JP5252550B2 - 非接触式のicカード - Google Patents

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Description

本発明は、外部装置との間で非接触にデータ通信を行なう非接触式のICカードに関する。
特許文献1には、外部装置と通信して、外部装置から送信されてきたデータを必要に応じて内部のメモリに書き込み、またメモリ内のデータを読み出して外部装置に送信する非接触式のICカードが開示されている。かかるICカードの内部には、外部装置との通信用のアンテナコイルと、アンテナコイルに並列接続されたキャパシタ(コンデンサ)とからなる共振回路等が設けられている。同様に外部装置にも、通信用のアンテナコイルと、アンテナコイルに並列接続されたキャパシタ等からなる共振回路等が設けられている。
ICカードは、外部装置のアンテナコイルから送信されてきたキャリア(搬送波)をアンテナコイルで受信して、キャリアに含まれるデータを抽出する。ICカードは、電池等の内部電源を有しておらず、前記受信したキャリアを整流回路で整流して電源として用いる。
ICカードの共振回路には、負荷抵抗が並列接続されており、キャリアの受信でアンテナコイルに生じた電圧によって、負荷抵抗およびアンテナコイルに電流が流れ、この電流に応じた磁界がアンテナコイルに生じる。この磁界によって、外部装置のアンテナコイルには、外部装置のキャリア発振源からの電流によって生じる順方向電圧と逆向きの電圧(以下、逆方向電圧と言う。)が生じる。
加えて、ICカードには、前記負荷抵抗に、抵抗およびスイッチからなる直列回路が並列接続されており、データを外部装置に送信する際には、前記スイッチをデータに応じてオンオフ切り替え操作して、アンテナコイルに流れる電流値を変化させている。この電流値の変化に応じてアンテナコイルで生じる磁界が変化し、この磁界の変化が外部装置のアンテナコイルに生じる逆方向電圧の変化として現れる。外部装置は、アンテナコイルに生じる逆方向電圧の変化からデータを抽出(復調)する。
特開2008−147912号公報(段落番号0045、図9)
以上のように、特許文献1のICカードでは、データの送信のためにアンテナコイルに流れる電流値を変化させているが、外部装置のアンテナコイルに生じる逆方向電圧の大きさを考慮してアンテナコイルに流れる電流値を設定していない。このため、例えば外部装置とICカードとの距離が大きいと、前記順方向電圧に比べて逆方向電圧が過小となり、外部装置によるアンテナコイルの電圧変化の検出が困難となって、データを適正に抽出できなくなるおそれがある。一方、外部装置とICカードとの距離が小さいと、順方向電圧に比べて逆方向電圧が過大となり、逆方向電圧によって外部装置のアンテナコイルに電流が流れ難くなる。この場合には、外部装置からキャリアが発信され難くなり、ICカードのデータ送信動作が不安定となる。外部装置では、データを適正に抽出できなくなる不都合が生じる。
本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたものであり、外部装置のアンテナコイルに生じる逆方向電圧を安定化することができ、外部装置においてデータを安定的に抽出することができる非接触式のICカードを提供することを目的とする。
本発明に係る非接触式のICカードは、図1に示すように、外部装置7との通信用のアンテナコイル5と、該アンテナコイル5に並列接続されるキャパシタを含むキャパシタ回路10とからなる共振回路を有し、外部装置7との間で非接触にデータ通信を行なう非接触式のICカードを対象とする。本発明のICカードは、前記共振回路に接続されて、抵抗値が変更可能に構成された負荷抵抗回路23と、外部装置7へ送信するデータに応じてアンテナコイル5に流れる電流を変化させるデータ変換手段21と、キャパシタ回路10から出力された交流電圧を全波整流するとともに平滑化して出力する全波整流回路11と、この全波整流回路11から出力された整流後のアンテナコイル5の電圧を測定し、測定結果に基づいてアンテナコイル5の電圧に適合する電流がアンテナコイル5に流れるように前記負荷抵抗回路23の抵抗値の切替指示信号を出力する抵抗値設定手段22と、該抵抗値設定手段22からの切替指示信号に基づいて負荷抵抗回路23の抵抗値を切り替える抵抗切替手段24とを備える。
ここでの非接触式のICカード1には、キーホルダ、タグ、シール、リストバンド、チケット、ラベルおよびトークン等に形成されたものが含まれる。キャパシタ回路10のキャパシタは、一個のみの場合と、複数個の場合とが含まれる。キャパシタ回路10のキャパシタが複数個の場合には、例えば、スイッチング素子を用いてアンテナコイル5に並列接続するキャパシタを選択することになる。負荷抵抗回路23は、複数個の負荷抵抗をスイッチング素子で切り替えて前記共振回路に接続することで抵抗値を切り替えるものや、可変抵抗(ボリューム)を用いて抵抗値を切り替えるもの等が含まれる。負荷抵抗回路23は、前記共振回路に直列接続する場合と並列接続する場合とが含まれる。抵抗値設定手段22は、アンテナコイル5の電圧と、負荷抵抗回路23の抵抗値とを対応付けて記録し、該記録内容に基づいて負荷抵抗回路23の抵抗値を設定する場合等が含まれる。
キャパシタ回路10は、アンテナコイル5に並列接続可能な複数個のキャパシタC1〜C4を含んでいる。そして、全波整流回路11から出力された整流後のアンテナコイル5の電圧を測定し、測定結果に基づいてアンテナコイル5の電圧が最大になるようにキャパシタ回路10のキャパシタC1〜C4の切替指示信号を出力するキャパシタ設定手段19と、キャパシタ設定手段19からの切替指示信号に基づいてアンテナコイル5に接続されるキャパシタ回路10のキャパシタC1〜C4を切り替えるキャパシタ切替手段20とを備える。
抵抗値設定手段22は、キャパシタ設定手段19によってキャパシタ回路10のキャパシタC1〜C4が切り替えられたのちに、アンテナコイル5の電圧を測定するものとすることができる。
抵抗値設定手段22は、アンテナコイル5の電流を前記データに応じて変化させていないときのアンテナコイル5の電圧と、アンテナコイル5の電流を前記データに応じて変化させているときのアンテナコイル5の電圧とを測定し、これらの電圧差が予め設定された許容電圧範囲外となる場合には、許容電圧範囲内になるように抵抗値の切替指示信号を抵抗切替手段24に出力して、負荷抵抗回路23の抵抗値を切り替えさせるものとすることができる。
キャパシタ設定手段19は、アンテナコイル5の電圧を整流して平滑化された直流電圧を測定するものとすることができる。
抵抗値設定手段22は、アンテナコイル5の電圧を整流して平滑化された直流電圧を測定するものとすることができる。
本発明に係る非接触式のICカードにおいては、データ変換手段21によって、外部装置7へ送信するデータに応じてアンテナコイル5に流れる電流が変化するようにした。加えて外部装置7のアンテナコイル41から送信されたキャリアによって生じたアンテナコイル5の電圧を測定し、測定結果に基づいて、アンテナコイル5の電圧に応じた電流がアンテナコイル5に流れるように、共振回路に接続された負荷抵抗回路23の抵抗値を切り替えるようにした。
以上のように、アンテナコイル5の電圧値の変化に応じてICカード1の抵抗値を切り替えて、アンテナコイル5に流れる電流値を大小に変化させるようにしていると、外部装置7のアンテナコイル41に生じる逆方向電圧を適正値に保つことができるので、外部装置7によって、ICカード1から送られるデータを適正、且つ、確実に抽出することが可能になる。
具体的には、例えばICカード1と外部装置7との距離が大きくなって、ICカード1のアンテナコイル5の電圧が小さくなったときには、負荷抵抗回路23の抵抗値を小さくしてアンテナコイル5に流れる電流を大きくする。これにより、アンテナコイル5に流れる電流に由来する磁界を大きくすることができるので、外部装置7のアンテナコイル41に生じる前記逆方向電圧が過小となることを防ぐことができる。したがって、逆方向電圧に伴なうアンテナコイル41の電圧変化を検出することにより、外部装置7によるデータの適正な抽出が可能になる。また、例えばICカード1と外部装置7との距離が小さくなって、ICカード1のアンテナコイル5の電圧が大きくなったときには、負荷抵抗回路23の抵抗値を大きくしてアンテナコイル5に流れる電流を小さくする。これにて、外部装置7のアンテナコイル41に生じる逆方向電圧が過大となることを防ぐことができるので、外部装置7のアンテナコイル41に電流が流れ難くなることに起因して、外部装置7からのキャリアの発信が抑えられ、結果としてICカード1のデータ送信動作が不安定化することを防止できる。また、外部装置7においては、データを確実に受信することができるので、データを適正に抽出することができる。
アンテナコイル5の電圧が最大になるようにキャパシタ回路10のキャパシタC1〜C4を切り替えることが好ましい。この場合には、ICカード1と外部装置7との距離が大きくなっても、ICカード1を適正に作動させて、ICカード1のデータを外部装置7へ適正、且つ、確実に送信することができる。
抵抗値設定手段22が、キャパシタ設定手段19によってキャパシタ回路10のキャパシタC1〜C4に切り替えられたのちに、アンテナコイル5の電圧を測定するようにしていると、ICカード1のアンテナコイル5と外部装置7のアンテナコイル41との間の相互インダクタンスを最適化することができる。したがって、ICカード1のデータを外部装置7へより適正、且つ、確実に送信することができる。
抵抗値設定手段22が、アンテナコイル5の電流をデータに応じて変化させていないときのアンテナコイル5の電圧と、アンテナコイル5の電流をデータに応じて変化させているときのアンテナコイル5の電圧とを測定し、これらの電圧差が許容電圧範囲内になるように負荷抵抗回路23の抵抗値を切り替えるようにすることができる。これによれば、前記電圧差が小さくなって、外部装置7のアンテナコイル41の電圧変化が過小となり、外部装置7が、ICカード1からのデータを適正に抽出することが困難になること、および前記電圧差が許容電圧範囲よりも大きくなって、外部装置7のアンテナコイル41に生じる前記逆方向電圧が過大となり、外部装置7のアンテナコイル41にキャリア周波数の電流が流れ難くなることを防止できる。
キャパシタ設定手段19が、アンテナコイル5の電圧を整流して平滑化された直流電圧を測定することが好ましい。これによれば、キャパシタ設定手段19は安定した電圧を測定することができるので、キャパシタ回路10のキャパシタC1〜C4をより的確に切り替えることができる。
抵抗値設定手段22が、アンテナコイル5の電圧を整流して平滑化された直流電圧を測定することが好ましい。これによれば、抵抗値設定手段22は安定した電圧を測定することができるので、負荷抵抗回路23の抵抗値をより的確な値に切り替えることができる。
(第1実施形態) 図1ないし図5に、本発明に係る非接触式のICカードの第1実施形態を示す。このICカード1は、図2に示すように、例えば四角形状に形成されており、絶縁性を有するプラスチックシート等で形成したベースシート2をカード本体3内に配置している。ベースシート2の片面には、アンテナコイル5を配置しており、さらにアンテナコイル5で囲まれるベースシート2の片面の領域内にICモジュール6を固定している。ICモジュール6は、アンテナコイル5を介して外部装置としてのリードライタ装置7(図1参照)との間で種々のデータ(デジタル信号)の通信を行なう。リードライタ装置7は、例えば13.56MHzのキャリア(搬送波)を振幅変調してデータを発信している。
アンテナコイル5は、例えば、エッチングパターン又は印刷パターンによって形成される。アンテナコイル5は、細い被膜銅線をループ状に巻くことで形成してもよい。アンテナコイル5の両端は、導電性の接着剤による接着、抵抗溶接等の溶接方法またはハンダ付け等でICモジュール6の接続端子8・9に接続される。
ICモジュール6は、図1に示すように、キャパシタ回路10と、全波整流回路11と、定電圧回路12と、検波回路13と、復調回路15と、制御回路16と、不揮発性メモリ17と、キャパシタ設定回路(キャパシタ設定手段)19と、キャパシタ切替回路(キャパシタ切替手段)20と、データ変換回路(データ変換手段)21と、抵抗値設定回路(抵抗値設定手段)22と、負荷抵抗回路23と、抵抗切替回路(抵抗切替手段)24と、リセット回路25とを有する。
キャパシタ回路10は、複数個のキャパシタC1〜C4と、各キャパシタC1〜C4にそれぞれ直列接続されたスイッチング素子26〜29と、アンテナコイル5に並列接続されたキャパシタ30とからなる。そして、各キャパシタC1〜C4と各スイッチング素子26〜29とで構成された各直列回路がアンテナコイル5に並列接続可能になっている。各スイッチング素子26〜29は、キャパシタ切替回路20によってオンオフ切り替え操作される。オン操作されたスイッチング素子26〜29に直列接続されているキャパシタC1〜C4がアンテナコイル5およびキャパシタ30と相俟って共振回路を形成する。
アンテナコイル5がリードライタ装置7からのキャリアを受信することで、該アンテナコイル5の両端に交流電圧が生じ、該交流電圧がキャパシタ回路10から出力される。この交流電圧の周波数は、キャリアの周波数に等しくなる。キャパシタC1〜C4は、例えば、キャパシタC2の容量がキャパシタC1の容量の2倍に設定され、キャパシタC3の容量がキャパシタC2の容量の2倍に設定され、キャパシタC4の容量がキャパシタC3の容量の2倍に設定される。
全波整流回路11は、ダイオードブリッジ31とキャパシタ32とからなり、キャパシタ回路10から出力された交流電圧を全波整流するとともに平滑化して出力する。定電圧回路12は、レギュレータ部33とキャパシタ34とからなり、全波整流回路11から出力された直流電圧を定電圧化して出力する。定電圧回路12の出力が、ICモジュール6の各回路を駆動するための電力として各回路に供給される。
検波回路13は、キャパシタ回路10から出力されたキャリアの波形の包絡線を検波して増幅する。復調回路15は、検波回路13の出力波形からキャリアに含まれるデータを抽出する。制御回路16は、復調回路15から出力されたデータに基づいて不揮発性メモリ17に記録されているデータを読み出してデータ変換回路21へ出力し、また必要に応じて前記復調回路15から出力されたデータを不揮発性メモリ17に記録する。
キャパシタ設定回路19は、全波整流回路11から出力された直流電圧を測定し、測定結果に基づいてアンテナコイル5の電圧が最大になるようにキャパシタ回路10のキャパシタC1〜C4を選択し、該選択されたキャパシタC1〜C4がアンテナコイル5に並列接続されるようにキャパシタ切替回路20にスイッチング素子26〜29の切替指示信号を出力する。キャパシタ切替回路20は、キャパシタ設定回路19からの切替指示信号に基づいてキャパシタ回路10の各スイッチング素子26〜29をオンオフ切り替え操作する。キャパシタ設定回路19は、必要に応じて複数個のスイッチング素子26〜29を同時にオン操作する。これにて、前記切替指示信号に基づいてアンテナコイル5に接続されるキャパシタ回路10のキャパシタC1〜C4が切り替えられる。
負荷抵抗回路23は、複数個の負荷抵抗R1〜R4と、各負荷抵抗R1〜R4にそれぞれ直列接続されたスイッチング素子36〜39とからなり、各負荷抵抗R1〜R4と各スイッチング素子36〜39とで構成された各直列回路がアンテナコイル5に直列接続される。各スイッチング素子36〜39は、抵抗切替回路24によってオンオフ切り替え操作され、オン操作されたスイッチング素子36〜39に直列接続されている負荷抵抗R1〜R4およびアンテナコイル5に電流が流れる。このようにスイッチング素子36〜39のオンオフ切り替えによって、負荷抵抗回路23の抵抗値が変更可能になっている。負荷抵抗R1〜R4は、例えば、負荷抵抗R2の抵抗値が負荷抵抗R1の抵抗値の2倍に設定され、負荷抵抗R3の抵抗値が負荷抵抗R2の抵抗値の2倍に設定され、負荷抵抗R4の抵抗値が負荷抵抗R3の抵抗値の2倍に設定される。
抵抗値設定回路22は、全波整流回路11から出力された直流電圧を測定し、測定結果に基づいてアンテナコイル5の両端の電圧に適合する電流がアンテナコイル5に流れるように、スイッチング素子36〜39の切替指示信号を抵抗切替回路24へ出力する。抵抗切替回路24は、抵抗値設定回路22からの切替指示信号に基づいて負荷抵抗回路23のスイッチング素子36〜39をオンオフ切り替え操作する。抵抗値設定回路22は、必要に応じて複数個のスイッチング素子36〜39を同時にオン操作する。
データ変換回路21は、外部装置7へデータを送信する際にアンテナコイル5に流れる電流を制御回路16から出力されたデータに応じて変化させるためのものであり、制御回路16からのデータをシリアル信号に変換して抵抗切替回路24に出力する。抵抗切替回路24では、オン操作されたスイッチング素子36〜39にデータ変換回路21からのシリアル信号を送って、該シリアル信号でスイッチング素子36〜39を駆動する。これにて、アンテナコイル5に流れる電流が前記シリアル信号に応じて変化する。リセット回路25は、定電圧回路12から出力された電圧が所定電圧以上になると、制御回路16等にリセット信号を出力する。制御回路16等は、このリセット信号を受けると作動を開始する。
リードライタ装置7は、ICカード1との通信用のアンテナコイル41と、アンテナコイル41と相俟って共振回路を形成するキャパシタ42と、該共振回路へキャパシタ43を介してキャリア周波数の電流を供給する制御回路45と、共振回路のアンテナコイル41の電圧の変化を測定し、測定結果を制御回路45に出力する受信回路46等を備えている。リードライタ装置7の制御回路45は、ICカード1と通信可能になっていると判断したときには、データで変調したキャリアを共振回路へ出力する。
リードライタ装置7からのキャリアを受信することでICカード1のアンテナコイル5に電流が流れると、アンテナコイル5に磁界が生じ、この磁界が、リードライタ装置7のアンテナコイル41に受信され、前記キャリア周波数の電流でアンテナコイル41に生じている電圧(順方向電圧)と逆向きとなる電圧(逆方向電圧)を生じさせる。この逆方向電圧によってアンテナコイル41の両端間の電圧が低下する。そして、リードライタ装置7の制御回路45は、受信回路46によって前記アンテナコイル41の電圧が所定値以下になったことが検知されると、ICカード1と通信可能になっていると判断する。
また、リードライタ装置7の制御回路45は、アンテナコイル41の両端間の電圧の変化からICカード1から送られて来たデータを抽出する。つまり、前述のようにICカード1のアンテナコイル5に流れる電流がシリアル信号(データ)に応じて変化したときには、アンテナコイル5で生じる磁界も変化する。この磁界変化に応じてリードライタ装置7のアンテナコイル41の両端間の電圧が変化するため、この電圧変化からICカード1から送られて来たデータを抽出できる。リードライタ装置7の制御回路45は、前記抽出したICカード1からのデータに応じた処理を行なう。
次に、ICカード1のICモジュール6の動作を図3ないし図5のフローチャートを用いて説明する。ICカード1のアンテナコイル5がリードライタ装置7からのキャリアを受信すると、アンテナコイル5の両端間に交流電圧が生じ、この交流電圧が全波整流回路11および定電圧回路12で直流電圧に変換される。この直流電圧が所定電圧以上になると、制御回路16等が、リセット回路25からのリセット信号を受けて動作を開始し、図3のフローチャートの処理が開始される。
まず、キャパシタ設定回路19は、表1からスイッチング素子26〜29の切替指示信号のパターン0を選択し、選択したパターン0に応じた切替指示信号をキャパシタ切替回路20へ出力する(S1)。パターン0では、スイッチング素子26〜29が全てオフに操作される。この場合、アンテナコイル5にはキャパシタ30のみが並列接続され、アンテナコイル5とキャパシタ30とで共振回路が形成される。なお、表1では、スイッチング素子26〜29のオン操作によってアンテナコイル5に接続されたキャパシタC1〜C4をONと表示し、アンテナコイル5に接続されていないキャパシタC1〜C4をOFFと表示する。
Figure 0005252550
この共振回路でアンテナコイル5の両端間に交流電圧が生じ、この交流電圧を全波整流および平滑化した直流電圧V0が、キャパシタ設定回路19で測定される。この直流電圧V0の値はキャパシタ設定回路19に記録される。また、S1では変数nに「0」が入力される。なお、変数nは「0」から「16」までの値をとることが可能になっている。
次いで、S2で変数nがインクリメントされたのち(n=n+1)、該変数nが「16」か否かを判断する(S3)。ここではS2でn=1となっているので、S3ではYESとなってS4に移行し、S2で設定された変数nに応じたパターン1の切替指示信号をキャパシタ切替回路20へ出力する。つまり、パターン1では、スイッチング素子26のみがオンとなる。この場合、キャパシタC1がアンテナコイル5に並列接続され、アンテナコイル5とキャパシタ30とキャパシタC1とで共振回路が形成される。この共振回路でアンテナコイル5の両端間に生じた交流電圧を全波整流および平滑化した直流電圧Vn(n=1)が、キャパシタ設定回路19で測定される。この直流電圧Vnの値は、キャパシタ設定回路19に記録される。
続いて、キャパシタ設定回路19は、S4で測定された直流電圧Vnと、S2でインクリメントされる前に測定された直流電圧Vn−1とを比較する(S5)。ここでは、直流電圧V0(n−1=0)と直流電圧V1(n=1)とが比較される。直流電圧Vn−1が直流電圧Vn以下の場合には(S5でNO)、S2に戻って変数nがインクリメントされる。
そして、直流電圧Vn−1が直流電圧Vnよりも大きくなるまでS2〜S5の処理が繰り返され、直流電圧Vn−1が直流電圧Vnよりも大きくなると(S5でYES)、キャパシタ設定回路19は、該直流電圧Vn−1が測定されたときのパターンn−1を選択し、パターンn−1の切替指示信号をキャパシタ切替回路20へ出力する(S6)。これにて、パターンn−1に応じたスイッチング素子26〜29がオン操作される。
一方、変数nが「16」になるまで直流電圧Vn−1が直流電圧Vnよりも大きくならない場合には、S3でNOとなってパターン15が選択され、キャパシタ設定回路19は、該パターン15の切替指示信号をキャパシタ切替回路20へ出力する(S6)。これにて、パターン15に応じてスイッチング素子27〜29がオン操作される。つまり、キャパシタC2〜C4がアンテナコイル5およびキャパシタ30に並列接続される。図3のフローチャートの処理を行なうことで、全波整流回路11から出力された直流電圧Vnが最大となるパターンnが選択される。
また、抵抗値設定回路22および制御回路16は、前記図3のフローチャートの処理に並行して図4のフローチャートの処理を行なう。つまり、抵抗値設定回路22は、動作が開始すると、全波整流回路11から出力された直流電圧Vpを測定する(S11)。次いで、図3のフローチャートの処理によって前記直流電圧Vnが最大となるパターンnが選択されるまでS11およびS12の処理を繰り返し(S12でNO)、前記パターンnの選択が完了すると(S12でYES)、前記抵抗値設定回路22で測定された直流電圧Vpに応じた負荷抵抗R1〜R4が一個又は複数個選択される(S13)。
例えば、抵抗値設定回路22は、前記測定された直流電圧Vpが高いほど、抵抗値の低い負荷抵抗R1〜R4を選択し、又は抵抗値が最も低い負荷抵抗R1よりもさらに抵抗値が低くなるように複数個の負荷抵抗R1〜R4で構成される合成抵抗を選択する。抵抗値設定回路22は、合成抵抗を選択する場合には、負荷抵抗回路23の複数個のスイッチング素子36〜39が同時にオン操作されるように抵抗切替回路24に切替指示信号を出力する。抵抗切替回路24は、切替指示信号に応じてスイッチング素子36〜39をオン操作する。なお、抵抗値設定回路22は、前記測定された直流電圧Vpに応じた負荷抵抗R1〜R4の選択パターンのマップを記録している。
この際、制御回路16は、検波回路13および復調回路15によって抽出されたリードライタ装置7からのデータに基づいて、データ不揮発性メモリ17に記録されているデータを読み出してデータ変換回路21へ出力する(S14)。すると、データ変換回路21は、前記データをシリアル信号に変換して抵抗切替回路24に出力する。
抵抗切替回路24では、S13でオン操作されたスイッチング素子36〜39にデータ変換回路21からのシリアル信号を送って、該シリアル信号でスイッチング素子36〜39を駆動する。これにて、アンテナコイル5に流れる電流が前記シリアル信号に応じて変化し、これに伴なってリードライタ装置7のアンテナコイル41の両端間の電圧が変化する。リードライタ装置7では、この電圧変化からICカード1から送られて来たデータを抽出する。なお、データ変換回路21は、前記データを分割した状態でシリアル信号に変換しており、各シリアル信号は所定時間の間隔をあけて送信される。
次いで、抵抗値設定回路22は、シリアル信号を抵抗切替回路24に出力していないときの全波整流回路11の出力電圧(直流電圧)Vp1と、シリアル信号を抵抗切替回路24に出力しているときの全波整流回路11の出力電圧(直流電圧)Vp2とを測定し、それら直流電圧Vp1と直流電圧Vp2とを比較する(S15)。そして、直流電圧Vp1と直流電圧Vp2との電圧差Vsが予め設定された許容電圧範囲内である場合には(S16でYES)、全てのシリアル信号の送信が終了するまで(S17でNO)、S15に戻ってS15〜S17の処理を繰り返し、全てのシリアル信号の送信が終了すると(S17でYES)、本フローチャートの処理を終了する。
一方、S16で直流電圧Vp1と直流電圧Vp2との電圧差Vsが前記許容電圧範囲外となる場合には(S16でNO)、抵抗値設定回路22は、S11に戻って全波整流回路11の出力電圧(直流電圧)Vpを測定し、後述する図5のフローチャートの処理によって全波整流回路11の出力電圧(直流電圧)Vnが最大となるパターンnが選択され、且つ、直流電圧Vp1と直流電圧Vp2との電圧差Vsが許容電圧範囲内になるまで(S16でYES)、S11〜S17の処理を繰り返す。つまり、前記電圧差Vsが許容電圧範囲内になるまで、負荷抵抗回路23の抵抗値が切り替えられる。
図5のフローチャートでは、まず、キャパシタ設定回路19は、現在のパターンnでの全波整流回路11の出力電圧(直流電圧)Vnを測定する(S21)。この直流電圧Vnの値はキャパシタ設定回路19に記録される。次いで、現在の変数nが「0」でなければ(S22でYES)、S23で現在の変数nをデクリメントした変数n−1のパターンn−1の切替指示信号をキャパシタ切替回路20へ出力する。これにて、該パターンn−1に応じたスイッチング素子26〜29がオン操作される。キャパシタ設定回路19は、パターンn−1での全波整流回路11の出力電圧(直流電圧)Vn−1を測定する。この直流電圧Vn−1の値はキャパシタ設定回路19に記録される。
続いて、S21で測定された直流電圧Vnと、S23で測定された直流電圧Vn−1とが比較され(S24)、直流電圧Vn−1が直流電圧Vnよりも大きい場合には(S24でYES)、変数nがデクリメントされる(S25)。そして、デクリメント後の変数nが「0」でなければ(S26でYES)、S27でデクリメント後の変数nを更にデクリメントした変数n−1のパターンn−1の切替指示信号をキャパシタ切替回路20へ出力する。これにて、該パターンn−1に応じたスイッチング素子26〜29がオン操作される。キャパシタ設定回路19は、パターンn−1での全波整流回路11の出力電圧(直流電圧)Vn−1を測定する。この直流電圧Vn−1の値はキャパシタ設定回路19に記録される。
次いで、S23で測定された直流電圧をVnとし、該直流電圧VnとS27で測定された直流電圧Vn−1とが比較され(S28)、直流電圧Vn−1が直流電圧Vnよりも小さい場合には(S28でYES)、キャパシタ設定回路19は、このときの直流電圧Vnが最大であると判断して、当該パターンnが選択される(S29)。一方、S28で直流電圧Vn−1が直流電圧Vn以上の場合には(S28でNO)、S25に戻ってS25〜S28の処理が繰り返される。S25〜S28の処理の繰り返しによって、S25でのデクリメント後の変数nが「0」になると(S26でNO)、パターン0での全波整流回路11の出力電圧(直流電圧)V0が最大であると判断して、当該パターン0が選択される(S29)。
S22での処理のときの変数nが「0」の場合には(S22でNO)、S30に移行して、変数nが「15」か否かが判断される。このとき、変数nは「0」であるために(S30でYES)、S31で変数nをインクリメントした変数n+1のパターンn+1の切替指示信号をキャパシタ切替回路20へ出力する。これにて、該パターンn+1に応じたスイッチング素子26〜29がオン操作される。キャパシタ設定回路19は、パターンn+1での全波整流回路11の出力電圧(直流電圧)Vn+1を測定する。この直流電圧Vn+1の値はキャパシタ設定回路19に記録される。
次いで、S21で測定された直流電圧Vnと、S31で測定された直流電圧Vn+1とが比較される(S32)。直流電圧Vnが直流電圧Vn+1以下の場合には(S32でNO)、変数nがインクリメントされたのち(S33)、S30以降の処理が繰り返される。S30〜S33の処理の繰り返しによって、S33でのインクリメント後の変数nが「15」になると(S30でNO)、パターン15での全波整流回路11の出力電圧(直流電圧)V15が最大であると判断して、当該パターン15が選択される(S29)。S32で直流電圧Vnが直流電圧Vn+1よりも大きくなると(S32でYES)、キャパシタ設定回路19は、このときの直流電圧Vnが最大であると判断して、当該パターンnが選択される(S29)。
S24で直流電圧Vn−1が直流電圧Vn以下の場合には(S24でNO)、S30に移行して、S30〜S33の処理を繰り返す。
このように、アンテナコイル5の電圧を測定し、測定結果に応じて負荷抵抗回路23の抵抗値を切り替えて、アンテナコイル5に流れる電流値を大小に変化させるので、キャリアの送信に伴なってリードライタ装置7のアンテナコイル41に生じる順方向電圧に対し、ICカード1のアンテナコイル5に流れる電流に由来する磁界でリードライタ装置7のアンテナコイル41に生じる逆方向電圧を適正値に保つことができる。これにて、リードライタ装置7によって、ICカード1から送られるデータを適正、且つ、確実に抽出させることが可能になる。
(第2実施形態) 図6に、本発明に係る非接触式のICカードの第2実施形態を示す。第2実施形態では、負荷抵抗回路23のスイッチング素子36〜39のグランド側(図6では下側)が互いに接続され、該スイッチング素子36〜39とグランドとの間にスイッチング素子51が配置される。そして、スイッチング素子51には、データ変換回路21からのシリアル信号が送られ、このシリアル信号でスイッチング素子51が駆動される。これにて、アンテナコイル5に流れる電流が前記シリアル信号に応じて変化する。その他の点は、第1実施形態と同じであるので、同一部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
第2実施形態では、いずれのスイッチング素子36〜39がオン操作されているかに関わらずに、アンテナコイル5に流れる電流をシリアル信号に応じて変化させることができ、この分だけICモジュール6に組み込まれるプログラムを簡単にできる。第2実施形態でも、リードライタ装置7のアンテナコイル41に生じる逆方向電圧を適正値に保つことができ、リードライタ装置7によってICカード1から送られるデータを適正、且つ、確実に抽出させることができる。
(第3実施形態) 図7に、本発明に係る非接触式のICカードの第3実施形態を示す。第3実施形態では、負荷抵抗回路23が、各負荷抵抗R1〜R4と各スイッチング素子36〜39とで構成された並列回路が直列接続されている。これにて、アンテナコイル5には、各スイッチング素子36〜39がオフになっている負荷抵抗R1〜R4が接続される。その他の点は、第1実施形態と同じであるので、同一部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
第3実施形態でも、負荷抵抗回路23の抵抗値を切り替えて、リードライタ装置7のアンテナコイル41に生じる逆方向電圧を適正値に保つことができ、リードライタ装置7によってICカード1から送られるデータを適正、且つ、確実に抽出させることができる。第1実施形態では、オン操作されたスイッチング素子36〜39が多くなるほど、負荷抵抗回路23の抵抗値が小さくなるが、第3実施形態では、オフ操作されたスイッチング素子36〜39が多くなるほど、負荷抵抗回路23の抵抗値が大きくなる。
(第4実施形態) 図8に、本発明に係る非接触式のICカードの第4実施形態のフローチャートを示す。第4実施形態では、キャパシタ回路10は、容量が固定された一個のキャパシタからなる。図8のフローチャートでは、抵抗値設定回路22の動作が開始すると、抵抗値設定回路22は、全波整流回路11の出力電圧(直流電圧)Vpを測定し(S41)、該直流電圧Vpに応じた負荷抵抗R1〜R4を一個又は複数個選択して(S42)、抵抗切替回路24に切替指示信号を出力する。抵抗切替回路24は、切替指示信号に応じてスイッチング素子36〜39をオン操作する。
制御回路16は、検波回路13および復調回路15によって抽出されたリードライタ装置7からのデータに基づいて、データ不揮発性メモリ17に記録されているデータを読み出してデータ変換回路21へ出力し(S43)、データ変換回路21は、前記データをシリアル信号に変換して抵抗切替回路24に出力する。抵抗切替回路24では、シリアル信号でスイッチング素子36〜39を駆動する。これにて、アンテナコイル5に流れる電流が前記シリアル信号に応じて変化し、これに伴なってリードライタ装置7のアンテナコイル41の両端間の電圧が変化する。リードライタ装置7では、この電圧変化からICカード1から送られて来たデータを抽出する。
次いで、抵抗値設定回路22は、シリアル信号を抵抗切替回路24に出力していないときの全波整流回路11の出力電圧(直流電圧)Vp1と、シリアル信号を抵抗切替回路24に出力しているときの全波整流回路11の出力電圧(直流電圧)Vp2とを測定し、それら直流電圧Vp1と直流電圧Vp2とを比較する(S44)。そして、直流電圧Vp1と直流電圧Vp2との電圧差Vsが予め設定された許容電圧範囲内である場合には(S45でYES)、全てのシリアル信号の送信が終了するまで(S46でNO)、S41に戻ってS41〜S46の処理を繰り返し、全てのシリアル信号の送信が終了すると(S46でYES)、本フローチャートの処理を終了する。
一方、S45で直流電圧Vp1と直流電圧Vp2との電圧差が許容電圧範囲内とならない場合には(S45でNO)、抵抗値設定回路22は、S41に戻ってS41以降の処理を繰り返す。その他の点は、第1実施形態と同じであるので、その説明を省略する。
第4実施形態でも、リードライタ装置7のアンテナコイル41に生じる逆方向電圧を適正値に保つことができ、リードライタ装置7によってICカード1から送られるデータを適正、且つ、確実に抽出させることができる。
なお、各実施形態において、キャパシタ回路10のキャパシタ30を省略してもよい。この場合、スイッチング素子26〜29を全てオフ操作したときには、アンテナコイル5と浮遊容量(寄生容量)とで共振回路が形成される。キャパシタ回路10には、キャパシタC1〜C4とスイッチング素子26〜29とをそれぞれ2〜3個ずつ配置してもよく、4個以上配置してもよい。負荷抵抗回路23には、負荷抵抗R1〜R4とスイッチング素子36〜39とをそれぞれ2〜3個ずつ配置してもよく、4個以上配置してもよい。
前記説明では、キャパシタ設定回路19と抵抗値設定回路22とは、全波整流回路11で全波整流された直流電圧を測定しているが、これらの回路19・22は、キャパシタ回路10から出力された交流電圧を、例えば半波整流してその直流電圧を測定するものであってもよい。第1実施形態では、キャパシタ回路10は、スイッチング素子26〜29が全てオフで容量が最小になり、その状態からスイッチング素子26〜29をオン操作することで容量が大きくなるが、スイッチング素子26〜29が全てオフで容量が最大になり、スイッチング素子26〜29をオン操作することで容量が小さくなるように構成してもよい。また、キャパシタ回路10は、スイッチング素子26〜29のオン操作に応じて容量を大小いずれにも切替可能にしてもよい。
本発明に係るICカードの第1実施形態のブロック構成図である。 ICカードの内部構造を示す平面図である。 第1実施形態のICカードの動作を示すフローチャートである。 第1実施形態のICカードの動作を示すフローチャートである。 第1実施形態のICカードの動作を示すフローチャートである。 本発明に係るICカードの第2実施形態のブロック構成図である。 本発明に係るICカードの第3実施形態のブロック構成図である。 第4実施形態のICカードの動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 ICカード
5 アンテナコイル
6 ICモジュール
7 リードライタ装置
10 キャパシタ回路
19 キャパシタ設定回路
20 キャパシタ切替回路
21 データ変換回路
22 抵抗値設定回路
23 負荷抵抗回路
24 抵抗切替回路
C1〜C4 キャパシタ

Claims (5)

  1. 外部装置(7)との通信用のアンテナコイル(5)と、該アンテナコイル(5)に並列接続されるキャパシタを含むキャパシタ回路(10)とからなる共振回路を有し、外部装置(7)との間で非接触にデータ通信を行なう非接触式のICカードであって、
    前記共振回路に接続されて、抵抗値が変更可能に構成された負荷抵抗回路(23)と、外部装置(7)へ送信するデータに応じてアンテナコイル(5)に流れる電流を変化させるデータ変換手段(21)と、キャパシタ回路(10)から出力された交流電圧を全波整流するとともに平滑化して出力する全波整流回路(11)と、この全波整流回路(11)から出力された整流後のアンテナコイル(5)の電圧を測定し、測定結果に基づいてアンテナコイル(5)の電圧に応じた電流がアンテナコイル(5)に流れるように前記負荷抵抗回路(23)の抵抗値の切替指示信号を出力する抵抗値設定手段(22)と、該抵抗値設定手段(22)からの切替指示信号に基づいて負荷抵抗回路(23)の抵抗値を切り替える抵抗切替手段(24)とを備えており、
    キャパシタ回路(10)は、アンテナコイル(5)に並列接続可能な複数個のキャパシタ(C1〜C4)を含んでおり、
    全波整流回路(11)から出力された整流後のアンテナコイル(5)の電圧を測定し、測定結果に基づいてアンテナコイル(5)の電圧が最大になるようにキャパシタ回路(10)のキャパシタ(C1〜C4)の切替指示信号を出力するキャパシタ設定手段(19)と、キャパシタ設定手段(19)からの切替指示信号に基づいてアンテナコイル(5)に接続されるキャパシタ回路(10)のキャパシタ(C1〜C4)を切り替えるキャパシタ切替手段(20)とを備えることを特徴とする非接触式のICカード。
  2. 抵抗値設定手段(22)は、キャパシタ設定手段(19)によってキャパシタ回路(10)のキャパシタ(C1〜C4)が切り替えられたのちに、アンテナコイル(5)の電圧を測定する請求項1に記載の非接触式のICカード。
  3. 抵抗値設定手段(22)は、アンテナコイル(5)の電流を前記データに応じて変化させていないときのアンテナコイル(5)の電圧と、アンテナコイル(5)の電流を前記データに応じて変化させているときのアンテナコイル(5)の電圧とを測定し、これらの電圧差が予め設定された許容電圧範囲外となる場合には、該許容電圧範囲内になるように抵抗値の切替指示信号を抵抗切替手段(24)に出力して、負荷抵抗回路(23)の抵抗値を切り替えさせる請求項1又は2に記載の非接触式のICカード。
  4. キャパシタ設定手段(19)は、アンテナコイル(5)の電圧を整流して平滑化された直流電圧を測定する請求項1ないし3のいずれかに記載の非接触式のICカード。
  5. 抵抗値設定手段(22)は、アンテナコイル(5)の電圧を整流して平滑化された直流電圧を測定する請求項ないし4のいずれかに記載の非接触式のICカード
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