JPWO2013153741A1 - スピーカーユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】 機械的共振尖鋭度を低下させ最低共振周波数付近における発振を抑制して音質の向上を図る。【解決手段】 磁力を発生するマグネットと、磁力を作用させる磁気ギャップと、少なくとも一部がマグネットに対向して位置され、マグネットの磁力を磁気ギャップに導く磁気回路を形成するヨークと、筒状に形成されマグネットとヨークに対して軸方向へ変動可能にされたコイルボビンと、コイルボビンに巻き付けられ少なくとも一部が磁気ギャップに配置されたコイルと、コイルボビンの変動に伴って振動されるコーンと、コーンを略中央に保持するエッジと、エッジ及びヨークをそれぞれ固定するフレームとを備え、磁気ギャップに磁性流体が注入され、磁性流体の粘度が所定以上の値にされて機械的共振尖鋭度が1.0以下にされ、電流駆動によって電流に比例した音声の出力が行われる。【選択図】 図3

Description

本技術はスピーカーユニットについての技術分野に関する。詳しくは、電流駆動によって動作されるスピーカーユニットにおいて機械的共振尖鋭度を低下させ最低共振周波数付近における発振を抑制して音質の向上を図る技術分野に関する。
スピーカーユニットには、例えば、マグネットとヨークとコイル(ボイスコイル)によって構成された磁気回路を有し、コイルが巻き付けられたコイルボビンが軸方向へ変動(振動)されて音声の出力が行われる所謂ダイナミック型のスピーカーユニットがある。
このようなスピーカーユニットには、電圧駆動によって動作されるタイプがあるが、スピーカーユニットに対する駆動力は電流に比例するため、電圧駆動によるスピーカーユニットの場合には、各種の状況において電圧と駆動力の間の線形性が崩れ、スピーカーユニットから出力される音声の音質の低下を来たすおそれがある。
例えば、電圧駆動タイプのスピーカーユニットにおいては、周波数領域が高くなるに従ってコイルに電流が流れ難くなるため、高周波領域において出力が低下してしまう。
一方、電流によって駆動するアンプが存在するが、このアンプによって電圧駆動を前提としたスピーカーユニットを動作させると、コイルの発電による電磁ブレーキがキャンセルされるため、最低共振周波数付近においてバネ振動による大きな発振が生じ、音質の低下を来たしてしまう。
そこで、スピーカーユニットには、背圧に空気抵抗を付加する抵抗付加用の不織紙等のシートを貼り付けて最低共振周波数付近における発振を抑制するようにしたものがある。
しかしながら、このようなスピーカーユニットにおいては、シートによる部品点数の増加によって製造コストの高騰やシートの貼付と言う作業工程の増加の他に外観の悪化という問題が生じてしまう。また、シートの剥がれが生じると、発振の抑制機能が低下してしまう。
このような観点から、マグネットとヨークの間に形成された磁気ギャップに適度の制動を与える粘度を有する磁性流体を注入したスピーカーユニットがある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特開昭57−208794号公報 特開昭58−46798号公報
ところが、特許文献1及び特許文献2に記載されたスピーカーユニットにあっては、磁気ギャップに適度の制動を与える粘度を有する磁性流体が注入されることにより、発振を低下させることが可能であるが、ダンパーやエッジの弾性の強さ、コーンの重さ、磁性流体の粘度の値によっては音質の向上を図ることができる程度の十分な発振の抑制効果が発揮されない。
例えば、磁性流体を用いた場合においても、振動の収束の程度を示す指標である尖鋭度(機械的共振尖鋭度や綜合共振尖鋭度)が十分に小さくならないと、最低共振周波数付近における発振を十分に抑制することができない。
そこで、本技術スピーカーユニットは、上記した問題点を克服し、機械的共振尖鋭度を低下させ最低共振周波数付近における発振を抑制して音質の向上を図ることを課題とする。
第1に、スピーカーユニットは、上記した課題を解決するために、磁力を発生するマグネットと、磁力を作用させる磁気ギャップと、少なくとも一部が前記マグネットに対向して位置され、マグネットの磁力を前記磁気ギャップに導く磁気回路を形成するヨークと、筒状に形成され前記マグネットと前記ヨークに対して軸方向へ変動可能にされたコイルボビンと、前記コイルボビンに巻き付けられ少なくとも一部が前記磁気ギャップに配置されたコイルと、前記コイルボビンの変動に伴って振動されるコーンと、前記コーンを略中央に保持するエッジと、前記エッジ及び前記ヨークをそれぞれ固定するフレームとを備え、前記磁気ギャップに磁性流体が注入され、前記磁性流体の粘度が所定以上の値にされて機械的共振尖鋭度が1.0以下にされ、電流駆動によって電流に比例した音声の出力が行われるものである。
従って、スピーカーユニットにあっては、最低共振周波数付近における発振が抑制される。
第2に、上記したスピーカーユニットにおいては、全帯域用のフルレンジ又は低域用のウーファーとして用いられることが望ましい。
全帯域用のフルレンジ又は低域用のウーファーとして用いられることにより、スピーカーユニットの再生帯域に最低共振周波数が必ず含まれる。
第3に、上記したスピーカーユニットにおいては、機械的共振尖鋭度が0.5以上0.6以下にされることが望ましい。
機械的共振尖鋭度が0.5以上0.6以下にされることにより、低域の良好な出力状態を確保した上で最低共振周波数における発振が抑制される。
第4に、上記したスピーカーユニットにおいては、フレームと前記コイルボビンの間で連結された弾性を有するダンパーが設けられることが望ましい。
フレームとコイルボビンの間で連結された弾性を有するダンパーが設けられることにより、ダンパーによってコイルボビンの軸方向における過度の変動が抑制される。
第5に、上記したスピーカーユニットにおいては、前記磁性流体として合成エステルに酸化鉄が含有された材料が用いられることが望ましい。
磁性流体として合成エステルに酸化鉄が含有された材料が用いられることにより、機械的共振尖鋭度を低下させる材料として好適な材料が磁性流体として用いられる。
本技術スピーカーユニットは、磁力を発生するマグネットと、磁力を作用させる磁気ギャップと、少なくとも一部が前記マグネットに対向して位置され、マグネットの磁力を前記磁気ギャップに導く磁気回路を形成するヨークと、筒状に形成され前記マグネットと前記ヨークに対して軸方向へ変動可能にされたコイルボビンと、前記コイルボビンに巻き付けられ少なくとも一部が前記磁気ギャップに配置されたコイルと、前記コイルボビンの変動に伴って振動されるコーンと、前記コーンを略中央に保持するエッジと、前記エッジ及び前記ヨークをそれぞれ固定するフレームとを備え、前記磁気ギャップに磁性流体が注入され、前記磁性流体の粘度が所定以上の値にされて機械的共振尖鋭度が1.0以下にされ、電流駆動によって電流に比例した音声の出力が行われる。
従って、最低共振周波数付近における発振を十分に抑制することが可能になり、音質の向上を図ることができる。
請求項2に記載した技術にあっては、全帯域用のフルレンジ又は低域用のウーファーとして用いられている。
従って、スピーカーユニットの再生帯域に最低共振周波数が必ず含まれ、この最低共振周波数における発振を確実に抑制して、低域における音質の向上を図ることができる。
請求項3に記載した技術にあっては、前記機械的共振尖鋭度が0.5以上0.6以下にされている。
従って、低域の良好な出力状態を確保した上で最低共振周波数における発振を十分に抑制して音質の一層の向上を図ることができる。
請求項4に記載した技術にあっては、フレームと前記コイルボビンの間で連結された弾性を有するダンパーとが設けられている。
従って、再生域における高い出力を確保することができる。
請求項5に記載した技術にあっては、前記磁性流体として合成エステルに酸化鉄が含有された材料が用いられている。
従って、スピーカーユニットの製造コストの高騰を来たすことなく音質の向上を図ることができる。
図2乃至図6と共に本技術の実施の形態を示すものであり、本図は、スピーカーシステムのブロック図である。 スピーカーユニットの側面図である。 スピーカーユニットの断面図である。 磁性流体の磁気ギャップへの注入状態を示す拡大断面図である。 スピーカーユニットの総合共振尖鋭度による低域の再生特性を示すグラフ図である。 変形例に係るスピーカーユニットの断面図である。
以下に、本技術スピーカーユニットを実施するための最良の形態を添付図面に従って説明する。
以下の説明においては、スピーカーユニットが向く方向を前方として上下前後左右の方向を示す。
尚、以下に示す上下前後左右の方向は、説明の便宜上示すものであり、本技術はこれらの方向に限定して適用されることはない。
[全体構成]
先ず、スピーカーユニットが用いられるスピーカーシステムの全体構成について説明する(図1参照)。
スピーカーシステム100は、例えば、デジタルミュージックプレーヤー(DMP)やディスクプレーヤー等の音声信号出力部101と音声信号出力部101から出力される音声信号を電流駆動によって増幅するアンプ102と音声を出力するスピーカー103とを有している。アンプ102には音量調節のためのボリュームが内蔵されていてもよい。
音声信号出力部101から出力される音声信号はアナログ信号であり、アンプ102によって増幅されてスピーカー103から音声として出力される。スピーカー103においては電流駆動によって電流に比例した音声の出力が行われる。
スピーカー103はエンクロージャー(筐体)とスピーカーユニット1によって構成されている。尚、エンクロージャーとしては密閉型、バスレフ型、バックロードホーン型、音響パイプ型等の各種のタイプが用いられる。
[スピーカーユニットの具体的構成]
スピーカーユニット1はフレーム2の内外に所要の各部が配置されて成る(図2及び図3参照)。
フレーム2は、略円環状に形成された先端側周状部3と、先端側周状部3の後方に位置され略円環状に形成された基端側周状部4と、先端側周状部3と基端側周状部4を連結する連結脚部5、5、・・・とを有している。
基端側周状部4の径は先端側周状部3の径より小さくされ、連結脚部5、5、・・・は前方へ行くに従って外方へ変位するように傾斜されている。先端側周状部3の前側の開口は、前方、即ち、音声の出力方向に開口された開口部3aとして形成されている。
連結脚部5にはターミナル6が取り付けられている。ターミナル6はアンプ102との接続が行われる端子部として設けられている。
フレーム2の後端側にはヨーク7が配置されている。ヨーク7はフレーム2の後端部に固定され、前端部を除いてフレーム2から後方へ突出されている。
ヨーク7は略円板状のベース面部8とベース面部8の外周部から前方へ突出された略円筒状の挿入配置部9とベース面部8の中心部から後方へ突出された突部10とが一体に形成されて成る。ヨーク7にはベース面部8と突部10を貫通する貫通孔7aが形成されている。
ベース面部8の外周部には周方向に離隔して孔8a、8a、・・・が形成されている。
ヨーク7の内側には前側から順に第1のプレート11、マグネット12及び第2のプレート13が互いに接した状態で固定されて配置されている。第1のプレート11、マグネット12及び第2のプレート13は何れも、例えば、円環状に形成されている。第2のプレート13の後面はヨーク7におけるベース面部8の前面に固定されている。
ヨーク7の中心軸と第1のプレート11、マグネット12及び第2のプレート13の各中心軸とは一致されている。挿入配置部9の内周面と第1のプレート11、マグネット12及び第2のプレート13の外周面との間の空間は、後述するコイルにマグネット12から発生する磁力を作用させる磁気ギャップ14として形成されている。
フレーム2の内部には円筒状のコイルボビン15が配置され、コイルボビン15は後端部が磁気ギャップ14に位置されている。コイルボビン15はヨーク7、第1のプレート11、マグネット12及び第2のプレート13に対して軸方向(前後方向)へ変動可能(移動可能)とされている。
コイルボビン15の後端部における外周面にはコイル(ボイスコイル)16が巻き付けられている。コイル16は両側の端部が巻き付けられた部分から導出されてターミナル6に接続されている。コイル16は磁気ギャップ14に位置されている。
コイル16が磁気ギャップ14に位置されることにより、第1のプレート11、マグネット12、第2のプレート13、ヨーク7及びコイル16によって磁気回路が構成される。
第1のプレート11とヨーク7における挿入配置部9の前端部との間には磁性流体17が注入されている(図3及び図4参照)。磁性流体17は第1のプレート11と挿入配置部9の前端部との間で滞留される。
磁性流体17としては、例えば、合成エステルに酸化鉄が含有された材料が用いられ、粘度が高くされたコロイド状にされている。尚、磁性流体17は合成エステルに酸化鉄が含有された材料に限られることはなく、磁性流体17として他の材料が用いられてもよい。
但し、磁性流体17としては、スピーカーユニット1の駆動時における振動に伴って飛散されず、使用時の温度等によって固化されず、高い耐熱性と高い磁束密度を有する材料が用いられることが望ましい。このような観点においては、上記した合成エステルに酸化鉄が含有された材料は、磁性流体17として用いられる材料として好適な材料である。
コイルボビン15の前端部にはコーン18が取り付けられている。コーン18はコイルボビン15の軸方向における変動に伴って変動(振動)される。
コイルボビン15の前端部とフレーム2の先端側周状部3との間には環状に形成されたエッジ19が連結されている。エッジ19はコーン18を略中央に保持すると共にコイルボビン15の軸方向における変動に伴って変動(振動)される。
上記したように、スピーカーユニット1には磁性流体17が注入され、磁性流体17がコイルボビン15をセンターリングする機能を有している。従って、スピーカーユニット1にはダンパーが設けられていなくてもよい。
スピーカーユニット1にダンパーが設けられていないことにより、その分、部品点数が削減され、スピーカーユニット1の製造コストの低減を図ることができる。
[スピーカーユニットの動作]
上記のように構成されたスピーカーユニット1において、コイル16に駆動電流が供給されると、磁気回路において推力が発生されコイルボビン15が前後方向(軸方向)へ変動されコイルボビン15の変動に伴ってコーン18とエッジ19が振動する。このとき電流に比例した音声の出力、即ち、音声信号出力部101から出力されアンプ102によって増幅された音声の出力が行われる。
[尖鋭度]
スピーカーユニット1においては、上記したように、磁性流体17の粘度が高くされており、機械的共振尖鋭度Qmsが1.0以下にされている。機械的共振尖鋭度Qmsは電気的共振尖鋭度Qesや総合共振尖鋭度Qtsとともに振動の収束の程度を示す指標であり、値が小さいほど最低共振周波数F0付近における発振が低減される。
総合共振尖鋭度Qtsは、
Qts=(Qms×Qes)/(Qms+Qes)
によって示される。
図5は、スピーカーユニットの総合共振尖鋭度Qtsによる低域の再生特性を示すグラフ図である。
図5に示すように、総合共振尖鋭度Qtsの値が大きいほど最低共振周波数F0(約500Hz)のピークが大きくなり発振が生じ易くなる。逆に、総合共振尖鋭度Qtsの値が小さいほど最低共振周波数F0のピークが小さくなり発振が生じ難くなるが、再生能力が低下する。従って、最低共振周波数F0付近における共振のピークを低下させると共に良好な再生能力を確保するためのバランスが必要である。
最低共振周波数F0が再生帯域に存在する全帯域用のフルレンジ又は低域用のウーファー等の電圧駆動用のスピーカーユニットにおいて、粘度の高い磁性流体を使用すると、電気的共振尖鋭度Qesで表されるコイル(コイルボビン)の速度に比例して発生する電磁ブレーキの作用により、スピーカーユニットの総合共振尖鋭度Qtsが小さくなり過ぎて低音の再生能力が低下してしまう。
従って、最低共振周波数F0が再生帯域に存在するフルレンジ又はウーファー等の電圧駆動用のスピーカーユニットにおいては、一般に、磁性流体の粘度を小さくして機械的共振尖鋭度Qmsが小さくならないように調整される。
しかしながら、スピーカーユニット1においては、電流駆動によって動作されるためコイル(コイルボビン)の速度に比例して発生する電磁ブレーキの作用がキャンセルされ、電気的共振尖鋭度Qesが非常に大きな値になる。従って、電気的共振尖鋭度Qesは機械的共振尖鋭度Qmsに対して極めて大きな値になり、
総合共振尖鋭度Qtsは、
Qts=(Qms×Qes)/(Qms+Qes)=(Qms)/(Qms/Qes+1)
からQms/Qesが略0になるため、総合共振尖鋭度Qtsは機械的共振尖鋭度Qmsに略等しくなる。
従って、電流駆動によって動作されるスピーカーユニット1にあっては、総合共振尖鋭度Qtsにおいて電気的共振尖鋭度Qesを無視することが可能になり、総合共振尖鋭度Qtsが機械的共振尖鋭度Qmsのみによって定まる値になる。
そこで、スピーカーユニット1にあっては、上記したように、磁性流体17の粘度を高くして機械的共振尖鋭度Qmsを1.0以下の値になるようにして適切に調整し、総合共振尖鋭度Qtsをコントロールし、低域の良好な再生特性を確保した上で最低共振周波数F0付近における発振を十分に抑制することができる。
尚、スピーカーユニット1においては、機械的共振尖鋭度Qmsが0.5以上0.6以下にされることがより望ましい。
機械的共振尖鋭度Qmsが0.5以上0.6以下にされることにより、低域の良好な出力状態を確保した上で最低共振周波数F0における発振を十分に抑制して音質の一層の向上を図ることができる。
[スピーカーユニットの変形例]
以下に、変形例に係るスピーカーユニット1Aについて説明する(図6参照)。
尚、以下に示すスピーカーユニット1Aは、上記したスピーカーユニット1と比較して、ダンパーが配置されていることのみが相違する。従って、以下のスピーカーユニット1Aについての説明においては、スピーカーユニット1と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分についてはスピーカーユニット1における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明を省略する。
スピーカーユニット1Aには、コイルボビン15の軸方向における中間部にダンパー20が取り付けられている。ダンパー20は薄い略円環状に形成されて弾性変形可能とされ、内周部がコイルボビン15の外周面に取り付けられ、外周部がフレーム2に取り付けられている。ダンパー20はコイル16に駆動電流が供給されコイルボビン15が軸方向へ変動されたときに弾性変形され、コイルボビン15の軸方向における過度の変動を抑制する機能を有している。
スピーカーユニット1Aのようにダンパー20が設けられる場合には、バネ振動が大きくなり易いため磁性流体17の粘度を調整して最低共振周波数F0付近における発振を十分に抑制する必要があるが、再生域における高い出力を確保することが可能になる。
[まとめ]
以上に記載した通り、スピーカーユニット1、1Aにあっては、磁気ギャップ14に磁性流体17が注入され、磁性流体17の粘度が所定以上の値にされて機械的共振尖鋭度Qmsが1.0以下にされている。
従って、最低共振周波数F0付近における発振を十分に抑制することが可能になり、音質の向上を図ることができる。
また、スピーカーユニット1、1Aを全帯域用のフルレンジ又は低域用のウーファーとして用いることにより、スピーカーユニット1、1Aの再生帯域に最低共振周波数F0が必ず含まれ、この最低共振周波数F0における発振を確実に抑制して、低域における音質の向上を図ることができる。
さらに、磁性流体17として合成エステルに酸化鉄が含有された材料が用いらることにより、この材料が機械的共振尖鋭度Qmsを低下させる材料として好適であり粘度の調整も比較的容易であるため、スピーカーユニット1、1Aの製造コストの高騰を来たすことなく音質の向上を図ることができる。
[本技術]
本技術は、以下のような構成にすることができる。
(1)磁力を発生するマグネットと、磁力を作用させる磁気ギャップと、少なくとも一部が前記マグネットに対向して位置され、マグネットの磁力を前記磁気ギャップに導く磁気回路を形成するヨークと、筒状に形成され前記マグネットと前記ヨークに対して軸方向へ変動可能にされたコイルボビンと、前記コイルボビンに巻き付けられ少なくとも一部が前記磁気ギャップに配置されたコイルと、前記コイルボビンの変動に伴って振動されるコーンと、前記コーンを略中央に保持するエッジと、前記エッジ及び前記ヨークをそれぞれ固定するフレームとを備え、前記磁気ギャップに磁性流体が注入され、前記磁性流体の粘度が所定以上の値にされて機械的共振尖鋭度が1.0以下にされ、電流駆動によって電流に比例した音声の出力が行われるスピーカーユニット。
(2)全帯域用のフルレンジ又は低域用のウーファーとして用いられた前記(1)に記載のスピーカーユニット。
(3)前記機械的共振尖鋭度が0.5以上0.6以下にされた前記(1)又は前記(2)に記載のスピーカーユニット。
(4)フレームと前記コイルボビンの間で連結された弾性を有するダンパーとが設けられた前記(1)から前記(3)の何れかに記載のスピーカーユニット。
(5)前記磁性流体として合成エステルに酸化鉄が含有された材料が用いられた前記(1)から前記(4)の何れかに記載のスピーカーユニット。
上記した最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本技術を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本技術の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
1…スピーカーユニット、2…フレーム、7…ヨーク、12…マグネット、14…磁気ギャップ、15…コイルボビン、16…コイル、17…磁性流体、18…コーン、1A…スピーカーユニット、20…ダンパー

Claims (5)

  1. 磁力を発生するマグネットと、
    磁力を作用させる磁気ギャップと、
    少なくとも一部が前記マグネットに対向して位置され、マグネットの磁力を前記磁気ギャップに導く磁気回路を形成するヨークと、
    筒状に形成され前記マグネットと前記ヨークに対して軸方向へ変動可能にされたコイルボビンと、
    前記コイルボビンに巻き付けられ少なくとも一部が前記磁気ギャップに配置されたコイルと、
    前記コイルボビンの変動に伴って振動されるコーンと、
    前記コーンを略中央に保持するエッジと、
    前記エッジ及び前記ヨークをそれぞれ固定するフレームとを備え、
    前記磁気ギャップに磁性流体が注入され、
    前記磁性流体の粘度が所定以上の値にされて機械的共振尖鋭度が1.0以下にされ、
    電流駆動によって電流に比例した音声の出力が行われる
    スピーカーユニット。
  2. 全帯域用のフルレンジ又は低域用のウーファーとして用いられた
    請求項1に記載のスピーカーユニット。
  3. 前記機械的共振尖鋭度が0.5以上0.6以下にされた
    請求項1に記載のスピーカーユニット。
  4. フレームと前記コイルボビンの間で連結された弾性を有するダンパーが設けられた
    請求項1に記載のスピーカーユニット。
  5. 前記磁性流体として合成エステルに酸化鉄が含有された材料が用いられた
    請求項1に記載のスピーカーユニット。
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