JPWO2014156335A1 - 両面粘着シート - Google Patents

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Abstract

本発明の両面粘着シートは、第1の面と第2の面とを備える粘着剤層と、前記粘着剤層の前記第1の面に貼着された第1の剥離フィルムと、前記粘着剤層の前記第2の面に貼着された第2の剥離フィルムと、を有している。23℃における前記粘着剤層の貯蔵弾性率が、0.3MPa以上である。前記第2の剥離フィルムの前記粘着剤層からの剥離力は、前記第1の剥離フィルムの前記粘着剤層からの剥離力よりも小さい。前記第2の剥離フィルムは、前記粘着剤層と接する面の算術平均粗さRaが30nm以下であり、かつ、その最大突起高さRpが250nm以下であるように構成されている。このような両面粘着シートは、耐久性に優れるとともに、第2の剥離フィルムと粘着剤層との間に気泡(ラミ気泡)が発生するのを防止する。

Description

本発明は、両面粘着シートに関する。
偏光板等の光学機能性フィルムは、液晶セル等の部材と粘着剤で構成された両面粘着シートとを用いて固着されている。また、このような両面粘着シートは、例えば、第1の剥離フィルム上に粘着剤を塗布して塗膜を形成し、その後、形成した塗膜上に第2の剥離フィルムを貼合し、紫外線照射等で硬化させて粘着剤層とすることにより製造される。
ところで、偏光板等の光学機能性フィルムの固着用途で使用される粘着剤には、非常に高い耐久性(耐光性、耐熱性等)が要求されている。例えば、紫外線硬化型樹脂を併用した、高弾性率(23℃における貯蔵弾性率が0.3MPa以上)な粘着剤が使用されている(例えば、特許文献1参照)。これは、次のような理由による。製造された偏光板等の光学機能性フィルムは熱等によって収縮しやすいため、熱履歴によって光学機能性フィルムに収縮が生じる。その結果、各光学フィルムを積層している粘着剤層がその収縮応力に追従できず、界面で層の剥がれが発生しやすい。しかし、高弾性率の粘着剤を用いることで、その収縮を抑えることができる。
このような高弾性率な粘着剤を薄膜化して、両面粘着シートを作製する場合、第1の剥離フィルム上の粘着剤の塗膜上に第2の剥離フィルムを貼合すると、第2の剥離フィルムと粘着剤層との間に気泡(ラミ気泡)が発生するといった問題があった。そして、貼合(ラミネート)後、紫外線等の活性エネルギー線の照射による塗膜の硬化を行うため、このラミ気泡は形状がそのまま維持される。そのため、両面粘着シートを光学機能性フィルムと貼合した際に気泡が混入し、外観不良となり、歩留りの低下を招くといった問題があった。
特開2003−203822号公報
本発明の目的は、耐久性に優れるとともに、第2の剥離フィルムと粘着剤層との間に気泡(ラミ気泡)が発生するのが防止された両面粘着シートを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(4)の本発明により達成される。
(1) 第1の面と第2の面とを備える粘着剤層と、
前記粘着剤層の前記第1の面に貼着された第1の剥離フィルムと、
前記粘着剤層の前記第2の面に貼着された第2の剥離フィルムと、を有し、
23℃における前記粘着剤層の貯蔵弾性率が、0.3MPa以上であり、
前記第2の剥離フィルムの前記粘着剤層からの剥離力は、前記第1の剥離フィルムの前記粘着剤層からの剥離力よりも小さく、
前記第2の剥離フィルムは、前記粘着剤層と接する面の算術平均粗さRaが30nm以下であり、かつ、その最大突起高さRpが250nm以下であるように構成されていることを特徴とする両面粘着シート。
(2) 前記第1の剥離フィルムは、前記粘着剤層と接する面の算術平均粗さRaが40nm以下であり、かつ、その最大突起高さRpが700nm以下であるように構成されている上記(1)に記載の両面粘着シート。
(3) 前記粘着剤層の平均厚さは、3〜10μmである上記(1)または(2)に記載の両面粘着シート。
(4) 前記第1の剥離フィルムの前記粘着剤層からの剥離力をX[mN/25mm]、前記第2の剥離フィルムの前記粘着剤層からの剥離力をY[mN/25mm]としたとき、X−Y≧5の関係を満足する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の両面粘着シート。
本発明によれば、例えば、偏光板等の光学機能性フィルムを貼着するのに用いられ、耐久性に優れるとともに、第2の剥離フィルムと粘着剤層との間に気泡(ラミ気泡)が発生するのが防止された両面粘着シートを提供することが可能となる。
図1は、本発明の両面粘着シートの横断面図である。
以下、本発明を好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
《両面粘着シート》
本発明の両面粘着シートは、例えば、偏光板等の光学機能性フィルムと液晶セル等の部材とを貼合するのに用いられるものである。
図1は、本発明の両面粘着シートの横断面図である。
図1に示すように、両面粘着シート1は、第1の面101と第2の面102とを有する粘着剤層10と、粘着剤層10の第1の面101上に設けられた第1の剥離フィルム11と、粘着剤層10の第2の面102上に設けられた第2の剥離フィルム12とを有している。
本発明の両面粘着シートは、粘着剤層の23℃における貯蔵弾性率が、0.3MPa以上であり、第2の剥離フィルムの前記粘着剤層からの剥離力は、前記第1の剥離フィルムの前記粘着剤層からの剥離力よりも小さくなるよう構成されている。そして、第2の剥離フィルムは、粘着剤層と接する面の算術平均粗さRaが30nm以下であり、かつ、その面における最大突起高さRpが250nm以下であることを特徴とする。これにより、貯蔵弾性率の高い粘着剤層であっても、第2の剥離フィルムと粘着剤層との間に気泡(ラミ気泡)が発生するのを効果的に防止することができる。
また、粘着剤層の貯蔵弾性率を0.3MPa以上とすることにより、偏光板等の光学機能性フィルムの経時的な寸法の変化をより確実に抑制することができる。
また、第2の剥離フィルムの粘着剤層からの剥離力を第1の剥離フィルムの粘着剤層からの剥離力よりも小さくすることにより、第2の剥離フィルムを粘着剤層から剥がす際に、粘着剤層の一部が第2の剥離フィルムに付着してしまい、第1の剥離フィルム上に平滑で外観が良い状態の粘着剤層が残留しない現象、いわゆる、泣き別れと呼ばれる転着現象が発生するのを防止することができる。
なお、本明細書において、粘着剤層からの剥離力とは、以下のように測定した剥離力のことをいう。
剥離力の測定は、JIS−Z0237に準拠し、両面粘着シートを幅25mm、長さ200mmに裁断し、引張試験機を用いて、粘着剤層を固定した状態で、剥離フィルムを300mm/分の速度で180°方向に引っ張ることにより行われる。
また、本明細書において、粘着剤層の貯蔵弾性率とは、厚さ30μmの粘着剤を積層し、8mmφ×3mm厚の円柱状の試験片を作製し、ねじり剪断法により、下記の条件で測定した貯蔵弾性率のことをいう。
測定装置:レオメトリック社製動的粘弾性測定装置「DYNAMIC ANALYZER RDAII」、周波数 :1Hz、温度 :23℃、80℃
以下、本実施形態に係る両面粘着シート1を構成する各層について詳細に説明する。
<粘着剤層10>
粘着剤層10は、第1の面101と第2の面102とを有する。
粘着剤層10の、23℃における貯蔵弾性率が、0.3MPa以上である。これにより、偏光板等の光学機能性フィルムの寸法の経時的な変化を抑制することができる。
なお、粘着剤層10の23℃における貯蔵弾性率は、0.3MPa以上であるが、0.35〜12MPaであるのがより好ましい。これにより、偏光板等の光学機能性フィルムの寸法の経時的な変化をより確実に抑制することができるとともに、接着耐久性を高くすることができる。
粘着剤層10を構成する粘着剤としては、特に限定されないが、(A)アクリル系共重合体と、(B)活性エネルギー線硬化型化合物とを含む粘着性材料に、活性エネルギー線を照射してなる粘着剤を用いるのが好ましい。これにより、粘着剤層10の貯蔵弾性率を比較的高くすることができ、粘着剤層10の耐久性(耐熱性、耐低温性、耐湿性等)をより高くすることができる。
アクリル系共重合体(A)としては、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を挙げることができる。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの両方を意味する。他の類似用語も同様である。
(メタ)アクリル酸エステル系共重合体としては、各種架橋方法によって架橋が可能な架橋点を有することが好ましい。このような架橋点を有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体としては、特に制限はなく、従来、粘着剤の樹脂成分として慣用されている(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の中から、任意の共重合体を適宣選択して用いることができる。
このような架橋点を有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体としては、エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、分子内に架橋性官能基を有する単量体と、所望により用いられる他の単量体との共重合体を用いるのが好ましい。ここで、エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、分子内に架橋性官能基を有する単量体は、官能基として水酸基、カルボキシル基、アミノ基の少なくとも1種を含むことが好ましい。この単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピルなどの(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノアルキル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸などが挙げられる。これらの単量体は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
粘着性材料において、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体(A)の共重合形態については特に制限はなく、ランダム、ブロック、グラフト共重合体のいずれであってもよい。
また、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体(A)としては、質量平均分子量が50万以上であることが好ましく、60万〜200万であることがより好ましく、70万〜180万であることがさらに好ましい。これにより、被着体との密着性や接着耐久性が十分となり、粘着剤層10の浮きや剥がれ等の発生をより効果的に防止することができる。なお、質量平均分子量は、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体(A)をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定して得られた値の標準ポリスチレン換算の値である。
さらに、この(メタ)アクリル酸エステル系共重合体においては、分子内に架橋性官能基を有する単量体単位の含有量は、0.01〜10質量%の範囲が好ましい。この含有量が0.01質量%以上であると、後述する架橋剤と架橋性官能基との反応により、架橋が十分となり、耐久性が良好となる。一方、10質量%以下であると、架橋度が高くなりすぎることによる、液晶ガラスセルや位相差板への貼合適性の低下がなく好ましい。耐久性と液晶ガラスセルや位相差板への貼合適性などを考慮すると、この架橋性官能基を有する単量体単位のより好ましい含有量は0.05〜7.0質量%であり、特に0.2〜6.0質量%の範囲が好ましい。
なお、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体(A)としては、1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
粘着性材料において、活性エネルギー線硬化型化合物(B)としては、分子量1000未満の多官能(メタ)アクリレート系モノマーを用いることができる。
この分子量1000未満の多官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、ジ(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレートなどの2官能型;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートなどの3官能型;ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどの4官能型;プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどの5官能型;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の6官能型等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上述した多官能(メタ)アクリレート系モノマーの中でも、骨格構造に環状構造を有するモノマーを用いるのが好ましい。環状構造は、炭素環式構造でも、複素環式構造でもよく、また、単環式構造でも多環式構造でもよい。このような多官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、ジ(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートなどのイソシアヌレート構造を有するもの、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、エチレンオキサイド変性ヘキサヒドロフタル酸ジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールアクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレート、アダマンタンジアクリレート等を好適に用いることができる。
また、活性エネルギー線硬化型化合物(B)として、活性エネルギー線硬化型のアクリレート系オリゴマーを用いることができる。このアクリレート系オリゴマーの質量平均分子量は、50,000以下であることが好ましい。このようなアクリレート系オリゴマーの例としては、ポリエステルアクリレート系オリゴマー、エポキシアクリレート系オリゴマー、ウレタンアクリレート系オリゴマー、ポリエーテルアクリレート系オリゴマー、ポリブタジエンアクリレート系オリゴマー、シリコーンアクリレート系オリゴマー等が挙げられる。
ここで、ポリエステルアクリレート系オリゴマーは、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる、両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。エポキシアクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応し、エステル化することにより得ることができる。また、このエポキシアクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシアクリレートオリゴマーも用いることができる。ウレタンアクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアナートとの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリオールアクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
上記アクリレート系オリゴマーの質量平均分子量は、GPC法で測定した標準ポリメチルメタクリレート換算の値で、50,000以下が好ましく、より好ましくは500〜50,000、さらに好ましくは3,000〜40,000の範囲で選定される。
これらのアクリレート系オリゴマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、活性エネルギー線硬化型化合物(B)として、(メタ)アクリロイル基を有する基が側鎖に導入されたアダクトアクリレート系ポリマーを用いることもできる。このようなアダクトアクリレート系ポリマーは、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体(A)において説明した(メタ)アクリル酸エステルと、分子内に架橋性官能基を有する単量体との共重合体を用い、該共重合体の架橋性官能基の一部に、(メタ)アクリロイル基及び架橋性官能基と反応する基を有する化合物を反応させることにより得ることができる。該アダクトアクリレート系ポリマーの質量平均分子量は、標準ポリスチレン換算で、通常50万〜200万である。
また、活性エネルギー線硬化型化合物(B)として、前記の多官能アクリレート系モノマー、アクリレート系オリゴマーおよびアダクトアクリレート系ポリマーの中から、適宜1種を選び用いてもよく、2種以上を選び併用してもよい。
粘着性材料中における、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体(A)と、活性エネルギー線硬化型化合物(B)との含有割合は、得られる粘着剤の性能の面から、質量比で、100:1〜100:100であるのが好ましく、100:5〜100:50であるのがより好ましく、100:10〜100:40であるのがさらに好ましい。
また、粘着性材料には、必要に応じて、光重合開始剤が含まれていてもよい。
光重合開始剤としては、例えば、ベンソイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2−(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリ−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミノ安息香酸エステル、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、粘着性材料中における、光重合開始剤の配合量は、活性エネルギー線硬化型化合物(B)100質量部に対して、0.2〜20質量部であるのが好ましい。
また、粘着性材料には、必要に応じて、架橋剤が含まれていてもよい。
架橋剤としては、特に制限はなく、従来のアクリル系粘着剤において、架橋剤として慣用されているアクリル系粘着剤の中から、任意のアクリル系粘着剤を適宜選択して用いることができる。このような架橋剤としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ジアルデヒド類、メチロールポリマー、アジリジン系化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩などが挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、架橋剤として、ポリイソシアネート化合物を用いるのが好ましい。
ポリイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネートなど、及びそれらの、ビウレット体、イソシアヌレート体、さらにはエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヒマシ油などの低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト体などを挙げることができる。
架橋剤の添加量は、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体(A)100質量部に対し、0.01〜20質量部であるのが好ましく、0.1〜10質量部であるのがより好ましい。
また、粘着性材料には、必要に応じて、シランカップリング剤が含まれていてもよい。このシランカップリング剤を含有させることにより、偏光板等の光学機能性フィルムを、例えば液晶ガラスセルなどに貼合する場合に、粘着剤とガラスセルの間の密着性がより良好となる。このシランカップリング剤は、分子内にアルコキシシリル基を少なくとも1個有する有機ケイ素化合物であって、粘着剤成分との相溶性がよく、かつ光透過性を有する、例えば実質上透明であることが好適である。
シランカップリング剤の添加量は、粘着性材料の固形分100質量部に対し、0.001〜10質量部であるのが好ましく、0.005〜5質量部であるのがより好ましい。
シランカップリング剤の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の重合性不飽和基含有ケイ素化合物、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ構造を有するケイ素化合物、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基含有ケイ素化合物、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
当該粘着性材料には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望によりアクリル系粘着剤に通常使用されている各種添加剤、例えば粘着付与剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、軟化剤、充填剤などを添加することができる。
粘着剤層10を構成する粘着剤は、上述したような成分で構成された粘着性材料に、活性エネルギー線を照射してなる。
活性エネルギー線としては、例えば、紫外線や電子線等が挙げられる。上記紫外線は、高圧水銀ランプ、無電極ランプ、キセノンランプ等で得ることができる。また、電子線は、電子線加速器等によって得ることができる。
活性エネルギー線の中では、特に紫外線を用いるのが好適である。なお、電子線を使用する場合は、光重合開始剤を添加することなく、粘着剤を形成することができる。
粘着性材料に対する活性エネルギー線の照射量は、上述したような貯蔵弾性率を有する粘着剤が得られるように、適宜選定されるが、紫外線の場合は照度50〜1000mW/cm、光量50〜1000mJ/cm、電子線の場合は10〜1000kradの範囲が好ましい。
粘着剤層10の平均厚さは、3〜10μmであるのが好ましく、4〜8μmであるのがさらに好ましい。粘着剤層10の平均厚さをこのような範囲とすることにより、薄型ディスプレイに用いるのに適した厚さとすることができる。
[第1の剥離フィルム]
第1の剥離フィルム11は、粘着剤層10の第1の面101に貼着されている。
当該第1の剥離フィルム11は、粘着剤層10を保護する機能を有している。
第1の剥離フィルム11は、図1に示すように、粘着剤層10と接する面側から、第1の剥離剤層111と、第1の基材フィルム112とが順に積層された積層体で構成されている。
第1の基材フィルム112は、第1の剥離フィルム11に、剛性、柔軟性等の物理的強度を付与する機能を有している。
第1の基材フィルム112を構成する材料としては、各種の合成樹脂が挙げられるが、例えば、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等のポリエステル樹脂を用いるのが好ましく、ポリエチレンテレフタレート樹脂を用いるのがより好ましい。なお、第1の基材フィルム112は、単層であってもよいし、同種または異種の材料で構成された2層以上の多層であってもよい。
なお、第1の基材フィルム112には、フィラーが含まれていてもよい。フィラーとしては、例えば、シリカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、酸化アルミニウム等が挙げられる。
第1の基材フィルム112の厚みは、特に制限ないが、10〜300μmであるのが好ましく、15〜200μmであるのがより好ましい。
第1の剥離剤層111は、第1の剥離フィルム11に剥離性を付与する機能を有している。
第1の剥離剤層111は、第1の基材フィルム112の表面に第1の剥離剤を含有する第1の剥離剤層形成用組成物を塗布し、乾燥することにより形成される。
第1の剥離剤としては、特に限定されず、アルキド系化合物、アクリル系化合物、シリコーン系化合物、長鎖アルキル基含有化合物、フッ素化合物等が挙げられる。これらの中でも、第1の剥離剤としては、アルキド系化合物、アクリル系化合物、シリコーン系化合物、長鎖アルキル基含有化合物を用いるのが好ましい。
アルキド系化合物としては、一般に架橋構造を有するアルキド系化合物が用いられる。架橋構造を有するアルキド化合物層の形成は、例えば、アルキド化合物、架橋剤および所望により硬化触媒を含む熱硬化性組成物からなる層を加熱硬化させる方法を用いることができる。また、アルキド系化合物は、長鎖アルキル変性アルキド化合物、シリコーン変性アルキド化合物等の変性物であってもよい。
アクリル系化合物としては、一般に架橋構造を有するアクリル系化合物が用いられる。また、アクリル系化合物は、長鎖アルキル変性アクリル化合物、シリコーン変性アクリル化合物等の変性物であってもよい。
シリコーン系化合物としては、基本骨格としてジメチルポリシロキサンを有するシリコーン系化合物が挙げられる。シリコーン系化合物は、付加反応型シリコーン系化合物、縮合反応型シリコーン系化合物、紫外線硬化型シリコーン系化合物、電子線硬化型シリコーン系化合物等を含む。付加反応型シリコーン系化合物は、反応性が高く生産性に優れ、縮合反応型シリコーン系化合物と比較すると、製造後の剥離力の変化が小さい、硬化収縮が無い等のメリットがある。
上記付加反応型シリコーン系化合物の具体例としては、分子の末端および/または側鎖に、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜10のアルケニル基を2個以上備えたオルガノポリシロキサンが挙げられる。このような付加反応型シリコーン系化合物を用いる際には、架橋剤および触媒を併用することが好ましい。
上記架橋剤としては、例えば1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノポリシロキサン、具体的には、ジメチルハイドロジェンシロキシ基末端封鎖ジメチルシロキサン−メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、トリメチルシロキシ基末端封鎖ジメチルシロキサン−メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、トリメチルシロキシ基末端封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、ポリ(ハイドロジェンシルセスキオキサン)等が挙げられる。
また、上記触媒としては、微粒子状白金、炭素粉末担体上に吸着された微粒子状白金、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸のオレフィン錯体、パラジウム、ロジウム等の白金属金属系化合物等が挙げられる。このような触媒を用いることにより、剥離剤層形成用組成物の硬化反応をより効率よく進行させることができる。
長鎖アルキル基含有化合物としては、例えば、ポリビニルアルコール系重合体に炭素数8〜30の長鎖アルキルイソシアネートを反応させて得られたポリビニルカーバメートや、ポリエチレンイミンに炭素数8〜30の長鎖アルキルイソシアネートを反応させて得られたアルキル尿素誘導体などが用いられる。
フッ素化合物としては、フッ素シリコーン化合物、フッ素ボロン化合物などが挙げられる。
第1の剥離剤組成物には添加剤を適宜配合してもよい。添加剤としては、触媒、染料、分散剤等が挙げられる。
第1の剥離剤層111において、第1の剥離フィルム11の剥離力が、第2の剥離フィルム12の剥離力よりも大きくなるように、上述した第1の剥離剤層形成用組成物の材料を適宜選択する。
第1の剥離剤としてシリコーン系化合物を用いる場合には、重剥離コントロール剤として、MQレジンを適量添加することが好ましい。
第1の剥離剤組成物には、塗布時の粘度を適当な範囲にするために分散媒または溶媒が適宜含まれていてもよい。
分散媒または溶媒としては、トルエンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチルなどの脂肪酸エステル、メチルエチルケトンなどのケトン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素等の有機溶剤等が好ましく挙げられる。
第一の剥離剤組成物中における、第1の剥離剤の含有量は、特に限定されないが、0.3〜10質量%であるのが好ましい。
なお、塗布方法としては、例えば、グラビアコート法、バーコート法、スプレーコート法、スピンコート法、エアーナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ゲートロールコート法、ダイコート法などが使用でき、グラビアコート法、バーコート法が好ましく、バーコート法が特に好ましい。
また、乾燥温度は、特に制限ないが、100〜150℃が好ましく、乾燥時間は10秒間〜1分間が好ましい。
第1の剥離剤層の厚みは、0.01〜5μmが好ましく、0.03〜3μmが特に好ましい。
第1の剥離フィルム11の、粘着剤層10と接する面の算術平均粗さRaが40nm以下であり、かつ、その最大突起高さRpが700nm以下であるのが好ましい。これにより、粘着剤層10の第1の面101と液晶セル等の被着体との密着性(接着性)をより高くすることができる。その結果、最終的に得られる液晶パネル等の光学製品の耐久性をより高くすることができる。また、粘着剤層10の第1の面101の凹凸による視認性の低下を防ぐことができる。
[第2の剥離フィルム]
第2の剥離フィルム12は、粘着剤層10の第2の面102に貼着されている。
当該第2の剥離フィルム12は、粘着剤層10を保護する機能を有している。
本発明では、第2の剥離フィルム12の、粘着剤層10と接する面の算術平均粗さRaが30nm以下であり、かつ、その最大突起高さRpが250nm以下である。これにより、上述したような薄膜かつ貯蔵弾性率の高い粘着剤層10であっても、第2の剥離フィルム12と粘着剤層10との間に気泡(ラミ気泡)が発生するのを効果的に防止することができる。
第2の剥離フィルム12は、図1に示すように、粘着剤層10と接する面側から、第2の剥離剤層121と、第2の基材フィルム122とが順に積層された積層体で構成されている。
第2の基材フィルム122としては、上述した第1の剥離フィルム11の項で説明した第1の基材フィルム112と同様の材料を用いることができる。
第2の剥離剤層121は、第2の基材フィルム122の表面に第2の剥離剤を含有する第2の剥離剤層形成用組成物を塗布し、乾燥することにより形成される。
第2の剥離剤としては、上述した第1の剥離フィルムの項で説明した第1の剥離剤と同様の材料を用いることができる。
第2の剥離剤層121において、第2の剥離フィルム12の剥離力が、第1の剥離フィルム11の剥離力よりも小さくなるように、上述した第2の剥離剤層形成用組成物の材料を適宜選択する。
第2の剥離剤層121は、1層であってもよいし、2層以上の複数層であってもよいが、操作を簡略化するためには1層が好ましい。
第2の剥離剤層121の厚みは、0.01〜5μmであるのが好ましく、0.03〜3μmであるのがより好ましい。
第1の剥離フィルム11の粘着剤層10からの剥離力をX[mN/25mm]、第2の剥離フィルム12の粘着剤層10からの剥離力をY[mN/25mm]としたとき、X−Y≧5の関係を満足するのが好ましく、X−Y≧10の関係を満足するのがより好ましい。これにより、第2の剥離フィルムを粘着剤層から剥がす際に、粘着剤層の一部が第2の剥離フィルムに付着してしまう、いわゆる、泣き別れと呼ばれる転着現象が発生するのをより効果的に防止することができる。
以上、本発明を好適実施形態に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
次に、本発明の剥離フィルムの具体的実施例について説明する。
[1]両面粘着シートの作製
(実施例1)
1.第1の剥離フィルムの作製
第1の基材フィルムとしてのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ38μm)の一方の面に、下記組成の第1の剥離剤層形成用組成物Aを、乾燥後の厚みが0.1μmとなるようにバーコーターにて塗布し、120℃で1分間乾燥して第1の剥離剤層を設けた。これにより第1の剥離フィルムを作製した。得られた第1の剥離フィルムの第1の剥離剤層の表面の算術平均粗さRaおよび最大突起高さRpを表1に記載した。
(第1の剥離剤層形成用組成物Aの調製)
ビニル基を備えたオルガノポリシロキサンおよびヒドロシリル基を備えたオルガノポリシロキサンを含有するシリコーン樹脂溶液(東レ・ダウコーニング社製、商品名「BY24−561」)を固形分換算で30質量部と、ビニル基を備えたMQレジン(東レ・ダウコーニング社製、商品名「SD7292」)を固形分換算で15質量部とを、トルエン溶媒に、固形分濃度が1.0質量%となるように希釈混合した。この溶液に白金系触媒(東レ・ダウコーニング社製、商品名「SRX−212」)を2質量部添加し、第1の剥離剤層形成用組成物Aを調製した。
2.第2の剥離フィルムの作製
第2の基材フィルムとしてのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ38μm)の1方の面に、下記組成の第2の剥離剤層形成用組成物Bを、乾燥後の厚みが0.1μmとなるようにバーコーターにて塗布し、120℃で1分間乾燥して第2の剥離剤層を設けた。これにより第2の剥離フィルムを作製した。得られた第2の剥離フィルムの第2の剥離剤層の表面の算術平均粗さRaおよび最大突起高さRpを表1に記載した。
(第2の剥離剤層形成用組成物Bの調製)
シリコーン樹脂100質量部(信越化学工業社製:商品名「KS847H」)と、硬化剤1質量部(信越化学工業社製:商品名「CAT−PL50T」)とをトルエンで希釈し、固形分濃度1質量%の第2の剥離剤層形成用組成物Bを調製した。
3.粘着剤組成物の作製
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置および窒素導入管を備えた反応容器に、アクリル酸n−ブチル95.0質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル5.0質量部、酢酸エチル200質量部、および、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.08質量部を仕込み、反応液を得た。次に、上記反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。この窒素雰囲気下中、反応液を攪拌しながら、反応溶液を60℃に昇温し、16時間反応させた後、反応液を室温まで冷却した。ここで、得られた溶液の一部をGPC測定し、質量平均分子量160万の重合体(A)の生成を確認した。上記重合体(A)100質量部(固形分)に、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(東亜合成社製、商品名「アロニックスM−315」、分子量:423)20質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガキュア500」)2.0質量部、ポリイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、商品名「コロネートL」4質量部、およびシランカップリング剤(信越化学工業社製「KBM−403」)0.1質量部を添加し、混合して混合液を得た。この混合液に、さらに溶剤としてトルエンを加えて固形分を15質量%に調整し、粘着剤組成物Aを調製した。
4.両面粘着シートの作製
第1の剥離フィルムの剥離剤層上に、粘着剤組成物Aを乾燥後に5μmとなるように、塗布し、90℃で1分間、乾燥させて粘着剤層を形成した。次いで、形成した粘着剤層上に、第2の剥離フィルムの剥離剤層が当該粘着剤層に接するように、第2の剥離フィルムを貼合して、積層体を得た。貼合は、ラミネート圧力を0.5MPaに調整したシリコーンゴムロール(ゴム硬度:80)と金属ロールとの間に積層体を挟み込み、常温条件下、速度50m/minで実行された。次いで、第1の剥離フィルムの下から紫外線(UV)を下記の条件で照射し、両面粘着シートを作製した。その後、温度23℃、相対湿度50%の条件で10日間養生した。
<UV照射条件>
・フュージョン社製無電極ランプ H バルブ使用。
・照度600mW/cm、光量150mJ/cm
UV照度・光量計は、アイグラフィックス社製「UVPF−36」を使用した。
(実施例2)
粘着剤層の平均厚さが3μmとなるようにした以外は、前記実施例1と同様に両面粘着シートを作製した。
(実施例3)
粘着剤層の平均厚さが10μmとなるようにした以外は、前記実施例1と同様に両面粘着シートを作製した。
(実施例4)
粘着剤組成物Aのトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(東亜合成社製、商品名「アロニックスM−315」)20質量部を10質量部とした以外は、前記実施例1同様にして粘着剤組成物Bを調製し、両面粘着シートを作製した。
(実施例5)
粘着剤組成物Aのトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(東亜合成社製、商品名「アロニックスM−315」)20質量部を40質量部とした以外は、前記実施例1同様にして粘着剤組成物Cを調製し、両面粘着シートを作製した。
(実施例6、7)
第2の基材フィルムを変更し、第2の剥離フィルムの剥離剤層の表面の算術平均粗さRaおよび最大突起高さRpを表1に示す値となるように第2の剥離フィルムを作製した以外は、前記実施例1と同様に両面粘着シートを作製した。
(実施例8)
粘着剤組成物Aのトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(東亜合成社製、商品名「アロニックスM−315」)20質量部を7.5質量部とした以外は、前記実施例1同様にして粘着剤組成物Dを調製し、両面粘着シートを作製した。
(実施例9)
粘着剤層の平均厚さが2μmとなるようにした以外は、前記実施例1と同様に両面粘着シートを作製した。
(実施例10)
第1の基材フィルムを変更し、第1の剥離フィルムの剥離剤層の表面の算術平均粗さRaおよび最大突起高さRpを表1に示す値となるように第1の剥離フィルムを作製した以外は、前記実施例1と同様に両面粘着シートを作製した。
(比較例1、2)
第2の基材フィルムを変更し、第2の剥離フィルムの剥離剤層の表面の算術平均粗さRaおよび最大突起高さRpを表1に示す値となるように第2の剥離フィルムを作製した以外は、前記実施例1と同様に両面粘着シートを作製した。
(比較例3)
粘着剤組成物Aのトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(東亜合成社製、商品名「アロニックスM−315」)20質量部を5質量部とした以外は、前記実施例1同様にして粘着剤組成物Eを調製し、両面粘着シートを作製した。
なお、各実施例および比較例の両面粘着シートに用いた第1の剥離フィルムおよび第2の剥離フィルムの粘着剤層と接する面の算術平均粗さRa、Ra、最大突起高さRp、Rpは、ミツトヨ社製の表面粗さ測定機SV3000S4(触針式)を使用し、JIS B 0601−1994に準拠して測定した。
また、各実施例および比較例の両面粘着シートに用いた粘着剤層の23℃における貯蔵弾性率は、JIS K 7244に準拠して粘弾性測定器(REOMETRIC社製、商品名「DYNAMIC ANALAYZER」)を用いて、ねじり剪断法により下記条件で測定した。
・サンプル形態:8mmφ×3mmの円柱(粘着剤層を積層後円柱状に裁断して作製。)
・測定周波数:1Hz
・測定温度:23℃
また、各実施例および各比較例の両面粘着シートにおける、第1の剥離フィルムおよび第2の剥離フィルムの粘着剤層に対する剥離力は、JIS−Z0237に準拠し、引張試験機を用いて、測定された。測定は、両面粘着シートを幅25mm、長さ200mmに裁断し粘着剤層を固定した状態で、第1の剥離フィルムまたは第2の剥離フィルムを300mm/分の速度で180°方向に引っ張ることにより実行された。
Figure 2014156335
[2]評価
以上のようにして得られた両面粘着シートに関して、以下のような評価を行った。
[2.1]ラミ気泡評価
各実施例および各比較例の両面粘着シートについて、KEYENCE製デジタル顕微鏡を用いて、700μm×500μmの視野範囲内に発生していたラミ気泡(3μm以上)の数をカウントし、下記判定基準に従い評価した。
・判定基準
○ :ラミ気泡が未発生だった。
△ :ラミ気泡が10個未満だった。
× :ラミ気泡が10個以上だった。
[2.2]転着現象(泣き別れ)評価
各実施例および各比較例の両面粘着シートを幅500mmのロール形態に巻取った。次に第1の剥離フィルムを剥離速度10m/分、剥離角度90°の条件で、10m剥離したとき、第1の剥離フィルムへの粘着剤の転着の有無を目視にて確認した。その結果を、以下の評価基準で判定した。
○ :第1の剥離フィルムへの転着が無かった。
× :第1の剥離フィルムへの転着が発生した。
[2.3]耐久性評価
各実施例および各比較例の両面粘着シートから第1の剥離フィルムを引き剥がして粘着剤層を露出させた。次に、露出した粘着剤層を、ディスコティック液晶層付偏光フィルムからなる偏光フィルムと視野角拡大フィルムとが一体化した偏光板に貼合した。得られた粘着剤層付き偏光板を、裁断装置(荻野製作所社製スーパーカッター、PN1−600)を用いて233mm×309mmサイズに裁断した。次いで、第2の剥離フィルムを引き剥がして粘着剤層を露出させた。次に、露出した粘着剤層を無アルカリガラス(コーニング社製,イーグルXG)に貼付してサンプルを得た。その後、サンプルを栗原製作所製オートクレーブにて0.5MPa、50℃で、20分加圧した。その後、サンプルを下記の耐久条件の環境下に静置した。500時間後に、10倍ルーペを用いてサンプルの観察を行った。
外観変化は以下を基準とした。
○ :サンプルの4辺において、欠点が無かった。
△ :サンプルの4辺において、外周端部から0.6mm以上の部位に欠点が無かった。
× :サンプルの4辺の少なくとも1辺において、外周端部から0.6mm以上の部位に、粘着剤の浮き、粘着剤の剥がれ、粘着剤に発泡、粘着剤にスジなどの0.1mm以上の粘着剤の外観異常欠点があった。
<耐久条件>
・80℃ドライ
・60℃90%RH
・HS(−35℃と70℃で各1時間サイクル)環境
これらの結果を表1に合わせて示した。
表1から明らかなように、本発明の両面粘着シートは、ラミ気泡の発生が防止されていた。また、本発明の両面粘着シートは、各剥離フィルムの剥離性に優れていた。また、本発明の両面粘着シートは、耐久性に優れていた。これに対して、比較例では満足な結果が得られなかった。
本発明の両面粘着シートは、第1の面と第2の面とを備える粘着剤層と、前記粘着剤層の前記第1の面に貼着された第1の剥離フィルムと、前記粘着剤層の前記第2の面に貼着された第2の剥離フィルムとを有する。23℃における前記粘着剤層の貯蔵弾性率は、0.3MPa以上である。前記第2の剥離フィルムの前記粘着剤層からの剥離力は、前記第1の剥離フィルムの前記粘着剤層からの剥離力よりも小さい。前記第2の剥離フィルムは、前記粘着剤層と接する面の算術平均粗さRaが30nm以下であり、かつ、その最大突起高さRpが250nm以下であるように構成されている。このような両面粘着シートは、耐久性に優れるとともに、第2の剥離フィルムと粘着剤層との間に気泡(ラミ気泡)が発生するのを防止する。したがって、本発明は産業上の利用可能性を有する。
1 両面粘着シート
10 粘着剤層
101 第1の面
102 第2の面
11 第1の剥離フィルム
111 第1の剥離剤層
112 第1の基材フィルム
12 第2の剥離フィルム
121 第2の剥離剤層
122 第2の基材フィルム

Claims (4)

  1. 第1の面と第2の面とを備える粘着剤層と、
    前記粘着剤層の前記第1の面に貼着された第1の剥離フィルムと、
    前記粘着剤層の前記第2の面に貼着された第2の剥離フィルムと、を有し、
    23℃における前記粘着剤層の貯蔵弾性率が、0.3MPa以上であり、
    前記第2の剥離フィルムの前記粘着剤層からの剥離力は、前記第1の剥離フィルムの前記粘着剤層からの剥離力よりも小さく、
    前記第2の剥離フィルムは、前記粘着剤層と接する面の算術平均粗さRaが30nm以下であり、かつ、その最大突起高さRpが250nm以下であるように構成されていることを特徴とする両面粘着シート。
  2. 前記第1の剥離フィルムは、前記粘着剤層と接する面の算術平均粗さRaが40nm以下であり、かつ、その最大突起高さRpが700nm以下であるように構成されている請求項1に記載の両面粘着シート。
  3. 前記粘着剤層の平均厚さは、3〜10μmである請求項1または2に記載の両面粘着シート。
  4. 前記第1の剥離フィルムの前記粘着剤層からの剥離力をX[mN/25mm]、前記第2の剥離フィルムの前記粘着剤層からの剥離力をY[mN/25mm]としたとき、X−Y≧5の関係を満足する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の両面粘着シート。
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