JP2017108516A - 回転電機のロータ - Google Patents
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Abstract
【課題】焼き嵌めされたロータコアとロータシャフトの締め代が永久磁石およびその周囲の発熱により減少して結合力が低下することを抑制する。【解決手段】ロータコア16とロータシャフト18は焼き嵌めにより結合されている。ロータシャフト18には冷却液が流れるシャフト内冷却液流路36が形成されている。ロータコア16の外周部には永久磁石24が配置され、ロータシャフト18と永久磁石24の間の位置に断熱部材40が配置されている。永久磁石24およびその周囲で発生した熱が断熱部材40に遮られ、ロータシャフト18の近傍に伝わることが抑えられる。【選択図】図1
Description
本発明は、回転電機のロータに関し、特にロータの構造に関する。
電気エネルギを回転の運動エネルギに変換する電動機、回転の運動エネルギを電気エネルギに変換する発電機、さらに電動機と発電機どちらにも機能する電気機器が知られている。以下において、これらの電気機器を回転電機と記す。回転電機は、同軸に配置されて相対的に回転する二つの部材を有する。通常は、一方が固定され、他方が回転する。固定された部材(ステータ)にコイルを配置することができ、このコイルに電力を供給することにより回転する磁界を形成する。この磁界との相互作用により他方の部材(ロータ)が回転する。
下記特許文献1には、冷却液(冷媒)が流れるロータ軸冷媒流路(20)を有するロータ軸(18)が開示されている。また、ロータ(16)には永久磁石が配置されている(段落0024,0023。図1等参照)。下記特許文献2には、ロータコア(3)とロータシャフト(4)を焼き嵌めして固定する回転電機のロータが開示されている。また、ロータコア(3)には永久磁石(1)が配置される(段落0017,0018、図1等参照)。なお、( )内の符号は、各特許文献で用いられたものであり、本願の実施形態で用いられる符号とは関連しない。
回転電機を運転すると永久磁石およびその周囲の発熱のためロータコアの温度は上昇する。一方、ロータシャフト内に冷却液が流れると、ロータシャフトは冷やされる。このため、ロータコアとロータシャフトに温度差が生じ、熱膨張の差が生じる。この熱膨張差により、ロータコアとロータシャフトの間に隙間が生じたり、またロータコアとロータシャフトを焼き嵌めにて結合している場合には、焼き嵌めの締め代が少なくなり、ロータコアとロータシャフトの結合力が不足することがある。
本発明は、ロータシャフトとロータコアの結合部分に生じる熱膨張の差を小さくすることを目的とする。
本発明に係る回転電機のロータは、外周部に永久磁石が配置されたロータコアと、ロータコアを貫通するロータシャフトとを有し、ロータシャフトのロータコアに対応する位置の少なくとも一部に設けられた冷却液流路が設けられている。さらに、ロータコアの、永久磁石とロータシャフトの間の位置に断熱部材が設けられている。
永久磁石およびその周囲に発生した熱がロータコアのロータシャフト近傍部分に伝わることが断熱構造により阻止され、この部分に熱膨張の差が生じることが抑えられる。
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。図1は、本実施形態の回転電機10の回転軸線Cを含む断面図であり、図2に示されるA−B−D−E線による組み合わせ断面図である。図1において、回転軸線Cに対して対称であり左半分が省略されている。図2は、回転電機10のロータ12の回転軸線Cに直交する断面を示す図であり、全周の四分の1が示されている。以下において、回転軸線Cに沿う方向を「軸線方向」、回転軸線Cに直交する方向を「径方向」と記す。また、径方向内側とは回転軸線Cに近い側、径方向外側とは遠い側を言う。
回転電機10は、概略円柱形状のロータ12と、ロータ12と同心であって、ロータ12を取り囲むように配置される略円筒形状のステータ14を有する。ロータ12は、円柱形状のロータコア16とロータコア16の中心を貫くロータシャフト18を有する。ロータ12は、このロータシャフト18を中心に回転する。このロータシャフト18の中心線が回転軸線Cである。ロータコア16は、軸線方向に積層された電磁鋼板から形成される。ロータコア16には回転軸線Cと平行に延びる磁石収容孔22が形成され、磁石収容孔22内に永久磁石24が配置される。永久磁石24の形状は直方体であり、その1辺が回転軸線Cに平行に配置される。永久磁石24は、一方の極がロータの径方向外側、他方の極が径方向内側に配置される。図2によく示されるように、永久磁石24は、2個が外側に開いたV字形となるよう配置され、この2個が対をなして1つの磁極を形成する。図2において、永久磁石24A,24Bが1つの磁極を形成する永久磁石である。この対をなす永久磁石24A,24Bの極は同じ向きを向いており、例えば、両者ともにS極が径方向外側、N極が径方向内側に配置される。この対をなす永久磁石24A,24Bに隣接する永久磁石の対の極の向きは逆向きである。隣り合う永久磁石の対の近い側の2個の永久磁石24(例えば図2において、永久磁石24Bと永久磁石24C)の径方向内側には、フラックスバリア26が形成されている。フラックスバリア26は空隙であり、回転軸線Cに沿って延びる。空隙であるフラックスバリア26は、磁性鋼板で形成されたロータコアの他の部分に比べて透磁率が低く、磁束はここを避けるように延びる。これにより、フラックスバリア26によりロータコア16内の磁路が規定される。
ロータコア16とロータシャフト18の結合は、焼き嵌めを利用して行われる。ロータコア16を加熱し、ロータコア16の内径(以下、コア内径28と記す。)を広げる。広がったコア内径28にロータシャフト18を挿入し、ロータコア16を常温に戻し、コア内径28を狭める。狭まろうとするコア内径28がロータシャフト18のシャフト外径30を締め付けることにより、ロータコア16とロータシャフト18が結合する。
ステータ14は、ステータコア32とステータコア32に装着されたコイル34とを含む。ステータコア32は、ロータ12に対向する面に周方向に配列されたティースを有し、このティースに導線が巻回されてコイル34が形成される。コイル34に所定の電流を流すと、ステータ14の内側に回転する磁界が形成され、この磁界とロータ12の永久磁石24が相互作用してロータ12が回転する。
ロータシャフト18およびロータコア16には、冷却液が流れる流路が形成されている。ロータシャフト18内の流路をシャフト内冷却液流路36、ロータコア16内の流路をコア内冷却液流路38と記す。ロータシャフト18のロータコア16に対応する部分、つまりロータコア16の内側に位置する部分の少なくとも一部にシャフト内冷却液流路36が形成されている。この回転電機10においては、コア内冷却液流路38は、ロータコア16の軸線方向中央に配置され、シャフト内冷却液流路36は、ロータシャフト18の、ロータコア16に対応する部分の一端から中央まで延びて設けられている。ポンプ(不図示)から送られた冷却液は、シャフト内冷却液流路36を通ってコア内冷却液流路38に入り、コア内冷却液流路38を径方向外側に向けて流れ、ロータコア16の外周面からステータコア32の内周面に向けて吐出される。
回転電機10の運転中、永久磁石24およびその周囲のロータコアは発熱し、この熱によりロータコア16が温度上昇する。一方、ロータシャフト18は、シャフト内冷却液流路36を流れる冷却液により冷やされる。もし、ロータコア16全体の温度が高くなると、コア内径28が広がる一方、ロータシャフト18は冷やされているのでシャフト外径30は広がらないか、またはコア内径28ほどには広がらない。このため、焼き嵌めによる締め代が少なくなるか、またはなくなり、ロータコア16とロータシャフト18の結合力が弱くなるか、またはなくなる。ロータコア16とロータシャフト18が焼き嵌めで結合されていない場合でも、コア内径28とシャフト外径30の隙間が大きくなるなどの問題が生じる可能性がある。
この回転電機10では、永久磁石24およびその周囲からの熱が、ロータコア16の、ロータシャフト18近傍に伝わらないように、または伝わりにくくする断熱部材40をロータコア16に設けている。断熱部材40は、ロータコア16を構成する電磁鋼板よりも熱伝導率が低い材料から構成される。典型的には、断熱部材40は樹脂製である。断熱部材40は、ロータコア16に設けられた軸線方向に延びる収容孔42に溶融状態の樹脂を注入し、固化させることで設けることができる。また、断熱部材40を、収容孔42の形状に合わせて予め成形しておき、これを収容孔42に挿入するようにしてもよい。また、収容孔42内に断熱部材40を配置せず、空孔のままとしてもよい。空気の熱伝導率は、電磁鋼板よりも低く、空孔のままであっても断熱効果が期待できる。
断熱部材40により、永久磁石24からの熱が遮られ、ロータコア16の、ロータシャフト18周辺部分の温度上昇が抑制され、ロータシャフト18との温度差が大きくならないようにされる。
10 回転電機、12 ロータ、14 ステータ、16 ロータコア、18 ロータシャフト、22 磁石収容孔、24 永久磁石、26 フラックスバリア、28 コア内径、30 シャフト外径、32 ステータコア、34 コイル、36 シャフト内冷却液流路、38 コア内冷却液流路、40 断熱部材、42 収容孔。
Claims (1)
- 外周部に永久磁石が配置されたロータコアと、
ロータコアを貫通するロータシャフトであって、ロータコアに対応する位置の少なくとも一部に設けられた冷却液流路を有するロータシャフトと、
ロータコアの、永久磁石とロータシャフトの間の位置に設けられた断熱部材と、
を有する、
回転電機のロータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015239970A JP2017108516A (ja) | 2015-12-09 | 2015-12-09 | 回転電機のロータ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2015239970A JP2017108516A (ja) | 2015-12-09 | 2015-12-09 | 回転電機のロータ |
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JP2017108516A true JP2017108516A (ja) | 2017-06-15 |
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ID=59060091
Family Applications (1)
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JP2015239970A Pending JP2017108516A (ja) | 2015-12-09 | 2015-12-09 | 回転電機のロータ |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN111869053A (zh) * | 2018-03-22 | 2020-10-30 | 富士通将军股份有限公司 | 压缩机 |
-
2015
- 2015-12-09 JP JP2015239970A patent/JP2017108516A/ja active Pending
Cited By (2)
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CN111869053A (zh) * | 2018-03-22 | 2020-10-30 | 富士通将军股份有限公司 | 压缩机 |
CN111869053B (zh) * | 2018-03-22 | 2023-04-04 | 富士通将军股份有限公司 | 压缩机 |
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