JPWO2014088004A1 - 自動分析装置 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、適切なメンテナンス頻度とは、測定回数のみならず各測定における検体性状や分析プロトコルにも強く依存するものであり、標準的分析条件に基づいて決定している従来の定期洗浄或いは定期交換の時期は、必要十分とは言えない。即ち、分析条件によっては、予め定められた定期洗浄或いは定期交換は過剰或いは過小な頻度となり、ユーザビリティ低下さらには分析性能の低下にも繋がる。
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、血液、尿などの検体の測定を行う自動分析装置であって、前記検体、試薬、前記検体と前記試薬とを反応させた反応液のうち少なくともいずれかの溶液に接触する部材と、前記溶液の性状、前記溶液の処理条件を定める分析プロトコルおよび前記溶液の分注,送液,測定回数に基づいて、前記部材のメンテナンスの要否を決定し、表示信号として出力する制御装置とを備えたことを特徴とするものである。
図1は本発明の自動分析装置の実施形態の全体構成を示す上面図、図2は本発明の自動分析装置の実施形態における定期洗浄メンテナンス推奨判定の処理手順を示すフローチャート、図3は本発明の自動分析装置の実施形態における定期交換メンテナンス推奨判定の処理手順を示すフローチャート、図4は検出系流路の流路図、図5はB/F分離流路の流路図である。
また、制御装置101は、検体、試薬、検体と試薬とを反応させた反応液等の溶液の性状や、これらの溶液の処理条件(分析前の前処理、送液条件、分注条件等)を定めている分析プロトコル、そして溶液の分注回数,送液回数,測定回数に基づいて、B/F分離用反応液吸引ノズル120等のB/F分離流路、検出用反応液吸引ノズル123、検出部124等の検出流路に対するメンテナンス(定期洗浄或いは定期交換)の要否を決定している。
また記憶部101aは、上述の複数の因子に対する各因子の影響度を定量化した重み付け係数や、演算部101bにおける負荷の総量の演算結果を記憶している。例えば、検出前のB/F分離工程の有無は、各測定の分析プロトコルによって定められており、分析プロトコルに従って流路負荷の重み付け係数を定めることができる。
また、決定部101cは、記憶部101aで記憶しておいた負荷の総量の推移から、負荷の総量が閾値に達する時期を予測し、予測結果をディスプレイ130に出力する。
まず、インキュベータディスク106上で所定時間が経過した反応容器107を、インキュベータディスク106の回転によって反応容器搬送位置に移動し、B/F分離搬送機構118によってB/F分離機構119へと搬送する。
次いで、B/F分離機構119によって、反応容器107の反応液中に存在する測定対象物と免疫的な結合をした物質を含む磁性粒子を反応容器107の内壁に磁気的に吸着させ、B/F分離機構119上の所定時間が経過した反応容器107の上方にB/F分離用反応液吸引ノズル120を移動、下降させて、反応容器107内の磁性粒子を含まない反応液を吸引する。
次いで、B/F分離機構119上で磁性粒子を含まない反応液が吸引された反応容器107の上方に緩衝液吐出ノズル121を移動、下降させて、反応容器107内に緩衝液を吐出させ、反応容器107を、B/F分離搬送機構118によってB/F分離後撹拌機構122へと搬送する。
その後、B/F分離後攪拌機構122において反応容器107に回転運動を加えて、反応容器内の磁性粒子と緩衝液を混和する。攪拌の終了した反応容器107を、B/F分離後攪拌機構122によってインキュベータディスク106のB/F分離終了位置に戻す。
制御装置101は、検出部124で検出した測定対象物の検出値に基づいて測定結果(サンプル中の検出対象物の濃度等)を導出し、ディスプレイ130等を用いて表示する。
まず、免疫分析装置100においてサンプル分注が終了したサンプル容器103を保持するラック102を、分析装置間ラック搬送ライン125によって生化学分析装置200へと移送し、生化学分析装置200による分析を実施する。
制御装置101は、生化学分析装置200における測定対象物の検出値に基づいて、測定結果をディスプレイ130等に表示する。
サンプル種別に関する流量負荷の因子としては、例えば、一般的に血球成分を含む全血は血清や血漿に比較して流路負荷が大きい。また、サンプル量に関する流量負荷の因子は、一般的に多いほど流路負荷は大きい。これらサンプル種別とサンプル量は各測定の分析プロトコルによって定められており、分析プロトコルに従って流路負荷の重み付け係数を定めることができる。
例えば、サンプル種別に基づく重み付け係数には、血清サンプルを1、尿サンプルを1、全血サンプルを3、その他のサンプルを1、情報がない場合を1とする。
サンプル成分に関する流量負荷の因子としては、例えば、一般的にタンパク質(総タンパク質、アルブミン、等)や脂質(総コレステロール、中性脂肪、等)が多いほど流路負荷は大きくなる。タンパク質や脂質の含有量は、例えば、免疫分析装置100による免疫項目の測定後に、生化学分析装置200によって同一サンプルの生化学項目が測定される場合もある。この場合は、生化学分析装置200から制御装置101に入力された生化学項目の測定値に従って、免疫分析装置100の流路負荷に関わる重み付け係数を定めることができる。
例えば、サンプル成分に基づく重み付け係数には、正常サンプルを1、高蛋白質含有サンプルを2、高脂質含有サンプルを3、溶血サンプルを2、情報がない場合を1とする。ただし、サンプル成分に関する測定値を得られない場合は、上記のような重み付け係数を適用しないことが望ましい。
する試薬項目に基づく成分情報に従って、K番目の測定で用いた試薬の各々の流路負荷に関する重み付け係数R1kを呼び出し、決定する(ステップS203’)。
試薬成分に関する流量負荷の因子としては、例えば、タンパク質変性剤としての還元剤(DTT、メルカプトエタノール)などがある。
例えば、試薬成分に基づく重み付け係数には、正常サンプルを1、還元剤含有試薬を2とする。
したがって、制御装置101の演算部101bは、検出流路負荷量Wdkを、サンプル種別と成分に基づく係数S1k,S2kおよび試薬に基づく重み付け係数R1kの総和(Wdk=S1k+S2k+R1k)とする(ステップS205)。
また、制御装置101の演算部101bは、汚染負荷の無いB/F分離流路のB/F分離流路負荷量Wbfkを、0(Wbfk=0)とする(ステップS206)。
したがって、制御装置101の演算部101bは、B/F分離後の置換溶液に起因する検出流路負荷量Wdkを、例えば0.5(Wdk=0.5)とする(ステップS207)。
また、制御装置101の演算部101bは、B/F分離流路負荷量Wbfkを、サンプル種別と成分に基づく係数S1k,S2kおよび試薬に基づく重み付け係数R1kの総和(Wbfk=S1k+S2k+R1k)とする(ステップS208)。
検出流路400の定期洗浄では、検出部124の近傍に設置された検出用反応液吸引ノズル用洗浄容器127の上方に検出用反応液吸引ノズル123を移動させて下降させた後に、流路切換え弁404を開放し、一方、流路切換え弁407を閉鎖した状態で、反応液吸引用シリンジ405を吸引側へと駆動させて、検出用反応液吸引ノズル用洗浄容器127内の洗浄液401を吸引する。検出用反応液吸引ノズル123および検出部124を含む流路402および流路403に吸引した洗浄液を一定時間保持した後に、流路切換え弁404を閉鎖し、一方、流路切換え弁407を開放した状態で、反応液吸引用シリンジ405を吐出側へと駆動させて、洗浄液を廃液流路408へと送液する。
この洗浄液401は、例えば界面活性剤や次亜塩素酸等を含み、流路内部のタンパク質や脂質を効率的に除去し得るものである。
B/F分離流路500の定期洗浄では、B/F分離機構119の近傍に設置されたB/F分離用反応液吸引ノズル用洗浄容器126の上方にB/F分離用反応液吸引ノズル120を移動させて下降した後に、流路切換え弁503を開放し、一方、流路切換え弁506を閉鎖した状態で、B/F分離用反応液吸引シリンジ504を吸引側へと駆動させて、B/F分離用反応液吸引ノズル用洗浄容器126内の洗浄液501を吸引する。B/F分離用反応液吸引ノズル120を含む流路502に洗浄液を一定時間保持した後に、流路切換え弁503を閉鎖し、一方、流路切換え弁506を開放した状態で、B/F分離用反応液吸引シリンジ504を吐出側へと駆動させて、洗浄液を廃液流路507へと送液する。
この洗浄液501は、例えば界面活性剤や次亜塩素酸等を含み、流路内部のタンパク質や脂質を効率的に除去し得るものである。
例えば、横軸に測定回数、縦軸に流路負荷値の総計値をとり、この時の近似式を演算して、近似式で演算した流路負荷値の総計値が所定の閾値を超える測定回数を求める。この求めた測定回数から定期洗浄時期や定期交換時期を表示する。
よって、免疫分析装置に備えられているノズルや流路、検出部のメンテナンス時期を、測定回数のみならず、各測定における検体や反応液の性状,分析プロトコルに基づいて定めるため、分析条件に応じた、適切な定期洗浄・定期交換時期の情報を操作者に提供することができる。したがって、さまざまな分析条件に応じた、適切な定期洗浄・定期交換が実施できるようになり、定期洗浄或いは定期交換が過剰或いは過少頻度とならず、ユーザビリティの向上および分析性能の確保を実現することができる。
更に、上述の実施形態では、自動分析装置として免疫分析装置を例示したが、自動分析装置はこれに限られない。例えば、生化学分析装置200に対しても本発明を適用することができる。生化学分析装置200における部材には、例えば、検体の分注にかかる機構(検体分注ノズル等)等がある。
また、部材には、このほかにも、電解質分析用の検体吸引流路およびこの流路の一部として備えられる電解質測定部、等が挙げられる。
また、総流路負荷量の閾値を超過した場合に、装置によってメンテナンスを自動的に実施する機能等を備えることもでき、これにより装置のユーザビリティ向上を図ることができる。
101…制御装置、
101a…記憶部、
101b…演算部、
101c…決定部、
102…ラック、
103…サンプル容器、
104…ラック搬送ライン、
105…サンプル分注ノズル、
106…インキュベータディスク、
107…反応容器、
108…搬送機構、
109…保持部材、
110…反応容器撹拌機構、
111,111a…廃棄孔、
112…チップ装着位置、
113…試薬ディスク、
114…試薬容器、
115…試薬ディスクカバー、
116…試薬ディスクカバー開口部、
117…試薬分注ノズル、
118…B/F分離搬送機構、
119…B/F分離機構、
120…B/F分離用反応液吸引ノズル、
121…緩衝液吐出ノズル、
122…B/F分離後撹拌機構、
123…検出用反応液吸引ノズル、
124…検出部、
124a…送液流路、
125…分析装置間ラック搬送ライン、
126…B/F分離用反応液吸引ノズル用洗浄容器、
127…検出用反応液吸引ノズル用洗浄容器、
130…ディスプレイ、
200…生化学分析装置、
400…検出流路、
401…検出用反応液吸引ノズル洗浄液、
402…ノズル側流路、
403…検出部側流路、
404…検出部側流路切換え弁、
405…検出用反応液吸引シリンジ、
407…ドレイン側流路切換え弁、
408…ドレイン流路、
500…B/F分離流路、
501…B/F分離反応液吸引ノズル洗浄液、
502…ノズル側流路、
503…ノズル側流路切換え弁、
504…B/F分離用反応液吸引シリンジ、
506…ドレイン側流路切換え弁、
507…ドレイン流路。
Claims (5)
- 血液、尿などの検体の測定を行う自動分析装置であって、
前記検体、試薬、前記検体と前記試薬とを反応させた反応液のうち少なくともいずれかの溶液に接触する部材と、
前記溶液の性状、前記溶液の処理条件を定める分析プロトコルおよび前記溶液の分注,送液,測定回数に基づいて、前記部材のメンテナンスの要否を決定し、表示信号として出力する制御装置とを備えた
ことを特徴とする自動分析装置。 - 請求項1に記載の自動分析装置において、
前記溶液の性状および前記分析プロトコルは前記部材のメンテナンスに関する複数の因子についての情報を含んでおり、
前記制御装置は、前記複数の因子に対する各因子の影響度を定量化した重み付け係数を記憶する記憶部と、この記憶部に記憶された前記重み付け係数と前記溶液の分注、送液、測定回数とに基づいて前記部材に対する負荷の総量を演算する演算部と、この演算部で演算した前記負荷の総量と閾値とを比較することで前記部材のメンテナンスの要否を決定する決定部とを有した
ことを特徴とする自動分析装置。 - 請求項2に記載の自動分析装置において、
前記制御装置で決定した前記部材のメンテナンスの要否を表示する表示部を更に備え、
前記制御装置は、前記演算部における前記負荷の総量の演算結果を前記記憶部で記憶し、この記憶部で記憶した前記負荷の総量の推移から前記閾値に達する時期を前記決定部で予測して、この決定部で予測した前記時期を前記表示部に表示信号として出力する
ことを特徴とする自動分析装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の自動分析装置において、
前記溶液に対して、前記溶液から前記検体および前記試薬を含む前記反応液において、未反応成分と反応成分とを分離する処理機構を更に備え、
前記制御装置は、前記処理機構での分離処理の有無を前記分析プロトコルに基づき認識し、前記メンテナンスの要否の決定に用いる
ことを特徴とする自動分析装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の自動分析装置において、
前記検体に含まれる生体成分の濃度を測定する測定部を更に備え、
前記制御装置は、前記測定部で測定した前記生体成分の濃度に基づき前記溶液の性状を決定する
ことを特徴とする自動分析装置。
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