JPWO2013179653A1 - パラフィン系潜熱蓄熱材組成物及びその使用 - Google Patents
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Abstract
本発明のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物は、n−ヘキサデカン、n−ペンタデカン、及び、必要に応じて添加されるn−テトラデカンからなる混合物を主成分とするパラフィン系潜熱蓄熱材組成物であって、1)前記混合物は、n−ヘキサデカンの含有量が68質量%以上であり、n−ペンタデカンの含有量が1〜23質量%であり、n−テトラデカンの含有量が23質量%以下であり、且つ、n−ヘキサデカンの前記含有量、n−ペンタデカンの前記含有量、及びn−テトラデカンの前記含有量の合計が100質量%であり、2)融点が、n−ヘキサデカンの融点より低く、3)融解潜熱量が、200J/g以上である。
Description
本発明は、パラフィン系潜熱蓄熱材組成物及びその使用に関し、特に、n−ヘキサデカンの融点より低く、n−ペンタデカンの融点近傍(10℃付近)の融点を有し、且つ、大きな融解潜熱量を有するパラフィン系潜熱蓄熱材組成物及びその使用に関する。
近年、省エネルギーやエネルギーの有効利用のために、余剰エネルギーを有効に利用することが求められている。その有効な方法として、物質の相変化に伴う潜熱を利用して蓄熱を行う方法が用いられてきた。相変化を伴わない顕熱のみを利用する方法に比べ、潜熱を利用する方法は狭い温度域に大量の熱エネルギーを高密度に貯蔵できるため、蓄熱材容量の縮小化がなされるだけでなく、蓄熱量が大きい割に大きな温度差が生じないため熱損失を少量に抑えられる利点を有している。
これらの蓄熱材は、液相と固相の間で相変化する際に吸収・放出される熱量を利用して、蓄熱式空調機器、蓄熱式建材、各種保温器具や装置、保冷剤などに利用されている。これらは、用いる蓄熱材の相転移温度(融点、凝固点)を、目的とする温度、例えば、室温近傍、体温近傍などに設定することにより目的を達成できる。
従来から、相変化に伴う融解潜熱を有する潜熱蓄熱材組成物として、パラフィンからなる蓄熱材が知られている。
従来から、相変化に伴う融解潜熱を有する潜熱蓄熱材組成物として、パラフィンからなる蓄熱材が知られている。
パラフィンは、融点及び凝固点を生活温度領域(5〜30℃)に有し、炭素数により融点が定まる。通常、炭素数が奇数のパラフィンの生活温度領域で使用可能な融解潜熱量(例えば、炭素数15では約160J/g)は、炭素数が偶数のパラフィンの融解潜熱量(例えば、炭素数16では約240J/g)よりも小さい。これは、炭素数が奇数のパラフィンと、炭素数が偶数のパラフィンとでは、固体状態での結晶系に違いがあるからである。また、炭素数が偶数のパラフィンは、単体において、過冷却を生じやすい。
以上述べたように、パラフィンは、炭素数によって、融点と、使用可能な潜熱量が異なる。例えば、n−テトラデカン(C14)は融点6℃で潜熱量約230J/g、n−ペンタデカン(C15)は融点10℃で潜熱量約160J/g、n−ヘキサデカン(C16)は融点18℃で潜熱量約240J/gであることが知られており、融点10℃前後で十分に大きな潜熱量を有するものは存在しない。
一方、パラフィン混合物の融点及び凝固点は、加成性が成り立たないことが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、潜熱量も同様である。
従来より、(i)炭素数がCnのノルマルパラフィン成分(A)および炭素数がCn+2のノルマルパラフィン成分(B)の2成分をそれぞれ10重量%以上含み、炭素数がCn+1のノルマルパラフィン成分(C)の含有量は10重量%未満であり、凝固点が融点よりも高い蓄冷熱剤(例えば、特許文献1参照);(ii)蓄熱材をマイクロカプセル化した蓄熱材分散液を用いる技術(例えば、特許文献2参照);(iii)n−ヘキサデカン(C16)と、n−テトラデカン(C14)との混合物からなる蓄熱材(例えば、特許文献3参照);(iv)n-ヘプタデカン(C17)とn-オクタデカン(C18)とn-ノナデカン(C19)とを含み、昇温時に20〜25℃の範囲に融点が存在し、昇温時の20〜40℃の範囲の吸熱総潜熱熱量が200J/g以上であるパラフィン系潜熱蓄熱材組成物(例えば、特許文献4参照);(v)冷房空調用途等に好適な、融点が−15℃〜10℃の範囲にあるノルマルパラフィン(a)からなる潜熱蓄熱材(A)と、ノルマルパラフィン(a)の融点よりも、35℃以上高い融点を有するノルマルパラフィン(b)からなる過冷却抑制材(B)とを含有するパラフィン系蓄熱材組成物(例えば、特許文献5参照);などがある。
近年、冷房空調や自動車のキャニスター用途などに用いる蓄熱材として、10℃付近の温度領域で大きな潜熱量(蓄熱量)を有する蓄熱材が求められている。
しかし、n−ペンタデカン(C15)は、10℃付近の融点(10℃)を有するが、潜熱量が小さいので、n−ペンタデカン(C15)の単体では、所望の蓄熱材を得ることができない。
また、n−テトラデカン(C14)とn−ヘキサデカン(C16)との2成分系でも、上述したように、融点や潜熱量に加成性が成り立たないので、所望の蓄熱材を得られていない。
しかし、n−ペンタデカン(C15)は、10℃付近の融点(10℃)を有するが、潜熱量が小さいので、n−ペンタデカン(C15)の単体では、所望の蓄熱材を得ることができない。
また、n−テトラデカン(C14)とn−ヘキサデカン(C16)との2成分系でも、上述したように、融点や潜熱量に加成性が成り立たないので、所望の蓄熱材を得られていない。
以上述べたように、従来技術では、n−ヘキサデカンの融点より低く、n−ペンタデカンの融点近傍(10℃付近)の融点を有し、且つ、大きな融解潜熱量を有するパラフィン系潜熱蓄熱材組成物は、未だ得られておらず、その開発が切望されていた。
本発明の目的は、n−ヘキサデカンの融点より低く、n−ペンタデカンの融点近傍(10℃付近)の融点を有し、且つ、大きな融解潜熱量を有するパラフィン系潜熱蓄熱材組成物及びその使用を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、n−ヘキサデカン(C16)、n−ペンタデカン(C15)、必要に応じて添加する、n−テトラデカン(C14)、それぞれ所定量含有する組成物において、n−ヘキサデカンの融点(18℃)より低く、n−ペンタデカンの融点近傍(10℃付近)の融点を有し、且つ、大きな融解潜熱量(200J/g以上)を有するパラフィン系潜熱蓄熱材組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物は、n−ヘキサデカン、n−ペンタデカン、及び、必要に応じて添加されるn−テトラデカンからなる混合物を主成分とするパラフィン系潜熱蓄熱材組成物であって、1)前記混合物は、n−ヘキサデカンの含有量が68質量%以上であり、n−ペンタデカンの含有量が1〜23質量%であり、n−テトラデカンの含有量が23質量%以下であり、且つ、n−ヘキサデカンの前記含有量、n−ペンタデカンの前記含有量、及びn−テトラデカンの前記含有量の合計が100質量%であり、2)融点が、n−ヘキサデカンの融点より低く、3)融解潜熱量が、200J/g以上である、ことを特徴とする。
本発明に係るパラフィン系潜熱蓄熱材組成物の中でも、好ましい実施形態としては、以下の3つが挙げられる。
本発明において、n−ヘキサデカン、n−ペンタデカン、及び、n−テトラデカンからなる混合物を主成分とするパラフィン系潜熱蓄熱材組成物であって、1)前記混合物は、n−ヘキサデカンの含有量が80質量%超であり、n−ペンタデカンの含有量が5質量%未満であり、n−テトラデカンの含有量が20質量%未満であり、且つ、n−ヘキサデカンの前記含有量、n−ペンタデカンの前記含有量、及びn−テトラデカンの前記含有量の合計が100質量%であり、2)融点が、5℃〜15℃であり、3)融解潜熱量が、200J/g以上であり、4)凝固点が10℃〜15℃である、ことが好ましい。
本発明において、n−ヘキサデカン、n−ペンタデカン、及び、n−テトラデカンからなる混合物を主成分とするパラフィン系潜熱蓄熱材組成物であって、1)前記混合物は、n−ヘキサデカンの含有量が70質量%以上であり、n−ペンタデカンの含有量とn−テトラデカンの含有量との合計が30質量%未満であり、n−ヘキサデカンの前記含有量、n−ペンタデカンの前記含有量、及びn−テトラデカンの前記含有量の合計が100質量%であり、且つ、n−ペンタデカンの前記含有量(質量%)と、n−テトラデカンの前記含有量(質量%)との関係が、下式(1)の関係にあり、
0.3≦[n−ペンタデカンの含有量(質量%)]/[n−テトラデカンの含有量(質量%)] ≦10・・・(1)
2)融点が、5℃以上〜15℃以下であり、3)融解潜熱量が、210J/g以上であり、4)凝固点が10℃以上〜15℃以下であり、5)融点と凝固点との差が5℃以下である、ことが好ましい。
0.3≦[n−ペンタデカンの含有量(質量%)]/[n−テトラデカンの含有量(質量%)] ≦10・・・(1)
2)融点が、5℃以上〜15℃以下であり、3)融解潜熱量が、210J/g以上であり、4)凝固点が10℃以上〜15℃以下であり、5)融点と凝固点との差が5℃以下である、ことが好ましい。
本発明において、n−ヘキサデカンとn−ペンタデカンとからなる混合物を主成分とするパラフィン系潜熱蓄熱材組成物であって、1)前記混合物は、n−ヘキサデカンの含有量が80質量%超であり、n−ペンタデカンの含有量が20質量%未満であり、n−ヘキサデカンの前記含有量及びn−ペンタデカンの前記含有量の合計が100質量%であり、2)融点が、10℃〜16℃であり、3)融解潜熱量が、210J/g以上であり、4)融点と凝固点との差が5℃以下である、ことが好ましい。
本発明のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物の使用は、n−ヘキサデカン、n−ペンタデカン、及び、必要に応じて添加されるn−テトラデカンからなる混合物を主成分とするパラフィン系潜熱蓄熱材組成物の使用であって、1)前記混合物は、n−ヘキサデカンの含有量が68質量%以上であり、n−ペンタデカンの含有量が1〜23質量%であり、n−テトラデカンの含有量が23質量%以下であり、且つ、n−ヘキサデカンの前記含有量、n−ペンタデカンの前記含有量、及びn−テトラデカンの前記含有量の合計が100質量%であり、2)融点が、n−ヘキサデカンの融点より低く、3)融解潜熱量が、200J/g以上である、ことを特徴とする。
本発明によれば、n−ヘキサデカンより融点が低く、かつ、n−ペンタデカンの融点近傍(10℃付近)の融点及び大きな融解潜熱量を有するパラフィン系潜熱蓄熱材組成物が得られる。
(パラフィン系潜熱蓄熱材組成物)
本発明のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物は、n−ヘキサデカン(C16)、n−ペンタデカン(C15)、必要に応じて、n−テトラデカン(C14)からなる混合物を主成分として含有してなり、さらに必要に応じて、その他の成分を含有する。
本発明のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物は、n−ヘキサデカン(C16)、n−ペンタデカン(C15)、必要に応じて、n−テトラデカン(C14)からなる混合物を主成分として含有してなり、さらに必要に応じて、その他の成分を含有する。
<n−ヘキサデカン(C16)>
前記パラフィン系潜熱蓄熱材組成物の主成分としての混合物におけるn−ヘキサデカン(C16)の含有量としては、68質量%以上である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、好ましくは、68〜99質量%である。
n−ヘキサデカンの含有量が68質量%未満であると、氷点下の領域に生じる副ピークが大きくなり、十分な融解潜熱量を得ることができなくなる。
前記パラフィン系潜熱蓄熱材組成物の主成分としての混合物におけるn−ヘキサデカン(C16)の含有量としては、68質量%以上である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、好ましくは、68〜99質量%である。
n−ヘキサデカンの含有量が68質量%未満であると、氷点下の領域に生じる副ピークが大きくなり、十分な融解潜熱量を得ることができなくなる。
<n−ペンタデカン(C15)>
前記パラフィン系潜熱蓄熱材組成物の主成分としての混合物におけるn−ペンタデカン(C15)の含有量としては、1〜23質量%である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記パラフィン系潜熱蓄熱材組成物の主成分としての混合物におけるn−ペンタデカン(C15)の含有量としては、1〜23質量%である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<n−テトラデカン(C14)>
前記パラフィン系潜熱蓄熱材組成物の主成分としての混合物におけるn−テトラデカン(C14)は、必要に応じて添加するが、その場合、23質量%以下(0〜23質量%)とする。23質量%以下である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
n−テトラデカンの含有量が23質量%超であると、氷点下の領域に生じる副ピークが大きくなり、十分な融解潜熱量を得ることができなくなる。
前記パラフィン系潜熱蓄熱材組成物の主成分としての混合物におけるn−テトラデカン(C14)は、必要に応じて添加するが、その場合、23質量%以下(0〜23質量%)とする。23質量%以下である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
n−テトラデカンの含有量が23質量%超であると、氷点下の領域に生じる副ピークが大きくなり、十分な融解潜熱量を得ることができなくなる。
<第1の好ましい実施形態>
第1の好ましい実施形態のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物の主成分としての混合物において、n−ヘキサデカン(C16)の含有量が80質量%超であり、n−ペンタデカン(C15)の含有量が5質量%未満であり、n−テトラデカン(C14)の含有量が20質量%未満であり、且つ、n−ヘキサデカン(C16)の前記含有量、n−ペンタデカン(C15)の前記含有量、及びn−テトラデカン(C14)の前記含有量の合計が100質量%である。
第1の好ましい実施形態のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物の主成分としての混合物において、n−ヘキサデカン(C16)の含有量が80質量%超であり、n−ペンタデカン(C15)の含有量が5質量%未満であり、n−テトラデカン(C14)の含有量が20質量%未満であり、且つ、n−ヘキサデカン(C16)の前記含有量、n−ペンタデカン(C15)の前記含有量、及びn−テトラデカン(C14)の前記含有量の合計が100質量%である。
<<n−ヘキサデカン(C16)>>
第1の好ましい実施形態のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物の主成分としての混合物におけるn−ヘキサデカン(C16)の含有量としては、80.0質量%超である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80.0質量%超98.0質量%未満が好ましく、82.0質量%超96.0質量%未満がより好ましい。
前記n−ヘキサデカンの含有量が80.0質量%以下であると、氷点下の領域に生じる副ピークが大きくなり、十分な融解潜熱量を得ることができなくなることがある。
前記n−ヘキサデカンの含有量が98.0質量%以上であると、融点が高くなりすぎて10℃近傍で使用する蓄熱材としては適さなくなることがある。また、大幅な過冷却を起こしやすくなることがある。
第1の好ましい実施形態のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物の主成分としての混合物におけるn−ヘキサデカン(C16)の含有量としては、80.0質量%超である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80.0質量%超98.0質量%未満が好ましく、82.0質量%超96.0質量%未満がより好ましい。
前記n−ヘキサデカンの含有量が80.0質量%以下であると、氷点下の領域に生じる副ピークが大きくなり、十分な融解潜熱量を得ることができなくなることがある。
前記n−ヘキサデカンの含有量が98.0質量%以上であると、融点が高くなりすぎて10℃近傍で使用する蓄熱材としては適さなくなることがある。また、大幅な過冷却を起こしやすくなることがある。
<<n−ペンタデカン(C15)>>
第1の好ましい実施形態のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物の主成分としての混合物におけるn−ペンタデカン(C15)の含有量としては、5.0質量%未満である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0質量%以上5.0質量%未満が好ましく、1.0質量%以上4.0質量%未満がより好ましい。
n−ペンタデカンが5.0質量%以上では、十分な潜熱量が得られないことがある。
<<n−テトラデカン(C14)>>
第1の好ましい実施形態のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物の主成分としての混合物におけるn−テトラデカン(C14)の含有量としては、20.0質量%未満である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0質量%以上20.0質量%未満が好ましく、2.0質量%以上〜15.0質量%未満がより好ましい。
前記n−テトラデカンの含有量が20.0質量%以上であると、氷点下の領域に生じる副ピークが大きくなり、十分な融解潜熱量を得ることができなくなることがある。
前記n−テトラデカンの含有量が1.0質量%未満であると、融点が高くなりすぎて、10℃近傍で使用する蓄熱材としては適さなくなることがある。
<第2の好ましい実施形態>
第2の好ましい実施形態のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物の主成分としての混合物において、n−ヘキサデカンの含有量が70質量%以上であり、n−ペンタデカンの含有量とn−テトラデカンの含有量との合計が30質量%未満であり、n−ヘキサデカンの前記含有量、n−ペンタデカンの前記含有量、及びn−テトラデカンの前記含有量の合計が100質量%であり、且つ、n−ペンタデカンの前記含有量(質量%)と、n−テトラデカンの前記含有量(質量%)との関係が、下式(1)の関係にある。
0.3≦[n−ペンタデカンの含有量(質量%)]/[n−テトラデカンの含有量(質量%)] ≦10・・・(1)
第2の好ましい実施形態のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物の主成分としての混合物において、n−ヘキサデカンの含有量が70質量%以上であり、n−ペンタデカンの含有量とn−テトラデカンの含有量との合計が30質量%未満であり、n−ヘキサデカンの前記含有量、n−ペンタデカンの前記含有量、及びn−テトラデカンの前記含有量の合計が100質量%であり、且つ、n−ペンタデカンの前記含有量(質量%)と、n−テトラデカンの前記含有量(質量%)との関係が、下式(1)の関係にある。
0.3≦[n−ペンタデカンの含有量(質量%)]/[n−テトラデカンの含有量(質量%)] ≦10・・・(1)
<<n−ヘキサデカン(C16)>>
第2の好ましい実施形態のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物の主成分としての混合物におけるn−ヘキサデカン(C16)の含有量としては、70質量%以上である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、75質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。また98質量%以下が好ましく、96質量%以下がより好ましい。
前記n−ヘキサデカンの含有量が70質量%未満であると、10℃近傍以外の領域に生じる副ピークが大きくなり、十分な融解潜熱量を得ることができなくなることがある。
前記n−ヘキサデカンの含有量が98質量%超であると、融点が高くなりすぎて10℃近傍で使用する蓄熱材としては適さなくなることがある。また、大幅な過冷却を起こしやすくなることがある。
<<n−ペンタデカン(C15)>>
第2の好ましい実施形態のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物の主成分としての混合物におけるn−ペンタデカン(C15)の含有量(B)としては、後述するn−テトラデカンの含有量(A)及びn−ペンタデカンの含有量(B)の合計(A+B)が30質量%未満であり、後述するn−テトラデカンの含有量(A)に対するn−ペンタデカンの含有量(B)の比(B/A)が0.3以上10以下である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%以上が好ましい。
前記n−ペンタデカン(B成分)の含有量が、5質量%未満であると、融点が所望の範囲外となったり、十分な潜熱量が得られないことがある。
<<n−テトラデカン(C14))>>
第2の好ましい実施形態のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物の主成分としての混合物におけるn−テトラデカン(C14)の含有量(A)としては、n−テトラデカンの含有量(A)及びn−ペンタデカンの含有量(B)の合計(A+B)が30質量%未満であり、n−テトラデカンの含有量(A)に対するn−ペンタデカンの含有量(B)の比(B/A)が0.3以上10以下である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<n−テトラデカン(C14)の含有量(A)とn−ペンタデカン(C15)の含有量(B)との合計(A+B)>
第2の好ましい実施形態のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物の主成分としての混合物における、n−テトラデカン(C14)の含有量(A)とn−ペンタデカン(C15)の含有量(B)との合計(A+B)としては、30質量%未満である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
前記含有量合計が、30質量%以上であると、10℃近傍で十分な融解潜熱量が得られないことがある。
<n−テトラデカン(C14)の含有量(A)に対するn−ペンタデカン(C15)の含有量(B)の比(B/A)>
第2の好ましい実施形態のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物の主成分としての混合物における、n−テトラデカン(C14)の含有量(A)に対するn−ペンタデカン(C15)の含有量(B)の比(B/A)としては、0.3以上10以下である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5以上が好ましく、0.8以上がより好ましく、1.0以上がさらに好ましい。また、8以下が好ましく、6以下がさらに好ましい。
前記含有量比が、0.3未満であると、融解潜熱量が小さく、かつ融点と凝固点との差が大きくなる傾向であり、10超であると、十分な融解潜熱量が得られないことがある。一方、前記好ましい範囲内、前記より好ましい範囲内、又は、前記さらに好ましい範囲内であれば、10℃近傍に融点を有し、融解潜熱量が大きく、融点と凝固点との差が小さくなる点で有利である。
<第3の好ましい実施形態>
第3の好ましい実施形態のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物の主成分としての混合物において、n−ヘキサデカンの含有量が80質量%超であり、n−ペンタデカンの含有量が20質量%未満であり、n−ヘキサデカンの前記含有量及びn−ペンタデカンの前記含有量の合計が100質量%である。
第3の好ましい実施形態のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物の主成分としての混合物において、n−ヘキサデカンの含有量が80質量%超であり、n−ペンタデカンの含有量が20質量%未満であり、n−ヘキサデカンの前記含有量及びn−ペンタデカンの前記含有量の合計が100質量%である。
<n−ヘキサデカン(C16)>
第3の好ましい実施形態のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物の主成分としての混合物におけるn−ヘキサデカン(C16)の含有量としては、80質量%超である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、85質量%以上が好ましく、87質量%以上がより好ましい。
前記n−ヘキサデカンの含有量が80質量%以下では、10〜16℃以外の範囲に融点を持つ副ピークが大きくなり、目的とする温度範囲で十分な融解潜熱量を得ることができなくなることがある。一方、前記n−ヘキサデカンの含有量が前記好ましい範囲内又は前記より好ましい範囲内であると、融点と凝固点の差がより小さくなり、より狭い作動温度領域で大きな熱量を利用できる点で有利である。
また、第3の好ましい実施形態のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物の主成分としての混合物におけるn−ヘキサデカンの含有量の上限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、99質量%が好ましく、98質量%がより好ましく、95質量%がさらに好ましい。
前記n−ヘキサデカンの含有量が99質量%超では、融点が高くなりすぎて10℃〜16℃で使用する蓄熱材としては適さなくなることや、大幅な過冷却(△T(融点−凝固点)が大きい)を起こしやすくなって、高い能力の冷凍機が必要になることがある。一方、前記n−ヘキサデカンの含有量が98質量%以下又は95質量%以下であると、過冷却をほとんどもしくは全く起こさない点で有利である。
<n−ペンタデカン(C15)>
第3の好ましい実施形態のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物の主成分としての混合物におけるn−ペンタデカン(C15)の含有量としては、20質量%未満である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
前記n−ペンタデカンの含有量が20質量%以上では、10〜16℃以外の範囲に融点を持つ副ピークが生じ、目的とする温度範囲で十分な融解潜熱量を得ることができなくなる。一方、前記n−ペンタデカンの含有量が前記好ましい範囲内又は前記より好ましい範囲内であると、融点と凝固点の差がより小さくなり、より狭い作動温度領域で大きな熱量を利用できる点で有利である。
また、第3の好ましい実施形態のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物の主成分としての混合物におけるn−ペンタデカンの含有量の下限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%が好ましく、2質量%がより好ましく、5質量%がさらに好ましい。
前記n−ペンタデカンの含有量が1質量%未満では、融点が高くなりすぎて10℃〜16℃で使用する蓄熱材としては適さなくなることや、大幅な過冷却(△T(融点−凝固点)が大きい)を起こしやすくなって、高い能力の冷凍機が必要になることがある。一方、前記n−ペンタデカンの含有量が2質量%以上又は5質量%以上であると、過冷却をほとんどもしくは全く起こさない点で有利である。
本発明に係る、n−ヘキサデカン(C16)、n−ペンタデカン(C15)、n−テトラデカン(C14)、混合系における組成領域の概要を、三角グラフで示すと、図1中の影付き領域となる。図2は要部の拡大である。なお、図2中の黒丸に付された数字は、後述する実施例の番号に対応し、白丸に付された数字は、後述する比較例の番号に対応する。当該領域で、優れた特性が得られる理由は明らかではないが、本発明者は、近接する、偶数炭素n−パラフィン、奇数炭素n−パラフィン、偶数炭素n−パラフィンの、融解、凝固における相転移過程における相互作用によるものと考えている。
<その他の成分>
前記パラフィン系潜熱蓄熱材組成物中に含まれるその他の成分としては、本発明の目的を損なわない範囲において、(i)14〜16以外の炭素数のノルマルパラフィン;(ii)イソパラフィン、オレフィン、ナフテン、芳香族化合物等の前記n−ヘキサデカン(C16)、n−ペンタデカン(C15)、n−テトラデカン(C14)以外の構造の炭化水素;(iii)ノルマルパラフィンを製造する際に混入するアルコールなどの成分が挙げられる。
また、本発明のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物を用いて加工製品を製造する際に添加(外添)できるものとしては、(i)樹脂モノマー、重合剤、界面活性剤等のマイクロカプセル等の応用製品を製造する際に用いる物質;(ii)酸化防止剤、紫外線吸収剤等の通常用いられる添加剤;(iii)比重調整剤、顔料や染料等の着色剤、芳香剤、ゲル化剤等の添加剤;などが挙げられる。
前記パラフィン系潜熱蓄熱材組成物中に含まれるその他の成分としては、本発明の目的を損なわない範囲において、(i)14〜16以外の炭素数のノルマルパラフィン;(ii)イソパラフィン、オレフィン、ナフテン、芳香族化合物等の前記n−ヘキサデカン(C16)、n−ペンタデカン(C15)、n−テトラデカン(C14)以外の構造の炭化水素;(iii)ノルマルパラフィンを製造する際に混入するアルコールなどの成分が挙げられる。
また、本発明のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物を用いて加工製品を製造する際に添加(外添)できるものとしては、(i)樹脂モノマー、重合剤、界面活性剤等のマイクロカプセル等の応用製品を製造する際に用いる物質;(ii)酸化防止剤、紫外線吸収剤等の通常用いられる添加剤;(iii)比重調整剤、顔料や染料等の着色剤、芳香剤、ゲル化剤等の添加剤;などが挙げられる。
<長鎖パラフィンの添加>
本発明に係るパラフィン系潜熱蓄熱材組成物は、n−ヘキサデカン(C16)を最大鎖長とするパラフィン系潜熱蓄熱材組成物であり、他に存在するn−パラフィンを、実質的に、n−ペンタデカン(C15)、および、n−テトラデカン(C14)に限定するものである。本発明者らの検討によれば、C17以上の長鎖パラフィンとの融解等の相転換における相互作用は、本発明の融解潜熱を大きく減少させる。そして、C17以上の長鎖パラフィンには、結晶性ポリエチレンの重合部分中の結晶部分などの長鎖パラフィン構造を有する物を含む。本発明に係る組成物の潜熱蓄熱材としての使用にあたっては、C17以上の長鎖パラフィンとの相互作用を可能な限り避けるべきである。
本発明に係るパラフィン系潜熱蓄熱材組成物は、n−ヘキサデカン(C16)を最大鎖長とするパラフィン系潜熱蓄熱材組成物であり、他に存在するn−パラフィンを、実質的に、n−ペンタデカン(C15)、および、n−テトラデカン(C14)に限定するものである。本発明者らの検討によれば、C17以上の長鎖パラフィンとの融解等の相転換における相互作用は、本発明の融解潜熱を大きく減少させる。そして、C17以上の長鎖パラフィンには、結晶性ポリエチレンの重合部分中の結晶部分などの長鎖パラフィン構造を有する物を含む。本発明に係る組成物の潜熱蓄熱材としての使用にあたっては、C17以上の長鎖パラフィンとの相互作用を可能な限り避けるべきである。
<融解潜熱量(融解熱)>
前記融解潜熱量(融解熱)とは、固相から液相へ相転移する際に伴う潜熱量であり、本発明においてはDSCサーモグラムに現れる融解(吸熱)ピークの熱量を指し、DSCサーモグラムが複数のピークを示す場合には、0℃以上の融点を有し、大きな熱量を有するピーク(主ピーク)の熱量を意味する。
前記パラフィン系潜熱蓄熱材組成物の融解潜熱量は、例えば、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ社製DSC7020)を用いて、昇温速度10℃/分にて測定した際の、DSCサーモグラム上の融解ピークから求めることができる。
前記パラフィン系潜熱蓄熱材組成物の融解潜熱量としては、200J/g以上である限り、特に制限はないが、210J/g以上が好ましく、220J/g以上がより好ましく、230J/g以上が最も好ましい。
前記融解潜熱量が200J/g未満であると、有効な潜熱量(蓄熱量)が小さく、冷房空調用途や冷凍・冷蔵保管容器、冷熱搬送媒体、凍結防止剤などとして用いた場合に十分な効果を発揮することができなくなる。
前記融解潜熱量(融解熱)とは、固相から液相へ相転移する際に伴う潜熱量であり、本発明においてはDSCサーモグラムに現れる融解(吸熱)ピークの熱量を指し、DSCサーモグラムが複数のピークを示す場合には、0℃以上の融点を有し、大きな熱量を有するピーク(主ピーク)の熱量を意味する。
前記パラフィン系潜熱蓄熱材組成物の融解潜熱量は、例えば、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ社製DSC7020)を用いて、昇温速度10℃/分にて測定した際の、DSCサーモグラム上の融解ピークから求めることができる。
前記パラフィン系潜熱蓄熱材組成物の融解潜熱量としては、200J/g以上である限り、特に制限はないが、210J/g以上が好ましく、220J/g以上がより好ましく、230J/g以上が最も好ましい。
前記融解潜熱量が200J/g未満であると、有効な潜熱量(蓄熱量)が小さく、冷房空調用途や冷凍・冷蔵保管容器、冷熱搬送媒体、凍結防止剤などとして用いた場合に十分な効果を発揮することができなくなる。
<融点>
前記融点とは、示差走査熱量計(例えば、セイコーインスツルメンツ社製DSC7020)を用いて、昇温速度10℃/分で加熱したときに得られたサーモグラムの融解(吸熱)ピークの最大傾斜の接線がベースラインと交わる点の温度をいう。パラフィン系潜熱蓄熱材組成物(ノルマルパラフィン組成物)の融点は、多成分を含む組成物である場合にも通常1点で表すことができるが、2つ以上のピークが現れる場合は、0℃より高温側に現れ、かつ大きな熱量を有するピーク(主ピーク)の最大傾斜の接線がベースラインと交わる点の温度を言う(図5参照)。
前記パラフィン系潜熱蓄熱材組成物の融点としては、n−ヘキサデカンの融点(18℃)より低い限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5℃〜16℃が好ましく、5℃〜15℃がより好ましく、7℃〜13℃が最も好ましい。
前記融点が、n−ヘキサデカンの融点(18℃)以上であると、融点が高くなりすぎて冷却用蓄熱材として適さなくことが多い。また、5℃未満であると、使用する10℃付近より低温で融解してしまうことがあり、16℃超であると、融点が高くなりすぎて冷却用蓄熱材として適さなくなることがある。一方、前記融点が、前記特に好ましい範囲内であると、適度な冷凍機の性能で、かつ冷却用蓄熱材として最適な温度域で使用できる点で有利である。
なお、示差走査熱量計での測定において融解ピークが大きく2つ以上に分かれるパラフィン系潜熱蓄熱材組成物(ノルマルパラフィン組成物)は、本発明で用いるパラフィン系潜熱蓄熱材組成物としては好ましくない。
前記融点とは、示差走査熱量計(例えば、セイコーインスツルメンツ社製DSC7020)を用いて、昇温速度10℃/分で加熱したときに得られたサーモグラムの融解(吸熱)ピークの最大傾斜の接線がベースラインと交わる点の温度をいう。パラフィン系潜熱蓄熱材組成物(ノルマルパラフィン組成物)の融点は、多成分を含む組成物である場合にも通常1点で表すことができるが、2つ以上のピークが現れる場合は、0℃より高温側に現れ、かつ大きな熱量を有するピーク(主ピーク)の最大傾斜の接線がベースラインと交わる点の温度を言う(図5参照)。
前記パラフィン系潜熱蓄熱材組成物の融点としては、n−ヘキサデカンの融点(18℃)より低い限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5℃〜16℃が好ましく、5℃〜15℃がより好ましく、7℃〜13℃が最も好ましい。
前記融点が、n−ヘキサデカンの融点(18℃)以上であると、融点が高くなりすぎて冷却用蓄熱材として適さなくことが多い。また、5℃未満であると、使用する10℃付近より低温で融解してしまうことがあり、16℃超であると、融点が高くなりすぎて冷却用蓄熱材として適さなくなることがある。一方、前記融点が、前記特に好ましい範囲内であると、適度な冷凍機の性能で、かつ冷却用蓄熱材として最適な温度域で使用できる点で有利である。
なお、示差走査熱量計での測定において融解ピークが大きく2つ以上に分かれるパラフィン系潜熱蓄熱材組成物(ノルマルパラフィン組成物)は、本発明で用いるパラフィン系潜熱蓄熱材組成物としては好ましくない。
<凝固点>
前記凝固点とは、示差走査熱量計(例えば、セイコーインスツルメンツ社製DSC7020)を用いて、降温速度10℃/分で冷却したときに得られたサーモグラムの凝固(発熱)ピークの最大傾斜の接線がベースラインと交わる点の温度をいう。パラフィン系潜熱蓄熱材組成物(ノルマルパラフィン組成物)の凝固点は、多成分を含む組成物である場合にも通常1点で表すことができるが、2つ以上のピークが現れる場合は、0℃より高温側に現れ、かつ大きな熱量を有するピーク(主ピーク)の最大傾斜の接線がベースラインと交わる点の温度を言う(図5参照)。
前記パラフィン系潜熱蓄熱材組成物の凝固点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10℃〜16℃が好ましく、10℃〜15℃がより好ましく、12℃〜14℃が最も好ましい。
前記凝固点が、10℃未満であると、高性能の冷凍機を使用しなければ蓄熱材が凝固せず、冷凍機の負荷が大きくなってしまうことがあり、16℃超であると、10℃近傍で使用できる潜熱量が小さくなることがある。
前記凝固点とは、示差走査熱量計(例えば、セイコーインスツルメンツ社製DSC7020)を用いて、降温速度10℃/分で冷却したときに得られたサーモグラムの凝固(発熱)ピークの最大傾斜の接線がベースラインと交わる点の温度をいう。パラフィン系潜熱蓄熱材組成物(ノルマルパラフィン組成物)の凝固点は、多成分を含む組成物である場合にも通常1点で表すことができるが、2つ以上のピークが現れる場合は、0℃より高温側に現れ、かつ大きな熱量を有するピーク(主ピーク)の最大傾斜の接線がベースラインと交わる点の温度を言う(図5参照)。
前記パラフィン系潜熱蓄熱材組成物の凝固点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10℃〜16℃が好ましく、10℃〜15℃がより好ましく、12℃〜14℃が最も好ましい。
前記凝固点が、10℃未満であると、高性能の冷凍機を使用しなければ蓄熱材が凝固せず、冷凍機の負荷が大きくなってしまうことがあり、16℃超であると、10℃近傍で使用できる潜熱量が小さくなることがある。
<凝固熱>
前記凝固熱とは、液相から固相へ相転移する際に伴う潜熱量であり、DSCサーモグラムに現れる凝固(発熱)ピークの熱量を指し、DSCサーモグラムが複数のピークを示す場合には、0℃以上の凝固点を有し、大きな熱量を有するピーク(主ピーク)の熱量を意味する。
前記パラフィン系潜熱蓄熱材組成物の凝固熱は、例えば、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ社製DSC7020)を用いて、降温速度10℃/分にて測定した際の、DSCサーモグラム上の凝固ピークから求めることができる。
前記パラフィン系潜熱蓄熱材組成物の凝固熱としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、160J/g以上が好ましく、200J/g以上がより好ましく、210J/g以上がさらに好ましく、220J/g以上が最も好ましい。
前記凝固熱が160J/g未満であると、有効な蓄熱量が小さく、冷房空調用途や冷凍・冷蔵保管容器、冷熱搬送媒体、凍結防止剤などとして用いた場合に十分な効果を発揮することができなくなることがある。
前記凝固熱とは、液相から固相へ相転移する際に伴う潜熱量であり、DSCサーモグラムに現れる凝固(発熱)ピークの熱量を指し、DSCサーモグラムが複数のピークを示す場合には、0℃以上の凝固点を有し、大きな熱量を有するピーク(主ピーク)の熱量を意味する。
前記パラフィン系潜熱蓄熱材組成物の凝固熱は、例えば、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ社製DSC7020)を用いて、降温速度10℃/分にて測定した際の、DSCサーモグラム上の凝固ピークから求めることができる。
前記パラフィン系潜熱蓄熱材組成物の凝固熱としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、160J/g以上が好ましく、200J/g以上がより好ましく、210J/g以上がさらに好ましく、220J/g以上が最も好ましい。
前記凝固熱が160J/g未満であると、有効な蓄熱量が小さく、冷房空調用途や冷凍・冷蔵保管容器、冷熱搬送媒体、凍結防止剤などとして用いた場合に十分な効果を発揮することができなくなることがある。
<融点と凝固点との差>
前記融点と凝固点との差とは、融点及び凝固点のいずれか高い方の温度から低い方の温度を差し引いた値(「融点及び凝固点のいずれか高い方の温度」−「融点及び凝固点のいずれか低い方の温度」)を示す。
前記融点と凝固点との差としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5℃以下が好ましく、4℃以下がより好ましく、3℃以下がさらに好ましく、1℃以下が最も好ましい。
前記融点と凝固点との差が5℃超であると、作動温度範囲が大きくなりすぎ、目的とする温度領域での効率のよい潜熱の吸収・放出が困難となることがある。一方、前記融点と凝固点との差が、前記より好ましい範囲内又は前記特に好ましい範囲内であると、狭い作動温度範囲で大量の潜熱の吸収・放出を繰り返し利用できる点で有利である。
前記融点と凝固点との差とは、融点及び凝固点のいずれか高い方の温度から低い方の温度を差し引いた値(「融点及び凝固点のいずれか高い方の温度」−「融点及び凝固点のいずれか低い方の温度」)を示す。
前記融点と凝固点との差としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5℃以下が好ましく、4℃以下がより好ましく、3℃以下がさらに好ましく、1℃以下が最も好ましい。
前記融点と凝固点との差が5℃超であると、作動温度範囲が大きくなりすぎ、目的とする温度領域での効率のよい潜熱の吸収・放出が困難となることがある。一方、前記融点と凝固点との差が、前記より好ましい範囲内又は前記特に好ましい範囲内であると、狭い作動温度範囲で大量の潜熱の吸収・放出を繰り返し利用できる点で有利である。
本発明のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物は、n−ペンタデカンの融点近傍(10℃付近)の融点及び大きな融解潜熱量を有し、融解―凝固の相変化を繰り返しても安定で、腐食性がない。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
市場から入手した、n−ヘキサデカン、n−ペンタデカン、n−テトラデカンを、所定量配合して、各パラフィン系潜熱蓄熱材組成物を調製した。各n−パラフィンの純度は95〜98%程度で、それぞれ、近接した炭素数のn−パラフィン類を含むのが通常である。
実施例、比較例については、参考として、実組成を確認する目的で、ガスクロマトフィー分析を実施して、ピーク面積から実組成を確認している。
ガスクロマトフィー分析によるピーク面積からの実組成数値は、表1〜3中では[ ]内に表示した。表1〜3において、[ ]内の数値の総和が、100にならない場合があるが、これは、n−ヘキサデカン(C16)、n−ペンタデカン(C15)、n−テトラデカン(C14)以外のピークが検出されていることを示す(本発明者らは、各試薬に含有されていたものと推定している)。
各組成物について融点、融解潜熱量、凝固点、凝固熱、融点と凝固点の差を測定した。結果を図1〜2、表1〜3に示す。
実施例、比較例については、参考として、実組成を確認する目的で、ガスクロマトフィー分析を実施して、ピーク面積から実組成を確認している。
ガスクロマトフィー分析によるピーク面積からの実組成数値は、表1〜3中では[ ]内に表示した。表1〜3において、[ ]内の数値の総和が、100にならない場合があるが、これは、n−ヘキサデカン(C16)、n−ペンタデカン(C15)、n−テトラデカン(C14)以外のピークが検出されていることを示す(本発明者らは、各試薬に含有されていたものと推定している)。
各組成物について融点、融解潜熱量、凝固点、凝固熱、融点と凝固点の差を測定した。結果を図1〜2、表1〜3に示す。
図1〜図2、表1〜表3の結果から、本発明に組成条件を充足する実施例に係る組成物が、充足しない比較例の組成物と比べて、200J/gを超える大きな融解潜熱、n−ヘキサデカンの融点(18℃)より低い融点、および、過冷却を示さず、かつ融点と凝固点の差が6℃以下であり狭い作動温度範囲を有していることが分かる。
なお、表中の融点、融解熱(融解潜熱量)、凝固点、及び凝固熱は、セイコーインスツルメンツ社製DSC7020型示差走査熱量計を用いて、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分で測定した。示差走査熱量計により得られる温度−熱量曲線(サーモグラム)のモデル図を図3に、実施例1のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物のサーモグラムを図4に示す。
ここで、(i)昇温速度10℃/分で加熱したときに得られたDSCサーモグラムの融解(吸熱)ピークの最大傾斜の接線がベースラインと交わる点の温度を融点とし、(ii)昇温速度10℃/分にて測定した際の、DSCサーモグラム上の融解ピーク面積から求めた熱量を融解熱とし、(iii)降温速度10℃/分で冷却したときに得られたDSCサーモグラムの凝固(発熱)ピークの最大傾斜の接線がベースラインと交わる点の温度を凝固点とし、(iv)降温速度10℃/分にて測定した際の、DSCサーモグラム上の凝固ピーク面積から求めた熱量を凝固熱とした。
組成によってはDSCサーモグラムに融解ピークや凝固ピークが2つ観測されることがある。図5にピークが2つあるDSCサーモグラムのモデル図を示す。この場合、2つのピークの谷間でベースラインに垂線を引いて主ピークと副ピークを分け、主ピークについて、図5に示すように接線を引いて融点、凝固点を求め、前記垂線で分けた主ピークの面積から融解熱、凝固熱を求める。
比較例のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物の多くは、DSCサーモグラム上にピークが2つ観測された。
組成によってはDSCサーモグラムに融解ピークや凝固ピークが2つ観測されることがある。図5にピークが2つあるDSCサーモグラムのモデル図を示す。この場合、2つのピークの谷間でベースラインに垂線を引いて主ピークと副ピークを分け、主ピークについて、図5に示すように接線を引いて融点、凝固点を求め、前記垂線で分けた主ピークの面積から融解熱、凝固熱を求める。
比較例のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物の多くは、DSCサーモグラム上にピークが2つ観測された。
本発明のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物は、融解−凝固の繰返しに対しても、変質や分離がなく組成が安定して持続するため、接触する容器や配管への影響が少なく、特に狭い温度範囲で精度の高い融解−凝固温度特性が要求される潜熱蓄熱材(PCM)として好適である。
また、本発明のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物は、特に、冷房空調や自動車のキャニスター用途等(5℃〜15℃)に好適であり、その他、冷凍・冷蔵保管容器、冷熱搬送媒体、凍結防止、などに用いる蓄熱材として好適である。
また、本発明のパラフィン系潜熱蓄熱材組成物は、特に、冷房空調や自動車のキャニスター用途等(5℃〜15℃)に好適であり、その他、冷凍・冷蔵保管容器、冷熱搬送媒体、凍結防止、などに用いる蓄熱材として好適である。
Claims (5)
- n−ヘキサデカン、n−ペンタデカン、及び、必要に応じて添加されるn−テトラデカンからなる混合物を主成分とするパラフィン系潜熱蓄熱材組成物であって、
1)前記混合物は、n−ヘキサデカンの含有量が68質量%以上であり、n−ペンタデカンの含有量が1〜23質量%であり、n−テトラデカンの含有量が23質量%以下であり、且つ、
n−ヘキサデカンの前記含有量、n−ペンタデカンの前記含有量、及びn−テトラデカンの前記含有量の合計が100質量%であり、
2)融点が、n−ヘキサデカンの融点より低く、
3)融解潜熱量が、200J/g以上である、
ことを特徴とするパラフィン系潜熱蓄熱材組成物。 - n−ヘキサデカン、n−ペンタデカン、及び、n−テトラデカンからなる混合物を主成分とするパラフィン系潜熱蓄熱材組成物であって、
1)前記混合物は、n−ヘキサデカンの含有量が80質量%超であり、n−ペンタデカンの含有量が5質量%未満であり、n−テトラデカンの含有量が20質量%未満であり、且つ、
n−ヘキサデカンの前記含有量、n−ペンタデカンの前記含有量、及びn−テトラデカンの前記含有量の合計が100質量%であり、
2)融点が、5℃〜15℃であり、
3)融解潜熱量が、200J/g以上であり、
4)凝固点が10℃〜15℃である、
ことを特徴とするパラフィン系潜熱蓄熱材組成物。 - n−ヘキサデカン、n−ペンタデカン、及び、n−テトラデカンからなる混合物を主成分とするパラフィン系潜熱蓄熱材組成物であって、
1)前記混合物は、n−ヘキサデカンの含有量が70質量%以上であり、n−ペンタデカンの含有量とn−テトラデカンの含有量との合計が30質量%未満であり、
n−ペンタデカンの前記含有量、n−テトラデカンの前記含有量、及びn−テトラデカンの前記含有量の合計が100質量%であり、且つ、
n−ペンタデカンの前記含有量(質量%)と、n−テトラデカンの前記含有量(質量%)との関係が、下式(1)の関係にあり、
0.3≦[n−ペンタデカンの含有量(質量%)]/[n−テトラデカンの含有量(質量%)] ≦10・・・(1)
2)融点が、5℃以上〜15℃以下であり、
3)融解潜熱量が、210J/g以上であり、
4)凝固点が10℃以上〜15℃以下であり、
5)融点と凝固点との差が5℃以下である、
ことを特徴とするパラフィン系潜熱蓄熱材組成物。 - n−ヘキサデカンとn−ペンタデカンとからなる混合物を主成分とするパラフィン系潜熱蓄熱材組成物であって、
1)前記混合物は、n−ヘキサデカンの含有量が80質量%超であり、n−ペンタデカンの含有量が20質量%未満であり、
n−ヘキサデカンの前記含有量及びn−ペンタデカンの前記含有量の合計が100質量%であり、
2)融点が、10℃〜16℃であり、
3)融解潜熱量が、210J/g以上であり、
4)融点と凝固点との差が5℃以下である、
ことを特徴とするパラフィン系潜熱蓄熱材組成物。 - n−ヘキサデカン、n−ペンタデカン、及び、必要に応じて添加されるn−テトラデカンからなる混合物を主成分とするパラフィン系潜熱蓄熱材組成物の使用であって、
1)前記混合物は、n−ヘキサデカンの含有量が68質量%以上であり、n−ペンタデカンの含有量が1〜23質量%であり、n−テトラデカンの含有量が23質量%以下であり、且つ、
n−ヘキサデカンの前記含有量、n−ペンタデカンの前記含有量、及びn−テトラデカンの前記含有量の合計が100質量%であり、
2)融点が、n−ヘキサデカンの融点より低く、
3)融解潜熱量が、200J/g以上である、
ことを特徴とするパラフィン系潜熱蓄熱材組成物の使用。
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