JPWO2014038288A1 - モスアイフィルム - Google Patents
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Abstract
本発明は、表面に結露の発生が起こりにくいモスアイフィルムを提供する。本発明のモスアイフィルムは、平坦膜を形成し、該平坦膜の表面上に水を着滴後100ミリ秒後における、該水に対する接触角を測定したときの該接触角が、5°より大きく31.3°より小さい樹脂組成物から形成されたものである。
Description
本発明は、モスアイフィルムに関する。より詳しくは、基材上に貼り付けることで基材の表面反射を低減することができるモスアイフィルムに関するものである。
近年、表示装置の表面反射を低減する技術として、従来の光干渉フィルムを用いずに超反射防止効果を得ることができるモスアイ(Moth−eye:蛾の目)構造が注目されてきている。モスアイ構造は、反射防止処理を行う物品の表面に、防眩性(AG:Anti Glare)フィルムで形成される凹凸パターンよりも更に微細な、可視光波長以下の間隔の凹凸パターンを隙間なく配列することで、外界(空気)と物品表面との境界における屈折率の変化を擬似的に連続なものとするものであり、屈折率界面に関係なく光のほぼ全てを透過させ、該物品の表面における光反射をほぼなくすことができる(例えば、特許文献1参照。)。
このようなモスアイ構造を有するフィルム(以下、モスアイフィルムともいう。)の用途は広く、テレビ、携帯電話等のディスプレイ、自動車のスピードメーター、燃料計等の計器類、窓ガラス、道路標識等の建築資材等に対して用いられる。
しかし、モスアイフィルムは、空気界面の屈折率の変化を擬似的になくすことで光を透過させるため、物品の最表面に貼り付けられて用いられる必要があり、例えば、窓ガラスの表面にモスアイフィルムを貼り付けた場合、外気が冷え込む冬季の朝方等には、図51に示すように、窓ガラスに貼ったモスアイフィルムの表面が結露し、水滴が発生してそれが下へ流れ、窓ガラス下部に汚れが発生する。
モスアイフィルムに限らず、建築資材等の表面の結露を防止する方法としては、既に様々な検討がなされているが、一般的には物品表面における水に対する接触角に着目した検討がなされている(例えば、特許文献2〜6参照。)。
しかしながら、本発明者らが、基材上に貼り付けられたモスアイフィルムの表面における結露を防止する方法について種々検討したところ、モスアイフィルムの表面における水に対する接触角を適切に調節した場合であっても結露の発生が防止できない場合があり、未だ改善の余地があることが明らかとなった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、表面に結露の発生が起こりにくいモスアイフィルムを提供することを目的とするものである。
本発明者らの検討によれば、結露の発生要因は、モスアイフィルムの形状ではなく、モスアイフィルムを構成する材料である。すなわち、モスアイフィルムを構成する材料の特性が所定の条件を満たせば、モスアイフィルムの形状、及び、その表面特性によらず、結露の発生を効果的に防止することができる。本発明者らの検討結果によれば、結露の発生を防止することができるモスアイフィルムの条件は、以下のとおりである。
すなわち、本発明の一態様は、平坦膜を形成し、該平坦膜の表面上に水を着滴後100ミリ秒後における、該水に対する接触角を測定したときの該接触角が、5°より大きく31.3°より小さい樹脂組成物から形成されたものであるモスアイフィルムである。
本発明のモスアイフィルムによれば、物品表面において優れた低反射性を付与するとともに、結露の発生を防ぐことができる。
以下に実施形態を掲げ、本発明について図面を参照して更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
本明細書において「モスアイフィルム」とは、具体的には、隣り合う凸部の頂点間の幅が可視光波長の下限(380nm)以下である複数の凸部を有するフィルムをいう。
実施形態1
図1は、実施形態1のモスアイフィルムを含む積層体の断面模式図である。図1に示すように、実施形態1のモスアイフィルム12は、下地フィルム11、及び、接着層13を介して、反射防止の対象となる物品上に貼り付けられている。モスアイフィルム12は、凹凸部と下地部とからなり、モスアイフィルム12の表面に入射してきた光は、そのほとんどが、モスアイフィルム12から物品までの間を透過するので、従来の反射防止フィルム(例えば、光干渉型のフィルム)に比べ、はるかに優れた反射防止効果を得ることができる。
図1は、実施形態1のモスアイフィルムを含む積層体の断面模式図である。図1に示すように、実施形態1のモスアイフィルム12は、下地フィルム11、及び、接着層13を介して、反射防止の対象となる物品上に貼り付けられている。モスアイフィルム12は、凹凸部と下地部とからなり、モスアイフィルム12の表面に入射してきた光は、そのほとんどが、モスアイフィルム12から物品までの間を透過するので、従来の反射防止フィルム(例えば、光干渉型のフィルム)に比べ、はるかに優れた反射防止効果を得ることができる。
反射防止の対象となる物品としては、低温環境下に置かれやすいもの、例えば、建築物の窓ガラス、インフォメーションディスプレイ、ショウウインドウ、車のフロントガラス、リアガラス、インストルメントパネル、窓ガラス等に好適に用いられるが、携帯電話等のディスプレイ、水槽、印刷物、写真、塗装物品、照明機器等に用いられてもよい。
物品の材質は、モスアイフィルム12を載置することができる限り、特に限定されず、ガラス、プラスチック、金属等のいずれであってもよく、また、半透明であっても、不透明であってもよい。不透明な物品に対しては不透明体の表面反射防止効果となり、例えば、黒色の場合には漆黒の見栄えが得られ、着色されている場合には高色純度の見栄えが得られるため、意匠性の高い物品が得られる。物品の外的特徴としては特に限定されず、例えば、フィルム、シート、射出成形品、プレス成形品等の溶融成形品等が挙げられる。
実際にモスアイフィルムを物品に使用する際には、必ずしも物品の全面に貼り付けなくとも、充分な反射防止効果及び結露発生防止効果を得ることができる。また、例えば、窓ガラスに使用する場合には、意図的に貼り付けを行わない場所を設けることで、より結露の発生を抑制することができる場合がある。
以下、実施形態1におけるモスアイフィルムについて詳述する。
図1に示すように、モスアイフィルム12の表面は、隣り合う凸部の頂点の間隔(非周期構造の場合の隣り合う凸部の幅)又はピッチ(周期構造の場合の隣り合う凸部の幅)が可視光波長以下である凸部を複数含んでいる。凹凸部における隣り合う凸部の頂点間の幅は、可視光波長以下であり、言い換えれば、モスアイフィルム12の表面には、複数の凸部が可視光波長(380nm)以下の間隔又はピッチをもって並んで配置されている。なお、実施形態1における凸部は、その配列に規則性を有していない場合(非周期性配列)に不要な回折光が生じないという利点があり、より好ましい。モスアイフィルム12の厚みは、5〜15μmであることが好ましい。薄すぎると金型の欠陥部の影響を受けやすくなるため、少なくとも3μm以上であることが好ましい。モスアイフィルム12の表面には、使用時に剥離可能な保護フィルムが貼り付けられていてもよい。
下地フィルム11の材質には、例えば、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、環状オレフィン系高分子(代表的にはノルボルネン系樹脂等である製品名「ゼオノア」(日本ゼオン社製)、及び、製品名「アートン」(JSR社製))等のポリオレフィン系樹脂、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンナフタレート、ポリウレタン、ポリエーテルケトン、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエステル、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂等が用いられる。下地フィルム11の表面には、密着性を上げるためのアンカー処理層、ハードコート層等が形成されていてもよい。下地フィルム11が薄いと、モスアイフィルムの樹脂の硬化収縮によりカールしてしまうおそれがあるため、下地フィルムはモスアイフィルムよりも厚いことが好ましい。
接着層13の材質は特に限定されない。接着層13の下地フィルム11と逆側の表面上には、接着層13を保護するためのセパレーターフィルム(例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート))が貼り付けられていてもよい。
以下、実施形態1のモスアイフィルムの凸部に関して、より詳細に説明する。
図2及び図3は、実施形態1のモスアイフィルムの斜視模式図である。図2は凸部の単位構造が円錐状の場合を示し、図3は凸部の単位構造が四角錐状の場合を示す。図2及び図3に示すように、凸部12aの頂上部は頂点tであり、各凸部12a同士が接する点が底点bである。図2及び図3に示すように、隣り合う凸部12aの頂点間の幅wは、凸部12aの頂点tからそれぞれ垂線を同一平面上まで下ろしたときの二点間の距離で示される。また、凸部12aの頂点から底点までの高さhは、凸部12aの頂点tから底点bの位置する平面まで垂線を下ろしたときの距離で示される。
実施形態1のモスアイフィルムにおいて、隣り合う凸部12aの頂点間の幅wは380nm以下、好ましくは300nm以下、より好ましくは200nm以下である。なお、図2及び図3においては、凸部12aの単位構造として円錐及び四角錐を例示したが、実施形態1におけるモスアイフィルムの表面は、頂点及び底点が形成され、かつ可視光波長以下に凸部の間隔又はピッチが制御された構造を有していれば、その単位構造は特に限定されず、例えば、図4及び図5に示すような底点から頂点に近づくほど傾斜が緩やかになる形状(釣鐘型、ベル型又はドーム型)、図6に示すような底点と頂点の間の領域で傾斜が一部急峻になる形状(サイン型)、及び、図7に示すような底点から頂点に近づくほど傾斜が急峻になる形状(針状型又はテント型)、錐体の斜面に階段状のステップのある形状等であってもよい。
また、実施形態1において凸部は複数の配列性を有していてもよく、更には配列性がなくてもよい。すなわち、凸部12a同士が接する点である底点が隣り合う凸部同士で同じ高さとなっている形態に限らない。例えば、図8〜図10に示すように、各凸部12a同士が接する表面上の点(接点)の高さが複数存在する形態であってもよい。このとき、これらの形態には鞍部が存在している。鞍部とは、山の稜線のくぼんだ所をいう(広辞苑第五版)。ここで、一つの頂点tを有する凸部を基準としてみたときに、その頂点tよりも低い位置にある接点は複数存在して鞍部を形成しており、本明細書では、任意の凸部の周りにある最も低い位置にある接点を底点bとし、頂点tよりも下に位置し、かつ底点bよりも上にあって鞍部の平衡点となる点を鞍点sともいう。この場合には、凸部12aの頂点間の幅wが隣り合う頂点間の距離に相当し、高さhが頂点から底点までの垂直方向の距離に相当することになる。
以下、より詳細に説明する。特に、一つの頂点を有する凸部を基準としてみたときに、隣り合う凸部の接点は複数存在しており、頂点tよりも低い位置にあって鞍部(鞍点)を形成している場合の例を用いて示す。図11及び図12は、モスアイフィルムの凸部を詳細に示した斜視模式図である。図11は、釣鐘型であり鞍部及び鞍点を有する場合の拡大図であり、図12は、針状型であり鞍部及び鞍点を有する場合の拡大図である。図11及び図12に示すように、凸部12aの一つの頂点tに対して、その頂点tよりも低い位置にある隣り合う凸部の接点は複数存在しており、すなわち鞍部を有している。図11及び図12を比較して分かるように、釣鐘型と針状型とでは、鞍部の高さは、釣鐘型においてより高く形成されやすい。
図13は、モスアイ構造の凸部及び凹部をより拡大した平面模式図である。図13に示す白丸(○)の点が頂点を表し、黒丸(●)の点が底点を表し、白四角(□)が鞍部の鞍点を表している。図13に示すように、一つの頂点を中心として同心円上に底点と鞍点とが形成されている。図13では模式的に、一つの円上に6つの底点と6つの鞍点とが形成されたものを示しているが、実際にはこれに限定されず、より不規則なものも含まれる。
図14は、図13におけるA−A’線に沿った断面、及び、図13におけるB−B’線に沿った断面を示す模式図である。頂点がa2,b3,a6,b5で表され、鞍部がb1,b2,a4,b4,b6で表され、底点がa1,a3,a5,a7で表されている。このとき、a2とb3との関係、及び、b3とb5との関係が、隣り合う頂点同士の関係となり、a2とb3との間の距離、及び、b3とb5との間の距離が、隣り合う凸部の頂点間の距離wに相当する。また、a2と、a1又はa3との間の高さ、a6と、a5又はa7との間の高さが、凸部の高さhに相当する。
ここで、実施形態1のモスアイフィルムが低反射を実現することができる原理について説明する。図15及び図16は、実施形態1のモスアイフィルムが低反射を実現する原理を示す模式図である。図15はモスアイフィルムの断面構造を示し、図16はモスアイフィルムに入射する光の感じる屈折率(有効屈折率)の変化を示す。図15及び図16に示すように、実施形態1のモスアイフィルム12は、凸部12aと下地部12bとで構成されている。光はある媒質から異なる媒質へ進むとき、これらの媒質界面で屈折、透過及び反射する。屈折等の程度は光が進む媒質の屈折率によって決まり、例えば、空気であれば約1.0、樹脂であれば約1.5の屈折率を有する。実施形態1においては、モスアイフィルム12の表面に形成された凹凸構造の単位構造は略錐状であり、すなわち、先端方向に向かって徐々に幅が小さくなっていく形状を有している。したがって、図15及び図16に示すように、空気層とモスアイフィルム12との界面に位置する凸部12a(X−Y間)においては、空気の屈折率である約1.0から、膜構成材料の屈折率(樹脂であれば約1.5)まで、屈折率が連続的に徐々に大きくなっているとみなすことができる。光が反射する量は媒質間の屈折率差に依存するため、このように光の屈折界面を擬似的にほぼ存在しないものとすることで、光のほとんどがモスアイフィルム12中を通り抜けることとなり、膜表面での反射率が大きく減少することとなる。図15では略錘状の凹凸構造を一例として記載しているが、もちろんこれに限定されるわけではなく、上記原理によるモスアイの反射防止効果を生じる凹凸構造であればよい。
モスアイフィルム12の表面を構成する複数の凸部の好適なプロファイルの一例としては、光学特性、機械的物性、及び、製造上の観点より、互いに隣り合う凸部間の幅(間隔又はピッチ)が20nm以上、200nm以下であり、凸部の高さが50nm以上、400nm以下である形態が挙げられる。図1〜図15においては、複数の凸部12aは、全体として可視光波長以下の周期の繰り返し単位をもって並んで配置されている形態を示しているが、周期性を有していない部分があってもよく、全体として周期性を有していなくてもよい。また、複数の凸部のうちの任意の一つの凸部と、その隣り合う複数ある凸部との間のそれぞれの幅は、互いに異なっていてもよい。周期性を有していない形態では、規則配列に起因する透過及び反射の回折散乱が生じにくいという性能上の利点と、パターンを製造しやすいという製造上の利点を有する。更に、図8〜図14に示すように、モスアイフィルム12においては、一つの凸部に対し、その周りに複数個の高さの異なる底点が形成されていてもよい。なお、モスアイフィルム12の表面は、ナノオーダーの凹凸よりも大きな、ミクロンオーダー以上の凹凸を有していてもよく、すなわち、二重の凹凸構造を有していてもよい。
以下、モスアイフィルム12を形成する方法の一例について説明する。まず、ガラス基板を用意し、金型(モールド)の材料となるアルミニウム(Al)をスパッタリング法によりガラス基板上に成膜する。次に、アルミニウムを陽極酸化させ、直後にエッチングを行う工程を繰り返すことによって、隣り合う穴(凹部)の底点間の距離が可視光波長以下の長さである多数の微小な穴をもつ陽極酸化層を形成する。例えば、陽極酸化、エッチング、陽極酸化、エッチング、陽極酸化、エッチング、陽極酸化、エッチング及び陽極酸化を順に行うフロー(陽極酸化5回、エッチング4回)によって、金型を作製することができる。このような陽極酸化とエッチングとの繰り返し工程によれば、形成される微小な穴の形状は、金型の内部に向かって先細りの形状(テーパ形状)となる。また、陽極酸化時間を調節することで、形成される穴の大きさ(深さ)に違いが生まれる。なお、モールドの基板はガラスに限られず、ステンレス(SUS)、ニッケル(Ni)等の金属材料や、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、環状オレフィン系高分子(代表的にはノルボルネン系樹脂等である製品名「ゼオノア」(日本ゼオン社製)、及び、製品名「アートン」(JSR社製))等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース等の樹脂材料であってもよい。また、アルミニウムを成膜した基板の代わりに、アルミニウムのバルク基板を用いてもよい。なお、金型の形状は、平板状であってもロール(円筒)状であってもよい。
次に、このような製造工程によって作製された金型の表面上に、透光性を有する2P(光重合性)樹脂溶液を滴下し、気泡が入らないように注意しながら、2P樹脂溶液でできた2P樹脂層上に基材(例えば、TACフィルム)を貼り合わせる。そして、2P樹脂層に対して紫外(UV)線(例えば、2J/cm2)を照射して2P樹脂層を硬化させ、その後、硬化してできた2P樹脂フィルム及びTACフィルムの積層フィルムの剥離を行う。金型を用いて基材上に微細凹凸を形成(複製)する具体的な方法としては、上記2P法(Photo-polymerization法)の他に、例えば、熱プレス法(エンボス法)、射出成形法、ゾルゲル法等の複製法、又は、微細凹凸賦形シートのラミネート法、微細凹凸層の転写法等の各種方法を、反射防止物品の用途及び基材の材料等に応じて適宜選択することができる。
金型の凹部の深さ、及び、モスアイフィルムの凸部の高さは、SEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)を用いて測定することができる。また、モスアイフィルム及び平坦膜の表面の水に対する接触角は、接触角計を用いて測定することができる。
以下、モスアイフィルムを形成する材料について、詳述する。
実施形態1において、モスアイフィルムを形成する材料は、一定条件の活性エネルギー線(例えば、光、電子線等)、熱等により硬化する成分を含む樹脂組成物であり、そのような硬化成分としては、例えば、活性エネルギー線及び/又は熱により重合可能なモノマー及びオリゴマーが挙げられる。また、上記樹脂組成物に対しては、湿潤性(滑り)、剛直性、耐擦傷性等の特性改善のためのスリップ剤(界面活性剤)、スリ傷防止剤、親水性物質、重合開始剤等が更に加えられていてもよい。
スリップ剤としては、炭化水素系の界面活性剤、シリコーン系の界面活性剤、フッ素系の界面活性剤等が挙げられるが、中でもフッ素系の界面活性剤が好適である。フッ素系の界面活性剤の具体例としては、分子中にパーフルオロアルキル基、パーフルオロアルケニル基等を含む界面活性剤が挙げられる。
上記樹脂組成物を組成する成分の種類、組成比、添加剤等を調整することにより、所望の特性をもつ樹脂組成物を得ることができる。そして、そのような樹脂組成物を用いて作製されたモスアイフィルムは、結露の発生を防止する優れた効果を奏することができる。
なお、結露発生の防止効果とは直接は関係しないが、必要に応じて、モスアイフィルムの表面に対して親水処理又は撥水処理を行ってもよい。ただし、後述するように、表面に親水処理又は撥水処理を行うことで結露発生の防止効果を損なう場合があるので、その場合には採用することができない。結露発生の防止効果を損なうか否かは、後述するように、平坦膜を形成したときの表面の水に対する接触角によって判別可能である。
活性エネルギー線により重合可能なモノマー及び/又はオリゴマーとは、有機又は無機を問わず、光重合開始剤の存在下又は不存在下で、紫外線、可視エネルギー線、赤外線等の活性エネルギー線の照射により重合し、ポリマーとなるものであればよく、ラジカル重合性、アニオン重合性、カチオン重合性等のいずれであってよい。そのようなモノマー及び/又はオリゴマーとしては、例えば、分子内にビニル基、ビニリデン基、アクリロイル基、メタクリロイル基(以下、アクリロイル基とメタクリロイル基をあわせて(メタ)アクリロイル基ともいう。(メタ)アクリル、(メタ)アクリレート等についても同様である。)等を有するモノマー及び/又はオリゴマーが挙げられるが、中でも活性エネルギー線照射による重合速度が速いことから、(メタ)アクリロイル基を有するモノマー及び/又はオリゴマーが好ましい。また、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、非反応性のポリマー、活性エネルギー線ゾルゲル反応性組成物等を含んでいてもよい。
活性エネルギー線により重合可能なモノマーとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルセロソルブ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能モノマー;
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−アクリロイルオキシグリセリンモノメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリエチレンオキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリプロピレンオキシフェニル)プロパン、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ビス[(メタ)アクリロイルオキシエチル]ヒドロキシエチルイソシアネート、フェニルグリシジルエーテルアクリレートトリレンジイソシアネート、アジピン酸ジビニル等の2官能モノマー;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアネート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の3官能モノマー;
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネート等の4官能モノマー;
ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート等の5官能モノマー;
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の6官能モノマー等が挙げられる。
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−アクリロイルオキシグリセリンモノメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリエチレンオキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリプロピレンオキシフェニル)プロパン、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ビス[(メタ)アクリロイルオキシエチル]ヒドロキシエチルイソシアネート、フェニルグリシジルエーテルアクリレートトリレンジイソシアネート、アジピン酸ジビニル等の2官能モノマー;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアネート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の3官能モノマー;
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネート等の4官能モノマー;
ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート等の5官能モノマー;
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の6官能モノマー等が挙げられる。
活性エネルギー線により重合可能なオリゴマーは、活性エネルギー線により重合可能な重合性官能基を有するオリゴマーであり、分子量500〜50000のものが好ましい。そのようなオリゴマーとしては、例えば、ビスフェノールA−ジエポキシ−(メタ)アクリル酸付加物等のエポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸エステル、ポリエーテル樹脂の(メタ)アクリル酸エステル、ポリブタジエン樹脂の(メタ)アクリル酸エステル、分子末端に(メタ)アクリル基を有するポリウレタン樹脂等が挙げられる。
これらの活性エネルギー線により重合可能なモノマー及び/又はオリゴマーは、単独で用いることも、2種以上の材料を混合して、例えば、モノマー同士又はオリゴマー同士を混合して用いることもでき、また、モノマーとオリゴマーを混合して用いることもできる。
活性エネルギー線により重合可能なモノマー及び/又はオリゴマーの選択により、表面親水性成形物のモスアイ構造体(すなわち、活性エネルギー線により重合可能なモノマー及び/又はオリゴマーからなる賦形物の硬化物)の架橋密度を任意に制御することができる。
重合開始剤としては、例えば、光に対して活性であり、モノマー及び/又はオリゴマー、並びに、親水性モノマー及び/又は親水性オリゴマーを重合させることが可能な光重合開始剤が挙げられ、より具体的には、ラジカル重合開始剤、アニオン重合開始剤、カチオン重合開始剤等を用いることができる。そのような光重合開始剤としては、例えば、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のアセトフェノン類;ベンゾフェノン、4、4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等のケトン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類;ベンジルジメチルケタール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のベンジルケタール類等が挙げられる。
親水性モノマー及び/又は親水性オリゴマーは、分子内に親水性基を有するモノマー及び/又はオリゴマーであり、親水基としては、例えば、ポリエチレングリコール基、ポリオキシメチレン基、水酸基、糖含有基、アミド基、ピロリドン基等のノニオン性親水基;カルボキシル基、スルホン基、リン酸基等のアニオン性親水基;アミノ基、アンモニウム基等のカチオン性親水基;アミノ酸含有基やリン酸基/アンモニウムイオン基等の双性イオン基等が挙げられる。また、これらの誘導体であってもよく、例えば、アミノ基、アミド基、アンモニウム基、ピロリドン基等のN置換体が挙げられる。親水性モノマー及び/又は親水性オリゴマーは、分子中に単数又は複数の親水基を有するものであってよく、複数の種類の親水基を有するものであってもよい。
親水性モノマー及び/又は親水性オリゴマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基を有するモノマー;
ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエイコサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシノナエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラデカエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエイコサエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシノナエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコール構造単位を有するモノマー;
N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−シクロプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−(メタ)アクリロイルピぺリジン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−メチレンビスアクリルアミド、N−メトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−1−メトキシメチルプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−1−メチル−2−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−(1,3−ジオキソラン−2−イル)(メタ)アクリルアミド等のアミド基を有するモノマー;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−(ビスメトキシメチル)カルバミルオキシエチルメタクリレート、N−メトキシメチルカルバミルオキシエチルメタクリレート等のアミノ基を有するモノマー;
2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸等のカルボキシル基を有するモノマー;
モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、モノ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート等のリン酸基を有するモノマー;
(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩基を有するモノマー;
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−フェニルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルスルホン酸ナトリウム、(メタ)アクリロイルオキシエチルスルホン酸アンモニウム、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホン酸ソーダエトキシメタクリレート等のスルホン基を有するモノマー;
これらの親水基を有する分子量500〜50000の重合性オリゴマー等が挙げられる。また、親水性モノマー及び/又は親水性オリゴマーとして、分子中にアミノ酸骨格を有する(メタ)アクリルモノマー及び/又はオリゴマーを用いることもできる。更に、親水性モノマー及び/又は親水性オリゴマーとして、分子中に糖骨格を有する(メタ)アクリルモノマー及び/又はオリゴマーを用いることもできる。
ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエイコサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシノナエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラデカエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエイコサエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシノナエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコール構造単位を有するモノマー;
N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−シクロプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−(メタ)アクリロイルピぺリジン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−メチレンビスアクリルアミド、N−メトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−1−メトキシメチルプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−1−メチル−2−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−(1,3−ジオキソラン−2−イル)(メタ)アクリルアミド等のアミド基を有するモノマー;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−(ビスメトキシメチル)カルバミルオキシエチルメタクリレート、N−メトキシメチルカルバミルオキシエチルメタクリレート等のアミノ基を有するモノマー;
2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸等のカルボキシル基を有するモノマー;
モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、モノ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート等のリン酸基を有するモノマー;
(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩基を有するモノマー;
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−フェニルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルスルホン酸ナトリウム、(メタ)アクリロイルオキシエチルスルホン酸アンモニウム、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホン酸ソーダエトキシメタクリレート等のスルホン基を有するモノマー;
これらの親水基を有する分子量500〜50000の重合性オリゴマー等が挙げられる。また、親水性モノマー及び/又は親水性オリゴマーとして、分子中にアミノ酸骨格を有する(メタ)アクリルモノマー及び/又はオリゴマーを用いることもできる。更に、親水性モノマー及び/又は親水性オリゴマーとして、分子中に糖骨格を有する(メタ)アクリルモノマー及び/又はオリゴマーを用いることもできる。
評価試験1
結露の発生の防止効果を検証するために、実施形態1のモスアイフィルムの作製方法に基づき、サンプルA〜H、Mを実際に用意し、実験を行った。また、リファレンスとして、各サンプルで使用した樹脂を用いて、モスアイ構造を有さない平坦膜を有するサンプルI、J、Nを実際に作製した。更に、もう一つのリファレンスとして、樹脂膜を表面に備えないガラス板のサンプルK及び黒アクリル板のサンプルLを用意した。
結露の発生の防止効果を検証するために、実施形態1のモスアイフィルムの作製方法に基づき、サンプルA〜H、Mを実際に用意し、実験を行った。また、リファレンスとして、各サンプルで使用した樹脂を用いて、モスアイ構造を有さない平坦膜を有するサンプルI、J、Nを実際に作製した。更に、もう一つのリファレンスとして、樹脂膜を表面に備えないガラス板のサンプルK及び黒アクリル板のサンプルLを用意した。
各サンプルを作製するに当たり実際に用いた樹脂組成物は、樹脂組成物a、樹脂組成物b、樹脂組成物c及び樹脂組成物dの4種類である。樹脂組成物aの組成は、ウレタンメタクリレート(26質量%)、エステルメタクリレート(70質量%)、ポリエチレングリコール(2質量%)、及び、シリコーン系スリップ剤(2質量%)である。樹脂組成物bの組成は、ウレタンメタクリレート(36質量%)、エステルメタクリレート(57質量%)、ポリエチレングリコール(5質量%)、及び、フッ素系スリップ剤(2質量%)である。樹脂組成物cは、組成としては樹脂組成物aと同じであるが、表面にフッ素系の撥水材料が薄く成膜されている。上記フッ素系の撥水材料からなる膜は、厚みが30nmとなる条件で真空成膜した。樹脂組成物dの組成は、エステルメタクリレート(98質量%)及びポリエチレングリコール(2質量%)である。シリコーン系のスリップ剤には、信越シリコーンKP−323(信越化学工業社製)を用い、フッ素系のスリップ剤には、フタージエント(ネオス社製)を用いた。
樹脂組成物a〜dの組成比をまとめたものが、下記表1である。
スリップ剤(界面活性剤)の添加量は、樹脂組成物全体に対して0.1〜10質量%であることが好ましい。より好ましくは0.5〜5質量%である。下限値は、結露防止性能の高さを考慮してのものである。添加量が少ないほど結露防止性能が低くなる。上限値は、気泡の噛み込み、及び、信頼性試験における材料の漏れ(ブリード)の可能性を考慮してのものである。添加量が多いほど樹脂組成物の塗布時に気泡が噛み込みやすくなり、モスアイフィルムの構造的欠点となる。また、添加量が多いほど、長期間の保存において、硬化した後のモスアイフィルムから材料が漏れ出てしまう(ブリードアウトしてしまう)可能性が高くなる。
各サンプルの特徴は、以下のとおりである。モスアイフィルムの厚みは、約5μmとした。下地フィルムとしては、TAC(トリアセチルセルロース)フィルムを用い、厚みは約80μmとした。ガラス板又は黒アクリル板にモスアイフィルムを接着したものについては、接着層の厚みは約20μmとした。ガラス板及び黒アクリル板としては、厚みが0.7〜1.1mmのものを用いた。そして、一辺が7〜15cm程度のガラス板又は黒アクリル板上に、一辺が5〜7cm程度のモスアイフィルムを含む積層体を接着させ、各サンプルを完成させた。
接触角の測定に当たっては、接触角計PCA−1(協和界面科学社製)を用いた。また、経時で水が広がっていくことを考慮して、着滴後100ミリ秒後に統一して、角度の測定を行った。測定環境は、室温25℃、湿度45%とした。液滴のサイズは、約1.0μlとした。図17〜28は、各サンプルにおける接触角の測定の様子を示す写真図である。
サンプルAは、ガラス板上にモスアイフィルムを作製した例であり、モスアイフィルムの材料としては、樹脂組成物aを用いた。モスアイフィルムのピッチ(隣接する凸部間の幅)は100nmであり、各凸部の高さは180nmである。図17に示すように、サンプルAにおけるモスアイフィルムの表面の水に対する接触角は、9.5°であった。
サンプルBは、黒アクリル板上にモスアイフィルムを作製した例であり、モスアイフィルムの材料としては、樹脂組成物aを用いた。モスアイフィルムのピッチ(隣接する凸部間の幅)は100nmであり、各凸部の高さは180nmである。図18に示すように、サンプルBにおけるモスアイフィルムの表面の水に対する接触角は、9.6°であった。
サンプルCは、ガラス板上にモスアイフィルムを作製した例であり、モスアイフィルムの材料としては、樹脂組成物aを用いた。モスアイフィルムのピッチ(隣接する凸部間の幅)は200nmであり、各凸部の高さは180nmである。サンプルCにおけるモスアイフィルムの表面の水に対する接触角については測定を行っていないが、サンプルDとほぼ同等と考えられる。
サンプルDは、黒アクリル板上にモスアイフィルムを作製した例であり、モスアイフィルムの材料としては、樹脂組成物aを用いた。モスアイフィルムのピッチ(隣接する凸部間の幅)は200nmであり、各凸部の高さは180nmである。図19に示すように、サンプルDにおけるモスアイフィルムの表面の水に対する接触角は、17.7°であった。
サンプルEは、ガラス板上にモスアイフィルムを作製した例であり、モスアイフィルムの材料としては、樹脂組成物bを用いた。モスアイフィルムのピッチ(隣接する凸部間の幅)は200nmであり、各凸部の高さは180nmである。サンプルEにおけるモスアイフィルムの表面の水に対する接触角については測定を行っていないが、サンプルFとほぼ同等と考えられる。
サンプルFは、黒アクリル板上にモスアイフィルムを作製した例であり、モスアイフィルムの材料としては、樹脂組成物bを用いた。モスアイフィルムのピッチ(隣接する凸部間の幅)は200nmであり、各凸部の高さは180nmである。図20に示すように、サンプルFにおけるモスアイフィルムの表面の水に対する接触角は、11.0°であった。
サンプルGは、黒アクリル板上にモスアイフィルムを作製した例であり、モスアイフィルムの材料としては、樹脂組成物cを用いた。モスアイフィルムのピッチ(隣接する凸部間の幅)は100nmであり、各凸部の高さは180nmである。図21に示すように、サンプルGにおけるモスアイフィルムの表面の水に対する接触角は、122.5°であった。
サンプルHは、ガラス板、黒アクリル板のいずれにも形成しなかったモスアイフィルム(すなわち、モスアイフィルムと下地フィルムとの積層体)を作製した例であり、モスアイフィルムの材料としては、樹脂組成物bを用いた。モスアイフィルムのピッチ(隣接する凸部間の幅)は100nmであり、各凸部の高さは180nmである。図22に示すように、サンプルHにおけるモスアイフィルムの表面の水に対する接触角は、10.9°であった。
サンプルIは、ガラス板上に、モスアイ構造を有さない平坦膜を作製した例であり、平坦膜の材料としては樹脂組成物aを用いた。図23に示すように、サンプルIの平坦膜の表面における水に対する接触角を測定したところ、31.3°であった。すなわち、樹脂組成物a自体の水に対する接触角は31.3°であった。
サンプルJは、ガラス板上に、モスアイ構造を有さない平坦膜を作製した例であり、平坦膜の材料としては樹脂組成物bを用いた。図24に示すように、サンプルJの平坦膜の表面における水に対する接触角を測定したところ、12.2°であった。すなわち、樹脂組成物b自体の水に対する接触角は12.2°であった。
サンプルKは、ガラス板であり、表面上に樹脂膜を有していない。図25に示すように、サンプルKのガラス板の表面における水に対する接触角を測定したところ、58.8°であった。
サンプルLは、黒アクリル板であり、表面上に樹脂膜を有していない。図26に示すように、サンプルLにおける黒アクリル板の表面の水に対する接触角を測定したところ、66.0°であった。
サンプルMは、ガラス板上にモスアイフィルムを作製した例であり、モスアイフィルムの材料としては、樹脂組成物dを用いた。モスアイフィルムのピッチ(隣接する凸部間の幅)は200nmであり、各凸部の高さは180nmである。図27に示すように、サンプルMにおけるモスアイフィルムの表面の水に対する接触角は、86.2°であった。
サンプルNは、ガラス板上に、モスアイ構造を有さない平坦膜を作製した例であり、平坦膜の材料としては樹脂組成物dを用いた。図28に示すように、サンプルNにおけるモスアイフィルムの表面の水に対する接触角は、62.1°であった。
以上を表にまとめたものが下記表2である。
また、サンプルA〜Nについて、結露の発生の有無に関する検証を行った。まず、各サンプルを24時間以上、所定温度に設定された冷蔵庫内に放置し、その後、室温25℃、湿度45%の雰囲気に取り出し、結露が発生したか否かについて目視にて観察を行った。なお、観察は、取り出した直後から5分後の状態において行い、水滴が残存しているか否かで、結露の有無を判断した。すなわち、本検証では、サンプルを冷蔵庫から取り出した直後において結露が発生したとしても、5分以内に乾燥したものについては、結露なしと認定している。
上記検証結果をまとめたものが、下記表3である。冷蔵庫の温度設定は、9℃、1℃、−15℃の3条件で行った。
<温度9℃の環境から取り出したケース>
サンプルB及びサンプルDについては、取り出した直後から1分程度でフィルムの隅がやや結露したが、全面には広がらず、3分後には全面で乾いた。サンプルA及びサンプルCについては、結露は確認されなかった。
サンプルB及びサンプルDについては、取り出した直後から1分程度でフィルムの隅がやや結露したが、全面には広がらず、3分後には全面で乾いた。サンプルA及びサンプルCについては、結露は確認されなかった。
<温度1℃の環境から取り出したケース>
サンプルFについては、取り出した直後から1分程度でフィルムの隅がやや結露したが、全面には広がらず、5分後には全面で乾いた。サンプルEについては、結露は確認されなかった。サンプルC及びサンプルDについては、結露が確認された。サンプルI及びJについては、取り出した直後から結露がなかった。
サンプルFについては、取り出した直後から1分程度でフィルムの隅がやや結露したが、全面には広がらず、5分後には全面で乾いた。サンプルEについては、結露は確認されなかった。サンプルC及びサンプルDについては、結露が確認された。サンプルI及びJについては、取り出した直後から結露がなかった。
<温度−15℃の環境から取り出したケース>
サンプルI及びサンプルJについては、温度−15℃の環境から取り出して10秒後には結露したが、更に30秒後には全面で乾いた。サンプルI及びサンプルJの乾くタイミングは同時であった。サンプルC、D、E、Fについては、全体で結露が確認された。
サンプルI及びサンプルJについては、温度−15℃の環境から取り出して10秒後には結露したが、更に30秒後には全面で乾いた。サンプルI及びサンプルJの乾くタイミングは同時であった。サンプルC、D、E、Fについては、全体で結露が確認された。
なお、サンプルG、サンプルM、サンプルN、サンプルK(ガラス板)、及び、サンプルL(黒アクリル板)については、いずれの温度においても結露した(実際には表面が曇る)。温度9℃の環境から取り出した場合と、温度1℃の環境から取り出した場合とでは、温度1℃の環境から取り出した場合の方が、より曇りが濃い結果となった。
以下、各評価結果についてまとめる。
表2に示されるように、樹脂組成物aを用いた場合は、水に対するモスアイフィルムの接触角の大きさは、モスアイフィルムの凹凸の形状に依存する結果となった。ピッチが100nmである場合は、接触角は9.5°〜9.6°となり、ピッチが200nmの場合は、接触角は17.7°となった。なお、モスアイ構造のない平坦膜の場合は、接触角は31.3°となり、モスアイフィルムの場合と異なる値となった。
一方、表2に示されるように、樹脂組成物bを用いた場合は、水に対するモスアイフィルムの接触角の大きさは、モスアイフィルムの凹凸の形状に依存しない結果となった。ピッチが100nmである場合は、接触角は10.9°となり、ピッチが200nmの場合は、接触角は11.0°となった。また、モスアイ構造のない平坦膜の場合であっても、12.2°となり、大きな変化はなかった。
表2と表3とを照らし合わせると分かるように、モスアイフィルムの表面の接触角は、そのピッチ又は高さに依存して変化する場合があるものの、結露の有無と各サンプルの特徴との相関を考えると、モスアイフィルムの表面での接触角ではなく、モスアイフィルムの材料となる樹脂組成物が本質的に備える特性に依存していることが読み取れる。実際には、樹脂組成物aを用いたサンプルA〜D及びIにおいて良好な結果が得られ、樹脂組成物bを用いたサンプルE及びサンプルFにおいてより優れた結果が得られた。
このような結果となる理由は、結露の発生という現象自体が、水滴の発生のみならず、結露後の水滴の再蒸発という現象によっても変化する点にある(すなわち、すぐに乾くような場合には、結露の発生はないものとみなすことができる)と考えられる。再蒸発が起こるためには、薄く広く濡れ広がった方が有利であり、その点では、接触角が低いという点は、再蒸発の発生には有利であると考えられるが、薄く広く濡れ広がった後の再蒸発性に関しては、樹脂組成物の特性を考慮しなければならない。そのため、完成後のモスアイフィルムの表面の接触角のみでは結露の発生との相関について結論付けるには不充分であり、そのモスアイフィルムを構成する樹脂組成物の特性を見て、結露の発生の有無が判断可能となると結論付けられる。
本発明者らは、以上の考察を踏まえ、モスアイフィルムに用いる樹脂組成物を用いて平坦な樹脂膜を形成し、その樹脂膜の表面上に水を着滴後、100ミリ秒後における、該水に対する接触角を測定したときの、該接触角が、5°より大きく31.3°より小さいときに、結露の発生に関する一定の防止効果があると結論付け、本願発明に想到した。なお、接触角を5°よりも大きくしている理由については、現在の接触角計の測定限界(すなわち、高い信頼性をもって認定できる数値の限界)が5°という点に鑑みている。
なお、表2と表3のうち、サンプルCとサンプルIの比較、及び、サンプルEとサンプルHとサンプルJの比較からわかるように、上記評価試験1によると、微小突起構造(モスアイ構造)があった方が結露しにくいという結果にはなっていない。むしろ、微小突起構造がない方が結露しにくいという結果になっている。また、サンプルEとサンプルHをそれぞれ1℃の環境から取り出したときの比較では、微小突起の高さ/ピッチで定義される「アスペクト比」が小さいサンプルEの方が結露しないという結果になっている。
しかしながら、アスペクト比が小さいということは表面積が小さいということであり、それゆえ結露量も少なくなると予想される。再蒸発時間というファクターを切り出して考えるため、新たな評価試験として、0.21μl(±5%の誤差を含む)の液滴を膜上に滴下した後の蒸発時間と液滴の接地径の測定を行った。
評価試験2
評価試験2で使用した各サンプルA〜Kは、上記評価試験1で使用した各サンプルA〜Kと同じである。また、評価試験2では、新たなサンプルとして、TACフィルムを黒アクリル板上に貼り付けたサンプルOを用意した。
評価試験2で使用した各サンプルA〜Kは、上記評価試験1で使用した各サンプルA〜Kと同じである。また、評価試験2では、新たなサンプルとして、TACフィルムを黒アクリル板上に貼り付けたサンプルOを用意した。
図29〜37は、サンプルA〜K及びOの各サンプル上に液滴を滴下して一定時間放置したときの、液滴の経過時間ごとの様子を表した写真図である。図29〜37中の両矢印は、接地径を表している。
図29に示されているように、サンプルA上に、0.21μl(±5%)の液滴(水)を滴下し、温度23.7℃、湿度46%の環境下で放置したところ、液滴は2分56秒後に蒸発した。
図30に示されているように、サンプルB上に、0.21μl(±5%)の液滴(水)を滴下し、温度24.4℃、湿度39%の環境下で放置したところ、液滴は2分57秒後に蒸発した。
図31に示されているように、サンプルD上に、0.21μl(±5%)の液滴(水)を滴下し、温度24.4℃、湿度39%の環境下で放置したところ、液滴は3分52秒後に蒸発した。
図32に示されているように、サンプルF上に、0.21μl(±5%)の液滴(水)を滴下し、温度24.4℃、湿度39%の環境下で放置したところ、液滴は3分17秒後に蒸発した。
図33に示されているように、サンプルG上に、0.21μl(±5%)の液滴(水)を滴下し、温度23.7℃、湿度46%の環境下で放置したところ、液滴は10分22秒後に蒸発した。
図34に示されているように、サンプルI上に、0.21μl(±5%)の液滴(水)を滴下し、温度23.9℃、湿度40%の環境下で放置したところ、液滴は4分8秒後に蒸発した。
図35に示されているように、サンプルJ上に、0.21μl(±5%)の液滴(水)を滴下し、温度23.9℃、湿度40%の環境下で放置したところ、液滴は3分43秒後に蒸発した。
図36に示されているように、サンプルK上に、0.21μl(±5%)の液滴(水)を滴下し、温度23.9℃、湿度40%の環境下で放置したところ、液滴は5分35秒後に蒸発した。
図37に示されているように、サンプルO上に、0.21μl(±5%)の液滴(水)を滴下し、温度23.7℃、湿度46%の環境下で放置したところ、液滴は8分7秒後に蒸発した。
以上の結果をまとめたものが、下記表4である。
上記実験結果より、同じ樹脂組成物同士で比較した場合、液滴は平坦膜上よりもモスアイフィルム上で早く蒸発することがわかった。樹脂組成物aの場合は、サンプルA、B、D、Iの比較により、このことが結論付けられ、樹脂組成物bの場合は、サンプルF、Jの比較により、このことが結論付けられる。
また、サンプルA、B、Dの比較により、モスアイフィルムについては、アスペクト比が大きい方が、より液滴が蒸発しやすいことがわかった。
更に、サンプルA、Bの比較により、液滴の蒸発のしやすさは、基材がガラスであるか、黒アクリル板であるかで大きな違いがないことがわかった。
また、表面親水性を有するモスアイフィルム(サンプルA、B、D、F)上に滴下された液滴は、滴下1分後には接地径が最大となり、以後は接地径を縮小させながら再蒸発することがわかった。すなわち、濡れ広がりながら再蒸発するのではなく、濡れた面積を縮小させながら再蒸発することがわかった。
一方で、モスアイ構造のない平坦膜(サンプルI、J、K、O)又は表面撥水性を有するモスアイフィルム(サンプルG)上に滴下された液滴は、滴下2分後以降に接地径が最大値をとる、又は、滴下2分後以降も接地径が最大値を維持するという結果になった。滴下2分後以降に接地径の最大値をとるもの(サンプルI)については、濡れ広がりながら再蒸発することがわかった。
これらの結果をもとにデータをグラフとしてまとめたものが、図38及び図39である。図38は、液滴の接地径と経過時間との関係を示すグラフであり、図39は、液滴が着滴して一定時間経過後、更に一定時間経過後の相対接地径変化量を示すグラフである。
図39では、滴下後1秒後の接地径を基準値とし、一定時間経過後の相対的な接地径を%で表した数値を「接地径変化率」とした。すなわち、「Z秒後の接地径変化率」は、「滴下後Z秒後の接地径/滴下後1秒後の接地径」で表される。そして、図39において「滴下後X秒後とY秒後の相対接地径変化量」は、「滴下後Y秒経過後の接地径変化率」−「滴下後X秒経過後の接地径変化率」によって算出される。
図39の太線枠で囲まれた部分に着目すると、表面親水性を有するモスアイフィルム(サンプルA、B、D、F)の場合、滴下後60秒後と120秒後の相対接地径変化量は、いずれも−10%以下になっている。一方で、モスアイ構造のない平坦膜(サンプルI、J、K、O)及び表面撥水性を有するモスアイフィルム(サンプルG)の場合、滴下後60秒後と120秒後との間の相対接地径変化量は、いずれも0%以上となっている。
したがって、図39からも、表面親水性を有するモスアイフィルム(サンプルA、B、D、F)の場合は、経過時間とともに接地径が小さくなる傾向にあり、モスアイ構造のない平坦膜(サンプルI、J、K、O)及び表面撥水性を有するモスアイフィルム(サンプルG)の場合、経過時間とともに、接地径が広がる、又は、接地径が維持される傾向にあることが結論付けられる。
また、上記結果は、見かけ上の表面積が狭い液滴の方が、広い液滴よりも早く蒸発するという現象が起こることを表しており、従来の知見にはない結果である。例えば、上記特許文献6には、結露した水分が薄い水膜となって塗膜表面に広がることで、短時間で塗膜表面から再蒸発が起こることが記述されている。
評価試験3
次に、滴下した液滴の蒸発時間と液滴量の関係について調査した。接地径の時間変化は、滴下量に依存することが予想される。液滴量は、0.21μl、0.75μl、1.28μl、1.81μlの4水準(いずれも±5%の誤差を含む)で実験を行った。
次に、滴下した液滴の蒸発時間と液滴量の関係について調査した。接地径の時間変化は、滴下量に依存することが予想される。液滴量は、0.21μl、0.75μl、1.28μl、1.81μlの4水準(いずれも±5%の誤差を含む)で実験を行った。
評価試験3においては、新たなサンプルP(P1〜P4)及びサンプルQ(Q1〜Q4)を用意した。サンプルP、Qには同一の樹脂組成物を材料として使用し、モスアイ構造を有するものをサンプルP、モスアイ構造を有さないものをサンプルQとした。
サンプルPは、黒アクリル板上にモスアイフィルムを作製した例であり、モスアイフィルムの材料としては、樹脂組成物bを用いた。モスアイフィルムのピッチ(隣接する凸部間の幅)は200nmであり、各凸部の高さは180nmであった。図40〜図43は、サンプルP上に所定量の液滴を滴下したときの蒸発の様子を経時的に表す写真図である。
図40に示されているように、サンプルP1上に0.21μlの液滴(水)を滴下し、温度25.6℃、湿度44%の環境下で放置したところ、液滴は4分8秒後に蒸発した。
図41に示されているように、サンプルP2上に0.75μlの液滴(水)を滴下し、温度25.6℃、湿度44%の環境下で放置したところ、液滴は5分58秒後に蒸発した。
図42に示されているように、サンプルP3上に1.28μlの液滴(水)を滴下し、温度25.6℃、湿度44%の環境下で放置したところ、液滴は7分50秒後に蒸発した。
図43に示されているように、サンプルP4上に1.81μlの液滴(水)を滴下し、温度25.6℃、湿度44%の環境下で放置したところ、液滴は9分25秒後に蒸発した。
サンプルQは、黒アクリル板上に平坦膜を作製した例であり、平坦膜の材料としては、樹脂組成物bを用いた。図44〜図47は、サンプルQ上に所定量の液滴を滴下したときの蒸発の様子を経時的に表す写真図である。
図44に示されているように、サンプルQ1上に0.21μlの液滴(水)を滴下し、温度25.6℃、湿度44%の環境下で放置したところ、液滴は6分27秒後に蒸発した。
図45に示されているように、サンプルQ2上に0.75μlの液滴(水)を滴下し、温度25.6℃、湿度44%の環境下で放置したところ、液滴は8分42秒後に蒸発した。
図46に示されているように、サンプルQ3上に1.28μlの液滴(水)を滴下し、温度25.6℃、湿度44%の環境下で放置したところ、液滴は11分30秒後に蒸発した。
図47に示されているように、サンプルQ4上に1.81μlの液滴(水)を滴下し、温度25.6℃、湿度44%の環境下で放置したところ、液滴は16分32秒後に蒸発した。
以上の結果をまとめたものが、下記表5である。また、これらの結果をもとにデータをグラフとしてまとめたものが、図48〜図50である。図48は、液滴の滴下量と蒸発時間との関係を示すグラフである。図49は、液滴の接地径と経過時間との関係を示すグラフであり、図50は、液滴が着滴して一定時間経過後、更に一定時間経過後の相対接地径変化量を示すグラフである。
図48に示されているように、同じ樹脂組成物でできた平坦膜上、及び、モスアイフィルム上のそれぞれに同じ量の液滴を滴下した場合、いずれの滴下量であっても、平坦膜上よりもモスアイフィルム上の方が早く蒸発することがわかった。
また、図49に示されているように、先の実験と同様、表面親水性を有するモスアイフィルム上に滴下された液滴は、全てのサンプルP1〜P4において、滴下1分後には、接地径が最大となり、以後は接地径を縮小させながら再蒸発することがわかった。すなわち、濡れ広がりながら再蒸発するのではなく、濡れた面積を縮小させながら再蒸発することがわかった。
また、図49に示されているように、モスアイ構造のない平坦膜上に滴下された液滴は、全てのサンプルQ1〜Q4において、滴下2分後以降に接地径の最大値をとる、又は、滴下2分後以降も最大値を維持するという結果になった。滴下2分後以降に接地径の最大値をとるものについては、濡れ広がりながら再蒸発することがわかった。
ただし、図50の太線で囲まれた部分で示されているように、先の実験とは異なり、いくつかのサンプルでは、滴下後60秒後と120秒後の相対接地径変化量が−5%以上という結果になった。このことから、液滴量が増えるにつれ、滴下後60秒後と120秒後の相対接地径変化量の値は大きくなる傾向にあることがわかった。また、先の実験と比較してみると、液滴量が増えるにつれ、接地径が減少しはじめる時間が遅くなる傾向にあることがわかった。
以上より、モスアイ構造を有するサンプル上に滴下された液滴の方が、モスアイ構造のないサンプル上に滴下された液滴よりも早く蒸発するということがわかった。
これは、モスアイ構造を有するサンプルでは、顕微鏡では観察できない微視的な凹凸が存在しており、液滴周囲の非常に薄い膜(一般的に先行薄膜ともいう。)の領域において、実効的に表面積が広くなっているためと考えられる。この考察とともに、図29〜32、34〜36、及び、図40〜43における「1分後」の写真を参照すると、写真内で見栄え(黒さ)が比較的薄い領域があり、これが液滴周囲の非常に薄い膜の領域であると考えられる。なお、各写真図においては、この領域を含む形で液滴の接地径を測定している。
これは、ウェンゼルの式による親水性促進効果ともつじつまがあう。ウェンゼルの式によれば、平らなときの接触角が90°未満(θ<90°)のときは、凹凸をつけると接触角は小さく(φ<θ)なり、90°より大きい(θ>90°)ときは、大きく(φ>θ)なる。つまり、表面に凹凸が形成されることで、濡れやすい素材はますます濡れやすく、濡れにくい素材はますます濡れにくくなる。例えば、ガラスは水に濡れやすく、平らなときの接触角は20°程度であるが、表面を凹凸にしたガラスは更に濡れやすくなり、接触角はほぼ0°となることが知られている。上記特許文献4及び5にも同様の記載があり、微細突起構造があることにより、接触角は5°よりも小さくなることが記述されている。
しかしながら、上記評価試験1において用いたモスアイフィルムの接触角は、10°前後と比較的高いものとなっている。これは従来の知見とは異なる結果であり、非常に特異なものである。この違いは、従来のモスアイフィルムと上記評価試験で用いられたモスアイフィルムとで、接触角履歴が異なることに起因していると考えられる。
接触角履歴の発生の原因の一つは、凹凸面に起因する摩擦である。表面が凹凸面を有していると、接触角履歴が大きくなる。そして、接触角履歴の大きさに応じて接触角の大きさは変化する。したがって、接触角が濡れ性の定量的な指標になるのは、接触角履歴がない場合(つまり、表面が平坦な場合)であり、凹凸面を有する場合には、接触角と濡れ性は必ずしも相関しないといえる。
11:下地フィルム
12:モスアイフィルム
12a:凸部
12b:下地部
13:接着層
14:窓ガラス
12:モスアイフィルム
12a:凸部
12b:下地部
13:接着層
14:窓ガラス
Claims (6)
- 平坦膜を形成し、該平坦膜の表面上に水を着滴後100ミリ秒後における、該水に対する接触角を測定したときの該接触角が、5°より大きく31.3°より小さい樹脂組成物から形成されたものであることを特徴とするモスアイフィルム。
- 前記樹脂組成物は、界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1記載のモスアイフィルム。
- 前記界面活性剤は、フッ素系界面活性剤であることを特徴とする請求項2記載のモスアイフィルム。
- 前記樹脂組成物中の界面活性剤の割合は、全体に対して0.1〜10質量%であることを特徴とする請求項2又は3記載のモスアイフィルム。
- 前記接触角が、9.5°以上、11.0°以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のモスアイフィルム。
- 表面に0.2〜1.0μlの液滴を滴下後、1秒後の接地径を基準値とし、一定時間経過後の相対的な接地径を%で表した数値を接地径変化率と定義したときに、滴下後120秒後の接地径変化率から滴下後60秒後の接地径変化率を差し引くことで算出される値は、0よりも小さいことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のモスアイフィルム。
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