JPH06234967A - 蓄冷熱剤 - Google Patents
蓄冷熱剤Info
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- JPH06234967A JPH06234967A JP50A JP4332193A JPH06234967A JP H06234967 A JPH06234967 A JP H06234967A JP 50 A JP50 A JP 50A JP 4332193 A JP4332193 A JP 4332193A JP H06234967 A JPH06234967 A JP H06234967A
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- JP
- Japan
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- heat
- normal paraffin
- melting point
- components
- freezing point
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- Thermotherapy And Cooling Therapy Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 凝固点が融点よりも高く、冷却凝固が容易で
あり、熱効率がよく、しかも熱容量(融解熱)が大き
く、−10℃から20℃程度の温度範囲で使用できる安
価な安全性の高い融解熱利用の蓄冷熱剤を開発する。 【構成】 炭素数がCn のノルマルパラフィン成分
(A)および炭素数がCn+2 のノルマルパラフィン成分
(B)の2成分をそれぞれ10重量%以上含み、炭素数
がCn+1 のノルマルパラフィン成分(C)の含有量は1
0重量%未満で、(A)+(B)+(C)=100重量
%であり、かつnは10から16の範囲である実質的に
上記(A)および(B)のノルマルパラフィン成分の混
合物からなる蓄冷熱剤により目的を達成できる。
あり、熱効率がよく、しかも熱容量(融解熱)が大き
く、−10℃から20℃程度の温度範囲で使用できる安
価な安全性の高い融解熱利用の蓄冷熱剤を開発する。 【構成】 炭素数がCn のノルマルパラフィン成分
(A)および炭素数がCn+2 のノルマルパラフィン成分
(B)の2成分をそれぞれ10重量%以上含み、炭素数
がCn+1 のノルマルパラフィン成分(C)の含有量は1
0重量%未満で、(A)+(B)+(C)=100重量
%であり、かつnは10から16の範囲である実質的に
上記(A)および(B)のノルマルパラフィン成分の混
合物からなる蓄冷熱剤により目的を達成できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蓄冷熱剤に関する。さ
らに詳しくは、凝固点が融点よりも高く、冷却凝固が容
易であり、熱効率がよく、しかも熱容量(融解熱)が大
きく、−10℃から20℃程度の温度範囲で使用できる
安価な安全性の高い融解熱利用の蓄冷熱剤に関する。
らに詳しくは、凝固点が融点よりも高く、冷却凝固が容
易であり、熱効率がよく、しかも熱容量(融解熱)が大
きく、−10℃から20℃程度の温度範囲で使用できる
安価な安全性の高い融解熱利用の蓄冷熱剤に関する。
【0002】
【従来の技術】融解熱利用の蓄冷熱剤は、蓄冷熱剤を予
めその凝固温度(以下、凝固点と云う)以下に冷却して
潜熱を放出して凝固せしめ、使用時は、その融解温度
(以下、融点と云う)で融解する際に吸収する潜熱を利
用するものである。融解時の熱の出入りは、原理的には
周囲から熱を吸収して融解するのであるが、現象的には
あたかも蓄積した冷熱を放出するかのように見えるの
で、一般的に蓄冷熱剤と呼ばれている。従来、−10℃
から+20℃付近の温度で使用できる潜熱利用の蓄冷熱
剤として、例えば、塩水化物混合系(Na2 SO4 ・1
0H2 O/NaCl/NH4 Cl、融点13℃)、SO
2 ・6H2 O(融点7℃)やC4 H8 O・17H2 O
(融点4.4℃)などの包接型水化物、あるいはパラフ
ィンワックス、ノルマルパラフィンなどの炭化水素系蓄
冷熱剤が知られており、これらの中でも炭化水素系蓄冷
熱剤は安価であり、構成成分の選択により使用温度を広
い範囲で選べる特徴がある。
めその凝固温度(以下、凝固点と云う)以下に冷却して
潜熱を放出して凝固せしめ、使用時は、その融解温度
(以下、融点と云う)で融解する際に吸収する潜熱を利
用するものである。融解時の熱の出入りは、原理的には
周囲から熱を吸収して融解するのであるが、現象的には
あたかも蓄積した冷熱を放出するかのように見えるの
で、一般的に蓄冷熱剤と呼ばれている。従来、−10℃
から+20℃付近の温度で使用できる潜熱利用の蓄冷熱
剤として、例えば、塩水化物混合系(Na2 SO4 ・1
0H2 O/NaCl/NH4 Cl、融点13℃)、SO
2 ・6H2 O(融点7℃)やC4 H8 O・17H2 O
(融点4.4℃)などの包接型水化物、あるいはパラフ
ィンワックス、ノルマルパラフィンなどの炭化水素系蓄
冷熱剤が知られており、これらの中でも炭化水素系蓄冷
熱剤は安価であり、構成成分の選択により使用温度を広
い範囲で選べる特徴がある。
【0003】しかし、これらの潜熱利用の蓄冷熱剤は、
凝固点と融点が通常一致しているか、あるいは極く接近
しているため、使用前に蓄冷熱剤を冷却凝固させるとき
は、使用温度である融点またはそれ以下の温度まで冷却
して凝固させる必要がある。そして、多くの場合、過冷
却現象のため、蓄冷熱剤を凝固させるためにはさらに低
温度まで冷却する必要があるなどのために、必要以上の
低温度冷却設備が必要であり、熱利用の上で無駄が多い
という問題があった。
凝固点と融点が通常一致しているか、あるいは極く接近
しているため、使用前に蓄冷熱剤を冷却凝固させるとき
は、使用温度である融点またはそれ以下の温度まで冷却
して凝固させる必要がある。そして、多くの場合、過冷
却現象のため、蓄冷熱剤を凝固させるためにはさらに低
温度まで冷却する必要があるなどのために、必要以上の
低温度冷却設備が必要であり、熱利用の上で無駄が多い
という問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】蓄冷熱剤を冷却凝固さ
せる温度が、使用温度である融解温度よりも高くするこ
とができれば熱の利用に於いて極めて有利である。この
ような物質は純物質では通常あり得ないが、特殊な混合
系では凝固点と融点が必ずしも一致しないことが一方で
知られている。このような観点から、本発明の課題は、
凝固点が融点よりも著しく高く、冷却凝固が容易であ
り、しかも熱容量の大きい、すなわち融解熱の大きい系
を探索し、−10℃から+20℃付近の温度で使用でき
る安価で安全性の高い潜熱利用の蓄冷熱剤を提供するこ
とである。
せる温度が、使用温度である融解温度よりも高くするこ
とができれば熱の利用に於いて極めて有利である。この
ような物質は純物質では通常あり得ないが、特殊な混合
系では凝固点と融点が必ずしも一致しないことが一方で
知られている。このような観点から、本発明の課題は、
凝固点が融点よりも著しく高く、冷却凝固が容易であ
り、しかも熱容量の大きい、すなわち融解熱の大きい系
を探索し、−10℃から+20℃付近の温度で使用でき
る安価で安全性の高い潜熱利用の蓄冷熱剤を提供するこ
とである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の問題に鑑み本発明
者らが鋭意研究した結果、実質的に2成分の特定の炭素
数のノルマルパラフィンの混合物を蓄冷熱剤とすること
により課題を解決することができることを見いだして本
発明を成すに到った。本発明は、炭素数がCn のノルマ
ルパラフィン成分(A)および炭素数がCn+2 のノルマ
ルパラフィン成分(B)の2成分をそれぞれ10重量%
以上含み、炭素数がCn+1 のノルマルパラフィン成分
(C)の含有量は10重量%未満で、(A)+(B)+
(C)=100重量%であり、かつnは10から16の
範囲である実質的に上記(A)および(B)のノルマル
パラフィン成分の混合物からなる蓄冷熱剤である。
者らが鋭意研究した結果、実質的に2成分の特定の炭素
数のノルマルパラフィンの混合物を蓄冷熱剤とすること
により課題を解決することができることを見いだして本
発明を成すに到った。本発明は、炭素数がCn のノルマ
ルパラフィン成分(A)および炭素数がCn+2 のノルマ
ルパラフィン成分(B)の2成分をそれぞれ10重量%
以上含み、炭素数がCn+1 のノルマルパラフィン成分
(C)の含有量は10重量%未満で、(A)+(B)+
(C)=100重量%であり、かつnは10から16の
範囲である実質的に上記(A)および(B)のノルマル
パラフィン成分の混合物からなる蓄冷熱剤である。
【0006】本発明の蓄冷熱剤の構成成分は実質的に上
記(A)および(B)のノルマルパラフィン成分からな
る2成分である。成分数が1では、凝固点と融点が一致
するため凝固点をより高くする効果が得られず、一方、
成分数が、3以上でも同様に凝固点を融点よりも高くす
る効果が得られない。成分数が2の場合でも、Cn
(A)およびCn+1 (C)の成分の組合わせではやはり
凝固点を融点よりも高くする効果が得られない。ここで
炭素数Cn のノルマルパラフィン成分(A)とは、分子
式Cn H2n+2で表されるノルマルパラフィンを意味し、
以下、(B)成分や(C)成分などのノルマルパラフィ
ンも同様にして表すことができる。
記(A)および(B)のノルマルパラフィン成分からな
る2成分である。成分数が1では、凝固点と融点が一致
するため凝固点をより高くする効果が得られず、一方、
成分数が、3以上でも同様に凝固点を融点よりも高くす
る効果が得られない。成分数が2の場合でも、Cn
(A)およびCn+1 (C)の成分の組合わせではやはり
凝固点を融点よりも高くする効果が得られない。ここで
炭素数Cn のノルマルパラフィン成分(A)とは、分子
式Cn H2n+2で表されるノルマルパラフィンを意味し、
以下、(B)成分や(C)成分などのノルマルパラフィ
ンも同様にして表すことができる。
【0007】炭素数がCn (A)およびCn+2 (B)の
2成分とは、例えばC10とC12からなる2成分、C
11とC13からなる2成分、C12とC14からなる
2成分などである。C10とC11、C11とC12、
C12とC13などの2成分の組合わせであっては、凝
固点を融点よりも高くする効果が得られず、本発明の目
的を達成することができない。
2成分とは、例えばC10とC12からなる2成分、C
11とC13からなる2成分、C12とC14からなる
2成分などである。C10とC11、C11とC12、
C12とC13などの2成分の組合わせであっては、凝
固点を融点よりも高くする効果が得られず、本発明の目
的を達成することができない。
【0008】なお、ノルマルパラフィン混合物の構成炭
素数nが9以下では融点が低すぎて蓄冷熱剤としては不
適当であり、また融解時の蒸気圧が高く安全上問題があ
る。また、nが17以上では凝固点を融点よりも高くす
る効果が少なく、また融点も高くなるので蓄冷熱剤とし
ては不適当である。
素数nが9以下では融点が低すぎて蓄冷熱剤としては不
適当であり、また融解時の蒸気圧が高く安全上問題があ
る。また、nが17以上では凝固点を融点よりも高くす
る効果が少なく、また融点も高くなるので蓄冷熱剤とし
ては不適当である。
【0009】蓄冷熱剤に含まれる炭素数Cn (A)およ
びCn+2 (B)のノルマルパラフィンの量は、それぞれ
10重量%以上であり、好ましくは20重量%以上であ
る。10重量%未満では単一成分に近くなり、凝固点と
融点は接近し、凝固点を融点よりも高くする効果が得ら
れない。中間の成分Cn+1 (C)のノルマルパラフィン
の量は10重量%未満、好ましくは5重量%以下であ
る。Cn+1 (C)のノルマルパラフィンの量が10重量
%以上になると、実質的に(A)+(B)+(C)から
なる3成分系となり凝固点を融点よりも高くする効果が
得られない。
びCn+2 (B)のノルマルパラフィンの量は、それぞれ
10重量%以上であり、好ましくは20重量%以上であ
る。10重量%未満では単一成分に近くなり、凝固点と
融点は接近し、凝固点を融点よりも高くする効果が得ら
れない。中間の成分Cn+1 (C)のノルマルパラフィン
の量は10重量%未満、好ましくは5重量%以下であ
る。Cn+1 (C)のノルマルパラフィンの量が10重量
%以上になると、実質的に(A)+(B)+(C)から
なる3成分系となり凝固点を融点よりも高くする効果が
得られない。
【0010】ここで、本発明の蓄冷熱剤の構成成分数は
実質的に(A)と(B)からなる2成分であれば差し支
えなく、(A)、(B)以外の他の炭素数のノルマルパ
ラフィンの存在を全く排除するものではない。上述の如
く、Cn+1 (C)のノルマルパラフィン成分は、10重
量%未満であれば許容され、また、ノルマルパラフィン
の混合物より蒸留によって分離する際に、分離精度によ
り混入する程度の量、具体的には2重量%未満の軽質あ
るいは重質のノルマルパラフィン成分を含んでいても実
用上は差し支えない。
実質的に(A)と(B)からなる2成分であれば差し支
えなく、(A)、(B)以外の他の炭素数のノルマルパ
ラフィンの存在を全く排除するものではない。上述の如
く、Cn+1 (C)のノルマルパラフィン成分は、10重
量%未満であれば許容され、また、ノルマルパラフィン
の混合物より蒸留によって分離する際に、分離精度によ
り混入する程度の量、具体的には2重量%未満の軽質あ
るいは重質のノルマルパラフィン成分を含んでいても実
用上は差し支えない。
【0011】いずれにしろ、本発明の蓄冷熱剤はCn
(A)、Cn+1 (C)およびCn+2 (B)の量的関係
が、前記の関係を満たすかぎり、(A)、(B)、
(C)以外の他の炭素数のノルマルパラフィンを含むこ
とができる。また本発明の蓄冷熱剤は、上記のノルマル
パラフィン以外に若干の他の構造の炭化水素、例えばイ
ソパラフィン、ナフテンあるいは芳香族成分を不純物と
して含んでいても差し支えない。
(A)、Cn+1 (C)およびCn+2 (B)の量的関係
が、前記の関係を満たすかぎり、(A)、(B)、
(C)以外の他の炭素数のノルマルパラフィンを含むこ
とができる。また本発明の蓄冷熱剤は、上記のノルマル
パラフィン以外に若干の他の構造の炭化水素、例えばイ
ソパラフィン、ナフテンあるいは芳香族成分を不純物と
して含んでいても差し支えない。
【0012】本発明の蓄冷熱剤の使用方法は、従来の潜
熱利用蓄冷熱剤と全く同じである。また、本発明の蓄冷
熱剤は凝固点と融点が大きく離れていも、本来ノルマル
パラフィンが有する凝固熱および融解熱自体に差が生じ
ることはない。
熱利用蓄冷熱剤と全く同じである。また、本発明の蓄冷
熱剤は凝固点と融点が大きく離れていも、本来ノルマル
パラフィンが有する凝固熱および融解熱自体に差が生じ
ることはない。
【0013】本発明の蓄冷熱剤に、本発明の主旨を逸脱
しない範囲において、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔
料、染料、芳香剤などの添加剤、水、ポリオレフィン樹
脂などの上記ノルマルパラフィンと相互に混合しない他
の蓄熱剤を混合しても差し支えない。
しない範囲において、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔
料、染料、芳香剤などの添加剤、水、ポリオレフィン樹
脂などの上記ノルマルパラフィンと相互に混合しない他
の蓄熱剤を混合しても差し支えない。
【0014】
【実施例】次に本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明はこれらの実
施例に限定されるものではない。実施例で使用した凝固
点および融点は次のように測定した。すなわち、示差走
査熱量計(DSC)を用い、昇温または降温速度1℃/
分の速度で加熱または冷却し、得られたピークの最大傾
斜の接線がベースラインと交わる点の温度を示した。昇
温時に得られた温度が融点であり、降温時に得られた温
度が凝固点である。
が、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明はこれらの実
施例に限定されるものではない。実施例で使用した凝固
点および融点は次のように測定した。すなわち、示差走
査熱量計(DSC)を用い、昇温または降温速度1℃/
分の速度で加熱または冷却し、得られたピークの最大傾
斜の接線がベースラインと交わる点の温度を示した。昇
温時に得られた温度が融点であり、降温時に得られた温
度が凝固点である。
【0015】(実施例1〜5)炭素数C13(A)およ
びC15(B)の2成分系ノルマルパラフィン混合物の
凝固点および融点を測定した。表1に結果を示す。C1
3(A)が10重量%から90重量%、C15(B)が
90重量%から10重量%の範囲であるのでいずれも凝
固点が融点よりも高く、最高8.3℃の温度差を生じ
た。その結果、温度差を生じた分、使用前に蓄冷熱剤を
冷却凝固させるときの温度を高くすることができた。
びC15(B)の2成分系ノルマルパラフィン混合物の
凝固点および融点を測定した。表1に結果を示す。C1
3(A)が10重量%から90重量%、C15(B)が
90重量%から10重量%の範囲であるのでいずれも凝
固点が融点よりも高く、最高8.3℃の温度差を生じ
た。その結果、温度差を生じた分、使用前に蓄冷熱剤を
冷却凝固させるときの温度を高くすることができた。
【0016】(比較例1〜2)実施例1の2成分系ノル
マルパラフィンの混合割合を変えて、比較例1ではC1
3(A)を4.9重量%、比較例2では95.4重量%
とした。この混合割合は、比較例1ではC13(A)が
10%未満となり、比較例2ではC15(B)が10%
未満となるので、表1に示すように凝固点と融点の差が
それぞれ1.3℃および0℃と少ない。
マルパラフィンの混合割合を変えて、比較例1ではC1
3(A)を4.9重量%、比較例2では95.4重量%
とした。この混合割合は、比較例1ではC13(A)が
10%未満となり、比較例2ではC15(B)が10%
未満となるので、表1に示すように凝固点と融点の差が
それぞれ1.3℃および0℃と少ない。
【0017】(実施例6〜10)実施例1と同様に炭素
数C14(A)およびC16(B)の2成分系ノルマル
パラフィン混合物の凝固点および融点を測定した。表1
に結果を示す。C14(A)が10重量%から90重量
%、C16(B)が90重量%から10重量%の範囲に
あるので凝固点が融点よりも高く、最高6.7℃の温度
差を生じた。その結果、温度差を生じた分、使用前に蓄
冷熱剤を冷却凝固させるときの温度を高くすることがで
きた。上記炭素数C14(A)およびC16(B)の2
成分系ノルマルパラフィンの組成と混合物の凝固点およ
び融点の関係をまとめて図1に示す。
数C14(A)およびC16(B)の2成分系ノルマル
パラフィン混合物の凝固点および融点を測定した。表1
に結果を示す。C14(A)が10重量%から90重量
%、C16(B)が90重量%から10重量%の範囲に
あるので凝固点が融点よりも高く、最高6.7℃の温度
差を生じた。その結果、温度差を生じた分、使用前に蓄
冷熱剤を冷却凝固させるときの温度を高くすることがで
きた。上記炭素数C14(A)およびC16(B)の2
成分系ノルマルパラフィンの組成と混合物の凝固点およ
び融点の関係をまとめて図1に示す。
【0018】(比較例3〜4)実施例6の2成分系ノル
マルパラフィンの混合割合を、比較例3ではC14
(A)を4.5重量%、比較例4では92.3重量%と
した。この混合割合は、比較例3ではC14(A)が1
0%未満となり、比較例4ではC16(B)が10%未
満となるので、表1に示すように凝固点と融点の差がど
ちらも0℃と差がない。
マルパラフィンの混合割合を、比較例3ではC14
(A)を4.5重量%、比較例4では92.3重量%と
した。この混合割合は、比較例3ではC14(A)が1
0%未満となり、比較例4ではC16(B)が10%未
満となるので、表1に示すように凝固点と融点の差がど
ちらも0℃と差がない。
【0019】(比較例5)炭素数C14(A)の実質的
に単1成分であるノルマルパラフィンの凝固点および融
点を測定し、表1に結果を示した。凝固点と融点はほぼ
一致しており、凝固点が融点よりも若干低い。
に単1成分であるノルマルパラフィンの凝固点および融
点を測定し、表1に結果を示した。凝固点と融点はほぼ
一致しており、凝固点が融点よりも若干低い。
【0020】(比較例6〜8)炭素数C14(A)およ
びC15(C)の2成分系ノルマルパラフィン混合物の
凝固点および融点を測定した。表1に結果を示す通り、
この2成分混合系では、混合割合に関係なく凝固点と融
点の差が少ない。
びC15(C)の2成分系ノルマルパラフィン混合物の
凝固点および融点を測定した。表1に結果を示す通り、
この2成分混合系では、混合割合に関係なく凝固点と融
点の差が少ない。
【0021】(比較例9〜11)炭素数C15(A)お
よびC16(C)の2成分系ノルマルパラフィン混合物
の凝固点および融点を測定した。表1に結果を示す通
り、この2成分混合系でも、混合割合に関係なく凝固点
と融点の差が少ない。
よびC16(C)の2成分系ノルマルパラフィン混合物
の凝固点および融点を測定した。表1に結果を示す通
り、この2成分混合系でも、混合割合に関係なく凝固点
と融点の差が少ない。
【0022】(実施例11)炭素数C14(A)、C1
5(C)およびC16(B)の3成分系ノルマルパラフ
ィン混合物の凝固点および融点を測定した。表1に結果
を示す通り、この3成分混合系では、C15(C)ノル
マルパラフィン成分の量が4.2%と少なく、実質的に
C14(A)とC16(B)の2成分系であるため凝固
点が融点よりも高く、4.2℃の温度差を生じた。その
結果、温度差を生じた分、使用前に蓄冷熱剤を冷却凝固
させるときの温度を高くすることができた。
5(C)およびC16(B)の3成分系ノルマルパラフ
ィン混合物の凝固点および融点を測定した。表1に結果
を示す通り、この3成分混合系では、C15(C)ノル
マルパラフィン成分の量が4.2%と少なく、実質的に
C14(A)とC16(B)の2成分系であるため凝固
点が融点よりも高く、4.2℃の温度差を生じた。その
結果、温度差を生じた分、使用前に蓄冷熱剤を冷却凝固
させるときの温度を高くすることができた。
【0023】(比較例12)実施例11の3成分系ノル
マルパラフィン混合物のC15(C)ノルマルパラフィ
ンの量を81.4%とした。この系は本発明で規定する
範囲外の3成分系であり、凝固点と融点の差は1.3℃
と少ない。
マルパラフィン混合物のC15(C)ノルマルパラフィ
ンの量を81.4%とした。この系は本発明で規定する
範囲外の3成分系であり、凝固点と融点の差は1.3℃
と少ない。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】本発明の実質的に2成分の特定の炭素数
のノルマルパラフィンの混合物からなる蓄冷熱剤は、凝
固点が融点よりも高く、冷却凝固が容易であり、熱効率
がよく、しかも熱容量(融解熱)が大きく、−10℃か
ら20℃程度の温度範囲で使用できる安価な安全性の高
い融解熱利用の蓄冷熱剤であり、しかも従来の潜熱利用
蓄冷熱剤と同様な方法で用いることができるので産業上
の利用価値が高い。
のノルマルパラフィンの混合物からなる蓄冷熱剤は、凝
固点が融点よりも高く、冷却凝固が容易であり、熱効率
がよく、しかも熱容量(融解熱)が大きく、−10℃か
ら20℃程度の温度範囲で使用できる安価な安全性の高
い融解熱利用の蓄冷熱剤であり、しかも従来の潜熱利用
蓄冷熱剤と同様な方法で用いることができるので産業上
の利用価値が高い。
【図1】 ノルマルパラフィンの組成と混合物の凝固点
および融点の関係を示すグラフである。
および融点の関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 炭素数がCn のノルマルパラフィン成分
(A)および炭素数がCn+2 のノルマルパラフィン成分
(B)の2成分をそれぞれ10重量%以上含み、炭素数
がCn+1 のノルマルパラフィン成分(C)の含有量は1
0重量%未満で、(A)+(B)+(C)=100重量
%であり、かつnは10から16の範囲である実質的に
上記(A)および(B)のノルマルパラフィン成分の混
合物からなる蓄冷熱剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP50A JPH06234967A (ja) | 1993-02-09 | 1993-02-09 | 蓄冷熱剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP50A JPH06234967A (ja) | 1993-02-09 | 1993-02-09 | 蓄冷熱剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06234967A true JPH06234967A (ja) | 1994-08-23 |
Family
ID=12660553
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP50A Pending JPH06234967A (ja) | 1993-02-09 | 1993-02-09 | 蓄冷熱剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06234967A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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