JPWO2014065195A1 - 縫製用枠の枠辺規制装置 - Google Patents

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勝治 吉川
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Abstract

規制部材(11)は、ミシンにおいてX及びY方向に移動可能に配設される縫製用枠(7)の下方かつミシンテーブル(2)の上方に配置され、縫製用枠(7)とともにY方向に移動するが、該縫製用枠(7)のX方向の動きには追従しないように、前記縫製用枠(7)に連結され、かつ、X方向に沿って延びた前記縫製用枠(7)の二辺のY方向の間隔を所定間隔に保持するように該縫製用枠(7)の二辺(7a,7b)に係合する。案内部材(10)は、ミシンテーブル(2)の上面に設けられ、前記規制部材(11)をY方向に摺動可能に案内する。例えば、案内部材(10)は、ミシンテーブル(2)の上面において溝状凹部を形成し、前記規制部材(11)は、前記溝状凹部内に入り込み、溝に沿って摺動可能となっている。

Description

本発明は、ミシンにおいて被縫製物を保持する縫製用枠の変形を防止するための縫製用枠の枠辺規制装置に関する。
従来から知られる刺繍ミシンには、被刺繍布を保持するための矩形状の刺繍枠が、ミシンテーブル上にX方向及びY方向に移動可能に配設され、X方向駆動機構及びY方向駆動機構の作動によってX方向及びY方向に駆動されるものがある。このような刺繍ミシンにおいては、矩形状の刺繍枠の前端部(Y方向前側の横辺)と後端部(Y方向後側の横辺)が刺繍の進行に伴って被刺繍布に引張られて変形することを防止するために、両者の間隔を規制する規制部材を備えたものがある。
特開平05-163660号公報(以下、特許文献1という)には、この種の刺繍ミシンの一例が開示されている。この刺繍ミシンでは、ミシンテーブルの下面にそれぞれ複数のX方向駆動機構及びY方向駆動機構が配設してある。X方向駆動機構は駆動モータの駆動によりX方向に往復駆動されるX移動子(特許文献1では固定プレートと記載)を有しており、Y方向駆動機構は駆動モータの駆動によりY方向に往復駆動されるY移動子を有している。X方向駆動機構のX移動子にはミシンテーブル上に配設されたX側基体が固定してあり、Y方向駆動機構のY移動子にはミシンテーブル上に配設されたY側基体が固定してある。X側基体には刺繍枠の右側部(X方向右側の縦辺)がX方向にはX側基体と一体的に駆動され、Y方向には相対的に駆動されるように連結してある。Y側基体には刺繍枠の後端部(Y方向後側の横辺)がY方向にはY側基体と一体的に駆動され、X方向には相対的に駆動されるように連結してある。これにより、X方向駆動機構及びY方向駆動機構の作動によって刺繍枠がX方向及びY方向に駆動されるようになっている。
そして、中央のY方向駆動機構の前方には支持機構が設けてあり、支持機構はガイドレールと、これに沿ってY方向に移動可能な移動プレートとを有している。なお、下記特許文献1には記載されていないが、支持機構はガイドレールを固定する支持ベースを有している。移動プレートは4つのコロを備えており、このコロがガイドレールに沿って回転しながら移動することによって移動プレートが移動する。移動プレートの上面には1つのローラが回転自在に設けてある。このローラは、支持機構の上方に固定されたテーブル蓋の開口を通じてミシンテーブルの上面に突出している。このローラによって、移動プレートは刺繍枠の前端部にY方向には一体的に、X方向には相対的に駆動するように連結してある。移動プレートは連結プレートによってY移動子と連結してあり、Y移動子とともに移動プレートがY方向に往復駆動されるようになっている。この連結プレートによってY移動子と移動プレートの間隔が規制されることにより、Y側基体に連結されている刺繍枠の後端部と刺繍枠の前端部の間隔が規制されて刺繍枠の変形が防止される。
一方、特開2007-61213号公報(以下、特許文献2という)には、別の形態の刺繍ミシンの一例が開示されている。この刺繍ミシンでは、ミシンテーブル上にX方向に長尺な基体がY方向に移動可能に配設され、基体は左右両端においてミシンテーブルの下面に配設されたY方向駆動機構に連結してある。この基体には、X方向に稼動可能な連結体が取り付けられており、連結体は、基体に設けられたX方向駆動機構により基体に対して相対的にX方向に駆動され、また、基体のY方向の移動と一体的にY方向に駆動される。刺繍枠は、その後端部(Y方向後側の横辺)において連結体に連結され、ミシンテーブルの上面に沿って略平行に延びるようミシン本体に対して片持ち状に取り付けられている。これにより、刺繍枠は連結体のX方向及びY方向の移動と一体的にX、Y両方向に移動される。
そして、刺繍枠の前端部と後端部の間には、両者の間隔を規制する規制部材である枠補助具が設けてある。この枠補助具は、ヒンジ部材にて折り曲げ可能に構成され、ヒンジ部材を真直ぐ伸ばすことにより刺繍枠に取り付けられ、また、折り曲げることにより刺繍枠から取り外せる。この枠補助具により、刺繍枠の前端部と後端部の間隔が規制されることとなり、刺繍枠の変形が防止される。
上記特許文献1の刺繍ミシンでは、Y方向駆動機構の前方に支持機構を設け、支持機構の移動プレートとY方向駆動機構のY移動子とを連結プレートにて連結してある。この連結プレートにて移動プレートとY移動子との間隔を規制することによって、刺繍枠の前端部と後端部の間隔が規制されることとなる。この構成であれば刺繍枠の変形が確実に防止される。しかしながら、支持機構は支持ベースとガイドレールと4つのコロを有する移動プレートとを有しており、支持機構の上方にはテーブル蓋が固定してある。このため、構造が複雑で部品点数も多く、コストがかかるとともに組付け作業に時間がかかる。
一方、上記特許文献2の枠補助具は、構成が簡易でコストも抑えられる。しかしながら、枠補助具は被刺繍布を交換するたびに脱着しなければならず、手間のかかるものである。また、枠補助具は刺繍枠と共にX方向にも移動するため、刺繍可能範囲全域への刺繍を行うときには、枠補助具が縫い針の邪魔にならないように、或る位置まで刺繍を行った後に枠補助具の取り付け位置を別の位置に切り換えて、残りの刺繍を行わなければならず、煩雑で手間のかかるものである。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、被縫製布を保持するための縫製用枠の変形を防止するための構成を簡素化し、かつ、被刺繍布の交換の際に手間を要することがないようにし、また、煩雑な切り換え作業も不要にすることを目的とする。
本発明は、ミシンにおいてX及びY方向に移動可能に配設される縫製用枠(7)の変形を防止するための縫製用枠の枠辺規制装置であって、前記縫製用枠(7)の下方かつミシンテーブル(2)の上方に配置される規制部材(11)であって、前記縫製用枠(7)とともにY方向に移動するが、該縫製用枠(7)のX方向の動きには追従しないように、前記縫製用枠(7)に連結され、かつ、X方向に沿って延びた前記縫製用枠(7)の二辺のY方向の間隔を所定間隔に保持するように該縫製用枠(7)の二辺に係合する前記規制部材(11)と、前記ミシンテーブル(2)の上面に設けられた案内部材(10)であって、前記規制部材(11)をY方向に摺動可能に案内する前記案内部材(10)とを備える。なお、括弧内に示した符号は、後述する実施例における図面参照番号を示し、理解を容易にするための単なる参考として示すものである。
本発明によれば、規制部材(11)は、縫製用枠(7)の下方かつミシンテーブル(2)の上方に配置され、縫製用枠(7)とともにY方向に移動するが、該縫製用枠(7)のX方向の動きには追従しないように、該縫製用枠(7)に連結され、かつ、X方向に沿って延びた縫製用枠(7)の二辺のY方向の間隔を所定間隔に保持するように該縫製用枠(7)の二辺に係合する構成からなっている。これにより、縫製用枠のY方向の変形が防止される。また、縫製用枠の下方に設けられた規制部材を、ミシンテーブルの上面において案内部材(10)を介して案内する構成であるため、構造が簡易であり、部品点数も少なくなり、製造コストならびに組立て時間を抑えることができる。また、この構成であれば、縫製用枠に取り付ける被縫製布を交換するたびに規制部材を脱着する必要がなく、被刺繍布の交換の際に手間を要することがない。また、規制部材はX方向には移動しないため、刺繍可能範囲全域への刺繍を行うとき、規制部材の配置を切り換える作業を行う必要もない。
一例として、前記規制部材(11)は、剛性を持つ長手状の部材で構成され、かつ、該長手状の部材上において、前記縫製用枠(7)の前記二辺の各辺に対応する位置にそれぞれ設けられた規制要素(13,16)を含み、前記規制要素(13,16)は、X方向に相対的に移動可能に前記縫製用枠(7)の前記二辺の各辺に係合する。
一例として、前記案内部材(10)は、前記規制部材(11)のX方向の動きを規制する部位を有する。一例として、前記案内部材(10)は、前記ミシンテーブル(2)の上面において溝状凹部を形成し、前記規制部材(11)は、前記溝状凹部内に入り込み、溝に沿って摺動可能である。
本発明の一実施例を適用した刺繍ミシンの平面図。
基体及びそこに取り付けられた刺繍枠(縫製用枠)の概略側断面図。
本発明の一実施例に係る枠辺規制装置の正面図。
同実施例に係る枠辺規制装置の平面図。
以下、添付図面を参照して本発明の一実施例を詳細に説明する。以下説明する実施例では、本発明を適用することができるミシンの一例として、刺繍枠に保持された被刺繍布に対して刺繍を行うための刺繍ミシンについて説明する。しかし本発明は、刺繍ミシンに限らず、被縫製布を保持するための縫製用枠をX及びY方向に移動可能に配設する構成を持つ縫製用ミシンにおいて適用可能である。
図1には、専用の枠に切り換えることによって、シート状の原反生地や、トレーナーやTシャツ等の袋物や、帽子への刺繍が可能な所謂シリンダータイプと呼ばれる刺繍ミシンの平面図が示してある。1はミシンフレーム、2は昇降可能な前テーブル2aを有するミシンテーブル、3はミシンヘッド、4は周知の釜を備えたシリンダベッド、5は針板である。6はミシンテーブル2上に設けられたX方向に長尺な基体で、両端をミシンテーブル2の下方に設けられた図示しないY方向駆動機構に連結してある。すなわち、基体6は、Y方向駆動機構によってY方向に駆動されるY移動子である。基体6には、シート状の原反生地(被刺繍布)を保持するための矩形状の刺繍枠(縫製用枠)7が、後述する連結体8を介して、着脱可能に取り付けられる。なお、刺繍枠(縫製用枠)7を取り付ける場合、前テーブル2aはミシンテーブル2の固定的な部分と同じ高さに設定される。
図2には基体6及び刺繍枠7の概略側断面図が示してある。基体6には図示しないX方向駆動機構が設けてあり、X方向駆動機構には基体6に対してX方向に摺動自在に設けられた連結体8が連結してある。これにより、連結体8は、基体6に対してY方向には一体的に移動し、X方向には相対的に移動される。この連結体8に刺繍枠7のY方向後側の横辺7bが着脱可能に固定してあり、刺繍枠7は連結体8とともにX/Y方向に駆動されることとなる。すなわち、Y方向駆動機構によるY方向の動きが基体6及び連結体8を介して刺繍枠(縫製用枠)7に伝達され、X方向駆動機構によるX方向の動きが連結体8を介して刺繍枠(縫製用枠)7に伝達される。なお、X方向とは、ミシンの横方向(前から見て左右方向)を指し、Y方向とは、ミシンの前後方向を指す。
次に本発明の一実施例に係る縫製用枠の枠辺規制装置について説明する。この実施例において、縫製用枠の枠辺規制装置は、図1に示すように、刺繍枠(縫製用枠)7の2箇所に設けられた規制部材11と、これに対応してミシンテーブル2の上面の2箇所に設けられた案内部材10とで構成される。図3は、1つの規制部材11及び案内部材10に関連する枠辺規制装置の正面図を示す。図4は、同1つの規制部材11及び案内部材10に関連する枠辺規制装置の平面図を示す。2つの規制部材11及びそれに関連する案内部材10の構成は同一であるため、以下、1つの規制部材11及びそれに関連する案内部材10について詳しく説明する。なお、本発明の縫製用枠の枠辺規制装置は、1つの規制部材11及びそれに関連する案内部材10のみからなっていてもよいし、あるいは、3以上の規制部材11及びそれに関連する案内部材10からなっていてもよい。
図3及び図4に示すように、規制部材11は、Y方向に延びた剛性を持つ長手状の部材で構成されており、刺繍枠(縫製用枠)7の下側に配置されており、かつミシンテーブル2の上方に位置する。図2及び図4に示すように、規制部材11は、取付ネジ15、15によって基体6に固定され、基体6とともに(ひいては刺繍枠7とともに)Y方向に移動するようになっている。規制部材11は、該長手状の部材上において、X方向に沿って延びた刺繍枠(縫製用枠)7の二辺(前側の横辺7aと後側の横辺7b)の各辺に対応する位置にそれぞれ設けられた規制要素(位置決めカラー13とローラ16)を含んでおり、該規制要素(位置決めカラー13とローラ16)は、後述するように、X方向に相対的に移動可能に刺繍枠(縫製用枠)7の前記二辺の各辺7a,7bに係合するようになっている。これらの規制要素(位置決めカラー13とローラ16)によって、X方向に沿って延びた刺繍枠(縫製用枠)7の二辺(前側の横辺7aと後側の横辺7b)のY方向の間隔を所定間隔に保持することができる。
ミシンテーブル2の上面の所定箇所(2箇所)には、前テーブル2aを含むY方向の全長に渡って溝状の凹部9が形成してあり、該溝状の凹部9には断面逆ハの字状の溝状凹部を形成するように案内部材10が設けられている。なお、案内部材10は前テーブル2aが昇降可能なように、前テーブル2aの後端部分で分割してある。案内部材10の溝状凹部内には、前記規制部材11がY方向への摺動自在に載置される。規制部材11は、案内部材10の凹部の逆ハの字状に対応した逆台形状に形成されており、案内部材10に載置されることによって、該案内部材10の溝状凹部の両側壁により、その左右位置(規制部材11のX方向の動き)が規制されることとなる。規制部材11の案内部材10の溝状凹部と対向する面には、規制部材11がスムーズに摺動するように複数のすべり助長テープ12が貼付してある。但し、すべり助長テープ12は必ずしも必要ではない。
規制部材11の後方部には、2つの位置決めカラー13が固定してあり、位置決めカラー13の側周面には係合溝13aが形成してある。基体6の前端部には、位置決めカラー13の係合溝13a部が嵌まり込むU字溝14が形成してある。規制部材11は、位置決めカラー13の係合溝13aをU字溝14に係合した状態で、その後端部を2つの取付ネジ15、15によって基体6の後端部に固定してある。これにより、規制部材11は基体6とともにY方向に移動することとなる。規制部材11の前端部には、3つのローラ16が立設してあり、この3つのローラ16によって、規制部材11は刺繍枠7のY方向前側の横辺7aとY方向には一体的に、X方向には相対的に移動するように連結してある。
このように位置決めカラー13及びローラ16(規制要素)を設けた規制部材11により、基体6と刺繍枠7の前側の横辺7aとが、言い換えれば、基体6に設けられた連結体8に固定された刺繍枠7の後側の横辺7bと刺繍枠7の前側の横辺7aとの間隔が所定間隔に規制されることとなり、刺繍枠7の変形が防止される。
なお、本刺繍ミシンにおいて、袋物や帽子への刺繍を行うときには専用の枠に切り換えることとなる。このとき、刺繍枠7とともに規制部材11も取り外すようになっている。初めに刺繍枠7の後側の横辺7bを連結体8から取り外すとともに、刺繍枠7の前側の横辺7aを持ち上げて規制部材11の前端部の3つのローラ16との連結を解除し、刺繍枠7を連結体8から取り外す。次に、規制部材11の後端部の2つの取付ネジ15、15を取り外し、規制部材11を手前に移動して2つの位置決めカラー13、13をU字溝14から外して、規制部材11を案内部材10から取り外す。そして、前テーブル2aを下降させた後に、袋物または帽子の専用枠を連結体8及び基体6に取り付ける。なお、刺繍枠7を取り付けるときには、上記の逆の手順で行う。このように、本発明の構成によれば、規制部材11の脱着が容易に行える。
以上のように、本実施例によれば、刺繍枠(縫製用枠)7の下側に配設した規制部材11によって、X方向に沿って延びた刺繍枠(縫製用枠)7の二辺(前側の横辺7aと後側の横辺7b)のY方向の間隔が規制されることになり、該間隔を所定間隔に保持することで、刺繍枠(縫製用枠)7の変形を防止し、これに伴い、被縫製布に縫われる刺繍模様に歪みが出ないようにすることができる。
そして、この規制部材11はミシンテーブル2の上側に配置される構成となっている。このため、枠辺規制装置の構造が簡易となり、かつ、部品点数も少なくなり、製造コストならびに組立て時間を抑えることができることとなる。
また、規制部材11は刺繍枠7の下方に配設してあるため、被縫製布を交換するたびに規制部材11を脱着する必要がなく、縫製可能範囲全域への縫製を行うときに規制部材11の配置を切り換える必要もないので、切り換える手間がかからない。
なお、本実施例において、案内部材10の溝状凹部を断面逆ハの字状、規制部材11を逆台形状としたが、これに限らず、案内部材10の溝状凹部を断面コ字状として規制部材11をその幅に応じた断面矩形状としてもよい。あるいは、案内部材10の案内構造は、溝状凹部に限らず、レール状の凸部であってもよく、その場合は、規制部材11の下面に溝状凹部を形成し、該レール状の凸部によって案内されるようにする。あるいは、案内部材10が形成する溝状凹部を、テーブル2の上面で突出するように形成するようにしてもよい。つまり、テーブル2の上面上に2列の側壁凸部を形成し、両側壁凸部の間に規制部材11を載置して案内するようにしてもよい。その場合、レール状の凸部あるいは2列の側壁凸部は、必ずしも連続している必要はなく、適宜断続的に設けられていてもよい。要するに、案内部材10に対して規制部材11がY方向には摺動可能で、左右(X方向)位置が規制される形状(規制部材11のX方向の動きを規制する部位)を有していればよい。但し、刺繍枠7のY方向の長さ、言い換えれば規制部材11の全長によっては、必ずしも規制部材11の左右位置が規制されなくても良い。従って、案内部材10として、格別の凹部あるいは凸部を設けることなく、単に、ミシンテーブル2の上面で規制部材11をY方向に円滑にスライドしうるに載置する構成をもって案内部材10としてもよい。
また、本発明をミシンテーブルの下面にそれぞれ複数のX方向駆動機構及びY方向駆動機構が配設された刺繍ミシンに適用してもよい。この種の刺繍ミシンとしては、従来の技術で説明した特許文献1のようにミシンテーブル上にX側基体とY側基体を備えたものや、どちらか一方の基体のみを備えたものや、X/Y方向駆動機構に直接刺繍枠を連結したものがある。なお、この場合はY方向駆動機構に対して左右にずらした位置に枠辺規制装置を設けるようにする。
本発明は、縫製用枠と、該縫製用枠がX及びY方向に移動可能なように、該縫製用枠に結合する移動体と、該移動体をX及びY方向に駆動する駆動機構とを備えたミシンにおいて、前記縫製用枠(7)の変形を防止するための縫製用枠の枠辺規制装置であって、前記縫製用枠(7)の下方かつミシンテーブル(2)の上方に配置される規制部材(11)であって、前記縫製用枠(7)とともにY方向に移動するが、該縫製用枠(7)のX方向の動きには追従しないように、前記縫製用枠(7)に連結され、かつ、X方向に沿って延びた前記縫製用枠(7)の二辺のY方向の間隔を所定間隔に保持するように該縫製用枠(7)の二辺に係合する前記規制部材(11)と、前記ミシンテーブル(2)の上面に設けられた案内部材(10)であって、前記規制部材(11)をY方向に摺動可能に案内する前記案内部材(10)とを備える。なお、括弧内に示した符号は、後述する実施例における図面参照番号を示し、理解を容易にするための単なる参考として示すものである。

Claims (4)

  1. ミシンにおいてX及びY方向に移動可能に配設される縫製用枠の変形を防止するための縫製用枠の枠辺規制装置であって、
    前記縫製用枠の下方かつミシンテーブル(2)の上方に配置される規制部材であって、前記縫製用枠とともにY方向に移動するが、該縫製用枠のX方向の動きには追従しないように、前記縫製用枠に連結され、かつ、X方向に沿って延びた前記縫製用枠の二辺のY方向の間隔を所定間隔に保持するように該縫製用枠の二辺に係合する前記規制部材と、
    前記ミシンテーブルの上面に設けられた案内部材であって、前記規制部材をY方向に摺動可能に案内する前記案内部材と
    を備える縫製用枠の枠辺規制装置。
  2. 前記規制部材は、剛性を持つ長手状の部材で構成され、かつ、該長手状の部材上において、前記縫製用枠の前記二辺の各辺に対応する位置にそれぞれ設けられた規制要素を含み、前記規制要素は、X方向に相対的に移動可能に前記縫製用枠の前記二辺の各辺に係合する、請求項1の縫製用枠の枠辺規制装置。
  3. 前記案内部材は、前記規制部材のX方向の動きを規制する部位を有する、請求項1又は2の縫製用枠の枠辺規制装置。
  4. 前記案内部材は、前記ミシンテーブルの上面において溝状凹部を形成し、前記規制部材は、前記溝状凹部内に入り込み、溝に沿って摺動可能である、請求項1又は2の縫製用枠の枠辺規制装置。
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