JPWO2014118895A1 - 無線電力伝送システム、受電器および無線電力伝送方法 - Google Patents

無線電力伝送システム、受電器および無線電力伝送方法 Download PDF

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Abstract

送電器からの電力を、磁界共鳴または電界共鳴を利用して無線により受け取る受電共振コイルと、所定の周波数で発振する電圧を出力する受電側位相調整用発振部と、前記送電器との間で通信を行う受電側通信部と、前記受電側通信部からの出力を受け取り、前記受電側位相調整用発振部からの出力電圧を使用して前記受電共振コイルの共振周波数の調整を行う受電側制御部と、を有し、ハード的負荷および費用の増加を抑えつつ電力伝送の効率を向上させる。

Description

この出願で言及する実施例は、無線電力伝送システム、受電器および無線電力伝送方法に関する。
近年、電源供給や充電を行うために、無線で電力を伝送する技術が注目されている。例えば、携帯端末やノートパソコンを始めとした様々な電子機器や家電機器、或いは、電力インフラ機器に対して、無線で電力伝送を行う無線電力伝送システムが研究・開発されている。
このような無線電力伝送(ワイヤレス電力伝送:Wireless Power Transfer)としては、一般的に、電磁誘導を利用した技術や電波を利用した技術が知られている。これに対して、近年、送電器と受電器の距離をある程度離しつつ、複数の受電器に対する電力伝送および受電器の三次元的な様々な姿勢に対する電力伝送が可能なものとして、磁界共鳴や電界共振を利用した電力伝送技術に対する期待が高まっている。
従来、磁界共鳴を利用した無線電力伝送技術としては、様々な提案がなされている。
国際公開第2011/099071号パンフレット 特開2010−148174号公報
前述したように、従来、電源供給や充電を行うために無線で電力を伝送する無線電力伝送技術が注目されている。しかしながら、例えば、電力伝送に使用する送電器と受電器の共振周波数にずれが存在すると伝送効率が低下するため、リアルタイムの位相制御を行って伝送効率の低下を防ぐことが考えられている。
しかしながら、無線電力伝送システムにおける共振周波数は、例えば、数百KHz〜数十MHzであるため、リアルタイムの位相制御を行うためには、例えば、送電器および受電器に対して専用の通信回路を設けることになる。その結果、送電器および受電器のハード的負荷が増大して費用も嵩むことになる。
一実施形態によれば、送電器からの電力を、磁界共鳴または電界共鳴を利用して無線により受け取る受電共振コイルと、受電側通信部と、受電側制御部と、を有する受電器が提供される。
前記受電側位相調整用発振部は、所定の周波数で発振する電圧を出力し、前記受電側通信部は、前記送電器との間で通信を行う。前記受電側制御部は、前記受電側通信部からの出力を受け取り、前記受電側位相調整用発振部からの出力電圧を使用して前記受電共振コイルの共振周波数の調整を行う。
開示の無線電力伝送システム、受電器および無線電力伝送方法は、ハード的負荷および費用の増加を抑えつつ電力伝送の効率を向上させることができるという効果を奏する。
図1は、無線電力伝送システムを模式的に示す図である。 図2は、無線電力伝送システムの一例を示すブロック図である。 図3は、図2に示す無線電力伝送システムを制御系に注目して示すブロック図である。 図4Aは、図2および図3に示す無線電力伝送システムにおける共振周波数の制御を説明するための図(その1)である。 図4Bは、図2および図3に示す無線電力伝送システムにおける共振周波数の制御を説明するための図(その2)である。 図5Aは、図2および図3に示す無線電力伝送システムにおけるシミュレーション条件を説明するための図(その1)である。 図5Bは、図2および図3に示す無線電力伝送システムにおけるシミュレーション条件を説明するための図(その2)である。 図6Aは、図5Aおよび図5Bに示すシミュレーション条件で行った図2および図3に示す無線電力伝送システムのシミュレーション結果を示す図(その1)である。 図6Bは、図5Aおよび図5Bに示すシミュレーション条件で行った図2および図3に示す無線電力伝送システムのシミュレーション結果を示す図(その2)である。 図7は、第1実施例の無線電力伝送システムを示すブロック図である。 図8は、第2実施例の無線電力伝送システムを示すブロック図である。 図9は、図8に示す無線電力伝送システムにおける動作を説明するための図(その1)である。 図10は、図8に示す無線電力伝送システムにおける動作を説明するための図(その2)である。 図11は、図8に示す無線電力伝送システムにおける動作を説明するための図(その3)である。 図12は、図8に示す無線電力伝送システムにおける動作を説明するための図(その4)である。 図13は、第3実施例の無線電力伝送システムを示すブロック図である。 図14は、図13に示す無線電力伝送システムにおける動作を説明するための図(その1)である。 図15は、図13に示す無線電力伝送システムにおける動作を説明するための図(その2)である。
まず、無線電力伝送(ワイヤレス電力伝送)システム、受電器および無線電力伝送方法の実施例を詳述する前に、無線電力伝送システムの一例およびその課題を、図1〜図6Bを参照して説明する。
図1は、無線電力伝送システムを模式的に示す図である。図1に示されるように、無線電力伝送システムは、一次側(送電側:送電器)1および二次側(受電側:受電器)2を有する。なお、送電器1および受電器2は、それぞれ複数であってもよい。
送電器1は、交流電源11と、電力供給コイル12および送電共振コイル13を含む送電系コイルSCとを有し、受電器2は、受電共振コイル22および電力取出コイル23を含む受電系コイルJCと、負荷デバイス21とを有する。
図1に示されるように、送電器1および受電器2は、送電共振コイル(LC共振器)13と受電共振コイル(LC共振器)22の間の磁界共鳴(磁界共振)により、送電器1から受電器2へエネルギー(電力)の伝送を行う。ここで、LC共振器13から22への電力伝送は、磁界共鳴だけでなく電界共鳴(電界共振)等も可能であるが、以下の説明では、主として磁界共鳴を例として説明する。
なお、送電系コイルSCにおいて、電力供給コイル12から送電共振コイル13への電力伝送は電磁誘導を利用して行い、また、受電系コイルJCにおいて、受電共振コイル22から電力取出コイル23への電力伝送も電磁誘導を利用して行うようになっている。
図2は、無線電力伝送システムの一例を示すブロック図であり、図1に示す無線電力伝送システムをより詳細にしめすものである。図2に示されるように、電力伝送システムは、送電系コイルSC、受電系コイルJC、交流電源11、送電側制御回路14、負荷となるデバイス21、および、受電側制御回路24を備える。
前述したように、送電系コイルSCは、電力供給コイル12および送電共振コイル13を含む。電力供給コイル12は、例えば、銅線またはアルミニウム線などの金属線が円周状に複数回巻かれたものであり、その両端に交流電源11による交流電圧(高周波電圧)が印加される。
送電共振コイル13は、例えば、銅線またはアルミニウム線などの金属線が円周状に巻かれたコイル131、および、コイル131の両端に接続されたコンデンサ132を含み、それらによる共振回路を形成する。なお、共振周波数f0は、次の式(1)で示される。
f0=1/{2π(LC)1/2} …… (1)
ここで、Lはコイル131のインダクタンス、Cはコンデンサ132の静電容量である。
送電共振コイル13のコイル131は、例えば、ワンターンコイルであり、また、コンデンサ132は、種々の形式のコンデンサが適用可能であるが、できるだけ損失が少なく十分な耐圧を有するものが好ましい。
図2に示す無線電力伝送システムでは、共振周波数を可変するために、コンデンサ132として可変コンデンサが用いられている。可変コンデンサとしては、例えば、MEMS技術を用いて製作された可変容量デバイスや半導体を用いた可変容量デバイス(バラクタ)を適用することができる。
電力供給コイル12および送電共振コイル13は、電磁的に互いに密に結合するように、例えば、同一平面上で同心状に配置される。すなわち、送電共振コイル13の内側に電力供給コイル12が設けられた状態で配置される。或いは、送電共振コイル13および電力供給コイル12は、同軸上で適当な距離をあけて配置してもよい。
この状態で、交流電源11から電力供給コイル12に交流電圧が印加されると、電力供給コイル12に生じた交番磁界による電磁誘導によって送電共振コイル13に共振電流が流れる。すなわち、電磁誘導によって、電力供給コイル12から送電共振コイル13に電力が伝送される。
また、受電系コイルJCは、受電共振コイル22および電力取出コイル23を含む。受電共振コイル22は、例えば、銅線またはアルミニウム線などの金属線が円周状に巻かれたコイル221、および、コイル221の両端に接続されたコンデンサ222を含む。受電共振コイル22の共振周波数f0は、コイル221のインダクタンスおよびコンデンサ222の静電容量に従って、前述した式(1)で示される。
受電共振コイル22のコイル221は、例えば、ワンターンコイルであり、また、コンデンサ222は、前述したように、種々の形式のコンデンサが適用可能である。図2に示す無線電力伝送システムでは、共振周波数を可変するために、コンデンサ222として可変コンデンサが用いられる。
可変コンデンサとしては、コンデンサ132と同様に、例えば、MEMS技術を用いて製作された可変容量デバイスや半導体を用いたバラクタを適用することができる。
電力取出コイル23は、例えば、銅線またはアルミニウム線などの金属線が円周状に複数回巻かれたものであり、その両端に負荷であるデバイス21が接続される。なお、負荷デバイス21としては、例えば、受電器2の電源として使用するバッテリやそのバッテリを充電するための回路である。
受電共振コイル22および電力取出コイル23は、電磁的に互いに密に結合するように、例えば、同一平面上で同心状に配置される。すなわち、受電共振コイル22の内側に電力取出コイル23が設けられた状態で配置される。或いは、受電共振コイル22および電力取出コイル23は、同軸上で適当な距離をあけて配置してもよい。
この状態で、受電共振コイル22に共振電流が流れると、それによって発生した交番磁界による電磁誘導によって電力取出コイル23に電流が流れる。すなわち、電磁誘導によって、受電共振コイル22から電力取出コイル23に電力が送られる。
ここで、送電系コイルSCから受電系コイルJCへは、磁界共鳴によって無線で電力を伝送するため、図2に示されるように、コイル面が互いに平行で、コイル軸心が互いに一致するかまたは余りずれないように、互いに適当な距離の範囲内に配置される。
図2に示されるように、電力伝送システムにおいて、コイル軸心KSに沿う方向が磁界KKの主な放射方向であり、送電系コイルSCから受電系コイルJCに向かう方向が送電方向SHである。
ここで、送電共振コイル13の共振周波数fsおよび受電共振コイル22の共振周波数fjが、両方とも交流電源11の周波数fdと一致しているとき、最大の電力が伝送される。
しかしながら、それらの共振周波数fsおよびfjが互いにずれたり、共振周波数fsおよびfjと交流電源11の周波数fdとがずれたりすると、伝送される電力は低下し、電力伝送の効率が低下することになる。
そこで、図2に示す電力伝送システムでは、送電側制御回路14および受電側制御回路24により、交流電源11の位相φvs、並びに、送電共振コイル13および受電共振コイル22に流れる電流の位相φisおよびφijを用いて、共振周波数の制御を行う。
ここで、送電側制御回路14は、送電系コイルSCに印加される電圧Vsの位相φvsおよび送電系コイルSCに流れる電流Isの位相φisを検出し、位相差Δφsが所定の目標値φmsとなるように、送電系コイルSCの共振周波数fsを可変制御する。
すなわち、送電側制御回路14は、電流検出センサSE1、位相検出部141,142、目標値設定部143、送電側フィードバック制御部144、および、位相送信部145を有する。
電流検出センサSE1は、送電共振コイル13に流れる電流Isを検出する。電流検出センサSE1としては、例えば、ホール素子、磁気抵抗素子または検出コイルなどを用いることができる。この電流検出センサSE1は、例えば、電流Isの波形に応じた電圧信号を出力する。
位相検出部141は、電力供給コイル12に印加される電圧Vsの位相φvsを検出し、例えば、電圧Vsの波形に応じた電圧信号を出力する。ここで、位相検出部141は、電圧Vsをそのまま出力してもよく、また、適当な抵抗によって分圧して出力してもよい。そのため、位相検出部141は、単なる導線、或いは、1つまたは複数の抵抗素子とすることもできる。
位相検出部142は、電流検出センサSE1からの出力に基づいて、送電共振コイル13に流れる電流Isの位相φisを検出し、例えば、電流Isの波形に応じた電圧信号を出力する。ここで、位相検出部142は、電流検出センサSE1の出力をそのまま出力してもよい。そのため、電流検出センサSE1は、位相検出部142を兼ねるようにすることもできる。
目標値設定部143は、位相差Δφsの目標値φmsを設定して記憶する。そのため、目標値設定部143には、目標値φmsを記憶するためのメモリが設けられている。目標値φmsとしては、例えば、「−180°(−π radian)」または「−180°に適当な補正値aを加えた値」などが設定される。
なお、目標値φmsの設定は、予め記憶された1つまたは複数のデータの中から選択することにより行ってもよく、また、CPUやキーボードなどからの指令によって行われるようにしてもよい。
送電側フィードバック制御部144は、交流電源11の電圧Vsの位相φvsと送電共振コイル13の電流Isの位相φisとの位相差Δφsが、設定された目標値φmsとなるように、送電共振コイル13の共振周波数fsを可変制御する。
位相送信部145は、電力供給コイル12に供給される電圧Vsの位相φvsについての情報を、受電側制御回路24に対してアナログ信号またはデジタル信号として無線で送信する。ここで、例えば、S/N比を向上させるために、電圧Vsの波形に応じた電圧信号を整数倍に逓倍して送信することもできる。
受電側制御回路24は、送電系コイルSCに供給される電圧VSの位相φvsおよび受電系コイルJCに流れる電流IJの位相φijを検出し、それらの位相差Δφjが所定の目標値φmjとなるように、受電系コイルJCの共振周波数fjを可変制御する。
すなわち、受電側制御回路24は、電流検出センサSE2、位相受信部241、位相検出部242、目標値設定部243、および、受電側フィードバック制御部244を有する。
電流検出センサSE2は、受電共振コイル22に流れる電流Ijを検出する。電流検出センサSE2としては、例えば、ホール素子、磁気抵抗素子または検出コイルなどを用いることができる。この電流検出センサSE2は、例えば、電流Ijの波形に応じた電圧信号を出力する。
位相受信部241は、位相送信部145から送信された位相φvsについての情報を受け取って出力する。ここで、位相送信部145で電圧信号を逓倍した場合には、位相受信部241で元に戻すために分周を行う。位相受信部241は、例えば、電圧Vsに応じた電圧信号を出力する。
位相検出部242は、電流検出センサSE2からの出力に基づいて、受電共振コイル22に流れる電流Ijの位相φijを検出し、例えば、電流Ijの波形に応じた電圧信号を出力する。ここで、位相検出部242は、電流検出センサSE2の出力をそのまま出力してもよい。そのため、電流検出センサSE2は、位相検出部242を兼ねるようにすることもできる。
目標値設定部243は、位相差Δφjの目標値φmjを設定して記憶する。そのため、目標値設定部243には、目標値φmjを記憶するためのメモリが設けられている。目標値φmjとして、例えば、送電側制御回路14における目標値φmsに「−90°(−π/2 radian)」を加算した値が設定される。
すなわち、目標値φmjとしては、例えば、「−270°(−3π/2 radian)」または「−270°に適当な補正値aを加えた値」などが設定される。なお、目標値φmjの設定方法などについては、目標値φmsの場合と同様である。
受電側フィードバック制御部244は、交流電源11の電圧Vsの位相φvsと受電共振コイル22の電流Ijの位相φijとの位相差Δφjが、設定された目標値φmjとなるように、受電共振コイル22の共振周波数fjを可変制御する。
なお、送電側制御回路14における目標値設定部143と送電側フィードバック制御部144、並びに、受電側制御回路24における目標値設定部243と受電側フィードバック制御部244は、それぞれ共振周波数制御部の単なる例である。
図3は、図2に示す無線電力伝送システムを制御系に注目して示すブロック図であり、送電器1の送電側フィードバック制御部144、および、受電器2の受電側フィードバック制御部244を詳細に示すものである。
ここで、図3のブロック図では、簡略化のために、図2における位相検出部141,142,241,242は省略されている。すなわち、図3では、電流検出センサSE1から送電共振コイル13に流れる電流Isの位相φisが直接出力されているが、この位相φisは、例えば、送電側フィードバック制御部144に設けた位相検出部142を介して出力されてもよい。
図3に示されるように、送電側フィードバック制御部144は、位相比較部151、加算部152、ゲイン調整部153,154、補償部155、ドライバ156、および、極性反転部157などを備える。
位相比較部151は、電流検出センサSE1で検出された電流Isの位相φisと、交流電源11の電圧Vsの位相φvsとを比較し、それらの差である位相差Δφsを出力する。
加算部152は、位相比較151の出力する位相差Δφsから、目標値設定部143に設定された目標値φmsを減算(反転して加算)する。従って、位相差Δφsと目標値φmsが一致したときに、加算部152の出力は零となる。
加算部152の出力は、極性反転部157により極性が反転されて、ゲイン調整部154に入力され、さらに、補償部155に入力される。ここで、ゲイン調整部153および154は、制御が正しく行われるように、それぞれ入力される値またはデータに対するゲイン(利得)を調整し、或いは、データなどの換算を行う。
補償部155は、例えば、低周波成分に対するゲインを定める。すなわち、送電側フィードバック制御部144は、例えば、コンデンサ132であるMEMS可変容量デバイスに対するフィードバック制御を行うサーボ系とみることができる。
従って、補償部155には、サーボ系の安定化、高速化、高精度化を図るための適当なサーボフィルタが用いられる。また、このようなサーボ系においてPID(Proportional Integral Derivative Controller)動作を行わせるためのフィルタ回路または微分積分回路などが、適宜使用される。
ドライバ156は、例えば、コンデンサ132であるMEMS可変容量デバイスに対して制御信号KSsを出力し、そのMEMS可変容量デバイスの静電容量を可変制御する。
ここで、MEMS可変容量デバイス(MEMS可変キャパシタ)は、例えば、ガラスの基板上に下部電極および上部電極を設け、それら電極間に印加する電圧による静電吸引力で生じる撓みに起因した間隙の変化を利用して、静電容量を変化させるようになっている。
なお、MEMS可変容量デバイス(コンデンサ132)は、キャパシタのための電極と駆動のための電極とが別個に設けられることもある。また、駆動のための電極に印加する電圧と静電容量の変化量との関係が線形ではないため、例えば、ドライバ156において、その変換のための演算またはテーブル換算などを適宜行うようになっている。
受電側フィードバック制御部244は、位相比較部251、加算部252、ゲイン調整部253,254、補償部255、ドライバ256、および、極性反転部257などを備える。
なお、受電側フィードバック制御部244における各部の動作は、実質的に、上述した送電側フィードバック制御部144における各部の動作と同様なので、その説明は省略する。
なお、図2における送電側制御回路14および受電側制御回路24、並びに、図3における送電側フィードバック制御部144および受電側フィードバック制御部244などは、ソフトウエアまたはハードウエア、或いは、それらの組み合わせで実現可能である。
例えば、CPU、ROMおよびRAMなどのメモリ、その他の周辺素子などを含むコンピュータを用い、適当なコンピュータプログラムをCPUに実行させることで実現することができる。その場合、適当なハードウエア回路を併用することになる。
図4Aおよび図4Bは、図2および図3に示す無線電力伝送システムにおける共振周波数の制御を説明するための図である。ここで、図4Aにおいて、横軸は交流電源11の周波数f[MHz]を示し、縦軸は各コイルに流れる電流Iの大きさ[dB]を示す。また、図4Bにおいて、横軸は交流電源11の周波数f[MHz]を示し、縦軸は各コイルに流れる電流Iの位相φ[radian]を示す。
なお、位相φは、交流電源11の電圧Vsの位相φvs、つまり電力供給コイル12に供給される電圧Vsの位相φvsを基準とし、その位相差Δφを示す。すなわち、位相φvsと一致した場合には、位相φが0となる。
各曲線に付した参照符号CBA1〜CBA4およびCBB1〜CBB4において、末尾の数字1、2、3、4は、それぞれ、電力供給コイル12、送電共振コイル13、受電共振コイル22、電力取出コイル23に対応することを示す。
さらに、図4Aおよび図4Bは、共振周波数制御において、送電共振コイル13、または、送電共振コイル13および受電共振コイル22を、その共振周波数fs,fjが10MHzとなるように制御する場合を示す。
このとき、目標値設定部143の目標値φmsは「−π radian (−180°)」に設定され、目標値設定部143の目標値φmjは「−3π/2 radian (−270°)」に設定される。
すなわち、目標値φmjは、目標値φmsに−π/2を加算した値「φms−π/2」、つまり目標値φmsよりもπ/2遅れた位相が設定される。
曲線CBA2に示されるように、送電共振コイル13の電流Isは、交流電源11の周波数fdと一致する10MHzにおいて最大となっている。また、曲線CBB2に示されるように、送電共振コイル13の電流Isの位相φisは、共振周波数fsである10MHzにおいて、−πとなっている。つまり、目標値φmsと一致している。
ここで、送電共振コイル13は、電力供給コイル12からみて直列共振回路と見ることができ、共振周波数fsよりも低い周波数fdにおいては容量性となって−π/2に近づき、高い周波数fdにおいては誘導性となって−3π/2に近づく。
このように、送電共振コイル13に流れる電流Isの位相φisは、共振周波数fsの近辺において大きく変化する。位相φisつまり位相差Δφsが−πとなるように制御することによって、送電共振コイル13の共振周波数fsを電圧Vsの周波数fdに高精度で一致させることができる。
なお、曲線CBA1に示されるように、電力供給コイル12に流れる電流Iも、共振周波数fsにおいて最大となる。曲線CBB1に示されるように、電力供給コイル12に流れる電流Iの位相φiは、共振周波数fsの近辺において零または進み位相となり、共振周波数fsから外れると−π/2となる。
曲線CBA3に示されるように、受電共振コイル22の電流Ijは、交流電源11の周波数fdと一致する10MHzにおいて最大となっている。
曲線CBB3に示されるように、受電共振コイル22の電流Ijの位相φijは、共振周波数fsである10MHzにおいて、−3π/2となっている。つまり、目標値φmjと一致している。また、周波数fdが共振周波数fsよりも低くなった場合に、位相差Δφが減少して−π/2に近づき、共振周波数fsよりも高くなった場合に、位相差Δφが増大して−5π/2つまり−π/2に近づく。
このように、送電共振コイル13および受電共振コイル22に流れる電流Is,Ijの位相φis,φijは、共振周波数fs,fjの近辺において大きく変化する。位相φis,φijつまり位相差Δφs,Δφjが−πまたは−3π/2となるように制御することによって、送電共振コイル13および受電共振コイル22の共振周波数fs,fjを電圧Vsの周波数fdに高精度で一致させることができる。
これにより、環境要因などの変化があっても、送電系コイルSCおよび受電系コイルJCの共振周波数を交流電源11の周波数fdに正確に一致させることができ、送電装置3から受電装置4に対して、常に最大の効率で電力を伝送することが可能になる。
さらに、交流電源の電圧Vsに対するコイル電流の位相差Δφを基に制御を行うため、例えば、スイープサーチ法による場合のように電流の振幅の変動による影響を受けることがなく、正確な制御を行うことができる。
なお、スイープサーチ法では、例えば、送電系コイルSCまたは受電系コイルJCにおけるLまたはCをスイープさせ、コイルの電流値が最大(ピーク)となる位置を試行錯誤的にサーチする。
図5Aおよび図5Bは、図2および図3に示す無線電力伝送システムにおけるシミュレーション条件を説明するための図である。図5Aに示されるように、シミュレーション条件としては、電力供給コイル12および送電共振コイル13を同一平面上で同心状に配置し、受電共振コイル22および電力取出コイル23も同一平面上で同心状に配置した。
また、送電系コイルSC(電力供給コイル12および送電共振コイル13)と受電系コイルJC(受電共振コイル22および電力取出コイル23)との距離ddを25mmに設定し、駆動周波数(交流電源11の周波数fd)を7MHzに設定した。さらに、負荷(負荷デバイス21の抵抗値)を10Ωに設定し、各コイルの巻線の太さをφ0.5mmに設定した。
さらに、図5Bに示されるように、電力供給コイル12の外径をφ30mmとし巻数を1回に設定し、送電共振コイル13の外径をφ40mmとし巻数を5回に設定した。また、受電共振コイル22の外径をφ30mmとし巻数を5回に設定し、電力取出コイル23の外径をφ20mmとし巻数を1回に設定した。なお、送電共振コイル13および受電共振コイル22における隣接する巻線の中心間の距離(ピッチ)を、0.8mmに設定した。
図6Aおよび図6Bは、図5Aおよび図5Bに示すシミュレーション条件で行った図2および図3に示す無線電力伝送システムのシミュレーション結果を示す図である。
ここで、図6Aにおいて、縦軸は駆動電圧の振幅を正規化(最大振幅が『1』)して示し、横軸は時間を正規化(1/7MHzが『1』)して示す。また、参照符号φdは、送電側の駆動電圧LL1および受電側の駆動電圧LL2の位相遅れを示す。さらに、図6Bにおいて、縦軸は送電効率(最大が『1』)を示し、横軸は位相遅れφd(deg:°)を示す。
図6Bに示されるように、送電効率は、送電側の駆動電圧LL1および受電側の駆動電圧LL2の位相遅れφdが大きくなるに従って低下する。特に、位相遅れφdが40°を超えると、送電効率が大幅に低下するのが分かる。
なお、駆動周波数が7MHzのとき、1°の位相遅れに対する遅延時間tdは、td=1÷(7×106×360)=3.97×10-10 [sec] に対応する。従って、例えば、30°の位相遅れに対応する遅延時間Tdは、Td=3.97×10-10×30=1.19×10-8 [sec]、すなわち、11.9nsec になる。
上述したように、例えば、図2および図3に示す無線電力伝送システムにより電力の伝送を行う場合、非常に短い遅延時間tdに対しても送電効率が低下することになる。そのため、受電側の制御には、交流電源11の電圧波形の位相を遅滞なく正確に認識することが前提となる。
ここで、送電器1および受電器2は、互いの位置や送電電力等に関する情報を送受信する通信回路を有しているが、これらの通信回路では、例えば、7MHz(一般的に、数百KHz〜数十MHz)の駆動電圧の位相制御を行うデータを処理するのは困難である。
そのため、図2および図3に示す無線電力伝送システムでは、送電器1に専用の位相送信部145を設けると共に、受電器2に専用の位相受信部241を設け、送電器1における交流電源11の電圧波形の位相を遅滞なく正確に受電器2へ伝えるようになっている。
このように、図2および図3に示す無線電力伝送システムでは、高速なデータ伝送が可能な専用の位相送信部145および位相受信部241をそれぞれ送電器1および受電器2に設けるため、ハード的負担が大きくなって費用も嵩むことになる。
以下、無線電力伝送(ワイヤレス電力伝送)システムおよび無線電力伝送方法の実施例を、添付図面を参照して詳述する。図7は、第1実施例の無線電力伝送システムを示すブロック図である。
図7と前述した図3との比較から明らかなように、第1実施例の無線電力伝送システムでは、送電器1において、専用の位相送信部145の代わりに、送電側制御部16および送電側通信部17を設けている。
さらに、第1実施例の無線電力伝送システムは、受電器2において、専用の位相受信部241の代わりに、受電側制御部26,受電側通信部27および受電側位相調整用発振部28を設けている。
ここで、第1実施例の無線電力伝送システムでは、例えば、図3に示す無線電力伝送システムのような高速なデータ伝送が不要なため、送電側通信部17および受電側通信部27は、互いの位置や送電電力等の情報を送受信する通信回路を兼用してもよい。
すなわち、第1実施例の無線電力伝送システムでは、例えば、数百KHz〜数十MHzの共振周波数をリアルタイムで位相制御しなくてもよいため、一般的に設けられている通信回路をそのまま利用することができる。
なお、送電器1における交流電源11、電力供給コイル12、送電共振コイル13、コンデンサ132、電流検出センサSE1、および、送電側フィードバック制御部144等の構成および動作は、実質的に図3を参照して説明したのと同様である。
また、受電器2における受電共振コイル22、電力取出コイル23、コンデンサ222、電流検出センサSE2、および、受電側フィードバック制御部244等の構成および動作は、実質的に図3を参照して説明したのと同様である。
ここで、図7に示す第1実施例の無線電力伝送システムでは、送電器1における目標値φmsは目標値設定部143から出力され、また、受電器2における目標値φmjは目標値設定部243から出力されている。
図8は、第2実施例の無線電力伝送システムを示すブロック図であり、図9〜図12は、図8に示す無線電力伝送システムにおける動作を説明するための図である。
ここで、図8〜図10は、送電器1において、送電側制御部16、送電側通信部17、交流電源11、電力供給コイル12、送電共振コイル13、コンデンサ(可変容量デバイス)132および送電側フィードバック制御部144に注目して示したものである。
なお、前述した図7では、送電器1の位相比較部(第2位相比較部)151が送電側フィードバック制御部144の内部に設けられているが、図8〜図10では、位相比較部151と送電側フィードバック制御部144(位相比較部151を除く)が別に描かれている。
また、図8〜図10は、受電器2において、受電側制御部26、受電側通信部27、受電側位相調整用発振部28、受電共振コイル22、電力取出コイル23、コンデンサ222および受電側フィードバック制御部244に注目して示したものでもある。
なお、前述した図7では、受電器2の位相比較部(第1位相比較部)251が受電側フィードバック制御部244の内部に設けられているが、図8〜図10では、位相比較部251と受電側フィードバック制御部244(位相比較部251を除く)が別に描かれている。
さらに、図8〜図10において、整流回路211および負荷(例えば、バッテリ:抵抗値RL)212を有する負荷デバイス21、並びに、負荷212の抵抗値RLにほぼ等しい抵抗値RL’のダミー負荷29もスイッチSW1〜SW4と共に描かれている。
また、図8〜図10において、電力供給コイル12、送電共振コイル13、受電共振コイル22および電力取出コイル23の各コイルは、それぞれ抵抗R1,R2,R13およびR4並びにインダクタL1,L2,L3およびL4により等価回路的に描かれている。なお、電力供給コイル12、送電共振コイル13、受電共振コイル22および電力取出コイル23に流れる電流は、I1,I2,I3およびI4として示されている。
そして、図8に示す第2実施例の無線電力伝送システムでは、送電器1における目標値φmsは送電側制御部16から出力され、また、受電器2における目標値φmjは受電側制御部26から出力されるようになっている。
すなわち、第2実施例の無線電力伝送システムは、送電器1が目標値設定部143を有しておらず、受電器2が目標値設定部243を有していない点を除いて、実質的に第1実施例の無線電力伝送システムと同様の構成とされている。
従って、第1実施例の無線電力伝送システムの動作は、目標値φmsおよびφmjの出力個所が異なるだけで、以下に詳述する第2実施例の無線電力伝送システムの動作と同様である。
このように、目標値φmsおよびφmjを送電側制御部16および受電側制御部26から出力することにより、各目標値を、利用する無線電力伝送システムに最適な値として制御し、或いは、他の機能を実現するためにて変化させて制御することが可能になる。
図8に示されるように、送電器1において、送電側フィードバック制御部144に対する目標値(位相差Δφsの目標値)φmsは、送電側制御部16から出力され、また、交流電源11は、送電側制御部16からの制御信号Spsにより制御される。
さらに、受電器2において、受電側フィードバック制御部244に対する目標値(位相差Δφjの目標値)φmjは、受電側制御部26から出力され、また、受電側位相調整用発振部28は、受電側制御部26からの制御信号Spjにより制御される。
ここで、受電器2における受電側位相調整用発振部28は、電力伝送に使用する周波数、すなわち、送電器1における交流電源11と同じ固定の発振周波数の信号(電圧VB)を出力する。なお、交流電源11および受電側位相調整用発振部28は、例えば、水晶振動子を利用してその発振周波数が正確に同じ周波数に制御されている。
図8に示されるように、受電器2において、受電共振コイル22にはスイッチSW1が設けられ、受電側位相調整用発振部28と受電共振コイル22の間にはスイッチSW2が設けられている。
また、受電器2において、電力取出コイル23と負荷デバイス21の間にはスイッチSW3が設けられ、電力取出コイル23の両端には、スイッチSW4を介してダミー負荷29が設けられている。
スイッチSW1〜SW4は、例えば、ゲートに制御信号が印加されたnチャネル型MOSトランジスタ(nMOSトランジスタ)とされ、各制御信号のレベルが高レベル『H』のときにオンし、低レベル『L』のときにオフする。
なお、スイッチSW1およびSW3の制御端子(nMOSトランジスタのゲート)には、受電側制御部26からの制御信号CSjが印加され、スイッチSW2およびSW4の制御端子には、制御信号CSjをインバータで反転した制御信号/CSjが印加される。
まず、受電側制御部26からの制御信号CSjが『L』(制御信号/CSjが『H』)のとき、スイッチSW1およびSW3がオフしてスイッチSW2およびSW4がオンする。この状態は、図9に示す共振周波数の調整時に対応する。
すなわち、図9に示されるように、共振周波数の調整時において、受電器2の受電側位相調整用発振部28は、受電側制御部26からの制御信号Spjにより動作状態(オン)とされる。
さらに、スイッチSW1がオフでスイッチSW2がオンすることで、受電側位相調整用発振部28の出力電圧VBは、受電共振コイル22の両端に印加される。このとき、電力取出コイル23は、スイッチSW3がオフすることで負荷デバイス21と切り離され、代わりに、オン状態のスイッチSW4を介してダミー負荷29に接続される。
ここで、ダミー負荷29の抵抗値RL’は、負荷デバイス21の負荷212の抵抗値RLとほぼ等しく設定され、また、受電側制御部26から受電側フィードバック制御部244に与えられる目標値φmjは、例えば、0°に設定されている。
なお、受電側位相調整用発振部28からの出力電圧VBは、受電器2における共振周波数を調整するために使用されるので、その電力容量は微小でよい。そのため、微小電力容量の電圧VBでは、例えば、負荷デバイス21の整流回路(整流用IC)211が動作せず、或いは、非線形特性により負荷抵抗212の抵抗値RLが正確に反映されないことになる。
そこで、電力取出コイル23に対して、実際の負荷デバイス21の代わりに、負荷抵抗212に相当するダミー負荷29を接続し、微小電力容量の電圧VBで受電器2の共振周波数調整を行うようになっている。
以上により、受電器2において、受電側位相調整用発振部28の出力電圧VBの位相φvs’と、その電圧VBにより受電共振コイル22を流れる電流I3の位相φijとの位相差Δφjが目標値φmj(=0°)となるようにフィードバック制御が行われる。すなわち、受電側フィードバック制御部244は、位相差Δφjが目標値φmjとなるように、制御信号KSjを介してコンデンサ222の静電容量を所定の値に制御する。
なお、第2実施例の無線電力伝送システムでは、図11のタイミングチャートに示されるように、共振周波数の調整時(共振調整)において、まず、期間Tcsで送電器1の共振周波数を調整し、その後、期間Tcjで受電器2の共振周波数を調整する。
従って、図11に示されるように、上述した受電器2における共振周波数の調整は、共振調整の処理を行う期間の後半の期間Tcjで行い、前半の期間期間Tcsでは、送電器1における共振周波数の調整を行うようになっている。
すなわち、共振調整の処理を行う期間の前半の期間期間Tcsにおいて、送電器1の交流電源11は、送電側制御部16からの制御信号Spsにより低出力状態(調整用出力状態)とされる。
この交流電源11の低出力状態において、交流電源11は、受電器2に対して電力を伝送するための電圧を出力するのではなく、単に、送電器1における共振周波数を調整するための低い電圧を出力する。
これにより、送電器1では、交流電源11の出力電圧VAの位相φvsと、その電圧VAにより送電共振コイル13を流れる電流Isの位相φisとの位相差Δφjが目標値φmj(=180°)となるようにフィードバック制御が行われる。
このフィードバック制御は、例えば、図2〜図4Bを参照して説明したように、送電側フィードバック制御部144が、位相差Δφsが目標値φmsとなるように、制御信号KSsを介してコンデンサ132の静電容量を所定の値に制御する。
ここで、送電器1における共振周波数の調整は、必ずしも受電器2における共振周波数の調整の直前に行わなくてもよく、受電器2における共振周波数の調整と同時またはその直後、或いは、他の適切なタイミングで行うこともできる。
次に、受電側制御部26からの制御信号CSjが『H』(制御信号/CSjが『L』)のとき、スイッチSW1およびSW3がオンしてスイッチSW2およびSW4がオフする。この状態は、図10に示す給電時(通常の送電器1から受電器2へ無線により電力を伝送する状態)に対応する。
すなわち、図10に示されるように、給電時において、受電器2の受電側位相調整用発振部28は、受電側制御部26からの制御信号Spjにより停止状態(オフ)とされ、また、スイッチSW2がオフとなって受電共振コイル22から切り離される。
さらに、スイッチSW1がオンすることで受電共振コイル22は、送電器1における送電共振コイル13からの電力を磁界共鳴(磁界共振)により受け取る。このとき、電力取出コイル23は、スイッチSW3がオンしてスイッチSW4がオフすることで負荷デバイス21に接続される。
また、送電器1では、送電側制御部16からの制御信号Spsにより交流電源11は、動作状態(低電力動作状態ではなく、通常の動作状態)とされる。
ここで、送電器1における送電共振コイル13の共振周波数は、期間Tcsで交流電源11の周波数と一致するように制御され、受電器2における受電共振コイル22の共振周波数は、受電側位相調整用発振部28の周波数と一致するように制御されている。また、交流電源11の周波数と受電側位相調整用発振部28の周波数とは、例えば、水晶振動子を利用して正確に制御されている。
従って、双方で共振周波数の調整が行われた送電器1から受電器2への磁界共鳴による電力伝送は、高い送電効率で行うことが可能になる。図11では、送電器1および受電器2における共振周波数の調整期間(Tcs,Tcj:共振調整)が所定の間隔で繰り返されるようになっている。
なお、この共振調整を繰り返す所定の間隔としては、送電器1および受電器2の数や電力容量、或いは、周囲の環境等により様々に設定することができ、例えば、数分間隔に設定することができる。
次に、図12のフローチャートを参照して、第2実施例の無線電力伝送システムの動作の流れを説明する。まず、無線電力伝送処理が開始(スタート)すると、ステップST101およびST201において、送電側(送電器1)の送電側通信部17および受電側(受電器2)の受電側通信部27により通信および応答確認を行って、次のステップに進む。
すなわち、ステップST101およびST201では、例えば、受電器2が送電器1により送電可能な範囲に存在するか、並びに、受電器2の位置や傾きおよび送電する電力等の情報の受け渡し、或いは、有料の電力伝送システムにおける受電器2の認証等を行う。
送電側では、次に、ステップST102に進んで、図9および図11の期間Tcsを参照して説明した送電器1における共振周波数の調整(共振調整)を開始する。すなわち、ステップST103において、交流電源11の出力電圧VAを調整用出力電圧(低出力電圧)とし、ステップST104に進んで位相差の制御を行う。
すなわち、ステップST104では、送電側フィードバック制御部144による位相差の制御処理を行い、ステップST105において、位相差Δφsが目標値φmsよりも小さくなるまでステップST104の位相差の制御処理を繰り返す。
そして、ステップST105において、位相差Δφsが目標値φmsにより規定された範囲内になったと判定すると、ステップST106に進んで、送電器1における共振調整処理を終了し、次のステップST107に進む。
ここで、図9および図11を参照して説明したように、期間Tcsにおいて送電器1の共振周波数調整処理が終了すると、受電側では、ステップST202において、期間Tcsに続く期間Tcjで受電器2における共振周波数の調整(共振調整)を開始する。
なお、受電器2は、送電側通信部17および受電側通信部27の通信により、送電器1の共振周波数調整処理の終了を認識し、ステップST202の受電器2における共振調整を開始する。
すなわち、ステップST203において、図9を参照して説明したスイッチSW1〜SW4の切り替えを行い、さらに、ステップST204に進んで、受電側制御部26により受電側位相調整用発振部28を動作状態(電圧VBを出力)とする。
具体的に、スイッチSW1およびSW3をオフしてスイッチSW2およびSW4をオンし、受電側位相調整用発振部28の出力電圧VBを受電共振コイル22の両端に印加する。さらに、電力取出コイル23に対して、負荷デバイス21を切り離し、代わりにダミー負荷29を接続する。
さらに、ステップST205に進んで、受電側フィードバック制御部244による位相差の制御処理を行い、ステップST206において、位相差Δφjが目標値φmjよりも小さくなるまでステップST205の位相差の制御処理を繰り返す。
そして、ステップST206において、位相差Δφjが目標値φmjにより規定された範囲内になったと判定すると、ステップST207に進んで、図10を参照して説明したスイッチSW1〜SW4の切り替えを行い、ステップST208に進む。
ステップST208では、受電側制御部26により受電側位相調整用発振部28を停止状態(電圧VBを停止)とし、ステップST209に進んで、受電器2における共振調整処理を終了し、その旨を送電側へ通知する。
すなわち、送電器1は、送電側通信部17および受電側通信部27の通信により、受電器2の共振周波数調整処理の終了を認識し、ステップST107における送電を開始する。
すなわち、図10を参照して説明したように、送電側では、ステップST108において、送電側制御部16からの制御信号Spsにより交流電源11は、低電力動作状態ではなく、通常の動作状態とされ、送電用の出力電圧VBを出力する。
従って、送電器1および受電器2は、両方とも共振周波数の調整が行われた状態とされ、この状態で送電器1から受電器2に対して磁界共鳴による電力伝送が行われるため、高い送電効率による電力伝送が可能となる。
さらに、ステップST109に進んで、一定時間が経過したと判定すると、ステップST101(ST201)に戻って同様の処理を繰り返す。すなわち、送電器1および受電器2における共振周波数の調整を所定の間隔で繰り返すようになっている。
ここで、ステップST103において、交流電源11の出力電圧VAは、調整用の低出力電圧とされるため、例えば、送電器1の共振周波数の調整を終了した後に受電器2の共振周波数の調整を開始するのではなく、両者を並列的に行うこともできる。
すなわち、前述したように、送電器1における共振周波数の調整は、必ずしも受電器2における共振周波数の調整の直前に行わなくてもよく、受電器2における共振周波数の調整と同時またはその直後、或いは、他の適切なタイミングで行うこともできる。
このように、第2実施例の無線電力伝送システムによれば、送電器による交流電源の電圧波形の位相を遅滞なく正確に受電器へ伝えなくてもよいため、高速なデータ伝送が可能な専用の通信回路が不要となり、ハード的負担を低減して費用も削減することができる。これは、前述した第1実施例および後述する第3実施例でも同様である。
図13は、第3実施例の無線電力伝送システムを示すブロック図である。り、図14および図15は、図13に示す無線電力伝送システムにおける動作を説明するための図である。図13と前述した図8との比較から明らかなように、第3実施例の無線電力伝送システムでは、送電器1が温度センサ(第2温度センサ)100を含み、受電器2が温度センサ(第1温度センサ)200を含む。
ここで、温度センサ100は、送電器1における電力供給コイル12および送電共振コイル13の温度を測定(検知)し、その温度信号(第2温度信号)Tssを送電側制御部16に出力する。また、温度センサ200は、受電器2における受電共振コイル22および電力取出コイル23の温度を測定し、その温度信号(第1温度信号)Tsjを受電側制御部26に出力する。
なお、例えば、電力供給コイル12および送電共振コイル13が同軸状に配置されていない場合、温度センサ100は、送電共振コイル13の温度を測定するだけでもよい。同様に、例えば、受電共振コイル22および電力取出コイル23が同軸状に配置されていない場合、温度センサ200は、受電共振コイル22の温度を測定するだけでもよい。
次に、図13に示す無線電力伝送システムにおける動作を、図14のタイミングチャートおよび図15のフローチャートを参照して説明する。なお、図14のタイミングチャートにおいて、給電時(期間Tps)および共振調整時(期間TcsおよびTcj)は、実質的に図11と同様であり、その説明は省略する。
また、図15のフローチャートにおいて、送電側(送電器1)のステップST101〜ST108の処理、並びに、受電側(受電器2)のステップST201〜ST209の処理は、実質的に図12と同様であり、その説明は省略する。
図15に示されるように、受電側のステップST209において、受電器2における共振調整処理を終了し、その旨を送電側へ通知して送電側のステップST107で送電を開始すると、受電側では、ステップST210に進む。
すなわち、受電側のステップST210では、受電器2に設けられた温度センサ200が異常を検知したかどうか、すなわち、受電側温度センサ200による受電共振コイル22および電力取出コイル23の温度信号Tsjが異常値かどうかを判定する。ステップST210において、温度センサ200が異常をしないと判定すれば、そのままの状態で、送電器1から受電器2への電力伝送を継続する。
一方、ステップST210において、温度センサ200が異常をしたと判定、すなわち、温度信号Tsjが異常を示す閾値温度Thaを超えたと判定すると、ステップST211に進んで、温度センサ200による異常検知を受信側へ送信する。この受電側のステップST211における異常の検知は、受電側に送信され、ステップST110における送受電温度監視として処理される。
さらに、受電側では、ステップST212に進んで、受電側温度センサ200が正常値を検知したかどうかを判定する。ステップST212において、受電側温度センサ200が正常値を検知しないと判定すると、そのままの状態で受電側温度センサ200が正常値を検知するのを待つ。
なお、受電側のステップST212の処理は、後述するように、送電側では、ステップST112の処理により送電用出力電圧VAが停止されるため、電力伝送も停止されることになり、受電側温度センサ200からの温度信号Tsjは時間と共に低下する。
受電側のステップST212において、受電側温度センサ200が正常値を検知したと判定すると、ステップST213に進んで、送電側に対して受電側温度センサ200が正常値を検知したことを伝えると共に、ステップST210に戻って同様の処理を行う。
図15に示されるように、送電側のステップST108において、交流電源11が通常の送電動作を行うための送電用出力電圧VBを出力すると、ステップST110に進んで、送受電温度監視を行う。
このステップST110における送受電温度監視は、送電器1の温度センサ100による電力供給コイル12および送電共振コイル13の温度監視、並びに、受電器2の温度センサ200による受電共振コイル22および電力取出コイル23の温度監視である。
ここで、送電側温度センサ100により検出された温度信号Tssは、そのまま送電側制御部16に入力されるが、受電側温度センサ200により検出された温度信号Tsjは、通信(通信部17,27等)を介して送電側制御部16に送信される。
すなわち、ステップST111において、送電側温度センサ100または受電側温度センサ200が異常を検知したかどうかを判定し、両方とも異常を検知しないと判定すれば、送受電温度監視を行いながら、送電器1から受電器2への電力伝送を継続する。
一方、ステップST111において、送電側温度センサ100または受電側温度センサ200の少なくとも一方が異常を検知したと判定すると、ステップST112に進んで、送電用出力電圧VAを停止する。すなわち、送電側制御部16は、制御信号Spsにより交流電源11の動作を停止させる。
この交流電源11の動作停止(電圧VBの停止)期間は、図14において、温度センサ(100,200)の温度信号(Tss,Tsj)が異常を示す閾値温度Thaを超えてから、通常動作の上限温度Thbよりも低くなるまでの期間(停止期間)Tstに対応する。
ステップST112で送電用出力電圧VBを停止すると、次に、ステップST113に進んで、再び送受電温度監視を行う。すなわち、ステップST114において、送電側温度センサ100および受電側温度センサ200の両方が正常値を検知したかどうかを判定し、少なくとも一方が異常を検知したと判定すれば、送受電温度監視を行いながら、送電用出力電圧VBの停止を継続する。
一方、ステップST114において、送電側温度センサ100および受電側温度センサ200の両方が正常値を検知したと判定すると、ステップST101(ST201)に戻る。
すなわち、温度センサ100および200により検出された温度信号TssおよびTsjが通常動作の上限温度Thbよりも低くなり、正常値の範囲になったと判定すると、ステップST101およびST201に戻って同様の処理を繰り返す。
なお、図13に示す第3実施例の無線電力伝送システムにおいても、例えば、図7の第1実施例と同様に、送電器1および受電器2に対してそれぞれ目標値設定部143および243を設け、目標値φmsおよびφmjを出力するようにしてもよい。
上述した無線電力伝送システムの実施例において、送電器1および受電器2は1つとして説明したが、それぞれ複数であってもよいのはいうまでもない。また、送電共振コイル(LC共振器)13から受電共振コイル(LC共振器)22への電力伝送は、磁界共鳴(磁界共振)に限定されるものではなく、例えば、電界共鳴(電界共振)等を利用するものであってもよい。
ここに記載されている全ての例および条件的な用語は、読者が、本発明と技術の進展のために発明者により与えられる概念とを理解する際の助けとなるように、教育的な目的を意図したものである。
また、具体的に記載されている上記の例および条件、並びに、本発明の優位性および劣等性を示すことに関する本明細書における例の構成に限定されることなく、解釈されるべきものである。
さらに、本発明の実施例は詳細に説明されているが、本発明の精神および範囲から外れることなく、様々な変更、置換および修正をこれに加えることが可能であると解すべきである。
1 送電器(一次側:送電側)
2 受電器(二次側:受電側)
11 交流電源
12 電力供給コイル
13 送電共振コイル(LC共振器)
14 送電側制御回路
16 送電側制御部
17 送電側通信部
21 負荷デバイス
22 受電共振コイル(LC共振器)
23 電力取出コイル
24 受電側制御回路
26 受電側制御部
27 受電側通信部
28 受電側位相調整用発振部
29 ダミー負荷
100 温度センサ(第2温度センサ)
132,222 コンデンサ(可変コンデンサ:可変容量デバイス)
143,243 目標値設定部
144 送電側フィードバック制御部
145 位相送信部
151 位相比較部(第2位相比較部)
200 温度センサ(第1温度センサ)
211 整流回路(整流用IC)
212 負荷抵抗
241 位相受信部
244 受電側フィードバック制御部
251 位相比較部(第1位相比較部)
SC 送電系コイル
JC 受電系コイル
この出願で言及する実施例は、無線電力伝送システム、受電器および無線電力伝送方法に関する。
近年、電源供給や充電を行うために、無線で電力を伝送する技術が注目されている。例えば、携帯端末やノートパソコンを始めとした様々な電子機器や家電機器、或いは、電力インフラ機器に対して、無線で電力伝送を行う無線電力伝送システムが研究・開発されている。
このような無線電力伝送(ワイヤレス電力伝送:Wireless Power Transfer)としては、一般的に、電磁誘導を利用した技術や電波を利用した技術が知られている。これに対して、近年、送電器と受電器の距離をある程度離しつつ、複数の受電器に対する電力伝送および受電器の三次元的な様々な姿勢に対する電力伝送が可能なものとして、磁界共鳴や電界共振を利用した電力伝送技術に対する期待が高まっている。
従来、磁界共鳴を利用した無線電力伝送技術としては、様々な提案がなされている。
国際公開第2011/099071号 特開2010−148174号公報
前述したように、従来、電源供給や充電を行うために無線で電力を伝送する無線電力伝送技術が注目されている。しかしながら、例えば、電力伝送に使用する送電器と受電器の共振周波数に位相ずれが存在すると伝送効率が低下するため、リアルタイムの位相制御を行って伝送効率の低下を防ぐことが考えられている。
しかしながら、無線電力伝送システムにおける共振周波数は、例えば、数百KHz〜数十MHzであるため、リアルタイムの位相制御を行うためには、例えば、送電器および受電器に対して専用の通信回路を設けることになる。その結果、送電器および受電器のハード的負荷が増大して費用も嵩むことになる。
一実施形態によれば、送電器からの電力を、磁界共鳴または電界共鳴を利用して無線により受け取る受電共振コイルと、受電側位相調整用発振部と、受電側通信部と、受電側制御部と、を有する受電器が提供される。
前記受電側位相調整用発振部は、所定の周波数で発振する電圧を出力し、前記受電側通信部は、前記送電器との間で通信を行う。前記受電側制御部は、前記受電側通信部からの出力を受け取り、前記受電側位相調整用発振部からの出力電圧を使用して前記受電共振コイルの共振周波数の調整を行う。
開示の無線電力伝送システム、受電器および無線電力伝送方法は、ハード的負荷および費用の増加を抑えつつ電力伝送の効率を向上させることができるという効果を奏する。
図1は、無線電力伝送システムを模式的に示す図である。 図2は、無線電力伝送システムの一例を示すブロック図である。 図3は、図2に示す無線電力伝送システムを制御系に注目して示すブロック図である。 図4Aは、図2および図3に示す無線電力伝送システムにおける共振周波数の制御を説明するための図(その1)である。 図4Bは、図2および図3に示す無線電力伝送システムにおける共振周波数の制御を説明するための図(その2)である。 図5Aは、図2および図3に示す無線電力伝送システムにおけるシミュレーション条件を説明するための図(その1)である。 図5Bは、図2および図3に示す無線電力伝送システムにおけるシミュレーション条件を説明するための図(その2)である。 図6Aは、図5Aおよび図5Bに示すシミュレーション条件で行った図2および図3に示す無線電力伝送システムのシミュレーション結果を示す図(その1)である。 図6Bは、図5Aおよび図5Bに示すシミュレーション条件で行った図2および図3に示す無線電力伝送システムのシミュレーション結果を示す図(その2)である。 図7は、第1実施例の無線電力伝送システムを示すブロック図である。 図8は、第2実施例の無線電力伝送システムを示すブロック図である。 図9は、図8に示す無線電力伝送システムにおける動作を説明するための図(その1)である。 図10は、図8に示す無線電力伝送システムにおける動作を説明するための図(その2)である。 図11は、図8に示す無線電力伝送システムにおける動作を説明するための図(その3)である。 図12は、図8に示す無線電力伝送システムにおける動作を説明するための図(その4)である。 図13は、第3実施例の無線電力伝送システムを示すブロック図である。 図14は、図13に示す無線電力伝送システムにおける動作を説明するための図(その1)である。 図15は、図13に示す無線電力伝送システムにおける動作を説明するための図(その2)である。
まず、無線電力伝送(ワイヤレス電力伝送)システム、受電器および無線電力伝送方法の実施例を詳述する前に、無線電力伝送システムの一例およびその課題を、図1〜図6Bを参照して説明する。
図1は、無線電力伝送システムを模式的に示す図である。図1に示されるように、無線電力伝送システムは、一次側(送電側:送電器)1および二次側(受電側:受電器)2を有する。なお、送電器1および受電器2は、それぞれ複数であってもよい。
送電器1は、交流電源11と、電力供給コイル12および送電共振コイル13を含む送電系コイルSCとを有し、受電器2は、受電共振コイル22および電力取出コイル23を含む受電系コイルJCと、負荷デバイス21とを有する。
図1に示されるように、送電器1および受電器2は、送電共振コイル(LC共振器)13と受電共振コイル(LC共振器)22の間の磁界共鳴(磁界共振)により、送電器1から受電器2へエネルギー(電力)の伝送を行う。ここで、LC共振器13から22への電力伝送は、磁界共鳴だけでなく電界共鳴(電界共振)等も可能であるが、以下の説明では、主として磁界共鳴を例として説明する。
なお、送電系コイルSCにおいて、電力供給コイル12から送電共振コイル13への電力伝送は電磁誘導を利用して行い、また、受電系コイルJCにおいて、受電共振コイル22から電力取出コイル23への電力伝送も電磁誘導を利用して行うようになっている。
図2は、無線電力伝送システムの一例を示すブロック図であり、図1に示す無線電力伝送システムをより詳細にしめすものである。図2に示されるように、電力伝送システムは、送電系コイルSC、受電系コイルJC、交流電源11、送電側制御回路14、負荷となるデバイス21、および、受電側制御回路24を備える。
前述したように、送電系コイルSCは、電力供給コイル12および送電共振コイル13を含む。電力供給コイル12は、例えば、銅線またはアルミニウム線などの金属線が円周状に複数回巻かれたものであり、その両端に交流電源11による交流電圧(高周波電圧)が印加される。
送電共振コイル13は、例えば、銅線またはアルミニウム線などの金属線が円周状に巻かれたコイル131、および、コイル131の両端に接続されたコンデンサ132を含み、それらによる共振回路を形成する。なお、共振周波数f0は、次の式(1)で示される。
f0=1/{2π(LC)1/2} …… (1)
ここで、Lはコイル131のインダクタンス、Cはコンデンサ132の静電容量である。
送電共振コイル13のコイル131は、例えば、ワンターンコイルであり、また、コンデンサ132は、種々の形式のコンデンサが適用可能であるが、できるだけ損失が少なく十分な耐圧を有するものが好ましい。
図2に示す無線電力伝送システムでは、共振周波数を可変するために、コンデンサ132として可変コンデンサが用いられている。可変コンデンサとしては、例えば、MEMS技術を用いて製作された可変容量デバイスや半導体を用いた可変容量デバイス(バラクタ)を適用することができる。
電力供給コイル12および送電共振コイル13は、電磁的に互いに密に結合するように、例えば、同一平面上で同心状に配置される。すなわち、送電共振コイル13の内側に電力供給コイル12が設けられた状態で配置される。或いは、送電共振コイル13および電力供給コイル12は、同軸上で適当な距離をあけて配置してもよい。
この状態で、交流電源11から電力供給コイル12に交流電圧が印加されると、電力供給コイル12に生じた交番磁界による電磁誘導によって送電共振コイル13に共振電流が流れる。すなわち、電磁誘導によって、電力供給コイル12から送電共振コイル13に電力が伝送される。
また、受電系コイルJCは、受電共振コイル22および電力取出コイル23を含む。受電共振コイル22は、例えば、銅線またはアルミニウム線などの金属線が円周状に巻かれたコイル221、および、コイル221の両端に接続されたコンデンサ222を含む。受電共振コイル22の共振周波数f0は、コイル221のインダクタンスおよびコンデンサ222の静電容量に従って、前述した式(1)で示される。
受電共振コイル22のコイル221は、例えば、ワンターンコイルであり、また、コンデンサ222は、前述したように、種々の形式のコンデンサが適用可能である。図2に示す無線電力伝送システムでは、共振周波数を可変するために、コンデンサ222として可変コンデンサが用いられる。
可変コンデンサとしては、コンデンサ132と同様に、例えば、MEMS技術を用いて製作された可変容量デバイスや半導体を用いたバラクタを適用することができる。
電力取出コイル23は、例えば、銅線またはアルミニウム線などの金属線が円周状に複数回巻かれたものであり、その両端に負荷であるデバイス21が接続される。なお、負荷デバイス21としては、例えば、受電器2の電源として使用するバッテリやそのバッテリを充電するための回路である。
受電共振コイル22および電力取出コイル23は、電磁的に互いに密に結合するように、例えば、同一平面上で同心状に配置される。すなわち、受電共振コイル22の内側に電力取出コイル23が設けられた状態で配置される。或いは、受電共振コイル22および電力取出コイル23は、同軸上で適当な距離をあけて配置してもよい。
この状態で、受電共振コイル22に共振電流が流れると、それによって発生した交番磁界による電磁誘導によって電力取出コイル23に電流が流れる。すなわち、電磁誘導によって、受電共振コイル22から電力取出コイル23に電力が送られる。
ここで、送電系コイルSCから受電系コイルJCへは、磁界共鳴によって無線で電力を伝送するため、図2に示されるように、コイル面が互いに平行で、コイル軸心が互いに一致するかまたは余りずれないように、互いに適当な距離の範囲内に配置される。
図2に示されるように、電力伝送システムにおいて、コイル軸心KSに沿う方向が磁界KKの主な放射方向であり、送電系コイルSCから受電系コイルJCに向かう方向が送電方向SHである。
ここで、送電共振コイル13の共振周波数fsおよび受電共振コイル22の共振周波数fjが、両方とも交流電源11の周波数fdと一致しているとき、最大の電力が伝送される。
しかしながら、それらの共振周波数fsおよびfjが互いにずれたり、共振周波数fsおよびfjと交流電源11の周波数fdとがずれたりすると、伝送される電力は低下し、電力伝送の効率が低下することになる。
そこで、図2に示す電力伝送システムでは、送電側制御回路14および受電側制御回路24により、交流電源11の位相φvs、並びに、送電共振コイル13および受電共振コイル22に流れる電流の位相φisおよびφijを用いて、共振周波数の制御を行う。
ここで、送電側制御回路14は、送電系コイルSCに印加される電圧Vsの位相φvsおよび送電系コイルSCに流れる電流Isの位相φisを検出し、位相差Δφsが所定の目標値φmsとなるように、送電系コイルSCの共振周波数fsを可変制御する。
すなわち、送電側制御回路14は、電流検出センサSE1、位相検出部141,142、目標値設定部143、送電側フィードバック制御部144、および、位相送信部145を有する。
電流検出センサSE1は、送電共振コイル13に流れる電流Isを検出する。電流検出センサSE1としては、例えば、ホール素子、磁気抵抗素子または検出コイルなどを用いることができる。この電流検出センサSE1は、例えば、電流Isの波形に応じた電圧信号を出力する。
位相検出部141は、電力供給コイル12に印加される電圧Vsの位相φvsを検出し、例えば、電圧Vsの波形に応じた電圧信号を出力する。ここで、位相検出部141は、電圧Vsをそのまま出力してもよく、また、適当な抵抗によって分圧して出力してもよい。そのため、位相検出部141は、単なる導線、或いは、1つまたは複数の抵抗素子とすることもできる。
位相検出部142は、電流検出センサSE1からの出力に基づいて、送電共振コイル13に流れる電流Isの位相φisを検出し、例えば、電流Isの波形に応じた電圧信号を出力する。ここで、位相検出部142は、電流検出センサSE1の出力をそのまま出力してもよい。そのため、電流検出センサSE1は、位相検出部142を兼ねるようにすることもできる。
目標値設定部143は、位相差Δφsの目標値φmsを設定して記憶する。そのため、目標値設定部143には、目標値φmsを記憶するためのメモリが設けられている。目標値φmsとしては、例えば、「−180°(−π radian)」または「−180°に適当な補正値aを加えた値」などが設定される。
なお、目標値φmsの設定は、予め記憶された1つまたは複数のデータの中から選択することにより行ってもよく、また、CPUやキーボードなどからの指令によって行われるようにしてもよい。
送電側フィードバック制御部144は、交流電源11の電圧Vsの位相φvsと送電共振コイル13の電流Isの位相φisとの位相差Δφsが、設定された目標値φmsとなるように、送電共振コイル13の共振周波数fsを可変制御する。
位相送信部145は、電力供給コイル12に供給される電圧Vsの位相φvsについての情報を、受電側制御回路24に対してアナログ信号またはデジタル信号として無線で送信する。ここで、例えば、S/N比を向上させるために、電圧Vsの波形に応じた電圧信号を整数倍に逓倍して送信することもできる。
受電側制御回路24は、送電系コイルSCに供給される電圧VSの位相φvsおよび受電系コイルJCに流れる電流Ijの位相φijを検出し、それらの位相差Δφjが所定の目標値φmjとなるように、受電系コイルJCの共振周波数fjを可変制御する。
すなわち、受電側制御回路24は、電流検出センサSE2、位相受信部241、位相検出部242、目標値設定部243、および、受電側フィードバック制御部244を有する。
電流検出センサSE2は、受電共振コイル22に流れる電流Ijを検出する。電流検出センサSE2としては、例えば、ホール素子、磁気抵抗素子または検出コイルなどを用いることができる。この電流検出センサSE2は、例えば、電流Ijの波形に応じた電圧信号を出力する。
位相受信部241は、位相送信部145から送信された位相φvsについての情報を受け取って出力する。ここで、位相送信部145で電圧信号を逓倍した場合には、位相受信部241で元に戻すために分周を行う。位相受信部241は、例えば、電圧Vsに応じた電圧信号を出力する。
位相検出部242は、電流検出センサSE2からの出力に基づいて、受電共振コイル22に流れる電流Ijの位相φijを検出し、例えば、電流Ijの波形に応じた電圧信号を出力する。ここで、位相検出部242は、電流検出センサSE2の出力をそのまま出力してもよい。そのため、電流検出センサSE2は、位相検出部242を兼ねるようにすることもできる。
目標値設定部243は、位相差Δφjの目標値φmjを設定して記憶する。そのため、目標値設定部243には、目標値φmjを記憶するためのメモリが設けられている。目標値φmjとして、例えば、送電側制御回路14における目標値φmsに「−90°(−π/2 radian)」を加算した値が設定される。
すなわち、目標値φmjとしては、例えば、「−270°(−3π/2 radian)」または「−270°に適当な補正値aを加えた値」などが設定される。なお、目標値φmjの設定方法などについては、目標値φmsの場合と同様である。
受電側フィードバック制御部244は、交流電源11の電圧Vsの位相φvsと受電共振コイル22の電流Ijの位相φijとの位相差Δφjが、設定された目標値φmjとなるように、受電共振コイル22の共振周波数fjを可変制御する。
なお、送電側制御回路14における目標値設定部143と送電側フィードバック制御部144、並びに、受電側制御回路24における目標値設定部243と受電側フィードバック制御部244は、それぞれ共振周波数制御部の単なる例である。
図3は、図2に示す無線電力伝送システムを制御系に注目して示すブロック図であり、送電器1の送電側フィードバック制御部144、および、受電器2の受電側フィードバック制御部244を詳細に示すものである。
ここで、図3のブロック図では、簡略化のために、図2における位相検出部141,142,241,242は省略されている。すなわち、図3では、電流検出センサSE1から送電共振コイル13に流れる電流Isの位相φisが直接出力されているが、この位相φisは、例えば、送電側フィードバック制御部144に設けた位相検出部142を介して出力されてもよい。
図3に示されるように、送電側フィードバック制御部144は、位相比較部151、加算部152、ゲイン調整部153,154、補償部155、ドライバ156、および、極性反転部157などを備える。
位相比較部151は、電流検出センサSE1で検出された電流Isの位相φisと、交流電源11の電圧Vsの位相φvsとを比較し、それらの差である位相差Δφsを出力する。
加算部152は、位相比較151の出力する位相差Δφsから、目標値設定部143に設定された目標値φmsを減算(反転して加算)する。従って、位相差Δφsと目標値φmsが一致したときに、加算部152の出力は零となる。
加算部152の出力は、極性反転部157により極性が反転されて、ゲイン調整部154に入力され、さらに、補償部155に入力される。ここで、ゲイン調整部153および154は、制御が正しく行われるように、それぞれ入力される値またはデータに対するゲイン(利得)を調整し、或いは、データなどの換算を行う。
補償部155は、例えば、低周波成分に対するゲインを定める。すなわち、送電側フィードバック制御部144は、例えば、コンデンサ132であるMEMS可変容量デバイスに対するフィードバック制御を行うサーボ系とみることができる。
従って、補償部155には、サーボ系の安定化、高速化、高精度化を図るための適当なサーボフィルタが用いられる。また、このようなサーボ系においてPID(Proportional Integral Derivative Controller)動作を行わせるためのフィルタ回路または微分積分回路などが、適宜使用される。
ドライバ156は、例えば、コンデンサ132であるMEMS可変容量デバイスに対して制御信号KSsを出力し、そのMEMS可変容量デバイスの静電容量を可変制御する。
ここで、MEMS可変容量デバイス(MEMS可変キャパシタ)は、例えば、ガラスの基板上に下部電極および上部電極を設け、それら電極間に印加する電圧による静電吸引力で生じる撓みに起因した間隙の変化を利用して、静電容量を変化させるようになっている。
なお、MEMS可変容量デバイス(コンデンサ132)は、キャパシタのための電極と駆動のための電極とが別個に設けられることもある。また、駆動のための電極に印加する電圧と静電容量の変化量との関係が線形ではないため、例えば、ドライバ156において、その変換のための演算またはテーブル換算などを適宜行うようになっている。
受電側フィードバック制御部244は、位相比較部251、加算部252、ゲイン調整部253,254、補償部255、ドライバ256、および、極性反転部257などを備える。
なお、受電側フィードバック制御部244における各部の動作は、実質的に、上述した送電側フィードバック制御部144における各部の動作と同様なので、その説明は省略する。
なお、図2における送電側制御回路14および受電側制御回路24、並びに、図3における送電側フィードバック制御部144および受電側フィードバック制御部244などは、ソフトウエアまたはハードウエア、或いは、それらの組み合わせで実現可能である。
例えば、CPU、ROMおよびRAMなどのメモリ、その他の周辺素子などを含むコンピュータを用い、適当なコンピュータプログラムをCPUに実行させることで実現することができる。その場合、適当なハードウエア回路を併用することになる。
図4Aおよび図4Bは、図2および図3に示す無線電力伝送システムにおける共振周波数の制御を説明するための図である。ここで、図4Aにおいて、横軸は交流電源11の周波数f[MHz]を示し、縦軸は各コイルに流れる電流Iの大きさ[dB]を示す。また、図4Bにおいて、横軸は交流電源11の周波数f[MHz]を示し、縦軸は各コイルに流れる電流Iの位相φ[radian]を示す。
なお、位相φは、交流電源11の電圧Vsの位相φvs、つまり電力供給コイル12に供給される電圧Vsの位相φvsを基準とし、その位相差Δφを示す。すなわち、位相φvsと一致した場合には、位相φが0となる。
各曲線に付した参照符号CBA1〜CBA4およびCBB1〜CBB4において、末尾の数字1、2、3、4は、それぞれ、電力供給コイル12、送電共振コイル13、受電共振コイル22、電力取出コイル23に対応することを示す。
さらに、図4Aおよび図4Bは、共振周波数制御において、送電共振コイル13、または、送電共振コイル13および受電共振コイル22を、その共振周波数fs,fjが10MHzとなるように制御する場合を示す。
このとき、目標値設定部143の目標値φmsは「−π radian (−180°)」に設定され、目標値設定部143の目標値φmjは「−3π/2 radian (−270°)」に設定される。
すなわち、目標値φmjは、目標値φmsに−π/2を加算した値「φms−π/2」、つまり目標値φmsよりもπ/2遅れた位相が設定される。
曲線CBA2に示されるように、送電共振コイル13の電流Isは、交流電源11の周波数fdと一致する10MHzにおいて最大となっている。また、曲線CBB2に示されるように、送電共振コイル13の電流Isの位相φisは、共振周波数fsである10MHzにおいて、−πとなっている。つまり、目標値φmsと一致している。
ここで、送電共振コイル13は、電力供給コイル12からみて直列共振回路と見ることができ、共振周波数fsよりも低い周波数fdにおいては容量性となって−π/2に近づき、高い周波数fdにおいては誘導性となって−3π/2に近づく。
このように、送電共振コイル13に流れる電流Isの位相φisは、共振周波数fsの近辺において大きく変化する。位相φisつまり位相差Δφsが−πとなるように制御することによって、送電共振コイル13の共振周波数fsを電圧Vsの周波数fdに高精度で一致させることができる。
なお、曲線CBA1に示されるように、電力供給コイル12に流れる電流Iも、共振周波数fsにおいて最大となる。曲線CBB1に示されるように、電力供給コイル12に流れる電流Iの位相φiは、共振周波数fsの近辺において零または進み位相となり、共振周波数fsから外れると−π/2となる。
曲線CBA3に示されるように、受電共振コイル22の電流Ijは、交流電源11の周波数fdと一致する10MHzにおいて最大となっている。
曲線CBB3に示されるように、受電共振コイル22の電流Ijの位相φijは、共振周波数fsである10MHzにおいて、−3π/2となっている。つまり、目標値φmjと一致している。また、周波数fdが共振周波数fsよりも低くなった場合に、位相差Δφが減少して−π/2に近づき、共振周波数fsよりも高くなった場合に、位相差Δφが増大して−5π/2つまり−π/2に近づく。
このように、送電共振コイル13および受電共振コイル22に流れる電流Is,Ijの位相φis,φijは、共振周波数fs,fjの近辺において大きく変化する。位相φis,φijつまり位相差Δφs,Δφjが−πまたは−3π/2となるように制御することによって、送電共振コイル13および受電共振コイル22の共振周波数fs,fjを電圧Vsの周波数fdに高精度で一致させることができる。
これにより、環境要因などの変化があっても、送電系コイルSCおよび受電系コイルJCの共振周波数を交流電源11の周波数fdに正確に一致させることができ、送電装置3から受電装置4に対して、常に最大の効率で電力を伝送することが可能になる。
さらに、交流電源の電圧Vsに対するコイル電流の位相差Δφを基に制御を行うため、例えば、スイープサーチ法による場合のように電流の振幅の変動による影響を受けることがなく、正確な制御を行うことができる。
なお、スイープサーチ法では、例えば、送電系コイルSCまたは受電系コイルJCにおけるLまたはCをスイープさせ、コイルの電流値が最大(ピーク)となる位置を試行錯誤的にサーチする。
図5Aおよび図5Bは、図2および図3に示す無線電力伝送システムにおけるシミュレーション条件を説明するための図である。図5Aに示されるように、シミュレーション条件としては、電力供給コイル12および送電共振コイル13を同一平面上で同心状に配置し、受電共振コイル22および電力取出コイル23も同一平面上で同心状に配置した。
また、送電系コイルSC(電力供給コイル12および送電共振コイル13)と受電系コイルJC(受電共振コイル22および電力取出コイル23)との距離ddを25mmに設定し、駆動周波数(交流電源11の周波数fd)を7MHzに設定した。さらに、負荷(負荷デバイス21の抵抗値)を10Ωに設定し、各コイルの巻線の太さをφ0.5mmに設定した。
さらに、図5Bに示されるように、電力供給コイル12の外径をφ30mmとし巻数を1回に設定し、送電共振コイル13の外径をφ40mmとし巻数を5回に設定した。また、受電共振コイル22の外径をφ30mmとし巻数を5回に設定し、電力取出コイル23の外径をφ20mmとし巻数を1回に設定した。なお、送電共振コイル13および受電共振コイル22における隣接する巻線の中心間の距離(ピッチ)を、0.8mmに設定した。
図6Aおよび図6Bは、図5Aおよび図5Bに示すシミュレーション条件で行った図2および図3に示す無線電力伝送システムのシミュレーション結果を示す図である。
ここで、図6Aにおいて、縦軸は駆動電圧の振幅を正規化(最大振幅が『1』)して示し、横軸は時間を正規化(1/7MHzが『1』)して示す。また、参照符号φdは、送電側の駆動電圧LL1および受電側の駆動電圧LL2の位相遅れを示す。さらに、図6Bにおいて、縦軸は送電効率(最大が『1』)を示し、横軸は位相遅れφd(deg:°)を示す。
図6Bに示されるように、送電効率は、送電側の駆動電圧LL1および受電側の駆動電圧LL2の位相遅れφdが大きくなるに従って低下する。特に、位相遅れφdが40°を超えると、送電効率が大幅に低下するのが分かる。
なお、駆動周波数が7MHzのとき、1°の位相遅れに対する遅延時間tdは、td=1÷(7×106×360)=3.97×10-10 [sec] に対応する。従って、例えば、30°の位相遅れに対応する遅延時間Tdは、Td=3.97×10-10×30=1.19×10-8 [sec]、すなわち、11.9nsec になる。
上述したように、例えば、図2および図3に示す無線電力伝送システムにより電力の伝送を行う場合、非常に短い遅延時間tdに対しても送電効率が低下することになる。そのため、受電側の制御には、交流電源11の電圧波形の位相を遅滞なく正確に認識することが前提となる。
ここで、送電器1および受電器2は、互いの位置や送電電力等に関する情報を送受信する通信回路を有しているが、これらの通信回路では、例えば、7MHz(一般的に、数百KHz〜数十MHz)の駆動電圧の位相制御を行うデータを処理するのは困難である。
そのため、図2および図3に示す無線電力伝送システムでは、送電器1に専用の位相送信部145を設けると共に、受電器2に専用の位相受信部241を設け、送電器1における交流電源11の電圧波形の位相を遅滞なく正確に受電器2へ伝えるようになっている。
このように、図2および図3に示す無線電力伝送システムでは、大量のデータ伝送が可能な専用の位相送信部145および位相受信部241をそれぞれ送電器1および受電器2に設けるため、ハード的負担が大きくなって費用も嵩むことになる。
以下、無線電力伝送(ワイヤレス電力伝送)システムおよび無線電力伝送方法の実施例を、添付図面を参照して詳述する。図7は、第1実施例の無線電力伝送システムを示すブロック図である。
図7と前述した図3との比較から明らかなように、第1実施例の無線電力伝送システムでは、送電器1において、専用の位相送信部145の代わりに、送電側制御部16および送電側通信部17を設けている。
さらに、第1実施例の無線電力伝送システムは、受電器2において、専用の位相受信部241の代わりに、受電側制御部26,受電側通信部27および受電側位相調整用発振部28を設けている。
ここで、第1実施例の無線電力伝送システムでは、例えば、図3に示す無線電力伝送システムのような大量のデータ伝送が不要なため、送電側通信部17および受電側通信部27は、互いの位置や送電電力等の情報を送受信する通信回路を兼用してもよい。
すなわち、第1実施例の無線電力伝送システムでは、例えば、数百KHz〜数十MHzの共振周波数をリアルタイムで位相制御しなくてもよいため、一般的に設けられている通信回路をそのまま利用することができる。
なお、送電器1における交流電源11、電力供給コイル12、送電共振コイル13、コンデンサ132、電流検出センサSE1、および、送電側フィードバック制御部144等の構成および動作は、実質的に図3を参照して説明したのと同様である。
また、受電器2における受電共振コイル22、電力取出コイル23、コンデンサ222、電流検出センサSE2、および、受電側フィードバック制御部244等の構成および動作は、実質的に図3を参照して説明したのと同様である。
ここで、図7に示す第1実施例の無線電力伝送システムでは、送電器1における目標値φmsは目標値設定部143から出力され、また、受電器2における目標値φmjは目標値設定部243から出力されている。
図8は、第2実施例の無線電力伝送システムを示すブロック図であり、図9〜図12は、図8に示す無線電力伝送システムにおける動作を説明するための図である。
ここで、図8〜図10は、送電器1において、送電側制御部16、送電側通信部17、交流電源11、電力供給コイル12、送電共振コイル13、コンデンサ(可変容量デバイス)132および送電側フィードバック制御部144に注目して示したものである。
なお、前述した図7では、送電器1の位相比較部(第2位相比較部)151が送電側フィードバック制御部144の内部に設けられているが、図8〜図10では、位相比較部151と送電側フィードバック制御部144(位相比較部151を除く)が別に描かれている。
また、図8〜図10は、受電器2において、受電側制御部26、受電側通信部27、受電側位相調整用発振部28、受電共振コイル22、電力取出コイル23、コンデンサ222および受電側フィードバック制御部244に注目して示したものでもある。
なお、前述した図7では、受電器2の位相比較部(第1位相比較部)251が受電側フィードバック制御部244の内部に設けられているが、図8〜図10では、位相比較部251と受電側フィードバック制御部244(位相比較部251を除く)が別に描かれている。
さらに、図8〜図10において、整流回路211および負荷(例えば、バッテリ:抵抗値RL)212を有する負荷デバイス21、並びに、負荷212の抵抗値RLにほぼ等しい抵抗値RL’のダミー負荷29もスイッチSW1〜SW4と共に描かれている。
また、図8〜図10において、電力供給コイル12、送電共振コイル13、受電共振コイル22および電力取出コイル23の各コイルは、それぞれ抵抗R1,R2,R13およびR4並びにインダクタL1,L2,L3およびL4により等価回路的に描かれている。なお、電力供給コイル12、送電共振コイル13、受電共振コイル22および電力取出コイル23に流れる電流は、I1,I2,I3およびI4として示されている。
そして、図8に示す第2実施例の無線電力伝送システムでは、送電器1における目標値φmsは送電側制御部16から出力され、また、受電器2における目標値φmjは受電側制御部26から出力されるようになっている。
すなわち、第2実施例の無線電力伝送システムは、送電器1が目標値設定部143を有しておらず、受電器2が目標値設定部243を有していない点を除いて、実質的に第1実施例の無線電力伝送システムと同様の構成とされている。
従って、第1実施例の無線電力伝送システムの動作は、目標値φmsおよびφmjの出力個所が異なるだけで、以下に詳述する第2実施例の無線電力伝送システムの動作と同様である。
このように、目標値φmsおよびφmjを送電側制御部16および受電側制御部26から出力することにより、各目標値を、利用する無線電力伝送システムに最適な値として制御し、或いは、他の機能を実現するためにて変化させて制御することが可能になる。
図8に示されるように、送電器1において、送電側フィードバック制御部144に対する目標値(位相差Δφsの目標値)φmsは、送電側制御部16から出力され、また、交流電源11は、送電側制御部16からの制御信号Spsにより制御される。
さらに、受電器2において、受電側フィードバック制御部244に対する目標値(位相差Δφjの目標値)φmjは、受電側制御部26から出力され、また、受電側位相調整用発振部28は、受電側制御部26からの制御信号Spjにより制御される。
ここで、受電器2における受電側位相調整用発振部28は、電力伝送に使用する周波数、すなわち、送電器1における交流電源11と同じ固定の発振周波数の信号(電圧VB)を出力する。なお、交流電源11および受電側位相調整用発振部28は、例えば、水晶振動子を利用してその発振周波数が正確に同じ周波数に制御されている。
図8に示されるように、受電器2において、受電共振コイル22にはスイッチSW1が設けられ、受電側位相調整用発振部28と受電共振コイル22の間にはスイッチSW2が設けられている。
また、受電器2において、電力取出コイル23と負荷デバイス21の間にはスイッチSW3が設けられ、電力取出コイル23の両端には、スイッチSW4を介してダミー負荷29が設けられている。
スイッチSW1〜SW4は、例えば、ゲートに制御信号が印加されたnチャネル型MOSトランジスタ(nMOSトランジスタ)とされ、各制御信号のレベルが高レベル『H』のときにオンし、低レベル『L』のときにオフする。
なお、スイッチSW1およびSW3の制御端子(nMOSトランジスタのゲート)には、受電側制御部26からの制御信号CSjが印加され、スイッチSW2およびSW4の制御端子には、制御信号CSjをインバータで反転した制御信号/CSjが印加される。
まず、受電側制御部26からの制御信号CSjが『L』(制御信号/CSjが『H』)のとき、スイッチSW1およびSW3がオフしてスイッチSW2およびSW4がオンする。この状態は、図9に示す共振周波数の調整時に対応する。
すなわち、図9に示されるように、共振周波数の調整時において、受電器2の受電側位相調整用発振部28は、受電側制御部26からの制御信号Spjにより動作状態(オン)とされる。
さらに、スイッチSW1がオフでスイッチSW2がオンすることで、受電側位相調整用発振部28の出力電圧VBは、受電共振コイル22の両端に印加される。このとき、電力取出コイル23は、スイッチSW3がオフすることで負荷デバイス21と切り離され、代わりに、オン状態のスイッチSW4を介してダミー負荷29に接続される。
ここで、ダミー負荷29の抵抗値RL’は、負荷デバイス21の負荷212の抵抗値RLとほぼ等しく設定され、また、受電側制御部26から受電側フィードバック制御部244に与えられる目標値φmjは、例えば、0°に設定されている。
なお、受電側位相調整用発振部28からの出力電圧VBは、受電器2における共振周波数を調整するために使用されるので、その電力容量は微小でよい。そのため、微小電力容量の電圧VBでは、例えば、負荷デバイス21の整流回路(整流用IC)211が動作せず、或いは、非線形特性により負荷抵抗212の抵抗値RLが正確に反映されないことになる。
そこで、電力取出コイル23に対して、実際の負荷デバイス21の代わりに、負荷抵抗212に相当するダミー負荷29を接続し、微小電力容量の電圧VBで受電器2の共振周波数調整を行うようになっている。
以上により、受電器2において、受電側位相調整用発振部28の出力電圧VBの位相φvs’と、その電圧VBにより受電共振コイル22を流れる電流I3の位相φijとの位相差Δφjが目標値φmj(=0°)となるようにフィードバック制御が行われる。すなわち、受電側フィードバック制御部244は、位相差Δφjが目標値φmjとなるように、制御信号KSjを介してコンデンサ222の静電容量を所定の値に制御する。
なお、第2実施例の無線電力伝送システムでは、図11のタイミングチャートに示されるように、共振周波数の調整時(共振調整)において、まず、期間Tcsで送電器1の共振周波数を調整し、その後、期間Tcjで受電器2の共振周波数を調整する。
従って、図11に示されるように、上述した受電器2における共振周波数の調整は、共振調整の処理を行う期間の後半の期間Tcjで行い、前半の期間期間Tcsでは、送電器1における共振周波数の調整を行うようになっている。
すなわち、共振調整の処理を行う期間の前半の期間期間Tcsにおいて、送電器1の交流電源11は、送電側制御部16からの制御信号Spsにより低出力状態(調整用出力状態)とされる。
この交流電源11の低出力状態において、交流電源11は、受電器2に対して電力を伝送するための電圧を出力するのではなく、単に、送電器1における共振周波数を調整するための低い電圧を出力する。
これにより、送電器1では、交流電源11の出力電圧VAの位相φvsと、その電圧VAにより送電共振コイル13を流れる電流Isの位相φisとの位相差Δφjが目標値φmj(=180°)となるようにフィードバック制御が行われる。
このフィードバック制御は、例えば、図2〜図4Bを参照して説明したように、送電側フィードバック制御部144が、位相差Δφsが目標値φmsとなるように、制御信号KSsを介してコンデンサ132の静電容量を所定の値に制御する。
ここで、送電器1における共振周波数の調整は、必ずしも受電器2における共振周波数の調整の直前に行わなくてもよく、受電器2における共振周波数の調整と同時またはその直後、或いは、他の適切なタイミングで行うこともできる。
次に、受電側制御部26からの制御信号CSjが『H』(制御信号/CSjが『L』)のとき、スイッチSW1およびSW3がオンしてスイッチSW2およびSW4がオフする。この状態は、図10に示す給電時(通常の送電器1から受電器2へ無線により電力を伝送する状態)に対応する。
すなわち、図10に示されるように、給電時において、受電器2の受電側位相調整用発振部28は、受電側制御部26からの制御信号Spjにより停止状態(オフ)とされ、また、スイッチSW2がオフとなって受電共振コイル22から切り離される。
さらに、スイッチSW1がオンすることで受電共振コイル22は、送電器1における送電共振コイル13からの電力を磁界共鳴(磁界共振)により受け取る。このとき、電力取出コイル23は、スイッチSW3がオンしてスイッチSW4がオフすることで負荷デバイス21に接続される。
また、送電器1では、送電側制御部16からの制御信号Spsにより交流電源11は、動作状態(低電力動作状態ではなく、通常の動作状態)とされる。
ここで、送電器1における送電共振コイル13の共振周波数は、期間Tcsで交流電源11の周波数と一致するように制御され、受電器2における受電共振コイル22の共振周波数は、受電側位相調整用発振部28の周波数と一致するように制御されている。また、交流電源11の周波数と受電側位相調整用発振部28の周波数とは、例えば、水晶振動子を利用して正確に制御されている。
従って、双方で共振周波数の調整が行われた送電器1から受電器2への磁界共鳴による電力伝送は、高い送電効率で行うことが可能になる。図11では、送電器1および受電器2における共振周波数の調整期間(Tcs,Tcj:共振調整)が所定の間隔で繰り返されるようになっている。
なお、この共振調整を繰り返す所定の間隔としては、送電器1および受電器2の数や電力容量、或いは、周囲の環境等により様々に設定することができ、例えば、数分間隔に設定することができる。
次に、図12のフローチャートを参照して、第2実施例の無線電力伝送システムの動作の流れを説明する。まず、無線電力伝送処理が開始(スタート)すると、ステップST101およびST201において、送電側(送電器1)の送電側通信部17および受電側(受電器2)の受電側通信部27により通信および応答確認を行って、次のステップに進む。
すなわち、ステップST101およびST201では、例えば、受電器2が送電器1により送電可能な範囲に存在するか、並びに、受電器2の位置や傾きおよび送電する電力等の情報の受け渡し、或いは、有料の電力伝送システムにおける受電器2の認証等を行う。
送電側では、次に、ステップST102に進んで、図9および図11の期間Tcsを参照して説明した送電器1における共振周波数の調整(共振調整)を開始する。すなわち、ステップST103において、交流電源11の出力電圧VAを調整用出力電圧(低出力電圧)とし、ステップST104に進んで位相差の制御を行う。
すなわち、ステップST104では、送電側フィードバック制御部144による位相差の制御処理を行い、ステップST105において、位相差Δφsが目標値φmsよりも小さくなるまでステップST104の位相差の制御処理を繰り返す。
そして、ステップST105において、位相差Δφsが目標値φmsにより規定された範囲内になったと判定すると、ステップST106に進んで、送電器1における共振調整処理を終了し、次のステップST107に進む。
ここで、図9および図11を参照して説明したように、期間Tcsにおいて送電器1の共振周波数調整処理が終了すると、受電側では、ステップST202において、期間Tcsに続く期間Tcjで受電器2における共振周波数の調整(共振調整)を開始する。
なお、受電器2は、送電側通信部17および受電側通信部27の通信により、送電器1の共振周波数調整処理の終了を認識し、ステップST202の受電器2における共振調整を開始する。
すなわち、ステップST203において、図9を参照して説明したスイッチSW1〜SW4の切り替えを行い、さらに、ステップST204に進んで、受電側制御部26により受電側位相調整用発振部28を動作状態(電圧VBを出力)とする。
具体的に、スイッチSW1およびSW3をオフしてスイッチSW2およびSW4をオンし、受電側位相調整用発振部28の出力電圧VBを受電共振コイル22の両端に印加する。さらに、電力取出コイル23に対して、負荷デバイス21を切り離し、代わりにダミー負荷29を接続する。
さらに、ステップST205に進んで、受電側フィードバック制御部244による位相差の制御処理を行い、ステップST206において、位相差Δφjが目標値φmjよりも小さくなるまでステップST205の位相差の制御処理を繰り返す。
そして、ステップST206において、位相差Δφjが目標値φmjにより規定された範囲内になったと判定すると、ステップST207に進んで、図10を参照して説明したスイッチSW1〜SW4の切り替えを行い、ステップST208に進む。
ステップST208では、受電側制御部26により受電側位相調整用発振部28を停止状態(電圧VBを停止)とし、ステップST209に進んで、受電器2における共振調整処理を終了し、その旨を送電側へ通知する。
すなわち、送電器1は、送電側通信部17および受電側通信部27の通信により、受電器2の共振周波数調整処理の終了を認識し、ステップST107における送電を開始する。
すなわち、図10を参照して説明したように、送電側では、ステップST108において、送電側制御部16からの制御信号Spsにより交流電源11は、低電力動作状態ではなく、通常の動作状態とされ、送電用の出力電圧VBを出力する。
従って、送電器1および受電器2は、両方とも共振周波数の調整が行われた状態とされ、この状態で送電器1から受電器2に対して磁界共鳴による電力伝送が行われるため、高い送電効率による電力伝送が可能となる。
さらに、ステップST109に進んで、一定時間が経過したと判定すると、ステップST101(ST201)に戻って同様の処理を繰り返す。すなわち、送電器1および受電器2における共振周波数の調整を所定の間隔で繰り返すようになっている。
ここで、ステップST103において、交流電源11の出力電圧VAは、調整用の低出力電圧とされるため、例えば、送電器1の共振周波数の調整を終了した後に受電器2の共振周波数の調整を開始するのではなく、両者を並列的に行うこともできる。
すなわち、前述したように、送電器1における共振周波数の調整は、必ずしも受電器2における共振周波数の調整の直前に行わなくてもよく、受電器2における共振周波数の調整と同時またはその直後、或いは、他の適切なタイミングで行うこともできる。
このように、第2実施例の無線電力伝送システムによれば、送電器のる交流電源の電圧波形の位相を遅滞なく正確に受電器へ伝えなくてもよいため、大量のデータ伝送が可能な専用の通信回路が不要となり、ハード的負担を低減して費用も削減することができる。これは、前述した第1実施例および後述する第3実施例でも同様である。
図13は、第3実施例の無線電力伝送システムを示すブロック図である。図14および図15は、図13に示す無線電力伝送システムにおける動作を説明するための図である。図13と前述した図8との比較から明らかなように、第3実施例の無線電力伝送システムでは、送電器1が温度センサ(第2温度センサ)100を含み、受電器2が温度センサ(第1温度センサ)200を含む。
ここで、温度センサ100は、送電器1における電力供給コイル12および送電共振コイル13の温度を測定(検知)し、その温度信号(第2温度信号)Tssを送電側制御部16に出力する。また、温度センサ200は、受電器2における受電共振コイル22および電力取出コイル23の温度を測定し、その温度信号(第1温度信号)Tsjを受電側制御部26に出力する。
なお、例えば、電力供給コイル12および送電共振コイル13が同軸状に配置されていない場合、温度センサ100は、送電共振コイル13の温度を測定するだけでもよい。同様に、例えば、受電共振コイル22および電力取出コイル23が同軸状に配置されていない場合、温度センサ200は、受電共振コイル22の温度を測定するだけでもよい。
次に、図13に示す無線電力伝送システムにおける動作を、図14のタイミングチャートおよび図15のフローチャートを参照して説明する。なお、図14のタイミングチャートにおいて、給電時(期間Tps)および共振調整時(期間TcsおよびTcj)は、実質的に図11と同様であり、その説明は省略する。
また、図15のフローチャートにおいて、送電側(送電器1)のステップST101〜ST108の処理、並びに、受電側(受電器2)のステップST201〜ST209の処理は、実質的に図12と同様であり、その説明は省略する。
図15に示されるように、受電側のステップST209において、受電器2における共振調整処理を終了し、その旨を送電側へ通知して送電側のステップST107で送電を開始すると、受電側では、ステップST210に進む。
すなわち、受電側のステップST210では、受電器2に設けられた温度センサ200が異常を検知したかどうか、すなわち、受電側温度センサ200による受電共振コイル22および電力取出コイル23の温度信号Tsjが異常値かどうかを判定する。ステップST210において、温度センサ200が異常を検知しないと判定すれば、そのままの状態で、送電器1から受電器2への電力伝送を継続する。
一方、ステップST210において、温度センサ200が異常を検知したと判定、すなわち、温度信号Tsjが異常を示す閾値温度Thaを超えたと判定すると、ステップST211に進んで、温度センサ200による異常検知を受信側へ送信する。この受電側のステップST211における異常の検知は、受電側に送信され、ステップST110における送受電温度監視として処理される。
さらに、受電側では、ステップST212に進んで、受電側温度センサ200が正常値を検知したかどうかを判定する。ステップST212において、受電側温度センサ200が正常値を検知しないと判定すると、そのままの状態で受電側温度センサ200が正常値を検知するのを待つ。
なお、受電側のステップST212の処理は、後述するように、送電側では、ステップST112の処理により送電用出力電圧VAが停止されるため、電力伝送も停止されることになり、受電側温度センサ200からの温度信号Tsjは時間と共に低下する。
受電側のステップST212において、受電側温度センサ200が正常値を検知したと判定すると、ステップST213に進んで、送電側に対して受電側温度センサ200が正常値を検知したことを伝えると共に、ステップST210に戻って同様の処理を行う。
図15に示されるように、送電側のステップST108において、交流電源11が通常の送電動作を行うための送電用出力電圧VBを出力すると、ステップST110に進んで、送受電温度監視を行う。
このステップST110における送受電温度監視は、送電器1の温度センサ100による電力供給コイル12および送電共振コイル13の温度監視、並びに、受電器2の温度センサ200による受電共振コイル22および電力取出コイル23の温度監視である。
ここで、送電側温度センサ100により検出された温度信号Tssは、そのまま送電側制御部16に入力されるが、受電側温度センサ200により検出された温度信号Tsjは、通信(通信部17,27等)を介して送電側制御部16に送信される。
すなわち、ステップST111において、送電側温度センサ100または受電側温度センサ200が異常を検知したかどうかを判定し、両方とも異常を検知しないと判定すれば、送受電温度監視を行いながら、送電器1から受電器2への電力伝送を継続する。
一方、ステップST111において、送電側温度センサ100または受電側温度センサ200の少なくとも一方が異常を検知したと判定すると、ステップST112に進んで、送電用出力電圧VAを停止する。すなわち、送電側制御部16は、制御信号Spsにより交流電源11の動作を停止させる。
この交流電源11の動作停止(電圧VBの停止)期間は、図14において、温度センサ(100,200)の温度信号(Tss,Tsj)が異常を示す閾値温度Thaを超えてから、通常動作の上限温度Thbよりも低くなるまでの期間(停止期間)Tstに対応する。
ステップST112で送電用出力電圧VBを停止すると、次に、ステップST113に進んで、再び送受電温度監視を行う。すなわち、ステップST114において、送電側温度センサ100および受電側温度センサ200の両方が正常値を検知したかどうかを判定し、少なくとも一方が異常を検知したと判定すれば、送受電温度監視を行いながら、送電用出力電圧VBの停止を継続する。
一方、ステップST114において、送電側温度センサ100および受電側温度センサ200の両方が正常値を検知したと判定すると、ステップST101(ST201)に戻る。
すなわち、温度センサ100および200により検出された温度信号TssおよびTsjが通常動作の上限温度Thbよりも低くなり、正常値の範囲になったと判定すると、ステップST101およびST201に戻って同様の処理を繰り返す。
なお、図13に示す第3実施例の無線電力伝送システムにおいても、例えば、図7の第1実施例と同様に、送電器1および受電器2に対してそれぞれ目標値設定部143および243を設け、目標値φmsおよびφmjを出力するようにしてもよい。
上述した無線電力伝送システムの実施例において、送電器1および受電器2は1つとして説明したが、それぞれ複数であってもよいのはいうまでもない。また、送電共振コイル(LC共振器)13から受電共振コイル(LC共振器)22への電力伝送は、磁界共鳴(磁界共振)に限定されるものではなく、例えば、電界共鳴(電界共振)等を利用するものであってもよい。
ここに記載されている全ての例および条件的な用語は、読者が、本発明と技術の進展のために発明者により与えられる概念とを理解する際の助けとなるように、教育的な目的を意図したものである。
また、具体的に記載されている上記の例および条件、並びに、本発明の優位性および劣等性を示すことに関する本明細書における例の構成に限定されることなく、解釈されるべきものである。
さらに、本発明の実施例は詳細に説明されているが、本発明の精神および範囲から外れることなく、様々な変更、置換および修正をこれに加えることが可能であると解すべきである。
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに、以下の付記を開示する。
(付記1)
送電器からの電力を、磁界共鳴または電界共鳴を利用して無線により受け取る受電共振コイルと、
所定の周波数で発振する電圧を出力する受電側位相調整用発振部と、
前記送電器との間で通信を行う受電側通信部と、
前記受電側通信部からの出力を受け取り、前記受電側位相調整用発振部からの出力電圧を使用して前記受電共振コイルの共振周波数の調整を行う受電側制御部と、を有する、
ことを特徴とする受電器。
(付記2)
さらに、
前記受電共振コイルからの電力を、電磁誘導を利用して受け取る電力取出コイルと、
前記電力取出コイルから取り出された電力を受け取る負荷デバイスと、
前記負荷デバイスに相当する抵抗値を有するダミー負荷と、を有し、
前記受電側制御部は、
前記受電共振コイルに対して前記受電側位相調整用発振部の出力電圧を印加すると共に、前記電力取出コイルの負荷を前記ダミー負荷として前記受電共振コイルの共振周波数の調整を行う、
ことを特徴とする付記1に記載の受電器。
(付記3)
前記受電側制御部は、
前記受電共振コイルの共振周波数の調整を行った後、前記受電側位相調整用発振部を停止して、前記受電共振コイルが前記送電器からの電力を受け取るようにすると共に、前記電力取出コイルの負荷を前記負荷デバイスとして前記送電器からの電力を受け取る、
ことを特徴とする付記1または付記2に記載の受電器。
(付記4)
さらに、
前記受電側位相調整用発振部からの出力電圧の位相および前記受電共振コイルを流れる電流の位相を比較する第1位相比較部と、
前記第1位相比較部から出力される位相差を目標値に従って制御する受電側フィードバック制御部と、を有し、
前記受電側フィードバック制御部は、
前記受電共振コイルに設けられた容量値が可変のコンデンサを制御して、前記受電共振コイルの共振周波数の調整を行う、
ことを特徴とする付記1乃至付記3のいずれか1項に記載の受電器。
(付記5)
さらに、
前記目標値を設定する目標値設定部を有し、前記受電側フィードバック制御部は、前記目標値設定部の出力を受け取る、
ことを特徴とする付記4に記載の受電器。
(付記6)
前記目標値は、前記受電側制御部から出力され、前記受電側フィードバック制御部は、前記受電側制御部の出力を受け取る、
ことを特徴とする付記4に記載の受電器。
(付記7)
前記受電共振コイルの共振周波数の調整は、所定の間隔で繰り返して行う、
ことを特徴とする付記1乃至付記6のいずれか1項に記載の受電器。
(付記8)
さらに、
前記受電共振コイルの温度を測定する第1温度センサを有し、
前記受電側制御部は、
前記第1温度センサからの第1温度信号を受け取って制御を行う、
ことを特徴とする付記1乃至付記7のいずれか1項に記載の受電器。
(付記9)
前記受電側制御部は、
前記第1温度センサからの第1温度信号を、前記受電側通信部を介して前記送電器に送信する、
ことを特徴とする付記8に記載の受電器。
(付記10)
少なくとも1つの送電器、および、少なくとも1つの受電器を含む無線電力伝送システムであって、
前記受電器は、付記1乃至付記9のいずれか1項に記載の受電器である、
ことを特徴とする無線電力伝送システム。
(付記11)
前記送電器は、
所定の周波数で発振する電圧を出力する交流電源と、
前記交流電源の出力電圧を受け取る電力供給コイルと、
前記電力供給コイルからの電力を、電磁誘導を利用して受け取り、前記受電共振コイルに対して、磁界共鳴または電界共鳴を利用して無線により電力を伝送する送電共振コイルと、
前記受電器との間で通信を行う送電側通信部と、を有する、
ことを特徴とする付記10に記載の無線電力伝送システム。
(付記12)
前記送電器は、さらに、
前記送電側通信部からの出力を受け取り、前記交流電源からの出力電圧を使用して前記送電共振コイルの共振周波数の調整を行う送電側制御部を有する、
ことを特徴とする付記11に記載の無線電力伝送システム。
(付記13)
前記送電側制御部は、
前記交流電源からの出力電圧を、前記送電器から前記受電器に対して電力を伝送するときの電圧よりも低い電圧にして、前記送電共振コイルの共振周波数の調整を行う、
ことを特徴とする付記12に記載の無線電力伝送システム。
(付記14)
前記送電側制御部による前記送電共振コイルの共振周波数の調整は、前記受電側制御部による前記受電共振コイルの共振周波数の調整の直前に行う、
ことを特徴とする付記13に記載の無線電力伝送システム。
(付記15)
前記送電側制御部による前記送電共振コイルの共振周波数は、前記受電側制御部による前記受電共振コイルの共振周波数と同じ周波数である、
ことを特徴とする付記13または付記14に記載の無線電力伝送システム。
(付記16)
前記送電器は、さらに、
前記送電共振コイルの温度を測定する第2温度センサを有し、
前記送電側制御部は、
前記第2温度センサからの第2温度信号を受け取って制御を行う、
ことを特徴とする付記12乃至付記15のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
(付記17)
前記送電側制御部は、
前記第2温度センサからの第2温度信号と共に、前記受電側通信部および前記送電側通信部を介して前記受電器の前記第1温度センサからの第1温度信号を受け取って、温度異常時の処理を行う、
ことを特徴とする付記16に記載の無線電力伝送システム。
(付記18)
前記送電器は、さらに、
前記交流電源からの出力電圧の位相および前記送電共振コイルを流れる電流の位相を比較する第2位相比較部と、
前記第2位相比較部から出力される位相差を目標値に従って制御する送電側フィードバック制御部と、を有し、
前記送電側フィードバック制御部は、
前記送電共振コイルに設けられた容量値が可変のコンデンサを制御して、前記送電共振コイルの共振周波数の調整を行う、
ことを特徴とする付記10乃至付記17のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
(付記19)
送電器からの電力を、磁界共鳴または電界共鳴を利用して無線により受電器が受け取る無線電力伝送方法であって、
前記受電器に対して所定の周波数で発振する電圧を出力する受電側位相調整用発振部を設け、
前記受電側位相調整用発振部からの出力電圧を使用して前記受電器の共振周波数の調整を行う、
ことを特徴とする無線電力伝送方法。
(付記20)
前記送電器における交流電源からの出力電圧を、前記送電器から前記受電器に対して電力を伝送するときの電圧よりも低い電圧にして、前記送電器の共振周波数の調整を行い、
前記送電器の共振周波数は、前記受電器の共振周波数と同じ周波数である、
ことを特徴とする付記19に記載の無線電力伝送方法。
1 送電器(一次側:送電側)
2 受電器(二次側:受電側)
11 交流電源
12 電力供給コイル
13 送電共振コイル(LC共振器)
14 送電側制御回路
16 送電側制御部
17 送電側通信部
21 負荷デバイス
22 受電共振コイル(LC共振器)
23 電力取出コイル
24 受電側制御回路
26 受電側制御部
27 受電側通信部
28 受電側位相調整用発振部
29 ダミー負荷
100 温度センサ(第2温度センサ)
132,222 コンデンサ(可変コンデンサ:可変容量デバイス)
143,243 目標値設定部
144 送電側フィードバック制御部
145 位相送信部
151 位相比較部(第2位相比較部)
200 温度センサ(第1温度センサ)
211 整流回路(整流用IC)
212 負荷抵抗
241 位相受信部
244 受電側フィードバック制御部
251 位相比較部(第1位相比較部)
SC 送電系コイル
JC 受電系コイル

Claims (20)

  1. 送電器からの電力を、磁界共鳴または電界共鳴を利用して無線により受け取る受電共振コイルと、
    所定の周波数で発振する電圧を出力する受電側位相調整用発振部と、
    前記送電器との間で通信を行う受電側通信部と、
    前記受電側通信部からの出力を受け取り、前記受電側位相調整用発振部からの出力電圧を使用して前記受電共振コイルの共振周波数の調整を行う受電側制御部と、を有する、
    ことを特徴とする受電器。
  2. さらに、
    前記受電共振コイルからの電力を、電磁誘導を利用して受け取る電力取出コイルと、
    前記電力取出コイルから取り出された電力を受け取る負荷デバイスと、
    前記負荷デバイスに相当する抵抗値を有するダミー負荷と、を有し、
    前記受電側制御部は、
    前記受電共振コイルに対して前記受電側位相調整用発振部の出力電圧を印加すると共に、前記電力取出コイルの負荷を前記ダミー負荷として前記受電共振コイルの共振周波数の調整を行う、
    ことを特徴とする請求項1に記載の受電器。
  3. 前記受電側制御部は、
    前記受電共振コイルの共振周波数の調整を行った後、前記受電側位相調整用発振部を停止して、前記受電共振コイルが前記送電器からの電力を受け取るようにすると共に、前記電力取出コイルの負荷を前記負荷デバイスとして前記送電器からの電力を受け取る、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の受電器。
  4. さらに、
    前記受電側位相調整用発振部からの出力電圧の位相および前記受電共振コイルを流れる電流の位相を比較する第1位相比較部と、
    前記第1位相比較部から出力される位相差を目標値に従って制御する受電側フィードバック制御部と、を有し、
    前記受電側フィードバック制御部は、
    前記受電共振コイルに設けられた容量値が可変のコンデンサを制御して、前記受電共振コイルの共振周波数の調整を行う、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の受電器。
  5. さらに、
    前記目標値を設定する目標値設定部を有し、前記受電側フィードバック制御部は、前記目標値設定部の出力を受け取る、
    ことを特徴とする請求項4に記載の受電器。
  6. 前記目標値は、前記受電側制御部から出力され、前記受電側フィードバック制御部は、前記受電側制御部の出力を受け取る、
    ことを特徴とする請求項4に記載の受電器。
  7. 前記受電共振コイルの共振周波数の調整は、所定の間隔で繰り返して行う、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の受電器。
  8. さらに、
    前記受電共振コイルの温度を測定する第1温度センサを有し、
    前記受電側制御部は、
    前記第1温度センサからの第1温度信号を受け取って制御を行う、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の受電器。
  9. 前記受電側制御部は、
    前記第1温度センサからの第1温度信号を、前記受電側通信部を介して前記送電器に送信する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の受電器。
  10. 少なくとも1つの送電器、および、少なくとも1つの受電器を含む無線電力伝送システムであって、
    前記受電器は、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の受電器である、
    ことを特徴とする無線電力伝送システム。
  11. 前記送電器は、
    所定の周波数で発振する電圧を出力する交流電源と、
    前記交流電源の出力電圧を受け取る電力供給コイルと、
    前記電力供給コイルからの電力を、電磁誘導を利用して受け取り、前記受電共振コイルに対して、磁界共鳴または電界共鳴を利用して無線により電力を伝送する送電共振コイルと、
    前記受電器との間で通信を行う送電側通信部と、を有する、
    ことを特徴とする請求項10に記載の無線電力伝送システム。
  12. 前記送電器は、さらに、
    前記送電側通信部からの出力を受け取り、前記交流電源からの出力電圧を使用して前記送電共振コイルの共振周波数の調整を行う送電側制御部を有する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の無線電力伝送システム。
  13. 前記送電側制御部は、
    前記交流電源からの出力電圧を、前記送電器から前記受電器に対して電力を伝送するときの電圧よりも低い電圧にして、前記送電共振コイルの共振周波数の調整を行う、
    ことを特徴とする請求項12に記載の無線電力伝送システム。
  14. 前記送電側制御部による前記送電共振コイルの共振周波数の調整は、前記受電側制御部による前記受電共振コイルの共振周波数の調整の直前に行う、
    ことを特徴とする請求項13に記載の無線電力伝送システム。
  15. 前記送電側制御部による前記送電共振コイルの共振周波数は、前記受電側制御部による前記受電共振コイルの共振周波数と同じ周波数である、
    ことを特徴とする請求項13または請求項14に記載の無線電力伝送システム。
  16. 前記送電器は、さらに、
    前記送電共振コイルの温度を測定する第2温度センサを有し、
    前記送電側制御部は、
    前記第2温度センサからの第2温度信号を受け取って制御を行う、
    ことを特徴とする請求項12乃至請求項15のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
  17. 前記送電側制御部は、
    前記第2温度センサからの第2温度信号と共に、前記受電側通信部および前記送電側通信部を介して前記受電器の前記第1温度センサからの第1温度信号を受け取って、温度異常時の処理を行う、
    ことを特徴とする請求項16に記載の無線電力伝送システム。
  18. 前記送電器は、さらに、
    前記交流電源からの出力電圧の位相および前記送電共振コイルを流れる電流の位相を比較する第2位相比較部と、
    前記第2位相比較部から出力される位相差を目標値に従って制御する送電側フィードバック制御部と、を有し、
    前記送電側フィードバック制御部は、
    前記送電共振コイルに設けられた容量値が可変のコンデンサを制御して、前記送電共振コイルの共振周波数の調整を行う、
    ことを特徴とする請求項10乃至請求項17のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
  19. 送電器からの電力を、磁界共鳴または電界共鳴を利用して無線により受電器が受け取る無線電力伝送方法であって、
    前記受電器に対して所定の周波数で発振する電圧を出力する受電側位相調整用発振部を設け、
    前記受電側位相調整用発振部からの出力電圧を使用して前記受電器の共振周波数の調整を行う、
    ことを特徴とする無線電力伝送方法。
  20. 前記送電器における交流電源からの出力電圧を、前記送電器から前記受電器に対して電力を伝送するときの電圧よりも低い電圧にして、前記送電器の共振周波数の調整を行い、
    前記送電器の共振周波数は、前記受電器の共振周波数と同じ周波数である、
    ことを特徴とする請求項19に記載の無線電力伝送方法。
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