JPWO2014181871A1 - 通信装置 - Google Patents
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Abstract
Description
以下の特許文献1には、外部入力手段から入力されるユーザの操作情報にしたがって、マルチビームを用いて、空間的に離れている2つの地点間でレーザ通信を行う通信装置が開示されている。
また、その変動条件にしたがってレーザビーム送信用の望遠鏡を制御して、複数のレーザを通信相手に送信するようにしている。
これにより、通信相手の受光強度変動が最適化されているマルチビームを用いて、レーザ通信を実現することができるため、通信相手の受光強度変動を抑制して、通信の安定化を図ることができる。
実施の形態1.
この実施の形態1では、通信装置Aと通信装置Bが双方向通信を行う双方向通信システムについて説明する。
図1はこの発明の実施の形態1による双方向通信システムを示す構成図である。
図1において、通信装置Aと通信装置Bは同一構成であり、互いに通信データが重畳されているレーザ光(ビーム)を送受信する。
送信系1は光源2と光変調器3から構成されており、光源2はレーザ光としてパルスレーザを光変調器3に出力し、光変調器3は外部から与えられたRF信号にしたがって光源2から出力されたレーザ光の強度を変調する処理を実施する。
この実施の形態1では、通信装置Aの光源2から出力されるレーザ光の波長と、通信装置Bの光源2から出力されるレーザ光の波長とは異なるものとする。
送信光学系5は送信レンズなどから構成されており、信号処理回路11の制御の下で、放射するレーザ光のビーム径及び拡がり角を調整する機能を備え、光変調器3により変調されたレーザ光を通信相手の通信装置に向けて放射する。なお、送信系1及び送信光学系5からビーム送信手段が構成されている。
受信光学系6は受信レンズなどから構成されており、通信相手の通信装置から放射されたレーザ光を受光して、そのレーザ光を受光器8に集光する機能を備えている。
なお、受信光学系6が、例えば、光学フィルタを備えることで、送信光学系5から放射されたレーザ光と通信相手の通信装置から放射されたレーザ光とを分離して、通信相手の通信装置から放射されたレーザ光だけを受光器8に集光するようにしてもよい。
受光器8は例えばPD(Photo Diode)やAPD(Avalanche Photo Diode)等の光検出器であり、受信光学系6により集光されたレーザ光を電気信号(受信信号)に変換する処理を実施する。なお、受信光学系6及び受光器8からビーム受信手段が構成されている。
復調器10は増幅器9による増幅後の受信信号を復調して、通信相手の通信装置から放射されたレーザ光に重畳されている通信データを抽出し、その通信データを出力する処理を実施する。なお、復調器10は信号復調手段を構成している。
S/N演算回路12は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、増幅器9による増幅後の受信信号のSN比を算出する処理を実施する。なお、S/N演算回路12は信号対雑音比算出手段を構成している。
パラメータ設定回路14は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、S/N比較回路13の比較結果にしたがってレーザ光のパラメータを設定することで、送信光学系5から放射されるレーザ光の放射状態を制御する処理を実施する。
なお、S/N比較回路13及びパラメータ設定回路14からビーム放射状態制御手段が構成されている。
図2はこの発明の実施の形態1による通信装置Aの処理内容を示すフローチャートである。
また、図3はこの発明の実施の形態1による通信装置Bの処理内容を示すフローチャートである。
ユーザにより選択された所望のBERは、通信装置AのS/N演算回路12に設定される(図2のステップST1)。
通信装置AのS/N演算回路12は、所望のBERが設定されると、そのBERに基づいて、SN比の閾値Thを決定する。
ここで、BERとSN比の関係は、下記の式(1)のように表されるので、例えば、所望のBERを式(1)に代入することで算出されるSN比を閾値Thに決定する。
式(1)において、S/NはSN比、erfcは相補誤差関数である。
通信開始を示すレーザ光は、予め、通信装置Aと通信装置Bの間で取り決めておくものとする。
ここでは、通信開始を示すレーザ光(信号)には、SN比の閾値Thを示す閾値情報が重畳されているものとする。
通信可能を示すレーザ光(信号)は、予め、通信装置Aと通信装置Bの間で取り決めておくものとする。
また、通信装置Bの信号処理回路11は、レーザ光の送信開始指令を送信系1に出力する。
なお、閾値情報が通信開始を示すレーザ光(信号)に重畳されている場合、復調器10が受光器8の受信信号を復調して、その閾値情報を抽出し、その閾値情報をS/N比較回路13に出力する。
一方、閾値情報が重畳されていない場合、通信装置AのS/N演算回路12と同様に、ユーザにより選択された所望のBERからSN比の閾値Thを決定する。
通信装置Aの送信系1における光源2は、信号処理回路11からレーザ光の送信開始指令を受けると、レーザ光としてパルスレーザを光変調器3に出力する。
光変調器3は、光源2からレーザ光を受けると、外部から与えられるRF信号にしたがって当該レーザ光の強度を変調し、変調後のレーザ光(通信信号)を送信光学系5に出力する。
これにより、通信装置Aの送信光学系5から変調後のレーザ光(通信信号)が通信装置Bに向けて放射される(ステップST4)。
この通信開始時では、通信装置Aの送信光学系5から放射されるレーザ光のビーム径、広がり角、平均出力、パルス幅及びパルス繰り返し周波数などは、パラメータ設定回路14によって初期設定されている。
通信装置Bの受光器8は、通信装置Aからレーザ光(通信信号)が放射されて、受信光学系6が当該レーザ光(通信信号)を受光すると(ステップST25)、そのレーザ光を電気信号(受信信号)に変換する。
通信装置Bの復調器10は、増幅器9による増幅後の受信信号を復調して、通信装置Aから放射されたレーザ光に重畳されている通信データを抽出し、その通信データを出力する(ステップST27)。
ここで、受信信号のSN比は、信号電圧をVS、雑音電圧をVNとすると、下記の式(3)のように算出される。
なお、SN比を算出する際に使用する雑音電圧VNの値は、予めユーザにより設定された固定値でもよいし、図4に示すように、送信ビームの設定パラメータに応じた雑音電圧VNの値を参照テーブルに保存しておくようにしてもよい。また、通信を開始する前に雑音電圧VNを計測するようにしてもよい。
通信装置Bのパラメータ設定回路14は、S/N比較回路13の比較結果にしたがってレーザ光のパラメータを設定することで、送信光学系5から放射されるレーザ光の放射状態を制御する(ステップST29〜ST31)。
具体的には、以下のようにレーザ光の放射状態を制御する。
図6はユーザにより設定されるSN比の計測時間(領域A)において、受信信号のSN比が一時的に低下することで、一旦、閾値Thより低くなってから閾値Thより高くなっている状況を示している。この状況は、何等かの物体がレーザ光の伝搬経路上を横切っていると考えられる。
図7はユーザにより設定されるSN比の計測時間(領域A)において、定常的に受信信号のSN比が閾値Thより高い状況を示している。この状況は、通信品質上、問題ないが、送信系1の消費電力が必要以上に大きくなっている可能性がある。
図8はS/N比較回路13の比較結果に対応する状況とパラメータの設定内容との関係を示す説明図である。
ファイバアンプを用いたファイバーレーザの場合、レーザ光の出力パワーPPは、下記の式(4)に示すように、レーザ光の平均出力PA、パルス幅w及びパルス繰り返し周波数fから算出される。
したがって、レーザ光の出力パワーPPを増加する場合、下記の(1)〜(3)の全部の制御、もしくは、いずれかの制御が実施されるようにパラメータの設定変更を行う。
(1)平均出力PAを上げる制御
(2)パルス幅wを狭くする制御
(3)繰り返し周波数fを下げる制御
ここでは、(1)〜(3)の制御を行うことで、レーザ光の出力パワーPPを増加するものを示したが、レーザ光のビーム径又は広がり角を小さくすることで、単位面積当たりのパワーを上げるようにしてもよい。
一方、半導体レーザの場合、入力電流量を増加させることで、出力パワーを増加させる。
レーザ光のビーム径又は広がり角を大きくすることで、何等かの物体がレーザ光の伝搬経路上を横切る状況が発生しても、SN比の低下を抑えることができるが、レーザ光のビーム径又は広がり角を大きくしても、SN比が閾値Thより高くならない場合は、レーザ光の出力パワーPPが増加するように、レーザ光のパラメータを設定する。
レーザ光の出力パワーPPを減少する場合、下記の(1)〜(3)の全部の制御、もしくは、いずれかの制御が実施されるようにパラメータの設定変更を行う。
(1)平均出力PAを下げる制御
(2)パルス幅wを広くする制御
(3)繰り返し周波数fを上げる制御
ここでは、(1)〜(3)の制御を行うことで、レーザ光の出力パワーPPを減少するものを示したが、レーザ光のビーム径又は広がり角を大きくすることで、単位面積当たりのパワーを下げるようにしてもよい。
また、送信光学系5は、設定変更後のパラメータにしたがってレーザ光のビーム径及び拡がり角を調整し、調整後のレーザ光(通信信号)を通信装置Aに向けて放射する(ステップST33)。
通信装置Bは、通信装置Aとの通信を継続する場合(ステップST34)、ステップST24の処理に戻り、ステップST24〜ST34の処理が繰り返される。
通信装置Aの受光器8は、通信装置Bからレーザ光(通信信号)が放射されて、受信光学系6が当該レーザ光(通信信号)を受光すると(ステップST6)、そのレーザ光を電気信号(受信信号)に変換する。
通信装置Aの増幅器9は、受光器8から電気信号である受信信号を受けると、その受信信号の信号レベルを所望のレベルまで増幅する。
通信装置Aの復調器10は、増幅器9による増幅後の受信信号を復調して、通信装置Bから放射されたレーザ光に重畳されている通信データを抽出し、その通信データを出力する(ステップST8)。
通信装置AのS/N演算回路12は、増幅器9から増幅後の受信信号を受けると、通信装置BのS/N演算回路12と同様に、その受信信号のピーク電圧を計測し、その計測結果にしたがって受信信号のSN比を算出する(ステップST10)。
通信装置Aのパラメータ設定回路14は、通信装置Bのパラメータ設定回路14と同様に、S/N比較回路13の比較結果にしたがってレーザ光のパラメータを設定することで、送信光学系5から放射されるレーザ光の放射状態を制御する(ステップST11〜ST13)。
なお、パラメータ設定回路14は、パラメータの設定回数がユーザにより指定された回数よりも多い場合、何らかの異常が発生している可能性があるため、アラームをユーザに発信する(ステップST14)。
以降、ステップST3の処理に戻り、ステップST3〜ST14の処理が繰り返される。
即ち、伝搬環境の状況に応じてリアルタイムに通信状態を最適化し、安定な双方向の通信を確保することが可能になる。また、SN比に応じて送信パワーを制御することで、低消費電力が可能になる。
上記実施の形態1では、通信装置Aと通信装置Bの双方が、受信信号のSN比を算出し、そのSN比にしたがって送信光学系5から放射されるビームの放射状態を制御するものを示したが、例えば、通信装置Aがビームの放射状態を制御する際に受信信号のSN比を算出すると、そのSN比を示すS/N情報(信号対雑音比情報)を通信データに含めるようにして、送信系1の光変調器3が、上記通信データが重畳されているレーザ光を変調することで、送信光学系5から当該レーザ光が通信装置Bに向けて放射されるようにしてもよい。
この場合、通信装置Bでは、受信信号のSN比を算出する処理を実施せず、パラメータ設定回路14が、復調器10により抽出された通信データに含まれているS/N情報を取得し、そのS/N情報が示すSN比にしたがって送信光学系5から放射されるビームの放射状態を制御するようにする。
この場合、通信装置Aでは、受信信号のSN比を算出する処理を実施せず、パラメータ設定回路14が、復調器10により抽出された通信データに含まれているS/N情報を取得し、そのS/N情報が示すSN比にしたがって送信光学系5から放射されるビームの放射状態を制御するようにする。
上記実施の形態1では、通信装置Aと通信装置Bの双方が、パラメータの設定変更を行うと、設定変更後のパラメータにしたがってビームの放射状態を制御するものを示したが、例えば、通信装置Aが、パラメータの設定変更を行うと、設定変更後のパラメータを示すパラメータ情報(ビーム放射状態情報)を通信データに含めるようにして、送信系1の光変調器3が、上記通信データが重畳されているレーザ光を変調することで、送信光学系5から当該レーザ光が通信装置Bに向けて放射されるようにしてもよい。
この場合、通信装置Bでは、受信信号のSN比を算出する処理や、そのSN比と閾値Thを比較する処理を実施せず、パラメータ設定回路14が、復調器10により抽出された通信データに含まれているパラメータ情報を取得し、そのパラメータ情報が示すパラメータにしたがって送信光学系5から放射されるビームの放射状態を制御するようにする。
この場合、通信装置Aでは、受信信号のSN比を算出する処理や、そのSN比と閾値Thを比較する処理を実施せず、パラメータ設定回路14が、復調器10により抽出された通信データに含まれているパラメータ情報を取得し、そのパラメータ情報が示すパラメータにしたがって送信光学系5から放射されるビームの放射状態を制御するようにする。
通信装置Aのパラメータ設定回路14aは例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、図1のパラメータ設定回路14と同様に、S/N比較回路13の比較結果にしたがってレーザ光のパラメータを設定することで、送信光学系5から放射されるレーザ光の放射状態を制御するほか、そのパラメータを示すパラメータ情報(ビーム放射状態情報)を通信データに含める処理を実施する。なお、パラメータ設定回路14aはビーム放射状態制御手段を構成している。
通信装置Aの光変調器3aは図1の光変調器3と同様に、外部から与えられたRF信号にしたがって光源2から出力されたレーザ光の強度を変調する処理を実施するが、このレーザ光に重畳されている通信データはパラメータ情報を含んでいる。
また、復調器10aはレーザ光に重畳されている通信データに含まれているパラメータ情報をパラメータ設定回路14bに出力する処理を実施する。なお、復調器10aは信号復調手段を構成している。
パラメータ設定回路14bは例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、復調器10aから出力されたパラメータ情報にしたがってレーザ光のパラメータを設定することで、送信光学系5から放射されるレーザ光の放射状態を制御する処理を実施する。
なお、パラメータ設定回路14bはビーム放射状態制御手段を構成している。
図10はこの発明の実施の形態3による通信装置Aの処理内容を示すフローチャートである。
また、図11はこの発明の実施の形態3による通信装置Bの処理内容を示すフローチャートである。
ここでは、上記実施の形態1と相違する処理内容だけを説明する。
ただし、通信装置Aのパラメータ設定回路14aは、S/N比較回路13の比較結果にしたがってレーザ光のパラメータを設定するほか、そのパラメータを示すパラメータ情報を通信データに含める処理を実施する。
通信装置Aの光変調器3aは、パラメータ設定回路14aによりパラメータ情報が含められた通信データが重畳されているレーザ光の強度を変調する。
これにより、通信装置Aの送信光学系5からパラメータ情報を含む通信データが重畳されているレーザ光が通信装置Bに向けて放射される(図10のステップST15)。
通信装置Bの復調器10aは、図1の復調器10と同様に、増幅器9による増幅後の受信信号を復調して、通信装置Aから放射されたレーザ光に重畳されている通信データを抽出し、その通信データを外部に出力する(図11のステップST27)。
また、復調器10aは、レーザ光に重畳されている通信データに含まれているパラメータ情報をパラメータ設定回路14bに出力する(ステップST35)。
通信装置Bのパラメータ設定回路14bは、復調器10aからパラメータ情報を受けると、そのパラメータ情報が示すパラメータを設定することで、送信光学系5から放射されるレーザ光の放射状態を制御する(ステップST31)。
上記実施の形態1〜3では、通信装置Aと通信装置Bが双方向通信を行う双方向通信システムについて説明したが、この実施の形態4では、通信装置Aから通信装置Bへ片方向通信を行う双方向通信システムについて説明する。
図12はこの発明の実施の形態4による片方向通信システムを示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
通信装置Aの受信光学系6aは受信レンズなどから構成されており、通信装置Aの送信光学系5から放射されたのち、通信装置Bに反射されて戻ってきたレーザ光を受光して、そのレーザ光を受光器8に集光する機能を備えている。なお、受信光学系6aはビーム受信手段を構成している。
通信装置Bの反射体21は例えばコーナーリフレクターなどから構成されており、通信装置Aから放射されたレーザ光を反射する機能を有している。
図13はこの発明の実施の形態4による通信装置Aの処理内容を示すフローチャートである。
また、図14はこの発明の実施の形態4による通信装置Bの処理内容を示すフローチャートである。
ユーザにより選択された所望のBERは、通信装置AのS/N演算回路12に設定される(図13のステップST1)。
通信装置AのS/N演算回路12は、所望のBERが設定されると、上記実施の形態1と同様に、そのBERに基づいて、SN比の閾値Thを決定する。
なお、式(2)に示すように、SN比の閾値から最大伝送容量Cを算出することが可能であるため、最大伝送容量Cをユーザに提示するようにしてもよい。
また、送信光学系5は、初期設定されているパラメータにしたがってレーザ光のビーム径及び拡がり角を調整し、調整後のレーザ光(通信信号)を通信装置Bに向けて放射する(ステップSTST4)。
なお、レーザ光の拡がり角の下限値として、必ず、反射体21を含む拡がり角が設定されているものとする。
通信装置Bの受光器8は、通信装置Aからレーザ光(通信信号)から放射されて、受信光学系6が当該レーザ光(通信信号)を受光すると(ステップST25)、そのレーザ光を電気信号(受信信号)に変換する。
通信装置Bの復調器10は、増幅器9による増幅後の受信信号を復調して、通信装置Bから放射されたレーザ光に重畳されている通信データを抽出し、その通信データを出力する(ステップST27)。
通信装置Bは、通信装置Aとの通信を継続する場合(ステップST34)、ステップST21の処理に戻り、ステップST21〜ST34の処理が繰り返される。
なお、通信装置Aから放射されたレーザ光(通信信号)の一部は、通信装置Bの反射体21に反射されて通信装置Aに戻る。
通信装置Aの受光器8は、レーザ光が通信装置Bに反射されて、受信光学系6aが当該レーザ光(通信信号)を受光すると(ステップST16)、そのレーザ光を電気信号(受信信号)に変換する。
通信装置Aの増幅器9は、受光器8から電気信号である受信信号を受けると、その受信信号の信号レベルを所望のレベルまで増幅する。
通信装置AのS/N演算回路12は、増幅器9から増幅後の受信信号を受けると、上記実施の形態1と同様に、その受信信号のピーク電圧を計測し、その計測結果にしたがって受信信号のSN比を算出する(ステップST10)。
ただし、通信装置Aが受信するレーザ光は、通信装置Bに反射されて戻ってきたレーザ光であるため、図15に示すように、伝搬距離が通信装置Bまでの距離の2倍になっており、減衰が大きくなっている。
このため、通信装置Aが受信するレーザ光の信号強度は、通信装置Bが受信するレーザ光の信号強度よりも低くなるため、通信装置Aで受信信号のSN比と閾値Thを比較する際には、通信装置Aが受信するレーザ光の信号強度を、通信装置Bが受信するレーザ光の信号強度相当に換算する必要がある。
式(5)において、VS’は通信装置Bにより受信される信号の電圧、Rは反射体21の反射率、P0は通信装置Aにおける送信光学系5での送信エネルギー、Vsは通信装置Aにより受信される反射光の電圧、Rrecは通信装置Aの受光器8のインピーダンスである。
通信装置AのS/N演算回路12は、信号電圧Vsの代わりに、信号電圧VS’を式(3)の代入することで、受信信号のSN比を算出する。
通信装置Aのパラメータ設定回路14は、上記実施の形態1と同様に、S/N比較回路13の比較結果にしたがってレーザ光のパラメータを設定することで、送信光学系5から放射されるレーザ光の放射状態を制御する(ステップST11〜ST13)。
なお、パラメータ設定回路14は、パラメータの設定回数がユーザにより指定された回数よりも多い場合、何らかの異常が発生している可能性があるため、アラームをユーザに発信する(ステップST14)。
以降、ステップST4の処理に戻り、ステップST4〜ST14の処理が繰り返される。
即ち、片方向通信の場合でも、伝搬環境の状況に応じてリアルタイムに通信状態を最適化し、安定な双方向の通信を確保することが可能になる。また、SN比に応じて送信パワーを制御することで、低消費電力が可能になる。
図16はこの発明の実施の形態5による片方向通信システムを示す構成図であり、図において、図12と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
通信装置AのBER演算回路22は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、送信光学系5から放射されるレーザ光に重畳されている通信データと、復調器10により抽出された通信データとを用いて、受信信号のBER(ビットエラーレート)を算出する処理を実施する。なお、BER演算回路22はビットエラーレート算出手段を構成している。
通信装置AのS/N演算回路12aは例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、BER演算回路22により算出されたBERから受信信号のSN比を算出する処理を実施する。なお、S/N演算回路12aは信号対雑音比算出手段を構成している。
具体的には、以下の通りである。
BER演算回路22は、その送信データと受信データを比較してエラービット数を計数し、その送信データのビット数で当該エラービット数を除算することで、BERを算出する。
S/N演算回路12aは、BER演算回路22がBERを算出すると、そのBERを上記の式(1)に代入することで、受信信号のSN比を算出する。
BER演算回路22及びS/N演算回路12a以外は、上記実施の形態1〜4と同様であるため説明を省略する。
この実施の形態6では、上記実施の形態1〜5の通信装置がイメージング機能を有している場合について説明する。
図17はこの発明の実施の形態6による通信装置を示す構成図であり、図17において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
光源制御回路31は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、信号処理回路11又はシステム制御部33の指示の下、送信系1における光源2の平均出力、パルス繰り返し周波数やパルス幅などを制御する処理を実施する。
受信系32は図1の受光器8及び増幅器9などから構成されており、増幅器9により増幅された受信信号を信号処理回路11及びシステム制御部33に出力する処理を実施する。また、受信系32はゲート開閉時間制御を実施する。
また、システム制御部33はユーザの指示の下で、送受信光学系4の視野角及び指向方向を制御する信号や、光源2の平均出力、パルス繰り返し周波数やパルス幅などを設定する信号を出力する処理を実施する。また、ユーザの指示の下で、通信データを生成する処理を実施する。
イメージング用受信回路35は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、送受信光学系4からレーザ光が放射されてから、送受信光学系4によりレーザ光が受信されるまでの時間とピーク強度を計測し、その計測結果から通信相手の通信装置(例えば、飛行機に実装されている通信装置)に関する距離画像及び強度画像を生成する処理を実施する。
また、イメージング用受信回路35は距離画像及び強度画像から伝搬空間におけるレーザ光の減衰係数を算出する処理を実施する。
イメージング用受信回路35は1送信パルスに対して、複数の受信パルスの計測が可能であるものとする。
なお、イメージング用受信回路35は画像生成手段及び減衰係数算出手段を構成している。
図19はこの発明の実施の形態6による通信装置の処理内容を示すフローチャートである。
画像処理回路41は例えばGPU(Graphics Processing Unit)などから構成されており、イメージング用受信回路35により生成された距離画像及び強度画像に含まれているユーザ指定の物体(例えば、通信相手の通信装置における通信ポート)を特定するとともに、不要エコーを特定する処理を実施する。
パラメータ設定回路42は図1のS/N比較回路13などを内蔵しており、画像処理回路41により特定された通信ポートの大きさ及びS/N演算回路12により算出されたSN比に基づいて、レーザ光のパラメータを設定することで、送受信光学系4により放射されるレーザ光の放射状態を制御する処理を実施する。
また、パラメータ設定回路42はイメージング用受信回路35により算出された伝搬空間におけるレーザ光の減衰係数に基づいて、受信系32内の増幅器9の増幅度を制御する処理を実施する。
なお、画像処理回路41及びパラメータ設定回路42からビーム放射状態制御手段が構成されている。
まず、通信装置の動作モードとして、通信モードあるいはイメージングモードがシステム制御部33に設定される(ステップST51)。
この設定は、ユーザの指示で行ってもよいし、図17の通信装置を搭載しているシステムの指示で行ってもよい。
システム制御部33は、通信モードが設定された場合(ステップST52)、通信用受信回路34及びイメージング用受信回路35の動作を開始させる(ステップST53)。
光源制御回路31は、システム制御部33から繰り返し周期一定のパルスレーザ光の出力指令を受けると、繰り返し周期一定のパルス信号を生成し、そのパルス信号を送信系1に出力する。
送信系1は、光源制御回路31から繰り返し周期一定のパルス信号を受けると、そのパルス信号に基づいてパルスレーザ光を出力する。
送受信光学系4は、調整後のパルスレーザ光を空間に放射するが、そのパルスレーザ光の一部を分岐してイメージング用受信回路35に出力する。
また、送受信光学系4は、空間に放射したパルスレーザ光が通信相手の通信装置に反射されて戻ってくると、そのパルスレーザ光を受光して受信系32内の受光器8に集光させる。
このとき、受信信号における信号レベルの増幅は、伝搬空間の減衰係数に合わせて、時間的に増幅度が変化するゲインカーブを有する増幅器を用いることで、伝搬空間によるレーザエネルギー損失分を回復して信号処理を行うことが可能になる。増幅度を変化させるトリガ信号は、送受信光学系4で分岐されたレーザ光の一部を用いてもよい。
イメージング用受信回路35は、反射光の到来時間とピーク強度を計測すると、その計測結果から通信相手の通信装置(例えば、飛行機に実装されている通信装置)に関する距離画像及び強度画像を生成して、その距離画像及び強度画像を信号処理回路11に出力する。また、その距離画像及び強度画像をデータ表示装置36に表示する。
反射光の到来時間とピーク強度の計測結果から距離画像及び強度画像を生成する処理自体は公知の技術であるため詳細な説明は省略する。
ここでは、イメージング用受信回路35が距離画像及び強度画像を生成している例を示しているが、イメージング用受信回路35が1フレーム分の計測結果が得られた時点で、その計測結果をデータ表示装置36に出力し、データ表示装置36が当該計測結果から距離画像及び強度画像を生成するようにしてもよい。
式(6)において、Vは受信電圧、tは飛行時間、cは光速であり、各添え字は受信信号1,2を表している。
例えば、通信装置の通信ポートにマーカとなる反射体が存在する場合、その反射体の大きさが既知であれば、強度画像内で所定の閾値(ユーザにより設定された閾値)より高い強度の画素群を抽出して、その画素群と対応する距離画像内の画素群の3次元寸法を算出し、その3次元寸法が反射体の大きさと同等であれば、その画素群に係る物体を反射体と判定する。なお、通信相手の通信装置が保有する反射体は、浮遊する散乱体より十分大きいものを使用しているものとする。
一方、通信装置の通信ポートにマーカとなる反射体が存在しない場合、通信ポートの周辺を広範囲にスキャンし、通信可能状態を示す通信装置から放射されたレーザ光を受信できるまで待機し、強度画像内に高輝度のパターンが出現した箇所を通信ポートと判定するようにする。ユーザが設定した時間以上経過しても受信できない場合は、ユーザへ受信できないことを示す警告を提示する。
例えば、強度画像内で所定の閾値より高い強度の画素群を抽出し、その画素群と対応する距離画像内の画素群の3次元寸法を算出し、その3次元寸法が所定寸法(ユーザにより設定された寸法)より小さければ、その画素群は浮遊体による不要エコーであると判定する。
また、パラメータ設定回路42は、受信系32内の増幅器9の増幅度が、イメージング用受信回路35により算出された伝搬空間におけるレーザ光の減衰係数αと同等になるように、増幅器9の増幅度を制御する(ステップST57)。
また、パラメータ設定回路42は、画像処理回路41により不要エコーが特定された場合、その不要エコーの寸法や不要エコーまでの距離に基づいて、ビーム拡がり角の調整、あるいは、その不要エコーの画素位置における受信系32のゲート時間遅延量の調整を行う(ステップST57)。
光源制御回路31は、システム制御部33から通信データを受けると、その通信データにしたがって送信系1における光源2の平均出力、パルス繰り返し周波数やパルス幅などを制御する。
これにより、送信系1により生成されたパルスレーザ光(通信データが重畳されているパルスレーザ光)が送受信光学系4から通信相手の通信装置に向けて放射される(ステップST58)。
システム制御部33は、ユーザにより設定された待機時間が経過しても、パルスレーザ光が受信されない場合には、警告をユーザに提示する。
受信系32は、送受信光学系4がパルスレーザ光を受信すると(ステップST60)、その受信信号を分岐して、一方の受信信号を信号処理回路11に出力し、他方の受信信号をシステム制御部33を介して通信用受信回路34に出力する。
通信用受信回路34は、システム制御部33から受信信号を受けると、その受信信号を復調して通信データを抽出し、その通信データをデータ表示装置36に表示する。
信号処理回路11のパラメータ設定回路42内のS/N比較回路13は、S/N演算回路12がSN比を算出すると、上記実施の形態1〜5と同様に、そのSN比と閾値Thを比較する。
信号処理回路11のパラメータ設定回路42は、上記実施の形態1〜5と同様に、そのSN比と閾値Thの比較結果に基づいて、レーザ光のパラメータを設定することで、送受信光学系4により放射されるレーザ光の放射状態を制御する(ステップST61)。
他の通信装置との通信を継続する場合(ステップST62)、ステップST57の処理に戻り、ステップST57〜ST62の処理が繰り返される。
システム制御部33は、イメージング動作を開始するため、繰り返し周期一定のパルスレーザ光の出力指令を光源制御回路31に出力する(ステップST64)。
光源制御回路31は、システム制御部33から繰り返し周期一定のパルスレーザ光の出力指令を受けると、通信モードの場合と同様に、繰り返し周期一定のパルス信号を生成し、そのパルス信号を送信系1に出力する。
送信系1は、光源制御回路31から繰り返し周期一定のパルス信号を受けると、そのパルス信号に基づいてパルスレーザ光を出力する。
送受信光学系4は、調整後のパルスレーザ光を空間に放射するが、そのパルスレーザ光の一部を分岐してイメージング用受信回路35に出力する。
また、送受信光学系4は、空間に放射したパルスレーザ光が通信相手の通信装置に反射されて戻ってくると、そのパルスレーザ光を受光して受信系32内の受光器8に集光させる。
このとき、受信信号における信号レベルの増幅は、伝搬空間の減衰係数に合わせて、時間的に増幅度が変化するゲインカーブを有する増幅器を用いることで、伝搬空間によるレーザエネルギー損失分を回復して信号処理を行うことが可能になる。増幅度を変化させるトリガ信号は、送受信光学系4で分岐されたレーザ光の一部を用いてもよい。
イメージング用受信回路35は、反射光の到来時間とピーク強度を計測すると、通信モードの場合と同様に、その計測結果から通信相手の通信装置に関する距離画像及び強度画像を生成して、その距離画像及び強度画像を信号処理回路11に出力する。また、その距離画像及び強度画像をデータ表示装置36に表示する。
ここでは、イメージング用受信回路35が距離画像及び強度画像を生成している例を示しているが、イメージング用受信回路35が1フレーム分の計測結果が得られた時点で、その計測結果をデータ表示装置36に出力し、データ表示装置36が当該計測結果から距離画像及び強度画像を生成するようにしてもよい。
また、パラメータ設定回路42は、受信系32内の増幅器9の増幅度が、イメージング用受信回路35により算出された伝搬空間におけるレーザ光の減衰係数αと同等になるように、増幅器9の増幅度を制御する(ステップST67)。
また、パラメータ設定回路42は、画像処理回路41により不要エコーが特定された場合、その不要エコーの寸法や不要エコーまでの距離に基づいて、ビーム拡がり角の調整、あるいは、その不要エコーの画素位置における受信系32のゲート時間遅延量の調整を行う(ステップST67)。
イメージングモードを継続する場合(ステップST68)、ステップST64の処理に戻り、ステップST64〜ST68の処理が繰り返される。
上記実施の形態1では、通信装置Aと通信装置Bが双方向通信を行う双方向通信システムについて説明したが、この実施の形態7では、ステーションに搭載されている通信装置と、複数台のビークルに搭載されている通信装置とが通信を行うことで、1台のステーションが複数台のビークルを整列させる場合について説明する。
送信系1は、上記実施の形態1〜6と同様に、光源2と光変調器3から構成されているが、通信相手のビークルの数と同等数の光源を備えている。図20の例では、通信相手のビークルの数がN台(Nは1以上の整数)であるため、通信用レーザ光源(1)〜(N)として、N個の光源を備えている。図20におけるステーションの通信装置には搭載されていないが、送信光学系5が設置されていてもよい。
送受信光学系4の受信光学系6は、ステーションの前方に存在しているN台のビークルと通信できるようにするため、例えば、広角レンズなどの視野角が広いレンズを使用している。
受信系32の受光器8は、N台のビークルと通信できるようにするため、2次元アレイ素子からなる光検出器を用いている。
信号処理回路50はS/N演算回路12、パラメータ設定回路42、ビークル現状位置座標算出部51及びビークル移動先座標算出部52から構成されている。
ビークル現状位置座標算出部51は受信系32がビークル(1)〜(N)に搭載されている通信装置から放射されたレーザ光を受信すると、そのレーザ光に重畳されている通信データに含まれている距離情報からステーションとビークル(1)〜(N)間の距離Lsbを特定するとともに、受信系32を構成している2次元アレイ素子の結像位置から、ステーションから見てビークル(1)〜(N)が存在している方向θ,φを特定し、その距離Lsbと方向θ,φから、ビークル(1)〜(N)が存在している位置の座標(x1,y1,z1)を算出する処理を実施する。なお、ビークル現状位置座標算出部51は位置座標算出手段を構成している。
図21には図示していないが、図17に示すようなイメージング用受信回路35がステーションの通信装置に搭載されていてもよい。
この実施の形態7では、1台のステーションがN台のビークルを等間隔に整列させる例を説明するが、ビークルの台数が許容数(ステーションの通信エリア内(図20に示す移動領域内)に存在可能なビークルの上限数)より多い場合、その許容数を上回る分のビークルについては、別途、予め設定されている通信待機領域に移動させるものとする。
この実施の形態7では、信号処理回路50がビークル現状位置座標算出部51とビークル移動先座標算出部52を備えている点で、上記実施の形態6と相違しているので、ここでは、主にビークル現状位置座標算出部51とビークル移動先座標算出部52の処理内容を説明する。
図23はビークル移動先座標算出部52により算出されるビークルの移動先の位置座標を示す説明図である。
図24はステーションとビークル間の位置関係を示す説明図である。
図25及び図26はこの発明の実施の形態7によるステーションの通信装置の処理内容を示すフローチャートであり、図27はこの発明の実施の形態7によるビークルの通信装置の処理内容を示すフローチャートである。
即ち、通信相手の通信装置は、送信系1が距離計測用のレーザ光をステーションに向けて照射する(図27のステップST131)。
通信相手の通信装置の信号処理回路11は、送信系1がレーザ光を放射したのち、受信系32が、ステーションに反射されて戻ってきた前記レーザ光の反射光を受信すると、送信系1からレーザ光が放射された時刻と、受信系32により反射光が受信された時刻との時間差から、自己が搭載されているビークルとステーション間の距離Lsbを計測する(ステップST132)。
ここで、光速をc、レーザ光の放射時刻と受信時刻の時刻差がτであるとすると、下記の式(7)に示すように、ステーションとビークル間の距離Lsbを算出することができる。
また、ステーションに搭載されている通信装置は、送信系1が距離情報を含む通信データの送信が完了した旨を示す情報が重畳されているレーザ光を当該ビークルに向けて照射する(ステップST104)。
このとき、ステーションに搭載されている通信装置から送信が完了した旨を示す情報が重畳されているレーザ光を受信できない場合には、レーザ光の拡がり角の拡大や、レーザ光の出力パワーを高くするなどの調整を行う(ステップST135)。
また、ビークル現状位置座標算出部51は、受信系32を構成している2次元アレイ素子の各画素値を参照して、2次元アレイ素子の結像位置を特定し、図22に示すように、2次元アレイ素子の結像位置からN台のビークル(1)〜(N)が存在している方向θ,φを特定する(ステップST106)。
2次元アレイ素子の結像位置を特定する際、2次元アレイ素子の各画素値をガウスフィットさせてから結像位置を特定してもよいし、各画素値の重心を演算してから結像位置を特定するようにしてもよい。
また、ビークル移動先座標算出部52は、ビークルの許容数を算出するために、図24に示すように、各々のビークル間の距離Lbと、ステーションとビークル間の距離Lsbと、各ビークルの横幅Hとから定まるステーションとビークル直線間のなす角(光軸間角度θaxs,φaxs)を算出する。
受信視野角θfov,φfovは、焦点距離をf、全画素サイズをpとすると、下記の式(14)(15)のように表すことができる。
なお、方位分解能は画素ピッチに依存する。
ここでは、上記のようにしてビークルの許容数Nallを算出しているが、ユーザがビークルの許容数Nallを設定するようにしてもよい。
ビークル移動先座標算出部52は、現在存在しているビークルの数Nが許容数Nall以下であれば(Nall≧N)、下記に示すように、現在存在しているビークルの移動先を示す座標(x2,y2,z2)を算出する。
一方、現在存在しているビークルの数Nが許容数Nallを上回っている場合(Nall<N)、許容数分のビークルについては、ビークルの移動先を示す座標(x2,y2,z2)を算出するが、許容数Nallを上回る分のビークル(現在存在しているビークルの数N−許容数分のビークル)については、移動先を示す座標として、例えば、図20に示すようなビークルの通信待機領域を示す座標を算出する。
まず、ビークル移動先座標算出部52は、各ビークルが確保すべき安全距離Lsafeと光軸間角度θaxsから、下記の式(16)に示すように、ビークル(1)〜(N)に対して接近可能な距離である最小接近距離Llineを算出する(ステップST111)。
ここで、安全距離Lsafeは、5〜10m程度の距離であり、ユーザにより予め設定される。なお、潮流によって安全距離Lsafeが変更されるようにしてもよい。
まず、ビークル移動先座標算出部52は、許容数分のビークル(Nall個のビークル)については、現在存在しているビークルの数Nが許容数Nall以下である場合と同様に、ビークルの移動先を示す座標(x2,y2,z2)を算出する(ステップST113)。
なお、許容数Nallを上回る分のビークルが複数台存在する場合、それらのビークル同士で衝突することがなく、また、通信の妨害にならない位置の座標を算出する。
即ち、パラメータ設定回路42は、レーザ光の出射端のビーム径、ビークルとステーション間の距離、ビームの拡がり角から、ステーションにおけるビーム径を算出し、隣接するビークルにレーザ光が入射されないように、ビークルとステーションの距離や、送信レンズの位置を調整することで、拡がり角を調整する。
これにより、パラメータ設定回路42により調整された拡がり角で、送信系1により生成されたパルスレーザ光(通信データが重畳されているパルスレーザ光)が送受信光学系4からビークル(1)〜(N)に搭載されている通信装置に向けて放射される。
ビークルの駆動制御系(図示せず)は、通信装置から出力された差分座標(x1−x2,y1−y2,z1−z2)にしたがってビークルを移動する(ステップST139)。
このとき、ステーションに搭載されている通信装置から放射されたレーザ光を受信できない場合には、レーザ光の拡がり角の拡大や、レーザ光の出力パワーを高くするなどの調整を行う(ステップST140)。
この場合、ビークル(1)〜(N)に搭載されている通信装置は、ステーションの通信装置から放射されたレーザ光を受信すると、そのレーザ光に重畳されている通信データから差分座標(x1−x2,y1−y2,z1−z2)を取得して、その差分座標(x1−x2,y1−y2,z1−z2)をビークルの駆動制御系(図示せず)に出力する。
図28はこの発明の実施の形態8による通信システムを示す構成図であり、図28において、図20と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
送信系1と受信系32は、例えば、光サーキュレータを使用しており、通信するビークルの数と同等数の光源を設置している。送信系1は光ファイバを介してレーザ光を出射し、目標対象物からの反射光を受信系32で受信する。
即ち、上記実施の形態7では、ビークル現状位置座標算出部51が、受信系32を構成している2次元アレイ素子の各画素値を参照して、2次元アレイ素子の結像位置を特定し、2次元アレイ素子の結像位置からビークル(1)〜(N)が存在している方向θ,φを特定するようにしているが、この実施の形態8では、複数の光ファイバの中で、ビークル(1)〜(N)に搭載されている通信装置から放射されているレーザ光を受光している光ファイバを特定し、レーザ光を受光している光ファイバの位置からビークル(1)〜(N)が存在している方向θ,φを特定するようにしている。
なお、複数の光ファイバは、ボールレンズを通して、所定の光軸で集光できるので、ビークルから放射されたレーザ光に重畳されている通信データの受信に成功すれば、ステーションからの応答として、ステーション固有のレーザ波長のレーザ光をビークルに向けて放射する。
この実施の形態8によれば、ステーションの通信装置が送受同軸の構成であるため、複数のビークルが存在する場合でも、光のクロストークを抑制した通信が可能になる。
図6はユーザにより設定されるSN比の計測時間(領域C)において、受信信号のSN比が一時的に低下することで、一旦、閾値Thより低くなってから閾値Thより高くなっている状況を示している。この状況は、何等かの物体がレーザ光の伝搬経路上を横切っていると考えられる。
図7はユーザにより設定されるSN比の計測時間(領域E)において、定常的に受信信号のSN比が閾値Thより高い状況を示している。この状況は、通信品質上、問題ないが、送信系1の消費電力が必要以上に大きくなっている可能性がある。
図8はS/N比較回路13の比較結果に対応する状況とパラメータの設定内容との関係を示す説明図である。
Claims (16)
- ビームを通信相手の通信装置に向けて照射するビーム送信手段と、
前記通信相手の通信装置から到来してくるビームを受信するビーム受信手段と、
前記ビーム受信手段の受信信号を復調して、前記ビームに重畳されている通信データを抽出する信号復調手段と、
前記ビーム受信手段の受信信号の信号対雑音比を算出する信号対雑音比算出手段と、
前記信号対雑音比算出手段により算出された信号対雑音比にしたがって前記ビーム送信手段から放射されるビームの放射状態を制御するビーム放射状態制御手段と
を備えた通信装置。 - 前記ビーム受信手段は、前記通信相手の通信装置に搭載されているビーム送信手段から放射されたビームを受信することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
- 前記ビーム受信手段は、前記ビーム送信手段から放射されたのち、前記通信相手の通信装置に反射されて戻ってきたビームを受信することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
- 前記ビーム放射状態制御手段は、
前記信号対雑音比算出手段により算出された信号対雑音比が予め設定されている閾値より一旦低くなってから前記閾値より高くなる状況が発生する場合、前記ビーム送信手段から放射されるビームのビーム径又は広がり角を大きくすることを特徴とする請求項1記載の通信装置。 - 前記ビーム放射状態制御手段は、
前記信号対雑音比算出手段により算出された信号対雑音比が前記閾値より低い状況が連続している場合、前記ビーム送信手段から放射されるビームの平均出力を上げる制御、前記ビームのパルス幅を狭める制御及び前記ビームのパルス繰り返し周波数を下げる制御のうち、いずれか1つ以上の制御を実施し、
前記信号対雑音比が前記閾値より高い状況が連続しており、かつ、前記ビーム送信手段の消費電力値が予め設定されている許容値より高い場合、前記ビーム送信手段から放射されるビームの平均出力を下げる制御、前記ビームのパルス幅を広げる制御及び前記ビームのパルス繰り返し周波数を上げる制御のうち、いずれか1つ以上の制御を実施することを特徴とする請求項4記載の通信装置。 - 前記ビーム送信手段は、前記信号対雑音比算出手段により算出された信号対雑音比を示す信号対雑音比情報を通信データに含めて、前記通信データが重畳されているビームを前記通信相手の通信装置に向けて照射することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
- 前記ビーム放射状態制御手段は、前記信号復調手段により抽出された通信データに含まれている信号対雑音比情報が示す信号対雑音比にしたがって、前記ビーム送信手段から放射されるビームの放射状態を制御することを特徴とする請求項6記載の通信装置。
- 前記ビーム送信手段は、前記ビーム放射状態制御手段により制御されたビームの放射状態を示すビーム放射状態情報を通信データに含めて、前記通信データが重畳されているビームを前記通信相手の通信装置に向けて照射することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
- 前記ビーム放射状態制御手段は、前記信号復調手段により抽出された通信データに含まれているビーム放射状態情報にしたがって、前記ビーム送信手段から放射されるビームの放射状態を制御することを特徴とする請求項8記載の通信装置。
- 前記ビーム受信手段の受信信号のビットエラーレートを算出するビットエラーレート算出手段を備え、
前記信号対雑音比算出手段は、前記ビットエラーレート算出手段により算出されたビットエラーレートから前記受信信号の信号対雑音比を算出することを特徴とする請求項1記載の通信装置。 - 前記ビーム送信手段からビームが放射されてから、前記ビーム受信手段によりビームが受信されるまでの時間と前記ビームの強度を計測し、その計測結果から前記通信相手の通信装置に関する画像を生成する画像生成手段を備え、
前記ビーム放射状態制御手段は、前記画像生成手段により生成された画像から前記通信相手の通信装置における通信ポートを特定し、前記通信ポートの大きさに基づいて前記ビーム送信手段により放射されるビームのビーム径又は広がり角を制御することを特徴とする請求項1記載の通信装置。 - 前記ビーム受信手段の受信信号から伝搬空間におけるビームの減衰係数を算出する減衰係数算出手段を備え、
前記ビーム放射状態制御手段は、前記減衰係数算出手段により算出された減衰係数に基づいて前記ビーム受信手段の受信信号を増幅する増幅器の増幅度を制御することを特徴とする請求項1記載の通信装置。 - 自通信装置がステーションに搭載され、前記通信相手の通信装置が複数のビークルに搭載されており、
前記複数のビークルに搭載されている通信相手の通信装置が、自己が搭載されているビークルと前記ステーション間の距離を計測して、前記距離を示す距離情報を含む通信データが重畳されているビームを前記ステーションに向けて照射する場合において、
前記自通信装置の信号復調手段により抽出された通信データに含まれている距離情報から前記ステーションと前記複数のビークル間の距離を特定するとともに、前記自通信装置のビーム受信手段の受信信号から、前記ステーションから見て前記複数のビークルが存在している方向を特定し、前記ステーションと前記複数のビークル間の距離及び前記複数のビークルが存在している方向から、前記複数のビークルが存在している位置の座標を算出する位置座標算出手段と、
前記複数のビークルの間で確保すべき安全距離と前記複数のビークル間の光軸間角度から、前記ステーションと前記複数のビークルの間で接近可能な距離を算出し、前記接近可能な距離と、前記複数のビークルを等間隔に整列させる場合の前記複数のビークルが存在する方向とから、前記複数のビークルの移動先を示す座標を算出する移動先座標算出手段とを備え、
前記自通信装置のビーム送信手段は、前記位置座標算出手段により算出された複数のビークルが存在している位置の座標と、前記移動先座標算出手段により算出された複数のビークルの移動先を示す座標とを通信データに含めて、前記通信データが重畳されているビームを前記複数のビークルに搭載されている通信相手の通信装置に向けて照射することを特徴とする請求項1記載の通信装置。 - 前記移動先座標算出手段は、前記通信相手の通信装置を搭載しているビークルの個数が許容数より多い場合、前記許容数を上回る分のビークルに対する移動先を示す座標として、予め設定されている通信待機領域を示す座標を算出することを特徴とする請求項13記載の通信装置。
- 自通信装置がステーションに搭載され、前記通信相手の通信装置が複数のビークルに搭載されており、
前記複数のビークルに搭載されている通信相手の通信装置が、自己が搭載されているビークルと前記ステーション間の距離を計測して、前記距離を示す距離情報を含む通信データが重畳されているビームを前記ステーションに向けて照射する場合において、
前記自通信装置の信号復調手段により抽出された通信データに含まれている距離情報から前記ステーションと前記複数のビークル間の距離を特定するとともに、前記自通信装置のビーム受信手段の受信信号から、前記ステーションから見て前記複数のビークルが存在している方向を特定し、前記ステーションと前記複数のビークル間の距離及び前記複数のビークルが存在している方向から、前記複数のビークルが存在している位置の座標を算出する位置座標算出手段と、
前記複数のビークルの間で確保すべき安全距離と前記複数のビークル間の光軸間角度から、前記ステーションと前記複数のビークルの間で接近可能な距離を算出し、前記接近可能な距離と、前記複数のビークルを等間隔に整列させる場合の前記複数のビークルが存在する方向とから、前記複数のビークルの移動先を示す座標を算出する移動先座標算出手段と、
前記位置座標算出手段により算出された複数のビークルが存在している位置の座標と、前記移動先座標算出手段により算出された複数のビークルの移動先を示す座標との差分の座標を算出する差分座標算出手段とを備え、
前記自通信装置のビーム送信手段は、前記差分座標算出手段により算出された差分の座標を通信データに含めて、前記通信データが重畳されているビームを前記複数のビークルに搭載されている通信相手の通信装置に向けて照射することを特徴とする請求項1記載の通信装置。 - 前記移動先座標算出手段は、前記通信相手の通信装置を搭載しているビークルの個数が許容数より多い場合、前記許容数を上回る分のビークルに対する移動先を示す座標として、予め設定されている通信待機領域を示す座標を算出することを特徴とする請求項15記載の通信装置。
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