JPWO2014129569A1 - 金属錯体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

多価カルボン酸化合物と、少なくとも1種の金属イオンと、該金属イオンに多座配位可能な有機配位子と、モノカルボン酸化合物とからなる金属錯体の製造方法において、金属イオンのカウンターアニオンの共役酸の第一電離指数の値が多価カルボン酸化合物の第一電離指数の値よりも0〜6大きいカウンターアニオンを有する金属塩を用い、前記多価カルボン酸、前記金属イオン、前記多座配位可能な有機配位子、及びモノカルボン酸化合物のうちの少なくとも一種を、懸濁状態にて反応させる。この方法により金属錯体が効率よく製造される。

Description

(関連分野の相互参照)
本願は、2013年2月22日に出願した特願2013-033263号明細書(その全体が参照により本明細書中に援用される)の優先権の利益を主張するものである。
(技術分野)
本発明は、金属錯体の製造方法に関する。さらに詳しくは、多価カルボン酸化合物と、周期表の2〜13族に属する金属のイオンから選択される少なくとも1種の金属イオンと、該金属イオンに多座配位可能な有機配位子と、モノカルボン酸化合物とからなる金属錯体の製造方法に関する。
これまで、脱臭、排ガス処理などの分野で種々の吸着材が開発されている。活性炭はその代表例であり、活性炭の優れた吸着性能を利用して、空気浄化、脱硫、脱硝、有害物質除去など各種工業において広く使用されている。近年は半導体製造プロセスなどへ窒素の需要が増大しており、かかる窒素を製造する方法として、分子ふるい炭を使用して圧力スイング吸着法や温度スイング吸着法により空気から窒素を製造する方法が使用されている。また、分子ふるい炭は、メタノール分解ガスからの水素精製など各種ガス分離精製にも応用されている。
圧力スイング吸着法や温度スイング吸着法により混合ガスを分離する際には、一般に、分離吸着材として分子ふるい炭やゼオライトなどを使用し、その平衡吸着量または吸着速度の差により分離を行っている。しかしながら、平衡吸着量の差によって混合ガスを分離する場合、これまでの吸着材では除去したいガスのみを選択的に吸着することができないため分離係数が小さくなり、装置の大型化は不可避であった。また、吸着速度の差によって混合ガスを分離する場合、ガスの種類によっては除去したいガスのみを吸着できるが、吸着と脱着を交互に行う必要があり、この場合も装置は依然として大型にならざるを得なかった。
一方、より優れた吸着性能を与える吸着材として、高分子金属錯体が開発されている。高分子金属錯体は、(1)広い表面積と高い空隙率、(2)高い設計性、(3)外部刺激による動的構造変化、といった特徴を有しており、既存の吸着材にはない吸着特性が期待される。
優れた吸着性能を有する金属錯体として銅イオンとテレフタル酸と4,4’−ビピリジルとからなる高分子金属錯体が示されている(特許文献1参照)。
また、銅イオンとテレフタル酸と4,4’−ビピリジルとからなる高分子金属錯体が示されている(非特許文献1)。
特開2003−342260公報
Yoko Sakata、Shuhei Furukawa、Mio Kondo、Kenji Hirai、Nao Horike、Yohei Takashima、Hiromitsu Uehara、Nicolas Louvain、Mikhail Meilikhov、Takaaki Tsuruoka、Seiji Isoda、Wataru Kosaka、Osami Sakata、Susumu Kitagawa、Science、 第339巻、193〜196頁(2013年)
しかしながら、特許文献1、非特許文献1の金属錯体の製造方法は、本発明者らが追試した結果、生産性に問題があることがわかった。また、非特許文献1の金属錯体は平均粒径が小さく、吸着性能に問題があることがわかった。
したがって、本発明の目的は、金属錯体を効率よく製造する方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討し、多価カルボン酸化合物と、少なくとも1種の金属イオンと、該金属イオンに多座配位可能な有機配位子と、モノカルボン酸化合物とからなる金属錯体の製造方法において、金属イオンのカウンターアニオンの共役酸の第一電離指数の値から多価カルボン酸化合物の第一電離指数の値を引いた値が0〜6の範囲となるカウンターアニオンを有する金属塩を用い、前記多価カルボン酸、前記金属イオン、前記多座配位可能な有機配位子、及び前記モノカルボン酸化合物のうちの少なくとも一種を、懸濁状態にて反応させることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明によれば、以下のものが提供される。
(1)多価カルボン酸化合物と、周期表の2〜13族に属する金属のイオンから選択される少なくとも1種の金属イオンと、該金属イオンに多座配位可能な有機配位子と、モノカルボン酸化合物とからなる金属錯体の製造方法であって、多価カルボン酸化合物と、周期表の2〜13族に属する金属のイオンから選択される少なくとも1種の金属イオンと、該金属イオンに多座配位可能な有機配位子と、モノカルボン酸化合物とを、1つまたは複数の工程で反応させる工程を含み、前記工程において、前記金属イオンは、金属イオンのカウンターアニオンの共役酸の第一電離指数の値が多価カルボン酸化合物の第一電離指数の値よりも0〜6大きい、カウンターアニオンを有する金属塩の形で用いられ、前記多価カルボン酸、前記金属イオン、前記多座配位可能な有機配位子、及び前記モノカルボン酸化合物のうちの少なくとも一種を、懸濁状態にて反応させることを特徴とする金属錯体の製造方法。
(2)前記反応させる工程を溶媒中で行うことを特徴とする(1)に記載の金属錯体の製造方法。
(3)多価カルボン酸化合物と、金属イオンと、前記モノカルボン酸化合物とを反応させる第一工程と、第一工程で得られた生成物に、前記多座配位可能な有機配位子を反応させる第二工程とを含むことを特徴とする(1)または(2)に記載の金属錯体の製造方法。
(4)前記第一工程の反応温度が、303〜373Kであることを特徴とする(3)に記載の金属錯体の製造方法。
(5)前記金属イオンのカウンターアニオンが脂肪族モノカルボキシレートイオンである(1)〜(4)のいずれか一項に記載の金属錯体の製造方法。
(6)前記多価カルボン酸化合物がジカルボン酸化合物である(1)〜(5)のいずれか一項に記載の金属錯体の製造方法。
(7)前記多座配位可能な有機配位子が二座配位可能な有機配位子である(1)〜(6)のいずれか一項に記載の金属錯体の製造方法。
(8)前記二座配位可能な有機配位子が点群がD∞hであり、かつ長軸方向の長さが7.0Å以上16.0Å以下である二座配位可能な有機配位子である(7)に記載の金属錯体の製造方法。
(9)前記金属錯体の製造方法において、得られる金属錯体の平均粒径が0.1〜10μmの範囲である(1)〜(8)のいずれか一項に記載の金属錯体の製造方法。
(10)(1)〜(9)のいずれか一項に記載の製造方法により得られる金属錯体。
本発明により、多価カルボン酸化合物と、少なくとも1種の金属イオンと、該金属イオンに多座配位可能な有機配位子と、モノカルボン酸化合物とからなる金属錯体の製造方法を提供することができる。
テレフタル酸のカルボキシレート基と銅イオンとからなるパドルホイール骨格中の金属イオンのアキシャル位に4,4’−ビピリジルが配位して形成されるジャングルジム骨格の模式図である。 ジャングルジム骨格が二重に相互貫入した三次元構造の模式図である。 実施例1で得た金属錯体の粉末X線回折パターンである。 実施例1で得た金属錯体の結晶構造である。 実施例1で得た金属錯体を重アンモニア水に溶解させて測定したH−NMRスペクトルである。 実施例1で得た金属錯体の粒度分布である。 実施例1で得た金属錯体の293Kにおける二酸化炭素の吸脱着等温線である。 実施例2で得た金属錯体の粉末X線回折パターンである。 実施例2で得た金属錯体を重アンモニア水に溶解させて測定したH−NMRスペクトルである。 実施例2で得た金属錯体を重アンモニア水と重トリフルオロ酢酸とからなる混合溶液に溶解させて測定したH−NMRスペクトルである。 実施例2で得た金属錯体の293Kにおける二酸化炭素の吸脱着等温線である。 実施例3で得た金属錯体の粉末X線回折パターンである。 実施例3で得た金属錯体の293Kにおける二酸化炭素の吸脱着等温線である。 比較例1で得た金属錯体の粉末X線回折パターンである。 比較例1で得た金属錯体の293Kにおける二酸化炭素の吸脱着等温線である。 比較例2で得た金属錯体の粉末X線回折パターンである。 比較例2で得た金属錯体の293Kにおける二酸化炭素の吸脱着等温線である。 比較例3で得た金属錯体の粉末X線回折パターンである。 比較例3で得た金属錯体の293Kにおける二酸化炭素の吸脱着等温線である。 実施例4で得た金属錯体の粉末X線回折パターンである。 実施例4で得た金属錯体の結晶構造である。 実施例4で得た金属錯体を重アンモニア水に溶解させて測定したH−NMRスペクトルである。 実施例4で得た金属錯体の298Kにおけるメタンの吸脱着等温線である。 比較例5で得た金属錯体の粉末X線回折パターンである。
粉末X線回折パターンの測定結果において、横軸は回折角(2θ)及び縦軸はcps(Counts per Second)で示す回折強度(Intensity)である。
吸脱着等温線の測定結果において、横軸はMPaで示す平衡圧(Pressure)及び縦軸はmL(STP)/gで示す平衡吸着量(Amount Adsorbed)である。吸脱着等温線の測定結果において、昇圧した際の各圧力におけるガス(例えば二酸化炭素またはメタン)の吸着量(ads.)及び減圧した際の各圧力におけるガスの吸着量(des.)がそれぞれプロットされている。STP(標準状態、Standard Temperature and Pressure)は、温度273.15K及び圧力1bar(105Pa)の状態を示す。
本発明は、多価カルボン酸化合物と、少なくとも1種の金属イオンと、該金属イオンに多座配位可能な有機配位子と、モノカルボン酸化合物とからなる金属錯体の製造方法である。
本発明に用いられる多価カルボン酸化合物としては、特に限定されるものではないが、ジカルボン酸化合物、トリカルボン酸化合物、テトラカルボン酸化合物などを使用することができる。
本発明に用いられる多価カルボン酸化合物としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸;フマル酸、トランス,トランス−1,4−ブタジエンジカルボン酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸;イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;2,5−チオフェンジカルボン酸、2,2’−ジチオフェンジカルボン酸、2,3−ピラジンジカルボキン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、3,5−ピリジンジカルボン酸などの複素芳香族ジカルボン酸;1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1,3,4−ベンゼントリカルボン酸、ビフェニル−3,4’,5−トリカルボン酸などの芳香族トリカルボン酸;1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸、[1,1’:4’,1’’]ターフェニル−3,3’’,5,5’’−テトラカルボン酸、5,5’−(9,10−アントラセンジイル)ジイソフタル酸などの芳香族テトラカルボン酸などが挙げられる。これらの中でもジカルボン酸化合物が好ましく、芳香族ジカルボン酸化合物がより好ましい。
該多価カルボン酸化合物は、カルボキシル基以外に置換基をさらに有していてもよい。置換基を有する多価カルボン酸は、芳香族多価カルボン酸が好ましく、置換基は芳香族多価カルボン酸の芳香環に結合したものが好ましい。置換基の数は1、2または3個が挙げられる。置換基としては、特に限定されないが、例えばアルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基などの直鎖または分岐を有する炭素数1〜5のアルキル基)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基,n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基など)、アミノ基、モノアルキルアミノ基(メチルアミノ基など)、ジアルキルアミノ基(ジメチルアミノ基など)、ホルミル基、エポキシ基、アシロキシ基(アセトキシ基、n−プロパノイルオキシ基、n−ブタノイルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基など)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基など)、ニトロ基、シアノ基、水酸基、アセチル基、トリフルオロメチル基などが挙げられる。具体的には、2−ニトロテレフタル酸、2−フルオロテレフタル酸、1,2,3,4−テトラフルオロテレフタル酸、2,4,6−トリフルオロ−1,3,5−ベンゼントリカルボン酸などの置換基を有する多価カルボン酸化合物が挙げられる。
多価カルボン酸化合物は、単独で用いてもよく、2種以上の多価カルボン酸化合物を混合して用いてもよい。また、本発明の製造方法により得られた金属錯体は、単一の多価カルボン酸化合物からなる金属錯体を2種以上混合して用いてもよい。
多価カルボン酸化合物は、酸無水物やアルカリ金属塩の形で用いてもよい。
本発明に用いられる金属イオンは、周期表の2〜13族に属する金属のイオンから選択される少なくとも1種の金属イオンである。周期表2族に属する金属のイオンとはベリリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオン及びラジウムイオンである。周期表3族に属する金属のイオンとは、スカンジウムイオン、イットリウムイオン、ランタノイドのイオン及びアクチノイドのイオンである。周期表4族に属する金属のイオンとは、チタンイオン、ジルコニウムイオン、ハフニウムイオン及びラザホージウムイオンである。周期表5族に属する金属のイオンとは、バナジウムイオン、ニオブイオン、タンタルイオン及びドブニウムイオンである。周期表6族に属する金属のイオンとは、クロムイオン、モリブデンイオン、タングステンイオン及びシーボーギウムイオンである。周期表7族に属する金属のイオンとは、マンガンイオン、テクネチウムイオン、レニウムイオン及びボーリウムイオンである。周期表8族に属する金属のイオンとは、鉄イオン、ルテニウムイオン、オスミウムイオン及びハッシウムイオンである。周期表9族に属する金属のイオンとは、コバルトイオン、ロジウムイオン、イリジウムイオン及びマイトネリウムイオンである。周期表10族に属する金属のイオンとは、ニッケルイオン、パラジウムイオン、白金イオン及びダームスタチウムイオンである。周期表11族に属する金属のイオンとは、銅イオン、銀イオン、金イオン及びレントゲニウムイオンである。周期表12族に属する金属のイオンとは、亜鉛イオン、カドミウムイオン、水銀イオン及びウンウンビウムイオンである。周期表13族に属する金属のイオンとは、ホウ素イオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、インジウムイオン、タリウムイオン及びウンウントリウムイオンである。
本発明に用いられる周期表の2〜13族に属する金属のイオンとしては、例えば、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、スカンジウムイオン、ランタノイドイオン(ランタンイオン、テルビウムイオン、ルテチウムイオンなど)、アクチノイドイオン(アクチニウムイオン、ローレンシウムイオンなど)、ジルコニウムイオン、バナジウムイオン、クロムイオン、モリブデンイオン、マンガンイオン、鉄イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、銅イオン、亜鉛イオン、カドミウムイオン、アルミニウムイオンなどを使用することができ、中でもマンガンイオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、銅イオン及び亜鉛イオンが好ましく、銅イオンがより好ましい。
本発明に用いられる金属イオンは、単一の金属イオンでも、2種類以上の金属イオンを混合して用いてもよい。また、本発明の製造方法により得られた金属錯体は、単一の金属イオンからなる金属錯体を2種以上混合して用いてもよい。
本発明の製造方法において、該金属イオンは金属塩の形で用いる。金属塩としては、例えば、マグネシウム塩、カルシウム塩、スカンジウム塩、ランタノイド塩(ランタン塩、テルビウム塩、ルテチウム塩など)、アクチノイド塩(アクチニウム塩、ローレンシウム塩など)、ジルコニウム塩、バナジウム塩、クロム塩、モリブデン塩、マンガン塩、鉄塩、コバルト塩、ニッケル塩、銅塩、亜鉛塩、カドミウム塩、アルミニウム塩などを使用することができ、中でもマンガン塩、コバルト塩、ニッケル塩、銅塩及び亜鉛塩が好ましく、銅塩がより好ましい。
金属塩は、単一の金属塩を用いても、2種以上の金属塩を混合して用いてもよい。
本発明の製造方法においては、該金属イオンのカウンターアニオンの共役酸の第一電離指数の値が、前記多価カルボン酸化合物の第一電離指数の値よりも0〜6大きい金属塩を用いることが必要である。酸の第一電離指数(pKa1)とは、酸解離定数(K、25℃)の常用対数に負号を付けたもの(pKa1=−logK)である。例えば、金属塩として酢酸銅を用いる場合、カウンターアニオンである酢酸イオンの共役酸である酢酸の第一電離指数の値は4.82である。一方、多価カルボン酸化合物としてテレフタル酸を用いる場合、テレフタル酸の第一電離指数の値は3.51である。この場合、金属塩のカウンターアニオンである酢酸イオンの共役酸である酢酸の第一電離指数は、テレフタル酸の第一電離指数より1.31大きい。すなわち、共役酸として多価カルボン酸化合物と同じか弱い酸からなる金属塩を用いることが好ましい。
本発明の製造方法に用いられる金属塩としては、酢酸塩、ギ酸塩、テレフタル酸塩などの有機酸塩、炭酸塩などの無機酸塩を使用することができるが、中でも酢酸塩、ギ酸塩、テレフタル酸塩が好ましく、酢酸塩またはギ酸塩がより好ましく、酢酸塩が特に好ましい。例えば、ギ酸の第一電離指数は3.75、酢酸の第一電離指数は4.82、テレフタル酸の第一電離指数は3.51となる。金属塩のカウンターアニオンとしては、多価カルボン酸化合物と同じ第一電離指数の値をもつ共役酸のカウンターアニオンを用いてもよい。例えば、多価カルボン酸化合物としてテレフタル酸を使用する場合、金属塩としてテレフタル酸銅を用いてもよい。この場合、第一電離指数の差は0である。一方、例えば、硫酸銅は共役酸である硫酸の第一電離指数が−5.00であるため、多価カルボン酸化合物としてテレフタル酸を使用する場合には不適当である。
本発明に用いられる金属イオンに多座配位可能な有機配位子とは、非共有電子対で金属イオンに対して配位する部位を2箇所以上持つ中性配位子を意味する。二座有機配位子は、非共有電子対で金属イオンに対して配位する部位を2箇所有する多座配位可能な中性有機配位子;三座有機配位子は、非共有電子対で金属イオンに対して配位する部位を3箇所有する多座配位可能な中性有機配位子;四座有機配位子は、非共有電子対で金属イオンに対して配位する部位を4箇所有する多座配位可能な中性有機配位子である。
非共有電子対で金属イオンに対して配位する部位としては、窒素原子、酸素原子、リン原子、硫黄原子などが挙げられる。該多座配位可能な有機配位子は、複素芳香環化合物であることが好ましく、中でも窒素原子を配位部位に有する複素芳香環化合物であることが好ましい。複素芳香環化合物は置換基を有していてもよく、2価の炭化水素基(例えば、エチンから水素原子を2個取り除いた形である2価の基)などで結合されていてもよい。
二座配位可能な有機配位子(二座配位子)としては、例えば、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ピラジン、4,4’−ビピリジル、1,2−ビス(4−ピリジル)エチン、1,4−ビス(4−ピリジル)ブタジイン、1,4−ビス(4−ピリジル)ベンゼン、3,6−ジ(4−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、2,2’−ビ−1,6−ナフチリジン、フェナジン、ジアザピレン、2,6−ジ(4−ピリジル)−ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ジピロール−1,3,5,7(2H,6H)−テトロン、N,N’−ジ(4−ピリジル)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボキシジイミド、トランス−1,2−ビス(4−ピリジル)エテン、4,4’−アゾピリジン、1,2−ビス(4−ピリジル)エタン、4,4’−ジピリジルスルフィド、1,3−ビス(4−ピリジル)プロパン、1,2−ビス(4−ピリジル)グリコール、N−(4−ピリジル)イソニコチンアミド、1,2−ビス(1−イミダゾリル)エタン、1,2−ビス(1,2,4−トリアゾリル)エタン、1,2−ビス(1,2,3,4−テトラゾリル)エタン、1,3−ビス(1−イミダゾリル)プロパン、1,3−ビス(1,2,4−トリアゾリル)プロパン、1,3−ビス(1,2,3,4−テトラゾリル)プロパン、1,4−ビス(4−ピリジル)ブタン、1,4−ビス(1−イミダゾリル)ブタン、1,4−ビス(1,2,4−トリアゾリル)ブタン、1,4−ビス(1,2,3,4−テトラゾリル)ブタン、1,4−ビス(ベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−2,4,5,6−テトラメチルベンゼン、1,4−ビス(4−ピリジルメチル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、1,3−ビス(イミダゾール−1−イルメチル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3−ビス(4−ピリジルメチル)−2,4,6−トリメチルベンゼンなどが挙げられる。三座配位可能な有機配位子(三座配位子)としては、例えば、1,3,5−トリス(2−ピリジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(3−ピリジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(4−ピリジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(1−イミダゾリル)ベンゼン、2,4,6−トリス(2−ピリジル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3−ピリジル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリ(4−ピリジル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(1−イミダゾリル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。四座配位可能な有機配位子(四座配位子)としては、例えば、1,2,4,5−テトラキス(2−ピリジル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(3−ピリジル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(4−ピリジル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(1−イミダゾリル)ベンゼン、テトラキス(3−ピリジルオキシメチレン)メタン及びテトラキス(4−ピリジルオキシメチレン)メタン、テトラキス(1−イミダゾリルメチル)メタンなどが挙げられる。これらの中でも二座配位可能な有機配位子が好ましい。
多座配位可能な有機配位子は置換基を有していてもよい。置換基は特に限定されないが、例えば、炭素数1〜5の1又は複数(好ましくは1〜3個)のアルキル基が挙げられる。置換基を有する多座配位可能な有機配位子としては、例えば、2−メチルピラジン、2,5−ジメチルピラジン、2,2’−ジメチル−4,4’−ビピリジンなどが挙げられる。
多座配位可能な有機配位子は、単独で用いてもよく、2種以上の多座配位可能な有機配位子を混合して用いてもよい。また、本発明の製造方法により得られた金属錯体は、単一の多座配位可能な有機配位子からなる金属錯体を2種以上混合して用いてもよい。
本発明に用いられる多座配位可能な有機配位子としては、点群がD∞hであり、かつ長軸方向の長さが7.0Å以上16.0Å以下である二座配位可能な有機配位子がより好ましい。該二座配位可能な有機配位子の点群は、下記参考文献1に記載の方法に従って決定することができる。
参考文献1:中崎昌雄、分子の対称と群論、39〜40頁(1973年、東京化学同人)
例えば、4,4’−ビピリジル、1,2−ビス(4−ピリジル)エチン、2,7−ジアザピレン、1,4−ビス(4−ピリジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−ピリジル)ブタジイン、3,6−ジ(4−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、2,6−ジ(4−ピリジル)−ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ジピロール−1,3,5,7(2H,6H)−テトロン、4,4’−ビス(4−ピリジル)ビフェニル、N,N’−ジ(4−ピリジル)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボキシジイミドなどは左右対称な直線分子であり、かつ対称心を有するので、点群はD∞hとなる。また、1,2−ビス(4−ピリジル)エテンは2回回転軸とその軸に垂直な対称面を有するので、その点群はC2hとなる。
該二座配位可能な有機配位子の点群がD∞hの場合、対称性が高いために無駄な空隙が少なく、高い吸着性能を発揮することができる。また、該二座配位可能な有機配位子の長軸方向の長さが7.0Å以上16.0Å以下であると、錯体中の金属イオン間距離が適度になり、ガス分子を吸脱着するのに最適な空隙を有する金属錯体を形成することができる。長軸方向の長さがこの範囲外の二座配位可能な有機配位子を用いても金属錯体は得られるが、吸蔵性能及び分離性能が低下する傾向がある。
本明細書における二座配位可能な有機配位子の長軸方向の長さは、富士通株式会社製Scigress Explorer Professional Version 7.6.0.52を用い、分子力学法MM3で配座解析を行った後、半経験的分子軌道法PM5で構造最適化を行うことで求めた最安定構造における、金属イオンに対して配位する原子のうち構造式内で最も離れた位置にある2原子間の距離と定義する。
例えば、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンの窒素原子間距離は2.609Å、ピラジンの窒素原子間距離は2.810Å、4,4’−ビピリジルの窒素原子間距離は7.061Å、1,2−ビス(4−ピリジル)エチンの窒素原子間距離は9.583Å、1,4−ビス(4−ピリジル)ベンゼンの窒素原子間距離は11.315Å、3,6−ジ(4−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジンの窒素原子間距離は11.204Å、2,6−ジ(4−ピリジル)−ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ジピロール−1,3,5,7(2H,6H)−テトロンの窒素原子間距離は15.309Å、4,4’−ビス(4−ピリジル)ビフェニルの窒素原子間距離は15.570Å、N,N’−ジ(4−ピリジル)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボキシジイミドの窒素原子間距離は15.533Åとなる。
本発明の製造方法に用いられる多座配位可能な有機配位子としては、4,4’−ビピリジル、2,7−ジアザピレン、1,2−ビス(4−ピリジル)エチン、1,4−ビス(4−ピリジル)ブタジイン、1,4−ビス(4−ピリジル)ベンゼン、3,6−ジ(4−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、2,6−ジ(4−ピリジル)−ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ジピロール−1,3,5,7(2H,6H)−テトロン、4,4’−ビス(4−ピリジル)ビフェニル、N,N’−ジ(4−ピリジル)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボキシジイミドなどが好ましく、中でも4,4’−ビピリジルが特に好ましい。
本発明の製造方法に用いられるモノカルボン酸化合物としては、例えば、ギ酸;酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、シクロヘキサンカルボン酸、カプリル酸、オクチル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、α−リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、リノール酸、オレイン酸などの脂肪族モノカルボン酸;安息香酸などの芳香族モノカルボン酸;ニコチン酸、イソニコチン酸などの複素芳香族モノカルボン酸などを使用することができ、中でもギ酸、酢酸、オクチル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸及びステアリン酸が好ましく、特にギ酸または酢酸がより好ましい。
モノカルボン酸化合物は、単独で用いてもよく、2種以上のモノカルボン酸化合物を混合して用いてもよい。また、本発明の金属錯体は、単一のモノカルボン酸化合物からなる金属錯体を2種以上混合して用いてもよい。
該モノカルボン酸化合物は、金属錯体製造時において酸無水物やアルカリ金属塩の形で用いてもよい。また、原料金属塩のカウンターアニオンとして用いることによっても、本発明の金属錯体構成中にモノカルボン酸化合物を含ませることができる。例えば、金属イオンとして銅イオン、モノカルボン酸化合物として酢酸を用いる場合、それらは酢酸銅として用いてもよい。
本発明の製造方法においては、多価カルボン酸化合物と、周期表の2〜13族に属する金属のイオンから選択される少なくとも1種の金属イオンと、該金属イオンに多座配位可能な有機配位子と、モノカルボン酸化合物とを反応させることで、目的の金属錯体を得ることができる。ここで、「多価カルボン酸化合物と、周期表の2〜13族に属する金属のイオンから選択される少なくとも1種の金属イオンと、該金属イオンに多座配位可能な有機配位子と、モノカルボン酸化合物とを反応させる」とは、多価カルボン酸化合物と、周期表の2〜13族に属する金属のイオンから選択される少なくとも1種の金属イオンと、該金属イオンに多座配位可能な有機配位子と、モノカルボン酸化合物とを、1つまたは複数の工程で反応させることを含む。つまり、これらの4成分を同時に混合して1つの工程で反応させる場合と、これらの4成分のうちの少なくとも1成分を他の成分と別のタイミングで混合して複数の工程で反応させる場合とを含む。
好ましくは、本発明の金属錯体の製造方法は、(i)多価カルボン酸化合物と、周期表の2〜13族に属する金属のイオンから選択される少なくとも1種の金属イオンとを反応させる工程と、(ii)モノカルボン酸化合物を反応させて中間体を得る工程と、(iii)金属イオンに多座配位可能な有機配位子を反応させて、金属錯体を得る工程とを含み、工程(ii)は工程(i)と同時に行っても工程(i)の後に行ってもよく、工程(iii)は工程(i)および工程(ii)と同時に行っても工程(i)および工程(ii)の後に行ってもよい。あるいは工程(ii)を工程(i)の後に行い、工程(iii)をさらに工程(ii)の後に行ってもよい。これらの工程は、溶媒中で行うのが好ましい。
前記溶媒としては、有機溶媒、水またはそれらの混合溶媒を使用することができる。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ジエチルエーテル、ブタノール、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム、アセトン、酢酸エチル、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、水またはこれらの混合溶媒を使用することができる。好ましくは、前記4成分を、常圧下、溶媒中で数時間から数日間反応させ、金属錯体を析出させて製造することが好ましい。このとき、超音波またはマイクロウェーブ照射下で反応を行ってもよい。
好ましい一実施形態では、多価カルボン酸化合物と、金属イオンと、モノカルボン酸化合物とを反応させる工程(第一工程)と、第一工程で得られた中間体に、前記金属イオンに多座配位可能な有機配位子を反応させて、金属錯体を得る工程(第二工程)とに分割される。また、第一工程において、多価カルボン酸化合物を分散させた溶液を、金属イオンを分散させた溶液に逐次的に混合してもよく、またその逆でもよい。その場合、モノカルボン酸化合物はどちらの溶液に加えてもよい。さらに第二工程において、中間体を分散させた溶液を、多座配位可能な有機配位子を分散させた溶液に逐次的に混合してもよく、またその逆でもよい。
また、本発明の金属錯体の製造方法は、多価カルボン酸化合物、金属イオン、該金属イオンに多座配位可能な有機配位子及びモノカルボン酸化合物のうち少なくとも一種を、懸濁状態で反応させる工程を含むことを特徴とする。懸濁状態とは、前記4成分のうちの少なくとも一種を、添加後の反応系中での該4成分のうちの少なくとも一種の濃度がその飽和溶解度以上の濃度となるように反応系中に加え、粒子が液体中に分散した状態を意味する。好ましくは、多価カルボン酸化合物と金属イオンとを反応させる工程、または多価カルボン酸化合物と金属イオンとモノカルボン酸化合物とを反応させる工程において、懸濁状態で反応を行うのがよい。また、前記4成分のうち、多価カルボン酸化合物を懸濁状態で反応させることが好ましく、多価カルボン酸化合物と多座配位可能な有機配位子とを懸濁状態で反応させることがさらに好ましい。懸濁状態で反応を行うことにより、容積効率を上げることができ、金属錯体の生産性が向上する。
多価カルボン酸化合物と金属イオンとを反応させる際、多価カルボン酸化合物が脱プロトンして金属イオンに配位する。反応の進行と共に、金属塩のカウンターアニオンの共役酸が副生して反応系内に蓄積するため、用いる金属イオンのカウンターアニオンの共役酸の第一電離指数が、用いる多価カルボン酸化合物のそれより小さい場合、多価カルボン酸化合物の脱プロトン化が阻害され、結果的に反応が途中で停止する。また、副生する前記共役酸によって、反応系の酸性度が高まり、副反応が増大する。これは、反応を高濃度の懸濁状態で行う場合には、より深刻な問題となりうる。よって、本発明の製造方法においては、金属イオンのカウンターアニオンの共役酸の第一電離指数の値が、前記多価カルボン酸化合物の第一電離指数の値よりも0〜6大きい金属塩を用いることが重要である。
反応が終了したことは、例えば、吸光光度法を用いたパックテスト、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーなどにより原料の残存量を定量することにより確認することができるが、これらに限定されるものではない。反応終了後、得られた混合液を吸引濾過に付して沈殿物を集め、有機溶媒による洗浄後、373K程度で数時間真空乾燥することにより、本発明の金属錯体を得ることができる。
反応温度としては、使用する溶媒に応じて適宜に選択すればよいが、303〜373Kが好ましく、303〜353Kがより好ましい。反応が複数工程に分かれている場合、少なくとも、多価カルボン酸化合物と、金属イオンと、モノカルボン酸化合物とを反応させる上記第一工程では、反応温度が303〜373Kであることが好ましく、303〜353Kであることがより好ましい。
金属錯体を製造するときの金属塩と多価カルボン酸化合物の混合比率は、金属塩:多価カルボン酸化合物=1:5〜8:1のモル比の範囲内が好ましく、1:3〜6:1のモル比の範囲内がより好ましい。金属塩と多座配位可能な有機配位子の混合比率は、金属塩:多座配位可能な有機配位子=1:3〜3:1のモル比の範囲内が好ましく、1:2〜2:1のモル比の範囲内がより好ましい。多価カルボン酸化合物とモノカルボン酸化合物の混合比率は、多価カルボン酸化合物:モノカルボン酸化合物=1:1,000〜5,000:1のモル比の範囲内が好ましく、1:100〜1,000:1のモル比の範囲内がより好ましい。
金属錯体を製造するための混合溶液における多価カルボン酸化合物のモル濃度は0.01〜5.0mol/Lが好ましい。また、金属塩のモル濃度は0.01〜5.0mol/Lが好ましく、多座配位可能な有機配位子のモル濃度は0.005〜2.5mol/Lが好ましい。これより低い濃度で反応を行っても目的とする金属錯体は得られるが、収率が低下するため好ましくない。
本発明の製造方法においては、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに単座有機配位子を加えることができる。単座有機配位子とは、非共有電子対で金属イオンに対して配位する部位を1箇所持つ中性配位子を意味する。単座有機配位子は、前記多座配位可能な有機配位子と同様に、金属イオンに配位して金属錯体の一部に組み込まれる。単座有機配位子としては、例えば、フラン、チオフェン、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、トリメチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスファイト、メチルイソシアニドなどを使用することができ、中でもピリジンが好ましい。単座有機配位子は炭素数1〜23の炭化水素基を置換基として有してもよい。単座有機配位子は、反応初期から共存させても、反応後期に添加してもよい。
本発明の製造方法で得られる金属錯体が前記単座有機配位子を含む場合、その割合は本発明の効果を損なわない限り特に限定されるものではないが、多座配位可能な有機配位子と単座有機配位子との組成比は、5:1〜1,000:1のモル比の範囲内が好ましく、10:1〜100:1の範囲内であることがより好ましい。当該組成比は、例えば、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、NMRなどを用いて分析することで決定することができるが、これらに限定されるものではない。
製造時の濃度や用いる金属イオンのカウンターアニオンの共役酸の量などにより、得られる金属錯体の平均粒径に差が生じる。平均粒径は0.1〜10μmであることが好ましく、0.5〜8μmであることがより好ましい。平均粒径が0.1μmより小さい場合、金属錯体をカラムに充填して使用する場合に、圧力損失が大きくなるため、扱いが困難である。平均粒径が10μmより大きい場合、金属錯体を扱う際に、結晶が崩壊して吸着性能が低下する。
該金属錯体の粒径は、例えば、レーザ回折法、動的光散乱法、画像イメージング法、重力沈降法などにより確認できるが、これらに限定されるものではない。
金属錯体の製造において、反応時間1時間、溶媒1L当たりの収量を算出し、これを生産性[g/h・L]と定義する。本発明の金属錯体の製造方法における生産性は、通常0.05g/h・L以上、好ましくは0.1g/h・L以上、より好ましくは1.0g/h・L以上である。
本発明の製造方法で得られる金属錯体は、用いる多価カルボン酸化合物、金属イオン及び該金属イオンに多座配位可能な有機配位子の種類により、一次元、二次元、或いは三次元の集積構造をとる。
一例として、多価カルボン酸化合物としてテレフタル酸を、金属イオンとして亜鉛イオンを、多座配位可能な有機配位子として4,4’−ビピリジルを有する金属錯体について詳しく述べる。該金属錯体は、テレフタル酸のカルボキシレート基と亜鉛イオンとからなるパドルホイール骨格中の金属イオンのアキシャル位に4,4’−ビピリジルが配位して形成されるジャングルジム骨格が二重に相互貫入した三次元構造を有する。ジャングルジム骨格の模式図を図1に、ジャングルジム骨格が二重に相互貫入した三次元構造の模式図を図2に示す。
上記「ジャングルジム骨格」とは、テレフタル酸などの多価カルボン酸化合物と金属イオンとからなるパドルホイール骨格中の金属イオンのアキシャル位に4,4’−ビピリジル等の多座配位可能な有機配位子が配位し、多価カルボン酸化合物と金属イオンとからなる二次元格子状シート間を連結することで形成されるジャングルジム様の三次元構造を意味する。「ジャングルジム骨格が多重に相互貫入した構造」とは、複数のジャングルジム骨格が互いの細孔を埋める形で貫入し合った三次元集積構造である。
該金属錯体がジャングルジム骨格が多重に相互貫入した構造を有することは、例えば、単結晶X線構造解析、粉末X線結晶構造解析、単結晶中性子構造解析、粉末中性子結晶構造解析などにより確認できるが、これらに限定されるものではない。
本発明の製造方法で得られる金属錯体は多孔性金属錯体であり、その細孔中にガスなどを吸着することができるため、各種ガスの吸着材、吸蔵材及び分離材として用いることができる。ただし、溶媒が吸着した状態ではガスを吸着しない。そのため、本発明の製造方法で得られる金属錯体を吸着材、吸蔵材、或いは分離材として使用する際には、予め得られた金属錯体について真空乾燥を行い、細孔内の溶媒を取り除くことが必要である。通常は金属錯体が分解しない程度の温度(例えば298K〜523K以下)で真空乾燥を行えばよいが、その温度はより低温(例えば298K〜393K以下)であることが好ましい。この操作は、超臨界二酸化炭素による洗浄によっても代えることができ、より効果的である。
本発明の製造方法によって得られる金属錯体は、二酸化炭素、水素、一酸化炭素、酸素、窒素、炭素数1〜4の炭化水素(メタン、エタン、エチレン、アセチレン、プロパン、プロペン、メチルアセチレン、プロパジエン、ブタン、1−ブテン、イソブテン、1−ブチン、2−ブチン、1,3−ブタジエン、メチルアレンなど)、希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンなど)、硫化水素、アンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、シロキサン(ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンなど)、水蒸気または有機蒸気(常温、常圧で液体状の有機物質の気化ガス)などの各種ガスの吸着性能、吸蔵性能及び分離性能に優れている。従って、本発明の金属錯体は、各種ガスの吸着材、吸蔵材及び分離材として有用であり、これらも本発明の権利範囲に含まれる。
有機蒸気とは、常温、常圧で液体状の有機物質の気化ガスを意味する。このような有機物質としては、メタノール、エタノールなどのアルコール類;トリメチルアミンなどのアミン類;ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどのアルデヒド類;ペンタン、イソプレン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、オクタン、1−オクテン、シクロオクタン、シクロオクテン、1,5−シクロオクタジエン、4−ビニル−1−シクロヘキセン、1,5,9−シクロドデカトリエンなどの炭素数5〜16の炭化水素;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;塩化メチル、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の実施例および比較例における分析および評価は次のようにして行った。
(1)パックテストによる原料金属塩の転化率の算出
株式会社共立理化学研究所製パックテストを用いて、溶媒に溶解している金属イオンの量を定量し、転化率を算出した。
金属イオンが銅イオンの場合:パックテスト銅 WAK−Cu
(2)粉末X線回折パターンの測定
X線回折装置を用いて、回折角(2θ)=5〜50°の範囲を走査速度1°/分で走査し、対称反射法で測定した。分析条件の詳細を以下に示す。
<分析条件>
装置:株式会社リガク製SmartLab
X線源:CuKα(λ=1.5418Å) 45kV 200mA
ゴニオメーター:横型ゴニオメーター
検出器:D/teX Ultra
ステップ幅:0.02°
スリット:発散スリット=2/3°
受光スリット=0.3mm
散乱スリット=2/3°
(3)平均粒径の測定
金属錯体10mgを超音波を用いてメタノール180mLに分散させたサンプルについて、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置を用いて平均粒径を測定した。この時、粒子形状は球と仮定して解析を行った。分析条件の詳細を以下に示す。
<分析条件>
装置:株式会社堀場製作所Partica LA−950V2
光源:半導体レーザ(650nm)、LED(405nm)
測定方式:フローセル測定
温度:298K
金属錯体の屈折率:2.00
メタノールの屈折率:1.33
(4)モノカルボン酸化合物の定量
金属錯体を重溶媒に溶解させて均一の溶液とし、重トリフルオロ酢酸を加えて白色沈殿を濾過して得たサンプルについてH−NMR測定を行い、得られたスペクトルの積分比から算出した。分析条件の詳細を以下に記す。
<分析条件>
装置:日本電子株式会社製JNM−LA500
共鳴周波数:500MHz
基準物質:3−(トリメチルシリル)プロパン酸ナトリウム−d4
温度:298K
フリップ角:30°
パルス繰返し時間:7.0秒
積算回数:2,048回
(5)吸脱着等温線の測定
高圧ガス吸着量測定装置を用いて、容量法によりガス吸脱着量の測定を行い、吸脱着等温線を作成した(JIS Z8831−2に準拠)。このとき、測定に先立って試料を373K、0.5Paで5時間乾燥し、吸着水などを除去した。分析条件の詳細を以下に示す。
<分析条件>
装置:日本ベル株式会社製BELSORP−HP
平衡待ち時間:500秒
(6)生産性の算出
金属錯体の生産性[g/L・h]を、反応時間1時間、溶媒1L当たりの収量として算出した。
<実施例1>
[第一工程]
窒素雰囲気下、テレフタル酸18.2g(109mmol、pKa1=3.51)、酢酸銅一水和物21.8g(109mmol、カウンターアニオンである酢酸のpKa1=4.82、よってテレフタル酸のpKa1より1.31大きい)、及び酢酸26.2g(436mmol)をメタノール200mLに分散させ、懸濁状態で333Kで攪拌した。反応開始21時間の時点での、パックテストを用いて算出した原料金属塩の転化率が99%であることを確認し、反応開始24時間後に攪拌を停止した。析出した金属錯体を吸引濾過により回収した後、メタノールで3回洗浄し、中間体を単離した。
[第二工程]
窒素雰囲気下、単離した中間体をメタノール133mL中に分散させ、4,4’−ビピリジル8.54g(54.7mmol)を添加し、298Kで3時間攪拌した。このとき、反応溶液は懸濁したままであった。金属錯体を吸引濾過により回収した後、メタノールで3回洗浄した。続いて、373K、50Paで8時間乾燥し、目的の金属錯体29.5gを得た。
得られた金属錯体の粉末X線回折パターンを図3に示す。粉末X線結晶構造解析の結果、得られた金属錯体はジャングルジム骨格が二重に相互貫入した構造を有していることがわかった。粉末X線結晶構造解析結果を以下に示す。また、結晶構造を図4に示す。
Triclinic(P−1)
a=7.87355Å
b=8.94070Å
c=10.79101Å
α=67.14528°
β=80.73986°
γ=79.31579°
wp=2.30%
=4.96%
得られた金属錯体10mgを重アンモニア水700mg(基準物質として3−(トリメチルシリル)プロパン酸ナトリウム−d4を0.4wt%含有)に溶解させ、H−NMR測定を行った。得られたスペクトルを図5に示す。スペクトルを解析した結果、テレフタル酸の2位、3位、5位及び6位のプロトンに帰属される7.915ppm(s,4H)のピークの積分値を1,000とした際に、酢酸の1位のプロトンに帰属される1.927ppm(s,4H)のピークの積分値は30.080であったことから、金属錯体に含まれるテレフタル酸と酢酸のモル比は、テレフタル酸:酢酸=25:1であることがわかった。なお、図6において3.9ppm付近のブロードなシグナルは水によるものである。
粉末X線結晶構造解析とH−NMR測定との結果から、得られた金属錯体の組成式は[Cu2(C8442-x(C1082)(CH3COO)xm(x=0.08)であることがわかった。nは任意の自然数を意味する。xの値は小さいため、理論収量は[Cu2(C8442(C1082)]n(銅:テレフタル酸:4,4’−ビピリジル=2:2:1)で表される化合物の分子量から算出した。その結果、得られた金属錯体の収率は88%であった。この結果を表1に示す。
この金属錯体の製造方法における生産性は3.28g/L・hであった。この結果を表1に示す。
得られた金属錯体の粒度分布を図6に示す。粒度分布測定の結果、得られた金属錯体の平均粒径は2.27μmであった。この結果を表1に示す。
得られた金属錯体について、293Kにおける二酸化炭素の吸脱着等温線を測定した。吸脱着等温線を図7に示す。
<実施例2>
[第一工程]
窒素雰囲気下、テレフタル酸18.2g(109mmol、pKa1=3.51)、ギ酸銅四水和物24.7g(109mmol、カウンターアニオンであるギ酸のpKa1=3.75、よってテレフタル酸のpKa1より0.24大きい)、ギ酸5.04g(109mmol)をメタノール200mLに分散させ、懸濁状態で333Kで攪拌した。反応開始18時間の時点での、パックテストを用いて算出した原料金属塩の転化率が99%であることを確認し、反応開始24時間後に攪拌を停止した。析出した金属錯体を吸引濾過により回収した後、メタノールで3回洗浄し、中間体を単離した。
[第二工程]
窒素雰囲気下、単離した中間体をメタノール133mL中に分散させ、4,4’−ビピリジル8.54g(54.7mmol)を添加し、298Kで3時間攪拌した。このとき、反応溶液は懸濁したままであった。金属錯体を吸引濾過により回収した後、メタノールで3回洗浄した。続いて、373K、50Paで8時間乾燥し、目的の金属錯体29.3gを得た。
得られた金属錯体の粉末X線回折パターンを図8に示す。粉末X線結晶構造解析の結果、得られた金属錯体は合成例1で得た金属錯体と同じく、ジャングルジム骨格が二重に相互貫入した構造を有していることがわかった。
得られた金属錯体10mgを重アンモニア水700mg(基準物質として3−(トリメチルシリル)プロパン酸ナトリウム−d4を0.4wt%含有)に溶解させ、H−NMR測定を行った。得られたスペクトルを図9に示す。スペクトルを解析した結果、テレフタル酸の2位、3位、5位及び6位のプロトンに帰属される7.921ppm(s,4H)のピークの積分値を1,000とした際に、4,4’−ビピリジルの2位、6位、2’位及び6’位のプロトンに帰属される8.653ppm(s,4H)のピークの積分値は501.1であったことから、金属錯体に含まれるテレフタル酸と4,4’−ビピリジルのモル比は、テレフタル酸:4,4’−ビピリジル=2:1であることがわかった。なお、図9において3.8ppm付近のブロードなシグナルは水によるものである。
得られた金属錯体10mgを重アンモニア水700mgに溶解させた後、重トリフルオロ酢酸1,100mgを加えた。生じた白色沈殿を濾過で除いた後、濾液に基準物質として3−(トリメチルシリル)プロパン酸ナトリウム−d4を1mg加えてH−NMR測定を行った。得られたスペクトルを図10に示す。スペクトルを解析した結果、4,4’−ビピリジルの2位、6位、2’位及び6’位のプロトンに帰属される9.105ppm(s,4H)のピークと3位、5位、3’位及び5’位のプロトンに帰属される8.482ppm(s,4H)のピークの積分値を合算した値を1,000とした際に、ギ酸のプロトンに帰属される8.129ppm(s,1H)のピークの積分値は5.228であったことから、金属錯体に含まれる4,4’−ビピリジルとギ酸のモル比は、4,4’−ビピリジル:ギ酸=24:1であることがわかった。
以上の結果より、金属錯体に含まれるテレフタル酸とギ酸のモル比は、テレフタル酸:ギ酸=48:1と算出した。
実施例1と同様にして算出した、得られた金属錯体の収率は88%であった。この結果を表1に示す。
また、得られた金属錯体の製造時における生産性は3.26g/h・Lであった。この結果を表1に示す。
実施例1と同様にして粒度分布を測定した結果、得られた金属錯体の平均粒径は3.48μmであった。この結果を表1に示す。
得られた金属錯体について、293Kにおける二酸化炭素の吸脱着等温線を測定した。吸脱着等温線を図11に示す。
<実施例3>
[第一工程]
窒素雰囲気下、テレフタル酸9.09g(54.7mmol、pKa1=3.51)及びギ酸銅四水和物12.3g(54.7mmol、カウンターアニオンであるギ酸のpKa1=3.75、よってテレフタル酸のpKa1より0.24大きい)をメタノール100mLに分散させ、懸濁状態で333Kで攪拌した。反応開始21時間の時点での、パックテストを用いて算出した原料金属塩の転化率が99%であることを確認し、反応開始24時間後に攪拌を停止した。析出した金属錯体を吸引濾過により回収した後、メタノールで3回洗浄し、中間体を単離した。
[第二工程]
窒素雰囲気下、単離した中間体をメタノール67mL中に分散させ、4,4’−ビピリジル4.27g(27.4mmol)を添加し、298Kで3時間攪拌した。このとき、反応溶液は懸濁したままであった。金属錯体を吸引濾過により回収した後、メタノールで3回洗浄した。続いて、373K、50Paで8時間乾燥し、目的の金属錯体12.2gを得た。
得られた金属錯体の粉末X線回折パターンを図12に示す。粉末X線結晶構造解析の結果、得られた金属錯体は合成例1で得た金属錯体と同じく、ジャングルジム骨格が二重に相互貫入した構造を有していることがわかった。
実施例2と同様にしてH−NMR測定を行った結果、金属錯体に含まれるテレフタル酸と4,4’−ビピリジルのモル比は、テレフタル酸:4,4’−ビピリジル=2:1であることがわかった。
実施例2と同様にしてH−NMR測定を行った結果、金属錯体に含まれる4,4’−ビピリジルとギ酸のモル比は、4,4’−ビピリジル:ギ酸=23:1であることがわかった。
以上の結果より、金属錯体に含まれるテレフタル酸とギ酸のモル比は、テレフタル酸:ギ酸=46:1と算出した。
実施例2と同様にして算出した、得られた金属錯体の収率は73%であった。この結果を表1に示す。
実施例1と同様にして算出した、金属錯体の製造時における生産性は2.71g/h・Lであった。この結果を表1に示す。
実施例1と同様にして粒度分布を測定した結果、得られた金属錯体の平均粒径は1.25μmであった。この結果を表1に示す。
得られた金属錯体について、293Kにおける二酸化炭素の吸脱着等温線を測定した。吸脱着等温線を図13に示す。
<比較例1>
[第一工程]
窒素雰囲気下、テレフタル酸3.90g(23.5mmol、pKa1=3.51)、硫酸銅五水和物5.86g(23.5mmol、カウンターアニオンである硫酸のpKa1=−5.00、よってテレフタル酸のpKa1より8.51小さい)及び酢酸42.3g(704mmol)をメタノール3,750mLに溶解させ、313Kで攪拌した。反応開始3時間の時点での、パックテストを用いて算出した原料金属塩の転化率は40%であった。反応開始20時間の時点でも原料金属塩の転化率が40%であることを確認し、反応開始24時間後に攪拌を停止した。析出した金属錯体を吸引濾過により回収した後、メタノールで3回洗浄し、中間体を単離した。
[第二工程]
窒素雰囲気下、単離した中間体をメタノール2,000mL中に分散させ、4,4’−ビピリジル1.83g(11.7mmol)を添加し、298Kで3時間攪拌した。このとき、反応溶液は懸濁したままであった。金属錯体を吸引濾過により回収した後、メタノールで3回洗浄した。続いて、373K、50Paで8時間乾燥し、目的の金属錯体1.55gを得た。
得られた金属錯体の粉末X線回折パターンを図14に示す。粉末X線結晶構造解析の結果、得られた金属錯体は合成例1で得た金属錯体と同じく、ジャングルジム骨格が二重に相互貫入した構造を有していることがわかった。
実施例1と同様にしてH−NMR測定を行った結果、金属錯体に含まれるテレフタル酸と酢酸のモル比は、テレフタル酸:酢酸=208:1であることがわかった。
実施例1と同様にして算出した、得られた金属錯体の収率は22%であった。この結果を表1に示す。
実施例1と同様にして算出した、得られた金属錯体の製造時における生産性は0.01g/h・Lであった。この結果を表1に示す。
実施例1と同様にして粒度分布を測定した結果、得られた金属錯体の平均粒径は4.77μmであった。この結果を表1に示す。
得られた金属錯体について、293Kにおける二酸化炭素の吸脱着等温線を測定した。吸脱着等温線を図15に示す。
<比較例2>
[第一工程]
窒素雰囲気下、テレフタル酸3.90g(23.5mmol)、硫酸銅五水和物5.86g(23.5mmol)及びギ酸32.4g(704mmol)をメタノール3,750mLに分散させ、313Kで攪拌した。反応開始3時間の時点での、パックテストを用いて算出した原料金属塩の転化率は35%であった。反応開始24時間の時点でも原料金属塩の転化率が37%であることを確認し、反応開始24時間後に攪拌を停止した。析出した金属錯体を吸引濾過により回収した後、メタノールで3回洗浄し、中間体を単離した。
[第二工程]
窒素雰囲気下、単離した中間体をメタノール2,000mL中に分散させ、4,4’−ビピリジル1.83g(11.7mmol)を添加し、298Kで3時間攪拌した。このとき、反応溶液は懸濁したままであった。金属錯体を吸引濾過により回収した後、メタノールで3回洗浄した。続いて、373K、50Paで8時間乾燥し、目的の金属錯体1.68gを得た。
得られた金属錯体の粉末X線回折パターンを図16に示す。粉末X線結晶構造解析の結果、得られた金属錯体は合成例1で得た金属錯体と同じく、ジャングルジム骨格が二重に相互貫入した構造を有していることがわかった。
実施例2と同様にしてH−NMR測定を行った結果、金属錯体に含まれるテレフタル酸と4,4’−ビピリジルのモル比は、テレフタル酸:4,4’−ビピリジル=2:1であることがわかった。
実施例2と同様にしてH−NMR測定を行った結果、金属錯体に含まれる4,4’−ビピリジルとギ酸のモル比は、4,4’−ビピリジル:ギ酸=34:1であることがわかった。
以上の結果より、金属錯体に含まれるテレフタル酸とギ酸のモル比は、テレフタル酸:ギ酸=68:1と算出した。
実施例2と同様にして算出した、得られた金属錯体の収率は23%であった。この結果を表1に示す。
実施例1と同様にして算出した、得られた金属錯体の製造時における生産性は0.01g/h・Lであった。この結果を表1に示す。
実施例1と同様にして粒度分布を測定した結果、得られた金属錯体の平均粒径は5.28μmであった。この結果を表1に示す。
得られた金属錯体について、293Kにおける二酸化炭素の吸脱着等温線を測定した。吸脱着等温線を図17に示す。
<比較例3>
窒素雰囲気下、テレフタル酸1.50g(9.00mmol)、酢酸銅一水和物1.80g(9.00mmol)及び酢酸25.8g(450mmol)をメタノール2,000mLに溶解させ、溶液状態で298Kで攪拌した。反応開始66時間の時点での、パックテストを用いて算出した原料金属塩の転化率は94%であることを確認した。反応開始72時間後に、さらに4,4’−ビピリジル0.704g(4.50mmol)を添加し、298Kで48時間攪拌した。析出した金属錯体を吸引濾過により回収した後、メタノールで3回洗浄した。続いて、373K、50Paで8時間乾燥し、目的の金属錯体2.46gを得た。
得られた金属錯体の粉末X線回折パターンを図18に示す。粉末X線結晶構造解析の結果、得られた金属錯体は合成例1で得た金属錯体と同じく、得られた金属錯体はジャングルジム骨格が二重に相互貫入した構造を有していることがわかった。
実施例1と同様にしてH−NMR測定を行った結果、金属錯体に含まれるテレフタル酸と酢酸のモル比は、テレフタル酸:酢酸=16:1であることがわかった。
実施例1と同様にして算出した、得られた金属錯体の収率は88%であった。この結果を表1に示す。
実施例1と同様にして算出した、得られた金属錯体の製造時における生産性は0.01g/h・Lであった。この結果を表1に示す。
実施例1と同様にして粒度分布を測定した結果、得られた金属錯体の平均粒径は0.08μmであった。この結果を表1に示す。
得られた金属錯体について、293Kにおける二酸化炭素の吸脱着等温線を測定した。吸脱着等温線を図19に示す。
<比較例4>
窒素雰囲気下、テレフタル酸18.2g(109mmol、pKa1=3.51)、酢酸銅一水和物21.8g(109mmol、カウンターアニオンである酢酸のpKa1=4.82、よってテレフタル酸のpKa1より1.31大きい)、及び酢酸26.2g(434mmol)をメタノール200mLに分散させ、懸濁状態で298Kで攪拌した。反応開始70時間の時点での、原料金属塩の転化率をパックテストを用いて算出しようとしたが、残存量が飽和溶解度を大きく上回っていたため、求めることができなかった。
Figure 2014129569
また、実施例1及び比較例3において、吸着等温線における0.3MPaでの吸着量と脱着等温線における0.1MPaでの吸着量の差を算出し、0.1〜0.3MPaにおける有効吸蔵量[mL(STP)/g]を算出した。結果を表2に示す。
Figure 2014129569
実施例1〜3より、本発明の製造方法によれば、高いガス吸着性能を有する金属錯体を収率80%以上の高収率で得ることができる。一方、金属塩のカウンターアニオンとして、金属錯体を構成する多価カルボン酸化合物との第一電離指数の差が大きい強酸を用いた比較例1及び比較例2においては、原料金属塩の転化率が低いため、得られる金属錯体の収率及び生産性が低い結果となった。また、製造工程において懸濁状態ではなく溶解状態で行った比較例3の製造方法においては、得られる金属錯体の収率は高いものの、生産性は低く、容積効率が悪いことは明らかである。さらに、温度を298Kまで下げて懸濁状態で行った比較例4の製造方法においては、原料金属塩の転化率が低いため、中間体の回収に至らなかった。加えて、表1及び表2において、実施例1と比較例3の結果を比較すると、本発明の製造方法で得られる金属錯体は、平均粒径が大きく、ガスの有効吸蔵量も多いことがわかる。よって、ガスの吸着、吸蔵、分離性能を有する金属錯体の製造方法として、本発明の製造方法がより優れていることは明らかである。
<実施例4>
窒素雰囲気下、トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸2.48g(16.3mmol、pKa1=4.18)、酢酸銅一水和物1.75g(8.76mmol、カウンターアニオンである酢酸のpKa1=4.82、よってトランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のpKa1より0.64大きい)及び4、4’−ビピリジル0.760g(4.85mmol)を水600mLに分散させ、懸濁状態で353Kで攪拌した。反応開始124時間の時点での、パックテストを用いて算出した原料金属塩の転化率は96%であることを確認した。反応開始143時間の時点でも原料金属塩の転化率が96%であることを確認し、反応開始144時間後に攪拌を停止した。析出した金属錯体の粉末X線回折パターンを図20に示す。別途合成した単結晶の構造解析結果から求めたシミュレーションパターンとの比較から、得られた金属錯体はジャングルジム骨格が二重に相互貫入した構造を有していることがわかった。単結晶構造解析結果を以下に示す。また、結晶構造を図21に示す。
Triclinic(P−1)
a=10.804(2)Å
b=10.741(3)Å
c=14.050(4)Å
α=87.357(11)°
β=88.031(12)°
γ=68.716(16)°
V=1,517.347Å
R=0.0825
=0.0825
析出した金属錯体を吸引濾過により回収した後、メタノールで3回洗浄した。続いて、373K、50Paで8時間乾燥し、目的の金属錯体2.69gを得た。
得られた金属錯体10mgを重アンモニア水800mg(基準物質として3−(トリメチルシリル)プロパン酸ナトリウム−d4を0.4wt%含有)に溶解させ、H−NMR測定を行った。得られたスペクトルを図22に示す。スペクトルを解析した結果、トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の2位、3位、5位及び6位のプロトンの内エクアトリアル位にあるプロトンに帰属される1.372ppm(s,4H)のピークの積分値を1,000とした際に、トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の2位、3位、5位及び6位のプロトンの内アキシアル位にあるプロトン(s,4H)と酢酸の1位のプロトン(s,3H)の重なりに帰属される1.934ppmのピークの積分値とトランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の1位及び4位のプロトンに帰属される2.126ppm(s,2H)のピークの積分値の和は1,503であったことから、金属錯体に含まれるトランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸と酢酸のモル比は、トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸:酢酸=250:1であることがわかった。なお、図22において4.1ppm付近のブロードなシグナルは水によるものである。
単結晶X線構造解析とH−NMR測定との結果から、得られた金属錯体の組成式は[Cu2(C81042-x(C1082)(CH3COO)xm(x=0.008)であることがわかった。nは任意の自然数を意味する。xの値は小さいため、理論収量は[Cu2(C81042(C1082)]n(銅:トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸:4,4’−ビピリジル=2:2:1)で表される化合物の分子量から算出した。その結果、得られた金属錯体の収率は90%であった。
得られた金属錯体について、298Kにおけるメタンの吸脱着等温線を測定した。吸脱着等温線を図23に示す。
<比較例5>
窒素雰囲気下、トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸2.48g(16.3mmol、pKa1=4.18)、硝酸銅ヘミ(五水和物)2.21g(8.76mmol、カウンターアニオンである硝酸のpKa1=−1.40、よってトランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のpKa1より5.58小さい)及び4、4’−ビピリジル0.760g(4.85mmol)を水600mLに分散させ、懸濁状態で353Kで攪拌した。反応開始26時間の時点での、パックテストを用いて算出した原料金属塩の転化率は5%であることを確認した。反応開始153時間の時点でも原料金属塩の転化率が5%であることを確認し、反応開始154時間後に攪拌を停止した。
析出した金属錯体の粉末X線回折パターンを図24に示す。別途合成した単結晶の構造解析結果から求めたシミュレーションパターンとの比較から、得られた金属錯体は合成例4で得た金属錯体と同じく、ジャングルジム骨格が二重に相互貫入した構造を有していることがわかった。
実施例4より、本発明の製造方法によれば、高いガス吸着性能を有する金属錯体を収率80%以上の高収率で得ることができる。一方、金属塩のカウンターアニオンとして、金属錯体を構成する多価カルボン酸化合物との第一電離指数の差が大きい強酸を用いた比較例5においては、原料金属塩の転化率が低いため、得られる金属錯体の収率及び生産性が低い結果となった。よって、ガスの吸着、吸蔵、分離性能を有する金属錯体の製造方法として、本発明の製造方法がより優れていることは明らかである。
本発明の製造方法により得られる金属錯体は、各種ガスを吸着するための吸着材、吸蔵するための吸蔵材及び分離するための分離材として使用することができる。

Claims (10)

  1. 多価カルボン酸化合物と、周期表の2〜13族に属する金属のイオンから選択される少なくとも1種の金属イオンと、該金属イオンに多座配位可能な有機配位子と、モノカルボン酸化合物とからなる金属錯体の製造方法であって、
    多価カルボン酸化合物と、周期表の2〜13族に属する金属のイオンから選択される少なくとも1種の金属イオンと、該金属イオンに多座配位可能な有機配位子と、モノカルボン酸化合物とを、1つまたは複数の工程で反応させる工程を含み、前記工程において、
    前記金属イオンは、金属イオンのカウンターアニオンの共役酸の第一電離指数の値が多価カルボン酸化合物の第一電離指数の値よりも0〜6大きいカウンターアニオンを有する金属塩の形で用いられ、前記多価カルボン酸化合物、前記金属イオン、前記多座配位可能な有機配位子及び前記モノカルボン酸化合物のうちの少なくとも一種を懸濁状態で反応させることを特徴とする、金属錯体の製造方法。
  2. 前記反応させる工程を溶媒中で行うことを特徴とする請求項1に記載の金属錯体の製造方法。
  3. 前記多価カルボン酸化合物と、前記金属イオンと、前記モノカルボン酸化合物とを反応させる第一工程と、第一工程で得られた生成物に、前記多座配位可能な有機配位子を反応させる第二工程とを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の金属錯体の製造方法。
  4. 前記第一工程の反応温度が、303〜373Kであることを特徴とする請求項3に記載の金属錯体の製造方法。
  5. 前記金属イオンのカウンターアニオンが脂肪族モノカルボキシレートイオンである請求項1〜4のいずれか一項に記載の金属錯体の製造方法。
  6. 前記多価カルボン酸化合物がジカルボン酸化合物である請求項1〜5のいずれか一項に記載の金属錯体の製造方法。
  7. 前記多座配位可能な有機配位子が二座配位可能な有機配位子である請求項1〜6のいずれか一項に記載の金属錯体の製造方法。
  8. 前記二座配位可能な有機配位子が点群がD∞hであり、かつ長軸方向の長さが7.0Å以上16.0Å以下である二座配位可能な有機配位子である請求項7に記載の金属錯体の製造方法。
  9. 前記金属錯体の製造方法において、得られる金属錯体の平均粒径が0.1〜10μmの範囲である請求項1〜8のいずれか一項に記載の金属錯体の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法により得られる金属錯体。
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