JP5808849B1 - 制御方法、非接触通信装置、非接触給電装置、プログラム及び駆動回路 - Google Patents

制御方法、非接触通信装置、非接触給電装置、プログラム及び駆動回路 Download PDF

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Abstract

【課題】様々な要因による共振周波数の変動に対応でき、良好な通信特性を得ることができる制御方法、非接触通信装置、非接触給電装置、プログラム及び駆動回路を提供する。【解決手段】少なくとも一部が可変容量コンデンサVC1を含む共振回路を少なくとも有するアンテナを備える送受信装置100による制御方法であって、LPP処理およびディスカバリ処理により、送受信装置100が通信可能な範囲内に通信機器が存在するか否かを検出する検出ステップと、検出ステップにおける検出結果に基づき、チューニングを実行するか否かを決定する決定ステップと、決定ステップにおいてチューニングを実行すると決定した場合に、チューニングを実行するチューニングステップとを含む。【選択図】図10

Description

本発明は、制御方法、非接触通信装置、非接触給電装置、プログラム及び駆動回路に関する。
近年、近距離における非接触通信技術であるNFC(Near Field Communication)を利用した非接触通信システムの普及が著しい。このような非接触通信システムでは、システム専用のリーダ/ライタ(以下、R/Wと記す)装置の送信アンテナ(共振回路)から出力された送信信号を、非接触IC(Integrated circuit)カード内に設けられた受信アンテナが電磁誘導作用により受信する。
このような非接触通信システムでは、良好な通信特性を得るためには、R/W装置内の信号源の周波数と、R/W装置の送信アンテナの共振周波数と、非接触ICカード内の受信アンテナ(共振回路)の共振周波数とが互いに一致することが重要である。しかしながら、非接触ICカードの受信アンテナまたはR/W装置の送信アンテナの共振周波数は、様々な要因により変動する。この場合、非接触ICカードおよびR/W装置間で安定して情報を送受信することが困難になる。
そこで、非接触通信システムの技術分野では、あらゆる条件下において、良好な通信状態を保つための様々な技術が提案されている。特許文献1には、電磁誘導作用により外部と非接触通信を行う送信装置として、送信アンテナ、信号出力部、モニタ回路部、および補正回路部を備える構成として、通信状態をモニタしながら通信特性の最適化を図る技術が開示されている。この送信装置は、モニタ回路部がアンテナコイルに流れる電流に関する情報をモニタして、そのモニタされた情報に基づいて通信状態を判別し、補正回路部がモニタ回路部での判別結果に基づいて、通信特性を補正する(例えば特許文献1の段落[0137]等参照)。
特開2013−58170号公報
上述のように、アンテナの共振周波数は、様々な要因により変動する。例えばそれは、アンテナの特性の製造上のばらつき、使用環境、経時変化等によって変動する。これらの要因に基づく共振周波数の変動に対する新たな対策が望まれる。
本発明の目的は、上記要因による共振周波数の変動に対応でき、良好な通信特性を得ることができる制御方法、非接触通信装置、非接触給電装置、プログラム及び駆動回路を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る制御方法は、
少なくとも一部が可変容量コンデンサを含む共振回路を少なくとも有するアンテナを備える送受信装置による制御方法であって、
LPP処理およびディスカバリ処理により、前記送受信装置が通信可能な範囲内に通信機器が存在するか否かを検出する検出ステップと、
前記検出ステップにおける検出結果に基づき、チューニングを実行するか否かを決定する決定ステップと、
前記決定ステップにおいて前記チューニングを実行すると決定した場合に、前記チューニングを実行するチューニングステップとを含む。
前記検出ステップで、前記LPP処理および前記ディスカバリ処理の双方において、前記通信機器が存在しないことを検出した場合、
前記決定ステップで、前記チューニングを実行することを決定してもよい。
前記検出ステップで、前記LPP処理において前記通信機器が存在することを検出し、前記ディスカバリ処理において前記通信機器が存在しないことを検出した場合、
前記決定ステップで、前記チューニングを実行することを決定してもよい。
前記検出ステップで、前記LPP処理において前記通信機器が存在することを検出し、前記ディスカバリ処理において前記通信機器が存在しないことを検出した場合、
前記決定ステップで、前記チューニングを実行しないことを決定してもよい。
前記ディスカバリ処理は、前記通信機器からの信号を前記アンテナにより検出するカードモードと、所定の周波数の信号を前記アンテナから発信するR/Wモードとの少なくともいずれかを含んでいてもよい。
前記チューニングにおいて算出された前記アンテナを駆動する駆動回路への制御電圧である可変容量調整値と、当該チューニング前における前記駆動回路への制御電圧との差が、所定範囲以上である場合に、前記可変容量調整値を前記駆動回路への制御電圧として設定する設定ステップをさらに含んでいてもよい。
また、本発明の一形態に係る非接触通信装置は、
少なくとも一部が可変容量コンデンサを含む共振回路を少なくとも有するアンテナと、
LPP処理およびディスカバリ処理により、前記アンテナを使用して通信可能な範囲内に通信機器が存在するか否かを検出し、該検出結果に基づきチューニングを実行するか否かを決定し、前記チューニングを実行すると決定した場合に前記チューニングを実行する制御部とを備える。
また、本発明の一形態に係る非接触給電装置は、
少なくとも一部が可変容量コンデンサを含む共振回路を少なくとも有するアンテナと、
LPP処理およびディスカバリ処理により、前記アンテナを使用して通信可能な範囲内に通信機器が存在するか否かを検出し、該検出結果に基づきチューニングを実行するか否かを決定し、前記チューニングを実行すると決定した場合に前記チューニングを実行する制御部とを備える。
また、本発明の一形態に係るプログラムは、
少なくとも一部が可変容量コンデンサを含む共振回路を少なくとも有するアンテナを備える非接触通信装置に、
LPP処理およびディスカバリ処理により、前記非接触通信装置が通信可能な範囲内に通信機器が存在するか否かを検出する検出ステップと、
前記検出ステップにおける検出結果に基づき、チューニングを実行するか否かを決定する決定ステップと、
前記決定ステップにおいて前記チューニングを実行すると決定した場合に、前記チューニングを実行するチューニングステップとを実行させる。
また、本発明の一形態に係る駆動回路は、
制御部を備える非接触通信装置の駆動回路であって、
前記制御部が行うチューニングであって、LPP処理およびディスカバリ処理により前記非接触通信装置が通信可能な範囲内に通信機器が存在するか否かを検出し、該検出結果に基づいてチューニングを実行するか否かを決定し、前記チューニングを実行すると決定した場合に実行される前記チューニングにより算出された制御電圧である可変容量調整値と、当該チューニング前における制御電圧との差が、所定範囲以上である場合に、前記可変容量調整値を、制御電圧として、少なくとも一部が可変容量コンデンサを含む共振回路を少なくとも有するアンテナに印加することにより、該アンテナを駆動する。
本発明によれば、様々な要因による共振周波数の変動に対応でき、良好な通信特性を得ることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る非接触通信システムの概略構成を示す機能ブロック図である。 図2は、本発明の第1の実施形態に係る非接触通信装置の回路構成を示す。 図3Aは、シングル駆動型のインピーダンスマッチング回路を示し、図3Bは、差動駆動型のインピーダンスマッチング回路を示し、図3Cは図3Bの変形例を示し、図3Dは図3Aの変形例を示す。 図4Aは、LSI電流とその位相、およびアンテナを流れるアンテナ電流とその位相の特性を示すグラフであり、図4Bは、アンテナ駆動部からアンテナを見たインピーダンスとその位相の特性を示すグラフである。 図5は、共振点(位相0の周波数)とインピーダンス最小での周波数とのずれを拡大して示したグラフである。 図6は、共振周波数の、並列共振コンデンサの容量およびインピーダンスとの一般的関係を示すグラフである。 図7は、アンテナコイルの異なるインダクタンスでの、共振周波数とLSI電流との関係を示すグラフである。 図8は、非接触通信装置の工場出荷時において、非接触通信装置が自動で共振周波数のチューニングする処理を示すフローチャートである。 図9は、図8に示した処理のタイミングチャートを示す図である。 図10は、非接触通信装置の工場出荷後において、非接触通信装置が自動で共振周波数のチューニングする処理を行うか否かを判断するためのモードを決定する処理のフローチャートである。 図11は、モード1およびモード3におけるタイミングチャートの一例を示す図である。 図12は、モード2およびモード4におけるタイミングチャートの一例を示す図である。 図13は、非接触通信装置の工場出荷後における、非接触通信装置によるセルフチューニングの処理を示すフローチャートである。 図14は、本発明の第2の実施形態に係る非接触通信装置の回路構成を示す。 図15は、本発明の第3の実施形態に係る非接触通信装置の回路構成を示す。 図16は、図1に示した非接触通信システムの技術を、非接触給電システムに適用した場合における非接触給電システムの概略構成を示す機能ブロック図である。 図17は、給電装置における受電装置の検出(デバイス検出)から、充電(電力伝送)までのシーケンスを示す。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
(非接触通信システム)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る非接触通信システムの概略構成を示す機能ブロック図である。図1において、各回路ブロック間において情報の入出力に関する配線を実線矢印で示し、電力の供給に関する配線を破線矢印で示す。
本実施形態に係る非接触通信システム1は、国際標準規格ISO/IEC18092を基礎とするNFC−A、NFC−B、NFC−F等を含む近距離無線通信技術であるNFC(Near Field Communication)や、非接触給電技術であるWPC(Wireless Power Consortium)等に適用される。すなわち、非接触通信システム1は、1次側アンテナ部と2次側アンテナ部のコイル間の電磁誘導によって非接触に通信や給電を行う通信・給電システムに適用される。
非接触通信システム1は、送信装置100(送受信装置100)と、受信装置200とを備える。送信装置100および受信装置200は、それぞれ非接触通信装置として機能することができる。非接触通信システム1は、送信装置100と受信装置200との間で非接触通信により情報の送受信を行う。非接触通信システム1の例としては、例えば、Felica(登録商標)に代表されるような非接触ICカード規格と、NFC規格とを組み合わせた通信システムが挙げられる。
(送信装置)
送信装置100について説明する。送信装置100は、受信装置200に対して非接触でデータを読み書きするリーダライタ(R/W)機能を有する装置である。送信装置100は、図1に示すように、アンテナ共振部(アンテナ回路)110、送受信制御部113、送信信号生成部114、変調回路116、復調回路117、およびシステム制御部118を備える。
アンテナ共振部110は、1次側アンテナ部111およびインピーダンスマッチング部112を有し、後述するように、アンテナコイルおよび共振コンデンサ(可変容量コンデンサを有するコンデンサ部)を備える共振回路を構成する。アンテナ共振部110は、受信装置200の2次側アンテナ部201との間で、電磁結合により信号を送受信する。
送受信制御部113は、共振コンデンサの容量を調整する電圧発生回路(主に後述するDAC(デジタル/アナログ変換器)133)と、後述するアンテナ駆動部(アンテナ駆動装置)130の出力電流を測定する測定器(主に後述する差動増幅器A3およびADC(アナログ/デジタル変換器)134)を有する。1次側アンテナ部111は、共振回路により所望の周波数の送信信号を送信すると共に、後述する受信装置200からの応答信号を受信する。
インピーダンスマッチング部112は、送信信号生成部114と1次側アンテナ部111との間のインピーダンスの整合を取るマッチング回路としての機能を有する。なお、図1には示さないが、インピーダンスマッチング部112は、可変容量コンデンサ(以下、可変コンデンサともいう)を備える。本実施形態では、電圧発生回路において、後述するように可変コンデンサの容量を調整することにより、送信信号生成部114と1次側アンテナ部111との間のインピーダンスマッチングおよび共振周波数の最適化を実現する。
可変コンデンサとしては、典型的には、小型セラミックタイプのものが用いられる。その強誘電体材料としては、BaSrTiO3等が用いられ、この材料の比誘電率を変化させることで容量が変化する。可変コンデンサとして、RFスイッチを利用するタイプや、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)タイプが用いられてもよい。
送信信号生成部114は、変調回路116から入力された送信データにより所望の周波数(例えば13.56MHz)のキャリア信号を変調し、インピーダンスマッチング部112を介して、当該変調したキャリア信号を1次側アンテナ部111に出力する。
変調回路116は、システム制御部118から入力された送信データを符号化し、当該符号化した送信データを送信信号生成部114に出力する。
復調回路117は、インピーダンスマッチング部112を介して1次側アンテナ部111で受信した応答信号を取得し、該応答信号を復調する。そして、復調回路117は、復調した応答データをシステム制御部118に出力する。
システム制御部118は、外部からの指令や内蔵するプログラムにしたがって、各種制御用のコントロール信号を生成し、該コントロール信号を変調回路116および送受信制御部113に出力して、変調回路116および送受信制御部113の動作を制御する。また、システム制御部118は、コントロール信号(指令信号)に対応した送信データを生成し、該送信データを変調回路116に供給する。さらに、システム制御部118は、復調回路117で復調された応答データに基づいて所定の処理を行う。
なお、図1に示す例では、送信装置100において、送受信制御部113とシステム制御部118とをそれぞれ別個に設けるとして説明したが、送信装置100は、この例に限定されない。例えば、送信装置100において、送受信制御部113がシステム制御部118に含まれるように、回路を構成してもよい。
(受信装置)
次に、受信装置200について説明する。なお、図1では、受信装置200を非接触ICカード(データキャリア)として構成した例を示す。
受信装置200は、図1に示すように、受信アンテナとしての機能を有する2次側アンテナ部201、受信制御部202、システム制御部203、整流部204、復調回路205、変調回路206、定電圧部207、およびバッテリ208を備える。
2次側アンテナ部201は、例えば図示しない共振コイルおよび複数の共振コンデンサからなる共振回路を有する。この共振コンデンサは、制御電圧を印加することにより容量が変化する可変コンデンサを含む。2次側アンテナ部201は、送信装置100の1次側アンテナ部111と電磁結合により通信を行い、1次側アンテナ部111が発生する磁界を受けて、送信装置100からの送信信号を受信する。この際、2次側アンテナ部201の共振周波数が所望の周波数となるように、可変コンデンサの容量が調整される。
整流部204は、例えば、整流用ダイオードと整流用コンデンサとからなる半波整流回路で構成され、2次側アンテナ部201で受信した交流電力を直流電力に整流し、当該整流した直流電力を定電圧部207に出力する。
定電圧部207は、整流部204から入力された電気信号(直流電力)に対して電圧変動(データ成分)の抑制処理および安定化処理を施し、当該処理された直流電力を受信制御部202に供給する。整流部204および定電圧部207を介して出力された直流電力は、受信装置200内のICを動作させるための電源として使用される。
受信制御部202は、2次側アンテナ部201の共振特性を制御して、受信時における共振周波数の最適化を図る機能を有する。具体的には、2次側アンテナ部201内に含まれる可変コンデンサに制御電圧を印加してその容量を調整し、これにより、2次側アンテナ部201の共振周波数を調整する。
復調回路205は、2次側アンテナ部201で受信した受信信号を復調し、当該復調した信号をシステム制御部203に出力する。
システム制御部203は、復調回路205で復調された信号に基づいて、その内容を判断して必要な処理を行い、変調回路206および受信制御部202を制御する。
変調回路206は、システム制御部203で判断された結果(復調信号の内容)に従って受信キャリアを変調して応答信号を生成する。また、変調回路206は、生成した応答信号を2次側アンテナ部201に出力する。変調回路206から出力された応答信号は、非接触通信により、2次側アンテナ部201から1次側アンテナ部111に送信される。
バッテリ208は、システム制御部203に電力を供給する。このバッテリ208への充電は、その充電端子を外部電源50に接続することにより行われる。図1に示すように受信装置200がバッテリ208を内蔵する構成である場合には、より安定した電力をシステム制御部203に供給することができ、安定した動作が可能となる。
なお、受信装置200は、バッテリ208を使用せずに、整流部204および定電圧部207を介して生成される直流電力を用いて、システム制御部203を駆動する構成であってもよい。
本実施形態の非接触通信システム1では、送信装置100の1次側アンテナ部111と受信装置200の2次側アンテナ部201との間において、電磁結合を介して非接触でデータ通信を行う。このため、送信装置100および受信装置200において効率良く通信を行うために、1次側アンテナ部111および2次側アンテナ部201の各共振回路が同じキャリア周波数(例えば13.56MHz)で共振するように構成される。
(非接触通信装置の回路構成)
図2は、非接触通信装置である送信装置100の回路構成を示す。非接触通信装置は、アンテナ共振部110、フィルタ部120、アンテナ駆動部130、制御部140および記憶部141を備える。
アンテナ共振部110は、アンテナコイルL3およびインピーダンスマッチング部112を有する。アンテナ共振部110は、アンテナコイルL3に、インピーダンスマッチング部112が接続されて構成される。インピーダンスマッチング部112は、アンテナ駆動部130とアンテナコイルL3のインピーダンス不整合を防ぎ、アンテナ駆動部130の負荷をアンテナコイルL3によらず常に一定、かつ純抵抗にしている。
具体的には、アンテナ共振部110は、例えば可変コンデンサ(並列共振コンデンサ部)VC1が並列接続され、固定容量のコンデンサC2およびC5(直列共振コンデンサ部)が直列接続された直並列共振回路として構成される。可変コンデンサVC1は、入力される制御電圧(制御信号)が変化することにより容量が変化し、これにより、アンテナ共振部110の共振周波数が変化する。なお、可変コンデンサは、複数設けられ、それら複数の可変コンデンサの容量が、同じ制御電圧値により変化するように構成されていてもよい。
コンデンサC7およびC8は、可変コンデンサVC1に印加される上記制御電圧(DC電圧)がアンテナL3に漏れないようにするためのDCカットの機能を有する。コンデンサC9およびC10は、アンテナサイズの違い等によるアンテナ特性差を吸収するための追加のコンデンサである。
インピーダンスマッチング部112は、アンテナ共振部110のQ値(Quality Factor、先鋭度)を決めるダンピング抵抗R1およびR2を有する。
フィルタ部120は、コイルL1およびL2と、コンデンサC1およびC4とを有し、EMC(Electro Magnetic Compatibility)機能を有する。アンテナ駆動部130から出力される高周波の発振信号(上述の送信信号)は矩形波である。フィルタ部120は、この発振信号による高周波ノイズを除去する。コイルL1およびL2は、コンデンサC2およびC5の一方の端子にそれぞれ接続されている。コンデンサC1およびC4は、コイルL1およびL2のそれぞれとグランドとの間に接続されている。
アンテナ駆動部130は、発振周波数を制御可能な発振部131と、発振部131により得られる発振信号をアンテナ共振部110に供給する出力部135と、発振部131の出力ゲインを制御するゲインコントローラ132とを備える。また、アンテナ駆動部130は、後述する制御部140からのデジタルの制御電圧値をアナログ信号に変換するDAC133と、出力部135からの出力電流を測定する差動増幅器A3により構成される測定部と、差動増幅器A3の出力信号が入力され、これをデジタル信号に変換するADC134とを含む。アンテナ駆動部130は、例えばLSI(Large Scale Integration)により構成される。
また、非接触通信装置は、発振部131の発振周波数およびアンテナ共振部110のアンテナ共振周波数を制御する制御部140と、アンテナパラメータおよび発振部131による発振周波数等の設定値を記憶する記憶部141とを備える。制御部140は、図1における送受信制御部113およびシステム制御部118、または、この2つが一体となって機能する機能部に相当する。
発振部131は、制御部140から供給される周波数制御信号により発振周波数が例えば12〜17MHzの広範囲に亘って制御可能な周波数可変発振器により構成される。特に、発振部131は、後述するように、所定の周波数からオフセットされて設定された発振周波数の信号を、アンテナ共振部110に出力可能に構成される。
本実施形態では、「所定の周波数」は、後述するように、アンテナ共振部110のインダクタンス、Q値、インピーダンス等の設計により決まる設計値であり、インピーダンス位相が0になる周波数である。これらはアンテナ特性を決定する設計値である。インピーダンス位相が0になる周波数は、規格値である13.56MHzと一致する場合もあるし、一致せずにずれる場合もある。
また本実施形態では、所定の周波数からオフセットされて得られる最終的な発振周波数であるターゲット周波数は、規格値である13.56MHzでもよいし、メーカによってはその規格値と異なる、規格値の近傍の値に設定されてもよい。ターゲット周波数は、例えば、アンテナ駆動部130の出力電流(以下、LSI電流ともいう)が最小となる周波数である。
従って、所定の周波数およびターゲット周波数は、メーカまたは製品モデルによって異なる固有値である。
出力部135は、発振部131から供給される高周波の発振信号を、正相の発振信号および逆相の発振信号として出力する一対の差動増幅器A1およびA2を備える。
測定部は、出力部135の差動増幅器A1の入力端と出力端に接続されている。測定部は、差動増幅器A1の出力電流(以下、LSI電流という)I_lsiを測定する。LSI電流は、差動増幅器A1に入力される発振信号の電圧V1および差動増幅器A1から出力される正相の発振信号の電圧V2との電圧差を出力抵抗によって換算することで測定される。測定部は、ADC134を介して、その測定結果を制御部140に供給する。
制御部140は、非接触通信装置のR/W機能とカード機能を制御する機能を有する。R/W機能は、非接触通信装置が、図1に示した送信装置として、2次側機器(相手側機器)である受信装置200と通信(データの読み書き)を行う機能である。カード機能とは、図1に示した2次側機器である受信装置200の機能であり、非接触通信装置が、その機能を持つことを意味する。
制御部140は、アンテナ共振部110の共振周波数が、設定された所定の周波数になるように、可変コンデンサVC1に印加する制御電圧を制御する。DAC133は、制御部140から出力されるデジタル制御電圧値をアナログ制御電圧信号Vcntに変換して、アンテナ共振部110の制御信号ライン119を介して可変コンデンサVC1に印加する。これにより、アンテナ共振部110のインピーダンスを1ms以下で高速に変えることが可能となる。なお、制御部140は、例えばCPU(Central Processing Unit)等により構成される。
アンテナ駆動部130において、制御値入力部139は、制御部140からの制御電圧値が入力される端子またはラインである。
NFCシステム等の非接触通信において使用される基本的なマッチング回路としては、図3A〜Dにそれぞれ示すタイプの回路構成がある。図3Aに示すタイプは、1チャンネルでアンテナコイルL3を駆動するシングル駆動型であり、図3Bに示すタイプは、2チャンネルでアンテナコイルL3を駆動する差動駆動型である。図3Aおよび図3Bのいずれに示す回路構成においても基本動作は同じである。Tx1端子とTx2端子はアンテナ駆動部130の駆動端子である。図3Cに示すマッチング回路は、図3Bの変形例であり、図3Bと同様に非接触通信で使われる。図3Dに示すマッチング回路は、図3Aの変形例で直列共振回路の構成となっており、例えば非接触給電等で使われる。
非接触通信装置におけるアンテナ共振部110は、2チャンネルでアンテナコイルL3を駆動する差動駆動型の回路構成である。
図2において、アンテナ共振部110における、Tx1端子およびTx2にそれぞれ接続されたラインは、発振部131からの発振信号が入力される入力ライン129である。2チャンネルの場合、入力ライン129は2本であり、1チャンネルの場合、入力ライン129は1本である。
R/Wモードでは、制御部140は、発振部131を上記した周波数範囲のうち任意の周波数で発振させ、その周波数を持つ正相の発振信号と逆相の発振信号が出力部135からTx1端子およびTx2端子に出力されるように制御を行う。
カードモードでは、制御部140は、アンテナ共振部110のアンテナコイルL3に誘起される受信信号を、図示しない受信回路で検出し、負荷変調により応答する制御を行う。
図4Aは、LSI電流とその位相、アンテナコイルL3を流れるアンテナ電流とその位相の特性を示すグラフである。図4Bは、インピーダンス(アンテナ駆動部130からアンテナを見たインピーダンス)とその位相の特性を示すグラフである。実線がインピーダンス(Ω)、破線が位相(deg)である。横軸が周波数である。図4Aの左縦軸が電流値、右縦軸が位相、図4Bの左縦軸がインピーダンス、下の右縦軸が位相を示す。
本実施形態のように、直並列共振回路では、図4Bのグラフに示すように、インピーダンス位相が0になる共振点が2箇所存在する(図4における第1の位相0点および第2の位相0点)。周波数が低い方の共振点(すなわち第1の位相0点)は、インピーダンス位相がマイナスからプラスになる点であり、主として直列共振コンデンサ部であるコンデンサC2およびC5と、アンテナコイルL3とによる直列共振点である。第1の位相0点において、直列共振によりインピーダンスが最小となる周波数が存在する。直並列共振回路のうち並列共振コンデンサである可変コンデンサVC1等の影響により、位相0の周波数より低い周波数で、インピーダンスが最小となる。
周波数が高い方の共振点(すなわち第2の位相0点)は、インピーダンス位相がプラスからマイナスになる点であり、主として、可変コンデンサVC1とアンテナコイルL3との並列共振点である。第2の位相0点において、並列共振によりインピーダンスが最大となる周波数が存在する。直並列共振回路のうち直列共振コンデンサであるコンデンサC2およびC5の影響により、位相0の周波数より高い周波数で、インピーダンスが最大となる。
ここで、チューニングの一般的な設計として、直列共振点をシステム周波数(例えば13.56MHz)に合わせる方法と、並列共振点をそのシステム周波数に合わせる方法の二通りがあり、使用するLSIによりどちらかが選択される。
共振点(位相0の周波数)とインピーダンス最小または最大での周波数とのずれ量は、アンテナコイルのインダクタンス、Q値、インピーダンス等の設計値によって変わる。図5は、このずれを拡大して示したグラフである。このグラフは、直並列の各共振コンデンサを固定したまま、発振部131の発振周波数を変えて、アンテナのインピーダンスと、アンテナ共振部110の各電流を計算した結果を示す。ここでは、L=1.25uHのアンテナが用いられ、直列共振点を例えば13.56MHzに合わせ、インピーダンスZ=8Ω(低インピーダンス型)で設計されている(これに対し、図4では、並列共振点を13.56MHzに合わせた例を示している)。図5に示す各電流は、アンテナ電流、LSI電流、およびフィルタ電流(フィルタ部120を流れる電流)である。
図5に示すように、アンテナ電流は設計どおり13.56MHzでピークとなるが、インピーダンスが最小になる周波数およびLSI電流が最大になる周波数は、13.56MHzから100KHz程度低い周波数である13.46Hzにずれていることがわかる。
このように、共振点(位相0の周波数)(図4参照)とインピーダンス最小または最大での周波数とのずれが発生するため、このずれを補正するために、上述したように、オフセット値(当該ずれ量)に基づくターゲット周波数が設定される。オフセット値は、例えば製品モデルごとに計算し実測して定められる。
ここで、直列共振点を13.56MHzに合わせるタイプの低インピーダンス型のアンテナデバイスは、LSIの出力抵抗の影響を受けやすく、1Ω以下の出力抵抗を持つLSIと組み合わせて使うのが一般的である。直列共振点を使用するので、共振点近傍では共振周波数ずれに対してインピーダンスの変化が小さく安定である。
一方、並列共振点を13.56MHzに合わせるタイプの高インピーダンス型のアンテナデバイス(例えば図4に示したグラフを参照)は、LSIの出力抵抗が大きくても、その影響を受けににくく、出力抵抗が数ΩのLSIと組み合わせて使うのが一般的である。並列共振点を利用してインピーダンスを高くすることでLSI電流を減らすことができるというメリットがある。
図4に示した例は、上記のように並列共振点を13.56MHzに合わせるタイプの高インピーダンス型(例えば80Ω)のアンテナデバイスの特性を示している。ここで、本実施形態では、高インピーダンス型のアンテナデバイスのマッチング定数を設計した例を主として説明する。
図6は、共振周波数の、並列共振コンデンサ部の容量およびインピーダンスとの一般的関係を示すグラフである。このグラフは、一般的な関係性(特性)を示すものであり、グラフに示される数値に限定するものではない。図6におけるアンテナコイルのインダクタンスは1.25μHである。共振周波数と容量との関係は直線で近似できる。インピーダンスは13.56MHz近傍でピークとなる。並列共振コンデンサの容量を変えることにより、共振周波数とインピーダンスを変えられることがわかる。
図7は、アンテナコイルの異なるインダクタンス(L=0.75μH、1.0μH、1.25μH、1.5μH)での、共振周波数とLSI電流との関係を示すグラフである。アンテナコイルのインダクタンスに無関係にLSI電流の最小値は一致している。これにより、インダクタンスとは無関係に、共振周波数がほぼLSI電流最小での周波数であることがわかる。つまり、本開示の発明者は、所定の周波数からオフセットされた発振周波数をターゲット周波数として使用することで、直並列共振回路の並列共振コンデンサの容量を変化させて並列共振点を使って共振周波数のチューニングを行なう場合、並列共振コンデンサの容量を変化させながらLSI電流を測定してその最小値を検出すればよいことを見出した。本実施形態においては、このようにLSI電流の最小値を検出することにより、共振周波数のチューニングを行うとして説明するが、直列共振点を使って共振周波数のチューニングを行なう場合は、それとは逆に、並列共振コンデンサの容量を変化させながらLSI電流の最大値を検出すればよい。
図4に示したように、実際に位相0となる共振周波数と、インピーダンスが最大(LSI電流が最小)になる周波数とがずれる。したがって、上述のように、設計者が、アンテナ共振部110の設計値(インダクタンス、Q値、インピーダンス等)、およびLSI電流が最小となる周波数に基づいて、所定の周波数および所定の周波数からのずれ量(オフセット値)を予め見積り、それらの値を例えば記憶部141(図2参照)に記憶させておく。この場合、オフセットされて得られる周波数であるターゲット周波数が記憶されてもよく、所定の周波数およびオフセット値の両方が記憶されてもよい。
制御部140は、このターゲット周波数を得るために、LSI電流の最小値を得るための、可変コンデンサVC1への制御電圧信号である最適制御値を出力する。この場合、例えば図4で示したように、並列共振点は、所定の周波数(典型的には13.56MHz)から低い方へずれる場合、チューニング用の周波数、つまりターゲット周波数として、並列共振点からオフセット値分高く設定しておく。
直並列共振回路の並列共振コンデンサ、つまり可変コンデンサVC1を変化させて、直列共振点を使って共振周波数のチューニングを行う場合も上記と同様である。この場合、実際に位相0となる共振周波数とインピーダンスが最小になる周波数とが図4に示したようにずれる。直列共振点は、所定の周波数(典型的には13.56MHz)から高い方へずれるため、ターゲット周波数として、直列共振点からオフセット値分だけ低く設定しておけばよい。
上述したように、メーカによっては、通信特性が最良になるように経験的に得た、13.56MHzからずらした周波数を、ターゲット周波数として、設定する場合もある。
本実施形態に係る非接触通信装置は、特許文献1に示されているアンテナ電流ではなくLSI電流を使ったチューニングを行うことで、後でも述べるように、LSIに低コストでチューニング機能を搭載することができる。ただし図5に示したように、インピーダンス位相(図4参照)が0となる共振周波数とアンテナ電流の最大値は良く一致するが、LSI電流の最小または最大値がずれるため、このことが誤差の要因となっている。したがって、このずれをオフセットとして補正することで、正確なチューニングを行えるようにしている。
上述したように、オフセット値は周波数として記憶する以外にも、例えば図6に示した容量対共振周波数の特性から、周波数オフセットを容量オフセットに変換し、その容量オフセットに相当する電圧値として記憶することも可能である。この場合、製造段階において、オフセット無しの所定の周波数にて共振周波数のチューニングを実行し、求めた電圧値に上記オフセットに相当する電圧を加えることで、周波数オフセットと同等な効果を得ることができる。この場合、周波数オフセットが不要であるため、所定の周波数がシステム周波数の13.56MHzである場合は、発振部131は発振周波数を固定周波数13.56MHzに設定でき、LSIの回路が簡単になると言うメリットがある。
(非接触通信装置の処理)
<工場出荷時>
図8は、この非接触通信装置の工場出荷時において、非接触通信装置が自動で共振周波数のチューニングする処理を示すフローチャートである。
制御部140は、初期化として、所定の周波数からオフセットされた、ターゲット周波数f0を、記憶部141から読み出し、これを発振部131に設定する(ステップ101)。
制御部140は、初期化として、予め記憶部141に記憶されているアンテナパラメータを、制御部140の内部レジスタやゲインコントローラ132等に設定する(ステップ102)。アンテナパラメータとは、例えば、インピーダンス、Q値、発振部131から出力される発振信号のゲイン、可変コンデンサVC1へのDAC133の制御電圧値(ここでは初期値として例えば0V)等である。
制御部140は、DAC133への制御電圧値を、例えば0Vから1ステップごとに、単位電圧ずつ増加させ、その1ステップごとに測定部によりLSI電流を測定する(ステップ103)。例えば制御部140は、システム電圧の最大値である3Vまで制御電圧値を増加させていく。0〜3Vまでの間に、制御部140がLSI電流の最小値を検出すると(ステップ104のYes)、制御部140は、LSI電流が最小のときの、DAC133への制御電圧値である最適制御値を、記憶部141に記憶する(ステップ105)。
なお、制御部140、必ずしも3Vまで制御電圧値を増加させる必要はなく、0Vからの制御電圧値の増加途中で、制御部140が最小値を検出すれば、その時点でステップ105へ進めばよい。
その後、制御部140は、通信用の発振周波数(例えば13.56MHz)を、発振部131に設定する(ステップ106)。制御部140は、通信用のアンテナパラメータを設定して(ステップ107)、チューニング処理を終了する。通信用のアンテナパラメータの1つとして、記憶部141に記憶された最適制御値がある。つまり、通信時には、制御部140は、記憶部141に記憶された最適制御値を使用して共振周波数を制御する。
なお、以下でも説明するように、通信用のアンテナパラメータとして、チューニング用のそれとは異なるパラメータがある。そのパラメータの1つは、例えば発振部131による発振信号のゲインである。
図9は、図8に示した処理のタイミングチャートを示す。横方向は時間経過、縦方向はLSI電流値を模式的に示す。制御部140は、チューニング用のアンテナパラメータを設定後、1ステップごとに、単位電圧ずつDAC133への制御電圧値を上げることにより、LSI電流の変化を検出し、最小値を検出する。その後、通信用のアンテナパラメータが設定され、通信が行われる。
LSI電流の最小値(または最大値)の検出期間は、50〜100μsが望ましい。これは、後述するディスカバリ時間の300msに比べると十分に小さい値である。
ここで、図9に示すように、LSI電流の大きさ、つまり、出力部135からの発振信号のゲインとして、通信時での値(第1の値)より、検出期間での値(第2の値)の方が大きくなるように、当該ゲインが設定される。これにより、検出時において電流信号のSN比を高めることができるので、制御部140は、正確な最適制御値を得ることができる。例えば、第2の値が、第1の値の1.5〜2倍とされるのが好ましいが、LSIの許容電流の範囲内に設定される。
<工場出荷後>
図10は、非接触通信装置の工場出荷後、例えば、ユーザがこの非接触通信装置を使用する場合の、非接触通信装置が自動で共振周波数のチューニングする処理(セルフチューニング処理)を行うか否かを判断するためのモードを決定する処理(モード決定処理)のフローチャートである。本実施形態の非接触通信装置によるセルフチューニング処理は、非接触通信装置(またはこれを搭載した電子機器)がLPP(low power polling:ローパワーポーリング)処理およびディスカバリ処理に基づき、所定の条件を満たした場合に実行される。
LPP処理とは、例えば50〜300μsecの短時間のキャリア信号を間欠的に送出してポーリングを行うことにより、非接触通信装置の通信可能な範囲内にカード機能を有する送受信装置が存在するか否かについての簡易検出を行う処理である。LPP処理では、キャリア信号を短時間の間に間欠的に送出するため、通常のポーリングと比較して消費電力が大幅に削減できる。本実施形態において、カード機能を有する送受信装置がICカードであるとして以下説明するが、カード機能を有する送受信装置はこれに限られない。
ディスカバリ処理とは、例えば非接触通信装置が、R/W機能およびカード機能の両方を備える場合に、R/W機能を持つ機器(R/Wモード)と、カード機能を持つ機器(カードモード)とに交互に入れ替わり、2次側機器を検出する処理である。ディスカバリ処理において、非接触通信装置は、R/Wモードもしくはカードモード、またはその両方の動作を行う。本実施形態において、非接触通信装置は、R/Wモードおよびカードモードの両方の動作モードを行うことによりディスカバリ処理を行うとして、以下説明する。
LPP処理では、間欠的にキャリア信号を送出してポーリングを行うため、非接触通信装置がLPP処理によってICカードの存在を検出したとしても、その検出は必ずしも精度が高くない場合がある。すなわち、非接触通信装置がLPP処理によってICカードが存在することを検出しても、当該検出が誤検出であり、実際にはICカードが存在しない場合がある。また、その反対に、LPP処理による検出感度が低い場合に、被検出通信装置がLPP処理によってICカードが存在しないことを検出しても、当該検出が誤検出であり、実際にはICカードが存在する場合がある。
LPP処理における誤検出は、工場出荷後の条件の変化によるアンテナの特性変化によっても発生する。例えば、工場出荷前における非接触通信装置の周囲の温度と、工場出荷後に非接触通信装置が設置された位置の温度とが変化した場合、アンテナの特性が変化する場合がある。また、例えば工場出荷後に非接触通信装置が同一の場所に置かれていた場合であっても、季節変化による周囲の温度変化等により、アンテナの特性が変化する場合がある。また、例えば、非接触通信装置の周囲に金属が存在する場合、非接触通信装置に対する金属の位置および非接触通信装置と金属との距離等に応じて、アンテナ特性が変化する場合がある。これらの例の他、任意の条件の変化によってアンテナの特性が変化した場合、LPP処理において、非接触通信装置の周辺にICカードが存在しなくても、ICカードが存在すると検出する場合がある。
LPP処理に対して、ディスカバリ処理では、R/Wモードにおいてキャリア信号を連続的に送出することにより、ICカードの存在の有無を検出するポーリングを行う。そのため、ディスカバリ処理では、非接触通信装置の周辺にICカードが存在するか否かを、LPP処理と比較して、高い精度で検出できる。
本実施形態の非接触通信装置は、LPP処理とディスカバリ処理とを行うことによりICカードの存在の有無を検出し、検出した結果に応じて、自動で共振周波数のセルフチューニングする処理を行うか否かを判断するためのモードを決定する。モードは、LPP処理およびディスカバリ処理において、それぞれICカードの存在が検出されたか否かによって分類される。本実施形態において、非接触通信装置は、モード1からモード4の4通りのいずれかのモードを決定する。
非接触通信装置は、LPP処理およびディスカバリ処理において、ともにICカードの存在を検出した場合、モード1であると決定する。モード1においては、非接触通信装置の周辺にICカードが存在し、非接触通信装置が当該ICカードと通信可能な状態である。非接触通信装置は、モード1と決定した場合、セルフチューニング処理を行わず、ICカードとの通信を開始する。
非接触通信装置は、LPP処理においてICカードの存在を検出したが、ディスカバリ処理においてICカードの存在を検出しない場合、モード2であると決定する。モード2において、LPP処理によりICカードの存在が検出されている。しかし、ディスカバリ処理によってはICカードの存在が検出されていないため、実際には、非接触通信装置の周辺にICカードは存在しない。従って、LPP処理による検出は誤検出である。つまり、モード2は、条件の変化によってアンテナの特定が変化していることを示す。この場合、条件が変化していることにより誤検出が発生しているため、非接触通信装置はセルフチューニング処理を行わなくてもよい。また、非接触通信装置は、条件の変化に合わせてセルフチューニング処理を行ってもよい。また、非接触通信装置がセルフチューニングを行うか否かは、例えば予めユーザの入力操作等により決定されていてもよい。本実施形態では、モード2の場合、非接触通信装置は、セルフチューニング処理を行うとして説明する。
非接触通信装置は、LPP処理においてICカードの存在を検出しないが、ディスカバリ処理においてICカードの存在を検出した場合、モード3であると決定する。モード3においては、ディスカバリ処理によりICカードの存在が検出されているため、LPP処理による検出は精度が高くないことによる誤検出であり、実際には非接触通信装置の周辺にICカードが存在する。従って、モード3において、非接触通信装置はICカードと通信可能な状態である。そのため、非接触通信装置は、モード3と決定した場合、セルフチューニング処理を行わず、ICカードとの通信を開始する。
非接触通信装置は、LPP処理およびディスカバリ処理において、ともにICカードの存在を検出しない場合、モード4であると決定する。モード4においては、非接触通信装置の周辺にICカードが存在せず、非接触通信装置はセルフチューニング処理を行う。
LPP処理およびディスカバリ処理による検出結果と、非接触通信装置が決定するモードとの関係を、表1に示す。非接触通信装置は、上記説明及び表1に記載の通り、LPP処理およびディスカバリ処理の結果に基づいて、モードを決定する。そして、非接触通信装置は、決定したモードに基づいて、ICカードとの通信またはセルフチューニング処理を行う。
Figure 0005808849
図10を参照して、非接触通信装置が行うモード決定処理について、具体的に説明する。まず、制御部140は、ICカード検出の初期化を行う(ステップ201)。そして、制御部140は、LPP処理により、キャリア信号を間欠的に送出することによって、2次側機器であるICカードが通信可能な範囲内に存在するか否かを判断する(ステップ202)。
制御部140は、LPP処理によってICカードが通信可能な範囲内に存在すると判断すると(ステップ202のYes)、次にディスカバリ処理を行う。
具体的には、制御部140は、非接触通信装置を、初期モードのR/Wモードに設定する(ステップ203)。そして、制御部140は、2次側機器として周辺にICカードが存在するか否かを監視する(ステップ204)。ステップ202では、非接触通信装置が所定時間間隔で発振信号を出力することで、その存在の有無を検出する。
制御部140は、ICカードが存在すると判断すると(ステップ204のYes)、モード1であると決定する(ステップ208)。そして、このフローは終了し、非接触通信装置は、検出したICカードと通信を開始する。
一方、制御部140は、ICカードが存在しないと判断すると(ステップ204のN)、動作モードをR/Wモードからカードモードに切り替える(ステップ205)。そして、制御部140は、相手側機器としてR/Wが存在するか否かを監視する(ステップ206)。
制御部140は、R/Wが存在すると判断した場合(ステップ206のYes)、モード1であると決定する(ステップ208)。そして、このフローは終了し、非接触通信装置は、検出したR/Wと通信を開始する。
制御部140は、R/Wが存在しないと判断した場合(ステップS206のNo)、タイムアウトしたか否かを判断する(ステップ207)。制御部140は、例えばステップ205でカードモードに切り替えるタイミングで、タイマのカウントアップを開始する。
制御部140は、タイムアウトしていないと判断した場合(ステップ207のNo)、ステップ203に戻り、タイムアウトするまで、ステップ203から207の処理を繰り返す。
制御部140は、タイムアウトしたと判断した場合(ステップ207のYes)、例えば非接触通信装置による電力の消耗を減らすため、ディスカバリを停止し、スタンバイ等の低消費モードに移行するとともに、モード2であると決定する(ステップ209)。そして、このフローは終了し、制御部140は、工場出荷後のセルフチューニング処理を実行する。
一方、制御部140は、LPP処理によってICカードが通信可能な範囲内に存在しないと判断すると(ステップ202のNo)、タイムアウトしたか否かを判断する(ステップS210)。制御部140は、例えば最初にステップ202に移行したときに、タイマのカウントアップを開始する。
制御部140は、タイムアウトしていないと判断した場合(ステップ210のNo)、ステップ202に戻り、タイムアウトするまで、LPP処理によりICカードが存在するか否かの検出を繰り返す。
制御部140は、LPP処理でICカードが通信可能な範囲内に存在することを検出しないままタイムアウトした場合(ステップ210のYes)、次に、ステップ211からステップ215においてディスカバリ処理を行う。
ここで、ステップ211からステップ215は、それぞれステップ203からステップ207に対応し、具体的なディスカバリ処理は、ステップ203からステップ207と同一であるため、詳細な説明を省略する。
制御部140は、ステップ212でICカードが存在すると判断した場合(ステップ212のYes)、モード3であると決定する(ステップ216)。そして、このフローは終了し、非接触通信装置は、検出したICカードと通信を開始する。
また、制御部140は、ステップ214でR/Wが存在すると判断した場合(ステップ214のYes)、モード3であると決定する(ステップ216)。そして、このフローは終了し、非接触通信装置は、検出したR/Wと通信を開始する。
一方、制御部140は、ディスカバリ処理においてタイムアウトしたと判断した場合(ステップ215のNo)、例えば非接触通信装置による電力の消耗を減らすため、ディスカバリを停止し、スタンバイ等の低消費モードに移行するとともに、モード4であると決定する(ステップ217)。そして、このフローは終了し、制御部140は、工場出荷後のセルフチューニング処理を実行する。
なお、図10の説明において、非接触通信装置は、LPP処理およびディスカバリ処理の両方を行うものとして説明したが、機器の性質または設定等によっては、いずれかの処理を実行しなくてもよい。例えば、非接触通信装置は、カード機能のみを有する場合、LPP処理を使用しないか、またはLPP処理の機能を有さないように設定されることがある。この場合、非接触通信装置は、LPP処理を実行せずに、ディスカバリ処理を実行することによって、セルフチューニングを実行するか否かを判断してもよい。
図11は、モード1およびモード3におけるタイミングチャートの一例を示す図である。図11のタイミングチャートにおいて、横方向は時間経過、縦方向はLSI電流値を模式的に示す。非接触通信装置は、LPP処理を実行した後、ディスカバリ処理を行う。本実施形態では、ディスカバリ処理として、まずR/Wモードでポーリングを実行した後、カードモードにより周辺にR/Wが存在するかを検出する。非接触通信装置は、LPP処理およびディスカバリ処理の結果、モード1またはモード3であると決定すると、存在を確認した周辺の通信装置と通信を行う。
図12は、モード2およびモード4におけるタイミングチャートの一例を示す図である。図12のタイミングチャートにおいて、横方向は時間経過、縦方向はLSI電流値を模式的に示す。非接触通信装置は、LPP処理を実行した後、ディスカバリ処理を行う。本実施形態では、ディスカバリ処理として、まずR/Wモードでポーリングを実行した後、カードモードにより周辺にR/Wが存在するかを検出する。非接触通信装置は、LPP処理およびディスカバリ処理の結果、モード2またはモード4であると決定すると、セルフチューニングを実行する。
次に、本実施形態において、モード2またはモード4において、非接触通信装置が行うセルフチューニング処理について説明する。図13は、非接触通信装置の工場出荷後における、非接触通信装置によるセルフチューニングの処理を示すフローチャートである。
制御部140は、初期化として、所定の周波数f1を、記憶部141から読み出し、これを発振部131に設定する(ステップ301)。所定の周波数f1は、例えば13.56MHzとすることができる。
制御部140は、初期化として、予め記憶部141に記憶されているアンテナパラメータを、制御部140の内部レジスタやゲインコントローラ132等に設定する(ステップ302)。
制御部140は、DAC133への制御電圧値を、例えば0Vから1ステップごとに、単位電圧ずつ増加させ、その1ステップごとに測定部によりLSI電流を測定する(ステップ303)。
制御部140は、測定したLSI電流が最小値であるか否かを判断する(ステップ304)。
制御部140は、測定したLSI電流が最小値でないと判断した場合(ステップ304のNo)、掃引されたDAC133への制御電圧が3Vであるか否かを判断する(ステップ311)。
制御部140は、掃引されたDAC133への制御電圧が3Vでないと判断すると(ステップ311のNo)、ステップ303に移行する。
一方、制御部140は、掃引されたDAC133への制御電圧が3Vであると判断すると(ステップ311のYes)、エラー処理を実行する(ステップ312)。エラー処理は、例えば、非接触通信装置からエラー信号をユーザに通知することにより行う。そして、このフローを終了する。
制御部140は、ステップ304においてLSI電流が最小であると判断すると(ステップ304のYes)、LSI電流が最小のときのDAC133への制御電圧値を、最適制御値と決定する(ステップ305)。
なお、制御部140、必ずしも3Vまで制御電圧値を増加させる必要はなく、0Vからの制御電圧値の増加途中で、制御部140が極小を検出すれば、それを最小値とみなして、その時点でステップ305へ進んでもよい。
次に、制御部140は、発振部131に設定された制御電圧(可変容量調整値)と、ステップ305において記憶部141に記憶された電圧との差が所定の範囲以上であるか否かを判断する(ステップ306)。所定の範囲は、適宜設定することができる。例えば、DAC133が5ビットDACの場合、1ビットが約90mVの電圧に相当し、所定の範囲を2ビットに設定してもよい。
制御部140が、予め記憶されていた可変容量調整値と、最適制御値との差が所定の範囲より小さいと判断した場合(ステップ306のNo)、ステップ307およびステップ308を経ずに、ステップ309に進む。
一方、制御部140が、予め記憶されていた可変容量調整値と、最適制御値との差が所定の範囲以上であると判断した場合(ステップ306のYes)、最適制御値を、記憶部141に記憶する(ステップ307)。そして、制御部140は、記憶部141に記憶された電圧を、発振部131に設定するようにして、発振部131の制御電圧を更新する(ステップ308)。
その後、制御部140は、通信用の発振周波数(例えば13.56MHz)を、発振部131に設定する(ステップ309)。制御部140は、通信用のアンテナパラメータを設定して(ステップ310)、セルフチューニング処理を終了する。通信用のアンテナパラメータの1つとして、記憶部141に記憶された最適制御値がある。つまり、通信時には、制御部140は、記憶部141に記憶された最適制御値を使用して共振周波数を制御する。
なお、非接触通信装置が行うセルフチューニング処理は、図13に示したフローに限られない。例えば、図13に示したフローでは、ステップ301からステップ305において、LSI電流の最小値を検出して、その場合のDAC133への制御電圧を記憶するとして説明している。しかし、かかるセルフチューニング処理に代えて、他の値を検出することにより、最適制御値を検出するようにしてセルフチューニング処理を実行してもよい。上記他の値として、例えば、以下の複数の例1)〜4)を検出してもよい。
1)アンテナコイルに流れる電流であるアンテナ電流の位相が0となる制御電圧値、
2)アンテナ電流が最小または最大となる制御電圧値、
3)アンテナインピーダンスの位相が0となる制御電圧値、
4)LSI電流の位相が0となる制御電圧値
上記1)、3)、4)の各位相が0になる点は、図4において破線で示す曲線の位相0°の点に相当する。なお、図4はシミュレーション結果を示しており、上記1)のアンテナ電流位相については、−270°の点が本来の位相0°に相当し、上記4)のLSI電流の位相については、−180°の点が本来の位相0°に相当することに注意する必要がある。
チューニング期間は、前述したように50〜100μs程度であるため、電力の消費もほぼ無視でき、ユーザはチューニング処理について意識することはない。
また、図13に示すフローにおいて、制御部140は、ステップ308でDAC133への制御電圧を更新するたびに、更新した制御電圧を記憶部141に記憶させてもよい。ユーザは、所定の操作により、記憶部141に蓄積された制御電圧の履歴を閲覧でき、例えば、メンテナンス時の参考として使用できる。
本例では、非接触通信装置が、R/W機能およびカード機能の両方を備える場合について述べたが、R/W機能のみ、または、カード機能のみを備える非接触通信装置においても、同様の処理を行うことができる。例えば非接触通信装置は、R/W機能のみを有する場合、R/W機能として非接触通信装置の周辺にR/Wの存在が検出されても通信に移行しない。また、非接触通信装置は、カード機能のみを有する場合、カード機能として非接触通信装置の周辺にICカードの存在が検出されても通信に移行しない。
他の例として、非接触通信装置は、R/W機能のみを有する場合、R/W機能として周辺にICカードが存在するか否かを監視し、その存在が検出されない場合、タイムアウトすればよい。非接触通信装置は、カード機能のみを有する場合、カード機能として周辺にR/Wが存在するかを監視し、その存在が検出されない場合、タイムアウトすればよい。このように、非接触通信装置は、機能に基づくタイムアウトを行うことにより、周辺の通信機器の存在を検出する時間が短くなるという利点を有する。
(まとめ)
以上のように、本実施形態に係る非接触通信装置では、測定部が、発振部131からの出力電流を測定し、制御部140が、その出力電流の最小値を検出し、その最小値に対応する最適制御値を使用して共振周波数を制御する。したがって、アンテナ特性の製造上のばらつきによって、あるいは、使用環境や経時変化によって共振周波数が変動する場合があっても、設定された共振周波数による良好な通信特性を得ることができる。
本実施形態に係る非接触通信装置では、LSI電流の測定部である差動増幅器A3が、アンテナ駆動部130内に設けられる。したがって、特許文献1のようにアンテナ共振部110におけるアンテナ電流をモニタするための抵抗や配線を、アンテナ共振部110とアンテナ駆動部130との間に設ける必要がない。またそのために、アンテナ駆動部130の端子数も増やすことがないので、シンプルな回路構成とすることができる。これにより、アンテナ駆動部130の設計の容易化、低コスト化を実現できる。また、これにより、ノイズが発生しにくくなり、良好な通信特性を得ることができる。
本実施形態に係る非接触通信装置は、工場出荷時に、自動でチューニングを行うことが可能な構成であるので、製造ライン上での作業者による手動でのチューニングを必要としない。これにより低コスト化を実現できる。
非接触通信装置の使用環境、アンテナ共振部110の経時変化により、上記工場出荷時の最適制御値と、ユーザの非接触通信装置の使用時の最適制御値が異なる場合もある。本実施形態に係る非接触通信装置は、工場出荷後にユーザがこれを使用する場面でも、自動のセルフチューニングが可能であるため、良好な通信特性を維持することができる。
しかも、本実施形態に係る非接触通信装置は、LPP処理とディスカバリ処理とを行うことによりセルフチューニング処理の実行の要否を判断するため、工場出荷後の条件の変化に対応して、外部機器による調整ずれを生じることなく、セルフチューニング処理を実行できる。また、かかる条件の変化に対するセルフチューニング処理は、ユーザの選択によって実行しないこととすることもできるため、ユーザの使用態様に合わせたセルフチューニングが可能である。
また、本実施形態に係る非接触通信装置は、可変容量調整値と、算出されて記憶部141に記憶された電圧との差が所定の範囲以上の場合にDAC133への制御電圧を更新するため、当該差が所定の範囲より小さく、制御電圧の更新が不要である場合に更新処理が行われない。このようにして、本実施形態に係る非接触通信装置は、更新処理の回数を減らすことができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。これ以降の説明では、第1の実施形態に係る装置が含む部材や機能等について実質的に同様の要素については同一の符号を付し、その説明を簡略化または省略し、異なる点を中心に説明する。
図14は、第2の実施形態に係る非接触通信装置の回路構成を示す。この非接触通信装置300のコンデンサ部は、上記実施形態と同様に、直列共振コンデンサ部および並列共振コンデンサ部を備える。上記実施形態と異なる点として、直列共振コンデンサ部は、例えば2つの可変コンデンサVC1、VC2を含み、並列共振コンデンサ部は、例えば2つの固定容量コンデンサC9、C10を含む。可変コンデンサVC1に、DCカットのためのコンデンサC2、C5が直列接続され、また、同様に可変コンデンサVC2に、コンデンサC3、C6が直列接続されている。制御部140は、アンテナ駆動部130内に設けられたDAC133を介して、制御電圧信号Vcntを可変コンデンサVC1、VC2に出力し、これらの容量を可変に制御する。
このように、直列共振コンデンサ部の容量が可変に制御されることにより、上記第1の実施形態と同様に、様々な要因による共振周波数の変動を吸収することができ、良好な通信特性を得ることができる。
[第3の実施形態]
図15は、本発明の第3の実施形態に係る非接触通信装置の回路構成を示す。この非接触通信装置400では、コンデンサ部としての、直列共振コンデンサ部および並列共振コンデンサ部の両方が、可変容量コンデンサを含む。並列共振コンデンサ部は、図2に示すそれと同様の可変コンデンサVC1で構成される。直列共振コンデンサ部は、図14で示すそれと同様に、2つの可変コンデンサVC2、VC3で構成される。
制御部140は、DAC(1)135Aを介して、制御電圧信号Vcnt1を可変コンデンサVC1に出力し、DAC(2)135Bを介して、制御電圧信号Vcnt2を可変コンデンサVC2、VC3に出力して、これらの容量を可変に制御する。本実施形態では、並列共振コンデンサ部(可変コンデンサVC1)の容量を変化させた場合、その変化に見合った、直列共振コンデンサ部(可変コンデンサVC2、VC3)の容量の変化が必要となるので、トラッキング調整が行われる。
具体的には、例えば、並列共振コンデンサ部の容量の変化(またはそれに対応するDAC(1)133Aによる制御値)に、最適な直列共振コンデンサ部の容量(またはそれに対応するDAC(2)133Bによる制御値)を関連付け、これをテーブルとして予め記憶部141に記憶しておけばよい。そして、チューニング処理では、制御部140は、図8で示したフローチャートにおけるステップ105または図13で示したフローチャートにおけるステップ305において最適制御値を得、テーブルに基づき、その最適制御値に対応する直列共振コンデンサ部への最適制御値を得ることで、共振周波数を最適に制御することができる。
[第4の実施形態]
図16は、上記非接触通信システム1(図1参照)の技術を、非接触給電システム2に適用した形態に係る当該非接触給電システム2の構成を示すブロック図である。非接触給電システム2においてもデータ通信を行うので、その点は非接触通信システム1と同じである。この非接触給電システム2と、図1に示す非接触通信システム1の異なる点は、給電モードが設けられる点であり、受電装置250に充電制御部219が設けられる点である。ここでは、送受の双方向通信に対応する方式を示している。
給電装置150のアンテナ共振部110は、LCの共振回路で構成されており、例えばQiフォーマットで知られる電磁誘導方式では、100〜200kHzの出力周波数を持つ。このようにシステムが、フォーマットとして複数の方式を許容する場合、LSI(アンテナ駆動部130)により使用する発振周波数や、アンテナ共振部110におけるアンテナコイルの仕様が違ってくる。
この非接触給電システム2の給電方式として、電磁誘導や磁界共鳴等の方式が適用可能であり、方式によらない。給電装置150は、キャリア信号を送出し、1次側アンテナ部111を経てアンテナに電流を流す。アンテナコイルに流れた電流により発生する磁界が、受電装置250の2次側アンテナ部201と磁気的に結合することで、2次側アンテナ部201に電圧が励起されエネルギーの伝送が行われる。
非接触通信システム1の通信状態では、送信装置100と受信装置200との通信距離が長く、距離が変わる。しかし、例えば給電方式として、Qiフォーマットで知られる電磁誘導方式では、給電装置150(例えば給電送信パッド)に受電装置250(例えば携帯電話デバイス)を置く形となるため、両者の距離は常にほぼ一定となる。このような非接触給電システム2は、給電装置150および受電装置250にそれぞれ共振回路を有しており、位置ずれや給電される機器によりその共振周波数がずれるという課題は、上記非接触通信システム1の(非接触通信システム1で解決される)課題と同じである。
具体的には、1次側アンテナ部111および2次側アンテナ部201は、効率的な伝送を行うため、キャリア周波数で共振するように共振回路により構成されている。一般にエネルギー効率は、電磁誘導結合の結合係数kとアンテナのQ値の掛け算で決まるため、大きなkと高いQであることが望ましい。しかしながら共振回路のQを高くすると、定数のばらつきにより共振周波数が大きくずれてしまうため、非常に高精度の部品を使うか、前述したように共振周波数を調整する必要がある。
図17は、給電装置150における受電装置の検出(デバイス検出)から、充電(電力伝送)までのシーケンスを示す。非接触給電システム2は、エネルギーを伝送するとともに、キャリア信号の大きさを変調することによりデータ通信を行い、機器認証や必要受電電力量の要求を行う。例えばQiフォーマットでは、受電装置250が、負荷変調、つまり負荷の大きさを変えることでキャリアを変調し、これにより各種のデータを送信する。
非接触給電の場合、給電装置150は、一般的に、50〜100μs程度の短い時間、1次側アンテナ部111に電流を間欠的に流し、その電流値が変化した場合に、受電装置250がおかれたと判断する。これが、反応確認(PING)に相当する。図17には、「信号強度」と表しているが、実際には給電装置150が1次側アンテナ部111の電流の変化を検出する。したがって、この電流変化がない状態で、給電装置150が、図13に示したチューニング処理を開始することで、製品の工場出荷後についても、上記実施形態と同様にチューニングを行うことが可能となる。認証OKの場合は、給電装置150は、電力伝送モードで動作し、電力を受電装置250に伝送する。この場合、給電装置150は、長時間の充電を行うため、認識処理を間欠的に行うことで安全性を確保している。
[その他の実施形態]
本発明は、以上説明した実施形態に限定されず、他の種々の実施形態を実現することができる。
上記実施形態において、通信時には、制御部140は、可変コンデンサVC1への制御電圧値として最適制御値を使用して共振周波数を制御した。しかし、必ずしも最適制御値に限られず、LSI電流の最小または最大値の、例えば隣の値に対応する制御値により、共振周波数が制御されてもよい。すなわち制御部140は、最適制御値を含む任意の範囲の制御値で共振周波数を制御してもよい。
上記第1、第2の実施形態では、並列共振コンデンサ部は、1つの可変コンデンサVC1により構成されていたが、複数の可変コンデンサにより構成されていてもよい。
上記各実施形態では、例えば図2等に示すように、制御部140および記憶部141は、アンテナ駆動部130の外に設けられていたが、これらは、アンテナ駆動部130内、例えばLSIに一体として設けられていてもよい。
以上説明した各形態の特徴部分のうち、少なくとも2つの特徴部分を組み合わせることも可能である。
VC1、VC2、VC3…可変コンデンサ
L3…アンテナコイル
1…非接触通信システム
2…非接触給電システム
100、300、400…送信装置(非接触通信装置)
110…アンテナ共振部
113…送受信制御部
119…制御信号ライン
129…入力ライン
130…アンテナ駆動部
131…発振部
132…ゲインコントローラ
133…DAC
134…ADC
135…出力部
139…制御値入力部
140…制御部
141…記憶部
150…給電装置
250…受電装置

Claims (10)

  1. 少なくとも一部が可変容量コンデンサを含む共振回路を少なくとも有するアンテナを備える送受信装置による制御方法であって、
    LPP処理およびディスカバリ処理により、前記送受信装置が通信可能な範囲内に通信機器が存在するか否かを検出する検出ステップと、
    前記検出ステップにおける検出結果に基づき、チューニングを実行するか否かを決定する決定ステップと、
    前記決定ステップにおいて前記チューニングを実行すると決定した場合に、前記チューニングを実行するチューニングステップと
    を含む制御方法。
  2. 前記検出ステップで、前記LPP処理および前記ディスカバリ処理の双方において、前記通信機器が存在しないことを検出した場合、
    前記決定ステップで、前記チューニングを実行することを決定する、
    請求項1に記載の制御方法。
  3. 前記検出ステップで、前記LPP処理において前記通信機器が存在することを検出し、前記ディスカバリ処理において前記通信機器が存在しないことを検出した場合、
    前記決定ステップで、前記チューニングを実行することを決定する、
    請求項1または請求項2に記載の制御方法。
  4. 前記検出ステップで、前記LPP処理において前記通信機器が存在することを検出し、前記ディスカバリ処理において前記通信機器が存在しないことを検出した場合、
    前記決定ステップで、前記チューニングを実行しないことを決定する、
    請求項1または請求項2に記載の制御方法。
  5. 前記ディスカバリ処理は、前記通信機器からの信号を前記アンテナにより検出するカードモードと、所定の周波数の信号を前記アンテナから発信するR/Wモードとの少なくともいずれかを含む、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の制御方法。
  6. 前記チューニングにおいて算出された前記アンテナを駆動する駆動回路への制御電圧である可変容量調整値と、当該チューニング前における前記駆動回路への制御電圧との差が、所定範囲以上である場合に、前記可変容量調整値を前記駆動回路への制御電圧として設定する設定ステップをさらに含む、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の制御方法。
  7. 少なくとも一部が可変容量コンデンサを含む共振回路を少なくとも有するアンテナと、
    LPP処理およびディスカバリ処理により、前記アンテナを使用して通信可能な範囲内に通信機器が存在するか否かを検出し、該検出結果に基づきチューニングを実行するか否かを決定し、前記チューニングを実行すると決定した場合に前記チューニングを実行する制御部と
    を備える非接触通信装置。
  8. 少なくとも一部が可変容量コンデンサを含む共振回路を少なくとも有するアンテナと、
    LPP処理およびディスカバリ処理により、前記アンテナを使用して通信可能な範囲内に通信機器が存在するか否かを検出し、該検出結果に基づきチューニングを実行するか否かを決定し、前記チューニングを実行すると決定した場合に前記チューニングを実行する制御部と
    を備える非接触給電装置。
  9. 少なくとも一部が可変容量コンデンサを含む共振回路を少なくとも有するアンテナを備える非接触通信装置に、
    LPP処理およびディスカバリ処理により、前記非接触通信装置が通信可能な範囲内に通信機器が存在するか否かを検出する検出ステップと、
    前記検出ステップにおける検出結果に基づき、チューニングを実行するか否かを決定する決定ステップと、
    前記決定ステップにおいて前記チューニングを実行すると決定した場合に、前記チューニングを実行するチューニングステップと
    を実行させるプログラム。
  10. 制御部を備える非接触通信装置の駆動回路であって、
    前記制御部が行うチューニングであって、LPP処理およびディスカバリ処理により前記非接触通信装置が通信可能な範囲内に通信機器が存在するか否かを検出し、該検出結果に基づいてチューニングを実行するか否かを決定し、前記チューニングを実行すると決定した場合に実行される前記チューニングにより算出された制御電圧である可変容量調整値と、当該チューニング前における制御電圧との差が、所定範囲以上である場合に、前記可変容量調整値を、制御電圧として、少なくとも一部が可変容量コンデンサを含む共振回路を少なくとも有するアンテナに印加することにより、該アンテナを駆動する、駆動回路。
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