JPWO2014049698A1 - 流動体の物性測定方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】非ニュートン流体の物性解析に有効な方法及びそのための装置を提供する。【解決手段】流動体の粘弾性を測定する装置において、ずり速度の値を段階的に変化させ、かつ一定時間そのずり速度を維持して、各段階のずり速度で得られるずり応力を計測し、ずり速度、ずり応力の連続した経時変化を記録することを特徴とする流動体の物性測定方法を行うことにより、ずり速度のステップ変化に対する粘度値の経時変化と、各ステップでの経時応答とを簡易に測定できる。【選択図】図6
Description
本発明は、液体試料の物性を評価するための測定方法及び装置に関する。
流動体試料の物性、特に液体の粘度を測定する粘弾性測定装置として、従来から毛細管式、落体式、回転式、振動式等の装置が利用されている。液体の粘度を測定するには、ずり速度、時間、温度等の複数のパラメータが重要となることが明らかとなっており、特に、ずり速度とずり応力との間に比例法則が成り立たない非ニュートン流体は、ずり速度を変化させるとともに、複数の定量値による組み合わせ解析を如何に簡便に行えるかが課題となっており、その解決手段が要望されていた。
これに対し、特許文献1では、音叉式レオメータ(音叉振動式となる流動体の粘弾性測定装置)において、振幅値を50、100、150[mV]等と変えて複数回試験を行い、各ずり速度に対する各粘度を測定して試料の物性を把握する方法が開示されている。特許文献2では、回転式粘度計において、ローターの回転数を6、12、30、60[rpm]と切り替え、各ずり速度に対応する粘度値を表で示したものから試料の物性を把握する方法が開示されている。
しかし、特許文献1のような音叉式レオメータは、振幅値を一定とした条件下で振幅応答を求めて粘度を測定する方法であるため、ずり速度−粘度グラフを得るには、各振幅値で試験を行わなければならず、作業が複雑面倒であり、ずり速度変化に対する粘度値の変化を即座に把握し難い上に、経時的な物性変化は把握することができない。
また、特許文献2のような回転式粘度計では、その測定原理上、ロータの回転により強いストレスが加わって、試料の発熱、構造破壊が避けられず、安定した粘度値の測定が難しい。また、一定のずり速度下でも刻々と上記条件変化の影響が表れてしまい、物性変化の把握には不十分である。
本発明は、従来技術の問題を解決するとともに、新規な測定方法を提示し、非ニュートン流体の物性解析に有効な方法及びそのための装置を提供するものである。
前記目的を達成するために、請求項1においては、流動体の粘弾性を測定する装置において、ずり速度の値を段階的に変化させ、かつ一定時間そのずり速度を維持して、各段階のずり速度で得られるずり応力を計測し、ずり速度、ずり応力の連続した経時変化を記録することを特徴とする流動体の物性測定方法を提案する。
請求項2においては、請求項1に記載の物性測定方法において、ずり応力の連続的経時変化は、ずり速度の段階的上昇及び/又は段階的下降とで計測されることを特徴とする。
請求項3においては、請求項2に記載の物性測定方法において、そのずり速度の維持時間及びずり速度の各値を任意に設定可能であることを特徴とする。
請求項4においては、請求項1に記載の物性測定方法で得られた、段階的に変化させたずり速度と、ずり速度の変化により得られたずり応力及びずり応力から求められる粘度の各値を、それぞれ横軸を時間、縦軸をずり応力、ずり速度、又は粘度の少なくとも一とした経時変化グラフとして表示する手段を備えた、流動体の粘弾性測定装置を提供する。
請求項5においては、請求項1に記載の物性測定方法で得られた、段階的に変化させたずり速度と、ずり速度の変化により得られたずり応力及びずり応力から求められる粘度の各値を、横軸をずり速度、縦軸をずり応力又は粘度の少なくとも一とした定量値変化グラフとして表示する手段を備えた、流動体の粘弾性測定装置を提供する。
請求項6においては、請求項1に記載の物性測定方法で得られた粘度値から、測定開始時の初期粘度値を100%とした経時的な粘度の変化率を求め、粘度変化率グラフとして表示する手段を備えた、流動体の粘弾性測定装置を提供する。
請求項7においては、請求項4〜6に記載の手段を備えた音叉式レオメータを提供する。
請求項8においては、請求項4〜6に記載の手段と、試料中に浸漬される振動子と、前記振動子を電磁振動させる電磁駆動部と、前記振動子の振動を検出する変位センサと、前記変位センサからの信号と設定された振幅値とを比較する比較器と、前記振動子の振幅が設定振幅値となるように駆動電流が流される電磁コイルと、前記駆動電流から前記試料の粘度を算出する演算処理部と、を備え、前記演算処理部と前記比較器との間にはPWM変調回路が接続され、前記設定振幅値をパルス幅変調制御することにより振幅値を任意に変更可能にし、前記振動子の振幅を変化させる振幅変更手段と、を備えることを特徴とする音叉式レオメータを提供する。
請求項9においては、請求項8に記載の音叉式レオメータにおいて、前記ずり応力に代えて、ずり応力に相当する電流値をグラフ表示することを特徴とする。
本願発明によれば、ずり速度の値を段階的に変化させ、かつ一定時間そのずり速度を維持し、各段階のずり速度で得られるずり応力を計測し、ずり速度、ずり応力の連続した経時変化を記録する測定方法、即ち、ずり速度のステップ変化に対する応力又は粘度の変化と各ステップでの応力又は粘度の経時応答とが記録できるという新規な測定方法により、試料の物性及び物性変化を効率良く測定することが可能となる。
具体的には、この物性測定方法で得られる経時変化グラフ、即ち、段階的に変化させたずり速度と、ずり速度の変化により得られたずり応力,粘度の各値を、それぞれ横軸を時間軸、縦軸をずり応力、ずり速度又は粘度とした経時変化グラフを見れば、左右の非対称性(ずり速度上昇過程と下降過程とのずれ)から、この液体がニュートン流体か非ニュートン流体かが一目で把握できる。これをさらに、ずり速度−ずり応力等の定量値変化グラフとすれば、試料がチクソトロピー流体、ビンガム流体、非ビンガム流体、ダイラタント流体であるのかが一目で把握できる。
そして、経時変化グラフの横軸レンジは、それぞれのずり速度一定下におけるずり応力,粘度の連続的経時変化を示しており、上昇及び下降過程それぞれにヒステリシスが生じていること等が見て取れるので、非ニュートン流体の経時的な構造変化(分散性、凝集性)が詳細に把握できるようになる。
この経時変化グラフをさらに、経時でのずり速度の違いによる粘度変化率を解析した粘度変化率グラフとすれば、どのずり速度が試料に大きく影響を与えているかをより詳細に解析することができる。
即ち、上記の新規な測定方法によって、従来になかった表示が可能となり、今までに顕在化することのなかった試料の物性を、簡易に効率よく測定,解析することが可能となる。
また、音叉式レオメータにおいて、演算処理部と比較器との間にPWM変調回路を接続し、比較器に入力される振幅値を演算処理部からの指令によりパルス幅変調することで、従来は常時一定であった振幅値が任意に変更できる。これにより、測定中に振動子の振幅が変更されるので、測定中にずり速度が変化する動的な粘度測定が行える。
次に、本発明の好適な実施の形態について説明する。
流動体(液体)の物性測定には、従来から毛細管式、落体式、回転式、振動式等の粘弾性測定装置が利用されているが、本発明の測定方法は、端的には、ずり速度のステップ変化に対する粘度値の経時変化と、各ステップでの経時応答とが見られる点が特徴である。
回転式粘度計には、ずり速度のステップ変化を与えると言う概念が存在しない。それは測定時に、必然的に生じる発熱,構造破壊による影響が刻々と現れ、粘度値が変化するため実測ができない事になるからである。
一方、音叉式レオメータ(音叉振動式となる流動体の粘弾性測定装置)は、2つの振動子を音叉同様に共振させ、磁気回路と電磁コイルの組み合わせにより発生する電磁力により一対の振動子を駆動し、その際の駆動電流と試料粘度に相関関係があることを利用しているため、試料に加わる負荷はごく微小であり、測定開始後に試料の温度上昇や構造破壊が生じることはほぼなく、試料物性に変化を与えない状態での時間をパラメータとした連続測定が可能である。しかし、上述のように、従来の音叉式レオメータにあっては、振幅値を一定とした条件下で振幅応答を求めて粘度を測定するものであるため、試験中において、予め設定された振幅値(基準振幅値)の変更、即ちずり速度を変更することができず、本発明の測定方法を行うことができない。よって、本発明の測定方法を実施する好適な形態として、以下の音叉式レオメータを採用する。以下、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は音叉式レオメータの概略図であり、装置本体のうちの駆動機構部の構成図である。粘度計本体及び駆動機構部の構成は、特許文献1(特開平5−149861)の構成と実質的に変わらないものであるため、同一の符号を用いてその説明を割愛する。
駆動機構部10中、1a,1bは振動子である感応板、2a,2bは先端に感応板1a,1bを有する一対の板バネ、3は温度センサ、4は電磁コイル,5はフェライト磁石であり(図示せず)、電磁コイル4とフェライト磁石5とからなるムービングマグネット方式の電磁駆動部9により板バネ2a,2b先端に設けられた感応板1a,1bが設定された振幅値で振動するように構成されている。6は感応板1a,1bの振幅値を測定する渦電流損検出非接触型の変位センサ、7は液体試料が充填される容器、8は板バネ2a,2bが固定される中央支持部材であり、感応板1a,1bが容器7内の液体試料中に一定の深さでもって浸かるように構成されている。
次に、図2は本発明に係る音叉式レオメータの制御駆動系のブロック図である。
14は比較器、15は制御器、16はI/V変換器、17はA/D変換器、18は演算処理部である。そして、測定試料中に浸けられた感応板1a,1bが設定された振幅値でもって振動するように演算処理部18から駆動信号が出され、正弦波生成回路13を介して生成された駆動電流が電磁駆動部9の電磁コイル4に通電されて板バネ2a,2bに印加される。これにより、感応板1a,1bが逆位相で振動し、共振状態を形成する。この感応板1a,1bの振幅値が変位センサ6により検出され、検出された振幅値の信号が入力された比較器14で設定振幅値と比較され、設定振幅値より小さい場合にはその程度によりさらなる駆動電流が印加されるように制御器15から信号が出力され、感応板1a,1bが設定振幅値で振動するようになるまでフィードバック制御が行われる。感応板1a,1bが設定振幅値で振動するようになると、その時に電磁コイル4に通電された電流値が検出される。この検出された電流値(を電圧換算した値)がずり速度に相当する。そして、この検出電流値がI/V変換器16及びA/D変換器17を介して演算処理部18に入力され、試料の粘度が算出されるようになる。粘度の算出過程については、特許文献1(特開平5−149861)に詳述されている。また、温度センサ3の入力信号は、温度用A/D変換器19を介して、演算処理部18に入力される。
ここで、本発明の音叉式レオメータでは、演算処理部18と比較器14との間に、PWM変調回路12が接続されている点に特徴がある。即ち、比較器14に入力される振幅値を演算処理部18からの指令によりパルス幅変調することで、設定振幅値を任意に変更し、これにより、測定中に振幅値が変更されて感応板1a,1bの振幅を変化させることが可能になる。以上により、振幅,即ちずり速度を可変とした粘度の連続測定が行える。
演算処理部18には、メモリ21,表示部22,キースイッチ部23(いずれも図示せず)等が接続されており、ユーザは、係るキースイッチ部23から、測定時間の入力、ステップさせる振幅値の決定又は振幅の下限値及び上限値の入力及び振幅の時間割の変化量の決定、測定中に振幅を段階的上昇させるか,段階的下降させるか又は段階的上昇と下降の往復をさせるかのいずれのモードとするかの選択、などの設定を行う。即ち、各ずり速度の維持時間及びずり速度の各値は任意に設定可能である。
なお、本発明の音叉式レオメータは、振幅値を変更しても、その振幅はピークTOピークで1.2mm以下であるため、試料に加わる負荷はごく微小であり、測定開始後に試料が温度上昇することはほぼなく、試料物性に変化を与えない状態での時間連続測定が可能である。
なお、PWM変調回路12、A/D変換器17,19等の機能ブロックは、演算処理部18を構成するマイコンに含まれていてもよい。
そして、前述の振幅値の変化は、検出された電流値(を電圧換算した値)或いは算出された粘度値の変化と時間対応されてメモリ21に記録されるとともに、表示部22又は粘度計本体に外部接続されたパーソナルコンピュータ、パネルコンピュータ、専用解析ユニット等の表示部等に数値表示されるとともに、ユーザの要求により後述の種々のグラフ形態によって視覚的に確認することもできる。なお、グラフの縦軸,横軸のレンジ,単位等は、ユーザが任意に変更可能であり、各値の変化の過程は、リアルタイムで表示することも可能である。なお、試料温度センサ3で測定された試料の温度データも同時に表示することができる。
図3〜図17は、ユーザの操作により、本発明の音叉式レオメータで得られる測定例である。いずれも、試料45mlを測定温度25℃一定条件下において、感応板1a,1bの振幅を、1分ずつ、0.07/0.10/0.20/0.4/0.6/0.8/1.0/1.2mmと約Δ0.2mm間隔で変化させ、振幅最小から最大、最大から最小まで段階的上昇と下降で1往復させて測定したものである。
図3〜図5は、JIS Z8809 に規定の粘度校正用標準液JS2000を測定したものである。図3は 本発明の粘度計でJS2000を測定したときの経時変化グラフであって、横軸は時間[h:mm:ss]、縦軸左は粘度[mPa・s]、縦軸右は感応板1a,1bの振幅[mm]である。図4は同粘度計でJS2000を測定したときの別の経時変化グラフであって、図3の縦軸右を駆動電流[mA]としたものである。図5は同粘度計でJS2000を測定したときの定量値変化グラフであって、横軸は感応板1a,1bの振幅[mm]、縦軸左は粘度[mPa・s]、縦軸右は駆動電流[mA]である。
JS2000は化学的に安定な物質で粘度の標準物質となり、20℃で2000(mm2/s)の動粘度と規定されているが、図3から、ずり速度(振幅)を変化させても粘度に変化が無いこと、図4から、ずり応力(電流値)が変化しても粘度に変化が無いこと、図5から、振幅(ずり速度)と粘度(シアストレス)に比例関係のあること、が示されており、優れたニュートン性を示していることが判る。
図6〜図10は、保湿クリームを測定したものである。図6は本発明の音叉式レオメータで保湿クリームを測定したときの経時変化グラフであって、横軸は時間[h:mm:ss]、縦軸左は粘度[mPa・s]、縦軸右は感応板1a,1bの振幅[mm]である。図7は同粘度計で保湿クリームを測定したときの別の経時変化グラフであって、図6の縦軸右を駆動電流[mA]としたものである。図8は同粘度計で保湿クリームを測定したときの定量値変化グラフであって、横軸は感応板1a,1bの振幅[mm]、縦軸左は粘度[mPa・s]、縦軸右は駆動電流[mA]である。図9は同粘度計で保湿クリームを測定したときの粘度変化率グラフであって、横軸は時間[h:mm:ss]、縦軸は0秒時の粘度値を100%とした粘度の変化率[%]である。
図6,7の経時変化グラフによれば、左右の非対称性(ずり速度上昇過程と下降過程とのずれ)から、試料が非ニュートン流体であることが概略分かる。これをさらに、図8の定量値変化グラフとすれば、振幅がある値よりも大きくなると粘度値が急激に下がる傾向から、ビンガム流体であることが判る。また、ずり速度を低下させても、粘度値が測定開始時の値に戻らないチクソトロピー性が確認される。
また、図7の経時変化グラフの横軸レンジは、それぞれの振幅(ずり断速度一定)におけるずり応力の経時変化を示しており、上昇及び下降過程それぞれにヒステリシスが生じていることが分かる。同様に、図8の経時変化グラフの横軸レンジは、それぞれの振幅(ずり断速度一定)における粘度の経時変化を示しており、各ずり速度が粘度変化に与える影響を概略把握することができる。これをさらに、図9の粘度変化率グラフとすれば、経時での振幅(ずり速度)の違いによる粘度変化率の解析が行える。具体的には、この保湿クリームでは、振幅0.1mmでは−2%、振幅0.6mmでは−11%、振幅1.2mmでは−6%と、振幅0.6mmの時に粘度変化率が大きくなっていることから、振幅0.6mmの時に分散性が高く、このずり速度による影響が大きいことが判る。なお、本実施例では初期粘度値に測定開始直後の値を使用しているが、測定が安定すると判断される一定時間経過後の値を初期粘度値に採用しても良い。
また、図10は同粘度計で保湿クリームを測定したときの別の定量値変化グラフであって、横軸は感応板1a,1bの振幅[mm]、縦軸は粘度[mPa・s]で、試料温度を変化させた時の保湿クリームの振動子振幅と粘度の関係をグラフ化したものである。図10によれば、粘度の温度依存性と、温度を変えても低いずり速度で粘度値の上昇する傾向は変わらないことが判る。
図11〜図13は、コーンスターチ水溶液(コーンスターチ62%+水38%)を測定したものである。図11は本発明の同粘度計でコーンスターチ水溶液を測定したときの経時変化グラフであって、横軸は時間[h:mm:ss]、縦軸左は粘度[mPa・s]、縦軸右は感応板1a,1bの振幅[mm]である。図12は同粘度計でコーンスターチ水溶液を測定したときの別の経時変化グラフであって、図11の縦軸右を駆動電流[mA]としたものである。図13は同粘度計でコーンスターチ水溶液を測定したときの定量値変化グラフであって、横軸は感応板1a,1bの振幅[mm]、縦軸左は粘度[mPa・s]、縦軸右は駆動電流[mA]である。
図11,12の経時変化グラフ によれば、左右の非対称性から、試料が非ニュートン流体であることが概略分かる。これをさらに、図13の定量値変化グラフとすれば、振幅の増加に伴い粘度が増加している傾向から、ダイラタント流体であることが判る。
また、図11,12の経時変化グラフから、上昇及び下降過程それぞれにヒステリシスが生じていることや、振幅が0.8mmにおいてそれまで100mPa・s以下の粘度値が急上昇して2000mPa・sとなっていることから、この振幅(ずり速度)のときに凝集性が高いことが判る。
図14〜図17は、ケチャップを測定したものである。図14は本発明の粘度計でトマトケチャップを測定したときの経時変化グラフであって、横軸は時間[h:mm:ss]、縦軸左は粘度[mPa・s]、縦軸右は感応板1a,1bの振幅[mm]である。図15は同粘度計でトマトケチャップを測定したときの別の経時変化グラフであって、図14の縦軸右を駆動電流[mA]としたものである。図16は同粘度計でトマトケチャップを測定したときの定量値変化グラフであって、横軸は感応板1a,1bの振幅[mm]、縦軸左は粘度[mPa・s]、縦軸右は駆動電流[mA]である。図17は同粘度計でトマトケチャップを測定したときの粘度変化率グラフであって、横軸は時間[h:mm:ss]、縦軸は0秒時の粘度値を100%とした粘度の変化率[%]である。
図14,15の経時変化グラフによれば、左右の非対称性から、非ニュートン流体であることが概略分かる。これをさらに、図16の定量値変化グラフとすれば、ずり速度の上昇に伴い、粘度が低下していくそのチクソトロピー性が詳細に確認される。
さらに図17の粘度変化率グラフとすれば、振幅0.4mmの時は、1分後に+1%と粘度増加しているが、振幅0.6mmでは−2%、振幅0.8mmでは−4%、振幅1.0mmでは−5%、振幅1.2mmでは−6%と、粘度の変化率がマイナスに大きくなっていることから、振幅増加に応じて分散性が増すことが判る。
以上により、本実施例によれば、ずり速度の値を段階的に変化させ、かつ一定時間そのずり速度を維持し、各段階のずり速度で得られるずり応力を計測し、ずり速度、ずり応力の連続した経時変化を記録する測定方法に基づく測定結果を上述の表示とすることにより、試料の物性及び物性変化を簡易に効率よく測定,解析することが可能である。
特に、経時変化グラフの横軸レンジは、それぞれのずり速度一定下におけるずり応力,粘度の連続的経時変化を示しているため、非ニュートン流体の経時的な構造変化(分散性、凝集性)が把握でき、さらに粘度変化率グラフを見れば、どのずり速度が試料に大きく影響を与えているかを詳細に解析することができる。
また、音叉式レオメータの演算処理部18と比較器14との間にPWM変調回路12を接続し、比較器14に入力される振幅値を演算処理部18からの指令によりパルス幅変調することで、測定中に振幅値が変更されて、感応板1a,1bの振幅値が変更されるので、測定中にずり速度が変化する動的な粘度測定が行える。
なお、本実施例では、2つの振動子を音叉同様に水平方向に共振させて測定する機構である音叉式レオメータを例に説明したが、本発明は、試料を入れた容器中に磁性体等からなる一の振動子を挿入し、この振動の変化を加速度センサで検知し、粘度値として表示する種々の振動式粘度計にも適用可能である。
1a,1b 感応板
4 電磁コイル
6 変位センサ
9 電磁駆動部
12 PWM変調回路
14 比較器、
18 演算処理部
4 電磁コイル
6 変位センサ
9 電磁駆動部
12 PWM変調回路
14 比較器、
18 演算処理部
Claims (9)
- 流動体の粘弾性を測定する装置において、
ずり速度の値を段階的に変化させ、かつ一定時間そのずり速度を維持して、
各段階のずり速度で得られるずり応力を計測し、
ずり速度、ずり応力の連続した経時変化を記録することを特徴とする流動体の物性測定方法。 - ずり応力の連続的経時変化は、ずり速度の段階的上昇及び/又は段階的下降とで計測されることを特徴とする請求項1に記載の流動体の物性測定方法。
- ずり速度の段階的変化は、そのずり速度の維持時間及びずり速度の各値を任意に設定可能であることを特徴とする請求項2に記載の流動体の物性測定方法。
- 請求項1に記載の物性測定方法で得られた、段階的に変化させたずり速度と、ずり速度の変化により得られたずり応力及びずり応力から求められる粘度の各値を、それぞれ横軸を時間、縦軸をずり応力、ずり速度、又は粘度の少なくとも一とした経時変化グラフとして表示する手段を備えた、流動体の粘弾性測定装置。
- 請求項1に記載の物性測定方法で得られた、段階的に変化させたずり速度と、ずり速度の変化により得られたずり応力及びずり応力から求められる粘度の各値を、横軸をずり速度、縦軸をずり応力又は粘度の少なくとも一とした定量値変化グラフとして表示する手段を備えた、流動体の粘弾性測定装置。
- 請求項1に記載の物性測定方法で得られた粘度値から、測定開始時の初期粘度値を100%とした経時的な粘度の変化率を求め、粘度変化率グラフとして表示する手段を備えた、流動体の粘弾性測定装置。
- 請求項4〜6に記載の手段を備えた、音叉式レオメータ。
- 請求項4〜6に記載の手段と、
試料中に浸漬される振動子と、
前記振動子を電磁振動させる電磁駆動部と、
前記振動子の振動を検出する変位センサと、
前記変位センサからの信号と設定された振幅値とを比較する比較器と、
前記振動子の振幅が設定振幅値となるように駆動電流が流される電磁コイルと、
前記駆動電流から前記試料の粘度を算出する演算処理部と、を備え、
前記演算処理部と前記比較器との間にはPWM変調回路が接続され、前記設定振幅値をパルス幅変調制御することにより振幅値を任意に変更可能にし、前記振動子の振幅を変化させる振幅変更手段と、
を備えることを特徴とする音叉式レオメータ。 - 前記ずり応力に代えて、ずり応力に相当する電流値をグラフ表示することを特徴とする請求項8に記載の音叉式レオメータ。
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