JPWO2014208183A1 - 電磁波遮蔽フィルムの製造方法 - Google Patents

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川邉  茂寿
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Abstract

【課題】層数を増しても同時重層塗布を良好に実施することができる電磁波遮蔽フィルムの製造方法を提供する。【解決手段】高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層した構造を有する電磁波遮蔽フィルムの製造方法において、複数の積層されたバー40を有するスライド式ダイコーターを用いて、高屈折率層を構成することとなる第1塗布液L1の塗布層と、低屈折率層を構成することとなる第2塗布液L2の塗布層とを交互に積層させて、フィルム基材に同時重層塗布する塗布工程を、有する。バー40は、隣接する別のバー40との間に隙間58を形成する先端部56と、別のバー4と当接する基端部50と、先端部56と基端部50との間に位置し、塗布液溜まり部である凹部54を有するポケット部53と、を有する。ポケット部53の厚みD4は、15mm以下であり、塗布工程において、第2塗布液L2が供給されるバー40のポケット部53の凹部54の内圧P2と、第1塗布液L1が供給されるバー40のポケット部53の凹部54の内圧P1との圧力差ΔPは、0.1MPa以下になるように設定されている。【選択図】図7

Description

本発明は、電磁波遮蔽フィルムの製造方法に関する。
近年、省エネルギー対策への関心が高まり、建物や車両の窓ガラスに貼って、太陽光に含まれる熱線の透過を遮断して冷房設備にかかる負荷を減らすため、近赤外光を反射する機能を有する電磁波遮蔽フィルムの開発が盛んに行われている。
電磁波遮蔽フィルムは、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層されて構成されている。一般的に、高屈折率層および低屈折率層の層数が多いほど電磁波の反射率が高くなり、遮蔽効果が高くなることが知られているが、従来技術は、塗布によって1層ずつ逐次形成しており、生産性に問題を有している(例えば、特許文献1および2参照。)。そこで、生産性を向上させるために、一括して重層塗布(同時重層塗布)が可能なスライド式ダイコーターの適用が提案されている。
特開平8−110401号公報 特開2004−123766号公報
しかし、スライド式ダイコーターを構成するバーの設置数(塗布層数)は、製造される電磁波遮蔽フィルムの層数(高屈折率層および低屈折率層の層数)に対応している。したがって、製造される電磁波遮蔽フィルムの層数を増加させるため、塗布層数を増やす場合、バーの設置数が増加し、塗布液が流下するバーの端面により構成されるスライド面が長くなる。これにより、塗布液の流れに乱れが生じ易くなり、均一な塗布が困難となり、また、塗布液の混ざりを生じて、電磁波遮蔽フィルムに悪影響、例えば、膜厚の不均一(変動)や性能の低下を招く虞があった。
一方、塗布液の流れの乱れを防止するためには、スライド面を短くすることが有効であるが、そのためには、バーを薄くする必要がある。しかし、バーを薄くすると、低屈折率層塗布液粘度と高屈折率層塗布液粘度の差による影響、つまり、低屈折率層塗布液が隙間を通過する際に発生する圧力損失に基づく内部圧力と、高屈折率層塗布液が隙間を通過する際に発生する圧力損失に基づく内部圧力との圧力差の影響を受ける問題が生じる。
例えば、圧力の高い方(粘度が大きい低屈折率層塗布液が通過する側)から低い方(粘度が小さい高屈折率層塗布液が通過する側)へと、バーが加圧されて変形し、塗布幅方向の隙間の均一性が悪化することで、塗布膜厚が不均一となり、製造される電磁波遮蔽フィルムの光学特性の均一性が低下し、例えば、色ムラが発生する問題が生じる。
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、層数を増しても同時重層塗布を良好に実施することができる電磁波遮蔽フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
(1)高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層した構造を有する電磁波遮蔽フィルムの製造方法において、
複数の積層されたバーを有するスライド式ダイコーターを用いて、前記高屈折率層を構成することとなる第1塗布液の塗布層と、前記低屈折率層を構成することとなる第2塗布液の塗布層とを交互に積層させて、フィルム基材に同時重層塗布する塗布工程を、有しており、
前記バーは、隣接する別のバーとの間に隙間を形成する先端部と、前記別のバーと当接する基端部と、前記先端部と前記基端部との間に位置し、塗布液溜まり部である凹部を有するポケット部と、を有し、
前記ポケット部の厚みは、15mm以下であり、
前記塗布工程において、前記第2塗布液が供給されるバーのポケット部の凹部の内圧と、前記第1塗布液が供給されるバーのポケット部の凹部の内圧との圧力差は、0.1MPa以下になるように設定されている電磁波遮蔽フィルムの製造方法。
(2)前記第1塗布液の粘度μ[mPa・s]および前記第2塗布液の粘度μ[mPa・s]は、関係式(μ≦4×μ1+100)を満たしている上記(1)に記載の電磁波遮蔽フィルムの製造方法。
(3)前記第1塗布液が供給されるバーの先端部の隙間の厚みであるスリット間隙D31[mm]および前記第2塗布液が供給されるバーの先端部の隙間の厚みであるスリット間隙D32[mm]は、0.05以上かつ0.4以下であり、かつ、
前記スリット間隙D32は、前記スリット間隙D31より大きい上記(1)に記載の電磁波遮蔽フィルムの製造方法。
(4)前記第1塗布液の粘度μ[mPa・s]は、3以上かつ30以下であり、
前記第2塗布液の粘度μ[mPa・s]は、50以上かつ500以下である上記(2)に記載の電磁波遮蔽フィルムの製造方法。
(5)電磁波遮蔽フィルムは、近赤外光を反射する機能を有する上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の電磁波遮蔽フィルムの製造方法。
本発明によれば、バーのポケット部の厚みが15mm以下であり、バーを薄くすることが可能であり、バーの設置数(塗布層数)を増しても、塗布液が流下するバーの端面により構成されるスライド面が長くなることが抑制される。また、塗布工程において、第2塗布液が供給されるバーのポケット部の凹部の内圧と、第1塗布液が供給されるバーのポケット部の凹部の内圧との圧力差が、0.1MPa以下になるように設定されている。つまり、バーの最小肉厚部であり、圧力の影響を受けて変形し易いポケット部における圧力差が小さいため、バーの変形が抑制され、塗布幅方向の隙間の均一性が維持され、塗布幅方向の塗布膜厚が不均一になることが防がれるため、製造される電磁波遮蔽フィルムの光学特性の均一性は、良好である。したがって、層数を増しても同時重層塗布を良好に実施することができる電磁波遮蔽フィルムの製造方法を提供することが可能である。
本発明のさらに他の目的、特徴および特質は、以後の説明および添付図面に例示される好ましい実施の形態を参照することによって、明らかになるであろう。
本発明の実施の形態に係る電磁波遮蔽フィルムの製造方法を説明するためのフローチャートである。 図1に示される調製工程および塗布工程に適用される塗布装置を説明するための概略図である。 図2に示されるダイコーターの側方壁部を説明するための平面図である。 図2に示されるダイコーターのバーを説明するための平面図である。 図4の線V−Vに関する断面図である。 本発明の実施の形態に係る塗布工程を説明するための断面図である。 塗布工程における塗布条件を説明するための断面図である。 比較例を説明するための断面図である。 電磁波遮蔽フィルムの膜厚変動率に対するバーのポケット部の厚みおよび圧力差の影響を説明するための試験結果を示しているテーブルである。 電磁波遮蔽フィルムの膜厚変動率および圧力差に対する塗布液粘度の影響を説明するための試験結果を示しているテーブルである。 電磁波遮蔽フィルムの膜厚変動率に対するスリット間隔の影響を説明するための試験結果を示しているテーブルである。
以下、本発明の実施の形態が、図面を参照しつつ説明される。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1は、本発明の実施の形態に係る電磁波遮蔽フィルムの製造方法を説明するためのフローチャートである。
本発明の実施の形態に係る電磁波遮蔽フィルムは、高屈折率層と低屈折率層とを交互に複数積層して構成され、可視光領域(波長380〜780nm)で透過率が高く、近赤外光領域(780〜2500nm)で反射率が高い光学特性を有する。電磁波遮蔽フィルムの用途は、近赤外光反射フィルムであり、建物の屋外の窓、自動車窓、農業用ビニールハウス等に配置され、熱線反射効果を付与するために使用される。
「高屈折率層」および「低屈折率層」は、隣接した2層の屈折率差を比較した場合に、屈折率が高い方を高屈折率層、低い方を低屈折率層とすることを意味する。特定波長領域の反射率は、隣接する2層の屈折率差と層数で決まり、屈折率の差が大きいほど、少ない層数で高い反射率を得られる。
本発明の実施の形態に係る電磁波遮蔽フィルムの製造方法は、図1に示されるように、調製工程、塗布工程および乾燥工程を有する。
調製工程においては、例えば、金属酸化物粒子、樹脂バインダー、硬化剤、添加剤、溶媒等を混合することによって、高屈折率層塗布液および低屈折率層塗布液が調製される。
塗布工程においては、フィルム基材に対し、電磁波遮蔽フィルムの各層に対応する高屈折率層塗布液および低屈折率層塗布液が、一括して重層塗布(同時重層塗布)される。
フィルム基材は、ポリオレフィンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、3酢酸セルロースフィルム等の種々の樹脂フィルムを適用すること可能である。ポリオレフィンは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレである。ポリエステルは、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートである。
乾燥工程においては、高屈折率層塗布液および低屈折率層塗布液が重層塗布されたフィルム基材を乾燥(熱硬化)することにより、電磁波遮蔽フィルムが製造される。乾燥条件は、高屈折率層塗布液および低屈折率層塗布液に含まれている揮発性成分の蒸発温度、硬化剤の硬化温度、フィルム基材の耐熱温度等を考慮して適宜設定される。乾燥された電磁波遮蔽フィルムは、その後、必要に応じて適当なサイズに裁断される。
後述するように、塗布工程は、高屈折率層塗布液および低屈折率層塗布液の塗布層数(電磁波遮蔽フィルムの層数)を増しても同時重層塗布を良好に実施することが可能であり、1層当りの塗布厚を小さくすることによって、乾燥工程における乾燥負荷を低減することが可能である。
なお、高屈折率層塗布液の金属酸化物粒子は、例えば、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、アルミナ、コロイダルアルミナ、チタン酸鉛、鉛丹、黄鉛、亜鉛黄、酸化クロム、酸化第二鉄、鉄黒、酸化銅、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化ニオブ、酸化ユーロピウム、酸化ランタン、ジルコン、酸化スズである。高屈折率層塗布液の金属酸化物粒子は、透明で高い屈折率を得るためには、酸化チタン微粒子、酸化ジルコニア微粒子を含有することが好ましい。金属酸化物粒子の濃度は、例えば、1〜50質量%である。
低屈折率層塗布液の金属酸化物粒子は、例えば、二酸化ケイ素、コロイダルシリカである。金属酸化物粒子の濃度は、例えば、1〜50質量%である。
樹脂バインダーは、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、水溶性セルロース誘導体、増粘多糖類、反応性官能基を有するポリマー類である。高屈折率層塗布液の樹脂バインダーの濃度は、例えば、0.5〜10質量%である。低屈折率層塗布液中の樹脂バインダーの濃度は、1〜10質量%である。
硬化剤は、樹脂バインダーと硬化反応を起こすものであれば特に限定されない。樹脂バインダーとしてポリビニルアルコールが選択されている場合、硬化剤は、例えば、ホウ酸およびその塩である。
添加剤は、例えば、紫外線吸収剤、退色防止剤、界面活性剤、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、帯電防止剤である。
溶媒は、例えば、水、有機溶媒、あるいはこれらの混合溶液である。有機溶媒は、メタノール、エタノール、酢酸エチル等である。
次に、調製工程および塗布工程に適用される塗布装置が説明される。
図2は、図1に示される調製工程および塗布工程に適用される塗布装置を説明するための概略図、図3は、図2に示されるダイコーターの側方壁部を説明するための平面図、図4は、図2に示されるダイコーターのバーを説明するための平面図、図5は、図4の線V−Vに関する断面図である。
塗布装置10は、図2に示されるように、搬送系20、ダイコーター30、塗布液供給系70および圧力センサー81,82を有する。
搬送系20は、フィルム基材22およびバックロール24を有する。フィルム基材22は、塗布液Lが塗布される帯状の支持体である。バックロール24は、フィルム基材22の内側に配置され、回転駆動されることによって、塗布方向(搬送方向)Fの上流側から下流側に向かって、フィルム基材22を搬送するように構成されている。なお、フィルム基材22は、塗布液Lが塗布される際、加熱手段(不図示)によって所定温度(例えば、30℃以上)に昇温される。
ダイコーター30は、スライド式であり、電磁波遮蔽フィルムの各層に対応する塗布層を一括して塗布(同時重層塗布)することが可能に構成されており、積層体32および側方壁部60を有する。積層体32は、長方形状の複数のバー40が順に重ねられて構成される。
バー40は、例えば、ステンレススチールから構成され、フロントバー42、複数の中間バー44およびバックバー46を含んでおり、これらは、略同一形状である。フロントバー42は、積層体32の最下層を占めているバーであり、フィルム基材22の近傍に位置決めされる。バックバー46は、積層体32の最上層を占めているバーである。中間バー44は、フロントバー42とバックバー46との間に位置する中間層を占めているバーである。側方壁部60は、図3に示されるように、積層体32の塗布幅方向Wの端面に配置されている。バー40の構成材料は、ステンレススチールに限定されない。なお、塗布幅方向Wは、塗布方向(搬送方向)Fと直交している。
バー40は、図4および図5に示されるように、基端側から順に基端部50、ポケット部53および先端部56を有する。
基端部50は、塗布液供給系70と連通している貫通孔52を有する。貫通孔52は、基端部50の塗布幅方向W中央に位置し、基端部50端面からポケット部53に向かって延長している。
基端部50の厚みDは、先端部56の厚みDより大きく設定されている。したがって、バー40が積層されると、基端部50は、隣接する別のバーの基端部50と当接する一方、先端部56と、隣接する別のバーの先端部56との間には、厚みD(=D−D)のスリット(隙間)58が形成される。以下において、厚みDは、スリット間隔Dで参照する。なお、符号51は、基端部50の端面を示している。
スリット58は、塗布液が通過する通路として機能する。スリット58の先端から吐出された塗布液は、先端部56の端面57を流下するため、端面57は、塗布液が流下するスライド面として機能する。
ポケット部53は、バー40の塗布幅方向Wに延長して形成される凹部54を有する。凹部54は、スリット58および貫通孔52に連通している塗布液溜まり部である。凹部54は、貫通孔52(塗布液供給系70)からの塗布液を塗布幅方向Wに均等に広げて、スリット58に安定的に供給するために使用される。
ポケット部53の厚みDは、15mm以下に設定されている。そのため、バー40を薄くする(薄肉化および軽量化する)ことが可能であり、バー40の設置数(塗布層数)を増しても、スライド面が長くなることが抑制される。また、ダイコーター30の小型化、少スペース化、省エネルギー、装置コストの削減が可能となり、かつ、取り扱いも容易となり、作業性の向上および塗布故障の低減も期待できる。
バー40の積層位置に応じて、バー40の貫通孔52に、高屈折率層を構成することとなる第1塗布液である高屈折率層塗布液Lと、低屈折率層を構成することとなる第2塗布液である低屈折率層塗布液Lと、が交互に導入される。例えば、フロントバー42の貫通孔52には、低屈折率層塗布液Lが導入され、フロントバー42に隣接する中間バー44の貫通孔には、高屈折率層塗布液Lが導入され、当該中間バー44に隣接する別の中間バー44の貫通孔52には、低屈折率層塗布液Lが導入される。したがって、スリット58の設置数は、製造される電磁波遮蔽フィルムの層数に一致しており、製造される電磁波遮蔽フィルムの層数に応じて、中間バー44の数が調整されることになる。なお、スライド面は、2層以上が積層されて流下する中間バー44及びフロントバー42の先端部56の端面57長さの合計であり、最上層をのぞく中間バー44の厚みとフロントバー42の厚みの合計と略一致する。
塗布液供給系70は、図2に示されるように、低屈折率層塗布液Lおよび高屈折率層塗布液Lをダイコーター30に供給するために使用され、調製釜72,76、配管系73,77およびポンプ74,78を有する。
調製釜72は、低屈折率層塗布液Lを調製し、所定温度(例えば、30℃以上)で保持するために使用される容器である。配管系73は、調製釜72と、低屈折率層塗布液用のバー40の基端部50の貫通孔52と、を連結している。ポンプ74は、配管系73を経由して、調製された低屈折率層塗布液Lを圧送するために使用される。
調製釜76は、高屈折率層塗布液Lを調製し、所定温度(例えば、30℃以上)で保持するために使用される容器である。配管系77は、調製釜76と、高屈折率層塗布液用のバー40の基端部50の貫通孔52と、を連結している。ポンプ78は、配管系77を経由して、調製された高屈折率層塗布液Lを圧送するために使用される。ポンプ74,78は、例えば、ギアポンプやチューブポンプである。
圧力センサー81,82は、ダイコーター30の近傍の配管系73,77に配置され、圧力差を検出するために使用される。検出される圧力差は、低屈折率層塗布液Lが供給されるバー40のポケット部53の凹部54の内圧と、高屈折率層塗布液Lが供給されるバー40のポケット部53の凹部54の内圧と、の圧力差であり、塗布工程において0.1MPa以下となるように設定されている。
圧力センサー81,82は、例えば、ポケット部53の凹部54の内面に配置したり、ポケット部53の凹部54と当接する側方壁部60の内面に配置したりすることも可能である。圧力差は、差圧計によって直接検出することも可能である。
次に、調製工程および塗布工程が詳述される。
図6は、本発明の実施の形態に係る塗布工程を説明するための断面図、図7は、塗布工程における塗布条件を説明するための断面図、図8は、比較例を説明するための断面図である。
調製工程においては、低屈折率層用の金属酸化物粒子、樹脂バインダー、硬化剤、添加剤、溶媒等を、調製釜72に投入後、混合することによって、低屈折率層塗布液Lが調製される一方、高屈折率層用の金属酸化物粒子、樹脂バインダー、硬化剤、添加剤、溶媒等を、調製釜76に投入後、混合することによって、高屈折率層塗布液Lが調製される。そして、調製された低屈折率層塗布液Lおよび高屈折率層塗布液Lは、所定温度(例えば、30℃以上)で保持される。
塗布工程において、調製された低屈折率層塗布液Lおよび高屈折率層塗布液Lは、ポンプ74,78によって圧送され、配管系73,77を経由して、低屈折率層塗布液用のバー40の基端部50の貫通孔52および高屈折率層塗布液用のバー40の基端部50の貫通孔52に供給される。
これにより、図6に示されるように、バー40の積層位置に応じて、バー40の貫通孔52に、高屈折率層塗布液Lと低屈折率層塗布液Lとが交互に導入される。例えば、フロントバー42の貫通孔52には、低屈折率層塗布液Lが導入され、フロントバー42に隣接する中間バー44の貫通孔には、高屈折率層塗布液Lが導入され、当該中間バー44に隣接する別の中間バー44の貫通孔52には、低屈折率層塗布液Lが導入される。
塗布液は、ポケット部53の凹部54において塗布幅方向Wに均等に広げられて、スリット58に導入される。スリット58を通過した塗布液は、図6に示されるように、バー40の先端部56の端面57を流下し、下方に位置する別のバー40の先端部56の端面57を流下する塗布液と、順次重なる。そして、流下する塗布液は、フロントバー42のスリット58を通過した塗布液と重なった時点において、製造される電磁波遮蔽フィルムの層数に一致する層から構成されることになる。
そして、塗布液Lは、最下層のバー40であるフロントバー42から離間して、所定温度(例えば、30℃以上)に昇温されたフィルム基材22に流下する(塗布される)。
この際、バー40のポケット部53の厚みDは、15mm以下に設定され、バー40が薄くなっており、バー40の設置数(塗布層数)を増しても、スライド面が長くなることが抑制されている。
また、塗布液Lがバー40のスリット58を通過する際に、圧力損失(スリット抵抗)を生じ、これにより、ダイコーター30の内部に圧力(内圧)が発生する。内圧は、塗布液Lの粘度によって影響を受ける。
高屈折率層塗布液Lの粘度μは、3mPa・s以上かつ30mPa・s以下である。低屈折率層塗布液Lの粘度μは、50mPa・s以上かつ500mPa・s以下であり、高屈折率層塗布液Lの粘度μよりも1桁以上大きい。したがって、高屈折率層塗布液Lが供給される凹部54の内圧Pは、低屈折率層塗布液Lが供給される凹部54の内圧Pより小さくなり、隣接する(隣り合う)バー40間で内圧の圧力差が生じる。
これにより、図8の比較例に示されるように、高圧の方(低屈折率層塗布液Lが供給される凹部54)から低圧の方(高屈折率層塗布液Lが供給される凹部54)へと、その間に位置するバー40が押されて変形する。その結果、低屈折率層塗布液Lが通過するスリット58のスリット間隙D32は拡大し、高屈折率層塗布液Lが通過するスリット58のスリット間隙D31は縮小する。つまり、塗布幅方向のスリット間隙の分布が悪化することにより、スリット58から流出する塗布液Lの塗布幅方向の均一性も低下し、最終的には均一な塗布膜厚が得られなくなってしまう。
一方、本実施の形態に係る塗布工程においては、図7に示されるように、低屈折率層塗布液Lが供給されるバー40のポケット部53の凹部54の内圧Pと、高屈折率層塗布液Lが供給されるバー40のポケット部53の凹部54の内圧Pと、の圧力差ΔPは、0.1MPa以下になるように設定されている。
したがって、バー40の最小肉厚部であり、圧力の影響を受けて変形し易いポケット部53に関する圧力差ΔPが小さいため、バー40の変形が抑制され、塗布幅方向の隙間の均一性が維持され、塗布幅方向の塗布膜厚が不均一になることが防がれるため、製造される電磁波遮蔽フィルムの光学特性の均一性は、良好である。つまり、層数を増しても同時重層塗布を良好に実施することが可能である。
なお、高屈折率層塗布液L、低屈折率層塗布液Lおよびフィルム基材22は、塗布時に昇温されている。そのため、フィルム基材22に塗布された高屈折率層塗布液Lおよび低屈折率層塗布液Lは、一旦1〜15℃に冷却された後、乾燥工程に投入され、10℃以上、例えば、湿球温度5〜50℃かつ塗布面温度10〜50℃で乾燥される。
次に、層数を増しても同時重層塗布を良好に実施し得る条件が、詳述される。
図9は、電磁波遮蔽フィルムの膜厚変動率に対するバーのポケット部の厚みおよび圧力差の影響を説明するための試験結果を示しているテーブル、図10は、電磁波遮蔽フィルムの膜厚変動率および圧力差に対する塗布液粘度の影響を説明するための試験結果を示しているテーブル、図11は、電磁波遮蔽フィルムの膜厚変動率に対するスリット間隔の影響を説明するための試験結果を示しているテーブルである。
まず、試験に係る共通の条件(低屈折率層塗布液の調製条件、高屈折率層塗布液の調製条件および塗布条件)が、説明される。
低屈折率層塗布液は、コロイダルシリカ(スノーテックスOXS、日産化学工業社製、固形分10質量%)12質量部に、ポリビニルアルコール(PVA―103、重合度300、鹸化度98.5mol%、クラレ社製)の5質量%水溶液2質量部と、3質量%ホウ酸水溶液10質量部とをそれぞれ添加した後、45℃に加熱し、撹拌しながら、ポリビニルアルコール(PVA―117、重合度1700、鹸化度98.5mol%、クラレ社製)の5質量%水溶液20質量部と、界面活性剤(ラピゾールA30、日油社製)の1質量%水溶液1質量部とを添加し、さらに純水55質量部を加えて、攪拌混合することによって、調製された。
高屈折率層塗布液は、シリカ付着二酸化チタンゾル(固形分20.0質量%)30質量部に、ポリビニルアルコール(PVA―103、重合度300、鹸化度98.5mol%、クラレ社製)の5質量%水溶液2質量部と、3質量%ホウ酸水溶液10質量部と、2質量%クエン酸水溶液10質量部とをそれぞれ添加した後、45℃に加熱し、撹拌しながら、ポリビニルアルコール(PVA―617、重合度1700、鹸化度95.0mol%、クラレ社製)の5質量%水溶液20質量部と、界面活性剤(ラピゾールA30、日油社製)の1質量%水溶液1質量部とを添加し、さらに純水27質量部を加えて、攪拌混合することによって、調製された。
なお、シリカ付着二酸化チタンゾルは、15.0質量%酸化チタンゾル(SRD−W、体積平均粒径5nm、ルチル型二酸化チタン粒子、堺化学社製)0.5質量部に、純水2質量部を加えて、90℃に加熱し、ケイ酸水溶液(ケイ酸ソーダ4号(日本化学社製)をSiO濃度が2.0質量%となるように純水で希釈したもの)1.3質量部を、徐々に添加し、そして、オートクレーブ中、175℃で18時間加熱処理を行い、冷却後、限外濾過膜にて濃縮することにより、得られた。
低屈折率層塗布液および高屈折率層塗布液は、45℃に保温して、ダイコーターに供給され、15層の同時重層塗布が実施された。また、最下層および最上層は、低屈折率層となっており、低屈折率層は、高屈折率層より1つ多く含まれていた。
フィルム基材は、厚さ50μmかつ幅2000mmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製A4300:両面易接着層)からなり、塗布液の塗布時、45℃に昇温された。ダイコーターのフロントバーおよびバックバーは、厚さ40mmのものが使用された。塗布速度および塗布幅は、50m/minおよび1950mmに設定された。低屈折率層および高屈折率層の塗布厚みは、乾燥時の平均膜厚として150nmとなるように設定された。
次に、電磁波遮蔽フィルムの膜厚変動率の算出方法を説明する。
電磁波遮蔽フィルムの膜厚変動率V[%]は、膜厚変動幅を膜厚平均値によって除し、100を乗じた値である。膜厚変動幅は、膜厚の最小値と最大値との差である。膜厚平均値は、塗布幅方向に50mm間隔で測定された膜厚の全幅に関する平均値である。
膜厚は、各層毎に測定された。測定は、上記条件で製造された電磁波遮蔽フィルムの断面を、電子顕微鏡(FE−SEM、S−5000H型、日立製作所製)を用いて、加速電圧2.0kVの条件で1cm長さが観察できるように視野数を選んで観察し、得られた画像を、デジタル化し、コントラストを調整する画像処理を施した後で、実施された。なお、膜厚は、1000箇所の測定結果の平均値である。
次に、図9の試験結果を参照し、電磁波遮蔽フィルムの膜厚変動率に対するバーのポケット部の厚みおよび圧力差の影響を説明する。
バーのポケット部の厚みDは、5〜20mmの範囲で変化させ、かつ、圧力差ΔPは、低屈折率層塗布液Lの供給量を変えて0.02〜0.15MPaの範囲で変化させた。圧力差ΔPは、低屈折率層塗布液Lが供給されるバーのポケット部の凹部の内圧Pと、高屈折率層塗布液Lが供給されるバーのポケット部の凹部の内圧Pと、の圧力差である。スリット間隙は、0.2mm、高屈折率層塗布液および低屈折率層塗布液粘度は、10mPa・sおよび100mPa・sに設定された。
図9に示されるように、バーのポケット部の厚みDが20mmである場合、圧力差ΔPに係らず、塗膜乱れが見られた。一方、バーのポケット部の厚みDが15mm以下であり、かつ、圧力差ΔPが0.1MPa以下である場合、塗膜乱れは見られず、膜厚変動率(V)が3.0%以下である均一な塗膜を得ることができた。
つまり、バーのポケット部の厚みDが15mm以下であっても、圧力差ΔPが0.1MPa以下である場合、バーの変形を抑制することが可能であり、塗布幅方向の隙間の均一性が維持された。
なお、バーの肉厚の下限には制約は無く、薄ければ薄いほど層数を増やすことが可能である。しかし、バーのポケット部の厚みDは、過度に小さくなると、圧力差ΔPの影響を受け易くなるため、5mm以上が好ましい。
次に、図10を参照し、電磁波遮蔽フィルムの膜厚変動率および圧力差に対する塗布液粘度の影響が説明される。なお、テーブル中の数値は、圧力差ΔP[MPa]を示している。
低屈折率層塗布液粘度μは、50〜2000mPa・sの範囲で変化させ、かつ、高屈折率層塗布液粘度μは、1〜30mPa・sの範囲で変化させた。バーのポケット部の厚みDは12,5mm、スリット間隙Dは、0.2mmに設定された。なお、粘度の調整方法は、特に限定されず、例えば、溶媒とバインダーの比率を変更することによって調整することが可能である。
図10に示されるように、膜厚変動率(V)が3.0%を超えているものと、膜厚変動率(V)が3.0%以下であるものとが、明確に分かれており、その境界は、低屈折率層塗布液粘度μおよび高屈折率層塗布液粘度μを使用した1次式で近似すると、μ=4×μ1+100であった。つまり、関係式(μ≦4×μ1+100)を満たす場合、膜厚変動率(V)が3.0%以下の均一な塗膜を得ることができた。なお、圧力差ΔPは、0.1MPa以下であった。
次に、図11を参照し、電磁波遮蔽フィルムの膜厚変動率に対するスリット間隔の影響が説明される。
高屈折率層塗布液Lが通過するスリット58のスリット間隙D31は、0.04〜0.3mmの範囲で変化させ、かつ、低屈折率層塗布液Lが通過するスリット58のスリット間隙D32は、0.15〜0.5mmの範囲で変化させた。バーのポケット部の厚みDは、12.5mm、高屈折率層塗布液粘度μおよび低屈折率層塗布液粘度μは、10mPa・sおよび100mPa・sに設定された。
図11に示されるように、スリット間隙D31,D32が、0.05mm以上かつ0.4mm以下であって、かつ、スリット間隙D32をスリット間隙D31より大きくする場合、膜厚変動率(V)が3.0%以下の均一な塗膜を得ることができた。なお、スリット間隙D32が、スリット間隙D31の5倍を超える場合、圧力損失が小さくなりすぎて、低屈折率層塗布液Lが塗布幅方向に均一に流出しなくなる恐れがある。したがって、スリット間隙D32は、スリット間隙D31の5倍以下であることが好ましい。
高屈折率層塗布液Lが通過するスリット58のスリット間隙D31が0.05mmの場合、低屈折率層塗布液Lが通過するスリット58のスリット間隙D32が0.15〜0.4mmの範囲の範囲において、膜厚変動率(V)は、3.0%以下であるが1.0%を超えている。これは、スリット間隙D31が0.05mmの場合、塗布幅方向の均一なスリットを製作することが困難であったためである。
低屈折率層塗布液Lが通過するスリット58のスリット間隙D32が0.4mmの場合、高屈折率層塗布液Lが通過するスリット58のスリット間隙D31が、0.05〜0.3mmの範囲において、膜厚変動率(V)は、3.0%以下であるが1.0%を超えている。これは、スリット間隙D32が狭すぎるため、低屈折率層塗布液Lが通過する際に発生する圧力損失が過度に小さくなり、塗布液が塗布幅方向に均一に流出しなくなったためである。
以上のように、本実施の形態においては、バーのポケット部の厚みが15mm以下であり、バーを薄くすることが可能であり、バーの設置数(塗布層数)を増しても、塗布液が流下するバーの端面により構成されるスライド面が長くなることが抑制される。また、塗布工程において、第2塗布液が供給されるバーのポケット部の凹部の内圧と、第1塗布液が供給されるバーのポケット部の凹部の内圧と、の圧力差が、0.1MPa以下になるように設定されている。つまり、バーの最小肉厚部であり、圧力の影響を受けて変形し易いポケット部における圧力差が小さいため、バーの変形が抑制され、塗布幅方向の隙間の均一性が維持され、塗布幅方向の塗布膜厚が不均一になることが防がれるため、製造される電磁波遮蔽フィルムの光学特性の均一性は、良好である。したがって、層数を増しても同時重層塗布を良好に実施することができる電磁波遮蔽フィルムの製造方法を提供することが可能である。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲で種々改変することができる。例えば、電磁波遮蔽フィルムは、遠赤外線反射フィルムや紫外線反射フィルムに適用することが可能である。この場合、交互に積層される高屈折率層および低屈折率層の光学膜厚を調整することによって、近赤外光に替えて可視光や紫外光を反射するように設計される。
高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層した構造は、例えば、フィルム基材の一方の面に、同時重層塗布を実施して乾燥した後で、フィルム基材の他方の面に、同時重層塗布を実施して乾燥することによって、電磁波遮蔽フィルムの両面に配置することも可能である。高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層した構造の最下層および最上層に、高屈折率層を配置して、高屈折率層の設置数を、低屈折率層より大きくすることも可能である。また、低屈折率層と高屈折率層の設置数を同一とすることも可能である。
フィルム基材を吸引し、その形状の歪みを矯正する減圧機構を、塗布装置のバックロールの近傍に配置し、ダイコーターとフィルム基材との間のクリアランス精度を向上させることも可能である。
別の機能を有する層を、フィルム基材と塗布層との間や、塗布層の表面に配置することが可能である。例えば、フィルム基材と塗布層との間にガスバリア層や易接着層を配置したり、塗布層の表面にハードコート層や耐摩耗性層を配置したりすることも可能である。
本出願は、2013年6月28日に出願された日本特許出願番号2013−137068号に基づいており、それらの開示内容は、参照され、全体として、組み入れられている。
10 塗布装置、
20 搬送系、
22 フィルム基材、
24 バックロール、
30 ダイコーター、
32 積層体、
40 バー、
42 フロントバー、
44 中間バー、
46 バックバー、
50 基端部、
51 端面、
52 貫通孔、
53 ポケット部
54 凹部、
56 先端部、
57 端面、
58 スリット、
60 側方壁部、
70 塗布液供給系、
72 調製釜、
73 配管系、
74 ポンプ、
76 調製釜、
77 配管系、
78 ポンプ、
81,82 圧力センサー、
,D,D,D31,D32,D 厚み、
F 塗布方向、
L,L,L 塗布液、
W 塗布幅方向、
μ1,μ2 粘度。

Claims (5)

  1. 高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層した構造を有する電磁波遮蔽フィルムの製造方法において、
    複数の積層されたバーを有するスライド式ダイコーターを用いて、前記高屈折率層を構成することとなる第1塗布液の塗布層と、前記低屈折率層を構成することとなる第2塗布液の塗布層とを交互に積層させて、フィルム基材に同時重層塗布する塗布工程を、有しており、
    前記バーは、隣接する別のバーとの間に隙間を形成する先端部と、前記別のバーと当接する基端部と、前記先端部と前記基端部との間に位置し、塗布液溜まり部である凹部を有するポケット部と、を有し、
    前記ポケット部の厚みは、15mm以下であり、
    前記塗布工程において、前記第2塗布液が供給されるバーのポケット部の凹部の内圧と、前記第1塗布液が供給されるバーのポケット部の凹部の内圧との圧力差は、0.1MPa以下になるように設定されている電磁波遮蔽フィルムの製造方法。
  2. 前記第1塗布液の粘度μ[mPa・s]および前記第2塗布液の粘度μ[mPa・s]は、関係式(μ≦4×μ1+100)を満たしている請求項1に記載の電磁波遮蔽フィルムの製造方法。
  3. 前記第1塗布液が供給されるバーの先端部の隙間の厚みであるスリット間隙D31[mm]および前記第2塗布液が供給されるバーの先端部の隙間の厚みであるスリット間隙D32[mm]は、0.05以上かつ0.4以下であり、かつ、
    前記スリット間隙D32は、前記スリット間隙D31より大きい請求項1に記載の電磁波遮蔽フィルムの製造方法。
  4. 前記第1塗布液の粘度μ[mPa・s]は、3以上かつ30以下であり、
    前記第2塗布液の粘度μ[mPa・s]は、50以上かつ500以下である請求項2に記載の電磁波遮蔽フィルムの製造方法。
  5. 電磁波遮蔽フィルムは、近赤外光を反射する機能を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の電磁波遮蔽フィルムの製造方法。
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