JP5832404B2 - 放射能分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、放射能分析装置に係り、特に、放射線検出器の応答関数を算出するシステムを備えた装置に関する。
一般に、放射能分析では、放射性核種が放出する放射線、特にγ線のエネルギーを利用して、さらに、放射性核種が複数のγ線を放出する場合には、その放出数の比率が核種に固有であることを利用して、測定試料から放出されるγ線のエネルギースペクトルが測定される。そして、各エネルギーごとに放出されるγ線の数に基づいて、試料中に含まれる放射性核種が分析される。
例えば、放射性核種である137Csを含有する測定試料を放射線検出器で測定した場合、137Csは崩壊の過程で662keVのγ線を放出するため、測定されるエネルギースペクトルには662keVのピークが現れる。図1は、137Csから放出されたγ線をNaI(Tl)シンチレーション検出器で測定した場合に測定されるエネルギースペクトルを示す模式図である。図1に示すように、同じ662keVのγ線を検出した場合でも、一部はエネルギーピークとして検出されるが(図1に符号aで示すハッチング領域)、残りの部分は図1に符号bで示すように、連続スペクトルとして検出される。
それゆえ、エネルギースペクトルにてピーク部分として検出される確率を表すピーク検出効率を予め算出すると共に、検出されたピーク部分の計数値を、ピーク検出効率、検出器の検出効率、及び検出時間で除算することで、試料から単位時間当たりに放出される662keVのエネルギーを有するγ線の本数が得られる。
さらに、得られたγ線の本数を放出分岐比、つまり、137Csが崩壊の過程で662keVのγ線を放出する確率で除算することで、測定試料に含まれる137Csの単位時間の崩壊数、即ち放射能強度が得られる。
つまり、放射能強度Rは、Nを測定対象γ線のピーク計数値、Pをピーク検出効率、Sを検出器の検出効率、Tを検出時間、Bを検出対象のγ線の放出分岐比として、R=N/PSTBと表される。以上のようにして、放射性核種の放射能強度等を求める放射能分析が行われるところ、現在、その分析には高い精度及び安定性が要求されている。
しかし、分離可能なγ線の最小エネルギーは、放射線検出器のエネルギー分解能に左右される。エネルギー分解能が悪い場合、エネルギースペクトルにて現れるγ線のピーク幅が広がる。このとき、複数のγ線ピークの重なりが1つのピークとして検出され、結果として分析精度が低下するという問題が生じうる。
そこで、エネルギー分解能を向上させる目的で、一般に、逆問題演算の一種であるアンフォールディングが利用される。例えば、特許文献1では、予め測定対象であるγ線のエネルギー範囲内で、放射線検出器の応答関数を一定のエネルギー間隔で算出すると共に、算出した応答関数を用いたアンフォールディングを行い、検出器に入射したγ線のエネルギースペクトルを算出する方法が開示されている。
また、一般に放射能分析では、非特許文献1に示されているように、所謂カスケードγ線による加算効果と呼ばれる現象を考慮することが必要となる。カスケードγ線は、放射性核種が、1回の崩壊により、放射線検出器の応答時間よりも短い間隔で連続的に放出するγ線である。
図2は、非特許文献2から引用した、NaI(Tl)シンチレーション検出器で60Coを測定した場合のエネルギースペクトルである。60Coの崩壊過程では、図2に符号aで示す1.17MeV、及び、符号bで示す1.33MeVのエネルギーを有する2本のγ線が1ps程度の間隔で放出される。この時間間隔が放射線検出器の応答時間より短い場合、加算効果によって、2本のエネルギーの和である2.5MeVを有するピークが検出される(図2の符号c)。なお、符号dで示す連続スペクトル部分は、入射γ線が一部のエネルギーを検出器に付与したことによって形成される連続スペクトルである。
特表第2008−545979号公報
G. F. Knoll著(木村逸郎, 阪井英次 訳)「放射線計測ハンドブック第2版 10.3.5 加算効果」、日刊工業新聞社、p.323-325 G. F. Knoll著(木村逸郎, 阪井英次 訳)「放射線計測ハンドブック第2版 10.4.1 応答関数」、日刊工業新聞社、p.326-331
ところで、従来の放射線分析においても、応答関数を用いたアンフォールディングにより、放射線検出器に入射したγ線のエネルギーのみを得ることができた。しかし、測定した放射線のエネルギースペクトルと、文献等に記載された放射性核種の放出エネルギーとを比較することにより放射性核種を分析していたため、分析に長時間、例えば1日程度の時間が必要であった。それゆえ、リアルタイムに放射線を分析できないという問題があった。また、文献値の読取りに放射線計測の専門知識が必要となるという問題、更には測定結果、文献値の読み違いにより、放射能強度が所定の基準値を超えているか否かについて誤判定が生じうるという問題があった。
また、放射線の検出効率を向上させるために、大型の検出器を用い、さらに、検出器を測定試料に近接させることがある。この場合、γ線が放射線検出器に連続して入射する確率は、放射線源たる放射性核種から見た検出器の立体角に依存するため、前述の加算効果の影響が大きくなり、放射能分析装置の分析精度が低下する可能性があった。具体的には、測定試料に含まれる放射性核種から放出されるγ線のエネルギーとは異なるエネルギーが計数される頻度が高くなり、正しいγ線の数え落とし、測定試料に含まれる放射性核種とは全く関係ないγ線の誤計数等が発生する可能性があった。
それゆえ、放射能分析装置の分析精度を向上させるためには、小型の放射線検出器を用いるか、検出器を測定試料から遠ざけることが好ましいが、この場合、放射線の検出効率が低下するという問題が新たに生じる。
本発明の目的は、測定試料に含まれる放射性核種を自動で且つ短時間で分析可能なシステムを備え、放射線の検出効率及び分析精度の両方に優れた放射能分析装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、測定試料から放出された被測定放射線を検出する放射線検出器、及び、放射線検出器の出力を基に被測定放射線を分析する放射線分析部を備え、放射線分析部は、放射線検出器から出力される、被測定放射線に応じたパルス信号からパルス波高分布を抽出するパルス波高分析手段と、測定試料に含まれる放射性核種毎に、放射線検出器の応答関数を算出する応答関数算出手段と、算出された放射性核種毎の応答関数を用いて、抽出されたパルス波高分布に対して逆問題演算を実施し、放射性核種毎の放射能強度を決定する逆問題演算手段とを有し、応答関数算出手段は、放射線検出器にカスケードγ線が入射する場合には、カスケードγ線によるエネルギー加算効果に応じた応答関数を算出する、ことを特徴とする。
本発明によれば、放射性核種毎の応答関数を用いた逆問題演算により測定試料に含まれる放射性核種を直接知ることができるため、放射性核種の分析が自動で且つ短時間で実施される。また、カスケードγ線によるエネルギー加算効果に応じた応答関数を用いた逆問題演算が実施されることにより、放射能分析装置にて優れた検出効率及び分析精度を両立させることができる。
NaI(Tl)シンチレーション検出器で測定したエネルギースペクトルの例を示す模式図である。 非特許文献から引用した、エネルギースペクトルにおける加算効果の影響についての説明図である。 本発明の一実施形態による放射能分析装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態1による放射能分析装置が備えるシンチレーション検出器を示す模式図である。 パルス波高分布と放射性核種133Baについての応答関数との比較を示す。 パルス波高分布と放射性核種134Csについての応答関数との比較を示す。 パルス波高分布と放射性核種60Coについての応答関数との比較を示す。 表示手段による表示例を示す模式図である。 本発明の一実施形態による応答関数の算出方法を示すフローチャートである。 60Coの崩壊図を示す。 60Coについての放射線検出器の応答関数の例を示す。 本発明の実施の形態2による放射能分析装置が備える半導体検出器を示す模式図である。
実施の形態1.
図3は、本発明の一実施形態による放射能分析装置を示す構成図である。
本実施形態では、放射線検出器として、放射線が入射しエネルギーを付与することにより蛍光(シンチレーション光)を発生する放射線検出部と、発生した蛍光を電気信号、例えばパルス信号に変換して出力する光電変換部等を有するシンチレーション検出器を使用する。
本実施形態による放射能分析装置100は、放射性核種2が含まれる測定試料1から放出された放射線(特許請求の範囲における被測定放射線)を検出するシンチレーション検出器10(以下、本実施形態で検出器10)と、測定試料1を格納すると共に、自然放射線を遮蔽するための遮蔽体3と、検出器10の出力を分析するための放射線分析部20と、例えば液晶ディスプレイ等で構成される表示手段30とを備える。
遮蔽体3は、高い放射線遮蔽能力を有する材料、例えば鉛又は鉄、好ましくは鉛で構成され、遮蔽体3の内側に、銅等で構成されるシールドを設けてもよい。
図4は、本発明の実施の形態1による放射能分析装置が備えるシンチレーション検出器を示す模式図である。
検出器10は、放射線検出部としてシンチレータ11を有する。シンチレータ11は、放射線から付与されたエネルギーにより構成分子が励起され、基底状態に戻る際にシンチレーション光を発生するような材料を含む。かかるエネルギーは、放射線とシンチレータとの光電吸収、コンプトン効果、電子対生成等の相互作用により付与される。
また、検出器10は、光電変換部として光電子増倍管12を有する。特に、光電子増倍管12の光電面12aが光電変換機能を有する。光電子増倍管12は、シンチレーション光の光電変換後の電荷(電子)を増幅する機能を有する。
また、検出器10は、シンチレータ11で発生したシンチレーション光を光電子増倍管12に転送する入射窓13、入射窓13とシンチレータ11とを光学的に接着する光学接着剤14等を有する。
さらに、検出器10は、例えばアルミニウム等の金属で構成される封入容器(図示せず)を有し、封入容器とシンチレータ11との間には、例えば酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、二酸化チタン等で構成され、シンチレーション光を反射する反射材15が設けられる。反射材15は、例えばシンチレータ11がNaI(Tl)、CsI(Tl)等の潮解性を有する材料で構成される無機シンチレータであれば、潮解を防ぐ機能を有する。
測定試料1から放出された放射線(γ線4a,5a)が検出器10に入射すると、シンチレータ11に固有の波長を有するシンチレーション光4b,5bが発生する。発生したシンチレーション光4b,5bは、入射窓13を介して光電子増倍管12の光電面12aに入射して電子4c,5cに光電変換される。そして、放射線4a,5aがシンチレータ11に付与したエネルギーに比例したエネルギーを有するパルス信号が、出力端子から出力される(図4中のOutput)。
図3に示すように、放射線分析部20は、計測回路21、パルス波高分析手段22、核種毎の応答関数算出手段23、核種毎の応答関数データベース24、及び核種アンフォールディング手段25等を有する。
計測回路21は、例えば前置増幅器、波形整形増幅器等で構成される。また、パルス波高分析手段22は、例えば多重波高分析器等で構成される。また、核種毎の応答関数算出手段23及び核種アンフォールディング手段25は、例えば、単一の又は複数のマイクロプロセッサで構成される。さらに、核種毎の応答関数データベース24は、例えばマイクロプロセッサに接続されたメモリで構成される。
次に、放射線分析部20の動作について説明する。
まず、計測回路21は、検出器10が出力するパルス信号に対して、予め設定された増幅率に従った増幅、信号の整形等を行う。
パルス波高分析手段22は、計測回路21の出力を基にパルス波高分析を行い、パルス波高分布を抽出する。具体的には、計測回路21によって増幅されたパルス信号のうち、例えばピーク値が所定値以上のパルスについてピーク値をAD変換する。パルス波高分析手段22の出力は、核種アンフォールディング手段25(特許請求の範囲における逆問題演算手段)に入力される。
核種毎の応答関数算出手段23は、検出器10の核種毎に固有な応答関数を算出する。従来、放射能分析に用いられていた応答関数は、単一エネルギーを有する放射線のみが検出器10に入射した際に出力されるパルス波高分布であった。一方、本発明で用いる核種毎の応答関数は、放射性核種が崩壊の過程で放出する放射線が検出器10に入射した際に出力されるパルス波高分布である。そして、核種毎の応答関数データベース24は、検出が想定される核種に対して準備された応答関数を予め格納している。
核種アンフォールディング手段25は、核種毎の応答関数データベース24から呼び出した核種毎の応答関数Kを用いて、抽出されたパルス波高分布Mに対してアンフォールディングを実施し、核種毎の放射能強度Rを算出する。対象とする放射性核種2がN種類あった場合、抽出されるパルス波高分布Mは、下記の式(1)のように表すことができる。
Figure 0005832404
図5a〜図5cは、それぞれパルス波高分布と各放射性核種133Ba,134Cs,60Coについての応答関数との比較を示す。なお、計数値については対数スケールで示している。
図5a〜図5cより、抽出されたパルス波高分布51は、測定試料1に含まれる核種毎の応答関数52〜54を、核種毎の放射能強度で加重積算した結果に相当することがわかる。
なお、本発明ではアンフォールディングにより放射性核種毎の放射能強度Rを求めているが、式(1)に示す、パルス波高分布MからRを算出するための他の逆問題演算方法であれば、例えば逆行列演算、擬似逆行列演算、デコンボリューション、逆畳み込み積分等を用いることもできる。
図6は、表示手段による表示例を示す模式図である。
表示手段30は、核種アンフォールディング手段25により出力された核種毎の放射能強度を表示する。図6の横軸は測定試料1に含まれる放射性核種を示し、縦軸は放射性核種毎の放射能強度(Bq)を示す。
図7は、本発明の一実施形態による応答関数の算出方法を示すフローチャートである。
以下、60Coのβ崩壊について、本図に示す算出方法を説明する。
応答関数の算出は、例えばEGS5(Electron Gamma Shower ver.5)による、擬似乱数を用いたモンテカルロシミュレーションにより実施する。そして、ヒストグラムを核種毎の応答関数データベース24に準備し、フローチャート中の特定のステップにて、出力積算値Iをヒストグラムに加算することで、特定の核種についての応答関数を決定する。
まず、ステップS1では、初期条件、例えば崩壊図のデータ(図8参照)、測定試料1と検出器10との位置関係、測定試料1の物性及び形状、検出器10の形状及び応答時間、並びに計算試行回数等を入力する。測定試料1の物性は、例えば測定試料1の密度、構成材料等である。例えば、測定試料1と検出器10との位置関係、測定試料1の物性及び形状、計算試行回数等については、ユーザが放射能分析装置100の使用時に入力し、その他については製造者が入力することができる。
ここで、カスケードγ線による検出器10の出力における加算効果の影響は、検出器10にカスケードγ線が同時に入射する確率に応じて大きくなる。かかる確率は、放射性核種2から見た検出器10の立体角に依存し、大型の検出器10を用いた場合、検出器10を測定試料1に近接させた場合等に大きくなる。
例えば、測定試料1を実際より小さい寸法で入力した場合、実際に出力されるべき計数値とは異なる計数値が検出器10から出力される。ステップS1で初期条件を正しく入力することで、放射性核種2から放出されるγ線のエネルギーを正確に測定することができる。
図8は、60Coの崩壊図を示す。崩壊図は、原子核の励起エネルギー、α崩壊、β崩壊、β崩壊等の崩壊モード、内部遷移(γ崩壊)によって放出されるγ線の強度比等を示す図である。図8の縦軸はエネルギーを表す。また、図8にて、水平方向の実線はエネルギー準位、矢印は崩壊経路を示す。
60Coはβ崩壊を起こして60Niとなる。また、娘核である60Niは、エネルギー準位が基底状態になるまでγ線を放出しながら内部遷移(以下、遷移)を繰り返す。下記の表1に、各崩壊・遷移経路及びその発生確率を示す。なお、崩壊・遷移経路の括弧内は崩壊の種類を、「符号」は図8中の符号を表す。また、図8には示していないが、ステップS1で入力される崩壊図のデータには、各励起状態(高エネルギー状態)の寿命が含まれる。
Figure 0005832404
このように、60Coの崩壊では、2本のβ線及び2本のγ線を放出して、60Niの基底状態に移行する。放出パターンには、崩壊経路により以下の2通りのパターンが存在する。
(パターン1)第2励起状態へβ崩壊し、第1γ線を放出して第1励起状態へ遷移し、第2γ線を放出して基底状態へ遷移する。
(パターン2)第1励起状態へβ崩壊し、第2γ線を放出して基底状態へ遷移する。
そこで、ステップS2では、ステップS1で入力された崩壊図のデータにおける各崩壊経路の発生確率に基づいて、崩壊の種類及び崩壊先のエネルギー準位を決定する。つまり、60Coの崩壊の場合、計算試行回数をN回として、第2励起状態へ崩壊した回数がN×0.999となるように、擬似乱数を生成するための確率分布を設定する。以下、60Coが第2励起状態へβ崩壊(β崩壊)した場合(パターン1)について説明する。なお、同様に、第1励起状態へ崩壊した回数がN×0.001となるように、擬似乱数を生成するための確率分布を設定し、以下の各ステップを実施する(パターン2)。
次に、ステップS3では、崩壊による放出粒子の種類、エネルギー及び放出方向を決定する。親核から娘核への崩壊では、α線又はβ線が放出される。60Coが60Niの第2励起状態へβ崩壊した場合、放出粒子は電子である。放出電子のエネルギーは、0から最大エネルギーである約0.32MeVまで連続的に分布する。放出電子は、等方的に、即ち全方位に等しい確率で放出される。
次に、ステップS4では、放出粒子の挙動を追跡し、検出器10の出力を計算する。計算した検出器10の出力を、例えばマイクロプロセッサに接続されたメモリに、ヒストグラムとは別に出力積算値Iとして保存する。
以上で説明したステップS2〜S4が、親核から娘核への崩壊に伴う応答関数の計算方法を表す。
次に、娘核の励起状態から基底状態までの遷移に伴うγ線の放出に伴う応答関数の計算について説明する。
まず、ステップS5で、娘核の現在のエネルギー準位が励起状態であるか否かを判定する。励起状態でない状態とは、即ち基底状態である。励起状態であると判定した場合は、次のステップS6で、どのエネルギー準位に遷移するか、即ち遷移経路を決定する。
60Niの場合、第2励起状態から第1励起状態へ遷移する確率は100%である。それゆえ、60Coが60Niの第2励起状態へβ崩壊した場合、遷移先のエネルギー準位は必ず第1励起状態となる。
次に、ステップS7では、ステップS6で決定した遷移に伴い放出されるγ線のエネルギー及び放出方向を決定する。γ線のエネルギーは、ステップS1で入力された崩壊図のデータから決定することができる。
また一般に、γ線は放射性核種から角運動量保存則を満たすように放出されるため、1本のγ線のみが放出される場合は等方的に放出される。一方、複数本のγ線が短い時間間隔で連続して放出される場合には、1本目の放出方向に対する2本目以降の放出方向に、僅かながら依存性があることが知られている。放出方向については、この依存性を基に決定することができる。
ここで、娘核の励起状態から基底状態までの遷移に伴ってγ線が放出されるところ、励起エネルギーが原子核周辺の電子に付与されて、運動エネルギーを得たその電子が放出される、内部転換と呼ばれる現象が競合過程として存在する。それゆえ、遷移により放出されるγ線のエネルギーを一意に定めるためには、かかるγ線のエネルギーの値を、内部転換過程を考慮した値とする必要がある。それゆえ、ステップS7では、放出されるγ線のエネルギー及び放出方向に加えて、内部転換の発生の有無を決定する。
内部転換が発生する確率は、励起状態の性質によって決まる既知の値である。それゆえ、擬似乱数を生成するための確率分布を算出すると共に、かかる確率分布に従って内部転換の有無を決定することができる。
また、放出される内部転換電子のエネルギーは、遷移が起こるエネルギー準位間のエネルギー差から電子の束縛エネルギーを差し引いた値であり、既知の値である。それゆえ、フローチャートには示していないが、ステップS7で内部転換有りと決定した場合、かかる既知のエネルギーを基に、放出される電子のエネルギーを一意に定めることができる。
60Niの第2励起状態から第1励起状態への遷移では、内部転換電子は放出されない。それゆえ、ステップS7では、エネルギー1.17MeVのγ線が等方的に放出される、そして、内部転換無し、と決定する。
次に、ステップS8では、励起状態の寿命と検出器10の応答時間Tとの比較を行う。励起状態の寿命及び応答時間Tは、ステップS1で入力済みである。応答時間Tが励起状態の寿命よりも短い場合、カスケードγ線が連続的に放出される。このとき、測定試料1と検出器10との位置関係に応じて所定量のカスケードγ線が検出器10に入射することになるため、応答関数の算出に際して加算効果を考慮する必要がある。60Niの場合、第2励起状態の寿命は0.1ps程度であり、一般に、放射線検出器の応答時間よりも充分に短いため、加算効果を考慮した計算を行う必要がある。
ここで、放射線検出器が出力するパルス信号は、例えば、(1)放射性核種によるγ線の放出後、検出器の放射線検出部たるシンチレータへエネルギーを付与するまでの過程、(2)発生したシンチレーション光がシンチレータを伝播し、光電変換されるまでの過程、(3)光電変換後、電荷が増幅されて出力されるまでの過程、のように数段階の過程を経て出力されるところ、従来、応答関数の算出に際しては、上記(1)の過程のみが考慮されていた。それゆえ、検出器が出力するエネルギースペクトルのゆがみを再現できず、カスケードγ線による加算効果を考慮した応答関数を算出することが難しかった。
そこで、ステップS8で、励起状態の寿命が応答時間Tcより短いと判定した場合、加算効果を考慮した応答関数を算出するために、ステップS9で検出器10の出力解析を以下のように実施する。つまり、検出器10でのエネルギー変換過程の解析を、上記(1)の過程を解析する放射線挙動解析、(2)の過程を解析する光伝達解析、(3)の過程を解析する電子増幅解析に分けて行う。
まず、放射線挙動解析では、第1に、ステップS1で入力した測定試料1の物性及び形状を基に、放射線核種2により放出されたγ線のうち、測定試料1内での減衰量及びエネルギーの変化量等を計算する。放出されたγ線は、例えば測定試料1内で指数関数的に減衰する場合があり、その指数は、γ線と測定試料1を構成する材料との相互作用、例えば光電吸収、コンプトン効果及び電子対生成により決定することができる。また、エネルギーの変化量についても同様の相互作用を基に決定することができる。
また、測定試料1から放出された放射線は、(1)放射線検出部たるシンチレータに直接入射してエネルギーをすべて付与する場合の他、(2)遮蔽体3で散乱、反射、吸収等された後にシンチレータに入射する場合、(3)シンチレータに入射してエネルギーの一部を付与し、残りのエネルギーに相当する放射線が散乱等してシンチレータ外へ放出される場合が、それぞれ一定の確率で生じる。それゆえ放射線挙動解析では、第2に、放射線と、遮蔽体3、及び、検出器10を構成するシンチレータ11、入射窓13、光学接着剤14、反射材15等の光学材料との相互作用を計算する。
次に、光伝達解析では、シンチレーション光の伝達に伴う光の損失を計算する。具体的には、まず、検出器10を構成する光学材料の屈折率を基にした、境界面を隔てた媒質の屈折率の違いに起因するシンチレーション光の損失の計算を行う。続いて、これらの光学材料の透過率を基にしたシンチレーション光の減衰の計算を行う。続いて、反射材15の反射率の計算等を行う。そして、これらの計算結果を基に、発生したシンチレーション光のうち、入射窓13に到達し、光電子増倍管12の光電面12aにて光電変換されるシンチレーション光の割合Fを正確に評価する。最後に、電子増幅解析では、光電子増倍管12での電荷の増幅率Gを計算する。
このとき、検出器10から出力される電荷Q(C)は、放射線が検出器10に付与したエネルギーをΔE、素電荷の大きさ(1.6×10−19C)をeとして、Q=ΔE×F×G×eと表される。光伝達解析及び電子増幅解析については、電荷Qの計算を基に行うことができる。
そして、以上の放射線挙動解析、光伝達解析及び電子増幅解析によって計算した検出器10の出力を、出力積算値Iに加算する。
また、検出器10に所定量のカスケードγ線が入射する場合には、ステップS9で、第1γ線と同様に、第2γ線について、放射線挙動解析、光伝達解析及び電子増幅解析を行い、第1γ線のエネルギーと第2γ線のエネルギーとの和に相当する検出器10の出力を、出力積算値Iに加算する。
一方、ステップS8で、励起状態の寿命が検出器10の応答時間Tより長いと判定した場合には、ステップS11を実施する。励起状態の寿命が応答時間Tより長い場合、検出器10内でγ線のエネルギーは加算されず、それぞれのγ線のエネルギーは独立して計数される。それゆえ、ステップS11では、ステップS4、又は、前回の遷移においてステップS9で計算した出力積算値Iを、応答関数を求めるためのヒストグラムに加算する。そして、ステップS12で検出器10の出力をリセットし、ステップS9以降の計算を行う。これにより、出力積算値Iには、第1γ線のエネルギーと第2γ線のエネルギーとの和に相当する検出器10の出力は加算されない。
次に、ステップS10では、ステップS2で決定したエネルギー準位を、下位のエネルギー準位に変更する。60Coが60Niの第2励起状態へβ崩壊した場合、必ず第1励起状態へ遷移するため、下位のエネルギー準位は第1励起状態である。
そして、ステップS5に戻って、現在のエネルギー準位が励起状態かどうかを再度判定する。未だ励起状態であると判定した場合は、ステップS6〜S11を再度実施する。
60Niの現在のエネルギー準位は第1励起状態であるため、次に発生するのは、基底状態への遷移である。第1励起状態から基底状態への遷移では、1.33MeVのγ線が放出される。前述の通り、第1励起状態の寿命は0.1ps程度であり、一般に、放射線検出器の応答時間Tより充分に短いため、この遷移でも、エネルギー加算効果を考慮した計算を行う必要がある。
そして、第1励起状態から基底状態への遷移の際にステップS9で計算した検出器10の出力を、出力積算値Iに加算する。現在、出力積算値Iには、ステップS4で計算した出力と、1回目のステップS9で計算した出力と、今回のステップS9で計算した出力との和が保存されている。
そして、再度ステップS5へ戻り、エネルギー準位が励起状態か否かを判定する。現在のエネルギー準位は基底状態であるため、これ以上の遷移は発生せず、ステップS5で、娘核のエネルギー準位が励起状態でない、即ち基底状態であると判定し、ステップS13へ進む。
ステップS13では、ステップS1〜S13で計算した出力積算値Iを、応答関数を求めるためのヒストグラムに加算する。次に、ステップS14では、計算試行回数が、ステップS1で入力した所定の計算回数N未満か否かを判定する。計算試行回数が所定の計算回数未満でないと判定した場合は、計算を終了し、ステップS15で検出器の応答関数を決定する。一方、計算回数が所定の計算回数未満であると判定した場合は、ステップS2に戻り、再度ステップS2〜S13を実施する。
核種毎の応答関数算出手段23は、以上のようにして、測定試料1と検出器10との位置関係に応じた、特定の核種に固有の応答関数を算出することができる。
図9は、図7のフローチャートに示す方法を基に算出した、60Coについての放射線検出器の応答関数の例を示す。なお、計数値については対数スケールで示している。
ピーク91は、図8の遷移経路83で放出される第1γ線のピーク、ピーク92は、図8の遷移経路84で放出される第2γ線のピーク、ピーク93は、第1γ線のエネルギーと第2γ線のエネルギーとの和に相当するピーク、連続分布74は、部分的にエネルギーを失った放射線の出力が加算された連続エネルギースペクトルである。
以上、本実施形態による放射能分析装置100により、以下の効果が得られる。
第1に、従来は、前述の通り、カスケードγ線による加算効果を考慮した応答関数を算出することが難しかった。ここで、放射線の検出効率を向上させるために、検出器を測定試料に近接させた結果、例えばγ線が連続的に入射する確率が1/4程度となるような状況では、測定試料に実際に含まれる放射性核種の量を1/4程度少なく見積もっていた。それゆれ、放射能分析装置の分析精度を向上させるためには、小型の放射線検出器を用いる、或いは検出器を測定試料から遠ざけることが好ましく、放射能分析装置にて優れた検出効率及び分析精度を両立させることは難しかった。
一方、本実施形態では、測定試料1と検出器10との位置関係、測定試料1の物性及び形状、並びに検出器10の形状等に基づいて、ステップS9で説明した光伝達解析を実施して検出器10の出力するエネルギースペクトルを正確に計算している。それゆえ、本実施形態により、カスケードγ線による加算効果を考慮した応答関数を算出することが可能となる。そして、かかる応答関数を用いてパルス波高分布をアンフォールディングすることによって、核種毎の放射能強度を正確に決定することができる。
特に、光伝達解析では、発生したシンチレーション光のうち、入射窓13に到達し、光電子増倍管12の光電面12aにて光電変換されるシンチレーション光の割合を基に応答関数を算出するため、分析精度が低下する影響が大きくなる大型の検出器10においても、核種毎の放射能強度を正確に決定することができる。
つまり、大型の検出器10を用いた場合、検出器10を測定試料1に近接させた場合でも高い分析精度を得ることができ、したがって、放射能分析装置100にて優れた検出効率及び分析精度を両立させることができる。
第2に、従来は、入射したγ線のエネルギーのみを知ることができ、測定試料に含まれる放射性核種を直接知ることができなかった。それゆえ、測定した放射線のエネルギースペクトルと、文献等に記載された放射性核種の放出エネルギーとを比較することにより、測定試料に含まれる放射性核種を分析していた。したがって、分析に長時間を要し、文献値の読取りに際して専門的知識も必要とされていた。
一方、本実施形態では、例えばマイクロコンピュータで構成される核種アンフォールディング手段25により、核種毎の応答関数を用いたアンフォールディングが実施され、試料測定後、例えば数秒から数10秒程度で核種毎の放射能強度が決定される。それゆえ、測定試料1に含まれる放射性核種2を直接知ることができ、分析を短時間で実施することができる。
また、放射性核種2の分析を自動で実施するため、専門的知識が必要とされることがなく、更には測定結果、文献値の読み違い等による、放射能強度が所定の基準値を超えているか否かについての誤判定が生じにくい。
第3に、従来、放射性核種の崩壊・遷移経路とは関係なく、一定のエネルギー間隔で、単一エネルギーを有するγ線1本ずつに対して検出器の出力が解析されていた。それゆえ、核種毎の応答関数を算出することが難しかった。
一方、本実施形態では、核種毎の応答関数算出手段23が、放射性核種2の崩壊・遷移経路を決定した上で放射線放出パターンのシミュレーションを実施するため、容易に核種毎の応答関数を算出でき、したがって放射能分析装置100の分析精度を向上させることができる。
第4に、本実施形態では、ステップS9で説明した放射線挙動解析を実施して、測定試料1中での放射線の減衰・エネルギー変化量を計算することにより、測定試料1の密度が大きいとき等、試料中での放射線減衰・エネルギー変化の影響が大きい場合でも、放射能分析装置100の分析精度を向上させることができる。
実施の形態2.
図10は、本発明の実施の形態2による放射能分析装置が備える半導体検出器を示す模式図である。図10は、半導体検出器に逆バイアス電圧を印加した状態を示している。
本実施形態では、放射線検出器として、放射線が入射しエネルギーを付与することにより電荷キャリアを発生する放射線検出部と、発生した電荷キャリアを収集するキャリア収集部を含むものを使用する。かかる検出器として、例えば、電離箱、比例計数管、GM計数管、半導体検出器等を使用することができる。以下、放射線検出器として半導体検出器を使用する場合の例について説明する。その他の構成は、実施形態1と同様である。
図10に示すように、半導体検出器60(以下、本実施形態で検出器60)は、キャリア収集部として、接合された陽極61と陰極62とを有する。陽極61、陰極62は、それぞれn型半導体、p型半導体で構成される。陽極61及び陰極62を構成する半導体として、例えばGe、Si又はCdZnTeを用いることができる。また、陽極61と陰極62との間に逆バイアス電圧を印加すると、陽極61と陰極62との間に、キャリア発生部となる空乏層63が生じる。
測定試料1から放出された放射線(γ線4a,5a)が検出器60の空乏層63に入射すると、γ線4a(5a)の電離作用により電子4e(5e)と正孔4d(5d)とのペアが生じる。発生した電子及び正孔は、逆バイアス電圧によって、それぞれ陽極61、陰極62に移動して収集される。そして、γ線4a,5aが空乏層63に付与したエネルギーに比例したエネルギーを有するパルス信号が、出力端子から出力される(図10中のOutput)。
本実施形態においても、実施形態1と同様に、図7で説明したフローチャートと同様の方法で、応答関数が算出される。但し、本実施形態では、フローチャートのステップS9にて、検出器60でのエネルギー変換過程を、(1)放射性核種2によるγ線の放出後、検出器60の空乏層63へエネルギーを付与するまでの過程を解析する放射線挙動解析、(2)発生した電子及び正孔が空乏層を移動し、陽極、陰極にて収集されるまでの過程を解析する電荷移動解析に分けて解析する。まず、放射線挙動解析では、実施形態1と同様の解析を実施する。
次に、電荷移動解析では、電子及び正孔の移動において、再結合により失われることなく陽極61、陰極62にて収集される割合Hを計算する。このとき、検出器60から出力される電荷Q(C)は、放射線が検出器60に付与したエネルギーをΔE、素電荷の大きさ(1.6×10−19C)をeとして、Q=ΔE×H×eと表される。電荷移動解析については、電荷Qの計算を基に行うことができる。
また、検出器60に所定量のカスケードγ線が入射する場合には、図7のフローチャートのステップS9で、第1γ線と同様に、第2γ線について、放射線挙動解析及び電荷移動解析を行い、第1γ線のエネルギーと第2γ線のエネルギーとの和に相当する検出器60の出力を、出力積算値Iに加算する。
以上、本実施形態では、実施形態1と同様の効果が得られる。このとき、上記の電荷移動解析を行う際には、発生した電子及び正孔のうち、空乏層63を伝播し、陽極61、陰極62にて収集される割合を基に応答関数を算出するため、分析精度が低下する影響が大きくなる大型の検出器、或いはキャリア移動度が小さくキャリア損失の影響が大きくなるような半導体検出器等を用いた場合でも、核種毎の放射能強度を正確に決定することができる。
また、放射線検出器として、一般にエネルギー分解能に優れた半導体検出器を使用することによって、放射能分析装置にて放射線の分析精度をさらに向上させることができる。
1 測定試料、 2 放射性核種、 3 遮蔽体、
10 シンチレーション検出器、 11 シンチレータ、 12 光電子増倍管、
20 放射線分析部、 21 計測回路、 22 パルス波高分析手段、
23 核種毎の応答関数データベース、 24 核種毎の応答関数算出手段、
25 核種アンフォールディング手段(逆問題演算手段)、 30 表示手段、
60 半導体検出器、 61 陽極、 62 陰極、 63 空乏層、
100 放射能分析装置。

Claims (7)

  1. 測定試料から放出された被測定放射線を検出する放射線検出器、及び、放射線検出器の出力を基に被測定放射線を分析する放射線分析部を備え、
    放射線分析部は、
    放射線検出器から出力される、被測定放射線に応じたパルス信号からパルス波高分布を抽出するパルス波高分析手段と、
    測定試料に含まれる放射性核種毎に、放射線検出器の応答関数を算出する応答関数算出手段と、
    算出された放射性核種毎の応答関数を用いて、抽出されたパルス波高分布に対して逆問題演算を実施し、放射性核種毎の放射能強度を決定する逆問題演算手段とを有し、
    応答関数算出手段は、放射線検出器にカスケードγ線が入射する場合には、カスケードγ線によるエネルギー加算効果に応じた応答関数を算出する、ことを特徴とする放射能分析装置。
  2. 応答関数算出手段は、放射性核種の励起状態の寿命が放射線検出器の応答時間よりも短い場合に、測定試料と放射線検出器との位置関係を基に、エネルギー加算効果に応じた応答関数を算出することを特徴とする、請求項1に記載の放射能分析装置。
  3. 応答関数算出手段は、各放射線核種の崩壊経路及び内部遷移経路に基づいて、放射性核種毎の応答関数を算出することを特徴とする、請求項1又は2に記載の放射能分析装置。
  4. 応答関数算出手段は、測定試料に含まれる放射性核種から放出された放射線の、測定試料中での減衰量及びエネルギー変化量を基に、応答関数を算出することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射能分析装置。
  5. 応答関数算出手段は、測定試料の物性及び形状に応じて決定された前記減衰量及びエネルギー変化量を基に、応答関数を算出することを特徴とする、請求項4に記載の放射能分析装置。
  6. 放射線検出器は、被測定放射線が入射しエネルギーを付与することにより蛍光を発生する放射線検出部と、発生した蛍光を光電変換する光電変換部とを含み、
    応答関数算出手段は、発生した蛍光のうち光電変換部にて光電変換される割合を基に、応答関数を算出することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の放射能分析装置。
  7. 放射線検出器は、被測定放射線が入射しエネルギーを付与することにより電荷キャリアを発生する放射線検出部と、発生した電荷キャリアを収集するキャリア収集部とを含み、
    応答関数算出手段は、発生した電荷キャリアのうちキャリア収集部にて収集される割合を基に、応答関数を算出することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の放射能分析装置。
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