JPWO2014119646A1 - 積層レンズアレイ、積層レンズアレイ用絞り部材、並びに関連する装置及び方法 - Google Patents

積層レンズアレイ、積層レンズアレイ用絞り部材、並びに関連する装置及び方法 Download PDF

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Abstract

小型化及び薄型化を実現しつつ、製造が容易である積層レンズアレイを提供することを目的とする。積層レンズアレイ100は、アレイ状に配列された第1レンズ本体部11aと、第1フランジ部11bとで構成される複数のレンズ11を有する第1レンズアレイ10と、第1レンズアレイ10と第2レンズアレイ20との間に配置される板状の絞り部材30と、を備え、第1レンズアレイ10と絞り部材30とは、流体状で供給可能な接着剤で形成された接着部40で接着されており、絞り部材30は、第1レンズ本体部11a,21aに対応する位置に形成された複数の開口部P1と、複数の開口部P1のうち隣接する少なくとも一組の開口部P1の間に形成された1つ以上の接着剤用の注入孔P2とを有する。

Description

本発明は、複数の画像を一括して取得する撮像装置等に搭載される積層レンズアレイ及び当該積層レンズアレイの製造方法に関する。また、本発明は、当該積層レンズアレイに用いられる絞り部材及びレンズアレイに関する。また、当該積層レンズアレイを用いた撮像装置に関する。また、積層レンズアレイユニット及び当該積層レンズアレイユニットの製造方法に関する。
近年、CCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサーやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型イメージセンサー等の固体撮像素子と、例えば2次元的に配置されるなどのアレイ状に配置された複数の撮像レンズ(以下、レンズアレイという)とを用いて複数の画像を撮影し、得られた複数の画像から1つの画像を再構成する撮像装置(以下、レンズアレイ型撮像装置という)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなレンズアレイ型撮像装置では、複数の撮像レンズの視差に基づいて各撮像レンズによって得られる画像を再構成することで、高精細な画像を作り出すことができる。そのため、各撮像レンズにはあまり高い光学性能が求められず、結果として小型化及び薄型化を実現し、かつ高精細な画像を得ることができる。このレンズアレイ型撮像装置は、1つ以上のレンズアレイと各レンズに対応する複数の開口部を有する絞り部材とを積層した積層レンズアレイや、複数のレンズアレイを積層した積層レンズアレイを搭載することでさらに高画質化を図ることができる。
特許文献1のレンズアレイ型撮像装置では、撮像素子アレイにおける複数の受光領域に、それぞれに対応する各レンズからの光のみが受光されるように、レンズアレイと撮像素子との間に光軸方向に延びる複数の貫通孔を有するプレートを複数枚重ねてなる遮光ブロックを設けている。しかしながら、プレートの枚数を多くすると、製造に手間がかかり、撮像装置の小型化及び薄型化を実現することも難しくなる。
ここで、例えば、撮像素子の撮像領域を各撮像レンズによって結像される像に対応する複数の島状に形成するなどして、レンズアレイの各撮像レンズに対応する位置に複数の開口を有する単一の遮光部材(絞り部材)を設け、この絞り部材とレンズアレイとを接着することが考えられる。単一の遮光部材とすることで薄型の撮像装置を比較的簡単に製造することができる。しかしながら、絞り部材やレンズアレイに接着剤を一様に塗布することは実際には難しい。具体的には、レンズアレイと絞り部材との貼り合わせの際に、接着剤がレンズの光学面にはみ出してしまうという問題がある。積層レンズアレイの光軸方向の全長を短くするために接着剤層を薄くしようとすると、この問題はより顕著となる。また、光学性能を高めるために、個々のレンズの光学面の径を大きくしたり、積層レンズアレイの面方向のサイズを小さくするために隣接するレンズの光学面間の距離を小さくしたりすると、面内のレンズ部間のスペースが小さくなる。そのため、絞り部材やレンズアレイに接着剤を一様に塗布することがさらに難しくなり、レンズの光学面へのはみ出しの問題もさらに顕著になるおそれがある。また、積層レンズアレイの一方の面へ接着剤を塗布し、絞り部材を貼り合わせた後、絞り部材の反対側の面に接着剤を塗布し、他方のレンズアレイを貼り合わせるという工程を行うと、一対のレンズアレイについて、塗布工程と接着工程とをそれぞれ行うことになり、製造工程が多くなるという問題がある。
特開2007−329714号公報
本発明では、小型化及び薄型化を実現しつつ、製造が容易である積層レンズアレイ及び積層レンズアレイユニットを提供することを目的とする。
また、本発明は、上記積層レンズアレイに用いられる新規かつ有用な絞り部材及びレンズアレイを提供することを目的とする。
また、本発明は、上記積層レンズアレイを用いた撮像装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、上述の積層レンズアレイの製造方法及び積層レンズアレイユニットの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る積層レンズアレイは、アレイ状に配列された複数の第1レンズを有する第1レンズアレイと、第1レンズアレイに隣接して配置される板状の絞り部材と、を備え、第1レンズアレイと絞り部材とは、流体状で供給可能な接着剤で形成された接着部で接着されており、絞り部材は、複数の第1レンズに対応する位置にそれぞれ形成された複数の開口部と、複数の開口部のうち隣接する少なくとも一組の開口部の間に形成された1つ以上の接着剤用の注入孔とを有する。ここで、「隣接する」とは、複数のレンズが例えば行列状に並んでいる場合において、行方向に隣になる場合及び列方向に隣になる場合に限らず、対角方向に隣になる場合も含む。
上記積層レンズアレイによれば、絞り部材が接着剤用の注入孔を有しているので、この注入孔を介して絞り部材の一方の側(例えば第1面側)から他方の側(例えば第2面側)に流体状の接着剤を供給することができ、絞り部材の両面に接着剤を配することが容易になる。従って、接着工程が簡素化され、生産量を向上させることができる。ここで、絞り部材が注入孔を有しているので、接着剤の使用量は、注入孔のない絞り部材の片面ずつに配する接着剤の量に比べて多くなる。そのため、接着剤が微量な場合と比較して、第1レンズアレイと絞り部材との間における接着剤の量のばらつきを抑えることができる。よって、各注入孔に対応して配される接着剤の量が略一定になる。また、各注入孔に対応して配される接着剤の量にばらつきがあっても、注入孔において接着剤注入側の反対側から漏れ又は吐出される接着剤の量は略一定となり、接着部の配置をコントロールしやすくなる。これにより、第1レンズアレイ等と絞り部材との貼り合わせの際に、第1レンズの本体部側に接着剤すなわち接着部がはみ出ることを防ぐことができる。
本発明の具体的な態様又は観点では、上記積層レンズアレイにおいて、接着部は、第1レンズアレイと絞り部材の第1面側とを少なくとも注入孔の周辺で接着する第1接着層と、絞り部材の第2面側における注入孔の周辺に位置する第2接着層と、注入孔を介して第1接着層と第2接着層とを繋ぐ連結部とを有する。
本発明の別の観点では、注入孔には、接着剤の連結部が充填されている。
本発明のさらに別の観点では、注入孔は、複数の開口部のうち隣接する少なくとも一組の開口部の間に複数設けられる。
本発明のさらに別の観点では、絞り部材において、隣接する少なくとも一組の開口部の間の部位に凸部を有し、注入孔は凸部又は凸部の近傍に設けられており、第1レンズアレイと、絞り部材に設けられた凸部の少なくとも一部とが第1接着層によって接着されている。
本発明のさらに別の観点では、第1レンズアレイは、少なくとも絞り部材の注入孔の周囲に対応する部位に凸部を有し、絞り部材と第1レンズアレイに設けられた凸部の少なくとも一部とが第1接着層によって接着されている。
本発明のさらに別の観点では、接着部は、吸収による遮光性を有する材料を含む。
本発明のさらに別の観点では、複数の第1レンズは、それぞれ、第1レンズ本体部と該第1レンズ本体部の周辺に配置される第1フランジ部とで構成され、第1レンズアレイの絞り部材に対向する面のうち第1レンズ本体部を除く領域に遮光膜を有する。
本発明のさらに別の観点では、アレイ状に配列された複数の第2レンズを有する第2レンズアレイをさらに備え、第1レンズアレイと第2レンズアレイとの間に絞り部材が配置され、第1レンズアレイと絞り部材と第2レンズアレイとは、接着部で接着されている。
本発明のさらに別の観点では、接着部は、第1レンズアレイと絞り部材の第1面側とを少なくとも注入孔の周辺で接着する第1接着層と、絞り部材の第2面側における注入孔の周辺に位置する第2接着層と、注入孔を介して第1接着層と第2接着層とを繋ぐ連結部とを有する。
上記課題を解決するため、本発明に係る積層レンズアレイユニットは、上述した第1レンズアレイを有し或いは第1及び第2レンズアレイを有する積層レンズアレイと、積層レンズアレイを保持するホルダーとを備える。
本発明の別の観点では、上記積層レンズアレイユニットにおいて、ホルダーは、第1レンズアレイを位置決めする第1段部と、絞り部材を位置決めする第2段部と、第2レンズアレイを位置決めする第3段部とを有する。
上記課題を解決するため、本発明に係る積層レンズアレイの製造方法は、アレイ状に配列された複数のレンズを有する第1レンズアレイと、第1レンズアレイに隣接して配置される板状の絞り部材と、を備える積層レンズアレイの製造方法であって、絞り部材は、第1レンズアレイに対向させる第1面と、該第1面とは反対側の第2面と、複数の第1レンズに対応する位置にそれぞれ形成された複数の開口部と、複数の開口部のうち隣接する少なくとも一組の開口部の間に形成された1つ以上の接着剤用の注入孔とを有しており、第1レンズアレイと絞り部材とを所定の間隔に保ち積層する第1積層工程と、注入孔を含む絞り部材の第1面側及び第2面側のうち一方の所定領域に接着剤を供給する第1接着剤供給工程と、注入孔を介して絞り部材の第1面側及び第2面側のうち他方に接着剤を供給する第2接着剤供給工程と、第1レンズアレイと絞り部材とを絞り部材の第1面側に供給した接着剤によって接着する第1接着工程と、を備える。
上記積層レンズアレイの製造方法によれば、絞り部材の注入孔を介して例えば第1面側から第2面側に流体状の接着剤を供給することができ、絞り部材の両面に接着剤を配することが容易になる。従って、接着工程が簡素化され、生産量を向上させることができる。また、接着剤が微量な場合と比較して、第1レンズアレイと絞り部材との間における接着剤の量のばらつきを抑えることができる。さらに、第1レンズアレイ等と、絞り部材との貼り合わせの際に、第1レンズの本体部側に接着剤すなわち接着部がはみ出ることを防ぐことができる。
本発明の別の観点では、上記積層レンズアレイの製造方法において、第1レンズアレイと所定の間隔に保たれた絞り部材の第2面側に接着剤を供給して注入孔を通過させることにより、絞り部材の第1面側に接着剤を供給する。
本発明のさらに別の観点では、絞り部材の第2面側に供給した接着剤によって、アレイ状に配列された複数の第2レンズを有する第2レンズアレイを接着する第2接着工程をさらに備える。
本発明のさらに別の観点では、絞り部材の第2面側に接着剤を供給した後、第2レンズアレイを接着剤に接触させ、第2レンズアレイを接触させた状態で注入孔を通過させることにより接着剤を絞り部材の第1面側に供給する。
本発明のさらに別の観点では、接着剤を絞り部材の第2面側に供給した後、接着剤にエネルギーを付与して流動性を向上させるようにする。
本発明のさらに別の観点では、第1レンズアレイに接着剤を供給した後、絞り部材と第1レンズアレイとを接近させることで、絞り部材の第1面側に接着剤を供給するとともに注入孔を通過させて絞り部材の第2面側に接着剤を供給する。
上記課題を解決するため、本発明に係る積層レンズアレイユニットの製造方法は、上述した第1レンズアレイを有し或いは第1及び第2レンズアレイを有する積層レンズアレイユニットをホルダーに収納し固定する工程を備える。
本発明の別の観点では、上記積層レンズアレイの製造方法において、絞り部材の第1面及び第2面のうち少なくとも一方に凸部が設けられ、注入孔は凸部又は凸部の近傍に設けられており、第1及び第2接着剤供給工程の少なくとも一方で凸部に沿って接着剤を広げる。
本発明のさらに別の観点では、上記積層レンズアレイの製造方法において、第1レンズアレイは、少なくとも絞り部材の注入孔の周囲に対応する部位に凸部を備えており、第1又は第2接着剤供給工程で凸部に沿って接着剤を広げる。
本発明のさらに別の観点では、上記積層レンズアレイの製造方法において、第1及び第2レンズアレイの少なくとも一方は、少なくとも絞り部材の注入孔の周囲に対応する部位に凸部を備えており、第1及び第2接着剤供給工程のうち少なくとも一方で凸部に沿って接着剤を広げる。
上記課題を解決するため、本発明に係る撮像装置は、上述した積層レンズアレイユニットと、撮像素子とを備える。
上記課題を解決するため、本発明に係る絞り部材は、アレイ状に配列された複数のレンズを有するレンズアレイに接着される絞り部材であって、複数のレンズに対応する位置にそれぞれ形成された複数の開口部を有する板状部材からなり、該板状部材の複数の開口部のうち隣接する少なくとも一組の開口部の間に形成された1つ以上の接着剤用の注入孔を有する。
本発明の別の観点では、上記絞り部材は、隣接する少なくとも一組の開口部の間の部位に凸部を有し、注入孔が凸部又は凸部の近傍に設けられている。
上記課題を解決するため、本発明に係るレンズアレイは、上述した積層レンズアレイの第1レンズアレイ又は第2レンズアレイとして用いられるレンズアレイであって、少なくとも絞り部材の接着剤用の注入孔の周囲に対応する部位に形成された凸部を有する。
図1Aは、第1実施形態の積層レンズアレイの側方断面図であり、図1Bは、図1Aに示す積層レンズアレイのうち絞り部材の平面図である。 図2A〜2Fは、図1Aの積層レンズアレイの製造工程を説明する図である。 図3Aは、第2実施形態の積層レンズアレイを構成する第1レンズアレイを説明する像側からみた平面図であり、図3Bは、図3Aの変形例を説明する図である。 図4Aは、第3実施形態の積層レンズアレイのうち絞り部材の物体側からみた平面図であり、図4Bは、図4AのAA矢視断面図であり、図4Cは、接着剤供給工程における絞り部材周辺の部分拡大断面図である。図4Dは、変形例の絞り部材の開口間の境界領域の裏面図であり、図4Eは、図4Dの境界領域に形成された、凸部等のDD矢視断面図である。 絞り部材の平面図であり、接着部の広がりを説明する図である。 第4実施形態の積層レンズアレイユニットの側方断面図である。 図7A〜7Eは、第5実施形態の積層レンズアレイの製造工程を説明する図である。 図8A〜8Dは、第6実施形態の積層レンズアレイの製造工程を説明する図である。 図9A〜9Cは、図1Aの積層レンズアレイのうち絞り部材の変形例を説明する図である。 図10A及び10Bは、図1Aに示す積層レンズアレイのうち絞り部材の注入孔の変形例を説明する図である。 図11Aは、図1Aの積層レンズアレイのうち第1レンズアレイの変形例を説明する図であり、図11Bは、図6に示す積層レンズアレイユニットの変形例を説明する図である。 図4A及び4Bの別の変形例を説明する部分拡大断面図である。 図13A〜13Dは、第1及び第3実施形態の変形例を説明する図である。図13Aは、変形例の積層レンズアレイのうち第1レンズアレイを絞り部材側から見た平面図であり、図13Bは、図13Aに示す第1レンズアレイのAA矢視断面図であり、図13Cは、絞り部材の平面図であり、図13Dは、接着部及びその周辺を説明する部分拡大断面図である。 図13Aに示す第1レンズアレイのさらなる変形例を説明する平面図である。 図15Aは、第1及び第3実施形態の変形例の積層レンズアレイのうち絞り部材を第1レンズアレイ側から見た平面図であり、図15Bは、接着部及びその周辺を説明する部分拡大断面図である。 図15A等に示す積層レンズアレイの変形例を説明する部分拡大断面図である。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態である積層レンズアレイ及び積層レンズアレイの製造方法について、図面を参照しつつ説明する。
積層レンズアレイ100は、被写体像を形成するものであり、例えば撮像装置に搭載される。ここで、撮像装置は、複数の撮像レンズを用いて複数の画像を撮影し、1つの画像を再構成するものである。
図1A及び1Bに示すように、積層レンズアレイ100は、第1レンズアレイ10と、第2レンズアレイ20と、絞り部材30とを有する。これらの部材10,20,30は、光軸OA方向に積層されている。積層レンズアレイ100は、例えば撮像装置の撮像素子の像面又は撮像面(被投影面)に複数の被写体像を結像させる機能を有する。
積層レンズアレイ100のうち第1レンズアレイ10は、積層レンズアレイ100の最も物体側に配置される。第1レンズアレイ10は、光軸OAに垂直な方向に2次元的に配列された複数のレンズ11で構成されている。なお、図1A等においては、便宜上、積層レンズアレイ100の中心軸を光軸OAとして図示してある。他の図面においても同様である。第1レンズアレイ10は、四角形乃至は矩形の外形を有し、第1レンズアレイ10内の各レンズ11は、繋がった状態で一体に成形されている。換言すれば、第1レンズアレイ10は、第1レンズ本体部11aと第1フランジ部11bとを一組とする多数のレンズ11を配列したものであり、隣接する各レンズ11の第1フランジ部11bが一体に成形されている。第1レンズ本体部11aは、物体側が凸形状の非球面である第1光学面11cと、像側が凹形状の非球面である第2光学面11dとを有する。第1レンズ本体部11aの周囲の第1フランジ部11bは、第1光学面11cの周囲に広がる平坦な第1フランジ面11eと、第2光学面11dの周囲に広がる平坦な第2フランジ面11fとを有する。第1及び第2フランジ面11e,11fは、光軸OAに垂直なXY面に対して平行に配置されている。
積層レンズアレイ100のうち第2レンズアレイ20は、積層レンズアレイ100の最も像側に配置される。なお、第2レンズアレイ20は、第1レンズアレイ10の構造と略同様であり、同様の部分は適宜省略して説明する。
第2レンズアレイ20は、第1レンズアレイ10と同様に、光軸OAに垂直な方向に2次元的に配列された複数のレンズ21で構成され、各レンズ21は、第2レンズ本体部21aと第2フランジ部21bとを一組として一体に成形されている。第2レンズ本体部21aは、物体側が凹形状の非球面である第3光学面21cと、像側が凸形状の非球面である第4光学面21dとを有する。第2レンズ本体部21aの周囲の第2フランジ部21bは、第3光学面21cの周囲に広がる平坦な第3フランジ面21eと、第4光学面21dの周囲に広がる平坦な第4フランジ面21fとを有する。第3及び第4フランジ面21e,21fは光軸OAに垂直なXY面に対して平行に配置されている。
第1及び第2レンズアレイ10,20は、例えばガラスや樹脂で形成されている。第1及び第2レンズアレイ10,20は、ガラスの場合、例えば金型によるプレス成形によって成形される。また、樹脂の場合、例えば金型による射出成形や金型や樹脂型等によるプレス成形によって成形される。
絞り部材30は、四角形乃至は矩形の板状部材であり、第1レンズアレイ10と、第2レンズアレイ20との間に設けられている。図1A等においては理解を容易にするため、絞り部材30を比較的厚みがあるように図示しているが、実際には、20μm〜100μm程度の薄い部材である。絞り部材30は、後述する接着部40によって第1及び第2レンズアレイ10,20に挟まれてこれらと接着されている。図1Bに示すように、絞り部材30は、第1及び第2レンズアレイ10,20の第1及び第2レンズ本体部11a,21aに対応する位置に円形の開口部P1が複数形成されている。つまり、絞り部材30には、絞り部材30の面内に複数の開口部P1が形成されている。なお、図1Bにおいて、接着部40による接着領域を鎖線で示してある。接着領域は、後述する各注入孔P2の周りに、それぞれ開口部P1内にはみ出ない程度の範囲で広がっている。
また、絞り部材30には、複数の開口部P1のうち辺方向(格子方向)及び対角方向(斜め方向)に隣接する開口部P1の間に開口部P1から独立した接着剤用の注入孔P2が形成されている。言い換えれば、開口部P1が行列状に並んでおり、注入孔P2が行方向、列方向、及び対角方向に隣接する開口部P1の間に形成されている。注入孔P2は、隣接する開口部P1間の略中間(隣接する一対の開口部P1の中心を結ぶ線分の中央又はその近傍)に形成されている。このようにすると、後述するように接着剤によって絞り部材30及び第2レンズアレイ20を第1レンズアレイ10に接着すると、これらの部材を精度よく且つ十分な強度で接着しやすくなる。本実施形態の場合、注入孔P2は、円形であり、開口部P1より小径である。開口部P1及び注入孔P2は、例えばマスクパターンが形成された板状の部材を化学的にエッチングしたり、機械的に加工したりすることによって形成される。詳細は後述するが、注入孔P2には、接着剤Bが注入され(図2C等参照)、第1レンズアレイ10、絞り部材30、及び第2レンズアレイ20を接着している接着部40の一部が注入孔P2内部に配置される。ここで、絞り部材30において、第1レンズアレイ10に対向する側を第1面SS1とし、反対側すなわち第2レンズアレイ20に対向する側を第2面SS2とする。本実施形態においては、絞り部材30の物体側が第1面SS1であり、像側が第2面SS2である。
絞り部材30は、例えば金属、セラミックス、樹脂等で形成されている。かかる金属、セラミックス、樹脂等として、それ自体で光吸収性を有する黒色又は暗色の材料や、表面が黒色又は暗色に塗装又は被覆されたものが用いられる。具体的には、絞り部材30として、例えばステンレスシートに黒色又は暗色に表面処理を施した材料を用いる。絞り部材30は、第1レンズアレイ10の物体側から入射する入射光を精度よくレンズ11,21の有効面内で通過させ、像側の第2レンズアレイ20の第3フランジ面21eで全反射されて積層レンズアレイ100内を伝播しようとする迷光を遮断する。
図1Aに示すように、第1レンズアレイ10と絞り部材30と第2レンズアレイ20とは、遮光性を有する樹脂製の接着部40を介して積層されている。接着部40は、第1接着層41と、第2接着層42と、連結部43とを有する。第1接着層41は、第1レンズアレイ10と絞り部材30とを、少なくとも第1面SS1側の注入孔P2の周辺で接着する。第2接着層42は、第2レンズアレイ20と絞り部材30とを、少なくとも第2面SS2側の注入孔P2の周辺で接着する。連結部43は、注入孔P2内に延在し第1接着層41と第2接着層42とを繋ぐ。注入孔P2は、連結部43によって隙間なく充填されている。なお、第1及び第2接着層41,42の厚みは、5μm〜20μm程度とすることができる。
接着部40は、流体状で供給可能な接着剤B(図2C等参照)を用いて形成する。接着部40は、例えば脂環式エポキシ化合物を含むカチオン重合性樹脂組成物、あるいは、オキセタン環(4員環エーテル)を有するオキセタン化合物と、脂肪族エポキシ化合物とを含むカチオン重合性樹脂組成物を光重合により硬化させたものであり、光吸収による遮光性を有する材料及び透光性の微粒子を含む。また、接着部40を形成する光硬化性樹脂には、光硬化性樹脂の重合を開始させるカチオン系光重合開始剤及び粘度を調整する多官能モノマーが含まれている。
光重合開始剤としては、硬化のために照射する光の波長(紫外線硬化性接着剤の場合は紫外域(400nm以下))の波長に吸収極大を持ち、当該波長でカチオン発生するものであれば、いずれも用いることができる。
吸収による遮光性を有する材料とは、撮像装置等の使用光を吸収によって遮光する材料であり、例えば黒色の無機顔料や有機顔料等がある。吸収による遮光性を有する材料として、具体的には、例えばカーボン微粒子、チタン微粒子、アニリン微粒子、ペリレン系色素、アントラキノン系色素等があり、カーボン微粒子又はチタン微粒子が好ましい。吸収による遮光性を有する材料の平均粒径は、0.1μm以上1μm以下である。接着部40において、吸収による遮光性を有する材料の含有率は5重量%以上10重量%以下である。接着部40は、透光性の微粒子を含むことで、波長350nm以上750nm以下における反射率が1.5%以下となっている。微粒子としては、架橋アクリルビーズ等の有機系化合物や、シリカ、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化チタン等の無機系化合物のいずれのものも使用することができる。その中でも、微粒子の分散性や低コスト等の観点からシリカを用いることが好ましい。
吸収による遮光性を有する材料を含ませることで透過率を低くした接着部40を介して第1及び第2レンズアレイ10,20を積層するので、絞り部材30に注入孔P2が形成されていても迷光の発生を抑制することができる。
以下、図2A〜2Fを参照しつつ、積層レンズアレイ100の製造工程について説明する。
〔レンズアレイ準備工程〕
まず、図示を省略するが、研削加工等によって第1レンズアレイ10の最終形状に対応するネガ形状の成形面を有するマスター型を作製する。次に、当該マスター型を用いて第1レンズアレイ10の各レンズ11を一体に成形する。これにより、図2Aに示すように、第1レンズアレイ10を得る。第2レンズアレイ20についても同様に作製する。
〔絞り部材準備工程〕
次に、図示を省略するが、絞り部材30となるべき板状の部材の片面又は両面に開口部P1及び注入孔P2のパターンに対応するマスクを形成する。その後、化学的又は物理的なエッチングを行い、開口部P1及び注入孔P2を形成する。エッチング後、必要に応じて絞り部材30の表面全体又は必要な箇所に黒塗りを行う。このようにして、複数のレンズ11に対応する位置にそれぞれ形成された複数の開口部P1を有する板状部材からなり、この板状部材の複数の開口部P1のうち隣接する少なくとも一組の開口部の間に形成された1つ以上の接着剤用の注入孔P2を有する絞り部材30を得る。なお、開口部P1や注入孔P2は、エッチングに限らず、機械加工等によって形成することができる。
〔第1積層工程〕
次に、図2Bに示すように、第1レンズアレイ10と絞り部材30とを所定の間隔に保ち積層する。具体的には、まず、第1ガイド治具51上に第1レンズアレイ10を載置する。第1ガイド治具51は、第1レンズアレイ10の周縁部における第1フランジ面11eが載置される第1の保持面51aを有する。次に、第1ガイド治具51の第1の保持面51aから正確に所定の距離だけ高い位置に形成された第1ガイド治具51の第2の保持面51b上に、正確に一定の厚みを備える第2ガイド治具52を重ねる。第2ガイド治具52は、内面側から水平方向に突き出すように形成された突起52cを有している。この突起52cは正確に一定の厚みを備えており、上面が絞り部材30を保持するための第3の保持面52aとなっている。次に、第2ガイド治具52の第3の保持面52a上に絞り部材30を載置する。本実施形態では、第1及び第2ガイド治具51,52のそれぞれの内面側に第1レンズアレイ用の突き当て部51fと絞り部材用の突き当て部52fを形成しておくことによって、第1レンズアレイ10の第1レンズ本体部11aと絞り部材30の開口部P1とが横方向にアライメントされる。第1レンズアレイ10と絞り部材30との間隔は、積層レンズアレイ100の光軸OA方向における第2ガイド治具52の突起52cの厚みによって規定される。以上のガイド治具51,52は複数のパーツからなるものとでき、さらに複数のパーツを分解可能に組み立てて一体化したものとすることもできる。
〔接着剤供給工程〕
次に、図2Cに示すように、絞り部材30の第2面SS2側の、注入孔P2を含む所定領域(ここでは、注入孔P2及びその周囲のフランジ面)上に所定量の接着剤Bを滴下する(第1接着剤供給工程)。滴下された接着剤Bは、図2Dに示すように、注入孔P2内を充填しつつ通過し、絞り部材30の第1面SS1側の注入孔P2から漏れ出し、注入孔P2周辺の第1レンズアレイ10と絞り部材30との間の隙間を埋める(第2接着剤供給工程)。接着剤Bの量は、第1レンズアレイ10の第2フランジ面11fと絞り部材30の第1面SS1との間に形成される空間の容積及び注入孔P2によって形成される空間の体積の合計より多く、後述するように第2レンズアレイ20を重ねたときに、光学面11d,21c側にはみ出さない程度の量である。ここで、注入孔P2に接着剤Bを滴下すると、注入孔P2を通過することによって第1面SS1側の注入孔P2から漏れ出る接着剤Bの量は微小となる。これにより、第2面SS2側から第1面SS1側に移る接着剤Bの量を制限しつつ、第2面SS2側の注入孔P2の周囲にも接着剤Bを残すことができる。この際、注入孔P2に注入される接着剤Bの量にばらつきがあっても、注入孔P2において第1面SS1側から漏れ又は吐出される接着剤Bの量は略一定となる。従って、絞り部材30の第1面SS1と第1レンズアレイ10との間の接着剤Bの配置をコントロールしやすくなる。また、注入孔P2内と絞り部材30の第2面SS2側とにも接着剤Bを容易に配置することができるので、接着剤Bを硬化させて接着層又は接着部40を形成することで絞り部材30と第1レンズアレイ10とを強固に固定することができる。接着剤Bを供給する際には、接着剤Bの粘性は十分小さい方がよい。未硬化の硬化性接着剤は概して室温下で十分低粘度であるが、環境温度が低い場合など、接着剤Bの粘度が高い場合は、これを加熱するなどして粘度を下げることが好ましい。
〔第2積層工程〕
次に、図2Eに示すように、絞り部材30と第2レンズアレイ20とを所定の間隔に保ち積層する。具体的には、まず、絞り部材30外周上に第3ガイド治具53を重ねる。第3ガイド治具53は、第2ガイド治具52と同様に、内面側に水平方向に突き出した突起53cを有している。この突起53cも正確に一定の厚みを有しており、その上面が第2レンズアレイ20を保持するための第4の保持面53aとなっている。次に、第3ガイド治具53の第4の保持面53a上に第2レンズアレイ20を載置する。本実施形態においては、第3ガイド治具53の内面側に第2レンズアレイの突き当て部53fを形成しておくことによって、絞り部材30の開口部P1と第2レンズアレイ20の第2レンズ本体部21aとがアライメントされる。絞り部材30と第2レンズアレイ20との間隔は、積層レンズアレイ100の光軸OA方向における第3ガイド治具53の突起53cの厚みによって規定される。絞り部材30と第2レンズアレイ20とを積層すると、接着剤供給工程において注入孔P2に供給された接着剤Bのうち絞り部材30の第2面SS2側に残った接着剤Bが注入孔P2の周辺に広がり、絞り部材30と第2レンズアレイ20との間の隙間を埋める。接着剤Bを予め必要な量だけ供給しておくことで、本工程を実行しても、絞り部材30の開口部P1に接着剤Bがはみ出すことが防止される。このように、本実施形態においては、第1レンズアレイ10に対して所定の間隔で保持された絞り部材30の注入孔P2に向けて接着剤Bを供給することで、絞り部材30の両面SS1,SS2に対して、図1Bに示すように各注入孔P2の周りに接着剤を配置することができる。従って、絞り部材30の第1面SS1及び第2面SS2のそれぞれに個別に接着剤を供給する必要がなく、接着剤供給の工程を簡素化することができる。
〔第1及び第2接着工程〕
次に、図2Fに示すように、第1レンズアレイ10、絞り部材30、及び第2レンズアレイ20を積層した状態で、第1レンズアレイ10の物体側の面と第2レンズアレイ20の像側の面に対して紫外線等の硬化用の光を照射し、接着剤Bを硬化させる。これにより、絞り部材30の第2面SS2側に供給した接着剤Bと、注入孔P2を介して絞り部材30の第1面SS1側に供給した接着剤Bとによって接着部40が形成される。
最後に、第1、第2、及び第3ガイド治具51,52,53を積層レンズアレイ100から外し、積層レンズアレイ100を取り出す。
以上説明した積層レンズアレイ100によれば、絞り部材30の注入孔P2を介して第1面SS1側及び第2面SS2側の両側に流体状の接着剤Bを容易に供給することができ、接着工程が簡素化され、生産量を向上させることができる。ここで、個々の注入孔P2に対して注入される接着剤Bの量が、注入孔P2が設けられていない絞り部材を用いる場合に、絞り部材の表面と裏面とにそれぞれ配する接着剤の量に比べて多くなる。そのため、注入孔P2が設けられていない絞り部材を用いる場合と比較して、第1レンズアレイ10と絞り部材30との間及び第2レンズアレイ20と絞り部材30との間における接着剤Bの量のばらつきを抑えることができる。よって、各注入孔P2に対応して注入される接着剤Bの量が略一定になる。注入孔P2に注入される接着剤Bの量にばらつきがあっても、注入孔P2において接着剤B注入側の反対側から漏れる接着剤Bの量は略一定となり、接着部40の配置をコントロールすることができる。これにより、第1レンズアレイ10と、絞り部材30と、第2レンズアレイ20との貼り合わせの際に、第1及び第2レンズ本体部11a,21a側に接着剤Bすなわち接着部40がはみ出ることを防ぐことができる。以上により、小型化及び薄型化を実現しつつ、製造が容易である積層レンズアレイ100となる。
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態に係る積層レンズアレイ等について説明する。なお、第2実施形態の積層レンズアレイ等は第1実施形態の積層レンズアレイ等を変形したものであり、特に説明しない事項は第1実施形態と同様である。
図3Aに示すように、第1レンズアレイ10において、像側の1つの第2光学面11dとそれに隣接する第2光学面11dとの間、すなわち第2フランジ面11fには、反射率10%以下の遮光膜61が設けられている。遮光膜61は、第2光学面11dの周囲において、四角形乃至は矩形の開口である輪郭部61aを有する。輪郭部61aの大きさは、積層レンズアレイ100の各光学面11c,11d,21c,21dの外径よりも大きく、絞り部材30の注入孔P2の外縁またはそれよりも内側に重ならないサイズとされている。つまり、遮光膜61は、第1レンズアレイ10と絞り部材30とを積層した際に、注入孔P2上を略完全に覆う状態となる。遮光膜61は、例えば、黒色の塗料等、反射率10%以下の樹脂を塗布することによって形成する。
本実施形態において、接着剤Bは、遮光性を有する材料を用いることもできるし、遮光性を有しない材料を用いることもできる。後者の場合でも、遮光膜61によって注入孔P2に光が入射せず、第2レンズアレイ20側に光が入射することを防ぐことができる。
なお、遮光膜61は、第1レンズアレイ10でなく、第2レンズアレイ20に設けてもよい。また、第1及び第2レンズアレイ10,20の両方に設けてもよい。また、図3Bに示すように、遮光膜61の輪郭部61aは、光学面11c,11d,21c,21dの外径より大きい径の円形であってもよい。
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態に係る積層レンズアレイ等について説明する。なお、第3実施形態の積層レンズアレイ等は第1実施形態の積層レンズアレイ等を変形したものであり、特に説明しない事項は第1実施形態と同様である。
図4A〜4Cに示すように、絞り部材30の第1面SS1側において、隣接する開口部P1間の部位に、所定の方向に延びる凸部71が形成されている。本実施形態において、凸部71は、絞り部材30のレンズ10に対応する開口部P1の並びに沿って、縦方向又は横方向に直線状に延び、格子状に配置されている。注入孔P2はこの凸部71内に形成されている。凸部71の高さH1は、第1レンズアレイ10の第2フランジ面11fと絞り部材30の第1面SS1との間隔H2よりも小さい。そのため、第1積層工程において第1レンズアレイ10と絞り部材30とを積層した際に、第1レンズアレイ10の第2フランジ面11fと凸部71との間には、格子状に延在する微小な隙間GAが形成される。接着剤供給工程において接着剤Bを、絞り部材30の第2面SS2側の注入孔P2を含む所定領域に供給した際に、絞り部材30の第1面SS1側から漏れ出た接着剤Bは、図4C及び5に示すように、微小な隙間GAを充填するように、優先的に凸部71に沿って格子状に広がる。ここで、凸部71の頂部の幅を注入孔P2の径以上の大きさにしておくことが好ましい。このようにすることで、凸部の延在方向に沿って確実に接着剤を広がらせることができる。本実施形態のように、注入孔P2は凸部71内に設けることが好ましいが、注入孔P2から漏れ出た接着剤Bが確実に凸部71に沿って広がるのであれば、凸部71の近傍に注入孔P2を形成してもよい。なお、本実施形態においては、最も外側に位置するレンズ本体部11a,21a又は光学面11d、21cの周囲は接着部40で囲まれていないが、必要に応じて、最外部のレンズ本体部11a,21aも囲むようにしてもよい。この場合は、絞り部材30の対応する部位(外枠30k)にも注入孔P2を設けるとともに、絞り部材30の外形サイズや、第1レンズアレイ10、第2レンズアレイ20の最も外側のフランジ面のサイズをやや拡大することが望ましい。
なお、図4D及び4Eに示すように、注入孔P2の周囲に一対の凹部72を形成して中心部分を凸形状にし、これを凸部71としてもよい。この場合、接着面積が増えることによって、絞り部材30とレンズアレイ10との接着強度を増すことができる。
また、図示を省略するが、凸部71の配置パターンは、格子状に連続するものに限らず、例えば分割された複数の部分からなるものとできる。
このように、凸部71を設けることで、接着剤Bの広がりを制御することができ、絞り部材30の開口縁にまで接着剤が広がることを防止することができる。従って、接着剤Bのはみ出しを気にせずに、絞り部材30の開口部P1の開口径を任意に設定することができる。このため、不要光を十分に遮ることができる程度に絞り部材30の開口部P1を小さくすることで、積層レンズアレイ100の光学性能を向上させることができる。
〔第4実施形態〕
以下、第4実施形態に係る積層レンズアレイユニットについて説明する。第4実施形態の積層レンズアレイユニットは、第1実施形態の積層レンズアレイに構成を付加したものであり、特に説明しない事項は第1実施形態と同様である。なお、以下の説明においては、代表的に第1実施形態の積層レンズアレイを用いているが、第2及び第3実施形態の積層レンズアレイ及びこれらの変形例についても適用することができる。
図6に示すように、本実施形態において、積層レンズアレイユニット200は、第1レンズアレイ10、第2レンズアレイ20、及び、絞り部材30を有する積層レンズアレイ100と、ホルダー80とを有する。
ホルダー80は、第1レンズアレイ10、絞り部材30、及び第2レンズアレイ20を収納し保持するためのものである。ホルダー80は、その内側に第1レンズアレイ10、絞り部材30、及び第2レンズアレイ20を収納可能な凹部Uを有し、全体として升状の外形を有する。ホルダー80には、積層レンズアレイ100の複数の光学面に対応する格子点位置に円形の開口部P3が形成されている。ホルダー80は、遮光性の樹脂、例えば黒色顔料等の着色剤を含む液晶ポリマー(LCP)やポリフタルアミド(PPA)等で形成されている。ホルダー80は、例えば遮光部材や赤外線カットフィルター、撮像素子アレイ等を位置決めする段部を有してもよい。
第1レンズアレイ10、絞り部材30、及び第2レンズアレイ20は、接着剤等によってホルダー80に固定される。ホルダー80で積層レンズアレイ100を保持することにより、撮像素子に対して適切な位置に光学系を配置することができる。また、ホルダー80内に積層レンズアレイ100を収容することによって、積層レンズアレイ100に入射する外光や粉塵等を遮蔽して良好な撮像を実現することができる。
なお、ホルダー80の裏面側に撮像素子90をアライメントしつつ接着材で固定することにより、撮像装置(又は撮像ユニット)300を得ることができる。ここで、撮像素子90は、対向する一対のレンズ11,21を組み合わせた複数の個眼レンズ系101に対応して複数の受光領域を有する撮像素子アレイとなっている。
〔第5実施形態〕
以下、第5実施形態として、積層レンズアレイの他の製造方法について説明する。なお、第5実施形態の積層レンズアレイの製造方法は、第1〜第3実施形態の積層レンズアレイ及びそれらの変形例の何れに対しても適用するこができるものであるが、以下の説明においては代表的に第1実施形態の積層レンズアレイを用いている。特に説明しない事項は第1実施形態と同様である。
本実施形態においては、まず、図7Aに示すように、絞り部材30の注入孔P2を含む所定領域上に接着剤Baを供給する(第1接着剤供給工程)。本実施形態の場合、接着剤Baは、接着剤供給工程において、絞り部材30の第1面SS1側の注入孔P2に漏れ出ない材料を用いる。接着剤Baの材料として、例えば常温において高粘度であり、加熱すると粘度が低下し注入孔P2内を通過する性質を有するものが挙げられる。
接着剤供給工程後、図7Bに示すように、第1積層工程を行う。上述したように、接着剤Baは供給しただけでは注入孔P2に漏れ出ないものであるので、図2Cに示す第1実施形態とは異なり、第1積層工程の前に接着剤供給工程を行うことができる。もちろん、図2Cと同様に、第1積層工程後に第1接着剤供給工程を行うようにしてもよい。
次に、図7Cに示すように、第2レンズアレイ20を接着剤Baに接触させる。次に、第2レンズアレイ20と絞り部材30との間に挟まれた接着剤Baにエネルギーを付与して流動性を向上させる。具体的には、接着剤Baを例えば加熱して低粘度化する。低粘度となった接着剤Baは、図7Dに示すように、注入孔P2内を通過し、絞り部材30の第1面SS1側の注入孔P2から漏れ出る。この間、第2レンズアレイ20を接着剤Baに接触させた状態とする(第2接着剤供給工程)。ここで、図4Aのように絞り部材30に凸部71を設けている場合は、接着剤Baが注入孔P2を介して絞り部材30の第1面SS1側に移動したときに、接着剤Baは凸部71に沿って広がる。その後、図7Eに示すように、第2レンズアレイ20と絞り部材30とを所定間隔に保ち積層する(第2積層工程)。さらに、第1接着工程及び第2接着工程を実行することにより、接着剤Baが固化して接着部40を形成する。本実施形態では、注入孔P2への接着剤Baの注入タイミングを制御できるので、絞り部材30への接着剤Baの供給が良好に行われたことを確認した上で、注入孔P2に接着剤Baを注入することができる。
〔第6実施形態〕
以下、第6実施形態として、積層レンズアレイのさらに他の製造方法について説明する。なお、第6実施形態の積層レンズアレイの製造方法は、第1〜第3実施形態の積層レンズアレイ及びそれらの変形例の何れに対しても適用することができるが、以下の説明においては代表的に第1実施形態の積層レンズアレイを用いている。特に説明しない事項は第1実施形態と同様である。
本実施形態において、第1積層工程の前に接着剤供給工程を行う。具体的には、図8Aに示すように、第1レンズアレイ10の第2フランジ面11fにおいて、絞り部材30の注入孔P2に対応する位置を含む所定領域に接着剤Bを供給する。
接着剤供給工程後、図8Bに示すように、第1積層工程を行う。この際、絞り部材30が接着剤Bに接触し、絞り部材30の第1面SS1の注入孔P2を含む所定領域に接着剤Bが供給される(第1接着剤供給工程)。さらに絞り部材30と第1レンズアレイ10とが接近することによって、第1レンズアレイ10上の接着剤Bは、絞り部材30の注入孔P2内を第1面SS1側から第2面SS2側に向けて上昇する(第2接着剤供給工程)。ここで、図4Aのように絞り部材30に凸部71を設けている場合は、絞り部材30の凸部71が接着剤Bに接触することによって、絞り部材30の第1面SS1側において、接着剤Bが凸部71に沿って広がることになる。その後、必要に応じて第2面SS2側に接着剤Bを追加する補助の接着剤供給工程を行う。次に、図8C及び8Dに示すように、第1実施形態と同様に、第2積層工程、第1及び第2接着工程を行う。本実施形態では、第1レンズアレイ10への接着剤Bの供給の状況を確認した上で、注入孔P2への接着剤Bの注入を行うことができる。
[その他の実施形態]
本発明に係る積層レンズアレイ等は上記のものには限られない。例えば、上記実施形態において、第1〜第4光学面11c,11d,21c,21d等の形状、大きさ、数、配置間隔等は、用途や機能に応じて適宜変更することができる。また、各レンズアレイ10,20の外形形状や、ホルダー80の外形形状等も用途や機能に応じて適宜変更することができる。
また、上記実施形態の場合、絞り部材30の注入孔P2を、行方向、列方向、又は、対角方向に隣接する一対の開口部P1の中心を結ぶ線分上の中間又はその近傍に配置したが、注入孔P2の配置は適宜変更することができる。例えば、図9Aに示すように、絞り部材30の辺方向(行方向及び列方向)の隣接する開口部P1間のみに注入孔P2を設けてもよい。また、図9Bに示すように、絞り部材30の対角方向の隣接する開口部P1間のみに注入孔P2を設けてもよい。また、上記実施形態において、絞り部材30の注入孔P2を隣接する開口部P1間に1つずつ設けたが、図9Cに示すように、複数設けてもよい。また、隣接する開口部P1間に一様に注入孔P2を形成する必要はなく、開口部P1の配置に応じて、少なくとも一組の開口部間に注入孔P2を配置すればよい。注入孔P2の数が少なければ、絞り部材30の構造を簡素化することができ、注入孔P2の周囲に接着剤を配置することも容易になる。注入孔P2の数が多ければ、注入孔P2を介して絞り部材30の反対側の面に移行する接着剤の供給が確実で迅速となり、また、精度よく所期の位置に行き渡らせやすくなる。また、接着時に接着剤が開口部P1内に漏れ出さない範囲で、注入孔P2のうち一部又は全ての注入孔P2を、隣接する一対の開口部P1の中心を結ぶ線分の中央から外れた位置に設けても構わない。また、アレイ状に並ぶ開口部P1の最も外側の開口部P1よりも外側の領域に注入孔P2を設けてもよい。
また、上記実施形態において、絞り部材30の注入孔P2の形状を円形としたが、これに限るものではなく、他の形状でもよい。例えば、図10Aに示すように、十字状形状でもよい。また、図10Bに示すように、楕円形でもよい。
また、上記実施形態において、絞り部材30の注入孔P2内に連結部43を充填したが、完全に充填せず、連結部43に空間が形成されていてもよい。積層レンズアレイ100全体として、接着強度と遮光性が十分に保たれていればよい。
また、上記実施形態において、第1及び第2積層工程において、ガイド治具51,52,53によって第1レンズアレイ10、絞り部材30、及び第2レンズアレイ20を積層したが、図11Aに示すように、第1レンズアレイ10の外縁部にガイド治具51,52,53に代わるガイド機構55、すなわち、絞り部材30と第1レンズアレイ10の第2フランジ面とを所定の距離に保つための保持面を有する構造を、第1レンズアレイ10の周囲に設けてもよい。また、第4実施形態で説明したホルダー80の段部にガイド機構55と同様の機能を持たせてもよい。例えば、図11Bに示すように、ホルダー80は、その内側に階段状に形成された第1段部T1と、第2段部T2と、第3段部T3とを有する。各段部T1,T2,T3は、物体側から像側に向かって(図11Bの下方から上方に向かって)広がるように形成されている。最も物体側に配置される段部である第1段部T1は、第1レンズアレイ10を位置決めするためものである。第1段部T1よりも像側に設けられた第2段部T2は、絞り部材30を位置決めするためのものである。最も像側に設けられた段部である第3段部T3は、第2レンズアレイ20を位置決めするためのものである。この場合、各部材10,20,30を積層しつつホルダー80に組み込むことができる。なお、各部材10,20,30は、ホルダー80に対して接着剤等で接着固定される。この場合、熱硬化性樹脂からなる接着剤を用いることが好ましい。硬化のために光照射が不要でホルダー80等によって硬化が阻害されないため、各部材10,20,30を一括して接着固定するのが容易になるという利点がある。本実施形態においては、第1レンズアレイ10、絞り部材30、及び、第2レンズアレイ20をホルダー80に順次装着することによって積層レンズアレイユニット200を作製するので、第1レンズアレイ10等と絞り部材30との接合とこれら接合体とホルダー50との組立てを別々に行う必要がなくなる。また、第1レンズアレイ10、絞り部材30、及び第2レンズアレイ20からなる積層レンズアレイ100の作製と、積層レンズアレイ100とホルダー80との組立てを別々に行う必要がなくなる。また、各部材の位置決めを効率よく行うことができる。従って、製造工程を簡素化することができる。
また、第3実施形態において、絞り部材30の第1面SS1側に凸部71を設けたが、第1面SS1側ではなく、第2面SS2側に凸部を設けてもよい。また、第1及び第2面SS1,SS2側の両方に凸部を設けてもよい。また、図12に示すように、第1レンズアレイ10において、凸部71に対応する位置に凹部11gを設けてもよい。この場合、凸部71の高さが大きくなっても、積層レンズアレイ100が厚くなることを防ぐことができる。また、第3実施形態において、凸部71の太さは、注入孔P2の外径と略同様としたが、適宜変更することができる。また、凸部71を直線状としたが、曲線部を有していてもよいし、ジグザグ形状であってもよい。また、上記実施形態において、第1レンズアレイ10と凸部71との間の隙間GAの少なくとも一部に接着剤Bが充填されていればよい。
図13A〜13Dは、第1及び第3実施形態の変形例を説明する図である。本変形例の場合、図13A等に示すように、絞り部材30側ではなく第1レンズアレイ10側に凸部172を設けている。つまり、図13A等において、絞り部材30は全体的に平坦であり、凸部172は、例えば第1レンズアレイ10の成形に際して一体的に形成される。凸部172は、図4A等に示す凸部71と同様の機能を有するものであり、第1レンズアレイ10において格子点上に配列された多数のレンズ11間に存在する格子枠部111c上に形成されている。つまり、第1レンズアレイ10は、アレイ状に配置された複数のレンズ11と、絞り部材30の接着剤用の注入孔P2の周囲に対応する部位に形成された凸部172を有している。凸部172は、第1レンズアレイ10を成形するための成形型に凸部172に対応するネガ形状を形成しておくことで、レンズ本体部11a等と同時に成形することができる。一方、本実施形態では、絞り部材30が平坦な形状であるため、板状の部材に開口と注入孔とを形成するだけで容易に絞り部材30を作製することができる。なお、特定のレンズ11において、外周部111bと、格子枠部111cのうち外周部111bを囲む部分とは、このレンズ11のフランジ部11bとなっている。
第1レンズアレイ10に形成された凸部172は、隣接するレンズ10間の部位であって絞り部材30の注入孔P2に対応する部分18を含むように延在している。結果的に、凸部172は、格子枠部111cに沿って比較的幅の広い格子状に延びている。なお、注入孔P2の配列は単なる例示であり、接着剤の量等の条件に応じてサイズや数を増減させることができる。
図13Dに示すように、積層レンズアレイ100は、絞り部材30を挟んで第1レンズアレイ10の反対側に第2レンズアレイ20を接合した構造を有する。第1及び第2レンズアレイ10,20間に挟まれた接着部40は、注入孔P2を充填するとともに注入孔P2の上下及びその周辺に広がっている。第1接着層41は、第1レンズアレイ10側の凸部172の上面と、絞り部材30の下面との間に挟まれた状態で、凸部172の上面に対応する広がりを有している。
上記のような凸部172を含む構造を採用することによっても、接着剤を目的とする箇所に供給することが容易になり、接着部40の形成位置を制御しやすくなる。具体的には、図2A〜2Fに示す製造方法や、図7A〜7Eに示す製造方法の場合、注入孔P2を通過した接着剤が、凸部172に沿って優先的に広がり、接着領域を凸部172の形状に略一致させることができる。図8A〜8Dに示す製造方法の場合は、凸部172上に予め配置された接着剤が、絞り部材30に接触したときに、凸部172に沿って優先的に広がる。つまり、凸部172と絞り部材30との間のギャップが十分に狭ければ、その狭い空間を満たすように接着剤が充填され、結果として、凸部172の延在する方向に沿って接着剤が充填される。ここで、凸部172の断面形状は特に限定されず、狭い空間が線状に形成されるものであればよい。凸部172には、延在する方向に垂直な段面において角(エッジ)を有する形状としてもよいし、エッジが無い形状としてもよいが、エッジがあれば接着剤を制御しやすくなる。また、図13Dに示すように、凸部172の先端になるほど幅が狭くなるようなテーパーを設けることで、レンズアレイの成形が容易になる。また、上記の場合、絞り部材30の構造を簡素化できるので、所期の光学性能を発揮させやすくなり、低コスト化の観点でも有利である。さらに、図13Aの例では、凸部172を幅広にすることで、光軸OAに水平な方向において、遮光性を有する接着部40の第1接着層41が第1レンズ本体部11aの近くに配置されるので、積層レンズアレイ100内の隣接するレンズ10間で迷光が生じることをより効果的に抑制でき、ゴースト低減に有利である。なお、図8A〜8Dに示す製造方法を用いる場合は、凸部172上に配置された接着剤に絞り部材30が接触することで、凸部172に沿って接着剤が広がるので、必ずしも注入孔P2に重なる凸部172上の位置に接着剤を供給する必要がなく、凸部172への接着剤の配置が容易になる。また、凸部172の幅をできるだけ広くしておくことで、初めに接着剤を配置しやすくなる。
図14は、図13Aに示す第1レンズアレイ10の変形例を示している。この場合、凸部172の幅が注入孔P1の直径程度に狭くなっている。硬化前の接着剤の粘度が十分低い場合など、凸部172に沿って速やかに接着剤が広がり得るのであれば、本図に示すように凸部172の幅を狭くすることができる。このように接着剤の物性や、必要とされる接着強度等を勘案して凸部172の幅を定めればよい。上述した絞り部材30の凸部71と同様に、注入孔P2から漏れ出た接着剤Bが確実に凸部172に達するのであれば、第1レンズアレイ10に設ける凸部172を、絞り部材30の注入孔P2に対応する部分18の近傍に設けてもよい。
また、図示を省略するが、凸部172の配置パターンは、格子状に連続するものに限らず、例えば分割された複数の部分からなるものとできる。さらに、凸部172の厚み又は突出量も、注入孔P2に対応する位置からの距離等に応じて適宜増減させることができる。
図15A及び15Bは、第1及び第3実施形態の別の変形例を説明する図である。この場合、図15A等に示すように、第1レンズアレイ10に凸部172を設けるだけでなく、絞り部材30にも第1面SS1側において凸部71を設けている。第1レンズアレイ10の凸部172と絞り部材30の凸部71との間に挟むように接着剤を導くことになり、より確実に所期の位置に接着剤を配置して所望の広がりを有する接着部40を形成することができる。
図13D及び図15Bに示す例では、第1レンズアレイ10に凸部172を設けたが、第2レンズアレイ20に接着剤を案内するため同様形状を有する凸部を設け、或いは第1及び第2レンズアレイ10,20の双方に接着剤を案内するための凸部172,272を設けることができる(図16参照)。第2レンズアレイ20に凸部272を設けた場合には、絞り部材30は平坦な形状であってもよいし、その第2面SS2側に同様の凸部を設けることもできる。
また、上記実施形態において、積層レンズアレイ100を2枚のレンズアレイを積層する構成としたが、上記と同様の手法で3枚以上のレンズアレイを積層する構成としてもよい。
また、上記実施形態において、2次元的に複数のレンズが配置されたレンズアレイ10,20を用いているが、1次元的に複数のレンズが配置されたレンズアレイを用いてもよい。
また、上記実施形態において、第1及び第2レンズアレイ10,20を一体として成形したが、樹脂による成形の場合、樹脂の間に樹脂又はガラス等からなる基板を挟んでもよい。
また、上記各実施形態の製造方法において、第1レンズアレイ10と第2レンズアレイ20とを逆にしても構わない。例えば、図2A等に示す第1実施形態において、第2レンズアレイ20と絞り部材30とを位置調整してから絞り部材30の第1面SS1側に接着剤Bを供給し、注入孔P2を通過させて絞り部材30の第2面SS2側に接着剤Bを供給してもよい。また、図8A等に示す第6実施形態において、第2レンズアレイ20に接着剤Bを供給してから、絞り部材30を接着剤Bに重ねるようにしてもよい。
また、上記各実施形態の製造方法において、第1レンズアレイ10及び絞り部材30のみを接着剤Bで接着し、第2レンズアレイ20を接着剤Bで絞り部材30に接着しないようにしてもよい。例えば、図2D、図8B、図11Aに示される状態で接着剤Bの硬化を行うと、絞り部材30と第1レンズアレイ10とを接着することができる。従って、第2レンズアレイ20を接着剤Bで接着する必要のない場合に有用である。この場合、例えば、図2Dに示されるように、絞り部材30は、第1レンズアレイ10との間に存在する第1接着層41で接着されるだけでなく、連結部43を介して第1接着層41に連結する第2接着層42によって、第2面SS2側からも固定される。従って、絞り部材30は第1レンズアレイ10に強固に接着されることになる。

Claims (28)

  1. アレイ状に配列された複数の第1レンズを有する第1レンズアレイと、
    前記第1レンズアレイに隣接して配置される板状の絞り部材と、
    を備え、
    前記第1レンズアレイと前記絞り部材とは、流体状で供給可能な接着剤を用いて形成された接着部で接着されており、
    前記絞り部材は、前記複数の第1レンズに対応する位置にそれぞれ形成された複数の開口部と、前記複数の開口部のうち隣接する少なくとも一組の開口部の間に形成された1つ以上の接着剤用の注入孔とを有する積層レンズアレイ。
  2. 前記接着部は、前記第1レンズアレイと前記絞り部材の第1面側とを少なくとも前記注入孔の周辺で接着する第1接着層と、前記絞り部材の第2面側における前記注入孔の周辺に位置する第2接着層と、前記注入孔を介して前記第1接着層と前記第2接着層とを繋ぐ連結部とを有する、請求項1に記載の積層レンズアレイ。
  3. 前記注入孔には、前記接着剤の連結部が充填されている、請求項2に記載の積層レンズアレイ。
  4. 前記注入孔は、前記複数の開口部のうち隣接する少なくとも一組の開口部の間に複数設けられる、請求項1から3までのいずれか一項に記載の積層レンズアレイ。
  5. 前記絞り部材において、隣接する少なくとも一組の前記開口部の間の部位に凸部を有し、前記注入孔は前記凸部又は前記凸部の近傍に設けられており、
    前記第1レンズアレイと、前記絞り部材に設けられた前記凸部の少なくとも一部とが前記第1接着層によって接着されている、請求項2〜4のいずれか一項に記載の積層レンズアレイ。
  6. 前記第1レンズアレイは、少なくとも前記絞り部材の前記注入孔の周囲に対応する部位に凸部を有し、
    前記絞り部材と前記第1レンズアレイに設けられた前記凸部の少なくとも一部とが前記第1接着層によって接着されている、請求項2〜5のいずれか一項に記載の積層レンズアレイ。
  7. 前記接着部は、吸収による遮光性を有する材料を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層レンズアレイ。
  8. 前記複数の第1レンズは、それぞれ、第1レンズ本体部と該第1レンズ本体部の周辺に配置される第1フランジ部とで構成され、前記第1レンズアレイの前記絞り部材に対向する面のうち前記第1レンズ本体部を除く領域に遮光膜を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の積層レンズアレイ。
  9. アレイ状に配列された複数の第2レンズを有する第2レンズアレイをさらに備え、
    前記第1レンズアレイと前記第2レンズアレイとの間に前記絞り部材が配置され、
    前記第1レンズアレイと前記絞り部材と前記第2レンズアレイとは、前記接着部で接着されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の積層レンズアレイ。
  10. 前記接着部は、前記第1レンズアレイと前記絞り部材の第1面側とを少なくとも前記注入孔の周辺で接着する第1接着層と、前記絞り部材の第2面側における前記注入孔の周辺に位置する第2接着層と、前記注入孔を介して前記第1接着層と前記第2接着層とを繋ぐ連結部とを有する、請求項9に記載の積層レンズアレイ。
  11. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の積層レンズアレイと、前記積層レンズアレイを保持するホルダーとを備える、積層レンズアレイユニット。
  12. 請求項9又は10に記載の積層レンズアレイと、前記積層レンズアレイを保持するホルダーとを備える、積層レンズアレイユニット。
  13. 前記ホルダーは、前記第1レンズアレイを位置決めする第1段部と、前記絞り部材を位置決めする第2段部と、前記第2レンズアレイを位置決めする第3段部とを有する、請求項12に記載の積層レンズアレイユニット。
  14. アレイ状に配列された複数のレンズを有する第1レンズアレイと、前記第1レンズアレイに隣接して配置される板状の絞り部材と、を備える積層レンズアレイの製造方法であって、
    前記絞り部材は、前記第1レンズアレイに対向させる第1面と、該第1面とは反対側の第2面と、前記複数の第1レンズに対応する位置にそれぞれ形成された複数の開口部と、前記複数の開口部のうち隣接する少なくとも一組の開口部の間に形成された1つ以上の接着剤用の注入孔とを有しており、
    前記第1レンズアレイと前記絞り部材とを所定の間隔に保ち積層する第1積層工程と、
    前記注入孔を含む前記絞り部材の第1面側及び第2面側のうち一方の所定領域に接着剤を供給する第1接着剤供給工程と、
    前記注入孔を介して前記絞り部材の第1面側及び第2面側のうち他方に前記接着剤を供給する第2接着剤供給工程と、
    前記第1レンズアレイと前記絞り部材とを前記絞り部材の第1面側に供給した接着剤によって接着する第1接着工程と、
    を備える、積層レンズアレイの製造方法。
  15. 前記第1レンズアレイと所定の間隔に保たれた前記絞り部材の第2面側に前記接着剤を供給して前記注入孔を通過させることにより、前記絞り部材の第1面側に接着剤を供給する、請求項14に記載の積層レンズアレイの製造方法。
  16. 前記絞り部材の第2面側に供給した接着剤によって、アレイ状に配列された複数の第2レンズを有する第2レンズアレイを接着する第2接着工程をさらに備える、請求項14又は15に記載の積層レンズアレイの製造方法。
  17. 前記絞り部材の第2面側に前記接着剤を供給した後、前記第2レンズアレイを前記接着剤に接触させ、前記第2レンズアレイを接触させた状態で前記注入孔を通過させることにより前記接着剤を前記絞り部材の第1面側に供給する、請求項16に記載の積層レンズアレイの製造方法。
  18. 前記接着剤を前記絞り部材の第2面側に供給した後、前記接着剤にエネルギーを付与して流動性を向上させるようにする、請求項14〜17のいずれか一項に記載の積層レンズアレイの製造方法。
  19. 前記第1レンズアレイに接着剤を供給した後、前記絞り部材と前記第1レンズアレイとを接近させることで、前記絞り部材の第1面側に接着剤を供給するとともに前記注入孔を通過させて前記絞り部材の第2面側に接着剤を供給する、請求項14に記載の積層レンズアレイの製造方法。
  20. 請求項11に記載の積層レンズアレイユニットの製造方法であって、前記積層レンズアレイをホルダーに収納し固定する工程を備える、積層レンズアレイユニットの製造方法。
  21. 請求項12又は13に記載の積層レンズアレイユニットの製造方法であって、前記積層レンズアレイをホルダーに収納し固定する工程を備える、積層レンズアレイユニットの製造方法。
  22. 前記絞り部材の第1面及び第2面のうち少なくとも一方に凸部が設けられ、前記注入孔は前記凸部又は前記凸部の近傍に設けられており、前記第1及び第2接着剤供給工程の少なくとも一方で前記凸部に沿って前記接着剤を広げる、請求項14〜19のいずれか一項に記載の積層レンズアレイの製造方法。
  23. 前記第1レンズアレイは、少なくとも前記絞り部材の前記注入孔の周囲に対応する部位に凸部を備えており、前記第1又は第2接着剤供給工程で前記凸部に沿って前記接着剤を広げる、請求項14〜19のいずれか一項に記載の積層レンズアレイの製造方法。
  24. 前記第1及び第2レンズアレイの少なくとも一方は、少なくとも前記絞り部材の前記注入孔の周囲に対応する部位に凸部を備えており、前記第1及び第2接着剤供給工程のうち少なくとも一方で前記凸部に沿って前記接着剤を広げる、請求項16又は17に記載の積層レンズアレイの製造方法。
  25. 請求項11〜13のいずれか一項に記載の積層レンズアレイユニットと、撮像素子とを備える、撮像装置。
  26. アレイ状に配列された複数のレンズを有するレンズアレイに接着される絞り部材であって、
    前記複数のレンズに対応する位置にそれぞれ形成された複数の開口部を有する板状部材からなり、該板状部材の前記複数の開口部のうち隣接する少なくとも一組の開口部の間に形成された1つ以上の接着剤用の注入孔を有する絞り部材。
  27. 隣接する少なくとも一組の前記開口部の間の部位に凸部を有し、前記注入孔が前記凸部又は前記凸部の近傍に設けられている、請求項26に記載の絞り部材。
  28. 請求項1〜10のいずれか一項に記載される積層レンズアレイの前記第1レンズアレイ又は前記第2レンズアレイとして用いられるレンズアレイであって、
    少なくとも前記絞り部材の接着剤用の注入孔の周囲に対応する部位に形成された凸部を有する、積層レンズアレイ用のレンズアレイ。
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