JPWO2014188654A1 - リチウム含有酸化珪素粉末 - Google Patents

リチウム含有酸化珪素粉末 Download PDF

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Abstract

リチウムイオン二次電池の負極材として用いられるリチウム含有酸化珪素粉末。このリチウム含有酸化珪素粉末を構成する粒子の少なくとも一部は、炭素コートされている。この粉末は、CuKα線を用いたX線回折測定で、回折角2θが47.1°〜47.7°の範囲に現れるSiに起因するピークについて、当該リチウム含有酸化珪素粉末を水と混合する前のピークの高さP1と、水と混合し乾燥した後のピークの高さP2とが、P2/P1≧0.42の関係を満たす。このリチウム含有酸化珪素粉末は、水に対する反応性が抑制されている。

Description

この発明は、リチウムイオン二次電池の負極材に用いられるリチウム含有酸化珪素粉末に関し、より詳しくは、水との反応性が抑えられたリチウム含有酸化珪素粉末に関する。
近年、携帯型の電子機器、通信機器等の著しい発展に伴い、経済性と機器の小型化および軽量化との観点から、高エネルギー密度の二次電池の開発が強く要望されている。現在、高エネルギー密度の二次電池として、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン二次電池およびポリマー電池等がある。このうち、リチウムイオン二次電池は、ニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池に比べて格段に高寿命かつ高容量であることから、その需要は電源市場において高い伸びを示している。
図1は、コイン形状のリチウムイオン二次電池の構成例を示す図である。リチウムイオン二次電池は、同図に示すように、正極1、負極2、電解液を含浸させたセパレータ3、および正極1と負極2との電気的絶縁性を保つとともに電池内容物を封止するガスケット4を備えている。充放電を行うと、リチウムイオンがセパレータ3の電解液を介して正極1と負極2との間を往復する。
正極1は、対極ケース1aと、対極集電体1bと、対極1cとを備えている。対極1cには、主に、コバルト酸リチウム(LiCoO)やマンガンスピネル(LiMn4)が使用される。負極2は、作用極ケース2aと、作用極集電体2bと、作用極2cとを備えている。作用極2cに用いる負極材は、一般に、リチウムイオンの吸蔵放出が可能な活物質(負極活物質)と導電助剤およびバインダーとを含む。
負極活物質としては、従来は、炭素が用いられていたが、SiO等、SiO(0<x≦2)で表される酸化珪素の粉末を用いることが、試みられている(下記特許文献1参照)。酸化珪素は、たとえば、二酸化珪素と珪素との混合物を加熱して生成した一酸化珪素ガスを冷却し、析出させて得られた主として非晶質の珪素酸化物である。
酸化珪素は、充放電時のリチウムイオンの吸蔵、放出による構造の破壊および不可逆物質の生成等による劣化が少ないことから、有効な充放電容量をより大きくすることが可能な負極活物質となり得る。そのため、酸化珪素を負極活物質として用いることにより、炭素を用いた場合と比較して高容量であり、かつ、SiやSn合金といった高容量負極材を用いた場合と比較してサイクル特性が良好なリチウムイオン二次電池が得られている。
しかし、特許文献1に記載のリチウムイオン二次電池では、初期効率が低く(初回充放電時における不可逆容量が大きく)、また、サイクル特性が実用レベルに達しておらず、改良する余地がある。
下記特許文献2には、一般式SiLi(0<x<1.0、0<y<1.5)で表されるリチウム含有酸化珪素粉末が開示されている。特許文献2によれば、このリチウム含有酸化珪素粉末が、予め(最初の充電前に)リチウムを含有することにより、リチウムイオン二次電池の負極活物質として用いたときに、高容量を維持しつつサイクル劣化がなく、しかも初回充放電時の不可逆容量の少ないリチウムイオン二次電池が得られるとされている。
しかし、このようなリチウム含有酸化珪素粉末を、負極材として用いると、十分に高い導電性が得られないことがあった。
下記特許文献3には、一般式SiO(1≦x<1.6)で表される酸化珪素と、リチウム金属および/または有機リチウム化合物とを混合し加熱して、珪素−珪素酸化物−リチウム系複合体を得ることと、熱CVD処理により当該複合体に炭素コートすることとを含む、珪素−珪素酸化物−リチウム系複合体の製造方法が開示されている。特許文献3によれば、炭素コートにより、複合体の表面に導電性が付与されるとされている。
下記特許文献4には、SiO(x=0.5〜1.6)で表される酸化珪素と、Si:O=1:0.5〜1.6の珪素−珪素酸化物系複合体との少なくともいずれか一方からなる粉末の表面に、炭素を被覆することを含む、非水電解質二次電池用負極材の製造方法について記載されている。特許文献4によれば、この製造方法により、珪素−珪素酸化物複合体と炭素被膜との界面でのSiCの量を十分に少なくして、負極材として用いる場合の電子伝導性、および放電性(特にサイクル耐久性)を良好なものとすることができるとされている。
ところで、負極材を、膜状の形態の作用極2cに成形するために、負極材用粉末は、バインダーに練り込まれてスラリーにされ、このスラリーが、基材の上に塗布されて乾燥される。バインダーとしては、有機物の粒子を水に分散させた水系バインダー、または、樹脂を有機溶媒に溶解させた有機系バインダーが用いられる。
水系バインダーは、有機系バインダーに比して、安価である。また、従来、負極活物質として炭素を用いる場合は、水系バインダーが用いられてきたので、Liを含有する負極材用粉末を用いる場合にも、水系バインダーを用いることができれば、これまでに得られた水系バインダーに関する豊富な知見を活用することができる。
特許第2997741号公報 特許第4702510号公報 特許第4985949号公報 特開2011−222153号公報
しかし、負極材用粉末のLi成分、特に、Liが高濃度に存在する部分は、水と反応して水素を発生する。このため、負極材の成形に水系バインダーを使用すると、この反応により気泡が発生してスラリーに混入し、これにより、スラリーの塗布性が悪化し、電池性能の劣化にもつながる。また、Liを含有する負極材用粉末を成形する際に有機系バインダーを用いるときは、換気が必要となり、そのための設備費や維持費が生ずる。
さらに、Liを含有する負極材用粉末は、大気中に放置しておくと、大気中の水蒸気と反応し、電池性能の劣化およびばらつきを生じる。
本発明は、これらの問題に鑑みてなされたものであり、水に対する反応性が抑制された、リチウム含有酸化珪素粉末を提供することを目的としている。
本発明の要旨は、下記(1)〜(4)のリチウム含有酸化珪素粉末にある。
(1)リチウムイオン二次電池の負極材用のリチウム含有酸化珪素粉末であって、
当該リチウム含有酸化珪素粉末を構成する粒子の少なくとも一部が、炭素コートされており、
CuKα線を用いたX線回折測定で、回折角2θが47.1°〜47.7°の範囲に現れるSiに起因するピークについて、当該リチウム含有酸化珪素粉末を水と混合する前のピークの高さP1と、水と混合し乾燥した後のピークの高さP2とが、
P2/P1≧0.42
の関係を満たすことを特徴とするリチウム含有酸化珪素粉末。
(2)当該リチウム含有酸化珪素粉末全体として、モル比で、Si:Li:O=1:x:y(0.1<x<1.0、0.4<y<1.5)の範囲内の平均組成を有することを特徴とする(1)に記載のリチウム含有酸化珪素粉末。
(3)当該リチウム含有酸化珪素粉末を構成する粒子について、体積メディアン径D50が1μm以上かつ20μm以下であり、
炭素の密度ρ(g/m)、ならびに当該リチウム含有酸化珪素粉末の炭素含有率a(質量%)およびBET比表面積S(m/g)から、a/(ρ・S)で計算されるCコート膜厚が、1.1nm以上かつ20.8nm以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載のリチウム含有酸化珪素粉末。
(4)前記Cコート膜厚が、3.2nm以上かつ14.2nm以下であることを特徴とする(3)に記載のリチウム含有酸化珪素粉末。
本発明の粉末は、Si成分に関してのみならずLi成分に関しても、水との反応性が低い。このため、この粉末は、水系バインダーを用いて成形することができるので、有機系バインダーを用いる場合に比して、製造コストを低減することができる。また、本発明の粉末は、大気中に放置しておいても、大気中の水蒸気と反応し難い。
図1は、コイン形状のリチウムイオン二次電池の構成例を示す図である。 図2は、水と混合する前のリチウム含有酸化珪素粉末のX線回折測定の結果を示す図である。 図3は、水と混合し乾燥した後のリチウム含有酸化珪素粉末のX線回折測定の結果を示す図である。
1.本発明の粉末
上述のように、本発明のリチウム含有酸化珪素粉末は、「当該リチウム含有酸化珪素粉末を構成する粒子の少なくとも一部が、炭素コートされており、CuKα線を用いたX線回折測定で、回折角2θが47.1°〜47.7°の範囲に現れるSiに起因するピークについて、当該リチウム含有酸化珪素粉末を水と混合する前のピークの高さP1と、水と混合し乾燥した後のピークの高さP2とが、P2/P1≧0.42の関係を満たす」ことを特徴とする。
当該粉末を構成する粒子について、炭素は、実質的にすべての粒子にコートされていてもよく、一部の粒子のみにコートされていてもよい。この粉末は、炭素コートされていることにより、炭素コートされていない場合に比して、粉末の導電性は高く、したがって、この粉末を用いた負極材の導電性は高い。また、炭素コートされていることにより、このリチウム含有酸化珪素粉末は、水に対する反応性が抑制されている。
ピークの高さP1およびP2は、いずれも、回折角2θが47.1°〜47.7°の範囲のピーク強度の測定値から、回折角2θが44.4°の回折強度と回折角2θが50.4°の回折強度との平均値を、バックグラウンド強度として差し引いたものとする。
図2は、水と混合する前のリチウム含有酸化珪素粉末のX線回折測定の結果を示す図であり、図3は、図2にX線回折測定の結果を示すリチウム含有酸化珪素粉末について、水と混合し乾燥した後にX線回折測定をした結果を示す図である。図2および図3に示すように、水と混合することにより、回折角2θが47.1°〜47.7°の範囲に現れるSiに起因するピーク(図2および図3において、○印を付している)は、通常、小さく、すなわち、1>P2/P1となる。
P2/P1≧0.42の関係を満たすリチウム含有酸化珪素粉末は、水に対するSiの溶出が少ない。同時に、この関係を満たすリチウム含有酸化珪素粉末は、当該粉末のLi成分の水に対する反応性が低く、水との反応による水素ガスの発生量は少ない。したがって、このリチウム含有酸化珪素粉末は、水系バインダーを用いてスラリーにし、成形することができる。このように、P2/P1比は、Siに関してのみならずLiに関しても、水に対する反応性の指標となる。
回折角2θが47.1°〜47.7°に現れるSiに起因するピークは、Siの(220)面によるものである。Siに起因するピークで最大のものは、(111)面によるものであるので、水と混合する前後のこのピークの変化を、リチウム含有酸化珪素粉末の水に対する反応性の指標とすることも可能である。
しかし、このピークは、回折角2θで28.5°付近に現れ、リチウム含有酸化珪素粉末が、Li化合物として、LiSiOおよび/またはLiSiOを含む場合、これらの結晶相のピークも、回折角2θで28.5°付近に現れる。このため、LiSiOおよび/またはLiSiOのピークにより、Siの(111)面によるピーク強度の測定値が影響を受ける可能性がある。回折角2θで47.1°〜47.7°付近には、LiSiOおよびLiSiOのピークのいずれも現れないので、Siの(220)面によるピーク強度を正確に測定することができる。
水との混合条件は、たとえば、当該リチウム含有酸化珪素粉末を水の中に入れ、この液の温度を20〜90℃に保ちながら、この液を攪拌機(たとえば、マグネットスターラー)で攪拌するものとすることができる。リチウム含有酸化珪素粉末を水の中に入れることにより、当該粉末のLi成分(Li化合物中のLi)が水と反応して、水素ガスが発生する。攪拌時間は、少なくとも水素ガスの発生が止まるまでの時間とする。液の温度を高くすることにより、Li成分と水との反応速度が大きくなり、水素ガスの発生が止まるまでの時間が短くなるので、攪拌時間を短くすることができる。このため、攪拌中の液の温度は、70〜80℃にすることが好ましい。この場合、攪拌時間は、たとえば、4時間とすることができる。
水に対するリチウム含有酸化珪素粉末の混合割合は、たとえば、100gの水に対して、2gのリチウム含有酸化珪素粉末とすることができる。水としては、たとえば、導電率が200μS/m以下である純水を使用することができる。
本発明のリチウム含有酸化珪素粉末について、純水と混合(たとえば、100gの純水に対して2gのリチウム含有酸化珪素粉末を混合)したときの当該液のpH(水素イオン指数)は、たとえば、5〜11であり、当該液の導電率は、たとえば、500mS/m以下である。純水との混合液がこのような値のpHまたは導電率を有するリチウム含有酸化珪素粉末は、水系バインダーを用いてスラリーにし、良好に成形することが可能である。
本発明のリチウム含有酸化珪素粉末は、全体として、モル比で、Si:Li:O=1:x:y(0.1<x<1.0、0.4<y<1.5)の範囲内の平均組成を有することが好ましい。
x≦0.1であると、Liドープの効果、すなわち、リチウムイオン二次電池の負極活物質として用いたときに、当該二次電池のサイクル特性を向上させるという効果を、十分に奏することができない。y≦0.4であるときも、サイクル特性が悪くなる。また、x≧1.0であると、当該リチウム含有酸化珪素粉末が水や酸素等と激しく反応し、取り扱いに注意を要する場合、および電池性能が劣化する場合がある。y≧1.5であると、電池容量が低下する。
当該リチウム含有酸化珪素粉末を構成する粒子について、体積メディアン径D50が、1μm≦D50≦20μmの関係を満たすことが好ましい。体積メディアン径D50は、体積基準の累積粒度分布の微粒側(または粗粒側)から累積50%の粒径である。粒子の粒度分布は、たとえば、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定することができる。
50<1μmであると、当該粉末の比表面積が大きくなり、粉末表面における電解液の反応が促進され、電池寿命が短くなるおそれがある。また、粒径が小さくなることで電池作用極の密度が低下し、体積あたりの電池容量が少なくなってしまう。D50>20μmであると、このリチウム含有酸化珪素粉末を用いたスラリーの塗工性が悪化し、リチウムイオン二次電池の作用極を形成したときに、充放電時の応力上昇による作用極の割れが生じやすくなり、電池性能が劣化しやすくなる。
本発明のリチウム含有酸化珪素粉末を構成する粒子が、1μm≦D50≦20μmの関係を満たすとき、炭素の密度ρ(g/m)、ならびに当該リチウム含有酸化珪素粉末の炭素含有率a(質量%)およびBET比表面積S(m/g)から、a/(ρ・S)で計算されるCコート膜厚が、1.1nm以上かつ20.8nm以下であることが好ましい。より好ましいCコート膜厚の範囲は、3.2nm以上かつ14.2nmである。
炭素含有率aは、たとえば、燃焼赤外線吸収法により測定することができる。炭素の密度ρとしては、文献値を採用することができ、たとえば、2.2×106g/mとすることができる。
Cコート膜厚が薄すぎる(たとえば、1.1nm未満)と、負極材として、十分に低い導電性が得られない。Cコート膜厚が厚すぎる(たとえば、20.8nmを超える)と、リチウム含有酸化珪素粉末中におけるC(炭素)の割合が増え、相対的に酸化珪素の割合が少なくなる。二次電池としての充放電は、主として、酸化珪素がリチウムイオンを吸蔵放出することにより行われるので、酸化珪素の割合が少なくなることにより、リチウムイオン二次電池の容量が低下する。さらに、Cコート膜厚が厚くなるほど、Cコート膜を形成するために要する時間が長くなるとともに、Cコート膜の被コート粒子に対する密着性が悪くなる。
2.本発明の粉末を製造するための方法
以下、本発明のリチウム含有酸化珪素粉末を製造する方法の一例について説明する。
まず、一般式SiOで表される酸化珪素粉末(0.4<y<1.5)と、金属Li、またはLi化合物(たとえば、LiH)を含むLi原料粉末とを混合する。酸化珪素粉末としては、一酸化珪素粉末、一酸化珪素粉末と珪素粉末とを混合した混合粉末、および一部酸化してSiOとなったSi粉末等を使用することができる。
そして、得られた混合粉末を、不活性ガス雰囲気中において、200〜1200℃(好ましくは、350〜900℃)の範囲内の温度で焼成する。これにより、酸化珪素とLiとが化合する。
焼成温度が低くなるほど、化合(反応)が進み難くなり、200℃未満では、化合は、実質的に進まない。焼成温度が900℃より高くなると、酸化珪素の不均化(2SiO → Si+SiOの反応による分解)が進行する。酸化珪素の不均化が進行すると、電池性能が悪化することが多い。
次に、得られた粉末を、酸素、または酸化性ガス(たとえば、水蒸気、二酸化炭素等)が含まれるガス雰囲気中において、200〜1200℃で焼成(以下、この条件下で焼成することを、「不活化処理」という。)する。不活化処理の温度は、好ましくは、350〜900℃である。不活化処理により、水と反応し得るLi(たとえば、未反応の残留Li原料)が不活化して、水と反応し難くなる。
その後、得られた粉末に対して、500〜1200℃(好ましくは、600〜900℃)で、熱CVD(Chemical Vapor Deposition)反応による炭素コートを行う。この際、炭素源として、たとえば、炭化水素(メタン、プロパン、アセチレン等)ガスを用いることができる。
上述の不活化処理後に行う炭素コートに代えて、または、不活化処理後に行う炭素コートに加えて、Li原料との混合前の酸化珪素粉末に対して、炭素コートを行ってもよい。この場合、上述の酸化珪素とLiとを化合させるための焼成において、酸化珪素とLiとの急激な反応が抑制されるので、所望の特性を有するリチウム含有酸化珪素粉末を、高い再現性で製造することができる。
不活化処理後に炭素コートを行う場合は当該炭素コートの後、当該炭素コートを行わない場合(Li原料との混合前の酸化珪素粉末に対してのみ炭素コートを行う場合)は不活化処理後、得られたリチウム含有酸化珪素粉末を、水と混合後、固液分離(たとえば、濾過)してから、乾燥してもよい。
水と混合することにより、リチウム含有酸化珪素粉末中の水溶性成分を水に溶解させて除去することができる。不活化処理により不活化した成分は、水に対する反応性が抑制されたものとなっているので、当該リチウム含有酸化珪素粉末を水と混合しても、この粉末を用いたリチウムイオン二次電池の特性を維持することができる。
本発明の効果を確認するために、P2/P1比の異なる5種のリチウム含有酸化珪素粉末の試料(実施例1〜4、および比較例)を作製し、水との反応性を調査した。
いずれの試料の作製においても、原料粉末として、SiO粉末8.8g(0.2mol)と、LiH粉末0.8g(0.1mol)とを混合し、大気圧のAr雰囲気中で、750℃で、360分焼成した。用いたSiO粉末は、体積メディアン径D50が4.9μmであり、BET比表面積が3.0m/gであった。
次に、実施例1〜4の試料については、不活化処理として、得られた粉末を酸化性雰囲気下で750℃で、60分焼成した。酸化性雰囲気は、ArとOとの混合ガス(O分圧は0.01気圧)を、大気圧で、1L/分の流量で流すことにより得た。比較例の試料については、不活化処理を行わなかった。
その後、得られた粉末に対して、炭素コートをするために、Arとプロパンとを1:1の分圧で混合したガスを、大気圧で、1L/分の流量で流しながら、750℃で焼成した。焼成時間は、実施例1、および比較例については、20分とし、実施例2については、60分とし、実施例3については、270分とし、実施例4については、400分とした。
原料粉末混合後(不活化処理前)の焼成、不活化処理のための焼成、および炭素コートのための焼成は、いずれも、回転式熱処理炉(キルン)により行った。
表1に、試料作製条件、および得られた試料の評価結果を、総合評価の結果とともに示す。表1には、試料作製条件として、不活化処理の時間を示し、試料の評価結果として、Cコート膜厚、ならびに水との反応によるX線回折強度の変化割合(P2/P1)および水素発生量の観察結果を示している。
Figure 2014188654
Cコート膜厚は、a/(ρ・S)の式に基づいて計算した。ここで、aは試料の炭素含有率(質量%)であり、Sは試料のBET比表面積(m/g)であり、ρは炭素の密度(g/m)である。ρの値として、2.2×106g/mを採用した。炭素含有率は、燃焼赤外線吸収法により、測定した。BET比表面積は、測定装置として、マウンテック社製のMacsorb HM-Model 1201を用いて測定した。いずれの試料のCコート膜厚も、1.1〜20.8nmの範囲内にある。
各試料を水と反応させるために、ビーカーに、2gの試料を計り取り、100gの純水(導電率が200μS/m以下であるもの)を添加し、液温を70〜80℃に保ちながら、マグネットスターラーで4時間攪拌した。いずれの試料も、水と接触し攪拌が開始されると、水素ガスを気泡として生じた。このときに発生した水素ガスの量を、表1に、「水素発生量」として示す。攪拌終了時には、いずれの試料についても、気泡は発生していなかった。その後、試料を乾燥した。
水との反応によるX線回折強度の変化割合は、CuKα線を用いたX線回折測定で、回折角2θが47.1°〜47.7°に現れるSiに起因するピークについて、各試料を純水と混合する前のピークの高さP1に対する、水と混合し乾燥した後のピークの高さP2の比P2/P1で示している。
表1に示すように、実施例1〜4の試料は、いずれも、不活化処理をしたものであり、これらの試料のP2/P1は、0.42以上となっている。これに対して、比較例の試料は、不活化処理を行っていないものであり、P2/P1は、0.42を下回っている。
水素発生量は、比較例の試料で多くなっているのに対して、実施例1〜4の試料では、少ないか、極少となっている。すなわち、本発明のリチウム含有酸化珪素粉末は、従来のリチウム含有酸化珪素粉末に比して、Li成分による水に対する反応性が抑制されている。水素発生量は、概ね、P2/P1が大きくなるほど少なくなる。実施例1〜4では、Cコート膜厚が大きくなるほど、P2/P1は大きくなる。
総合評価は、P2/P1と、水素発生量と、Cコート膜厚が電池特性に与え得る影響とを考慮して決定した。総合評価の数値は、大きいほど、高評価であることを示す。比較例、および実施例1〜3は、P2/P1が大きく、水素発生量が少ないほど、総合評価を高評価としている。実施例4は、P2/P1が0.95と最大であり、水素発生量も極少であるが、Cコート膜厚が厚いことによりCコート膜が剥離しやすく、リチウムイオン二次電池に用いたときに、電池容量が低くなるおそれがあるので、実施例2および3に比して、総合評価を低くした。総合評価の結果から、より好ましいCコート膜厚は、3.2〜14.2nmであるといえる。

Claims (4)

  1. リチウムイオン二次電池の負極材用のリチウム含有酸化珪素粉末であって、
    当該リチウム含有酸化珪素粉末を構成する粒子の少なくとも一部が、炭素コートされており、
    CuKα線を用いたX線回折測定で、回折角2θが47.1°〜47.7°の範囲に現れるSiに起因するピークについて、当該リチウム含有酸化珪素粉末を水と混合する前のピークの高さP1と、水と混合し乾燥した後のピークの高さP2とが、
    P2/P1≧0.42
    の関係を満たすことを特徴とするリチウム含有酸化珪素粉末。
  2. 当該リチウム含有酸化珪素粉末全体として、モル比で、Si:Li:O=1:x:y(0.1<x<1.0、0.4<y<1.5)の範囲内の平均組成を有することを特徴とする請求項1に記載のリチウム含有酸化珪素粉末。
  3. 当該リチウム含有酸化珪素粉末を構成する粒子について、体積メディアン径D50が、1μm以上かつ20μm以下であり、
    炭素の密度ρ(g/m)、ならびに当該リチウム含有酸化珪素粉末の炭素含有率a(質量%)およびBET比表面積S(m/g)から、a/(ρ・S)で計算されるCコート膜厚が、1.1nm以上かつ20.8nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウム含有酸化珪素粉末。
  4. 前記Cコート膜厚が、3.2nm以上かつ14.2nm以下であることを特徴とする請求項3に記載のリチウム含有酸化珪素粉末。
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