JP5940947B2 - 圧電振動素子ならびにそれを用いた圧電振動装置および携帯端末 - Google Patents

圧電振動素子ならびにそれを用いた圧電振動装置および携帯端末 Download PDF

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Description

本発明は、圧電振動素子ならびにそれを用いた圧電振動装置および携帯端末に関するものである。
従来、板状の圧電バイモルフ素子と振動板とを間隔を開けて配置するとともに、圧電バイモルフ素子の長さ方向における一端を、固定治具を介して振動板に固定して、圧電バイモルフ素子の振動を振動板に伝える圧電振動装置が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2006−238072号公報
しかしながら、上述した従来の圧電振動装置は、衝撃が加わったときにも圧電バイモルフ素子と振動板とが接触しないように、圧電バイモルフ素子と振動板との間に充分な間隔を開ける必要があるため、薄型化が困難であるという問題があった。また、薄型化するために、圧電バイモルフ素子の一方主面に振動板の一方主面を直接接合すると、振動板に強い振動を伝えることが難しいことが発明者の検討により明らかになった。
本発明はこのような問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、表面に振動板を直接接合しても、振動板に強い振動を伝えることが可能な圧電振動素子ならびにそれを用いた圧電振動装置および携帯端末を提供することにある。
本発明の圧電振動素子は、第1の方向に沿って交互に配置された複数の電極と複数の圧電体層とを少なくとも有しており、前記第1の方向の一方側における隣り合う前記電極間に加えられる電圧の大きさの平均が、前記第1の方向の他方側における隣り合う前記電極間に加えられる電圧の大きさの平均よりも小さく、隣り合う前記電極間に加えられる電圧の大きさが、前記第1の方向の前記一方側に向かうにつれて段階的に小さくなっていることを特徴とするものである。
本発明の圧電振動装置は、前記圧電振動素子と、該圧電振動素子の前記第1の方向における前記一方側の表面に一方主面が接合された振動板とを少なくとも有することを特徴とするものである。本発明の携帯端末は、前記圧電振動装置と、前記圧電振動素子に入力される電気信号を生成する電子回路とを少なくとも有していることを特徴とするものである。
本発明の圧電振動素子によれば、表面に振動板を直接接合しても、振動板に強い振動を伝えることが可能な圧電振動素子を得ることができる。本発明の圧電振動装置によれば、強い振動を伝えることが可能な薄型の圧電振動装置を得ることができる。本発明の携帯端末によれば、強い振動を伝えることが可能な薄型の携帯端末を得ることができる。
本発明の実施の形態の第1の例の圧電振動素子を模式的に示す斜視図である。 (a)〜(e)は、図1に示す圧電振動素子の構造を説明するための平面図である。 図1に示す圧電振動素子の構造を説明するための図である。 図1に示す圧電振動素子の電極間に加えられる電圧を説明するための図である。 本発明の実施の形態の第2の例の圧電振動素子の電極間に加えられる電圧を説明するための図である。 本発明の実施の形態の第3の例の圧電振動装置を模式的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態の第4の例の携帯端末を模式的に示す斜視図である。 図7におけるA−A’線断面図である。 図7におけるB−B’線断面図である。
以下、本発明の圧電振動素子ならびにそれを用いた圧電振動装置および携帯端末を添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
(実施の形態の第1の例)
図1は、本発明の実施の形態の第1の例である圧電振動素子14を模式的に示す斜視図である。本例の圧電振動素子14は、図1に示すように、第1の方向(図のz軸方向)が厚み方向であり、第1の方向に垂直な図のx軸方向が長さ方向であり、第1の方向および図のx軸方向に垂直な図のy軸方向が幅方向である直方体状の形状を有している。また、圧電振動素子14は、積層体20と、第1の外部端子41と、第2の外部端子42と、第3の外部端子(図示せず)と、第4の外部端子(図示せず)と、第5の外部端子(図示せず)とを有している。
図1に示すように、積層体20の第1の方向の一方側(図の+z方向側)の端面には、電極23が配置されており、積層体20の図の+x方向における端面には、第1の外部端子41および第2の外部端子42が配置されている。また、図1では図示されていないが、積層体20の第1の方向の他方側(図の−z方向側)の端面には電極25(図2参照)が配置されており、積層体20の図の−x方向の端面には、第3〜第5の外部端子(図示せず)が配置されている。
図2(a)〜(e)は、圧電振動素子14が有する電極21〜25の形状を模式的に示す平面図である。また、図3は、第1の方向(図のz軸方向)における電極21〜25の基本的な位置関係と、電極21〜25の間に配置された圧電体層27の分極の状態とを模式的に示す図である。なお、図3においては、第1〜第5の外部端子および圧電体層27の図示を省略している。積層体20は、図2,3に示すように、第1の方向(図のz軸方向)に分極された複数層の圧電体層27と、複数の扁平状の電極21〜25とが、第1の方向に沿って交互に配置されて構成されている。
電極21は、積層体20の側面と間隔を開けて形成された矩形状の本体部21aの一方端に、矩形状の引き出し部21bの一方端を接続した構造を有している。引き出し部21bの他方端は第1の外部端子41に接続されている。電極22は、積層体20の側面と間隔を開けて形成された矩形状の本体部22aの一方端に、矩形状の引き出し部22bの一方端を接続した構造を有している。引き出し部22bの他方端は第2の外部端子42に接続されている。電極23は、積層体20の側面と間隔を開けて形成された矩形状の本体部23aの一方端に、矩形状の引き出し部23bの一方端を接続した構造を有している。引き出し部23bの他方端は第3の外部端子(図示せず)に接続されている。電極24は、積層体20の側面と間隔を開けて形成された矩形状の本体部24aの一方端に、矩形状の
引き出し部24bの一方端を接続した構造を有している。引き出し部24bの他方端は第4の外部端子(図示せず)に接続されている。電極25は、積層体20の側面と間隔を開けて形成された矩形状の本体部25aの一方端に、矩形状の引き出し部25bの一方端を接続した構造を有している。引き出し部25bの他方端は第5の外部端子(図示せず)に接続されている。
また、電極21〜25の間に配置された圧電体層27は、図3に矢印で示すように分極されている。矢印P1〜P4は、それぞれの圧電体層27の巨視的な分極の状態をベクトルで表示したものであり、矢印の向きで分極の向きを示しており、矢印の大きさで分極の強さを示している。図3に示すように、各々の圧電体層27は、略等しい強度で分極されている。
また、図3に示すように、圧電体層27は、第1の方向の他方側(図の−z方向側)では、電極24,25から電極22へ向かう向きに分極されており、第1の方向の一方側(図の+z方向側)では、電極21から電極23,24へ向かう向きに分極されている。
そして、圧電振動素子14を振動させるときには、ある瞬間には、電極21の電位および電極22の電位に対して、電極23の電位および電極24の電位および電極25の電位が高くなり、次の瞬間には、電極21の電位および電極22の電位に対して、電極23の電位および電極24の電位および電極25の電位が低くなるように、第1〜第5の外部端子を介して電極21〜25に交流電圧を加える。これにより、圧電振動素子14は、ある瞬間に加えられる電界の向きに対する分極の向きが、第1の方向(図のz軸方向)における一方側と他方側とで逆転するようにされている。
よって、電気信号が加えられて、ある瞬間に、第1の方向の一方側(図の+z方向側)が、圧電振動素子14の長さ方向(図のx軸方向)において伸びるときには、第1の方向の他方側(図の−z方向側)が、圧電振動素子14の長さ方向において縮むようにされている。これにより、圧電振動素子14は、電気信号が加えられることによって、図のx軸方向に振幅が変化するように第1の方向(図のz軸方向)に屈曲振動する。このように、圧電振動素子14は、バイモルフ構造を有する圧電体(圧電バイモルフ素子)で構成されている。
図4は、図1に示す圧電振動素子14を振動させるときに、圧電振動素子14の電極21〜25の間に加えられる電圧を説明するための図である。矢印E1〜E4は、ある瞬間における、隣り合う電極間における巨視的な電界の状態をベクトルで表示したものであり、矢印の向きで電界の向きを示しており、矢印の大きさで電界の強さを示している。
図4に示すように、ある瞬間における、隣り合う電極25,22間の電界E1の大きさを|E1|とし、隣り合う電極22,24間の電界E2の大きさを|E2|とし、隣り合う電極24,21間の電界E3の大きさを|E3|とし、隣り合う電極21,23間の電界E4の大きさを|E4|とすると、|E1|>|E2|>|E3|>|E4|となるように、隣り合う電極間に電圧が加えられる。
ここで、隣り合う電極同士が対向する面積は全て略等しく設定されており、隣り合う電極間の間隔も全て略等しく設定されており、隣り合う電極間に位置する圧電体層27の誘電率も略等しく設定されている。よって、隣り合う電極25,22間に加えられる電圧V1の大きさを|V1|とし、隣り合う電極22,24間に加えられる電圧V2の大きさを|V2|とし、隣り合う電極24,21間に加えられる電圧V3の大きさを|V3|とし、隣り合う電極21,23間に加えられる電圧V4の大きさを|V4|とすると、|E1|>|E2|>|E3|>|E4|となるように電圧が加えられることは、|V1|>|
V2|>|V3|>|V4|であることを意味している。
なお、圧電振動素子14を振動させるときには、前述したように、圧電振動素子14の隣り合う電極間に交流電圧を加える。よって、電圧V1,V2,V3,V4は、交流電圧であり、各々周期的に大きさおよび符号が変化するが、互いに周波数および位相が等しくなっている。よって、|V1|,|V2|,|V3|,|V4|の大小関係は、実効値の大小関係であるが、値が0になるときを除く任意の瞬間における瞬時値の大小関係でもあり、最大値の大小関係でもある。
そして、本例の圧電振動素子14は、第1の方向の一方側(図の+z方向側)における隣り合う電極間に加えられる電圧の大きさの平均が、第1の方向の他方側(図の−z方向側)における隣り合う電極間に加えられる電圧の大きさの平均よりも小さくされている。なお、第1の方向の一方側とは、第1の方向の中央よりも一方側の部分であり、第1の方向の他方側とは、第1の方向の中央よりも他方側の部分である。そして、本例の圧電振動素子14では、電極24が圧電振動素子14の第1の方向(図のz軸方向)の中央に位置している。
すなわち、第1の方向の他方側における隣り合う電極間に加えられる電圧の大きさの平均をA1とすると、A1=(|V1|+|V2|)/2となり、第1の方向の一方側における隣り合う電極間に加えられる電圧の大きさの平均をA2とすると、A2=(|V3|+|V4|)/2となる。そして、本例の圧電振動素子14は、第1の方向の一方側における隣り合う電極間に加えられる電圧の大きさの平均A2が、第1の方向の他方側における隣り合う電極間に加えられる電圧の大きさの平均A1よりも小さくなっている。これにより、圧電振動素子14における第1の方向の一方側(図の+z方向側)の表面に振動板の主面を接合して、圧電振動素子14の振動を振動板に伝える振動装置を構成したときに、振動板に強い振動を伝えることができる。
この効果が得られる原因は次のように推測できる。すなわち、例えば、圧電振動素子14が、−z方向側が凸になるように屈曲する場合、前述したように、圧電振動素子14の+z方向側はx軸方向において収縮する。すると、圧電振動素子14の+z方向側の表面に接合された振動板の表面(−z方向側の表面)もx軸方向において収縮するため、振動板は+z方向側が凸になるように変形しようとする。よって、圧電振動素子14が曲がろうとする方向と振動板が曲がろうとする方向とが逆になり、圧電振動素子14の振動が妨げられて、圧電振動素子14の振動が弱くなる。これにより、振動板に伝えられる振動が弱くなる。
これに対して、本例の圧電振動素子14は、第1の方向の一方側(図の+z方向側)における隣り合う電極間に加えられる電圧の大きさの平均が、第1の方向の他方側(図の−z方向側)における隣り合う電極間に加えられる電圧の大きさの平均よりも小さい。そして、これにより、第1の方向の一方側(図の+z方向側)における隣り合う電極間の電界の大きさの平均が、第1の方向の他方側(図の−z方向側)における隣り合う電極間の電界の大きさの平均よりも小さい。
すなわち、第1の方向の他方側における隣り合う電極間の電界の大きさの平均をB1とすると、B1=(|E1|+|E2|)/2となり、第1の方向の一方側における隣り合う電極間の電界の大きさの平均をB2とすると、B2=(|E3|+|E4|)/2となるが、第1の方向の一方側(図の+z方向側)における隣り合う電極間の電界の大きさの平均B2が、第1の方向の他方側(図の−z方向側)における隣り合う電極間の電界の大きさの平均B1よりも小さい。そして、本例の圧電振動素子14は、前述したように、複数の圧電体層27の分極強度が実質的に等しくされている。
よって、本例の圧電振動素子14は、電気信号が与えられて振動するときに、第1の方向の一方側の伸縮量が、第1の方向の他方側の伸縮量よりも小さくなる。これにより、圧電振動素子14における第1の方向の一方側の表面に接合された振動板を圧電振動素子14と逆向きに曲げようとする力が小さくなる。したがって、圧電振動素子14の振動を妨げる作用が低減され、圧電振動素子14が強く振動することができ、振動板に強い振動を伝えることが可能になる。また、圧電振動素子14が屈曲振動するときの、第1の方向の一方側における変形が、第1の方向の他方側における変形よりも小さくなることから、第1の方向の一方側の表面に接合された振動板の振動が抑制された場合においても、圧電振動素子14の振動があまり抑制されず、振動板に強い振動を伝えることができる。
なお、例えば、第1の方向(図のz軸方向)における中央が1つの圧電体層27A中に位置する場合には、その圧電体層27Aを除いて考えればよい。すなわち、圧電体層27Aよりも第1の方向の一方側(図の+z方向側)に位置する隣り合う電極間に加えられる電圧の大きさの平均を、『第1の方向の一方側における隣り合う電極間に加えられる電圧の大きさの平均』とすれば良く、圧電体層27Aよりも第1の方向の他方側(図の−z方向側)に位置する隣り合う電極間に加えられる電圧の大きさの平均を、『第1の方向の他方側における隣り合う電極間に加えられる電圧の大きさの平均』とすれば良い。
また、本例の圧電振動素子14において、第1の方向の他方側(図の−z方向側)から一方側(図の+x方向側)へ向けて、隣り合う電極間に加えられる電圧の大きさを順次記載すると、|V1|,|V2|,|V3|,|V4|となるが、これらの大きさの関係が、|V1|>|V2|>|V3|>|V4|となっている。すなわち、本例の圧電振動素子14は、第1の方向の一方側(図の+z方向側)に向かうにつれて、隣り合う電極間に加えられる電圧の大きさが段階的に小さくなっている。
そして、これにより、第1の方向の他方側(図の−z方向側)から一方側(図の+x方向側)へ向けて、隣り合う電極間の電界の大きさを順次記載すると、|E1|,|E2|,|E3|,|E4|となるが、これらの大きさの関係が、|E1|>|E2|>|E3|>|E4|となっている。すなわち、本例の圧電振動素子14は、第1の方向の一方側(図の+z方向側)に向かうにつれて、隣り合う電極間の電界の大きさが段階的に小さくなっている。
これにより、圧電振動素子14が屈曲振動するときの各々の圧電体層27の伸縮量が、第1の方向の一方側に向かうにつれて徐々に小さくなるので、圧電振動素子14内において、圧電体層27の伸縮量が変化する部分に発生する応力を小さくすることができる。これにより、マイクロクラックの発生等の不具合を低減することができる。
本例の圧電振動素子14において、積層体20は、例えば、長さ18mm〜28mm程度、幅1mm〜6mm程度、厚み0.2mm〜1.0mm程度とすることができる。また、電極21〜25の本体部の長さは、例えば17mm〜25mm程度、電極21〜25の本体部の幅は、例えば0.5mm〜1.5mm程度とすることができる。
積層体20を構成する圧電体層27は、圧電材料を用いて形成することができる。例えば、チタン酸鉛(PT)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、Bi層状化合物、タングステンブロンズ構造化合物等の非鉛系圧電体材料等を好適に用いて形成することができる。圧電体層27の1層の厚みは、例えば0.01〜0.1mm程度に設定することができる。電極21,22,24は、既知の金属材料を用いて形成することができる。例えば、銀や銀とパラジウムとの合金等の金属成分に加えて、セラミック成分やガラス成分を含有させたものを好適に用いて形成することができる。電極23,25および第1〜第5の外部
端子は、既知の金属材料を用いて形成することができるが、例えば、銀からなる金属成分およびガラス成分を含有することが望ましい。
このような圧電振動素子14は、例えば次のような方法によって作製することができる。まず、圧電材料の粉末にバインダー、分散剤、可塑剤、溶剤を添加して掻き混ぜて、スラリーを作製し、得られたスラリーをシート状に成形し、グリーンシートを作製する。次に、グリーンシートに導体ペーストを印刷して電極21,22,24となる電極パターンを形成し、この電極パターンが形成されたグリーンシートを積層し、プレス装置を用いてプレスして積層成形体を作製する。その後、脱脂および焼成し、所定寸法にカットすることにより積層体を得る。次に、電極23,25ならびに第1の外部端子41,第2の外部端子42および第3〜第5の外部端子(図示せず)を形成するための導体ペーストを印刷し、所定の温度で焼付けた後に、第1〜第5の外部端子を通じて直流電圧を印加して圧電体層27の分極を行う。このようにして、圧電振動素子14を得ることができる。
なお、例えば、積層体20の第1の方向(図のz軸方向)における端面に電極が露出していると問題が生じる場合には、圧電体等からなる保護層を設けても構わない。その場合には、保護層の厚みを充分に薄くすることが望ましい。
(実施の形態の第2の例)
図5は、本発明の実施の形態の第2の例の圧電振動素子の電極間に加えられる電圧を説明するための図である。なお、図5においては、図示を簡略化するために、圧電体層および第1〜第5の外部端子の図示を省略している。また、本例においては、前述した実施の形態の第1の例と異なる点について説明し、同様の構成要素には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する。
本例の圧電振動素子14aは、前述した実施の形態の第1の例の圧電振動素子14と同様に、第1の方向の一方側(図の+z方向側)における隣り合う電極間に加えられる電圧の大きさの平均A2=(|V3|+|V4|)/2が、第1の方向の他方側(図の−z方向側)における隣り合う電極間に加えられる電圧の大きさの平均A1=(|V1|+|V2|)/2よりも小さくなっている。
そして、これにより、第1の方向の一方側(図の+z方向側)における隣り合う電極間の電界の大きさの平均B2=(|E3|+|E4|)/2が、第1の方向の他方側(図の−z方向側)における隣り合う電極間の電界の大きさの平均B1=(|E1|+|E2|)/2よりも小さい。そして、本例の圧電振動素子14aは、前述した実施の形態の第1の例の圧電振動素子14と同様に、複数の圧電体層27の分極強度が実質的に等しくされている。
これにより、第1の方向の一方側(図の+z方向側)の表面に振動板の主面を接合して、圧電振動素子14aの振動を振動板に伝える振動装置を構成したときに、振動板に強い振動を伝えることができる。また、その振動板の振動が抑制されたときにも、その振動板に強い振動を伝えることができる。
また、本例の圧電振動素子14aは、隣り合う電極間に加えられる電圧の大きさV1,V2,V3,V4において、|V1|=|V2|>|V3|>|V4|の関係が成り立っている。すなわち、隣り合う電極間に加えられる電圧の大きさが、第1の方向の他方側(図の−z方向側)では一定であり、第1の方向の一方側(図の+z方向側)では、第1の方向の一方側に向かうにつれて段階的に小さくなっている。
そして、これにより、本例の圧電振動素子14aは、隣り合う電極間の電界の大きさE
1,E2,E3,E4において、|E1|=|E2|>|E3|>|E4|の関係が成り立っている。すなわち、隣り合う電極間の電界の大きさが、第1の方向の他方側(図の−z方向側)では一定であり、第1の方向の一方側(図の+z方向側)では、第1の方向の一方側に向かうにつれて段階的に小さくなっている。
このような構成を備えていることから、本例の圧電振動素子14aは、第1の方向の他方側における変形量を大きく確保することができる。これにより、第1の方向の一方側(図の+z方向側)の表面に振動板の主面を取り付けた圧電振動装置を構成したときに、さらに強い振動を振動板に伝えることができる。
(実施の形態の第3の例)
図6は、本発明の実施の形態の第3の例の圧電振動装置15を模式的に示す斜視図である。なお、図6においては、作図を容易にするために、圧電振動素子14の詳細な構造の図示を省略している。また、本例においては、前述した実施の形態の第1の例と異なる点について説明し、同様の構成要素には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する。本例の圧電振動装置15は、前述した実施の形態の第1の例の圧電振動素子14と、振動板12とを有している。
振動板12は、矩形の薄板状の形状を有しており、圧電振動素子14の第1の方向の一方側(図の+z方向側)の表面に、一方主面(図の−z方向側の主面)が接着剤等を用いて接合されている。このような振動板12は、アクリル樹脂やガラス等の剛性および弾性が大きい材料を好適に用いて形成することができる。また、振動板12の厚みは、例えば、0.4mm〜1.5mm程度に設定される。このような構成を有する本例の圧電振動装置15は、電気信号を加えることによって圧電振動素子14を屈曲振動させ、その振動を振動板12に伝える圧電振動装置として機能する。
本例の圧電振動装置15は、圧電振動素子14の第1の方向の一方側(図の+z方向側)の表面に振動板12の一方主面が接合されている。また、圧電振動素子14は、第1の方向の一方側(図の+z方向側)における隣り合う電極間に加えられる電圧の大きさの平均が、第1の方向の他方側(図の−z方向側)における隣り合う電極間に加えられる電圧の大きさの平均よりも小さい。これにより、振動板12が自由に振動できる場合においても、振動板12の振動が抑制された場合においても、振動板12に強い振動を伝えることができる薄型の圧電振動装置を得ることができる。
(実施の形態の第4の例)
図7は、本発明の実施の形態の第4の例の携帯端末を模式的に示す斜視図である。図8は、図7におけるA−A’線断面図である。図9は、図7におけるB−B’線断面図である。なお、図8および図9においては、圧電振動素子14の詳細な構造の図示を省略している。また、本例においては、前述した実施の形態の第3の例と異なる点について説明し、同様の構成要素には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する。本例の携帯端末は、図6に示した実施の形態の第3の例の圧電振動装置15と、電子回路17と、ディスプレー18と、筐体19とを有している。
電子回路17は、圧電振動素子14に入力される電気信号を生成する。また、電子回路17には、ディスプレー18に表示させる画像情報を処理する回路や、通信回路等の他の回路が含まれていても良い。なお、電子回路17と圧電振動素子14とは図示せぬ配線を介して接続されている。
ディスプレー18は、画像情報を表示する機能を有する表示装置であり、例えば、液晶ディスプレー,プラズマディスプレー,および有機ELディスプレー等の既知のディスプ
レーを好適に用いることができる。また、ディスプレー18は、タッチパネルのような入力装置を有するものであっても良い。
筐体19は、1つの面が開口した箱状の形状を有している。筐体19は、例えば、剛性および弾性が大きい合成樹脂等の材料を好適に用いて形成することができるが、金属等の他の材料を用いて形成しても構わない。
本例の携帯端末においては、振動板12は、ディスプレー18よりも外側に配置されてディスプレー18と一体化されており、ディスプレー18を保護するカバーとして機能している。また、振動板12は、一方主面(図の−z方向側の主面)の周囲のみが、接着剤等によって筐体19に接合されており、筐体19に振動可能に取り付けられている。また、振動板12は、タッチパネルのような入力装置を有するものであっても構わない。
このような構成を有する本例の携帯端末は、圧電振動素子14を振動させることによって、振動板12を振動させて音響を発生させることができる。そして、この音響によって音声情報を人に伝達することができる。また、振動板12または筐体19を直接または他の物を介して耳などの人体の一部に接触させて振動を伝えることによって音声情報を伝達してもよい。
本例の携帯端末は、振動板12が自由に振動できる場合においても、振動板12の振動が抑制された場合においても、振動板12に強い振動を伝えることができる薄型の圧電振動装置を用いている。これにより、振動板12が自由に振動できる場合においても、振動板12の振動が抑制された場合においても、振動板12に強い振動を伝えることができる薄型の携帯端末を得ることができる。よって、本例の携帯端末によれば、振動板12を耳等の人体に接触させた場合においても、振動板12に強い振動を伝えることができ、音声情報を良好に伝達することが可能な薄型の携帯端末を得ることができる。
(変形例)
本発明は上述した実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更,改良が可能である。
例えば、上述した実施の形態の第1および第2の例においては、図示を簡略化するために、圧電振動素子14が5つの電極21〜25を有する例を示した。しかしながら、これに限定されるものではなく、より多くの電極を有する構成であっても構わない。
また、前述した実施の形態の第3および第4の例においては、実施の形態の第1の例の圧電振動素子14を有する例を示したが、これに限定されるものではない。実施の形態の第2の例の圧電振動素子14aや、他の形態の圧電振動素子を有するものであっても構わない。
また、前述した実施の形態の第4の例においては、ディスプレー18のカバーが振動板12として機能する例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、ディスプレー18そのものが振動板12として機能するものであっても構わない。
12:振動板
14,14a:圧電振動素子
15:圧電振動装置
17:電子回路
21,22,23,24,25:電極
27:圧電体層

Claims (4)

  1. 第1の方向に沿って交互に配置された複数の電極と複数の圧電体層とを少なくとも有しており、前記第1の方向の一方側における隣り合う前記電極間に加えられる電圧の大きさの平均が、前記第1の方向の他方側における隣り合う前記電極間に加えられる電圧の大きさの平均よりも小さく、隣り合う前記電極間に加えられる電圧の大きさが、前記第1の方向の前記一方側に向かうにつれて段階的に小さくなっていることを特徴とする圧電振動素子。
  2. 隣り合う前記電極間に加えられる電圧の大きさが、前記第1の方向の前記他方側では一定であり、前記第1の方向の前記一方側では、前記第1の方向の前記一方側に向かうにつれて段階的に小さくなっていることを特徴とする請求項に記載の圧電振動素子。
  3. 請求項1または請求項に記載の圧電振動素子と、該圧電振動素子の前記第1の方向における前記一方側の表面に一方主面が接合された振動板とを少なくとも有することを特徴とする圧電振動装置。
  4. 請求項に記載の圧電振動装置と、前記圧電振動素子に入力される電気信号を生成する電子回路とを少なくとも有していることを特徴とする携帯端末。
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