JPWO2014112530A1 - 5−ヒドロキシ−1h−イミダゾール−4−カルボキサミドを含有する錠剤 - Google Patents

5−ヒドロキシ−1h−イミダゾール−4−カルボキサミドを含有する錠剤 Download PDF

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Abstract

(1)5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物および(2)二酸化ケイ素を含有する錠剤は、5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物の含有量が多く、錠剤の大きさが服用し易い大きさであり、溶出性が優れる。

Description

本発明は、(1)5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物および(2)二酸化ケイ素を含有する錠剤に関する。
5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド(以下、化合物Aともいう)もしくはその塩またはその水和物は、強力な制癌作用を有することから抗癌剤として医療上有用な化合物である(特許文献1)。特に、従来化学的治療が困難とされた固形癌に対し、強力な効果を発揮し、かつ、副作用が少ない安全性の高い抗癌剤であり、経口剤、注射剤、軟膏剤および坐剤等の広範な投与剤形での臨床的応用が期待されている化合物である。化合物Aもしくはその塩またはその水和物を含有する錠剤は、1錠から数錠を経口投与される。
一方、飲みやすい円形錠剤の大きさは直径7〜8mmであること、飲みやすい楕円形錠剤の大きさは長径9mmであることが報告されている(非特許文献1)。
また、一般に取り扱いが容易で服用に適した錠剤には適切な硬度が必要である。必要な硬度を有する錠剤を製造するためには、直接打錠法においては添加剤の含有率が錠剤質量の60%以上、好ましくは70%以上必要である(非特許文献2)。
結合剤を使用し、湿式造粒法により主薬含率を高める方法が知られている(非特許文献3)。また、乾式または湿式造粒法により造粒した打錠用末を用い、打錠時の粒子間の結合力を強めることにより硬度を高めることも出来る。
これまでに化合物Aもしくはその塩またはその水和物の含有量が多く、大きさが服用し易い大きさであり、溶出性が優れる錠剤は知られていない。
特開昭53-32124号公報
医療薬学(Jpn. J. Pharm. Health Care Sci.)、第32巻、842〜848頁、2006年 J. Pharm. Pharmaceut. Sci. 第8巻、76〜93頁、2005年 医薬品製剤化方略と新技術、第2章、47頁、2007年(シーエムシー出版)
必要な硬度を有する錠剤を製造するためには、直接打錠法においては添加剤の含有率が一定以上必要であり、活性成分の含有量が多くなると錠剤のサイズが大きくなる。しかしながら、9mm以上の大きな錠剤は、小児、嚥下困難な患者はもちろん、通常の成人患者にとっても、抵抗感や圧迫感があるため服用しづらく、服薬コンプライアンスの低下を引き起こす。硬度を高めるために、打錠時の粒子間の結合力を強める方法では、必要な硬度が得られるものの、粒子間の結合力の上昇により、溶出性が低下する。
服薬コンプライアンスの向上のため、服用する個数が低減され、服用が容易な錠剤が望まれている。すなわち、化合物Aもしくはその塩またはその水和物の含有量が多く、錠剤の大きさが服用し易い大きさである錠剤の開発が望まれている。
このような状況下において、本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、(1)化合物Aもしくはその塩またはその水和物および(2)二酸化ケイ素を含有する錠剤が上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
本発明は下記を提供する。
[1](1)5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物および(2)二酸化ケイ素を含有する錠剤。
[2]さらに添加剤を含む[1]に記載の錠剤。
[3]添加剤が崩壊剤を含む添加剤である[2]に記載の錠剤。
[4]二酸化ケイ素がシリカゲル、無水ケイ酸、コロイド状二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸および含水二酸化ケイ素から選ばれる1種または2種以上である[1]〜[3]のいずれか一つに記載の錠剤。
[5]二酸化ケイ素が軽質無水ケイ酸および含水二酸化ケイ素からから選ばれる1種または2種である[1]〜[3]のいずれか一つに記載の錠剤。
[6]二酸化ケイ素の含有率が、錠剤質量の0.1〜20%である[1]〜[5]のいずれか一つに記載の錠剤。
[7]崩壊剤がセルロース誘導体、デンプン誘導体およびポリビニルピロリドン誘導体から選ばれる1種または2種以上である[3]に記載の錠剤。
[8]崩壊剤がカルメロースカルシウム、カルメロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、部分アルファー化デンプンおよびクロスポビドンから選ばれる1種または2種以上である[3]に記載の錠剤。
[9]崩壊剤がカルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよび部分アルファー化デンプンから選ばれる1種または2種以上である[3]に記載の錠剤。
[10]崩壊剤がカルメロースカルシウムである[3]に記載の錠剤。
[11]5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物の含有率が、錠剤質量の0.3〜95%である[1]〜[10]のいずれか一つに記載の錠剤。
[12]湿式造粒法により製造した造粒末を使用して錠剤化される、[1]〜[11]のいずれか一つに記載の錠剤の製造方法。
[13]湿式造粒法が流動層造粒法である[12]に記載の製造方法。
[14](1)5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物および(2)二酸化ケイ素を含有する造粒末を打錠して得られる錠剤。
[15]さらに添加剤を含有する造粒末を打錠して得られる[14]に記載の錠剤。
[16]添加剤が崩壊剤を含む添加剤である[14]に記載の錠剤。
[17]二酸化ケイ素がシリカゲル、無水ケイ酸、コロイド状二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸および含水二酸化ケイ素から選ばれる1種または2種以上である[14]〜[16]のいずれか一つに記載の錠剤。
[18]二酸化ケイ素が軽質無水ケイ酸および含水二酸化ケイ素からから選ばれる1種または2種である[14]〜[16]のいずれか一つに記載の錠剤。
[19]二酸化ケイ素の含有率が、錠剤質量の0.1〜20%である[14]〜[18]のいずれか一つに記載の錠剤。
[20]崩壊剤がセルロース誘導体、デンプン誘導体およびポリビニルピロリドン誘導体から選ばれる1種または2種以上である[16]に記載の錠剤。
[21]崩壊剤がカルメロースカルシウム、カルメロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、部分アルファー化デンプンおよびクロスポビドンから選ばれる1種または2種以上である[16]に記載の錠剤。
[22]崩壊剤がカルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよび部分アルファー化デンプンから選ばれる1種または2種以上である[16]に記載の錠剤。
[23]崩壊剤がカルメロースカルシウムである[16]に記載の錠剤。
[24]5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物の含有率が、錠剤質量の0.3〜95%である[14]〜[23]のいずれか一つに記載の錠剤。
本発明の錠剤は、化合物Aもしくはその塩またはその水和物の含有量が多く、錠剤の大きさが服用し易い大きさであり、溶出性が優れる。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明に使用される%は、特に断らない限り、質量百分率を意味する。本発明において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示す。さらに本発明において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本発明で化合物A(「5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド」と表した場合も同じ。)に関し、「化合物Aもしくはその塩またはその水和物」というときは、特に断らない限り、化合物A、化合物Aの塩、化合物Aの水和物、および化合物Aの塩の水和物からなる群より選択されるいずれかを指す趣旨であり、また「化合物Aもしくはその塩またはその水和物」を含むというときは、特に断らない限り、化合物A、化合物Aの塩、化合物Aの水和物、および化合物Aの塩の水和物からなる群より選択される少なくとも1つを含んでいることをいう。
本発明に使用される化合物Aもしくはその塩またはその水和物は、例えば、後述の製造例1に記載の方法により製造することができる。
化合物Aもしくはその塩またはその水和物の含有率は、錠剤質量の0.3〜95%とすることができ、20〜90%が好ましく、40〜85%がより好ましい。
本発明に使用される二酸化ケイ素は、造粒末内および/または造粒末外に配合することができる。
二酸化ケイ素の含有率は、錠剤質量の0.1〜20%とすることができ、0.5〜15%が好ましく、1〜5%がより好ましい。
二酸化ケイ素の含有率は、錠剤質量の0.3〜3%が好ましい。
なお、本発明で「錠剤質量」というときは、フィルムコーティング錠については、特に記載した場合を除き、コーティング前の錠剤の質量を指す。
二酸化ケイ素としては、特に限定されないが、例えば、シリカゲル、無水ケイ酸、コロイド状二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸および含水二酸化ケイ素が挙げられ、軽質無水ケイ酸および含水二酸化ケイ素が好ましい。
添加剤としては、特に限定されないが、例えば、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、賦形剤、矯味剤、着色剤、着香剤、酸、界面活性剤および可塑剤が挙げられ、崩壊剤、結合剤、滑沢剤および賦形剤が好ましい。これらの添加剤は、特にことわらない限り、いずれか1種または2種以上を組み合わせて使用してもよく、配合量は、特に限定されず、それぞれの目的に応じ、その効果が充分に発現されるよう適宜配合すればよい。
崩壊剤としては、特に限定されないが、例えば、カルメロースカルシウム、カルメロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよびクロスカルメロースナトリウムなどのセルロース誘導体;カルボキシメチルスターチナトリウムおよび部分アルファー化デンプンなどのデンプン誘導体;ならびにクロスポビドンなどのポリビニルピロリドン誘導体が挙げられ、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、部分アルファー化デンプンおよびカルメロースが好ましく、カルメロースカルシウムがより好ましい。
崩壊剤は、造粒末内および/または造粒末外に配合することができる。
崩壊剤の含有率は、錠剤質量の1〜20%とすることができ、3〜15%が好ましく、5〜10%がより好ましい。
結合剤としては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポビドン、ヒプロメロース、カルメロースナトリウム、メチルセルロース、アラビアゴムおよびデキストリンが挙げられ、ヒドロキシプロピルセルロースおよびポリビニルアルコールが好ましい。
結合剤の含有率は、錠剤質量の1〜20%とすることができ、2.5〜10%が好ましい。
滑沢剤としては、特に限定されないが、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、タルクおよびショ糖脂肪酸エステルが挙げられ、ステアリン酸マグネシウムおよびフマル酸ステアリルナトリウムが好ましく、ステアリン酸マグネシウムがより好ましい。
滑沢剤の含有率は、錠剤質量の0.1〜5%とすることができ、0.2〜5%が好ましく、0.5〜3%がより好ましい。
賦形剤としては、特に限定されないが、例えば、エリスリトール、マンニトール、キシリトールおよびソルビトールなどの糖アルコール類;白糖、粉糖、乳糖およびブドウ糖などの糖類;α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンおよびスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンナトリウムなどのシクロデキストリン類;結晶セルロースおよび微結晶セルロースなどのセルロース類;ならびにトウモロコシデンプン、バレイショデンプンおよび部分アルファー化デンプンなどのでんぷん類が挙げられ、マンニトール、乳糖、トウモロコシデンプンおよび部分アルファー化デンプンが好ましく、乳糖およびトウモロコシデンプンがより好ましい。
矯味剤としては、特に限定されないが、例えば、アスパルテーム、サッカリン、ステビア、ソーマチンおよびアセスルファムカリウムが挙げられる。
着色剤としては、特に限定されないが、例えば、二酸化チタン、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄、食用赤色102号、食用黄色4号および食用黄色5号が挙げられる。
着香剤としては、特に限定されないが、例えば、オレンジ油、レモン油、ハッカ油およびパインオイルなどの精油;オレンジエッセンスおよびペパーミントエッセンスなどのエッセンス;チェリーフレーバー、バニラフレーバーおよびフルーツフレーバーなどのフレーバー;アップルミクロン、バナナミクロン、ピーチミクロン、ストロベリーミクロンおよびオレンジミクロンなどの粉末香料;バニリン;ならびにエチルバニリンが挙げられる。
酸としては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシカルボン酸が挙げられ、クエン酸、酒石酸およびリンゴ酸が好ましい。
界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルソジウムスルホサクシネート、ポリソルベート類およびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が挙げられる。
可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、クエン酸トリエチル、マクロゴール、トリアセチンおよびプロピレングリコールが挙げられる。
本発明の錠剤は必要に応じて表面をコーティング剤でフィルムコーティングしてもよい。
コーティング剤としては、特に限定されないが、例えば、ヒプロメロース、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、エチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒプロメロースフタル酸エステル、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマーLDおよびメタクリル酸コポリマーS、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体およびポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマーが挙げられ、ヒプロメロースおよびポリビニルアルコールが好ましく、ヒプロメロースがより好ましい。
本発明に係る化合物Aの塩としては、通常知られている塩基性基または酸性基における塩が挙げられる。
塩基性基の塩としては、例えば、塩酸、臭化水素、リン酸および硫酸などの鉱酸との塩;酒石酸、ギ酸、酢酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、トリクロロ酢酸およびトリフルオロ酢酸などの有機カルボン酸との塩ならびにメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メシチレンスルホン酸およびナフタレンスルホン酸などのスルホン酸との塩などが挙げられる。
酸性基の塩としては、例えば、ナトリウムおよびカリウムなどのアルカリ金属との塩;カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属との塩;アンモニウム塩ならびにトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トロメタモール、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N−ベンジル−β−フェネチルアミンおよびN,N'−ジベンジルエチレンジアミンなどの含窒素有機塩基との塩などを挙げることができる。
さらに、上記、塩の中で化合物Aの好ましい塩としては、薬理学的に許容される塩が挙げられる。
本発明に係る化合物Aまたはその塩の水和物としては、特開昭58−24569号公報に記載の方法によって製造される化合物Aの水和物、国際公開第2009/035168号パンフレットに記載の方法によって製造される化合物Aの水和物または後述する製造例1に記載の方法で製造される化合物Aの水和物などが挙げられ、製造例1に記載の方法で製造される化合物Aの水和物が好ましい。
本発明の錠剤を投与する場合、投与方法、投与量および投与回数は、患者の年齢、体重および症状に応じて適宜選択できるが、通常、薬効を発揮しうる量を1日、1回から数回に分割して投与すればよく、通常成人に対して、化合物Aとして、1日、10〜5000mg、好ましくは、200〜2500mgを1回から数回に分割して投与すればよい。
本発明の錠剤の製造方法としては、乾式あるいは湿式造粒法により造粒末を製造し、所望により、さらに賦形剤、崩壊剤および/または滑沢剤などを加え、打錠用混合末とし、打錠する方法が挙げられる。
造粒末の製造方法としては、湿式造粒法が好ましい。
湿式造粒法としては、特に限定されないが、例えば、流動層造粒法、遠心転動造粒法、混合撹拌造粒法、高速混合撹拌造粒法、転動造粒法、湿式破砕造粒法および押出造粒法が挙げられ、流動層造粒法、遠心転動造粒法、混合撹拌造粒法、高速混合撹拌造粒法、転動造粒法および湿式破砕造粒法が好ましく、流動層造粒法が特に好ましい。
造粒時における結合剤の添加方法としては、(1)化合物Aもしくはその塩またはその水和物を含む混合末に、水に溶解した結合剤を噴霧する方法、(2)化合物Aもしくはその塩またはその水和物を含む混合末に結合剤を添加し、水を噴霧する方法などが挙げられる。
二酸化ケイ素の添加方法としては、(1)化合物Aもしくはその塩またはその水和物を含む混合末に粉体の二酸化ケイ素を添加する方法、(2)化合物Aもしくはその塩またはその水和物を含む造粒物に、粉体の二酸化ケイ素を添加する方法および(3)二酸化ケイ素および結合剤を水に分散した後、化合物Aもしくはその塩またはその水和物を含む混合末に噴霧する方法などが挙げられ、(3)の方法が好ましい。
本発明の錠剤としては、円形錠剤が好ましい。円形錠剤の大きさは、直径:5〜9mm、厚さ:2〜5mmであればよく、直径:7〜9mm、厚さ:3〜5mmが好ましい。
本発明の錠剤は、第16改正日本薬局方溶出試験法(パドル法)で、日本薬局方溶出試験第2液を試験液とし、回転数を50回/分とする溶出試験における15分間撹拌した後の化合物Aの溶出率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。
本発明の錠剤は、直径が8.5mmの円形錠剤の場合には、硬度が30〜150Nであることが好ましく、50〜130Nであることがより好ましい。
次に、本発明の錠剤の有用性を以下の試験例で説明する。
錠剤硬度の測定は、錠剤硬度計8M(シュロイニゲル製)またはポータブルチェッカーPC30(岡田精工製)を使用した。
溶出試験は、日本薬局方溶出試験パドル法によって行った。パドルの回転数は、50rpmとした。日本薬局方溶出試験第2液900mLに試料を投入し、15分間撹拌した後の試験液を採取し、化合物Aの溶出率(%)を吸光度法により求めた。
試験例1
試料として、実施例1〜3および比較例1の錠剤を使用した。
錠剤硬度の測定および溶出試験の結果を表1に示す。
Figure 2014112530
軽質無水ケイ酸を含む錠剤(実施例1〜3)は、従来技術(特公平1−37376号公報)により製造した錠剤(比較例1)と比べて、顕著に優れた溶出性を示した。また、実施例1〜3の錠剤は十分な硬度を有していた。
試験例2
試料として、実施例4〜6および比較例2の錠剤を使用した。
試験例1と同様にして、錠剤硬度の測定および溶出試験を行った。結果を表2に示す。
Figure 2014112530
軽質無水ケイ酸を3〜0.3%含む錠剤(実施例4〜6)は、軽質無水ケイ酸を含まない錠剤(比較例2)と比べて、優れた溶出性を示した。特に、軽質無水ケイ酸を3%含む錠剤(実施例4)は極めて優れた溶出性を示した。また、実施例4〜6の錠剤は、十分な硬度を有していた。
試験例3
試料として、造粒後に軽質無水ケイ酸を添加した錠剤(実施例7)および造粒前に軽質無水ケイ酸を添加した錠剤(実施例8)を使用した。
試験例1と同様にして、錠剤硬度の測定および溶出試験を行った。結果を表3に示す。
Figure 2014112530
軽質無水ケイ酸を造粒後に添加した錠剤(実施例7)および造粒前に添加した錠剤(実施例8)は優れた溶出性を示した。また、実施例7および8の錠剤は十分な硬度を有していた。
試験例4
試料として、実施例9および10の素錠およびフィルムコーティング錠を使用した。
試験例1と同様にして、素錠の硬度の測定およびフィルムコーティング錠の溶出試験を行った。結果を表4に示す。
Figure 2014112530
化合物Aの水和物を221.3mg含むフィルムコーティング錠(実施例9;素錠径8.5mm)および化合物Aの水和物を27.7mg含むフィルムコーティング錠(実施例10;素錠径5.5mm)は優れた溶出性を示した。また、実施例9および10の素錠はそれぞれの錠剤径を考慮して十分な硬度を有していた。
試験例5
試料として、実施例11のフィルムコーティング錠を使用した。
試験例1と同様にして、素錠の硬度の測定およびフィルムコーティング錠の溶出試験を行った。結果を表5に示す。
Figure 2014112530
含水二酸化ケイ素を含むフィルムコーティング錠(実施例11)は、優れた溶出性を示した。また、実施例11の素錠は十分な硬度を有していた。
試験例6
試料として、実施例13および比較例3の素錠を使用した。
試験例1と同様にして、素錠の硬度の測定および素錠の溶出試験を行った。結果を表6に示す。
Figure 2014112530
軽質無水ケイ酸を3%含む錠剤(実施例13)は、軽質無水ケイ酸を含まない錠剤(比較例3)と比べて、優れた溶出性を示した。
また、実施例13の錠剤は、十分な硬度を有していた。
次に、本発明を製造例、実施例および比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
化合物Aの水和物は、製造例1に記載の方法に準じて製造した化合物Aの3/4水和物を使用した。
コーティング剤は、特にことわらない限り、オパドライ03A48081(ヒプロメロース2910:酸化チタン:タルク=60:20:20、日本カラコン社製)を使用した。
各実施例および比較例の錠剤形状は、特にことわらない限り、円形(8.5mmDR)とした。
製造例1
(1)窒素雰囲気下、2−プロパノール600mLに2−アミノマロンアミド(立山化成)30gおよびシュウ酸115mgを加え、82℃に加熱した後、オルトギ酸トリエチル(日宝化学、純度:99.5%)106mLを10分かけて滴下した。次いで、反応混合物を84℃で7時間30分間撹拌した。57℃まで冷却後、反応混合物に水30mLおよび濃塩酸24mLを順次添加した。反応混合物を5℃まで冷却し、結晶を濾取し、アセトン120mLで洗浄し、淡黄色結晶の5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド塩酸塩二水和物49gを得た。
(2)窒素雰囲気下、0.45mol/L塩酸240mLに5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド塩酸塩二水和物20.0gを加え、50℃に加熱して溶解させた。この溶液にギ酸ナトリウム14.3gの水40mL溶液を33分かけて滴下した。反応混合物を5℃まで冷却し、結晶を濾取し、アセトン20mLおよび水40mLの混合液で洗浄し、次いでアセトン60mLで洗浄し、淡黄色結晶として5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物12.8gを得た。
実施例1
化合物Aの水和物4.5gおよびカルメロースカルシウム(ECG-505、ニチリン化学工業製)0.5gを乳鉢で混合した。この混合末に結合液{8.7%ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L、日本曹達製)、8.7%無水クエン酸(小松屋株式会社製)および4.3%軽質無水ケイ酸(アエロジル-200、日本アエロジル製)の水性懸濁液}2.5gを添加し、造粒した。得られた造粒末を40℃で2時間乾燥した後、目開き500μmの篩を通し、錠剤重量に対し、0.5%相当量のステアリン酸マグネシウム(メルク製)を添加し、混合して、圧縮成形性測定装置(TAB FLEX、岡田精工製)を用いて打錠圧6kNで打錠し、1錠あたり300mgの錠剤を得た。
実施例2
化合物Aの水和物6g、カルメロースカルシウム(ECG-505、ニチリン化学工業製)0.3g、乳糖水和物(Pharmatose 200M、DMV-Fonterra Excipients製)0.3gおよびコーンスターチ(日本食品化工製)0.39gを乳鉢で混合した。この混合末に結合液{10%ポリビニルアルコール(ゴーセノールEG-05、日本合成化学製)および5%軽質無水ケイ酸(アエロジル-200、日本アエロジル製)の水性懸濁液}3gを添加し、造粒した。得られた造粒末を40℃で一夜乾燥した後、目開き500μmの篩を通し、錠剤重量に対し、0.8%相当量のステアリン酸マグネシウム(メルク製)を添加し、混合して、圧縮成形性測定装置(TAB FLEX、岡田精工製)を用いて打錠圧6kNで打錠し、1錠あたり250mgの錠剤を得た。
実施例3
化合物Aの水和物6g、カルメロースカルシウム(ECG-505、ニチリン化学工業製)0.3g、乳糖水和物(Pharmatose 200M、DMV-Fonterra Excipients製)0.225g、コーンスターチ(日本食品化工製)0.315gおよび無水クエン酸(小松屋株式会社製)0.15gを乳鉢で混合した。この混合末に結合液{10%ポリビニルアルコール(ゴーセノールEG-05、日本合成化学製)および5%軽質無水ケイ酸(アエロジル-200、日本アエロジル製)の水性懸濁液}3gを添加し、造粒した。得られた造粒末を40℃で一夜乾燥した後、目開き500μmの篩を通し、錠剤重量に対し、0.8%相当量のステアリン酸マグネシウム(メルク製)を添加し、混合して、圧縮成形性測定装置(TAB FLEX、岡田精工製)を用いて打錠圧6kNで打錠し、1錠あたり250mgの錠剤を得た。
実施例4
化合物Aの水和物9.957g、カルメロースカルシウム(ECG-505、ニチリン化学工業製)0.585gおよび乳糖水和物(Pharmatose 200M、DMV-Fonterra Excipients製)0.398gを流動層造粒乾燥機(微少量流動層、不二パウダル製)で混合した。この混合末に結合液{5%ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L、日本曹達製)および5%軽質無水ケイ酸(アエロジル-200、日本アエロジル製)の水性懸濁液}7.02gを噴霧して造粒した後、乾燥した。得られた造粒末に錠剤重量に対し、0.5%相当量のステアリン酸マグネシウム(メルク製)を添加し、混合して、圧縮成形性測定装置(TAB FLEX、岡田精工製)を用いて打錠圧10kNで打錠し、1錠あたり260mgの錠剤を得た。
実施例5
化合物Aの水和物9.957g、カルメロースカルシウム(ECG-505、ニチリン化学工業製)0.585gおよび乳糖水和物(Pharmatose 200M、DMV-Fonterra Excipients製)0.632gを流動層造粒乾燥機(微少量流動層、不二パウダル製)で混合した。この混合末に結合液{5%ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L、日本曹達製)および1.5%軽質無水ケイ酸(アエロジル-200、日本アエロジル製)の水性懸濁液}7.02gを噴霧して造粒した後、乾燥した。得られた造粒末に錠剤重量に対し、0.5%相当量のステアリン酸マグネシウム(メルク製)を添加し、混合して、圧縮成形性測定装置(TAB FLEX、岡田精工製)を用いて打錠圧10kNで打錠し、1錠あたり260mgの錠剤を得た。
実施例6
化合物Aの水和物9.957g、カルメロースカルシウム(ECG-505、ニチリン化学工業製)0.585gおよび乳糖水和物(Pharmatose 200M、DMV-Fonterra Excipients製)0.714gを流動層造粒乾燥機(微少量流動層、不二パウダル製)で混合した。この混合末に結合液{5%ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L、日本曹達製)および0.5%軽質無水ケイ酸(アエロジル-200、日本アエロジル製)の水性懸濁液}7.02gを噴霧して造粒した後、乾燥した。得られた造粒末に錠剤重量に対し、0.5%相当量のステアリン酸マグネシウム(メルク製)を添加し、混合して、圧縮成形性測定装置(TAB FLEX、岡田精工製)を用いて打錠圧10kNで打錠し、1錠あたり260mgの錠剤を得た。
実施例7
化合物Aの水和物9.957g、カルメロースカルシウム(ECG-505、ニチリン化学工業製)0.585gおよび乳糖水和物(Pharmatose 200M、DMV-Fonterra Excipients製)0.398gを流動層造粒乾燥機(微少量流動層、不二パウダル製)で混合した。この混合末に結合液{5%ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L、日本曹達製)の水溶液}7.02gを噴霧して造粒した後、乾燥した。得られた造粒末に錠剤重量に対し、3%相当量の軽質無水ケイ酸(アエロジル-200、日本アエロジル製)および0.5%相当量のステアリン酸マグネシウム(メルク製)を添加し、混合して、圧縮成形性測定装置(TAB FLEX、岡田精工製)を用いて打錠圧6kNで打錠し、1錠あたり260mgの錠剤を得た。
実施例8
化合物Aの水和物9.957g、カルメロースカルシウム(ECG-505、ニチリン化学工業製)0.585 g、乳糖水和物(Pharmatose 200M、DMV-Fonterra Excipients製)0.398gおよび軽質無水ケイ酸(アエロジル-200、日本アエロジル製)0.351gを流動層造粒乾燥機(微少量流動層、不二パウダル製)で混合した。この混合末に結合液{5%ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L、日本曹達製)の水溶液}7.02gを噴霧して造粒した後、乾燥した。得られた造粒末に錠剤重量に対し、0.5%相当量のステアリン酸マグネシウム(メルク製)を添加し、混合して、圧縮成形性測定装置(TAB FLEX、岡田精工製)を用いて打錠圧6kNで打錠し、1錠あたり260mgの錠剤を得た。
実施例9
ピンミル粉砕機(ALPINE微粉砕機630、パウレック製)にて粉砕した化合物Aの水和物442.52g、カルメロースカルシウム(ECG-505、ニチリン化学工業製)44.8gおよび乳糖水和物(Pharmatose 200M、DMV-Fonterra Excipients製)27.88gを流動層造粒乾燥機(FD-MP-01、パウレック製)で混合した。この混合末に結合液{5%ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L、日本曹達製)および5%軽質無水ケイ酸(アエロジル-200、日本アエロジル製)の水性懸濁液}336gを噴霧して造粒した後、乾燥した。得られた造粒末に素錠重量に対し、2%相当量のステアリン酸マグネシウム(メルク製)を添加し、混合して、ロータリー打錠機(HT-P18A、畑鉄工製)を用いて打錠圧10kNで打錠し、1錠あたり280mgの素錠を得た。コーティング機(DRC-200、パウレック製)を用いて素錠1錠あたりにコーティング剤12mgをコーティングした後、素錠重量に対し、0.015%相当量のカルナウバロウ(ポリシングワックス-105、日本ワックス製)により艶出しを行い、フィルムコーティング錠を得た。
実施例10
ピンミル粉砕機(ALPINE微粉砕機630、パウレック製)にて粉砕した化合物Aの水和物110.64g、カルメロースカルシウム(ECG-505、ニチリン化学工業製)22.4gおよび乳糖水和物(Pharmatose 200M、DMV-Fonterra Excipients製)124.56gを流動層造粒乾燥機(FD-MP-01、パウレック製)で混合した。この混合末に結合液{5%ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L、日本曹達製)および5%軽質無水ケイ酸(アエロジル-200、日本アエロジル製)の水性懸濁液}168gを噴霧して造粒した後、乾燥した。得られた造粒末に素錠重量に対し、2%相当量のステアリン酸マグネシウム(メルク製)を添加し、混合して、ロータリー打錠機(HT-P18A、畑鉄工製)を用いて打錠圧3kNで打錠し、1錠あたり70mgの円形(5.5mmSR)の素錠を得た。コーティング機(DRC-200、パウレック製)を用いて素錠1錠あたりにコーティング剤5mgをコーティングした後、素錠重量に対し、0.015%相当量のカルナウバロウ(ポリシングワックス-105、日本ワックス製)により艶出しを行い、フィルムコーティング錠を得た。
実施例11
ピンミル粉砕機(ALPINE微粉砕機630、パウレック製)にて粉砕した化合物Aの水和物221.26g、カルメロースカルシウム(ECG-505、ニチリン化学工業製)22.4gおよび乳糖水和物(Pharmatose 200M、DMV-Fonterra Excipients製)13.94gを流動層造粒乾燥機(FD-MP-01、パウレック製)で混合した。この混合末に結合液{5%ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L、日本曹達製)および5%含水二酸化ケイ素(カープレックス 80、フロイント産業製)の水性懸濁液}168gを噴霧して造粒した後、乾燥した。得られた造粒末に素錠重量に対し、2%相当量のステアリン酸マグネシウム(メルク製)を添加し、混合して、ロータリー打錠機(HT-P18A、畑鉄工製)を用いて打錠圧10kNで打錠し、1錠あたり280mgの素錠を得た。コーティング機(DRC-200、パウレック製)を用いて素錠1錠あたりにコーティング剤12mgをコーティングし、フィルムコーティング錠を得た。
実施例12
ピンミル粉砕機(ALPINE微粉砕機630、パウレック製)にて粉砕した化合物Aの水和物221.26gに、乳糖水和物(Pharmatose 200M、DMV-Fonterra Excipients製)13.94gおよびカルメロースカルシウム(ECG-505、ニチリン化学工業製)22.4gを流動層造粒乾燥機(FD-MP-01、パウレック製)で混合した。この混合末に結合液{5%ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L、日本曹達製)および5%軽質無水ケイ酸(アエロジル-200、日本アエロジル製)の水性懸濁液}168gを噴霧して造粒した後、乾燥した。得られた造粒末に素錠重量に対し、2%相当量のステアリン酸マグネシウム(メルク製)を添加し、混合して、ロータリー打錠機(HT-P18A、畑鉄工製)を用いて打錠圧10kNで打錠し、1錠あたり280mgの素錠を得た。コーティング機(DRC-200、パウレック製)を用いて素錠1錠あたりにコーティング剤{オパドライ03A470001 TAN(ヒプロメロース2910:60.00%、タルク:20.00%、酸化チタン:18.86%、黄色三二酸化鉄:1.00%、黒酸化鉄:0.14%、日本カラコン製)}10mgをコーティングした後、得られた錠剤の重量に対し、0.015%相当量のカルナウバロウ(ポリシングワックス-105、日本ワックス製)により艶出しを行い、フィルムコーティング錠を得た。表7にフィルムコーティング錠の組成を示す。
Figure 2014112530
実施例13
化合物Aの水和物11.06gおよび低置換ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC LH-11、信越化学工業)0.700 gおよび乳糖水和物(Pharmatose 200M、DMV-Fonterra Excipients製)1.117gを乳鉢で混合した。この混合末に結合液{7.7%ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L、日本曹達製)、および7.7%軽質無水ケイ酸(アエロジル-200、日本アエロジル製)の水性懸濁液}5.444gを添加し、造粒した。得られた造粒末を40℃で2時間乾燥した後、目開き500μmの篩を通し、錠剤重量に対し、2.0%相当量のステアリン酸マグネシウム(メルク製)を添加し、混合して、ロータリー打錠機(HT-P18A、畑鉄工製)を用いて打錠圧8kNで打錠し、1錠あたり280mgの錠剤を得た。
比較例1
特公平1−37376号公報に記載の方法に準じて錠剤を製造した。
具体的には、化合物Aの水和物6g、カルメロースカルシウム(ECG-505、ニチリン化学工業製)0.3g、乳糖水和物(Pharmatose 200M、DMV-Fonterra Excipients製)0.375gおよびコーンスターチ(日本食品化工製)0.465gを乳鉢で混合した。この混合末に結合液{10%ポリビニルアルコール(ゴーセノールEG-05、日本合成化学製)の水溶液}3gを添加し、造粒した。得られた造粒末を40℃で一夜乾燥した後、目開き500μmの篩を通し、錠剤重量に対し、0.8%相当量のステアリン酸マグネシウム(メルク製)を添加し、混合して、圧縮成形性測定装置(TAB FLEX、岡田精工製)を用いて打錠圧6kNで打錠し、1錠あたり250mgの錠剤を得た。
比較例2
化合物Aの水和物9.957g、カルメロースカルシウム(ECG-505、ニチリン化学工業製)0.585gおよび乳糖水和物(Pharmatose 200M、DMV-Fonterra Excipients製)0.749gを流動層造粒乾燥機(微少量流動層、不二パウダル製)で混合した。この混合末に結合液{5%ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L、日本曹達製)の水溶液}7.02gを噴霧して造粒した後、乾燥した。得られた造粒末に錠剤重量に対し、0.5%相当量のステアリン酸マグネシウム(メルク製)を添加し、混合して、圧縮成形性測定装置(TAB FLEX、岡田精工製)を用いて打錠圧10kNで打錠し、1錠あたり260mgの錠剤を得た。
比較例3
化合物Aの水和物11.06gおよび低置換ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC LH-11、信越化学工業)0.700gおよび乳糖水和物(Pharmatose 200M、DMV-Fonterra Excipients製)1.537gを乳鉢で混合した。この混合末に結合液{7.7%ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L、日本曹達製)の水性懸濁液}5.444gを添加し、造粒した。得られた造粒末を40℃で2時間乾燥した後、目開き500μmの篩を通し、錠剤重量に対し、2.0%相当量のステアリン酸マグネシウム(メルク製)を添加し、混合して、ロータリー打錠機(HT-P18A、畑鉄工製)を用いて打錠圧8kNで打錠し、1錠あたり280mgの錠剤を得た。
本発明の錠剤は、化合物Aもしくはその塩またはその水和物の含有量が多く、錠剤の大きさが服用し易い大きさであり、溶出性が優れる錠剤として有用である。

Claims (13)

  1. (1)5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物および(2)二酸化ケイ素を含有する錠剤。
  2. さらに添加剤を含む請求項1に記載の錠剤。
  3. 添加剤が崩壊剤を含む添加剤である請求項2に記載の錠剤。
  4. 二酸化ケイ素がシリカゲル、無水ケイ酸、コロイド状二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸および含水二酸化ケイ素から選ばれる1種または2種以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の錠剤。
  5. 二酸化ケイ素が軽質無水ケイ酸および含水二酸化ケイ素からから選ばれる1種または2種以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の錠剤。
  6. 二酸化ケイ素の含有率が、錠剤質量の0.1〜20%である請求項1〜5のいずれか一項に記載の錠剤。
  7. 崩壊剤がセルロース誘導体、デンプン誘導体およびポリビニルピロリドン誘導体から選ばれる1種または2種以上である請求項3に記載の錠剤。
  8. 崩壊剤がカルメロースカルシウム、カルメロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、部分アルファー化デンプンおよびクロスポビドンから選ばれる1種または2種以上である請求項3に記載の錠剤。
  9. 崩壊剤がカルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよび部分アルファー化デンプンから選ばれる1種または2種以上である請求項3に記載の錠剤。
  10. 崩壊剤がカルメロースカルシウムである請求項3に記載の錠剤。
  11. 5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物の含有率が、錠剤質量の0.3〜95%である請求項1〜10のいずれか一項に記載の錠剤。
  12. 湿式造粒法により製造した造粒末を使用して錠剤化される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の錠剤の製造方法。
  13. 湿式造粒法が流動層造粒法である請求項12に記載の製造方法。
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