中の導電体を除去した後も、導電体が除去された部位に絶縁物が残存している請求項1〜5いずれかに記載のパターン化された導電積層体の製造方法。
  7. 印加電圧が5V以上15V以下である請求項1〜6いずれかに記載のパターン化された導電積層体の製造方法。
  8. 電圧の印加時間が2秒以上60秒以下である請求項1〜7いずれかに記載のパターン化された導電積層体の製造方法。
  9. 請求項1〜8いずれかの製造方法で製造されたパターン化された導電積層体。
  10. 請求項9記載のパターン化された導電積層体を用いた静電容量式タッチスイッチ。
  11. 請求項9記載のパターン化された導電積層体を用いたタッチパネル。
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