JP6099292B1 - 送電装置およびこれを備える磁界共鳴型電力伝送システム - Google Patents

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Abstract

磁界共鳴型電力伝送システムにおいて伝送効率を高めることのできる技術を提供することを課題とする。解決手段として、受電装置と対をなして磁界共鳴型電力伝送システムを構成する送電装置(20)は、交流電力を発生する電源部(22)と、送電インダクタンスおよび送電容量から求まる送電共振周波数によって電源部(22)からの交流電力を受電装置へワイヤレスで送電する送電共振回路部(24)と、を備える。電源部(22)は、送電共振周波数に合うよう交流電力の周波数を調整するDDS回路部(40)を備える。送電共振回路部(24)は、印加電圧によって変化する可変容量を有し、交流電力の周波数に合うよう送電容量に含まれる可変容量によって送電共振周波数を調整する送電可変容量コンデンサ(28va、28vb)を備える。

Description

本発明は、送電装置と受電装置との間において、磁界共鳴(磁界共振結合)によってワイヤレス(非接触)で電力を伝送(電送)する磁界共鳴型電力伝送システムに関する。
ワイヤレス電力伝送(ワイヤレス給電)は、近年注目されている分野であり、電磁誘導型(数百KHz帯)、インダクタンス(L)および容量(C)を用いるLC共振による電界共鳴型や磁界共鳴型(MHz帯)、マイクロ波を利用したマイクロ波型(GHz帯)などの方式がある。これら方式のそれぞれには特徴(利点、欠点)がある。例えば、既に実用化されて携帯端末、歯ブラシ、髭剃り器などに利用されている電磁誘導型は近距離用であり伝送距離が短く(1mm程度)、他方、磁界共鳴型は伝送距離が数cmから数mと長い。この磁界共鳴型は、数Wから数十KWと比較的高い電力が伝送可能であり、人体や水でのエネルギー吸収がほとんどなく、誘電体損失が避けられるといった利点もあり、注目が集まっている。
特許第5705079号公報(特許文献1)には、送電装置側の送電コイルと受電装置側の受電コイル間の電力伝送を、磁界共鳴によって非接触(ワイヤレス)で行う非接触電力伝送装置に関する技術が記載されている。この技術では、送電装置の共振周波数を受電装置の共振周波数に対して適切な関係に調整する機能を有する送電補助装置を加えた構成において、送電装置と送電補助装置の間の受電空間に受電装置が配置された状態で非接触電力伝送が行われる(特にその明細書段落[0029]−[0030]、図1参照)。
特許第5705079号公報
磁界共鳴型電力伝送システムにおいては、送電装置の送電共振周波数と受電装置の受電共振周波数との共振点を一致させないと効率良く電力伝送することができず、またその不一致の程度によっては給電できない状況も発生する。
共振点が一致しない原因としては、例えば、量産工程における送電装置や受電装置の共振回路部を構成するコイルのインダクタンスやコンデンサの容量の製造誤差(機差バラツキ)がある。また、例えば、温度などの使用環境によってもインダクタンスや容量の変動がある。これら原因による共振回路部の共振周波数のバラツキを抑制するためにコイルやコンデンサの精度や品質を向上させると、製品コストが高くなってしまうおそれもある。
ところで、送電共振周波数と受電共振周波数の共振点の調整を行う場合には、使用前の装置固有の状態に合わせる静的な調整や、使用中の装置状態(環境状態)に合わせる動的な調整がある。例えば、バリコン(可変容量コンデンサ)を用いて手動で共振周波数の調整を静的に行うことが考えられる(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、手動によるバリコンの調整では、バラツキが生じてしまい、特に、共振周波数の動的な調整に対応させるのは困難となってしまう。また、手動ではなくバリコンの動的な調整にモータなどのアクチュエータを用いる場合は、装置が大型化してしまうし、その制御も複雑となってしまう。また、インダクタンスに取り付けられたコアにアクチュエータを用いる場合も同様である。
本発明の目的は、磁界共鳴型電力伝送システムにおいて伝送効率を高めることのできる技術を提供することにある。本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。本発明の一解決手段に係る受電装置と対をなして磁界共鳴型電力伝送システムを構成する送電装置であって、交流電力を発生する電源部と、送電インダクタンスおよび送電容量から求まる送電共振周波数によって前記電源部からの前記交流電力を前記受電装置へワイヤレスで送電する送電共振回路部と、を備えており、前記電源部は、前記送電共振周波数に合うよう前記交流電力の周波数を調整するDDS(デジタル直接合成発振器;Direct synthesis Digital Synthesizer)回路部を備え、前記送電共振回路部は、印加電圧によって変化する可変容量を有し、前記交流電力の周波数に合うよう前記送電容量に含まれる前記可変容量によって前記送電共振周波数を調整する送電可変容量コンデンサを備えることを特徴とする。
この送電装置によれば、DDS回路部によるデジタル的な調整と、送電可変容量コンデンサ(例えば、バリキャップダイオード)によるアナログ的な調整のハイブリッドな調整によって、交流電力の周波数と送電共振周波数との共振点を合わせやすくでき、送電力を最大限引き出すことができる。このような送電装置によれば、磁気共鳴型電力伝送システムにおいて受電装置との共振点を合わせやすく、伝送効率を高めることができる。
また、送電共振回路部を構成する送電コイルの製造誤差によってインダクタンスなどが変化してしまう場合でも、その送電共振周波数に一致するよう交流電力の周波数を調整することができる。また、共振コイルの交換によってインダクタンスを変化させて異なる規格の周波数帯での送電を行う場合であっても、電源部を交換せずにDDS回路部によってその規格値および規格調整範囲内への周波数調整を行うことができる。また、DDS回路部によれば、例えば、最小周波数の数kHzから最大周波数の数10MHzまでで1Hz単位での調整を行うこともできる。
また、送電可変容量コンデンサによれば、送電容量を調整することができ、交流電力の周波数に送電共振周波数に合わせることや、温度変動や製造誤差による送電共振周波数のずれを修正(補正)することができる。また、容量の異なる固定コンデンサと組み合わせる自由度があり、電力量、送電距離など多様な仕様へ対応することもできる。
また、前記一解決手段に係る送電装置において、送電CPUと、前記電源部と前記送電共振回路部との間を結合する出力トランスと、前記出力トランスの前記送電共振回路部側で結合され、前記送電共振回路部の共振電圧を間接的に検出する検出コイルと、を更に備えており、前記送電CPUは、前記検出コイルで検出された検出電圧を送電フィードバック信号として処理する機能と、前記送電フィードバック信号の電圧値が最大となる前記交流電力の周波数を前記DDS回路部へ出力する機能と、前記送電フィードバック信号の電圧値が最大となる前記送電可変容量コンデンサの印加電圧を前記送電可変容量コンデンサへ出力する機能と、を備えることが好適である。
これによれば、交流電力の周波数と送電共振周波数とを自動調整して合わせることができ、目的および用途・環境により多様な磁界共鳴型電力伝送システムへ柔軟に対応することができる。また、送電共振回路部の送電コイル(共振コイル)に直接的に検出コイルを接続する構成ではないため、送電インダクタンスの変化による送電共振周波数の影響を除外することができ、伝送効率を高めることができる。また、磁界共鳴型電力伝送システムが例えば送電コイルの交換によって異なる規格の周波数帯での電力伝送を行う場合であっても、検出コイルを制御基板から交換せずに簡便にフィードバック制御を行うことができる。
また、前記一解決手段に係る送電装置において、前記電源部は、前記DDS回路部の出力を増幅させる電力増幅回路部を更に備えることが好適である。これによれば、DDS回路部からの出力が小さい場合であっても、出力を増幅させることができる。
また、前記一解決手段に係る送電装置において、種類の異なる複数の送電コンデンサのいずれかを選択する複数の送電ジャンパピンを更に備えており、前記送電容量に含まれる選択された前記送電コンデンサの静電容量によって、前記送電共振周波数が調整される構成であることが好適である。これによれば、種々の特徴を有する共振回路部とすることができる。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、次のとおりである。前記一実施形態によれば、磁界共鳴型電力伝送システムにおいて伝送効率を高めることができる。
本発明の実施形態に係る磁界共鳴型電力伝送システムの概略回路図である。 図1に示す磁界共鳴型電力伝送システムを構成する送電装置の概略回路図である。 図2に示す送電装置の送電共振回路部の電圧波形図である。 図1に示す磁界共鳴型電力伝送システムを構成する受電装置の概略回路図である。 図4に示す受電装置の受電共振回路部の電圧波形図である。
以下の本発明における実施形態では、必要な場合に複数のセクションなどに分けて説明するが、原則、それらはお互いに無関係ではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細などの関係にある。このため、全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、構成要素の数(個数、数値、量、範囲などを含む)については、特に明示した場合や原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。また、構成要素などの形状に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合などを除き、実質的にその形状などに近似または類似するものなどを含むものとする。
本発明の実施形態に係る磁界共鳴型電力伝送システム10について図面を参照して説明する。図1は、磁界共鳴型電力伝送システム10の概略回路図である。磁界共鳴型電力伝送システム10は、対をなす送電装置20および受電装置70を備えている。磁界共鳴型電力伝送システム10では、送電装置20と受電装置70との間(伝送領域)を例えば規格で設定される基本周波数fbの磁界共鳴MRによってワイヤレスで交流電力が伝送される。そして、送電装置20から受電装置70へ伝送された交流電力が受電装置70に接続された負荷部100で消費される。
送電装置20は、電源部22と、送電共振回路部24(送電側の共振回路部)と、を備えている。電源部22は、高周波(周波数f0)の交流電力を発生する。送電共振回路部24は、LC共振回路部であり、送電インダクタンスL1および送電容量C1から求まる送電共振周波数f1=1/(2π×(L1×C1)1/2)によって電源部22からの交流電力を受電装置70へワイヤレスで送電する。送電共振回路部24は、送電コイル26(共振コイル)および送電コンデンサ28(共振コンデンサ)を備えている。送電コイル26のインダクタンスが送電インダクタンスL1に含まれる。また、送電コンデンサ28の容量が送電容量C1に含まれる。このため、送電共振周波数f1が規格による基本周波数fbに合うよう送電コイル26や送電コンデンサ28が選択される。
また、送電装置20は、送電ループコイル30を更に備え、送電コイル26と送電ループコイル30との間で発生する電磁誘導EIによって電源部22から送電共振回路部24へ交流電力を伝送する。すなわち、磁界共鳴型電力伝送システム10では、電源部22の交流電力を送電ループコイル30で磁界として発生させ、送電共振回路部24(送電コイル26)で共振させることで磁界強度を増幅させている。
受電装置70は、受電共振回路部74(受電側の共振回路部)を備えている。受電共振回路部74は、受電インダクタンスL2および受電容量C2から求まる受電共振周波数f2=1/(2π×(L2×C2)1/2)によって送電装置20からの交流電力をワイヤレスで受電する。受電共振回路部74は、受電コイル76(共振コイル)および受電コンデンサ78(共振コンデンサ)を備えている。受電コイル76のインダクタンスが受電インダクタンスL2に含まれる。受電コンデンサ78の容量が受電容量C2に含まれる。このため、例えば、受電共振周波数f2が規格による基本周波数に合うよう受電コイル76や受電コンデンサ78が選択される。
また、受電装置70は、受電ループコイル80を更に備え、受電コイル76と受電ループコイル80との間で発生する電磁誘導EIを用いて、受電共振回路部74から負荷部100へ交流電力を伝送する。すなわち、磁界共鳴型電力伝送システム10では、送電装置20からの交流電力は、磁界共鳴によって受電コイル76へ伝送され、そして、電磁誘導EIによって受電ループコイル80へ伝送されて、負荷部100で消費される。
次に、本発明の実施形態に係る送電装置20について図面を参照して具体的に説明する。図2は、磁界共鳴型電力伝送システム10を構成する送電装置20の概略回路図である。
図2に示す送電装置20は、図1に示した電源部22、送電共振回路部24および送電ループコイル30の他に、更に送電CPU32(中央処理装置)と、出力トランス34と、検出コイル36を有する送電検出回路部38と、を備えている。送電装置20では、例えば、送電CPU32などの部品が図示しない制御基板に実装される。この制御基板には、回路部を構成する配線が形成される。また、送電装置20では、電源部22と送電共振回路部24との間(具体的には、電源部22と送電ループコイル30との間)が出力トランス34によって結合される。また、送電装置20では、送電検出回路部38によって送電共振回路部24の共振電圧が検出される。
電源部22は、DDS(デジタル直接合成発振器;Direct synthesis Digital Synthesizer)回路部40を備えている。DDS回路部40は、単一で固定の発振源から任意の周波数の正弦波をデジタル的に生成することができ、送電共振周波数f1に合うよう交流電力の周波数f0を調整することができる(デジタル共振周波数制御)。デジタル共振周波数制御は、送電CPU32からDDS回路部40へシリアル通信にて所定の周波数で設定指示し(例えば、6.78MHzの場合、6780000が送信される)、DDS回路部40に交流電力(交流波形)を出力させる。
そして、電源部22は、更に、DDS回路部40の出力を増幅させる電力増幅回路部42を備えている。この電力増幅回路部42によれば、DDS回路部40からの交流電力の出力が電圧、電流とも低い場合であっても、その出力を増幅させることができる。増幅された電力は、電源部22と送電共振回路部24との間を結合する出力トランス34(励磁インダクタンス)にエネルギーとして蓄えられ、送電ループコイル30で磁界を発生させる。
送電共振回路部24は、LC共振回路部を構成するため、送電コイル26と、種類の異なる複数の送電コンデンサ28(28ba、28bb、28bc、28va、28vb)と、を備えている。種類の異なる送電コンデンサ28としては、容量が固定された送電固定コンデンサ28ba、28bb、28bcと、容量が可変となる送電可変容量コンデンサ28va、28vbとがある。送電可変容量コンデンサ28va、28vbは、印加電圧によって変化する可変容量を有するもので、例えば、バリキャップダイオード(バラクタダイオードともいう)である。この送電可変容量コンデンサ28va、28vbは、ツイン方式を採用し、電源部22の交流電力の周波数f0に合うよう可変容量(送電容量C1に含まれる)によって送電共振周波数f1を調整することができる(アナログ共振周波数制御)。
ここでのアナログ共振周波数制御は、交流電力の周波数f0と送電共振周波数f1とが合うように、送電可変容量コンデンサ28va、28vbであるバリキャップダイオードのアノードに印加する電圧を、送電CPU32のD/A変換部から出力する。アナログ共振周波数制御は、例えば、送電CPU32からの256(8ビット)の分解能で出力したものをオペアンプ部(図示せず)にて増幅した直流電圧(最大24Vまでの可変直流電圧)で共振点合わせをする。すなわち、アナログ共振周波数制御は、送電共振回路部24(送電コイル26)で高電圧を発生させて電界レベルを最大にするようにする。
また、送電装置20は、複数の送電コンデンサ28のいずれかを選択する複数の送電ジャンパピン44(44a、44b、44c)を備え、送電コイル26の電圧値、調整可能範囲によって組合せを任意に選択できる回路方式(回路構造)を採用している。これによれば、複数の送電コンデンサ28のうち送電固定コンデンサ28ba、28bbを基準として、他の送電コンデンサ28との組合せによって、送電共振回路部24の送電容量C1を調整することができる。また、送電可変容量コンデンサ28va、28vb(例えば、バリキャップダイオード)の耐圧が低い場合であっても、送電ジャンパピン44の選択により分圧して送電可変容量コンデンサ28va、28vbに印加される電圧を抑制することができる。このように、送電ジャンパピン44の選択、すなわち、送電コンデンサ28の選択により、種々の特徴を有する送電共振回路部24とすることができる。
例えば、送電ジャンパピン44の選択において、送電ジャンパピン44aを有効(接続)とし、その他の送電ジャンパピン44b、44cを無効(非接続)とする。この場合、送電可変容量コンデンサ28va、28vbと、送電固定コンデンサ28ba、28bbと、が選択されて送電共振回路部24が構成される。この構成によれば、送電コイル26に高電圧が印加され、送電容量C1の調整範囲が狭い場合に対応することができる。
また、送電ジャンパピン44の選択において、送電ジャンパピン44bを有効とし、その他の送電ジャンパピン44a、44cを無効とする。この場合、送電可変容量コンデンサ28va、28vbと、送電固定コンデンサ28ba、28bbと、が選択されて送電共振回路部24が構成される。この構成によれば、送電コイル26に低電圧が印加され、送電容量C1の調整範囲が中程度の場合に対応することができる。
また、送電ジャンパピン44の選択において、送電ジャンパピン44cを有効とし、その他の送電ジャンパピン44a、44bを無効とする。この場合、送電可変容量コンデンサ28vbと、送電固定コンデンサ28ba、28bb、28bcと、が選択されて送電共振回路部24が構成される。この構成によれば、例えば、送電コイル26に高電圧が印加され、送電容量C1の調整範囲が広い場合に対応することができる。
このような送電共振回路部24によれば、受電装置70の負荷電力や、送電コイル26と受電コイル76との間の距離(伝送領域)による送電電力量などの条件(特性)によって、送電コンデンサ28の組合せを任意に選択できる。すなわち、送電装置20は、送電コイル26の電圧値や、送電容量C1の調整可能な範囲によって送電コンデンサ28の組合せを任意に選択することができ、装置としての柔軟性が高いものである。
ここで、種々の送電コンデンサ28(送電可変容量コンデンサ28va、28vbおよび送電固定コンデンサ28ba、28bb、28bc)の組合せの一例について以下で具体的に説明する。
送電可変容量コンデンサ28va、28vbに用いられるバリキャップダイオードは、定格範囲内で、印加電圧に対する容量の直線性があるものである。一般的なバリキャップダイオードは、逆耐電圧が通常のもので30V程度、高いもので90V程度である。これに対して、送電装置20の送電コイル26には、ピーク・ピーク値が400V以上の高電圧が掛かる場合がある。この点、逆耐電圧が600V程度のバリキャップダイオードもあるが、電圧可変に対する容量の直線性が低いか、直線性でも調整範囲が狭いものである。また、バリキャップダイオードの逆耐電圧が送電コイル26に掛かる電圧より高いもの(定格範囲以内)であっても、200℃以上の高温に達してしまい、バリキャップダイオードとその制御基板とを接合するハンダを溶融する場合や、バリキャップダイオードの素子破壊が発生する場合もある。
そこで、送電コイル26(共振コイル)に掛かる電圧が高電圧の場合、送電ジャンパピン44aを有効とし、その他の送電ジャンパピン44b、44cを無効とすることで、送電可変容量コンデンサ28va、28vbの各バリキャップダイオードで分圧することができる。すなわち、バリキャップダイオードの定格範囲内まで印加電圧を下げることができる。
また、送電コイル26(共振コイル)に掛かる電圧が高電圧の場合、送電ジャンパピン44cを有効とし、その他の送電ジャンパピン44a、44bを無効とすることで、送電コイル26側に接続するのは逆耐電圧の高い送電固定コンデンサ28bcを用いることができる。前述したバリキャップダイオードの分圧では、送電容量C1の調整範囲が狭くなるので微調整の場合はよいが、調整範囲をより広く確保するためには、送電可変容量コンデンサ28vbと送電固定コンデンサ28bcの組合せとすることが好適である。
ところで、送電装置20は、送電共振回路部24の共振電圧、すなわち送電コイル26に印加される交流電圧を検出する送電検出回路部38を備えている。この送電検出回路部38は、検出コイル36と、整流回路部46(ダイオードブリッジ回路部)と、オペアンプ部48と、を備えている。送電検出回路部38では、電源部22と送電共振回路部24との間を結合する出力トランス34を設けており、この出力トランス34の送電共振回路部24側で検出コイル36を結合(接続)している。
このような送電検出回路部38によれば、送電共振回路部24(送電コイル26)に直接的に検出コイル36を接続する構成ではないため、送電インダクタンスL1の変化による送電共振周波数f1の影響を除外することができ、伝送効率を高めることができる。また、送電コイル26を換装して基本周波数fbの帯域を変える場合であっても、その都度、制御基板から検出コイル36を交換する構成ではないため、共振電圧を簡便に検出することができる。
検出コイル36は、送電共振回路部24の共振電圧の波高値を間接的に検出(測定)し、直接的には送電ループコイル30に掛かる交流電圧を検出する。また、整流回路部46は、検出された交流電圧を直流電圧に整流する。また、オペアンプ部48は、その直流電圧を送電CPU32のA/D(アナログ/デジタル)変換部に入力可能な電圧値(例えば、3.3V〜5V)にまで減衰(変換)する。この直流電圧の減衰としては、抵抗分圧してもよい。このように、送電装置20では、減衰された直流電圧(検出電圧)が送電CPU32のA/D変換部に入力されるようフィードバック制御が行われる。
そして、送電CPU32は、送電検出回路部38(検出コイル36)で検出された検出電圧を送電フィードバック信号として処理する機能を備えている。また、本実施形態では、DDS回路部40を含んで電源部22を構成している。このため、送電CPU32は、送電フィードバック信号の電圧値が最大となる交流電力の周波数f0をDDS回路部40へ出力する機能を備えている。また、本実施形態では、送電可変容量コンデンサ28va、28vbを含んで送電共振回路部24を構成している。このため、送電CPU32は、送電フィードバック信号の電圧値が最大となる送電可変容量コンデンサ28va、28vbの印加電圧を、送電可変容量コンデンサ28va、28vbへ出力する機能を備えている。
これによれば、交流電力の周波数f0と送電共振周波数f1とを自動調整して合わせることができ、目的および用途・環境により多様な磁界共鳴型電力伝送システム10へ柔軟に対応することができる。また、磁界共鳴型電力伝送システム10が例えば送電共振回路部24を構成する送電コイル26の交換によって異なる規格の周波数帯での電力伝送を行う場合であっても、送電コイル26を制御基板から交換せずに簡便にフィードバック制御を行うことができる。
図3は、送電装置20の送電共振回路部24(送電コイル26)の電圧波形図であり、共振点一致前の電圧波形T1と共振点一致後の電圧波形T2とを比較して示している。図3に示す電圧波形図では、横軸、縦軸をそれぞれ任意定数の時間t、電圧Vとしている。送電装置20によれば、図3に示すように、電圧波形T1の波高値Vt1(ピーク・ピーク値)に対して、より高い電圧波形T2の波高値Vt2(ピーク・ピーク値)を得ることができる。すなわち、送電装置20からは高効率で電力を送電することができ、磁界共鳴型電力伝送システム10において伝送効率を高めることができる。
このように送電装置20によれば、DDS回路部40によるデジタル的な調整と、送電可変容量コンデンサ28va、28vbによるアナログ的な調整のハイブリッドな調整によって、交流電力の周波数f0と送電共振周波数f1との共振点を合わせやすくなる。したがって、送電装置20によれば、送電力を最大限引き出すことができる。また、送電装置20によれば、磁気共鳴型電力伝送システム10において受電装置70とも共振点を合わせやすく、伝送効率を高めることができる。
また、送電共振回路部24を構成する送電コイル26の製造誤差によって送電インダクタンスL1などが変化してしまう場合でも、その送電共振周波数f1に一致するよう交流電力の周波数f0を調整することができる。また、例えば、送電コイル26の交換によって送電インダクタンスL1を変化させて異なる規格の周波数帯での送電を行う場合であっても、電源部22を交換せずにDDS回路部40によってその規格値および規格調整範囲内への周波数調整を行うことができる。例えば、工業用周波数13.56MHzやその1/2である6.78MHzなどその他仕様の基本周波数fbへ適用させることも容易に可能である。
また、DDS回路部40によれば、例えば、最小周波数の数kHzから最大周波数の数10MHzまでで1Hz単位での調整を行うこともできる。また、送電CPU32では、送電フィードバック信号を監視し、その電圧値が最大(共振点一致)となるようDDS回路部40に対して1Hz単位でデジタル的に調整することができる。このため、交流電力の周波数f0と送電共振周波数f1とを合わせることが、高速および高精度に、且つ、容易に行うことができる。
また、送電可変容量コンデンサ28va、28vbによれば、送電容量C1を調整することができ、交流電力の周波数f0に送電共振周波数f1を合わせることや、温度変動や製造誤差による送電共振周波数f1のずれを修正(補正)することができる。また、容量の異なる送電固定コンデンサ28ba、28bb、28bcと組み合わせる自由度があり、電力量、送電距離など多様な仕様へ対応することもできる。
ここで、送電装置20の静的調整方法(キャリブレーション)の一例について説明する。この送電装置20では、基本周波数fbに合う送電共振周波数f1となるよう送電共振回路部24の送電コイル26および送電コンデンサ28が選択されている。まず、送電CPU32は、D/A変換部の出力が中点である128デジットの12Vとなるよう設定し、送電可変容量コンデンサ28va、28vb(逆耐電圧が例えば30V)へ出力する。次いで、送電CPU32は、規定の基本周波数fbを設定し、DDS回路部40へ出力する。このとき、送電CPU32は、DDS回路部40への出力値を送電CPU32内のメモリに記憶しておく。
次いで、送電CPU32は、周波数変動の刻みΔf(例えば、基本周波数fbの0.5%)とし、基本周波数fbに対して上下規定値(基本周波数fbの−10%〜+10%)まで可変させて、DDS回路部40へ出力し、送電フィードバック信号の電圧値の最大値を探索(監視)する。ここでは、送電コイル26と送電コンデンサ28の誤差が合わせて10%無いものとして、周波数変動の刻みΔfを基本周波数fbの0.5%としている。このとき、送電CPU32は、送電フィードバック信号の電圧値が最大値となったときの出力値(周波数)を送電CPU32内のメモリに記憶しておく。
次いで、送電CPU32は、1デジット単位で可変させて、D/A変換部から送電可変容量コンデンサ28va、28vbへ出力し、送電フィードバック信号の電圧値の最大値を探索する。このとき、送電CPU32は、送電フィードバック信号の電圧値が最大値となったときの出力値(電圧値)を送電CPU32内のメモリに記憶しておく。このようにして、送電装置20の共振点を合わせることができる。
次に、本発明の実施形態に係る受電装置70について図面を参照して具体的に説明する。図4は、磁界共鳴型電力伝送システム10を構成する受電装置70の概略回路図である。
図4に示す受電装置70は、図1に示した受電共振回路部74および受電ループコイル80の他に、更に受電CPU82(中央処理装置)と、受電検出回路部88と、電源レギュレータ90と、を備えている。受電装置70では、例えば、受電CPU82などの部品が図示しない制御基板に実装される。この制御基板には、回路部を構成する配線が形成される。また、受電装置70では、受電検出回路部88によって受電共振回路部74の共振電圧が検出される。
受電共振回路部74は、LC共振回路部を構成するため、受電コイル76と、種類の異なる複数の受電コンデンサ78(78ba、78bb、78bc、78va、78vb)と、を備えている。種類の異なる受電コンデンサ78としては、容量が固定された受電固定コンデンサ78ba、78bb、78bcと、容量が可変となる受電可変容量コンデンサ78va、78vbとがある。受電可変容量コンデンサ78va、78vbは、印加電圧によって変化する可変容量を有するもので、例えば、バリキャップダイオード(バラクタダイオードともいう)である。この受電可変容量コンデンサ78va、78vbは、ツイン方式を採用し、送電装置20の送電共振周波数f1に合うよう可変容量(送電容量C2に含まれる)によって受電共振周波数f2を調整することができる(アナログ共振周波数制御)。
ここでのアナログ共振周波数制御は、送電共振周波数f1と受電共振周波数f2が合うように、受電可変容量コンデンサ78va、78vbであるバリキャップダイオードのアノードに印加する電圧を、受電CPU82のD/A変換部から出力する。アナログ共振周波数制御は、例えば、受電CPU82からの256(8ビット)の分解能で出力したものをオペアンプ部(図示せず)にて増幅した直流電圧(最大24Vまでの可変直流電圧)で共振点合わせをする。すなわち、アナログ共振周波数制御は、受電共振回路部74(受電コイル76)で高電圧を受電して電界レベルを最大にするようにする。
また、受電装置70は、複数の受電コンデンサ78のいずれかを選択する複数の受電ジャンパピン94(94a、94b、94c)を備え、受電コイル76の電圧値、調整可能範囲によって組合せを任意に選択できる回路方式(回路構造)を採用している。これによれば、複数の受電コンデンサ78のうち受電固定コンデンサ78ba、78bbを基準として、他の受電コンデンサ78との組合せによって、受電共振回路部74の受電容量C2を調整することができる。また、受電可変容量コンデンサ78va、78vb(例えば、バリキャップダイオード)の耐圧が低い場合であっても、受電ジャンパピン94の選択により分圧して受電可変容量コンデンサ78va、78vbに印加される電圧を抑制することができる。このように、受電ジャンパピン94の選択、すなわち、受電コンデンサ78の選択により、種々の特徴を有する受電共振回路部74とすることができる。
例えば、受電ジャンパピン94の選択において、受電ジャンパピン94aを有効(接続)とし、その他の受電ジャンパピン94b、94cを無効(非接続)とする。この場合、受電可変容量コンデンサ78va、78vbと、受電固定コンデンサ78ba、78bbと、が選択されて受電共振回路部74が構成される。この構成によれば、受電コイル76に高電圧が印加され、受電容量C2の調整範囲が狭い場合に対応することができる。
また、受電ジャンパピン94の選択において、受電ジャンパピン94bを有効とし、その他の受電ジャンパピン94a、94cを無効とする。この場合、受電可変容量コンデンサ78va、78vbと、受電固定コンデンサ78ba、78bbと、が選択されて受電共振回路部74が構成される。この構成によれば、受電コイル76に低電圧が印加され、受電容量C2の調整範囲が中程度の場合に対応することができる。
また、受電ジャンパピン94の選択において、受電ジャンパピン94cを有効とし、その他の受電ジャンパピン94a、94bを無効とする。この場合、受電可変容量コンデンサ78vbと、受電固定コンデンサ78ba、78bb、78bcと、が選択されて受電共振回路部74が構成される。この構成によれば、例えば、受電コイル76に高電圧が印加され、受電容量C2の調整範囲が広い場合に対応することができる。
このような受電共振回路部74によれば、送電コイル26と受電コイル76との間の距離(伝送領域)による送電電力量などの条件(特性)によって、受電コンデンサ78の組合せを選択できる。すなわち、受電装置70は、受電コイル76の電圧値や、受電容量C2の調整可能な範囲によって受電コンデンサ78の組合せを選択することができ、装置としての柔軟性が高いものである。
ここで、種々の受電コンデンサ78(受電可変容量コンデンサ78va、78vbおよび受電固定コンデンサ78ba、78bb、78bc)の組合せの一例について以下で具体的に説明する。
受電可変容量コンデンサ78va、78vbに用いられるバリキャップダイオードは、定格範囲内で、印加電圧に対する容量の直線性があるものである。一般的なバリキャップダイオードは、逆耐電圧が通常のもので30V程度、高いもので90V程度である。これに対して、受電装置70の受電コイル76には、ピーク・ピーク値が100V以上の高電圧が掛かる場合がある。この点、逆耐電圧が600V程度のバリキャップダイオードもあるが、電圧可変に対する容量の直線性が低いか、直線性でも調整範囲が狭いものである。また、バリキャップダイオードの逆耐電圧が受電コイル76に掛かる電圧より高いもの(定格範囲以内)であっても、200℃以上の高温に達してしまい、バリキャップダイオードとその制御基板とを接合するハンダを溶融する場合や、バリキャップダイオードの素子破壊が発生する場合もある。
そこで、受電コイル76(共振コイル)に掛かる電圧が高電圧の場合、受電ジャンパピン94aを有効とし、その他の受電ジャンパピン94b、94cを無効とすることで、受電可変容量コンデンサ78va、78vbの各バリキャップダイオードで分圧することができる。すなわち、バリキャップダイオードの定格範囲内まで印加電圧を下げることができる。
また、受電コイル76(共振コイル)に掛かる電圧が高電圧の場合、受電ジャンパピン94cを有効とし、その他の受電ジャンパピン94a、94bを無効とすることで、受電コイル76側に接続するのは逆耐電圧の高い受電固定コンデンサ78bcを用いることができる。前述したバリキャップダイオードの分圧では、受電容量C2の調整範囲が狭くなるので微調整の場合はよいが、調整範囲をより広く確保するためには、受電可変容量コンデンサ78vbと受電固定コンデンサ78bcの組合せとすることが好適である。
ところで、受電装置70は、受電共振回路部74の共振電圧、すなわち受電コイル76に印加される交流電圧を検出する受電検出回路部88を備えている。この受電検出回路部88は、整流回路部96(ダイオードブリッジ回路部)と、オペアンプ部98と、を備えている。整流回路部96は、受電ループコイル80の両端で検出された交流電圧を直流電圧に整流する。また、オペアンプ部98は、その直流電圧を受電CPU82のA/D(アナログ/デジタル)変換部に入力可能な電圧値(例えば、3.3V〜5V)にまで減衰(変換)する。この直流電圧の減衰としては、抵抗分圧してもよい。
このように、受電装置70では、受電ループコイル80の共振交流電圧(波高値)を測定し、整流回路部96で直流電圧に整流し、更にオペアンプ部98で減衰して受電CPU82のA/D変換部に入力されるようフィードバック制御が行われる。このフィードバック制御は、送電装置20からの入力値が最大になるよう受電共振周波数f2を制御する。
このように、受電装置70では、減衰された直流電圧(検出電圧)が受電CPU82のA/D変換部に入力されるようフィードバック制御が行われる。また、受電装置70では、整流回路部96から負荷部100へ出力するにあたり、電源レギュレータ90を介することで、電圧・電流(電力)を一定に保つよう制御が行われる。このとき、受電CPU82は、電源レギュレータ90からの負荷部100への出力値を受電CPU82内のメモリに記憶しておく。
そして、受電CPU82は、受電検出回路部88で検出された検出電圧を受電フィードバック信号として処理する機能を備えている。また、本実施形態では、受電可変容量コンデンサ78va、78vbを含んで受電共振回路部74を構成している。このため、受電CPU82は、受電フィードバック信号の電圧値が最大となる受電可変容量コンデンサ78va、78vbの印加電圧を、受電可変容量コンデンサ78va、78vbへ出力する機能を備えている。
このような受電装置70によれば、送電共振周波数f1と受電共振周波数f2とを自動調整して合わせることができ、目的および用途・環境により多様な磁界共鳴型電力伝送システム10へ柔軟に対応することができる。例えば、送電装置20に対して受電装置70を配置すると、送電装置20の送電コイル26と受電装置70の受電コイル76との結合状態となるが、相互インダクタンスが変化する、つまり共振点に変化が発生してしまう。この状態でも、受電装置70が電力を受電し、また、受電CPU82が動作しているが、共振点が最大に一致していない場合もある。そこで、受電装置70では、受電コイル76から整流後の電圧を受電フィードバック信号として、その値が最大となるように、受電可変容量コンデンサ78va、78vbに印加する電圧を受電CPU82で制御している。
また、磁界共鳴型電力伝送システム10が例えば受電共振回路部74を構成する受電コイル76の交換によって異なる規格の周波数帯での電力伝送を行う場合であっても、受電コイル76を制御基板から交換せずに簡便にフィードバック制御を行うことができる。そして、受電装置70は、送電装置20から受電コイル76(共振コイル)で受電した磁界を受電ループコイル80に電磁誘導EIで伝え、この磁界によって発生した電力を負荷部100へ供給することができる。
図5は、受電装置70の受電共振回路部74(受電コイル76)の電圧波形図であり、共振点一致前の電圧波形R1と共振点一致後の電圧波形R2とを比較して示している。図5に示す電圧波形図では、横軸、縦軸をそれぞれ任意定数の時間t、電圧Vとしている。受電装置70によれば、図5に示すように、電圧波形R1の波高値Vr1(ピーク・ピーク値)に対して、より高い電圧波形R2の波高値Vr2(ピーク・ピーク値)を得ることができる。すなわち、受電装置70からは高効率で電力を受電することができ、磁界共鳴型電力伝送システム10において伝送効率を高めることができる。
このように受電装置70によれば、受電可変容量コンデンサ78va、78vbによるアナログ的な調整によって、送電共振周波数f1と受電共振周波数f2との共振点を合わせやすくなる。したがって、受電装置70によれば、送電装置20と共振点を合わせやすく、受電力を最大限引き出すことができ、磁界共鳴型電力伝送システム10において伝送効率を高めることができる。
また、受電可変容量コンデンサ78va、78vbによれば、受電容量C2を調整することができ、送電共振周波数f1に受電共振周波数f2に合わせることや、温度変動や製造誤差による受電共振周波数f2のずれを修正(補正)することができる。また、容量の異なる受電固定コンデンサ78ba、78bb、78bcと組み合わせる自由度があり、電力量、送電距離など多様な仕様へ対応することもできる。
このように、対をなす送電装置20および受電装置70を備える磁界共鳴型電力伝送システム10によれば、機差バラツキを吸収して共振点を合わせることができ、また、温度変動による共振点のズレを調整して合わせることができる。また、送電装置20と受電装置70との間(伝送領域)において空間的位置ズレ(水平・鉛直方向)に対しても調整して共振点を合わせることができる。したがって、磁界共鳴型電力伝送システム10によれば、伝送効率を高めることができ、最大効率での電力伝送を行うことができる。
以上、本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、次のとおり、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
前記実施形態では、送電装置において、電源部を構成するDDS回路部によるデジタル的な調整と、共振回路部の送電容量を構成する可変容量コンデンサによるアナログ的な調整のハイブリッドな共振点調整を行う構成について説明した。これに限らず、送電装置にDDS回路部によるデジタル的な共振点調整のみを行わせることもできる。この送電装置による調整方法は、まず、動作に必要な周波数を送電CPUからDDS回路部に送信することで、DDS回路部から規定の交流電力(正弦波)を出力する。この交流電力の周波数は、規定の基本周波数(送電コイルによる送電インダクタンスと送電コンデンサによる送電容量の組合せ)により決定される。そして、出力トランスからの送電フィードバック信号の電圧値が最大になるように送電CPUで制御し、DDS回路部にて周波数を可変させて共振点を調整する。
他方、送電装置に可変容量コンデンサによるアナログ的な共振点調整のみを行わせることもできる。この送電装置による調整方法は、まず、動作に必要な周波数を送電CPUからDDS回路部に送信することで、DDS回路部から規定の交流電力(正弦波)を出力する。この交流電力の周波数は、規定の基本周波数により決定される。そして、出力トランスからの送電フィードバック信号の電圧値が最大になるように送電CPUで制御し、可変容量コンデンサに印加する電圧を可変させて共振点を調整する。
また、前記実施形態で説明した可変容量コンデンサが発熱し過ぎる場合においては、印加される電圧を分圧する他、可変容量コンデンサにヒートシンクまたはファンの少なくともいずれかを取り付けて、発熱へ対応させることもできる。
また、前記実施形態で説明した磁界共鳴型電力伝送システムによれば、例えば、USB用充電回路を負荷部に組み込めば、携帯端末やUSBで動作するアクチュエータ等の機器を接続することができる。また、受電装置を水中等の液中や、電池交換が容易でない密閉空間での電力伝送を行うことができるため、センシングしたり、アクチュエータを駆動させたりすることができる。
また、前記実施形態で説明した送電装置および受電装置のそれぞれにワイヤレス通信モジュールを実装して情報のやり取りを行うことで、ワイヤレス電力伝送の利用を拡大することができる。

Claims (6)

  1. 受電装置と対をなして磁界共鳴型電力伝送システムを構成する送電装置であって、
    交流電力を発生する電源部と、
    送電インダクタンスおよび送電容量から求まる送電共振周波数によって前記電源部からの前記交流電力を前記受電装置へワイヤレスで送電する送電共振回路部と、
    送電CPUと、
    前記電源部と前記送電共振回路部との間を結合する出力トランスと、
    前記出力トランスの前記送電共振回路部側で結合され、前記送電共振回路部の共振電圧を間接的に検出する検出コイルと、
    を備えており、
    前記電源部は、前記送電共振周波数に合うよう前記交流電力の周波数を調整するDDS回路部を備え、
    前記送電共振回路部は、印加電圧によって変化する可変容量を有し、前記交流電力の周波数に合うよう前記送電容量に含まれる前記可変容量によって前記送電共振周波数を調整する送電可変容量コンデンサを備え、
    前記送電CPUは、前記検出コイルで検出された検出電圧を送電フィードバック信号として処理する機能と、前記送電フィードバック信号の電圧値が最大となる前記交流電力の周波数を前記DDS回路部へ出力する機能と、前記送電フィードバック信号の電圧値が最大となる前記送電可変容量コンデンサの印加電圧を前記送電可変容量コンデンサへ出力する機能と、を備えることを特徴とする送電装置。
  2. 受電装置と対をなして磁界共鳴型電力伝送システムを構成する送電装置であって、
    交流電力を発生する電源部と、
    送電インダクタンスおよび送電容量から求まる送電共振周波数によって前記電源部からの前記交流電力を前記受電装置へワイヤレスで送電する送電共振回路部と、
    送電CPUと、
    前記電源部と前記送電共振回路部との間を結合する出力トランスと、
    前記出力トランスの前記送電共振回路部側で結合され、前記送電共振回路部の共振電圧を間接的に検出する検出コイルと、
    を備えており、
    前記電源部は、前記送電共振周波数に合うよう前記交流電力の周波数を調整するDDS回路部を備え、
    前記送電CPUは、前記検出コイルで検出された検出電圧を送電フィードバック信号として処理する機能と、前記送電フィードバック信号の電圧値が最大となる前記交流電力の周波数を前記DDS回路部へ出力する機能と、を備えることを特徴とする送電装置。
  3. 請求項1または2記載の送電装置において、
    前記電源部は、前記DDS回路部の出力を増幅させる電力増幅回路部を更に備えることを特徴とする送電装置。
  4. 受電装置と対をなして磁界共鳴型電力伝送システムを構成する送電装置であって、
    交流電力を発生する電源部と、
    送電インダクタンスおよび送電容量から求まる送電共振周波数によって前記電源部からの前記交流電力を前記受電装置へワイヤレスで送電する送電共振回路部と、
    送電CPUと、
    前記電源部と前記送電共振回路部との間を結合する出力トランスと、
    前記出力トランスの前記送電共振回路部側で結合され、前記送電共振回路部の共振電圧を間接的に検出する検出コイルと、
    を備えており、
    前記送電共振回路部は、印加電圧によって変化する可変容量を有し、前記交流電力の周波数に合うよう前記送電容量に含まれる前記可変容量によって前記送電共振周波数を調整する送電可変容量コンデンサを備え、
    前記送電CPUは、前記検出コイルで検出された検出電圧を送電フィードバック信号として処理する機能と、前記送電フィードバック信号の電圧値が最大となる前記送電可変容量コンデンサの印加電圧を前記送電可変容量コンデンサへ出力する機能と、を備えることを特徴とする送電装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の送電装置において、
    種類の異なる複数の送電コンデンサのいずれかを選択する複数の送電ジャンパピンを更に備えており、
    前記送電容量に含まれる選択された前記送電コンデンサの静電容量によって、前記送電共振周波数が調整される構成であることを特徴とする送電装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の送電装置と、
    前記送電装置と対をなす前記受電装置と、
    を備えることを特徴とする磁界共鳴型電力伝送システム。
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