JPWO2014088004A1 - 自動分析装置 - Google Patents

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Abstract

検体、試薬、検体と試薬とを反応させた反応液の性状や、これらの溶液の処理条件を定めた分析プロトコル、溶液の分注,送液,測定回数に基づいて、B/F分離用反応液吸引ノズル120等のB/F分離流路、検出用反応液吸引ノズル123および検出部124等の検出流路が定期洗浄或いは定期交換を要する状態であるかを判定し、ディスプレイ130に信号として表示する。これによって、分析条件に応じた、適切なメンテナンスを実施することができるようになる自動分析装置が提供される。

Description

本発明は、血液、尿などの検体に含まれる所定の測定対象物の定量或いは定性を行う為の自動分析装置に関する。
自動分析装置において、検体のサンプリング回数又はサンプリング積算量が多くなっても検体間のキャリーオーバを要求する性能に確保するために、プローブにより検体を順次サンプリングし、プローブによる検体のサンプリング回数又は検体のサンプリング量のうち少なくとも一方に基づいてプローブを洗浄するときの洗浄回数又は洗浄時間のうち少なくとも一方を変更するものがある(特許文献1参照)。
特開2007−225608号公報
自動分析装置において、検体や試薬、反応液を含む溶液を分注或いは送液するために、これらの溶液に接触する部材としては、例えば、検体分注流路、試薬分注流路、B/F分離工程(抗原抗体反応などによって特異的に磁性粒子に吸着したBoundと、非特異的に物理吸着しているFreeを分離する工程)における反応液吸引流路、反応液を検出部へと送液する流路、この流路の一部として備えられる検出部や、電解質分析用の検体吸引流路およびこの流路の一部として備えられる電解質測定部、等がある。
分析性能を維持するためには、これらの流路等の部材を、分注或いは送液毎の洗浄に加えて、定期的な洗浄或いは定期的な部材交換等のメンテナンスを必要とする。
一般的に、検体や試薬を含む溶液に接する流路等の部材は、検体間或いは試薬間のキャリーオーバ抑制のため、水或いは界面活性剤等を含む洗剤によって分注毎に流路内部および外部の洗浄が実施される。一方で、定期的な洗浄或いは定期的な部材交換は、一般的に長期的に検体や試薬を含む溶液と接触することによって影響を受ける流路等の部材が対象となる。
例えば、B/F分離工程における反応液吸引流路は、長期的に検体や試薬を含む溶液と接触するため、流路内部に検体や試薬に由来するタンパク質や脂質等が付着、堆積して、流路を閉塞する可能性がある。このため、定期的に界面活性剤や次亜塩素酸等を含む洗剤によって流路内を洗浄する必要がある。
また、反応液を検出部へと送液する流路およびこの流路の一部として備えられる検出部に関しては、検体や試薬に由来するタンパク質や脂質等が付着と堆積によって流路が閉塞することに加えて、例えば検出部のセンサー等の表面性状劣化によって分析性能の低下も生じ得る。このため、上述と同様の定期洗浄或いは検出部の定期交換が必要となる。
上述の定期洗浄や定期交換の頻度に関しては、一般的には標準的な分析条件における測定回数や使用期間に基づいて定められている。
しかしながら、適切なメンテナンス頻度とは、測定回数のみならず各測定における検体性状や分析プロトコルにも強く依存するものであり、標準的分析条件に基づいて決定している従来の定期洗浄或いは定期交換の時期は、必要十分とは言えない。即ち、分析条件によっては、予め定められた定期洗浄或いは定期交換は過剰或いは過小な頻度となり、ユーザビリティ低下さらには分析性能の低下にも繋がる。
上記の特許文献1に記載の自動分析装置では、検体間でのキャリーオーバを抑制するために、分注プローブの洗浄タイミングを決定することはできる。しかし、分析条件に応じた流路等の部材の定期洗浄或いは定期交換等のメンテナンスの頻度の適正化を図ることはできない。
本発明は、分析条件に応じた、適切な定期洗浄や定期交換等のメンテナンスを実施することができるようになる自動分析装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、血液、尿などの検体の測定を行う自動分析装置であって、前記検体、試薬、前記検体と前記試薬とを反応させた反応液のうち少なくともいずれかの溶液に接触する部材と、前記溶液の性状、前記溶液の処理条件を定める分析プロトコルおよび前記溶液の分注,送液,測定回数に基づいて、前記部材のメンテナンスの要否を決定し、表示信号として出力する制御装置とを備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、さまざまな分析条件に応じた、適切な定期洗浄や定期交換等のメンテナンスを実施するよう情報を提供できるようになり、メンテナンスが過剰或いは過少頻度とならず、ユーザビリティの向上および分析性能を確保することができる。
本発明の自動分析装置の実施形態の全体構成を示す上面図である。 本発明の自動分析装置の実施形態における定期洗浄メンテナンス推奨判定の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の自動分析装置の実施形態における定期交換メンテナンス推奨判定の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の自動分析装置の実施形態における検出系流路の流路の概略を示す図である。 本発明の自動分析装置の実施形態におけるB/F分離流路の流路の概略を示す図である。
本発明の自動分析装置の実施形態を、図1乃至図5を用いて説明する。なお、図1乃至図5においては、自動分析装置として免疫分析装置に適用した場合を例に挙げて説明する。
図1は本発明の自動分析装置の実施形態の全体構成を示す上面図、図2は本発明の自動分析装置の実施形態における定期洗浄メンテナンス推奨判定の処理手順を示すフローチャート、図3は本発明の自動分析装置の実施形態における定期交換メンテナンス推奨判定の処理手順を示すフローチャート、図4は検出系流路の流路図、図5はB/F分離流路の流路図である。
図1において、免疫分析装置100は、制御装置101、ラック102、ラック搬送ライン104、サンプル分注ノズル105、インキュベータディスク106、搬送機構108、保持部材109、反応容器攪拌機構110、廃棄孔111、試薬ディスク113、試薬分注ノズル117、B/F分離搬送機構118、B/F分離機構119、B/F分離用反応液吸引ノズル120、緩衝液吐出ノズル121、B/F分離後撹拌機構122、検出用反応液吸引ノズル123、検出部124等により概略構成されている。
免疫分析装置100において、ラック102は、サンプル(検体)を保持するサンプル容器103が架設されている。また、ラック搬送ライン104は、ラック102に架設されたサンプル容器103をサンプル分注ノズル105の近傍のサンプル分注位置まで移動させる。
サンプル分注ノズル105は、回転および上下動作が可能であり、サンプル容器103に保持されたサンプルを吸引し、インキュベータディスク106上の反応容器107へ吸引したサンプルを吐出する。
インキュベータディスク106は、複数の反応容器107が設置可能に構成されている。このインキュベータディスク106は、円周方向に設置された反応容器107を、反応容器設置位置、試薬吐出位置、サンプル吐出位置、検出位置、反応容器廃棄位置、等の所定位置まで移動させる回転動作を行う。
搬送機構108は、X軸,Y軸,Z軸の3方向に移動可能であり、保持部材109,反応容器撹拌機構110,廃棄孔111,サンプル分注チップのチップ装着位置112,インキュベータディスク106等の所定箇所の範囲内を移動し、サンプル分注チップや反応容器107の搬送を行う。
保持部材109は、未使用の反応容器107やサンプル分注チップを複数設置している。
反応容器撹拌機構110は、反応容器107に回転運動を加えることで反応容器107内のサンプルと試薬とを混和する撹拌用の機構である。
廃棄孔111は、使用済みのサンプル分注チップや反応容器107を廃棄するための孔である。
試薬ディスク113は、試薬を保持した複数の試薬容器114を設置している。試薬ディスク113内部は所定の温度に維持されており、試薬ディスク113の上部にはカバー115が設けられている。このカバー115の一部には、カバー開口部116が設けられている。
試薬分注ノズル117は、回転と上下移動が可能であり、試薬ディスク113中の試薬容器114に保持された試薬を吸引し、吸引した試薬をインキュベータディスク106上の反応容器107へ吐出するよう構成されている。
B/F分離搬送機構118は、インキュベータディスク106上で所定時間が経過した反応容器107を、反応容器搬送位置に移動させる。
B/F分離機構(処理機構)119は、B/F分離搬送機構118によって反応容器搬送位置に搬送された反応容器107内の反応液中に存在する測定対象物と免疫的な結合をした物質を含む磁性粒子を反応容器107の内壁に磁気的に吸着させることで、磁性粒子を含まない反応液と磁性粒子とを分離する機構である。
B/F分離用反応液吸引ノズル120は、回転と上下移動が可能なよう構成されており、B/F分離機構119上で所定時間が経過した反応容器107の上方に移動・下降して、反応容器107内の磁性粒子を含まない反応液を吸引する。
緩衝液吐出ノズル121は、回転と上下移動が可能なよう構成されており、B/F分離機構119上で、磁性粒子を含まない反応液が吸引された反応容器107の上方に移動・下降して、反応容器107内に緩衝液を吐出する。
B/F分離後攪拌機構122は、反応容器107に回転運動を加えて反応容器内の磁性粒子と緩衝液とを混和する。混和後の反応容器107はB/F分離搬送機構118によってインキュベータディスク106のB/F分離終了位置へと搬送される。
検出用反応液吸引ノズル123は、回転と上下移動が可能であり、インキュベータディスク106上の反応容器107中の反応液を吸引して検出部124へ送液するためのノズルである。
検出部(測定部)124は、検出用反応液吸引ノズル123から吸引、送液された反応液中の検出対象物の濃度等を検出する。
制御装置101は、記憶部101a、演算部101b、決定部101cとを概略備えている。この制御装置101は、操作者からの測定依頼に基づいて分析計画を作成し、この計画に基づいて、分析処理前に行う初期準備動作や各部の分注動作、検出部124の検出結果の分析処理等、免疫分析装置100および生化学分析装置200の各機構の動作を制御し、分析を実施する。
また、制御装置101は、検体、試薬、検体と試薬とを反応させた反応液等の溶液の性状や、これらの溶液の処理条件(分析前の前処理、送液条件、分注条件等)を定めている分析プロトコル、そして溶液の分注回数,送液回数,測定回数に基づいて、B/F分離用反応液吸引ノズル120等のB/F分離流路、検出用反応液吸引ノズル123、検出部124等の検出流路に対するメンテナンス(定期洗浄或いは定期交換)の要否を決定している。
制御装置101の記憶部101aは、溶液の性状、分析プロトコルを記憶している。この溶液の性状は、検体に関する情報や試薬に関する情報、検体と試薬とを反応させた反応液に関する情報、検出部124で測定した生体成分の濃度の情報が含まれる。また分析プロトコルには、検体や試薬、反応液に対して実施する処理の条件、例えばB/F分離機構119でのB/F分離処理の有無に関する情報が含まれる。更に、この溶液の性状や、分析プロトコルには、B/F分離流路、検出流路のメンテナンスに関する複数の因子(例えば流路負荷)についての情報が含まれている。この流路負荷の因子としては、主に、サンプル種別、サンプル量、およびサンプル成分がある。また、分析プロトコルにおける流路負荷の因子としては、主に検出前のB/F分離工程の有無がある。
また記憶部101aは、上述の複数の因子に対する各因子の影響度を定量化した重み付け係数や、演算部101bにおける負荷の総量の演算結果を記憶している。例えば、検出前のB/F分離工程の有無は、各測定の分析プロトコルによって定められており、分析プロトコルに従って流路負荷の重み付け係数を定めることができる。
演算部101bは、記憶部101aに記憶された重み付け係数と、溶液の分注、送液、測定回数とに基づいて、B/F分離流路、検出流路、検出部に対する負荷の総量(Wbft,Wdt,Wmt)を演算する。この負荷の総量を記憶部101aに出力し、記憶部101aで記憶させる。
決定部101cは、演算部101bで演算した負荷の総量と閾値(Lbf,Ld,Lm)とを比較することでB/F分離流路、検出流路のメンテナンス(定期洗浄,定期交換)の要否を決定し、ディスプレイ130などの表示部に表示するための表示信号を出力する。
また、決定部101cは、記憶部101aで記憶しておいた負荷の総量の推移から、負荷の総量が閾値に達する時期を予測し、予測結果をディスプレイ130に出力する。
ディスプレイ130は、制御装置101で演算した検体の分析結果の信号を入力され、その結果を表示する。またディスプレイ130は、制御装置101で決定したB/F分離流路、検出流路のメンテナンスの要否を表示する。更にディスプレイ130は、メンテナンスの予測時期を表示する。
次に、上述した本発明の自動分析装置の実施形態における動作を説明する。
制御装置101は、操作者からの測定入力信号を受けて、分析を実施するために装置内の各機構に制御信号を出力し、その動作の制御を行う。
まず、搬送機構108は、保持部材109の上方に移動して下降し、未使用の反応容器107を把持して上昇する。その後、搬送機構108は、インキュベータディスク106の反応容器設置位置の上方に移動して下降し、未使用の反応容器107をインキュベータディスク106上に設置する。
また、搬送機構108は、保持部材109の上方に移動して下降し、未使用のサンプル分注チップを把持して上昇する。その後、搬送機構108は、チップ装着位置112の上方に移動して下降し、未使用のサンプル分注チップをチップ装着位置112上に設置する。その後、サンプル分注ノズル105は、チップ装着位置112の上方に移動して下降し、サンプル分注ノズル105の先端にサンプル分注チップを装着する。
試薬分注ノズル117は、試薬ディスクカバー115の開口部116の上方に回転移動して下降し、試薬分注ノズル117の先端を所定の試薬容器内の試薬に接液させて所定量の試薬を吸引する。次いで、試薬分注ノズル117は、インキュベータディスク106の試薬吐出位置の上方に移動し、インキュベータディスク106に設置された反応容器107に試薬を吐出する。
また、サンプル分注チップを装着したサンプル分注ノズル105は、ラック102に載置されたサンプル容器103の上方に移動して下降し、サンプル容器103に保持されたサンプルを所定量吸引する。その後、サンプルを吸引したサンプル分注ノズル105は、インキュベータディスク106のサンプル吐出位置に移動して下降し、インキュベータディスク106上の試薬が分注された反応容器107にサンプルを吐出する。サンプル吐出の後に、サンプル分注ノズル105は、廃棄孔111の上方に移動し、使用済みのサンプル分注チップを廃棄孔111へと廃棄する。
その後、制御装置101は、サンプルと試薬とが吐出された反応容器107を、インキュベータディスク106を回転させて反応容器搬送位置に移動させ、搬送機構108によって反応容器107を反応容器撹拌機構110へと搬送する。
反応容器撹拌機構110は、反応容器107に回転運動を加えて、反応容器107内のサンプルと試薬を混和させるために撹拌する。その後、制御装置101は、撹拌の終了した反応容器107を搬送機構108によってインキュベータディスク106の反応容器搬送位置に戻す。
次いで、制御装置101は、分析プロトコルに従って、以下のB/F分離工程を選択的に実施する。
まず、インキュベータディスク106上で所定時間が経過した反応容器107を、インキュベータディスク106の回転によって反応容器搬送位置に移動し、B/F分離搬送機構118によってB/F分離機構119へと搬送する。
次いで、B/F分離機構119によって、反応容器107の反応液中に存在する測定対象物と免疫的な結合をした物質を含む磁性粒子を反応容器107の内壁に磁気的に吸着させ、B/F分離機構119上の所定時間が経過した反応容器107の上方にB/F分離用反応液吸引ノズル120を移動、下降させて、反応容器107内の磁性粒子を含まない反応液を吸引する。
次いで、B/F分離機構119上で磁性粒子を含まない反応液が吸引された反応容器107の上方に緩衝液吐出ノズル121を移動、下降させて、反応容器107内に緩衝液を吐出させ、反応容器107を、B/F分離搬送機構118によってB/F分離後撹拌機構122へと搬送する。
その後、B/F分離後攪拌機構122において反応容器107に回転運動を加えて、反応容器内の磁性粒子と緩衝液を混和する。攪拌の終了した反応容器107を、B/F分離後攪拌機構122によってインキュベータディスク106のB/F分離終了位置に戻す。
次いで、反応液中の測定対象物を検出する検出工程を実施する。
まず、サンプルと試薬が分注されインキュベータディスク106上で所定時間が経過した反応容器107或いはB/F分離を行った反応容器107の上方に検出用反応液吸引ノズル123を移動させ、下降させたのちに反応容器107内の反応液を吸引させる。この反応液を送液流路124aを経由してフローセル型の検出部124へと送液し、検出部124において測定対象物の検出を行う。
制御装置101は、検出部124で検出した測定対象物の検出値に基づいて測定結果(サンプル中の検出対象物の濃度等)を導出し、ディスプレイ130等を用いて表示する。
また、制御装置101は、反応液が吸引された反応容器107をインキュベータディスク106の回転によって反応容器廃棄位置に移動させ、搬送機構108によってインキュベータディスク106から廃棄孔111aの上方に移動させ、廃棄孔111aから廃棄する。
尚、分析依頼項目に従って、生化学分析装置200による分析を選択的に実施する。
まず、免疫分析装置100においてサンプル分注が終了したサンプル容器103を保持するラック102を、分析装置間ラック搬送ライン125によって生化学分析装置200へと移送し、生化学分析装置200による分析を実施する。
制御装置101は、生化学分析装置200における測定対象物の検出値に基づいて、測定結果をディスプレイ130等に表示する。
次いで、自動分析装置の本実施形態の制御装置において実施される、B/F分離用反応液吸引ノズル120等のB/F分離流路、検出用反応液吸引ノズル123や検出部124等の検出流路の定期洗浄,定期交換の時期を決定する方法について、図2および図3を用いて以下説明する。
最初に、流路の定期洗浄メンテナンス推奨に至る処理フローの一例について図2を用いて説明する。
まず、制御装置101の演算部101bは、検出流路の定期洗浄メンテナンスの実施後からKd番目、またB/F分離流路の定期洗浄メンテナンスの実施後からKbf番目となる任意の起点からK番目の測定を開始する(ステップS201)。
次いで、制御装置101の演算部101bは、制御装置101の記憶部101aにて記憶しているサンプル種別の情報に従って、K番目の測定において用いられる検体の各々の流路負荷に関する重み付け係数S1kを呼び出し、決定する(ステップS202)。
サンプル種別に関する流量負荷の因子としては、例えば、一般的に血球成分を含む全血は血清や血漿に比較して流路負荷が大きい。また、サンプル量に関する流量負荷の因子は、一般的に多いほど流路負荷は大きい。これらサンプル種別とサンプル量は各測定の分析プロトコルによって定められており、分析プロトコルに従って流路負荷の重み付け係数を定めることができる。
例えば、サンプル種別に基づく重み付け係数には、血清サンプルを1、尿サンプルを1、全血サンプルを3、その他のサンプルを1、情報がない場合を1とする。
次いで、制御装置101の演算部101bは、制御装置101の記憶部101aが記憶するサンプル成分の情報に従って、K番目の測定で測定した検体の各々の流路負荷に関する重み付け係数S2kを呼び出し、決定する(ステップS203)。
サンプル成分に関する流量負荷の因子としては、例えば、一般的にタンパク質(総タンパク質、アルブミン、等)や脂質(総コレステロール、中性脂肪、等)が多いほど流路負荷は大きくなる。タンパク質や脂質の含有量は、例えば、免疫分析装置100による免疫項目の測定後に、生化学分析装置200によって同一サンプルの生化学項目が測定される場合もある。この場合は、生化学分析装置200から制御装置101に入力された生化学項目の測定値に従って、免疫分析装置100の流路負荷に関わる重み付け係数を定めることができる。
例えば、サンプル成分に基づく重み付け係数には、正常サンプルを1、高蛋白質含有サンプルを2、高脂質含有サンプルを3、溶血サンプルを2、情報がない場合を1とする。ただし、サンプル成分に関する測定値を得られない場合は、上記のような重み付け係数を適用しないことが望ましい。
次いで、制御装置101の演算部101bは、制御装置101の記憶部101aが記憶
する試薬項目に基づく成分情報に従って、K番目の測定で用いた試薬の各々の流路負荷に関する重み付け係数R1kを呼び出し、決定する(ステップS203’)。
試薬成分に関する流量負荷の因子としては、例えば、タンパク質変性剤としての還元剤(DTT、メルカプトエタノール)などがある。
例えば、試薬成分に基づく重み付け係数には、正常サンプルを1、還元剤含有試薬を2とする。
次いで、制御装置101の演算部101bは、制御装置101の記憶部101aで記憶する分析プロトコルの情報に基づいて、K番目の測定において検出前B/F分離工程が実施されたか否かを判定する(ステップS204)。これにより、検出前B/F分離工程の実施有無に応じた検出流路負荷量WdkおよびB/F分離流路負荷量Wbfkを演算する。
このステップS204において検出前B/F分離工程が無いと判定されたときは、B/F分離用反応液吸引ノズル120による反応液吸引は行われない為、B/F分離流路に対する流路負荷の重み付け係数はゼロとなり、検出流路に対する流路負荷は上記のサンプル成分に関する重み付け係数が適用される。
したがって、制御装置101の演算部101bは、検出流路負荷量Wdkを、サンプル種別と成分に基づく係数S1k,S2kおよび試薬に基づく重み付け係数R1kの総和(Wdk=S1k+S2k+R1k)とする(ステップS205)。
また、制御装置101の演算部101bは、汚染負荷の無いB/F分離流路のB/F分離流路負荷量Wbfkを、0(Wbfk=0)とする(ステップS206)。
これに対し検出前B/F分離工程が有ると判定されたときは、B/F分離用反応液吸引ノズル120による反応液吸引が行われる為、B/F分離流路に対する流路負荷は上記のサンプル成分に関する重み付け係数が適用され、検出流路に対する流路負荷はB/F分離工程において溶液置換された緩衝液の流路負荷に基づく重み付け係数が適用される。緩衝液は、サンプル由来のタンパク質や脂質を含まない為、サンプルと比較して流路負荷は小さいためである。
したがって、制御装置101の演算部101bは、B/F分離後の置換溶液に起因する検出流路負荷量Wdkを、例えば0.5(Wdk=0.5)とする(ステップS207)。
また、制御装置101の演算部101bは、B/F分離流路負荷量Wbfkを、サンプル種別と成分に基づく係数S1k,S2kおよび試薬に基づく重み付け係数R1kの総和(Wbfk=S1k+S2k+R1k)とする(ステップS208)。
次いで、制御装置101の演算部101bは、検出流路の定期洗浄メンテナンスの実施後1番目の測定からKd番目測定までの検出流路に対する負荷量の総和(総検出流路負荷量Wdt)を、次式(1)によって演算する(ステップS209)。
Figure 2014088004
次いで、制御装置101の決定部101cは、ステップS209で演算した総検出流路負荷量Wdtが、あらかじめ定めた所定の閾値Ldに対して超過しているか否かを判定する(ステップS210)。ここでは、例えば総検出流路負荷量Wdtの閾値Ldを4000とする。
このステップS210において総検出流路負荷値Wdtが閾値Ldを超過していないと判定されたときは、ステップS214に処理を進める。
これに対し、ステップS210において総検出流路負荷値Wdtが閾値Ldを超過していると判定されたときは、制御装置101の決定部101cは、使用者に対して検出流路の定期洗浄メンテナンス実施を促す注意の信号をディスプレイ130に出力し、ディスプレイ130上に表示させる(ステップS211)。例えば、「検出流路の定期洗浄メンテナンスを実施して下さい」との文章をディスプレイ130上にハイライト表示させるが、これに限定されない。
定期洗浄時期に達した場合は、操作者が制御装置101を操作して検出流路の定期洗浄工程を実施するか、或いは制御装置101の制御によって自動的に検出流路の定期洗浄工程を実施する。
検出流路の洗浄工程について図4を用いて説明する。
検出流路400の定期洗浄では、検出部124の近傍に設置された検出用反応液吸引ノズル用洗浄容器127の上方に検出用反応液吸引ノズル123を移動させて下降させた後に、流路切換え弁404を開放し、一方、流路切換え弁407を閉鎖した状態で、反応液吸引用シリンジ405を吸引側へと駆動させて、検出用反応液吸引ノズル用洗浄容器127内の洗浄液401を吸引する。検出用反応液吸引ノズル123および検出部124を含む流路402および流路403に吸引した洗浄液を一定時間保持した後に、流路切換え弁404を閉鎖し、一方、流路切換え弁407を開放した状態で、反応液吸引用シリンジ405を吐出側へと駆動させて、洗浄液を廃液流路408へと送液する。
この洗浄液401は、例えば界面活性剤や次亜塩素酸等を含み、流路内部のタンパク質や脂質を効率的に除去し得るものである。
次いで、制御装置101の決定部101cは、使用者による検出流路の定期洗浄メンテナンスが実施されたか否かを判定する(ステップS212)。
このステップS212において定期洗浄メンテナンスが実施されたと判定されたときは、制御装置101の決定部101cは、上記の検出流路の定期洗浄メンテナンス実施後の測定回数カウントを示すKdを0にリセットする(ステップS213)。その後、ステップS214に処理を進める。
これに対し、ステップS212において定期洗浄メンテナンスが実施されていないと判定されたときは、制御装置101の決定部101cは上記Kdを0にリセットせずにステップS214に処理を進める。
また、制御装置101の決定部101cは、B/F分離流路の定期洗浄メンテナンスの実施後1番目の測定からKbf番目測定までのB/F分離流路に対する負荷量の総和(総B/F分離流路負荷量Wbft)を次式(2)によって演算する(ステップS214)。
Figure 2014088004
次いで、制御装置101の決定部101cは、ステップS214で演算した総B/F分離流路負荷量Wbftが、あらかじめ定めた所定の閾値Lbfに対して超過しているか否かを判定する(ステップS215)。ここでは、例えば総B/F分離流路負荷量の閾値Lbfを8000とする。
このステップS215において総B/F分離流路負荷量Wbftが閾値Lbfを超過していないと判定されたときは、制御装置101の演算部101bは、任意の起点からK+1番目の測定を開始する(ステップS219)。
これに対し、ステップS215において総B/F分離流路負荷量Wbftが閾値Lbfを超過していると判定されたときは、制御装置101の決定部101cは、使用者に対してB/F分離流路の定期洗浄メンテナンス実施を促す注意の信号をディスプレイ130に出力し、ディスプレイ130上に表示させる(ステップS216)。例えば、「B/F分離流路の定期洗浄メンテナンスを実施して下さい」との文章をディスプレイ130上にハイライト表示させる。
定期洗浄時期に達した場合は、操作者が制御装置101を操作してB/F分離流路の定期洗浄工程を実施するか、或いは制御装置101の制御によって自動的にB/F分離流路の定期洗浄工程を実施する。
B/F分離流路の洗浄工程について図5を用いて説明する。
B/F分離流路500の定期洗浄では、B/F分離機構119の近傍に設置されたB/F分離用反応液吸引ノズル用洗浄容器126の上方にB/F分離用反応液吸引ノズル120を移動させて下降した後に、流路切換え弁503を開放し、一方、流路切換え弁506を閉鎖した状態で、B/F分離用反応液吸引シリンジ504を吸引側へと駆動させて、B/F分離用反応液吸引ノズル用洗浄容器126内の洗浄液501を吸引する。B/F分離用反応液吸引ノズル120を含む流路502に洗浄液を一定時間保持した後に、流路切換え弁503を閉鎖し、一方、流路切換え弁506を開放した状態で、B/F分離用反応液吸引シリンジ504を吐出側へと駆動させて、洗浄液を廃液流路507へと送液する。
この洗浄液501は、例えば界面活性剤や次亜塩素酸等を含み、流路内部のタンパク質や脂質を効率的に除去し得るものである。
次いで、制御装置101の決定部101cは、使用者によるB/F分離流路の定期洗浄メンテナンスが実施されたか否かを判定する(ステップS217)。
このステップS217において定期洗浄メンテナンスが実施されたと判定されたときは、制御装置101の決定部101cは、上記のB/F分離流路の定期洗浄メンテナンス実施後の測定回数カウントを示すKbfを0にリセットする(ステップS218)。その後、制御装置101の演算部101bは、任意の起点からK+1番目の測定を開始する(ステップS219)。
これに対し、ステップS217において定期洗浄メンテナンスが実施されていないと判定されたときは、制御装置101の決定部101cは上記Kbfを0にリセットせずに演算部101bは任意の起点からK+1番目の測定を開始する(ステップS219)。
なお、測定で使用する試薬内に含まれている成分や性状にばらつきが少ないことが見込まれる場合は、試薬種別に基づく重みづけ係数R1kは固定でもよい。また、全血試料が測定されないことが明らかである場合も、サンプル種別に基づく重みづけ係数は固定でよい。さらに、初回測定時にはサンプル成分比率は未知であるため、サンプル成分に基づく重みづけ係数も固定とする。上記の場合は、たとえば、S1k=0.5、S2k=0.5、Wdk=1.0、Wbfk=1.0とする。
また、本実施例では流路の定期洗浄メンテナンスを推奨するか否かを判断するための閾値LdおよびLbfは一例としてLd=4000、Lbf=8000としているが、この値に限られるものではなく、装置の状況等に応じて適宜変更できるものとする。
次に、自動分析装置の本実施形態の制御装置において実施される、検出流路のうち検出部124の定期交換メンテナンス推奨に至る処理フローの一例について図3を用いて説明する。
まず、制御装置101の演算部101bは、検出部124の定期交換メンテナンスの実施後からKm番目となる任意の起点からK番目の測定を開始する(ステップS301)。
次いで、制御装置101の演算部101bは、制御装置101の記憶部101aが記憶するサンプル種別の情報に従って、K番目の測定において用いられる検体の各々の流路負荷に関する重み付け係数S1kを決定する(ステップS302)。
次いで、制御装置101の演算部101bは、制御装置101の記憶部101aが記憶するサンプル成分の情報に従って、K番目の測定で測定された検体の各々の流路負荷に関する重み付け係数S2kを決定する(ステップS303)。
次いで、制御装置101の演算部101bは、制御装置101の記憶部101aが記憶する試薬項目に基づく成分情報に従って、K番目の測定で用いた試薬の各々の流路負荷に関する重み付け係数R1kを呼び出し、決定する(ステップS303’)。
次いで、制御装置101の演算部101bは、制御装置101の記憶部101aが記憶する分析プロトコルの情報に基づいて、K番目の測定において検出前B/F分離工程が実施されたか否かを判定する(ステップS304)。
このステップS304において検出前B/F分離工程が無いと判定されたときは、制御装置101の演算部101bは、検出部負荷量Wmkを、サンプル種別と成分に基づく係数S1k,S2kおよび試薬に基づく重み付け係数R1kの総和(Wmk=S1k+S2k+R1k)とする(ステップS305)。
これに対し検出前B/F分離工程が有ると判定されたときは、制御装置101の演算部101bは、検出部負荷量Wmkを、例えば0.5(Wdk=0.5)とする(ステップS306)。
次いで、制御装置101の演算部101bは、検出部の定期交換メンテナンスの実施後1番目の測定からKm番目測定までの検出部124に対する負荷量の総和(総検出部負荷量Wmt)を、次式(3)によって演算する(ステップS307)。
Figure 2014088004
次いで、制御装置101の決定部101cは、ステップS307で演算した総検出部負荷量Wmtが、あらかじめ定めた所定の閾値Lmに対して超過しているか否かを判定する(ステップS308)。ここでは、例えば総検出部負荷量Wmtの閾値Lmを100000とする。
このステップS308において総検出部負荷量Wmtが閾値Lmを超過していないと判定されたときは、制御装置101の演算部101bは、任意の起点からK+1番目の測定を開始する(ステップS312)。
これに対し、ステップS308において総検出部負荷量Wmtが閾値Lmを超過していると判定されたときは、制御装置101の決定部101cは、使用者に対して検出部124の定期交換メンテナンス実施を促す注意を、ディスプレイ130上に表示する(ステップS309)。例えば、「検出部の定期交換メンテナンスを実施して下さい」との文章をディスプレイ130上にハイライト表示させる。
定期交換時期に達した場合は、作業者は制御装置101を操作して交換準備を実施し、交換作業を実施する。
次いで、制御装置101の決定部101cは、使用者による検出部124の定期交換メンテナンスが実施されたか否かを判定する(ステップS310)。
このステップS310において定期交換メンテナンスが実施されたと判定されたときは、制御装置101の決定部101cは、上記の検出部124の定期交換メンテナンス実施後の測定回数カウントを示すKmを0にリセットする(ステップS311)。その後、制御装置101の演算部101bは、任意の起点からK+1番目の測定を開始する(ステップS312)。
これに対し、ステップS310において定期交換メンテナンスが実施されていないと判定されたときは、制御装置101の決定部101cは上記Kmを0にリセットせずに演算部101bは任意の起点からK+1番目の測定を開始する(ステップS312)。
なお、図2の説明と同様に、測定で使用する試薬内に含まれている成分や性状にばらつきが少ないことが見込まれる場合は、試薬種別に基づく重みづけ係数R1kは固定でもよい。また、全血試料が測定されないことが明らかである場合も、サンプル種別に基づく重みづけ係数S1kは固定でよい。さらに、初回測定時にはサンプル成分比率は未知であるため、サンプル成分に基づく重みづけ係数S2kも固定とする。上記の場合は、たとえば、S1k=0.5、S2k=0.5、Wmk=1.0とする。
また、本フローチャート中では流路の定期洗浄メンテナンスを推奨するか否かを判断するための閾値Lmは一例としてLm=10000としているが、この値に限られるものではなく、装置の状況等に応じて適宜変更できるものとする。
以上のような処理手順に従って、B/F分離用反応液吸引ノズル120等のB/F分離流路、検出用反応液吸引ノズル123および検出部124等の検出流路の定期洗浄および定期交換の要否が判断され、定期洗浄或いは定期交換の推奨がディスプレイ130に表示されることで、操作者に定期洗浄・定期交換についての情報が提供され、メンテナンスが適宜実施される。
また、各流路の流路負荷値の総計値の推移から、定期洗浄或いは定期交換の時期を予測して、事前に定期洗浄或いは定期交換の推奨時期を制御装置101で求め、ディスプレイ130で表示することもできる。
例えば、横軸に測定回数、縦軸に流路負荷値の総計値をとり、この時の近似式を演算して、近似式で演算した流路負荷値の総計値が所定の閾値を超える測定回数を求める。この求めた測定回数から定期洗浄時期や定期交換時期を表示する。
上述した本発明の自動分析装置の実施形態では、検体、試薬、検体と試薬とを反応させた反応液の性状や、これらの溶液の処理条件を定めた分析プロトコル、溶液の分注,送液,測定回数に基づいて、B/F分離用反応液吸引ノズル120等のB/F分離流路、検出用反応液吸引ノズル123および検出部124等の検出流路に対して定期洗浄或いは定期交換を要する状態であるかを判定し、ディスプレイ130に表示信号として出力する。
よって、免疫分析装置に備えられているノズルや流路、検出部のメンテナンス時期を、測定回数のみならず、各測定における検体や反応液の性状,分析プロトコルに基づいて定めるため、分析条件に応じた、適切な定期洗浄・定期交換時期の情報を操作者に提供することができる。したがって、さまざまな分析条件に応じた、適切な定期洗浄・定期交換が実施できるようになり、定期洗浄或いは定期交換が過剰或いは過少頻度とならず、ユーザビリティの向上および分析性能の確保を実現することができる。
また、制御装置101が、B/F分離流路、検出流路のメンテナンスに関する複数の因子についての情報を含んだ溶液の性状および分析プロトコル、複数の因子に対する各因子の影響度を定量化した重み付け係数を記憶する記憶部101aと、この重み付け係数と溶液の分注、送液、測定回数とに基づいてB/F分離流路、検出流路、検出部に対する負荷の総量(Wbft,Wdt,Wmt)を演算する演算部101bと、演算した負荷の総量と閾値(Lbf,Ld,Lm)とを比較することでB/F分離流路、検出流路の定期洗浄或いは定期交換の要否を決定する決定部101cとを有することにより、ノズルや流路、検出部のメンテナンス頻度を、各測定における検体性状や分析プロトコルに基づいてより正確に定めることができ、分析条件に応じた、より測定条件に適応した適切な定期洗浄・定期交換時期の情報をより正確に操作者に提供することができる。
更に、制御装置101は、演算部101bで演算した負荷の総量を記憶部101aで記憶し、この負荷の総量の推移から閾値に達する時期を決定部101cで予測してディスプレイ130で表示させるよう制御することで、適切な定期洗浄・定期交換時期の情報を予め操作者に提供することができ、定期洗浄・定期交換に備えた準備を効率的に行うことができる。よって、定期洗浄などの漏れをより抑制でき、ユーザビリティの更なる向上および分析性能の更なる向上を図ることができる。
また、反応液から検体成分,試薬を分離するB/F分離機構119を更に備え、制御装置101は、B/F分離機構119での分離処理の有無を分析プロトコルに基づき認識し、メンテナンスの要否の決定に用いることにより、より実際の分析条件に応じた、適切な定期洗浄・定期交換の情報提供を実施できるようになる。
更に、検体に含まれる生体成分の濃度を測定する検出部124を更に備え、制御装置101は、検出部124で測定した生体成分の濃度に基づき溶液の性状を決定することでも、同様に、より実際の分析条件に応じた、適切な定期洗浄・定期交換の情報提供を実施できるようになる。
なお、本発明の自動分析装置は上記の実施形態に限られず、種々の変形、応用が可能なものである。
例えば、メンテナンスの要否を決定する部材として、B/F分離流路、検出流路を例示して説明したが、部材はこれに限定されず、部材には検体、試薬、検体と試薬とを反応させた反応液のうち少なくともいずれかの溶液に接触するものが挙げられる。例えば、分注或いは送液するための流路である検体分注流路、試薬分注流路等が挙げられる。
更に、上述の実施形態では、自動分析装置として免疫分析装置を例示したが、自動分析装置はこれに限られない。例えば、生化学分析装置200に対しても本発明を適用することができる。生化学分析装置200における部材には、例えば、検体の分注にかかる機構(検体分注ノズル等)等がある。
また、部材には、このほかにも、電解質分析用の検体吸引流路およびこの流路の一部として備えられる電解質測定部、等が挙げられる。
また、上述の実施形態においては、総流路負荷量が閾値を超過した場合においても次の測定(K+1番目)の実施を可能としているが、総流路負荷量の閾値に対する残量や超過量に応じてメンテナンス実施を促す注意レベルを変え、操作画面上に表示することや、総流路負荷量の閾値を超過した場合に測定結果に注意フラグを付与することもできる。これにより、分析結果の更なる信頼性向上を図ることができる。
また、総流路負荷量の閾値を超過した場合に、装置によってメンテナンスを自動的に実施する機能等を備えることもでき、これにより装置のユーザビリティ向上を図ることができる。
100…免疫分析装置、
101…制御装置、
101a…記憶部、
101b…演算部、
101c…決定部、
102…ラック、
103…サンプル容器、
104…ラック搬送ライン、
105…サンプル分注ノズル、
106…インキュベータディスク、
107…反応容器、
108…搬送機構、
109…保持部材、
110…反応容器撹拌機構、
111,111a…廃棄孔、
112…チップ装着位置、
113…試薬ディスク、
114…試薬容器、
115…試薬ディスクカバー、
116…試薬ディスクカバー開口部、
117…試薬分注ノズル、
118…B/F分離搬送機構、
119…B/F分離機構、
120…B/F分離用反応液吸引ノズル、
121…緩衝液吐出ノズル、
122…B/F分離後撹拌機構、
123…検出用反応液吸引ノズル、
124…検出部、
124a…送液流路、
125…分析装置間ラック搬送ライン、
126…B/F分離用反応液吸引ノズル用洗浄容器、
127…検出用反応液吸引ノズル用洗浄容器、
130…ディスプレイ、
200…生化学分析装置、
400…検出流路、
401…検出用反応液吸引ノズル洗浄液、
402…ノズル側流路、
403…検出部側流路、
404…検出部側流路切換え弁、
405…検出用反応液吸引シリンジ、
407…ドレイン側流路切換え弁、
408…ドレイン流路、
500…B/F分離流路、
501…B/F分離反応液吸引ノズル洗浄液、
502…ノズル側流路、
503…ノズル側流路切換え弁、
504…B/F分離用反応液吸引シリンジ、
506…ドレイン側流路切換え弁、
507…ドレイン流路。

Claims (5)

  1. 血液、尿などの検体の測定を行う自動分析装置であって、
    前記検体、試薬、前記検体と前記試薬とを反応させた反応液のうち少なくともいずれかの溶液に接触する部材と、
    前記溶液の性状、前記溶液の処理条件を定める分析プロトコルおよび前記溶液の分注,送液,測定回数に基づいて、前記部材のメンテナンスの要否を決定し、表示信号として出力する制御装置とを備えた
    ことを特徴とする自動分析装置。
  2. 請求項1に記載の自動分析装置において、
    前記溶液の性状および前記分析プロトコルは前記部材のメンテナンスに関する複数の因子についての情報を含んでおり、
    前記制御装置は、前記複数の因子に対する各因子の影響度を定量化した重み付け係数を記憶する記憶部と、この記憶部に記憶された前記重み付け係数と前記溶液の分注、送液、測定回数とに基づいて前記部材に対する負荷の総量を演算する演算部と、この演算部で演算した前記負荷の総量と閾値とを比較することで前記部材のメンテナンスの要否を決定する決定部とを有した
    ことを特徴とする自動分析装置。
  3. 請求項2に記載の自動分析装置において、
    前記制御装置で決定した前記部材のメンテナンスの要否を表示する表示部を更に備え、
    前記制御装置は、前記演算部における前記負荷の総量の演算結果を前記記憶部で記憶し、この記憶部で記憶した前記負荷の総量の推移から前記閾値に達する時期を前記決定部で予測して、この決定部で予測した前記時期を前記表示部に表示信号として出力する
    ことを特徴とする自動分析装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の自動分析装置において、
    前記溶液に対して、前記溶液から前記検体および前記試薬を含む前記反応液において、未反応成分と反応成分とを分離する処理機構を更に備え、
    前記制御装置は、前記処理機構での分離処理の有無を前記分析プロトコルに基づき認識し、前記メンテナンスの要否の決定に用いる
    ことを特徴とする自動分析装置。
  5. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の自動分析装置において、
    前記検体に含まれる生体成分の濃度を測定する測定部を更に備え、
    前記制御装置は、前記測定部で測定した前記生体成分の濃度に基づき前記溶液の性状を決定する
    ことを特徴とする自動分析装置。
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