JPWO2014041836A1 - 放射能分析装置 - Google Patents

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Abstract

測定試料1に含まれる放射性核種を分析する放射能分析装置100であって、測定試料1から放出された被測定放射線101を検出する放射線検出器2、及び、放射線検出器2の出力を基に被測定放射線101を分析する放射線分析部10を備え、放射線分析部10は、放射線検出器2から出力される、被測定放射線101に応じたパルス信号からパルス波高分布を抽出する波高分析手段12と、抽出されたパルス波高分布に対して逆問題演算を実施し、被測定放射線のエネルギースペクトルを抽出する逆問題演算手段13と、抽出されたエネルギースペクトルを基に、放射線検出器の劣化状態を診断する劣化診断手段15とを有する。

Description

本発明は、放射能分析装置に係り、特に、放射線検出器の劣化状態を診断するシステムを備えた装置に関する。
原子力発電所の事故等が発生し、放射性物質が環境中に飛散した場合、食品・水・土壌等の放射能汚染の検査が必要となる。放射能分析装置は、食品等の測定試料に含まれる放射性核種から放出される放射線を検出し、そのエネルギー及び強度を測定し、放射性核種の同定及び定量分析等を実施する装置であり、その分析には高い精度及び安定性が要求されている。
例えば、特許文献1では、逆問題演算の一種たる応答関数を用いたアンフォールディングにより、比較的良好なエネルギー分解能を実現し、核種の同定を行うと共に、全線量に対する核種ごとの寄与を推定する方法が開示されている。
また、特許文献2では、エネルギー毎に選択された応答関数を用いたアンフォールディングにより、放射線画像のぼやけを補正する方法が開示されている。
特表第2008−545979号公報 特開第2006−234727号公報
G. F. Knoll著(木村逸郎, 阪井英次 訳)「放射線計測ハンドブック第2版 8.2.2 アルカリハライドシンチレータの特性」、日刊工業新聞社、p.244-247
放射能分析装置においては、放射線検出器の経年的な劣化等により、エネルギー分解能、検出効率が低下し、したがって、放射性核種の同定及び定量分析の精度が悪化することが知られていた。
しかし、一般に、放射線検出器の劣化状態を容易に把握するための好適な手段がないため、放射線検出器の故障及び重大な劣化現象の発生が予測される時期を目処に定期交換する保全手法TBM(Time Based Maintenance)が広く用いられており、放射線検出器の劣化状態から交換時期を予測する状態基準保全手法CBM(Condition Based Maintenance)を用いることができなかった。
そのため、放射線検出器の状態に応じた適切な交換を行うことができず、放射線検出器の寿命に達する前に交換することになり、結果として交換回数が増加し、ユーザに費用面での負担が生じていた。また、定期交換時期前であっても、使用環境等によって放射線検出器が劣化する場合があり、この場合に生じる検出精度の低下を避けることができなかった。
本発明の目的は、放射線検出器の劣化状態を容易に推定可能なシステムを備えた放射能分析装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の一態様は、測定試料に含まれる放射性核種を分析する放射能分析装置であって、
測定試料から放出された被測定放射線を検出する放射線検出器、及び、放射線検出器の出力を基に被測定放射線を分析する放射線分析部を備え、
放射線分析部は、
放射線検出器から出力される、被測定放射線に応じたパルス信号からパルス波高分布を抽出する波高分析手段と、
抽出されたパルス波高分布に対して逆問題演算を実施し、被測定放射線のエネルギースペクトルを抽出する逆問題演算手段と、
抽出されたエネルギースペクトルを基に、放射線検出器の劣化状態を診断する劣化診断手段とを有する。
本発明の一態様において、劣化診断手段は、抽出されたエネルギースペクトルにて生じたノイズを分析することにより、放射線検出器の劣化状態を診断することが好ましい。
本発明の一態様において、劣化診断手段は、抽出されたエネルギースペクトルにおけるノイズ発生割合を基に、放射線検出器の劣化状態を診断することが好ましい。
本発明の一態様において、放射線分析部は、出力されたパルス信号の信号増幅率の変動を補償するための自動補正手段をさらに有し、
自動補正手段は、抽出されたパルス波高分布を基に算出される放射線検出器の増幅率変動値に応じて、抽出されたエネルギースペクトルをエネルギー軸に沿ってシフトさせることが好ましい。
本発明の一態様において、放射線分析部は、逆問題演算に用いられる放射線検出器の応答関数を算出する応答関数算出手段をさらに有することが好ましい。
本発明の一態様において、劣化診断手段は、放射線検出器の劣化状態に応じた劣化進行レベルを算出し、
応答関数算出手段は、算出された劣化進行レベルに応じた応答関数を算出することが好ましい。
本発明の一態様において、放射線検出器は、被測定放射線を検出してシンチレーション光を発生する放射線検出部と、シンチレーション光を光電変換する光電変換部とを有するシンチレーション検出器であり、
応答関数算出手段は、放射性核種による放出後、放射線検出部へエネルギーを付与するまでの被測定放射線の挙動を解析する放射線挙動解析、又は、該放射線挙動解析と、放射線検出部での発生後、光電変換部に到達して光電変換されるまでのシンチレーション光の挙動を解析する光線挙動解析とを組み合わせた解析、の少なくとも一方に基づいて、応答関数を算出することが好ましい。
本発明の一態様において、放射線検出器は、被測定放射線を検出して電離作用により電荷キャリアを生成する放射線検出部を有し、
応答関数算出手段は、放射性核種による放出後、放射線検出部へエネルギーを付与するまでの被測定放射線の挙動を解析する放射線挙動解析、又は、該放射線挙動解析と、放射線検出部での電荷キャリアの生成過程の解析とを組み合わせた解析、の少なくとも一方に基づいて、応答関数を算出することが好ましい。
本発明の一態様において、放射線検出器にて検出される自然放射線に基づいて、抽出されたパルス波高分布と放射線のエネルギーとの関係を校正することが好ましい。
本発明の一態様において、放射線分析部は、逆問題演算手段の出力を基に、測定試料に含まれる放射性核種の同定又は定量分析の少なくとも一方を実施する核種定量演算手段をさらに有することが好ましい。
本発明の一態様において、劣化進行レベルに応じた放射線検出器の交換目安時期を表示する表示手段を備えることが好ましい。
本発明によれば、逆問題演算手段と劣化診断手段とを組み合わせることで、放射線検出器の劣化状態を容易に推定可能である。それゆえ、ユーザは、算出される劣化進行レベルに応じて、放射線検出器を適切な時期に交換することができ、費用の削減が可能である。
また、放射線検出器の劣化状態を精度良く知ることができるため、ユーザにおいて劣化した状態の放射線検出器を使用することがなくなり、それゆえ高い分析精度が確保された状態で放射能分析を実施することができる。
本発明の実施の形態1による放射能分析装置の構成図である。 図2(a)は、抽出される波高分布の劣化による変化についての説明図であり、図2(b)は、図2(a)を逆問題演算した結果についての説明図である。 ノイズ積算範囲の決定方法の例についての説明図である。 本発明の実施の形態2による放射能分析装置の構成図である。 経年的な劣化等によるパルス信号の増幅率変動についての説明図である。 増幅率変動値の経時変化の例についての説明図である。 自動補正部によるエネルギースペクトルのシフトについての説明図であり、図7(a)〜図7(c)は、図6の初期状態、10日後、20日後にそれぞれ対応する。 本発明の実施の形態3による放射能分析装置の構成図である。 劣化進行レベルに応じた応答関数についての説明図である。 本発明の実施の形態3による劣化進行レベルの算出方法を示すフローチャートである。 図11(a),(b)はそれぞれ、異なる劣化進行レベルに応じた応答関数を用いて同じパルス波高分布から抽出したエネルギースペクトルを示す模式図である。 本発明の実施の形態4による放射能分析装置の構成図である。 主な自然放射性核種の一覧を示す。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による放射能分析装置の構成図である。
本実施形態による放射能分析装置100は、測定試料1から放出された放射線101(被測定放射線)を検出する放射線検出器2、測定試料1を格納する遮蔽体3、放射線検出器2の出力を分析する放射線分析部10、及び、例えば液晶ディスプレイ等で構成される表示部18を備える。
また、放射線分析部10は、信号増幅部11、波高分析部12、逆問題演算部13、応答関数算出部14、劣化診断部15、核種定量演算部16及び核種分析データベース17等を有する。
信号増幅部11は、例えば前置増幅器、波形整形増幅器等で構成される。また、波高分析部12は、例えば多重波高分析器等で構成される。そして、逆問題演算部13、応答関数算出部14、劣化診断部15、核種定量演算部16及び核種分析データベース17は、例えば単一の又は複数のマイクロプロセッサで構成される。
一般に、放射線検出器2は、放射線101を検出する放射線検出部等を有する。例えば、放射線検出器2がシンチレーション検出器である場合、放射線検出部はシンチレーション材料等で構成される。シンチレーション材料は、放射線から付与されたエネルギーにより構成分子が励起され、基底状態に戻る際に蛍光(シンチレーション光)を発生する材料である。かかるエネルギーは、放射線とシンチレーション材料との光電吸収、コンプトン効果、電子対生成等の相互作用により付与される。それゆえ、測定試料1から放出された放射線101がシンチレーション検出器に入射すると、シンチレーション材料に固有の波長を有するシンチレーション光が発生する。また、シンチレーション検出器は、発生したシンチレーション光を光電変換する光電陰極(光電変換部)を有する。そして、シンチレーション検出器は、光電変換部で光電変換された電荷をパルス信号として出力する。
また、例えば、放射線検出器2が半導体検出器である場合、電極を構成するn型半導体とp型半導体との間に逆バイアス電圧が印加され、逆バイアス電圧により生じる空乏層が放射線検出部を構成する。測定試料1から放出された放射線101が半導体検出器に入射すると、放射線の電離作用により電子正孔対が生成する。そして、電子及び正孔がそれぞれ電極に移動し、半導体検出器はパルス信号を出力する。
遮蔽体3は、高い放射線遮蔽能力を有する材料、例えば鉛又は鉄、好ましくは鉛で構成され、内側に銅等で構成されるシールドを設けてもよい。遮蔽体3は、自然放射線を遮蔽する。ここで、自然放射線には、周辺環境中に存在する自然放射性核種から放出される放射線と宇宙線とがある。自然放射線の中でも比較的エネルギーの高いものを充分に遮蔽するためには、充分な厚さ、例えば鉛で構成されている場合、遮蔽体3は約15cm以上の厚さを有することが好ましい。この場合、自然放射線は充分に遮蔽され、放射線検出器2は、測定試料1から放出された放射線101のみを効率よく検出できる。なお、遮蔽体3には、測定試料1を取り替えるための開閉口、及び、放射線検出器2を設置するための挿入穴が設けられている。
次に、放射線分析部10の動作について説明する。
まず、信号増幅部11は、放射線検出器2の出力である、光電変換部により出力されたパルス信号に対して、予め設定された増幅率に従った増幅、信号の整形等を行う。
波高分析部12は、信号増幅部11の出力に対してパルス波高分析を行い、パルス波高分布を抽出する。具体的には、波高分析部12は、信号増幅部11によって増幅されたパルス信号のうち、例えばピーク値が所定値以上のパルスについて、そのピーク値をAD変換して出力する。
抽出されたパルス波高分布には、測定試料1から放出された放射線101の純粋なエネルギー情報だけでなく、放射線101と放射線検出器2及び遮蔽体3との、光電吸収、コンプトン効果、電子対生成等の相互作用による影響が含まれる。それゆえ、抽出されたパルス波高分布には、全吸収ピーク、コンプトン連続部、エスケープピーク等が現れる。さらに、測定試料1から放出された放射線101が放射線検出器2に入射し、付与されたエネルギーが電荷に変換される過程では、検出器2がエネルギーを付与された際に発生させる電荷量の統計的なバラつきによって、放射線検出器2に固有の統計的な広がりが付加される。それゆえ、エネルギー分解能(例えば、パルス波高分布のピーク部分の半値幅で定義される)が低下する。この場合、測定試料1に含まれる放射性核種の同定及び定量分析の精度が悪化するという問題が生じる。
波高分析部12の出力は、逆問題演算部13に入力される。逆問題演算部13は、応答関数算出部14で算出された応答関数を呼び出し、その応答関数を用いてパルス波高分布に対して逆問題演算を実施する。つまり、Mをパルス波高分布、Rを応答関数、Sを放射線101の相互作用による影響が排除されたエネルギースペクトルとして、下記の数式1が成立するところ、逆問題演算手段13は、この数式1の逆変換となる数式2を計算し、エネルギースペクトルSを抽出する。なお、R−1は応答関数の逆行列となる。
M=R・S (数式1)
S=R−1・M (数式2)
この数式2を解くことにより、パルス波高分布Mから、測定試料1から放出された放射線101のエネルギー情報のみを含むエネルギースペクトルSを抽出することができる。つまり、エネルギースペクトルSでは、相互作用による影響、及び、前述の統計的なバラつきによる影響が排除されている。数式1の計算により、放射線101のエネルギー情報を正確に知ることができ、測定試料1に含まれる放射性核種の同定及び定量分析の精度が向上する。そして、抽出されたエネルギースペクトルは、劣化診断部15及び核種定量演算部16へ出力される。
応答関数算出部14は、放射線検出器2の応答関数を算出する。応答関数算出部14は、算出した応答関数を格納するデータベースを有してもよい。かかるデータベースは、例えば応答関数算出部14を構成するマイクロプロセッサに接続されたメモリで構成することができる。そして、応答関数算出部14は、逆問題演算部13からの呼出しに応じて、算出した応答関数を出力する。
応答関数は、単一エネルギーを有する放射線のみが放射線検出器2に入射した際に出力されるパルス波高分布である。また、応答関数は、放射線検出器2の種類、寸法、形状、検出器2を設置した測定体系等によって決定され、例えば、EGS5(Electron Gamma Shower ver.5)等の放射線挙動解析用のモンテカルロ輸送計算コードによって、検出器2に固有のエネルギー分解能を除いた応答関数を算出することができる。或いは、実験的に応答関数を算出することも可能である。
応答関数は、放射線検出器2が検出可能な放射線の最低エネルギーから体系内に存在する可能性がある放射線の最大エネルギーまでのものが必要である。一般に、応答関数の最大エネルギーは約2MeV〜約3MeVである。また、最低エネルギーから最大エネルギーの任意の分割数により決定されるエネルギー幅が、逆問題演算により得られるエネルギースペクトルのエネルギー分解能となる。例えば、ある応答関数の最低エネルギーが0MeV、最大エネルギー3MeV、分割数が300の場合、エネルギー幅は10keVとなるため、逆問題演算部13により得られるエネルギースペクトルのエネルギー分解能は10keVとなる。
さらに、本発明では、EGS5等による放射線挙動解析と、放射線検出器2が放射線101により付与されたエネルギーが電荷に変換されるまでのシンチレーション光の光線挙動解析とを組み合わせた連成解析を用いることで、検出器2に固有のエネルギー分解能を考慮した応答関数を算出することができる。
例えば、放射線検出器2がシンチレーション検出器である場合、検出器2に固有のエネルギー分解能は、発生したシンチレーション光を光電変換した際の電荷量の大きさによって決定される。一般に、放射線検出器2では、かかる電荷量が大きいほど、統計的なバラつきが小さくなり、それゆえ高いエネルギー分解能を得ることができる。
放射線挙動解析では、放射性核種により放出された放射線が放射線検出器の放射線検出部へエネルギーを付与するまでの挙動を解析する。この解析では、第1に、測定試料内での光電吸収、コンプトン効果及び電子対生成等の相互作用による減衰量、吸収量等を計算する。放射性核種から放出された放射線は、測定試料内で例えば指数関数的に減衰し、その指数は放射線と測定試料1を構成する材料との相互作用により決定することができる。
また、測定試料1から放出された放射線は、(1)放射線検出部に直接入射してエネルギーをすべて付与する場合の他、(2)遮蔽体3で散乱、反射、吸収等された後に放射線検出部に入射する場合、(3)放射線検出部に入射してエネルギーの一部を付与し、残りのエネルギーに相当する放射線が散乱等して放射線検出部外へ放出される場合が、それぞれ一定の確率で生じる。それゆえ放射線挙動解析では、第2に、放射線と、遮蔽体、及び、放射線検出器2を構成する各光学材料との相互作用を計算する。
一方、光線挙動解析では、放射線検出部での発生後、光電変換部に到達して光電変換されるまでのシンチレーション光の挙動を解析する。特に、放射線検出器2を構成する材料の光学特性を基に、シンチレーション光の伝達に伴う光の減衰、散乱、反射、吸収等による損失を計算する。
ここで、半導体検出器のように、放射線の電離作用によって生成した電荷キャリア(電子正孔対)の一部が出力される放射線検出器の場合、上記の放射線挙動解析と、放射線検出部での電荷キャリアの生成過程の解析とを組み合わせた解析により、応答関数を算出する。電荷キャリアの生成過程の解析では、特に、発生した電荷キャリアの、電極までの移動に伴う再結合等による損失を計算する。
核種定量演算部16は、核種分析データベース17に格納された放射性核種に固有のデータを呼び出し、逆問題演算部13から出力されたエネルギースペクトルを基に放射性核種の同定及び定量分析を行う。放射性核種の同定及び定量分析は、抽出されたエネルギースペクトルにおける、核種分析データベース17から呼び出したデータに対応するエネルギー領域の計数値を算出することにより行う。なお、核種分析データベース17は、放射性核種が放出する放射線のエネルギー、放出割合を含むデータを格納する。例えば、放射性核種がセシウム−137である場合、放出されるγ線のエネルギーは662keV、放出割合は85%、というデータ等を格納する。
例えば、抽出されたエネルギースペクトルのエネルギー分解能が10keVである場合、セシウム−137が放出するエネルギー662keVのγ線は、660keV以上670keV以下、の領域に検出され、計数されることになる。つまり、エネルギースペクトルにて計数されたエネルギー領域のエネルギーの範囲(660keV以上670keV以下)と、核種分析データベース17から呼び出したセシウム−137のエネルギーのデータ(662keV)とを比較することにより、核種の同定を実施することができる。また、かかるエネルギー領域の計数値と、核種分析データベース17から呼び出した放出割合のデータとから、放射性核種の定量分析を実施することができる。そして、核種定量演算部16の演算結果、即ち同定された核種の結果及び定量分析の結果は、表示部18へ出力される。
図2(a)は、抽出される波高分布の劣化による変化についての説明図であり、図2(b)は、図2(a)を逆問題演算した結果についての説明図である。図2(a),(b)において、実線は放射線検出器2に劣化がある状態を、破線は劣化がない状態をそれぞれ示している。
一般に、放射線検出器2には、検出器の種類に応じた劣化現象が生じ、かかる劣化の影響により、検出器2に固有のエネルギー分解能、放射線の検出効率等が低下することが判っている。また、劣化現象は、基本的には経年的に生じる劣化であるが、使用環境等に応じて劣化が加速されることになる。
例えば、放射線検出器2がNaI(Tl)シンチレーション検出器等である場合、空気中に存在する水分により、放射線検出器2の放射線検出部を構成するNaI(Tl)結晶に変色、潮解が生じ易い。それゆえ、発生したシンチレーション光のうち光電変換部に到達する割合が低下し、電荷に変換される光量が減少する。前述の通り、光電変換された電荷量が大きいほど、高いエネルギー分解能を得ることができる。それゆえ、電荷に変換される光量が検出器2の劣化により減少するため、図2(a)に示すパルス波高分布から分かるように、エネルギー分解能は劣化がない場合と比べて低下する。
放射線検出器2の劣化がある程度進むと、放射線を正確に測定できない。それゆえ、劣化診断部15では、逆問題演算部13により抽出されたエネルギースペクトルを基に、放射線検出器2の劣化状態を診断し、ある程度以上の劣化によって必要となる検出器2の交換時期を算出する。
劣化した状態の放射線検出器2の出力から抽出されたパルス波高分布に対して逆問題演算を実施すると、図2(b)に示すように、抽出されたエネルギースペクトルにて、検出対象のエネルギー領域21の両端に、ノイズ22a,22bが発生する。
逆問題演算には、劣化のない状態、例えば初期状態の放射線検出器2の応答関数が適用される。ここで、劣化がない状態の放射線検出器2に対して逆問題演算を実施した場合、逆問題演算は正しく行われ、したがって、抽出されたエネルギースペクトルにて、検出対象のエネルギー領域の両端にノイズは発生しない。それゆえ、発生した22a,22bは、放射線検出器2の劣化要因のみが抽出されたものであると言える。また、ノイズの発生量が大きいほど、放射線検出器の劣化が進行していることを意味する。
ノイズの発生量と放射線検出器の劣化状態とを関係付けるためには、発生したノイズを定量化する必要がある。また、ノイズの定量化のためには、発生したノイズの積算範囲を定める必要がある。
図3(a)〜図3(c)は、ノイズ積算範囲の決定方法の例についての説明図である。
ノイズの積算範囲を決定する方法として、例えば、図3(a)に示すように、検出対象のエネルギー領域21の中央値エネルギーEの値から、所定量、例えば図中に示すように±30keVの範囲をノイズ積算範囲とすることができる。かかる所定量は、放射線検出器2、信号増幅部11、波高分析部12の特性等を基に決定することができる。
また、図3(b)に示すように、放射線検出器2により複数の放射線のエネルギーが検出された場合、中央値エネルギーEの値と、計数値が所定の閾値(図3(b)の符号27)以上である所定エネルギー領域26の中央値エネルギーとの中間のエネルギーの値を、ノイズ積算範囲の上限の値Eとすることもできる。所定エネルギー領域26は、検出対象のエネルギー領域21に最も近接するものを選択することができる。下限の値Eについては、上限の値Eと下限の値Eとの中間のエネルギーの値が、検出対象のエネルギー領域21の中央値エネルギーの値Eとなるように選択することができる。この場合、同様に、先に下限の値Eを決定し、上限の値Eを決定することもできる。
さらに、図3(c)に示すように、放射線検出器2により唯一の放射線のエネルギーが測定されたとみなせる場合、検出器2が検出可能な全エネルギー範囲をノイズ積算範囲とすることもできる。
ここで、例えば図3(a)〜図3(c)の方法で算出したノイズの計数値を積算した値の、検出対象のエネルギー領域の計数値に対する割合を「ノイズ発生割合」(=ノイズ積算値/検出対象のエネルギー領域の計数値)と定義する。
そして、算出したノイズ発生割合を、予め規定した劣化進行レベル及び交換までの(目安の)日数に対応させる。例えば、劣化進行レベルは、下記の表1のように4段階に規定することができる。ただし、劣化進行レベルを連続的な値とし、交換までの日数もそれに応じた連続的な値としてもよい。また、劣化進行レベルを0か1の2段階とし、例えば表示部18にて○(交換不要)、×(交換要)のように表示してもよい。
Figure 2014041836
以上で説明した放射線分析部10の分析結果に基づいて、表示部18は、劣化診断部15により出力される放射線検出器2の劣化進行レベル及び交換までの日数、並びに、核種定量演算部16により出力される核種の同定結果及び定量分析結果等を表示する。
以上、本実施形態の放射能分析装置100によれば、逆問題演算部13と劣化診断部15とを組み合わせることで、放射線検出器2に固有の特性が排除された状態で、例えば、逆問題演算により抽出されたエネルギースペクトルにて発生するノイズの発生量等を基に、放射線検出器の劣化要因のみを容易に抽出できる。それゆえ、放射線検出器2の劣化の度合を劣化進行レベルとして算出し、検出器2の劣化状態を容易に推定することができる。これにより、ユーザは、算出された劣化進行レベルに応じて、放射線検出器2を適切な時期に交換することができ、費用の削減が可能である。
また、定期交換時期前であっても、使用環境等によって放射線検出器2が劣化する場合がある。例えば、前述のように放射線検出器2がNaI(Tl)シンチレーション検出器である場合、高温、高湿度の環境では、特にNaI(Tl)結晶に変色、潮解が生じやすいが、従来、このときに生じる定期交換前の放射線検出器2の検出精度の低下を精度良く知ることができなかった。本実施形態の放射能分析装置100によれば、放射線検出器2の劣化状態を精度良く知ることができるため、劣化した状態の放射線検出器2を使用することがなくなり、それゆえ高い分析精度が確保された状態で、放射能分析を実施することができる。
さらに、本実施形態では、応答関数の算出において、EGS5等による放射線挙動解析と光線挙動解析等とを組み合わせた解析を用いており、放射線検出器2に固有のエネルギー分解能を考慮した応答関数を算出することができる。それゆえ、抽出したパルス波高分布の形状に応答関数をさらに適合させ、放射能分析の分析精度をさらに向上させることができる。
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2による放射能分析装置の構成図である。
本実施形態による放射能分析装置200は、放射線分析部20が、放射線検出器2の経年的な劣化等により、出力されるパルス信号にて生じる信号増幅率の変動を補償するための自動補正部19を有していることのみが、実施形態1による放射能分析装置100と異なる。例えば、自動補正部19は、例えば単一の又は複数のマイクロプロセッサで構成される。
図4に示すように、波高分析部12及び逆問題演算部13の出力が自動補正部19に入力され、自動補正部19が出力するエネルギースペクトルは、劣化診断部15及び核種定量演算部16に入力される。
一般に、放射線検出器2に経年的な劣化、疲労等が生じた場合、周辺環境に大きい温度変化、測定機器の温度変化等が生じた場合等に、放射線検出器2の出力が変化し、パルス信号の信号増幅率が変動する。
また一般に、放射線検出器2の使用前には、既知のエネルギーを有する放射線を放出する校正用の放射性物質を用いて測定を行う。そして、測定したパルス波高値と放射線のエネルギーとを関係付けるエネルギー校正を行う。
しかし、例えば図5に示すように、放射線検出器2の経年的な劣化等によりパルス信号の信号増幅率が変動した場合、事前に定めたエネルギー校正関係を示す実線23から、破線24a,24bのように変化する。
ここで、信号増幅率の変動後のエネルギーの、本来の放射線のエネルギー(即ち、上記の所定エネルギー)に対する割合を、「増幅率変動値」(=増幅率の変動後のエネルギー/本来の放射線のエネルギー)と定義する。増幅率変動値は、経年的な劣化等によるパルス信号の増幅率の変動を定量化した値である。なお、増幅率変動値は放射線検出器2の経年的な劣化等による増幅率の変動がなければ1になる。
自動補正部19は、まず、波高分析部12により抽出されたパルス波高分布から、測定したパルス波高値と放射線のエネルギーとの関係を放射線検出器2の使用中に導出し、上記の増幅率変動値を算出する。
例えば、図6は、20日間の測定における増幅率変動値の経時変化の例についての説明図である。図6において、破線は20日間、増幅率の変動がないことを示す。一方、実線は20日間の内、10日目は増幅率が80%、20日目は増幅率が120%のように、増幅率変動値が変化したことを示す。
図7は、自動補正部によるエネルギースペクトルのシフトについての説明図である。
増幅率の変動がない状態(即ち、増幅率変動値が1)の放射線検出器を用いて、所定エネルギーを有する放射線を測定した場合、図7(a)に示すように、所定エネルギーを有する放射線に対応するエネルギー領域E2−E3に検出されるとする。ここで、図5に示す破線24a,24bのように増幅率が変動すると、所定エネルギーを有する放射線は、対応するエネルギー領域E2−E3間には検出されず、誤ったエネルギー領域に検出される。図7(b),(c)の左側に示すように、図6の10日目、20日目の増幅率変動値に対応して、例えば誤ったエネルギー領域E1−E2間、E3−E4間に検出される。
ここで、自動補正部19は、算出した増幅率変動値を用いて、エネルギースペクトルをエネルギー軸に沿ってシフトさせる。これにより、例えば、所定エネルギーを有する放射線は、図7(b)、図7(c)の左側に示す誤ったエネルギー領域E1−E2間、E3−E4間でなく、図7(b)、図7(c)の右側に示す本来検出されるべきエネルギー領域E2−E3で検出されたことになる。エネルギースペクトルのシフトは、例えば、逆問題演算部13の出力たるエネルギースペクトルのエネルギー軸の数値データを、自動補正部19により算出された増幅率変動値で除算することによって実施される。
劣化診断部15は、自動補正部19によりシフトされたエネルギースペクトルを基に、実施形態1と同様の処理、即ち、放射線検出器2の劣化進行レベルの算出を実施する。同様に、核種定量演算部16は、測定試料1に含まれる放射性核種の同定及び定量分析を実施する。
また、自動補正部19は、エネルギースペクトルのエネルギー軸に沿ったシフトのシフト量を測定することができる。本実施形態では、自動補正部19が出力するエネルギースペクトルが劣化診断部15に出力されるが、このとき同時に測定したシフト量が出力されるようにすれば、劣化診断部15はシフト量を基に劣化進行レベルを算出することができる。また、劣化診断部15がシフト量の測定を行ってもよい。
以上、本実施形態による放射能分析装置200によれば、第1実施形態による放射能分析装置100と同様の効果が得られると共に、以下の効果が得られる。つまり、自動補正部19が、抽出されたエネルギースペクトルから増幅率変動値を算出し、増幅率変動値を基に、エネルギースペクトルをエネルギー軸に沿って自動的にシフトさせる。これにより、放射線検出器2の経年的な劣化等により、パルス信号の信号増幅率が変動した場合でも、劣化診断部15における劣化進行レベルの算出、核種定量演算部16における核種の同定、定量分析において、高い分析精度が確保されることになる。
また、従来、放射線検出器2の経年的な劣化等による信号増幅率の変動を解消するには、年数回の定期的な点検、校正作業を必要としたところ、本実施形態による放射能分析装置200では、自動補正部19により、放射線検出器2の使用状況に応じてエネルギースペクトルのシフトが自動的に実施される。これにより、経年的な劣化等の解消を必要としない放射線検出器に対する不必要な点検等を行う必要がなく、ユーザにおいて費用の削減が可能である。
さらに、従来は、校正作業にてヒューマンエラーによる校正ミスを招く問題があったところ、本実施形態による放射能分析装置200では、校正作業が自動化され、したがって校正ミスが生じにくい。更には、校正作業用の別途の装置無しに校正作業を実施することができる。
実施の形態3.
図8は、本発明の実施の形態3による放射能分析装置の構成図である。
本実施形態による放射能分析装置300が実施形態2による放射能分析装置200と異なる点は、図8において、劣化診断部15から逆問題演算部13への矢印で示している。つまり、本実施形態では、逆問題演算部13は、劣化診断部15により出力される劣化進行レベルを加えた3次元の応答関数により逆問題演算を実施し、エネルギースペクトルを抽出する点のみが、実施形態2による放射能分析装置200と異なる。
図5、図7を用いて説明したように、一般に、放射線検出器2の経年的な劣化等により、抽出されるパルス波高分布が変化するため、逆問題演算部13にて逆問題演算を正確に解くことができないことがある。この場合、劣化進行レベルの算出並びに核種の同定及び定量分析の精度が低下するという問題がある。
図9は、劣化進行レベルに応じた応答関数についての説明図である。
本実施形態で、応答関数算出部14は、電荷量L、入射放射線エネルギーE及び劣化進行レベルDを引数として3次元の応答関数Rを算出し、逆問題演算部13の呼出しに応じて出力する。図9に示すように、3次元の応答関数Rは、劣化進行レベルに応じて変化し、したがって、放射線検出器2の劣化状態に対応するエネルギー分解能を考慮したものとなる。劣化進行レベルに応じた応答関数は、実施形態1で説明したように、EGS5等の放射線挙動解析用のモンテカルロ輸送計算コードに加えて、エネルギー分解能を決定する過程を考慮する光線挙動解析等を組み合わせた解析を用いて算出可能である。
放射線検出器2がシンチレーション検出器である場合、シンチレーション光が発光位置から光電陰極に到達して光電変換されるまでの間の光線挙動解析において劣化進行レベルを考慮することができる。シンチレーション検出器では、シンチレーション結晶の変色、潮解等の劣化が発生することがある。この場合、結晶の発光効率の低下等により、発生したシンチレーション光の光電陰極への到達効率は低下する。それゆえ、光線挙動解析を用いて、結晶の発光効率が低下等の劣化要因に対するシンチレーション光の光電陰極への到達効率の変化を計算し、その変化を劣化進行レベルに対応させることにより、劣化進行レベルに応じた応答関数を算出することができる。
次に、図10に示すフローチャートを用いて、本実施形態による劣化進行レベルの算出方法について説明する。
まず、ステップS1で、波高分析部12により抽出されたパルス波高分布が逆問題演算部13に出力され、次に、ステップS2で、逆問題演算部13は、図9に示す劣化進行レベル0に対応する応答関数を応答関数算出部14から呼び出し、かかる応答関数を用いて逆問題演算を実施する。そして、抽出されたエネルギースペクトルは、劣化診断部15及び自動補正部19に出力される。なお、自動補正部19は、実施形態2で説明した処理と同様の処理を実施する。
次に、ステップS3で、劣化診断部15は、例えば実施形態1で説明した方法と同様の方法で、エネルギースペクトルにて発生した、図11(a)に破線で示すようなノイズを基に劣化進行レベルを算出する。そして、算出された劣化進行レベルDは逆問題演算部13に出力されると共に、劣化進行レベルDは、例えば劣化診断部15を構成するマイクロプロセッサに接続されたメモリに保存される。
次に、ステップS4で、逆問題演算部13は、入力された劣化進行レベルD(図10中のD)の応答関数を応答関数算出部14から呼び出して逆問題演算を実施すると共に、抽出したエネルギースペクトルを再び劣化診断部15及び自動補正部19に出力する。このとき、逆問題演算に用いられた応答関数は放射線検出器2の劣化状態に応じたものであるため、逆問題演算により、図11(b)に示すようなノイズの発生が少ないエネルギースペクトルが出力されることになる。このとき、劣化進行レベルをより多い段階に分割することにより、放射線検出器2の劣化状態と応答関数とがより適合するため、ノイズの発生をより少なくすることができる。
次に、ステップS5で、劣化診断部15は、入力されたエネルギースペクトルから放射線検出器2の劣化状態を推定するため、抽出されたエネルギースペクトルにて発生したノイズを基に再び劣化進行レベルを算出する。発生したノイズは、前回抽出されたエネルギースペクトルよりも少ないため、前回の劣化進行レベルよりも小さい劣化進行レベルD(図10中のDi+1)が算出されることになる。
次に、ステップS6で、劣化診断部15は、新たに算出した劣化進行レベルDと前回の算出による劣化進行レベルDとを比較する。そして、劣化診断部15は、新たに算出した劣化進行レベルDが前回算出した劣化進行レベルDよりも小さい値であることを確認した上で、逆問題演算部13に出力する。
次に、ステップS7で、劣化進行レベルDが表示部18に出力される。なお、表示部18は実施形態1で説明した処理と同様の処理を実施する。そして、次回の検出の際には、ステップS8で逆問題演算部13に出力されるパルス波高分布に対して、劣化進行レベルDの応答関数を用いた逆問題演算が実施される。
そして、S4〜S8が繰り返し実施される中で放射線検出器2の劣化がさらに進行したときに、ステップS6で、算出した劣化進行レベルDが前回の劣化進行レベルDよりも大きくなる場合がある。この場合、ステップS9に進み、今度はステップS4で劣化進行レベルDの関数を用いた逆問題演算が実施される。そして、ステップS5で新たに劣化進行レベルDが算出及び保存され、ステップS6で新たに算出された劣化進行レベルDと前回の算出による劣化進行レベルDとが比較される。
本実施形態では、以上のステップS4〜S9が放射線検出器2の使用に応じて繰り返されることにより、放射線検出器2の劣化状態に応じた最適な応答関数を用いて逆問題演算が実施される。
以上、本実施形態による放射能分析装置200によれば、実施形態2による放射能分析装置200と同様の効果が得られると共に、逆問題演算部13、劣化診断部15及び応答関数算出部14を用いて、放射線検出器2の劣化状態に対応した応答関数を選択し、逆問題演算を正確に解くことができる。それゆえ、劣化診断部15における劣化進行レベルの算出、核種定量演算部16における核種の同定、定量分析において、高い分析精度を確保することができる。
実施の形態4.
図12は、本発明の実施の形態4による放射能分析装置の構成図である。
本実施形態による放射能分析装置400は、遮蔽体3を備えていないことのみが実施形態3による放射能分析装置300と異なる。
本実施形態による放射能分析装置400は遮蔽体3を備えないため、自然放射線102が放射線検出器2に入射する。それゆえ、逆問題演算部13の出力となるエネルギースペクトルには、図13に示す自然放射性核種から放出された自然放射線102の吸収に起因する出力が加わっていることになる。
ここで、例えば、自然放射性核種たるカリウム−40が放出する放射線のエネルギーは約1.46MeVである。また、好都合なことに、このエネルギー近傍の放射線を放出する放射性核種は通常の環境中にはほとんど存在しない。それゆえ、逆問題演算部13によって抽出されるエネルギースペクトルには、カリウム−40が放出する放射線に起因する出力が顕著に現れる。これにより、自然放射性核種たるカリウム−40から放出された放射線を用いて、実施形態1〜3と同様の処理を行うことができる。
以上、本実施形態による放射能分析装置400によれば、実施形態3による放射能分析装置300と同様の効果が得られると共に、以下の効果が得られる。つまり、前述の通り、放射線検出器2の使用前には、既知のエネルギーを有する放射線を放出する校正用の放射性物質を用い、測定したパルス波高値(又は、抽出されたパルス波高分布)と放射線のエネルギーとを関係付けるエネルギー校正を行うため、エネルギー校正用の放射性物質を用意する必要があった。一方、本実施形態では、自然放射性核種、例えばカリウム−40が放出する自然放射線を用いて、上記エネルギー校正を行うことができ、したがってエネルギー校正用の放射性物質を用意する必要がない。
また、劣化診断部15、自動補正部19の機能を常に実行でき、それゆえ放射線検出器2の経年的な劣化等によるパルス信号の信号増幅率の変動を常に補償できるため、さらに分析精度を一定に保つことができる。
さらに、遮蔽体3を備えないことにより、放射能分析装置400の総重量は大幅に軽減される。例えば、一般的な鉛製の遮蔽体3を有する放射能分析装置の総重量は、例えば2000kg程度であるが、放射能分析装置400は遮蔽体3を備えないため、総重量を、例えば100kg以下まで大幅に低下させることができる。
以上の各実施形態では、放射能分析装置を構成する放射線検出器2は、主にシンチレーション検出器を例として挙げて説明してきたが、パルス出力する放射線検出器2として、例えばGe、Si又はCdZnTe等の半導体を用いた半導体検出器、GM計数管等の他方式の放射線検出器を適用することもできる。
1 測定試料、 2 放射線検出器、 3 遮蔽体、 10,20,30 放射線分析部、 11 信号増幅部、 12 波高分析部、 13 逆問題演算部、 14 応答関数算出部、 15 劣化診断部、 16 核種定量分析部、 17 核種分析データベース、 18 表示部、 19 自動補正部、 100,200,300,400 放射能分析装置、 101 測定試料から放出された放射線、 102 自然放射線。

Claims (11)

  1. 測定試料に含まれる放射性核種を分析する放射能分析装置であって、
    測定試料から放出された被測定放射線を検出する放射線検出器、及び、放射線検出器の出力を基に被測定放射線を分析する放射線分析部を備え、
    放射線分析部は、
    放射線検出器から出力される、被測定放射線に応じたパルス信号からパルス波高分布を抽出する波高分析手段と、
    抽出されたパルス波高分布に対して逆問題演算を実施し、被測定放射線のエネルギースペクトルを抽出する逆問題演算手段と、
    抽出されたエネルギースペクトルを基に、放射線検出器の劣化状態を診断する劣化診断手段とを有することを特徴とする放射能分析装置。
  2. 劣化診断手段は、抽出されたエネルギースペクトルにて生じたノイズを分析することにより、放射線検出器の劣化状態を診断することを特徴とする、請求項1に記載の放射能分析装置。
  3. 劣化診断手段は、抽出されたエネルギースペクトルにおけるノイズ発生割合を基に、放射線検出器の劣化状態を診断することを特徴とする、請求項1に記載の放射能分析装置。
  4. 放射線分析部は、出力されたパルス信号の信号増幅率の変動を補償するための自動補正手段をさらに有し、
    自動補正手段は、抽出されたパルス波高分布を基に算出される放射線検出器の増幅率変動値に応じて、抽出されたエネルギースペクトルをエネルギー軸に沿ってシフトさせることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射能分析装置。
  5. 放射線分析部は、逆問題演算に用いられる放射線検出器の応答関数を算出する応答関数算出手段をさらに有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の放射能分析装置。
  6. 劣化診断手段は、放射線検出器の劣化状態に応じた劣化進行レベルを算出し、
    応答関数算出手段は、算出された劣化進行レベルに応じた応答関数を算出することを特徴とする、請求項5に記載の放射能分析装置。
  7. 放射線検出器は、被測定放射線を検出してシンチレーション光を発生する放射線検出部と、シンチレーション光を光電変換する光電変換部とを有するシンチレーション検出器であり、
    応答関数算出手段は、放射性核種による放出後、放射線検出部へエネルギーを付与するまでの被測定放射線の挙動を解析する放射線挙動解析、又は、該放射線挙動解析と、放射線検出部での発生後、光電変換部に到達して光電変換されるまでのシンチレーション光の挙動を解析する光線挙動解析とを組み合わせた解析、の少なくとも一方に基づいて、応答関数を算出することを特徴とする、請求項5又は6に記載の放射能分析装置。
  8. 放射線検出器は、被測定放射線を検出して電離作用により電荷キャリアを生成する放射線検出部を有し、
    応答関数算出手段は、放射性核種による放出後、放射線検出部へエネルギーを付与するまでの被測定放射線の挙動を解析する放射線挙動解析、又は、該放射線挙動解析と、放射線検出部での電荷キャリアの生成過程の解析とを組み合わせた解析、の少なくとも一方に基づいて、応答関数を算出することを特徴とする、請求項5又は6に記載の放射能分析装置。
  9. 放射線検出器にて検出される自然放射線に基づいて、抽出されたパルス波高分布と放射線のエネルギーとの関係を校正することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の放射能分析装置。
  10. 放射線分析部は、逆問題演算手段の出力を基に、測定試料に含まれる放射性核種の同定又は定量分析の少なくとも一方を実施する核種定量演算手段をさらに有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の放射能分析装置。
  11. 劣化進行レベルに応じた放射線検出器の交換目安時期を表示する表示手段を備えた、請求項1〜10のいずれか1項に記載の放射能分析装置。
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