JPWO2014024288A1 - 電動機 - Google Patents

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Abstract

ブラケット部20の軸受け8を収容する軸穴21より外周側に、ステータ部3のコイル12を配電板14側へ貫通させるコイル貫通穴22を通る環状の溝23,24を形成して熱切りし、軸受け8への伝熱を抑制する。また、ブラケット部20のコイル12周辺を薄肉部25にして、コイル12の誘導加熱による発熱を低減する。

Description

この発明は、ステータコイルおよび配電板の発する熱を放熱する構造を備えた電動機に関する。
一般的な3相シンクロナス交流モータ(例えば、特許文献1参照)は、固定子の永久磁石により回転子に磁極を作り出し、固定子のステータティース間に配置されたコイルによりステータティースに磁極を作り出す。ステータティース間に配置された3相のコイルは配電板(バスバー)により通電方向が切り替えられ、S極とN極に切り替わる。3相のコイルの通電方向を順次切り替えることにより、各ステータティースの磁性が回転移動していき、磁気作用により回転子が回転する。
本モータを駆動するためには、電流がコイルおよび配電板を流れることとなり、その発熱によってモータ各部の温度が上昇するため、許容温度を超えるような状況では、通電を止めてモータの駆動を停止しなければならず、必要な性能が得られない場合があった。そのような場合、コイルおよび配電板を可能な限り冷却するために、外部冷却により温度が比較的低いハウジングに、絶縁部材を介してコイルおよび配電板を接触させ、放熱する方法が取られていた(例えば、特許文献2参照)。
特開平8−214519号公報 特開2010−104212号公報
しかしながら、コイルおよび配電板を流れる電流は、前記の通り通電方向が切り替わるため、ハウジングをコイルおよび配電板に近づけすぎると誘導加熱によって金属製のハウジングの温度が上昇してしまう。
他方、回転子を回転自在に保持する軸受けも、伝熱および摩擦による自己発熱により回転中に温度が上昇するため、軸受けもハウジングに放熱させて温度を下げることが、モータの寿命を確保する上では重要である。
そこで、コイルおよび配電板の発熱を放熱させるために、コイルおよび配電板とハウジングとの距離を小さくする手段がとられるが、誘導加熱によるハウジングの温度上昇により、コイルおよび配電板の放熱効果が充分に得られないばかりか、軸受けの放熱効果も低下してしまうという課題があった。
一方、誘導加熱によるハウジングの温度上昇を抑制するために、コイルおよび配電板との距離を離すと、コイルおよび配電板の温度が低下しないばかりか、コイルがハウジングを貫通しているために、ハウジングのコイル貫通部が大きくなることにより、中心側に設置された軸受けの発熱がハウジングに伝わっても充分な放熱効果が得られないという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ハウジングの温度上昇を抑制し、熱害による軸受け等の構成部品の劣化を抑制可能な電動機を提供することを目的とする。
この発明の電動機は、通電によって磁界を発生するコイルを保持し、コイルが発生した磁界の磁路を構成するステータ部と、ステータ部の磁気吸引反発力によって回転するロータ部と、ステータ部の中心側でロータ部を回転自在に保持する軸受けと、ステータ部のコイルへ、ロータ部の回転位置に応じて配電する配電板と、ステータ部および配電板を軸方向に並べて保持するハウジングとを備え、ハウジングは、一方の面でステータ部を保持し、反対側の面で配電板を保持するブラケット部と、ブラケット部の中心に形成され軸受けを収容する軸穴と、ブラケット部の軸穴より外周側に形成され、ステータ部のコイルを配電板側へ軸方向に貫通させるコイル貫通穴と、ブラケット部の軸穴より外周側に、全周に亘って形成され、コイル貫通穴を通る環状の溝とを有するものである。
この発明によれば、ブラケット部の軸穴より外周側に環状の溝を形成することにより、この溝で熱切りして軸受けへの伝熱を抑制することができる。また、溝を形成してブラケット部の厚みを一部薄くすることにより、コイルの誘導加熱による発熱を低減し、不要なハウジングの温度上昇を抑制することができる。よって、熱害による軸受け等の構成部品の劣化を抑制可能な電動機を提供することができる。
この発明の実施の形態1に係る電動機の構成を示す断面図である。 実施の形態1に係る電動機の回転動作を説明する図である。 実施の形態1に係る電動機のハウジングの構造を示し、図3(a)は配電板側から見た平面図、図3(b)はAA線に沿って切断した断面図である。 従来構造のハウジングを示し、図4(a)は配電板側から見た平面図、図4(b)はBB線に沿って切断した断面図である。 実施の形態1に係る電動機における薄肉部と配電板の位置関係を説明する断面図である。 実施の形態1に係る電動機のハウジング変形例であって、薄肉部と配電板の位置関係を説明する断面図である。 この発明の実施の形態2に係る電動機のうちのハウジングの構造を示し、図7(a)は配電板側から見た平面図、図7(b)はCC線に沿って切断した断面図である。 実施の形態2に係る電動機のハウジング変形例であって、図8(a)は配電板側から見た平面図、図8(b)はEE線に沿って切断した断面図である。 実施の形態2に係る電動機のハウジング変形例を示す、配電板側から見た平面図である。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1に示す電動機1は、3相交流シンクロナスモータを構成し、主に、円筒状のハウジング2と、ハウジング2の内部に固定されたステータ部3と、シャフト4を回転させるロータ部5と、ステータ部3の一方端面側に配置された配電板(バスバー)14とを備える。図2に、配電板14側から見たステータ部3とロータ部5の平面図を示す。ただし、ハウジング2およびコイル12等は図示を省略する。
ロータ部5は、電磁鋼板を積層して構成され、周方向外側に突出する突部を180度間隔に2箇所形成し、シャフト4の軸方向の途中で突部を90度ずらした状態にする(突部5a,5b)。シャフト4は、ハウジング2に固定された軸受け7,8によって回転自在に支持されている。このシャフト4にロータ部5が固定され、ロータ部5と一体にシャフト4を回転させることにより、ロータ部5に発生した回転力を外部出力する。
ステータ部3は、2個のステータコア9,10と、このステータコア9,10の間に配置されたマグネット11とから構成される。ステータコア9,10は、それぞれ、電磁鋼板をシャフト4の軸方向に積層して構成する。このステータコア9,10それぞれには、外側から中央のシャフト4側へ突出するティース9a,10aが複数形成され、シャフト4の軸方向に重なる1組のティース9a,10aに1個のU字状のコイル12が装着される。このステータ部3は、ハウジング2の開口端部から圧入され、その開口端部を塞ぐカバー19とハウジング2の内周面に突設されたブラケット部20(詳細は後述する)とに挟持された状態で固定されている。
各ティース9a,10aに装着された各コイル12の先端部は、ハウジング2のブラケット部20に形成されたコイル貫通穴22、および絶縁部材6に形成された貫通穴(不図示)を貫通してインバータ基板13側へ突出しており、この突出部分が配電板14(U相、V相、W相)に溶接等によって接続されている。配電板14は、絶縁性樹脂等の絶縁部材6と一体成形されてアルミ等の金属製ハウジング2から絶縁された導電部材であり、シャフト4の周方向に沿って環状に配置されて一端部がインバータ基板13に、他端部がコイル12に接続されている。配電板14を内包した絶縁部材6は、ハウジング2の開口端部(ステータ部3の圧入側とは反対側)から圧入され、その開口端部に取り付けられたカバーハウジング17とブラケット部20とに挟持された状態で固定されている。
インバータ基板13は、外部電源(不図示)を交流電流に変換し、センサ15から入力される位置信号に基づいて配電板14のU相、V相、W相の3相を順次切り替えて配電板14に電流を流す。このインバータ基板13は、カバーハウジング17の内部に取り付けられ、カバー18に被覆されている。
センサ15は、絶縁部材6の内周側空間に設置され、シャフト4と一体に回転するセンサターゲット16の位置を検出することによりシャフト4の回転位置を検知して、インバータ基板13へ位置信号を出力する。
ここで、電動機1の動作概略を説明する。
軸方向に着磁されたマグネット11による磁束は、マグネット11のN極側に配置されたステータコア9のティース9aからロータ部5の突部5aへ流れ出て、ロータ部5を軸方向に進んでS極側にある突部5bから出て、ロータ部5のS極側に配置されたステータコア10のティース10aへ流れ入る界磁磁束となる。このように、マグネット11の界磁起磁力がロータ部5に作用することで、マグネット11のN極側に対面するロータ部5の突部5aをN極に着磁し、マグネット11のS極側に対面するロータ部5の突部5bをS極に着磁する。配電板14を経由してU字のコイル12に電流が流れると、流れた電流の向きに応じてステータコア9,10の各ティース9a,10aが着磁して回転磁界が生じ、トルクが発生する。コイル12に流す電流の向きを順次切り替えることにより、図2(a)〜図2(c)のように各ティース9a,10aのNS各極性が回転移動していき、磁気吸引反発力によりロータ部5が回転する。
次に、ハウジング2のブラケット部20の形状を説明する。
図3は、本実施の形態1に係る電動機1のハウジング2の構造を示し、図3(a)はハウジング2を配電板14側から見た平面図、図3(b)はハウジング2をAA線に沿って切断した断面図である。
ブラケット部20の中心に軸穴21を形成して、軸受け8を設置する。また、ブラケット部20に、コイル12が貫通するコイル貫通穴22をコイル12の端子数分形成して、コイル12をステータ部3側から配電板14側へ挿通する。この電動機1では、ステータ部3のティース9a,10aを6極設けたので、U字のコイル12も6本必要になり、コイル貫通穴22も6箇所必要になる。そして、図3(a)に二点鎖線で示すように、隣り合うコイル12の先端部同士を1個のコイル貫通穴22に挿通している。
また、ブラケット部20の配電板14を向く面に、コイル貫通穴22を通るように環状の溝23を形成する。同様に、ブラケット部20のステータ部3を向く面にも、コイル貫通穴22を通るように環状の溝24を形成する。これにより、ブラケット部20の軸方向の厚みD1に比べ、溝23,24を形成した部分の厚みD2が薄い薄肉部25が形成される。
以下、薄肉部25を形成した場合と形成しない場合の放熱効果の違いを説明する。
図4に、薄肉部25を形成しない、従来構造のハウジング102を示す。図4(a)は、ハウジング102を配電板14側から見た平面図、図4(b)はハウジング102をBB線に沿って切断した断面図である。
ステータ部3に設置されたコイル12は、配電板14と電気的に接合する必要があるため、ハウジング2,102のブラケット部20を貫通させなければならず、ブラケット部20にはコイル貫通穴22を形成してコイル12を通さなければならない。そのため、ブラケット部20およびハウジング2,102には、電流が流れることによるコイル12の発熱が伝わる(図3(b)および図4(b)の矢印H1)。
一方、電流が流れることによるコイル12および配電板14の発熱をブラケット部20とハウジング2,102に伝えて放熱させるためには、コイル貫通穴22の内壁面とコイル12との距離、および配電板14とブラケット部20との距離を極力近づけなければならない。
しかし、コイル12とブラケット部20とを近づけすぎると、コイル12に流れる交流電流によって誘導加熱が発生し、ブラケット部20およびハウジング2,102が熱せられてしまうため、コイル12および配電板14が充分に放熱できなくなる。
また、誘導加熱によるブラケット部20およびハウジング2,102の発熱が伝わり(図3(b)および図4(b)の矢印H2)、軸穴21に設置された軸受け8が不要に温度上昇してしまう。
そこで、本実施の形態1のハウジング2においては、図3に示すようにブラケット部20の軸穴21の外周側に、コイル貫通穴22を通る環状の溝23,24を設けて薄肉部25を形成し、誘導加熱により発熱する部位を小さくする。これにより、少なくともコイル12の誘導加熱による発熱を低減させて、ブラケット部20およびハウジング2の不要な温度上昇を抑制することを可能とした。そのため、軸受け8への伝熱(図3(b)の矢印H2)を抑制でき、軸受け8が不要に加熱されることを防ぐことが可能になると共に、軸受け8の摩擦による自己発熱をブラケット部20およびハウジング2に放熱させて温度を下げることができる。また、溝23,24を形成することにより、ブラケット部20から軸受け8への伝熱を熱切りできる。よって、熱害による軸受け8の劣化を抑制可能となる。
図5は、本実施の形態1に係る電動機1における薄肉部25と配電板14の位置関係を説明する断面図である。図中、ステータ部3、コイル12等は省略している。
ブラケット部20の一方側には、絶縁部材6を介して配電板14を当接させて、電流が流れることによる配電板14の発熱をブラケット部20およびハウジング2に伝えて放熱し、温度上昇を抑制している。このとき、ブラケット部20の環状の溝23よりも外周側に、絶縁部材6を介して配電板14を配置することにより、溝23によって空気の層を形成して熱切りし、軸受け8への伝熱を抑制する。また、配電板14の発熱は、配電板14とブラケット部20の接触面26から薄肉部25を通って軸受け8へ伝わるようになり、矢印H3の放熱経路が構成される。よって、軸受け8が不要に加熱されることを防ぐことが可能になる。
また、コイル12の発熱によりステータ部3も温度上昇するが、このステータ部3に当接するブラケット部20に溝24を形成することにより、軸受け8への伝熱を抑制することができる。
図3および図5では、ブラケット部20の両面に環状の溝23,24を形成したが、いずれか一方でもよい。ステータ部3より絶縁部材6の方が温度が上昇するので、少なくとも配電板14側に溝23を形成することが望ましい。
さらに、溝23を深くして、配電板14から軸受け8への伝熱をより抑制可能な構成にしてもよい。この構成例を図6に示す。
この図6は、本実施の形態1に係る電動機1におけるブラケット部20の変形例を説明する断面図である。図中、ステータ部3、コイル12等は省略している。
この変形例では、ブラケット部20の配電板14を向く面に深い溝23を形成して、配電板14から薄肉部25までの軸方向の距離を長くしている。そのため、図6に矢印H3で示した放熱経路が、図5に矢印H3で示した放熱経路より延長され、ブラケット部20とハウジング2の外周面からの放熱が増え、配電板14から軸受け8への伝熱をより抑制することが可能となる。
さらに、図3、図5および図6において、ハウジング2の外周面にヒートシンク等の放熱部材を設置して、放熱効果を高めてもよい。
以上より、実施の形態1によれば、電動機1は、通電によって磁界を発生するコイル12を保持し、コイル12が発生した磁界の磁路を構成するステータ部3と、ステータ部3の磁気吸引反発力によって回転するロータ部5と、ステータ部3の中心側で、ロータ部5に固定されたシャフト4を回転自在に保持する軸受け8と、ステータ部3のコイル12へ、ロータ部5の回転位置に応じて配電する配電板14と、ステータ部3および配電板14を軸方向に並べて保持するハウジング2とを備え、このハウジング2は、一方の面でステータ部3を保持し、反対側の面で配電板14を保持するブラケット部20と、ブラケット部20の中心に形成され軸受け8を収容する軸穴21と、ブラケット部20の軸穴21より外周側に形成され、ステータ部3のコイル12を配電板14側へ軸方向に貫通させるコイル貫通穴22と、ブラケット部20の軸穴21より外周側に、全周に亘って形成され、コイル貫通穴22を通る環状の溝23,24とを有するように構成した。このため、ブラケット部20の軸受け8より外周側の環状の溝23,24で熱切りして、軸受け8への伝熱を抑制することができる。また、溝23,24を形成してブラケット部20の厚みを一部薄くすることにより、コイル12の誘導加熱による発熱を低減して、不要なハウジング2の温度上昇を抑制することができ、軸受け8からハウジング2への放熱を阻害しない。よって、熱害による軸受け8等の構成部品の劣化を抑制することができる。
また、実施の形態1によれば、環状の溝23を、ブラケット部20の配電板14を保持する面に形成するようにしたので、配電板14の発する熱を溝23で熱切りし、配電板14から軸受け8への伝熱を抑制することできる。
また、実施の形態1によれば、配電板14を、ブラケット部20の環状の溝23より外周側に、絶縁部材6を介して当接させるようにしたので、配電板14とブラケット部20の接触面26からブラケット部20外周側および薄肉部25を通って軸受け8まで、放熱経路が構成される。このため、配電板14の発する熱をブラケット部20およびハウジング2で効率的に放熱できる。
実施の形態2.
図7は、本実施の形態2に係る電動機1のうちのハウジング2の構成を示し、図7(a)はハウジング2を配電板14側から見た平面図、図7(b)はハウジング2をCC線に沿って切断した断面図である。なお、本実施の形態2の電動機1において、ブラケット部20以外の構成は図1と同様のため、以下では図1を援用する。
図6に示したようにハウジング2のブラケット部20に環状の溝23を深く形成すると、軸穴21の周辺の強度が低下する。そこで、本実施の形態2では、図7に示すように、溝23に複数のリブ30を設置して、ブラケット部20の強度を向上させる。また、このリブ30の厚みを薄くすることにより、誘導加熱によるリブ30の温度上昇を抑制し、軸受け8が不要に加熱されることを防ぐ。さらに、絶縁部材6との接触面26よりリブ30の端面を一段低くし、リブ30と絶縁部材6との間に隙間D3を開ける。これにより、配電板14の発熱がリブ30を介して軸受け8へ伝わることを防止している。
また、図5に示したようにブラケット部20の両面に溝23,24を形成した場合にも、リブ30を設置可能である。一例として、図8(a)に、ハウジング2を配電板14側から見た平面図を示し、図8(b)に、ハウジング2をEE線に沿って切断した断面図を示す。図8の例では、ブラケット部20の配電板14を向く面に溝23を形成してリブ30を設置すると共に、ブラケット部20のステータ部3を向く面に溝24を形成してリブ31を設置する。これにより、ブラケット部20の強度を向上させる。この構成の場合にも、リブ30と絶縁部材6との間に隙間D3を形成して、配電板14からの伝熱を防止する。また、リブ31とステータ部3との間にも隙間を形成して、ステータ部3からの伝熱を防止することも可能である。なお、リブ30,31のいずれか一方側だけを設置することも可能である。
さらに、リブ30,31はコイル12の本数の整数倍、つまりステータ部3の極数の整数倍とし、円周状に均等に配置することが望ましい。図7および図8の場合、ステータ部3のティース9a,10aは6極のため、その整数倍としてリブ30,31を6箇所に均等配置し、円周状に均等な応力分布となるようにしている。また、例えば図9に示すブラケット部20の平面図のように、極数の2倍、つまり12箇所にリブ30を設置してもよい。
以上より、実施の形態2によれば、電動機1は、環状の溝23,24内にリブ30,31を設置する構成にしたので、溝23,24の熱切り効果を維持しつつブラケット部20の強度を向上させることができる。また、リブ30,31を薄くすることにより誘導加熱の増加を伴うこともない。
また、実施の形態2によれば、リブ30の端面を、ブラケット部20の配電板14を保持する面より低くするようにしたので、配電板14からリブ30を通した軸受け8への伝熱を防止することができる。同様に、リブ31の端面を、ブラケット部20のステータ部3を保持する面より低くするようにしたので、ステータ部3からリブ30を通した軸受け8への伝熱を防止することができる。
また、実施の形態2によれば、リブ30,31の設置数を、ステータ部3の極数の整数倍にするようにしたので、円周状に均等な応力分布になるように設置でき、ブラケット部20の強度を向上させることができる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
以上のように、この発明に係る電動機は、ハウジングのブラケット部を、熱切りおよび放熱に配慮しつつ誘導加熱による発熱を低減可能な形状にしたので、電動コンプレッサおよび電動アシストターボなどのタービンを高速で回転駆動する電動機などに用いるのに適している。
1 電動機、2 ハウジング、3 ステータ部、4 シャフト、5 ロータ部、5a,5b 突部、6 絶縁部材、7,8 軸受け、9,10 ステータコア、9a,10a ティース、11 マグネット、12 コイル、13 インバータ基板、14 配電板、15 センサ、16 センサターゲット、17 カバーハウジング、18,19 カバー、20 ブラケット部、21 軸穴、22 コイル貫通穴、23,24 溝、25 薄肉部、26 接触面、30,31 リブ。
この発明は、ステータコイルおよび配電板の発する熱を放熱する構造を備えた電動機に関する。
一般的な3相シンクロナス交流モータ(例えば、特許文献1参照)は、固定子の永久磁石により回転子に磁極を作り出し、固定子のステータティース間に配置されたコイルによりステータティースに磁極を作り出す。ステータティース間に配置された3相のコイルは配電板(バスバー)により通電方向が切り替えられ、S極とN極に切り替わる。3相のコイルの通電方向を順次切り替えることにより、各ステータティースの磁性が回転移動していき、磁気作用により回転子が回転する。
本モータを駆動するためには、電流がコイルおよび配電板を流れることとなり、その発熱によってモータ各部の温度が上昇するため、許容温度を超えるような状況では、通電を止めてモータの駆動を停止しなければならず、必要な性能が得られない場合があった。そのような場合、コイルおよび配電板を可能な限り冷却するために、外部冷却により温度が比較的低いハウジングに、絶縁部材を介してコイルおよび配電板を接触させ、放熱する方法が取られていた(例えば、特許文献2参照)。
特開平8−214519号公報 特開2010−104212号公報
しかしながら、コイルおよび配電板を流れる電流は、前記の通り通電方向が切り替わるため、ハウジングをコイルおよび配電板に近づけすぎると誘導加熱によって金属製のハウジングの温度が上昇してしまう。
他方、回転子を回転自在に保持する軸受けも、伝熱および摩擦による自己発熱により回転中に温度が上昇するため、軸受けもハウジングに放熱させて温度を下げることが、モータの寿命を確保する上では重要である。
そこで、コイルおよび配電板の発熱を放熱させるために、コイルおよび配電板とハウジングとの距離を小さくする手段がとられるが、誘導加熱によるハウジングの温度上昇により、コイルおよび配電板の放熱効果が充分に得られないばかりか、軸受けの放熱効果も低下してしまうという課題があった。
一方、誘導加熱によるハウジングの温度上昇を抑制するために、コイルおよび配電板との距離を離すと、コイルおよび配電板の温度が低下しないばかりか、コイルがハウジングを貫通しているために、ハウジングのコイル貫通部が大きくなることにより、中心側に設置された軸受けの発熱がハウジングに伝わっても充分な放熱効果が得られないという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ハウジングの温度上昇を抑制し、熱害による軸受け等の構成部品の劣化を抑制可能な電動機を提供することを目的とする。
この発明の電動機は、通電によって磁界を発生するコイルを保持し、コイルが発生した磁界の磁路を構成するステータ部と、ステータ部の磁気吸引反発力によって回転するロータ部と、ステータ部の中心側でロータ部を回転自在に保持する軸受けと、ステータ部のコイルへ、ロータ部の回転位置に応じて配電する配電板と、ステータ部および配電板を軸方向に並べて保持するハウジングとを備え、ハウジングは、一方の面でステータ部を保持し、反対側の面で配電板を保持するブラケット部と、ブラケット部の中心に形成され軸受けを収容する軸穴と、ブラケット部の軸穴より外周側に形成され、ステータ部のコイルを配電板側へ軸方向に貫通させるコイル貫通穴と、ブラケット部の軸穴より外周側に、全周に亘って形成され、コイル貫通穴を通る環状の溝とを有し、コイル貫通穴の内壁面とコイルとの距離は、コイルの発熱がブラケット部に放熱され、かつ、コイルの誘導加熱によりブラケット部が発熱する距離に設定されているものである。
この発明によれば、ブラケット部の軸穴より外周側に環状の溝を形成することにより、この溝で熱切りして軸受けへの伝熱を抑制することができる。また、溝を形成してブラケット部の厚みを一部薄くすることにより、コイルの誘導加熱による発熱を低減し、不要なハウジングの温度上昇を抑制することができる。よって、熱害による軸受け等の構成部品の劣化を抑制可能な電動機を提供することができる。
この発明の実施の形態1に係る電動機の構成を示す断面図である。 実施の形態1に係る電動機の回転動作を説明する図である。 実施の形態1に係る電動機のハウジングの構造を示し、図3(a)は配電板側から見た平面図、図3(b)はAA線に沿って切断した断面図である。 従来構造のハウジングを示し、図4(a)は配電板側から見た平面図、図4(b)はBB線に沿って切断した断面図である。 実施の形態1に係る電動機における薄肉部と配電板の位置関係を説明する断面図である。 実施の形態1に係る電動機のハウジング変形例であって、薄肉部と配電板の位置関係を説明する断面図である。 この発明の実施の形態2に係る電動機のうちのハウジングの構造を示し、図7(a)は配電板側から見た平面図、図7(b)はCC線に沿って切断した断面図である。 実施の形態2に係る電動機のハウジング変形例であって、図8(a)は配電板側から見た平面図、図8(b)はEE線に沿って切断した断面図である。 実施の形態2に係る電動機のハウジング変形例を示す、配電板側から見た平面図である。
実施の形態1.
図1に示す電動機1は、3相交流シンクロナスモータを構成し、主に、円筒状のハウジング2と、ハウジング2の内部に固定されたステータ部3と、シャフト4を回転させるロータ部5と、ステータ部3の一方端面側に配置された配電板(バスバー)14とを備える。図2に、配電板14側から見たステータ部3とロータ部5の平面図を示す。ただし、ハウジング2およびコイル12等は図示を省略する。
ロータ部5は、電磁鋼板を積層して構成され、周方向外側に突出する突部を180度間隔に2箇所形成し、シャフト4の軸方向の途中で突部を90度ずらした状態にする(突部5a,5b)。シャフト4は、ハウジング2に固定された軸受け7,8によって回転自在に支持されている。このシャフト4にロータ部5が固定され、ロータ部5と一体にシャフト4を回転させることにより、ロータ部5に発生した回転力を外部出力する。
ステータ部3は、2個のステータコア9,10と、このステータコア9,10の間に配置されたマグネット11とから構成される。ステータコア9,10は、それぞれ、電磁鋼板をシャフト4の軸方向に積層して構成する。このステータコア9,10それぞれには、外側から中央のシャフト4側へ突出するティース9a,10aが複数形成され、シャフト4の軸方向に重なる1組のティース9a,10aに1個のU字状のコイル12が装着される。このステータ部3は、ハウジング2の開口端部から圧入され、その開口端部を塞ぐカバー19とハウジング2の内周面に突設されたブラケット部20(詳細は後述する)とに挟持された状態で固定されている。
各ティース9a,10aに装着された各コイル12の先端部は、ハウジング2のブラケット部20に形成されたコイル貫通穴22、および絶縁部材6に形成された貫通穴(不図示)を貫通してインバータ基板13側へ突出しており、この突出部分が配電板14(U相、V相、W相)に溶接等によって接続されている。配電板14は、絶縁性樹脂等の絶縁部材6と一体成形されてアルミ等の金属製ハウジング2から絶縁された導電部材であり、シャフト4の周方向に沿って環状に配置されて一端部がインバータ基板13に、他端部がコイル12に接続されている。配電板14を内包した絶縁部材6は、ハウジング2の開口端部(ステータ部3の圧入側とは反対側)から圧入され、その開口端部に取り付けられたカバーハウジング17とブラケット部20とに挟持された状態で固定されている。
インバータ基板13は、外部電源(不図示)を交流電流に変換し、センサ15から入力される位置信号に基づいて配電板14のU相、V相、W相の3相を順次切り替えて配電板14に電流を流す。このインバータ基板13は、カバーハウジング17の内部に取り付けられ、カバー18に被覆されている。
センサ15は、絶縁部材6の内周側空間に設置され、シャフト4と一体に回転するセンサターゲット16の位置を検出することによりシャフト4の回転位置を検知して、インバータ基板13へ位置信号を出力する。
ここで、電動機1の動作概略を説明する。
軸方向に着磁されたマグネット11による磁束は、マグネット11のN極側に配置されたステータコア9のティース9aからロータ部5の突部5aへ流れ出て、ロータ部5を軸方向に進んでS極側にある突部5bから出て、ロータ部5のS極側に配置されたステータコア10のティース10aへ流れ入る界磁磁束となる。このように、マグネット11の界磁起磁力がロータ部5に作用することで、マグネット11のN極側に対面するロータ部5の突部5aをN極に着磁し、マグネット11のS極側に対面するロータ部5の突部5bをS極に着磁する。配電板14を経由してU字のコイル12に電流が流れると、流れた電流の向きに応じてステータコア9,10の各ティース9a,10aが着磁して回転磁界が生じ、トルクが発生する。コイル12に流す電流の向きを順次切り替えることにより、図2(a)〜図2(c)のように各ティース9a,10aのNS各極性が回転移動していき、磁気吸引反発力によりロータ部5が回転する。
次に、ハウジング2のブラケット部20の形状を説明する。
図3は、本実施の形態1に係る電動機1のハウジング2の構造を示し、図3(a)はハウジング2を配電板14側から見た平面図、図3(b)はハウジング2をAA線に沿って切断した断面図である。
ブラケット部20の中心に軸穴21を形成して、軸受け8を設置する。また、ブラケット部20に、コイル12が貫通するコイル貫通穴22をコイル12の端子数分形成して、コイル12をステータ部3側から配電板14側へ挿通する。この電動機1では、ステータ部3のティース9a,10aを6極設けたので、U字のコイル12も6本必要になり、コイル貫通穴22も6箇所必要になる。そして、図3(a)に二点鎖線で示すように、隣り合うコイル12の先端部同士を1個のコイル貫通穴22に挿通している。
また、ブラケット部20の配電板14を向く面に、コイル貫通穴22を通るように環状の溝23を形成する。同様に、ブラケット部20のステータ部3を向く面にも、コイル貫通穴22を通るように環状の溝24を形成する。これにより、ブラケット部20の軸方向の厚みD1に比べ、溝23,24を形成した部分の厚みD2が薄い薄肉部25が形成される。
以下、薄肉部25を形成した場合と形成しない場合の放熱効果の違いを説明する。
図4に、薄肉部25を形成しない、従来構造のハウジング102を示す。図4(a)は、ハウジング102を配電板14側から見た平面図、図4(b)はハウジング102をBB線に沿って切断した断面図である。
ステータ部3に設置されたコイル12は、配電板14と電気的に接合する必要があるため、ハウジング2,102のブラケット部20を貫通させなければならず、ブラケット部20にはコイル貫通穴22を形成してコイル12を通さなければならない。そのため、ブラケット部20およびハウジング2,102には、電流が流れることによるコイル12の発熱が伝わる(図3(b)および図4(b)の矢印H1)。
一方、電流が流れることによるコイル12および配電板14の発熱をブラケット部20とハウジング2,102に伝えて放熱させるためには、コイル貫通穴22の内壁面とコイル12との距離、および配電板14とブラケット部20との距離を極力近づけなければならない。
しかし、コイル12とブラケット部20とを近づけすぎると、コイル12に流れる交流電流によって誘導加熱が発生し、ブラケット部20およびハウジング2,102が熱せられてしまうため、コイル12および配電板14が充分に放熱できなくなる。
また、誘導加熱によるブラケット部20およびハウジング2,102の発熱が伝わり(図3(b)および図4(b)の矢印H2)、軸穴21に設置された軸受け8が不要に温度上昇してしまう。
そこで、本実施の形態1のハウジング2においては、図3に示すようにブラケット部20の軸穴21の外周側に、コイル貫通穴22を通る環状の溝23,24を設けて薄肉部25を形成し、誘導加熱により発熱する部位を小さくする。これにより、少なくともコイル12の誘導加熱による発熱を低減させて、ブラケット部20およびハウジング2の不要な温度上昇を抑制することを可能とした。そのため、軸受け8への伝熱(図3(b)の矢印H2)を抑制でき、軸受け8が不要に加熱されることを防ぐことが可能になると共に、軸受け8の摩擦による自己発熱をブラケット部20およびハウジング2に放熱させて温度を下げることができる。また、溝23,24を形成することにより、ブラケット部20から軸受け8への伝熱を熱切りできる。よって、熱害による軸受け8の劣化を抑制可能となる。
図5は、本実施の形態1に係る電動機1における薄肉部25と配電板14の位置関係を説明する断面図である。図中、ステータ部3、コイル12等は省略している。
ブラケット部20の一方側には、絶縁部材6を介して配電板14を当接させて、電流が流れることによる配電板14の発熱をブラケット部20およびハウジング2に伝えて放熱し、温度上昇を抑制している。このとき、ブラケット部20の環状の溝23よりも外周側に、絶縁部材6を介して配電板14を配置することにより、溝23によって空気の層を形成して熱切りし、軸受け8への伝熱を抑制する。また、配電板14の発熱は、配電板14とブラケット部20の接触面26から薄肉部25を通って軸受け8へ伝わるようになり、矢印H3の放熱経路が構成される。よって、軸受け8が不要に加熱されることを防ぐことが可能になる。
また、コイル12の発熱によりステータ部3も温度上昇するが、このステータ部3に当接するブラケット部20に溝24を形成することにより、軸受け8への伝熱を抑制することができる。
図3および図5では、ブラケット部20の両面に環状の溝23,24を形成したが、いずれか一方でもよい。ステータ部3より絶縁部材6の方が温度が上昇するので、少なくとも配電板14側に溝23を形成することが望ましい。
さらに、溝23を深くして、配電板14から軸受け8への伝熱をより抑制可能な構成にしてもよい。この構成例を図6に示す。
この図6は、本実施の形態1に係る電動機1におけるブラケット部20の変形例を説明する断面図である。図中、ステータ部3、コイル12等は省略している。
この変形例では、ブラケット部20の配電板14を向く面に深い溝23を形成して、配電板14から薄肉部25までの軸方向の距離を長くしている。そのため、図6に矢印H3で示した放熱経路が、図5に矢印H3で示した放熱経路より延長され、ブラケット部20とハウジング2の外周面からの放熱が増え、配電板14から軸受け8への伝熱をより抑制することが可能となる。
さらに、図3、図5および図6において、ハウジング2の外周面にヒートシンク等の放熱部材を設置して、放熱効果を高めてもよい。
以上より、実施の形態1によれば、電動機1は、通電によって磁界を発生するコイル12を保持し、コイル12が発生した磁界の磁路を構成するステータ部3と、ステータ部3の磁気吸引反発力によって回転するロータ部5と、ステータ部3の中心側で、ロータ部5に固定されたシャフト4を回転自在に保持する軸受け8と、ステータ部3のコイル12へ、ロータ部5の回転位置に応じて配電する配電板14と、ステータ部3および配電板14を軸方向に並べて保持するハウジング2とを備え、このハウジング2は、一方の面でステータ部3を保持し、反対側の面で配電板14を保持するブラケット部20と、ブラケット部20の中心に形成され軸受け8を収容する軸穴21と、ブラケット部20の軸穴21より外周側に形成され、ステータ部3のコイル12を配電板14側へ軸方向に貫通させるコイル貫通穴22と、ブラケット部20の軸穴21より外周側に、全周に亘って形成され、コイル貫通穴22を通る環状の溝23,24とを有するように構成した。このため、ブラケット部20の軸受け8より外周側の環状の溝23,24で熱切りして、軸受け8への伝熱を抑制することができる。また、溝23,24を形成してブラケット部20の厚みを一部薄くすることにより、コイル12の誘導加熱による発熱を低減して、不要なハウジング2の温度上昇を抑制することができ、軸受け8からハウジング2への放熱を阻害しない。よって、熱害による軸受け8等の構成部品の劣化を抑制することができる。
また、実施の形態1によれば、環状の溝23を、ブラケット部20の配電板14を保持する面に形成するようにしたので、配電板14の発する熱を溝23で熱切りし、配電板14から軸受け8への伝熱を抑制することできる。
また、実施の形態1によれば、配電板14を、ブラケット部20の環状の溝23より外周側に、絶縁部材6を介して当接させるようにしたので、配電板14とブラケット部20の接触面26からブラケット部20外周側および薄肉部25を通って軸受け8まで、放熱経路が構成される。このため、配電板14の発する熱をブラケット部20およびハウジング2で効率的に放熱できる。
実施の形態2.
図7は、本実施の形態2に係る電動機1のうちのハウジング2の構成を示し、図7(a)はハウジング2を配電板14側から見た平面図、図7(b)はハウジング2をCC線に沿って切断した断面図である。なお、本実施の形態2の電動機1において、ブラケット部20以外の構成は図1と同様のため、以下では図1を援用する。
図6に示したようにハウジング2のブラケット部20に環状の溝23を深く形成すると、軸穴21の周辺の強度が低下する。そこで、本実施の形態2では、図7に示すように、溝23に複数のリブ30を設置して、ブラケット部20の強度を向上させる。また、このリブ30の厚みを薄くすることにより、誘導加熱によるリブ30の温度上昇を抑制し、軸受け8が不要に加熱されることを防ぐ。さらに、絶縁部材6との接触面26よりリブ30の端面を一段低くし、リブ30と絶縁部材6との間に隙間D3を開ける。これにより、配電板14の発熱がリブ30を介して軸受け8へ伝わることを防止している。
また、図5に示したようにブラケット部20の両面に溝23,24を形成した場合にも、リブ30を設置可能である。一例として、図8(a)に、ハウジング2を配電板14側から見た平面図を示し、図8(b)に、ハウジング2をEE線に沿って切断した断面図を示す。図8の例では、ブラケット部20の配電板14を向く面に溝23を形成してリブ30を設置すると共に、ブラケット部20のステータ部3を向く面に溝24を形成してリブ31を設置する。これにより、ブラケット部20の強度を向上させる。この構成の場合にも、リブ30と絶縁部材6との間に隙間D3を形成して、配電板14からの伝熱を防止する。また、リブ31とステータ部3との間にも隙間を形成して、ステータ部3からの伝熱を防止することも可能である。なお、リブ30,31のいずれか一方側だけを設置することも可能である。
さらに、リブ30,31はコイル12の本数の整数倍、つまりステータ部3の極数の整数倍とし、円周状に均等に配置することが望ましい。図7および図8の場合、ステータ部3のティース9a,10aは6極のため、その整数倍としてリブ30,31を6箇所に均等配置し、円周状に均等な応力分布となるようにしている。また、例えば図9に示すブラケット部20の平面図のように、極数の2倍、つまり12箇所にリブ30を設置してもよい。
以上より、実施の形態2によれば、電動機1は、環状の溝23,24内にリブ30,31を設置する構成にしたので、溝23,24の熱切り効果を維持しつつブラケット部20の強度を向上させることができる。また、リブ30,31を薄くすることにより誘導加熱の増加を伴うこともない。
また、実施の形態2によれば、リブ30の端面を、ブラケット部20の配電板14を保持する面より低くするようにしたので、配電板14からリブ30を通した軸受け8への伝熱を防止することができる。同様に、リブ31の端面を、ブラケット部20のステータ部3を保持する面より低くするようにしたので、ステータ部3からリブ30を通した軸受け8への伝熱を防止することができる。
また、実施の形態2によれば、リブ30,31の設置数を、ステータ部3の極数の整数倍にするようにしたので、円周状に均等な応力分布になるように設置でき、ブラケット部20の強度を向上させることができる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 電動機、2 ハウジング、3 ステータ部、4 シャフト、5 ロータ部、5a,5b 突部、6 絶縁部材、7,8 軸受け、9,10 ステータコア、9a,10a ティース、11 マグネット、12 コイル、13 インバータ基板、14 配電板、15 センサ、16 センサターゲット、17 カバーハウジング、18,19 カバー、20 ブラケット部、21 軸穴、22 コイル貫通穴、23,24 溝、25 薄肉部、26 接触面、30,31 リブ。
この発明によれば、ブラケット部の軸穴より外周側に環状の溝を形成することにより、この溝で熱を遮り、軸受けへの伝熱を抑制することができる。また、溝を形成してブラケット部の厚みを一部薄くすることにより、コイルの誘導加熱による発熱を低減し、不要なハウジングの温度上昇を抑制することができる。よって、熱害による軸受け等の構成部品の劣化を抑制可能な電動機を提供することができる。
また、ブラケット部20の配電板14を向く面に、コイル貫通穴22を通るように環状の溝23を形成する。同様に、ブラケット部20のステータ部3を向く面にも、コイル貫通穴22を通るように環状の溝24を形成する。これにより、ブラケット部20の軸方向の厚みD1に比べ、溝23,24の深さに相当する分の厚みが減少した、厚みD2の薄肉部25が形成される。
そこで、本実施の形態1のハウジング2においては、図3に示すようにブラケット部20の軸穴21の外周側に、コイル貫通穴22を通る環状の溝23,24を設けて薄肉部25を形成し、誘導加熱により発熱する部位を小さくする。これにより、少なくともコイル12の誘導加熱による発熱を低減させて、ブラケット部20およびハウジング2の不要な温度上昇を抑制することを可能とした。そのため、軸受け8への伝熱(図3(b)の矢印H2)を抑制でき、軸受け8が不要に加熱されることを防ぐことが可能になると共に、軸受け8の摩擦による自己発熱をブラケット部20およびハウジング2に放熱させて温度を下げることができる。また、溝23,24を形成することにより、ブラケット部20から軸受け8への伝熱を遮ることができる。よって、熱害による軸受け8の劣化を抑制可能となる。
図5は、本実施の形態1に係る電動機1における薄肉部25と配電板14の位置関係を説明する断面図である。図中、ステータ部3、コイル12等は省略している。
ブラケット部20の一方側には、絶縁部材6を介して配電板14を当接させて、電流が流れることによる配電板14の発熱をブラケット部20およびハウジング2に伝えて放熱し、温度上昇を抑制している。このとき、ブラケット部20の環状の溝23よりも外周側に、絶縁部材6を介して配電板14を配置することにより、溝23によって空気の層を形成して熱を遮り、軸受け8への伝熱を抑制する。また、配電板14の発熱は、配電板14とブラケット部20の接触面26から薄肉部25を通って軸受け8へ伝わるようになり、矢印H3の放熱経路が構成される。よって、軸受け8が不要に加熱されることを防ぐことが可能になる。
以上より、実施の形態1によれば、電動機1は、通電によって磁界を発生するコイル12を保持し、コイル12が発生した磁界の磁路を構成するステータ部3と、ステータ部3の磁気吸引反発力によって回転するロータ部5と、ステータ部3の中心側で、ロータ部5に固定されたシャフト4を回転自在に保持する軸受け8と、ステータ部3のコイル12へ、ロータ部5の回転位置に応じて配電する配電板14と、ステータ部3および配電板14を軸方向に並べて保持するハウジング2とを備え、このハウジング2は、一方の面でステータ部3を保持し、反対側の面で配電板14を保持するブラケット部20と、ブラケット部20の中心に形成され軸受け8を収容する軸穴21と、ブラケット部20の軸穴21より外周側に形成され、ステータ部3のコイル12を配電板14側へ軸方向に貫通させるコイル貫通穴22と、ブラケット部20の軸穴21より外周側に、全周に亘って形成され、コイル貫通穴22を通る環状の溝23,24とを有するように構成した。このため、ブラケット部20の軸受け8より外周側の環状の溝23,24で熱を遮り、軸受け8への伝熱を抑制することができる。また、溝23,24を形成してブラケット部20の厚みを一部薄くすることにより、コイル12の誘導加熱による発熱を低減して、不要なハウジング2の温度上昇を抑制することができ、軸受け8からハウジング2への放熱を阻害しない。よって、熱害による軸受け8等の構成部品の劣化を抑制することができる。
また、実施の形態1によれば、環状の溝23を、ブラケット部20の配電板14を保持する面に形成するようにしたので、配電板14の発する熱を溝23で遮り、配電板14から軸受け8への伝熱を抑制することできる。
以上より、実施の形態2によれば、電動機1は、環状の溝23,24内にリブ30,31を設置する構成にしたので、溝23,24による熱の遮り効果を維持しつつブラケット部20の強度を向上させることができる。また、リブ30,31を薄くすることにより誘導加熱の増加を伴うこともない。

Claims (6)

  1. 通電によって磁界を発生するコイルを保持し、前記コイルが発生した磁界の磁路を構成するステータ部と、
    前記ステータ部の磁気吸引反発力によって回転するロータ部と、
    前記ステータ部の中心側で前記ロータ部を回転自在に保持する軸受けと、
    前記ステータ部の前記コイルへ、前記ロータ部の回転位置に応じて配電する配電板と、
    前記ステータ部および前記配電板を軸方向に並べて保持するハウジングとを備え、
    前記ハウジングは、
    一方の面で前記ステータ部を保持し、反対側の面で前記配電板を保持するブラケット部と、
    前記ブラケット部の中心に形成され前記軸受けを収容する軸穴と、
    前記ブラケット部の前記軸穴より外周側に形成され、前記ステータ部の前記コイルを前記配電板側へ前記軸方向に貫通させるコイル貫通穴と、
    前記ブラケット部の前記軸穴より外周側に、全周に亘って形成され、前記コイル貫通穴を通る環状の溝とを有することを特徴とする電動機。
  2. 前記環状の溝は、前記ブラケット部の前記配電板を保持する面に形成したことを特徴とする請求項1記載の電動機。
  3. 前記配電板は、前記ブラケット部の前記環状の溝より外周側に、絶縁部材を介して当接することを特徴とする請求項2記載の電動機。
  4. 前記環状の溝内にリブを設置したことを特徴とする請求項1記載の電動機。
  5. 前記リブの端面は、前記ブラケット部の前記配電板を保持する面または前記ステータ部を保持する面よりも低いことを特徴とする請求項4記載の電動機。
  6. 前記リブの設置数は、前記ステータ部の極数の整数倍であることを特徴とする請求項4記載の電動機。
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