JPWO2014167697A1 - 熱電変換素子 - Google Patents

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Abstract

熱電変換素子は、基板と、前記基板上に形成され、SrとTiを含み第1のバンドギャップを有する第1のペロブスカイト型誘電体膜とSrとTiを含み、前記第1のバンドギャップよりも小さな第2のバンドギャップを有する第2のペロブスカイト型誘電体膜とを交互に積層した積層体と、前記積層体の下端に電気的に接続されて形成された第1の電極と、前記積層体の上端に電気的に接続されて形成された第2の電極と、を備え、前記第1および第2のペロブスカイト型誘電体膜はいずれもドープされて導電性を有し、前記第1および第2のペロブスカイト型誘電体膜は、それぞれの伝導帯の間に最大で0.54eVのバンドオフセットを生じる組成を有し、前記積層体の上端が第1の温度に曝され前記積層体の下端が第2の温度に曝されることにより、前記積層体の前記上端と下端の間に起電力を生じる。

Description

以下に説明する実施形態は熱電変換素子に関する。
現在、工場や発電所、さらには自動車などの輸送機関やコンピュータなどの情報処理装置においては、エネルギは消費された後、環境中に、廃熱の形で放出されている。そこで、このような廃熱を回収してこれをエネルギに変換できる熱変換素子が注目されている。
ゼーベック効果を使った熱電変換素子は、従来の熱電変換システムのような作動流体や複雑な駆動機構を必要とせず、様々なシステムからの廃熱を回収して電力に変換することができる。
特にチタン酸ストロンチウム(SrTiO)は、従来強誘電体素子への応用の面から研究されて来たが、従来の熱電変換素子のように有毒でかつ埋蔵量の少ないテルルやビスマスなどの材料を含んでおらず、また潜在的にS2σで定義されるパワーファクタ(PF=S2σ)で30〜40μW/cm・K2の比較的大きな値を実現できることから、熱電変換素子の材料としても有望である。ただしSはゼーベック係数、σは熱電変換素子の電気伝導度である。パワーファクタPFは、S2qnμでも表すことができ(PF=S2σ=S2qnμ)、ここでnは単位体積当たりのキャリア密度、qはキャリア電荷、μはキャリアの移動度である。パワーファクタPFは、温度差当たり熱電変換素子から取り出し可能な電力に対応している。
Zide, J. M., et al. Phys. Rev. B74, 205335 (2006) pp205335-1-205335-5 Kim, R., et al., J. Appl. Phys. 105, 034506 (2009)
このようにSrTiOの系では、パワーファクタPFは潜在的に35μW/cmK〜40μW/cmKの値に達するが、熱伝導率κがバルク結晶の場合で11W/mKと大きな値を有しているため、
ZT=PF・T/κ (式1)
で与えられる性能指数ZTの値が限られてしまう。ただし式1においてTは絶対温度、PFはSrTiOのパワーファクタ、κはSrTiOの熱伝導率である。
このようなSrTiOよりなる熱電変換素子において大きな性能指数ZTを得るためには、前記パワーファクタPFの項が先にも述べたように
PF=Sσ (式2)
で与えられることから、ゼーベック係数Sの値および電気伝導度σを増大させるのが効果的である。
特に熱電変換素子が室温、あるいは室温以上の温度で使われるものである場合、ゼーベック係数Sおよび電気伝導度σの値を、室温あるいは室温以上の熱電変換素子の動作温度において増大させるのが望ましい。
第1の側面によれば熱電変換素子は、SrとTiを含み、n型にドープされて導電性を有するペロブスカイト型誘電体基板と、前記ペロブスカイト型誘電体基板の上面に形成され、SrとTiを含みn型にドープされて導電性を有し、前記ペロブスカイト型誘電体基板の伝導帯よりも高いエネルギレベルに伝導帯を有する第1のペロブスカイト型誘電体膜を少なくとも含むエネルギフィルタと、前記ペロブスカイト型誘電体基板の下面に電気的に接続されて形成された第1の電極と、前記エネルギフィルタの上面に電気的に接続されて形成された第2の電極と、を備え、前記ペロブスカイト型誘電体基板と前記エネルギフィルタとは0.25mmを超えない厚さのペロブスカイト積層体を構成し、前記エネルギフィルタの上面が第1の温度に曝され前記ペロブスカイト型誘電体基板の下面が第2の温度に曝されることにより、前記第1の電極と前記第2の電極の間に電圧を生じる。
第2の側面によれば熱電変換素子の製造方法は、SrとTiを含み、n型にドープされて導電性を有するペロブスカイト型誘電体基板と、前記ペロブスカイト型誘電体基板の上面に形成され、SrとTiを含みn型にドープされて導電性を有し、前記ペロブスカイト型誘電体基板の伝導帯よりも高いエネルギレベルに伝導帯を有する第1のペロブスカイト型誘電体膜を少なくとも含むエネルギフィルタとよりなる構造体を、支持基体中に、前記構造体中におけるペロブスカイト型誘電体基板の底面が前記支持基体の底面に対応する向きで埋設する工程と、前記支持基体の底面を、前記構造体ごと研磨することにより、前記ペロブスカイト型誘電体基板の底面を化学機械研磨し、前記ペロブスカイト型誘電体基板と前記エネルギフィルタとよりなるペロブスカイト積層体の厚さを、0.25mmを超えない厚さまで減少させる工程と、を含む。
本実施形態の熱電変換素子によれば、ペロブスカイト積層体の厚さを制限することにより、エネルギフィルタリングを受けたキャリアの、エネルギが緩和する長さスケールについてのバリスティック伝導あるいは準バリスティック伝導が促進され、室温においてもゼーベック係数Sおよびキャリア移動度μが大きく増大し、その結果大きなパワーファクタPFおよび性能指数ZTを実現することが可能となる。
第1の実施形態による熱電変換素子の構成を示す断面図である。 図1の熱電変換素子におけるキャリアのバリスティック伝導を示すバンド構造図である。 図1の熱電変換素子におけるバンドオフセット量ΔΦとゼーベック係数Sの関係を様々なドープ濃度について示すグラフである。 図1の熱電変換素子におけるバンドオフセット量ΔΦと電気伝導度σの関係を様々なドープ濃度について示すグラフである。 SrZrTiO結晶中におけるZr組成とバンドオフセット量ΔΦとの関係を示すグラフである。 SrTiO3バルク単結晶中における温度とキャリア移動度との関係を示すグラフである。 比較例による熱電変換素子でのキャリアの伝導を示すバンド構造図である。 図1の熱電変換素子中に形成される温度差を示すグラフである。 図1の熱電変換素子においてペロブスカイト積層体の最適な厚さを求めるグラフである。 図1の熱電変換素子の製造において使われるスパッタ装置の概略的構造を示す断面図である。 図1の熱電変換素子におけるエネルギフィルタの作製を示すフローチャートである。 図1の熱電変換素子の製造プロセスを説明する工程断面図(その1)である。 図1の熱電変換素子の製造プロセスを説明する工程断面図(その2)である。 図1の熱電変換素子の製造プロセスを説明する工程断面図(その3)である。 図1の熱電変換素子の製造プロセスを説明する工程断面図(その4)である。 図1の熱電変換素子の製造プロセスを説明する工程断面図(その5)である。 図1の熱電変換素子の製造プロセスを説明する工程断面図(その6)である。 一変形例による熱電変換素子を示す断面図である。 他の変形例による熱電変換素子を示す断面図である。
10 スパッタ装置
11 真空容器
11A 排気ポート
11B プラズマガス導入ポート
12 ターゲット
12A ターゲット保持台
12B 高周波電源
12D ドーパント金属片
13 被処理基板
13A 基板保持台
20 熱電変換素子
21 SrTiO基板
22 エネルギフィルタ
22A SrZrTiO
22B SrTiO
23A,23B 出力電極
24 ペロブスカイト積層体
31 モールド
31A 凹部
31B 封止樹脂
31b 開口部
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態による熱電変換素子20の構成を示す断面図である。
図1を参照するに熱電変換素子20は厚さがtのSrTiOの単結晶基板21上に構成されており、前記SrTiO単結晶基板21およびその上に厚さtで形成されたエネルギフィルタ22が、前記熱電変換素子20の主要部となる厚さがtTOTALのペロブスカイト積層体24を構成する。ここで厚さtTOTALは、前記厚さtおよび前記厚さtの和である。さらに前記SrTiO基板21の底面には第1の出力電極23Aが、また前記エネルギフィルタ22の上面には第2の出力電極23Bが、それぞれ設けられている。前記出力電極23Aは出力端子OUTに接続され、一方前記出力電極23Bは出力端子OUTに接続される。
かかる熱電変換素子20では、前記SrTiO基板20の底面を、出力電極23Aを介して加熱あるいは冷却し、さらに前記エネルギフィルタ22の上面を、出力電極23Bを介して冷却あるいは加熱することにより前記ペロブスカイト積層体24には温度差ΔTが発生し、これにともなってゼーベック効果により、ΔV=S・ΔTで与えられる出力電圧が、前記出力端子OUTおよびOUTの間に得られる。ただしSはゼーベック係数である。
前記熱電変換素子20において前記SrTiO基板21は、La及び/又はNbにより、例えば4原子%の濃度で高濃度にドープされ、n型の導電性を有する。例えばLaはSrTiO単結晶を構成するペロブスカイト構造のA席においてSrを置換してキャリアとなる電子を放出しドナーとなり、Nbは同じペロブスカイト構造のB席においてTiを置換してキャリアとなる電子を放出しドナーとなる。また前記SrTiO基板21は、やはりドナーとなる酸素欠損によりドープしてもよい。このように高濃度にドープされたSrTiOのバルク単結晶は、例えば300Kの温度において10S/cm〜1000S/cmの電気伝導度σを有する。ただし本実施形態において、LaあるいはNbのドープ濃度は4原子%に限定されるものではない。LaあるいはNbのドープ濃度が4原子%の場合、前記SrTiOバルク単結晶中のキャリア(電子)濃度は約6.7×1020cm-3の値をとる。
一方前記エネルギフィルタ22は前記SrTiO単結晶基板21上にエピタキシャルに形成された第1のペロブスカイト型誘電体膜22Aと第2のペロブスカイト型誘電体膜22Bの積層より構成され、各々のペロブスカイト型誘電体膜22Aおよび22Bはいずれも、前記SrTiO単結晶基板21と同様にn型にドープされている。
図示の例では前記第1のペロブスカイト型誘電体膜22AはSrZr1−xTiO膜よりなり、一方第2のペロブスカイト型誘電体膜22Bは前記基板21と同じ組成のSrTiO膜よりなり、図2のバンド構造図に示すように前記第1のペロブスカイト型誘電体膜22Aと第2のペロブスカイト型誘電体膜22Bの界面、および前記第1のペロブスカイト型誘電体膜22AとSrTiO基板21との界面において伝導帯Eに高さがΔΦのバンドオフセットを形成する。図示の例では前記エネルギフィルタ22は一対のペロブスカイト型誘電体膜22Aおよび22Bより構成されているが、前記エネルギフィルタ22は多数のペロブスカイト型誘電体膜22Aおよび22Bを交互に繰り返し積層したものであってもよい。前記第1のペロブスカイト型誘電体膜22Aおよび第2のペロブスカイト型誘電体膜22Bは、いずれもキャリアのトンネリングが抑制される0.5nm〜50nm、例えば2.5nm程度の膜厚を有し、これらのペロブスカイト型誘電体膜22Aおよび22Bの膜厚の総和が前記エネルギフィルタ22の膜厚tとなる。
図2を参照するに、例えば前記電極23Bが加熱され電極23Aが冷却された場合を考えると、前記ペロブスカイト型誘電体膜22Aあるいは22B中において熱的に励起されたキャリア(電子)のうち、前記バンドオフセット量ΔΦ以上のエネルギを有するものは前記ペロブスカイト型誘電体膜22Aが形成する高さがΔΦのポテンシャル障壁を超えてSrTiO基板21中に注入され、前記SrTiO基板21中を輸送されて電極23Aに到達するのに対し、前記バンドオフセット量ΔΦ未満のエネルギを有するものは前記ペロブスカイト型誘電体膜22Aによりカットされ、SrTiO基板2中に注入されることがなく、従って電極23Aに到達することができない。なお図2のバンド構造図では前記エネルギフィルタ22においてペロブスカイト型誘電体膜22Aおよび22Bは、複数回繰り返し交互に積層されている。
図2中には、キャリア(電子)が前記積層体24中を、実質的なエネルギ損失なしに通過できる長さスケール1が図示されている。図示の例では前記長さスケール1は前記積層体24の厚さtTOTALを超えており、キャリアは前記積層体24中を、エネルギを失うことなく下端から上端へと、あるいは上端から下端へと通過することができる。
ゼーベック係数SおよびコンダクタンスGは一般に
Figure 2014167697
(式3)
Figure 2014167697
(式4)
で与えられる。非特許文献2を参照。ここでqはキャリア電荷、Tは温度、Eはフェルミ準位、σ(E)はエネルギEのキャリアの伝導度、T(E)は透過係数、M(E)は導電チャネルの数、hはプランク定数、f(E)はエネルギEにおけるフェルミディラック分布関数である。上記表現は、バリスティック伝導および拡散伝導の両者に対して有効である。バリスティック伝導の場合、T(E)=1となる。
ここで前記電気伝導度σは上記式4のGを使って、
σ=GA/l
と表される。 ここでAは素子の断面積であり、lは素子長である。
式3,式4を見ると、ゼーベック係数Sを規定する積分の核にE−Eの項が含まれているのがわかる。このため前記式3におけるゼーベック係数Sの積分を伝導帯Eの下端から上端まで行うと、エネルギEがフェルミ準位Eよりも低い範囲での積分とエネルギEがフェルミ準位Eよりも高い範囲での積分が大部分相殺してしまい、SrTiO単結晶の場合潜在的に大きなゼーベック係数Sが得られるはずのところ、実際には小さなゼーベック係数Sしか得られないことがわかる。
これに対し図1の熱電変換素子20では、ドープした導電性SrTiO基板21上に前記エネルギフィルタ22を設け、前記導電性SrTiO基板21中のキャリアのうち、エネルギEがフェルミ準位Eよりも低いものをフィルタリングによりカットしているため、大きなゼーベック係数Sを実現することができる。
図3は、様々なドープレベルのSrTiO結晶よりなる誘電体膜中に0.0eV〜0.5eVのバンドオフセットを形成した場合のゼーベック係数Sを求めた例を示す。
図3を参照するに、ゼーベック係数Sはドープレベルが1.3×1021cm-3,3.9×1021cm-3,7.7×1021cm-3,14×1021cm-3である場合について求められているが、いずれのドープレベルであっても、バンドオフセット量ΔΦが0eV、すなわちエネルギフィルタリングを行わない場合には、ゼーベック係数Sの値はほとんどゼロに等しいのがわかる。これに対し、バンドオフセット量ΔΦを増加させるとゼーベック係数Sの絶対値は一般的に増大する傾向を示す。
図3は、ゼーベック係数Sに対する前記エネルギフィルタ22によるキャリアフィルタリングの効果を明瞭に示しており、図1の熱電変換素子20では、図2のようなメカニズムによりゼーベック係数Sの絶対値を増加させることができるのがわかる。
図4は、前記図1の熱電変換素子20においてSrTiO基板21およびエネルギフィルタ22を構成するSrTiO単結晶膜を様々なドープレベルにドープした場合の積層体24についての電気伝導度σとバンドオフセット量ΔΦの関係を示すグラフである。
図4よりわかるように電気伝導度σは、いずれのドープレベルにおいても、バンドオフセット量ΔΦの値が低い場合に大きな値をとることがわかる。これはエネルギフィルタ22による低エネルギキャリアのカットを示すものである。
図5は、前記エネルギフィルタ22における第1のペロブスカイト型誘電体膜22A中のZr組成とバンドオフセット量ΔΦとの関係を示すグラフである。ただし図5中、横軸はZr/(Zr+Ti)により定義されたZr組成を表し、原子%で表示されている。一方縦軸は、単位がeVで表示したバンドオフセット量ΔΦを表す。
図5よりわかるように、前記バンドオフセット量ΔΦ、従ってエネルギフィルタ22中におけるバリア高さは、前記ペロブスカイト型誘電体膜22A中のZr組成を制御することにより、所望の値に設定することができる。例えばZr/(Zr+Ti)で表したZr組成を2原子%、Ti組成を98原子%に設定することで、約0.05eVのバンドオフセット量ΔΦを実現することができる。また図5より、Zr/(Zr+Ti)で表したZr組成を20原子%、Ti組成を80原子%に設定することで、約0.39eVのバンドオフセット量ΔΦを実現することができるのがわかる。
前記エネルギフィルタ22におけるペロブスカイト型誘電体膜22A,22Bは、キャリアのトンネリングが生じないような、例えば2.5nm以上の膜厚に形成するのが望ましい。また後で説明するように本実施形態では製造上の理由から、前記SrTiO3基板21の厚さtはエネルギフィルタ22の厚さtよりも大きく設定するのが好ましい。
さて、図1の熱電変換素子20において前記SrTiO基板21の厚さtsおよびエネルギフィルタ22の厚さtは、前記ペロブスカイト積層体24の厚さtTOTALが0.1mm未満、好ましくは0.01mm以下、例えば0.005mmの厚さになるように形成されている。本実施形態では前記ペロブスカイト積層体24の厚さtTOTALにこのような制限を課すことにより、以下に説明するようにペロブスカイト積層体24中におけるキャリアエネルギ緩和を低減する。
もともとSrTiOバルク単結晶ではキャリア(電子)移動度μは4K程度の極低温において30,000cm/Vsを超え、このためSrTiOバルク単結晶は熱電変換素子に使った場合、PF=Sσ=Sqnμ(前出)で与えられるパワーファクタを増加させるのに効果的である。このような極低温においては、キャリア(電子)はSrTiOバルク単結晶中を長距離にわたりフォノンによる散乱およびエネルギ緩和を受けずにバリスティックに伝導され、積層体24の厚さtTOTALに制限を課さずとも、大きなパワーファクタPFおよび性能指数ZTを実現することができる。
これに対し室温、例えば300Kの温度においては、キャリア(電子)はSrTiO単結晶中において実質的なフォノン散乱を受けてキャリアエネルギが緩和されるとともに平均自由工程が減少し、このためキャリア(電子)移動度は、図6に示すように7cm/Vsにまで減少してしまう。これに伴ってパワーファクタPFおよび性能指数ZTも必然的に減少してしまう。ただし図6はSrTiOバルク単結晶における電子の移動度を50Kから300Kの範囲において示したグラフである。
図7は、比較対照例による熱電変換素子の、図2と同様なバンド構造を示す図である。
図7を参照するに、比較対照例による熱電変換素子は図1の熱電変換素子20と同様な構成を有しているが、図1の構成におけるSrTiO基板2に対応する基板の厚さtを、図1の熱電変換素子20におけるSrTiO基板21の厚さtよりもはるかに大きく設定している。その結果図7の比較対照例では前記厚さtTOTALが、キャリアがエネルギ損失を生じることなく通過できる長さスケール1を大きく超えており、SrTiO基板21中においてキャリア(電子)が電極23Aの側から電極23Bの側へ輸送される際に、フォノン散乱を繰り返すことによりエネルギを失っていることがわかる。
このため図7の比較対照例による熱電変換素子では、室温で動作させた場合パワーファクタPFが、先に説明したキャリア(電子)移動度μの減少による効果に加えて、前記式(3)におけるゼーベック係数Sの積分において、エネルギEがフェルミ準位Eよりも低い範囲での積分とエネルギEがフェルミ準位Eよりも高い範囲での積分とが相殺する効果によっても減少し、十分な電力を取り出すことができない。
これに対し図1の第1の実施形態による熱電変換素子20は、前記ペロブスカイト積層体24の厚さtTOTALを、ペロブスカイト積層体24中で室温、例えば300Kの温度においてキャリアがペロブスカイト積層体24を通過する際のエネルギ緩和が低減されペロブスカイト積層体24においてエネルギ緩和が生じる長さスケール1に対してキャリア(電子)のバリスティック伝導ないし準バリスティック伝導が生じるような、0.1mm以下の厚さに制限している。このようにペロブスカイト積層体24の厚さtTOTALを制限することにより、ゼーベック係数Sへのエネルギフィルタ22の効果が顕著に表れるとともに、キャリア(電子)移動度μが増大するため、電気伝導度σの値が増大し、パワーファクタPFおよび性能指数ZTの値を増大させることが可能となる。
エネルギ緩和が生じる長さスケール1(図2参照)に対して規定されるバリスティック伝導の場合、ペロブスカイト積層体24を通過するキャリア(電子)のエネルギ損失は、前記長さスケール1が前記厚さtTOTALよりも大きいため厚さtTOTALに依存しないのに対し、前記長さスケール1に対して規定される準バリスティック伝導の場合にはバリスティック伝導から拡散伝導に移行する中間にあたり、前記ペロブスカイト積層体24の厚さtTOTALは前記長さスケール1よりは長いものの、キャリア(電子)の輸送はオームの法則には従わず、キャリアエネルギがバリスティック伝導が生じるエネルギと拡散伝導が生じるエネルギとの中間にある場合には、キャリアにエネルギの損失が発生する。
SrTiO単結晶中においてキャリア(電子)のエネルギ損失なしの伝導が生じる距離は、10Kの場合約0.06mm、50Kの場合約0.01mm,100Kの場合約0.006mm,200Kの場合約0.0001mm,300Kの場合約0.0001mmと見積もられる。
またSrTiO単結晶中においてキャリア(電子)の準バリスティックな伝導が生じる距離は、10Kの場合約0.1mm、50Kの場合約0.03mm,100Kの場合約0.01mm,200Kの場合約0.001mm,300Kの場合約0.001mmと見積もられる。
本実施形態ではこのように前記ペロブスカイト積層体24の厚さtTOTALを制限することにより前記ペロブスカイト積層体24中に前記のエネルギ緩和についての長さスケール1に対するキャリア(電子)のバリスティックないし準バリスティック伝導が生じ、前記エネルギフィルタ22の効果が、バンドオフセット量ΔΦの値が比較的小さくても維持されることに注意すべきである。このため本実施形態では前記エネルギフィルタ22に形成するバンドオフセット量ΔΦ、従ってエネルギフィルタ22に形成されるポテンシャル障壁の高さを低減することができるが、これにより、先に図4で説明したように、電気伝導度σの値、およびPF=Sσで定義されるパワーファクタPFおよび性能指数ZTの値をさらに増大させることが可能となる。
これに対し図7の比較例の場合、キャリア(電子)がフォノンなどによる散乱の結果エネルギを失ってしまうため、エネルギフィルタ22の効果を維持するためにはバンドオフセットΔΦとして大きな値を設定する必要があるが、このようにエネルギフィルタ22中に高いポテンシャル障壁を設けると電気伝導度σの低下により、パワーファクタPFおよび性能指数ZTの減少が生じてしまう。
ゼーベック係数Sの値を増大させる観点からは、このように前記積層体24の厚さtTOTALは10Kの温度では0.1mm、300Kの温度では0.001mm以下で、小さければ小さい方が好ましいが、図1の熱電変換素子20は温度差ΔTを与えられて発電をする素子であるため、前記厚さtTOTALが小さすぎると、仮に図1の構成において前記ペロブスカイト積層体24を、電極23Bを介して加熱し電極23Aを介して冷却しても、あるいは逆に電極23Aを介して加熱し電極23Bを介して冷却しても、ペロブスカイト積層体24中における熱伝導の結果十分な温度差ΔTを確保できなくなり、十分な電力を取り出すことはできない。
図8は図1の熱電変換素子20において、前記ペロブスカイト積層体24の上端を、電極23Bを介して温度T1に保持し、前記ペロブスカイト積層体24の下端を、電極23Aを介して温度T2に保持した場合のペロブスカイト積層体24中に生じる温度分布の様子を概略的に示すグラフである。ただし図8の温度分布は一次元定常熱伝導を仮定し、ペロブスカイト積層体24は概略的に一様な熱伝導率κを有するものと仮定している。
図8を参照するに、前記ペロブスカイト積層体24中には電極23Aと電極23Bとの間において、各層の熱伝導率が等しいことにより略直線的な温度分布が発生するが、電極23Bの冷却を、エネルギを使わない自然冷却などにより行う場合には、前記ペロブスカイト積層体24の厚さtTOTALが減少するにつれて前記ペロブスカイト積層体24中における熱伝導により熱流量が増大し、温度差ΔTが減少してしまう問題が発生する。
このように図1の熱電変換素子20を室温で動作させる場合、前記ペロブスカイト積層体24の厚さtTOTALが所定の上限値(tTOTAL)maxを超えるとゼーベック係数Sが、キャリア(電子)の、前記長さスケール1に対するバリスティック伝導あるいは準バリスティック伝導が失われることから減少してしまい、熱電変換素子20のパワーファクタPFおよび性能指数ZTが低下してしまう。一方前記厚さtTOTALが所定の下限値(tTOTAL)minよりも小さいとペロブスカイト積層体24に十分な温度差ΔTが形成されないために、前記出力端子OUT,OUTの間に十分な電圧を取り出すことができない。
図9は、前記図1の熱電変換素子20において前記エネルギフィルタ22中に0.05eVのバンドオフセット量ΔΦを形成し、300Kの温度(動作温度)において0.5℃の温度差ΔTを形成した場合に出力端子OUT,OUT間に得られる出力電圧ΔVと、前記ペロブスカイト積層体24の厚さtTOTALとの関係を示すグラフである。ただし前記「300K」の動作温度は前記ペロブスカイト積層膜24のうち、加熱側の温度を示すものとする。
図9を参照するに、出力電圧ΔVは前記厚さtTOTALが約0.1mmの最適値(tTOTAL)optをとる場合に最大電圧値ΔVをとり、約0.25mVの電圧が得られることがわかる。また図8より、前記厚さtTOTALが前記所定の上限値(tTOTAL)maxである約0.1mmの厚さを超えたり、また前記所定の下限値(tTOTAL)minである約0.02mmの厚さを下回ったりすると、前記出力電圧ΔVは望ましい最小電圧値ΔVである約*0.05mVの電圧を下回ってしまうことがわかる。
このように本実施形態では図1の熱電変換素子20において前記ペロブスカイト積層体24の厚さtTOTALを、前記上限値(tTOTAL)maxおよび前記下限値(tTOTAL)minの間に制限することにより、大きな電力を取り出すことを可能とする。
前記熱電変換素子20では、前記ペロブスカイト積層体24中、SrTiO基板21およびエネルギフィルタ22を構成するペロブスカイト誘電体膜22A,22BをLaおよびNbにより例えば4原子%の濃度にドープし、前記バンドオフセットΔΦにより0.05eVの前記エネルギフィルタ22中にポテンシャルバリアを形成した場合、約100×10-4Wm−1−2のパワーファクタPFが、また0.5の性能指数ZTが得られ、前記電極23Aと電極23Bとの間に300Kの温度において10℃の温度差を形成した場合、約10mWの出力電力を取り出すことが可能となる。
なお先にも説明したように、前記下限値(tTOTAL)minは、製造方法上の制約も受け、以下に述べるように前記約0.001mmの値は、このような製造方法上の制約によっても課せられることがある。
次に図1の熱電変換素子20の製造方法について説明する。
図10は、図1の熱電変換素子20の製造に使われるスパッタ装置10の構成を示す図である。
図10を参照するに、スパッタ装置10はスパッタガス導入ポート11BからArなどのスパッタガスを導入され排気ポート11Aにおいて高真空に排気される真空容器11を有し、前記真空容器11の下方には、SrTiO組成のターゲット12を保持するターゲット保持台12Aが設けられている。また前記真空容器11の上方には、前記SrTiO基板21に対応した高濃度ドープされたSrTiO単結晶よりなる被処理基板13を保持する基板保持台13Aが、前記被処理基板13が前記ターゲット12に対面するように設けられている。
前記ターゲット保持台12Aには高周波電源12Bが接続され、前記高周波電源12Bから前記ターゲット12に前記ターゲット保持台12Aを介して前記高周波を印加することにより、前記真空容器11中に前記ターゲット12と被処理基板13との間でプラズマが発生し、発生したプラズマが前記ターゲット12に衝突することにより、前記ターゲット12から、前記ターゲット12の成分がスパッタされる。
さらに前記基板保持台13Aは接地されており、前記ターゲット12からスパッタされた成分が前記基板保持台13A上のSrTiO基板21に堆積し、前記被処理基板13上に所望のペロブスカイト誘電体膜22Aあるいは22Bが形成される。以下の説明では、第1のペロブスカイト型誘電体膜22AはSrTiOの組成を有し、第2のペロブスカイト型誘電体膜22BがSr(Ti,Zr)O3の組成を有するものとする。ただし前記第1および第2のペロブスカイト型誘電体膜22A,22Bは、それぞれSrTiZr3およびSrTiZr3の組成を有するものであってもよい。
その際、前記図10のスパッタ装置10では、前記ターゲット12上にチタン酸ストロンチウム膜にドープしたい金属元素の金属片12Dが所定の割合で配置されており、これにより、前記被処理基板13上に堆積されるSrTiO膜を所望の金属元素により、所望の割合でドープすることが可能となる。
次に図11のフローチャートを参照するに、本実施形態ではまずステップ1において前記SrTiO基板21を被処理基板13として基板保持台13A上に保持し、前記図10のスパッタ装置10を使って、LaおよびNbにより高濃度にドープされたSrTiO膜を、前記SrTiO基板21上に、前記第1のペロブスカイト型誘電体膜22Aとしてエピタキシャルに形成する。
次にこのようにして得られたSrTiO膜22Aをステップ2において酸素雰囲気中において熱処理し、前記SrTiO膜22A中の酸素欠損濃度を制御する。
さらにステップ3において前記ターゲットにさらにSrZrOターゲットを追加し、同様なスパッタを行うことにより、前記SrTiO膜22A上に、LaおよびNbにより高濃度にドープされ、Sr(Ti,Zr)Oの組成を有する膜を、前記第2のペロブスカイト型誘電体膜22Bとして形成する。
さらにこのようにして得られたSr(Ti,Zr)O膜22Bをステップ4において酸素雰囲気中において熱処理し、前記膜22B中の酸素欠損濃度を制御する。
さらにプロセスは前記ステップ1に戻り、ステップ1〜ステップ4を必要な回数だけ繰り返すことにより、図12に示すように前記図1の熱電変換素子20のペロブスカイト積層体24が得られる。
なおステップ3におけるターゲットの変更は、スパッタ装置に標準で搭載されているターゲット切り替え機構を使うことにより行うことができる。
次に本実施形態ではこのようにして得られたペロブスカイト積層体24を図13に示すようにモールド31中に形成された凹部31A中に、前記SrTiO基板21の底面が前記凹部31Aの底面に接するように配置し、図14に示すように前記凹部31Aに樹脂31Bを充填し、硬化させる。前記樹脂31Bとしてはポリイミドやエポキシ樹脂などの耐熱樹脂を使うのが好ましい。図14の工程の結果、前記ペロブスカイト積層体24は樹脂31B中に封止される。
次に図15に示すように前記ペロブスカイト積層体24を封止樹脂31Bともども前記モールド31から取り出し、その下面、すなわちSrTiO基板21の底面を化学機械研磨(CMP)により研磨することにより、前記ペロブスカイト積層体24の厚さtTOTALを、図16に示すように前記ペロブスカイト積層体24中において室温でキャリア(電子)の前記長さスケール1に対するバリスティック伝導あるいは準バリスティック伝導が生じるような、例えば0.1mm以下の厚さまで、より好ましくは0.01mm以下の厚さまで減少させる。その際、前記厚さtTOTALが0.001mm未満になるとペロブスカイト積層体24を封止樹脂中に支持していても化学機械研磨が困難になるので、また前記ペロブスカイト積層体24の上下端の間に十分な温度差を形成するのが困難になるため、前記化学機械研磨は前記厚さtTOTALが0.005mmに到達した時点で、あるいはそれよりも前の時点で打ち切られるのが好ましい。この状態ではペロブスカイト積層体24の大部分はSrTiO基板21よりなり、従ってSrTiO基板21の厚さtは一般にエネルギフィルタ22の厚さtよりもはるかに大きい。図15の化学機械研磨は、ペロブスカイト積層体24と樹脂31Bとで略一様に進行させることができる。なお図13の工程において前記モールド31の凹部31Aには、図15の工程でペロブスカイト積層体24を封止樹脂31Bごとモールド31から容易に取り出せるように、図示はしないが離型剤を塗布しておくのが好ましい。
次に図17に示すように前記封止樹脂31Bに前記ペロブスカイト積層体24の上面を露出する開口部31bを形成し、前記開口部に出力電極23Bを、また露出しているペロブスカイト積層体24の底面、すなわちSrTiO基板21の底面に出力電極23Aを形成することにより、所望の熱電変換素子20が、封止樹脂31Bにより封止された状態で得られる。
図17の構成において、前記電極23Aおよび電極23Bの冷熱源および温熱源への、あるいは温熱源および冷熱源へのコンタクトを容易にするために、前記封止樹脂31Bを除去することも可能である。
図1の熱電変換素子20を、前記SrTiO基板21として(001)面方位を有しLaによりA席が4原子%の濃度でn型にドープされた初期厚さtinitialが0.5mmのSrTiO単結晶スラブを使い、その上にスパッタ法あるいはPLD(パルスレーザデポジション)法により、前記エネルギフィルタ22として組成がSrZr0.02Ti0.98のSrZrTiO膜を、例えば10nmの膜厚にエピタキシャルに成長させることにより作製する。前記SrZr0.02Ti0.98膜は前記SrTiO基板21に対して0.05eVのポテンシャルバリアを形成する。
さらにこのようにして得たペロブスカイト積層体24を図14で説明したようにモールド31中においてポリイミドよりなる封止樹脂31Bに封止し、図15,16で説明したように前記SrTiO基板21の下面を化学機械研磨し、前記SrTiO基板21の厚さtを0.005mmまで減少させる。これにより前記ペロブスカイト積層体24の厚さtTOTALもほぼ0.005mmまで減少し、図18に示す構造が得られる。
このようにして得られたペロブスカイト積層体24に前記出力電極23A,23Bを形成し、出力電極23Aの温度を300Kに、出力電極23Bの温度を310Kに保持した場合、前記出力端子OUTおよびOUTの間で1Wの出力電力を取り出すことが可能であった。
この場合、パワーファクタPFとして95×10-4Wm-1K-2の値が、また性能指数ZTとして0.45の値が実現されている。
実施例1と同様なSrTiO基板21上にスパッタ法あるいはPLD(パルスレーザデポジション)法により、組成がSrZr0.02Ti0.98のSrZrTiO膜22AおよびSrTiO膜22Bを、それぞれ10nmの膜厚でエピタキシャルに、2回繰り返して成長させる。この場合もSrZr0.02Ti0.98膜22Aが前記SrTiO基板21およびSrTiO膜22Bに対して0.05eVのポテンシャルバリアを形成する。
さらにこのようにして得た積層構造体24を図14で説明したようにモールド31中においてポリイミドよりなる封止樹脂31Bに封止し、図15,16で説明したように前記SrTiO基板21の下面を化学機械研磨し、前記SrTiO基板21の厚さtを0.005mmまで減少させる。これにより前記ペロブスカイト積層体24の厚さtTOTALもほぼ0.005mmまで減少し、図19に示す構造が得られる。
このようにして得られたペロブスカイト積層体24に前記出力電極23A,23Bを形成し、出力電極23Aの温度を300Kに、出力電極23Bの温度を320Kに保持した場合、前記出力端子OUTおよびOUTの間で3mWの出力電力を取り出すことが可能であった。
この場合、パワーファクタPFとして105×10-4Wm-1-2の値が、また性能指数ZTとして0.56の値が実現されている。
なお本実施形態において基板21およびペロブスカイト膜22BはSrTiO系のペロブスカイトバルク単結晶あるいは単結晶膜に限定されるものではなく、ZnO,LaCaMnOなど、他のペロブスカイトバルク単結晶あるいは単結晶膜を使うことも可能である。この場合、エネルギフィルタ22のペロブスカイト膜22Aとしては、LaCaO3,LaNiOなどのペロブスカイト単結晶膜を使うことが可能である。
以上では、熱電変換素子の室温での動作を中心に説明したが、本実施形態の熱電変換素子はより低温においてエネルギ変換効率が向上するため、低温環境での使用にも適している。例えば約100Kあるいはそれ以下の環境温度において動作させることにより、さらに大きな変換効率を達成することができる。
以上、本発明を好ましい実施例について説明したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨内において様々な変形・変更が可能である。
図9を参照するに、出力電圧ΔVは前記厚さtTOTALが約0.1mmの最適値(tTOTAL)optをとる場合に最大電圧値ΔVをとり、約0.25mVの電圧が得られることがわかる。また図8より、前記厚さtTOTALが前記所定の上限値(tTOTAL)maxである約0.1mmの厚さを超えたり、また前記所定の下限値(tTOTAL)minである約0.02mmの厚さを下回ったりすると、前記出力電圧ΔVは望ましい最小電圧値ΔVである約0.05mVの電圧を下回ってしまうことがわかる。
第1の側面によれば熱電変換素子は、SrとTiを含み、n型にドープされて導電性を有するペロブスカイト型誘電体基板と、前記ペロブスカイト型誘電体基板の上面に形成され、SrとTiを含みn型にドープされて導電性を有し、前記ペロブスカイト型誘電体基板の伝導帯よりも高いエネルギレベルに伝導帯を有する第1のペロブスカイト型誘電体膜を少なくとも含むエネルギフィルタと、前記ペロブスカイト型誘電体基板の下面に電気的に接続されて形成された第1の電極と、前記エネルギフィルタの上面に電気的に接続されて形成された第2の電極と、を備え、前記ペロブスカイト型誘電体基板と前記エネルギフィルタとは0.1mmを超えない厚さのペロブスカイト積層体を構成し、前記エネルギフィルタの上面が第1の温度に曝され前記ペロブスカイト型誘電体基板の下面が第2の温度に曝されることにより、前記第1の電極と前記第2の電極の間に電圧を生じる。
第2の側面によれば熱電変換素子の製造方法は、SrとTiを含み、n型にドープされて導電性を有するペロブスカイト型誘電体基板と、前記ペロブスカイト型誘電体基板の上面に形成され、SrとTiを含みn型にドープされて導電性を有し、前記ペロブスカイト型誘電体基板の伝導帯よりも高いエネルギレベルに伝導帯を有する第1のペロブスカイト型誘電体膜を少なくとも含むエネルギフィルタとよりなる構造体を、支持基体中に、前記構造体中におけるペロブスカイト型誘電体基板の底面が前記支持基体の底面に対応する向きで埋設する工程と、前記支持基体の底面を、前記構造体ごと研磨することにより、前記ペロブスカイト型誘電体基板の底面を化学機械研磨し、前記ペロブスカイト型誘電体基板と前記エネルギフィルタとよりなるペロブスカイト積層体の厚さを、0.1mmを超えない厚さまで減少させる工程と、を含む。

Claims (17)

  1. SrとTiを含み、n型にドープされて導電性を有するペロブスカイト型誘電体基板と、
    前記ペロブスカイト型誘電体基板の上面に形成され、SrとTiを含みn型にドープされて導電性を有し、前記ペロブスカイト型誘電体基板の伝導帯よりも高いエネルギレベルに伝導帯を有する第1のペロブスカイト型誘電体膜を少なくとも含むエネルギフィルタと、
    前記ペロブスカイト型誘電体基板の下面に電気的に接続されて形成された第1の電極と、
    前記エネルギフィルタの上面に電気的に接続されて形成された第2の電極と、
    を備え、
    前記ペロブスカイト型誘電体基板と前記エネルギフィルタとは0.25mmを超えない厚さのペロブスカイト積層体を構成し、
    前記エネルギフィルタの上面が第1の温度に曝され前記ペロブスカイト型誘電体基板の下面が第2の温度に曝されることにより、前記第1の電極と前記第2の電極の間に電圧を生じることを特徴とする熱電変換素子。
  2. 前記ペロブスカイト型誘電体基板は0.1mmを超えない厚さを有することを特徴とする請求項1記載の熱電変換素子。
  3. 前記ペロブスカイト型誘電体基板の膜厚は、0.05nmを下回らないことを特徴とする請求項1記載の熱電変換素子。
  4. 前記エネルギフィルタは、1nm〜1000nmの範囲の膜厚を有することを特徴とする請求項1記載の熱電変換素子。
  5. 前記ペロブスカイト型誘電体基板および前記エネルギフィルタは支持基体中に保持されており、前記ペロブスカイト型誘電体基板の下面は前記支持基体の下面と一致することを特徴とする請求項1記載の熱電変換素子。
  6. 前記第1のペロブスカイト型誘電体膜は、前記ペロブスカイト型誘電体基板に対しポテンシャル障壁を形成することを特徴とする請求項1記載の熱電変換素子。
  7. 前記エネルギフィルタはさらに前記第1のペロブスカイト型誘電体膜上に、SrとTiを含みn型にドープされて導電性を有し、前記第1のペロブスカイト型誘電体膜の伝導帯よりも低いエネルギレベルに伝導帯を有する第2のペロブスカイト型誘電体膜を含むことを特徴とする請求項1記載の熱電変換素子。
  8. 前記エネルギフィルタ中において前記第1および第2のペロブスカイト型誘電体膜は交互に繰り返し積層されることを特徴とする請求項7記載の熱電変換素子。
  9. 前記第2のペロブスカイト型誘電体膜は、前記ペロブスカイト型基板と同一の組成を有することを特徴とする請求項7記載の熱電変換素子。
  10. 前記ペロブスカイト型基板および前記第1および第2のペロブスカイト型誘電体膜はLaによってドープされていることを特徴とする請求項1記載の熱電変換素子。
  11. 前記ペロブスカイト型基板および前記第1および第2のペロブスカイト型誘電体膜はNbによってドープされていることを特徴とする請求項1記載の熱電変換素子。
  12. 前記ペロブスカイト型基板および前記第1および第2のペロブスカイト型誘電体膜はLaおよびNbによってドープされていることを特徴とする請求項1記載の熱電変換素子。
  13. 前記ペロブスカイト型基板および前記第1および第2のペロブスカイト型誘電体膜は酸素欠損によりドープされていることを特徴とする請求項1記載の熱電変換素子。
  14. SrとTiを含み、n型にドープされて導電性を有するペロブスカイト型誘電体基板と、前記ペロブスカイト型誘電体基板の上面に形成され、SrとTiを含みn型にドープされて導電性を有し、前記ペロブスカイト型誘電体基板の伝導帯よりも高いエネルギレベルに伝導帯を有する第1のペロブスカイト型誘電体膜を少なくとも含むエネルギフィルタとよりなる構造体を、支持基体中に、前記構造体中におけるペロブスカイト型誘電体基板の底面が前記支持基体の底面に対応する向きで埋設する工程と、
    前記支持基体の底面を、前記構造体ごと研磨することにより、前記ペロブスカイト型誘電体基板の底面を化学機械研磨し、前記ペロブスカイト型誘電体基板と前記エネルギフィルタよりなるペロブスカイト積層体の厚さを、0.25mmを超えない厚さまで減少させる工程と、
    を含むことを特徴とする熱電変換素子の製造方法。
  15. さらに前記支持基体の上面に、前記構造体中における前記エネルギフィルタの上面を露出する開口部を形成する工程と、
    前記ペロブスカイト型誘電体基板の底面および前記エネルギフィルタの上面に、それぞれ第1の電極および第2の電極を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項14記載の熱電変換素子の製造方法。
  16. 前記支持基体は耐熱性樹脂であり、前記構造体を前記支持基体中に埋設する工程は、モールド中に前記構造体を、前記ペロブスカイト型誘電体基板の底面が前記モールドの底面に接するように配置する工程と、前記モールド中に前記耐熱性樹脂を溶融した状態で注入する工程と、を含むことを特徴とする請求項14記載の熱電変換素子の製造方法。
  17. 前記ペロブスカイト型誘電体基板の底面を化学機械研磨する工程は、前記ペロブスカイト型誘電体基板の膜厚が0.05mmを下回らないように実行されることを特徴とする請求項14記載の熱電変換素子の製造方法。
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