JPWO2013153880A1 - ガラス基板の研磨方法 - Google Patents
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Abstract
ガラス基板と研磨パッドとの間に研磨液を供給してガラス基板を研磨するガラス基板の研磨方法であって、前記研磨液が酸化セリウムスラリーであり、前記ガラス基板と前記研磨パッドとの間に供給する際、前記研磨液の温度が20℃以下であることを特徴とするガラス基板の研磨方法を提供する。
Description
本発明は、ガラス基板の研磨方法に関する。
一般的にガラス基板はフロート法等によって板状に成形されている。ところが、成形工程において板状に成形されたガラス基板はその表面に微細な凹凸、うねり等がまだ残っており、ガラス基板の用途によっては問題となる。
例えば、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイパネル(PDP)等のフラットパネルディスプレイ(FPD)の用途では、ガラス基板の表面の微細な凹凸や、うねりが、画像に歪みを与える原因となる。
また、磁気記録媒体の用途では、その表面に凹凸があると、磁気記録媒体とした場合に、磁気ヘッドとの距離が安定しないため磁気ノイズが発生しやすくなり、記録精度の低下の原因となる。
このため、微細な凹凸や、うねりが問題となる用途のガラス基板においては板状に成形後、さらにその表面に研磨処理が施されている(特許文献1、2)。
しかしながら、表面に研磨処理を要するガラス基板の製造工程においては、コストの低減のため、ガラス基板表面の研磨工程に要する時間の短縮、特に、研磨レートの向上が課題となっている。
そこで本発明は、研磨レートを向上させ、短時間でガラス基板の表面研磨を行うことが可能な研磨方法を提供することを目的とする。
一つの形態によれば、
上記課題を解決するため本発明は、ガラス基板と研磨パッドとの間に研磨液を供給してガラス基板を研磨するガラス基板の研磨方法であって、前記研磨液が酸化セリウムスラリーであり、前記ガラス基板と前記研磨パッドとの間に供給する際、前記研磨液の温度が20℃以下であることを特徴とするガラス基板の研磨方法を提供する。
上記課題を解決するため本発明は、ガラス基板と研磨パッドとの間に研磨液を供給してガラス基板を研磨するガラス基板の研磨方法であって、前記研磨液が酸化セリウムスラリーであり、前記ガラス基板と前記研磨パッドとの間に供給する際、前記研磨液の温度が20℃以下であることを特徴とするガラス基板の研磨方法を提供する。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明するが、本発明は、下記の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、下記の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
まず、本発明に係る研磨方法について説明する。
本実施形態の研磨方法においては、用いる研磨装置については限定されるものではなく、研磨具すなわち研磨パッドとガラス基板との間に研磨液を供給し研磨を行う装置であればあらゆるもので実施することができる。必要とするガラス基板の大きさ、種類、研磨の程度等によって適宜選択することができる。
具体的な装置としては、例えば、図1に示すような研磨装置により実施することができる。図1において、研磨対象のガラス基板10は、テーブル14に接着された不図示の吸着パッドにその研磨対象面(以下、研磨面ともいう。)と反対側の面が吸着保持されており、矢印Xで示す方向に連続的に搬送される。そして、搬送路の上方には複数台の研磨機が配置されており、各研磨機に接続された研磨パッド12を自転及び公転運動させ、研磨パッドとガラス基板との間に、研磨液の供給ラインから供給された研磨液によって、研磨対象面が所定の平滑性になるように研磨される。研磨終了後、ガラス基板10は吸着パッドから剥離され、洗浄等の後工程に供される。
研磨対象のガラス基板のガラスとしては、特に限定されるものではなく、例えば、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダライムガラス、高シリカガラス、その他の酸化ケイ素を主な成分とする酸化物系ガラスなどが挙げられる。
研磨対象のガラス基板の用途としては、特に限定されるものではなく、ガラス基板表面の微細な凹凸やうねりが問題となる用途のガラス基板に好適に適用できる。例えば、フラットパネルディスプレイ、ハードディスク(磁気記録媒体)、半導体ウェハ用フォトマスクなどが挙げられる。
研磨液としては酸化セリウムスラリーを用い、20℃以下に冷却したものを研磨パッドとガラス基板との間に供給しながら研磨を行う。研磨液の温度が20℃以下であれば、研磨液がゲル化しにくくなり、研磨レートが低下しにくくなる。さらに、研磨中の研磨パッドの温度の上昇が起こりにくくなるため、研磨パッドの硬度の低下を抑制でき、研磨レートが低下しにくくなる。この場合、研磨液の温度の下限値は特に限定されるものではないが、研磨液が凍らない程度の温度、例えば、0℃以上とすることができる。また、コストの観点から10℃以上とすることができる。
なお、研磨液の温度は研磨工程の間、一定である必要はなく、所定の温度域内にあれば足りる。また、研磨液を冷却する手段は限定されるものではなく、研磨液の供給ライン及び/又は当該供給ラインに接続された研磨液のタンクに設置されてあれば足りる。そして、使用済研磨液は、循環して再利用することもできる。ただしその場合には、フィルター等によって、研磨工程で生じた研磨液以外の成分、例えばガラス成分を使用済研磨液から除去することができる。また、この場合、研磨液を再度冷却してから研磨工程に供されることとなる。なお、研磨液を冷却する手段としては、冷水を研磨液のタンクの外周に配置された管内を循環させる手段が例示される。
さらに、研磨液は、0.84重量%以上の酸化セリウムを含有することができる。酸化セリウムの含有量を0.84重量%以上とすることにより、研磨能力を良好にして目的とする研磨レートを適切に得ることができる。また、研磨液は、8.9重量%以下の酸化セリウムを含有することができる。酸化セリウムの含有量を8.9重量%以下とすることにより、コストを押さえることができ、研磨液のタンク内で酸化セリウムの沈降を抑制でき、及び供給ライン内で酸化セリウムが堆積するのを適切に防ぐことができる。研磨液のタンク内で酸化セリウムが沈降した場合、及び供給ライン内で酸化セリウムが堆積した場合、研磨工程に供給される研磨液に含有する酸化セリウムの割合が低下し、研磨レートが低下する恐れがある。特にコストの面から、研磨液の酸化セリウム含有量は0.84以上4.3重量%以下とすることができる。
研磨液に含まれる酸化セリウムの粒度については、目的とするガラス基板の平滑性等により適宜選択されるものであり、限定されるものではない。ただし、その粒度が0.5μm以上1.5μm以下とすることができる。なお、粒度の定義はISO8486(1996年制定)に基づく。
なお、研磨液中、酸化セリウム以外の成分については特に限定されるものではなく、各種成分を添加することができる。例えば、スラリー状にするための水に加えて、pHを調整するために酸、アルカリ等各種成分を添加することも可能である。
さらに、研磨に使用する研磨パッドの温度が10℃以上60℃以下におけるショア硬度(Dスケール)が25以上とすることができる。研磨パッドのショア硬度(Dスケール)を25以上とすることにより、ある程度の硬さを保つことができ、研磨レートを保つことができる。また、研磨に使用する研磨パッドの温度が10℃以上60℃以下におけるショア硬度(Dスケール)が70以下とすることができる。研磨パッドのショア硬度(Dスケール)を70以下とすることにより、研磨パッドを適度に柔らかくすることができ、ガラス基板への損傷を防ぐことができる。そして、研磨中、研磨パッドの温度は最高で60℃近傍まで上昇する場合があると考えられることから、上記のように研磨に使用する研磨パッドの温度が10℃以上60℃以下におけるショア硬度(Dスケール)が上記範囲を満たしていることが好ましい。なお、ショア硬度(Dスケール)の定義は、ISO7619(2004年制定)に基づく。
また、研磨パッドの温度が10℃以上60℃以下におけるショア硬度(Dスケール)の硬度変化率は、乾燥時の研磨パッドの硬度を基準にしたとき、0〜−20%であることが好ましく、0〜−10%であることがより好ましい。特に、乾燥時の研磨パッドを基準にしたときの硬度変化率が0〜−20%であれば、研磨レートの変化が少なくなり、ガラス基板の生産性を安定させることができるため好ましい。
係る規定を満たす研磨パッドとしては、例えば、発泡ポリウレタン製のGR35(ユニバーサル・フォトニクス社製)、同じく発泡ポリウレタン製のLP77(ユニバーサル・フォトニクス社製)などが挙げられる。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例では、研磨機に供給する研磨液温度を変化させ、研磨レートの変化を検討した。
本実施例では、研磨機に供給する研磨液温度を変化させ、研磨レートの変化を検討した。
実験条件について説明する。研磨装置としては、図1に示した研磨装置を用いて行った。ガラス基板としては、液晶ディスプレイ用の大型の無アルカリガラス(旭硝子社製:商品名[AN100]、横1850mm×縦1500mm×厚さ0.7mm)を用いた。係るガラス基板の研磨対象面と反対側の面を、テーブル14に接着された不図示の吸着パッドによって固定して、テーブル14を所定方向(図1のX方向)に移動させながらガラス基板を研磨した。
研磨装置においては、研磨パッドとしては発泡ポリウレタン(ユニバーサル・フォトニクス社製:商品名[GR35])を用いた(Dスケールでのショア硬度が29〜42。Aスケールでのショア硬度が85±6。)。また、研磨処理中、研磨パッドのガラス基板への研磨圧力が9.8kPaになるように調整して研磨を行った。
研磨液としては、4.0重量%の酸化セリウムスラリーを用い、ガラス基板と研磨パッドとの間に供給する際、その温度が20℃になるように冷却しながら研磨を行った。研磨液供給速度は、20〜25L/minとした。研磨液は循環して使用しており、使用済の研磨液は、フィルターにより、研磨工程で析出した成分及び研磨パッドの欠片は除去してから再供給した。
研磨中に研磨レートを直接測定することは困難なので、研磨装置の研磨機のうち、1つのモーターの負荷電流値を測定して検討に用いた。これは、研磨レートの変化に応じて、研磨機のモーターに流れる電流が変化するという相関関係を利用したものである(国際公開第2010/140595号を参照)。電流値が高いほど、研磨機のモーターに負荷がかかっている、つまり、研磨レートが高くなっていることを示している。
結果を図2に示す。図2は、研磨工程における、研磨機のモーター負荷電流値の出現頻度を示している。これは、横軸に研磨機のモーター負荷電流値を示しており、研磨工程において、各電流値が出現した頻度を積算して縦軸に示している。つまり、ピークが高電流値側にある場合、研磨工程において、モーター負荷電流値が高い場合が多かったことを示しており、研磨レートが高いことを示している。
なお、図2においては、比較例として、従来と同様に、研磨液の温度を室温程度(25℃)に調整した以外は、上記実施例と同様の研磨工程を行った場合の結果もあわせて示す。
図2によれば、20℃に冷却した研磨液を用いて研磨を行った場合、25℃の場合と比較して、モーターの負荷電流値が高電流側にシフトしていることが分かる。つまり、研磨液温度を20℃とすることによって、従来よりも研磨レートが向上することが確認できた。
次に、研磨によって得られたガラス基板の平滑性について評価を行った。例えば、フラットディスプレイ用途のガラス基板においては、表面に微細な凹凸や、うねりがあると画像に歪みが生じる原因となる。このため、研磨レートが高いだけでは十分ではなく、平滑性についても所定の要件を満たす必要がある。そこで、上記研磨工程によって得られたガラス基板について、研磨液供給温度が20℃の場合と、比較例である25℃の場合、それぞれについて、研磨面の平滑性について評価を行った。
平滑性の評価方法としては、ストライプパターンをガラス基板に照射し、ガラス基板の研磨面によって形成されるストライプパターンの反射像を撮像し、撮像によって得られた画像信号に基づいてガラス基板の研磨面の平滑性を検査する検査方法(特許4645068を参照)によって行った。平滑性の評価結果を図3に示す。
図3は、測定したガラス基板表面における、うねり高さの出現頻度を示している。これは、うねりの高さを横軸にとり、上記検査方法により測定したガラス基板表面での各うねり高さの出現頻度を縦軸にとったものである。
図3によれば、研磨液温度を20℃に冷却して研磨したガラス基板は、出現頻度のピークがうねり高さが低い方にシフトしており、研磨液温度を25℃にして研磨したガラス基板よりも、研磨面の平滑性が高いことが分かる。
(実施例2)
本実施例においては、15℃に冷却した研磨液(酸化セリウムスラリー)を使用した以外は実施例1と同じ条件で研磨工程を行い、その評価を行った。
本実施例においては、15℃に冷却した研磨液(酸化セリウムスラリー)を使用した以外は実施例1と同じ条件で研磨工程を行い、その評価を行った。
図4に結果を示す。これは、実施例1と同様に研磨機のモーター負荷電流値の出現頻度を示したものである。ここでも、比較例として、研磨液の温度を室温程度(25℃)に調整した場合をあわせて示す。なお、研磨液の温度が25℃の場合(比較例)の波形が図2のものと若干異なっているが、これは本実施例の結果と比較できるように、本実施例の研磨工程を行った際に比較例についても再度実施したためである。用いたガラス基板の表面状態の個体差、研磨パッドの状態の微差によるものである。
図4から分かるように、研磨液の温度を15℃に冷却しながら研磨した場合、研磨機のモーターの負荷電流値のピークはより高電流値側にシフトしていることが分かる。つまり、研磨レートがより高くなっていることが確認できた。
また、図5に研磨工程後のガラス基板表面の平滑性を評価した結果を示す。平滑性の評価は実施例1の場合と同様にして行った。
図5によれば、本実施例である、研磨液温度を15℃に冷却して研磨したガラス基板は、研磨液温度を25℃にして研磨したガラス基板よりも、研磨面の平滑性が高いことが分かる。
以上、実施例1、2の結果から、研磨工程時に研磨パッドとガラス基板との間に供給する研磨液の温度が低くなるほど、研磨レートは向上し、さらに研磨工程後のガラス基板の平滑性が向上することが分かる。
(実施例3)
実施例2で研磨工程を行った後、研磨工程の際にガラス基板を固定していた吸着パッドからのガラス基板の剥がし易さについて評価を行った。
実施例2で研磨工程を行った後、研磨工程の際にガラス基板を固定していた吸着パッドからのガラス基板の剥がし易さについて評価を行った。
実施例1、2においては、図6に示すように吸着パッド60に2枚のガラス基板61を固定し、研磨装置に供給している。研磨工程終了後、吸着パッド60からガラス基板61を剥離するために、図6に矢印62で示すように、各ガラス基板61の両辺(図1の矢印Xで示す方向に対して平行する辺)の外側から、吸着パッド60とガラス基板61との境界部に向けて圧縮空気と水との混合物を吹き込み、吸着パッド60からガラス基板61を剥離させている。このため、図6の符号63で示すように、圧縮空気と水との混合物を吹き込んでいない2辺に剥離しない部分が残ることがある。
そこで、本実施例では空気と水との混合物を一定時間吹き込んだ後、吸着パッド60から剥離せずに吸着しているガラス基板61の未剥がし幅の長さによって、ガラス基板の剥離性能の評価を行った。具体的には、ガラス基板61の研磨対象面と反対側の面における吸着パッドから剥離していない辺の長さ64を測定し評価を行った。辺の長さ64が長いほど剥がしにくいことを示しており、ガラス基板が吸着パッドから剥がしにくい場合、剥離に要する時間が長くなる、或いは、ガラス基板が破損する虞がある。
また、吸着パッドは繰り返し使用した場合、ガラス基板が剥がしにくくなる傾向があることから、吸着パッドの(累積)使用時間ごとに分けて評価を行った。
実験の条件としては、実施例2で研磨工程を終えたガラス基板について、まず、空気と水との混合物を0.1〜0.3Mpaの圧力で、ガラス基板の両辺からガラス基板の中央部に向けて、約1分間吹き込んだ。次いで、ガラス基板のうちテーブル送り方向先頭部に残った未剥がし幅(図6中の符号64部分の長さ)を測定した。また、比較例として、25℃の研磨液によって研磨を行ったものについても同様にして評価を行った。
結果を図7に示す。図中横軸は吸着パッドの(累積)使用時間を示しており、縦軸は未剥がし幅を示している。
これによれば、吸着パッドの使用時間によらず、いずれの場合も研磨工程における、研磨液供給温度が15℃のものの方が、比較例である研磨液供給温度が25℃の場合よりも未剥がし幅が小さいことが分かる。つまり、研磨工程における研磨液の温度を低くした方が、研磨工程終了後、吸着パッドからガラス基板を容易に剥離することができ、剥離に要する時間が少なくて済むことが分かる。
これによれば、吸着パッドの使用時間によらず、いずれの場合も研磨工程における、研磨液供給温度が15℃のものの方が、比較例である研磨液供給温度が25℃の場合よりも未剥がし幅が小さいことが分かる。つまり、研磨工程における研磨液の温度を低くした方が、研磨工程終了後、吸着パッドからガラス基板を容易に剥離することができ、剥離に要する時間が少なくて済むことが分かる。
(実施例4)
本実施例では、吸着パッドの劣化と研磨工程での研磨液(酸化セリウムスラリー)供給温度の関係を調べる検討を行った。
本実施例では、吸着パッドの劣化と研磨工程での研磨液(酸化セリウムスラリー)供給温度の関係を調べる検討を行った。
吸着パッドは、劣化により目視で確認できる程度の孔が開くまでは繰り返し使用することが可能である。そこで、実施例2と同じ条件で研磨工程を繰り返し行い、その際に吸着パッドを繰り返し使用して目視できる孔ができるまでの時間を記録した。
また、比較例として、研磨液供給温度を25℃とした場合についても同様に行った。
また、比較例として、研磨液供給温度を25℃とした場合についても同様に行った。
図8に研磨液の供給温度毎の、吸着パッドに孔ができるまでの(累積)使用時間の分布を示す。比較例である研磨液供給温度が25℃の場合、吸着パッドに孔ができるまでの平均使用時間は112時間であった。これに対して、実施例である研磨液の供給温度が15℃の場合は、平均使用時間は207.2時間であり、研磨液供給温度が低い場合の方が吸着パッドの耐久性が高くなっていることが分かる。また、実施例である研磨液供給温度が15℃の場合の方が、比較例である25℃の場合よりも使用時間が多い範囲に分布していることが分かる。つまり、このことから研磨液供給温度を15℃にしたものの方が、吸着パッドの耐久性が高くなっているといえる。
本実施例で確認された効果は、実施例3で示したように、研磨液供給温度が低いとガラス基板の剥離性能が高くなるため、使用時に吸着パッドに与える損傷が低減されるため得られたものと考えられる。
実施例1〜4の結果から、研磨液供給温度を所定の範囲内にすることによって、研磨レート、及び、得られるガラス基板の平滑性の向上だけではなく、研磨工程終了後のガラス基板の剥離性能、吸着パッドの耐久性も向上させることが可能であることが分かる。
本実施形態によれば、従来方法と比較して研磨レートが高く、短時間で平滑性の高いガラス基板を得ることが可能なガラス基板の研磨方法を提供することができる。また、研磨工程時にガラス基板を固定している吸着パッドからガラス基板を剥離し易くなり生産性を向上させることができる。そして、吸着パッドを繰り返し使用できる回数が増えるため、経済性も高めることも可能となる。
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について詳述したが、本発明は上記した特定の実施形態及び実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能なものである。
本国際出願は2012年4月10日に出願された日本国特許出願2012−089279号に基づく優先権を主張するものであり、その全内容をここに援用する。
Claims (6)
- ガラス基板と研磨パッドとの間に研磨液を供給してガラス基板を研磨するガラス基板の研磨方法であって、
前記研磨液が酸化セリウムスラリーであり、前記ガラス基板と前記研磨パッドとの間に供給する際、前記研磨液の温度が20℃以下であるガラス基板の研磨方法。 - 前記研磨パッドの温度が10℃以上60℃以下におけるショア硬度(Dスケール)が25以上70以下である請求項1に記載のガラス基板の研磨方法。
- 前記研磨液が、0.84重量%以上8.9重量%以下の酸化セリウムを含有する請求項1または2に記載のガラス基板の研磨方法。
- 前記ガラス基板と前記研磨パッドとの間に供給する際、前記研磨液の温度が15℃以下である請求項1に記載のガラス基板の研磨方法。
- 前記ガラス基板と前記研磨パッドとの間に供給する際、前記研磨液の温度が20℃以下となるように冷却する請求項1に記載のガラス基板の研磨方法。
- 前記ガラス基板と前記研磨パッドとの間に供給した前記研磨液を循環して使用し、当該研磨液から研磨工程で析出した成分及び研磨パッドの欠片を除去するとともに、当該研磨液を再度冷却してから、前記ガラス基板と前記研磨パッドとの間に供給する請求項1に記載のガラス基板の研磨方法。
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