JPWO2014069534A1 - Alcパネル、alcパネルの施工方法及びalcパネルの積載方法 - Google Patents

Alcパネル、alcパネルの施工方法及びalcパネルの積載方法 Download PDF

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Abstract

ALCパネル1は、軽量気泡コンクリートからなり平板状に形成されたパネル本体3と、パネル本体3に埋設されパネル本体3の厚み方向に配列された補強網5a,5bと、を備える。ALCパネル1では、補強網5a,5bはALCパネル1の曲げの中立面から離れて位置し当該ALCパネル1の曲げ強度向上に寄与するので、ALCパネル1の曲げ強度が向上する。

Description

本発明は、ALCパネル、ALCパネルの施工方法及び搬送用車両の荷台に複数のALCパネルを積載するための積載方法に関するものである。
従来、このような分野の技術として、下記特許文献1に記載のALCパネルが知られている。特許文献1のALCパネルは、軽量気泡コンクリート板と、その厚み方向の中央部に補強材として埋設したメタルラスとを備えている。特許文献1では、メタルラスの埋設により軽量で耐衝撃性を有するALCパネルを得ることが提案されている。
また、このような分野の別の技術として、下記特許文献2に記載のパネルの取付方法が知られている。特許文献2の取付方法は、間仕切パネル同士の長辺小口を突き合わせながら複数のパネルを配列し基礎スラブ上面に取り付けるものである。この方法では、下平板と屈曲起立板とを有するL字型の取付金具を用い、屈曲起立板をパネルの長辺小口の下部にビス止めすると共に、下平板を基礎スラブ上面にビス止めする。これにより、パネルが取付金具を介して基礎スラブに固定される。
また、このような分野の別の技術として、建築資材として工業化住宅などに用いられる規格化されたパネル、例えば軽量気泡コンクリート(ALC)パネルを工場から現場に搬送する際にトラックなどの搬送用車両を利用する場合がある(例えば、特許文献3参照)。トラック等で搬送する際には、その荷台に複数のパネルを積載し、積層されたパネルの頭上を紐やワイヤなどを渡し、その紐やワイヤを荷台に固定すると共に、パネルを押え込むように取り付けることで積み上げられたパネルの倒壊を防止する。
実公昭52−15049号公報 特公平6−65824号公報 特開2011−126642号公報
しかしながら、特許文献1のALCパネルが備えるメタルラスは、当該ALCパネルの曲げの中立面上に位置するので、ALCパネルの曲げ強度の向上にはほとんど寄与していないと考えられる。この種のALCパネルには、運搬時や施工作業時に曲げ応力が作用することがあるので、ALCパネルの曲げ強度を向上することが望まれる。このような課題に鑑み、本発明は、曲げ強度を向上させたALCパネルを提供することを目的とする。
また、特許文献2の取付方法では、1つの取付金具に対して少なくとも2箇所をビス止め処理することが必要であった。この種のパネルの施工方法にあっては、更なる作業性の向上が求められていた。このような課題に鑑み、本発明は、作業性の向上を図ることができるALCパネルの施工方法を提供することを目的とする。
また、従来の単純なパネル積載方法のみでは、特に、砂利道などの足場の悪い路面を搬送する場合などに、搬送用車両の振動が大きくなって積層されたパネルにずれが生じ易く、従って、荷崩れを防止するための作業負荷も大きくなり、パネルを搬送する際の効率が低下し易かった。このような課題に鑑み、本発明は、搬送用車両走行時のパネルの荷崩れを防止してパネルを搬送する際の作業効率を向上できるALCパネルの積載方法を提供することを目的とする。
本発明のALCパネルは、軽量気泡コンクリートからなり平板状に形成されたパネル本体と、パネル本体に埋設されパネル本体の厚み方向に配列された複数枚の網状補強部材と、を備える。
このALCパネルでは、複数の網状補強部材が厚み方向に配列されパネル本体に埋設されている。従って、少なくとも一部の網状補強部材は、ALCパネルの曲げの中立面から離れて位置し当該ALCパネルの曲げ強度向上に寄与する。よって、ALCパネルの曲げ強度が向上する。
本発明のALCパネルは、具体的な構成として、パネル本体の板厚をLとしたとき、複数枚の網状補強部材のうち両端に配置された2枚の網状補強部材の一方は、一方のパネル表面からL/3未満の深さに位置し、2枚の網状補強部材の他方は、他方のパネル表面からL/3未満の深さに位置することとしてもよい。パネル表面からL/3未満の深さといったような、パネル表面に比較的近い位置に両端の網状補強部材を配置することにより、正負両方向の曲げ(一方のパネル表面を凸にする方向の曲げ、及び他方のパネル表面を凸にする方向の曲げ)に対するALCパネルの強度を両方とも向上することができる。
また、更には、2枚の網状補強部材の一方は、一方のパネル表面からL/4以下の深さに位置し、2枚の網状補強部材の他方は、他方のパネル表面からL/4以下の深さに位置することとしてもよい。このように、網状補強部材を更にパネル表面に近づけることにより、ALCパネルの曲げ強度を更に向上することができる。
また、2枚の網状補強部材の一方は、一方のパネル表面から10mm以上の深さに位置し、2枚の網状補強部材の他方は、他方のパネル表面から10mm以上の深さに位置することとしてもよい。網状補強部材をパネル表面から10mm以上の深さに配置することにより、網状補強部材がパネル表面に露出してしまう可能性が低減するので、ALCパネルのパネル表面の美観を維持することができる。
また、網状補強部材は、菱形の網目を有し、網目の長目方向の寸法が26mm〜61mmであり、網目の短目方向の寸法が12mm〜25mmであることとしてもよい。このような網状補強部材を採用すると、パネル本体の母材と網状補強部材との十分な接着性が得られる。更に、網状補強部材の長目方向をALCパネルの長手方向と同一にして配置する事により、網状補強部材が補強材として十分に機能する。
また、パネル本体を形成する軽量気泡コンクリートは、1.0〜40.0wt%のムライトを含有することとしてもよい。
本発明のALCパネルの施工方法は、上述したALCパネルの長辺小口同士を突き合わせて配列しベースに取り付けるALCパネルの施工方法であって、ベースに固定される平板部と当該平板部から起立してALCパネルの長辺小口に固定される起立板部とを有するL字型の取付金具を介してALCパネルの長辺小口の一端部をベースに固定するパネル小口固定工程を備え、パネル小口固定工程は、取付金具の起立板部をALCパネルの長辺小口の一端部にビス止めする起立板部ビス止め処理と、起立板部ビス止め処理の後、鋲打ち機を用いて取付金具の平板部をベースに鋲で止め付ける鋲打ち処理と、を有し、ALCパネルは、平板状に形成されたパネル本体と、パネル本体に埋設されパネル本体の厚み方向に配列された2枚の網状補強部材と、を備え、起立板部ビス止め処理では、2枚の網状補強部材同士の間にビス止め用のビスが挿入される。
この施工方法は、取付金具を介してALCパネルをベースに固定する際に、起立板部をALCパネルの長辺小口にビス止めした後、鋲打ち機を用いて取付金具の平板部をベースに鋲で止め付ける。従って、平板部をベースにビス止めする方式に比較して作業性が良く、その結果、ALCパネル取付の作業性の向上を図ることができる。また、起立板部ビス止め処理におけるビスは、2枚の網状補強部材同士の間に挿入されるので、網状補強部材がビスに干渉することがなく、起立板部ビス止め処理を円滑に実行することができる。
また、本発明のALCパネルの施工方法は、長辺小口の下端部をベースの下部に固定するパネル下部固定工程と、長辺小口の上端部をベースの上部に固定するパネル上部固定工程と、を備え、パネル下部固定工程とパネル上部固定工程と、はそれぞれパネル小口固定工程を含むこととしてもよい。この構成によれば、ALCパネルの上部を固定する取付金具とALCパネルの下部を固定する取付金具とを共通化することができる。
また、起立板部ビス止め処理では、取付金具の起立板部に予め設けられたビス孔と、ビス孔よりも小さい径の首を持つビスと、を用いてビス止めが行われることとしてもよい。この構成によれば、鋲打ち処理で平板部に衝撃が加わったときに、取付金具が長辺小口に沿って動いてしまう場合にも、ビスの首とビス孔との寸法の余裕分で上記の動きを吸収することができるので、ビスを通じて長辺小口に伝達される衝撃力が緩和され、ALCパネルの長辺小口の損傷を抑制することができる。
また、鋲打ち処理では、鋲が平板部を打ち抜いてベースに打ち込まれることとしてもよい。この構成によれば、平板部に予め鋲孔を設けておく必要がない。従って、鋲打ち処理においては鋲打ちの位置の精度が緩和され、その結果、鋲打ち処理の作業性が向上する。
本発明は、搬送用車両の荷台に複数の上述したALCパネルを積載するための積載方法であって、荷台上に配置される複数の枕木の上に複数のALCパネルを積み重ね、複数のALCパネルに線状体を巻き付けて固定する。
本発明では、積み重ねられた複数のALCパネルが線状体で巻き付けられ、一体となって固定されている。したがって、荷台に固定された紐やワイヤによって、単に上方から押え付けられているだけの場合に比べ、複数のALCパネル同士が互いにずれ難い。その結果、搬送用車両走行時のALCパネルの荷崩れを効果的に防止でき、従ってALCパネルを搬送する際の作業効率を向上できる。
また、一列に積み上げられた複数のALCパネルによって一のパネル積層体が形成され、枕木の上には、一または複数のパネル積層体が載置されており、一のパネル積層体ごとに線状体を巻き付けて固定する。複数のパネル積層体を纏めて線状体で巻き付けて固定する場合に比べ、より効果的にALCパネルの荷崩れを防止できる。
また、ALCパネルは矩形であり、一のパネル積層体は、一対の枕木の上に配置されており、ALCパネルの長手方向における長さをLとした場合に、ALCパネルの長手方向における両端部からL/5となるそれぞれの位置に一対の枕木が配置されている。一対の枕木を、ALCパネルの長手方向における両端部からL/5となるそれぞれの位置に配置することで、ALCパネルの撓みを最小とすることができ、搬送時の撓みによる破損を防止できる。
また、枕木は筒状であり、線状体は、枕木の内部を通されて複数のALCパネルに巻き付けられている。搬送時の線状体のずれを防止することができる。
本発明によれば、曲げ強度を向上させたALCパネルを提供することができる。
本発明によれば、ALCパネル取付の作業性の向上を図ることができる。
本発明によれば、搬送用車両走行時のALCパネルの荷崩れを防止してALCパネルを搬送する際の作業効率を向上できる。
本発明のALCパネルの一実施形態を示す斜視図である。 図1におけるII-II断面図である。 図1のALCパネルの製造に用いる型枠等をALCパネルの長手方向に切断した切断面を示す鉛直断面図である。 図3に示す型枠等の水平断面図である。 (a),(b)は、それぞれ図1のALCパネルの曲げ方向を示す側面図である。 本発明の施工方法に用いるALCパネルの一実施形態を示す斜視図である。 本発明の施工方法の一実施形態で用いる取付金具を示す斜視図である。 図6のALCパネルを取付けた状態を示す斜視図である。 図8の状態を側方から見た側面図である。 図6のALCパネル同士が接触する部分の近傍を示す水平断面図である。 図6のALCパネルを継ぎ足して取り付ける工程を示す斜視図である。 図6のALCパネルと取付金具とをビス止めした状態を示す水平断面図である。 取付金具をスラブ床面に止め付ける工程を側方から見た一部破断側面図である。 本発明の施工方法の別の実施形態で用いる取付金具を示す斜視図である。 図14の取付金具を用いてALCパネルを取り付けた状態を示す斜視図である。 ALCパネルを荷台に積載した車両の斜視図である。 ALCパネルの積載手順を示す説明図である。 パネル両端部からl/5の位置に配置した枕木に支持されたパネル積層体を示す説明図である。 帯状体により中空部を有する枕木と一体として固定されたパネル積層体を示す説明図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面においては、本発明に関連する構成を解り易くすべく各部の形状を誇張して図示する場合があり、図面上の寸法比と実物の寸法比とは必ずしも一致しない。
図1及び図2に示されるように、ALCパネル1は、矩形平板状に形成されALC(軽量気泡コンクリート)からなるパネル本体3と、パネル本体3内に埋設された2枚の補強網(網状補強部材)5a,5bとを備えている。ALCパネル1は、例えば建物の間仕切壁として使用される。補強網5a,5bは、パネル表面1a,1bに対して平行で、パネル本体3の厚み方向に重ねられ配列されている。なお、パネル表面1a,1bとは、ALCパネル1の外周表面のうち厚み方向に直交する表面をいう。ここでは、パネル表面1aに最も近い補強網を補強網5aとし、パネル表面1bに最も近い補強網を補強網5bとする。ALCパネル1の寸法は、例えば、長さ3000mm、幅600mm、厚さ75mmである。また、ALCパネル1の厚さは50mm以上であることが好ましい。
パネル本体3を形成するALCは、1.0〜40.0wt%のムライトを含有するようにすることが好ましい。ムライトを含有するALCの原料として、石炭灰を利用することができる。従って、上記構成のALCパネルの製造には、石炭灰を珪酸質原料として利用することができ、本来は廃棄物である石炭灰の有効利用を図ることができる。なお、ALCの珪酸質原料としては、珪石・珪砂を使用してもよい。ALCの珪酸質原料として珪石・珪砂を使用した場合には、パネル本体3を形成するALCはムライトをほとんど含有しない。
珪酸質原料として石炭灰を利用した場合、珪石・珪砂を使用する場合に比較して強度物性が低いため、補強のためにパネル本体3に鉄筋の補強材を埋設してもよい。しかしながら、珪酸質原料として石炭灰を使用した場合、珪石・珪砂を使用する場合に比較して寸法安定性も低く、乾燥収縮などが大きくなるため、鉄筋の補強材を埋設すると、母材の収縮に伴う不具合が発生しやすくなる。
これに対し、網状補強部材を埋設させたALCパネル1によれば、パネル面内方向においてほぼ均質な構造である補強網5a,5bを採用するので、ALC母材の収縮をパネル面内方向で均一に負担する。また、補強網5a,5bは、ALC母材に追従してある程度収縮することもできる。よって、珪酸質原料として石炭灰を使用した場合、補強材として補強網5a,5bを採用することにより、ALC母材の収縮に伴う不具合が抑制される。また、補強網5a,5bを2枚以上にすることにより補強効果が高まり、珪酸質原料として石炭灰を使用した場合であってもALCパネル1の強度を確保することができる。
さらに、図1に示すように補強網5a,5bを複数枚埋設させたALCパネル1においては、補強網5a,5bの長目方向をALCパネル1の長手方向と同一にして配置することにより、補強網5a,5bが補強材として十分に機能する。
補強網5a,5bは、メタルラスやワイヤメッシュ等からなる平面状の網状部材であり、主に引張応力を負担する補強材として機能する。補強網5a,5bとしては、金網、ラス網、エキスパンドメタルなどが使用できる。例えば、金網に使用される鉄線の線径、及びラス網やエキスパンドメタルの板厚は、補強効果や孔あけ作業時の作業性を考慮して決めれば良く、0.6mm〜1.2mm程度が好ましい。また、網目の寸法は、補強網5a,5bのパネル本体3(ALC母材)への付着性、または貫通孔や開口の間隔を考慮して決めれば良く、10mm〜60mm程度が好ましい。例えば、補強網5a,5bとしては、所定形状(例えば、菱形)の網目が繰り返し2次元的に配列された構造のものが用いられる。
また、補強網5a,5bがラス網やエキスパンドメタルである場合には、補強網5a,5bの長目方向の目(網目)の寸法は(菱形の長径)は26mm〜61mmであり、短目方向の目(網目)の寸法は(菱形の短径)は12mm〜25mmのものを使用する事が出来る。このような補強網5a,5bを採用すると、パネル本体3の母材と補強網5a,5bとの十分な接着性が得られる。更に、補強網5a,5bの長目方向をALCパネル1の長手方向と同一にして配置する事により、補強網5a,5bが補強材として十分に機能する。
補強網5a,5bの配置(埋設位置)について説明する。図2に示されるように、パネル本体3の板厚をLとしたとき、補強網5aがパネル表面1aからL/3未満の深さに位置し、補強網5bがパネル表面1bからL/3未満の深さに位置するように配置することが好ましい。更には、補強網5aがパネル表面1aからL/4以下の深さに位置し、補強網5bがパネル表面1bからL/4以下の深さに位置するように配置するとより好ましい。但し、補強網5a,5bは、それぞれパネル表面1a,1bから10mm以上の深さに位置するようにすることが好ましい。
すなわち、パネル表面1aと補強網5aとの距離L1がL/3未満であり、パネル表面1bと補強網5bとの距離L2がL/3未満であるように配置することが好ましい。また、距離L1がL/4以下であり、距離L2がL/4以下であるように配置することが更に好ましい。但し、距離L1及びL2は、それぞれ10mm以上とすることが好ましい。また、補強網5aと補強網5bとは、パネル本体3の厚み方向における仮想的な中央平面Sから、互いに等距離の位置に配置されることが好ましい。
上記の条件を満たす配置の一具体例として、本実施形態のALCパネル1では、補強網5aがパネル表面1aからL/4の深さに位置し、補強網5bがパネル表面1bからL/4の深さに位置している。すなわち、ALCパネル1においては、L1=L/4であり、L2=L/4である。更に換言すれば、補強網5aは中央平面Sとパネル表面1aとの中央に位置し、補強網5bは中央平面Sとパネル表面1bとの中央に位置している。例えば、パネル本体3の板厚Lを75mmとすれば、補強網5a,5bは、それぞれパネル表面1a,1bから約18.75mmの深さに位置していることになる。
次に、図3及び図4を参照してALCパネル1の製造方法の一具体例について説明する。
微粉砕された珪酸質原料と、石灰質原料と、再生原料と、発泡剤と、水とを混練して原料スラリーを得る。珪酸質原料としては、珪石・珪砂又は石炭灰を使用することができる。石灰質原料としては、セメント、生石灰(CaO)、消石灰(CaOH)又は石膏等を使用することができる。再生原料とは、ALCパネル1の製造工程で生じた回収屑(解砕屑、養生屑等)である。発泡剤としては、金属アルミニウムを使用することができる。
珪酸質原料として珪石・珪砂を用いる場合、原料スラリーの組成の具体例は次の通りである。
セメント:30重量部
生石灰 : 6重量部
珪石 :42重量部
石膏 : 2重量部
回収屑 :20重量部
水 :固形分100重量部に対して75重量部
また、珪酸質原料として石炭灰を用いる場合、原料スラリーの組成の具体例は次の通りである。
セメント:20重量部
生石灰 : 6重量部
石炭灰 :52重量部
石膏 : 2重量部
回収屑 :20重量部
水 :固形分100重量部に対して75重量部
別途、図3及び図4に示すように、型枠20内に、支持治具であるセット棒22を等間隔に配列する。セット棒22同士の間に補強網5a,5bとなるメタルラス25を挟持させ、複数のメタルラス25を型枠20内に設置する。次に、型枠20内の約半分の高さまで上述の原料スラリーを注入して静置する。原料スラリーが発泡することにより、原料スラリーはメタルラス25を埋没させる高さまで増量する。
その後、原料スラリーが半硬化状態に達したところで、セット棒22を引き抜くと共に、脱型する。そして、図に示す切断線Cに沿って半硬化状態の原料スラリーをピアノ線で切断する。これにより、2枚のメタルラス25(補強網5a,5b)を含んだ半硬化状態のパネル前駆体が複数枚切り出される。その後、上記のパネル前駆体をオートクレーブ養生することで、原料スラリー部分が硬化してALCとなり、ALCパネル1が完成する。
なお、珪酸質原料としての石炭灰に含まれるムライトは、オートクレーブ養生によっても変性せず、ALCパネル1内にもほぼそのまま残留している。よって、前述の例に従って珪酸質原料として石炭灰を用いた場合、完成後のパネル本体3を形成する軽量気泡コンクリートは、1.0〜40.0wt%のムライトを含有する。
続いて、以上のような構成のALCパネル1による作用効果について説明する。
このALCパネル1の運搬時、施工作業時等には、ALCパネル1に対して曲げ応力が作用する場合がある。なお、ALCパネル1に作用する曲げは、図5に示されるように、主に、パネル表面1b側を凸にするような正方向Mbの曲げ(図5(a))、及びパネル表面1a側を凸にするような負方向Maの曲げ(図5(b))があり得る。従って、このような正負両方向の曲げMa,Mbに対するALCパネル1の曲げ強度を向上することが好ましい。
これに対し、ALCパネル1によれば、2枚の補強網5a,5bが、曲げMa,Mbの中立面となる中央平面Sから面外方向の外側に離れて配置され、引張応力を負担するので、ALCパネル1の曲げ強度向上に寄与する。よって、ALCパネル1の曲げ強度が向上する。また、補強網5a,5bは、中央平面Sを挟んで両側に配置されているので、正負両方向の曲げMa,Mbに対する曲げ強度を向上することができる。具体的には、パネル表面1a,1bからそれぞれL/3未満(更に好ましくはL/4以下)の深さといったように、パネル表面1a,1bに比較的近い位置に補強網5a,5bを配置することにより、ALCパネル1の曲げ強度を十分に向上することができる。
特に、ALCパネル1においては、補強網5a,5bがそれぞれパネル表面1a,1bからL/4の深さに配置される。この構成によれば、ALCパネル1の製造時においては、幾何学的な条件から、上述の型枠20内に設置するメタルラス25をすべて等間隔で配列すればよいことになる。従って、型枠20内のセット棒22は、ALCパネル1の厚み方向に等間隔に設置すればよく、製造工程のシンプル化を図ることができる。
また、原料スラリーが発泡する工程では、補強網5a,5bの周囲に粗大な気泡が生じる傾向にあるが、補強網5a,5bがそれぞれパネル表面1a,1bから10mm以上離れているので、上記のような気泡が完成後のパネル表面1a,1bに露出してしまう可能性が低減する。
また、原料スラリーの硬化中においては、型枠20に近い外側部分と型枠20から遠い内側部分との間の放熱効率の差に起因して、型枠20内で原料スラリーの対流が生じる。この対流により、メタルラス25は型枠20の外側に向けて面外方向に押され外側に膨らむ傾向にある。これに対し、ALCパネル1においては、補強網5a,5b(メタルラス25)がそれぞれパネル表面1a,1bから10mm以上離れているので、上記の対流によりメタルラス25が外側に膨らんだとしても、補強網5a,5b自体がパネル表面1a,1bに露出してしまう可能性が低く抑えられる。
また、パネル本体3には、セット棒22を抜き取った痕として抜取り孔が残る場合があるが、このような抜取り孔もパネル表面1a,1bに露出しにくい。以上のとおり、気泡、補強網5a,5b、及び抜取り孔がパネル表面1a,1bに露出してしまう可能性が低く抑えられるので、ALCパネル1のパネル表面1a,1bの美観が維持される。
珪酸質原料として石炭灰を使用した場合、珪石・珪砂を使用する場合に比較して強度物性が低いため、補強のためのパネル本体3内に鉄筋の補強材を埋設することも考えられる。しかしながら、珪酸質原料として石炭灰を使用した場合、珪石・珪砂を使用する場合に比較して寸法安定性も低く、乾燥収縮などが大きくなるため、鉄筋の補強材を埋設すると、母材の収縮に伴う不具合が発生し易くなる。
これに対し、ALCパネル1によれば、パネル面内方向においてほぼ均質な構造である補強網5a,5bを採用するので、ALC母材の収縮をパネル面内方向で均一に負担する。また、補強網5a,5bは、ALC母材に追従してある程度収縮することもできる。よって、珪酸質原料として石炭灰を使用した場合、補強材として補強網5a,5bを採用することにより、ALC母材の収縮に伴う不具合が抑制される。また、補強網5a,5bを2枚にすることにより補強効果が高まり、珪酸質原料として石炭灰を使用した場合であってもALCパネル1の強度を確保することができる。
また、網構造をなす補強網5a,5bは、鉄筋の補強材とは異なり、パネル面内方向をほぼ均一に補強するものである。従って、例えばALCパネル1を切断しても、ALCパネル1の強度特性が極端に悪化することがなく、切断時の割れや欠けも発生しにくい。また、補強網5a,5bは、鉄筋の補強材よりも比較的切断し易く、特殊な工具を用いることなく切断することが可能である。よって、補強網5a,5bを用いたALCパネル1の構成によれば、施工現場でパネルを切断し寸法を調整するといった運用が可能になる。その結果、工場では少品種の規格のパネルを製造し、施工現場で切断加工して多種多様な要求に対応することが可能になる。なお、更に珪酸質原料として石炭灰を使用した場合には、前述の通り、硅石・珪砂を使用する場合に比較して、強度物性が低いため、ALCパネル1の切断加工は更に容易となる。
ALCパネル1のパネル表面1a,1bには、電源ケーブル等を埋設するための溝が切削で形成される場合もある。この場合、切削面に近い側の補強網5a又は5bの一方を切断せざるを得ない場合もあるが、他方の補強網5a又は5bが残ることにより、ALCパネル1の強度が極端に悪化することが避けられる。従って、ALCパネル1は、パネル表面1a,1bに切削加工が施されるような用途に好適に用いることができる。なお、更に珪酸質原料として石炭灰を使用した場合には、前述の通り、ALCパネル1の切削加工は更に容易となる。
続いて、ALCパネルの施工方法について説明する。以下の実施形態では、施工されるパネルとして、上述した軽量気泡コンクリート(Autoclaved Light−Weight Concreate)パネル(以下、ALCパネルという)を例に説明する。また、ALCパネルの構造は特に限定されないが、以下の実施形態では、軽量気泡コンクリートからなり平板状に形成されたパネル本体と、パネル本体に埋設されパネル本体の厚み方向に配列された2枚の網状補強部材と、を備えるALCパネル1を例に説明する。
図6に示されるように、一実施形態のALCパネルの施工方法に使用される間仕切パネル1Aは、一方の長辺小口7に長辺方向に延びる凸条7aを設け、他方の長辺小口9に長辺方向に延びる凹条9aの実部形状を設けたALCパネルである。間仕切パネル1Aは、長辺小口7,9同士を突き合わせ実部を勘合させることにより、複数の間仕切パネル1Aをパネル表面1a,1b方向に平行な方向に繋げて配列し、連続した間仕切を形成できるようになっている。
間仕切パネル1Aは、ALC(軽量気泡コンクリート)によって矩形平板状に形成されたパネル本体3と、パネル本体3内に埋設された2枚の補強網(網状補強部材)5a,5bとを備えるALCパネルである。補強網5a,5bは、パネル表面1a,1bに対して平行で、パネル本体3の厚み方向に重ねられて互いに表裏対称の位置に配列されている。例えば、パネル本体3の板厚をLとしたとき、補強網5aがパネル表面1aからL/4の深さに位置し、補強網5bがパネル表面1bからL/4の深さに位置するように配置することが好ましい。パネル本体3内に2枚の補強網5a,5bを埋設する構造により間仕切パネル1Aの強度向上が図られている。尚、網状補強部材としては、金網、ラス網、エキスパンドメタルなどが使用できる。
ALCは、微粉砕された珪酸質原料と、石灰質原料と、再生原料と、発泡剤と、水とを混練した原料スラリーを発泡させ硬化させて、オートクレーブ養生したものである。珪酸質原料としては、珪石・珪砂又は石炭灰を使用することができる。石灰質原料としては、セメント、生石灰(CaO)、又は石膏を使用することができる。再生原料とは、ALCパネル1の製造工程で生じた回収屑(解砕屑、養生屑等)である。発泡剤としては、金属アルミニウムを使用することができる。補強網5a,5bは、メタルラスやワイヤラス等からなる平面状の網状部材であり、主に引張応力を負担する補強材として機能する。
図7に示されるように、上記の間仕切パネル1Aの取り付けに使用される取付金具11は、矩形板状の平板部13と、当該平板部13の1つの縁部から垂直に起立して形成された起立板部15とを有し、L字型形状をなしている。平板部13が建物のスラブ床面51(図8参照)に固定されると共に、起立板部15が長辺小口9の下端部に固定されることにより、間仕切パネル1Aの長辺小口9の下端部がスラブ床面51(図8参照)に固定される。起立板部15を長辺小口9にビス止めするために、起立板部15の先端近傍にはビス孔15aが形成されている。一方、平板部13にはビス孔等は形成されていない。
平板部13は、平面視矩形の板状をなしている。一方、起立板部15は、長辺小口9の凹条9aに嵌り込む形状として、平板部13の外側に向けて凸をなす断面U字状に屈曲されている。また、起立板部15の内側の側面は、間仕切パネル1Aの長辺小口7の凸条7aが嵌り込む形状になっている。この構成により、起立板部15は、間仕切パネル1Aの凹条9aと、隣接する間仕切パネル1Aの凸条7aとの間にほぼ隙間なく挟み込まれる(図10参照)。なお、起立板部15の内側の側面には後述するビス19の頭が僅かに突出し、平板部13の上面には後述する鋲23の頭が僅かに突出するが、それらの突出量は間仕切パネル1Aの寸法に比較して無視することができ、間仕切パネル1Aと取付金具11との密着状態にはほとんど影響しない。
続いて、図8〜図13を参照しながら、間仕切パネル1Aをパネル面方向に配列して鉄筋コンクリート造のスラブ床面(ベースの下部)51及びスラブ天井面(ベースの上部)52に取付ける施工方法について説明する。
図8及び図9に示されるように、スラブ床面51及びスラブ天井面52に既に取り付けられた間仕切パネル1A(既設の間仕切パネル)が存在する状態から、この既設の間仕切パネル1Aに隣接する新たな間仕切パネル1Aを継ぎ足して取り付ける工程について説明する。なお、以下の説明では、新たな間仕切パネル1Aとの区別を容易にするため、既設の間仕切パネルに「1A’」の符号を付す。
図8及び図9に示されるように、スラブ床面51上には既設の間仕切パネル1A’の長辺小口9が露出している。この長辺小口9の下端部には、凹条9aの下端部に嵌り込み固定されると共にスラブ床面51に固定された取付金具11が存在している。同様に、この長辺小口9の上端部にも、凹条9aの上端部に嵌り込み固定されると共にスラブ天井面52に固定された取付金具11が存在している。
まず、図10及び図11に示されるように、凹条9aに凸条7aを嵌合させるようにして、新たな間仕切パネル1Aの長辺小口7を、既設の間仕切パネル1A’の長辺小口9に突き合わせる。ここでは、図10に示されるように、凹条9aと凸条7aとの間に取付金具11の起立板部15が挟み込まれる。また、取付金具11の平板部13は、間仕切パネル1Aの板厚よりも幅狭に形成されているので、パネル表面1a,1bから面外方向にはみ出さず、新たな間仕切パネル1Aの短辺小口に覆われて外部からは見えなくなる。
次に、図11に示されるように、間仕切パネル1Aの長辺小口9の下端部に取付金具11を載置する。ここでは、凹条9aの下端部に起立板部15が嵌り込むと共に、スラブ床面51に平板部13が接するように取付金具11が載置される。その後、図12に示されるように、ビス孔15aにビス19を挿入し、起立板部15を凹条9aにビス止めする(起立板部ビス止め処理)。このとき、図12に示されるように、ビス19の先端は、パネル本体3内に埋設された補強網5aと補強網5bとの間に挿入される。また、ここでは、ビス孔15aよりも僅かに小さい径の首を持つビス19が採用される。
その後、図13に示されるように、鋲打ち機(「ファスナー」などと呼ばれる場合もある)21を用いて取付金具11の平板部13を鋲23でスラブ床面51に止め付ける(鋲打ち処理)。このとき、鋲23は、平板部13を打ち抜いてスラブ床面51に打ち込まれる。すなわち、前述のとおり、平板部13には予め鋲孔等は設けられておらず、鋲打ち処理によって鋲23の先端が平板部13を貫通してスラブ床面51に突き刺さる。以上により、間仕切パネル1Aの長辺小口9の下端部が、取付金具11を介してスラブ床面51に固定される(パネル小口固定工程、パネル下部固定工程)。なお、鋲打ち機21としては、鋲23を出射口21aから高速で出射し、平板部13を打ち抜いて鉄筋コンクリート製のスラブ床面51に打ち込むことができるものを採用すればよく、例えば、市販の火薬式、ガス着火式、高圧エアガン式などの鋲打ち機が用いられる。
次に、図11に示されるように、間仕切パネル1Aの長辺小口9の上端部にも同様に取付金具11を載置する。ここでは、凹条9aの上端部に起立板部15が嵌り込むと共に、スラブ天井面52に平板部13が接するように取付金具11が載置される。その後、下端部の取付金具11と同様に、起立板部15を凹条9aにビス止めする(起立板部ビス止め処理)と共に、鋲打ち機21を用いて取付金具11の平板部13を鋲23でスラブ天井面52(図9参照)に止め付ける(鋲打ち処理)。これにより、間仕切パネル1Aの長辺小口9の上端部が、取付金具11を介してスラブ天井面52にも固定される(パネル小口固定工程、パネル上部固定工程)。以上で間仕切パネル1Aの取り付けが完了する。完了後の状態は、図8及び図9の状態と同様であるので、図示を省略する。
なお、間仕切パネル1Aの寸法誤差等により、間仕切パネル1Aの上端面とスラブ天井面52との間の間隙G(図9参照)にはバラつきが生じる。このバラつきは、凹条9aにおけるビス止め位置が上下することにより吸収される。ここで、取付金具11のビス孔15aは、起立板部15の先端近傍に設けられているので、間隙Gが大きくなった場合にもビス孔15aの位置が凹条9aの上端部まで届きやすい。従って、ビス孔15aを起立板部15の先端近傍に設ける構成を採用することにより、間隙Gのバラつきを吸収しやすくなる。この観点から、ビス孔15aの位置は、起立板部15の先端に近いほど好ましい。
上述の手順で間仕切パネル1Aの取付けを繰り返し行うことで、複数の間仕切パネル1Aが長辺小口7,9を突き合わせてパネル面方向に配列されてなる間仕切が、スラブ床面51とスラブ天井面52との間に形成される。
続いて、以上説明した施工方法による作用効果について説明する。
この施工方法では、取付金具11を介して間仕切パネル1Aをスラブ床面51に固定する際に、起立板部15を間仕切パネル1Aの長辺小口9にビス止めした後、鋲打ち機21を用いて平板部13をスラブ床面51に鋲23で止め付ける。従って、平板部13をスラブ床面51にビス止めする方式に比較して作業性が良く、その結果、パネル取付の作業性の向上を図ることができる。
また、起立板部ビス止め処理におけるビス19は、2枚の補強網5a,5b同士の間に挿入されるので、補強網5a,5bがビス19に干渉することがなく、起立板部ビス止め処理を円滑に実行することができる。
また、この施工方法では、間仕切パネル1Aの上部を固定するパネル下部固定工程と、間仕切パネル1Aの下部を固定するパネル上部固定工程と、が同様の処理により行われる。この構成によれば、間仕切パネル1Aの上部・下部に配置される取付金具11を共通化することができる。
また、起立板部ビス止め処理では、起立板部15に予め設けられたビス孔15aと、ビス孔15aよりも小さい径の首を持つビス19と、を用いてビス止めが行われる。この構成によれば、鋲打ち処理で平板部13に衝撃が加わったときに、取付金具11が凹条9aに沿って上下に動いてしまう場合にも、ビス19の首とビス孔15aとの寸法の余裕分で取付金具11の動きを吸収することができるので、ビス19を通じて長辺小口9に伝達される衝撃力が緩和され、間仕切パネル1Aの長辺小口9の損傷を抑制することができる。
また、鋲打ち処理では、鋲23が平板部13を打ち抜いてスラブ床面51に打ち込まれる。この構成によれば、平板部13に予め鋲孔を設けておく必要がない。従って、鋲打ち処理においては鋲打ちの位置の精度が緩和され、その結果、鋲打ち処理の作業性が向上する。すなわち、一般的に、鋲打ち機21は、先端の出射口21aを平板部13に押し当てた状態で、鋲23を出射するようになっている。仮に平板部13に予め鋲孔が設けられていた場合、鋲孔の位置が鋲打ち機21の先端に隠れて作業者からは見えにくい。
よって、鋲打ち処理時においては、鋲打ち機21の出射口21aと鋲孔との位置を合わせることが困難であり、作業性が悪い。また、出射口21aと鋲孔とがずれた場合には、打ち込まれた鋲23と鋲孔とがずれてしまい、スラブ床面51に対する取付金具11のガタつきの原因となってしまう。これに対し、平板部13に予め鋲孔を設けずに、平板部13を打ち抜いて鋲23をスラブ床面51に打ち込む方式によれば、上記の問題を解決することができる。
また、起立板部15が断面U字状に屈曲されて長辺小口9の凹条9aに嵌り込む形状をなしている。この構成よれば、取り付けられた間仕切パネル1Aが、面外方向(パネル表面1a,1bに直交する方向)へ位置ずれすることを抑制することができる。
続いて、本発明の施工方法の別の実施形態について説明する。本実施形態において、上記一実施形態と同一又は同等な構成部分には同一符号を付し重複する説明を省略するものとする。
図14に示されるように、本実施形態の施工方法で使用される取付金具30は、前述の起立板部15に代えて、起立板部35を備えている。起立板部35は、長辺小口7の凸条7aに嵌り込む形状として、平板部13の内側に向けて凸をなす断面U字状に屈曲されている。起立板部35の先端近傍にはビス孔15aが形成されており、平板部13にはビス孔等は形成されていない。
そして、取付金具30を用いる本実施形態の施工方法では、図15に示されるように、順次継ぎ足していく間仕切パネル1Aの向きが、上記一実施形態とは異なっている。すなわち、既設の間仕切パネル1A’は、凸条7aをもつ長辺小口7を露出させており、新たな間仕切パネル1Aの長辺小口9側を、既設の間仕切パネルに向けて対向する長辺小口7に突き合わせる。
その後、間仕切パネル1Aの長辺小口7の下端部に取付金具30を載置する。ここでは、凸条7aの下端部に起立板部35が嵌り込むと共に、スラブ床面51に平板部13が接するように取付金具30が載置される。その後、ビス孔15aにビス19を挿入し、起立板部35を凸条7aにビス止めする(起立板部ビス止め処理)。その後、鋲打ち機21(図12参照)を用いて取付金具30の平板部13を鋲23でスラブ床面51に止め付ける(鋲打ち処理)。以上により、間仕切パネル1Aの長辺小口7の下端部が、取付金具30を介してスラブ床面51に固定される(パネル小口固定工程、パネル下部固定工程)。
次に、間仕切パネル1Aの長辺小口7の上端部にも同様に取付金具30を載置する。ここでは、凸条7aの上端部に起立板部35が嵌り込むと共に、スラブ天井面52に平板部13が接するように取付金具30が載置される。その後、下端部の取付金具30と同様に、起立板部35を凸条7aにビス止めする(起立板部ビス止め処理)と共に、鋲打ち機21(図13参照)を用いて取付金具30の平板部13を鋲23でスラブ天井面52(図9参照)に止め付ける(鋲打ち処理)。これにより、間仕切パネル1Aの長辺小口7の上端部が、取付金具30を介してスラブ天井面52にも固定される(パネル小口固定工程、パネル上部固定工程)。取付金具30の起立板部35が断面U字状に屈曲されて長辺小口7の凸条7aに嵌り込む形状をなしているので、取り付けられた間仕切パネル1Aが、面外方向(パネル表面1a,1bに直交する方向)へ位置ずれすることを抑制することができる。
以上説明した本実施形態の施工方法によっても、前述の一実施形態と同様の作用効果が奏される。
続いて、ALCパネルを積載する方法について説明する。以下の実施形態では、施工されるパネルとして、上述したALCパネルを例に説明する。また、ALCパネルの構造は特に限定されないが、以下の実施形態では、軽量気泡コンクリートからなり平板状に形成されたパネル本体と、パネル本体に埋設されパネル本体の厚み方向に配列された2枚の網状補強部材と、を備えるALCパネルを例に説明する。まず、図16を参照して、搬送用車両C1に積載されたパネル積層体Bについて説明する。図16は、ALCパネルPを荷台C1aに搭載した搬送用車両C1の斜視図である。
本実施形態に係るALCパネルPは、所定の工場で標準化された規格寸法で量産され、建築現場や倉庫等の保管場所(目的地)までトラックなどの搬送用車両(以下、「車両」)C1の荷台C1aに搭載されて搬送される。例えば、建築現場まで搬送されたALCパネルPは、荷降ろしされて適宜に積み置きされ、構造躯体(鉄筋コンクリート造、鉄骨造、木造等)の所定位置に順次建て込まれ、建物の壁構造を構築するために利用される。
図16に示すように、車両C1の荷台C1aには、二本(一対)の枕木4が所定の間隔を空けて配置されている。枕木4は角柱状の棒状部材であり、本実施形態では断面が正方形である。なお、枕木4の断面形状は正方形に限定されず、荷台C1a上で安定する形状であればよく、長方形や台形などであってもよい。また、枕木4の材質としては、木製、樹脂製、軽量気泡コンクリート製、金属製等が採用される。一対の枕木4の長手方向は車両C1の前後方向に直交する方向である。
一対の枕木4の上には、一列に積み上げられた複数のALCパネルPによって形成されるパネル積層体Bが、複数積載されている。図16で示す例では、荷台C1a上に計3個のパネル積層体Bが積載されている。
パネル積層体Bは、重梱包用バンド等の帯状体10で纏められ、固定具12によって固定されている。重梱包用バンドには、鉄製や樹脂製のものが採用される。帯状体10は、パネル積層体Bを周回するように巻き付けられており、パネル積層体Bの下面、すなわち、枕木4に支えられた面に接する部分は、枕木4の長手方向に沿って延在している。重梱包用バンドが鉄製の場合は、引き締め封緘機により、鉄製の重梱包バンドは適切な張力で引き締められ、金属シール等を使用して封緘され固定される。この際に、パネル積層体Bの角部と鉄製の重梱包用バンドの間には、締め付けによるパネルの破損を防止するため、保護部材(図示せず)が配置される。
また、重梱包用バンドが樹脂製の場合は、引き締め溶着機により、樹脂製の重梱包用バンドは適切な張力で引き締められ、溶着され固定される。この際に、パネル積層体Bの角部と樹脂製の重梱包用バンドとの間には、締め付けによるALCパネルPの破損を防止するため、保護部材(図示せず)が配置される。尚、重梱包用バンドが樹脂製の場合、固定方法は溶着に限るものではなく、確実な固定が可能であれば、鉄製の重梱包用バンドの場合と同様に、金属シール等による封緘を行っても良い。
なお、本実施形態では、二本の帯状体10が一つのパネル積層体Bに巻き付けられてパネル積層体Bを固定しているが、三本以上の帯状体10が一つのパネル積層体Bに巻き付けられていてもよい。また、一本の帯状体10が、複数(二列以上)のパネル積層体Bを纏めるように巻き付けられていてもよい。帯状体10によって固定されたパネル積層体Bは、フォークリフト等の荷揚げ機により持ち上げられ、車両C1の荷台C1aに配置される。
三個のパネル積層体Bは、二本のワイヤC1cによって荷台C1aに固定されている。なお、パネル積層体Bの上縁には、ワイヤC1cとの干渉による破損を抑止するために、保護部材(図示せず)が配置されている。
次に、図17及び図18を参照して、一実施形態に係るALCパネルPの積載方法について説明する。ALCパネルPの積載手順として、まずは、所定のエリア内で二本の帯状体10を並べて敷き、この上に製品化されたALCパネルPを所定枚数だけ積み上げてパネル積層体Bを形成する。パネル積層体Bの形成に際しては、仮置きの二本の枕木を予め設置しておき、その上でパネル積層体Bを形成するようにしてもよい。
パネル積層体Bを形成すると、帯状体10の両端を持ち上げてパネル積層体Bを周回するように巻き付ける。その後、帯状体10が樹脂製である場合は、引き締め溶着機により適切な張力で引き締め、溶着により固定する。尚この際に、パネル積層体Bの角部と樹脂製の重梱包用バンドとの間には、締め付けによるALCパネルPの破損を防止するため、保護部材(図示せず)を配置する。帯状体の締め付け溶着が完了すると、パネル積層体Bの搬送用ユニットが完成する。
次に、図17(a)に示すように、車両C1の荷台C1aに所定の間隔を空けて一対の枕木4を配置する。一対の枕木4は、長手方向が車両C1の前後方向に直交する方向となるように配置する。
次に、搬送用ユニットをフォークリフト等の荷揚げ機により持ち上げ、搬送用ユニットを車両C1の荷台C1aまで搬送する。荷台C1aの上には、既に一対の枕木4が配置されており、搬送用ユニットを枕木4の上に載置する。
なお、ALCパネルPは、一対のパネル長辺Paと一対のパネル短辺Pbとを有する矩形パネルであり、複数のALCパネルPが積層されて形成されるパネル積層体Bもパネル長辺Paに対応する長辺とパネル短辺Pbに対応する短辺とを有する。ここで、パネル積層体Bの短辺の長さと枕木4の長さとは同程度の長さであることが好ましい。
また、図18に示すように、パネル長辺Paの長さをMとした場合に、一対の枕木4は、パネル積層体Bの長手方向の両端部であるパネル両端部PcからM/5となる位置に配置されている。より詳細には、枕木4は、長さ方向に直交する幅方向の中央位置が、パネル両端部PcからM/5となる位置に配置されている。
パネル両端部PcからM/5となる位置(すなわち、0.20×M、及び、0.80×M)とは、均等荷重のALCパネルPを一対の枕木4によって2点指示する際にALCパネルPの撓みの影響が小さくなる位置であり、ベッセル点の導出により求められるものである。ベッセル点は、(1/2±0.279690059)Mの位置であるため、より詳細には、ALCパネルPの撓みの影響がより小さくなる位置は、0.22×M、0.78×Mである。パネル両端部PcからM/5となる位置には、多少の差異がある位置も含まれ、具体的には、0.17×M〜0.23×M、及び、0.77×M〜0.83×Mの範囲の位置も含まれる。
上述の手順をパネル積層体Bの数だけ行い、すべてのパネル積層体Bを荷台C1aへ積載すると、二本のワイヤC1cによって各パネル積層体Bを車両C1の荷台C1aに固定する(図16参照)。なお、複数のパネル積層体B間に、発砲ポリエチレン等の緩衝材を挟むことで、複数のパネル積層体Bが互いに衝突することによるALCパネルPの破損を防止することができる。
なお、上述の積載方法では、荷台C1a上ではなく、別の場所でパネル積層体Bの搬送用ユニットを形成し、この搬送用ユニットを車両C1の荷台C1aに配置された枕木4の上に載置したが、荷台C1a上に枕木4を配置し、その枕木4の上にALCパネルPを積み上げてパネル積層体Bを形成するようにしてもよい。
このような車両C1へのALCパネルPの積載方法によれば、積み重ねられた複数のALCパネルPは帯状体10で巻き付けられ、一体となって固定される。
従来、トラック等でALCパネルを搬送する際には、荷台に積載されたALCパネルの頭上にワイヤなどを渡し、そのワイヤなどを荷台に固定して締め付けることで、ALCパネルの荷崩れを防止していた。しかしながら、ワイヤのみでALCパネルを固定する従来の単純な方法では、ALCパネルをトラック等に固定することに重きが置かれ、積み重ねられたALCパネルがずれて荷崩れを引き起こすことについては、あまり配慮されていなかった。
この点、積み重ねられた複数のALCパネルPを帯状体10で巻き付けて固定する本実施形態によれば、積み重ねられた複数のALCパネルPが一体となって固定されるため、各ALCパネルPが互いにずれ難い。その結果、車両C1走行時のALCパネルPの荷崩れを効果的に防止でき、ALCパネルPを搬送する際の作業効率を向上させることができる。
また、一列に積み上げられた複数のALCパネルPによって形成されるパネル積層体Bごとに、帯状体10を巻き付けて固定しているので、複数のパネル積層体Bを纏めて帯状体10で巻き付けて固定する場合に比べ、より効果的にALCパネルPの荷崩れを防止できる。
また、ALCパネルPが矩形であり、一のパネル積層体Bは一対の枕木4の上に配置されており、パネル長辺Paの長さをMとした場合に、パネル両端部PcからM/5となるそれぞれの位置に一対の枕木4が配置されていることで、均等荷重であるALCパネルPの自重による撓みを最小とすることができ、搬送時の撓みによる破損を防止できる。
次に、図19を参照して、別の実施形態に係るALCパネルPの積載方法について説明する。なお、本実施形態の説明では、主に、上述した一実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態では、上述した一実施形態で利用した中実の枕木4に替えて、筒状の枕木4Aを利用する。枕木4Aは、長手方向に沿って中空部31を有しており、中空部31内には、帯状体10が通される。なお、本実施形態に係る枕木4Aは筒状の外形が正方形であるが、この形状に限定されず、荷台C1a上で安定する形状であればよく、長方形や台形などであってもよい。また、中空部31の寸法や形状については、帯状体10を通す空間を確保できる形状等であれば足りる。
車両C1へのALCパネルPの積載手順として、最初に、荷台C1aとは別の場所に一対の枕木4Aを並べ、この上にALCパネルPを積み上げてパネル積層体Bを形成する。次に、筒状の枕木4Aに帯状体10を通し、帯状体10の両端部を持ち上げながらパネル積層体Bを周回するように巻き付ける。その後、帯状体10が樹脂製である場合は、引き締め溶着機により適切な張力で引き締め、溶着により固定する。尚この際に、パネル積層体Bの角部と樹脂製の重梱包用バンドの間には、締め付けによるALCパネルPの破損を防止するため、保護部材(図示せず)を配置する。帯状体10の締め付け溶着が完了すると、パネル積層体Bの搬送用ユニットが完成する。
次に、搬送用ユニットの帯状体10をフォークリフト等の荷揚げ機により持ち上げ、搬送用ユニットを車両C1の荷台C1aまで搬送する。本実施形態では、搬送用ユニットを形成した段階で、既に枕木4Aが所定位置に配置され、帯状体10で巻き付けられて固定されている。つまり、パネル積層体Bを荷台C1aに載置する際に、予め枕木4Aを荷台C1aの所定位置に配置する手間を軽減できる。
なお、上述のALCパネルPの積載方法では、パネル積層体Bの搬送用ユニットを形成し、この搬送用ユニットを車両C1の荷台C1aに載置したが、荷台C1a上でパネル積層体Bを形成するようにしてもよい。
このような車両C1へのALCパネルPの積載方法によれば、帯状体10は枕木4Aの中空部31に通されて、複数のALCパネルPに巻き付けられる。枕木4Aの中空部31を通された帯状体が、枕木4AとALCパネルPとを一体として固定することで、車両C1による搬送時の帯状体10のずれを防止できる。また、ALCパネルPが枕木4Aの適切な位置からずれた状態で搬送されることを防止できる。
また、枕木4Aは、中空部31を有さない枕木(例えば枕木4)と比較して、中空部31を有する分だけ軽量化が図られている。このことで、荷台C1aに枕木4Aを配置する際の作業性がより向上する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形したものであってもよい。
例えば、上記実施形態ではALCパネル1に2枚の補強網5a,5bを埋設しているが、補強網5aと補強網5bとの間に、更に同様の補強網を加えて埋設してもよい。また、上記実施形態では、ALCパネル1の寸法の一例を示しているが、本発明は、他の種々の寸法のALCパネルに適用することができる。例えば、本発明は厚さ75mmのALCパネルに限られず、50〜250mm(例えば、50mm,100mm,125mm,150mm,250mm)といった厚さのALCパネルに好適に適用可能である。
また、例えば、上記実施形態では補強網5a,5bで補強された間仕切パネル1A,1A’に使用したが、補強網5a,5bをそれぞれ鉄筋の補強材に変更してもよい。また、上記実施形態では、間仕切パネル1A,1A’を建物のスラブ(スラブ床面51及びスラブ天井面52)に固定しているが、間仕切パネル1A,1A’は梁に固定されてもよい。
また、例えば、上記実施形態では、パネル積層体Bに巻き付けて固定する線状体として、帯状体10を例示したが、パネル積層体Bに巻き付けて纏める事ができるものであればこれに限定されるものではなく、例えば、紐状の巻き付け具や、荷締め用ラチェットを保有したナイロン製やポリエステル製のストラップ等を用いてもよい。
また、パネル積層体Bごとに線条体を巻き付ける態様に限定されるものではなく、パネル積層体Bの固定状態を維持できれば、複数のパネル積層体Bを纏めるようにして線状体を巻き付けて固定してもよい。また、帯状体10等の線状体は、パネル積層体Bの2か所に巻き付けられる態様に限定されるものではなく、パネル積層体Bの固定状態を維持できれば、1か所であってもよいし、3か所以上であってもよい。
また、上述した施工方法は、低比重無機発泡体からなるパネルに好適に用いられ、具体的には、補強筋含有の炭酸カルシウム硬化体パネルに適用することができる。また、上述した積載方法は、車両C1により搬送され得るその他のパネル状被搬送体の積載方法としても用いることができる。例えば、パネル状被搬送体として、低比重無機発泡体であればよく、具体的には、補強筋含有の炭酸カルシウム硬化体パネルが挙げられる。
1…ALCパネル、1A,1A’…間仕切パネル、1a,1b…パネル表面、3…パネル本体、4,4A…枕木、5a,5b…補強網(網状補強部材)、7,9…長辺小口、10…帯状体(線状体)、11,30…取付金具、13…平板部、15…起立板部、15a…ビス孔、19…ビス、21…鋲打ち機、23…鋲、51…スラブ床面(ベースの下部)52…スラブ天井面(ベースの上部)、B…パネル積層体、C1…車両(搬送用車両)、C1a…荷台、P…ALCパネル、Pc…パネル両端部。

Claims (14)

  1. 軽量気泡コンクリートからなり平板状に形成されたパネル本体と、
    前記パネル本体に埋設され前記パネル本体の厚み方向に配列された複数枚の網状補強部材と、を備えるALCパネル。
  2. 前記パネル本体の板厚をLとしたとき、
    前記複数枚の網状補強部材のうち両端に配置された2枚の網状補強部材の一方は、一方のパネル表面からL/3未満の深さに位置し、
    前記2枚の網状補強部材の他方は、他方のパネル表面からL/3未満の深さに位置する請求項1に記載のALCパネル。
  3. 前記2枚の網状補強部材の一方は、前記一方のパネル表面からL/4以下の深さに位置し、
    前記2枚の網状補強部材の他方は、前記他方のパネル表面からL/4以下の深さに位置する請求項2に記載のALCパネル。
  4. 前記2枚の網状補強部材の一方は、前記一方のパネル表面から10mm以上の深さに位置し、
    前記2枚の網状補強部材の他方は、前記他方のパネル表面から10mm以上の深さに位置する請求項2又は3に記載のALCパネル。
  5. 前記網状補強部材は、菱形の網目を有し、
    前記網目の長目方向の寸法が26mm〜61mmであり、前記網目の短目方向の寸法が12mm〜25mmであり、前記網状補強部材の長目方向をALCパネルの長手方向と同一にして配置する請求項1〜4の何れか一項に記載のALCパネル。
  6. 前記パネル本体を形成する前記軽量気泡コンクリートは、1.0〜40.0wt%のムライトを含有する請求項1〜5の何れか一項に記載のALCパネル。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載のALCパネルの長辺小口同士を突き合わせて配列しベースに取り付けるALCパネルの施工方法であって、
    前記ベースに固定される平板部と当該平板部から起立して前記ALCパネルの前記長辺小口に固定される起立板部とを有するL字型の取付金具を介して前記ALCパネルの前記長辺小口の一端部を前記ベースに固定するパネル小口固定工程を備え、
    前記パネル小口固定工程は、
    前記取付金具の前記起立板部を前記ALCパネルの前記長辺小口の前記一端部にビス止めする起立板部ビス止め処理と、
    前記起立板部ビス止め処理の後、鋲打ち機を用いて前記取付金具の前記平板部を前記ベースに鋲で止め付ける鋲打ち処理と、を有し、
    前記ALCパネルは、
    平板状に形成されたパネル本体と、前記パネル本体に埋設され前記パネル本体の厚み方向に配列された2枚の網状補強部材と、を備え、
    前記起立板部ビス止め処理では、
    2枚の前記網状補強部材同士の間にビス止め用のビスが挿入されるALCパネルの施工方法。
  8. 前記長辺小口の下端部を前記ベースの下部に固定するパネル下部固定工程と、
    前記長辺小口の上端部を前記ベースの上部に固定するパネル上部固定工程と、を備え、
    前記パネル下部固定工程と前記パネル上部固定工程と、はそれぞれ前記パネル小口固定工程を含む請求項7に記載のALCパネルの施工方法。
  9. 前記起立板部ビス止め処理では、
    前記取付金具の前記起立板部に予め設けられたビス孔と、前記ビス孔よりも小さい径の首を持つビスと、を用いてビス止めが行われる請求項7又は8に記載のALCパネルの施工方法。
  10. 前記鋲打ち処理では、
    前記鋲が前記平板部を打ち抜いて前記ベースに打ち込まれる請求項7〜9の何れか一項に記載のALCパネルの施工方法。
  11. 搬送用車両の荷台に複数の請求項1〜6の何れか一項に記載のALCパネルを積載するための積載方法であって、
    前記荷台上に配置される複数の枕木の上に複数の前記ALCパネルを積み重ね、複数の前記ALCパネルに線状体を巻き付けて固定するALCパネルの積載方法。
  12. 一列に積み上げられた前記複数のALCパネルによって一のパネル積層体が形成され、
    前記枕木の上には、一または複数の前記パネル積層体が載置されており、
    一の前記パネル積層体ごとに前記線状体を巻き付けて固定する請求項11に記載のALCパネルの積載方法。
  13. 前記ALCパネルは矩形であり、
    一の前記パネル積層体は、一対の枕木の上に配置されており、
    前記ALCパネルの長手方向における長さをMとした場合に、前記ALCパネルの長手方向における両端部からM/5となるそれぞれの位置に前記一対の枕木が配置されている請求項12に記載のALCパネルの積載方法。
  14. 前記枕木は筒状であり、
    前記線状体は、前記枕木の内部を通されて前記複数のALCパネルに巻き付けられている請求項12又は13に記載のALCパネルの積載方法。
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