JPWO2015005141A1 - 蓄電装置状態推定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】温度の測定を行わない簡易な方法で蓄電装置の状態を正確に推定できる蓄電装置状態推定方法を提供する。【解決手段】蓄電装置101の内部インピーダンスが温度に応じて変化しなくなる周波数において蓄電装置10の内部インピーダンス|Z|が測定され、その測定値に基づいて蓄電装置101のSOC又はSOHが推定される。また、蓄電装置101の内部インピーダンスの実部Rが温度に応じて変化しなくなる周波数において蓄電装置10の内部インピーダンスの実部Rが測定され、その測定値に基づいて、蓄電装置101のSOC又はSOHが推定される。【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン電池等の蓄電装置の状態を推定する方法に関し、特に、蓄電装置の劣化状態や充電状態を簡易な構成で推定する方法に関するものである。
リチウムイオン電池や電気二重層キャパシタなどの蓄電装置は、携帯電話機や自動車などの様々な分野で広く使用されている。蓄電装置を電力供給源として使用する場合、電気残量や劣化状態を正しく把握する必要がある。例えば電気自動車の場合、予期せぬ場所で運転できなくなるような事態を回避するためには、バッテリの電気残量の情報が必要となる。また、バッテリの交換時期の判定や、バッテリの長寿命化のために行う充電・放電の制御においては、バッテリの劣化状態の情報が必要となる。
蓄電装置の充電状態(SOC:state of charge)や劣化状態(SOH:state of health)を推定するため、従来より様々な方法が提案されている。下記の特許文献1には、所定の状態(例えば満充電状態)において測定された二次電池の内部抵抗と、任意の状態において測定された内部抵抗との比を求め、この内部抵抗比に対応する相対SOC(残容量と満充電容量との比)を、事前の測定で得られたデータテーブルに基づいて求める方法が記載されている。また、特許文献1には、相対SOCの変化と電流積算量との比に基づいてSOHを求める方法が記載されている。二次電池の内部抵抗は温度に応じて変化するため、特許文献1に記載される方法では、二次電池の温度の測定結果に応じて内部抵抗を補正する処理が行われている。
他方、下記の特許文献2には、蓄電装置の逐次の電力損失を測定するとともに蓄電装置の端子温度を測定し、蓄電装置の中心から端子までの熱抵抗と逐次の電力損失とに基づいて、蓄電装置の端子と中心との温度差を求め、この温度差を端子温度の測定値に加算することにより、蓄電装置の中心の温度を検出する方法が記載されている。
特開2012−189373号公報 特開2011−232083号公報
特許文献1に記載される方法のように、SOHやSOCを蓄電装置の内部抵抗等に基づいて推定する方法が従来より知られている。一般に、蓄電装置の内部抵抗(直流抵抗,交流抵抗)は温度に応じて変化し、SOHやSOCと内部抵抗との関係も温度に応じて変化する。内部抵抗とともに温度も加味しなければ、正確なSOHやSOCを推定できない。そのため、内部抵抗等に基づいてSOHやSOCを推定する従来の方法では、蓄電装置の温度も測定する必要がある。しかしながら、蓄電装置の正確な温度の測定は、特許文献2において記載されるように複雑かつ困難であり、装置構成やデータ処理が複雑になるという問題がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、温度の測定を行わない簡易な方法で蓄電装置の状態を正確に推定できる蓄電装置状態推定方法を提供することにある。
本発明に係る蓄電装置状態推定方法は、蓄電装置の内部インピーダンスが温度に応じて変化しなくなる少なくとも1つの周波数における前記内部インピーダンス、又は、前記内部インピーダンスの実部が温度に応じて変化しなくなる少なくとも1つの周波数における前記実部を測定し、前記内部インピーダンスの測定値又は前記実部の測定値に基づいて、前記蓄電装置のSOC(state of charge)又はSOH(state of health)を推定することを特徴とする。
好適に、前記内部インピーダンスを測定する周波数は、前記内部インピーダンス中のイオン伝導に基づく成分の温度に応じた変化と、前記内部インピーダンス中の電子伝導に基づく成分の温度に応じた変化とが相殺する周波数である。
また、好適に、前記実部を測定する周波数は、前記実部中のイオン伝導に基づく成分の温度に応じた変化と、前記実部中の電子伝導に基づく成分の温度に応じた変化とが相殺する周波数である。
上記の蓄電装置状態推定方法では、前記内部インピーダンスが温度に応じて変化しなくなる周波数における前記内部インピーダンスの測定値、又は、前記内部インピーダンスの実部が温度に応じて変化しなくなる周波数における当該実部の測定値に基づいて、前記蓄電装置のSOC又はSOHが推定される。温度に依存しない前記内部インピーダンス又は前記実部の測定値に基づいて蓄電装置の状態が推定されるため、前記蓄電装置の温度測定が不要になる。
上記の蓄電装置状態推定方法において、前記内部インピーダンスが温度に応じて変化しなくなる周波数、又は、前記実部が温度に応じて変化しなくなる周波数は、複数存在していてもよい。その場合、当該複数の周波数のうち、測定対象の前記内部インピーダンス若しくは前記実部の温度に応じた変化量の周波数に対する変化率、又は、測定対象の前記内部インピーダンス若しくは前記実部の前記SOCに応じた変化量の周波数に対する変化率が最も小さい周波数において前記測定を行ってよい。
これにより、僅かな測定誤差や周波数特性の個体ばらつき等の影響による推定精度の低下が抑えられる。
あるいは、前記内部インピーダンスが温度に応じて変化しなくなる周波数、又は、前記実部が温度に応じて変化しなくなる周波数が複数存在する場合、当該複数の周波数において前記内部インピーダンス若しくは前記実部の前記測定をそれぞれ行い、当該複数の周波数における前記内部インピーダンス若しくは前記実部の測定値に基づいて、前記SOC又は前記SOHの前記推定をそれぞれ行ってもよい。そして、当該複数の周波数に基づく複数の前記推定の結果の平均値を算出するようにしてもよい。
これにより、測定誤差や周波数特性の個体ばらつき等の影響によって推定結果に大きな誤差が生じる可能性が低減される。
上記蓄電装置状態推定方法において、前記蓄電装置はリチウムイオン電池であってよい。この場合、前記内部インピーダンスの前記測定は、4kHz及び/又は500kHzの周波数で行ってよい。また、前記蓄電装置がリチウムイオン電池の場合、前記実部の前記測定は、10kHz及び/又は4MHzの周波数で行ってよい。
上記蓄電装置状態推定方法では、前記蓄電装置の充電及び放電が停止された状態で前記蓄電装置の温度が変化する所定の温度変化期間において、所定の周波数範囲における前記内部インピーダンス若しくは前記実部の周波数応答特性を複数回繰り返し測定してよい。そして、当該複数の周波数応答特性の測定結果が示す複数の周波数応答曲線の交点に対応する周波数を、前記内部インピーダンス若しくは前記実部が温度に応じて変化しなくなる周波数として取得してよい。
これにより、蓄電装置ごとに特性がばらつく場合でも、前記内部インピーダンス若しくは前記実部が温度に応じて変化しなくなる周波数として、個体毎の適切な周波数が取得される。
また、上記蓄電装置状態推定方法では、前記周波数特性の測定結果に含まれる前記内部インピーダンス若しくは前記実部の測定値の中で、前記交点に対応する周波数に最も近い周波数における測定値を、前記蓄電装置のSOC又はSOHの推定に用いるべき測定値として取得してもよい。
これにより、既に得られた測定値の中から前記蓄電装置の状態推定に用いるべき測定値が取得されるため、前記内部インピーダンス若しくは前記実部が温度に応じて変化しなくなる周波数を取得した後でその周波数での前記内部インピーダンス若しくは前記実部を更に測定する方法に比べて、測定回数が少なくなる。
前記温度変化期間は、例えば、前記蓄電装置の充電若しくは放電が終了した直後の期間であってよい。
前記周波数応答特性の測定においては、前記蓄電装置に供給する交流信号の周波数を前記所定の周波数範囲において低周波から高周波若しくは高周波から低周波へ変化させながら、当該周波数範囲に含まれる複数の周波数において前記内部インピーダンス若しくは前記実部を測定するようにしてよい。
本発明によれば、温度の測定を行わない簡易な方法で蓄電装置の状態を正確に推定できる。
本発明の第1の実施形態に係る蓄電装置状態推定システムの構成の一例を示す図である。 蓄電装置の一例を示す図であり、リチウムイオン二次電池の構造を模式的に表した図である。 蓄電装置の内部インピーダンスの温度依存性が周波数に応じて変化することを示す図である。 蓄電装置の内部インピーダンスのSOC依存性が周波数に応じて変化すること示す図である。 図4に示すSOC依存性と図3に示す温度依存性との比を示す図である。 蓄電装置の内部インピーダンスにおける実部の温度依存性が周波数に応じて変化すること示す図である。 蓄電装置の内部インピーダンスにおける実部のSOC依存性が周波数に応じて変化すること示す図である。 図7に示すSOC依存性と図6に示す温度依存性との比を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る蓄電装置状態推定システムにおいて推定値を得る手順の一例を示す図である。 蓄電装置の内部インピーダンス若しくはその実部の周波数特性が温度に応じて変化することを示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る蓄電装置状態推定システムにおいて推定値を得る手順の一例を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る蓄電装置状態推定システムにおいて推定値を得る手順の他の例を示す図である。 蓄電装置状態推定システムの一変形例を示す図である。 蓄電装置状態推定システムの他の変形例を示す図である。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る蓄電装置状態推定システム100の構成の一例を示す図である。図1に示すシステム100は、蓄電装置101に交流信号を供給する交流信号源部102と、蓄電装置101に流れる電流を検出する電流検出部103と、蓄電装置101に印可される電圧を検出する電圧検出部104と、検出された電流及び電圧に基づいて蓄電装置101の内部インピーダンスを算出する内部インピーダンス算出部105と、内部インピーダンス算出部105の算出結果に基づいて蓄電装置101の状態(SOC,SOH)を推定する状態推定部106を有する。
蓄電装置101は、例えば、リチウムイオン二次電池等の充電可能な化学電池や、電気二重層キャパシタのようにイオンを利用して電気エネルギーを蓄積する装置を含んで構成される。
図2は、蓄電装置101の一例としてリチウムイオン二次電池の構造を模式的に表した図である。蓄電装置101は、一般的な構成要素として、正極集電体A1、負極集電体C1、電解質E1及びセパレータS1を有する。また、蓄電装置101は、リチウムイオン二次電池として上述した構成要素の他に、例えば正極集電体A1側の電気を貯める物質である正極活物質A51や、負極集電体C1側の電気を溜める物質である負極活物質C51、電気の流れを良くするために加える導電助材D51、バインダーである結着材等を有する。
リチウムイオン二次電池の場合、正極集電体A1としてアルミニウム(Al)、負極集電体C1として銅(Cu)、電解質E1として有機系の溶媒(C等)とリチウム塩(LiPF等)の溶質とから構成される溶液、正極活物質A51としてコバルト酸リチウム(LiCoO)、負極活物質C51として炭素(C)が一般的に使用される。正極活物質A51としては、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)、オリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO)などが使用されてもよい。負極活物質C51の炭素(C)には、例えば層状に形成された黒鉛の結晶が用いられており、層と層の間にリチウムがイオンの状態で蓄えられているのが特徴である。負極活物質C51としては、チタン酸リチウム(LiTi12)、一酸化珪素(SiO)、Sn合金、Si合金などが用いられてもよい。
交流信号源部102は、蓄電装置101の内部インピーダンスを測定するための交流信号を発生する回路であり、図1の例では、蓄電装置101から負荷RLへ流れる電流の経路に設けられている。交流信号源部102は、例えば、内部インピーダンス算出部105からの制御信号に応じた振幅と周波数を有する交流信号を発生し、蓄電装置101に供給する。交流信号源部102が発生する交流信号の周波数は、蓄電装置101の内部インピーダンス若しくはその実部が温度に応じて変化しなくなる(温度係数がゼロになる)周波数に設定される。この周波数については、後ほど詳しく説明する。
電流検出部103は、蓄電装置101から流れる電流を検出する回路であり、蓄電装置101から負荷RLへ流れる電流の経路に設けられている。電流検出部103は、例えば磁気抵抗素子などの電流センサと、その電流センサの出力信号を処理する信号処理回路を含む。
電圧検出部104は、蓄電装置101の正極端子と負極端子の間に生じる電圧を検出する回路であり、電圧増幅回路などを含む。
電流検出部103及び電圧検出部104は、例えばデジタル−アナログ変換回路を含んでおり、内部インピーダンス算出部105からの制御信号に応じて検出信号のデジタル−アナログ変換を実行し、デジタル値に変換された検出信号のデータを内部インピーダンス算出部105に出力する。
内部インピーダンス算出部105は、電流検出部103及び電圧検出部104から取得した蓄電装置101の電流及び電圧の検出結果に基づいて、蓄電装置101の内部インピーダンスを算出する。
内部インピーダンス算出部105は、例えば、プログラムの命令コードに従って処理を実行するコンピュータを含んで構成される。コンピュータは、例えばマイクロプロセッサ、作業用メモリ、記憶装置(ハードディスクやSSDなど)を備えており、電流検出部103及び電圧検出部104の制御や、電流・電圧の検出結果のデータ処理をプログラムに基づいて実行する。
内部インピーダンス算出部105は、具体的には、蓄電装置101の内部インピーダンス若しくはその実部が温度に応じて変化しなくなる所定の周波数feの交流信号を発生するように交流信号源部102を制御し、この交流信号が供給された蓄電装置101の電圧及び電流の検出結果を電流検出部103及び電圧検出部104から取得する。内部インピーダンス算出部105は、電圧及び電流の検出結果における周波数feの成分の振幅と位相を解析し、その解析結果をもとに、蓄電装置101の内部インピーダンスをフェーザとして表す複素数Zとその大きさ(ノルム)|Z|を算出する。
なお、本明細書においては、内部インピーダンスをフェーザとして表す複素数Zのノルム|Z|を、単に「内部インピーダンス」若しくは「内部インピーダンス|Z|」と表記する場合がある。また、内部インピーダンスをフェーザとして表す複素数Zの実部Rを、「内部インピーダンスの実部」若しくは「実部R」と表記する場合がある。
状態推定部106は、内部インピーダンス算出部105において算出された蓄電装置101の内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rに基づいて、蓄電装置101のSOCとSOHを推定する。
状態推定部106は、例えば、プログラムの命令コードに従って処理を実行するコンピュータを含んで構成される。コンピュータは、例えばマイクロプロセッサ、作業用メモリ、記憶装置(ハードディスクやSSDなど)を備えており、内部インピーダンス算出部105から取得した内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rのデータをプログラムに基づいて処理することで、SOCとSOHの推定を行う。なお、内部インピーダンス算出部105と状態推定部106は、同一のコンピュータを用いて構成されてもよい。
状態推定部106において推定されるSOC(state of charge)は、蓄電装置101の残容量を表す指標であり、例えば、満充電時の蓄電量に対する推定時点の蓄電量の割合(%)として算出される。また、状態推定部106において推定されるSOH(state of health)は、蓄電装置101の劣化の度合いを表す指標であり、例えば、未使用(新品)の蓄電装置101を満充電にしたときの蓄電量に対する推定時点の満充電状態における蓄電量の割合(%)として算出される。
状態推定部106は、例えば事前に用意されたデータテーブルを参照することによって、SOCの推定を行う。すなわち、状態推定部106は、種々の条件において測定やシュミレーションを行うことにより作成された内部インピーダンス|Z|とSOCのデータテーブル、若しくは、実部RとSOCのデータテーブルを記憶装置に予め記憶する。状態推定部106は、内部インピーダンス算出部105において内部インピーダンス|Z|や実部Rが算出されると、記憶装置に記憶したデータテーブルに基づいて、内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの算出結果に対応するSOCを推定する。
なお、状態推定部106は、劣化状態(SOH)に応じた複数のデータテーブルを記憶装置に記憶していてもよい。この場合、状態推定部106は、後述するSOHの推定結果に基づいて、複数のデータテーブルから適切なデータテーブルを選択し、選択したデータテーブルに基づいてSOCの推定を行う。
状態推定部106は、例えば一定の充電状態(満充電状態など)において内部インピーダンス算出部105が算出した内部インピーダンス|Z|や実部Rに基づき、SOHの推定を行う。具体的には、状態推定部106は、実測定やシュミレーションにより事前に作成された満充電状態の内部インピーダンス|Z|とSOHのデータテーブル、若しくは、満充電状態の実部RとSOHのデータテーブルを記憶装置に予め記憶する。状態推定部106は、内部インピーダンス算出部105において満充電状態の内部インピーダンス|Z|や実部Rが算出されると、記憶装置に記憶したデータテーブルに基づいて、満充電状態の内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの算出結果に対応するSOHを推定する。
また、状態推定部106は、ほぼ劣化のない条件(未使用時)において予め測定若しくはシュミレーションにより得られた一定の充電状態(満充電状態など)の内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの基準値と、内部インピーダンス算出部105における内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの算出値とに基づいて、蓄電装置101が所定の劣化状態に達したか否かを判定してもよい。例えば、状態推定部106は、記憶装置に予め記憶した上記の基準値と内部インピーダンス算出部105の算出値との比若しくは差を算出し、算出した比若しくは差と所定のしきい値とを比較し、この比較結果に基づいて蓄電装置101が所定の劣化状態に達したか否かの判定を行う。
次に、本実施形態において内部インピーダンス|Z|の測定のために蓄電装置101へ供給する交流信号の周波数について、図3〜図5のグラフを参照して説明する。図3〜図5に示すグラフは、18650タイプの円筒型リチウムイオン二次電池について測定されたデータをプロットしたものである。
図3は、蓄電装置101の内部インピーダンス|Z|の温度依存性が周波数に応じて変化することを示す図である。図3の縦軸は、内部インピーダンス|Z|の温度に応じた変化の度合いに関わる係数Zt[ppm/℃](以下、温度係数Ztと記す。)を表し、横軸は周波数[Hz]を表す。図3のグラフによると、温度係数Ztは、周波数fe1(約4kHz)より低い周波数帯域において負の依存性を有し、周波数fe1付近で依存性が負から正へ変化し、周波数fe1(約4kHz)から周波数fe2(約500kHz)までの周波数帯域において正の依存性を有し、周波数fe2付近で依存性が再び正から負へ戻り、周波数fe2(約500kHz)より高い周波数帯域では負の依存性を有する。
蓄電装置101の内部インピーダンス|Z|には、イオンが電気伝導に関与することに基づく成分(以下、イオン伝導性成分と記す。)と、金属等の自由電子が電気伝導に関与することに基づく成分(以下、電子伝導性成分と記す。)が含まれる。一般に、イオンの移動度は温度の上昇に伴って高くなる(抵抗が小さくなる)傾向があるため、イオン伝導性成分は温度の上昇に伴って小さくなる。他方、金属等の自由電子は温度の上昇に伴って散乱を受けやすくなり、抵抗が大きくなるため、電子伝導性成分は温度の上昇に伴って大きくなる。
周波数fe1(約4kHz)より低い周波数帯域においては、イオン伝導性成分が電子伝導性成分より支配的であるため、内部インピーダンス|Z|の温度係数Ztは、温度上昇に伴って小さくなる負の依存性を持つ。交流信号の周波数が高くなると、イオンが交流信号の変化に追従できなくなり、内部インピーダンス|Z|におけるイオン伝導性成分の寄与が小さくなる。そして、交流信号の周波数がfe1(約4kHz)より高くなると、電子伝導性成分がイオン伝導性成分より支配的となるため、内部インピーダンス|Z|の温度係数Ztは正の依存性を持つ。
交流信号の周波数が更に高くなると、内部インピーダンス|Z|におけるイオン伝導性成分の寄与が再び大きくなり、交流信号の周波数がfe2(約500kHz)より高くなったところで、イオン伝導性成分が電子伝導性成分より再び支配的になる。高い周波数帯域において、内部インピーダンス|Z|の温度係数Ztは負の依存性に戻る。
このように、蓄電装置101の温度係数Ztは、内部インピーダンス|Z|におけるイオン伝導性成分と電子伝導性成分の寄与の割合が周波数に応じて変化することにより、正から負又は負から正へ依存性が変化するが、本発明においては、この依存性が正から負、負から正へ変化する特定の周波数(fe1,fe2)において温度係数Ztがゼロになることに着目する。周波数fe1,fe2においては、イオン伝導性成分の温度に応じた変化と電子伝導性成分の温度に応じた変化が相殺することにより、温度係数Ztがゼロになるため、内部インピーダンス|Z|の測定値は、温度に依存しない値となる。従って、交流信号源部102の交流信号の周波数をこれらの値(fe1,fe2)に設定し、蓄電装置101の内部インピーダンス|Z|を測定することにより、温度に依存しない正確な測定結果が得られる。
図4は、蓄電装置の内部インピーダンスのSOC依存性が周波数に応じて変化すること示す図である。図4の縦軸は、内部インピーダンス|Z|のSOCに応じた変化の度合いに関わる係数Zsoc[ppm/%](以下、SOC係数Zsocと記す。)を表し、横軸は周波数[Hz]を表す。図4のグラフによると、内部インピーダンス|Z|の温度係数Ztがゼロとなる周波数fe1(約4kHz)及びfe2(約500kHz)の付近において、SOC係数Zsocの絶対値は250[ppm/%]程度となっている。すなわち、周波数fe1,fe2において測定される内部インピーダンス|Z|は、SOCに応じて十分に大きく変化する。このことは、これらの周波数において得られた内部インピーダンス|Z|の測定結果に基づいてSOCを推定可能であることを示す。
図5は、図4に示すSOC依存性と図3に示す温度依存性との比を示す図である。図5の縦軸はSOC係数Zsocと温度係数Ztとの比の絶対値(|Zsoc/Zt|)を表し、横軸は周波数を表す。図5のグラフによると、周波数fe1(約4kHz)及びfe2(約500kHz)の付近において、比の絶対値(|Zsoc/Zt|)かピーク状に高い値を示していることが分かる。これは、周波数fe1及びfe2において温度係数Ztがゼロとなる一方、SOC係数Zsocは正又は負の値を保っていることによる。このグラフから、周波数fe1及びfeの付近においては、温度依存性の影響が小さい状態でSOC依存性を有した内部インピーダンス|Z|を測定できることが分かる。
次に、本実施形態において実部Rの測定のために蓄電装置101へ供給する交流信号の周波数について、図6〜図8のグラフを参照して説明する。図6〜図8に示すグラフは、図3〜図5と同様に、18650タイプの円筒型リチウムイオン二次電池について測定されたデータをプロットしたものである。
図6は、蓄電装置101の内部インピーダンスにおける実部Rの温度依存性が周波数に応じて変化すること示す図である。図6の縦軸は、実部Rの温度に応じた変化の度合いに関わる係数Rt[ppm/℃](以下、温度係数Rtと記す。)を表し、横軸は周波数[Hz]を表す。図6のグラフによると、温度係数Rtは、周波数fe3(約10kHz)より低い周波数帯域において負の依存性を有し、周波数fe3付近で依存性が負から正へ変化し、周波数fe3(約10kHz)から周波数fe4(約4MHz)までの周波数帯域において正の依存性を有し、周波数fe4付近で依存性が再び正から負へ戻り、周波数fe4(約4MHz)より高い周波数帯域では負の依存性を有する。
蓄電装置101の内部インピーダンスにおける実部Rにも、内部インピーダンス|Z|と同様なイオン伝導性成分と電子伝導性成分が含まれる。
周波数fe3(約10kHz)より低い周波数帯域においては、イオン伝導性成分が電子伝導性成分より支配的であるため、実部Rの温度係数Rtは、温度上昇に伴って小さくなる負の依存性を持つ。交流信号の周波数が高くなると、イオン伝導性成分の寄与が徐々に小さくなり、交流信号の周波数がfe3(約10kHz)を超えたところで、電子伝導性成分がイオン伝導性成分より支配的となる。これにより、実部Rの温度係数Rtは正の依存性を持つようになる。
交流信号の周波数が更に高くなると、実部Rにおけるイオン伝導性成分の寄与が再び大きくなり、交流信号の周波数がfe4(約4MHz)より高くなったところで、イオン伝導性成分が電子伝導性成分より再び支配的になる。高い周波数帯域において、実部Rの温度係数Rtは負の依存性に戻る
温度係数Rtがゼロになる周波数fe3,fe4においては、イオン伝導性成分の温度に応じた変化と電子伝導性成分の温度に応じた変化が相殺することにより、温度係数Rtがゼロになるため、実部Rの測定値は、温度に依存しない値となる。従って、交流信号源部102の交流信号の周波数をこれらの値(fe3,fe4)に設定し、蓄電装置101の内部インピーダンスの実部Rを測定することにより、温度に依存しない正確な測定結果が得られる。
図7は、蓄電装置101の内部インピーダンスにおける実部RのSOC依存性が周波数に応じて変化すること示す図である。図7の縦軸は、実部RのSOCに応じた変化の度合いに関わる係数Rsoc[ppm/%](以下、SOC係数Rsocと記す。)を表し、横軸は周波数[Hz]を表す。図7のグラフによると、実部Rの温度係数Rtがゼロとなる周波数fe3(約10kHz)及びfe4(約4MHz)の付近において、SOC係数Rsocの絶対値は250〜300[ppm/%]程度となっている。すなわち、周波数fe3,fe4において測定される内部インピーダンスの実部Rは、SOCに応じて十分に大きく変化する。このことは、これらの周波数において得られた実部Rの測定結果に基づいてSOCを推定可能であることを示す。
図8は、図7に示すSOC依存性と図6に示す温度依存性との比を示す図である。図8の縦軸はSOC係数Rsocと温度係数Rtとの比の絶対値(|Rsoc/Rt|)を表し、横軸は周波数を表す。図8のグラフによると、周波数fe3(約10kHz)の付近において、比の絶対値(|Zsoc/Zt|)かピーク状に高い値を示していることが分かる。これは、周波数fe3において温度係数Rtがゼロとなる一方、SOC係数Rsocは正又は負の値を保っていることによる。このグラフから、周波数fe3付近においては、温度依存性の影響が小さい状態でSOC依存性を有した実部Rを測定できることが分かる。
他方、温度係数Rtがゼロになる周波数fe4(約4MHz)の付近の比(|Zsoc/Zt|)は、周波数fe3に比べて僅かなピークを示すにとどまっている。これは、周波数fe4の付近における温度係数RtやSOC係数Rsocの変化率が周波数fe3付近と比べて非常に大きくなっている(温度係数RtやSOC係数Rsocの変化が急になっている)ため、測定誤差や周波数特性の変動などの影響により、周波数fe4の付近で十分なSOC依存性を有した実部Rを測定できない場合があること示している。
したがって、この場合、内部インピーダンスの実部Rの測定は、周波数fe3で行うことが望ましい。
このように、温度係数Rtがゼロになる周波数feが複数存在する場合には、SOC係数Rsocの周波数に対する変化率、若しくは、温度係数Rtの周波数に対する変化率を比較し、変化率が最も小さい(周波数に対する変化が緩やかな)周波数feにおいて、実部Rの測定を行うようにしてもよい。これらの係数(Rsoc,Rt)の周波数に対する変化率が大きい場合、僅かな測定誤差や周波数特性の個体ばらつき等によって、十分なSOC依存性を有した実部Rを測定できない可能性があるからである。係数(Rsoc,Rt)の周波数変化率の小さい周波数feを選ぶことで、そのような可能性が低減するため、SOCやSOHの推定精度が向上する。
なお、温度係数Ztがゼロになる周波数feが複数存在する場合についても同様であり、SOC係数Zsocの周波数に対する変化率、若しくは、温度係数Ztの周波数に対する変化率が最も小さい周波数feにおいて、内部インピーダンス|Z|の測定を行うことにより、SOCやSOHの推定精度の向上を図ることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る蓄電装置状態推定方法によれば、蓄電装置101の内部インピーダンスが温度に応じて変化しなくなる周波数において蓄電装置10の内部インピーダンス|Z|が測定され、その測定値に基づいて蓄電装置101のSOC又はSOHが推定される。また、本実施形態に係る蓄電装置状態推定方法によれば、蓄電装置101の内部インピーダンスの実部Rが温度に応じて変化しなくなる周波数において蓄電装置10の内部インピーダンスの実部Rが測定され、その測定値に基づいて、蓄電装置101のSOC又はSOHが推定される。
これにより、蓄電装置101の温度に依存しない正確な内部インピーダンス|Z|や実部Rが得られることから、蓄電装置101の温度を測定して内部インピーダンス|Z|や実部Rの測定値を補正する工程が不要になり、測定の手順やシステム構成を簡易化できる。しかも、測定誤差を生じやすい蓄電装置101の温度をSOCやSOHの推定に用いなくて良いため、推定精度を高めることができる。
また、本実施形態に係る蓄電装置状態推定方法によれば、内部インピーダンス|Z|が温度に応じて変化しなくなる周波数が複数存在する場合や、実部Rが温度に応じて変化しなくなる周波数が複数存在する場合に、これらの複数の周波数のうち、測定対象の内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの温度に応じた変化量(Zt,Rt)の周波数変化率が最も小さい周波数、あるいは、測定対象の内部インピーダンス|Z|若しくは実部RのSOCに応じた変化量(Zsoc,Rsoc)の周波数変化率が最も小さい周波数において、内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの当該測定が行われる。
これにより、僅かな測定誤差や周波数特性の個体ばらつきの影響を受けて、十分なSOC依存性を有した内部インピーダンス|Z|や実部Rを測定できなくなる可能性を低減できるため、SOCやSOHの推定精度を高めることができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
上述した第1の実施形態に係る蓄電装置状態推定方法では、内部インピーダンス|Z|が温度に応じて変化しなくなる周波数が複数存在する場合や、実部Rが温度に応じて変化しなくなる周波数が複数存在する場合に、これらの複数の周波数から、好適な1つの周波数が選択され、その周波数について蓄電装置101の状態の推定が行われる。これに対して、本実施形態に係る蓄電装置状態推定方法では、これらの複数の周波数について得られる複数の推定結果を平均化することによって、1つの推定結果が得られる。
図9は、本発明の第2の実施形態に係る蓄電装置状態推定システムにおいて推定値を得る手順の一例を示す図である。本実施形態に係る蓄電装置状態推定システムは、図1と同様な構成を有する。
内部インピーダンス|Z|が温度に応じて変化しなくなる周波数が複数存在する場合や、実部Rが温度に応じて変化しなくなる周波数が複数存在する場合には、そのそれぞれの周波数において、内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの測定が行われる(ST100)。すなわち、各周波数の交流信号が交流信号源部102から出力され、その各周波数の内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rが内部インピーダンス算出部105において算出される。
次に、複数の周波数における内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの測定値に基づいて、SOC若しくはSOHの推定がそれぞれ行われる(ST101)。すなわち、内部インピーダンス算出部105における各周波数の内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの算出結果に基づいて、各周波数でのSOC若しくはSOHが状態推定部106により推定される。
そして、この各周波数でのSOC若しくはSOHの推定結果から、SOC若しくはSOHの平均値が算出される。この平均値の算出は、例えば状態推定部106において行われる。
以上説明したように、本実施形態に係る蓄電装置状態推定方法によれば、複数の内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの測定値に基づいて複数の蓄電装置状態(SOC,SOH)の推定結果が取得され、その複数の推定結果を平均化することにより一の推定結果が得られる。これにより、測定誤差や周波数特性の個体ばらつき等の影響によって推定結果に大きな誤差が生じる可能性を低減することができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
上述した各実施形態では、内部インピーダンス|Z|や実部Rが温度に応じて変化しなくなる周波数feが実測定やシュミレーション等によって予め取得されており、個々の状態推定が行われる場合には、記憶装置等に記憶された固定の周波数feにおいて内部インピーダンス|Z|や実部Rの測定が行われる。そのため、周波数特性が蓄電装置101の個体毎にばらついていると、記憶装置等に記憶された周波数feにおいて温度依存性が現れてしまい、状態推定に誤差を生じる可能性がある。これに対し、本実施形態に係る蓄電装置状態推定方法では、蓄電装置101の温度を測定しない簡易な方法で蓄電装置101の個体毎の適切な周波数feが取得されるため、蓄電装置101の個体ばらつきの影響による状態推定誤差が低減される。
図10は、蓄電装置101の内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの周波数特性が温度に応じて変化することを示す図である。図10の縦軸は内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rを表し、横軸は周波数を表す。図10に示す複数のグラフは、異なる温度(T1〜T3)における内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの周波数応答特性を示す。
例えば図10において示すように、蓄電装置101の内部インピーダンス|Z|や実部Rの周波数応答特性は蓄電装置101の温度に応じて全体的に変化するが、特定の周波数feにおいては、内部インピーダンス|Z|や実部Rの値が温度に依らず一定となっている。この周波数feは、図3〜図5における周波数fe1,fe2や、図6〜図8における周波数fe3,fe4に相当する。そこで、本実施形態では、蓄電装置101の温度が変化する期間に内部インピーダンス|Z|や実部Rの周波数応答特性を繰り返し測定し、その複数の周波数応答曲線の交点を求めることにより、内部インピーダンス|Z|や実部Rの値が温度に依らず一定となる周波数feが取得される。
図11は、本発明の第3の実施形態に係る蓄電装置状態推定システムにおいて推定値を得る手順の一例を示す図である。本実施形態に係る蓄電装置状態推定システムは、図1と同様な構成を有する。
内部インピーダン算出部105において、蓄電装置101の充電及び放電が停止された状態で蓄電装置101の温度が変化する所定の温度変化期間が開始したか否かが監視される(ST200)。この温度変化期間は、例えば自動車のアイドリング・ストップなどによって蓄電装置101の充電若しくは放電が終了した直後の期間である。内部インピーダン算出部105には、例えば図示しない上位装置(ホストコンピュータ等)から当該期間の開始が通知される。
温度変化期間の開始が通知されると、内部インピーダン算出部105では、所定の周波数範囲における内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの周波数応答特性が測定される(ST201)。この所定の周波数範囲は、例えば、実測定やシミュレーション等によって周波数feが確実に含まれると評価された周波数範囲に予め設定される。
例えば、内部インピーダン算出部105では、蓄電装置101に供給される交流信号の周波数が上記所定の周波数範囲の低周波側から高周波側若しくは高周波側から低周波側へ変化するように交流信号源部102が制御され、この所定の周波数範囲に含まれる複数の周波数において電流及び電圧の検出値がそれぞれ得られるように、電流検出部103及び電圧検出部104が制御される。そして、所定の周波数範囲に含まれる複数の周波数において得られた電流・電圧の検出値に基づいて、複数の周波数の各々における内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの測定結果が内部インピーダン算出部105により算出される。この周波数応答特性の測定は、内部インピーダン算出部105において予め決められた時間間隔で所定回数反復される(ST202)。
複数の周波数応答特性の測定結果が得られると、当該複数の測定結果が示す複数の周波数応答曲線(図10参照)の交点に対応した周波数が、内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rが温度に応じて変化しなくなる周波数feとして内部インピーダン算出部105により取得される(ST203)。例えば、周波数応答曲線は、周波数応答特性の測定データに基づいて、最小二乗法などにより所定の関数(多項式など)に近似される。そして、複数の周波数応答曲線の近似関数同士が交わる点が、解の公式の演算や数値解析演算など実行することで算出される。複数の交点が算出される場合には、その複数の交点に対応する複数の周波数を平均化することによって、周波数feが算出される。
周波数feが取得されると、その周波数feにおける内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rが内部インピーダン算出部105により測定される(ST204)。状態推定部106では、内部インピーダン算出部105によって測定された周波数feの内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rに基づいて、蓄電装置101のSOC若しくはSOHが推定される。
以上説明したように、本実施形態に係る蓄電装置状態推定方法では、蓄電装置101の充電及び放電が停止された状態で蓄電装置101の温度が変化する所定の温度変化期間において、所定の周波数範囲における内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの周波数応答特性が複数回繰り返し測定される。そして、複数の周波数応答特性の測定結果が示す複数の周波数応答曲線の交点に対応する周波数が、内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rが温度に応じて変化しなくなる周波数feとして取得される。
これにより、周波数feが蓄電装置101の個体ごとにばらつく場合でも、個体毎の適切な周波数feを取得することができるため、個体に依らない固定の周波数feを用いる場合に比べて、個々の蓄電装置101の状態(SOC,SOH)を正確に推定できる。また、周波数feを取得するために蓄電装置101の温度を測定する必要がなく、内部インピーダン算出部105のデータ処理によって実現可能であるため、装置構成が複雑化しないというメリットがある。
なお、図11のフローチャートにおいて示す方法では、ステップST203において取得された周波数feを用いて、内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの測定が行われているが、ステップST201の周波数応答特性の測定において、内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの測定は既に行われているため、周波数feを用いた再度の測定は省略することが可能である。
図12は、第3の実施形態に係る蓄電装置状態推定システムにおいて推定値を得る手順の他の例を示す図であり、周波数feを用いた再度の測定を省略する場合のフローを示す。図12に示すフローは、図11に示すフローにおけるステップST204をステップST214に置き換えたものであり、他のステップは図11に示すフローと同じである。
図12に示すフローによれば、周波数feを用いた再度の測定(ST204)が行われる替わりに、既にステップST201で得られた測定値の中から周波数feに最も近い周波数における測定値が検索され、蓄電装置101のSOC又はSOHの推定に用いるべき測定値として取得される(ST214)。この処理は、例えば内部インピーダン算出部105において実行される。
このように、周波数feを用いた再度の測定を省略することによって測定回数が少なくなるため、蓄電装置状態(SOC,SOH)の推定に要する時間を短縮できる。
以上、本発明の幾つかの実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々のバリエーションを含んでいる。
例えば、図1に示す蓄電装置状態推定システム100では、蓄電装置101から負荷RLへ流れる電流の経路上に交流信号源部102が設けられているが、本発明はこの例に限定されない。本発明の他の実施形態では、例えば図13に示す蓄電装置状態推定システム100Aのように、負荷RLと並列に交流信号源部102を接続してもよい。また、この場合、交流信号源部102と負荷RLとを接続する信号経路の少なくとも一方にキャパシタC1を設けて、交流信号源部102に直流電流が流れないようにしてもよい。図13に示す蓄電装置状態推定システム100Aによれば、蓄電装置101から負荷RLへ流れる大きな直流電流が交流信号源部102を通らないため、交流信号源部102における電力消費を抑制できるとともに、交流信号源部102で生じた電圧降下による負荷RLの供給電圧の低下を防止できる。
また、図1に示す蓄電装置状態推定システム100では、内部インピーダンスを測定するために交流信号源部102が設けられているが、本発明はこの例に限定されない。本発明の他の実施形態では、例えば図14において示す蓄電装置状態推定システム100Bのように、負荷RLにおいて発生するパルス状の信号TRを蓄電装置101に供給する交流信号として用いることにより、交流信号源部102を省略してもよい。
自動車の場合、負荷RLのパルス状の信号TRは、エンジン始動時や回生ブレーキ使用時、急速充電時等に発生する。パルス状信号TRの発生タイミングは、不図示の上位装置等から内部インピーダンス算出部105に通知される。内部インピーダンス算出部105には、周波数スペクトル分析部が設けられており、パルス状信号TRの発生タイミングが通知されると、そのタイミングにおいて取得された電圧・電流の検出信号に対して周波数スペクトル分析が行われる。そして、この分析により抽出された周波数feのスペクトル成分(電圧及び電流)に基づいて、周波数feにおける蓄電装置101の簡易的な内部インピーダンスが算出される。
このように、図14に示す蓄電装置状態推定システム100Bによれば、高い周波数の交流信号を発生する交流信号源部102を省略することが可能となり、装置構成を簡易化できる。
100,100A,100B…蓄電装置状態推定システム、101…蓄電装置、102…交流信号源部、103…電流検出部、104…電圧検出部、105…内部インピーダンス算出部、106…状態推定部、RL…負荷、C1…キャパシタ。
本発明は、リチウムイオン電池等の蓄電装置の状態を推定する方法に関し、特に、蓄電装置の劣化状態や充電状態を簡易な構成で推定する方法に関するものである。
リチウムイオン電池や電気二重層キャパシタなどの蓄電装置は、携帯電話機や自動車などの様々な分野で広く使用されている。蓄電装置を電力供給源として使用する場合、電気残量や劣化状態を正しく把握する必要がある。例えば電気自動車の場合、予期せぬ場所で運転できなくなるような事態を回避するためには、バッテリの電気残量の情報が必要となる。また、バッテリの交換時期の判定や、バッテリの長寿命化のために行う充電・放電の制御においては、バッテリの劣化状態の情報が必要となる。
蓄電装置の充電状態(SOC:state of charge)や劣化状態(SOH:state of health)を推定するため、従来より様々な方法が提案されている。下記の特許文献1には、所定の状態(例えば満充電状態)において測定された二次電池の内部抵抗と、任意の状態において測定された内部抵抗との比を求め、この内部抵抗比に対応する相対SOC(残容量と満充電容量との比)を、事前の測定で得られたデータテーブルに基づいて求める方法が記載されている。また、特許文献1には、相対SOCの変化と電流積算量との比に基づいてSOHを求める方法が記載されている。二次電池の内部抵抗は温度に応じて変化するため、特許文献1に記載される方法では、二次電池の温度の測定結果に応じて内部抵抗を補正する処理が行われている。
他方、下記の特許文献2には、蓄電装置の逐次の電力損失を測定するとともに蓄電装置の端子温度を測定し、蓄電装置の中心から端子までの熱抵抗と逐次の電力損失とに基づいて、蓄電装置の端子と中心との温度差を求め、この温度差を端子温度の測定値に加算することにより、蓄電装置の中心の温度を検出する方法が記載されている。
特開2012−189373号公報 特開2011−232083号公報
特許文献1に記載される方法のように、SOHやSOCを蓄電装置の内部抵抗等に基づいて推定する方法が従来より知られている。一般に、蓄電装置の内部抵抗(直流抵抗,交流抵抗)は温度に応じて変化し、SOHやSOCと内部抵抗との関係も温度に応じて変化する。内部抵抗とともに温度も加味しなければ、正確なSOHやSOCを推定できない。そのため、内部抵抗等に基づいてSOHやSOCを推定する従来の方法では、蓄電装置の温度も測定する必要がある。しかしながら、蓄電装置の正確な温度の測定は、特許文献2において記載されるように複雑かつ困難であり、装置構成やデータ処理が複雑になるという問題がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、温度の測定を行わない簡易な方法で蓄電装置の状態を正確に推定できる蓄電装置状態推定方法を提供することにある。
本発明に係る蓄電装置状態推定方法は、蓄電装置の内部インピーダンスが温度に応じて変化しなくなる少なくとも1つの周波数における前記内部インピーダンス、又は、前記内部インピーダンスの実部が温度に応じて変化しなくなる少なくとも1つの周波数における前記実部を測定し、前記内部インピーダンスの測定値又は前記実部の測定値に基づいて、前記蓄電装置のSOC(state of charge)又はSOH(state of health)を推定することを特徴とする。
好適に、前記内部インピーダンスを測定する周波数は、前記内部インピーダンス中のイオン伝導に基づく成分の温度に応じた変化と、前記内部インピーダンス中の電子伝導に基づく成分の温度に応じた変化とが相殺する周波数である。
また、好適に、前記実部を測定する周波数は、前記実部中のイオン伝導に基づく成分の温度に応じた変化と、前記実部中の電子伝導に基づく成分の温度に応じた変化とが相殺する周波数である。
上記の蓄電装置状態推定方法では、前記内部インピーダンスが温度に応じて変化しなくなる周波数における前記内部インピーダンスの測定値、又は、前記内部インピーダンスの実部が温度に応じて変化しなくなる周波数における当該実部の測定値に基づいて、前記蓄電装置のSOC又はSOHが推定される。温度に依存しない前記内部インピーダンス又は前記実部の測定値に基づいて蓄電装置の状態が推定されるため、前記蓄電装置の温度測定が不要になる。
上記の蓄電装置状態推定方法において、前記内部インピーダンスが温度に応じて変化しなくなる周波数、又は、前記実部が温度に応じて変化しなくなる周波数は、複数存在していてもよい。その場合、当該複数の周波数のうち、測定対象の前記内部インピーダンス若しくは前記実部の温度に応じた変化量の周波数に対する変化率、又は、測定対象の前記内部インピーダンス若しくは前記実部の前記SOCに応じた変化量の周波数に対する変化率が最も小さい周波数において前記測定を行ってよい。
これにより、僅かな測定誤差や周波数特性の個体ばらつき等の影響による推定精度の低下が抑えられる。
あるいは、前記内部インピーダンスが温度に応じて変化しなくなる周波数、又は、前記実部が温度に応じて変化しなくなる周波数が複数存在する場合、当該複数の周波数において前記内部インピーダンス若しくは前記実部の前記測定をそれぞれ行い、当該複数の周波数における前記内部インピーダンス若しくは前記実部の測定値に基づいて、前記SOC又は前記SOHの前記推定をそれぞれ行ってもよい。そして、当該複数の周波数に基づく複数の前記推定の結果の平均値を算出するようにしてもよい。
これにより、測定誤差や周波数特性の個体ばらつき等の影響によって推定結果に大きな誤差が生じる可能性が低減される。
上記蓄電装置状態推定方法において、前記蓄電装置はリチウムイオン電池であってよい。この場合、前記内部インピーダンスの前記測定は、4kHz及び/又は500kHzの周波数で行ってよい。また、前記蓄電装置がリチウムイオン電池の場合、前記実部の前記測定は、10kHz及び/又は4MHzの周波数で行ってよい。
上記蓄電装置状態推定方法では、前記蓄電装置の充電及び放電が停止された状態で前記蓄電装置の温度が変化する所定の温度変化期間において、所定の周波数範囲における前記内部インピーダンス若しくは前記実部の周波数応答特性を複数回繰り返し測定してよい。そして、当該複数の周波数応答特性の測定結果が示す複数の周波数応答曲線の交点に対応する周波数を、前記内部インピーダンス若しくは前記実部が温度に応じて変化しなくなる周波数として取得してよい。
これにより、蓄電装置ごとに特性がばらつく場合でも、前記内部インピーダンス若しくは前記実部が温度に応じて変化しなくなる周波数として、個体毎の適切な周波数が取得される。
また、上記蓄電装置状態推定方法では、前記周波数特性の測定結果に含まれる前記内部インピーダンス若しくは前記実部の測定値の中で、前記交点に対応する周波数に最も近い周波数における測定値を、前記蓄電装置のSOC又はSOHの推定に用いるべき測定値として取得してもよい。
これにより、既に得られた測定値の中から前記蓄電装置の状態推定に用いるべき測定値が取得されるため、前記内部インピーダンス若しくは前記実部が温度に応じて変化しなくなる周波数を取得した後でその周波数での前記内部インピーダンス若しくは前記実部を更に測定する方法に比べて、測定回数が少なくなる。
前記温度変化期間は、例えば、前記蓄電装置の充電若しくは放電が終了した直後の期間であってよい。
前記周波数応答特性の測定においては、前記蓄電装置に供給する交流信号の周波数を前記所定の周波数範囲において低周波から高周波若しくは高周波から低周波へ変化させながら、当該周波数範囲に含まれる複数の周波数において前記内部インピーダンス若しくは前記実部を測定するようにしてよい。
本発明によれば、温度の測定を行わない簡易な方法で蓄電装置の状態を正確に推定できる。
本発明の第1の実施形態に係る蓄電装置状態推定システムの構成の一例を示す図である。 蓄電装置の一例を示す図であり、リチウムイオン二次電池の構造を模式的に表した図である。 蓄電装置の内部インピーダンスの温度依存性が周波数に応じて変化することを示す図である。 蓄電装置の内部インピーダンスのSOC依存性が周波数に応じて変化すること示す図である。 図4に示すSOC依存性と図3に示す温度依存性との比を示す図である。 蓄電装置の内部インピーダンスにおける実部の温度依存性が周波数に応じて変化すること示す図である。 蓄電装置の内部インピーダンスにおける実部のSOC依存性が周波数に応じて変化すること示す図である。 図7に示すSOC依存性と図6に示す温度依存性との比を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る蓄電装置状態推定システムにおいて推定値を得る手順の一例を示す図である。 蓄電装置の内部インピーダンス若しくはその実部の周波数特性が温度に応じて変化することを示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る蓄電装置状態推定システムにおいて推定値を得る手順の一例を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る蓄電装置状態推定システムにおいて推定値を得る手順の他の例を示す図である。 蓄電装置状態推定システムの一変形例を示す図である。 蓄電装置状態推定システムの他の変形例を示す図である。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る蓄電装置状態推定システム100の構成の一例を示す図である。図1に示すシステム100は、蓄電装置101に交流信号を供給する交流信号源部102と、蓄電装置101に流れる電流を検出する電流検出部103と、蓄電装置101に印可される電圧を検出する電圧検出部104と、検出された電流及び電圧に基づいて蓄電装置101の内部インピーダンスを算出する内部インピーダンス算出部105と、内部インピーダンス算出部105の算出結果に基づいて蓄電装置101の状態(SOC,SOH)を推定する状態推定部106を有する。
蓄電装置101は、例えば、リチウムイオン二次電池等の充電可能な化学電池や、電気二重層キャパシタのようにイオンを利用して電気エネルギーを蓄積する装置を含んで構成される。
図2は、蓄電装置101の一例としてリチウムイオン二次電池の構造を模式的に表した図である。蓄電装置101は、一般的な構成要素として、正極集電体A1、負極集電体C1、電解質E1及びセパレータS1を有する。また、蓄電装置101は、リチウムイオン二次電池として上述した構成要素の他に、例えば正極集電体A1側の電気を貯める物質である正極活物質A51や、負極集電体C1側の電気を溜める物質である負極活物質C51、電気の流れを良くするために加える導電助材D51、バインダーである結着材等を有する。
リチウムイオン二次電池の場合、正極集電体A1としてアルミニウム(Al)、負極集電体C1として銅(Cu)、電解質E1として有機系の溶媒(C4H6O3等)とリチウム塩(LiPF6等)の溶質とから構成される溶液、正極活物質A51としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)、負極活物質C51として炭素(C)が一般的に使用される。正極活物質A51としては、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)、オリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO4)などが使用されてもよい。負極活物質C51の炭素(C)には、例えば層状に形成された黒鉛の結晶が用いられており、層と層の間にリチウムがイオンの状態で蓄えられているのが特徴である。負極活物質C51としては、チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)、一酸化珪素(SiO)、Sn合金、Si合金などが用いられてもよい。
交流信号源部102は、蓄電装置101の内部インピーダンスを測定するための交流信号を発生する回路であり、図1の例では、蓄電装置101から負荷RLへ流れる電流の経路に設けられている。交流信号源部102は、例えば、内部インピーダンス算出部105からの制御信号に応じた振幅と周波数を有する交流信号を発生し、蓄電装置101に供給する。交流信号源部102が発生する交流信号の周波数は、蓄電装置101の内部インピーダンス若しくはその実部が温度に応じて変化しなくなる(温度係数がゼロになる)周波数に設定される。この周波数については、後ほど詳しく説明する。
電流検出部103は、蓄電装置101から流れる電流を検出する回路であり、蓄電装置101から負荷RLへ流れる電流の経路に設けられている。電流検出部103は、例えば磁気抵抗素子などの電流センサと、その電流センサの出力信号を処理する信号処理回路を含む。
電圧検出部104は、蓄電装置101の正極端子と負極端子の間に生じる電圧を検出する回路であり、電圧増幅回路などを含む。
電流検出部103及び電圧検出部104は、例えばデジタル−アナログ変換回路を含んでおり、内部インピーダンス算出部105からの制御信号に応じて検出信号のデジタル−アナログ変換を実行し、デジタル値に変換された検出信号のデータを内部インピーダンス算出部105に出力する。
内部インピーダンス算出部105は、電流検出部103及び電圧検出部104から取得した蓄電装置101の電流及び電圧の検出結果に基づいて、蓄電装置101の内部インピーダンスを算出する。
内部インピーダンス算出部105は、例えば、プログラムの命令コードに従って処理を実行するコンピュータを含んで構成される。コンピュータは、例えばマイクロプロセッサ、作業用メモリ、記憶装置(ハードディスクやSSDなど)を備えており、電流検出部103及び電圧検出部104の制御や、電流・電圧の検出結果のデータ処理をプログラムに基づいて実行する。
内部インピーダンス算出部105は、具体的には、蓄電装置101の内部インピーダンス若しくはその実部が温度に応じて変化しなくなる所定の周波数feの交流信号を発生するように交流信号源部102を制御し、この交流信号が供給された蓄電装置101の電圧及び電流の検出結果を電流検出部103及び電圧検出部104から取得する。内部インピーダンス算出部105は、電圧及び電流の検出結果における周波数feの成分の振幅と位相を解析し、その解析結果をもとに、蓄電装置101の内部インピーダンスをフェーザとして表す複素数Zとその大きさ(ノルム)|Z|を算出する。
なお、本明細書においては、内部インピーダンスをフェーザとして表す複素数Zのノルム|Z|を、単に「内部インピーダンス」若しくは「内部インピーダンス|Z|」と表記する場合がある。また、内部インピーダンスをフェーザとして表す複素数Zの実部Rを、「内部インピーダンスの実部」若しくは「実部R」と表記する場合がある。
状態推定部106は、内部インピーダンス算出部105において算出された蓄電装置101の内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rに基づいて、蓄電装置101のSOCとSOHを推定する。
状態推定部106は、例えば、プログラムの命令コードに従って処理を実行するコンピュータを含んで構成される。コンピュータは、例えばマイクロプロセッサ、作業用メモリ、記憶装置(ハードディスクやSSDなど)を備えており、内部インピーダンス算出部105から取得した内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rのデータをプログラムに基づいて処理することで、SOCとSOHの推定を行う。なお、内部インピーダンス算出部105と状態推定部106は、同一のコンピュータを用いて構成されてもよい。
状態推定部106において推定されるSOC(state of charge)は、蓄電装置101の残容量を表す指標であり、例えば、満充電時の蓄電量に対する推定時点の蓄電量の割合(%)として算出される。また、状態推定部106において推定されるSOH(state of health)は、蓄電装置101の劣化の度合いを表す指標であり、例えば、未使用(新品)の蓄電装置101を満充電にしたときの蓄電量に対する推定時点の満充電状態における蓄電量の割合(%)として算出される。
状態推定部106は、例えば事前に用意されたデータテーブルを参照することによって、SOCの推定を行う。すなわち、状態推定部106は、種々の条件において測定やシュミレーションを行うことにより作成された内部インピーダンス|Z|とSOCのデータテーブル、若しくは、実部RとSOCのデータテーブルを記憶装置に予め記憶する。状態推定部106は、内部インピーダンス算出部105において内部インピーダンス|Z|や実部Rが算出されると、記憶装置に記憶したデータテーブルに基づいて、内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの算出結果に対応するSOCを推定する。
なお、状態推定部106は、劣化状態(SOH)に応じた複数のデータテーブルを記憶装置に記憶していてもよい。この場合、状態推定部106は、後述するSOHの推定結果に基づいて、複数のデータテーブルから適切なデータテーブルを選択し、選択したデータテーブルに基づいてSOCの推定を行う。
状態推定部106は、例えば一定の充電状態(満充電状態など)において内部インピーダンス算出部105が算出した内部インピーダンス|Z|や実部Rに基づき、SOHの推定を行う。具体的には、状態推定部106は、実測定やシュミレーションにより事前に作成された満充電状態の内部インピーダンス|Z|とSOHのデータテーブル、若しくは、満充電状態の実部RとSOHのデータテーブルを記憶装置に予め記憶する。状態推定部106は、内部インピーダンス算出部105において満充電状態の内部インピーダンス|Z|や実部Rが算出されると、記憶装置に記憶したデータテーブルに基づいて、満充電状態の内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの算出結果に対応するSOHを推定する。
また、状態推定部106は、ほぼ劣化のない条件(未使用時)において予め測定若しくはシュミレーションにより得られた一定の充電状態(満充電状態など)の内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの基準値と、内部インピーダンス算出部105における内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの算出値とに基づいて、蓄電装置101が所定の劣化状態に達したか否かを判定してもよい。例えば、状態推定部106は、記憶装置に予め記憶した上記の基準値と内部インピーダンス算出部105の算出値との比若しくは差を算出し、算出した比若しくは差と所定のしきい値とを比較し、この比較結果に基づいて蓄電装置101が所定の劣化状態に達したか否かの判定を行う。
次に、本実施形態において内部インピーダンス|Z|の測定のために蓄電装置101へ供給する交流信号の周波数について、図3〜図5のグラフを参照して説明する。図3〜図5に示すグラフは、18650タイプの円筒型リチウムイオン二次電池について測定されたデータをプロットしたものである。
図3は、蓄電装置101の内部インピーダンス|Z|の温度依存性が周波数に応じて変化することを示す図である。図3の縦軸は、内部インピーダンス|Z|の温度に応じた変化の度合いに関わる係数Zt[ppm/℃](以下、温度係数Ztと記す。)を表し、横軸は周波数[Hz]を表す。図3のグラフによると、温度係数Ztは、周波数fe1(約4kHz)より低い周波数帯域において負の依存性を有し、周波数fe1付近で依存性が負から正へ変化し、周波数fe1(約4kHz)から周波数fe2(約500kHz)までの周波数帯域において正の依存性を有し、周波数fe2付近で依存性が再び正から負へ戻り、周波数fe2(約500kHz)より高い周波数帯域では負の依存性を有する。
蓄電装置101の内部インピーダンス|Z|には、イオンが電気伝導に関与することに基づく成分(以下、イオン伝導性成分と記す。)と、金属等の自由電子が電気伝導に関与することに基づく成分(以下、電子伝導性成分と記す。)が含まれる。一般に、イオンの移動度は温度の上昇に伴って高くなる(抵抗が小さくなる)傾向があるため、イオン伝導性成分は温度の上昇に伴って小さくなる。他方、金属等の自由電子は温度の上昇に伴って散乱を受けやすくなり、抵抗が大きくなるため、電子伝導性成分は温度の上昇に伴って大きくなる。
周波数fe1(約4kHz)より低い周波数帯域においては、イオン伝導性成分が電子伝導性成分より支配的であるため、内部インピーダンス|Z|の温度係数Ztは、温度上昇に伴って小さくなる負の依存性を持つ。交流信号の周波数が高くなると、イオンが交流信号の変化に追従できなくなり、内部インピーダンス|Z|におけるイオン伝導性成分の寄与が小さくなる。そして、交流信号の周波数がfe1(約4kHz)より高くなると、電子伝導性成分がイオン伝導性成分より支配的となるため、内部インピーダンス|Z|の温度係数Ztは正の依存性を持つ。
交流信号の周波数が更に高くなると、内部インピーダンス|Z|におけるイオン伝導性成分の寄与が再び大きくなり、交流信号の周波数がfe2(約500kHz)より高くなったところで、イオン伝導性成分が電子伝導性成分より再び支配的になる。高い周波数帯域において、内部インピーダンス|Z|の温度係数Ztは負の依存性に戻る。
このように、蓄電装置101の温度係数Ztは、内部インピーダンス|Z|におけるイオン伝導性成分と電子伝導性成分の寄与の割合が周波数に応じて変化することにより、正から負又は負から正へ依存性が変化するが、本発明においては、この依存性が正から負、負から正へ変化する特定の周波数(fe1,fe2)において温度係数Ztがゼロになることに着目する。周波数fe1,fe2においては、イオン伝導性成分の温度に応じた変化と電子伝導性成分の温度に応じた変化が相殺することにより、温度係数Ztがゼロになるため、内部インピーダンス|Z|の測定値は、温度に依存しない値となる。従って、交流信号源部102の交流信号の周波数をこれらの値(fe1,fe2)に設定し、蓄電装置101の内部インピーダンス|Z|を測定することにより、温度に依存しない正確な測定結果が得られる。
図4は、蓄電装置101の内部インピーダンスのSOC依存性が周波数に応じて変化すること示す図である。図4の縦軸は、内部インピーダンス|Z|のSOCに応じた変化の度合いに関わる係数Zsoc[ppm/%](以下、SOC係数Zsocと記す。)を表し、横軸は周波数[Hz]を表す。図4のグラフによると、内部インピーダンス|Z|の温度係数Ztがゼロとなる周波数fe1(約4kHz)及びfe2(約500kHz)の付近において、SOC係数Zsocの絶対値は250[ppm/%]程度となっている。すなわち、周波数fe1,fe2において測定される内部インピーダンス|Z|は、SOCに応じて十分に大きく変化する。このことは、これらの周波数において得られた内部インピーダンス|Z|の測定結果に基づいてSOCを推定可能であることを示す。
図5は、図4に示すSOC依存性と図3に示す温度依存性との比を示す図である。図5の縦軸はSOC係数Zsocと温度係数Ztとの比の絶対値(|Zsoc/Zt|)を表し、横軸は周波数[Hz]を表す。図5のグラフによると、周波数fe1(約4kHz)及びfe2(約500kHz)の付近において、比の絶対値(|Zsoc/Zt|)かピーク状に高い値を示していることが分かる。これは、周波数fe1及びfe2において温度係数Ztがゼロとなる一方、SOC係数Zsocは正又は負の値を保っていることによる。このグラフから、周波数fe1及びfeの付近においては、温度依存性の影響が小さい状態でSOC依存性を有した内部インピーダンス|Z|を測定できることが分かる。
次に、本実施形態において実部Rの測定のために蓄電装置101へ供給する交流信号の周波数について、図6〜図8のグラフを参照して説明する。図6〜図8に示すグラフは、図3〜図5と同様に、18650タイプの円筒型リチウムイオン二次電池について測定されたデータをプロットしたものである。
図6は、蓄電装置101の内部インピーダンスにおける実部Rの温度依存性が周波数に応じて変化すること示す図である。図6の縦軸は、実部Rの温度に応じた変化の度合いに関わる係数Rt[ppm/℃](以下、温度係数Rtと記す。)を表し、横軸は周波数[Hz]を表す。図6のグラフによると、温度係数Rtは、周波数fe3(約10kHz)より低い周波数帯域において負の依存性を有し、周波数fe3付近で依存性が負から正へ変化し、周波数fe3(約10kHz)から周波数fe4(約4MHz)までの周波数帯域において正の依存性を有し、周波数fe4付近で依存性が再び正から負へ戻り、周波数fe4(約4MHz)より高い周波数帯域では負の依存性を有する。
蓄電装置101の内部インピーダンスにおける実部Rにも、内部インピーダンス|Z|と同様なイオン伝導性成分と電子伝導性成分が含まれる。
周波数fe3(約10kHz)より低い周波数帯域においては、イオン伝導性成分が電子伝導性成分より支配的であるため、実部Rの温度係数Rtは、温度上昇に伴って小さくなる負の依存性を持つ。交流信号の周波数が高くなると、イオン伝導性成分の寄与が徐々に小さくなり、交流信号の周波数がfe3(約10kHz)を超えたところで、電子伝導性成分がイオン伝導性成分より支配的となる。これにより、実部Rの温度係数Rtは正の依存性を持つようになる。
交流信号の周波数が更に高くなると、実部Rにおけるイオン伝導性成分の寄与が再び大きくなり、交流信号の周波数がfe4(約4MHz)より高くなったところで、イオン伝導性成分が電子伝導性成分より再び支配的になる。高い周波数帯域において、実部Rの温度係数Rtは負の依存性に戻る
温度係数Rtがゼロになる周波数fe3,fe4においては、イオン伝導性成分の温度に応じた変化と電子伝導性成分の温度に応じた変化が相殺することにより、温度係数Rtがゼロになるため、実部Rの測定値は、温度に依存しない値となる。従って、交流信号源部102の交流信号の周波数をこれらの値(fe3,fe4)に設定し、蓄電装置101の内部インピーダンスの実部Rを測定することにより、温度に依存しない正確な測定結果が得られる。
図7は、蓄電装置101の内部インピーダンスにおける実部RのSOC依存性が周波数に応じて変化すること示す図である。図7の縦軸は、実部RのSOCに応じた変化の度合いに関わる係数Rsoc[ppm/%](以下、SOC係数Rsocと記す。)を表し、横軸は周波数[Hz]を表す。図7のグラフによると、実部Rの温度係数Rtがゼロとなる周波数fe3(約10kHz)及びfe4(約4MHz)の付近において、SOC係数Rsocの絶対値は250〜300[ppm/%]程度となっている。すなわち、周波数fe3,fe4において測定される内部インピーダンスの実部Rは、SOCに応じて十分に大きく変化する。このことは、これらの周波数において得られた実部Rの測定結果に基づいてSOCを推定可能であることを示す。
図8は、図7に示すSOC依存性と図6に示す温度依存性との比を示す図である。図8の縦軸はSOC係数Rsocと温度係数Rtとの比の絶対値(|Rsoc/Rt|)を表し、横軸は周波数[Hz]を表す。図8のグラフによると、周波数fe3(約10kHz)の付近において、比の絶対値(|soc/t|)かピーク状に高い値を示していることが分かる。これは、周波数fe3において温度係数Rtがゼロとなる一方、SOC係数Rsocは正又は負の値を保っていることによる。このグラフから、周波数fe3付近においては、温度依存性の影響が小さい状態でSOC依存性を有した実部Rを測定できることが分かる。
他方、温度係数Rtがゼロになる周波数fe4(約4MHz)の付近の比(|soc/t|)は、周波数fe3に比べて僅かなピークを示すにとどまっている。これは、周波数fe4の付近における温度係数RtやSOC係数Rsocの変化率が周波数fe3付近と比べて非常に大きくなっている(温度係数RtやSOC係数Rsocの変化が急になっている)ため、測定誤差や周波数特性の変動などの影響により、周波数fe4の付近で十分なSOC依存性を有した実部Rを測定できない場合があること示している。
したがって、この場合、内部インピーダンスの実部Rの測定は、周波数fe3で行うことが望ましい。
このように、温度係数Rtがゼロになる周波数feが複数存在する場合には、SOC係数Rsocの周波数に対する変化率、若しくは、温度係数Rtの周波数に対する変化率を比較し、変化率が最も小さい(周波数に対する変化が緩やかな)周波数feにおいて、実部Rの測定を行うようにしてもよい。これらの係数(Rsoc,Rt)の周波数に対する変化率が大きい場合、僅かな測定誤差や周波数特性の個体ばらつき等によって、十分なSOC依存性を有した実部Rを測定できない可能性があるからである。係数(Rsoc,Rt)の周波数変化率の小さい周波数feを選ぶことで、そのような可能性が低減するため、SOCやSOHの推定精度が向上する。
なお、温度係数Ztがゼロになる周波数feが複数存在する場合についても同様であり、SOC係数Zsocの周波数に対する変化率、若しくは、温度係数Ztの周波数に対する変化率が最も小さい周波数feにおいて、内部インピーダンス|Z|の測定を行うことにより、SOCやSOHの推定精度の向上を図ることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る蓄電装置状態推定方法によれば、蓄電装置101の内部インピーダンスが温度に応じて変化しなくなる周波数において蓄電装置10の内部インピーダンス|Z|が測定され、その測定値に基づいて蓄電装置101のSOC又はSOHが推定される。また、本実施形態に係る蓄電装置状態推定方法によれば、蓄電装置101の内部インピーダンスの実部Rが温度に応じて変化しなくなる周波数において蓄電装置10の内部インピーダンスの実部Rが測定され、その測定値に基づいて、蓄電装置101のSOC又はSOHが推定される。
これにより、蓄電装置101の温度に依存しない正確な内部インピーダンス|Z|や実部Rが得られることから、蓄電装置101の温度を測定して内部インピーダンス|Z|や実部Rの測定値を補正する工程が不要になり、測定の手順やシステム構成を簡易化できる。しかも、測定誤差を生じやすい蓄電装置101の温度をSOCやSOHの推定に用いなくて良いため、推定精度を高めることができる。
また、本実施形態に係る蓄電装置状態推定方法によれば、内部インピーダンス|Z|が温度に応じて変化しなくなる周波数が複数存在する場合や、実部Rが温度に応じて変化しなくなる周波数が複数存在する場合に、これらの複数の周波数のうち、測定対象の内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの温度に応じた変化量(Zt,Rt)の周波数変化率が最も小さい周波数、あるいは、測定対象の内部インピーダンス|Z|若しくは実部RのSOCに応じた変化量(Zsoc,Rsoc)の周波数変化率が最も小さい周波数において、内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの当該測定が行われる。
これにより、僅かな測定誤差や周波数特性の個体ばらつきの影響を受けて、十分なSOC依存性を有した内部インピーダンス|Z|や実部Rを測定できなくなる可能性を低減できるため、SOCやSOHの推定精度を高めることができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
上述した第1の実施形態に係る蓄電装置状態推定方法では、内部インピーダンス|Z|が温度に応じて変化しなくなる周波数が複数存在する場合や、実部Rが温度に応じて変化しなくなる周波数が複数存在する場合に、これらの複数の周波数から、好適な1つの周波数が選択され、その周波数について蓄電装置101の状態の推定が行われる。これに対して、本実施形態に係る蓄電装置状態推定方法では、これらの複数の周波数について得られる複数の推定結果を平均化することによって、1つの推定結果が得られる。
図9は、本発明の第2の実施形態に係る蓄電装置状態推定システムにおいて推定値を得る手順の一例を示す図である。本実施形態に係る蓄電装置状態推定システムは、図1と同様な構成を有する。
内部インピーダンス|Z|が温度に応じて変化しなくなる周波数が複数存在する場合や、実部Rが温度に応じて変化しなくなる周波数が複数存在する場合には、そのそれぞれの周波数において、内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの測定が行われる(ST100)。すなわち、各周波数の交流信号が交流信号源部102から出力され、その各周波数の内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rが内部インピーダンス算出部105において算出される。
次に、複数の周波数における内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの測定値に基づいて、SOC若しくはSOHの推定がそれぞれ行われる(ST101)。すなわち、内部インピーダンス算出部105における各周波数の内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの算出結果に基づいて、各周波数でのSOC若しくはSOHが状態推定部106により推定される。
そして、この各周波数でのSOC若しくはSOHの推定結果から、SOC若しくはSOHの平均値が算出される(ST102)。この平均値の算出は、例えば状態推定部106において行われる。
以上説明したように、本実施形態に係る蓄電装置状態推定方法によれば、複数の内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの測定値に基づいて複数の蓄電装置状態(SOC,SOH)の推定結果が取得され、その複数の推定結果を平均化することにより一の推定結果が得られる。これにより、測定誤差や周波数特性の個体ばらつき等の影響によって推定結果に大きな誤差が生じる可能性を低減することができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
上述した各実施形態では、内部インピーダンス|Z|や実部Rが温度に応じて変化しなくなる周波数feが実測定やシュミレーション等によって予め取得されており、個々の状態推定が行われる場合には、記憶装置等に記憶された固定の周波数feにおいて内部インピーダンス|Z|や実部Rの測定が行われる。そのため、周波数特性が蓄電装置101の個体毎にばらついていると、記憶装置等に記憶された周波数feにおいて温度依存性が現れてしまい、状態推定に誤差を生じる可能性がある。これに対し、本実施形態に係る蓄電装置状態推定方法では、蓄電装置101の温度を測定しない簡易な方法で蓄電装置101の個体毎の適切な周波数feが取得されるため、蓄電装置101の個体ばらつきの影響による状態推定誤差が低減される。
図10は、蓄電装置101の内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの周波数特性が温度に応じて変化することを示す図である。図10の縦軸は内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rを表し、横軸は周波数を表す。図10に示す複数のグラフは、異なる温度(T1〜T3)における内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの周波数応答特性を示す。
例えば図10において示すように、蓄電装置101の内部インピーダンス|Z|や実部Rの周波数応答特性は蓄電装置101の温度に応じて全体的に変化するが、特定の周波数feにおいては、内部インピーダンス|Z|や実部Rの値が温度に依らず一定となっている。この周波数feは、図3〜図5における周波数fe1,fe2や、図6〜図8における周波数fe3,fe4に相当する。そこで、本実施形態では、蓄電装置101の温度が変化する期間に内部インピーダンス|Z|や実部Rの周波数応答特性を繰り返し測定し、その複数の周波数応答曲線の交点を求めることにより、内部インピーダンス|Z|や実部Rの値が温度に依らず一定となる周波数feが取得される。
図11は、本発明の第3の実施形態に係る蓄電装置状態推定システムにおいて推定値を得る手順の一例を示す図である。本実施形態に係る蓄電装置状態推定システムは、図1と同様な構成を有する。
内部インピーダン算出部105において、蓄電装置101の充電及び放電が停止された状態で蓄電装置101の温度が変化する所定の温度変化期間が開始したか否かが監視される(ST200)。この温度変化期間は、例えば自動車のアイドリング・ストップなどによって蓄電装置101の充電若しくは放電が終了した直後の期間である。内部インピーダン算出部105には、例えば図示しない上位装置(ホストコンピュータ等)から当該期間の開始が通知される。
温度変化期間の開始が通知されると、内部インピーダン算出部105では、所定の周波数範囲における内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの周波数応答特性が測定される(ST201)。この所定の周波数範囲は、例えば、実測定やシミュレーション等によって周波数feが確実に含まれると評価された周波数範囲に予め設定される。
例えば、内部インピーダン算出部105では、蓄電装置101に供給される交流信号の周波数が上記所定の周波数範囲の低周波側から高周波側若しくは高周波側から低周波側へ変化するように交流信号源部102が制御され、この所定の周波数範囲に含まれる複数の周波数において電流及び電圧の検出値がそれぞれ得られるように、電流検出部103及び電圧検出部104が制御される。そして、所定の周波数範囲に含まれる複数の周波数において得られた電流・電圧の検出値に基づいて、複数の周波数の各々における内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの測定結果が内部インピーダン算出部105により算出される。この周波数応答特性の測定は、内部インピーダン算出部105において予め決められた時間間隔で所定回数反復される(ST202)。
複数の周波数応答特性の測定結果が得られると、当該複数の測定結果が示す複数の周波数応答曲線(図10参照)の交点に対応した周波数が、内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rが温度に応じて変化しなくなる周波数feとして内部インピーダン算出部105により取得される(ST203)。例えば、周波数応答曲線は、周波数応答特性の測定データに基づいて、最小二乗法などにより所定の関数(多項式など)に近似される。そして、複数の周波数応答曲線の近似関数同士が交わる点が、解の公式の演算や数値解析演算など実行することで算出される。複数の交点が算出される場合には、その複数の交点に対応する複数の周波数を平均化することによって、周波数feが算出される。
周波数feが取得されると、その周波数feにおける内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rが内部インピーダン算出部105により測定される(ST204)。状態推定部106では、内部インピーダン算出部105によって測定された周波数feの内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rに基づいて、蓄電装置101のSOC若しくはSOHが推定される(ST205)
以上説明したように、本実施形態に係る蓄電装置状態推定方法では、蓄電装置101の充電及び放電が停止された状態で蓄電装置101の温度が変化する所定の温度変化期間において、所定の周波数範囲における内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの周波数応答特性が複数回繰り返し測定される。そして、複数の周波数応答特性の測定結果が示す複数の周波数応答曲線の交点に対応する周波数が、内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rが温度に応じて変化しなくなる周波数feとして取得される。
これにより、周波数feが蓄電装置101の個体ごとにばらつく場合でも、個体毎の適切な周波数feを取得することができるため、個体に依らない固定の周波数feを用いる場合に比べて、個々の蓄電装置101の状態(SOC,SOH)を正確に推定できる。また、周波数feを取得するために蓄電装置101の温度を測定する必要がなく、内部インピーダン算出部105のデータ処理によって実現可能であるため、装置構成が複雑化しないというメリットがある。
なお、図11のフローチャートにおいて示す方法では、ステップST203において取得された周波数feを用いて、内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの測定が行われているが、ステップST201の周波数応答特性の測定において、内部インピーダンス|Z|若しくは実部Rの測定は既に行われているため、周波数feを用いた再度の測定は省略することが可能である。
図12は、第3の実施形態に係る蓄電装置状態推定システムにおいて推定値を得る手順の他の例を示す図であり、周波数feを用いた再度の測定を省略する場合のフローを示す。図12に示すフローは、図11に示すフローにおけるステップST204をステップST214に置き換えたものであり、他のステップは図11に示すフローと同じである。
図12に示すフローによれば、周波数feを用いた再度の測定(ST204)が行われる替わりに、既にステップST201で得られた測定値の中から周波数feに最も近い周波数における測定値が検索され、蓄電装置101のSOC又はSOHの推定に用いるべき測定値として取得される(ST214)。この処理は、例えば内部インピーダン算出部105において実行される。
このように、周波数feを用いた再度の測定を省略することによって測定回数が少なくなるため、蓄電装置状態(SOC,SOH)の推定に要する時間を短縮できる。
以上、本発明の幾つかの実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々のバリエーションを含んでいる。
例えば、図1に示す蓄電装置状態推定システム100では、蓄電装置101から負荷RLへ流れる電流の経路上に交流信号源部102が設けられているが、本発明はこの例に限定されない。本発明の他の実施形態では、例えば図13に示す蓄電装置状態推定システム100Aのように、負荷RLと並列に交流信号源部102を接続してもよい。また、この場合、交流信号源部102と負荷RLとを接続する信号経路の少なくとも一方にキャパシタC1を設けて、交流信号源部102に直流電流が流れないようにしてもよい。図13に示す蓄電装置状態推定システム100Aによれば、蓄電装置101から負荷RLへ流れる大きな直流電流が交流信号源部102を通らないため、交流信号源部102における電力消費を抑制できるとともに、交流信号源部102で生じた電圧降下による負荷RLの供給電圧の低下を防止できる。
また、図1に示す蓄電装置状態推定システム100では、内部インピーダンスを測定するために交流信号源部102が設けられているが、本発明はこの例に限定されない。本発明の他の実施形態では、例えば図14において示す蓄電装置状態推定システム100Bのように、負荷RLにおいて発生するパルス状の信号TRを蓄電装置101に供給する交流信号として用いることにより、交流信号源部102を省略してもよい。
自動車の場合、負荷RLのパルス状の信号TRは、エンジン始動時や回生ブレーキ使用時、急速充電時等に発生する。パルス状信号TRの発生タイミングは、不図示の上位装置等から内部インピーダンス算出部105に通知される。内部インピーダンス算出部105には、周波数スペクトル分析部が設けられており、パルス状信号TRの発生タイミングが通知されると、そのタイミングにおいて取得された電圧・電流の検出信号に対して周波数スペクトル分析が行われる。そして、この分析により抽出された周波数feのスペクトル成分(電圧及び電流)に基づいて、周波数feにおける蓄電装置101の簡易的な内部インピーダンスが算出される。
このように、図14に示す蓄電装置状態推定システム100Bによれば、高い周波数の交流信号を発生する交流信号源部102を省略することが可能となり、装置構成を簡易化できる。
100,100A,100B…蓄電装置状態推定システム、101…蓄電装置、102…交流信号源部、103…電流検出部、104…電圧検出部、105…内部インピーダンス算出部、106…状態推定部、RL…負荷、C1…キャパシタ。

Claims (11)

  1. 蓄電装置の内部インピーダンスが温度に応じて変化しなくなる少なくとも1つの周波数における前記内部インピーダンス、又は、前記内部インピーダンスの実部が温度に応じて変化しなくなる少なくとも1つの周波数における前記実部を測定し、
    前記内部インピーダンスの測定値又は前記実部の測定値に基づいて、前記蓄電装置のSOC(state of charge)又はSOH(state of health)を推定する
    ことを特徴とする蓄電装置状態推定方法。
  2. 前記内部インピーダンスを測定する周波数は、前記内部インピーダンス中のイオン伝導に基づく成分の温度に応じた変化と、前記内部インピーダンス中の電子伝導に基づく成分の温度に応じた変化とが相殺する周波数であることを特徴とする
    請求項1に記載の蓄電装置状態推定方法。
  3. 前記実部を測定する周波数は、前記実部中のイオン伝導に基づく成分の温度に応じた変化と、前記実部中の電子伝導に基づく成分の温度に応じた変化とが相殺する周波数であることを特徴とする
    請求項1に記載の蓄電装置状態推定方法。
  4. 前記内部インピーダンスが温度に応じて変化しなくなる周波数、又は、前記実部が温度に応じて変化しなくなる周波数が複数存在しており、
    当該複数の周波数のうち、測定対象の前記内部インピーダンス若しくは前記実部の温度に応じた変化量の周波数に対する変化率、又は、測定対象の前記内部インピーダンス若しくは前記実部の前記SOCに応じた変化量の周波数に対する変化率が最も小さい周波数において前記測定を行うことを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の蓄電装置状態推定方法。
  5. 前記内部インピーダンスが温度に応じて変化しなくなる周波数、又は、前記実部が温度に応じて変化しなくなる周波数が複数存在しており、
    当該複数の周波数において前記内部インピーダンス若しくは前記実部の前記測定をそれぞれ行い、
    当該複数の周波数における前記内部インピーダンス若しくは前記実部の測定値に基づいて前記SOC又は前記SOHの前記推定をそれぞれ行い、
    当該複数の周波数に基づく複数の前記推定の結果の平均値を算出することを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の蓄電装置状態推定方法。
  6. 前記蓄電装置がリチウムイオン電池であり、
    前記内部インピーダンスの前記測定を4kHz及び/又は500kHzの周波数で行うことを特徴とする、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の蓄電装置状態推定方法。
  7. 前記蓄電装置がリチウムイオン電池であり、
    前記実部の前記測定を10kHz及び/又は4MHzの周波数で行うことを特徴とする、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の蓄電装置状態推定方法。
  8. 前記蓄電装置の充電及び放電が停止された状態で前記蓄電装置の温度が変化する所定の温度変化期間において、所定の周波数範囲における前記内部インピーダンス若しくは前記実部の周波数応答特性を複数回繰り返し測定し、
    当該複数の周波数応答特性の測定結果が示す複数の周波数応答曲線の交点に対応する周波数を、前記内部インピーダンス若しくは前記実部が温度に応じて変化しなくなる周波数として取得する、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の蓄電装置状態推定方法。
  9. 前記周波数特性の測定結果に含まれる前記内部インピーダンス若しくは前記実部の測定値の中で、前記交点に対応する周波数に最も近い周波数における測定値を、前記蓄電装置のSOC又はSOHの推定に用いるべき測定値として取得することを特徴とする
    請求項8に記載の蓄電装置状態推定方法。
  10. 前記温度変化期間が、前記蓄電装置の充電若しくは放電が終了した直後の期間であることを特徴とする
    請求項8又は9に記載の蓄電装置状態推定方法。
  11. 前記周波数応答特性の測定において、前記蓄電装置に供給する交流信号の周波数を前記所定の周波数範囲において低周波から高周波若しくは高周波から低周波へ変化させながら、当該周波数範囲に含まれる複数の周波数において前記内部インピーダンス若しくは前記実部を測定することを特徴とする
    請求項8乃至10の何れか一項に記載の蓄電装置状態推定方法。
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