JPWO2015025785A1 - 負極材料、負極活物質、負極およびアルカリ金属イオン電池 - Google Patents
負極材料、負極活物質、負極およびアルカリ金属イオン電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2015025785A1 JPWO2015025785A1 JP2015532833A JP2015532833A JPWO2015025785A1 JP WO2015025785 A1 JPWO2015025785 A1 JP WO2015025785A1 JP 2015532833 A JP2015532833 A JP 2015532833A JP 2015532833 A JP2015532833 A JP 2015532833A JP WO2015025785 A1 JPWO2015025785 A1 JP WO2015025785A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- negative electrode
- electrode material
- region
- material according
- less
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M4/00—Electrodes
- H01M4/02—Electrodes composed of, or comprising, active material
- H01M4/36—Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
- H01M4/58—Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic compounds other than oxides or hydroxides, e.g. sulfides, selenides, tellurides, halogenides or LiCoFy; of polyanionic structures, e.g. phosphates, silicates or borates
- H01M4/583—Carbonaceous material, e.g. graphite-intercalation compounds or CFx
- H01M4/587—Carbonaceous material, e.g. graphite-intercalation compounds or CFx for inserting or intercalating light metals
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M10/00—Secondary cells; Manufacture thereof
- H01M10/05—Accumulators with non-aqueous electrolyte
- H01M10/056—Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes
- H01M10/0564—Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes the electrolyte being constituted of organic materials only
- H01M10/0566—Liquid materials
- H01M10/0568—Liquid materials characterised by the solutes
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M10/00—Secondary cells; Manufacture thereof
- H01M10/05—Accumulators with non-aqueous electrolyte
- H01M10/056—Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes
- H01M10/0564—Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes the electrolyte being constituted of organic materials only
- H01M10/0566—Liquid materials
- H01M10/0569—Liquid materials characterised by the solvents
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M4/00—Electrodes
- H01M4/02—Electrodes composed of, or comprising, active material
- H01M4/13—Electrodes for accumulators with non-aqueous electrolyte, e.g. for lithium-accumulators; Processes of manufacture thereof
- H01M4/133—Electrodes based on carbonaceous material, e.g. graphite-intercalation compounds or CFx
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M4/00—Electrodes
- H01M4/02—Electrodes composed of, or comprising, active material
- H01M4/13—Electrodes for accumulators with non-aqueous electrolyte, e.g. for lithium-accumulators; Processes of manufacture thereof
- H01M4/134—Electrodes based on metals, Si or alloys
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M10/00—Secondary cells; Manufacture thereof
- H01M10/05—Accumulators with non-aqueous electrolyte
- H01M10/052—Li-accumulators
- H01M10/0525—Rocking-chair batteries, i.e. batteries with lithium insertion or intercalation in both electrodes; Lithium-ion batteries
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M10/00—Secondary cells; Manufacture thereof
- H01M10/05—Accumulators with non-aqueous electrolyte
- H01M10/054—Accumulators with insertion or intercalation of metals other than lithium, e.g. with magnesium or aluminium
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M4/00—Electrodes
- H01M4/02—Electrodes composed of, or comprising, active material
- H01M2004/026—Electrodes composed of, or comprising, active material characterised by the polarity
- H01M2004/027—Negative electrodes
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M4/00—Electrodes
- H01M4/02—Electrodes composed of, or comprising, active material
- H01M4/62—Selection of inactive substances as ingredients for active masses, e.g. binders, fillers
- H01M4/621—Binders
- H01M4/622—Binders being polymers
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Electrochemistry (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
- Composite Materials (AREA)
- Secondary Cells (AREA)
- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
Abstract
本発明の負極材料(100)は、アルカリ金属イオン電池に用いられる炭素質の負極材料である。そして、線源としてCuKα線を用いたX線回折法により求められる(002)面の平均層面間隔d002が0.340nm以上であるとともに、下記の要件Aおよび要件Bのうち少なくとも一方を満たす。(要件A)負極材料(100)をエポキシ樹脂で包埋し上記エポキシ樹脂を硬化させた後、得られた硬化物を切断して研磨することによって負極材料(100)の断面を露出させたとき、上記断面が、微小硬度測定によって測定される硬度が異なる第一領域(101)および第二領域(103)を有する(要件B)負極材料(100)をエポキシ樹脂で包埋し上記エポキシ樹脂を硬化させた後、得られた硬化物を切断して研磨することによって負極材料(100)の断面を露出させたとき、上記断面が、透過型電子顕微鏡によって観察される電子線回折像を画像解析して得られる曲線が持つグラファイトの格子定数に対応するピークの強度が異なる第一領域(101)および第二領域(103)を有する
Description
本発明は、負極材料、負極活物質、負極およびアルカリ金属イオン電池に関する。
アルカリ金属イオン電池用の負極材料としては、一般的に、黒鉛質材料が用いられている。しかし、黒鉛質材料はリチウムなどのアルカリ金属イオンのドープ・脱ドープにより結晶子の層間が伸縮するため、結晶子に歪みが生じやすい。そのため、黒鉛質材料は充放電の繰り返しによる結晶構造の破壊が起こりやすく、黒鉛質材料を負極材料に用いたアルカリ金属イオン電池は充放電サイクル特性に劣るとされている。
特許文献1(特開平8−115723号公報)には、X線回折法により求めた(002)面の平均層面間隔が0.365nm以上、ブタノールを置換媒体として測定した密度(ρB )に対するヘリウムガスを置換媒体として測定した密度(ρH )の比(ρH /ρB )が1.15以上であることを特徴とする二次電池電極用炭素質材料が記載されている。
このような炭素質材料は結晶子の層間が黒鉛質材料に比べて大きく、充放電の繰り返しによる結晶構造の破壊が黒鉛質材料に比べて起こり難いため、充放電サイクル特性に優れるとされている(特許文献1、2参照)。
このような炭素質材料は結晶子の層間が黒鉛質材料に比べて大きく、充放電の繰り返しによる結晶構造の破壊が黒鉛質材料に比べて起こり難いため、充放電サイクル特性に優れるとされている(特許文献1、2参照)。
ところが、特許文献1に記載されているような、結晶子の層間が黒鉛質材料に比べて大きい炭素質材料は、黒鉛質材料に比べて大気中で劣化し易く、保存特性が劣っていた。そのため、製造直後から不活性ガス雰囲気などで保存する必要があり、黒鉛質材料に比べて取り扱い難いとされていた。
一般的に、d002が黒鉛質材料に比べて大きい負極材料は、黒鉛質材料よりも微細な細孔が発達しているため、その細孔内部に水分が吸着し易い。水分が吸着していると、負極材料にドープされたリチウムと水分との間で不可逆的な反応が生じ、その結果として、初期充電時の不可逆容量の増加や充放電サイクル特性の低下が起きてしまう。このような理由から、d002が大きい負極材料は黒鉛質材料よりも保存特性が劣ると考えられていた(例えば、特許文献2参照)。そのため、従来は、負極材料の細孔を閉孔させ、平衡水分吸着量を減らすことにより保存特性の改良を試みていた(例えば、特許文献2参照)。
しかし、本発明者らが、劣化した負極材料を加熱乾燥して、微細な細孔内に吸着した水分を除去することにより負極材料の再生を試みたところ、負極材料を完全に再生させることはできなかった。また、特許文献2のように、負極材料の細孔を閉孔させると、充放電容量が低下してしまうという問題もあった。
そこで、本発明では、黒鉛質材料に比べて大きい(002)面の平均層面間隔を有しつつ、保存特性および充放電容量に優れたアルカリ金属イオン電池用負極材料を提供することを課題とする。
本発明によれば、
アルカリ金属イオン電池に用いられる炭素質の負極材料であって、
線源としてCuKα線を用いたX線回折法により求められる(002)面の平均層面間隔d002が0.340nm以上であるとともに、
エポキシ樹脂で包埋し上記エポキシ樹脂を硬化させた後、得られた硬化物を切断して研磨することによって上記負極材料の断面を露出させたとき、上記断面が、微小硬度測定によって測定される硬度が異なる第一領域および第二領域を有する、負極材料が提供される。
アルカリ金属イオン電池に用いられる炭素質の負極材料であって、
線源としてCuKα線を用いたX線回折法により求められる(002)面の平均層面間隔d002が0.340nm以上であるとともに、
エポキシ樹脂で包埋し上記エポキシ樹脂を硬化させた後、得られた硬化物を切断して研磨することによって上記負極材料の断面を露出させたとき、上記断面が、微小硬度測定によって測定される硬度が異なる第一領域および第二領域を有する、負極材料が提供される。
本発明によれば、
アルカリ金属イオン電池に用いられる炭素質の負極材料であって、
線源としてCuKα線を用いたX線回折法により求められる(002)面の平均層面間隔d002が0.340nm以上であるとともに、
エポキシ樹脂で包埋し上記エポキシ樹脂を硬化させた後、得られた硬化物を切断して研磨することによって上記負極材料の断面を露出させたとき、上記断面が、透過型電子顕微鏡によって観察される電子線回折像を画像解析して得られる曲線が持つグラファイトの格子定数に対応するピークの強度が異なる第一領域および第二領域を有する、負極材料が提供される。
アルカリ金属イオン電池に用いられる炭素質の負極材料であって、
線源としてCuKα線を用いたX線回折法により求められる(002)面の平均層面間隔d002が0.340nm以上であるとともに、
エポキシ樹脂で包埋し上記エポキシ樹脂を硬化させた後、得られた硬化物を切断して研磨することによって上記負極材料の断面を露出させたとき、上記断面が、透過型電子顕微鏡によって観察される電子線回折像を画像解析して得られる曲線が持つグラファイトの格子定数に対応するピークの強度が異なる第一領域および第二領域を有する、負極材料が提供される。
さらに、本発明によれば、
上記負極材料を含む、負極活物質が提供される。
上記負極材料を含む、負極活物質が提供される。
さらに、本発明によれば、
上記負極活物質を含む、負極が提供される。
上記負極活物質を含む、負極が提供される。
さらに、本発明によれば、
上記負極と、電解質と、正極とを少なくとも備えた、アルカリ金属イオン電池が提供される。
上記負極と、電解質と、正極とを少なくとも備えた、アルカリ金属イオン電池が提供される。
本発明によれば、黒鉛質材料に比べて大きい(002)面の平均層面間隔を有しつつ、保存特性および充放電容量に優れたアルカリ金属イオン電池用負極材料を提供することができる。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、図は概略図であり、実際の寸法比率とは必ずしも一致していない。
<負極材料>
本実施形態に係る負極材料100は、アルカリ金属イオン電池に用いられる炭素質の負極材料である。そして、線源としてCuKα線を用いたX線回折法により求められる(002)面の平均層面間隔d002(以下、「d002」とも呼ぶ。)が0.340nm以上である。
また、負極材料100は、下記の(要件A)および(要件B)のうち少なくとも一方を満たす。
本実施形態に係る負極材料100は、アルカリ金属イオン電池に用いられる炭素質の負極材料である。そして、線源としてCuKα線を用いたX線回折法により求められる(002)面の平均層面間隔d002(以下、「d002」とも呼ぶ。)が0.340nm以上である。
また、負極材料100は、下記の(要件A)および(要件B)のうち少なくとも一方を満たす。
(要件A)当該負極材料をエポキシ樹脂で包埋し上記エポキシ樹脂を硬化させた後、得られた硬化物を切断して研磨することによって上記負極材料の断面を露出させたとき、上記断面が、微小硬度測定によって測定される硬度が異なる第一領域および第二領域を有する。
(要件B)当該負極材料をエポキシ樹脂で包埋し上記エポキシ樹脂を硬化させた後、得られた硬化物を切断して研磨することによって上記負極材料の断面を露出させたとき、上記断面が、透過型電子顕微鏡によって観察される電子線回折像を画像解析して得られる曲線が持つグラファイトの格子定数に対応するピークの強度(以下、グラファイトの格子定数に対応するピーク強度とも呼ぶ。)が異なる第一領域および第二領域を有する。
上記平均層面間隔d002の下限は、0.340nm以上であり、好ましくは0.350nm以上であり、より好ましくは0.365nm以上である。d002が上記下限値以上であると、リチウムなどのアルカリ金属イオンのドープ・脱ドープの繰り返しによる結晶構造の破壊が抑制されるため、負極材料100の充放電サイクル特性を向上させることができる。
平均層面間隔d002の上限は特に限定されないが、通常は0.400nm以下であり、好ましくは0.395nm以下であり、より好ましくは0.390nm以下である。d002が上記上限値以下であると、負極材料100の不可逆的容量を抑制することができる。
このような、平均層面間隔d002を有する炭素質の材料は、一般的に、難黒鉛化性の炭素と呼ばれている。
平均層面間隔d002の上限は特に限定されないが、通常は0.400nm以下であり、好ましくは0.395nm以下であり、より好ましくは0.390nm以下である。d002が上記上限値以下であると、負極材料100の不可逆的容量を抑制することができる。
このような、平均層面間隔d002を有する炭素質の材料は、一般的に、難黒鉛化性の炭素と呼ばれている。
また、負極材料100は、上記の要件Aおよび要件Bのうち少なくとも一方を満たしている。上記の要件Aおよび要件Bのうち少なくとも一方を満たすことによって、負極材料100の保存特性および充放電容量を優れたものにすることができる。
上記の要件Aおよび要件Bのうち少なくとも一方を満たす負極材料100が、d002が0.340nm以上であるにもかかわらず、保存特性および充放電容量に優れる理由は必ずしも明らかではないが、上記第一領域および第二領域で硬度あるいは結晶性が異なることにより、高容量化に寄与する領域と、保存特性の向上に寄与する領域が適切な形で形成されているからだと考えられる。
以下、図1を用いて上記の要件Aおよび要件Bについてより詳細に説明する。図1は、本発明に係る実施形態の負極材料100の断面構造の一例を説明するための模式図である。
図1(a)〜(c)に示すように、負極材料100は、第一領域101と第二領域103とを備えている。第一領域101の範囲においては、微小硬度測定によって測定される硬度及び/又はグラファイトの格子定数に対応するピーク強度は、ほぼ一定である。また、第二領域103の範囲においては、上記硬度及び/又はグラファイトの格子定数に対応するピーク強度は、ほぼ一定である。
ここで、上記硬度がほぼ一定とは、例えば、微小硬度測定によって測定される硬度の変動幅が±0.1GPa以内であることを意味する。
また、グラファイトの格子定数に対応するピーク強度がほぼ一定とは、例えば、測定されるピーク強度の変動幅が±0.01以内であることを意味する。
ここで、上記硬度がほぼ一定とは、例えば、微小硬度測定によって測定される硬度の変動幅が±0.1GPa以内であることを意味する。
また、グラファイトの格子定数に対応するピーク強度がほぼ一定とは、例えば、測定されるピーク強度の変動幅が±0.01以内であることを意味する。
また、図1(a)〜(c)に示すように、負極材料100は、負極材料100の上記断面の外延に沿って第一領域101が存在し、第一領域101の内側に第二領域103が存在していることが好ましい。負極材料100が上記構成を備える場合、保存特性向上および充放電容量増大の効果を有する。
負極材料100は、第二領域103の微小硬度測定によって測定される硬度が第一領域101の微小硬度測定によって測定される硬度よりも大きいことが好ましい。この場合、保存特性向上および充放電容量増大の効果を有する。
さらに、負極材料100は、第二領域103のグラファイトの格子定数に対応するピーク強度が第一領域101の上記ピーク強度よりも大きいことが好ましい。この場合、保存特性向上および充放電容量増大の効果を有する。
上記第二領域103の微小硬度測定によって測定される硬度は、好ましくは1GPa以上7GPa以下、より好ましくは2GPa以上6GPa以下、特に好ましくは4GPa以上6GPa以下である。上記第二領域103の微小硬度測定によって測定される硬度が上記範囲の場合、保存特性向上および充放電容量増大の効果を有する。
上記第一領域101の微小硬度測定によって測定される硬度は、好ましくは0.1GPa以上6GPa以下、より好ましくは0.2GPa以上5GPa以下、特に好ましくは0.5GPa以上4.5GPa以下である。上記第一領域101の微小硬度測定によって測定される硬度が上記範囲の場合、保存特性向上および充放電容量増大の効果を有する。
上記第一領域101の微小硬度測定によって測定される硬度は、好ましくは0.1GPa以上6GPa以下、より好ましくは0.2GPa以上5GPa以下、特に好ましくは0.5GPa以上4.5GPa以下である。上記第一領域101の微小硬度測定によって測定される硬度が上記範囲の場合、保存特性向上および充放電容量増大の効果を有する。
上記第二領域103の微小硬度測定によって測定される弾性率は、好ましくは9GPa以上30GPa以下、より好ましくは15GPa以上29GPa以下、特に好ましくは18GPa以上28GPa以下である。上記第二領域103の微小硬度測定によって測定される弾性率が上記範囲の場合、保存特性向上および充放電容量増大の効果を有する。
また、負極材料100は、負極材料100をエポキシ樹脂で包埋し上記エポキシ樹脂を硬化させた後、得られた硬化物を切断して研磨することにより負極材料100の断面を露出させ、次いで、光学顕微鏡を用いて上記断面を1000倍の倍率で明視野観察したとき、上記断面に、反射率が異なる第一領域101および第二領域103が観察される。
このように、反射率が異なる第一領域101および第二領域103が観察される負極材料100は、保存特性および充放電容量に優れている。
このように、反射率が異なる第一領域101および第二領域103が観察される負極材料100は、保存特性および充放電容量に優れている。
以下、図1を用いて反射率が異なる第一領域101および第二領域103についてより詳細に説明する。
図1は、本発明に係る実施形態の負極材料100の断面構造の一例を説明するための模式図である。
図1は、本発明に係る実施形態の負極材料100の断面構造の一例を説明するための模式図である。
負極材料100は、図1(a)〜(c)に示すように、例えば、第一領域101と第二領域103それぞれにおいて反射率がほぼ一定で、第一領域101と第二領域103との界面において反射率が不連続に変化している。
また、負極材料100は、図1(a)〜(c)に示すように、例えば、負極材料100の上記断面の外延に沿って第一領域101が存在し、第一領域101の内側に第二領域103が存在している。
さらに、負極材料100は、例えば、第二領域103の反射率(B)が第一領域101の反射率(A)よりも大きい。すなわち、光学顕微鏡で観察した際に、第二領域103の方が第一領域101よりも白っぽく(明るく)観察される。
上記のような反射率が異なる第一領域101および第二領域103が観察される負極材料100が、d002が0.340nm以上であるにもかかわらず、保存特性および充放電容量に優れる理由は必ずしも明らかではないが、高容量化に寄与する領域と、保存特性の向上に寄与する領域が適切な形で形成されているからだと考えられる。
負極材料100は、リチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池などのアルカリ金属イオン電池の負極材料100として用いられる。とくに、負極材料100は、リチウムイオン電池の負極材料として好適に用いられる。
(カールフィッシャー電量滴定法による水分量)
負極材料100は、温度40℃、相対湿度90%RHの条件下で当該負極材料100を120時間保持した後、負極材料100を温度130℃、窒素雰囲気の条件下で1時間保持して予備乾燥し、次いで、予備乾燥した後の負極材料100を200℃、30分間保持することにより発生した水分をカールフィッシャー電量滴定法にて測定したとき、予備乾燥した後の負極材料100から発生した水分量が、上記予備乾燥した後の負極材料100を100質量%に対し、好ましくは0.20質量%以下であり、より好ましくは0.15質量%以下であり、特に好ましくは0.10質量%以下である。
上記水分量が上記上限値以下であると、負極材料100を大気中で長期間保存したとしても、負極材料100の劣化をより一層抑制することができる。なお、上記水分量は、200℃で、30分間保持することにより脱離する化学吸着水の吸着量の指標を意味する。
上記水分量の下限は特に限定されないが、通常は0.01質量%以上である。
負極材料100は、温度40℃、相対湿度90%RHの条件下で当該負極材料100を120時間保持した後、負極材料100を温度130℃、窒素雰囲気の条件下で1時間保持して予備乾燥し、次いで、予備乾燥した後の負極材料100を200℃、30分間保持することにより発生した水分をカールフィッシャー電量滴定法にて測定したとき、予備乾燥した後の負極材料100から発生した水分量が、上記予備乾燥した後の負極材料100を100質量%に対し、好ましくは0.20質量%以下であり、より好ましくは0.15質量%以下であり、特に好ましくは0.10質量%以下である。
上記水分量が上記上限値以下であると、負極材料100を大気中で長期間保存したとしても、負極材料100の劣化をより一層抑制することができる。なお、上記水分量は、200℃で、30分間保持することにより脱離する化学吸着水の吸着量の指標を意味する。
上記水分量の下限は特に限定されないが、通常は0.01質量%以上である。
上記カールフィッシャー電量滴定法による水分量が上記上限値以下であると、負極材料100の劣化をより一層抑制することができる理由は必ずしも明らかではないが、上記水分量が少ない負極材料100ほど、水分の吸着が起き難い構造になっているからだと考えられる。
本発明者らの検討によると、負極材料100に吸着する水分には大きく分けて物理吸着水と化学吸着水とが存在し、化学吸着水の吸着量がより少ない負極材料100ほど保存特性により優れると共に充放電容量にもより優れることが明らかになった。すなわち、化学吸着水の吸着量という尺度が、保存特性および充放電容量に優れた負極材料100を実現するための設計指針として有効であることを見出した。
ここで、物理吸着水とは、負極材料100の表面に主に水分子として物理的に存在している吸着水をいう。一方、化学吸着水とは、負極材料100の表面の第一層に配位または化学的に結合して存在している吸着水をいう。
化学吸着水の吸着量が少ない負極材料100は、その表面が水分を配位または化学的に結合し難い構造になっている、あるいは大気中に放置してもそのような構造に変化し難い構造になっていると考えられる。したがって、上記水分量が上記上限値以下であると、大気中で長期間保存したとしても、水分の吸着が起き難い、あるいは表面構造が変化し難いため、保存特性により一層優れていると考えられる。
ここで、物理吸着水とは、負極材料100の表面に主に水分子として物理的に存在している吸着水をいう。一方、化学吸着水とは、負極材料100の表面の第一層に配位または化学的に結合して存在している吸着水をいう。
化学吸着水の吸着量が少ない負極材料100は、その表面が水分を配位または化学的に結合し難い構造になっている、あるいは大気中に放置してもそのような構造に変化し難い構造になっていると考えられる。したがって、上記水分量が上記上限値以下であると、大気中で長期間保存したとしても、水分の吸着が起き難い、あるいは表面構造が変化し難いため、保存特性により一層優れていると考えられる。
なお、本実施形態では、温度130℃、窒素雰囲気の条件下で1時間保持する上記予備乾燥において負極材料100から脱離する水分を物理吸着水と呼び、予備乾燥した後の負極材料100を200℃、30分間保持する上記操作において負極材料100から脱離する水分を化学吸着水と呼ぶ。
(結晶子のサイズ)
負極材料100は、X線回折法により求めたc軸方向の結晶子の大きさ(以下「Lc(002) 」と略記することがある。)が、好ましくは5nm以下であり、より好ましくは3nm以下であり、さらに好ましくは2nm以下である。
負極材料100は、X線回折法により求めたc軸方向の結晶子の大きさ(以下「Lc(002) 」と略記することがある。)が、好ましくは5nm以下であり、より好ましくは3nm以下であり、さらに好ましくは2nm以下である。
(平均粒径)
負極材料100は通常は粒子状である。
負極材料100は体積基準の累積分布における50%累積時の粒径(D50、平均粒径)が、1μm以上50μm以下であることが好ましく、2μm以上30μm以下であることがより好ましい。これにより、高密度の負極を作製することができる。
負極材料100は通常は粒子状である。
負極材料100は体積基準の累積分布における50%累積時の粒径(D50、平均粒径)が、1μm以上50μm以下であることが好ましく、2μm以上30μm以下であることがより好ましい。これにより、高密度の負極を作製することができる。
(比表面積)
負極材料100は、窒素吸着におけるBET3点法による比表面積が1m2/g以上15m2/g以下であることが好ましく、3m2/g以上8m2/g以下であることがより好ましい。
窒素吸着におけるBET3点法による比表面積が上記上限値以下であることにより、負極材料100と電解液との不可逆的な反応をより一層抑制することができる。
また、窒素吸着におけるBET3点法による比表面積が上記下限値以上であることにより、電解液の負極材料100への適切な浸透性を得ることができる。
負極材料100は、窒素吸着におけるBET3点法による比表面積が1m2/g以上15m2/g以下であることが好ましく、3m2/g以上8m2/g以下であることがより好ましい。
窒素吸着におけるBET3点法による比表面積が上記上限値以下であることにより、負極材料100と電解液との不可逆的な反応をより一層抑制することができる。
また、窒素吸着におけるBET3点法による比表面積が上記下限値以上であることにより、電解液の負極材料100への適切な浸透性を得ることができる。
比表面積の算出方法は以下のとおりである。
下記(1)式より単分子層吸着量Wmを算出し、下記(2)式より総表面積Stotalを算出し、下記(3)式より比表面積Sを求める。
1/[W・{(Po/P)−1}]={(C−1)/(Wm・C)}(P/Po)(1/(Wm・C)) (1)
下記(1)式より単分子層吸着量Wmを算出し、下記(2)式より総表面積Stotalを算出し、下記(3)式より比表面積Sを求める。
1/[W・{(Po/P)−1}]={(C−1)/(Wm・C)}(P/Po)(1/(Wm・C)) (1)
上記式(1)中、P:吸着平衡にある吸着質の気体の圧力、Po:吸着温度における吸着質の飽和蒸気圧、W:吸着平衡圧Pにおける吸着量、Wm:単分子層吸着量、C:固体表面と吸着質との相互作用の大きさに関する定数(C=exp{(E1−E2)RT})[E1:第一層の吸着熱(kJ/mol)、E2:吸着質の測定温度における液化熱(kJ/mol)]
Stotal=(WmNAcs)M (2)
上記式(2)中、N:アボガドロ数、M:分子量、Acs:吸着断面積
上記式(2)中、N:アボガドロ数、M:分子量、Acs:吸着断面積
S=Stotal/w (3)
式(3)中、w:サンプル重量(g)
式(3)中、w:サンプル重量(g)
(炭酸ガスの吸着量)
負極材料100の炭酸ガスの吸着量の上限値は、好ましくは10ml/g未満であり、より好ましくは8.5ml/g未満であり、さらに好ましくは6.5ml/g未満である。炭酸ガスの吸着量が上記上限値未満の場合、負極材料100の保存特性をより一層向上させることができる。
また、負極材料100の下限値は、炭酸ガスの吸着量が好ましくは0.05ml/g以上であり、より好ましくは0.1ml/g以上である。炭酸ガスの吸着量の下限値が上記下限値以上の場合、充電容量をより一層向上させることができる。
なお、炭酸ガスの吸着量の測定は、真空乾燥機を用いて、負極材料100を130℃で3時間以上真空乾燥を行ったものを測定試料とし、Micromeritics Instrument Corporation社製ASAP−2000Mを使用して行うことができる。
負極材料100の炭酸ガスの吸着量の上限値は、好ましくは10ml/g未満であり、より好ましくは8.5ml/g未満であり、さらに好ましくは6.5ml/g未満である。炭酸ガスの吸着量が上記上限値未満の場合、負極材料100の保存特性をより一層向上させることができる。
また、負極材料100の下限値は、炭酸ガスの吸着量が好ましくは0.05ml/g以上であり、より好ましくは0.1ml/g以上である。炭酸ガスの吸着量の下限値が上記下限値以上の場合、充電容量をより一層向上させることができる。
なお、炭酸ガスの吸着量の測定は、真空乾燥機を用いて、負極材料100を130℃で3時間以上真空乾燥を行ったものを測定試料とし、Micromeritics Instrument Corporation社製ASAP−2000Mを使用して行うことができる。
(ρH/ρB)
負極材料100は、ブタノールを置換媒体として測定した密度(ρB)に対するヘリウムガスを置換媒体として測定した密度(ρH)の比(ρH/ρB)が好ましくは1.05超であり、より好ましくは1.07以上であり、さらに好ましくは1.09以上である。
また、ρH/ρBが好ましくは1.25未満であり、より好ましくは1.20未満であり、さらに好ましくは1.15未満である。
負極材料100は、ブタノールを置換媒体として測定した密度(ρB)に対するヘリウムガスを置換媒体として測定した密度(ρH)の比(ρH/ρB)が好ましくは1.05超であり、より好ましくは1.07以上であり、さらに好ましくは1.09以上である。
また、ρH/ρBが好ましくは1.25未満であり、より好ましくは1.20未満であり、さらに好ましくは1.15未満である。
上記ρH/ρBが上記下限値以上であると、リチウムの充電容量をより一層向上させることができる。また、上記ρH/ρBが上記上限値以下であると、リチウムの不可逆容量をより一層低減させることができる。
ρH/ρBの値は、負極材料100の細孔構造の一つの指標であり、この値が大きいほどブタノールは進入できないがヘリウムは進入できる大きさの細孔が多いことを意味する。つまり、ρH/ρBが大きいことは微細な細孔が多数存在することを意味する。また、ヘリウムも進入できないような細孔が多く存在すると、ρH/ρBは小さくなる。
また、負極材料100は、細孔サイズの制御の観点から、ρBが好ましくは1.50g/cm3以上1.80g/cm3以下であり、より好ましくは1.55g/cm3以上1.78g/cm3以下であり、さらに好ましくは1.60g/cm3以上1.75g/cm3以下である。
また、負極材料100は、細孔サイズの制御の観点から、ρHが好ましくは1.80g/cm3以上2.10g/cm3以下であり、より好ましくは1.85g/cm3以上2.05g/cm3以下であり、さらに好ましくは1.88g/cm3以上2.00g/cm3以下である。
また、負極材料100は、細孔サイズの制御の観点から、ρHが好ましくは1.80g/cm3以上2.10g/cm3以下であり、より好ましくは1.85g/cm3以上2.05g/cm3以下であり、さらに好ましくは1.88g/cm3以上2.00g/cm3以下である。
(細孔容積)
負極材料100は、充填密度向上の観点から、水銀圧入法により求めた細孔直径が0.003μm〜5μmの細孔容積が好ましくは0.55ml/g未満であり、より好ましくは0.53ml/g以下であり、さらに好ましくは0.50ml/g以下である。
また、負極材料100は、不可逆容量の低減の観点から、水銀圧入法により求めた細孔直径が0.003μm〜5μmの細孔容積が好ましくは0.10ml/g以上であり、より好ましくは0.20ml/g以上であり、さらに好ましくは0.30ml/g以上である。
ここで、水銀圧入法による細孔容積はMICROMERITICS社製オートポアIII9420を用いて測定することができる。
負極材料100は、充填密度向上の観点から、水銀圧入法により求めた細孔直径が0.003μm〜5μmの細孔容積が好ましくは0.55ml/g未満であり、より好ましくは0.53ml/g以下であり、さらに好ましくは0.50ml/g以下である。
また、負極材料100は、不可逆容量の低減の観点から、水銀圧入法により求めた細孔直径が0.003μm〜5μmの細孔容積が好ましくは0.10ml/g以上であり、より好ましくは0.20ml/g以上であり、さらに好ましくは0.30ml/g以上である。
ここで、水銀圧入法による細孔容積はMICROMERITICS社製オートポアIII9420を用いて測定することができる。
(放電容量)
負極材料100は、後述する条件で作製したハーフセルについて、後述する充放電条件で充放電をおこなった際の放電容量が、好ましくは360mAh/g以上であり、より好ましくは380mAh/g以上であり、さらに好ましくは400mAh/g以上であり、特に好ましくは420mAh/g以上である。上記放電容量の上限は特に限定されず、多ければ多いほど好ましいが、現実的には700mAh/g以下であり、通常は500mAh/g以下である。なお、本明細書では、「mAh/g」は負極材料100の1gあたりの容量を示す。
負極材料100は、後述する条件で作製したハーフセルについて、後述する充放電条件で充放電をおこなった際の放電容量が、好ましくは360mAh/g以上であり、より好ましくは380mAh/g以上であり、さらに好ましくは400mAh/g以上であり、特に好ましくは420mAh/g以上である。上記放電容量の上限は特に限定されず、多ければ多いほど好ましいが、現実的には700mAh/g以下であり、通常は500mAh/g以下である。なお、本明細書では、「mAh/g」は負極材料100の1gあたりの容量を示す。
(ハーフセル作製条件)
上述したハーフセルの作製条件について説明する。
使用する負極は、負極材料100により形成したものを用いる。より具体的には、負極材料100とカルボキシメチルセルロースとスチレン・ブタジエンゴムとアセチレンブラックとを、重量比で100:1.5:3.0:2.0の割合で混合した組成物を用いて電極を形成したものを用いる。
対極は、金属リチウムを用いる。
電解液は、カーボネート系溶媒(エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比1:1で混合した混合溶媒)に1Mの割合でLiPF6を溶解させたものを用いる。
上述したハーフセルの作製条件について説明する。
使用する負極は、負極材料100により形成したものを用いる。より具体的には、負極材料100とカルボキシメチルセルロースとスチレン・ブタジエンゴムとアセチレンブラックとを、重量比で100:1.5:3.0:2.0の割合で混合した組成物を用いて電極を形成したものを用いる。
対極は、金属リチウムを用いる。
電解液は、カーボネート系溶媒(エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比1:1で混合した混合溶媒)に1Mの割合でLiPF6を溶解させたものを用いる。
上記負極は、例えば、以下のようにして作製することができる。
まず、所定量の負極材料100と、カルボキシメチルセルロースと、スチレン・ブタジエンゴムと、アセチレンブラックと、水とを撹拌混合し、スラリーを調製する。得られたスラリーを集電体である銅箔上に塗布し、60℃で2時間予備乾燥を行い、その後、120℃で15時間真空乾燥する。次いで、所定の大きさに切り出すことにより、負極材料100により構成された負極を得ることができる。
まず、所定量の負極材料100と、カルボキシメチルセルロースと、スチレン・ブタジエンゴムと、アセチレンブラックと、水とを撹拌混合し、スラリーを調製する。得られたスラリーを集電体である銅箔上に塗布し、60℃で2時間予備乾燥を行い、その後、120℃で15時間真空乾燥する。次いで、所定の大きさに切り出すことにより、負極材料100により構成された負極を得ることができる。
また、上記負極は、直径13mmの円盤状とし、負極活物質層(負極から集電体を除いた部分)は、厚さ50μmの円盤状とし、対極(金属リチウムで構成された電極)は、直径12mm、厚さ1mmの円盤状とすることができる。
また、上記ハーフセルの形状は、2032型コインセル形状とすることができる。
また、上記ハーフセルの形状は、2032型コインセル形状とすることができる。
(充放電条件)
上述したハーフセルの充放電条件は以下のとおりである。
測定温度:25℃
充電方式:定電流定電圧法、充電電流:25mA/g、充電電圧:0mV、充電終止電流:2.5mA/g
放電方式:定電流法、放電電流:25mA/g、放電終止電圧:2.5V
上述したハーフセルの充放電条件は以下のとおりである。
測定温度:25℃
充電方式:定電流定電圧法、充電電流:25mA/g、充電電圧:0mV、充電終止電流:2.5mA/g
放電方式:定電流法、放電電流:25mA/g、放電終止電圧:2.5V
なお、ハーフセルについての「充電」とは、電圧の印加により、金属リチウムで構成された電極から負極材料100により構成された電極にリチウムイオンを移動させることをいう。「放電」とは、負極材料100により構成された電極から金属リチウムで構成された電極にリチウムイオンが移動する現象のことをいう。
<負極材料100の製造方法>
次に、負極材料100の製造方法について説明する。
負極材料100は、例えば、特定の樹脂組成物を原料として、適切な条件で炭化処理することにより製造することができる。
樹脂組成物を原料として、負極材料を製造すること自体は従来技術においても行われてきた。しかし、本実施形態では、(1)樹脂組成物の組成、(2)炭化処理の条件、(3)炭化処理を行う空間に対する原料の占有割合、などの因子を高度に制御している。負極材料100を得るためには、これらの因子を高度に制御することが重要となる。
特に、本発明者らは、本実施形態に係る負極材料100を得るためには、上記(1)と(2)の条件を適切に設定した上で、(3)炭化処理を行う空間に対する原料の占有割合を従来の基準よりも低く設定することが重要であることを見出した。
以下、負極材料100の製造方法の一例を示す。ただし、負極材料100の製造方法は、以下の例に限定されない。
次に、負極材料100の製造方法について説明する。
負極材料100は、例えば、特定の樹脂組成物を原料として、適切な条件で炭化処理することにより製造することができる。
樹脂組成物を原料として、負極材料を製造すること自体は従来技術においても行われてきた。しかし、本実施形態では、(1)樹脂組成物の組成、(2)炭化処理の条件、(3)炭化処理を行う空間に対する原料の占有割合、などの因子を高度に制御している。負極材料100を得るためには、これらの因子を高度に制御することが重要となる。
特に、本発明者らは、本実施形態に係る負極材料100を得るためには、上記(1)と(2)の条件を適切に設定した上で、(3)炭化処理を行う空間に対する原料の占有割合を従来の基準よりも低く設定することが重要であることを見出した。
以下、負極材料100の製造方法の一例を示す。ただし、負極材料100の製造方法は、以下の例に限定されない。
(樹脂組成物)
はじめに、(1)負極材料100の原料として、炭化処理すべき樹脂組成物を選定する。
負極材料100の原材料となる樹脂組成物に含まれる樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂;熱可塑性樹脂;エチレン製造時に副生する石油系のタールやピッチ、石炭乾留時に生成するコールタール、コールタールの低沸点成分を蒸留除去した重質成分やピッチ、石炭の液化により得られるタールやピッチなどのような石油系または石炭系のタール若しくはピッチ;さらには上記タールやピッチなどを架橋処理したもの;やし殻や木材等の天然高分子物質;などが挙げられる。これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、原料段階での精製が可能であり、不純物の少ない負極材料が得られ、かつ、精製に要する工程を大幅に短縮できコスト低減に繋がる点から、熱硬化性樹脂が好ましい。
はじめに、(1)負極材料100の原料として、炭化処理すべき樹脂組成物を選定する。
負極材料100の原材料となる樹脂組成物に含まれる樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂;熱可塑性樹脂;エチレン製造時に副生する石油系のタールやピッチ、石炭乾留時に生成するコールタール、コールタールの低沸点成分を蒸留除去した重質成分やピッチ、石炭の液化により得られるタールやピッチなどのような石油系または石炭系のタール若しくはピッチ;さらには上記タールやピッチなどを架橋処理したもの;やし殻や木材等の天然高分子物質;などが挙げられる。これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、原料段階での精製が可能であり、不純物の少ない負極材料が得られ、かつ、精製に要する工程を大幅に短縮できコスト低減に繋がる点から、熱硬化性樹脂が好ましい。
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などのフェノール樹脂;ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂;メラミン樹脂;尿素樹脂;アニリン樹脂;シアネート樹脂;フラン樹脂;ケトン樹脂;不飽和ポリエステル樹脂;ウレタン樹脂などが挙げられる。また、これらが種々の成分で変性された変性物を用いることもできる。
これらの中でも、残炭率が高いという理由からホルムアルデヒドを用いる樹脂である、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などのフェノール樹脂;メラミン樹脂;尿素樹脂;アニリン樹脂が好ましい。
これらの中でも、残炭率が高いという理由からホルムアルデヒドを用いる樹脂である、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などのフェノール樹脂;メラミン樹脂;尿素樹脂;アニリン樹脂が好ましい。
また、熱硬化性樹脂を用いる場合には、その硬化剤を併用することができる。
用いられる硬化剤としては、例えば、ノボラック型フェノール樹脂の場合はヘキサメチレンテトラミン、レゾール型フェノール樹脂、ポリアセタール、パラホルムアルデヒドなどを用いることができる。レゾール型フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂の場合はヘキサメチレンテトラミンなどを用いることができる。
硬化剤の配合量は、通常は上記熱硬化性樹脂100質量部に対して0.1質量部以上50質量部以下である。
用いられる硬化剤としては、例えば、ノボラック型フェノール樹脂の場合はヘキサメチレンテトラミン、レゾール型フェノール樹脂、ポリアセタール、パラホルムアルデヒドなどを用いることができる。レゾール型フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂の場合はヘキサメチレンテトラミンなどを用いることができる。
硬化剤の配合量は、通常は上記熱硬化性樹脂100質量部に対して0.1質量部以上50質量部以下である。
また、負極材料100の原材料としての樹脂組成物においては、上記熱硬化性樹脂、硬化剤の他に添加剤を配合することができる。
ここで用いられる添加剤としては特に限定されないが、例えば、200℃以上800℃以下にて炭化処理した炭素材前駆体、有機酸、無機酸、含窒素化合物、含酸素化合物、芳香族化合物、非鉄金属元素などを挙げることができる。これら添加剤は、用いる樹脂の種類や性状などにより、1種または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
樹脂組成物の調製方法としては特に限定されず、例えば、(1)上記樹脂と、これ以外の成分とを溶融混合する方法、(2)上記樹脂と、これ以外の成分とを溶媒に溶解して混合する方法、(3)上記樹脂と、これ以外の成分とを粉砕して混合する方法などにより調製することができる。
樹脂組成物の調製のための装置としては特に限定されないが、例えば、溶融混合を行う場合には、混練ロール、単軸あるいは二軸ニーダーなどの混練装置を用いることができる。溶解混合を行う場合は、ヘンシェルミキサー、ディスパーザなどの混合装置を用いることができる。粉砕混合を行う場合には、例えば、ハンマーミル、ジェットミルなどの装置を用いることができる。
このようにして得られた樹脂組成物は、複数種類の成分を物理的に混合しただけのものであってもよいし、樹脂組成物の調製時、混合(攪拌、混練など)に際して付与される機械的エネルギーおよびこれが変換された熱エネルギーにより、その一部を化学的に反応させたものであってもよい。具体的には、機械的エネルギーによるメカノケミカル的反応や、熱エネルギーによる化学反応をさせてもよい。
(炭化処理)
つぎに、得られた樹脂組成物を炭化処理する。
ここで炭化処理の条件としては、例えば、常温から1℃/時間以上200℃/時間以下で昇温して、800℃以上3000℃以下、0.01Pa以上101kPa(1気圧)以下で、0.1時間以上50時間以下、好ましくは0.5時間以上10時間以下保持して行うことができる。炭化処理時の雰囲気としては窒素、ヘリウムガスなどの不活性雰囲気下;不活性ガス中に微量の酸素が存在するような実質的に不活性な雰囲気下;還元ガス雰囲気下などで行うことが好ましい。このようにすることで、樹脂の熱分解(酸化分解)を抑制し、所望の負極材料100を得ることができる。
つぎに、得られた樹脂組成物を炭化処理する。
ここで炭化処理の条件としては、例えば、常温から1℃/時間以上200℃/時間以下で昇温して、800℃以上3000℃以下、0.01Pa以上101kPa(1気圧)以下で、0.1時間以上50時間以下、好ましくは0.5時間以上10時間以下保持して行うことができる。炭化処理時の雰囲気としては窒素、ヘリウムガスなどの不活性雰囲気下;不活性ガス中に微量の酸素が存在するような実質的に不活性な雰囲気下;還元ガス雰囲気下などで行うことが好ましい。このようにすることで、樹脂の熱分解(酸化分解)を抑制し、所望の負極材料100を得ることができる。
このような炭化処理時の温度、時間などの条件は、負極材料100の特性を最適なものにするため適宜調整することができる。
なお、上記炭化処理を行う前に、プレ炭化処理を行ってもよい。
ここで、プレ炭化処理の条件としては特に限定されないが、例えば、200℃以上1000℃以下で1時間以上10時間以下行うことができる。このように、炭化処理前にプレ炭化処理を行うことで、樹脂組成物を不融化させ、炭化処理工程前に樹脂組成物などの粉砕処理を行った場合でも、粉砕後の樹脂組成物などが炭化処理時に再融着するのを防ぎ、所望とする負極材料100を効率的に得ることができるようになる。
ここで、プレ炭化処理の条件としては特に限定されないが、例えば、200℃以上1000℃以下で1時間以上10時間以下行うことができる。このように、炭化処理前にプレ炭化処理を行うことで、樹脂組成物を不融化させ、炭化処理工程前に樹脂組成物などの粉砕処理を行った場合でも、粉砕後の樹脂組成物などが炭化処理時に再融着するのを防ぎ、所望とする負極材料100を効率的に得ることができるようになる。
また、このプレ炭化処理の前に、樹脂組成物の硬化処理を行ってもよい。
硬化処理方法としては特に限定されないが、例えば、樹脂組成物に硬化反応が可能な熱量を与えて熱硬化する方法、あるいは、熱硬化性樹脂と硬化剤とを併用する方法などにより行うことができる。これにより、プレ炭化処理を実質的に固相でできるため、熱硬化性樹脂の構造をある程度維持した状態で炭化処理またはプレ炭化処理を行うことができ、負極材料の構造や特性を制御することができるようになる。
硬化処理方法としては特に限定されないが、例えば、樹脂組成物に硬化反応が可能な熱量を与えて熱硬化する方法、あるいは、熱硬化性樹脂と硬化剤とを併用する方法などにより行うことができる。これにより、プレ炭化処理を実質的に固相でできるため、熱硬化性樹脂の構造をある程度維持した状態で炭化処理またはプレ炭化処理を行うことができ、負極材料の構造や特性を制御することができるようになる。
なお、上記炭化処理あるいはプレ炭化処理を行う場合には、上記樹脂組成物に、金属、顔料、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤などを添加して、所望する特性を負極材料100に付与することもできる。
上記硬化処理またはプレ炭化処理を行った場合は、その後、上記炭化処理の前に、処理物を粉砕しておいてもよい。こうした場合には、炭化処理時の熱履歴のバラツキを低減させ、得られる負極材料100の表面状態の均一性を高めることができる。そして、処理物の取り扱い性を向上させることができる。
(炭化処理を行う空間に占める原料の占有割合)
また、負極材料100を得るには、炭化処理を行う空間に占める原料の占有割合を適切に調整することが重要である。具体的には、炭化処理を行う空間に対する原料の占有割合を好ましくは10.0kg/m3以下、より好ましくは5.0kg/m3以下、特に好ましくは1.0kg/m3以下に設定する。ここで、炭化処理を行う空間は、通常は炭化処理に使用する熱処理炉の炉内容積を表す。
なお、炭化処理を行う空間に対する原料の占有割合の従来の基準は、100〜500kg/m3程度である。そのため、負極材料100を得るには、炭化処理を行う空間に対する原料の占有割合を従来の基準よりも低く設定することが重要である。
炭化処理を行う空間に占める原料の占有割合を上記上限値以下とすることにより、負極材料100を得ることができる理由は必ずしも明らかでないが、炭化処理時に原料(樹脂組成物)から発生するガスが系外に効率良く除去されることが関係していると考えられる。
また、負極材料100を得るには、炭化処理を行う空間に占める原料の占有割合を適切に調整することが重要である。具体的には、炭化処理を行う空間に対する原料の占有割合を好ましくは10.0kg/m3以下、より好ましくは5.0kg/m3以下、特に好ましくは1.0kg/m3以下に設定する。ここで、炭化処理を行う空間は、通常は炭化処理に使用する熱処理炉の炉内容積を表す。
なお、炭化処理を行う空間に対する原料の占有割合の従来の基準は、100〜500kg/m3程度である。そのため、負極材料100を得るには、炭化処理を行う空間に対する原料の占有割合を従来の基準よりも低く設定することが重要である。
炭化処理を行う空間に占める原料の占有割合を上記上限値以下とすることにより、負極材料100を得ることができる理由は必ずしも明らかでないが、炭化処理時に原料(樹脂組成物)から発生するガスが系外に効率良く除去されることが関係していると考えられる。
以上の手順により、本実施形態に係る負極材料100を得ることができる。なお、負極材料100は、通常、単一の樹脂組成物を炭化処理することにより得ることができる。
<負極活物質>
以下、本実施形態に係る負極活物質について説明する。
負極活物質とは、アルカリ金属イオン電池において、リチウムイオンなどのアルカリ金属イオンを出し入れすることができる物質のことをいう。本実施形態に係る負極活物質は、上述した負極材料100を含むものである。
以下、本実施形態に係る負極活物質について説明する。
負極活物質とは、アルカリ金属イオン電池において、リチウムイオンなどのアルカリ金属イオンを出し入れすることができる物質のことをいう。本実施形態に係る負極活物質は、上述した負極材料100を含むものである。
本実施形態に係る負極活物質は、上述した負極材料100とは異なる種類の負極材料をさらに含んでもよい。このような負極材料としては、例えば、シリコン、一酸化ケイ素、黒鉛質材料など一般的に公知の負極材料が挙げられる。
これらの中でも、本実施形態に係る負極活物質は、上述した負極材料100に加え、黒鉛質材料を含むことが好ましい。これにより、得られるアルカリ金属イオン電池の充放電容量を向上させることができる。そのため、得られるアルカリ金属イオン電池を充放電容量および充放電効率のバランスが特に優れたものとすることができる。
使用する黒鉛質材料の体積基準の累積分布における50%累積時の粒径(平均粒径)は、2μm以上50μm以下が好ましく、5μm以上30μm以下がより好ましい。これにより、高い充放電効率を維持したまま高密度の負極を作製することができる。
本実施形態に係る負極活物質中の負極材料100の含有量は、負極活物質全体を100質量%としたとき、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは75質量%以上であり、さらに好ましくは80質量%以上であり、特に好ましくは90質量%以上である。これにより、保存特性および充放電容量により一層優れたアルカリ金属イオン電池を提供することができる。
<アルカリ金属イオン電池用負極、アルカリ金属イオン電池>
以下、本実施形態に係るアルカリ金属イオン電池用負極およびアルカリ金属イオン電池について説明する。
以下、本実施形態に係るアルカリ金属イオン電池用負極およびアルカリ金属イオン電池について説明する。
本実施形態に係るアルカリ金属イオン電池用負極(以下、単に負極と呼ぶこともある。)は、上述した本実施形態に係る負極活物質を用いて製造されたものである。これにより、保存特性および充放電容量に優れた負極を提供することができる。
また、本実施形態に係るアルカリ金属イオン電池は、本実施形態に係る負極を用いて製造されたものである。これにより、保存特性および充放電容量に優れたアルカリ金属イオン電池を提供することができる。
また、本実施形態に係るアルカリ金属イオン電池は、本実施形態に係る負極を用いて製造されたものである。これにより、保存特性および充放電容量に優れたアルカリ金属イオン電池を提供することができる。
本実施形態に係るアルカリ金属イオン電池は、例えば、リチウムイオン電池またはナトリウムイオン電池である。以下、リチウムイオン電池の場合を例に説明する。
図2は、本実施形態に係るリチウムイオン電池の一例を示す模式図である。
リチウムイオン電池10は、図2に示すように、負極13と、正極21と、電解液16と、セパレーター18とを有している。
リチウムイオン電池10は、図2に示すように、負極13と、正極21と、電解液16と、セパレーター18とを有している。
負極13は、図2に示すように、負極活物質層12と負極集電体14とを有している。
負極集電体14としては特に限定されず、一般的に公知の負極用集電体を用いることができ、例えば、銅箔またはニッケル箔などを用いることができる。
負極集電体14としては特に限定されず、一般的に公知の負極用集電体を用いることができ、例えば、銅箔またはニッケル箔などを用いることができる。
負極活物質層12は、上述した本実施形態に係る負極活物質により構成されている。
負極13は、例えば、以下のようにして製造することができる。
負極13は、例えば、以下のようにして製造することができる。
上記負極活物質100重量部に対して、一般的に公知の有機高分子結着剤(例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系高分子;スチレン・ブタジエンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴムなどのゴム状高分子;など)1重量部以上30重量部以下、および適量の粘度調整用溶剤(N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミドなど)または水を添加して混練して、負極スラリーを調製する。
得られたスラリーを圧縮成形、ロール成形などによりシート状、ペレット状などに成形して、負極活物質層12を得ることができる。そして、このようにして得られた負極活物質層12と負極集電体14とを積層することにより、負極13を得ることができる。
また、得られた負極スラリーを負極集電体14に塗布して乾燥することにより、負極13を製造することもできる。
得られたスラリーを圧縮成形、ロール成形などによりシート状、ペレット状などに成形して、負極活物質層12を得ることができる。そして、このようにして得られた負極活物質層12と負極集電体14とを積層することにより、負極13を得ることができる。
また、得られた負極スラリーを負極集電体14に塗布して乾燥することにより、負極13を製造することもできる。
電解液16は、正極21と負極13との間を満たすものであり、充放電によってリチウムイオンが移動する層である。
電解液16としては特に限定されず、一般的に公知の電解液を用いることができ、例えば、非水系溶媒に電解質となるリチウム塩を溶解したものが用いられる。
この非水系溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトンなどの環状エステル類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの鎖状エステル類;ジメトキシエタンなどの鎖状エーテル類;あるいはこれらの混合物などを用いることができる。
電解質としては特に限定されず、一般的に公知の電解質を用いることができ、例えば、LiClO4、LiPF6などのリチウム金属塩を用いることができる。また、上記塩類をポリエチレンオキサイド、ポリアクリロニトリルなどに混合し、固体電解質として用いることもできる。
セパレーター18としては特に限定されず、一般的に公知のセパレーターを用いることができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの多孔質フィルム、不織布などを用いることができる。
正極21は、図2に示すように、正極活物質層20と正極集電体22とを有している。
正極活物質層20としては特に限定されず、一般的に公知の正極活物質により形成することができる。正極活物質としては特に限定されず、例えば、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO2)、リチウムマンガン酸化物(LiMn2O4)などの複合酸化物;ポリアニリン、ポリピロールなどの導電性高分子;などを用いることができる。
正極活物質層20としては特に限定されず、一般的に公知の正極活物質により形成することができる。正極活物質としては特に限定されず、例えば、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO2)、リチウムマンガン酸化物(LiMn2O4)などの複合酸化物;ポリアニリン、ポリピロールなどの導電性高分子;などを用いることができる。
正極集電体22としては特に限定されず、一般的に公知の正極集電体を用いることができ、例えば、アルミニウム箔を用いることができる。
そして、正極21は、一般的に公知の正極の製造方法により製造することができる。
そして、正極21は、一般的に公知の正極の製造方法により製造することができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
また、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
また、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例では、「部」は「重量部」を示す。
[1]負極材料の評価方法
はじめに、後述する実施例および比較例で得られた負極材料の評価方法を説明する。
はじめに、後述する実施例および比較例で得られた負極材料の評価方法を説明する。
1.粒度分布
堀場製作所社製レーザー回折式粒度分布測定装置LA−920を用いて、レーザー回折法により、負極材料の粒度分布を測定した。測定結果から、負極材料について、体積基準の累積分布における50%累積時の粒径(D50、平均粒径)を求めた。
堀場製作所社製レーザー回折式粒度分布測定装置LA−920を用いて、レーザー回折法により、負極材料の粒度分布を測定した。測定結果から、負極材料について、体積基準の累積分布における50%累積時の粒径(D50、平均粒径)を求めた。
2.比表面積
ユアサ社製のNova−1200装置を使用して窒素吸着におけるBET3点法により測定した。具体的な算出方法は、上述したとおりである。
ユアサ社製のNova−1200装置を使用して窒素吸着におけるBET3点法により測定した。具体的な算出方法は、上述したとおりである。
3.負極材料のd002 およびLc(002)
島津製作所製・X線回折装置「XRD−7000」を使用して(002)面の平均層面間隔d002を測定した。
負極材料のX線回折測定から求められるスペクトルより、(002)面の平均層面間隔d002を以下のBragg式より算出した。
λ=2dhklsinθ Bragg式 (dhkl=d002)
λ:陰極から出力される特性X線Kα1の波長
θ:スペクトルの反射角度
また、Lc(002)は以下のようにして測定した。
X線回折測定から求められるスペクトルにおける002面ピークの半値幅と回折角から次のScherrerの式を用いて決定した。
Lc(002)=0.94 λ/(βcosθ) ( Scherrerの式)
Lc(002) : 結晶子の大きさ
λ : 陰極から出力される特性X線Kα1の波長
β : ピークの半値幅(ラジアン)
θ : スペクトルの反射角度
島津製作所製・X線回折装置「XRD−7000」を使用して(002)面の平均層面間隔d002を測定した。
負極材料のX線回折測定から求められるスペクトルより、(002)面の平均層面間隔d002を以下のBragg式より算出した。
λ=2dhklsinθ Bragg式 (dhkl=d002)
λ:陰極から出力される特性X線Kα1の波長
θ:スペクトルの反射角度
また、Lc(002)は以下のようにして測定した。
X線回折測定から求められるスペクトルにおける002面ピークの半値幅と回折角から次のScherrerの式を用いて決定した。
Lc(002)=0.94 λ/(βcosθ) ( Scherrerの式)
Lc(002) : 結晶子の大きさ
λ : 陰極から出力される特性X線Kα1の波長
β : ピークの半値幅(ラジアン)
θ : スペクトルの反射角度
4.炭酸ガスの吸着量
炭酸ガスの吸着量の測定は、真空乾燥機を用いて、負極材料を130℃で3時間以上真空乾燥を行ったものを測定試料とし、Micromeritics Instrument Corporation社製ASAP−2000Mを使用して行った。
測定用試料管に測定試料0.5gを入れ、0.2Pa以下の減圧下、300℃で3時間以上減圧乾燥を行い、その後、炭酸ガスの吸着量の測定を行った。
吸着温度は0℃とし、測定試料を入れた試料管の圧力が0.6Pa以下になるまで減圧にした後、炭酸ガスを試料管に導入し、試料管内の平衡圧力が0.11MPa(相対圧力0.032に相当)に達するまでの炭酸ガスの吸着量を定容法により求め、ml/g単位で表した。吸着量は標準状態(STP)に換算した値である。
炭酸ガスの吸着量の測定は、真空乾燥機を用いて、負極材料を130℃で3時間以上真空乾燥を行ったものを測定試料とし、Micromeritics Instrument Corporation社製ASAP−2000Mを使用して行った。
測定用試料管に測定試料0.5gを入れ、0.2Pa以下の減圧下、300℃で3時間以上減圧乾燥を行い、その後、炭酸ガスの吸着量の測定を行った。
吸着温度は0℃とし、測定試料を入れた試料管の圧力が0.6Pa以下になるまで減圧にした後、炭酸ガスを試料管に導入し、試料管内の平衡圧力が0.11MPa(相対圧力0.032に相当)に達するまでの炭酸ガスの吸着量を定容法により求め、ml/g単位で表した。吸着量は標準状態(STP)に換算した値である。
5.カールフィッシャー電量滴定法による水分量の測定
カールフィッシャー電量滴定法による水分量は、以下の手順で測定した。
(手順1)小型環境試験器(ESPEC社製SH−241)の装置内で、温度40℃、相対湿度90%RHの条件下で1gの負極材料を120時間保持した。なお、負極材料は、できる限り薄い厚みとなるように、縦5cm、幅8cm、高さ1.5cmの容器に広げた上で、装置内に静置した。
(手順2)上記負極材料を温度130℃、窒素雰囲気の条件下で1時間保持して予備乾燥し、次いで、Mitsubishi Chemical Analytech社製CA−06を用いて、予備乾燥した後の負極材料を200℃、30分間保持することにより発生した水分をカールフィッシャー電量滴定法にて測定した。
カールフィッシャー電量滴定法による水分量は、以下の手順で測定した。
(手順1)小型環境試験器(ESPEC社製SH−241)の装置内で、温度40℃、相対湿度90%RHの条件下で1gの負極材料を120時間保持した。なお、負極材料は、できる限り薄い厚みとなるように、縦5cm、幅8cm、高さ1.5cmの容器に広げた上で、装置内に静置した。
(手順2)上記負極材料を温度130℃、窒素雰囲気の条件下で1時間保持して予備乾燥し、次いで、Mitsubishi Chemical Analytech社製CA−06を用いて、予備乾燥した後の負極材料を200℃、30分間保持することにより発生した水分をカールフィッシャー電量滴定法にて測定した。
6.保存特性
製造直後の負極材料および以下の保存試験後の負極材料について、以下の方法に従って初期効率をそれぞれ測定した。次いで、初期効率の変化率をそれぞれ算出した。
製造直後の負極材料および以下の保存試験後の負極材料について、以下の方法に従って初期効率をそれぞれ測定した。次いで、初期効率の変化率をそれぞれ算出した。
(保存試験)
負極材料1gについて、小型環境試験器(ESPEC社製SH−241)の装置内で、温度40℃、相対湿度90%RHの条件下で7日間保持した。なお、負極材料は、できる限り薄い厚みとなるように、縦5cm、幅8cm、高さ1.5cmの容器に広げた上で、装置内に静置した。その後、上記負極材料を温度130℃、窒素雰囲気の条件下で1時間保持して乾燥した。
負極材料1gについて、小型環境試験器(ESPEC社製SH−241)の装置内で、温度40℃、相対湿度90%RHの条件下で7日間保持した。なお、負極材料は、できる限り薄い厚みとなるように、縦5cm、幅8cm、高さ1.5cmの容器に広げた上で、装置内に静置した。その後、上記負極材料を温度130℃、窒素雰囲気の条件下で1時間保持して乾燥した。
(1)ハーフセルの作製
後述する実施例、比較例で得られた負極材料100部に対して、カルボキシメチルセルロース(ダイセルファインケム製、CMCダイセル2200)1.5部、スチレン・ブタジエンゴム(JSR製、TRDー2001)3.0部、アセチレンブラック(電気化学工業製、デンカブラック)2.0部、および、蒸留水100部を加え、自転・公転ミキサーで撹拌・混合し、負極スラリーを調製した。
後述する実施例、比較例で得られた負極材料100部に対して、カルボキシメチルセルロース(ダイセルファインケム製、CMCダイセル2200)1.5部、スチレン・ブタジエンゴム(JSR製、TRDー2001)3.0部、アセチレンブラック(電気化学工業製、デンカブラック)2.0部、および、蒸留水100部を加え、自転・公転ミキサーで撹拌・混合し、負極スラリーを調製した。
調製した負極スラリーを厚み14μmの銅箔(古河電気工業製、NC−WS)の片面に塗布し、その後、60℃で2時間空気中で予備乾燥を行い、次に、120℃で15時間真空乾燥した。真空乾燥後、ロールプレスによって電極を加圧成形した。これを直径13mmの円盤状として切り出し負極を作製した。負極活物質層の厚さは50μmであった。
金属リチウムを直径12mm、厚さ1mmの円盤状に形成し対極を作製した。また、セパレーターとして、ポリオレフィンの多孔質膜(セルガード社製、商品名;セルガード2400)を用いた。
上記の負極、対極、セパレーターを用い、電解液としてエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比で1:1で混合した混合溶媒に1Mの割合でLiPF6を加えたものを用いて、アルゴン雰囲気下のグローブボックス内で2032型コインセル形状の二極式ハーフセルを製造し、当該ハーフセルについて以下に述べる評価を行った。
(2)ハーフセルの充放電
以下の条件で充放電をおこなった。
測定温度:25℃
充電方式:定電流定電圧法、充電電流:25mA/g、充電電圧:0mV、充電終止電流:2.5mA/g
放電方式:定電流法、放電電流:25mA/g、放電終止電圧:2.5V
以下の条件で充放電をおこなった。
測定温度:25℃
充電方式:定電流定電圧法、充電電流:25mA/g、充電電圧:0mV、充電終止電流:2.5mA/g
放電方式:定電流法、放電電流:25mA/g、放電終止電圧:2.5V
また、上記の条件で求められた充電容量および放電容量の値に基づいて、負極材料の1g当たりの充電容量および放電容量[mAh/g]をそれぞれ求めた。また、下記式より初期効率および初期効率の変化率を求めた。
初期効率 [%] = 100×(放電容量)/(充電容量)
初期効率の変化率 [%] =100×(保存試験後の初期効率)/(製造直後の初期効率)
初期効率 [%] = 100×(放電容量)/(充電容量)
初期効率の変化率 [%] =100×(保存試験後の初期効率)/(製造直後の初期効率)
7.細孔容積
水銀圧入法による細孔容積はMICROMERITICS社製オートポアIII9420を用いて測定した。
負極材料を試料容器に入れ、2.67Pa以下の圧力で30分間脱気する。ついで水銀を試料容器内に導入し、徐々に加圧して水銀を負極材料の細孔へ圧入する(最高圧力414MPa)。このときの圧力と水銀の圧入量の関係から以下の式を用いて負極材料の細孔容積分布を測定する。細孔直径5μmに相当する圧力(0.25MPa)から最高圧力(414MPa:細孔直径3nm相当)までに負極材料に圧入された水銀の体積を、細孔直径5μm以下の細孔容積とした。細孔直径の算出は、直径Dの円筒形の細孔に水銀を圧力Pで圧力する場合、水銀の表面張力γ、水銀と細孔壁との接触角をθとすると、表面張力と細孔断面に働く圧力の釣り合いから、次式が成り立つ。
−πDγcosθ=π(D/2)2・P
D=(−4γcosθ)/P
ここで、水銀の表面張力を484dyne/cm、水銀と炭素との接触角を130度とし、圧力PをMPa、細孔直径Dをμmで表示し、下記式により圧力Pと細孔直径Dの関係を求めた。
D =1.27/P
水銀圧入法による細孔容積はMICROMERITICS社製オートポアIII9420を用いて測定した。
負極材料を試料容器に入れ、2.67Pa以下の圧力で30分間脱気する。ついで水銀を試料容器内に導入し、徐々に加圧して水銀を負極材料の細孔へ圧入する(最高圧力414MPa)。このときの圧力と水銀の圧入量の関係から以下の式を用いて負極材料の細孔容積分布を測定する。細孔直径5μmに相当する圧力(0.25MPa)から最高圧力(414MPa:細孔直径3nm相当)までに負極材料に圧入された水銀の体積を、細孔直径5μm以下の細孔容積とした。細孔直径の算出は、直径Dの円筒形の細孔に水銀を圧力Pで圧力する場合、水銀の表面張力γ、水銀と細孔壁との接触角をθとすると、表面張力と細孔断面に働く圧力の釣り合いから、次式が成り立つ。
−πDγcosθ=π(D/2)2・P
D=(−4γcosθ)/P
ここで、水銀の表面張力を484dyne/cm、水銀と炭素との接触角を130度とし、圧力PをMPa、細孔直径Dをμmで表示し、下記式により圧力Pと細孔直径Dの関係を求めた。
D =1.27/P
8.密度の測定
ρB:JIS R7212に定められた方法に従って、ブタノール法により測定した。
ρH:マイクロメリティックス社製乾式密度計アキュピック1330を用い、試料は120℃で2時間乾燥してから測定を行った。測定は、23℃で行った。圧力はいずれもゲージ圧力であり、絶対圧力から周囲圧力を差し引いた圧力である。
ρB:JIS R7212に定められた方法に従って、ブタノール法により測定した。
ρH:マイクロメリティックス社製乾式密度計アキュピック1330を用い、試料は120℃で2時間乾燥してから測定を行った。測定は、23℃で行った。圧力はいずれもゲージ圧力であり、絶対圧力から周囲圧力を差し引いた圧力である。
測定装置は試料室および膨張室を有し、試料室は室内の圧力を測定するための圧力計を有する。試料室と膨張室はバルブ備える連結管により接続されている。試料室にはストップバルブを備えるヘリウムガス導入管が接続され、膨張室にはストップバルブを備えるヘリウムガス配出管が接続されている。
測定は以下のようにして行った。標準球を用いて、試料室の容積(VCELL )および膨張室の容積(VEXP )を予め測定しておく。
測定は以下のようにして行った。標準球を用いて、試料室の容積(VCELL )および膨張室の容積(VEXP )を予め測定しておく。
試料室に試料を入れ、試料室のヘリウムガス導入管、連結管、膨張室のヘリウムガス排出管を通してヘリウムガスを2時間流し装置内をヘリウムガスで置換する。次に試料室と膨張室の間のバルブ及び膨張室からのヘリウムガス排出管のバルブを閉じ、試料室のヘリウムガス導入管からヘリウムガスを134kPaになるまで導入する。その後、ヘリウムガス導入管のストップバルブを閉じる。ストップバルブを閉じてから5分後の試料室の圧力(P1)を測定する。次に試料室と膨張室の間のバルブを開いてヘリウムガスを膨張室に移送しそのときの圧力(P2)を測定する。
試料の体積(VSAMP )は次式で計算した。
VSAMP =VCELL−VEXP/[(P1/P2)−1]
したがって、試料の重量をWSAMP とすると密度はρH=WSAMP/VSAMPとなる。
試料の体積(VSAMP )は次式で計算した。
VSAMP =VCELL−VEXP/[(P1/P2)−1]
したがって、試料の重量をWSAMP とすると密度はρH=WSAMP/VSAMPとなる。
9.光学顕微鏡による負極材料の断面観察
液状のエポキシ樹脂に10重量%程度の負極材料を添加し、よく混合した後、型枠に充填して負極材料をエポキシ樹脂で包埋した。次いで、120℃で24時間保持してエポキシ樹脂を硬化させた。その後、負極材料が表面に出るように適当な位置で硬化したエポキシ樹脂を切断し、切断面を研磨し鏡面とした。次いで、光学顕微鏡(カールツァイス社製Axioskop2 MAT)を用いて負極材料の断面を1000倍の倍率で明視野観察及び写真撮影を行った。
液状のエポキシ樹脂に10重量%程度の負極材料を添加し、よく混合した後、型枠に充填して負極材料をエポキシ樹脂で包埋した。次いで、120℃で24時間保持してエポキシ樹脂を硬化させた。その後、負極材料が表面に出るように適当な位置で硬化したエポキシ樹脂を切断し、切断面を研磨し鏡面とした。次いで、光学顕微鏡(カールツァイス社製Axioskop2 MAT)を用いて負極材料の断面を1000倍の倍率で明視野観察及び写真撮影を行った。
10.全吸水量の測定
負極材料1gについて、200℃にて24時間真空乾燥を行った後、負極材料の重量を測定した。次いで、小型環境試験器(ESPEC社製SH−241)の装置内で、温度40℃、相対湿度90%RHの条件下で120時間保持した。なお、負極材料は、できる限り薄い厚みとなるように、縦5cm、幅8cm、高さ1.5cmの容器に広げた上で、装置内に静置した。その後、負極材料の重量を測定し、下記の式より全吸水量を測定した。
全吸水量[%] =100×(120時間保持後の重量−真空乾燥後の重量)/(真空乾燥後の重量)
負極材料1gについて、200℃にて24時間真空乾燥を行った後、負極材料の重量を測定した。次いで、小型環境試験器(ESPEC社製SH−241)の装置内で、温度40℃、相対湿度90%RHの条件下で120時間保持した。なお、負極材料は、できる限り薄い厚みとなるように、縦5cm、幅8cm、高さ1.5cmの容器に広げた上で、装置内に静置した。その後、負極材料の重量を測定し、下記の式より全吸水量を測定した。
全吸水量[%] =100×(120時間保持後の重量−真空乾燥後の重量)/(真空乾燥後の重量)
11.微小硬度計による負極材料の微小硬度測定
液状のエポキシ樹脂に10重量%程度の負極材料を添加し、よく混合した後、型枠に充填して負極材料をエポキシ樹脂で包埋した。次いで、120℃で24時間保持してエポキシ樹脂を硬化させた。その後、負極材料が表面に出るように適当な位置で硬化したエポキシ樹脂を切断し、切断面を研磨し鏡面とした。次いで、超微小硬度計(エリオニクス社製ENT−1100)を用いた押し込み試験により、負極材料の断面の硬度および弾性率の測定を行った。試験条件はISO14577 に準拠した。試験荷重は50mN、保持時間は1秒、試験環境は、温度22℃、相対湿度52%とし、圧子はバーコヴィッチ圧子(三角錐、対稜角115°)を用いた。
液状のエポキシ樹脂に10重量%程度の負極材料を添加し、よく混合した後、型枠に充填して負極材料をエポキシ樹脂で包埋した。次いで、120℃で24時間保持してエポキシ樹脂を硬化させた。その後、負極材料が表面に出るように適当な位置で硬化したエポキシ樹脂を切断し、切断面を研磨し鏡面とした。次いで、超微小硬度計(エリオニクス社製ENT−1100)を用いた押し込み試験により、負極材料の断面の硬度および弾性率の測定を行った。試験条件はISO14577 に準拠した。試験荷重は50mN、保持時間は1秒、試験環境は、温度22℃、相対湿度52%とし、圧子はバーコヴィッチ圧子(三角錐、対稜角115°)を用いた。
硬度および弾性率は、以下の方法によって算出した。
図6は押し込み試験の模式図である。図7は押し込み試験の結果の一例である。図6において、htは押し込み深さであり、hcは変形深さである。図7において、縦軸は荷重F、横軸は押し込み深さhtである。曲線は、荷重を最大荷重Fmaxまでかけて、押し込み深さhtが最大押し込み深さhmaxになり、その後、除荷したときの曲線を表わす。hrは除荷したときの曲線の最大荷重における接線と横軸との交点での押し込み深さである。
硬度Hは、下記(1)式のように、押し込み試験における最大荷重Fmaxおよび変形部分の投影面積Apから算出される。
H=Fmax/Ap (1)
ここで、理想的なバーコヴィッチ圧子に対する投影面積Apは下記(2)式の通りであり、変形深さhcは下記(3)式で表わされる。
Ap=23.96・hc 2 (2)
hc=hmax−0.75×(hmax−hr) (3)
図6は押し込み試験の模式図である。図7は押し込み試験の結果の一例である。図6において、htは押し込み深さであり、hcは変形深さである。図7において、縦軸は荷重F、横軸は押し込み深さhtである。曲線は、荷重を最大荷重Fmaxまでかけて、押し込み深さhtが最大押し込み深さhmaxになり、その後、除荷したときの曲線を表わす。hrは除荷したときの曲線の最大荷重における接線と横軸との交点での押し込み深さである。
硬度Hは、下記(1)式のように、押し込み試験における最大荷重Fmaxおよび変形部分の投影面積Apから算出される。
H=Fmax/Ap (1)
ここで、理想的なバーコヴィッチ圧子に対する投影面積Apは下記(2)式の通りであり、変形深さhcは下記(3)式で表わされる。
Ap=23.96・hc 2 (2)
hc=hmax−0.75×(hmax−hr) (3)
弾性率Eは、下記(4)式から算出される。
1/Er=(1−νs 2)/E+(1−νi 2)/Ei
ここでνs、νiは試料及び圧子のポアソン比であり、Eiは圧子の弾性率、Erは次式で表される接触体の複合弾性率である。
Er=(√π/2√Ap)・(1/S)
ここで、Sは除荷したときの曲線の最大荷重における傾き(dh/dF)である。なお、今回のダイアモンド圧子において弾性率Eiは1141GPa、ポアソン比νiは0.07とし、試料のポアソン比νsは0.3とした。
1/Er=(1−νs 2)/E+(1−νi 2)/Ei
ここでνs、νiは試料及び圧子のポアソン比であり、Eiは圧子の弾性率、Erは次式で表される接触体の複合弾性率である。
Er=(√π/2√Ap)・(1/S)
ここで、Sは除荷したときの曲線の最大荷重における傾き(dh/dF)である。なお、今回のダイアモンド圧子において弾性率Eiは1141GPa、ポアソン比νiは0.07とし、試料のポアソン比νsは0.3とした。
12.透過型電子顕微鏡による電子線回折測定および画像解析
液状のエポキシ樹脂に10重量%程度の負極材料を添加し、よく混合した後、型枠に充填して負極材料をエポキシ樹脂で包埋した。次いで、120℃で24時間保持してエポキシ樹脂を硬化させた。その後、負極材料が表面に出るように適当な位置で硬化したエポキシ樹脂を切断し、切断面を研磨し鏡面とした。次いで、光学顕微鏡(カールツァイス社製Axioskop2 MAT)を用いて負極材料の断面を1000倍の倍率で明視野観察し、反射率が異なる第一領域および第二領域を有する粒子1個を選んだ。
なお、反射率が異なる第一領域および第二領域が観察されない場合は、任意の粒子を1個選んだ。
上記粒子を、集束イオンビーム加工観察装置(FIB)(日立ハイテクノロジーズ社製FB−2200)を用いて、厚さ100nmまで薄膜加工し、上記第一領域および第二領域を、電界放射透過電子顕微鏡(FE−TEM)(日立ハイテクノロジーズ社製HF−2200)を用いて透過型電子顕微鏡観察し、制限視野電子線回折法にて電子線回折像を得た。上記観察の測定方向は、上記明視野観察した断面の面内方向と同一の方向である。上記電界放射透過電子顕微鏡観察は、加速電圧200kV、制限視野1μmで、CCDカメラにて、露光時間4秒で撮影した。
液状のエポキシ樹脂に10重量%程度の負極材料を添加し、よく混合した後、型枠に充填して負極材料をエポキシ樹脂で包埋した。次いで、120℃で24時間保持してエポキシ樹脂を硬化させた。その後、負極材料が表面に出るように適当な位置で硬化したエポキシ樹脂を切断し、切断面を研磨し鏡面とした。次いで、光学顕微鏡(カールツァイス社製Axioskop2 MAT)を用いて負極材料の断面を1000倍の倍率で明視野観察し、反射率が異なる第一領域および第二領域を有する粒子1個を選んだ。
なお、反射率が異なる第一領域および第二領域が観察されない場合は、任意の粒子を1個選んだ。
上記粒子を、集束イオンビーム加工観察装置(FIB)(日立ハイテクノロジーズ社製FB−2200)を用いて、厚さ100nmまで薄膜加工し、上記第一領域および第二領域を、電界放射透過電子顕微鏡(FE−TEM)(日立ハイテクノロジーズ社製HF−2200)を用いて透過型電子顕微鏡観察し、制限視野電子線回折法にて電子線回折像を得た。上記観察の測定方向は、上記明視野観察した断面の面内方向と同一の方向である。上記電界放射透過電子顕微鏡観察は、加速電圧200kV、制限視野1μmで、CCDカメラにて、露光時間4秒で撮影した。
次いで、得られた電子線回折像を、画像解析ソフト(fit2d)を使って円環平均し、1次元化を行った。Si単結晶の回折データから散乱ベクトルqのキャリブレーションを行い、横軸をq(nm−1)表示にした。縦軸は散乱ベクトルの強度I(q)である。図8および図9は画像解析して得られた曲線の一例である。曲線は谷部分を1として高さを補正した。電子線が回折を起こすグラファイトの格子定数は、0.213nmおよび0.123nmであり、それぞれ、図8および図9のピークに対応している。
[2]負極材料の製造
(実施例1)
特開平8−279358号公報の段落0051に記載の方法に準じて、酸化ピッチを作製した。次いで、この酸化ピッチを原料として、以下の工程(a)〜(f)の順で処理を行い、負極材料1を得た。
(実施例1)
特開平8−279358号公報の段落0051に記載の方法に準じて、酸化ピッチを作製した。次いで、この酸化ピッチを原料として、以下の工程(a)〜(f)の順で処理を行い、負極材料1を得た。
(a)炉内容積60L(縦50cm、幅40cm、高さ30cm)の熱処理炉内に510gの酸化ピッチをできる限り薄い厚みとなるように広げて静置した。その後、還元ガス置換、不活性ガス置換、還元ガス流通、不活性ガス流通のいずれも無しで、室温から500℃まで、100℃/時間で昇温した。
(b)次いで、還元ガス置換、不活性ガス置換、還元ガス流通、不活性ガス流通のいずれも無しで、500℃で2時間脱脂処理した後、冷却した。
(c)得られた粉末を振動ボールミルで微粉砕した。
(d)その後、炉内容積24L(縦40cm、幅30cm、高さ20cm)の熱処理炉内に、得られた粉末204gをできる限り薄い厚みとなるように広げて静置した。次いで、不活性ガス(窒素)置換および流通下、室温から1200℃まで、100℃/時間で昇温した。
(d)その後、炉内容積24L(縦40cm、幅30cm、高さ20cm)の熱処理炉内に、得られた粉末204gをできる限り薄い厚みとなるように広げて静置した。次いで、不活性ガス(窒素)置換および流通下、室温から1200℃まで、100℃/時間で昇温した。
(e)不活性ガス(窒素)流通下、1200℃で8時間保持し、炭化処理した。
(f)不活性ガス(窒素)流通下、600℃まで自然放冷後、600℃から100℃以下まで、100℃/時間で冷却した。
(f)不活性ガス(窒素)流通下、600℃まで自然放冷後、600℃から100℃以下まで、100℃/時間で冷却した。
なお、炭化処理を行う空間に対する原料の占有割合は8.5kg/m3であった。
(実施例2)
熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂PR−55321B(住友ベークライト社製)を原料として、以下の工程(a)〜(f)の順で処理を行い、負極材料2を得た。
熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂PR−55321B(住友ベークライト社製)を原料として、以下の工程(a)〜(f)の順で処理を行い、負極材料2を得た。
(a)炉内容積60L(縦50cm、幅40cm、高さ30cm)の熱処理炉内に510gの熱硬化性樹脂をできる限り薄い厚みとなるように広げて静置した。その後、還元ガス置換、不活性ガス置換、還元ガス流通、不活性ガス流通のいずれも無しで、室温から500℃まで、100℃/時間で昇温した。
(b)次いで、還元ガス置換、不活性ガス置換、還元ガス流通、不活性ガス流通のいずれも無しで、500℃で2時間脱脂処理した後、冷却した。
(c)得られた粉末を振動ボールミルで微粉砕した。
(d)その後、炉内容積24L(縦40cm、幅30cm、高さ20cm)の熱処理炉内に、得られた粉末204gをできる限り薄い厚みとなるように広げて静置した。次いで、不活性ガス(窒素)置換および流通下、室温から1200℃まで、100℃/時間で昇温した。
(d)その後、炉内容積24L(縦40cm、幅30cm、高さ20cm)の熱処理炉内に、得られた粉末204gをできる限り薄い厚みとなるように広げて静置した。次いで、不活性ガス(窒素)置換および流通下、室温から1200℃まで、100℃/時間で昇温した。
(e)不活性ガス(窒素)流通下、1200℃で8時間保持し、炭化処理した。
(f)不活性ガス(窒素)流通下、600℃まで自然放冷後、600℃から100℃以下まで、100℃/時間で冷却した。
(f)不活性ガス(窒素)流通下、600℃まで自然放冷後、600℃から100℃以下まで、100℃/時間で冷却した。
なお、炭化処理を行う空間に対する原料の占有割合は8.5kg/m3であった。
(実施例3)
炭化処理を行う空間に対する原料の占有割合を3.5kg/m3に変更した以外は実施例2と同様の方法で負極材料3を作製した。
炭化処理を行う空間に対する原料の占有割合を3.5kg/m3に変更した以外は実施例2と同様の方法で負極材料3を作製した。
(実施例4)
炭化処理を行う空間に対する原料の占有割合を0.9kg/m3に変更した以外は実施例2と同様の方法で負極材料4を作製した。
炭化処理を行う空間に対する原料の占有割合を0.9kg/m3に変更した以外は実施例2と同様の方法で負極材料4を作製した。
(実施例5)
炭化処理を行う空間に対する原料の占有割合を0.5kg/m3に変更した以外は実施例2と同様の方法で負極材料5を作製した。
炭化処理を行う空間に対する原料の占有割合を0.5kg/m3に変更した以外は実施例2と同様の方法で負極材料5を作製した。
(実施例6)
炭化処理を行う空間に対する原料の占有割合を0.3kg/m3に変更した以外は実施例2と同様の方法で負極材料6を作製した。
炭化処理を行う空間に対する原料の占有割合を0.3kg/m3に変更した以外は実施例2と同様の方法で負極材料6を作製した。
(実施例7)
炭化処理を行う空間に対する原料の占有割合を9.0kg/m3に変更した以外は実施例2と同様の方法で負極材料7を作製した。
炭化処理を行う空間に対する原料の占有割合を9.0kg/m3に変更した以外は実施例2と同様の方法で負極材料7を作製した。
(実施例8)
炭化処理を行う空間に対する原料の占有割合を0.16kg/m3に変更した以外は実施例2と同様の方法で負極材料8を作製した。
炭化処理を行う空間に対する原料の占有割合を0.16kg/m3に変更した以外は実施例2と同様の方法で負極材料8を作製した。
(比較例1)
炭化処理を行う空間に対する原料の占有割合を16.0kg/m3に変更した以外は実施例1と同様の方法で負極材料9を作製した。
炭化処理を行う空間に対する原料の占有割合を16.0kg/m3に変更した以外は実施例1と同様の方法で負極材料9を作製した。
(実施例9)
炭化処理を行う空間に対する原料の占有割合を16.0kg/m3に変更した以外は実施例2と同様の方法で負極材料10を作製した。
炭化処理を行う空間に対する原料の占有割合を16.0kg/m3に変更した以外は実施例2と同様の方法で負極材料10を作製した。
以上の実施例および比較例により得られたそれぞれの負極材料について、前述した各種評価をおこなった。以上の結果を表1に示す。また、図3、図4および図5に、実施例1、実施例5および比較例1で得られた負極材料の断面の光学顕微鏡写真をそれぞれ示す。
それぞれの実施例によって得られた負極材料は、微小硬度測定によって測定される硬度が異なる第一領域および第二領域を有していた。
また、それぞれの実施例で得られた負極材料は、透過型電子顕微鏡によって観察される電子線回折像を画像解析して得られる曲線が持つグラファイトの格子定数に対応するピークの強度、が異なる第一領域および第二領域を有していた。
このような構造を有する負極材料を用いたリチウムイオン電池は、保存特性および充放電容量に優れていた。
また、それぞれの実施例で得られた負極材料は、透過型電子顕微鏡によって観察される電子線回折像を画像解析して得られる曲線が持つグラファイトの格子定数に対応するピークの強度、が異なる第一領域および第二領域を有していた。
このような構造を有する負極材料を用いたリチウムイオン電池は、保存特性および充放電容量に優れていた。
一方、比較例1で得られた負極材料は、微小硬度測定によって測定される硬度が異なる第一領域および第二領域を有していなかった。
また、比較例1で得られた負極材料は、透過型電子顕微鏡によって観察される電子線回折像を画像解析して得られる曲線が持つグラファイトの格子定数に対応するピークの強度、が異なる第一領域および第二領域を有していなかった。
このように、比較例で得られた負極材料を用いたリチウムイオン電池は、それぞれの実施例で得られた負極材料よりも保存特性および充放電容量が劣っていた。
また、比較例1で得られた負極材料は、透過型電子顕微鏡によって観察される電子線回折像を画像解析して得られる曲線が持つグラファイトの格子定数に対応するピークの強度、が異なる第一領域および第二領域を有していなかった。
このように、比較例で得られた負極材料を用いたリチウムイオン電池は、それぞれの実施例で得られた負極材料よりも保存特性および充放電容量が劣っていた。
この出願は、2013年8月23日に出願された日本出願特願2013−173126号および2013年8月23日に出願された日本出願特願2013−173174号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
Claims (25)
- アルカリ金属イオン電池に用いられる炭素質の負極材料であって、
線源としてCuKα線を用いたX線回折法により求められる(002)面の平均層面間隔d002が0.340nm以上であるとともに、
エポキシ樹脂で包埋し前記エポキシ樹脂を硬化させた後、得られた硬化物を切断して研磨することによって前記負極材料の断面を露出させたとき、前記断面が、微小硬度測定によって測定される硬度が異なる第一領域および第二領域を有する、負極材料。 - 前記負極材料の前記断面の外延に沿って前記第一領域が存在し、
前記第一領域の内側に前記第二領域が存在する、請求項1に記載の負極材料。 - 前記第二領域の微小硬度測定によって測定される硬度は、前記第一領域の微小硬度測定によって測定される硬度よりも大きい請求項1または2に記載の負極材料。
- 前記第二領域の微小硬度測定によって測定される硬度は、1GPa以上、7GPa以下である請求項1ないし3のいずれかに記載の負極材料。
- 前記第二領域の微小硬度測定によって測定される弾性率は、9GPa以上、30GPa以下である請求項1ないし4のいずれかに記載の負極材料。
- アルカリ金属イオン電池に用いられる炭素質の負極材料であって、
線源としてCuKα線を用いたX線回折法により求められる(002)面の平均層面間隔d002が0.340nm以上であるとともに、
エポキシ樹脂で包埋し前記エポキシ樹脂を硬化させた後、得られた硬化物を切断して研磨することによって前記負極材料の断面を露出させたとき、前記断面が、透過型電子顕微鏡によって観察される電子線回折像を画像解析して得られる曲線が持つグラファイトの格子定数に対応するピークの強度が異なる第一領域および第二領域を有する、負極材料。 - 前記負極材料の前記断面の外延に沿って前記第一領域が存在し、
前記第一領域の内側に前記第二領域が存在する、請求項6に記載の負極材料。 - 前記第二領域の前記ピークの強度は、前記第一領域の前記ピークの強度よりも大きい請求項6または7に記載の負極材料。
- 光学顕微鏡を用いて1000倍の倍率で明視野観察したとき、前記第一領域の反射率は、前記第二領域の反射率と異なる請求項1ないし8のいずれかに記載の負極材料。
- 前記第一領域と前記第二領域との界面では前記反射率が不連続に変化している請求項1ないし9のいずれかに記載の負極材料。
- 前記第二領域の反射率(B)は、前記第一領域の反射率(A)よりも大きい請求項1ないし10のいずれかに記載の負極材料。
- 温度40℃、相対湿度90%RHの条件下で当該負極材料を120時間保持した後、
前記負極材料を温度130℃、窒素雰囲気の条件下で1時間保持して予備乾燥し、次いで、前記予備乾燥した後の前記負極材料を200℃、30分間保持することにより発生した水分をカールフィッシャー電量滴定法にて測定したとき、
前記予備乾燥した後の前記負極材料から発生した水分量が、前記予備乾燥した後の前記負極材料100質量%に対し、0.01質量%以上、0.20質量%以下である請求項1ないし11のいずれかに記載の負極材料。 - 負極として当該負極材料により形成したもの、対極として金属リチウム、電解液としてカーボネート系溶媒に1Mの割合でLiPF6を溶解させたもの、を用いて作製したハーフセルについて、
25℃で、充電電流25mA/g、充電電圧0mV、充電終止電流2.5mA/gの条件で定電流定電圧法により充電し、次いで、放電電流25mA/g、放電終止電圧2.5Vの条件で定電流法により放電した際の放電容量が360mAh/g以上である、請求項1ないし12のいずれかに記載の負極材料。 - 体積基準の累積分布における50%累積時の粒径D50が1μm以上、50μm以下である、請求項1ないし13のいずれかに記載の負極材料。
- 窒素吸着におけるBET3点法による比表面積が1m2/g以上15m2/g以下である、請求項1ないし14のいずれかに記載の負極材料。
- 炭酸ガスの吸着量は、0.05ml/g以上、10ml/g未満である、請求項1ないし15のいずれかに記載の負極材料。
- 水銀圧入法により求めた細孔直径が0.003μm以上、5μm以下の細孔容積は、0.55ml /g未満である、請求項1ないし16のいずれかに記載の負極材料。
- ブタノールを置換媒体として測定した密度(ρB)が1.50g/cm3以上、1.80g/cm3以下である、請求項1ないし17のいずれかに記載の負極材料。
- ヘリウムガスを置換媒体として測定した密度(ρH)が1.80g/cm3以上、2.10g/cm3以下である、請求項1ないし18のいずれかに記載の負極材料。
- 請求項1ないし19のいずれかに記載の負極材料を含む、負極活物質。
- 前記負極材料とは異なる種類の負極材料をさらに含む、請求項20に記載の負極活物質。
- 前記異なる種類の前記負極材料は、黒鉛質材料である、請求項21に記載の負極活物質。
- 請求項20ないし22のいずれかに記載の負極活物質を含む、負極。
- 請求項23に記載の負極と、電解質と、正極とを少なくとも備えた、アルカリ金属イオン電池。
- リチウムイオン電池またはナトリウムイオン電池である、請求項24に記載のアルカリ金属イオン電池。
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013173174 | 2013-08-23 | ||
JP2013173126 | 2013-08-23 | ||
JP2013173174 | 2013-08-23 | ||
JP2013173126 | 2013-08-23 | ||
PCT/JP2014/071367 WO2015025785A1 (ja) | 2013-08-23 | 2014-08-13 | 負極材料、負極活物質、負極およびアルカリ金属イオン電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2015025785A1 true JPWO2015025785A1 (ja) | 2017-03-02 |
Family
ID=52483561
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015532833A Pending JPWO2015025785A1 (ja) | 2013-08-23 | 2014-08-13 | 負極材料、負極活物質、負極およびアルカリ金属イオン電池 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20160204435A1 (ja) |
JP (1) | JPWO2015025785A1 (ja) |
KR (1) | KR20160044560A (ja) |
TW (1) | TW201530880A (ja) |
WO (1) | WO2015025785A1 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015152093A1 (ja) * | 2014-03-31 | 2015-10-08 | 株式会社クレハ | 非水電解質二次電池負極用炭素質材料、非水電解質二次電池用負極電極、非水電解質二次電池及び車両 |
KR102461344B1 (ko) * | 2015-11-10 | 2022-10-28 | 삼성에스디아이 주식회사 | 리튬 이차 전지용 음극 및 이를 포함하는 리튬 이차 전지 |
JP6981338B2 (ja) * | 2018-03-28 | 2021-12-15 | トヨタ自動車株式会社 | 負極材料、非水電解質二次電池およびそれらの製造方法 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3337077B2 (ja) * | 1990-12-28 | 2002-10-21 | ソニー株式会社 | 非水電解質二次電池の製造方法 |
JP5333963B2 (ja) * | 2007-08-30 | 2013-11-06 | 日本カーボン株式会社 | リチウムイオン二次電池用負極活物質及びそれを使用した負極 |
JP2009084099A (ja) * | 2007-09-28 | 2009-04-23 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 炭素材の製造方法、炭素材及びこれを用いたリチウムイオン二次電池用負極材 |
JP5365611B2 (ja) * | 2010-11-26 | 2013-12-11 | 住友ベークライト株式会社 | リチウムイオン二次電池用炭素材、リチウムイオン二次電池用負極合剤、リチウムイオン二次電池用負極、およびリチウムイオン二次電池 |
JP2014132555A (ja) * | 2012-08-29 | 2014-07-17 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 負極材料、負極活物質、負極およびアルカリ金属イオン電池 |
JP5472514B1 (ja) * | 2012-12-07 | 2014-04-16 | 住友ベークライト株式会社 | 負極材料、負極活物質、負極およびアルカリ金属イオン電池 |
JP5297565B1 (ja) * | 2013-02-06 | 2013-09-25 | 住友ベークライト株式会社 | 負極材料、負極活物質、負極およびアルカリ金属イオン電池 |
-
2014
- 2014-08-13 JP JP2015532833A patent/JPWO2015025785A1/ja active Pending
- 2014-08-13 KR KR1020167007177A patent/KR20160044560A/ko not_active Application Discontinuation
- 2014-08-13 WO PCT/JP2014/071367 patent/WO2015025785A1/ja active Application Filing
- 2014-08-13 US US14/913,480 patent/US20160204435A1/en not_active Abandoned
- 2014-08-19 TW TW103128374A patent/TW201530880A/zh unknown
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2015025785A1 (ja) | 2015-02-26 |
KR20160044560A (ko) | 2016-04-25 |
US20160204435A1 (en) | 2016-07-14 |
TW201530880A (zh) | 2015-08-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2014034431A1 (ja) | 負極材料、負極活物質、負極およびアルカリ金属イオン電池 | |
JP5472514B1 (ja) | 負極材料、負極活物質、負極およびアルカリ金属イオン電池 | |
JP2013200984A (ja) | 非水系二次電池用負極材、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池 | |
JP2014132555A (ja) | 負極材料、負極活物質、負極およびアルカリ金属イオン電池 | |
JP2007141677A (ja) | 複合黒鉛及びそれを用いたリチウム二次電池 | |
WO2015025785A1 (ja) | 負極材料、負極活物質、負極およびアルカリ金属イオン電池 | |
JP5681753B2 (ja) | 負極材料、負極活物質、負極およびアルカリ金属イオン電池 | |
JP5297565B1 (ja) | 負極材料、負極活物質、負極およびアルカリ金属イオン電池 | |
WO2017110796A1 (ja) | 二次電池負極用炭素材、二次電池負極用活物質、二次電池負極および二次電池 | |
TW202232809A (zh) | 鋰離子二次電池用負極材料及其製造方法、鋰離子二次電池用負極及鋰離子二次電池 | |
KR20150008874A (ko) | 비정질 탄소 입자의 제조 방법, 비정질 탄소 입자, 리튬 이온 2차 전지용 부극 재료 및 리튬 이온 2차 전지 | |
JP2014154546A (ja) | 負極材料、負極活物質、負極およびアルカリ金属イオン電池 | |
JP5346406B1 (ja) | 負極材料、負極活物質、リチウムイオン電池用負極およびリチウムイオン電池 | |
JP6065713B2 (ja) | アルカリ金属イオン二次電池用負極材料、アルカリ金属イオン二次電池用負極活物質、アルカリ金属イオン二次電池用負極およびアルカリ金属イオン二次電池 | |
WO2017119428A1 (ja) | 二次電池負極用炭素材、二次電池負極用活物質、二次電池負極および二次電池 | |
WO2014115721A1 (ja) | 負極材料、負極活物質、負極およびアルカリ金属イオン二次電池 | |
JP2014116290A (ja) | 負極材料、負極活物質、リチウムイオン電池用負極およびリチウムイオン電池 | |
JP2017183233A (ja) | 二次電池負極用炭素材、二次電池負極用活物質、二次電池負極および二次電池 |