JP6823660B2 - Mll関連白血病の予防または治療のための医薬、方法、使用及び化合物 - Google Patents

Mll関連白血病の予防または治療のための医薬、方法、使用及び化合物 Download PDF

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Description

本発明は、MLL関連白血病の予防または治療のための医薬、方法、使用及び化合物に関する。
5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド(以下、化合物Aともいう)もしくはその塩またはその水和物は、強力な制がん作用を有することから抗がん剤として医療上有用な化合物である(特許文献1〜7)。化合物Aは、骨髄異形成症候群(MDS)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性骨髄性白血病(AML)といった疾患への適用が検討されている(非特許文献1〜2)。
染色体11番q23領域(11q23)に位置するMixed Lineage Leukemia(MLL)遺伝子に異常を有する白血病は、MLL関連白血病としてWHO分類では他の白血病とは別個のカテゴリーに分類され、きわめて予後不良である(非特許文献3)。その白血病発症機構はいまだ十分解明されていない。
特開昭53-32124号公報 国際公開第2009/035168号パンフレット 国際公開第2013/047758号パンフレット 国際公開第2014/112529号パンフレット 国際公開第2014/112530号パンフレット 国際公開第2014/112531号パンフレット 特開2009−209129号公報
癌と化学療法 第16巻、第1号、123〜130、1989年 Cancer research 第42巻、1098〜1102頁、1982年 Genes & development 第23巻、877〜889頁、2009年
MLL関連白血病は難治性であり、既存の化学療法(シタラビンやドキソルビシン)が奏功しないことが知られており(非特許文献3の図3および図5)、その治療方法が望まれている。なお、非特許文献3のMLL−ENLはMLL−AF9と同じMLL転座型融合遺伝子で、基礎研究の分野ではほぼ同じ性質をもつと考えられる。本発明は、難治性であり、既存の化学療法が奏功しないMLL関連白血病に対する新規の医薬、方法、使用及び化合物を提供することを解決すべき課題とする。
このような状況下において、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、化合物Aもしくはその塩またはその水和物が上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
本発明は下記を提供する。
(1)5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物を含有するMLL関連白血病の予防または治療のための医薬。
(2)上記MLL関連白血病がMixed Lineage Leukemia遺伝子が他の遺伝子と融合したMixed Lineage Leukemia融合遺伝子を発現する白血病である、MLL関連白血病の予防または治療のための医薬。上記MLL関連白血病が(9;11)転座型急性骨髄性白血病または(v;11q23)転座型混合形質型急性白血病である、MLL関連白血病の予防または治療のための医薬。
上記MLL関連白血病の予防または治療のための医薬は、さらに添加剤を含有することが好ましく、添加剤としては二酸化ケイ素が好ましい。
(3)5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物を、MLL関連白血病の処置に用いるための方法であって、治療有効用量をそのような処置が必要な対象(ヒトを含む哺乳動物)に投与する工程を含む方法。
(4)5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物の、MLL関連白血病の予防または治療のための使用。
(5)5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物の、MLL関連白血病の予防または治療のための医薬の製造のための使用。
(6)MLL関連白血病の予防または治療において使用するための、5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物。
本発明は、MLL関連白血病の予防または治療に有効である。
試験例1のMLL融合遺伝子を導入したマウス急性骨髄性白血病モデルにおける、薬剤投与群と非投与群の生存期間を示すグラフである。 試験例1のMLL融合遺伝子白血病細胞をマウスに注入した10日目における末梢血中のGFP+細胞の存在量を示すグラフである。 試験例2のp53遺伝子が欠失したマウス急性骨髄性白血病モデルにおける、薬剤投与群と非投与群の生存期間を示すグラフである。 試験例2のMLL融合遺伝子白血病細胞をマウスに注入した19日目における、末梢血中のGFP+細胞の存在量を示すグラフである。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明に使用される%は、特に断らない限り、質量百分率を意味する。本発明において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示す。さらに本発明において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
予防とは、発症の阻害、発症リスクの低減または発症の遅延などを意味する。
治療とは、対象となる疾患または状態の改善または進行の抑制などを意味する。
処置とは、各種疾患に対する予防または治療などを意味する。
処置剤とは、各種疾患に対して予防または治療などの目的で供せられる物質を意味する。
本発明は、5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド(化合物A)もしくはその塩またはその水和物を含有するMLL関連白血病の予防または治療のための医薬、医薬組成物または処置剤である。また、本発明は、化合物Aもしくはその塩またはその水和物を含有する、MLL関連白血病のための医薬、医薬組成物または処置剤、あるいは抗MLL関連白血病剤である。形態は、錠剤が好ましい。
MLL関連白血病とは、MLL遺伝子(染色体11番q23領域に位置するMixed Lineage Leukemia遺伝子)に異常を有する白血病を意味する。MLL遺伝子の異常とは、例えば、染色体転座によってMLL遺伝子が異なる他の遺伝子と融合してMLL融合遺伝子を発現することをいう。プロト癌遺伝子であるMLLに影響を与える染色体転座は、高悪性度のヒトの急性白血病において、子供においても成人においても発生する(Sorensen et al., J Clin Invest., 1994.93(1): p.429-37., Cox, et al., Am J Clin PathoI., 2004. 122(2): p. 298-306.参照)。
本発明において、「白血病」とは、白血病の症状、および白血病において合併して起こる症状を意味する。
本発明において、「白血病」とは、腫瘍化した造血細胞が無制限に増殖して血液中に出現する疾患の総称である。白血病においては、腫瘍細胞が分化能を失ったものを急性白血病、腫瘍細胞が分化能を保っているものを慢性白血病と呼ぶ。また、腫瘍の起源となった細胞が骨髄系の細胞である場合は骨髄性白血病、またはリンパ球系の細胞である場合はリンパ性白血病と分類される。このことから白血病は大きくは急性骨髄性白血病(acute myelogenous leukemia; AML)、慢性骨髄性白血病(chronic myelogenous leukemia; CML)、急性リンパ性白血病(acute lymphoid leukemia; ALL)、慢性リンパ性白血病(chronic lymphoid leukemia; CLL)の4種類に分類され、急性前骨髄球性白血病(APL)、非定型的白血病(AUL)、骨髄単球性白血病(AMMoL)、及び若年型慢性骨髄性白血病(JCML)もこれらの分類に含まれる。また、急性単球性白血病(AMoL)、慢性単球性白血病(CMoL)、赤白血病、好酸球性白血病、好塩基球性白血病、巨核芽球性白血病、形質細胞性白血病、緑色腫、慢性好中球性白血病、成人T細胞白血病、リンパ肉腫細胞性白血病、hairy cell leukemia、及び前リンパ球性白血病も白血病の種類として挙げることができる。本発明においては、白血病の種類は特に限定されるものではないが、MLL関連白血病とは、難治性急性白血病であるMLL(Mixed Lineage Luekemia)融合遺伝子を発現する白血病を挙げることができる。
MLL白血病では、AML、ALLで見られる特異的な染色体転座によりMLL遺伝子が他の遺伝子と融合し、転座相手はAF4,AF9やp300/CBPを含む40以上である。またAMLではFAB分類M4/M5(単球性白血病)に見られる。さらにHOX遺伝子群の発現上昇が知られている。
MLL関連白血病としては、WHO分類では、(9;11)転座型急性骨髄性白血病または(v;11q23)転座型混合形質型急性白血病が挙げられる。なお、MLL遺伝子に異常を有する白血病には、小児白血病や急性リンパ性白血病(ALL)などもある。
本発明で化合物Aに関し、「化合物Aもしくはその塩またはその水和物」というときは、特に断らない限り、化合物A、化合物Aの塩、化合物Aの水和物、および化合物Aの塩の水和物からなる群より選択されるいずれかを指す趣旨であり、また「化合物Aもしくはその塩またはその水和物」を含むというときは、特に断らない限り、化合物A、化合物Aの塩、化合物Aの水和物、および化合物Aの塩の水和物からなる群より選択される少なくとも1つを含んでいることをいう。
本発明に使用される化合物Aもしくはその塩またはその水和物は、例えば、後述の製造例1に記載の方法により製造することができる。
化合物Aもしくはその塩またはその水和物の含有率は、錠剤質量の0.3〜95%とすることができ、20〜90%が好ましく、40〜85%がより好ましい。
本発明の医薬、医薬組成物または処置剤は、さらに添加剤を含有してもよい。
添加剤としては、特に限定されないが、例えば、二酸化ケイ素、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、賦形剤、矯味剤、着色剤、着香剤、酸、界面活性剤および可塑剤が挙げられ、二酸化ケイ素、崩壊剤、結合剤、滑沢剤および賦形剤が好ましい。これらの添加剤は、特にことわらない限り、いずれか1種または2種以上を組み合わせて使用してもよく、配合量は、特に限定されず、それぞれの目的に応じ、その効果が充分に発現されるよう適宜配合すればよい。
二酸化ケイ素は、造粒末内および/または造粒末外に配合することができる。
二酸化ケイ素の含有率は、錠剤質量の0.1〜20%とすることができ、0.5〜15%が好ましく、1〜5%がより好ましい。
二酸化ケイ素としては、特に限定されないが、例えば、シリカゲル、無水ケイ酸、コロイド状二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸および含水二酸化ケイ素が挙げられ、軽質無水ケイ酸および含水二酸化ケイ素が好ましい。
崩壊剤としては、特に限定されないが、例えば、カルメロースカルシウム、カルメロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよびクロスカルメロースナトリウムなどのセルロース誘導体;カルボキシメチルスターチナトリウムおよび部分アルファー化デンプンなどのデンプン誘導体;ならびにクロスポビドンなどのポリビニルピロリドン誘導体が挙げられ、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよび部分アルファー化デンプンが好ましく、カルメロースカルシウムがより好ましい。
崩壊剤は、造粒末内および/または造粒末外に配合することができる。
崩壊剤の含有率は、錠剤質量の1〜20%とすることができ、3〜15%が好ましく、5〜10%がより好ましい。
結合剤としては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポビドン、ヒプロメロース、カルメロースナトリウム、メチルセルロース、アラビアゴムおよびデキストリンが挙げられ、ヒドロキシプロピルセルロースおよびポリビニルアルコールが好ましい。
結合剤の含有率は、錠剤質量の1〜20%とすることができ、2.5〜10%が好ましい。
滑沢剤としては、特に限定されないが、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、タルクおよびショ糖脂肪酸エステルが挙げられ、ステアリン酸マグネシウムおよびフマル酸ステアリルナトリウムが好ましく、ステアリン酸マグネシウムがより好ましい。
滑沢剤の含有率は、錠剤質量の0.1〜5%とすることができ、0.2〜5%が好ましく、0.5〜3%がより好ましい。
賦形剤としては、特に限定されないが、例えば、エリスリトール、マンニトール、キシリトールおよびソルビトールなどの糖アルコール類;白糖、粉糖、乳糖およびブドウ糖などの糖類;α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンおよびスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンナトリウムなどのシクロデキストリン類;結晶セルロースおよび微結晶セルロースなどのセルロース類;ならびにトウモロコシデンプン、バレイショデンプンおよび部分アルファー化デンプンなどのでんぷん類が挙げられる。
矯味剤としては、特に限定されないが、例えば、アスパルテーム、サッカリン、ステビア、ソーマチンおよびアセスルファムカリウムが挙げられる。
着色剤としては、特に限定されないが、例えば、二酸化チタン、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄、食用赤色102号、食用黄色4号および食用黄色5号が挙げられる。
着香剤としては、特に限定されないが、例えば、オレンジ油、レモン油、ハッカ油およびパインオイルなどの精油;オレンジエッセンスおよびペパーミントエッセンスなどのエッセンス;チェリーフレーバー、バニラフレーバーおよびフルーツフレーバーなどのフレーバー;アップルミクロン、バナナミクロン、ピーチミクロン、ストロベリーミクロンおよびオレンジミクロンなどの粉末香料;バニリン;ならびにエチルバニリンが挙げられる。
酸としては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシカルボン酸が挙げられ、クエン酸、酒石酸およびリンゴ酸が好ましい。
界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルソジウムスルホサクシネート、ポリソルベート類およびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が挙げられる。
可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、クエン酸トリエチル、マクロゴール、トリアセチンおよびプロピレングリコールが挙げられる。
錠剤は必要に応じて表面をコーティング剤でフィルムコーティングしてもよい。
コーティング剤としては、特に限定されないが、例えば、ヒプロメロース、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、エチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒプロメロースフタル酸エステル、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマーLDおよびメタクリル酸コポリマーS、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体およびポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマーが挙げられ、ヒプロメロースおよびポリビニルアルコールが好ましく、ヒプロメロースがより好ましい。
本発明に係る化合物Aの塩としては、通常知られている塩基性基または酸性基における塩が挙げられる。
塩基性基の塩としては、例えば、塩酸、臭化水素、リン酸および硫酸などの鉱酸との塩;酒石酸、ギ酸、酢酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、トリクロロ酢酸およびトリフルオロ酢酸などの有機カルボン酸との塩ならびにメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メシチレンスルホン酸およびナフタレンスルホン酸などのスルホン酸との塩などが挙げられる。
酸性基の塩としては、例えば、ナトリウムおよびカリウムなどのアルカリ金属との塩;カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属との塩;アンモニウム塩ならびにトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トロメタモール、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N−ベンジル−β−フェネチルアミンおよびN,N'−ジベンジルエチレンジアミンなどの含窒素有機塩基との塩などを挙げることができる。
さらに、上記、塩の中で化合物Aの好ましい塩としては、薬理学的に許容される塩が挙げられる。
本発明に係る化合物Aまたはその塩の水和物としては、特開昭58−24569号公報に記載の方法によって製造される化合物Aの水和物、国際公開第2009/035168号パンフレットに記載の方法によって製造される化合物Aの水和物または後述する製造例1に記載の方法で製造される化合物Aの水和物などが挙げられ、製造例1に記載の方法で製造される化合物Aの水和物が好ましい。
本発明の医薬を投与する場合、投与方法、投与量および投与回数は、患者の年齢、体重および症状に応じて適宜選択できる。投与方法は、経口投与又は非経口投与(例えば、注射、点滴及び直腸部位への投与等)の何れでもよい。投与量および投与回数は、薬効を発揮しうる量を1日、1回から数回に分割して投与すればよい。成人に対しては、化合物Aとして、1日、10〜5000mg、好ましくは、200〜2500mgを1回から数回に分割して投与できる。
本発明の医薬が錠剤である場合、錠剤の製造方法としては、乾式あるいは湿式造粒法により造粒末を製造し、所望により、さらに賦形剤、崩壊剤および/または滑沢剤などを加え、打錠用混合末とし、打錠する方法が挙げられる。
造粒末の製造方法としては、湿式造粒法が好ましい。
湿式造粒法としては、特に限定されないが、例えば、流動層造粒法、遠心転動造粒法、混合撹拌造粒法、高速混合撹拌造粒法、転動造粒法、湿式破砕造粒法および押出造粒法が挙げられ、流動層造粒法、遠心転動造粒法、混合撹拌造粒法、高速混合撹拌造粒法、転動造粒法および湿式破砕造粒法が好ましく、流動層造粒法が特に好ましい。
本発明の医薬が錠剤である場合、錠剤としては、円形錠剤が好ましい。円形錠剤の大きさは、直径:5〜9mm、厚さ:2〜5mmであればよく、直径:7〜9mm、厚さ:3〜5mmが好ましい。
錠剤は、直径が8.5mmの円形錠剤の場合には、硬度が30〜150Nであることが好ましく、50〜130Nであることがより好ましい。
本発明は、5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物を、MLL関連白血病の処置に用いるための方法であって、治療有効用量をそのような処置が必要な対象(ヒトを含む哺乳動物)に投与する工程を含む方法である。本発明は、MLL関連白血病の処置方法であって、5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物の治療有効用量をそのような処置が必要な対象(ヒトを含む哺乳動物)に投与する工程を含む方法である。
本発明は、5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物のMLL関連白血病の予防もしくは治療またはその医薬などの製造のための使用である。
本発明は、MLL関連白血病の予防または治療において使用するための、5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物である。
次に、本発明を製造例、実施例、試験例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
化合物Aの水和物は、製造例1に記載の方法に準じて製造した化合物Aの3/4水和物を使用した。
製造例1
(1)窒素雰囲気下、2−プロパノール600mLに2−アミノマロンアミド(立山化成)30gおよびシュウ酸115mgを加え、82℃に加熱した後、オルトギ酸トリエチル(日宝化学、純度:99.5%)106mLを10分かけて滴下した。次いで、反応混合物を84℃で7時間30分間撹拌した。57℃まで冷却後、反応混合物に水30mLおよび濃塩酸24mLを順次添加した。反応混合物を5℃まで冷却し、結晶を濾取し、アセトン120mLで洗浄し、淡黄色結晶の5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド塩酸塩二水和物49gを得た。
(2)窒素雰囲気下、0.45mol/L塩酸240mLに5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド塩酸塩二水和物20.0gを加え、50℃に加熱して溶解させた。この溶液にギ酸ナトリウム14.3gの水40mL溶液を33分かけて滴下した。反応混合物を5℃まで冷却し、結晶を濾取し、アセトン20mLおよび水40mLの混合液で洗浄し、次いでアセトン60mLで洗浄し、淡黄色結晶として5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物12.8gを得た。
以下、試験例1および2について説明する。試験例1および2は、非特許文献4および5も参考にして行った。
非特許文献4:J Clin Invest., 2013 Sep 3, 123(9): 3876-3888.
非特許文献5:Blood, 1 SEPTEMBER 2011,Volume 118,2541-2550.
試験例1
がんを誘発するMLL融合遺伝子(MLL-AF9)を導入したマウス急性骨髄性白血病(AML)モデルを準備した。具体的には、C57BL/6-Ly5.1マウス(三協ラボサービス株式会社、以下同様)から骨髄細胞を採取し、CD117 MicroBeadsを用いて造血幹前駆細胞を分離する。この細胞にウイルスを用いてGFP(緑色蛍光タンパク質)でマーキングしたMLL-AF9を導入した。このMLL-AF9導入細胞を同系統(C57BL/6)のマウス(日本エスエルシー株式会社、以下同様)に移植し、白血病を発症したマウス脾臓からGFP陽性白血病細胞を採取した。この細胞を2次、3次、4次移植を行い、4次移植後に、全てのマウスが約2週間で白血病を引き起こすMLL融合遺伝子(MLL-AF9)白血病細胞を採取した。
そのMLL融合遺伝子(MLL-AF9)白血病細胞1×106/mouseをC57BL/6マウスに対して尾静脈より注入した。注入した日を基準として4日目から、5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物(薬剤)の0.5%メチルセルロース懸濁液をマウスに対して、月(day4)、水(day6)、金(day8)に一日一回160mg/kg(フリー体換算)にて経口投与し、これをマウスの生存期間中継続した。この結果、投与群では、非投与群に比べて有意な生存期間の延長が認められた。
図1は、試験例1のMLL融合遺伝子を導入したマウス急性骨髄性白血病モデルにおける、薬剤投与群と非投与群の生存期間を示すグラフである。図2は、試験例1のMLL融合遺伝子白血病細胞をマウスに注入した10日目における末梢血中のGFP+細胞の存在量を示すグラフである。
すなわち、図1に示すように、非投与群(Control)は20日程度ですべてのマウスは死亡したのに対し、薬剤投与群では30日以上の生存が確認でき、最長40日まで生存した。これらの結果については、log-rank検定を行い、薬剤投与群と非投与群の差は統計学的に有意であることを確認した。
また図2に示すように、非投与群(Control)はGFP+細胞が増殖しているのに対し、薬剤投与群ではGFP+細胞の増殖が抑制されていることが確認できた。このことから、投与群ではがん細胞の増殖が抑制されることが裏付けられた。これらの結果については、Mann-WhitneyのU検定を行い、薬剤投与群と非投与群の差は統計学的に有意であることを確認した。
試験例2
p53遺伝子の機能に依存した生存期間の延長の場合、臨床での有用性が限定される恐れがある。そこで、p53遺伝子が欠失したマウスを用いて、試験例1と同様にMLL融合遺伝子(MLL-AF9)白血病細胞を作製した。試験例1と同様にして5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物(薬剤)の投与群と非投与群の生存期間を確認した。その結果、本発明による生存期間の延長はp53遺伝子に依存しないことが確認できた。つまり、p53欠失白血病細胞に対する有用性がわかった。
図3は、試験例2のp53遺伝子が欠失したマウス急性骨髄性白血病モデルにおける、薬剤投与群と非投与群の生存期間を示すグラフである。図4は、試験例2のMLL融合遺伝子白血病細胞をマウスに注入した19日目における、末梢血中のGFP+細胞の存在量を示すグラフである。
すなわち、図3に示すように、非投与群(Control)は20日未満でマウスは死亡したのに対し、薬剤投与群ではそれよりも長く、また40日以上生存するマウスがいることも確認できた。
また図4に示すように、非投与群(Control)ではGFP+細胞が増殖しているのに対し、薬剤投与群ではGFP+細胞の増殖が抑制されていることが確認できた。このことから、投与群ではがん細胞の増殖が抑制されることが裏付けられた。
本発明は、難治性であり、既存の化学療法が奏功しないMLL関連白血病に対する治療剤として有用である。

Claims (8)

  1. 5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物を含有するMLL関連白血病の予防または治療のための医薬。
  2. 前記MLL関連白血病がMixed Lineage Leukemia遺伝子が他の遺伝子と融合したMixed Lineage Leukemia融合遺伝子を発現する白血病である、請求項1に記載のMLL関連白血病の予防または治療のための医薬。
  3. 前記他の遺伝子がAF9又はAF4である、請求項2に記載のMLL関連白血病の予防または治療のための医薬。
  4. 前記MLL関連白血病が(9;11)転座型急性骨髄性白血病または(v;11q23)転座型混合形質型急性白血病である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のMLL関連白血病の予防または治療のための医薬。
  5. さらに添加剤を含む請求項1〜のいずれか一項に記載のMLL関連白血病の予防または治療のための医薬。
  6. さらに二酸化ケイ素を含む請求項1〜のいずれか一項に記載のMLL関連白血病の予防または治療のための医薬。
  7. 前記MLL関連白血病が急性白血病又は小児白血病である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のMLL関連白血病の予防または治療のための医薬。
  8. 前記MLL関連白血病が急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病又は小児白血病である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のMLL関連白血病の予防または治療のための医薬。
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