JPWO2013168478A1 - 圧電振動素子ならびにそれを用いた圧電振動装置および携帯端末 - Google Patents

圧電振動素子ならびにそれを用いた圧電振動装置および携帯端末 Download PDF

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Abstract

【課題】 特定の周波数における振幅の急激な変化が低減された振動装置を実現可能な圧電振動素子ならびにそれを用いた圧電振動装置および携帯端末を提供する。【解決手段】 第1の方向に沿って交互に配置された複数の電極21〜25と複数の圧電体層27とを少なくとも有しており、電気信号が入力されることによって、第1の方向に垂直な第2の方向に沿って振幅が変化するように第1の方向に屈曲振動する圧電振動素子であって、隣り合う電極同士が圧電体層27を間に挟んで対向する部分である対向部P1の第2の方向における中央C1が、圧電振動素子の第2の方向における中央C2と異なる位置にあることを特徴とする圧電振動素子ならびにそれを用いた圧電振動装置および携帯端末とする。【選択図】 図4

Description

本発明は、圧電振動素子ならびにそれを用いた圧電振動装置および携帯端末に関するものである。
従来、板状の圧電バイモルフ素子を振動板に固定して、圧電バイモルフ素子を振動させることによって振動板を振動させる圧電振動装置が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2006−238072号公報
しかしながら、上述した従来の圧電振動装置は、特定の周波数において振動板の振幅が急激に変化してしまい、振動板の振動によって音声情報を伝達する場合に、伝達する音声情報に歪みが生じてしまうという問題があった。
本発明はこのような従来の技術における問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、特定の周波数における振幅の急激な変化が低減された振動装置を実現する圧電振動素子ならびにそれを用いた圧電振動装置および携帯端末を提供することにある。
本発明の圧電振動素子は、第1の方向に沿って交互に配置された複数の電極と複数の圧電体層とを少なくとも有しており、電気信号が入力されることによって、前記第1の方向に垂直な第2の方向に沿って振幅が変化するように前記第1の方向に屈曲振動する圧電振動素子であって、前記第1の方向において隣り合うように配置されているとともに異なる電位に接続される前記電極同士が前記圧電体層を間に挟んで対向する部分である対向部の前記第2の方向における中央が、前記圧電振動素子の前記第2の方向における中央と異なる位置にあることを特徴とするものである。
本発明の圧電振動装置は、前記圧電振動素子と、該圧電振動素子の前記第1の方向における一方側の表面に一方主面が接合された振動板とを少なくとも有しており、前記対向部の前記第2の方向における中央が、前記振動板の前記第2の方向における中央と異なる位置にあることを特徴とするものである。
本発明の携帯端末は、筐体と、該筐体に設けられた前記圧電振動装置と、前記圧電振動素子に入力される電気信号を生成する電子回路とを少なくとも有していることを特徴とするものである。
本発明の圧電振動素子によれば、特定の周波数における振幅の急激な変化が低減された振動装置を実現する圧電振動素子を得ることができる。本発明の圧電振動装置によれば、特定の周波数における振幅の急激な変化が低減された圧電振動装置を得ることができる。本発明の携帯端末によれば、歪みの小さい音声情報を伝達可能な携帯端末を得ることができる。
本発明の実施の形態の第1の例の圧電振動素子を模式的に示す斜視図である。 (a)〜(e)は、図1に示す圧電振動素子の構造を説明するための平面図である。 図1に示す圧電振動素子の構造を説明するための図である。 図1に示す圧電振動素子の構造を説明するための断面図である。 本発明の実施の形態の第2の例の圧電振動装置を模式的に示す斜視図である。 図5におけるD−D’線断面図である。 本発明の実施の形態の第3の例の携帯端末を模式的に示す斜視図である。 図7におけるA−A’線断面図である。 図7におけるB−B’線断面図である。 本発明の実施の形態の第2の例の圧電振動装置および比較例の圧電振動装置の音圧の周波数依存性を示すグラフである。
以下、本発明の圧電振動素子ならびにそれを用いた圧電振動装置および携帯端末を添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
(実施の形態の第1の例)
図1は、本発明の実施の形態の第1の例である圧電振動素子14を模式的に示す斜視図である。図2(a)〜(e)は、圧電振動素子14が有する電極21〜25の形状を模式的に示す平面図である。なお、図2(a)〜(d)は、第1の方向の一方側(図の+z方向側)から見た状態を示しており、図2(e)は、第1の方向の他方側(図の−z方向側)から見た状態を示している。また、図3は、第1の方向(図のz軸方向)における電極21〜25の位置関係と、電極21〜25の間に配置された圧電体層27の分極の状態とを模式的に示す図である。なお、図3においては、積層体20,第1〜第3の端子電極および圧電体層27の図示を省略している。
本例の圧電振動素子14は、第1の方向(図のz軸方向)が厚み方向であり、第1の方向に垂直な第2の方向(図のx軸方向)が長さ方向であり、第1の方向および第2の方向に垂直な図のy軸方向が幅方向である直方体状の形状を有している。また、圧電振動素子14は、積層体20と、第1の端子電極41と、第2の端子電極42と、第3の端子電極(図示せず)とを有している。
積層体20の第2の方向の一方側(図の+x方向側)の端面には、第1の方向(図のz軸方向)における両端面に跨るように、第1の端子電極41および第2の端子電極42が配置されている。また、積層体20の第2の方向の他方側(図の−x方向側)の端面には、第3の端子電極(図示せず)が配置されている。
積層体20は、第1の方向(図のz軸方向)に分極された複数層の圧電体層27と、複数の扁平状の電極21〜25とが、第1の方向に沿って交互に配置されて構成されている。電極23は、積層体20の第1の方向の一方側(図の+z方向側)の表面に配置されている。電極25は、積層体20の第1の方向の他方側(図の−z方向側)の表面に配置されている。電極21,電極22および電極24は、積層体20の内部に各々複数配置されている。そして、電極21または電極22と、電極23または電極24または電極25とが、第1の方向(図のz軸方向)において交互に配置されている。また、第1の方向の一方側(図の+z方向側)では、電極23または電極24と電極21とが交互に配置されており、第1の方向の他方側(図の−z方向側)では、電極24または電極25と電極22とが交互に配置されている。
電極21は、積層体20の側面と間隔を開けて形成された矩形状の本体部21aの一方端に、矩形状の引き出し部21bの一方端を接続した構造を有している。引き出し部21bの他方端は第1の端子電極41に接続されている。電極22は、積層体20の側面と間隔を開けて形成された矩形状の本体部22aの一方端に、矩形状の引き出し部22bの一方端を接続した構造を有している。引き出し部22bの他方端は第2の端子電極42に接続されている。電極23,24,25の各々は、長さ方向の一方端のみが積層体20の側面に露出した矩形状の形状を有している。そして、電極23,24,25の各々の長さ方向の一方端は第3の端子電極(図示せず)に接続されている。
また、電極21〜25の間に配置された圧電体層27は、図3に矢印で示す向きに分極されている。すなわち、第1の方向の一方側(図の+z方向側)では、電極21から電極23,24へ向かう向きに分極されており、第1の方向の他方側(図の−z方向側)では、電極24,25から電極22へ向かう向きに分極されている。そして、圧電振動素子14を振動させるときには、例えば、電極21,22が同電位になり、電極23,24,25が同電位になるとともに、電極21,22と電極23,24,25との間に電位差が生じるように交流電圧を加える。これにより、圧電振動素子14は、ある瞬間に加えられる電界の向きに対する分極の向きが、第1の方向(図のz軸方向)における一方側と他方側とで逆転するようにされている。
よって、電気信号が加えられて、ある瞬間に、第1の方向の一方側(図の+z方向側)が、第2の方向(図のx軸方向)において伸びるときには、第1の方向の他方側(図の−z方向側)が、第2の方向において縮むようにされている。これにより、圧電振動素子14は、電気信号が入力されることによって、第2の方向に沿って振幅が変化するように第1の方向に屈曲振動する。このように、圧電振動素子14は、バイモルフ構造を有する圧電体(圧電バイモルフ素子)で構成されている。
図4は、図1に示す圧電振動素子の構造を説明するための模式的な断面図である。なお、図4においては、図示を容易にするために、第1〜第3の端子電極の図示を省略するとともに、電極21,電極22および電極24が各々1つしかない状態を示している。
本例の圧電振動素子14は、第1の方向(図のz軸方向)において隣り合うように配置されているとともに異なる電位に接続される電極同士が圧電体層27を間に挟んで対向する部分である対向部P1の第2の方向(図のx軸方向)における中央C1が、圧電振動素子14の第2の方向における中央C2と異なる位置にある。これにより、電気信号が入力されて、圧電振動素子14が、第2の方向に沿って振幅が変化するように第1の方向(図のz軸方向)に屈曲振動したときに、圧電振動素子14の第2の方向において生じる定在波を分散することができる。よって、例えば、圧電振動素子14の第1の方向の表面に振動板の主面を接合して、圧電振動素子14の振動によって振動板を振動させる圧電振動装置を構成したときに、特定の周波数における振幅の急激な変化を低減することができる。すなわち、周波数の変化に応じた振幅の急激な変化が少ない振動特性を有する圧電振動装置を実現することができる。また、本例の圧電振動素子14は、第2の方向(図のx軸方向)に長い形状を有していることから、周波数の変化に応じた振幅の急激な変化がさらに少ない振動特性を有する圧電振動装置を実現することができる。
なお、対向部P1の第2の方向における中央C1と、圧電振動素子14の第2の方向における中央C2との間隔を大きくすると、特定の周波数における振幅の急激な変化を低減する効果が大きくなるが、発生する振動の強さが全体的に小さくなる。よって、対向部P1の第2の方向における中央C1と、圧電振動素子14の第2の方向における中央C2との間隔は、所望する特性に応じて適宜設定する。
また、1つの圧電体層27において、その圧電体層27を間に挟んで対向するとともに異なる電位に接続される一対の電極の対向部P1の図のx軸方向における中央C1が、図のy軸方向において変化する場合には、図のy軸方向のそれぞれの位置におけるC1を図のy軸方向に平均して求めた位置を、その圧電体層27におけるC1とすれば良い。
また、対向部P1の図のx軸方向における中央C1の位置が異なる圧電体層27が存在する場合には、各々の圧電体層27におけるC1の位置を全ての圧電体層27について平均し、その平均的なC1を圧電振動素子14の図のx軸方向における中央C2と異ならせれば良い。なお、この場合には、それぞれの対向部P1の面積によって重み付けした上で平均を求める必要がある。例えば、4層の圧電体層27において、圧電振動素子14の第2の方向(図のx軸方向)の一端から対向部P1の中央C1迄の距離が、それぞれx1,x2,x3,x4であり、対向部P1の面積が、それぞれs1,s2,s3,s4である場合には、圧電振動素子14の第2の方向の一端からの距離x5が、x5=(x1s1+x2s2+x3s3+x4s4)/(s1+s2+s3+s4)となる位置を平均的な対向部P1の中央C1の位置とし、その位置を圧電振動素子14の中央C2と異ならせれば良い。
本例の圧電振動素子14において、積層体20は、例えば、長さ18mm〜28mm程度、幅1mm〜6mm程度、厚み0.2mm〜1.0mm程度とすることができる。また、電極21〜25の長さは、例えば17mm〜25mm程度、電極21〜25の幅は、例えば0.5mm〜1.5mm程度とすることができる。
積層体20を構成する圧電体層27は、例えば、チタン酸鉛(PT)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、Bi層状化合物、タングステンブロンズ構造化合物等の非鉛系圧電体材料等を好適に用いて形成することができるが、他の圧電材料を用いても構わない。圧電体層27の1層の厚みは、例えば0.01〜0.1mm程度に設定することができる。電極21,22,24は、例えば、銀や銀とパラジウムとの合金等の金属成分に加えて、セラミック成分やガラス成分を含有させたものを好適に用いて形成することができるが、他の既知の金属材料を用いて形成しても構わない。電極23,25および第1〜第3の端子電極は、銀からなる金属成分およびガラス成分を含有することが望ましいが、銀以外の金属であっても構わない。
このような圧電振動素子14は、例えば次のような方法によって作製することができる。まず、圧電材料の粉末にバインダー、分散剤、可塑剤、溶剤を添加して掻き混ぜて、スラリーを作製し、得られたスラリーをシート状に成形し、グリーンシートを作製する。次に、グリーンシートに導体ペーストを印刷して電極21,22,24となる電極パターンを形成し、この電極パターンが形成されたグリーンシートを積層し、プレス装置を用いてプレスして積層成形体を作製する。その後、脱脂および焼成し、所定寸法にカットすることにより積層体を得る。次に、電極23,25ならびに第1の端子電極41,第2の端子電極42および第3の端子電極(図示せず)を形成するための導体ペーストを印刷し、所定の温度で焼付けた後に、第1〜第3の端子電極を通じて直流電圧を印加して圧電体層27の分極を行う。このようにして、圧電振動素子14を得ることができる。
なお、例えば、積層体20の第1の方向(図のz軸方向)における端面に電極が露出していると問題が生じる場合には、圧電体等からなる保護層を設けても構わない。その場合には、保護層の厚みを充分に薄くすることが望ましい。
(実施の形態の第2の例)
図5は、本発明の実施の形態の第2の例の圧電振動装置15を模式的に示す斜視図である。図6は、図5におけるD−D’線断面図である。なお、図5,図6においては、作図を容易にするために、圧電振動素子14の詳細な構造の図示を省略している。また、本例においては、前述した実施の形態の第1の例と異なる点について説明し、同様の構成要素には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する。本例の圧電振動装置15は、前述した実施の形態の第1の例の圧電振動素子14と、振動板12とを有している。
振動板12は、矩形の薄板状の形状を有しており、圧電振動素子14の第1の方向の一方側(図の+z方向側)の表面に、一方主面(図の−z方向側の主面)が接合されている。なお、圧電振動素子14と振動板12とは、圧電振動素子14の長さ方向と振動板12の幅方向とが一致するように接合されている。また、圧電振動素子14と振動板12とを接合する接合部材としては、例えば、接着剤や両面テープ等の、既知の種々の接合部材を用いることができる。振動板12は、種々の既知の材料を用いて構成することができる。例えば、アクリル樹脂やガラス等の剛性および弾性が大きい材料を好適に用いて振動板12を形成することができる。また、振動板12の厚みは、例えば、0.4mm〜1.5mm程度に設定される。このような構成を有する本例の圧電振動装置15は、電気信号を加えて圧電振動素子14を屈曲振動させることによって振動板12を振動させる圧電振動装置として機能する。
そして、本例の圧電振動装置15は、圧電振動素子14における隣り合うように配置されているとともに異なる電位に接続される電極同士が圧電体層27を間に挟んで対向する部分である対向部P1の第2の方向(図のx軸方向)における中央C1が、振動板12の第2の方向における中央C3と異なる位置にある。これにより、振動板12の第2の方向において生じる定在波を分散することができるので、振動板12の振動において、特定の周波数における振幅の急激な変化を低減することができる。すなわち、本例の圧電振動装置15によれば、周波数の変化に応じた振幅の急激な変化が少ない振動特性を有する圧電振動装置を得ることができる。
また、本例の圧電振動装置15は、圧電振動素子14における隣り合う電極同士が圧電体層27を間に挟んで対向する部分である対向部P1の第2の方向(図のx軸方向)における中央C1と、圧電振動素子14の第2の方向における中央C2と、振動板12の第2の方向における中央C3とが、全て異なる位置にある。これにより、振動板12の第2の方向において生じる定在波をさらに分散することができるので、特定の周波数における振幅の急激な変化をさらに低減することができる。
なお、対向部P1の第2の方向における中央C1と、振動板12の第2の方向における中央C3との間隔を大きくすると、振動板12の振動特性において特定の周波数に生じるピークのレベルを低減する効果が大きくなるが、発生する振動の強さが全体的に小さくなる。よって、対向部P1の第2の方向における中央C1と、振動板12の第2の方向における中央C3との間隔は、所望する特性に応じて適宜設定する。
(実施の形態の第3の例)
図7は、本発明の実施の形態の第3の例の携帯端末を模式的に示す斜視図である。図8は、図7におけるA−A’線断面図である。図9は、図7におけるB−B’線断面図である。なお、図8および図9においては、圧電振動素子14の詳細な構造の図示を省略している。また、本例においては、前述した実施の形態の第2の例と異なる点について説明し、同様の構成要素には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する。本例の携帯端末は、図5,図6に示した実施の形態の第2の例の圧電振動装置15と、電子回路17と、ディスプレー18と、筐体19とを有している。
電子回路17は、圧電振動素子14に入力される電気信号を生成する。また、電子回路17には、ディスプレー18に表示させる画像情報を処理する回路や、通信回路等の他の回路が含まれていても良い。なお、電子回路17と圧電振動素子14とは図示せぬ配線を介して接続されている。
ディスプレー18は、画像情報を表示する機能を有する表示装置であり、例えば、液晶ディスプレー,プラズマディスプレー,および有機ELディスプレー等の既知のディスプレーを好適に用いることができる。また、ディスプレー18は、タッチパネルのような入力装置を有するものであっても良い。
筐体19は、1つの面が開口した箱状の形状を有している。筐体19は、既知の種々の材料を用いて形成することができる。例えば、剛性および弾性が大きい合成樹脂等の材料を好適に用いて形成することができるが、金属等の他の材料を用いて形成しても構わない。
本例の携帯端末において、圧電振動装置15は、筐体19の開口部に設けられている。振動板12は、ディスプレー18よりも外側に配置されてディスプレー18と一体化されており、ディスプレー18を保護するカバーとして機能している。また、振動板12は、一方主面(図の−z方向側の主面)の周囲のみが、筐体19に接合されており、筐体19に振動可能に取り付けられている。なお、筐体19と振動板12とは、例えば、接着剤や両面テープ等の、既知の種々の接合部材を用いて接合することができる。また、振動板12は、タッチパネルのような入力装置を有するものであっても構わない。
このような構成を有する本例の携帯端末は、圧電振動素子14を振動させることによって、振動板12を振動させて音響を発生させることができる。そして、この音響によって音声情報を人に伝達することができる。また、振動板12または筐体19を直接または他の物を介して耳などの人体の一部に接触させて振動を伝えることによって音声情報を伝達してもよい。
本例の携帯端末は、特定の周波数における振幅の急激な変化が低減された圧電振動装置15を用いて音声情報を伝達することから、歪みの小さい高品質な音声情報を伝達可能な携帯端末を得ることができる。
(変形例)
本発明は上述した実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更,改良が可能である。
例えば、上述した実施の形態の第1の例においては、圧電振動素子14が16層の圧電体層27を有する例を示したが、これに限定されるものではない。圧電体層27の数は、これより多くても少なくても構わない。
また、前述した実施の形態の第2および第3の例においては、実施の形態の第1の例の圧電振動素子14を有する例を示したが、これに限定されるものではなく、他の形態の圧電振動素子を有するものであっても構わない。
また、前述した実施の形態の第3の例においては、振動板12の振動によって音情報を伝達する携帯端末の例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、人間の指が振動板12に接触したときに、振動板12を振動させて指に振動を伝達して、指が振動板12に接触したことを明確に伝えるような携帯端末であっても構わない。
また、前述した実施の形態の第3の例においては、ディスプレー18のカバーが振動板12として機能する例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、ディスプレー18そのものが振動板12として機能するものであっても構わない。
次に、本発明の圧電振動装置の具体例について説明する。図5,図6に示した本発明の実施の形態の第2の例の圧電振動装置の特性を測定した。
振動板12は、長さが104mmで、幅が59mmで、厚み0.7mmのガラス板を使用し、第1の方向の他方側(図の−z方向側)の主面の周囲を4mmの幅でアルミニウムの枠に接着して固定した。接着には厚み0.15mmの両面テープを使用した。振動素子14は、長さ23.5mmで、幅が3.3mmで、厚みが0.5mmの直方体状とした。また、振動素子14は、厚みが30μm程度の圧電体層27と内部電極21〜25とが交互に積層された構造とし、圧電体層27の総数は16層とした。圧電振動素子14における隣り合う電極同士が圧電体層27を間に挟んで対向する部分である対向部P1の第2の方向(図のx軸方向)における中央C1と圧電振動素子14の第2の方向における中央C2との差を0.4mmとした。圧電体層27は、Zrの一部をSbで置換したチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)で形成した。振動板12と圧電振動素子14との接着には、不織布の基材の両面にアクリル系粘着剤が塗布された厚みが0.16mmの両面テープを使用し、振動素子14の第1の方向の一方側(図の+z方向側)の表面の全体を振動板12に貼り付けた。圧電振動素子14の対向部P1の第2の方向(図のx軸方向)における中央C1と、振動板12の第2の方向における中央C3との差を10.8mmとした。
そして、作製した圧電振動装置が発生する音の音圧の周波数依存性を評価した。評価に際しては、振動板12の第1の方向の一方側(図の+z方向側)の表面から10mm離れた位置にマイクを設置した。そして、振動素子14に、実効値10.6Vの正弦波信号を入力し、マイクで検出される音圧を評価した。その評価結果を図10のグラフに実線で示す。また、圧電振動素子における隣り合う電極同士が圧電体層を間に挟んで対向する部分である対向部の中央と、圧電振動素子の中央と、振動板の中央とが全て一致した比較例の圧電振動装置の評価結果を図10のグラフに点線で示す。なお、図10のグラフにおいて、横軸は周波数を示し、縦軸は音圧を示す。図10に示すグラフによれば、本発明の圧電振動装置は、比較例の圧電振動装置と比較すると、周波数の変化による音圧の急激な変化が低減されており、特に低周波側において滑らかで良好な音圧特性が得られている。これにより本発明の有効性が確認できた。
12:振動板
14:圧電振動素子
15:圧電振動装置
17:電子回路
21,22,23,24,25:電極
27:圧電体層
P1:対向部
C1:対向部の第2の方向における中央
C2:圧電振動素子の第2の方向における中央
C3:振動板の第2の方向における中央

Claims (5)

  1. 第1の方向に沿って交互に配置された複数の電極と複数の圧電体層とを少なくとも有しており、
    電気信号が入力されることによって、前記第1の方向に垂直な第2の方向に沿って振幅が変化するように前記第1の方向に屈曲振動する圧電振動素子であって、
    前記第1の方向において隣り合うように配置されているとともに異なる電位に接続される前記電極同士が前記圧電体層を間に挟んで対向する部分である対向部の前記第2の方向における中央が、前記圧電振動素子の前記第2の方向における中央と異なる位置にあることを特徴とする圧電振動素子。
  2. 前記第2の方向に長い形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動素子。
  3. 請求項1または請求項2に記載の圧電振動素子と、該圧電振動素子の前記第1の方向における一方側の表面に接合された振動板とを少なくとも有しており、
    前記対向部の前記第2の方向における中央が、前記振動板の前記第2の方向における中央と異なる位置にあることを特徴とする圧電振動装置。
  4. 前記対向部の前記第2の方向における中央と、前記圧電振動素子の前記第2の方向における中央と、前記振動板の前記第2の方向における中央とが、全て異なる位置にあることを特徴とする請求項3に記載の圧電振動装置。
  5. 筐体と、該筐体に設けられた請求項3または請求項4に記載の圧電振動装置と、前記圧電振動素子に入力される電気信号を生成する電子回路とを少なくとも有していることを特徴とする携帯端末。
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