JPWO2014119548A1 - 蒸着装置および蒸着方法 - Google Patents

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Abstract

蒸着装置(50)は、Y軸およびX軸方向の長さが被成膜基板(200)よりも短い複数の蒸着マスク(80)を備え、Y軸方向に隣り合う蒸着マスク(80)はX軸方向にずらして配置されており、Y軸方向に隣り合う各マスク開口群領域(82)がX軸方向に重なる重畳領域(83)では平面視でY軸方向の開口長が各マスク開口群領域(82)の外側に向かって次第に短くなる。

Description

本発明は、スキャン蒸着に使用される蒸着装置および蒸着方法に関する。
近年、様々な商品や分野でフラットパネルディスプレイが活用されており、フラットパネルディスプレイのさらなる大型化、高画質化、低消費電力化が求められている。
そのような状況下、有機材料の電界発光(エレクトロルミネッセンス;以下、「EL」と記す)を利用した有機EL素子を備えた有機EL表示装置は、全固体型で、低電圧駆動、高速応答性、自発光性等の点で優れたフラットパネルディスプレイとして、高い注目を浴びている。
有機EL表示装置は、例えば、アクティブマトリクス方式の場合、TFT(薄膜トランジスタ)が設けられたガラス基板等からなる基板上に、TFTに電気的に接続された薄膜状の有機EL素子が設けられた構成を有している。
フルカラーの有機EL表示装置では、一般的に、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の有機EL素子が、サブ画素として基板上に配列形成されており、TFTを用いて、これら有機EL素子を選択的に所望の輝度で発光させることにより画像表示を行う。
したがって、このような有機EL表示装置を製造するためには、少なくとも、各色に発光する有機発光材料からなる発光層を、有機EL素子毎に所定パターンで形成する必要がある。
このような発光層を所定パターンで形成する方法としては、例えば、真空蒸着法、インクジェット法、レーザ転写法等が知られている。例えば、低分子型有機EL表示装置(OLED)では、主に真空蒸着法が、発光層のパターニングに用いられている。
真空蒸着法では、所定パターンの開口が形成された蒸着マスク(シャドウマスクとも称される)が使用される。そして、蒸着源からの蒸着粒子(蒸着材料、成膜材料)を、蒸着マスクの開口を通して被蒸着面に蒸着させることにより、所定パターンの薄膜が形成される。このとき、蒸着は、発光層の色毎に行われる(これを「塗り分け蒸着」という)。
真空蒸着法は、被成膜基板と蒸着マスクとを固定もしくは順次移動させて密着させることにより成膜する方法と、被成膜基板と蒸着用のマスクとを離間させて走査しながら成膜するスキャン蒸着法とに大別される。
前者の方法では、被成膜基板と同等の大きさの蒸着マスクが使用される。しかしながら、被成膜基板と同等の大きさの蒸着マスクを使用すると、基板の大型化に伴い、蒸着マスクも大型化する。したがって、被成膜基板が大きくなれば、それに伴い、蒸着マスクの自重撓みや伸びにより、被成膜基板と蒸着マスクとの間に隙間が生じ易くなる。そのため、大型基板では、高精度なパターニングを行うのが難しく、蒸着位置のズレや混色が発生し、高精細化を実現することが困難である。
また、被成膜基板が大きくなれば、蒸着マスクのみならず、蒸着マスク等を保持するフレーム等も巨大になり、その重量も増加する。このため、被成膜基板が大きくなると、蒸着マスクやフレーム等の取り扱いが困難になり、生産性や安全性に支障をきたすおそれがある。また、蒸着装置そのものや、それに付随する装置も同様に巨大化、複雑化するため、装置設計が困難になり、設置コストも高額になる。
また、大型の蒸着マスクには、撓みや重量、コストの他、蒸着マスクの材料の加工や、パターニング、フレーム貼り付け等、マスク生産環境が整備されていないという大きな課題がある。
そこで、近年、被成膜基板よりも小さな蒸着マスクを用いて走査しながら蒸着を行うスキャン蒸着法が注目されている(例えば、特許文献1、2等)。
このようなスキャン蒸着法では、例えば帯状の蒸着マスクを使用し、蒸着マスクと蒸着源とを一体化する等して、被成膜基板と、蒸着マスクおよび蒸着源との少なくとも一方を相対移動させながら被成膜基板全面に蒸着粒子を蒸着する。
このため、スキャン蒸着法では、被成膜基板と同等の大きさの蒸着マスクを用いる必要がなく、蒸着マスクを小型化することができる。
日本国公開特許公報「特開2011−47035号公報(2011年3月10日公開)」 国際公開第2012/124512号パンフレット(2012年9月20日国際公開) 日本国公開特許公報「特開2007−23358号公報(2007年2月1日公開)」
スキャン蒸着法では、基板搬送方向のような走査方向の蒸着マスクの長さを短くすることはできる。
しかしながら、特許文献1、2に示すように、走査方向に直交する方向の蒸着マスクの長さは、被成膜基板と同等以上の大きさに形成される。
すなわち、蒸着マスクにおける走査方向および走査方向に垂直な方向における長さが被成膜基板200における走査方向および走査方向に垂直な方向における長さよりも短い小型のマスクを、走査方向および走査方向に垂直な方向に移動させながら蒸着膜を形成すると、成膜に時間を要するとともに、走査方向に垂直な方向における蒸着膜の膜厚を一定に制御することが困難となる。
このため、蒸着マスクにおける走査方向に直交する方向の蒸着マスクの長さは、被成膜基板と同等以上の大きさに形成される。
なお、蒸着マスクを小型化する方法として、特許文献3には、マスクチップと称される微小な複数の蒸着マスクを繋ぎ合わせて大型の蒸着マスクを形成する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献3は、大型の被成膜基板に対応した蒸着マスクを形成する方法であり、スキャン蒸着を対象としたものではない。
また、上記特許文献3は、隣接するマスクチップの互いに対向する側面のうち、少なくとも一方の側面に切欠部を設けるものであり、隣接するマスクチップの繋ぎ目部に、上記切欠部からなり、形成するパターンに対応した開口部を含む間隙部が形成されることで、X軸方向に隣接するマスクチップを、形成する蒸着膜のパターンに対応した開口部内(つまり、サブ画素内)でX軸方向に連結している。このため、特許文献3は、連結部の間隙部によるパターン制御が困難であるという問題点を有している。
また、このように小型の蒸着マスクを複数使用してスキャン蒸着を行うと、蒸着マスクの境界部で、均一な蒸着膜を形成することができず、蒸着膜がブロック状に別れてしまうブロック別れが生じる。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、従来よりも蒸着マスクを小型化するとともに、ブロック別れが生じず、均一な蒸着膜を形成することができる蒸着装置および蒸着方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様にかかる蒸着装置は、表示装置に用いられる被成膜基板上に、上記表示装置のサブ画素毎に所定のパターンの蒸着膜を形成する蒸着装置であって、蒸着源と複数の蒸着マスクとを有する蒸着ユニットと、上記蒸着ユニットおよび被成膜基板のうち一方を他方に対して相対移動させる移動装置とを備え、上記各蒸着マスクにおける、上記移動装置による移動方向である第1の方向および該第1の方向に垂直な第2の方向の長さは、それぞれの方向における上記被成膜基板の蒸着領域の長さよりも短く、上記蒸着マスクは、少なくとも上記第1の方向に、複数配置されており、上記各蒸着マスクは、上記第2の方向に、マスク開口群領域を、1つ、または、少なくとも1画素の遮蔽領域を介して複数有し、上記マスク開口群領域は、それぞれ、少なくとも上記第2の方向に配列された複数のマスク開口からなり、かつ、それぞれ、上記蒸着源における蒸着粒子の射出口と対をなしており、上記第1の方向に隣り合う蒸着マスクは、それぞれの蒸着マスクの各マスク開口群領域における上記第2の方向の端部のうち他方の蒸着マスクのマスク開口群領域に対向する側の端部における複数のマスク開口が、上記第1の方向に沿って見たときに上記第2の方向にそれぞれ重なるとともに、該端部における上記第1の方向に隣り合うマスク開口によって形成される蒸着膜が上記第1の方向に沿って同一直線上に位置するように、上記第2の方向に位置をずらして配置されており、上記第2の方向における上記蒸着マスクの合計の長さは、上記第2の方向における上記被成膜基板の蒸着領域の長さよりも長く、上記各マスク開口は、上記各サブ画素に対応して設けられており、上記各蒸着マスクの各マスク開口群領域における、上記第1の方向に沿って見たときに上記第2の方向にそれぞれ重なる領域では、上記蒸着マスクの主面に垂直な方向から見たときの上記第1の方向の開口長が、上記各マスク開口群領域の外側に向かって次第に短くなる。
また、本発明の一態様にかかる蒸着方法は、表示装置に用いられる被成膜基板上に、上記表示装置のサブ画素毎に所定のパターンの蒸着膜を形成する蒸着方法であって、蒸着源と複数の蒸着マスクとを有する蒸着ユニット、および、上記被成膜基板のうち、一方を他方に対して第1の方向に沿って相対移動させるとともに、上記蒸着ユニットとして、(a)上記各蒸着マスクにおける上記第1の方向および該第1の方向に垂直な第2の方向の長さがそれぞれの方向における上記被成膜基板の蒸着領域の長さよりも短く、(b)上記蒸着マスクは、少なくとも上記第1の方向に、複数配置されており、(c)上記各蒸着マスクは、上記第2の方向に、マスク開口群領域を、1つ、または、少なくとも1画素の遮蔽領域を介して複数有し、(d)上記マスク開口群領域は、それぞれ、少なくとも上記第2の方向に配列された複数のマスク開口からなり、かつ、それぞれ、上記蒸着源における蒸着粒子の射出口と対をなしており、(e)上記第1の方向に隣り合う蒸着マスクは、それぞれの蒸着マスクの各マスク開口群領域における上記第2の方向の端部のうち他方の蒸着マスクのマスク開口群領域に対向する側の端部における複数のマスク開口が、上記第1の方向に沿って見たときに上記第2の方向にそれぞれ重なるとともに、該端部における上記第1の方向に隣り合うマスク開口によって形成される蒸着膜が上記第1の方向に沿って同一直線上に位置するように、上記第2の方向に位置をずらして配置されており、(f)上記第2の方向における上記蒸着マスクの合計の長さは、上記第2の方向における上記被成膜基板の蒸着領域の長さよりも長く、(g)上記各蒸着マスクの各マスク開口群領域における、上記第1の方向に沿って見たときに上記第2の方向にそれぞれ重なる領域では、上記蒸着マスクの主面に垂直な方向から見たときの上記第1の方向の開口長が、上記各マスク開口群領域の外側に向かって次第に短くなる蒸着ユニット、を使用する。
なお、ここで言う「蒸着マスクの主面に垂直な方向から見たときの上記第1の方向の開口長」とは、蒸着マスクのマスク開口そのものの上記第1の方向の長さではなく、蒸着マスクの主面に垂直な方向から見たときに実際に開口されている蒸着マスクの実質的な上記第1の方向の開口長(つまり、蒸着粒子が通過可能な開口領域の上記第1の方向の長さ)を示す。すなわち、蒸着マスクの主面に垂直な方向から見たときに、蒸着マスクのマスク開口の一部が例えば遮蔽板により塞がれている場合、蒸着マスクの主面に垂直な方向から見たときの上記第1の方向の開口長とは、蒸着マスクの主面に垂直な方向から見たときに、実際に開口しているマスク開口の第1の方向の長さ(つまり、上記遮蔽板によって塞がれていないマスク開口の第1の方向の長さ)を示す。
本発明の一態様によれば、被成膜基板の上記第2の方向の各サブ画素に対応するマスク開口を分割して、従来よりも小型の蒸着マスクを用いたスキャン蒸着を実現することができることから、蒸着マスクを従来よりも軽量化することができ、蒸着マスクの撓みによる蒸着位置ズレを抑制することができる。このため、蒸着マスクの撓みに起因する蒸着ボケを抑制することができる。
また、本発明の一態様によれば、上記第1の方向に隣り合う蒸着マスクを上記第2の方向にずらして配置し、上記第1の方向に沿って見たときに各々の蒸着マスクにおけるマスク開口群領域が上記第2の方向に重なる領域において、上記蒸着マスクの主面に垂直な方向から見たときの上記第1の方向の開口長を、各マスク開口群領域の外側に向かって次第に短くしていることで、複数の蒸着マスクを繋ぐマスク継ぎ部分となる、上記第1の方向に隣り合う蒸着マスクにおける各マスク開口群領域の境界部で、開口長を徐々に変化させることができる。
このため、上述したように、被成膜基板の上記第2の方向の各サブ画素に対応するマスク開口を分割して、従来よりも小型の蒸着マスクを用いてスキャン蒸着を行う場合であっても、上記マスク開口群領域の境界部のブロック別れが生じない、均一な蒸着を行うことができる。
また、本発明の一態様によれば、サブ画素内でX軸方向に蒸着マスクを繋がないので、パターン制御が容易である。
また、本発明の一態様によれば、各マスク開口群領域が蒸着源の射出口と対をなしていることで、個々のマスク開口に飛来する蒸着粒子の飛来元(射出口)を限定することができるので、その飛来角度に最適なマスク開口の位置を設定することができる。このため、蒸着ボケを防止することができるとともに、蒸着効率を向上させることができる。
また、上記第2の方向に隣り合うマスク開口群領域の境界部では、各マスク開口群領域における2つの射出口から飛来した蒸着粒子が混じり易くなる。しかしながら、上述したように、上記第2の方向に隣り合うマスク開口群領域が、少なくとも1画素の遮蔽領域を介して設けられることで、蒸着ボケ、特に、上記第2の方向に隣り合うマスク開口群領域の境界部の蒸着ボケを防止することができる。
実施の形態1にかかる有機EL装置の製造装置として用いられる蒸着装置に用いられる蒸着ユニットの要部の構成を、被成膜基板200と併せて示す平面図である。 実施の形態1にかかる蒸着装置における要部の概略構成を模式的に示す断面図である。 (a)は、実施の形態1にかかる蒸着装置における真空チャンバ内の主要構成要素を模式的に示す断面図であり、(b)は、(a)に示す蒸着装置におけるY軸方向に隣り合う蒸着マスクをこれら蒸着マスクの主面に垂直な方向から見たときのそれぞれのマスク開口同士の位置関係と、これらマスク開口とこれらマスク開口により形成される蒸着膜との位置関係を模式的に示す説明図である。 実施の形態1で用いられる蒸着マスクにおけるマスク開口群の開口パターンを示す平面図である。 実施の形態1にかかる蒸着マスクのマスクパターンの一例を示す平面図である。 (a)・(b)は、順に比較例1・2として、同一形状のマスク開口からなるマスク開口群領域を有する蒸着マスクを図1と同様に配置した例を示す平面図である。 図1に示す蒸着マスクを用いて蒸着を行ったときの、第I列の蒸着マスクによる蒸着領域および第II列の蒸着マスクによる蒸着領域における蒸着膜の構成を示す平面図である。 実施の形態1にかかるRGBフルカラー表示の有機EL表示装置の概略構成を示す断面図である。 図8に示す有機EL表示装置を構成する各サブ画素の構成を示す平面図である。 図9に示す有機EL表示装置におけるTFT基板のW−W線矢視断面図である。 実施の形態1にかかる有機EL表示装置の製造工程の一例を工程順に示すフローチャートである。 (a)〜(d)は、実施の形態1にかかる蒸着マスクにおけるマスク開口群領域のパターン形状の他の一例を示す要部平面部である。 実施の形態1にかかる蒸着装置における要部の概略構成の他の例を模式的に示す断面図である。 (a)は、実施の形態2にかかる蒸着マスクの裏面側から被成膜基板を見たときの実施の形態2にかかる蒸着ユニットの要部の概略構成を示す斜視図であり、(b)は、(a)に示す構成要素をその側面から見たときの概略構成を示す側面図であり、(c)は、(a)に示す蒸着マスクの概略構成を示す平面図である。 (a)は、実施の形態3にかかる蒸着マスクの裏面側から被成膜基板を見たときの実施の形態3にかかる蒸着ユニットの要部の概略構成を示す斜視図であり、(b)は、(a)に示す構成要素をその側面から見たときの概略構成を示す側面図であり、(c)は、(a)に示す蒸着マスクの概略構成を示す平面図であり、(d)は、(a)に示す遮蔽板の概略構成を示す平面図である。 (a)・(b)は、蒸着源と被成膜基板との間の距離が、相対的に長い場合と短い場合とにおける蒸着膜の膜厚分布の違いを模式的に示す図であり、(a)は、蒸着源と被成膜基板との間の距離が相対的に長い場合を示し、(b)は、蒸着源と被成膜基板との間の距離が相対的に短い場合を示す。 (a)・(b)は、実施の形態4にかかる蒸着マスクにおけるマスク開口群の開口パターンの一例を示す平面図である。 (a)は、第I列における蒸着マスクの蒸着領域において蒸着マスクがない場合における、図5に示す成膜区間LのX軸方向の各位置における蒸着膜の膜厚分布と膜厚補正係数との関係を示すグラフであり、(b)は、上記成膜区間Lにおける、蒸着マスクの膜厚補正前後のマスク開口比率の変化と、膜厚補正係数との関係を示すグラフであり、(c)は、X軸方向の各位置における、開口長補正前の、Y軸方向に設けられた各蒸着マスクのマスク開口比率を示す表である。 (a)は、第II列における蒸着マスクの蒸着領域において、X軸方向で開口長を一律とした蒸着マスクを用いた場合における、図5に示す成膜区間LのX軸方向の各位置における蒸着膜の膜厚分布と膜厚補正係数との関係を示すグラフであり、(b)は、上記成膜区間Lにおける、蒸着マスクの膜厚補正前および補正後のマスク開口比率の変化と、膜厚補正係数との関係を示すグラフである。 (a)は、図5に示す成膜区間LのX軸方向の各位置における、膜厚補正後の蒸着マスクのマスク開口比率の変化と、膜厚補正後の、Y軸方向に設けられた各蒸着マスクによる膜厚を合成した合成膜厚との関係を示すグラフであり、(b)は、膜厚補正前後の要部のマスク開口比率の変化を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1〜図13に基づいて説明すれば以下の通りである。
以下、本実施の形態では、本実施の形態にかかる蒸着装置を用いた表示装置の製造方法として、サブ画素に対応して配される有機EL素子(発光素子)を有する有機EL表示装置の製造方法を例に挙げて説明する。
<有機EL表示装置の全体構成>
まず、本実施の形態にかかる蒸着装置により製造される有機EL表示装置の一例として、TFT基板側から光を取り出すボトムエミッション型でRGBフルカラー表示の有機EL表示装置の構成について以下に説明する。
図8は、RGBフルカラー表示の有機EL表示装置1の概略構成を示す断面図である。また、図9は、図8に示す有機EL表示装置1を構成する各サブ画素2R・2G・2Bの構成を示す平面図であり、図10は、図9に示す有機EL表示装置1におけるTFT基板10のW−W線矢視断面図である。
図8に示すように、本実施の形態で製造される有機EL表示装置1は、TFT12(図10参照)が設けられたTFT基板10上に、TFT12に接続された有機EL素子20(発光素子)、接着層30、封止基板40が、この順に設けられた構成を有している。
有機EL素子20は、該有機EL素子20が積層されたTFT基板10を、接着層30を用いて封止基板40と貼り合わせることで、これら一対の基板(TFT基板10、封止基板40)間に封入されている。
TFT基板10は、図10に示すように、支持基板として、例えばガラス基板等の透明な絶縁基板11を備えている。絶縁基板11上には、図9に示すように、水平方向に敷設された複数のゲート線と、垂直方向に敷設され、ゲート線と交差する複数の信号線とからなる複数の配線14が設けられている。ゲート線には、ゲート線を駆動する図示しないゲート線駆動回路が接続され、信号線には、信号線を駆動する図示しない信号線駆動回路が接続されている。
有機EL表示装置1は、フルカラーのアクティブマトリクス型の有機EL表示装置であり、絶縁基板11上には、これら配線14で囲まれた領域に、それぞれ、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の有機EL素子20からなる各色のサブ画素2R・2G・2Bが、マトリクス状に配列されている。これら配線14で囲まれた領域が1つのサブ画素(ドット)であり、各サブ画素に対応して有機EL素子20が配されている。これにより、サブ画素毎にR、G、Bの発光領域が画成されている。
画素2(すなわち、1画素)は、赤色の光を透過する赤色のサブ画素2R、緑色の光を透過する緑色のサブ画素2G、青色の光を透過する青色のサブ画素2Bの、3つのサブ画素2R・2G・2Bによって構成されている。
各サブ画素2R・2G・2Bには、各サブ画素2R・2G・2Bにおける発光を担う各色の発光領域として、ストライプ状の各色の発光層23R・23G・23Bによって覆われた開口部15R・15G・15Bがそれぞれ設けられている。これら発光層23R・23G・23Bは、各色毎に、蒸着によりパターン形成されている。
また、これらサブ画素2R・2G・2Bには、有機EL素子20における第1電極21に接続されたTFT12がそれぞれ設けられている。各サブ画素2R・2G・2Bの発光強度は、配線14およびTFT12による走査および選択により決定される。このように、有機EL表示装置1は、TFT12を用いて、有機EL素子20を選択的に所望の輝度で発光させることにより画像表示を実現している。
<TFT基板10の構成>
TFT基板10は、図10に示すように、ガラス基板等の透明な絶縁基板11上に、TFT12(スイッチング素子)および配線14、層間膜13(層間絶縁膜、平坦化膜)、エッジカバー15がこの順に形成された構成を有している。
上記絶縁基板11上には、配線14が設けられているとともに、各サブ画素2R・2G・2Bに対応して、それぞれTFT12が設けられている。なお、TFTの構成は従来よく知られている。したがって、TFT12における各層の図示並びに説明は省略する。
層間膜13は、各TFT12および配線14を覆うように、上記絶縁基板11上に、上記絶縁基板11の全領域に渡って積層されている。
層間膜13上には、有機EL素子20における第1電極21が形成されている。
また、層間膜13には、有機EL素子20における第1電極21をTFT12に電気的に接続するためのコンタクトホール13aが設けられている。これにより、TFT12は、上記コンタクトホール13aを介して、有機EL素子20に電気的に接続されている。
また、層間膜13上には、有機EL素子20における第1電極21と第2電極26との短絡を防止するために、第1電極21のパターン端部を被覆するように、エッジカバー15が形成されている。エッジカバー15には、サブ画素2R・2G・2B毎に開口部15R・15G・15Bが設けられている。このエッジカバー15の開口部15R・15G・15Bが、各サブ画素2R・2G・2Bの発光領域となる。
<有機EL素子20の構成>
有機EL素子20は、低電圧直流駆動による高輝度発光が可能な発光素子であり、第1電極21、有機EL層、第2電極26が、この順に積層されている。
第1電極21は、上記有機EL層に正孔を注入(供給)する機能を有する層である。第1電極21は、前記したようにコンタクトホール13aを介してTFT12と接続されている。
第1電極21と第2電極26との間には、有機EL層として、第1電極21側から、例えば、正孔注入層兼正孔輸送層22、発光層23R・23G・23B、電子輸送層24、電子注入層25が、この順に形成された構成を有している。なお、上記積層順は、第1電極21を陽極とし、第2電極26を陰極としたものであり、第1電極21を陰極とし、第2電極26を陽極とする場合には、有機EL層の積層順は反転する。
また、本実施の形態では、正孔注入層および正孔輸送層として、正孔注入層と正孔輸送層とが一体化された正孔注入層兼正孔輸送層22を設けた場合を例に挙げて図示したが、本実施の形態はこれに限定されるものではない。正孔注入層と正孔輸送層とは互いに独立した層として形成されていてもよい。また、上記有機EL表示装置1は、電子輸送層24および電子注入層25に代えて、電子輸送層兼電子注入層を備えていてもよい。
なお、有機EL層を構成するこれらの層の機能並びに材料は、本願出願人らによって出願された特許文献2に示すように従来公知であるため、ここでは、その説明を省略する。
なお、有機EL素子20の構成としては、上記構成に限定されるものではなく、要求される有機EL素子20の特性に応じて、従来公知の各種層構成を採用することができる。
<有機EL表示装置の製造方法>
また、図11は、上記有機EL表示装置1の製造工程の一例を工程順に示すフローチャートである。
図11に示すように、本実施の形態にかかる有機EL表示装置1の製造方法は、例えば、TFT基板・第1電極作製工程(S1)、正孔注入層・正孔輸送層蒸着構成(S2)、発光層蒸着工程(S3)、電子輸送層蒸着工程(S4)、電子注入層蒸着工程(S5)、第2電極蒸着工程(S6)、封止工程(S7)を備えている。
但し、上記積層順は、第1電極21を陽極、第2電極26を陰極としたものであり、反対に第1電極21を陰極とし、第2電極26を陽極とする場合には、有機EL層の積層順は反転する。また、第1電極21および第2電極26を構成する材料も反転する。
まず、図10に示すように、公知の技術でTFT12並びに配線14等が形成された絶縁基板11上に感光性樹脂を塗布し、フォトリソグラフィ技術によりパターニングを行うことで、絶縁基板11上に層間膜13を形成する。
次に、層間膜13に、第1電極21をTFT12に電気的に接続するためのコンタクトホール13aを形成する。次に、層間膜13上に、第1電極21を形成する。第1電極21には、例えばITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)等の透明電極材料からなる導電膜(電極膜)、あるいは、金(Au)等の金属材料からなる透明あるいは半透明薄膜が用いられる。
第1電極21は、例えば、スパッタ法、CVD(chemical vapor deposition、化学蒸着)法、印刷法等の公知の成膜方法あるいは表示領域全面が開口したオープンマスクを使用した真空蒸着方法と、フォトリソグラフィ技術を用いたパターニング方法とを組み合わせることで形成することができる。
次に、所定パターンのエッジカバー15を形成する。エッジカバー15の形成には、層間膜13と同様の方法並びに材料を用いることができる。
以上の工程により、TFT基板10および第1電極21が作製される(S1)。
次に、上記のような工程を経たTFT基板10に対し、脱水のための減圧ベークおよび第1電極21の表面洗浄として酸素プラズマ処理を施す。
次いで、表示領域全面が開口したオープンマスクを使用した真空蒸着法により、上記TFT基板10上に、正孔注入層および正孔輸送層(本実施の形態では正孔注入層兼正孔輸送層22)を、上記TFT基板10における表示領域全面に蒸着する(S2)。なお、ここで、表示領域全面への蒸着とは、隣接した色の異なるサブ画素間に渡って途切れなく蒸着することを意味する。
次に、上記正孔注入層兼正孔輸送層22上に、エッジカバー15の開口部15R・15G・15Bを覆うように、サブ画素2R・2G・2Bに対応して発光層23R・23G・23Bをそれぞれ塗り分け形成(パターン形成)する(S3)。
上記塗り分け蒸着には、本実施の形態にかかる蒸着装置を用いた真空蒸着法が用いられる。本実施の形態にかかる蒸着装置を用いた蒸着方法は、このような発光層23R・23G・23Bの塗り分け形成(パターン形成)に特に好適に使用することができる。
次に、上記した正孔注入層・正孔輸送層蒸着工程(S2)と同様の方法により、電子輸送層24を、上記正孔注入層兼正孔輸送層22および発光層23R・23G・23Bを覆うように、上記TFT基板10における表示領域全面に蒸着する(S4)。
続いて、上記した正孔注入層・正孔輸送層蒸着工程(S2)と同様の方法により、電子注入層25を、上記電子輸送層24を覆うように、上記TFT基板10における表示領域全面に蒸着する(S5)。
次に、上記した正孔注入層・正孔輸送層蒸着工程(S2)と同様の方法により、第2電極26を、上記電子注入層25を覆うように、上記TFT基板10における表示領域全面に蒸着する(S6)。
第2電極26の材料(電極材料)としては、マグネシウム合金(MgAg)等の、仕事関数の小さい金属等が好適に用いられる。これにより、TFT基板10上に、上記した有機EL層、第1電極21、および第2電極26からなる有機EL素子20が形成される。
なお、有機EL素子20における各層の材料は、従来と同様の材料を使用することができ、それらの厚み並びに大きさも従来と同様に設定することができる。例えば、特許文献2と同様の材料並びにサイズとすることができる。
次いで、図8に示すように、有機EL素子20が形成された上記TFT基板10と、封止基板40とを、接着層30にて貼り合わせ、有機EL素子20の封入を行う。封止基板40としては、ガラス基板あるいはプラスチック基板等の絶縁基板が用いられる。上記の工程により、有機EL表示装置1が完成される。
<蒸着方式>
上述したように、有機EL表示装置1の製造において、発光層23R・23G・23B等の、有機材料からなる有機膜の蒸着等、サブ画素2R・2G・2Bに対応した層(被膜)の形成には、本実施の形態にかかる蒸着装置を用いたスキャン蒸着が用いられる。
本実施の形態では、本実施の形態にかかる蒸着装置における蒸着ユニットと被成膜基板との間に一定の空隙を設けた状態で、被成膜基板と、上記蒸着ユニットとの少なくとも一方を相対移動させて走査することで、被成膜基板の蒸着領域よりも小さいサイズの開口領域(マスク開口部群形成領域)を有する蒸着マスクを用いて蒸着膜を形成する。
<蒸着装置>
次に、本実施の形態にかかる蒸着装置を有機EL表示装置1の製造装置として用いて、蒸着膜221をパターン形成する方法について詳述する。
なお、被成膜基板200への蒸着膜221のパターン形成として、TFT基板10における発光層23R・23G・23Bの塗り分け形成を行う場合、蒸着マスク80のマスク開口81は、これら発光層23R・23G・23Bの同色列のサイズとピッチとに合わせて形成される。また、このように蒸着材料が有機EL表示装置1における発光層23R・23G・23Bの材料である場合、有機EL蒸着プロセスにおける発光層23R・23G・23Bの蒸着は、発光層23R・23G・23Bの色毎に行われる。
図1は、本実施の形態にかかる有機EL装置の製造装置として用いられる蒸着装置50に用いられる蒸着ユニット54の要部の構成を、被成膜基板200と併せて示す平面図である。
また、図2は、本実施の形態にかかる蒸着装置50における要部の概略構成を模式的に示す断面図である。また、図3の(a)は、本実施の形態にかかる蒸着装置50における真空チャンバ51内の主要構成要素を模式的に示す断面図であり、図3の(b)は、図3の(a)に示す蒸着装置50におけるY軸方向に隣り合う蒸着マスク80A・80Bをこれら蒸着マスク80A・80Bの主面に垂直な方向から見たときのそれぞれのマスク開口81A・81B同士の位置関係と、これらマスク開口81A・81Bとこれらマスク開口81A・81Bにより形成される蒸着膜221との位置関係を示す模式図である。なお、図2は、本実施の形態にかかる蒸着装置50を、走査方向に平行に切断したときの断面を示し、図3の(a)は、本実施の形態にかかる蒸着装置50を、走査方向に垂直な方向平行に切断したときの断面を示している。
なお、図1〜図3の(a)・(b)は、図示の簡略化のために、蒸着マスク80の数や、蒸着源60における射出口61の数、マスク開口81の数、制限板73の数を省略して示している。
また、以下、説明の便宜上、被成膜基板200の走査方向に沿った水平方向軸をY軸とし、被成膜基板200の走査方向に垂直な方向に沿った水平方向軸をX軸とし、被成膜基板200の被蒸着面の法線方向であり、該被蒸着面に直交する蒸着軸線が延びる方向である、X軸およびY軸に垂直な垂直方向軸(上下方向軸)をZ軸として説明する。また、説明の便宜上、特に言及しない限りは、Z軸方向の矢印の側(図1の紙面の上側)を「上側」として説明する。
図2に示すように、本実施の形態にかかる蒸着装置50は、真空チャンバ51(成膜チャンバ)、基板ホルダ52(基板保持部材)、基板移動装置53、蒸着ユニット54、蒸着ユニット移動装置55、イメージセンサ等の図示しないアライメント観測手段、および、蒸着装置50を駆動制御するための図示しない制御回路等を備えている。また、蒸着ユニット54は、図1〜図3の(a)に示すように、蒸着源60、制限板ユニット70、複数の蒸着マスク80、ホルダ90、および図示しないシャッタ等を備えている。
そのうち、基板ホルダ52、基板移動装置53、蒸着ユニット54、蒸着ユニット移動装置55は、真空チャンバ51内に設けられている。
なお、真空チャンバ51には、蒸着時に該真空チャンバ51内を真空状態に保つために、該真空チャンバ51に設けられた図示しない排気口を介して真空チャンバ51内を真空排気する図示しない真空ポンプが設けられている。
(基板ホルダ52)
基板ホルダ52は、被成膜基板200を保持する基板保持部材である。基板ホルダ52は、TFT基板等からなる被成膜基板200を、その被蒸着面201(被成膜面)が、蒸着ユニット54における蒸着マスク80に面するように保持する。
被成膜基板200と蒸着マスク80とは、一定距離離間して対向配置されており、被成膜基板200と蒸着マスク80との間には、一定の高さの空隙が設けられている。
基板ホルダ52には、例えば静電チャック等が使用されることが好ましい。被成膜基板200が基板ホルダ52に静電チャック等の手法で固定されていることで、被成膜基板200は、自重による撓みがない状態で基板ホルダ52に保持される。
<基板移動装置53および蒸着ユニット移動装置55>
本実施の形態では、基板移動装置53および蒸着ユニット移動装置55の少なくとも一方により、被成膜基板200と、蒸着ユニット54とを、Y軸方向(第1の方向)が走査方向(基板移動装置53または蒸着ユニット移動装置55による移動方向)となるように相対的に移動させてスキャン蒸着を行う。
基板移動装置53は、例えば図示しないモータを備え、図示しないモータ駆動制御部によってモータを駆動させることで、基板ホルダ52に保持された被成膜基板200を移動させる。
また、蒸着ユニット移動装置55は、例えば図示しないモータを備え、図示しないモータ駆動制御部によってモータを駆動させることで、蒸着ユニット54を、被成膜基板200に対して相対移動させる。
また、これら基板移動装置53および蒸着ユニット移動装置55は、例えば図示しないモータを駆動させることにより、蒸着マスク80の非開口領域に設けられた図示しないアライメントマーカおよび被成膜基板200における非蒸着領域に設けられた図示しないアライメントマーカにより、蒸着マスク80と被成膜基板200との位置ズレが解消されるように位置補正を行う。
これら基板移動装置53および蒸着ユニット移動装置55は、例えば、ローラ式の移動装置であってもよく、油圧式の移動装置であってもよい。
これら基板移動装置53および蒸着ユニット移動装置55は、例えば、ステッピングモータ(パルスモータ)等のモータ(XYθ駆動モータ)、コロ、およびギヤ等で構成される駆動部と、モータ駆動制御部等の駆動制御部とを備え、駆動制御部により駆動部を駆動させることで、被成膜基板200または蒸着ユニット54を移動させるものであってもよい。また、これら基板移動装置53および蒸着ユニット移動装置55は、XYZステージ等からなる駆動部を備え、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の何れの方向にも移動自在に設けられていてもよい。
但し、被成膜基板200および蒸着ユニット54は、その少なくとも一方が相対移動可能に設けられていればよい。言い換えれば、基板移動装置53および蒸着ユニット移動装置55は、その少なくとも一方が設けられていればよい。
例えば被成膜基板200が移動可能に設けられている場合、蒸着ユニット54は、真空チャンバ51の内壁に固定されていてもよい。逆に、蒸着ユニット54が移動可能に設けられている場合、基板ホルダ52は、真空チャンバ51の内壁に固定されていても構わない。
(蒸着ユニット54)
蒸着ユニット54は、図1〜図3の(a)に示すように、蒸着源60、制限板ユニット70、蒸着マスク80、ホルダ90、および図示しないシャッタ等を備えている。
(蒸着源60)
蒸着源60は、例えば、内部に蒸着材料を収容する容器である。蒸着源60は、容器内部に蒸着材料を直接収容する容器であってもよく、ロードロック式の配管を有し、外部から蒸着材料が供給されるように形成されていてもよい。
蒸着源60は、例えば矩形状に形成されている。蒸着源60は、その上面(すなわち、制限板ユニット70との対向面)に、蒸着粒子211を射出させる複数の射出口61(貫通口、ノズル)を有している。
蒸着源60は、蒸着材料を加熱して蒸発(蒸着材料が液体材料である場合)または昇華(蒸着材料が固体材料である場合)させることで気体状の蒸着粒子211を発生させる。蒸着源60は、このように気体にした蒸着材料を、蒸着粒子211として、射出口61から制限板ユニット70に向かって射出する。
射出口61は、例えば、Y軸方向に2列設けられている。以下、説明の便宜上、蒸着源60における、Y軸で示す走査方向(被成膜基板200の移動方向)の上流側に設けられた第I列の射出口61を射出口61Aと記し、該走査方向の後流側に設けられた第II列の射出口61を射出口61Bと記す。
図1に示すように、射出口61Aと射出口61Bとは、千鳥状に配置されている。すなわち、図2に示すように、Y軸方向の上流側の第I列に、複数の射出口61Aが、X軸と平行な方向に等ピッチで配置されており、Y軸方向の下流側の第II列に、複数の射出口61Bが、X軸と平行な方向に等ピッチで配置されている。
なお、第I列と第II列とで、射出口61A・61BのX軸方向(第2の方向)のピッチは同一である。但し、図3の(a)に示すように、Y軸方向の上流側からXZ平面を見たとき、X軸方向には、第I列の射出口61Aと第II列の射出口61Bとが交互に配置されている。
(蒸着マスク80)
蒸着マスク80は、その主面(面積が最大である面)であるマスク面がXY平面と平行な板状物である。
各蒸着マスク80の主面には、蒸着時に蒸着粒子211を通過させるための複数のマスク開口81(開口部、貫通口)が設けられている。マスク開口81は、被成膜基板200における、目的とするサブ画素以外の領域に蒸着粒子211が付着しないように、上記蒸着領域のサブ画素に対応して設けられている。
すなわち、上記各マスク開口81は、有機EL表示装置1の各サブ画素に対応して設けられており、マスク開口81を通過した蒸着粒子211のみが被成膜基板200に到達する。これにより、被成膜基板200に、マスク開口81に対応して、各サブ画素に対応した所定パターンの蒸着膜221(図3の(a)・(b)参照)が形成される。
各蒸着マスク80には、X軸方向に配列された複数のマスク開口81が集まって設けられた2つのマスク開口群領域82が、開口領域として、それぞれ、X軸方向の異なる位置に設けられている。
各マスク開口群領域82は、図1に示すように、蒸着源60の射出口61と一対一に対応するように配置されている。射出口61のX軸方向位置は、例えば、各マスク開口群領域82のX軸方向の中央位置に位置している。これにより、蒸着効率を向上させることができる。また、このように各マスク開口群領域82が蒸着源60の射出口61と対をなしていることで、個々のマスク開口81に飛来する蒸着粒子211の飛来元(射出口61)を限定することができる。したがって、上記の構成によれば、個々のマスク開口81に飛来する蒸着粒子211の飛来角度に最適なマスク開口81の位置を設定することができる。このため、蒸着ボケを防止することができるとともに、蒸着効率を向上させることができる。
このため、蒸着マスク80は、蒸着源60A・60Bに対応して、Y軸方向に2列配されている。したがって、以下、説明の便宜上、走査方向上流側に設けられた第I列の蒸着源60Aに対応して設けられた第I列の蒸着マスク80を蒸着マスク80Aと記し、走査方向下流側に設けられた第II列の蒸着源60Bに対応して設けられた第II列の蒸着マスク80を蒸着マスク80Bと記す。また、蒸着マスク80Aにおける各マスク開口81およびマスク開口群領域82を、それぞれマスク開口81Aおよびマスク開口群領域82Aと記し、蒸着マスク80Bにおける各マスク開口81およびマスク開口群領域82を、それぞれマスク開口81Bおよびマスク開口群領域82Bと記す。
蒸着マスク80Aと蒸着マスク80Bとは、図1および図3の(b)に示すように、Y軸方向に沿って見たときに、Y軸方向に隣り合うマスク開口群領域82Aとマスク開口群領域82Bとが、互いに対向する側の端部で、X軸方向にそれぞれ重なるとともに、該端部におけるY軸方向に隣り合うマスク開口81A・81Bによって形成される蒸着膜221が上記第1の方向に沿って同一直線上に位置するように、マスク開口81Aとマスク開口81BとがX軸方向に位置をずらして配置されている。
これにより、蒸着マスク80A・80Bは、上記端部において、互いに対向するマスク開口81A・81Bによって、同一のサブ画素における蒸着膜221を形成する。
つまり、図1および図3の(b)に示すように、通常、異なる蒸着ブロック101(図3参照)間のマスク開口81の位置そのものは、同一直線上には無く、ずれた位置となる。
この理由は、以下の通りである。一般的に、マスク開口81は、サブ画素に対して、対応する射出口61側に若干ずれて配置される。これは、蒸着源60から飛来した蒸着粒子211がマスク開口81を通過して離間した被成膜基板200に付着するまでにX軸方向に移動するためであり、マスク開口81の位置はその位置ズレ量を考慮して配置される。この位置ズレは、蒸着粒子211の進行方向がZ軸に対して角度を持っていること、並びに、蒸着マスク80と被成膜基板200とが離間していることに起因する。このため、マスク開口81は、対応するサブ画素に対して必ず射出口61側に配置される。このため、異なる蒸着ブロック101間のマスク開口81の位置は、一般的に、X軸方向に互いにずれることになる。
また、本実施の形態では、各蒸着マスク80の各マスク開口群領域82における、Y軸方向に沿って見たときに、マスク開口群領域82Aとマスク開口群領域82BとがX軸方向に重なる領域(以下、「重畳領域83」と称する)では、各サブ画素に対応した各蒸着膜221の厚みが互いに等しくなるように、蒸着マスク80の主面に垂直な方向から見たときのY軸方向の開口長が、各マスク開口群領域82の外側に向かって次第に短くなるように形成されている。
なお、ここで言う「蒸着マスク80の主面に垂直な方向から見たときのY軸方向の開口長」とは、蒸着マスク80のマスク開口81そのもののY軸方向の長さではなく、蒸着マスク80の主面に垂直な方向から見たときに実際に開口されている蒸着マスク80の実質的なY軸方向の開口長(つまり、蒸着粒子211が通過可能な開口領域のY軸方向の長さ)を示す。但し、本実施の形態では、蒸着マスク80の主面に垂直な方向から見たときのY軸方向の開口長は、蒸着マスク80に形成されたマスク開口81のY軸方向の長さに等しい。
図4は、蒸着マスク80におけるマスク開口群領域82の開口パターンを示す平面図である。
図4に示すように、各マスク開口群領域82におけるマスク開口81は、それぞれ、X軸方向に同一のピッチで互いに平行に形成されている。一方、各マスク開口群領域82におけるマスク開口81は、上記重畳領域83で、各蒸着マスク80におけるY軸方向の開口長d1が次第に短くなるように形成されている。
本実施の形態では、上記重畳領域83で、図4中、A1からA2にかけて、開口長d1が、一定の変化率で285mmから15mmに変化するとともに、Y軸方向における蒸着マスク80Aと蒸着マスク80Bとの合計の開口長が常に300mmとなるように、マスク開口群領域82を形成した。
また、図5は、本実施の形態にかかる蒸着マスク80のマスクパターンの一例を示す平面図である。
本実施の形態では、一例として、図5中、d1=300mm、d2=d4=d5=50mm、d3=100mmとした。なお、ここで示すd1の長さは、各蒸着マスク80におけるマスク開口群領域82のY軸方向の最大の開口長であり、各マスク開口群領域82における、Y軸方向に沿った同一直線上に他の蒸着マスク80におけるマスク開口81が存在しない領域(以下、「非重畳領域84」と称する)のY軸方向の開口長、並びに、Y軸方向における蒸着マスク80Aと蒸着マスク80Bとの合計の開口長に、それぞれ等しい。なお、各マスク開口群領域82の重畳領域83におけるマスク開口81の開口長は、図4を用いて説明した通りである。また、d2は、上記重畳領域83のX軸方向の幅であり、マスク開口群領域82Aとマスク開口群領域82BとのX軸方向の重なり幅を示す。d3は、隣り合うマスク開口群領域82Aとマスク開口群領域82Bとの間のX軸方向のピッチを示し、d3=(d4/2)+d2+(d5/2)である。d4は、各マスク開口群領域82における、Y軸方向に沿った同一直線上に他の蒸着マスク80におけるマスク開口81が存在しない非重畳領域84のX軸方向の幅を示す。また、d5は、X軸方向に隣り合うマスク開口群領域82間の遮蔽領域85のX軸方向の幅を示す。但し、これらの数値は、何れも、一設計例であり、上記数値にのみ限定されるものではない。
X軸方向に隣り合うマスク開口群領域82は、蒸着ボケの防止の観点から、少なくとも1画素の遮蔽領域85を介して互いに離間して形成され、具体的には、例えば5mm以上離間して形成される。
X軸方向に隣り合うマスク開口群領域82の境界部では、各マスク開口群領域82における2つの射出口61から飛来した蒸着粒子211が混じり易くなる。しかしながら、このように隣り合うマスク開口群領域82が、少なくとも1画素の遮蔽領域85を介して設けられることで、蒸着ボケ、特に、上述したようにX軸方向に隣り合うマスク開口群領域82の境界部の蒸着ボケを防止することができる。
なお、図5では、1枚の蒸着マスク80に、図4に示す開口パターンを有するX軸方向に2つのマスク開口群領域82が設けられた蒸着マスク80を、X軸方向に2枚、Y軸方向に2枚設けた場合を例に挙げて図示した。
但し、図5は、X軸方向およびY軸方向に複数枚の蒸着マスク80を設けたことを示しているにすぎず、X軸方向およびY軸方向における蒸着マスク80の数は上記枚数に限定されるものではない。大型基板を用いる場合、蒸着マスク80の小型化のために、X軸方向に多数の枚数の蒸着マスク80が設けられる。
すなわち、蒸着ユニット54における蒸着マスク80の数は、被成膜基板200のサイズ並びに1枚の蒸着マスク80に形成されるマスク開口群領域82の数によって適宜決定される。このとき、Y軸方向に配置される蒸着マスク80のY軸方向の合計の長さは、Y軸方向における被成膜基板200の蒸着領域の長さよりも短くなるように、蒸着ユニット54における蒸着マスク80の数が決定される。また、X軸方向における蒸着マスク80の合計の長さ(総長)は、X軸方向における被成膜基板200の蒸着領域の長さよりも長くなるように、蒸着ユニット54における蒸着マスク80の数が決定される。これにより、X軸方向における被成膜基板200の蒸着領域全域に渡ってマスク開口81を設けることができる。
なお、異なる列の蒸着マスク80を、それぞれの蒸着マスク80におけるマスク開口群領域82の端部で、それぞれの蒸着マスク80におけるマスク開口81によって形成される蒸着膜221が同一直線上に位置するように位置合わせするためには、それぞれの蒸着マスク80をY軸方向に互いにできるだけ近接して配置することが望ましい。また、Y軸方向の蒸着マスク80の枚数が増加すると、それに伴って、射出口61の数や後述する制限板73・75の数等、蒸着マスク80以外の部品点数が増加する。このため、各列の蒸着マスク80は、X軸方向に、歯抜けパターンとならないように連続して配置することで、Y軸方向の蒸着マスク80の数(列数)を2枚に抑えることが望ましい。
但し、本実施の形態は、これに限定されるものではなく、Y軸方向に配置される蒸着マスク80のY軸方向の合計の長さが、Y軸方向における被成膜基板200の蒸着領域の長さを超えても構わない。
スキャン蒸着法における蒸着膜221の膜厚は、次式
膜厚[Å]=蒸着レート[Å/s]×蒸着マスク80のY軸方向の開口長[mm]/搬送速度[mm/s]
により求めることができる。
このため、例えば有機EL表示装置1をインラインで製造する場合のように、インラインの装置構成において、スキャン蒸着を行う際に、被成膜基板200の搬送速度を前後の工程と合わせる必要がある等、搬送速度を上げて同じ膜厚の蒸着膜221を得たい場合には、蒸着レートを高くするか、または、蒸着マスク80のY軸方向の開口長を長くする必要がある。材料の劣化や輻射熱による基板過熱等の理由により、現状より蒸着レートを高くすることが困難な場合、蒸着マスク80のY軸方向の開口長を長くする必要がある。このため、例えば、蒸着レートを現状以上に高くすることができない状況で搬送速度を上げたい場合や、状況により非常に低レートのプロセスでスキャン蒸着を行わなければならない場合、あるいは、非常に厚みがある蒸着膜221を成膜しなければならない場合等、状況に応じて、Y軸方向に配置される蒸着マスク80のY軸方向の合計の長さが基板長を超える蒸着ユニット54を用いても構わない。
(制限板ユニット70)
制限板ユニット70は、蒸着源60と蒸着マスク80との間に、これら蒸着源60と蒸着マスク80とにそれぞれ離間して設けられている。
制限板ユニット70は、図1および図3の(a)に示すように、X軸方向に沿ってX軸方向の異なる位置に配置された複数の制限板73(第1の制限板)を備えている。これら制限板73は、それぞれ、同一寸法の板状部材で形成されている。
制限板73は、蒸着マスク80の主面に垂直な方向から見たときに、それぞれY軸に平行に延設されており、同一ピッチでX軸方向に互いに平行に複数配列されている。これにより、蒸着マスク80の主面に垂直な方向(つまり、Z軸に平行な方向)から見たとき、X軸方向に隣り合う制限板73間に、それぞれ、開口領域として、制限板開口74が1つ形成されている。
なお、ここでも、制限板ユニット70における走査方向上流側に設けられた第I列の制限板73を制限板73Aと記し、走査方向後流側に設けられた第II列の制限板73を制限板73Bと記す。また、隣り合う制限板73A間の制限板開口74を制限板開口74Aと記し、隣り合う制限板73B間の制限板開口74を制限板開口74Bと記し、第I列の制限板列72を制限板列72Aと記し、第II列の制限板列72を制限板列72Bと記す。
図1に示すように、制限板73Aは、第I列の射出口61AをそれぞれX軸方向に挟むように、X軸方向に沿ってX軸方向の異なる位置に配置されている。また、制限板73Bは、第II列の射出口61BをそれぞれX軸方向に挟むように、X軸方向に沿ってX軸方向の異なる位置に配置されている。
このため、蒸着マスク80の主面に垂直な方向から見たときに、制限板73Aと制限板73Bとは、射出口61同様、千鳥状に配置されている。
X軸方向に隣り合う一対の制限板73と、一対の制限板73の間に配された1つの射出口61と、一対の制限板73の間に配された複数のマスク開口81からなる1つのマスク開口群領域82とは、1つの蒸着ブロック101を構成する。したがって、本実施の形態では、蒸着マスク80の主面に垂直な方向から見たときに、複数の蒸着ブロック101がデルタ配列されており、第I列の蒸着ブロック101と第II列の蒸着ブロック101とが、X軸方向に1/2ピッチ(具体的には、X軸方向に隣り合う制限板73のピッチで1/2ピッチ)ずれて配置されている。
このように、制限板73は、蒸着源60の射出口61が、各制限板開口74に一対一に対応するように配置されている。射出口61のX軸方向位置は、隣り合う制限板73のX軸方向の中央位置に位置している。制限板開口74のピッチは、各マスク開口群領域82に一対一に対応するように配置されており、マスク開口81のピッチよりも大きく形成されている。このため、蒸着マスク80の主面に垂直な方向から見たとき、X軸方向に隣り合う制限板73間には、複数のマスク開口81が配されている。
また、制限板73は、それぞれ、YZ平面が主面となっており、それぞれ、蒸着マスク80の主面に対して垂直となるように配されている。
なお、第I列の制限板73Aと第II列の制限板73Bとの間には、X軸方向に沿って、第2の制限板となる制限板75または仕切りが設けられていることが望ましい。
図1〜図3の(a)は、制限板73Aと制限板73Bとの間に、X軸に平行に制限板75が設けられている場合を例に挙げて図示している。
制限板73Aの第II列側の端面と、制限板73Bの第I列側の端面とは、制限板75に接続されている。なお、制限板75のZ軸方向の長さは、特に限定されるものではないが、制限板73A・73Bと同等以上の長さを有することが望ましく、制限板75のZ軸方向の上側端縁は各制限板73A・73BのZ軸方向の上側端縁よりも蒸着マスク80側に突出しており、制限板75のZ軸方向の下側端縁は各制限板73A・73BのZ軸方向の下側端縁よりも蒸着源60側に突出していることが望ましい。
制限板75は、各制限板73A・73Bの支持部材として機能するとともに、該制限板ユニット70に入射した蒸着粒子211が異なる列の蒸着ブロック101に入射することを防止する。
蒸着源60から射出された蒸着粒子211は、制限板73間を通った後、蒸着マスク80に形成されたマスク開口81を通過して、被成膜基板200に蒸着される。
制限板ユニット70は、該制限板ユニット70に入射した蒸着粒子211を、その入射角度に応じて選択的に捕捉する。制限板ユニット70は、制限板73・75に衝突した蒸着粒子211の少なくとも一部を捕捉することで、蒸着源60から射出された蒸着粒子211に対し、制限板73・75の配設方向への蒸着粒子211の移動を制限する。
これにより、制限板ユニット70は、蒸着マスク80のマスク開口81に入射する蒸着粒子211の入射角を一定範囲内に制限し、被成膜基板200に対する斜め方向からの蒸着粒子211の付着を防止する。
なお、制限板73・75は、斜めの蒸着成分をカットするため、加熱しないか、図示しない熱交換器により冷却される。このため、制限板73・75は、蒸着源60の射出口61よりも低い温度(より厳密には、蒸着材料が気体になる蒸着粒子発生温度よりも低い温度)になっている。
このため、制限板ユニット70には、必要に応じて、制限板73・75を冷却する、図示しない冷却機構が設けられていてもよい。これにより、所望の角度以外の不要な蒸着粒子211を、制限板73・75により冷却して固化さすることで、捕捉(カット)することができる。
(ホルダ90)
ホルダ90は、蒸着源60、制限板ユニット70、蒸着マスク80を保持する保持部材である。
ホルダ90は、蒸着マスク保持部材として、マスクホルダ91(マスクフレーム)、マスクトレー92、および図示しないマスクホルダ固定部材を備えている。
蒸着マスク80は、図1、図2、図5に示すように、マスクホルダ91上に配されたマスクトレー92上に載置されている。マスクホルダ91は、蒸着マスク80を直に保持するマスクトレー92を保持することで、蒸着マスク80を保持している。また、蒸着マスク80の下方には、蒸着源60が配置されている。
マスクホルダ91は、図示しないマスクホルダ固定部材によって保持、固定されている。なお、マスクホルダ91およびマスクトレー92の形状は特に限定されるものではなく、蒸着マスク80を、蒸着源60および制限板ユニット70から一定距離離間して保持、固定することができさえすればよい。
図1および図5に示すように、マスクホルダ91は、例えば、中央が開口されたフレーム形状を有している。また、マスクトレー92は、例えば、中央が開口されたフレーム形状を有している。
マスクトレー92における、蒸着マスク80に直面する部分には開口部92aが設けられており、マスクトレー92は、蒸着マスク80を、該蒸着マスク80の外縁部で保持する。
また、マスクホルダ91における、蒸着マスク80の各マスク開口群領域82に直面する部分には、開口部91aが設けられており、マスクホルダ91は、蒸着マスク80が載置されたマスクトレー92を、該マスクトレー92の外縁部で保持する。
但し、本実施の形態はこれに限定されるものではなく、マスクホルダ91に直接蒸着マスク80が保持されていてもよい。例えば、マスクホルダ91が、マスクホルダ91の外縁部(外枠)をなすフレーム部と、該フレーム部の内側の開口部内に、各蒸着マスク80を保持する梁部が設けられた構成を有していることで、マスクトレー92を使用しなくても蒸着マスク80を保持することができる。一方、マスクトレー92を使用することで、マスクトレー92ごと蒸着マスク80の取り外し・交換等を行うことができ、メンテナンスを容易に行うことができる。
また、ホルダ90には、制限板ユニット70を支持するために、支持部材93や、図示しない一対のスライド装置等が備えられている。
支持部材93は、例えばホルダ90のX軸方向両端部にそれぞれ対向して配設される。なお、スライド装置を設ける場合、スライド装置は、ホルダ90のX軸方向両端部にそれぞれ対向して配設され、支持部材93は、各スライド装置の対向面側に設けられる。スライド装置を設けることで、支持部材93は、互いに対向した状態でZ軸方向やX軸方向にスライド変位が可能となる。支持部材93は、スライド装置や図示しない制限板制御装置との協働によって、その動きが制御される。
制限板ユニット70は、例えば、図示しない枠状の保持体を備え、該枠状の保持体におけるX軸方向の両端部に、支持部材93に脱着可能に設けられた支持部71がそれぞれ設けられている。これにより、制限板ユニット70は、ホルダ90から着脱が可能であり、該制限板ユニット70に堆積した蒸着材料を定期的に回収することができるようになっている。
蒸着源60と制限板ユニット70と蒸着マスク80とは、ホルダ90によって一体的に保持されており、これら蒸着源60と制限板ユニット70と蒸着マスク80とは、互いに相対的に位置が固定されている。
但し、蒸着ユニット54に対して被成膜基板200を相対移動させる場合には、これら蒸着源60と制限板ユニット70と蒸着マスク80とは、互いに相対的に位置が固定されていればよく、同一のホルダ90に保持されている必要はなく、必ずしも一体化されている必要はない。
これら蒸着源60と制限板ユニット70と蒸着マスク80とは、蒸着源60側からこの順に、互いに一定距離離間して対向配置されている。なお、これら蒸着源60と制限板ユニット70と蒸着マスク80との間の空隙は、任意に設定することができ、特に限定されるものではない。
(シャッタ)
被成膜基板200の方向に蒸着粒子211を飛来させないときには、図示しないシャッタを用いて、蒸着粒子211の蒸着マスク80への到達を制御することが望ましい。
このため、例えば蒸着源60と制限板ユニット70との間には、蒸着粒子211の蒸着マスク80への到達を制御するために、必要に応じて、図示しないシャッタが、蒸着OFF(オフ)信号もしくは蒸着ON(オン)信号に基づいて進退可能(挿抜可能)に設けられていてもよい。
蒸着源60と制限板ユニット70との間にシャッタを適宜差し挟むことで、蒸着を行わない非蒸着領域への蒸着を防止することができる。なお、シャッタは、蒸着源60と一体的に設けられていてもよく、蒸着源60とは別に設けられていても構わない。
<効果>
上述したように、本実施の形態では、例えば図1および図5に示すように、第I列の蒸着マスク80Aと第II列の蒸着マスク80Bとが、それぞれの蒸着マスク80A・80Bにおけるマスク開口群領域82Aとマスク開口群領域82Bとが互いに対向する側の端部で、Y軸方向に沿って見たときにX軸方向にそれぞれ重なるように、X軸方向に位置をずらして配置されている。また、Y軸方向に沿って見たときにマスク開口群領域82Aとマスク開口群領域82BとがX軸方向に重なる重畳領域83において、蒸着マスク80の主面に垂直な方向から見たときのY軸方向の開口長d1が、各マスク開口群領域82の外側に向かって次第に短くなるとともに、Y軸方向における蒸着マスク80Aと蒸着マスク80Bとの合計の開口長が、X軸方向におけるマスク開口81の位置に拘らず常に等しくなるようにマスク開口群領域82を形成した。
一方、図6の(a)・(b)は、順に比較例1・2として、図1に示す蒸着マスク80に代えて同一形状のマスク開口81からなるマスク開口群領域82を有する蒸着マスク80を図1と同様に配置した例を示す平面図である。また、図7は、図1に示す蒸着マスク80を用いて蒸着を行ったときの、第I列の蒸着マスク80Aによる蒸着領域および第II列の蒸着マスク80Bによる蒸着領域における蒸着膜221の構成を示す平面図である。
図7において、蒸着膜221Aは、蒸着マスク80Aによって形成される蒸着膜221であり、蒸着膜221Bは、蒸着マスク80Bによって形成される蒸着膜221である。
図6の(a)に、比較例1の蒸着マスク80を示す。重畳領域83、つまり、第I列の蒸着マスク80Aによる蒸着領域と第II列の蒸着マスク80Bによる蒸着領域とが重なる領域では、非重畳領域84と比べ、マスク開口81Aとマスク開口81BとのY軸方向の合計の開口長が約2倍となっており、形成される蒸着膜221の膜厚も約2倍となる。よって、比較例1の蒸着マスクによって重畳させることは適当ではない。
図6の(b)に、比較例2の蒸着マスク80を示す。重畳領域83では、比較例1と比べ、合計の開口長は等しくなるため、重畳領域83の膜厚が均一となるが、以下の問題が生じる。例えば、何らかの不具合により、マスク開口群領域82Aに対応する蒸着源60Aの蒸着レートが設定値から5%高くなった場合、重畳領域83に対応する蒸着膜221の膜厚は2.5%厚くなる。この蒸着マスク80Aと蒸着マスク80Bとによって形成される膜厚の急激な変化は、人間の目に知覚されやすく、この重畳領域83はディスプレイにおいて筋状となって知覚され、欠陥不良となる。
これに対し、本実施の形態によれば、X軸方向の何れの地点でも、合計の開口長が等しく、重畳領域83の膜厚が均一となる。さらに、重畳領域83のマスク開口81A・81Bは、マスク開口群領域82の外側に向かって次第に短くなる構成となっているため、例えば、マスク開口群領域82Aに対応する蒸着源60Aの蒸着レートが設定値から5%高くなった場合でも、重畳領域83に対応する蒸着膜221の膜厚は、マスク開口群領域82の外側に向かって次第にその膜厚ばらつきが小さく形成される(ここでは、5%〜0%)。このため、この膜厚ばらつきが人間の目に知覚され難くなり、重畳領域83はディスプレイにおいて筋状となって知覚されない。このように、本実施の形態によれば、膜厚ばらつきが生じても知覚され難く、膜厚が均一でかつ高精細な蒸着膜パターンを形成することができる。
また、本実施の形態によれば、上述したように、被成膜基板200のX軸方向の各サブ画素に対応するマスク開口81を分割して、従来よりも小型の蒸着マスク80を用いたスキャン蒸着を実現することができることから、蒸着マスク80を従来よりも軽量化することができ、蒸着マスク80の撓みによる蒸着位置ズレを抑制することが可能となっている。このため、蒸着マスク80の撓みに起因する蒸着ボケを抑制することができるので、混色のない有機EL表示装置1を実現することができる。
また、本実施の形態によれば、上述したように、Y軸方向に隣り合う蒸着マスク80Aと蒸着マスク80BとをX軸方向にずらして配置し、重畳領域83において、蒸着マスク80の主面に垂直な方向から見たときのY軸方向の開口長d1を、各マスク開口群領域82の外側に向かって(つまり、図4中、A1からA2に向かって)次第に短くしていることで、マスク継ぎ部分となる、マスク開口群領域82Aとマスク開口群領域82Bとの境界部で、開口長d1を徐々に変化させることができる。
このため、上述したように、被成膜基板200のX軸方向の各サブ画素に対応するマスク開口81を分割して、従来よりも小型の蒸着マスク80を用いてスキャン蒸着を行う場合であっても、マスク開口群領域82Aとマスク開口群領域82Bとの境界部のブロック別れが生じない、均一な蒸着を行うことができる。
また、このとき、上記端部において、Y軸方向に隣り合うマスク開口群領域82Aとマスク開口群領域82Bとが1画素以上重なるようにX軸方向に位置をずらして配置されていることで、確実に境界部のブロック別れを防止することができるとともに、より均一な蒸着を行うことができる。
なお、これらマスク開口群領域82A・82Bにおけるマスク開口81A・81Bの数は有限であるため、マスク開口群領域82Aとマスク開口群領域82Bとの重なり幅の上限は、マスク開口群領域82A・82Bにおけるマスク開口81A・81Bの数に応じて自ずと制限されることは、言うまでもない。
<蒸着マスク80の変形例>
図1、図4、図5では、蒸着マスク80におけるマスク開口群領域82が、略六角形状である場合を例に挙げて図示した。
しかしながら、上記マスク開口群領域82は、蒸着マスク80の主面に垂直な方向から見たときのY軸方向の開口長d1が、各マスク開口群領域82の外側に向かって次第に短くなるとともに、Y軸方向に隣り合う蒸着マスク80の合計の開口長が、X軸方向におけるマスク開口81の位置に拘らず常に等しくなるように形成されていれば、上記形状に限定されるものではない。
図12の(a)〜(d)は、本実施の形態にかかる蒸着マスク80におけるマスク開口群領域82のパターン形状の他の一例を示す要部平面部である。
各マスク開口群領域82は、例えば、図12の(a)に示すように台形状に形成されていてもよい。また、各マスク開口群領域82は、例えば、図12の(b)に示すように、重畳領域83で、開口長が異なる複数のマスク開口81が断続的に形成されている形状を有してもよく、図12の(c)に示すように、重畳領域83でマスク開口群領域82の外縁部がジグザグ状に形成された形状を有していてもよい。
また、重畳領域83における開口長は、変化率が一定でなくてもよい。すなわち、重畳領域83において、開口長は、マスク開口群領域82の外側に向かって(つまり、A1からA2に向かって)開口長が連続的に徐々に短くなるように変化する必要は必ずしもない。例えば、図12の(d)に示すように、マスク開口群領域82は、重畳領域83において階段状に形成されていてもよく、重畳領域83において、開口長が段階的に短くなるように変化してもよい。このように、マスク開口群領域82の形状は、マスク設計や製造方法等に合わせて、適宜変更が可能である。
なお、本実施の形態では、1枚の蒸着マスク80に、マスク開口群領域82が2つ設けられている場合を例に挙げて説明したが、本実施の形態はこれに限定されるものではない。各蒸着マスク80には、マスク開口群領域82が少なくとも1つ設けられていればよく、1つあるいは3つ以上設けられていても構わない。
何れの場合においても、本実施の形態にかかる蒸着装置50によれば、特許文献3のようにX軸方向に隣接するマスクチップを、形成する蒸着膜のパターンに対応した開口部内で連結しないので、X軸方向で、膜厚が均一でかつ高精細な蒸着膜パターンを形成することができる。
<蒸着ユニット54の変形例>
図2では、蒸着源60における射出口61が二次元状に千鳥配置されている場合を例に挙げて説明したが、本実施の形態はこれに限定されるものではない。
図13は、本実施の形態にかかる蒸着装置50における要部の概略構成の他の例を模式的に示す断面図である。
本実施の形態にかかる蒸着装置50は、例えば図13に示すように、図2に示す蒸着源60に代えて、射出口61が一次元状(すなわち、ライン状)に配列された蒸着源60を2つ使用し、蒸着マスク80の主面に垂直な方向から見たときに、走査方向上流側の蒸着源60と走査方向下流側の蒸着源60とで、それぞれの射出口61が千鳥状となるように、X軸方向における位置をずらして配置しても構わない。
また、図2では、走査方向上流側の蒸着マスク80Aと走査方向下流側の蒸着マスク80Bとが同一のホルダ90に保持されている場合を例に挙げて説明したが、図13に示すように、走査方向上流側の蒸着マスク80Aと走査方向下流側の蒸着マスク80Bとは、それぞれ別々のホルダ90に保持されていても構わない。
<その他の変形例>
なお、本実施の形態では、蒸着装置50を有機EL表示装置1の製造装置として用いて、蒸着膜221をパターン形成する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、本実施の形態はこれに限定されるものではなく、表示装置のサブ画素に対応した蒸着膜パターンを形成するための装置として、広く適用が可能である。
〔実施の形態2〕
本実施の形態について図14の(a)〜(c)に基づいて説明すれば、以下の通りである。
なお、本実施の形態では、実施の形態1との相違点について説明するものとし、実施の形態1で用いた構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。
図14の(a)は、蒸着マスク80の裏面側から被成膜基板200を見たときの本実施の形態にかかる蒸着ユニット54の要部の概略構成を示す斜視図であり、図14の(b)は、図14の(a)に示す構成要素をその側面から見たときの概略構成を示す側面図であり、図14の(c)は、図14の(a)に示す蒸着マスク80の概略構成を示す平面図である。
実施の形態1では、各蒸着マスク80における各マスク開口81が、各マスク開口81のX軸方向の位置に応じてY軸方向に異なる長さに形成されている場合を例に挙げて説明した。
本実施の形態では、図14の(c)に示すように、各蒸着マスク80に形成された各マスク開口81は何れも同一形状であり、図14の(a)・(b)に示すように、蒸着マスク80の真下に、マスク開口群領域82毎に、各マスク開口群領域82における重畳領域83の一部を覆う遮蔽板111をそれぞれ設けている点で、実施の形態1と異なっている。
このように、本実施の形態にかかる蒸着装置50は、遮蔽板111により、各蒸着マスク80における各マスク開口81のうち、Y軸方向に沿って見たときにマスク開口群領域82がX軸方向にそれぞれ重なる領域(つまり、重畳領域83)のマスク開口81の一部をそれぞれ覆うことで、該マスク開口81における蒸着マスク80の主面に垂直な方向から見たときのY軸方向の開口長を変更する。
このように、蒸着マスク80の開口長は、実施の形態1のように蒸着マスク80に実際に形成されるマスク開口81そのものの長さを変更する以外に、別途挿入した遮蔽板111により、実質的な開口長を、実施の形態1と同様に変更しても構わない。
実施の形態1のように蒸着マスク80に実際に形成されるマスク開口81そのものの長さを変更した場合、遮蔽板111を必要としないことから、部品点数を削減することができる。
一方で、本実施の形態によれば、蒸着マスク80のマスク開口81を同一形状とすることができ、Y軸方向に沿って見たときのマスク開口群領域82Aとマスク開口群領域82BとのX軸方向の重なり幅(すなわち、重畳領域83のX軸方向の幅)を、蒸着マスク80の製造後に容易に変更することができる。このため、蒸着マスク80のレイアウトの自由度を高めることができる。
また、蒸着マスク80のマスク開口81自体の形状を変更した場合、1枚の蒸着マスク80に一括してマスク開口81を作り込むので精度が得易い反面、プロセス条件や材料の種類の変更および経時等によって膜厚分布が変化した場合には、蒸着マスク80を作り直す必要があり、費用・納期の点で柔軟性に欠ける。一方、本実施の形態のように遮蔽板111によりマスク開口81の開口長の調節を行う場合、蒸着膜221の膜厚の多様な分布特性に応じて遮蔽板111の位置や形状を個別に調整することで、柔軟に対応することができる。
遮蔽板111は、例えばアルミニウムやステンレス等の材質で相応の加工精度(例えば±0.1mm等)があればよく、大きさも蒸着マスク80に比べて小さいことから、費用・納期の点で利点が大きい。
なお、上記遮蔽板111の大きさおよび形状は、重畳領域83におけるマスク開口群領域82の形状が、実施の形態1における重畳領域83におけるマスク開口群領域82の形状と同様の形状が得られるように適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
また、遮蔽板111の材料も特に限定されるものではない。但し、遮蔽板111は、該遮蔽板111が設けられた領域におけるマスク開口81に対する蒸着粒子211の通過を防止することができればよく、撓みが生じないように保持することができさえすれば、軽量化のために、できるだけ軽い素材でかつ厚みが薄く形成されていることが望ましい。
〔実施の形態3〕
本実施の形態について図15の(a)〜(d)に基づいて説明すれば、以下の通りである。
なお、本実施の形態では、主に、実施の形態2との相違点について説明するものとし、実施の形態1、2で用いた構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。
図15の(a)は、蒸着マスク80の裏面側から被成膜基板200を見たときの本実施の形態にかかる蒸着ユニット54の要部の概略構成を示す斜視図であり、図15の(b)は、図15の(a)に示す構成要素をその側面から見たときの概略構成を示す側面図であり、図15の(c)は、図15の(a)に示す蒸着マスク80の概略構成を示す平面図であり、図15の(d)は、図15の(a)に示す遮蔽板111の概略構成を示す平面図である。
実施の形態3では、各蒸着マスク80における各マスク開口群領域82に、重畳領域83毎に遮蔽板111が設けられている場合を例に挙げて図示した。このため、実施の形態2では、各マスク開口群領域82に、それぞれ遮蔽板111が2枚ずつ設けられていた。
本実施の形態では、実施の形態2に示す遮蔽板111を一体化することで、複数のマスク開口群領域82に共通して1枚の遮蔽板111が設けられている場合を例に挙げて説明する。
本実施の形態では、図15に示すように、複数の蒸着マスク80の真下に、遮蔽板111を1枚設けている。遮蔽板111には、各マスク開口群領域82の一部を露出させる開口領域112が設けられている。
なお、開口領域112の形状は、重畳領域83におけるマスク開口群領域82の形状が、実施の形態1における重畳領域83におけるマスク開口群領域82の形状と同様の形状が得られるように適宜設定される。
本実施の形態でも、実施の形態2同様、蒸着マスク80のマスク開口81を同一形状とすることができ、Y軸方向に沿って見たときのマスク開口群領域82Aとマスク開口群領域82BとのX軸方向の重なり幅(すなわち、重畳領域83のX軸方向の幅)を、蒸着マスク80の製造後に容易に変更することができる。このため、蒸着マスク80のレイアウトの自由度を高めることができる。また、本実施の形態では、複数のマスク開口群領域82に共通して1枚の遮蔽板111が設けられていることで、遮蔽板111と蒸着マスク80との位置合せを容易に行うことができる。さらに、本実施の形態では、一枚の遮蔽板111に一括して開口領域112を作り込むため、精度が得易い。また、上記開口領域112には、蒸着マスク80のような高精細パターンは不要である。このため、蒸着マスク80のマスク開口81の形状(Y軸方向の長さ)を、各マスク開口81のX軸方向の位置に応じて変更する場合と比較して、費用・納期の点で有利である。
〔実施の形態4〕
本実施の形態について、主に図16の(a)・(b)〜図20の(a)・(b)に基づいて説明すれば、以下の通りである。
なお、本実施の形態では、主に、実施の形態1〜3との相違点について説明するものとし、実施の形態1〜3で用いた構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。
図16の(a)・(b)は、蒸着源60と被成膜基板200との間の距離(ターゲット長)が、相対的に長い場合と短い場合とにおける蒸着膜221の膜厚分布の違いを模式的に示す図であり、図16の(a)は、ターゲット長が相対的に長い場合を示し、図16の(b)は、ターゲット長が相対的に短い場合を示す。
ターゲット長が長い場合、図16の(a)に示すように膜厚分布が良いというメリットがある一方、蒸着レートが低いというデメリットがある。一方、ターゲット長が短いと、蒸着レートが高く、タクトが早いというメリットがある一方、図16の(b)に示すように膜厚分布が大きいいというデメリットがある。このため、ターゲット長によって使用する蒸着マスク80を使い分けることが望ましい。ターゲット長が長く、膜厚分布が無視できるほど小さい場合には、実施の形態1〜3のマスク開口81のパターン形状でも、均一な蒸着膜を形成できた。しかし、タクトを上げるためにターゲット長を短くする設計をした場合、この膜厚分布は無視できなくなり、膜厚分布を考慮したマスク開口81のパターン形状の設計が必要となる。
図17の(a)・(b)は、それぞれ、本実施の形態にかかる蒸着マスク80におけるマスク開口群領域82の開口パターンの一例を示す平面図である。
図17の(a)に示す開口パターンを有する蒸着マスク80は、例えば、図16の(a)に示すようにターゲット長が比較的長いが膜厚分布が無視できない場合に使用される。図16の(b)に示すようにターゲット長が短い場合には、例えば、図17の(b)に示す開口パターンを有する蒸着マスク80が使用される。
真空での蒸着は、図16の(a)・(b)に示す膜厚分布から判るように、射出口61のX軸方向の位置が、各マスク開口群領域82のX軸方向の中央位置に位置しているので、コサイン法則によって、蒸着源60の射出口61に垂直な部分、すなわち、各蒸着ブロック101(蒸着空間)の中心部分に最も多くの蒸着粒子211が放射され、制限板73側へ近接するほど放射される蒸着粒子211の量が減少する。
このため、マスク開口群領域82の大きさ、言い換えれば、蒸着ブロック101のX軸方向の大きさにもよるが、マスク開口81のY軸方向の長さは、射出口61の真上に位置するマスク開口81で最も短く、射出口61のX軸方向位置からX軸方向により遠くに位置するマスク開口81ほど長くすることで、同一厚さのストライプ状の蒸着膜221を形成することができる。
このため、図17の(a)・(b)に示すように、蒸着源中心からA1までは、蒸着マスク80の開口長(図17の(a)・(b)では、マスク開口81のY軸方向の長さに等しい)を、膜厚分布を反映して次第に長くし、A1からA2までは、実施の形態1〜3と同様に、マスク開口群領域82の外側に向かって蒸着マスク80の開口長を次第に短くすることが好ましい。
つまり、蒸着マスク80の主面に垂直な方向から見たときに、各マスク開口群領域82における、Y軸方向に沿った同一直線上に他の蒸着マスク80におけるマスク開口81が存在しない非重畳領域84におけるマスク開口81は、X軸方向における射出口61の真上からの距離が長くなるにしたがってY軸方向の開口長が長くなるように開口長が設定されていることが好ましい。
例えば、図17の(a)・(b)に示す蒸着マスク80における各マスク開口81の開口長は、膜厚補正後マスク開口長として式(1)に示すように、マスク開口群領域82内の蒸着膜221の膜厚分布から算出される膜厚補正係数を用いて算出することができる。
膜厚補正後マスク開口長=基準マスク開口長×膜厚補正係数 …(1)
ここで、膜厚補正係数は、以下のように求められる。すなわち、図6の(a)・(b)のようなX軸方向で開口長を一律とした蒸着マスク80を使用し、列Iのみによって蒸着させ、各マスク開口81に対応する蒸着膜221の膜厚を測定する。このように、X軸方向の各マスク開口81に対応する蒸着膜221の膜厚、および最少膜厚値(マスク開口群領域82の最端のマスク開口81に対応)を求め、次式(2)により、膜厚補正係数を求める。また、列IIについても同様に膜厚補正係数を求める。
膜厚補正係数=1/(X軸方向の各マスク開口81に対応する蒸着膜221の膜厚/最少膜厚値) …(2)
なお、ここで、膜厚補正後マスク開口長とは、上述したように蒸着膜221の膜厚分布を用いて補正した、各マスク開口81の補正後の開口長を示す。また、基準マスク開口長とは、実施の形態1〜3のような、膜厚分布を考慮していないマスク開口81の開口長である。また、X軸方向の各位置における、開口長変更前の各マスク開口81により得られた膜厚は、図16の(a)・(b)に示すように膜厚分布を有している。
以下に、図5に示す、成膜区間Lの成膜を例に挙げて、図17の(a)・(b)に示す蒸着マスク80における開口長の変更方法について説明する。
図18の(a)は、第I列における蒸着マスク80Aの蒸着領域において図6の(a)・(b)に示すようにX軸方向で開口長を一律とした蒸着マスク80を用いた場合における、成膜区間LのX軸方向の各位置における蒸着膜221の膜厚分布と膜厚補正係数との関係を示すグラフである。また、図18の(b)は、上記成膜区間Lにおける、蒸着マスク80Aのマスク開口比率(膜厚補正前の非重畳領域84のマスク開口81の開口長、つまり、非重畳領域84の基準マスク開口長を100%としたときの比率)の膜厚補正前後の変化と、膜厚補正係数との関係を示すグラフであり、図18の(c)は、X軸方向の各位置における、膜厚補正前の蒸着マスク80Aと蒸着マスク80Bのマスク開口比率を示す表である。
また、図19の(a)は、第II列における蒸着マスク80Bの蒸着領域において、図6の(a)・(b)に示すようにX軸方向で開口長を一律とした蒸着マスク80を用いた場合における、成膜区間LのX軸方向の各位置における蒸着膜221の膜厚分布と膜厚補正係数との関係を示すグラフである。また、図19の(b)は、上記成膜区間Lにおける、蒸着マスク80Bの膜厚補正前および補正後のマスク開口比率の変化と、膜厚補正係数との関係を示すグラフである。
また、図20の(a)は、成膜区間LのX軸方向の各位置における、膜厚補正後の蒸着マスク80A・80Bのマスク開口比率の変化と、膜厚補正後の蒸着マスク80A・80Bによって形成される蒸着膜221の膜厚(膜厚補正後の蒸着マスク80A・80Bによる膜厚を合成した合成膜厚)との関係を示すグラフであり、(b)は、膜厚補正前後の要部のマスク開口比率の変化を示すグラフである。
なお、図18の(a)・(b)〜図20の(a)・(b)中、A2・A2’は、図5に示す、成膜区間Lにおける蒸着マスク80Aのマスク開口81のX軸方向の両端部の位置に相当する位置を示す。また、図18の(a)・(b)〜図20の(a)・(b)中、位置「0」は、上記成膜区間Lにおける蒸着マスク80AのX軸方向における蒸着領域中心を示す。また、図18の(a)・(b)〜図20の(a)・(b)の縦軸は、各図に記載の値を基準化(正規化)したときの、基準値に対する比率を示す。具体的には、膜厚分布並びに合成膜厚の場合、膜厚分布における最大膜厚を100%としたときの、X軸方向における各位置での蒸着膜221の膜厚の比率を示し、膜厚補正係数は、膜厚補正係数の最大値を100%としたときの膜厚補正係数の比率を示し、開口比率は、X軸方向の各位置における、非重畳領域84の基準マスク開口長に対する各蒸着マスク80A・80Bのマスク開口長の比率(マスク開口比率)を示す。
図17の(b)に示す開口パターンを有する蒸着マスク80A・80Bの膜厚補正後のマスク開口比率(すなわち、図18の(b)、図19の(b)、および図20に示す、膜厚補正後の蒸着マスク80A・80Bのマスク開口比率)は、それぞれ、次式(3)によって算出することができる。なお、次式(3)において、膜厚補正前のマスク開口比率とは、基準マスク開口長の開口比率である。
膜厚補正後のマスク開口比率=膜厚補正前のマスク開口比率×膜厚補正係数 …(3)
図17の(b)、図18の(b)、図19の(b)、図20の(b)から判るように、本実施の形態によれば、膜厚分布が大きい場合に、膜厚補正後マスク開口長に基づいて各マスク開口81の開口長を決定・変更することで、膜厚補正後のマスク開口群領域82の形状は、重畳領域83において、マスク開口群領域82の各頂点を結ぶ線の中間部が、各頂点を直線的に結んだ場合よりもやや膨らむような形状になる。
なお、膜厚補正後マスク開口長によって形成される蒸着膜221の膜厚は、最少膜厚値と等しくなる。図18の(a)に示す例では、補正後の膜厚は、補正前の膜厚と比べ約82%の膜厚となる。このように、膜厚を小さくする方向に補正する理由は、蒸着の材料の利用効率を高くする観点から、マスク開口長は初期が最も長く形成されており、その長さから短くする方向でマスク開口長を補正するためである。このように、補正後の膜厚は小さくなるが、例えば蒸着源60の蒸着温度を高くし、蒸着レートを上げることで、補正後の膜厚を補正前の膜厚と合わせる調整を行う。このようにして、膜厚分布を解消し、所望の膜厚で均一な蒸着膜を形成できる。
以上のように、本実施の形態によれば、各マスク開口81により実際に形成される蒸着膜221の膜厚から、各マスク開口81の膜厚補正後マスク開口長を算出することで、図20の(a)に示すように、X軸方向におけるマスク開口81の位置に拘らず、等しい膜厚の蒸着膜221を形成することができる。
これにより、1つの蒸着ブロック101における膜厚のみならず、Y軸方向に隣り合う蒸着ブロック101におけるマスク開口81による蒸着膜221の重畳をも考慮した、同一厚さのストライプ状の蒸着膜221を形成することができる。
なお、本実施の形態では、実施の形態1で示したように蒸着マスク80のマスク開口81のY軸方向の長さを該マスク開口81のX軸方向の位置に応じて変更する場合を例に挙げて示したが、実施の形態2、3に示すように、遮蔽板111を用いて蒸着マスク80の実質的な開口長を変更してもよいことは、言うまでもない。
また、本実施の形態では、ターゲット長が短い場合に使用する蒸着マスク80として図17の(b)に示す開口パターンを有する蒸着マスク80を例に挙げて説明したが、本実施の形態はこれに限定されるものではない。例えば、ターゲット長が短くても、例えば制限板(制御板)を使用し、マスク開口群領域82における重畳領域83の一部の膜厚分布が悪い領域を遮蔽することで、図17の(a)に示す開口パターンを有する蒸着マスク80を用いた場合であっても、X軸方向におけるマスク開口81の位置に拘らず、等しい膜厚の蒸着膜221を形成することができる。同様に、マスク開口群領域82における重畳領域83の一部の膜厚分布が悪い領域を遮蔽することで、実施の形態1〜3に示す開口パターンを有する蒸着マスク80を用いた場合であっても、X軸方向におけるマスク開口81の位置に拘らず、等しい膜厚の蒸着膜221を形成することができる。
〔まとめ〕
本発明の態様1にかかる蒸着装置50は、表示装置(例えば有機EL表示装置1)に用いられる被成膜基板200上に、上記表示装置のサブ画素(サブ画素2R・2G・2B)毎に所定のパターンの蒸着膜221を形成する蒸着装置であって、蒸着源60と複数の蒸着マスク80とを有する蒸着ユニット54と、上記蒸着ユニット54および被成膜基板200のうち一方を他方に対して相対移動させる移動装置(基板移動装置103または蒸着ユニット移動装置104)とを備え、上記各蒸着マスク80における、上記移動装置による移動方向(走査方向)である第1の方向(Y軸方向)および該第1の方向に垂直な第2の方向(X軸方向)の長さは、それぞれの方向における上記被成膜基板200の蒸着領域の長さよりも短く、上記蒸着マスク80は、少なくとも上記第1の方向に、複数配置されており、上記各蒸着マスク80は、上記第2の方向に、マスク開口群領域82を、1つ、または、少なくとも1画素の遮蔽領域85を介して複数有し、上記マスク開口群領域82は、それぞれ、少なくとも上記第2の方向に配列された複数のマスク開口81からなり、かつ、それぞれ、上記蒸着源60における蒸着粒子211の射出口61と対をなしており、上記第1の方向に隣り合う蒸着マスク80は、それぞれの蒸着マスク80の各マスク開口群領域82における上記第2の方向の端部のうち他方の蒸着マスク80のマスク開口群領域82に対向する側の端部における複数のマスク開口81が、上記第1の方向に沿って見たときに上記第2の方向にそれぞれ重なるとともに、該端部における上記第1の方向に隣り合うマスク開口81によって形成される蒸着膜221が上記第1の方向に沿って同一直線上に位置するように、上記第2の方向に位置をずらして配置されており、上記第2の方向における上記蒸着マスク80の合計の長さ(総長)は、上記第2の方向における上記被成膜基板200の蒸着領域の長さよりも長く、上記各マスク開口81は、上記各サブ画素に対応して設けられており、上記各蒸着マスク80の各マスク開口群領域82における、上記第1の方向に沿って見たときに上記第2の方向にそれぞれ重なる領域(重畳領域83)では、上記蒸着マスク80の主面に垂直な方向から見たときの上記第1の方向の開口長が、上記各マスク開口群領域82の外側に向かって次第に短くなる。
なお、ここで言う「蒸着マスク80の主面に垂直な方向から見たときの上記第1の方向の開口長」とは、蒸着マスク80のマスク開口81そのものの上記第1の方向の長さではなく、蒸着マスク80の主面に垂直な方向から見たときに実際に開口されている蒸着マスク80の実質的な上記第1の方向の開口長(つまり、蒸着粒子211が通過可能な開口領域の上記第1の方向の長さ)を示す。すなわち、蒸着マスク80の主面に垂直な方向から見たときに、蒸着マスク80のマスク開口81の一部が例えば遮蔽板111により塞がれている場合、蒸着マスク80の主面に垂直な方向から見たときの上記第1の方向の開口長とは、蒸着マスク80の主面に垂直な方向から見たときに、実際に開口しているマスク開口81の第1の方向の長さ(つまり、上記遮蔽板111によって塞がれていないマスク開口81の第1の方向の長さ)を示す。
上記の構成によれば、被成膜基板200の上記第2の方向の各サブ画素に対応するマスク開口81を分割して、従来よりも小型の蒸着マスク80を用いたスキャン蒸着を実現することができることから、蒸着マスク80を従来よりも軽量化することができ、蒸着マスク80の撓みによる蒸着位置ズレを抑制することができる。このため、蒸着マスク80の撓みに起因する蒸着ボケを抑制することができる。
また、上記の構成によれば、上述したように、上記第1の方向に隣り合う蒸着マスク80Aと蒸着マスク80Bとを上記第2の方向にずらして配置し、上記第1の方向に沿って見たときに各々の蒸着マスク80におけるマスク開口群領域82が上記第2の方向に重なる重畳領域83において、蒸着マスク80の主面に垂直な方向から見たときの上記第1の方向の開口長を、各マスク開口群領域82の外側に向かって次第に短くしていることで、複数の蒸着マスク80を繋ぐマスク継ぎ部分となる、上記第1の方向に隣り合う蒸着マスク80における各マスク開口群領域82の境界部で、開口長を徐々に変化させることができる。
このため、上述したように、被成膜基板200の上記第2の方向の各サブ画素に対応するマスク開口81を分割して、従来よりも小型の蒸着マスク80を用いてスキャン蒸着を行う場合であっても、上記マスク開口群領域の境界部のブロック別れが生じない、均一な蒸着を行うことができる。
また、上記の構成によれば、サブ画素内でX軸方向に蒸着マスク80を繋がないので、パターン制御が容易である。
また、上記の構成によれば、各マスク開口群領域82が蒸着源60の射出口61と対をなしていることで、個々のマスク開口81に飛来する蒸着粒子211の飛来元(射出口61)を限定することができるので、その飛来角度に最適なマスク開口81の位置を設定することができる。このため、蒸着ボケを防止することができるとともに、蒸着効率を向上させることができる。
また、上記第2の方向に隣り合うマスク開口群領域82の境界部では、各マスク開口群領域82における2つの射出口61から飛来した蒸着粒子211が混じり易くなる。しかしながら、上述したように、上記第2の方向に隣り合うマスク開口群領域82が、少なくとも1画素の遮蔽領域85を介して設けられることで、蒸着ボケ、特に、上記第2の方向に隣り合うマスク開口群領域の境界部の蒸着ボケを防止することができる。
また、本発明の一態様によれば、各マスク開口群領域が蒸着源の射出口と対をなしていることで、個々のマスク開口に飛来する蒸着粒子の飛来元(射出口)を限定することができるので、その飛来角度に最適なマスク開口位置を設定することができる。このため、蒸着ボケを防止することができるとともに、蒸着効率を向上させることができる。
また、上記第2の方向に隣り合うマスク開口群領域の境界部では、各マスク開口群領域に対応した2つの射出口から飛来した蒸着粒子が混じり易くなる。しかしながら、上述したように、上記第2の方向に隣り合うマスク開口群領域が、少なくとも1画素の遮蔽領域を介して設けられることで、蒸着ボケ、特に、上記第2の方向に隣り合うマスク開口群領域の境界部の蒸着ボケを防止することができる。
本発明の態様2にかかる蒸着装置50は、上記態様1において、上記蒸着マスク80が、上記第1および第2の方向にそれぞれ複数配置されていることが好ましい。
これにより、蒸着マスク80をより小型化することができる。
本発明の態様3にかかる蒸着装置50は、上記態様1または2において、上記第1の方向に隣り合う蒸着マスク80が、上記各蒸着マスク80の各マスク開口群領域82における上記端部において、1画素以上、上記第2の方向に位置をずらして配置されていることが好ましい。
上記の構成によれば、確実に上記境界部のブロック別れを防止することができるとともに、より均一な蒸着を行うことができる。
本発明の態様4にかかる蒸着装置50は、上記態様1〜3の何れかにおいて、上記蒸着マスク80の主面に垂直な方向から見たときに、上記各蒸着マスク80の各マスク開口群領域82における、上記第1の方向に沿って見たときに上記第2の方向にそれぞれ重なる領域(重畳領域83)では、各サブ画素に対応する、上記第1の方向に配された蒸着マスク80のマスク開口81の、上記第1の方向の合計の開口長がそれぞれ等しいことが好ましい。
また、本発明の態様5にかかる蒸着装置50は、上記態様1〜4の何れかにおいて、上記蒸着マスク80の主面に垂直な方向から見たときに、各サブ画素に対応する、上記第1の方向に配された蒸着マスク80のマスク開口81の、上記第1の方向の合計の開口長が、上記第2の方向におけるマスク開口81の位置に拘らず、それぞれ等しいことが好ましい。
上記態様5および態様6の各構成によれば、上記第2の方向(X軸方向)に隣り合うマスク開口81間で、蒸着量にばらつきが発生せず、均一に蒸着を行うことができる。このため、膜厚が均一でかつ高精細な蒸着膜パターンを形成することができる。
本発明の態様6にかかる蒸着装置50は、上記態様1〜4の何れかにおいて、上記蒸着マスク80の主面に垂直な方向から見たときに、上記各マスク開口群領域82における、上記第1の方向に沿った同一直線上に他の蒸着マスク80におけるマスク開口81が存在しない領域におけるマスク開口81が、上記第2の方向における、上記射出口61の真上からの距離が長くなるにしたがって、上記第1の方向の開口長を長くすることが好ましい。
真空での蒸着は、コサイン法則によって、蒸着源60の射出口61に垂直な部分、すなわち、各蒸着ブロック101(蒸着空間)の中心部分に最も多くの蒸着粒子211が放射され、制限板73側へ近接するほど放射される蒸着粒子211の量が減少する。
このため、マスク開口群領域82の大きさ、言い換えれば、蒸着ブロック101のX軸方向の大きさにもよるが、マスク開口81のY軸方向の長さは、射出口61の真上に位置するマスク開口81で最も短く、射出口61のX軸方向位置からX軸方向により遠くに位置するマスク開口81ほど長くすることで、同一厚さのストライプ状の蒸着膜221を形成することができる。
このため、上記したように、上記蒸着マスク80の主面に垂直な方向から見たときに、上記各マスク開口群領域82における、上記第1の方向に沿った同一直線上に他の蒸着マスク80におけるマスク開口81が存在しない領域におけるマスク開口81は、上記第2の方向における、上記射出口61の真上からの距離が長くなるにしたがって、上記第1の方向の開口長を長くすることが好ましい。
本発明の態様7にかかる蒸着装置50は、上記態様6において、上記蒸着マスク80の主面に垂直な方向から見たときに、各サブ画素に対応する、上記第1の方向に配された蒸着マスク80のマスク開口81の、上記第1の方向の合計の開口長(膜厚補正後マスク開口長)は、上記各蒸着マスク80の上記第1の方向の開口長を一律としたときの開口長変更前の上記第1の方向の開口長を基準マスク開口長とすると、次式
上記第1の方向の合計の開口長(膜厚補正後マスク開口長)=基準マスク開口長×膜厚補正係数
膜厚補正係数=1/(上記第2の方向の上記各マスク開口81に対応する蒸着膜221の膜厚/最少膜厚値)
を満足することが好ましい。
上記の構成によれば、上記第2の方向におけるマスク開口81の位置に拘らず、等しい膜厚の蒸着膜221を形成することができる。
本発明の態様8にかかる蒸着装置50は、上記態様6において、上記蒸着マスク80の主面に垂直な方向から見たときに、各サブ画素に対応する、上記第1の方向に配された蒸着マスク80のマスク開口81の、上記第1の方向のマスク開口比率が、上記各蒸着マスク80の上記第1の方向の開口長を一律としたときの開口長変更前の上記第1の方向の開口長を基準マスク開口長とし、該基準マスク開口長の開口比率を、マスク開口比率100%とすると、次式
上記第1の方向のマスク開口比率=基準マスク開口長の開口比率×膜厚補正係数
膜厚補正係数=1/(上記第2の方向の上記各マスク開口81に対応する蒸着膜221の膜厚/最少膜厚値)
を満足することが好ましい。
上記の構成によれば、上記第1の方向に隣り合う蒸着マスク80におけるマスク開口81による蒸着膜221の重畳をも考慮した、同一厚さのストライプ状の蒸着膜221を形成することができる。
本発明の態様9にかかる蒸着装置50は、上記態様1〜8の何れかにおいて、上記各蒸着マスク80における各マスク開口81が、該マスク開口81の上記第2の方向の位置に応じて、上記第1の方向に異なる長さに形成されていることが好ましい。
上記の構成によれば、蒸着マスク80に実際に形成されるマスク開口81そのものの長さを変更するため、部品点数を削減することができる。また、このように蒸着マスク80のマスク開口81自体の形状を変更する場合、1枚の蒸着マスク80に一括してマスク開口81を作り込むので精度が得易いという利点がある。
本発明の態様10にかかる蒸着装置50は、上記態様1〜8の何れかにおいて、上記各蒸着マスク80に形成された各マスク開口81が何れも同一形状であり、上記蒸着ユニット54は、上記各蒸着マスク80における各マスク開口81のうち上記第1の方向に沿った同一直線上に他の蒸着マスク80におけるマスク開口81が設けられているマスク開口81の一部をそれぞれ覆うことで該マスク開口81における上記蒸着マスク80の主面に垂直な方向から見たときの上記第1の方向の開口長を変更する遮蔽板111を有していることが好ましい。
また、本発明の態様11にかかる蒸着装置50は、上記態様10において、上記各蒸着マスク80における上記各マスク開口群領域82に、それぞれ上記遮蔽板111が設けられていることが好ましい。
また、本発明の態様12にかかる蒸着装置50は、上記態様10において、上記遮蔽板111は、上記各マスク開口群領域82の一部を露出させる開口領域112を有し、複数のマスク開口群領域82に共通して設けられていることが好ましい。
上記態様8〜10の各構成によれば、蒸着マスク80のマスク開口81を同一形状とすることができ、上記第1の方向に沿って見たときのY軸方向に隣り合う蒸着マスク80におけるマスク開口群領域82の上記第2の方向の重なり幅(すなわち、重畳領域83のX軸方向の幅)を、蒸着マスク80の製造後に容易に変更することができる。このため、蒸着マスク80のレイアウトの自由度を高めることができる。
蒸着マスク80のマスク開口81自体の形状を変更した場合、1枚の蒸着マスク80に一括してマスク開口81を作り込むので精度が得易い反面、プロセス条件や材料の種類の変更および経時等によって膜厚分布が変化した場合には、蒸着マスク80を作り直す必要があり、費用・納期の点で柔軟性に欠ける。しかしながら、上述したように遮蔽板111によりマスク開口81の開口長の調節を行う場合、蒸着膜221の膜厚の多様な分布特性に応じて遮蔽板111の位置や形状を個別に調整することで、柔軟に対応することができる。また、遮蔽板111は、例えばアルミニウムやステンレス等の材質で相応の加工精度があればよく、大きさも蒸着マスク80に比べて小さいことから、費用・納期の点で利点が大きい。
また、上記態様10によれば、複数のマスク開口群領域82に共通して1枚の遮蔽板111が設けられていることで、上記効果に加えて、遮蔽板111と蒸着マスク80との位置合せを容易に行うことができるという効果をさらに奏する。また、上記態様10によれば、一枚の遮蔽板111に一括して開口領域112を作り込むため、精度が得易い。また、上記開口領域112には、蒸着マスク80のような高精細パターンは不要である。このため、蒸着マスク80のマスク開口81の形状(上記第1の方向の長さ)を、各マスク開口81の上記第2の方向の位置に応じて変更する場合と比較して、費用・納期の点で有利である。
また、本発明の態様13にかかる蒸着方法は、表示装置(例えば有機EL表示装置1)に用いられる被成膜基板200上に、上記表示装置のサブ画素(サブ画素2R・2G・2B)毎に所定のパターンの蒸着膜221を形成する蒸着方法であって、蒸着源60と複数の蒸着マスク80とを有する蒸着ユニット54、および、上記被成膜基板200のうち、一方を他方に対して第1の方向(走査方向)に沿って相対移動させるとともに、上記蒸着ユニットとして、(a)上記各蒸着マスク80における上記第1の方向(Y軸方向)および該第1の方向に垂直な第2の方向(X軸方向)の長さは、それぞれの方向における上記被成膜基板200の蒸着領域の長さよりも短く、(b)上記蒸着マスク80は、少なくとも上記第1の方向に、複数配置されており、(c)上記各蒸着マスク80は、上記第2の方向に、マスク開口群領域82を、1つ、または、少なくとも1画素の遮蔽領域85を介して複数有し、(d)上記マスク開口群領域82は、それぞれ、少なくとも上記第2の方向に配列された複数のマスク開口81からなり、かつ、それぞれ、上記蒸着源60における蒸着粒子211の射出口61と対をなしており、(e)上記第1の方向に隣り合う蒸着マスク80は、それぞれの蒸着マスク80の各マスク開口群領域82における上記第2の方向の端部のうち他方の蒸着マスク80のマスク開口群領域82に対向する側の端部における複数のマスク開口81が、上記第1の方向に沿って見たときに上記第2の方向にそれぞれ重なるとともに、該端部における上記第1の方向に隣り合うマスク開口81によって形成される蒸着膜221が上記第1の方向に沿って同一直線上に位置するように、上記第2の方向に位置をずらして配置されており、(f)上記第2の方向における上記蒸着マスク80の合計の長さ(総長)は、上記第2の方向における上記被成膜基板200の蒸着領域の長さよりも長く、(g)上記各蒸着マスク80の各マスク開口群領域82における、上記第1の方向に沿って見たときに上記第2の方向にそれぞれ重なる領域(重畳領域83)では、上記蒸着マスク80の主面に垂直な方向から見たときの上記第1の方向の開口長が、上記各マスク開口群領域82の外側に向かって次第に短くなる蒸着ユニット、を使用する。
なお、上記態様13における「蒸着マスク80の主面に垂直な方向から見たときの上記第1の方向の開口長」は、上記態様1と同じである。上記態様13によれば、上記態様1と同様の効果を得ることができる。
本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は、被成膜基板と蒸着ユニットとを相対的に移動させて走査しながら蒸着を行う、スキャニング方式を用いたスキャン蒸着に使用される蒸着装置および蒸着方法に好適に利用することができる。特に、本発明の蒸着装置は、例えば、有機EL表示装置における有機層の塗り分け形成等の成膜プロセスに用いられる、有機EL表示装置の製造装置並びに製造方法等に好適に用いることができる。また、本発明の蒸着方法は、例えば、有機EL表示装置における有機層の塗り分け形成等の成膜プロセスに好適に用いることができる。
1 有機EL表示装置(表示装置)
2 画素
2R,2G,2B サブ画素
10 TFT基板
11 絶縁基板
12 TFT
13 層間膜
13a コンタクトホール
14 配線
15 エッジカバー
15R,15G,15B 開口部
20 有機EL素子
21 第1電極
22 正孔注入層兼正孔輸送層
23R,23G,23B 発光層
24 電子輸送層
25 電子注入層
26 第2電極
30 接着層
40 封止基板
50 蒸着装置
51 真空チャンバ
52 基板ホルダ
53 基板移動装置
54 蒸着ユニット
55 蒸着ユニット移動装置(移動装置)
60,60A,60B 蒸着源
61,61A,61B 射出口
70 制限板ユニット
71 支持部
72,72A,72B 制限板列
73,73A,73B 制限板
74,74A,74B 制限板開口
75 制限板
80,80A,80B 蒸着マスク
81,81A,81B マスク開口
82,82A,82B マスク開口群領域
83 重畳領域
84 非重畳領域
85 遮蔽領域
90 ホルダ
91 マスクホルダ
91a 開口部
92 マスクトレー
92a 開口部
93 支持部材
101 蒸着ブロック
111 遮蔽板
112 開口領域
200 被成膜基板
201 被蒸着面
211 蒸着粒子
221,221A,221B 蒸着膜

Claims (13)

  1. 表示装置に用いられる被成膜基板上に、上記表示装置のサブ画素毎に所定のパターンの蒸着膜を形成する蒸着装置であって、
    蒸着源と複数の蒸着マスクとを有する蒸着ユニットと、
    上記蒸着ユニットおよび被成膜基板のうち一方を他方に対して相対移動させる移動装置とを備え、
    上記各蒸着マスクにおける、上記移動装置による移動方向である第1の方向および該第1の方向に垂直な第2の方向の長さは、それぞれの方向における上記被成膜基板の蒸着領域の長さよりも短く、
    上記蒸着マスクは、少なくとも上記第1の方向に、複数配置されており、
    上記各蒸着マスクは、上記第2の方向に、マスク開口群領域を、1つ、または、少なくとも1画素の遮蔽領域を介して複数有し、
    上記マスク開口群領域は、それぞれ、少なくとも上記第2の方向に配列された複数のマスク開口からなり、かつ、それぞれ、上記蒸着源における蒸着粒子の射出口と対をなしており、
    上記第1の方向に隣り合う蒸着マスクは、それぞれの蒸着マスクの各マスク開口群領域における上記第2の方向の端部のうち他方の蒸着マスクのマスク開口群領域に対向する側の端部における複数のマスク開口が、上記第1の方向に沿って見たときに上記第2の方向にそれぞれ重なるとともに、該端部における上記第1の方向に隣り合うマスク開口によって形成される蒸着膜が上記第1の方向に沿って同一直線上に位置するように、上記第2の方向に位置をずらして配置されており、
    上記第2の方向における上記蒸着マスクの合計の長さは、上記第2の方向における上記被成膜基板の蒸着領域の長さよりも長く、
    上記各マスク開口は、上記各サブ画素に対応して設けられており、
    上記各蒸着マスクの各マスク開口群領域における、上記第1の方向に沿って見たときに上記第2の方向にそれぞれ重なる領域では、上記蒸着マスクの主面に垂直な方向から見たときの上記第1の方向の開口長が、上記各マスク開口群領域の外側に向かって次第に短くなることを特徴とする蒸着装置。
  2. 上記蒸着マスクは、上記第1および第2の方向にそれぞれ複数配置されていることを特徴とする請求項1に記載の蒸着装置。
  3. 上記第1の方向に隣り合う蒸着マスクは、上記各蒸着マスクの各マスク開口群領域における上記端部において、1画素以上、上記第2の方向に位置をずらして配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の蒸着装置。
  4. 上記蒸着マスクの主面に垂直な方向から見たときに、上記各蒸着マスクの各マスク開口群領域における、上記第1の方向に沿って見たときに上記第2の方向にそれぞれ重なる領域では、各サブ画素に対応する、上記第1の方向に配された蒸着マスクのマスク開口の、上記第1の方向の合計の開口長がそれぞれ等しいことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の蒸着装置。
  5. 上記蒸着マスクの主面に垂直な方向から見たときに、各サブ画素に対応する、上記第1の方向に配された蒸着マスクのマスク開口の、上記第1の方向の合計の開口長は、上記第2の方向におけるマスク開口の位置に拘らず、それぞれ等しいことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の蒸着装置。
  6. 上記蒸着マスクの主面に垂直な方向から見たときに、上記各マスク開口群領域における、上記第1の方向に沿った同一直線上に他の蒸着マスクにおけるマスク開口が存在しない領域におけるマスク開口は、上記第2の方向における、上記射出口の真上からの距離が長くなるにしたがって、上記第1の方向の開口長を長くすることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の蒸着装置。
  7. 上記蒸着マスクの主面に垂直な方向から見たときに、各サブ画素に対応する、上記第1の方向に配された蒸着マスクのマスク開口の、上記第1の方向の合計の開口長は、上記各蒸着マスクの上記第1の方向の開口長を一律としたときの開口長変更前の上記第1の方向の開口長を基準マスク開口長とすると、次式
    上記第1の方向の合計の開口長=基準マスク開口長×膜厚補正係数
    膜厚補正係数=1/(上記第2の方向の上記各マスク開口に対応する蒸着膜の膜厚/最少膜厚値)
    を満足することを特徴とする請求項6に記載の蒸着装置。
  8. 上記蒸着マスクの主面に垂直な方向から見たときに、各サブ画素に対応する、上記第1の方向に配された蒸着マスクのマスク開口の、上記第1の方向のマスク開口比率は、上記各蒸着マスクの上記第1の方向の開口長を一律としたときの開口長変更前の上記第1の方向の開口長を基準マスク開口長とし、該基準マスク開口長の開口比率を、マスク開口比率100%とすると、次式
    上記第1の方向のマスク開口比率=基準マスク開口長の開口比率×膜厚補正係数
    膜厚補正係数=1/(上記第2の方向の上記各マスク開口に対応する蒸着膜の膜厚/最少膜厚値)
    を満足することを特徴とする請求項6に記載の蒸着装置。
  9. 上記各蒸着マスクにおける各マスク開口は、該マスク開口の上記第2の方向の位置に応じて、上記第1の方向に異なる長さに形成されていることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の蒸着装置。
  10. 上記各蒸着マスクに形成された各マスク開口は何れも同一形状であり、
    上記蒸着ユニットは、上記各蒸着マスクにおける各マスク開口のうち上記第1の方向に沿った同一直線上に他の蒸着マスクにおけるマスク開口が設けられているマスク開口の一部をそれぞれ覆うことで該マスク開口における上記蒸着マスクの主面に垂直な方向から見たときの上記第1の方向の開口長を変更する遮蔽板を有していることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の蒸着装置。
  11. 上記各蒸着マスクにおける上記各マスク開口群領域に、それぞれ上記遮蔽板が設けられていることを特徴とする請求項10に記載の蒸着装置。
  12. 上記遮蔽板は、上記各マスク開口群領域の一部を露出させる開口領域を有し、複数のマスク開口群領域に共通して設けられていることを特徴とする請求項10に記載の蒸着装置。
  13. 表示装置に用いられる被成膜基板上に、上記表示装置のサブ画素毎に所定のパターンの蒸着膜を形成する蒸着方法であって、
    蒸着源と複数の蒸着マスクとを有する蒸着ユニット、および、上記被成膜基板のうち、一方を他方に対して第1の方向に沿って相対移動させるとともに、
    上記蒸着ユニットとして、
    上記各蒸着マスクにおける上記第1の方向および該第1の方向に垂直な第2の方向の長さがそれぞれの方向における上記被成膜基板の蒸着領域の長さよりも短く、
    上記蒸着マスクは、少なくとも上記第1の方向に、複数配置されており、
    上記各蒸着マスクは、上記第2の方向に、マスク開口群領域を、1つ、または、少なくとも1画素の遮蔽領域を介して複数有し、
    上記マスク開口群領域は、それぞれ、少なくとも上記第2の方向に配列された複数のマスク開口からなり、かつ、それぞれ、上記蒸着源における蒸着粒子の射出口と対をなしており、
    上記第1の方向に隣り合う蒸着マスクは、それぞれの蒸着マスクの各マスク開口群領域における上記第2の方向の端部のうち他方の蒸着マスクのマスク開口群領域に対向する側の端部における複数のマスク開口が、上記第1の方向に沿って見たときに上記第2の方向にそれぞれ重なるとともに、該端部における上記第1の方向に隣り合うマスク開口によって形成される蒸着膜が上記第1の方向に沿って同一直線上に位置するように、上記第2の方向に位置をずらして配置されており、
    上記第2の方向における上記蒸着マスクの合計の長さは、上記第2の方向における上記被成膜基板の蒸着領域の長さよりも長く、
    上記各蒸着マスクの各マスク開口群領域における、上記第1の方向に沿って見たときに上記第2の方向にそれぞれ重なる領域では、上記蒸着マスクの主面に垂直な方向から見たときの上記第1の方向の開口長が、上記各マスク開口群領域の外側に向かって次第に短くなる蒸着ユニット、を使用することを特徴とする蒸着方法。
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